831: ◆OJ5hxfM1Hu2U 2013/10/31(木) 01:16:26.02 ID:rPX8SlHDO
モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」シリーズです
前回はコチラ
憤怒の街に投下します
832: 2013/10/31(木) 01:19:31.61 ID:rPX8SlHDO
‐1‐
立ち並ぶ廃墟、散らばる瓦礫。紛争地域めいて荒れ果てた《憤怒の街》メインストリート。
どこからともなく聞こえる爆発音に、力強いシャウトが混じる。…ヒーローだ! 戦っている!
朱色ファイアパターンで彩られた黒子ヒーロースーツ。アイドルヒーロー同盟のヒーロー兼プロデューサー、エボニーコロモだ。
群がる狼型カースを、エボニーコロモは作業じみて捌く。突入からわずか十分、彼は既に四度の襲撃を受けていた。
「復活のペースが速いッ! そんなに俺を足止めしたいか、冗談じゃない! トゥオーッ!」
「ギャアッ! テメアババッ!」
散弾銃めいた高速掌打! 狼型カース最後の一体が、肉体もろとも核を砕かれ崩れ落ちた。
(とんだ判断ミスだ…面倒なことになる前に合流を)
エボニーコロモは先行させた相棒の身を案じた。
“彼女”がカース相手に手こずることはあるまいが、もし多数の敵と戦えば消耗は不可避。作戦にも支障が出るだろう。
…その時である!
----------------------------------------
それは、なんでもないようなとある日のこと。
それは、なんでもないようなとある日のこと。
その日、とある遺跡から謎の石が発掘されました。
時を同じくしてはるか昔に封印された邪悪なる意思が解放されてしまいました。
~中略~
「アイドルマスターシンデレラガールズ」を元ネタにしたシェアワールドです。
・ざっくり言えば『超能力使えたり人間じゃなかったりしたら』の参加型スレ。
833: 2013/10/31(木) 01:22:57.19 ID:rPX8SlHDO
「カスガッ! ブッコロシテヤルルァ!!」
「ヌウッ!?」
エボニーコロモは危うくバックジャンプ回避! 一瞬の後、彼が立っていた場所は小さなクレーターと化していた!
敵の新手はクレーターから回転ジャンプし、エボニーコロモの前に着地! 狼頭の二足歩行カースだ!
ワーウルフ型カースはゆっくりと立ち上がり、見た目に違わず野生的な構えをとる。
爪先立ちで隙を窺う人狼カース。エボニーコロモの間合いは把握されている。このままでは迂闊に動けぬ。
何たるこれまでのカースとは一線を画する学習能力か! エボニーコロモの背筋を冷や汗が伝う。
(…スマン洋子、合流にはもう少しかかりそうだ)
彼は心中で相棒に詫びた。或いはここで敗れて氏ぬか…否、その可能性は考えぬ。今はただ眼前の敵を倒すだけだ。
黒頭巾めいて無表情な強化樹脂バイザーの奥に並んだ無数のセンサー素子が、威圧的な鋭い眼光パターンで発光する。
次の瞬間、エボニーコロモと人狼カースは同時に動いた!
834: 2013/10/31(木) 01:26:20.58 ID:rPX8SlHDO
‐2‐
「わーお…何これ…」
斉藤洋子は作戦の完遂を確信していた。こうして、これまでとは比較にならぬ規模のカース群を目にするまでは。
眼下には何らかの学校施設。降下中のカエン索敵により、潜伏している憤怒のカースドヒューマンの姿は捉えていた。
(あとは乗り込んで倒すだけ…だったはずなんだけど)
カエン・イリュージョンは強力だが、自らの精神も摩耗する。これだけの数を相手に多用できるワザではない。
加えて現在、洋子は単独だ。研ぎ澄まされた感覚を以てしても、プロデューサーたるエボニーコロモの安否は知れぬ。
(でも、迷ってる時間はない…ですよね、プロデューサー。大丈夫、カース相手なら一人でも!)
洋子の瞳に朱色の炎が灯る。恐怖、憤怒、憎悪…負の感情はない。ただ闘志だけがある。
そして…何たる僥倖か、洋子の視界に現れた三人の人影がカース群との交戦を開始したのだ!
洋子は廃墟ビル屋上から決断的に跳躍! 朱色の炎がその身を包み、揺らめく踊り子装束を形作る!
聖炎の踊り子、バーニングダンサーだ!
