886: ◆llXLnL0MGk 2013/11/07(木) 00:14:35.70 ID:qgy0DZYQ0

モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」シリーズです


前回はコチラ



学園祭時系列で投下しますー

887: 2013/11/07(木) 00:15:37.07 ID:qgy0DZYQ0

マキノ「度し難いな……全く度し難い……」

マキノは学園祭の喧騒の中を、ブツブツ呟きながら一人歩いていた。

先ほどのカースドヒューマンとの戦い。

普段のマキノなら、光学迷彩が発動しない時点でそのまま逃げ出しただろう。

マリナの居場所の情報は掴めなくなるが、そもそもそんな命令は受けていないので問題は無い。

ならば何故、あの時自分は逃げなかった?

それは無論、みりあという少女を救う為だろう。

となると、すぐに次の疑問が生まれる。

何故みりあを救おうとした?

マキノの信条は「自分の命より大事なのは海皇だけ」のはずだ。

分からない。今のマキノには、その答えが全く見つけられなかった。


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それは、なんでもないようなとある日のこと。
その日、とある遺跡から謎の石が発掘されました。
時を同じくしてはるか昔に封印された邪悪なる意思が解放されてしまいました。

~中略~

「アイドルマスターシンデレラガールズ」を元ネタにしたシェアワールドです。
・ざっくり言えば『超能力使えたり人間じゃなかったりしたら』の参加型スレ。




888: 2013/11/07(木) 00:16:32.34 ID:qgy0DZYQ0
マキノ「……実に度し難いな……」

もう何度目かも分からないその言葉を口にした、その時。

??「マーキノッ♪」

ポンと肩を叩かれて振り向くと、そこにはここにいるはずのない人物が立っていた。

マキノ「何故ここにいるの、サヤ」

サヤは以前の出撃で深手を負い、未だベッドの上の生活だったはずだ。

サヤ「今日はリハビリなのよぉ。一応ペラちゃんは連れて来てるけどぉ」

見上げると、ペラが尻尾の根元に紐をくくりつけて浮かんでいた。

そして、その紐の端はサヤの左手に握られている。

……風船にでも化けたつもりだろうか?

サヤ「もちろん、リードは忘れずにね♪」

違った。

サヤ「それで、マキノの姿が見えたから、ね☆」

マキノ「そう。まあ、いいけど」

889: 2013/11/07(木) 00:17:47.29 ID:qgy0DZYQ0
サヤが元気そうなので、マキノも少し安心した。

何せ、帰還直後の彼女は目も当てられないほどに凄惨だったからだ。

サヤ「ねえねえマキノ、一緒にお祭りまわりましょうよぉ♪」

マキノ「……ええ、いいわ。どうせ一人で退屈だったもの」

サヤ「わあい☆ あっ、ねえ、アレなにかしら?」

サヤはマキノと共に屋台を覗き込む。

……まさにニアミスと言えるだろう。

屋台を覗き込む二人の後ろを、ほたると乃々が通り過ぎていったのだ。

双方、この場ではお互いの存在に気付く事は無かった。

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890: 2013/11/07(木) 00:18:35.63 ID:qgy0DZYQ0
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サヤ「ここなんてどぉ?」

サヤとマキノが足を止めた教室の前には、『メイド喫茶エトランゼ☆出張店☆』と書かれた看板。

マキノ「……こういうのは、女子二人で入るものではないのではなくて?」

マキノは眉をひそめてそう言ったが、サヤはお構いなしだった。

サヤ「いいじゃなぁい、気分よ気分♪」

サヤがガラッと戸を開けると、ミニスカートのメイド服を着た女性がこちらへ振り向いた。

亜季「お帰りなさいませ、お嬢さ……!?」

女性の来客を迎える定型文を言いかけた亜季が、その場でフリーズする。

サヤ「あら」

亜季「……親衛隊が、メイド喫茶に何の用でしょうか」

亜季はキッとサヤを睨み付ける。

891: 2013/11/07(木) 00:19:20.99 ID:qgy0DZYQ0
マキノ「サヤ、こちらの女性は知り合いなの?」

サヤ「ええ、カイのお仲間さんよぉ。亜季ちゃん、だっけ」

亜季はその鋭い眼光をマキノへも向ける。

亜季「こちらの方も親衛隊で?」

サヤ「ええ。マキノっていうのぉ」

マキノ「ちょっと、サヤ?」

マキノは慌てた。敵に何をポンポン情報開示しているのかこやつは。

サヤ「まあまあマキノ。……亜季ちゃん、今日はサヤ達、ただのお客さんだから、ね?」

亜季「…………」

そうは言っても、敵は敵。そうさっさと割り切れるものではない。

892: 2013/11/07(木) 00:20:34.93 ID:qgy0DZYQ0
みく「……亜季チャン、こっちのお嬢様達はみくがご案内するから、亜季チャンは向こうのテーブルをお願いにゃ」

店の奥から猫耳姿のメイド……みくが現われ、亜季の肩をポンと叩いた。

亜季「りょ、了解であります。…………すみません、みく殿」

みく「ノープロブレムにゃ♪」

みくとサヤ達に軽く頭を下げ、亜季は奥のテーブルへと向かった。

みく(このお嬢様と亜季チャンには何かインネンがあるみたいだにゃあ……みくが助け舟にゃあ)

みく「さあさお嬢様、こっちのテーブルにゃあ♪」

みくに促されるまま、サヤとマキノはテーブルに着いた。

みく「ご注文がお決まりになったら、そのベルで呼んでほしいにゃあ」

サヤ「あ、メイドさん。ちょっといいかしらぁ」

テーブルを離れかけたみくを、サヤが呼び止める。

893: 2013/11/07(木) 00:21:21.27 ID:qgy0DZYQ0
サヤ「この子、今日誕生日なんだけど。何か特別なメニューとかあるかしらぁ?」

マキノ「えっ……?」

みく「バースデーメニューはこちらだにゃ」

サヤ「それじゃあ、このバースデーAセットを一つお願いねぇ」

みく「かしこまりましたにゃ!」

威勢のいい返事と共に、みくが裏へと下がっていく。

マキノ「……そういえば、もうそんな日だったかしら」

このところ働きづめで、マキノは自分の誕生日の事すら忘れていた。

忘れていたというよりは、むしろ。

マキノ「……物心ついてからは、こうして大々的に祝われるのは初めてね」

サヤ「……お父さん、めったに家に帰らないんだっけ?」

マキノ「ええ。私も人のことは言えないけれどね」

894: 2013/11/07(木) 00:21:54.38 ID:qgy0DZYQ0
マキノも、科学班工学チーム責任者である父も、家に帰らない日のほうが遥かに多い。

家では、母が一人で過ごしていることがほとんどなのだ。

サヤ「誕生日くらい、家に帰ればいいのに」

マキノ「そうはいかないわ。私の勝手な都合で海皇宮を離れて、その間に大事があったら……」

サヤ「……親衛隊は、マキノ一人じゃないのよぉ?」

マキノ「それは分かっているわ。サヤ達を信用していないわけでもない。ただ……」

マキノは俯いて言葉を切る。

サヤ「……?」

マキノ「…………何でもないわ。祝ってくれてありがとう、サヤ」

サヤへ向けて優しく微笑む。

任務上、作り笑顔は慣れたものだが、これは心から出た笑顔だった。

サヤ「……んふっ、どういたしましてぇ。ほら、料理が来たみたいよぉ」

見ると、いくつかの小皿を乗せたトレイを持って、みくがこちらへ歩いてきていた。

みく「はーい、バースデーAセット、まずは前菜おまちどうにゃあ♪」

終わり

895: 2013/11/07(木) 00:24:32.98 ID:qgy0DZYQ0
・イベント追加情報
サヤがリハビリで地上を訪れています。

サヤとマキノは現在エトランゼで食事中です。


以上です
マキノ誕生日というよりはマキノの内面掘り下げみたいになった

みくお借りしました

896: 2013/11/07(木) 00:26:51.55 ID:ucOCcUiHO
乙ー

マキノ誕生日おめでとー
サヤちゃんキター!!
乃々と遭遇したら、乃々の精神がヤバくなりそう。拒絶領域作りそう…
ほたる頑張って(白目

897: 2013/11/07(木) 00:28:03.19 ID:PuePj/zs0
乙です
マキノ誕生日おめー!
森久保はギリギリでセーフだったね!(白目)




【次回に続く・・・】



引用: モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part7