502:◆6osdZ663So 2013/10/16(水) 20:52:10.34 ID:6bTCo8kvo
モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」シリーズです
前回はコチラ
なお、解決しきるまで話が進まなかった模様
なので今回は前編中編後編の中編って事になります
キャラ借りておきながらこの体たらく、本当申し訳ないです
504: 2013/10/16(水) 20:54:49.64 ID:6bTCo8kvo
前回までのあらすじ
美穂「あの長電話が好きな卯月ちゃんから電話がないなんて・・・・・・うぅ・・・・・・」
美穂「アドレスも消えちゃってて、こっちから連絡もできないです・・・・・・」
美穂「はっ・・・・・・!」
美穂「これが本当の電話にでんわっ!!ですねっ!」
渚「・・・・・・」
渚「お、おう・・・・・・」
美穂「う、うわわっ!い、今の無しでっ!」
参考 >>117- (美穂と渚)
美穂「あの長電話が好きな卯月ちゃんから電話がないなんて・・・・・・うぅ・・・・・・」
美穂「アドレスも消えちゃってて、こっちから連絡もできないです・・・・・・」
美穂「はっ・・・・・・!」
美穂「これが本当の電話にでんわっ!!ですねっ!」
渚「・・・・・・」
渚「お、おう・・・・・・」
美穂「う、うわわっ!い、今の無しでっ!」
参考 >>117- (美穂と渚)
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それは、なんでもないようなとある日のこと。
それは、なんでもないようなとある日のこと。
その日、とある遺跡から謎の石が発掘されました。
時を同じくしてはるか昔に封印された邪悪なる意思が解放されてしまいました。
~中略~
「アイドルマスターシンデレラガールズ」を元ネタにしたシェアワールドです。
・ざっくり言えば『超能力使えたり人間じゃなかったりしたら』の参加型スレ。
505: 2013/10/16(水) 20:55:21.91 ID:6bTCo8kvo
本日の昼食。
期間限定のちょっと味の濃いバーガーに、ポテトとドリンクが付いたセットメニュー。
ドリンクは、オレンジジュース。Mサイズで。
美穂「すみません、奢ってもらちゃって」
渚「んー?もぐもぐ、ごくん。」
渚「別にいいってェ。誘ったのは私のほうだからね」
美穂(そう、私達は今、ハンバーガーショップにいます)
美穂(「M」で有名なあのお店です)
美穂(・・・・・・あっ、いや!違いますよっ!)
美穂(え、Mで有名っていっても、そ、そそそう意味じゃなくって!!)
美穂(う、うぅ・・・・・・脳内で誰に言い訳してるんだろう私・・・・・・)
506: 2013/10/16(水) 20:55:59.33 ID:6bTCo8kvo
渚「もぐもぐ」
美穂(現在進行形で、私の身に降りかかっている災難)
美穂(私のクラスが何故か変わっていて、その事を誰も気にしていなかったり)
美穂(友達であるはずの子が・・・・・・友達でなくなっていたり)
美穂(その事を思えば、食べ物も喉を通りそうにないし、)
美穂(ここでゆっくりしていても良いのかな?って思っちゃうくらいに不安だけど)
美穂(「お腹が空いてたら、戦も出来ないし、元気も出ないよっ」)
美穂(との渚さんの言葉で、占い師さんの所に向かう前に、まずはお腹を膨らませることにしたのでした)
美穂(以上、わたくし小日向美穂からの状況説明でしたっ!)
美穂(・・・・・・って、これも誰に説明してるんだろう)
やや他人事の様に、自身のおかれた状況を省みる。そんな自己防衛である。
自分の事なのだと、しっかり認識してしまえば、今でも不安でパニックになりそうなので。
渚「美穂ちゃん?」
美穂「は、はいっ!なんですかっ?」
渚「あまり考え込みすぎても良くないよっ!」
美穂「そうですよね・・・・・・」
渚「うんっ!まずは落ち着いて、目の前の出来ることからやっていこっか」
渚の言うとおり。ただ不安に思っていても、それで事態が改善すると言うわけではないだろう。
美穂(悩んだり、焦ったりするより、)
美穂(まずは落ち着いて目の前の事に集中っ、だよね!)