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
835: 2013/10/31(木) 01:29:20.77 ID:rPX8SlHDO
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
憤怒のカースドヒューマン、岡崎泰葉は、保健室の窓から俄かに騒がしくなった校庭を眺めていた。
どうやら邪魔者が数人、集まったカース達と交戦しているようだ。
無駄な真似を。泰葉は嗤う。この期に及んで目障りな連中。嘲りはたちまち怒りに変わる。
「……腹立たしい」
泰葉は窓際を離れ、硬いソファに腰掛けた。
石造りの祭壇に朱色の小さな炎が燃えている。泰葉はそれを無表情に眺める。
ティアマットの姿は見えぬ。今度はどこで暗躍しているのか。顔を見るのも不快なクズだが、いなければいないで腹が立つ。
「……どいつもこいつも」
憤怒のカースドヒューマン、岡崎泰葉は、保健室の窓から俄かに騒がしくなった校庭を眺めていた。
どうやら邪魔者が数人、集まったカース達と交戦しているようだ。
無駄な真似を。泰葉は嗤う。この期に及んで目障りな連中。嘲りはたちまち怒りに変わる。
「……腹立たしい」
泰葉は窓際を離れ、硬いソファに腰掛けた。
石造りの祭壇に朱色の小さな炎が燃えている。泰葉はそれを無表情に眺める。
ティアマットの姿は見えぬ。今度はどこで暗躍しているのか。顔を見るのも不快なクズだが、いなければいないで腹が立つ。
「……どいつもこいつも」
836: 2013/10/31(木) 01:32:40.81 ID:rPX8SlHDO
足元に寄ってきた双頭の鳥が、石畳の間の虫をついばむ。躊躇なく蹴飛ばした。鳥は燃えて消滅した。
泰葉の背中が燃えている。朱色の炎は瞬く間に全身に回り、彼女を焼き尽く
「 !? ふざけるなァッ!!!!!!」
泰葉は現実に戻った。触手めいて伸びた黒い泥が、怒りに任せ周囲を手当たり次第に破壊する。
「うっ…ごッ…ごボッ…」
その場にうずくまり、白い灰と黒い泥の混ざった塊を吐き出した。聖炎に内側から焼かれたのだ。
街に満ちる憤怒は彼女に力を与え、しかし同時に思考能力を蝕んでいた。幻覚に気付くのが遅れたのはそのせいだ。
そして、まだ逃げ切れてはいないようだ。薬品棚が爆発し、朱色の炎を撒き散らした。
このまま留まるのは危険だ。泰葉はガラス窓を破り、校庭に飛び出した。
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
837: 2013/10/31(木) 01:35:57.42 ID:rPX8SlHDO
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
燻し出した敵を前に、バーニングダンサー…洋子の心はフラットだ。
『…敵は最悪のクソッタレだが、怒りに身を任せるな。その怒りがカースどもの餌になる』
エボニーコロモの言葉を思い出す。輸送機の中、降下の直前まで何度となく聞いたインストラクション。
現に今、死と破壊をもたらした実行犯を前に怒りが膨れ上がるのが分かる。洋子はその怒りを自ら焼き消し、心をフラットに保つ。
状態は遥かに良い。結果として他のヒーローや能力者達がカースを引き付けた形となり、消耗なくここまで辿り着けたのだ。
「《プリミティヴ》、バーニングダンサーです。地獄の前に、私の炎で慣らしていくといいですよ!」
ふらふらと立ち上がる泰葉。バーニングダンサーは半身に構え、挑発的に手招きする。
答える代わりに黒い泥が蠢き、泰葉の姿を形作る。手に手に凶悪な得物を携えた偽泰葉が…九人!
「「「「「「「「 舐めるなッ!!!!!!!!! 」」」」」」」」」
憤怒の暴風と化した偽泰葉軍団がバーニングダンサーに襲い掛かる! 総力戦だ! 地獄が口を開いて待っている!
燻し出した敵を前に、バーニングダンサー…洋子の心はフラットだ。
『…敵は最悪のクソッタレだが、怒りに身を任せるな。その怒りがカースどもの餌になる』
エボニーコロモの言葉を思い出す。輸送機の中、降下の直前まで何度となく聞いたインストラクション。
現に今、死と破壊をもたらした実行犯を前に怒りが膨れ上がるのが分かる。洋子はその怒りを自ら焼き消し、心をフラットに保つ。
状態は遥かに良い。結果として他のヒーローや能力者達がカースを引き付けた形となり、消耗なくここまで辿り着けたのだ。
「《プリミティヴ》、バーニングダンサーです。地獄の前に、私の炎で慣らしていくといいですよ!」
ふらふらと立ち上がる泰葉。バーニングダンサーは半身に構え、挑発的に手招きする。
答える代わりに黒い泥が蠢き、泰葉の姿を形作る。手に手に凶悪な得物を携えた偽泰葉が…九人!
「「「「「「「「 舐めるなッ!!!!!!!!! 」」」」」」」」」
憤怒の暴風と化した偽泰葉軍団がバーニングダンサーに襲い掛かる! 総力戦だ! 地獄が口を開いて待っている!
838: 2013/10/31(木) 01:39:06.64 ID:rPX8SlHDO
‐3‐
「オォン…アォン…」
悔しげな、そして悲しげな断末魔。人狼カースは黒い泥の塊に還った。
強敵の最期を見届けたエボニーコロモもまた、仰向けに倒れた。その手には紅と白の二丁銃。最初のデビュー以来の戦友だ。
「ザマミロ……クソッ痛ぇ……冗談じゃない…」
それなりの深手だ。勝敗を分けたのはチャンスを待ち続けた二丁銃、そして…
「……サイボーグ」
黒頭巾バイザー内のカメラとセンサーが、見上げた遥か上空のシルエットを解析。
サイボーグ。良い思い出のない言葉だが、今回はその狙撃で命拾いした。
エボニーコロモは上空に発光信号を送った。『H・E・L・P』。便利なハイテックだ。
839: 2013/10/31(木) 01:43:03.53 ID:rPX8SlHDO
「アー…しくじったか? …ルナール製じゃなけりゃ良いが」
あれがルナール製サイボーグなら、慈悲深い狙撃が彼を痛みから救っていただろう。
だが銃弾が降って来ることはなく、代わりにセンサーが何らかの空気の揺らぎを捉えた。
「少なくとも[ピーーー]気はない、か。……助かる」
黒子スーツの懐からスポーツブラとスパッツを取り出した。氏闘を経て無傷。救われたような気分だ。
彼の相棒は、変身するたび身につけている物が焼失してしまう。着替えを届けて社会的生命を守らねばならぬ。
痛みを堪え立ち上がる。大丈夫だ。まだやれる。
風圧を感じた。不可視の何かがすぐそばに着陸し、次いで小型飛行機の姿を現した。
エボニーコロモはしばしの間乗り込み口を探し、結局その機体上面に腰を下ろした。
【終】
840: 2013/10/31(木) 01:46:54.55 ID:rPX8SlHDO
◆エボニーコロモ(黒衣P)
アイドルヒーロー同盟所属ヒーロー兼プロデューサー
装着変身系ヒーロー
非能力者
黒子スーツ装着中は三倍の筋力を常時発揮
リミッター解除で短時間ながら身体強化系能力者にも劣らぬ身体能力を得る
斉藤洋子/バーニングダンサーを補佐するヒーロー。
基本的にはバーニングダンサーの後方に黒子めいて控えるだけ。
真の役目はバーニングダンサーの天敵たるハイテックへの用心棒、そして洋子の着替えの氏守である。
徒手空拳の格闘を主体とし、必要に応じて二丁銃や各種ハイテックを活用する。
841: 2013/10/31(木) 01:54:22.19 ID:rPX8SlHDO
以上です
泰葉ちゃんと亜季ちゃんお借りしました
!ノーティス!
・バーニングダンサーが泰葉と交戦状態に入りました。
ポッと出で因縁がない。誰かと交代が望ましい。
・エボニーコロモが亜季と接触。今後の動向は不明。でも着替えは届けたい。
・バーニングダンサーがいつの間にかアイドルヒーロー同盟所属になっていますが問題ない。
泰葉ちゃんと亜季ちゃんお借りしました
!ノーティス!
・バーニングダンサーが泰葉と交戦状態に入りました。
ポッと出で因縁がない。誰かと交代が望ましい。
・エボニーコロモが亜季と接触。今後の動向は不明。でも着替えは届けたい。
・バーニングダンサーがいつの間にかアイドルヒーロー同盟所属になっていますが問題ない。
842: 2013/10/31(木) 02:46:22.92 ID:x2zPqnjy0
乙ー
おおう!洋子さんがきた!
そして偽泰葉を自力で9人作り出す先輩……凄い成長してる……
コレが憤怒Pプロデュースか……
おおう!洋子さんがきた!
そして偽泰葉を自力で9人作り出す先輩……凄い成長してる……
コレが憤怒Pプロデュースか……
843: 2013/10/31(木) 07:09:12.83 ID:C0k5MbwAO
乙でしたー
ついに天帝降臨!
次はいよいよ解決かな?
CuPに続いてPaPが来たか!
再生カース……いったいだれなんだー
洋子さんだ! 相変わらずのニンジャ・アトモスフィア……タツジン!
やったね亜季ちゃん、絡みが出来たよ!
黒衣Pはこのまま学校まで輸送すればよかですか?
ついに天帝降臨!
次はいよいよ解決かな?
CuPに続いてPaPが来たか!
再生カース……いったいだれなんだー
洋子さんだ! 相変わらずのニンジャ・アトモスフィア……タツジン!
やったね亜季ちゃん、絡みが出来たよ!
黒衣Pはこのまま学校まで輸送すればよかですか?
【次回に続く・・・】
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