698: ◆llXLnL0MGk 2013/10/25(金) 16:37:55.07 ID:/l6wxiKk0
699: 2013/10/25(金) 16:38:53.29 ID:/l6wxiKk0
カイは土木作業、亜季はメイド喫茶、ホージローたちは基本的に公園でお留守番。
そして星花は、今日も街角でバイオリンを奏でる。
バイオリンのストリートアーティスト、という物珍しさからか、それなりに人は集まっていた。
星花「~~♪ ~~♪」
??「……あら」
本当に少しずつだが、ギャラリーは徐々に増えていく。
星花「~~~♪ ……ありがとうございました」
演奏を終え、星花がうやうやしく頭を下げる。
それと同時に起こる、小規模ながらの拍手喝采。
??「…………」
そして、足元のバイオリンケースに硬貨や、稀に紙幣が投げ入れられる。
更に稀に、硬貨や紙幣以外の物も……。
――――――――――――
――――――――
――――
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それは、なんでもないようなとある日のこと。
それは、なんでもないようなとある日のこと。
その日、とある遺跡から謎の石が発掘されました。
時を同じくしてはるか昔に封印された邪悪なる意思が解放されてしまいました。
~中略~
「アイドルマスターシンデレラガールズ」を元ネタにしたシェアワールドです。
・ざっくり言えば『超能力使えたり人間じゃなかったりしたら』の参加型スレ。
700: 2013/10/25(金) 16:39:48.04 ID:/l6wxiKk0
――――
――――――――
――――――――――――
演奏終了後、星花はバイオリンケースの中を整理していた。
貨幣と、稀に投げ込まれる紙くず等とを分けるためだ。
星花「今日は……無さそうですわね」
以前に、ガムの包み紙を放り込まれたことがある。
最初こそショックではあったが、まあ回を重ねる毎に慣れるものである。
星花「……あら?」
ふと、硬貨の中に小さな封筒を見つける。
何気なく裏返してみると、差出人の名前が書いてあった。
星花「……!」
星花は驚いて封筒の中身を取り出す。
星花「…………」
封筒の中に入っていたのは、ある地図だった。
星花は周囲を片付けると、その地図を頼りに歩き出した。
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演奏終了後、星花はバイオリンケースの中を整理していた。
貨幣と、稀に投げ込まれる紙くず等とを分けるためだ。
星花「今日は……無さそうですわね」
以前に、ガムの包み紙を放り込まれたことがある。
最初こそショックではあったが、まあ回を重ねる毎に慣れるものである。
星花「……あら?」
ふと、硬貨の中に小さな封筒を見つける。
何気なく裏返してみると、差出人の名前が書いてあった。
星花「……!」
星花は驚いて封筒の中身を取り出す。
星花「…………」
封筒の中に入っていたのは、ある地図だった。
星花は周囲を片付けると、その地図を頼りに歩き出した。
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701: 2013/10/25(金) 16:40:44.80 ID:/l6wxiKk0
――――
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星花「……ここでしょうか……」
やがて星花がたどり着いたのは、京華学院、教習棟上層階にある一つの教室の前だった。
入り口には『アンティークショップ・ヘルメス 秋炎絢爛祭出張店』と書かれた木製の看板が設置されている。
星花「……失礼します」
戸を軽くノックして教室へ入る。
ユズ「わっととと、ごめんねー」
星花「あっ、すみません」
ちょうど前のお客が店を出るところだったらしい。
星花はフードの少女に頭を下げ、改めて店内に目をやる。
雪乃「いらっしゃいませ…………あら、意外に早く見えたのですね、星花」
星花「雪乃さん……お久しぶりですわ」
彼女の名は相原雪乃。星花の知人で、この店の店主で……稀代の錬金術師だ。
雪乃「ええ、本当に。……相変わらず、無茶をされているようですわね?」
星花「ご存知なのですか? フルメタル・トレイターズの事を……」
雪乃「もちろんですわ。さあ、立ち話も何ですからこちらへ……」