目の前の事、すなわちハンバーガー。
腹ごしらえは大事である。
美穂「まぐっ!」
口を精一杯開いて、できる限り頬張った。
507: 2013/10/16(水) 20:57:30.76 ID:6bTCo8kvo
――
ハンバーガーショップで、お腹を満たした美穂達は、
続いて、渚の後輩からのメールを頼りに、
百発百中の占い師が居る、と言う場所までやってきた。
渚「んー、この辺りのはずだけどなァ」
美穂「見つかりませんね?」
渚「行列ができるから、すぐわかるって話だったんだけど」
なんとその占い店、連日行列ができるらしい。
それが本当なら、凄いことだろう。
美穂「行列の出来るお店。なんだかラーメン屋さんみたいですね」
渚「あははっ、面白い例えだねっ」
美穂「へ、変な事言っちゃいました?」
例えはともかく百発百中の占いがそれほどのものであるなら、
この事態を解決できる手がかりも本当に見つかるのかもしれない。
美穂「あれ?」
ふと、目を向けた先に気になる何かを見つけた美穂。
美穂「あ、もしかしてココ・・・・・・じゃないですか?」
渚「おっ、見つけたのォ?」
508: 2013/10/16(水) 20:58:51.11 ID:6bTCo8kvo
2人の視線の先には、一軒の古ぼけた店。
周囲の風景に不釣合いなほどに、年季がありそうな、
けれど、こぢんまりと収まっているために目立ってはいない。
そんな洋風のお店だった。
入り口のすぐそばの看板にはシンプルに一言。
『占います。 ¥100』
渚「う、胡散臭いなァ・・・・・。」
美穂「で、でも、こう言ういわくありげな方がなんとなく当る気がしますし。」
正直なところ、これが行列ができる店と言われても信じがたい。
美穂「・・・・・・あれ?そう言えば、お客さん並んでないですね。」
渚「違う店だったかなァ。」
朋「いいえ、あってるわよ。」
美穂「ひゃあっ!!」
渚「うわっ!!」
何時の間にか、背後に。
1人の少女が立っていた。
509: 2013/10/16(水) 20:59:27.08 ID:6bTCo8kvo
朋「待ってたわよ。はじめまして、あたしは藤居朋。」
いかにも、まじない師が身に着けていそうな装飾品を幾つも纏った、黒髪の少女はそう名乗った。
朋「見ての通りの、占い師よ。」
渚「占い師・・・・・・。」
美穂「そ、それじゃあ、あなたが?」
朋「ええ。あんた達が探してる百発百中の占い師と言うのは私の事。」
朋「まあ、自分で言うのもなんだけどね。」
彼女が美穂達の探していた、噂の占い師。
すぐ傍の小さな店の主。
美穂(すごい占い師さんって話だったから、)
美穂(てっきり大人の人だと思ってたけど・・・・・・)
そこに居る彼女は、振る舞いこそやや大人びているが、
見た目の雰囲気には美穂達とそう変わらない年頃に見える。
510: 2013/10/16(水) 21:00:07.87 ID:6bTCo8kvo
朋「こんな所で立ち話もどうかと思うし、お店入りましょ。」
朋「胡散臭くて、いわくありげな所で悪いけれど。」
店の外観について色々言っていたのを聞かれていたらしい。
美穂「ご、ごめんなさい。」
渚「わ、悪く言うつもりはなかったんだけどさァ・・・・・・。」
朋「別にいいわよ、古臭いのは本当だし。」
朋「とにかく、占いに来たんでしょ。なら、あたしに付いてきてちょうだい。」
そう言うと、ツカツカと歩いて行ってしまう。
美穂と渚は、ほんの一瞬戸惑って互いに見詰め合ったが、
目的を果すためには従うしかないだろう、と
黙って彼女の後を、並んで付いていくことにした。
511: 2013/10/16(水) 21:00:59.97 ID:6bTCo8kvo
美穂「あれ?お店の入り口ってこっちじゃないんですか?」
先に行く占い師の彼女はスッと店の入り口を通り過ぎてしまう。
朋「・・・・・・今日は珍しい客人が来るって。そんな予感がしてたのよね」
朋「だから待たせるのも悪いと思って、お店は閉めてるの」
朋「なのに普通に入り口から入っちゃうわけにはいかないから」
朋「裏口はこっちよ」
そう言って、彼女は店のすぐ横の、
言われねば、存在に気づかぬほどの通りに、するりと体を滑らせた。
美穂「お店、閉まってたんだ。だから行列もなかったんですね。」
美穂「でも、今の言葉って・・・・・・私達が来るのがわかってたって事?」
キョトンと、首をかしげた。
渚「なんか、ちょっと怪しい感じだけどね」
渚「どうする?今ならまだ引き返せはするけど」
渚は、一応万が一の場合も考え、引き返すことも出来ると、言ってくれた。
美穂「・・・・・・うん。けど、ここなら何かわかる気がするから」
占い師の藤居朋。彼女の瞳は見えない何かを見通しているようだった。
彼女に頼れば、今起きてる問題の手がかりが掴めるかも知れない。
美穂「・・・・・・たぶん、ですけど」
渚「自信なさげな語尾が付いてきちゃったなァ」
美穂「うっ・・・・・・すみません。よ、予感めいたものはあっても本当に自信はなくって」
