626: ◆EBFgUqOyPQ 2013/10/20(日) 02:18:53.24 ID:5B85RUbco
627: 2013/10/20(日) 02:19:32.31 ID:5B85RUbco
ヨーロッパの某所。
イルミナティの本部であるここは巧妙に隠されたアジトであり、外部からの発見はまず困難だろう。
そんな外界から遮断されたイルミナティ本部の中の一室。
その部屋の中には照明としての光源は存在しておらず、光はいくつかの機械に備わった発光ダイオードの小さい光とディスプレイのライトだけ。
目に優しくない薄暗い室内、ぼさぼさの金髪をした男は回転椅子に座って軽く猫背になりながらも眼前のディスプレイに注視しながらも手元のキーボードへの打鍵を止めない。
その不健康そうなインドア青年、イルミナPは少々疲れた目をしながら、憤怒の街の情報、またその他の全国のカオススポットの情報の整理をしていた。
くたびれた眼鏡を上げて、左手でキーボードを打ちながら右手でマウスを動かして忙しく動くパソコンを操作する。
この作業を続けてすでに三日。不眠不休で作業している。
もともと集中すると終わるまでは手が止まらない性分なのでこれくらいのことは彼にとっては無茶であっても無理ではないのだ。
イルミナPは意志を沈没させて機械のように作業に没頭していた。
しかしそんな彼が沈没していた意識を急に浮上させて先ほどまでの機械のような動きから、違う動きを見せる。
そしてディスプレイに表示される一枚の画像。
イルミナティの本部であるここは巧妙に隠されたアジトであり、外部からの発見はまず困難だろう。
そんな外界から遮断されたイルミナティ本部の中の一室。
その部屋の中には照明としての光源は存在しておらず、光はいくつかの機械に備わった発光ダイオードの小さい光とディスプレイのライトだけ。
目に優しくない薄暗い室内、ぼさぼさの金髪をした男は回転椅子に座って軽く猫背になりながらも眼前のディスプレイに注視しながらも手元のキーボードへの打鍵を止めない。
その不健康そうなインドア青年、イルミナPは少々疲れた目をしながら、憤怒の街の情報、またその他の全国のカオススポットの情報の整理をしていた。
くたびれた眼鏡を上げて、左手でキーボードを打ちながら右手でマウスを動かして忙しく動くパソコンを操作する。
この作業を続けてすでに三日。不眠不休で作業している。
もともと集中すると終わるまでは手が止まらない性分なのでこれくらいのことは彼にとっては無茶であっても無理ではないのだ。
イルミナPは意志を沈没させて機械のように作業に没頭していた。
しかしそんな彼が沈没していた意識を急に浮上させて先ほどまでの機械のような動きから、違う動きを見せる。
そしてディスプレイに表示される一枚の画像。
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それは、なんでもないようなとある日のこと。
それは、なんでもないようなとある日のこと。
その日、とある遺跡から謎の石が発掘されました。
時を同じくしてはるか昔に封印された邪悪なる意思が解放されてしまいました。
~中略~
「アイドルマスターシンデレラガールズ」を元ネタにしたシェアワールドです。
・ざっくり言えば『超能力使えたり人間じゃなかったりしたら』の参加型スレ。
628: 2013/10/20(日) 02:20:17.92 ID:5B85RUbco
それは混沌とした風景の中に、まるで物語から出てきたような少女、ふりふりの衣装に身を包んだ少女が映し出されていた。
まさにアンバランスな写真で目を引くだろう。
「これは……まさか」
ここで一つ彼、イルミナPについての話をする。
彼はバアル・ゼブルこと大槻唯についてのことか、自身の興味のある事柄つまり趣味でしか基本的に動かない。
だから彼はイルミナティの運営も唯のためしていることだし、唯のために魔術も覚えた。
ただし魔術、魔法に関してははじめの目的は唯のためだったが今は半ば趣味ともなっている。