雪乃に誘導され、星花は近くの椅子に腰掛ける。
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星花「……ここでしょうか……」
やがて星花がたどり着いたのは、京華学院、教習棟上層階にある一つの教室の前だった。
入り口には『アンティークショップ・ヘルメス 秋炎絢爛祭出張店』と書かれた木製の看板が設置されている。
星花「……失礼します」
戸を軽くノックして教室へ入る。
ユズ「わっととと、ごめんねー」
星花「あっ、すみません」
ちょうど前のお客が店を出るところだったらしい。
星花はフードの少女に頭を下げ、改めて店内に目をやる。
雪乃「いらっしゃいませ…………あら、意外に早く見えたのですね、星花」
星花「雪乃さん……お久しぶりですわ」
彼女の名は相原雪乃。星花の知人で、この店の店主で……稀代の錬金術師だ。
雪乃「ええ、本当に。……相変わらず、無茶をされているようですわね?」
星花「ご存知なのですか? フルメタル・トレイターズの事を……」
雪乃「もちろんですわ。さあ、立ち話も何ですからこちらへ……」
雪乃に誘導され、星花は近くの椅子に腰掛ける。
702: 2013/10/25(金) 16:41:40.06 ID:/l6wxiKk0
雪乃「さあ、召し上がって下さいな」
星花「はい、いただきます」
促されるまま、雪乃から差し出された紅茶を口にする。
雪乃「……にしても、相変わらず星花は真っ直ぐですわね」
星花「はい。……力があるのなら、それを誰かの為に振るいたくて……」
ティーカップを静かに置き、俯く星花。
雪乃「ふふふ。それを頑として貫き通せるのが、星花の強い所ですわ」
率直に褒められて照れくさいのか、星花はますます俯く。
星花「そっ、それよりも。一体何の御用でしょうか?」
星花は慌てて懐から例の封筒を取り出す。
星花「ただお話をするだけでしたら、こうしてわざわざ封筒を用意する必要も無いのではないでしょうか?」
雪乃はそれを見て、ティーカップを置いてから静かに席を立った。
雪乃「ええ。こちらにお越しいただいたのは、お渡ししたい物があったからですわ。お待ち下さい」
そう言って部屋の奥の方へと入っていく。
星花「……?」
星花「はい、いただきます」
促されるまま、雪乃から差し出された紅茶を口にする。
雪乃「……にしても、相変わらず星花は真っ直ぐですわね」
星花「はい。……力があるのなら、それを誰かの為に振るいたくて……」
ティーカップを静かに置き、俯く星花。
雪乃「ふふふ。それを頑として貫き通せるのが、星花の強い所ですわ」
率直に褒められて照れくさいのか、星花はますます俯く。
星花「そっ、それよりも。一体何の御用でしょうか?」
星花は慌てて懐から例の封筒を取り出す。
星花「ただお話をするだけでしたら、こうしてわざわざ封筒を用意する必要も無いのではないでしょうか?」
雪乃はそれを見て、ティーカップを置いてから静かに席を立った。
雪乃「ええ。こちらにお越しいただいたのは、お渡ししたい物があったからですわ。お待ち下さい」
そう言って部屋の奥の方へと入っていく。
星花「……?」
703: 2013/10/25(金) 16:43:11.66 ID:/l6wxiKk0
雪乃「お待たせしましたわ。こちらを」
雪乃が持ってきたのは、目元を隠す黒いペルソナだった。
金属のような質感で、妖しげなピンク色のラインが数本走っている。
星花「これは……何でしょうか?」
雪乃「以前、別の物の製作が行き詰っていた時に、気分転換に作ったものです」
雪乃は星花の手を取り、そのペルソナを持たせた。
雪乃「ちょっとしたパーティーグッズのようなものですわ」
星花「では……失礼して」
星花はそのペルソナを身に着けてみる。と、
星花「……こ、これは……?」
雪乃「ふふ……」
ペルソナから黒とピンクの光の粒が溢れ出し、星花の体を包み込んでいく。
やがて、光の粒が全て消えてなくなった。
星花「い、今のは……?」
雪乃「さ、ご自分の目でご覧になって?」
そう言って雪乃は大きな鏡を取り出した。
星花「…………これは……」
鏡に映った星花の姿は、最早「お嬢様、涼宮星花」では無かった。
純白のドレスは、黒を基調とした丈の短いものに変わり、蝙蝠の羽のような飾りもついている。
頭には、まるで角のようなピンク色の髪飾りが二つ。その姿は……
