236: ◆zvY2y1UzWw 2013/10/04(金) 15:07:34.24 ID:sAmCN9eVo

モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」シリーズです


前回はコチラ



日常ネタを投下

237: 2013/10/04(金) 15:08:01.39 ID:sAmCN9eVo
ここはウサミンPの宇宙船の一室。
リンがウサミンPから無断占拠した一室である。
周囲には見るからに怪しい機械がずらずらと並んでいる。

――ひなたん星人お手柄!カピバラ怪人を真っ二つ!

「…どこから撮ってたんだろ?」

リンの手元の地方新聞にはそんな見出しと共に
真っ二つにハンテーンを切り裂く一人の少女がでかでかと写っていた。

「…ハンテーン、どう思う?」

ウィィィ、と駆動音を立ててお掃除ロボットがリンの元に近づく。
お掃除ロボットの上部に付いたパネルから文字が流れてくる。

『テーン!テーン!』(その時、氏にかけてたのにんなこと気にする余裕あるか!)

ごもっともである。


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それは、なんでもないようなとある日のこと。
その日、とある遺跡から謎の石が発掘されました。
時を同じくしてはるか昔に封印された邪悪なる意思が解放されてしまいました。

~中略~

「アイドルマスターシンデレラガールズ」を元ネタにしたシェアワールドです。
・ざっくり言えば『超能力使えたり人間じゃなかったりしたら』の参加型スレ。




238: 2013/10/04(金) 15:08:46.09 ID:sAmCN9eVo
「…だよね、…あれ…?」

機械の影からヒュっと何かが飛び出してくる。
反射的にハンテーンとリンクされたお掃除ロボット、『ハンテンバ』を摘み上げる。
勢いそのままに飛びつく先にあったハンテンバを見失った影は派手にスライディングをかます。

派手にスライディングをかました影はムクリと起き上がるとメガネをクイッと上げて調整し出す。

『…どしがたいな』

「…何これ?」

リンの目の前んはメガネを掛けたまるで小人のような体躯の謎の生き物。

『きょーみぶかいな』

小人はリンが持ち上げたハンテンバに向かって手を伸ばす。

「…なるほど興味深いんだ」

気が合う、私もあなたに興味深々だ。
そっとハンテンバを降ろす。

239: 2013/10/04(金) 15:09:26.29 ID:sAmCN9eVo
『きょーみぶかいな』

小人はハンテンバのモニターをベタベタ触り、あげくひょいと持ち上げる。

「力持ちだね」

小人はしげしげとハンテンバを眺めて一言。

『ろんりてき』

どうやら褒められているらしい。
小人はハンテンバを床に降ろす。

『テーン!』(なんだよこいつ!)

パネルにそんな文字が流れたかと思えば、ハンテンバが猛スピードで逃げだす。

『どしがたいな』

「うん、確かに度し難い」

小人と目が合う。

『ふむ』

「ふむ」

なんだか、仲良く出来そうだ。

240: 2013/10/04(金) 15:10:22.05 ID:sAmCN9eVo
「名前はあるの?」

『どしがたいな』

「…ふむ」

『…ふむ』

小人は仁王立ちをしたまま、部屋の片隅に設置されたPCを指さす。

「…なるほど」

電源ボタンに指を掛け、押し込み、スリーブ状態からPCを起こす。
立ち上がったのを確認した後、メモ帳を開く。

「どうぞ?」

そう言ってリンは立ち上がり、椅子を小人に譲る。

『ろんりてき』

「うん、論理的」

友情とは割りとどうでもいいことで感じたりするものである。

241: 2013/10/04(金) 15:10:54.63 ID:sAmCN9eVo
ヒョイと地味にとんでもないジャンプを見せ、軽快にキーボードを叩き出す。
打ち出された文字を見て、リンは呟く。

「まきのんか…」

「…興味深いね」

『どしがたいな』

「…そう?」

『そうていがい』

「…何が?」

すると小人、改め、まきのんは部屋の隅を指さす。

242: 2013/10/04(金) 15:11:29.76 ID:sAmCN9eVo
リンは立ち上がり、まきのんの指さした場所を調べてみたが何も見つからない。

「…何にもないけど…?」

『…どしがたいな』

そう言うとまきのんはどこからともなく飛行機のラジコンを取り出す。

「どこから出したのそれ」

…よく考えたらこの言葉、ブーメランかもしれない。

『ろんりてき』

まきのんは飛行機本体を指さし、今度は再び部屋の隅を指さす。

「置いてこいってこと?」

こくりと頷くまきのん。

243: 2013/10/04(金) 15:11:57.64 ID:sAmCN9eVo
「…よく分からないけど、置いたよ」

とりあえずリンはまきのんに従うことにした。

『ろんりてき』

まきのんはそう言いながら、メガネをくいっと持ち上げ、リモコンを弄り始める。
ゆっくり、ゆっくりとラジコンは上昇を始めようとする。

飛行機が今にも地面から離れるか離れないかの状態になった時だった。

『まいしすたー!』

またしても物陰から小さな影が飛び出して、飛行機にしがみつく。

『…ろんりてき』

「…なるほど、おびき出したんだね」

確かに論理的。

244: 2013/10/04(金) 15:12:39.04 ID:sAmCN9eVo
しがみついて完全に墜落させた飛行機を頭に抱えて小人がリンの方に歩いてくる。

『あります!』

「…何が?」

リンはもはや片手で飛行機を持ち上げながら敬礼をかます小人に突っ込む気にもなれなかった。

『どしがたいな』

「度し難いね」

全く同感であった。

「この子の名前は?」

リンがまきのんに聞くとまきのんはくるりと回って軽快にキーボードを叩き出す。

「…なるほど、ぐんそー」

『あります!』

245: 2013/10/04(金) 15:14:00.95 ID:sAmCN9eVo


「と、いうことで飼ってもいい?」

二匹の謎生物の首を摘んで現れたリンにウサミンPは呆然とする。

「リン、私はどこからツッコミを入れればいいのか分からない」

『どしがたいな』

「度し難いね」

『まいしすたー!』

「まずその生命体はどんな種族なのかとか少なくとも私は見たことが無いとか…」

「クッキー食べる?」

『あります!』

ぐんそーは摘まれたままビシッと敬礼。
どうやら食べるらしい。

246: 2013/10/04(金) 15:14:39.10 ID:sAmCN9eVo
「……はぁ…」

ウサミンPは疲れた顔で地球での冷蔵庫の役割を持つ機器に手を掛け、開く。

『おいでませぇ~♪』

何か居る。
具体的にはサンタ服着た白髪の小人が。

「ふぅ、君、何か取ってくれないか?」

『何がいいですかぁ~?』

「水で構わないよ」

『どうぞ~♪』

「済まないね」

小人からペットボトルを受取り、冷蔵庫を閉める。
ペットボトルのフタを捻るとパキャっと心地いい音がした。

「リン」

「何?」

ウサミンPが呼びかけるとリンが振り返る。

「きちんと世話するんだぞ」

もう一度冷蔵庫を開けると既に小人が消えていたのを確認して、ウサミンPは諦めた。


END

247: 2013/10/04(金) 15:15:05.05 ID:sAmCN9eVo
以上です。
二人ほどメタスレからお借りしました。


まきのん
マキノに似たぷちどる。鳴き声は主に「どしがたいな」「ろんりてき」「そうていがい」
人前にはあまり姿を現さず、影でこそこそしている。かしこい。
気に入ったものを「きょーみぶかいな」と持ち去ろうとする習性がある。
その時だけ何故かアリ並み(倍率的に)の力が出せる。

ぐんそー
大和亜季に似たぷちどる。鳴き声は「あります!」
まるで軍人のようにキビキビした動きで、時としてそれを周囲にも強いる。
飛行機のラジコンがお気に入りで、よく「まいしすたー!」と鳴きながらしがみつく。
本家と違って匍匐前進は大得意。

イヴさん
イヴ・サンタクロースに似たぷちどる。割りとなんでも喋る。
世界中の冷蔵庫から現れたり、消えたり。
取って欲しい物を言えばきちんと取ってくれる。

『ハンテンバ』

最近お掃除ロボットが流行ってると聞きつけたリン。
せっかくだから手作りしてみた。
しかしながらボディが完成しAIを作ってる最中に飽きたのでPC内のハンテーンとリンクさせてみた。
上部に付いたパネルで会話が出来る。口うるさいが仕事はする。
目下の悩みはまきのんに拉致られそうになったりぐんそーに乗られること。

248: 2013/10/04(金) 15:41:43.80 ID:qzq72XOP0
乙です
ぷちどるのウサミンPの宇宙船への侵略が始まったか…(違)

249: 2013/10/04(金) 16:10:25.46 ID:WUvcPIlN0
乙ー!

冷蔵庫の中から現れるとは……


【次回に続く・・・】


引用: モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part7