そして行動原理である彼の趣味についてだが、かつてのイルミナPはイギリスで産業革命が始まった時にはその技術革新に驚いた。
その結果彼は工学に目覚め、それから数年後にはすでに90年代半ばの技術を彼は持ち、気まぐれで流出させた技術によって世界の技術レベルを彼は大きく進歩させた。
また彼の作り上げた技術である機械を魔術で動かした機動ゴーレムは世界の魔法使いに広く知れ渡ることになった。
彼の現在の魔法技術の所以はこの通りだが、彼の趣味は他にもある。
もともと貧しい身分の生まれである彼はかつての貴族が好むような高尚な文化よりも大衆文化を好む傾向にあった。
故に娯楽を好み、主にインドアな趣味をたくさんもっているのだ。
629: 2013/10/20(日) 02:21:23.60 ID:5B85RUbco
「魔法少女ラブリーチカだと!?そんな馬鹿な……」
その趣味と一つとして日本のアニメーションなどのサブカルチャー、つまりオタク文化である。
多忙な彼だが、暇を見つけては日本から円盤を取り寄せたり、マンガやアニメのチェックには事欠かさないほどである。
そんな彼が、十数年前に伝説的人気を誇った大きなお友達も御用達のアニメ『魔法少女ラブリーチカ』を知らないことなどあるだろうか。いやない。
「どうして……。ラブリーチカは現実ではない。だがこの写真はアニメじゃない!」
数年前、イルミナP自身どうにかしてアニメを現実にできないかを試したことがあった。
自身を2次元に変換することや、物語から現実に顕現させようとしたりもした。
しかしあまりに次元の壁は厚ったのだ。
挙句の果てに機動ゴーレムの技術を生かして人工的に作った2次元キャラの人格を生体素材で作った美少女型ゴーレムに組み込もうとしたが、もはやそれは本物ではなく彼自身の作り上げた偽物でしかなく本物とは程遠いと彼自身感じてしまったのだ。
それ以来、2次元を現実にすることは諦めた。
だからこそ驚いた。
静止画だが確実に分かった。
これは紛れもない『ラブリーチカ』だということに。
かつて自分がなしえなかった現実がここにあるということに。
630: 2013/10/20(日) 02:22:07.05 ID:5B85RUbco
「感動だ……。理想は現実だったんだ……」
その感激にイルミナPは体を震わせて、両の拳を握りしめる。
そして立ち上がって、皮手袋に包まれた右手の指を鳴らすと、一斉に室内の機械の電源が落ちる。
「ならばするべきことはただ一つ。私は本物の『ラブリーチカ』を手に入れる」
イルミナPはそう言うと部屋から出てイルミナティ本部の廊下をしばらく歩く。
そしてたどり着いたのはシャワールーム。
服を脱いでそこに入っててきぱきとシャワーを浴び、ぼさぼさだった髪の毛は水分を含んだことによってまっすぐになる。
ドライヤーで乾かして、腰にタオルを巻きほぼ全裸のまま廊下へと出る。
そこから自室へと戻ると箪笥からブーメランパンツを取り出して履く。
白いシャツを着て、クローゼットから整えられた高級スーツを取り出し、それを纏って最後にネクタイを締める。
眼鏡をコンタクトに変えて、そして整髪料で髪を整える。
先ほどまでまるでニートのような出で立ちだったイルミナPがなんということでしょう。
仕事のできそうなシャープなビジネスマンに変身したではないですか。
見た目は童O臭さを微塵も感じさせないデキる大人な男性です。
631: 2013/10/20(日) 02:22:38.08 ID:5B85RUbco
イルミナPが右手を何もないところへと伸ばすと、どこからともなく艶のあるビジネスバッグが飛んできて持ち手が右手の中に納まる。
そして自室から出て本部からの出口へとイルミナPは向かう。
その途中でイルミナティの研究員が偶然イルミナPと出会った。
「イルミナP様、どちらへ行かれるのですか?」
完全な外出用の格好を見た研究員はイルミナPに尋ねた。
ちなみに現在のイルミナPの役職は肩書き上研究部長となっている。
「すこし野暮用で日本にな。本部のことは任せたぞ」
そう言って去っていくイルミナPの背中は覚悟を背負った男の背中であった。
632: 2013/10/20(日) 02:23:10.81 ID:5B85RUbco
飛行機の高いエンジン音が響くとある日本の空港内。
これから外国に旅行に行く家族や外国人の団体旅行客。
はたまたスーツに身を包んだ海外出張のビジネスマンなどで空港内は溢れていた。
そんな人ごみのなかをまるでモーゼのように人の波を割りながら歩く男が一人。
そのオーラは見る者をひるませ、自然と道を譲ってしまう圧倒的な貫禄を出している。
きっちりと整えられた金髪にスーツからは長い手足がすらりと伸び、その眼光は人々に『畏れ』を与えつつも人を引き付ける鋭さを持っている。
道行く人々はこの男は『大物』だと誰もが感じているだろう。
そう、イルミナP来日である。
633: 2013/10/20(日) 02:23:56.06 ID:5B85RUbco
イルミナPはそのまま周囲の有象無象、彼に注目する人々を無視して空港の出口へと向かう。
開放感のある様相の空港内から一歩出て、そのままタクシー乗り場へと向かおうとするイルミナP。
しかし建物から出た後すぐに広がっていた下りの階段を降りる途中で階段下でイルミナPとある人影を見つけた。
「待ってたよー!イルミナPちゃん」
「ゆ、唯!?どうしてここに?」
イルミナPを待ち伏せしていた人影は、彼の愛する大悪魔バアル・ゼブルこと大槻唯であった。
「唯には日本に行くことを伝えてなかったような気がするんですけど……」
彼が日本に着くまでに会話したのはあの研究員一人だけである。
当然不在であった唯には日本に行くことは話してなかったのだ。
「ちょっと前に本部に戻ってね。そしたらイルミナPちゃんいないじゃん!って感じだったんだ。そこからいろんな人に聞いてね」
「そ、それで私を追って日本までってことですか。私に何か用でも?」
「ん?何か用がないと会いに来ちゃいけないの?ひっどーい」
唯はそう言って頬を膨らませる。
634: 2013/10/20(日) 02:24:32.46 ID:5B85RUbco
「そんなことはないですよ。私は唯ならいつでもウェルカムです」
「そうなの!よかったー。じゃあこれからもどんどん会いにいてあげるね」
唯は笑顔をイルミナPに向けてそう言う。
その笑顔に少しイルミナPはドキリと鼓動を打つが、すぐに平静を装った。
「で、いつも籠りっぱなしのイルミナPは珍しくどうして日本に来ようと思ったの?」
「え!?あ、あーとっ……それは……」
イルミナPの趣味は唯はある程度理解しているし気にしているわけでもないのだが、彼的には自身の趣味が誇れるものではなく少し恥ずかしいと思っている節がある。
そういうところが童Oっぽいのだが、今回の来日の目的は特に気持ち悪いものなので出来れば唯には話したくないとイルミナPは思っているのだ。
「ふ、憤怒の街関連で少し気になることがありましてー……。とにかく唯の手を煩わせるようなことではないですよ」
一応嘘は言っていない。
イルミナPは唯には嘘はなるべくつきたくないので、これが精いっぱいのごまかしである。
635: 2013/10/20(日) 02:25:09.49 ID:5B85RUbco
「んーと、よくわからないけど要するに忙しいってことなんだね」
とりあえずごまかすことには成功したみたいだが、イルミナPはその唯のすこしがっかりしたような表情になる。
「あ、あれ?どうしました、唯?」
何かまずいことでも言ったのかと思い、唯の様子を伺いながらイルミナPは尋ねる。
「いや、忙しいならいいよ。イルミナPちゃんも頑張ってるのにそれの邪魔しちゃ悪いからね☆」
唯はそう言って少し無理に笑顔を作ってイルミナPに向ける。
先ほど向けられた笑顔とは違って、今度はドキリとはしなかった。
唯はそのままイルミナPに背を向けて個人空間につながる魔方陣を形成する。
そんな様子を彼は前にも見たことがあった。
仕事があるといった後にがっかりして去っていく唯の姿を。
「ゆ、唯!待ってください!」
636: 2013/10/20(日) 02:25:49.78 ID:5B85RUbco
イルミナPはそう言って唯の手首を掴む。