雪乃が持ってきたのは、目元を隠す黒いペルソナだった。
金属のような質感で、妖しげなピンク色のラインが数本走っている。
星花「これは……何でしょうか?」
雪乃「以前、別の物の製作が行き詰っていた時に、気分転換に作ったものです」
雪乃は星花の手を取り、そのペルソナを持たせた。
雪乃「ちょっとしたパーティーグッズのようなものですわ」
星花「では……失礼して」
星花はそのペルソナを身に着けてみる。と、
星花「……こ、これは……?」
雪乃「ふふ……」
ペルソナから黒とピンクの光の粒が溢れ出し、星花の体を包み込んでいく。
やがて、光の粒が全て消えてなくなった。
星花「い、今のは……?」
雪乃「さ、ご自分の目でご覧になって?」
そう言って雪乃は大きな鏡を取り出した。
星花「…………これは……」
鏡に映った星花の姿は、最早「お嬢様、涼宮星花」では無かった。
純白のドレスは、黒を基調とした丈の短いものに変わり、蝙蝠の羽のような飾りもついている。
頭には、まるで角のようなピンク色の髪飾りが二つ。その姿は……
704: 2013/10/25(金) 16:44:04.86 ID:/l6wxiKk0
星花「まるで、悪魔……ですわ……」
雪乃「星花の場合は、小悪魔、の方があっているかも知れませんわね」
驚いて鏡に映る自分の姿を凝視する星花を見て、雪乃はくすっと笑みをもらした。
雪乃「それは、着用した者の衣服を変換するペルソナですの。残念ながら、一種類の衣服の情報しか入れられませんが」
星花「そんなものが……」
星花はペルソナを外し、しげしげと眺める。
雪乃「その服が表に出てきた代わりに、星花の元着ていたドレスは今ペルソナの中に入っていますわ」
星花「取り出すときは、どうすれば?」
雪乃「ペルソナを持って、取り出そう、と念じるのです。軽くで大丈夫ですわ」
言われたとおりにやってみると、今度は白い光の粒がペルソナから溢れ、星花の体を覆った。
そして光の粒が消える頃、星花はいつものドレスを身に纏って立っていた。
星花「まあ……」
雪乃「そちら、差し上げますわ」
星花「えっ……」
雪乃「素顔を晒したままのヒーロー活動では、いつご実家に連れ戻されるかも分かりませんわよ?」
それを聞いた星花は、少し心配そうに口を開いた。
星花「しかし、今はお金が……」
雪乃「……ふふっ、その事でしたら大丈夫ですわ。これは、先ほどの演奏を聴かせていただいたお代ですもの」
星花「そういう事でしたら……ありがたくいただきますわ、雪乃さん」
にっこりと微笑んでから、星花は思い出したように雪乃に問いかける。
雪乃「星花の場合は、小悪魔、の方があっているかも知れませんわね」
驚いて鏡に映る自分の姿を凝視する星花を見て、雪乃はくすっと笑みをもらした。
雪乃「それは、着用した者の衣服を変換するペルソナですの。残念ながら、一種類の衣服の情報しか入れられませんが」
星花「そんなものが……」
星花はペルソナを外し、しげしげと眺める。
雪乃「その服が表に出てきた代わりに、星花の元着ていたドレスは今ペルソナの中に入っていますわ」
星花「取り出すときは、どうすれば?」
雪乃「ペルソナを持って、取り出そう、と念じるのです。軽くで大丈夫ですわ」
言われたとおりにやってみると、今度は白い光の粒がペルソナから溢れ、星花の体を覆った。
そして光の粒が消える頃、星花はいつものドレスを身に纏って立っていた。
星花「まあ……」
雪乃「そちら、差し上げますわ」
星花「えっ……」
雪乃「素顔を晒したままのヒーロー活動では、いつご実家に連れ戻されるかも分かりませんわよ?」
それを聞いた星花は、少し心配そうに口を開いた。
星花「しかし、今はお金が……」
雪乃「……ふふっ、その事でしたら大丈夫ですわ。これは、先ほどの演奏を聴かせていただいたお代ですもの」
星花「そういう事でしたら……ありがたくいただきますわ、雪乃さん」
にっこりと微笑んでから、星花は思い出したように雪乃に問いかける。
705: 2013/10/25(金) 16:44:49.65 ID:/l6wxiKk0
星花「そういえば……このペルソナにはお名前はありませんの?」
雪乃「ええ、何せ気分転換の産物なので、まだ名前はついていません。星花が名付け親になりますか?」
星花「では…………」
星花は顎に手を当て、少し考えてからまた口を開いた。
星花「……の、『ノーヴル・ディアブル』……というのは……いかがでしょう?」