渚「ま、いいんだけどさッ。それが美穂ちゃんの良さなのかもって思ってきたところだしねっ。」
512: 2013/10/16(水) 21:02:06.68 ID:6bTCo8kvo
渚「それじゃあ、行こっかァ。」
美穂「はいっ!」
覚悟を決めて美穂達もまた、古びた店の横の通りに入り込んでいく。
美穂「えっと、渚さん。ここまでずっと付いて来てもらってありがとうございます」
渚「いいって事。頼まれたからには、最後まで付き合うよっ」
頼り甲斐のある彼女が傍にいてくれて本当に心強い。
通りを歩いて進めば、すぐに袋小路に行き着いた。
片隅には小さな木製の扉が備え付けてある。
美穂「・・・・・・隠れた名店みたいな雰囲気ですね?」
渚「またラーメン屋みたいな表現だね」
美穂は、ノブに手をかけ、静かにその扉を開いた
513: 2013/10/16(水) 21:02:49.20 ID:6bTCo8kvo
朋「いらっしゃい。」
扉の先、待ち受けていたのは、
やはり、先ほどの占い師。藤居朋。
そしてここは占い師がやっているお店。
朋「ニンニクいれますか?」
渚「ラーメン屋っ!!?」
本当にラーメン屋だった。
美穂「え、えっと!こ、こう言うときはじゅ、呪文を唱えないとなんですよねっ!?」
美穂「め、メンカタカラメヤサイ・・・・・な、なんでした??」
渚「・・・・・・美穂ちゃん、ちょっと落ち着こうかァ」
朋「ふふっ、冗談よ」
占い師は意外と茶目っ気のある人物だったらしい。
514: 2013/10/16(水) 21:03:21.90 ID:6bTCo8kvo
見渡せば店の中は薄暗く、大小様々なガラクタが所狭しと並べられていた。
朋「ごめん、裏口側にお客さん入れる事少なくて」
朋「倉庫代わりみたいになちゃっててね」
ヘンテコな仮面や、謎の羅針盤、奇天烈な配色の魚が入った水槽などもある。
美穂「あの?これって?」
朋「占い道具よ。とは言っても商売に使ってるわけじゃないんだけど。趣味が高じて、溜まっちゃったのよ」
古今東西の占い道具。らしい。
ガラスよりも透き通る髑髏を象った水晶、精巧な天体模型、何かの動物の骨や爪、白と黒が交じり合う絵図
コロコロと透明な瓶に詰まったビー玉、カタカタと音を鳴らしている計測器、ヌルヌル蠢いて発光する液体。
それら全てが占い道具。世界中、方々から集めたコレクションなのだろう。
515: 2013/10/16(水) 21:03:55.16 ID:6bTCo8kvo
朋「だから、足元には気をつけてよね。」
美穂達に注意するため、後ろを向いてそう言った彼女は、
朋「おっと!?」
後ろを向いたために、自身が足元の道具に躓いて、
美穂「あっ」
ドンガラガッシャーン!
大きくすっ転んだのだった。
渚「あちゃあ・・・・・・」
美穂「だ、大丈夫ですか!?」
心配して、声を掛ける。
朋「・・・・・・・」
美穂「え、えっと・・・・・・朋さん?」
朋「たしか今朝の星座占い。今日の蟹座の運勢は最下位だったわね」
朋「特に足元に気をつけましょう。だって」
朋「ふっふっふ、テレビの占いの癖になかなかやるじゃないっ!」
こけた姿勢のままに、彼女は怪しく笑っていた。
美穂(だ、大丈夫かな?この人で・・・・・・。)
別の意味でも心配してしまうのだった。
516: 2013/10/16(水) 21:04:34.80 ID:6bTCo8kvo
朋「よいしょ、っと」
派手にずっこけた様に見えたが、
怪我は特にはないようで、ひょいっと立ち上がると、
倒れたり転がった物を適当な場所に片付ける。
そしてついでに、すぐ傍の小さなテーブルの上においてあった箱もどけて、床に置いた。
朋「悪いけど、ここに座ってもらえる?」
そう言って、美穂の方を見ながらその丈夫な箱をぽんぽん、と叩く。
美穂「そ、それじゃあ、失礼します・・・・・」
ちょこんと、用意された箱に座る美穂。
座り心地はお世辞にもいいとは言えないが、座れそうな場所は他にはない。
渚「あのさァ、私は?」
朋「見学は立ち見ね」
渚「・・・・・・・まァ、いいけどさァ」
渚(まったく迷ったりせずに私じゃなくって美穂ちゃんを座らせた。占いを頼ってきたのもどっちかわかってたって事かな?)
渚(何でもお見通し、百発百中の占い師って呼ばれるだけはあるみたいだね)
ここまでの一連の行動から、百発百中の噂ばかりでなく、本当に腕の立つ占い師なのだろうと推察する。
占い師は、机を挟んで美穂の反対側に立った。
朋「さて、と。じゃあ始めましょうか」
美穂「は、はいっ!よ、よろしくおねがいしますっ!」
かくして、藤居朋の占いが始まる。
ここからは彼女の時間。彼女の領域。
517: 2013/10/16(水) 21:06:04.41 ID:6bTCo8kvo
――
朋「まずは、用件から聞こうかしら。美穂ちゃん?」
占い師は、じっと美穂を見つめて尋ねた。
美穂「よ、用件ですか?」
少し戸惑う美穂。
美穂(用件って言っても占い以外にはないよね?)
わざわざ占い師を尋ねてきたのは、当然だが占いをしてもらうため。
占い屋さんでまさかラーメンは頼んだりしないだろう。
朋「ご注文は?とでも言い換えたほうがいいかしら」
朋「それこそメンカタカラメヤサイダブルニンニクアブラマシマシみたいね」
朋「美穂ちゃんは、何を占いに来たのかしら?」
朋「目的を聞かせてもらえる?」
彼女が聞いたのは占う理由。
占うにしても、何を占うのか。
それを聞かねば、何も始まらない。
518: 2013/10/16(水) 21:06:43.57 ID:6bTCo8kvo
美穂「・・・・・・」
美穂は考える。
何を占いに来たのか。
今起きている問題の手がかりを掴むため。
己自身に巻き起こっている事件の解決の糸口を知るため。
朋「たしかに特異な状況よね、運命の糸が大きく縺れてるんだもの」
美穂「!!」
美穂「あ、あの!私の身に起こってることわかるんですか?!」
まるで隠された物事すら、すっかりと見通しているような言葉を紡ぐ占い師。
彼女ならば、今美穂に起きている事態が何なのかもわかっているのかもしれない。
美穂「教えてくださいっ!こうなってしまった原因を、知りたいんですっ!」
朋「・・・・・・いいえ、そうじゃないわね」
美穂「えっ・・・・・・?」
朋「あんたを巻き込む周囲の特異な状況の正体、それを知りたい」
朋「その気持ちはわかるけど、本当の願いはその先にあるものじゃないの?」
朋「事態の真実を知ろうとすることは過程でしかないのよね」
朋「真実を知って、あんたはどうしたいの?」
美穂「・・・・・・」
占い師が尋ねるのはその先、目的の先にある真の願い。
519: 2013/10/16(水) 21:08:32.85 ID:6bTCo8kvo
美穂「私は・・・・・・」
その答えは、考えるまでもなかった。
美穂「友達と・・・・・・卯月ちゃんや茜ちゃんとまたお話がしたいです」
美穂「また一緒に笑ったり、買い物に行ったり、そう言う普通の日常を過ごしたくって・・・・・・」
美穂自身にとっても意外なことであったが、
本当の気持ちは、すんなりと口から出てきてくれた。
友達とまた共に過ごす時間、が彼女の願い。
美穂「それが私がここに来た理由です」
朋「複雑なお話のようだけど、その根底にあるものは、あたしもよく聞く悩みね」
その言葉に、占い師は納得したようだった。
朋「”仲直り”のご相談、確かに承ったわ!」
520: 2013/10/16(水) 21:09:13.18 ID:6bTCo8kvo
そして、彼女は懐から何かを取り出した。
美穂「カード?」
朋「ええ、タロットカードよ」
占い師が手にもつのは、人の命運を指し示す22の大アルカナ達。
渚「意外とスタンダードなんだね」
周囲に並ぶ珍妙な道具達から、奇妙な占い方法を提案されるかもしれない、と渚は思っていたが。
朋「まあね、変に凝ったことするより、占う人にわかりやすい形の方が素直な結果が出るもの」
渚の疑問に、簡単に答え、
机の上に22枚を裏向きに、広げるように綺麗に並べる。
朋「美穂ちゃんには1枚だけ。この中からたった1枚だけカードを選んでもらうわ」
美穂をじっと見つめて、彼女は言った。
美穂「1枚だけ・・・・・・カードを選べばいいんですね」
朋「ええ、ここには占いに必要なものがもう揃ってる。」
朋「時間、場所、方角、言葉、配置された道具、22枚のカード、占うあたし、占われるあんた」
朋「後は、”意志”が必要よ」
521: 2013/10/16(水) 21:10:47.78 ID:6bTCo8kvo
朋「占いは、明日の不安を取り除くために、自身の運勢の事を手探りで知ろうとする儀式」
朋「そしてあんたの運勢は、あんたの手で掴み取る必要があるの」
朋「さあ、その”意志”を真っ直ぐに指し示してもらえる?」
美穂「・・・・・・・。」
並べられた22枚から、”たった1つ”選んで指差すだけ。
シンプルな、”たった一度”のアクション。
美穂がするのは”それだけ”でいいと言う。
しかし、それは己の運勢を掴み取るための行為。
簡単な動作でありながら、そこに込められた意味は大きい。
渚「美穂ちゃん・・・・・・?」
場の雰囲気に飲まれてか、黙り込んでしまった美穂を心配して、渚が声を掛ける。
美穂「えっと・・・・・・大丈夫です、渚さん。」
渚「そっか、なら見守ってるよ」
美穂「はいっ!」
傍らで見守ってくれる人が居る事に美穂は安心した。
522: 2013/10/16(水) 21:11:26.28 ID:6bTCo8kvo
意志のこもった目で美穂は卓上のカードたちを眺めた。
綺麗に裏向きに整列したカードは、よく手入れされているのか汚れや傷一つ無く、見た目はいずれも同じに見える。
どれも同じ、けれど何処か、それぞれ目に見えない何かが違う気がする。
美穂(私の悩み、私の知りたいこと)
美穂(私の気持ち、私の意志)
美穂(そして掴まなきゃいけない答え・・・・・・)
なんとなく、その中の1枚に目を奪われた。
美穂(・・・・・・うん、決めた)
美穂「これにっ、しますっ!!」
22枚から”1枚”を選び、指差して宣言した
朋「”それ”で本当にいい?」
美穂「はいっ!!」
その返事に、占い師は選ばれたカードを捲る。
美穂が選んだそのカードは。
523: 2013/10/16(水) 21:12:00.19 ID:6bTCo8kvo
カードに描かれていたのものは、
”強靭な獅子の頭を嗜めるように撫でる、うら若き乙女の姿”であった。
『ⅤⅢ ストレングス』
美穂「・・・・・・。」
渚「・・・・・・。」
朋「『力』の正位置、なるほどね。」
美穂「え、えっと・・・・・・?」
気合を入れて選んだのはいいのだが、それが意味するところ美穂や渚にはわからず首をかしげる。
占い師の少女だけがただ、納得するように頷いていた。
朋「『力』のカードよ。『剛毅』や『力士』なんて呼ばれ方もするわね。」
美穂「たしかに力強そうなライオンさんですよね。」
渚「本当に力強いのはその女の人じゃないの?素手でそのライオンを抑えてるしさァ。」
美穂「あっ、そうなのかな?でもどうして口を抑えてるんでしょうか?」
渚「んー、ペットとかかなァ?」
カードの絵柄を見て、口々に意見を言い合う2人。
朋「ふふっ、絵柄の解釈は色々あるわね。そこがタロットカードの面白いところだと思うわ。」
朋「ライオンと女性は何を示しているのか。荒ぶる力と静かな力?本能と理性?欲望と抑止力?」
朋「ライオンを抑える力は、純粋な腕力なのか、母性の様な包容力か、あるいは特別な力なのか。」
朋「彼女はライオンの口を開こうとしているのか閉じようとしているのか、果たして・・・・・・なんてね。」
524: 2013/10/16(水) 21:12:47.44 ID:6bTCo8kvo
朋「さて、薀蓄は置いておいて」
朋「占いの結果を説明するわね」
美穂「は、はい!お願いしますっ!」
朋「”ストレングス”はその名前の通り、人の持つあらゆる”力”に関わるアルカナよ」
朋「美穂ちゃんを取り巻く状況、そこに”ストレングス”が指し示す解答ね」
”根気” ”忍耐力”
朋「迫ってる問題に、美穂ちゃんは焦って不安になってるみたいだけど」
朋「その解決を焦ることは無いわ」
朋「降りかかる災難を今は耐え忍ぶことで、必ずチャンスは巡ってくるはずよ」
美穂「耐え忍ぶ・・・・・・。」
美穂(確かに、ずっと焦っていて不安だった。)
美穂(この不安を耐えた先に道が見えるのかな・・・・・・。)
”前向きな強い意思” ”障害を乗り越える力”
朋「大事なのは強い意思を持ち続けることよ、必ず障害を乗り越えるって言う強い意思をね。」
美穂「・・・・・・強い意思を持つこと。」
朋「目的をはっきりさせればいいわ。あんたがやりたい事ブレさせちゃダメよ。」
美穂(・・・・・・友達との日常を取り戻したい、それが私のやりたい事!)
525: 2013/10/16(水) 21:13:31.20 ID:6bTCo8kvo
”影響力” ”周りを変容させる力”
朋「あんたが発揮する力はきっと変わってしまった周囲を変えられる。」
美穂「・・・・・・変わってしまったものも元に戻せるんでしょうか?」
朋「ええ、変異してしまった環境も運命も戻せるわ、きっとね。」
”勇気” ”決断” ”実行力”
朋「時が来た時は、勇気をもって決断すること。」
朋「自分がするべき行動を、迷い無くやる事ね。」
”和解”
朋「そうすれば、友達とも絶対仲直りできるわ。」
占い師の少女は力強く言った。
526: 2013/10/16(水) 21:14:00.60 ID:6bTCo8kvo
朋「総合すると良い結果じゃないかしら」
朋「あんたにその意志があるなら、チャンスを待てば必ず”仲直り”は成就する」
朋「あんたの望む未来はきっと掴めるわよ」
朋「あたしが保障してあげるわ」
渚「良かったじゃん。百発百中の占い師が保障してくれるってさ。」
美穂「は、ははいっ!良かったです!・・・・・・本当にっ!」
美穂「・・・・・・本当に・・・・・・良かったぁ」
心からの安堵の言葉。
百発百中の占い師の出した、回答に希望を見出す。
心に暖かいものがこみ上げて、頬に涙が流れてきた。
美穂「あっ、安心したら涙が・・・・・・お、おかしいですよね。凄く嬉しいのに」
渚「はい、ハンカチ」
美穂「ありがとうございます、渚さん・・・・・ぐすん」
差し出されたハンカチを受け取り、涙を拭った。
527: 2013/10/16(水) 21:14:30.32 ID:6bTCo8kvo
朋「まだ喜ぶのは早いわよ」
朋「あたしの占いは確かに百発百中。だけど、それは占われた人が占いの結果に反した場合はそうじゃないわ」
美穂「・・・・・・」
渚「・・・・・・」
2人は緊張した面持ちで占い師の話を聞く。
例えばひねくれた人間が、明確な意思をもって彼女の占いに反した行動を取った場合、
彼女の占いは外れることがある。
そして今回の占いもまた同様。
これから訪れる機会を逃せば、彼女の占いは外れ、仲直りは叶わないかもしれないのだ。
朋「油断は大敵よ。特にあんた達が立ち向かわなきゃいけない力は『普通』じゃないもの」
朋「だから、さらに少し教えるわ」
朋「ヒントと、朗報をね」
ありがたい事に、占い師はさらに情報をくれるそうだ。
528: 2013/10/16(水) 21:15:38.80 ID:6bTCo8kvo
朋「まずヒントだけど、」
朋「あんたと友達の間に働いてる斥力のような存在」
朋「それはあんたの『力』と、友達の持つ『力』のせいで発生してるみたいね」
美穂「私自身の力・・・・・・」
美穂自身の力とは、『小春日和』の事だろう。
それ以外に美穂は特別な事は何も無い普通の少女だと、自負(?)していたりする。
だが
美穂「卯月ちゃんたちの持つ力・・・・・・?」
渚「・・・・・・その子達も能力者なの?」
美穂「え、えっと・・・・・たぶん違うはずなんですけど・・・・・・?」
今の世の中、能力者の少女と言うのはそこそこ数が居るのだが、
それでも比較的珍しい存在には違いない。
卯月ちゃんも茜ちゃんも特別な力なんて無かったはずだ。
美穂「近くに特別な能力を持ってる人が居るならわかると思うんですけれど・・・・・・」
朋「ふふっ、特別な力を持つ人間って言うのは、近くに居ても意外に気づかないものよ」
そう言いながらチラリと一瞬だけ、渚に視線を移す朋。
渚「・・・・・・」
渚(あぁ、そう言えば美穂ちゃんに話すタイミングとか無かったなァ・・・・・・)
朋「美穂ちゃんだって、これまでは友達に特別な力を隠して活動してたのよね?」
美穂「それは・・・・・そうなんですけど」
そう言えば、『小春日和』を常日頃から持ち歩いているにも関わらず、
夏休み前まではまったく、能力に気づかれたような様子は無かった。
特別な力は隠そうと思えば、意外と知られることは無いのかもしれない。
朋「まあ、どう言う力が関係しているのかは、追々知る機会が訪れるでしょ」
彼女は、結局その答えを出さずに『力』に関する話を終える。
占い師が語るのはあくまでヒントだけなのだろう。
529: 2013/10/16(水) 21:16:29.91 ID:6bTCo8kvo
朋「次は、時期に関するヒント」
朋「事態の解決のチャンスが訪れるのはそれほど先の事じゃないわ」
美穂「それじゃあ、もうあまり待たなくてもいいんでしょうか?」
渚「具体的にはどのくらい先かわからないの?今日中とか?」
朋「だいたい1時間から2時間後じゃないかしら」
美穂(本当にすぐだった・・・・・・)
渚(先の事じゃないにも程があるでしょ・・・・・)
朋「さっきも言ったけど、それまで自分のやりたい事をブレさせない事ね」
渚「1時間でブレるような決意とか無いと思うけどね・・・・・・」
朋「そしてその時が来たら、迷い無く決断するのよ」
美穂「わ、わわっ!ま、待ってください!そ、その心の準備がですねっ!」
朋「時は待たないわよ、覚悟しておくことね」
美穂「うっ、うぅ・・・・・・な、なんだかき、緊張してきましたっ・・・・・・!」
530: 2013/10/16(水) 21:17:28.09 ID:6bTCo8kvo
渚「そのチャンスが訪れた時って言うのはさ。”今だ!”ってすぐにわかるものなのォ?」
渚「何かその・・・・・目印みたいなものがないと、チャンスが来たって気づかずにスルーしてしまいそうじゃない?」
渚が疑問を挟む。
朋「そうね、あえて言うならラッキーパーソンは」
占い師は手元の”ストレングス”を指に挟み、
朋「”美女と野獣”よ」
美穂達にその絵を、獅子と乙女の姿を見せるようにして言葉を続けた。
朋「彼女達に出会えたらチャンスの方もすぐに訪れるかもね」
美穂「美女と・・・・・野獣・・・・・・」
それが、ラッキーパーソン。
パーソンと言う事は、そんな見た目の人たちなのだろうか。
朋「ヒントはこんな所ね」
美穂(原因は私たちの力、チャンスはすぐに訪れる、ラッキーパーソンは美女と野獣)
語られたヒントを、忘れないように頭の中で反復した。
朋「それと、次は朗報の方だけど・・・・・」
朋「美穂ちゃん、あんたの友達2人も」
朋「あんたと友達に戻りたいって思ってるわよ」
美穂「・・・・・・えっ」
531: 2013/10/16(水) 21:18:29.19 ID:6bTCo8kvo
――
卯月「隣のクラスに、小日向美穂ちゃんっているよね?」
茜「いますねっ!!すっごく可愛い人ですっ!!」
始業式の帰り道、今日の話題は隣のクラスの子の噂話。
卯月「あっ、茜ちゃんも知ってたんですね。」
茜「はいっ!と言うかなんとなく・・・・・・」
茜「よくわからないけど!なんとなくずっと前から知ってる気がして、気になってました!!」
卯月「茜ちゃんもなんだ。うーん、なんでだろうね?」
茜「卯月ちゃんも?不思議な感覚だねっ!!」
茜「ところで、美穂ちゃんがどうかしたの?」
卯月「あのね!実は、その美穂ちゃんがヒーローだったんだよぉ!」
茜「ヒーロー!!すごいねっ!!」
卯月「うん!すぐ身近にヒーローがいるなんてすごいよねっ!」
卯月「えへへ」
茜「?」
卯月「えっとね、なんだか自分の事みたいに嬉しくって。どうしてだろ。」
茜「それは、友達のことだからじゃないですか?」
卯月「あれ?友達?でしたっけ?」
茜「あれ?違った・・・・・違うよね?ん?」 プスプス
卯月「あ、茜ちゃん!煙出てる!」
茜「わああ!!もう考えてもよくわからない!!!」
茜「・・・・・はっ!!そうだ!」
茜「それならもういっそ!これから友達になりましょうっ!!」
卯月「あ、それいいですねっ!すっごく!」
卯月「・・・・・・ヒーローと友達かぁ」
卯月「うん!なれたらきっと素敵だよねっ!!」
532: 2013/10/16(水) 21:19:05.48 ID:6bTCo8kvo
――
美穂「卯月ちゃんたちが・・・・・。」
朋「ええ、だから安心するといいわ」
朋「縺れてしまった糸はきっと上手く解けるから」
美穂「・・・・・・」
再び感極まり、泣きそうになる。
美穂「くすん・・・・・・」
と言うか泣いてしまった。堪えようとはしたのだが。
美穂「・・・・・・朋さん、本当に本当にありがとうございましたっ!」
目を押さえながらお礼を言った。
朋「いいのよ、これがあたしの商売だし」
朋「悩んでる子の力になるのが、占いの役目だからね」
そう言って、占い師の少女はにっこりと笑った。
533: 2013/10/16(水) 21:19:34.66 ID:6bTCo8kvo
――
渚「本当に100円でいいのォ?」
朋「看板見たんでしょ、あたしはそれでやってるからいいの」
美穂「で、でも今日はお店まで閉めて貰ってて・・・・・・」
朋「うーん、そうね。それで気が済まないのなら仕方ないわ」
少しだけ彼女は考えて、
朋「それじゃあ、また次も来てくれるかしら」
朋「次はその友人たちも連れてね」
そっとウィンクして言った。
美穂「・・・・・はいっ!必ずまた来ます!」
美穂「卯月ちゃんたちも一緒にっ!」
必ず、卯月ちゃん達と友達に戻ってまた来ると、約束したのだった。
朋「ええ、その時をあたしは待ってるわ」
朋「それじゃあ、またね」
534: 2013/10/16(水) 21:20:02.98 ID:6bTCo8kvo
――
渚「さて、と」
占いを終えた2人は店を後にした。
薄暗い店から出てきて、通りを戻れば、
人通りの多い街の一角に出てくる。
太陽がまぶしい。時間はまだ、お昼を少し過ぎたくらいだ。
渚「ここに来る前は、占いは気休め程度にって思ってたんだけど」
渚「なかなか有益な情報が多かったねっ」
美穂「はい!百発百中の占い師さん!噂の通り、すごい人でした!」
渚(まあ、まだ当ってるかはわからないけれどね)
渚(だけど、元気出たみたいだからいっかァ)
渚(根拠は無いけど、なんとなく信頼できる人だと思ったしね)
渚「ちょっと情報量多かったし、少しまとめてみよっか」
美穂「そうですね・・・・・えっと、事態の原因と解決法について」
渚の提案を受け入れて、美穂は先ほどの占いの結果について考えをまとめはじめる。
535: 2013/10/16(水) 21:20:31.07 ID:6bTCo8kvo
渚「まずは原因」
渚「占いによると、これは美穂ちゃんと、美穂ちゃんの友達の力のせいって話だったね」
渚「何か思い当たる節ある?」
美穂「うーん・・・・・・」
思い当たることについて考えてみたが、まったく見当が付かない。
美穂「私がヒヨちゃんに出会ってから何か変わった事・・・・・・」
生活に変わった点は多いが、しかし友人関係については、
『小春日和』と出会ったばかりの頃は何も変わっていなかったはずだ。
思い当たる節はない。
渚「周囲の環境が変わったのは、きっと夏休みの間でしょ?」
渚「夏休みの間に何か無かったのォ?」
美穂「・・・・・・・何かと言えば、色々あったんですけど」
カピバラを斬ったり、元アイドルヒーローと出会ったり、
妖怪達のお祭り会場で鬼の父やドッペルゲンガーと会ったり、
ステージに立って、仮面のお姫様から怪しい招待状を貰ったり、えとせとら
渚「美穂ちゃんは街のヒーローだからね、巻き込まれる事件なんかは色々あるかァ」
美穂「ま、街のヒーローって改めて言われると・・・・・・やっぱり恥ずかしいですね」
渚「そう?友達とかには言われ慣れてないの?」
美穂「う、卯月ちゃんたちにはまだ報告して無いと言うか・・・・・・」
美穂「で、出来れば恥ずかしいからずっと隠しておきたかったんですけど」
渚「そう言えば、占い屋さんでもそんな事言ってたね。これまでは隠して活動してたって?」
美穂「でも新聞に載っちゃったから、た、たぶんもう知られてる・・・・・・かも」
渚「・・・・・・う、うーん?」
美穂「渚さん?」
渚「何か引っ掛かる・・・・・・何か引っ掛かるんだけど・・・・・・?」
渚は今の話から、事態の原因について勘付きつつあった。
536: 2013/10/16(水) 21:21:02.63 ID:6bTCo8kvo
渚「美穂ちゃんの事はさ、学校中の噂になってるよ」
渚「それも夏休みの間からね、何せ学校にヒーローが居るんだからさっ!」
美穂「う、な、なんだか・・・・・・とっても恥ずかしいことの様な気がっ!!」
渚「それでさァ、噂になるほどに有名になった理由は、私は新聞の影響が大きいと思うんだけど」
渚「・・・・・・・”ひなたん星人”が、新聞に載ってからは友達と連絡はしなかったの?」
美穂「は、はい。する機会が全然無くって」
渚「・・・・・もしかしてこれが原因なんじゃない?」
美穂「えっ?」
渚「夏休み中、連絡をしなくなったタイミング」
渚「その時が、事態が起きたタイミングと重なるとしてさァ」
渚「夏休み中の美穂ちゃんと友達の最後の接点はその新聞ってことだよね」
渚「怪しくない?」
美穂「・・・・・・あっ」
確かに、言われてみれば。
連絡がなくなったタイミングはあの新聞に載った時期であった気がする。
美穂「・・・・・・あの新聞が・・・・・原因?」
渚「推測だけどね、けどいい線言ってる気がするよ」
渚「たぶんだけど、美穂ちゃんの”ヒーローとしての力”が新聞を通じて広く知れ渡ったのが原因なんじゃない?」
美穂「わ、”私の力”が原因って言う占い師さんの言葉とも一致します・・・・・・」
渚「でしょォ?」
けれど、どうしてそれが関わりの反発。斥力と言う形で具現したのだろう。
537: 2013/10/16(水) 21:21:48.32 ID:6bTCo8kvo
美穂「あ、あの!占い師さんにもう一度聞いて・・・・・・」
渚「あっ!待って待って、美穂ちゃん!」
引き返そうとする美穂を慌てて止める渚。
渚「占い師さんに言われたでしょォ?解決を焦らない、そしてブレちゃダメだって」
美穂「あっ・・・・・す、すみませんっ!」
渚「いやいや、今のは私も悪かったよ。美穂ちゃんを焦らせちゃったね」
危ないところだった。
渚に止められなければ、占いに反する行動をとっていたかもしれない。
渚「確認しておこっかァ。事態の解決法についてねっ」
美穂「慌てず、機会を待つこと。そしてそれまで強い意志を持つこと・・・・・」
渚「そしてチャンスは『美女と野獣』と出会えたときだったね」
美穂「その時は迷い無く決断すること・・・・・」
渚「よしっ!完璧だねっ!これさえ覚えていれば間違いなくゴールできるよっ!」
改めてやるべき事を確認する。
美穂(そうだ、今はまだ耐え忍ぶ時っ!焦らずに・・・・・機会を待つっ!)
そんな時だ、何処からか音楽が聞こえてきた。
ミミミン!ミミミン!ウーサミン!
渚「!?」
美穂「あ、メールですね」
渚(美穂ちゃんの携帯の着信音か、びっくりしたァ・・・・・・・)
『[セイラさん]からメールが届きました。』
どうやらチャンスの時は、もう近くまで来ているらしい。
おしまい
538: 2013/10/16(水) 21:23:02.31 ID:6bTCo8kvo
と言う訳で、一旦区切ります。
風呂敷広げすぎだよぉ・・・反省します
愛野渚、藤居朋、島村卯月、日野茜お借りしましたー
あとついでに予約を、
持田亜里沙、予約します
539: 2013/10/16(水) 21:42:26.47 ID:LXNs1Z790
乙です
果たしてどうやって普通力を突破するのか…
そしてありさてんてーついにキター!
果たしてどうやって普通力を突破するのか…
そしてありさてんてーついにキター!
【次回に続く・・・】
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