1: 2016/05/08(日) 15:30:45.61 ID:3RX5SEGw.net
にこ「花陽!急がないと捕まるわよ!?」

花陽「そんなこと言ってもー!」

ピィィィィィ ピィィィ

にこ「まったく、これじゃ私たち盗人みたいじゃない!」

花陽「でも今回の私たちの仕事って……」

にこ「もちろん、この密書の強奪よ!」

花陽「どう見てもただの盗人だよぉー!」

3: 2016/05/08(日) 15:33:48.32 ID:3RX5SEGw.net
にこ「とにかく町を出るわよ!」

花陽「うぅ、もっと屋根の上を飛んだりできれば……」

にこ「屋根の上なんて危ないわよ!落ちたらどうすんの!」

花陽「だからって!町の中を走らなくてもー!」

にこ「わ、わかったわ、あの路地に逃げ込みましょう!」

花陽「う、うんっ!」

サッ

ドコニイッター! サガセー!

花陽「に、にこちゃん、この後は?」

にこ「……いなくなるのを待つ」

花陽「えぇー!!」

5: 2016/05/08(日) 15:36:31.46 ID:3RX5SEGw.net
花陽「いつか見つかっちゃうよ!」

にこ「じゃあ……、これに着替えるわよ」

花陽「え、これ?」

にこ「ほら、いいから!」




にこ「お団子ー、お団子はいかがー」

花陽「お、おむすびもどうぞー!」

アヤシイフタリヲシラナイカ

にこ「あー、それなら北のほうに」

花陽「は、走っていきましたよ」

キタカ!キタダー!!

にこ「……完璧ね」

花陽「やっと忍びっぽいね!」

6: 2016/05/08(日) 15:39:47.89 ID:3RX5SEGw.net
にこ「さ、今のうちに南から逃げるわよ?」

花陽「はーい!」

ことり「あれ?もういいの?」

にこ「ええ、助かったわー」

花陽「すみません、店をお借りして」

ことり「ううん、全然大丈夫だよー、またねー」

にこ「ええ、もう会うことはないかもしれないけど」

花陽「ありがとうございましたー!」

ことり「足は速いけど、おっちょこちょいだねー」

7: 2016/05/08(日) 15:48:08.52 ID:3RX5SEGw.net
西木野城

花陽「ただいま戻りましたー」

にこ「戻ったわよー」

凛「おかえりにゃー!」

にこ「ちょろい仕事だったわー」

花陽(結構危なかったけど……)

凛「じゃあ後はご褒美もらうだけだね!」

にこ「ええ、姫様ー、戻ったわよー!」

真姫「……あのねー、気軽に呼ばないでよね」

凛「あ、真姫ちゃん」

真姫「姫様って呼びなさいよ!」

花陽「真姫ちゃん、ただいま」

真姫「……もういいわ」

8: 2016/05/08(日) 15:51:32.92 ID:3RX5SEGw.net
真姫「それで、ちゃんと盗んできたの?」

にこ「ええ、音ノ木坂城に着く前にしっかり奪ってきたわ」

真姫「じゃあ見せて?」

にこ「え?ええ、花陽、見せてあげなさい」

花陽「え?密書はにこちゃんが持ってたはずじゃ」

にこ「あれ?そうだっけ?」

花陽「うん」

にこ「えーっと……」ガサゴソ

花陽「服に縫い付けてなかった?」

凛「脱がすにゃー」

にこ「ちょっ、やめなさいよ!こらっ!」

真姫「姫の前で何やってるのよ、あんたたちは……」

10: 2016/05/08(日) 15:53:49.25 ID:3RX5SEGw.net
にこ「……ない」

花陽「……ない」

真姫「……ないじゃないわよ!ちゃんと盗ってきたの!?」

にこ「た、確かに盗ったわよ!」

花陽「お、落としちゃったのかな……」

真姫「落としたぁ!?」

にこ「そ、そんなこと忍びの私たちがするわけ……」

凛「じゃあ誰かに盗まれた!?」

にこ「そんなこと……、あ」

17: 2016/05/08(日) 16:46:09.56 ID:3RX5SEGw.net
音ノ木坂城

海未「ことり、お手柄ですね」

ことり「えへへ、と言っても何もしてないよ?」

ことり「預かってた服に密書が縫い付けたられてたから、ささっともらっただけだし」

海未「しかし、まぬけな忍びもいたものですね」

ことり「だねー」

18: 2016/05/08(日) 16:48:34.67 ID:3RX5SEGw.net
にこ「……多分、あの時」

花陽「あぁ……」

真姫「ちょっと!なにしてるのよ!おまぬけ!」

にこ「う……」

花陽「ごめんなさい……」

真姫「これじゃ、ただ行って帰ってきただけじゃない!」

凛「まあまあ、真姫ちゃん」

真姫「おまけにこれでうちが音ノ木坂に敵対してるってバレたわ……」

19: 2016/05/08(日) 16:53:42.04 ID:3RX5SEGw.net
にこ「はー……」

花陽「はー……」

凛「二人とも、元気出すにゃー!」

にこ「完全にしぐじったわ……」

花陽「忍びになってからまともに成功してないもんね……」

凛「そ、そんなことないにゃ!」

にこ「……よし、修行よ!修行!」

花陽「今日はもう疲れたよー」

にこ「ダメよ!とにかく屋根の上をぴょんぴょん跳ねて動けるくらい出来ないと」

花陽「うぅ……」

20: 2016/05/08(日) 16:57:08.89 ID:3RX5SEGw.net
数十分後

にこ「ま、まだ?」

凛「まだにゃー」

花陽「お、落ちる……!」

凛「落ちたらご飯抜きにゃー」

にこ「ね、ねぇ、せめてもっと……」

凛「喋ってると、縄から落ちるよ?」

凛「にこちゃんが屋根の上を跳ねて動けるようになりたいっていうから」

にこ「い、言ったけど!」

凛「そのためにはまず細い縄の上でも落ちないように立ってないと」

花陽「で、でも、なんで崖の上でー!!」

凛「緊張感が大事にゃ」

22: 2016/05/08(日) 17:03:20.11 ID:3RX5SEGw.net
にこ「はぁ……はぁ……」

花陽「足がまだ震えてる……」

凛「まあこんなものかにゃー」

にこ「な、なんか地味よ、この修行」

凛「にこちゃんが派手な忍術ばっかり覚えすぎにゃ」

にこ「だって、火とか水とか出たほうが……」

凛「それは最早妖術にゃ!」

にこ「ぐっ……」

凛「はい、次の修行行くよ」

花陽「はーい……」

24: 2016/05/08(日) 17:13:46.54 ID:3RX5SEGw.net
にこ「はぁ……疲れたわー」

花陽「お腹減ったぁ……」

凛「じゃあ今日はたくさん食べるにゃー」

にこ「すみませーん!」

穂乃果「はーい、お、久々だね、お二人さん」

花陽「ちょっと、音ノ木坂まで行ってたので」

穂乃果「そっかそっかー、今日は何にする?」

にこ「日替わりで」

花陽『私も!ご飯大盛でお願いします!」

凛「凛も同じやつにゃー」

穂乃果「はーい、ちょっと待っててねー」

25: 2016/05/08(日) 17:22:10.96 ID:3RX5SEGw.net
穂乃果「はい、お待ちどうさまー」

にこ「相変わらず美味しそうねー」

花陽「いただきまーす」

穂乃果「ねぇねぇ、音ノ木坂には何しに行ったの?」

花陽「え、えーっと、お仕事?」

にこ「そうね、仕事よ、仕事」

穂乃果「そっかー、何の?」

にこ「なんのって……」

凛「届け物を届けに行っただけにゃー」

穂乃果「ふーん」

26: 2016/05/08(日) 17:29:42.20 ID:3RX5SEGw.net
にこ「ごちそうさまー」

花陽「ごちそうさまでしたー」

穂乃果「お粗末様ー」

凛「はい、じゃあお代にゃ」

穂乃果「まいどー」

にこ「いつも悪いわねー」

凛「二人ともそろそろ別の仕事も見つけて働いてほしいにゃ……」

花陽「ごめんね……」

にこ「だ、ダメよ、忍びは忍びに専念してこそ!」

凛「そんなこと言っていつも凛のおごりにゃ」

にこ「……花陽と茶屋でもやろうかしら」

花陽「あ、それやりたい」

28: 2016/05/08(日) 17:35:23.31 ID:3RX5SEGw.net
数日後 音ノ木坂城

穂乃果「ただいま戻ったよー!」

海未「穂乃果、長い間お疲れ様です」

穂乃果「やっぱり音ノ木坂はいいねー、食べ物も美味しいし」

ことり「も、もうどこか寄ってきたの?」

穂乃果「えへへー」

海未「報告は?」

穂乃果「うん、これからするよ」

30: 2016/05/08(日) 17:39:48.96 ID:3RX5SEGw.net
穂乃果「希ちゃーん」

希「穂乃果ちゃん、お疲れさま」

穂乃果「本当長かったよー」

希「御台様が参られるから、ちょっと待っててね」

海未「み、御台様自らですか!?」

理事長「ええ、もう来ましたよ」

希「相変わらず突然やなぁ……」

穂乃果「御台様!ただいま西木野城の調査よりもどりました!」

理事長「お疲れさまです、穂乃果さん」

海未「ほ、穂乃果、その先生に報告するような態度はやめなさいっ!」

31: 2016/05/08(日) 17:55:46.76 ID:3RX5SEGw.net
理事長「西木野の者たちが敵対しているのは今回のことで明確になりましたね」

ことり「前々からちょっかい出したけど、やっぱり……」

理事長「ただ気がかりなのは……」

海未「向こうは戦をする気なのかということですね」

理事長「はい、戦となれば、穂乃果さん?」

穂乃果「兵力からもうちが圧倒的だよ!」

理事長「そうです、それはあちらも承知のはず……」

理事長「そこで、3人には姫を奪ってきていただきたいのです」

海未「消す、ということですね」

32: 2016/05/08(日) 17:59:01.82 ID:3RX5SEGw.net
理事長「そんな物騒なことしませんよ」

海未「え?」

理事長「文字通り拉致してきてただければ」

ことり(そ、それもそれで物騒なんじゃ……)

理事長「以上です」

海未「えぇー!」

希「というわけらしいんやけど、お願いできる?」

穂乃果「まあそれは……」

希「御台様も戦になる前になんとかしたいんよ」

海未「そうですね、やりましょうか」

ことり「うん!」

穂乃果「よし、お仕事だー!」

34: 2016/05/08(日) 18:26:24.48 ID:3RX5SEGw.net
西木野城下

にこ「にこ式手裏剣術!!」

スカ スカ スカ

凛「全部外れにゃ……」

にこ「くっ、このー!!」

スカ スカ ガッ

花陽「あ、当たったよ!!」

にこ「ど、どうよ!」

凛「これじゃあ実戦は無理にゃー」

にこ「ぐぬぬ……」

35: 2016/05/08(日) 18:44:30.89 ID:3RX5SEGw.net
凛「二人ともこのままじゃ真姫ちゃんからクビにされちゃうにゃ」

花陽「く、クビ!?」

にこ「忍びがクビ!?」

凛「あり得るにゃー」

花陽「ど、どうしよう、にこちゃん」

にこ「主を持たない忍び……、意外と格好いいんじゃない?」

花陽「そ、そういえばそんな気も……」

凛「全然よくないにゃ!」

にこ「わかってるわよー、だからこうやって真面目に修行を……」

花陽「なんだかお城騒がしくない?」

凛「……なんかまずいにゃ、二人とも真姫ちゃんのところに急ぐにゃ!!」

36: 2016/05/08(日) 18:46:59.89 ID:3RX5SEGw.net
数分前

海未「さて、西木野城まできましたが」

ことり「警備薄いとは言っても門番はいるよねー」

海未「どうしましょうか、どこか別のところから」

穂乃果「このお城意外と抜け道少ないんだよねー」

海未「そうでしたね、穂乃果が調べたこの見取り図からすると……」

ことり「あ、ここは?」

海未「そうですね……」

穂乃果「そんなことしなくていいよー、正面突破ー」

海未「ちょ、ちょっと穂乃果」

37: 2016/05/08(日) 18:49:56.18 ID:3RX5SEGw.net
穂乃果「こんばんはー」

門番「ん?な、なんだ貴様は!」

穂乃果「穂乃果ね、お城に用があるんだー」

門番「なっ、ま、まさかくせ者……」

穂乃果「違うよー、ね、お城の中見せて?」ギュッ

門番「い、いや、そ、それは……」

穂乃果「えー」ギュッ

門番「おぉ、意外とでかっ……」

シュッ ドサッ

穂乃果「海未ちゃんさすがー」

海未「色仕掛けですか、古典的ですが、確かにいいですね」

ことり「こっちも片づけたよー」

39: 2016/05/08(日) 19:22:10.56 ID:3RX5SEGw.net
穂乃果「さてさて、こっちかな」

海未「それにしてもよくこんな見取り図を作れましたね」

穂乃果「うん、お城の人と仲良くなって案内してもらったから」

ことり「いいのかなー、このお城それで……」

海未「そろそろ気づかれてもおかしくないです、急ぎましょう」

ことり「うん、急ごう」

穂乃果「ん?二人とも先に行って、私はちょっと相手をしてくるよー」

海未「気を付けてくださいね」

穂乃果「はーい」

43: 2016/05/08(日) 19:49:22.39 ID:3RX5SEGw.net
にこ「なによ、これ」

花陽「見事にやられてるね……」

にこ「本当にやばいやつじゃないのよー!」

花陽「急いで真姫ちゃんのところに行かないと!」

にこ「そうね、待ってなさいよー!」

花陽「あれ?凛ちゃんは?」

にこ「そういえば……、まあいいわ、私たち二人で十分よ!」

花陽「そうかなぁ……」

シュッ

花陽「危ない!」

キーン

穂乃果「おー、さすがだねー!」

にこ「あ、あんた……」

44: 2016/05/08(日) 19:53:13.63 ID:3RX5SEGw.net
穂乃果「また会ったねー」

花陽「お店辞めたって聞いたけど……、まさか……」

穂乃果「そう!私はくのいちだったんだよー!」

にこ「なんかすごい堂々と言われたわ……」

花陽「全然忍んでないよ……」

穂乃果「二人ともその格好可愛いねー!」

にこ「なっ、可愛いって……馬鹿にしてるでしょ!あんた!」

穂乃果「してないよー」

花陽「あ、あの、そこをどいて、くださいっ!」

穂乃果「ダメだよー、私は二人をここで食い止める仕事だから」

にこ(まだ仲間がいるのか……、凛に任せて大丈夫かしら……)

花陽「じゃ、じゃあ」

穂乃果「そうだね、戦おう!」

45: 2016/05/08(日) 19:56:31.86 ID:3RX5SEGw.net
にこ「あんたね、二対一で勝てると思ってんの?」

穂乃果「んー、どうだろ、負けないとは思うよ?」

にこ「花陽!完全に馬鹿にされてるわ!いくわよ!」

花陽「で、でも……」

にこ「なんとかやり過ごして真姫のところに行きましょう」ボソボソ

花陽「う、うんっ」

穂乃果「じゃあいくよー!」バーン

にこ「なっ、ば、爆薬!?」

穂乃果「えいっ!」

花陽「わー!!」

キンッ キンッ

花陽「い、いきなり突っ込んでくるなんてー!」

にこ「このっ!」シュッ

穂乃果「おっとー!」クルクル

46: 2016/05/08(日) 19:59:30.78 ID:3RX5SEGw.net
にこ「いきなり刀で突っ込む忍びがどこにいるのよ!」

穂乃果「不意打ちは基本だよー、花陽ちゃん、剣術結構できるんだねー」

花陽「こ、怖いよぉ……」

にこ(花陽は防御だけは完璧だからなんとかなったけど、私に来てたらやばかったわ……)

にこ「滅茶苦茶な忍びね、まったく……」

穂乃果「忍ぶどころか暴れるよー!!」

花陽「ま、またぁ!?」

穂乃果「えいっ」バーン

花陽「いやああああ!」

にこ「いちいち爆風に乗って突っ込むじゃないわよ!城が壊れるでしょ!」

47: 2016/05/08(日) 20:19:03.23 ID:3RX5SEGw.net
バーン

海未「穂乃果、始めましたか」

ことり「相変わらず派手だねー」

海未「さっさと仕事を済ませましょう」

ことり「うん……」



バーン

真姫「!」ビクッ

真姫「な、何なのよ、さっきから……」

48: 2016/05/08(日) 20:22:53.31 ID:3RX5SEGw.net
ギシッ

真姫「誰!」

真姫「……いるのはわかってるのよ!」

チュンチュン

真姫「なんだ、鳥じゃない……」

真姫「ってそんなわけないでしょ!」

ガラッ

真姫「あら、いない……?」キョロキョロ

真姫「……?」

真姫「……!」

海未「お静かに」

ことり「しーっ!」

真姫「っ……」

50: 2016/05/08(日) 20:39:45.02 ID:3RX5SEGw.net
真姫「何のよ、いったい」

海未「私たちについてきてもらいます」

真姫「拉致するってことね」

海未「はい」

真姫「あんたたち音ノ木坂の忍びね」

ことり「はい」

真姫「……応じなければ殺されるのかしら」

海未「そのようなことは……」

ことり「私たちはただどうして西木野が音ノ木坂を敵対し始めたのかを……」

真姫「元はと言えばそっちが始めたことでしょ!」

海未「それはどういう……」

真姫「知ってるのよ、音ノ木坂が異国と……」

ことり「異国……?」

51: 2016/05/08(日) 20:41:22.65 ID:3RX5SEGw.net
海未「いったいどういう……」

真姫「なによ、初耳みたいな顔して」

ことり「みたいも何も……」

海未「……姫、改めてご同行願います」

真姫「わかったわよ……」

ことり「んー……」

52: 2016/05/08(日) 20:44:15.75 ID:3RX5SEGw.net
にこ「必殺!」

花陽「十字!」

にこ&花陽「手裏剣乱れうち!」

シュッ シュッ シュッ シュッ

穂乃果「えーっと……」

にこ「おりゃああ!!」

花陽「とおおお!」

穂乃果「あの、全然当たらないんだけど……」

にこ「くっ、やるわね」

花陽「うぅ……」

穂乃果(どうしよう、この子たち弱い……)

53: 2016/05/08(日) 21:19:15.52 ID:3RX5SEGw.net
ピィィィィ

にこ「何の音?」

穂乃果「!」

花陽「さ、さあ?」

穂乃果「さてさて、時間みたいだからまたねー」

にこ「なっ、逃げる気!?」

穂乃果「んー、まあそういうことかなー、じゃーねー!」

モクモク

にこ「煙幕……!」

花陽「ごほっごほっ!」

にこ「くぅぅぅ、行くわよ!花陽!」

花陽「え、どこに?」

にこ「いいから!とにかく城の外よ!」

54: 2016/05/08(日) 21:23:06.48 ID:3RX5SEGw.net
にこ「多分仲間がいて、目的達成したからあいつは逃げたのよ」

花陽「目的って、じゃあ真姫ちゃんが!」

にこ「殺されてはないと思うわ、さすがに早すぎる」

花陽「あー、なるほど」

にこ「だからおそらく真姫を連れて逃げてる」

花陽「それなら多分こっちだと思う!何人かで動いても見つかりにくい道!」

にこ「よし、行くわよー!」

55: 2016/05/08(日) 21:25:34.88 ID:3RX5SEGw.net
穂乃果「お待たせ!海未ちゃん!」

海未「穂乃果、さすが無傷ですか」

穂乃果「んー、なんか弱かったよ」

真姫(絶対にこちゃんたちね……)

ことり「道はこっちでいいの?」

穂乃果「ん、こっちで」

にこ「まーーーーーてーーーーー!!」

穂乃果「ええええ、もう追ってきた!?」

ことり「さすが速いねー」

海未「二人ですか、……やりますか?」

穂乃果「んー、確かにこのままじゃ追いつかれちゃうね」

56: 2016/05/08(日) 21:30:17.58 ID:3RX5SEGw.net
にこ「よし、追いついた!」

花陽「真姫ちゃん!」

穂乃果「んー、しつこいなー」

にこ「はぁはぁ……、真姫を返しなさい!」

海未「断ります」

花陽「あ、あの人!園田流の人だよ!」

にこ「そ、園田って、あらゆる武術に長けている、最強の流派……」

海未「恐縮です」

花陽「む、無理だよ!勝てないよー!」

にこ「や、やるしかないでしょ!」

海未「追うのをやめれば何もしませんよ」

にこ「そうも言ってられないのよ!」

58: 2016/05/08(日) 21:34:36.24 ID:3RX5SEGw.net
にこ「花陽!いくわよー!」

花陽「あぅ……」

海未「仕方ありませんね」

シュッ

花陽「え、えいっ!」

キンッ

海未「防がれた!?」

ことり「海未ちゃんの手裏剣が……」

穂乃果「ほ、本気だったよね?」

海未「も、もちろんです、あの子なかなか……」

花陽「は、速いよー……」

にこ「さすがね、花陽!」

59: 2016/05/08(日) 21:41:00.10 ID:3RX5SEGw.net
にこ「私も行くわよー」

海未「穂乃果、彼女はどういう」

穂乃果「えっとねー、多分当たらないと思う……」

にこ「ば、馬鹿にしないでよね!!」

海未「刀で突っ込んできますか」

にこ「えええい!!」

海未「隙だらけですっ!」

にこ人形「にこぉ♪」

海未「なっ!?」

穂乃果「変わり身の術!?」

ことり「きゃっ」

にこ「真姫は取り返したわ!」

ことり「ご、ごめんね、油断してた」

にこ「地味な忍術だからあんまり好きじゃないけどね、これは得意なのよ!」

61: 2016/05/08(日) 21:45:48.98 ID:3RX5SEGw.net
海未「なるほど、そこまでポンコツではないようですね」

にこ「完全に馬鹿にされてて助かったわ」

真姫「それでいいの?にこちゃん?」

海未「とにかく、取り返せばいいだけです、そこまで難しくはないはずです」

穂乃果「よーし、暴れるよー!!」

にこ「ま、まずいわ」

花陽「に、逃げよう」

真姫「逃げられるかしら」

海未「覚悟!」

シュッ シュッ

ことり「海未ちゃん!危ない!」

海未「新手ですか」

62: 2016/05/08(日) 21:48:54.41 ID:3RX5SEGw.net
凛「……」

穂乃果「あ、あれは……」

にこ「あれは!謎のくのいち、お凛!」

花陽「感激だよー!お凛が来たよー!」

穂乃果「え?」

真姫「はぁ……」

凛「二人とも、姫をつれて逃げて」

にこ「わ、わかったわ!」

花陽「はい!」

穂乃果「あなた、凛ちゃんじゃ……」

にこ「何言ってるのよ!あの人は謎のくのいち、お凛よ!古くから西木野を守った英雄よ!」

花陽「そうです!」

海未「だんだん相手をするのが疲れてきました……」

63: 2016/05/08(日) 21:52:06.95 ID:3RX5SEGw.net
凛「この三人はり、……私が止めるよ」

海未「一人で三人をですか?さすがにそれは」

凛「なら、こっちも三人でいくよ!」ブンッ

海未「なっ!?」

ことり「ふ、増えた!?」

穂乃果「ぶ、分身の術!?」

にこ「出たわ!お凛の分身の術!」

海未「まさか、あり得ません!」

ことり「これってもしかして……、あ、あの人、星空流じゃ……」

海未「あの星空流ですか!?」

穂乃果「星空流?」

64: 2016/05/08(日) 21:54:33.08 ID:3RX5SEGw.net
海未「今宵のような星空の下で煌く忍術、星空流です」

穂乃果「だ、だから、何なの、それは」

ことり「あり得ないような忍術を可能にしているという伝説の流派だよ」

穂乃果「え、えええ…・・・・」

凛「さあ、逃げて!」

にこ「ええ!いくわよ!花陽!」

花陽「うん!」

真姫(凛、任せたわ)

海未「この分身の術、おそらくは……」

穂乃果「おそらくは?」

海未「ただの高速移動です!」

穂乃果「ええええええええ!?」

65: 2016/05/08(日) 22:01:54.16 ID:3RX5SEGw.net
穂乃果「よっ、よっ、よっと!」

ことり「くっ、えいっ!」

海未「たあああ!」

凛「「「にゃああああ!!」」」

海未「やりますね……」

ことり「これ本当に増えてないの!?」

穂乃果「とてもただ移動してるだけとは……」

海未「反復横跳びみたいなものです、ですから増えてもあれだけのはず」

穂乃果「ねえ、海未ちゃん」

海未「はい?」

ことり「五人に増えてるけど」

海未「そんな馬鹿な……」

67: 2016/05/08(日) 22:07:28.38 ID:3RX5SEGw.net
ことり「ど、どうしよう、これは逃げないと……」

海未「どうやらそのようですね……」

穂乃果「ええ!まだやれるよ!」

凛「閃光手裏剣!」

穂乃果「ひ、光ってる!?」

海未「目立ってるだけじゃないですか!何の意味があるんですか!」

凛「う……」

ことり「あ、なんかバレたって目してる」

海未「もういいです……、ここは退散しましょう、ことり」

ことり「うん、ピィィィィィ!」

凛「?」

バサバサ カー!カー!カー!カー!

凛「か、カラス!?しかもたくさん!」

海未「それでは失礼いたします」

穂乃果「またねー」

69: 2016/05/08(日) 22:24:47.08 ID:3RX5SEGw.net
西木野城

にこ「ふぅ、なんとか逃げれたわね」

花陽「疲れたー」

真姫「二人ともご苦労様」

凛「皆無事かにゃー?」

にこ「ちょっと、凛!どこ行ってたのよ!」

凛「え、えーっと、いろいろと影で……」

花陽「もう大変だったんだよ!」

凛「あはは、ごめんごめん」

真姫(この二人は本当に気づいてないのかしら)

凛「それで真姫ちゃん、あの三人の目的とか聞いた?」

真姫「一応聞いたけど、なんだか食い違うのよね」

真姫「何かおかしいわ……」

70: 2016/05/08(日) 22:33:06.27 ID:3RX5SEGw.net
音ノ木坂城

理事長「うちが異国と?」

海未「ええ、確かにそのようなことを……」

穂乃果「えー、そんなことないよねー?」

ことり「うん、そもそも西木野とは仲良くしたいと思ってたのに」

希「裏がありそうやね、これは」

理事長「……ええ、ちょっと探ってもらえますか?」

希「承知や」シュッ

理事長「嫌な予感がします……」

71: 2016/05/08(日) 22:41:44.53 ID:3RX5SEGw.net
音ノ木坂城下町

海未(うちが異国とつながりがあって、西木野をつぶす……)

海未(普通に話してましたが、何ですかこの話は……)

海未(まあそれはそれとしても……)

海未(なんだかおかしな話ですね、内部に間者がいないと成立しないような……)

海未(……間者?)

??「あのー、ちょっといいかしら?」

海未「はい?」

??「道を教えてほしいのだけど」

海未「いいですよ、どちらへ」

??「城まで、できれば中までお願いしたいわ」

海未「あなたはっ、んんんっ!!」

??「んっ、んぁ……」チュゥゥ チュパチュパ

海未「んんっ!んっ!ん……んぁ……ぁ……、ぁ……♡」

絵里「まずは一人ね」 

79: 2016/05/09(月) 21:05:58.57 ID:ILVTDr87.net
穂乃果「雪穂ただいまー」

雪穂「お姉ちゃん、おかえりー」

穂乃果「ん?その手は?」

雪穂「何って、仕事終わったんでしょ?」

穂乃果「うん」

雪穂「お給料、もらったんじゃないの?」

穂乃果「それが……失敗しちゃってー、あはは」

雪穂「ちょっと!せっかくお城の忍びになれたのに!!」

穂乃果「しょうがないじゃんー、いつもうまくいくとは限らないよー」

雪穂「はぁ、やっぱりこのままお父さんの跡を継ぐことを考えたほうがいいんじゃないかなー……」

穂乃果「う、うちは代々忍びだもん!」

雪穂「でもほとんど菓子屋の収入で生活してるけどね」

穂乃果「それはそうだけど……」

80: 2016/05/09(月) 21:10:40.54 ID:ILVTDr87.net
雪穂「副業の菓子屋が意外とうまくいったからってお父さんもお母さんも忍びから足を洗っちゃったし」

穂乃果「だから私がこうやって!」

雪穂「いい?お姉ちゃん?」

穂乃果「は、はい」

雪穂「うちは海未さんのところと違って名門じゃないんだから、失敗なんてしちゃダメなんだよ?」

穂乃果「わかってるよー……」

雪穂「特にお姉ちゃんはそこまで忍術うまくないんだから……」

穂乃果「そ、そんなことないもん!」

雪穂「とにかく頑張ってよね」

穂乃果「はーい……、仕方ない、お城に行って別の仕事ないか聞いてくるよー」

雪穂「うん、ちゃんと働いてきてね」

穂乃果「はいはーい」

81: 2016/05/09(月) 21:15:21.24 ID:ILVTDr87.net
穂乃果「もうお使いでもなんでもいいから仕事を……、あれ?海未ちゃん?」

海未「穂乃果」

穂乃果「どうしたの?帰ったんじゃ」

海未「ええ、ちょっと急用が」

穂乃果「あの、その人は?」

海未「私の友人ですよ」

絵里「ふふ、こんにちは」

穂乃果「こ、こんにちは……、え、えっと、なんでお城に?海未ちゃん?」

海未「絵里はいいのですよ」

穂乃果「え?……海未ちゃん?なんかおかしいよ……?」

絵里「なかなか勘がいいのね、んっ」

穂乃果「んんっ!?」

絵里「あなたも堕ちなさいっ、んんっ」チュゥゥゥ

穂乃果「んんっ!んっ!んんっ!!」バタバタ

82: 2016/05/09(月) 21:17:59.83 ID:ILVTDr87.net
絵里「ぷはっ、さああなたも」

穂乃果「はぁはぁ、もう!なにするの!?」

絵里「え!?効かない?」

海未「穂乃果はこうした術の耐性があるのですよ」

絵里「もう、早く言ってよね、仕方ない」パチン

シュッ

穂乃果「え?……うっ」ガクン

絵里「任せたわ、ツバサ」

ツバサ「ええ、連れていくわね」

絵里「さあ、私たちは堂々と城に入りましょ?」

海未「はい」

83: 2016/05/09(月) 21:21:24.06 ID:ILVTDr87.net
海未「こちらです」

絵里「いいところねー、ふふ、気に入ったわ」

海未「御台様、いらっしゃいますか?」

理事長「海未さんですか?どうし……あなたは……」

絵里「どうも、このお城のクイーンね」

理事長「その髪と目、異国の……」

絵里「ええ、ご挨拶にきたわ」

理事長「海未さん、洗脳ですか……」

絵里「そういうこと、さて」

ことり「隙ありっ!」

84: 2016/05/09(月) 21:23:42.11 ID:ILVTDr87.net
絵里「ん?」

亜里沙「させませんっ!」

ことり「しまった!」

絵里「亜里沙、ありがと」

ことり「もう一人……」

絵里「なかなかいい動きだけど、ダメよ?ちゃんと周りをみないと」

理事長「あなたも忍びですか……」

絵里「忍び?まあそんなものね、ロシアのジャパニーズマタハリよ!」

ことり(い、意味がわからないよぉ……、突っ込み役の海未ちゃんがほしい……)

85: 2016/05/09(月) 21:28:15.20 ID:ILVTDr87.net
理事長「目的は私、ですか」

絵里「目的の一つね」

理事長「西木野と音ノ木坂両方ということですね……」

絵里「正解よ、それに私たちは直接手を下さない、あなたたちには潰しあってもらうわー」

ことり「ひ、卑怯者!」

絵里「それが忍びなんじゃないの?」

希「せやね」

理事長「希さん!」

ことり「希ちゃん!助けて!」

希「え?どうして?」

絵里「あはは、あはははははっ!!その子はすでに堕ちているわ!亜里沙の手で!」

亜里沙「えへへ」

86: 2016/05/09(月) 21:33:35.18 ID:ILVTDr87.net
ことり「まさか希ちゃんが……」

理事長「希、あなたが西木野に情報を……」

ことり「希ちゃんはすごい忍びなのに……」

絵里「どんなにすごくても亜里沙の手にかかればちょちょいのちょいよ!」

亜里沙「希さーん」

希「亜里沙ちゃん♡」ギュッ

亜里沙「よーしよし」ナデナデ

絵里「どう?すごいでしょ?」

ことり(こ、この子は確かにすごいけど……)

理事長「やられましたね……」

絵里「おっと、逃げちゃダメよ?こっちにはこの子がいるのよ?」

理事長「ことりは単なる忍びですよ、人質になるとでも?」

87: 2016/05/09(月) 21:37:08.81 ID:ILVTDr87.net
絵里「そう?ならこの子がどうなってもいいのね?プリンセスのこの子が」

ことり「!」

理事長「そこまで、バレて……」

絵里「最初は驚いたわ、まさか姫様が忍びなんてね」

理事長「……くっ」

ことり「お母さん!逃げて!」

理事長「……できません」

絵里「大丈夫よ、痛いことはしないわ?」

理事長「何を……」

絵里「亜里沙、さあやってあげなさい?」

亜里沙「ハラショー」

理事長「ま、まさかこの子に……」

絵里「大丈夫、すぐに気持ちよくなるわ?」

亜里沙「ハラショー!」

理事長「きゃあああああ!!」

88: 2016/05/09(月) 21:40:15.63 ID:ILVTDr87.net
絵里「さて、この子はどうしようかしら」

ことり「……」

絵里「可愛いわ、チューしちゃおうかしら」

ことり「……ィィ」

絵里「ん?」

ことり「……ィィ、ピィ……」

絵里「何かしら」

海未「いけません、絵里、ことりの忍術です」

絵里「え?」

ことり「ピィィィィ!!」

絵里「な、なに?!」

バサバサ

海未「絵里、あの鳥が西木野に」

絵里「え!?鳥!?ど、ど、ど、どうしましょう……」

92: 2016/05/09(月) 21:45:20.44 ID:ILVTDr87.net
とある地下牢

穂乃果「んんっ……」

ツバサ「目が覚めたかしら」

穂乃果「ここは……!縛られてる……」

あんじゅ「ダメよ、逃げようなんて」

穂乃果「あなたたちは誰!」

英玲奈「我々は新井洲の忍び」

穂乃果「新井洲って、あの上様直々の忍び……」

あんじゅ「ええ、そうよ、まあ今じゃ絵里って子の駒だけどね」

ツバサ「仕方ないわ、これも生き残るためだもの」

穂乃果「うぅ、離してよ!」

ツバサ「ダメよ、あなたが私たちの仲間になるまでは」

穂乃果「仲間になんてならないよ!」

93: 2016/05/09(月) 21:47:22.72 ID:ILVTDr87.net
ツバサ「じゃあ仕方ないわね、あんじゅ、英玲奈」

あんじゅ「ええ」

英玲奈「任せろ」

穂乃果「な、何するの……」

ツバサ「ふふ、きつーい拷問よ!」

穂乃果「いやああああああああああ!!」

94: 2016/05/09(月) 21:51:27.42 ID:ILVTDr87.net
穂乃果「はぅ、うぅ、いやぁっ」

あんじゅ「ここがいいのね?」

穂乃果「やっ、んっ、だめっ」

英玲奈「ここだな?」

穂乃果「やぁっ、だめっ、だめぇぇ!」

あんじゅ「ほらほら」コチョコチョ

英玲奈「足の裏はどうかな?」コチョコチャ

穂乃果「だめぇ!あはははっ、くすぐったいよぉ!!」

ツバサ「ふふっ、この拷問に耐えられるかしら」

穂乃果「いやっ、んっ、腋、弱いのぉ」

あんじゅ「だったらこんな腋を出した装束を着ちゃだめよ」ペロペロ

穂乃果「ひゃぁっ!んんっ!」

ツバサ「ふふ、ん?どうしたの?絵里?」

絵里「ツバサー、手伝って!急いで西木野に行かないと!」

95: 2016/05/09(月) 21:53:12.08 ID:ILVTDr87.net
ツバサ「どうしたのよ、そんなに慌てて」

絵里「いいから!急いで!」グイグイ

ツバサ「も、もう、二人とも任せたわ」

英玲奈「任せろ」

絵里「急いで!」シュッ

ツバサ「はいはい」シュッ


あんじゅ「さて私たちは楽しみましょ?」

穂乃果「いやぁ!いやぁっ!」

96: 2016/05/09(月) 21:57:16.94 ID:ILVTDr87.net
穂乃果「ひゃんっ、んっ♡」

あんじゅ「まったくくすぐってるだけのに、変な声出てるわよ?」

穂乃果「はぁはぁ♡」

英玲奈「やらしい子だ」

穂乃果「だ、だってぇ♡」

あんじゅ(それにしても可愛いわね、身体もやらしいし……)

英玲奈(汗もかいて、乱れているな……)

あんじゅ「……」ゴクリ

英玲奈「お、おい、あんじゅ」

あんじゅ「少しくらい……いいわよね!」ガバッ

英玲奈「おい!ずるいぞ!」

穂乃果「あんっ♡やぁっ♡」

あんじゅ「ふふ、可愛いわぁ、それにいい匂い!」

英玲奈「確かにいい匂い……、はっ!まずい!!」

97: 2016/05/09(月) 22:00:01.80 ID:ILVTDr87.net
あんじゅ「うっ……」ガクッ

英玲奈「こ、これは……」クラッ

穂乃果「ふぅ……」

穂乃果「忍術、甘美香」

雪穂『説明しよう!お姉ちゃんは他人を惑わせる匂いを発することができるのだ!』

穂乃果「さて、と」

穂乃果「あんじゅさん?縄ほどいてくれる?」

あんじゅ「は、はいぃ♡」

穂乃果「……急がないとね」

117: 2016/05/13(金) 01:42:29.78 ID:fwwHIhYK.net
西木野城下町

にこ「いらっしゃいませー」

花陽「美味しい、お団子、お茶ありますよぉー……」

にこ「はぁ……、なんとなく始めてみたけど」

花陽「お客さん、来ないね……」

にこ「こんなことより、忍術の修行をしないといけないのに!」

花陽「でも、せっかく凛ちゃんが用意してくれたんだから頑張らないと」

にこ「わかってるわよ、もちろんこの店を町一番にしてみせるわ!」

花陽「うん!」

119: 2016/05/13(金) 01:47:19.50 ID:fwwHIhYK.net
にこ「まあこうやって働いてる間も修行は出来るしね」

花陽「修行?」

にこ「そうよ、例えば……紙飛行機の舞!」

花陽「おぉー!」

にこ「うちのチラシを紙飛行機したわ、これで客がくるわよ!」

花陽「じゃあ私も、花火乱舞!」

ヒュー バンッ バンッ バンッ

花陽「これで人がくるよ!」

にこ「ちょ、ちょっとやりすぎじゃ……」




凛「二人とも派手にやりすぎにゃ……」

チュン チュン

凛「ん?鳥……?」

120: 2016/05/13(金) 01:52:09.64 ID:fwwHIhYK.net
ツバサ「それで、どうするの?」

絵里「どうするって、迅速にお姫様のところへ行くわ」

ツバサ「音ノ木坂は大丈夫なの?」

絵里「問題ないわ、亜里沙が今頃洗脳して戦の準備をさせてるはずよ」

ツバサ「これで西木野と音ノ木坂が潰しあうのね」

絵里「ええ、うまくいけばあなたたちの一族の生活も安泰よ」

ツバサ「……そうね」

絵里「ふふ、上様直々と言ってもこの平和な世の中じゃ仕事もないものね」

ツバサ「急ぎましょう、あの鳥がすでに知らせてる可能性もある」

絵里「ええ、待っててね、赤髪のお姫様♪」

121: 2016/05/13(金) 01:54:49.35 ID:fwwHIhYK.net
西木野城

真姫「……」

真姫「……二人、かしら?」

絵里「ハラショー、意外と鋭いのね」

ツバサ「私の気配にも気づくなんてやるわね」

真姫「それで気配を消したつもり?大したことないわね」

ツバサ「あら、生意気ね、絵里、さっさとすませましょう?」

絵里「ええ、おとなしくしててね?」

真姫「……わかったわ……痛いのはやめてよね?」

絵里「ええ、もちろん」

真姫「……なんて言う真姫ちゃんじゃないわよ!」

ボンッ

122: 2016/05/13(金) 01:58:51.53 ID:fwwHIhYK.net
ツバサ「!?……煙……」

絵里「っ……この煙っ」

真姫「さすがね、でも近づかないほうがいいわよ?吸ったらすぐにぐっすりよ?」

ツバサ「……その格好、忍びの真似事?」

真姫「同年代に騒がしい忍びがたくさんいてね、私も一緒に遊んでたから」

真姫「それなりに動けるわよ?」

絵里「ごほっごほっ!」

ツバサ「それにあなたの得意分野がこの煙ってわけ?」

絵里「げほっ!げほっ!」

真姫「西木野は医術で発展した家だもの、毒じゃないだけありがたいと思ってね」

絵里「ごほっ!……すー……すー……」

ツバサ「ちょっと!絵里!」パンッ

絵里「はっ!

127: 2016/05/14(土) 01:03:24.02 ID:srTxLJIX.net
絵里「私としたことが、危うく眠るところだったわ……」

ツバサ「ほぼ寝てたわよ」

真姫「どうやら足手まといがいるみたいね」

絵里「誰がよ!」

ツバサ「絵里、あなたまともにやれば強いんだからしっかりしてよね」

絵里「わかってるわよ!」

真姫(このまま時間が稼げれば……)

ツバサ「ほら、絵里、さっさと……遅かったみたいね」

シュッ シュッ シュッ

絵里「おっと、危ない危ない」

凛「真姫ちゃん無事!?」

真姫「凛!」

128: 2016/05/14(土) 01:07:37.49 ID:srTxLJIX.net
ツバサ「ほら、一番厄介な子がきちゃったじゃない」

絵里「まあまあ、これで二対二じゃない」

凛「真姫ちゃんのその服久々だにゃ」

真姫「ふざけてないでよ、あの二人なかなかよ、一人は……あれみたいだけど」

絵里「むっ、聞こえてるわよ」

凛「だったらすぐに終わらせるにゃ!」

凛「分身の術!」ブンッ

ツバサ「あらあら……すごいわね、これが星空流の……」

絵里「ハラショー!すごいわ!どんなトリックなの!?」

ツバサ「ちょっと、興奮してないでよ」

真姫「ふふん、凛の分身の術は最強よ!」

129: 2016/05/14(土) 01:16:54.77 ID:srTxLJIX.net
ツバサ「噂には聞いてたけど、本当に増えてるわ、どうする?」

絵里「え?どうするって?」

凛「ごちゃごちゃ話してる暇はないにゃ!!」ダッ

絵里「全員捕まえちゃえばいいじゃない?」シュッ

凛「え?」

絵里「よっと」ギリッ

凛「なっ、あぐっ!」

真姫「凛!!」

ツバサ「それは……糸?」

絵里「糸よりも頑丈よ、この国にはまだないかしらね」

凛「ぐっ……」

絵里「暴れちゃだめよ?」

130: 2016/05/14(土) 01:22:23.63 ID:srTxLJIX.net
絵里「それにしても、本当に増えたわけじゃないのね」

ツバサ「捕まえた瞬間に術が解けたってことも考えられるけど」

絵里「それでもつまらないわ、せっかく全員捕まえようと思ったのに」

真姫「凛……」

ツバサ「さてと、それじゃあお姫様を」

真姫「くっ!」ボンッ ボンッ

絵里「また煙玉?」

ツバサ「これは……絵里、お姫様とその子連れてさっさと退くわよ」

絵里「なんで?まだチューしてないけど」

ツバサ「煙の量とこの色、また新手が来るわよ」

絵里「なるほど、じゃあとりあえず捕まえちゃいましょ」

真姫(早く気づきなさいよ、にこちゃん、花陽)

136: 2016/05/15(日) 01:01:12.62 ID:JuIFPR7+.net
花陽「ねえ、にこちゃん……」

にこ「なによ、早く店閉めるわよー」

花陽「お城から赤い煙が……」

にこ「え?……あれは真姫の……」

花陽「……」

にこ「……」

ダダッ

花陽「どうしよう!どうしようにこちゃん!!」

にこ「知らないわよ!!今は、急ぐしかないでしょ!!」

花陽「もっと、もっと速くっ!!」

にこ「このまま外から登るわよ!」

花陽「うんっ!!」

137: 2016/05/15(日) 01:05:41.57 ID:JuIFPR7+.net
ドタドタ バーン

にこ「真姫!」

花陽「真姫ちゃんっ!!」

にこ「……誰もいない……」

花陽「……まさか」

にこ「殺されてはないわよ……、少なくともここでは……」

花陽「そう、だよね」

にこ「攫われた、ってところね」

花陽「凛ちゃん……凛ちゃんは!?」

にこ「……凛が気付かないはずないわ、多分……」

花陽「凛ちゃんも……」

にこ「もう!なんでこんな時にお凛は来てくれないのよ!」

138: 2016/05/15(日) 01:09:15.98 ID:JuIFPR7+.net
花陽「助けなきゃ、真姫ちゃんと凛ちゃんを助けなきゃ!」

にこ「わかってるわよ、きっと音ノ木坂ね」

花陽「このまま戦になるのかな……」

にこ「仕方ないわよ、ここまでのことをされたのよ」

花陽「うん、絶対に許せない……」

にこ「戦よ、戦の準備よ!」

シュッ

穂乃果「ま、待ったぁ!!」

花陽「!?」

139: 2016/05/15(日) 01:14:24.25 ID:JuIFPR7+.net
にこ「あんた……よくものこのこと!!」

穂乃果「ま、待って!違うの!音ノ木坂も西木野も争う必要なんてないの!!」

花陽「な、何を言ってるの……?」

にこ「花陽、相手にする必要ないわ」

穂乃果「もうっ!違うんだってば!!」

にこ「往生際が悪いわよ!」

花陽「ま、待って!」

にこ「何よ!」

花陽「し、忍びはどんな時でも冷静ににゃ!……凛ちゃんが言ってたよ」

にこ「……冷静になっても事実は変わらないわ」

穂乃果「お願い、簡単に信じてもらえないのはわかるけど……」

140: 2016/05/15(日) 01:17:57.49 ID:JuIFPR7+.net
にこ「もちろんよ、あんたの言葉を信じることなんて」

花陽「ね、ねえ、これ……」

にこ「これは、米……」

穂乃果「も、もしかして五色米!きっと凛ちゃんが!……ってただのお米かぁ……」

にこ「静かにしてて!」

にこ「……この米、花陽、わかる?」

花陽「うん、やってみるよ……」パク

穂乃果「た、食べるの?」

花陽「……」パク パク

141: 2016/05/15(日) 01:21:02.42 ID:JuIFPR7+.net
にこ「……どう?」

花陽「……凛ちゃんからの暗号だね」

にこ「それで、なんて?」

花陽「敵は音ノ木坂にあらず……」

にこ「……なるほど、どうやら嘘じゃないみたいね」

穂乃果「え、え、なんで!?」

にこ「さっき五色米って言ったけどあんな有名なもの、暗号に使っても偽装出来ちゃうでしょ」

穂乃果「ま、まあ、確かに……」

にこ「でもこの方法は違う、花陽にしか解読できない暗号」

花陽「その名も産地米」

穂乃果「さ、産地米?」

142: 2016/05/15(日) 01:25:31.32 ID:JuIFPR7+.net
にこ「ええ、それも米の種類とかではないわ、どの田んぼで作ったか、その組み合わせの暗号」

花陽「独特の固さ、味で見分けることができます」

穂乃果「そ、そ、そんな方法可能なの!?」

にこ「ええ、花陽はそれを可能にするわ」

花陽「暗号を残す方はしっかりとお米の種類を管理してないといけませんが、絶対にバレることがありません」

にこ「これぞ、最強の暗号よ」

穂乃果「た、確かに誰も真似できない……」

にこ「ちなみにこの暗号をつかえるのは西木野の忍びでも私たちと凛、真姫だけ」

花陽「にこちゃん、話を聞こう」

にこ「ええ」

穂乃果(この二人すごいんだよね?うん、きっとすごいんだよ、きっと)

143: 2016/05/15(日) 01:29:46.15 ID:JuIFPR7+.net
穂乃果「……って感じなんだけど」

にこ「異国の……」

花陽「それにあの、新井洲流……」

にこ「なによそれ……」

花陽「そんなの……」

穂乃果「うん、相手は確かにすごい、でも……」

にこ「面白そうじゃない!!」

花陽「あんな有名な忍びと会えるの!?」

穂乃果「え……」

にこ「これよ、相手にとって不足無しだわ!日本一のくのいちにこの出番よ!!」

花陽「間近であの新井洲が見れる!!」

穂乃果(拝啓、海未ちゃん、ことりちゃん、頼る相手を間違えたかもしれません)

155: 2016/05/17(火) 22:05:07.40 ID:jZ4515bW.net
音ノ木坂城

ツバサ「逃げられた!?」

英玲奈「すまない……」

あんじゅ「ごめんなさい、気付いたら解放してたわ……」

ツバサ「まさかあの子が幻惑の術を使うなんてね」

絵里「でも逃げたにしては特に何もしてこなかったわね」

ツバサ「本当にただ逃げちゃったのかしら」

ことり「ほ、穂乃果ちゃんはそんな子じゃない!」

絵里「あら?亜里沙、この子は放置だったの?」

亜里沙「こっちで手一杯だったよー」

理事長「亜里沙ちゃんっ、もっと、もっと欲しいのぉ……」

ことり「うぅ、お母さん……」

156: 2016/05/17(火) 22:09:50.64 ID:jZ4515bW.net
絵里「まあいいわ、さて私はこっちのお姫様を」

真姫「離しなさいよ!」

絵里「もう暴れないの、よくしてあげるから」

真姫「いやっ、やめてっ!」

絵里「ほらほら、可愛い顔をこっちに向けて?」グイッ

真姫「嫌だってっ!」

凛「や、やめて!真姫ちゃんに何するの!」

絵里「ふふ、あなたのお姫様は私の虜になるのよ?」ペロ

真姫「ちょっ……」

絵里「見られながらって興奮するわよ?」

157: 2016/05/17(火) 22:13:36.29 ID:jZ4515bW.net
海未「絵里ぃ、私にもしてくださいぃ」

絵里「ちょっ、もう、甘えん坊さんね」

海未「絵里ぃ」ギュッ

絵里「仕方ないわね、先に可愛がってあげるわ♪」ガバッ

海未「きゃっ」ドサッ

チュプ チュ クチュ クチュ

希「いいなぁ、亜里沙ちゃん、うちもぉ」

亜里沙「もう、希さんは後であげますから、ね?」

希「もうー……」

クチュ クチュ チュパ

真姫「な、何のよ、こんなに見られてるのに///」チラッ チラッ

158: 2016/05/17(火) 22:17:41.05 ID:jZ4515bW.net
絵里「ふふ、どう?ここでしょ?」

海未「あふぅ♡らめっ、らめですぅぅぅ♡」

真姫「ま、まったく恥ずかしい人たち///」チラッ チラ

希「ふふ、真姫ちゃんも後でしてもらえるよー?」ギュッ

真姫「は、離してっ///」

希「このまま聞いて」ボソッ

真姫「!」

希「この後なんとか脱出するよ、動ける?」ボソッ

真姫「……」コク

160: 2016/05/17(火) 22:20:02.91 ID:jZ4515bW.net
希「じゃあ……」

真姫「待って」ヒソッ

希「?」

真姫「動くのは、お祭りが始まってから」ヒソッ

希「お祭り……?」

真姫「……」コクン

希「……」チラッ

ことり「……」コク

海未「……え、絵里ぃ♡もう一回ぃ♡」

絵里「もうー仕方ないわねー!」

172: 2016/05/22(日) 01:11:29.05 ID:fT/ilHR8.net
音ノ木坂城下町

穂乃果「すっかり夜になっちゃったけど、今ならお城に潜入できるよ、行こう?」

にこ「待ちなさいよ、焦りすぎよ」

穂乃果「そりゃ焦るよ!」

花陽「で、でも今行っても返り討ちに……」

穂乃果「それでも行かないと!」

にこ「だーかーらー!しっかりとここは作戦を立てるべきよ」

穂乃果「作戦って言っても……」

にこ「敵の数は向こうがとにかく多いんでしょ?」

穂乃果「うん、多分……だけど」

173: 2016/05/22(日) 01:13:27.47 ID:fT/ilHR8.net
花陽「操られてる人がいるんだよね?」

穂乃果「んー、そうなんだけど……」

にこ「なによ、あんたそれでやられたんじゃないの?」

穂乃果「それはそうなんだけど……」

にこ「ちょっと、はっきりしなさいよ」

穂乃果「……えっとね」

174: 2016/05/22(日) 01:18:39.37 ID:fT/ilHR8.net
音ノ木坂城

希(そろそろ動かないとあかんね……)

希(真姫ちゃんのお祭りっていうのが気になるけど、もう待ってられないし……)

絵里「さーて、そろそろお姫様の番ね」

海未「え、ま、まだ……」

絵里「ダーメ、お姫様が切なそうにしてるんだもの」

真姫「だ、誰が!」

絵里「楽しみだわー、その生意気な態度が堕ちるのは」

真姫「くっ……」

絵里「じゃあいただきまーす」

パンッ パンッ ワーッ ワーッ

絵里「ん?何の騒ぎ?」

175: 2016/05/22(日) 01:22:26.48 ID:fT/ilHR8.net
ヒュー パンッ パンッ

あんじゅ「これは、花火の音……?」

英玲奈「この辺りで祭りがあるとは聞いてないが」

ツバサ「というより、こんな遅くに……」

ワーッ ワーッ 

絵里「でもこの騒ぎ声は?」

ツバサ「もしかして火事とか……、って何よあれ!」

絵里「ん?……ハラショー!」

希(あれは……)

真姫(ようやくね)

凛(間に合ったにゃ……)

176: 2016/05/22(日) 01:25:14.79 ID:fT/ilHR8.net
音ノ木坂城下町

にこ「さあさあ!お祭りよー!」

花陽「城下町の皆さんー!起きてくださいー!」

穂乃果「ちょ、ちょっと、なにこれー!」

にこ「忍法紙吹雪の舞!」

花陽「忍法花火の舞!」

ヒュー パンッ パンッ 

にこ「ほら、花陽、傘よ」

花陽「うんっ!」

にこ&花陽「合体忍法!百花繚乱!」

穂乃果「は、派手だよ、忍んでないよ……」

177: 2016/05/22(日) 01:31:35.64 ID:fT/ilHR8.net
英玲奈「派手だな……」

あんじゅ「なによ、あれは……」

ツバサ「町中で花火と紙吹雪、原因は……」

絵里「あの二人ね!すごいわ、フェスティバルね!亜里沙も見てよ!」

亜里沙「ハルァショー!町の人たちも盛り上がってるね!」

ツバサ「というより、起こされて怒鳴ってるわね」

絵里「原因は、あの二人みたいね」

ツバサ「まったく、あれが忍びのやることかしら、絵里、海未を借りるわ」

絵里「ええ、海未、ツバサと一緒にあの子たちを捕まえてきなさい」

海未「……はい」

希(……これがお祭りってこと?)

179: 2016/05/22(日) 01:34:26.48 ID:fT/ilHR8.net
にこ「さあ騒ぐわよー!!」

花陽「うんっ!どんどん打ち上げよう!」

にこ「さあ、私たちの舞台ご覧あれー!」

ウルセー! ネカセロー!

にこ「ふふん、喜んでるわね」

花陽「そ、そうかなー」

にこ「ほら、もっと行くわよー!」

ツバサ「お祭り騒ぎはそこまでよっ!」

にこ「きたっ!」

花陽「穂乃果ちゃんっ!」

穂乃果「ええいっ!!」

ツバサ「くっ、網!?」

穂乃果「二人とも行って!!」

181: 2016/05/22(日) 01:38:52.86 ID:fT/ilHR8.net
にこ「花陽、行くわよ!」

花陽「うんっ、にこちゃん、捕まっててね」

にこ「大丈夫でしょうね、今回は」

花陽「多分……、忍法爆風浮遊!」

真姫『説明するわ、忍法爆風浮遊とは番傘を差した状態で爆風を使い飛び上がる忍術よ』

ドカーン!!

花陽「爆薬多すぎたー!!」ヒュー 

にこ「ばかー!!」ヒュー

雪穂「あーーー!!うちの屋根がーー!!」

穂乃果「あらら……」

ツバサ「やってくれたわねっ!」ザシュ

穂乃果「やっぱり抜けられるよね」

ツバサ「こっちは二人よ?あなたに勝ち目はないわ」

182: 2016/05/22(日) 01:42:55.65 ID:fT/ilHR8.net
穂乃果「二人?」

ツバサ「ええ、海未」

海未「……」

穂乃果「……」

ツバサ「さあ二人であの子を」

海未「……」

穂乃果「……」

ツバサ「ん?」

穂乃果&海未「忍法縄封じ!」

ツバサ「なっ!?腕を縄でっ!」

海未「さすがです、穂乃果」

穂乃果「えへへ、海未ちゃんも」

ツバサ「海未、あなた……」

183: 2016/05/22(日) 01:46:05.07 ID:fT/ilHR8.net
海未「ええ、だいぶ前から術は解けてましたよ」

ツバサ「おかしいわね、絵里のあの術は一応すごいと思ってたのに」

穂乃果「海未ちゃんたちは私の術で耐性があるんだよ!」

ツバサ「……なるほど、そういえばあなたも」

海未「ええ、穂乃果がいつもいつも私たちで洗脳術を試すせいで、こういう術はすぐに解けるのですよ」

穂乃果「そういうことー!」

ツバサ「やるわねっ!!」

穂乃果「きゃっ」

ツバサ「これくらいで私は捕まえられないわよ」

海未「穂乃果、やりますよ」

穂乃果「うんっ!」

184: 2016/05/22(日) 01:52:12.84 ID:fT/ilHR8.net
絵里「まああの二人にまかせておけばここは大丈夫でしょ」

あんじゅ「そうね、とりあえずは……」

希「……」

英玲奈「おい、お前何をしてる?」

希「何って、逃げる準備やけど?」

英玲奈「なにを」

チュン チュン ……ァイ 

あんじゅ「な、なに、この声というよりも……」

希「ことりちゃん、任せたよ!」

ことり「オネガァイ……ハノケチェン……ハノケチェン!」

英玲奈「な、なんだ、この声は頭にっ!!」

オネガァイ オネガァイ オネガァイ

あんじゅ「耳をふさいでも聞こえてっ、いやあああっ」

185: 2016/05/22(日) 01:57:12.02 ID:fT/ilHR8.net
ことり「……忍法囁き幻術」

英玲奈「頭がぁ!頭がっ!!」

あんじゅ「おかしくなるっ……!!」

ことり「かかったらしばらくはことりの声が脳に直接響くよ!」

希「完璧や!さーらにっ!」

希「忍法最大わしわし!」

あんじゅ「ひゃぅ」

英玲奈「んんっ!」

バタッ

希「またつまらぬものを揉んでしまったわ」

真姫「ちょっとっ!早く縄を解いて!」

凛「凛にもちょっと幻術が……」

ことり「す、すぐに解くね」

絵里「……っと」

186: 2016/05/22(日) 02:01:16.16 ID:fT/ilHR8.net
希「これでよしと」

真姫「ふぅ、助かったわ」

凛「疲れたにゃー」

ことり「でもこれで後は穂乃果ちゃんたちを援護すればいいんだよね」

希「せやね、行こうか」

絵里「ちょっと!!」

希「あ」

絵里「なんで私たち無視してるのよ!!」

ことり「あ、あれ、ことりの術効いてない?」

絵里「そうよ!それなのにあなたも無視して!」

希「すっかり忘れてたわ……、花火に夢中みたいやったから……」

真姫「まあ4人でやれば」

凛「怖く無いにゃ」

絵里「……へぇ」ニヤ

206: 2016/05/28(土) 00:52:52.13 ID:QB/xT51d.net
海未「このっ、愛矢射!」ピッ

ツバサ「矢じゃなくて、手裏剣じゃないっ!」キンッ

穂乃果「隙ありっ」

ツバサ「甘いわね」ブンッ

穂乃果「おっと」バサッ

ツバサ「空蝉の術……」

穂乃果「危ない危ない……」

海未「さすがに手ごわいですね……」

ツバサ「ふふ」

207: 2016/05/28(土) 00:55:04.34 ID:QB/xT51d.net
海未「何がおかしいのですか」

ツバサ「ううん、あなたたち二人で私を相手してていいのかと思ってね」

穂乃果「大丈夫だよ、今頃皆も!」

ツバサ「あなたたち、絵里を甘くみすぎてない?」

海未「え?」

ツバサ「あの子は別に接吻だけが得意のアホの子じゃないわよ?」

穂乃果「そうなの!?」

海未「そうだったのですか!?」

ツバサ(絵里……)

ツバサ「あの子は強いわよー?」

209: 2016/05/28(土) 00:58:52.61 ID:QB/xT51d.net
音ノ木坂城

絵里「ふふっ、あははっ、どうしたの?4人がかりで情けないわよ?」

希「そ、そんな……」

凛「全然動きが違う……」

ことり「あの動きは何なの……?」

絵里「バレエって知ってる?」

希「ばれえ……?」

絵里「ええ、ダンス、いわゆる舞の中でも最高峰に位置するのがバレエよ」

絵里「私の動きはバレエの動き、あなたたちには捉えられないわ」

真姫「ごちゃごちゃ言ってないで離しなさいよっ!」ジタバタ

絵里「ダメよ、隙あれば薬を使おうとするんだもの」

210: 2016/05/28(土) 01:02:46.58 ID:QB/xT51d.net
亜里沙「お姉ちゃん、そろそろ時間が」

絵里「おっと、そうね、そろそろいただきましょう」

真姫「やっ、嫌だっ」

凛「ま、真姫ちゃんっ……」

絵里「暴れないの、んっ」

真姫「んんんっ!」バタバタ

絵里「んっ……ん……」

真姫「んっ!んんっ!……ん……」

希「あ、あかん……」

真姫(舌が入って……)

絵里(よし、堕ちるっ!)

ァァァァァァアアアアア

亜里沙「?……何の音……?」

212: 2016/05/28(土) 01:05:27.12 ID:QB/xT51d.net
絵里「え?」

キャアアアアアアアア  

絵里「な、なに?」

真姫「はぅ……?」

花陽「どいてくださーい!」

にこ「いやああああ!!」

絵里「きゃあああああ!!」

ドカーン

凛「あちゃー……」

ことり「な、なに?」

希「あれは……」

213: 2016/05/28(土) 01:07:31.08 ID:QB/xT51d.net
にこ「いたたたっ……」

花陽「な、なんとか着地できました……」

絵里「な、何なのよ、あなたたちはっ!!」

にこ「え?あれ、ここは……」

花陽「……お城?」

にこ「はっ!花陽!あれやるわよ!」

花陽「え?あっ、う、うんっ!」

花陽「くのいち!」

にこ「参上!」

花陽&にこ「覚悟っ!」

絵里「は……?」

凛「……滑ってるにゃ……」

214: 2016/05/28(土) 01:11:05.51 ID:QB/xT51d.net
真姫「あ、あんたたち真面目にやりなさいよ……」

にこ「真姫、まだ無事みたいね」

真姫「あ、当たり前でしょ、私があんなので堕ちるわけっ」

絵里「あら?舌絡ませかけてなかった?」

真姫「なっなっ、し、し、してないわよっ!///」

絵里「まあいいわ、さて、お二人さん?」

花陽「は、はい?」

絵里「急に出てきてどうする気かしら?まさか二人でどうにか出来るとでも?」

216: 2016/05/28(土) 01:13:33.89 ID:QB/xT51d.net
にこ「そりゃもちろんよ!」

花陽「に、にこちゃん……」

にこ「なによ」

花陽「み、皆やられてるんだけど……」

にこ「ん?」

凛「にゃー」

ことり「ちゅん」

希「やん」

にこ「ふふっ、前座倒したくらいでいい気になってるんじゃわよ!」

凛(後で覚えとくにゃ、にこちゃん……)

217: 2016/05/28(土) 01:17:06.25 ID:QB/xT51d.net
にこ「さてと、異国の忍び!覚悟しなさい!」

絵里「忍び?あー、私たちのこと?」

亜里沙「私たちは忍びじゃないですよ」

花陽「え、違うの?」

絵里「スパイ、と言ってほしいわね」

にこ「すぱい?」

絵里「ええ、凄腕スパイよ」

花陽「すぱいって何だろう……」ボソボソ

にこ「さあ?なんか酸っぱそうな名前ね」ボソボソ

絵里「あなたたち随分と馬鹿にしてるわね!!」

218: 2016/05/28(土) 01:22:17.25 ID:QB/xT51d.net
にこ「き、来たっ」

花陽「ま、回ってるよ」

希「き、気を付けて!」

絵里「ふふっ、もう遅いわ!……痛っ!!」

ことり「え?」

絵里「な、なによ、これ……」

希「まきびし……」

にこ「ふふん、かかったわね」

絵里「な、なんて地味なことを……痛っ」

219: 2016/05/28(土) 01:27:33.86 ID:QB/xT51d.net
凛(まきびしだけじゃない、にこちゃんは怒車の術で相手を怒らせた)

凛(冷静さを欠いたことでまきびしに引っかかった)

凛(にこちゃんは派手な忍術使いたがるけど、ああいう地味な忍術が得意なんだよね)

にこ「さらにっ」ボンッ

絵里「煙っ!?」

にこ「花陽!」

花陽「うんっ」

絵里「どこに……ひゃっ、ちょっ!」

にこ「こちょ」

花陽「こちょ」

絵里「わ、わきは弱いからっ、やめっ、ひゃんっ!」

ことり「え、えっと……」

希「くすぐり……?」

221: 2016/05/28(土) 01:32:25.41 ID:QB/xT51d.net
絵里「このっ、ま、真面目にやりなさいよ!」

にこ「大真面目よ!」

花陽「真姫ちゃん、貸してくれてありがとう!」

絵里「え、ま、まさか……」グラッ

にこ「途中から真姫秘伝の眠り薬を混ぜてあげたわ」

花陽「くすぐりで笑ったことで息をたくさん吸ったよね?」

絵里「こ、この子たちっ……」

亜里沙「……Zzz」

絵里「あ、亜里沙……」

にこ「ふふ、どう?これぞ、最強くのいちの力よ!」

凛(地味にゃ……)

222: 2016/05/28(土) 01:34:57.81 ID:QB/xT51d.net
花陽「にこちゃん、今のうちに逃げよう!」

にこ「そうね、まずは脱出」

バンッ

にこ「え?」

絵里「待ちなさい……」

花陽「火薬の臭い……」

希「あれは火縄……?」

絵里「火縄?火縄銃なんて古臭いものと一緒にしないでほしいわね」

にこ「なによ、それ……」

絵里「ピストルってやつね、まだこの国にはないかしら」

223: 2016/05/28(土) 01:39:02.10 ID:QB/xT51d.net
希「あかん、二人ともあれは危険や……」

絵里「そうよ、効率よく人を頃すための道具、使いたくなかったけどね」

花陽「あわわわ……」

真姫「やめてっ!抵抗しないから二人を殺さないで!」

絵里「そう、それでいいのよ」

にこ「真姫!」

真姫「いいから、あんなのさすがに忍びの技でどうにかなるものじゃないわ」

絵里「ええ、そうよ、忍びなんて地味で、古臭いものではどうにもならないわ」

花陽「し、忍びは……」

絵里「ん?」

花陽「忍びは古臭くなんてないですっ!!」ダッ

にこ「ちょっ、花陽!」

224: 2016/05/28(土) 01:40:32.85 ID:QB/xT51d.net
絵里「氏にたいの!?」

花陽「やああああ!!」

絵里「このっ」

真姫「やめてっ!!」

にこ「花陽!!」

バンッ

キンッ

絵里「え?」

にこ「え?」

花陽「やああ!!」ブンッ

絵里「なっ!?」 

225: 2016/05/28(土) 01:43:54.74 ID:QB/xT51d.net
凛(か、かよちんは……)

凛「防御は日本一にゃ!」

絵里「う、嘘でしょ?」

バンッ キンッ

にこ「す、すごいわ、花陽」

絵里「なんで鉄砲が刀で防げるのよっ!?」

バンッ バンッ

花陽「もう完全に見切りましたっ!」

カンッ キンッ 

絵里「そんなっ!た、弾切れ……」

花陽「にこちゃん、二人で!」

にこ「ええ!」

花陽&にこ「覚悟っ!!」

絵里「きゃああああっ!」

226: 2016/05/28(土) 01:46:14.23 ID:QB/xT51d.net
絵里「うぅ……」

にこ「これでよし、と」

真姫「もっとしっかり縛っておいて」

亜里沙「痛いよぉ……」

花陽「穂乃果ちゃんに合図を送らないと」

ことり「私がやるよー」

希「やるやん、二人とも」

にこ「当たり前でしょー」

花陽「今日はうまくいったねー」

227: 2016/05/28(土) 01:48:28.96 ID:QB/xT51d.net
穂乃果「はぁはぁ……、あれは」

海未「ことりの合図が城から……」

ツバサ「信じられないけど、負けたみたいね」

穂乃果「にこちゃん、花陽ちゃん、やってくれたんだね!」

ツバサ「じゃあこれまでね」

海未「退くのですか」

ツバサ「ええ、仕事は終わり、あの二人が捕まったならもう戦う必要もないもの」

ツバサ「また会えるといいわね?」

穂乃果「……か、勝ったんだよね?」

海未「……引き分けですね、ここだけは」

228: 2016/05/28(土) 01:51:31.02 ID:QB/xT51d.net
凛「ダメにゃ、あの二人逃げてたよ」

希「いつの間に……」

ことり「でも黒幕の二人はここにいるし、もう大丈夫じゃないかな?」

絵里「くっ、頃しなさいよっ……」

にこ「ねえ、この二人どうするの?」

真姫「ここまでやったんだもの、普通は処刑ね」

花陽「処刑……」

絵里「構わないわ、どうせ、もう国には戻れない、失敗したスパイに戻るところは……」

にこ「戻るところないの?んー……それなら……」

229: 2016/05/28(土) 01:55:21.64 ID:QB/xT51d.net
数日後

理事長「それでは真姫さん、西木野と音ノ木坂は改めて同盟関係でよろしいですね」

真姫「ええ、もちろんよ」

理事長「これでしばらくは平和ですね」

真姫「そうね、優秀なくのいちもたくさんいるもの」

理事長「あなたもこれから行くのでしょう?」

真姫「ええ、行かないとうるさくて」

理事長「ことりに、娘にあまり遅くならないよう伝えてください」

真姫「意味あるかわからないけど、わかったわ」

230: 2016/05/28(土) 01:59:49.72 ID:QB/xT51d.net
音ノ木坂と西木野を結ぶ街道

にこ「さあさあ皆さん、ここは音ノ木坂と西木野の中間地点!休憩するなここよー!」

花陽「おいしい、お茶とお菓子、あとおにぎりがありますよー」

絵里「い、今なら異国の女中の姿でお待ちしてます……」

にこ「ちょっと、もっと声はりなさいよ!」

絵里「なんで私が……しかもなんでメイドの服で……」

にこ「あんたがこういう服あるって教えたんでしょ」

絵里「そ、そうだけど」

ことり「二人とも可愛いよー」

穂乃果「わ、私たちもこれ着るのー?」

海未「ヒラヒラして気持ち悪いです……」

花陽「ことりちゃんが頑張って作ってくれたおかげだね」

231: 2016/05/28(土) 02:05:17.34 ID:QB/xT51d.net
にこ「行くとこないんだし、ここで働いて暮せば問題ないでしょ」

絵里「ま、まあありがたいけど……私は……」

希「まあまあ細かいことは気にしちゃあかんよ?」

凛「そうだよ!今は売上を伸ばすにゃー!」

花陽「予算の管理は希ちゃんがしっかりやってくれてるから安心だね」

にこ「さあ私たちは売るわよー!」

花陽「あ、真姫ちゃーん!真姫ちゃんも着替えてー!」

真姫「ここだけ本当騒がしいわね……」

雪穂『こうしてこのお茶屋は日本初のメイド喫茶になったとか、ならなかったとか』

232: 2016/05/28(土) 02:05:56.66 ID:QB/xT51d.net
終わりで

239: 2016/05/28(土) 06:09:24.19 ID:OFYZpUN1.net

面白かった

引用: 花陽「くのいち!」にこ「参上!」