少しどもりながら、星花はそう言って恥ずかしげに目を逸らした。
雪乃「ノーヴル・ディアブル……『高貴な悪魔』ですか。星花らしくて素敵だと思いますわ」
星花「あ、ありがとうございます。……では、こちらはありがたくちょうだいいたします、雪乃さん」
雪乃「ええ、大事に使ってあげてくださいね」
星花「はい。……では、失礼いたします」
星花はペルソナ――ノーヴル・ディアブルを握り締めて雪乃に頭を下げ、部屋を後にした。
雪乃「次は本店にもお越しくださいね。…………さて」
雪乃は再び椅子に腰掛け、ふと窓から外の様子を眺める。
馬に乗った小人と、それを追う黒服の女性、それに続く黒服の男たちが駆けていく。
雪乃「……どうやら、ギリギリで間に合ったようですわね」
ふふ、と笑みをこぼして、雪乃は一口紅茶をすすった。
続く
雪乃「ええ、何せ気分転換の産物なので、まだ名前はついていません。星花が名付け親になりますか?」
星花「では…………」
星花は顎に手を当て、少し考えてからまた口を開いた。
星花「……の、『ノーヴル・ディアブル』……というのは……いかがでしょう?」
少しどもりながら、星花はそう言って恥ずかしげに目を逸らした。
雪乃「ノーヴル・ディアブル……『高貴な悪魔』ですか。星花らしくて素敵だと思いますわ」
星花「あ、ありがとうございます。……では、こちらはありがたくちょうだいいたします、雪乃さん」
雪乃「ええ、大事に使ってあげてくださいね」
星花「はい。……では、失礼いたします」
星花はペルソナ――ノーヴル・ディアブルを握り締めて雪乃に頭を下げ、部屋を後にした。
雪乃「次は本店にもお越しくださいね。…………さて」
雪乃は再び椅子に腰掛け、ふと窓から外の様子を眺める。
馬に乗った小人と、それを追う黒服の女性、それに続く黒服の男たちが駆けていく。
雪乃「……どうやら、ギリギリで間に合ったようですわね」
ふふ、と笑みをこぼして、雪乃は一口紅茶をすすった。
続く
706: 2013/10/25(金) 16:45:50.61 ID:/l6wxiKk0
・ノーヴル・ディアブル
目元を覆い隠す、金属質で黒地にピンクのラインが入ったペルソナ。
製作者は錬金術師の相原雪乃で、知人の涼宮星花に贈られた。
悪魔をイメージさせる衣装が光の粒となって内蔵されていて、装着者の衣服を瞬時に変更させる。
(要するに初出星花特訓前→小悪魔お嬢様星花+になる)
作られた時点では無名で、譲り受けた際に星花が名づけた。
星花はこれを正体隠しに使い、変装時はそのまま「ノーブル・ディアブル」と名乗る。
え? アイテムはフランス語でストラディバリはイタリア人? うるせえオーラロケットパンチすんぞ。
・イベント追加情報
星花が雪乃からペルソナ『ノーブル・ディアブル』を受け取り、変身能力を得ました。
707: 2013/10/25(金) 16:47:20.00 ID:/l6wxiKk0
以上です。
今回のお話の要約
雪乃「出来ましたわ! 一瞬で小悪魔衣装になるペルソナですわ!」
星花「ありがとうございます雪乃さん! 早速捜索隊を撒いてきますわ!」
雪乃「くれぐれも悪用してはいけませんわよー!」
「どっちみちストラディバリでバレない?」は禁句だよ!
学園祭中トレイターズの最後最後詐欺が我ながらひどい……
雪乃、ユズお借りしました。
今回のお話の要約
雪乃「出来ましたわ! 一瞬で小悪魔衣装になるペルソナですわ!」
星花「ありがとうございます雪乃さん! 早速捜索隊を撒いてきますわ!」
雪乃「くれぐれも悪用してはいけませんわよー!」
「どっちみちストラディバリでバレない?」は禁句だよ!
学園祭中トレイターズの最後最後詐欺が我ながらひどい……
雪乃、ユズお借りしました。
708: 2013/10/25(金) 17:16:50.85 ID:3s+6BQmyO
乙ー
あ、あれだよ!ペルソナの力でストラティバリが別のものに見える的な!
あ、あれだよ!ペルソナの力でストラティバリが別のものに見える的な!
709: 2013/10/25(金) 17:19:22.17 ID:oQgJH31z0
乙です
捜索隊もこれには困惑
要約の内容がひでぇwwwwww
捜索隊もこれには困惑
要約の内容がひでぇwwwwww
【次回に続く・・・】
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります