154: ◆UCaKi7reYU 2013/09/29(日) 21:33:43.46 ID:1rKQFK7V0



モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」シリーズです


前回はコチラ


挨拶もそこそこに新イベントを始めます!

155: 2013/09/29(日) 21:34:45.93 ID:1rKQFK7V0
幾度かの事件を経て、今年も季節は巡りに巡って秋。

人によっては食欲の秋だとか、スポーツの秋だとか、読書の秋だとか色々言うけれど。

ある地域に住んでいる学生一同に関して言えば、また別の言い方もある。

即ち……祭りの秋………「学園祭」である。

ただし、ここで言うところの学園祭は少し意味が異なる。

通常、学園祭や文化祭というのはその学校の生徒一同が四苦八苦しながら出し物を用意したりするものであるのだが……

ここで言う学園祭とは周辺の小中高更には大学まで巻き込み、その上一般からも参加可能というイロモノ行事。



―――いつの日からか「秋炎絢爛祭」等と呼ばれるようになった、超大型行事が間近に迫っていた。



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それは、なんでもないようなとある日のこと。
その日、とある遺跡から謎の石が発掘されました。
時を同じくしてはるか昔に封印された邪悪なる意思が解放されてしまいました。

~中略~

「アイドルマスターシンデレラガールズ」を元ネタにしたシェアワールドです。
・ざっくり言えば『超能力使えたり人間じゃなかったりしたら』の参加型スレ。




156: 2013/09/29(日) 21:35:30.83 ID:1rKQFK7V0
―――アンティークショップ「ヘルメス」

「……まぁ、これでいいでしょう」

店の奥、錬金術の工房に閉じこもっていた雪乃は深く息を吐くとゆっくりと体を伸ばす。

その彼女の周りには作成されたばかりの魔道具―――とは言っても主に一般生活向けに作られた物だが―――が所狭しと並べてあった。

「簡単なものとは言え、さすがにこの量は疲れますわね…あら、いつの間にか切らしてしまいましたか」

喉を潤そうとそばに置いてあったティーポットを手に取るが軽く、中を見てみればなみなみと入っていた紅茶が底をついていた。

「…仕方ありませんか、朝からずっと作り続けていましたものね」

窓から差し込む光はオレンジ色で、時刻が夕方であると雄弁に語っていた。

そもそも、なぜ彼女がそこまでして大量に一般向けの魔道具……言い換えるなら魔導雑貨を量産しているのか。

その答えは、今回の秋炎絢爛祭……正確にはその開催地にあった。

「ふふ、学院からの頼みとは言え少し気合を入れすぎましたわね」

―――『京華学院』

それが、今回の祭りのメイン会場であり、同時に雪乃の大学時代の母校でもあり、さらに言えば国内最大規模の教育機関でもある。

その学院から直々に、今回の絢爛祭で店を出してみる気はないかと誘われたのだった。

そしてその誘いを二つ返事で受けたからこそ、雪乃は今現在工房に引きこもる生活をしているのであった。

「ふふ、私もまだまだですわね…この季節になるといつも胸が高鳴ってしまいます」

そうして、もはや板に付いてきた経営者としての顔と錬金術師としての顔、その両方を満遍なく出すために雪乃は紅茶を飲みに行くのであった。


157: 2013/09/29(日) 21:36:09.64 ID:1rKQFK7V0
―――同時刻、榊原邸、さとみんルーム。

「ほえぇ……疲れましたぁ…」

『!』

上品な、それでいて可愛らしくまとまった自室のベッドで寝転んでいるのは榊原里美。

その横に備え付けられている机で伸びているのはくとさん。

一人と一匹はそれぞれくてーっと力を抜いてリラックスしていた。

『てけり、り!』

「あー!隊長さんありがと~です~」

と、そこに黒いタール的な物体が奇怪な声を上げながら入ってきた。

その上には紅茶セット一式、ご丁寧な事にくとさん用のカップまであった。

『てけりてけり!』

『てけりー!』

『てけりりり』

「あ、しょーさんとごーくんとすーちゃんも一緒ですね~」

さらに続いて、同じような物体で緑っぽいのと青っぽいのと赤っぽいのがわいわいと部屋に詰めかけてくる。

158: 2013/09/29(日) 21:37:02.62 ID:1rKQFK7V0
―――なぜ名家たる榊原家の邸内にこんな奇怪な生物がいるのかは、実は里美のちょっとした探検と勘違いの結果であるのだがそれはまた別の話である。


と、それぞれがそれぞれ自らの体の上にスコーンやらパンケーキやらを乗せて詰めかけてくるため、夕食前に軽く食べることになった。

「ほえぇ……それにしても……やっぱり見つかりませんねぇ…」

と、ここで里美が困ったように呟く。

『×』

くとさんもその呟きを聞き逃さずに反応し、若干うなだれてしまう。

今現在、彼女たちが抱える問題がひとつあるのだった。

それは、出来ることならとにかく早く解決したい事でもあり、






「……どこに消えてしまったんでしょうかぁ………『屍食教典儀』…」

旧き魔道書の中でも数多くの血塗られた経緯を持つ、一冊の魔道書の行方についてであった…





『てけり、り!』
(約:そんなことより里美様のペットに、いやむしろベッドになりたい)

『!!?』

「ほぇ?くとさんどうかしましたかぁ?」

………ただし、本人達はイマイチどの位重要なことか分かっているのか不明なのだが。

159: 2013/09/29(日) 21:38:31.01 ID:1rKQFK7V0
―――さらに同じ頃、某中学校。

「……ここに来るのも久しぶりに感じますねぇ」

中学の制服に身を包み、小道具や台本とメモにライトノベル等などが雑多に散らばった大きな机の隅に座って足をぶらぶらさせているのは日菜子であった。

「あ…これは去年のコンクールでやった台本じゃないですかぁ……むふふ、あの時は大変でしたよ?」

そばにあった台本をひとつ手に取り、パラパラと流し読みにする。

注釈や修正、動きのメモに時には落書きまで書き込まれている台本は所々が切れていたり皺皺になっていたりしているが、懐かしむように日菜子は読み進める。

「……むふふ、わかりましたぁ?これ、結構弄ってますけど元々は「白雪姫」なんですよぉ♪」

夕日が差し込む「演劇部」の部室の中で、確かに一人しか居ないはずなのに相変わらず誰かと話している様子の日菜子。

「……それにしても、困りましたねぇ」

パタンと台本を畳んで横に置き、彼女にしては珍しく少し困った表情を浮かべる。

「…まさか、少しいないうちに皆いなくなってしまうとは思いませんでしたぁ…」

一人、部室でポツリと呟く。

160: 2013/09/29(日) 21:39:26.01 ID:1rKQFK7V0











―――そう、「一人」なのだ。

他の部活が活動真っ只中の時間帯で、一人。








―――つまり、演劇部の部員は、日菜子ただ一人という事である。

………その日菜子にしても、実は手芸部と二足の草鞋を履いているのだが気にしてはいけない。






161: 2013/09/29(日) 21:40:56.51 ID:1rKQFK7V0
「どうしましょうかぁ……」

病欠+夏休みを終えて久しぶりに登校してきたらこれである。

「まぁ、今年になってから殆ど活動してなかったのが原因だとは思いますけど……ちょっと先輩方には申し訳ないですねぇ」

日菜子自身としては、演劇部はそこそこ気に入っていた。

それに、部の先輩方には良くしてもらっていたのでなんとか再興したいとも思う。

となると、やることは……

「部員集め、ですよねぇ……王子様、何か良い案ないですかぁ?」

「………あぁ、やっぱり、こればっかりは地道に探すしかないですよねぇ…とりあえず、元居た人たちには声をかけてみましょうかぁ………それと」

「募集のポスターと……ゲストの募集ですねぇ。この際他の学校の人でも探してみましょうかぁ?」

先ほど作ったばかりの手作りポスターを眺めながら、日菜子はゆったりとひとり時間を過ごしていた。

「……ただ、今回も騒がしくなりそうですねぇ……むふふ♪」

そう、結局彼女はこんな状況でも楽しんでいるのであった……

162: 2013/09/29(日) 21:41:48.58 ID:1rKQFK7V0








―――良しも、悪しも、聖なる者も、魔たる者も、人ならざる存在も問わずに、今年も祭りが始まろうとしていた。

街は活気にあふれ、同時に様々な噂が流れ始める。






163: 2013/09/29(日) 21:42:24.48 ID:1rKQFK7V0



―――曰く、この街には亡霊が現れる。

―――曰く、最近昆虫や動物に似た機械生命体が現れるようになった。

―――曰く、夜な夜な恐竜のような影が現れる。

―――曰く、ルナール社が密かに追っている物がある。

―――曰く、森と化した街の跡地から時折人影が見える。

―――曰く、塩水を浴びる人がいるらしい。

―――曰く、京華学院には『魔獣』が住んでいる。

―――曰く、最近小さくて珍妙な生物を見かけるようになった。






―――曰く、今年の祭りも、騒がしくなりそうだ。

164: 2013/09/29(日) 21:44:00.06 ID:1rKQFK7V0
イベント情報
・イベント「秋炎絢爛祭」が開始されました!
・現在は「祭りの準備期間」となっております。
・それに合わせて街中・市内中が騒がしくなるとともに様々な噂が飛び交い始めました!
・日菜子が部員募集中です。他校の生徒でも大丈夫なようで、街中の掲示板に張り紙を貼っています。

165: 2013/09/29(日) 21:45:11.76 ID:1rKQFK7V0

投下終了、あんまり書いてもアレなのでさっくり開始してみました!
とうとう始まる学園祭、どうなることやら……伏線も散りばめてしまったという。

という訳で、相変わらずの駄文&いつもながらのおめ汚し失礼しました!

166: 2013/09/29(日) 21:48:35.12 ID:1rKQFK7V0
『秋炎絢爛祭』
複数の小・中・高に果ては大学まで一斉に文化祭・学園祭を始める某市の大型行事。
元々はそれぞれの学校が単独で学園祭や文化祭をしていたが、ある時災害により人口が激減。
同時に学生の数も減ったが、とある市役員の提案により地域再興の目的も兼ねて各学校の生徒を集めてイベントを始めたのがきっかけ。
それ以来、年を追うごとに規模が大きくなり完全に再興を果たした現在でも続いている。
開催地は地域内、ひいては国内でも最大規模を誇る「京華学院」。
他校の生徒同士が交流できる機会である他に、地域交流の目的のために一般の出店も許可されている。
五日間という他に類を見ない開催日数もあり、準備期間も含め期間中は市内のあらゆる場所が慌ただしくなる。

『京華学院』
某市内に存在する国内最大規模の大学院。
五年制の大学院コースはもちろん、四年制の一般大学コース、二年制の短大コース等がある。
更にはその中でも受けれる授業は更に豊富であり、古代エジプトの研究から超高層ビルの設計方法まで学べるとまで噂されている。
また、最近では続々と現れる能力者や歴史の裏に隠れていた種族に関する研究、果ては魔法に関する事まで学べると密かに話題になっている。
余談ではあるが、これに際してアメリカに存在する、主に超常現象に特化したとある大学の協力を取り付けたらしい。
敷地面積に関しては東京ドーム4個分(仮)、裏山まで存在する。

「屍食教典儀」
旧き魔道書の一冊であり、闇に生きる者達が行った背徳的行為に関する記述を残す書物。
その内容は、正常な感性を持つ人間にとっては到底受け入れられるものではなく、まさしく邪悪の一端である。
主に記されている系統は、深淵・瀑布・地殻。

167: 2013/09/29(日) 21:49:21.09 ID:1rKQFK7V0
『秋炎絢爛祭』
複数の小・中・高に果ては大学まで一斉に文化祭・学園祭を始める某市の大型行事。
元々はそれぞれの学校が単独で学園祭や文化祭をしていたが、ある時災害により人口が激減。
同時に学生の数も減ったが、とある市役員の提案により地域再興の目的も兼ねて各学校の生徒を集めてイベントを始めたのがきっかけ。
それ以来、年を追うごとに規模が大きくなり完全に再興を果たした現在でも続いている。
開催地は地域内、ひいては国内でも最大規模を誇る「京華学院」。
他校の生徒同士が交流できる機会である他に、地域交流の目的のために一般の出店も許可されている。
五日間という他に類を見ない開催日数もあり、準備期間も含め期間中は市内のあらゆる場所が慌ただしくなる。

『京華学院』
某市内に存在する国内最大規模の大学院。
五年制の大学院コースはもちろん、四年制の一般大学コース、二年制の短大コース等がある。
更にはその中でも受けれる授業は更に豊富であり、古代エジプトの研究から超高層ビルの設計方法まで学べるとまで噂されている。
また、最近では続々と現れる能力者や歴史の裏に隠れていた種族に関する研究、果ては魔法に関する事まで学べると密かに話題になっている。
余談ではあるが、これに際してアメリカに存在する、主に超常現象に特化したとある大学の協力を取り付けたらしい。
敷地面積に関しては東京ドーム4個分(仮)、裏山まで存在する。

「屍食教典儀」
旧き魔道書の一冊であり、闇に生きる者達が行った背徳的行為に関する記述を残す書物。
その内容は、正常な感性を持つ人間にとっては到底受け入れられるものではなく、まさしく邪悪の一端である。
主に記されている系統は、深淵・瀑布・地殻。

168: 2013/09/29(日) 22:00:56.00 ID:DgXdED3q0
乙です
学園祭イベントキター!
噂がなんだかワクワクするね!!

169: 2013/09/29(日) 22:08:38.98 ID:sbEoghgl0
どうもネクロノミコン=サン(類推)

噂が現実に…?ペルソナ?なんのこったよ(すっとぼけ)


【次回に続く・・・】


引用: モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part7