イルミナPにも意地はあった。
学習しない童Oなどただのチェリーだ。300年童O以上をやってきたからには、ここで一歩進まねばと。
「用事は大丈夫です。それよりも唯が何を言おうとしたのかを教えてくれませんか?」
その言葉に唯は振り向いて、ポケットからとあるパンフレットを取り出した。
「……秋炎絢爛祭?」
「そう……。ちょっと行ってみたいなって思ってたんだけど、一人で行くのはどうかと思ってたんだ」
「まさか、それに私を誘おうと?」
その問いに唯は小さくうなずく。
「ちょうどイルミナPが日本に来てるって知ったから……」
イルミナPは掴んでいた手をゆっくり離して唯の目を見る。
「用事は後回しでも全然かまいません。ですが唯の誘いは今じゃないとだめです。私が唯の頼みを断るわけがないんですから。これまでもそうでしたでしょう?」
「イルミナPちゃん……。そうだね!いままでもゆいのわがままを聞いてきてくれたもんね!今回も聞いてくれるよね!」
唯は一変してまぶしいような笑顔を作って、手に持っていた二つのパンフレットの片方をイルミナPに押し付けた。
「じゃあこの場所に明日集合!約束だよ☆」
637: 2013/10/20(日) 02:26:25.73 ID:5B85RUbco
そして唯は出現させたままだった魔方陣の中へと入っていった。
そのまま魔方陣は消えてイルミナPはその場に一人残される。
「唯からの誘い……二人きり……これは、まさか、デート!」
恋焦がれて300年、これがついに初デート。
イルミナPは右手を握りしめて、そのまま拳を振り上げ跳びあがった。
「イヤッッホォォォオオォオウ!!」
そこにはタクシー乗り場の前で一人ガッツポーズをしながら跳びあがるスーツ姿の金髪外人。
そして童Oの歓喜の叫びが響いていた。
638: 2013/10/20(日) 02:27:35.28 ID:5B85RUbco
カオススポット
境界崩しで重要となる混沌度が高い地点。
あの日以来不安定であるこの世界で戦争や災害によって混沌としている場所である。
憤怒の街は全国的にたびたび出現するカオススポットの中でも特に混沌度が高かった。
境界崩しの起点として利用でき、周囲に混沌を伝播させる場合もある。
イルミナP外出モード
普段室内で作業するイルミナPは地味な青年だが、一歩でも外に出るときには身だしなみをしっかりと整える。
外出用の服には妥協はせず、『いい物』を着用して大悪魔バアル・ゼブルの隣に立つにふさわしい姿に近づけるようにしている。
その見た目は凄みとカリスマ性を醸しだす。
ただし中身は変わらない。
高級ブーメランパンツ
本来水着であるブーメランパンツだが、このブーメランパンツは特別な製法にラグジュアリィな素材で作られたブーメランパンツ。
常用下着としても使える上、その締め付けは着る者の精神をも引き締める。
凍らせて投げればきれいな弧を描いて手元に戻ってくる。
639: 2013/10/20(日) 02:28:09.99 ID:5B85RUbco
以上です
横山千佳ちゃんお借りしました。
イルミナPの長い恋路が一歩前進。ただしこれはもはやフラグでしかない感じに……。
640: 2013/10/20(日) 02:48:25.96 ID:wjnI/htS0
乙ー
色々とツッコミが追いつかないwwwwwwwwwwww
そして、千佳ちゃん逃げて!全力で逃げて!!!
色々とツッコミが追いつかないwwwwwwwwwwww
そして、千佳ちゃん逃げて!全力で逃げて!!!
641: 2013/10/20(日) 03:11:57.60 ID:wVolN2w/o
乙乙!
吸血鬼連中キャラ濃すぎぃ!
O☆MI☆YA☆GEで笑ってしまった悔しい。
このブーメランパンツの説明に敗北した。
イルミナPは出来る子。
吸血鬼連中キャラ濃すぎぃ!
O☆MI☆YA☆GEで笑ってしまった悔しい。
このブーメランパンツの説明に敗北した。
イルミナPは出来る子。
【次回に続く・・・】
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