110: 2014/10/18(土) 20:54:34.20 ID:6xu7m55qO

前回はコチラ



第十三話『まる子、最終決戦に行く』



まる子「う〜〜ん……」

さきこ「あぁ、いい湯だった」タッタッ

さきこ「あれ、まる子。 デッキ調整してんの?」

まる子「うん、チョット事故率を下げつつ、爆発力を上げたいな……って思ってさ 」

さきこ「へぇー、どれどれ」
111: 2014/10/18(土) 20:55:20.25 ID:6xu7m55qO

さきこ「……あんた…なにこれ」

まる子「スクラップ・ソルジャーだけど? なにさ」

さきこ「あんた…こんなの事故の元よ…抜きなさい」

まる子「あんた分かってないね……ソルジャーはね、ドラゴエクィテスを出す素材として入れてるんだよ」

さきこ「ただ単に素材の戦士族が欲しいなら、この前あげたカードがあるじゃない」

まる子「えぇ……と、あはは…そうだった、そうだった」

さきこ「なんで、入れてないんだか…」


まる子(言えないね……貰った事を忘れて、引き出しにしまいっぱなしだなんて)


さきこ「そういえば、あんた……カードをあげた次の日に友達と遊戯王してきたのよね」

まる子「!」

112: 2014/10/18(土) 20:56:17.94 ID:6xu7m55qO







たまえ「グスタフの効果発動!」

まる子「……」


たまえ「発射!」






さきこ「どうだった?」

まる子「……」

さきこ「……まる子?」

まる子「……い」

まる子「いやぁー、やっぱりシャドールには勝てないね」

さきこ「……ふふ、あんたのプレイングが悪いから勝てないのよ」

まる子「むむぅ、言ったねあんた! 見せてあげるよ、あたしの実力を!」

さきこ「言ったね、クリフォートの恐ろしさ得と味わいなさい!」



まる子「……遊びで環境デッキを使うなんて…あんたズルい女だねぇ」

さきこ「……うるさいわね」

113: 2014/10/18(土) 20:57:43.40 ID:6xu7m55qO

ジリリリリッ!


さきこ「!……驚いた、電話か」

まる子「お姉ちゃん、早く早く!」

さきこ「分かった、行くわよ! まる子」



ジリリ……


さきこ「クリフォート・ツールの効果で機殻の生贄を手札に!」

さきこ「そして、そのまま装備!」

まる子「くっ……場には三体分クリフォート……いきなり来るね」


さきこ「アドバンス召喚!」


すみれ「まる子ぉ〜、電話よー。 みぎわさんから!」


さきこ「……」

まる子「は、はーい…」

まる子「そういう事だから、お姉ちゃん。 デュエルはまたね」

さきこ「あんた…負けそうだからって逃げてんじゃないわよ」

まる子「じ、じゃあねぇ〜」


114: 2014/10/18(土) 20:59:02.07 ID:6xu7m55qO







ガチャン…


まる子「もしもし、みぎわさん」

みぎわ『あっ、さくらさん』

まる子「どうしたの、電話なんてかけて来て?」

みぎわ『いやね…ちょっと確認をしにね…』

まる子「……明後日の事…だよね」

みぎわ『そうよ』

まる子「ごめん……まだ、ちょっと迷ってるんだ…」

みぎわ『そりゃそうよね、あたしだって怖いわ』

まる子「……ねぇ、みぎわさん」

みぎわ『なにかしら?』


まる子「もしさ、もしだよ……あたしが行かないって言ったら…どうする?」


115: 2014/10/18(土) 21:00:38.87 ID:6xu7m55qO

みぎわ『……そうね』

まる子「……」


みぎわ『じゃあ、そこで私の華麗なるデュエルを見てなさい って言うわ』


まる子「……はは、なにそれ…」

みぎわ『ま、まあとにかく…あたしはあなたが来ないって言っても責めたりはしないわよ』

まる子「……そう」

みぎわ『あと一日あるんだから、しっかり悩みなさい……そのうえで出した応えなら、あたしは何も言わないし、何も気にしないわ』

まる子「……分かった、ありがとう。 みぎわさん」

みぎわ『どう致しまして』

みぎわ『それじゃあ、切るわよ』

まる子「うん、分かった」

116: 2014/10/18(土) 21:02:02.52 ID:6xu7m55qO


みぎわ『あっ! 待って』


まる子「!……どうしたの?」

みぎわ『明日、もし来る気があるなら明日3時にあたしの家に来て。 伝えたい事があるの』

まる子「………分かった」

みぎわ『じゃあね、さくらさん』

まる子「うん、またね」

ガチャン……


まる子「……明後日か」









どうしようかな







117: 2014/10/18(土) 21:02:45.14 ID:6xu7m55qO





まる子「……どうしようかな、この状況」

さきこ「どうよ! アポクリフォート・キラー二体の図は!!」

まる子「まだだよ……まだ、ミラクルシンクロ・フュージョンを引ければ……」

さきこ「ふふん、ドラゴエクィテスを出してツインをコピーするつもりね……でも、そう上手くいくかしら?」

まる子「見てなよ、あたしの……一発逆転のドローを!」


まる子「来い! ドロー」


さきこ「……」

まる子「来た! ミラクル・シンクロ・フュージョンを発動!」

さきこ「なにぃ!」

118: 2014/10/18(土) 21:03:16.13 ID:6xu7m55qO

まる子「融合召喚!」

すみれ「あんた達、いつまでやってるの!! もう寝なさい!」


まる子「へ……」

さきこ「は、はーい。それじゃあ、デュエルはお開きね!」

さきこ「お、おやすみ!」

まる子「そんな……あたしの…一発逆転が」



まる子「……」

まる子「はぁ〜……あたしも寝るかね」








キートン『一方そのころ、花輪は……』





119: 2014/10/18(土) 21:04:03.50 ID:6xu7m55qO





永沢「……」

コッ…
コッ…
コッ…


花輪「ヘイ! ベイビー。 元気かい?」

永沢「まあ普通かな」

花輪「……そっけないな」

永沢「君……僕に用があるから声をかけたんだろ…さっさと本題に入りなよ」

花輪「分かった……」

花輪「悪い知らせがあるんだ」

永沢「……」


花輪「……野口くんがやられた」


永沢「……そうか」

永沢「残りは山田と、さくらになったか……」

120: 2014/10/18(土) 21:04:57.04 ID:6xu7m55qO

花輪「それから、明後日の事で聴きたいことがあるんだ」

永沢「殴り込みの話か…」

花輪「そう……君から見て、これからどうなるか分かるかな?」

永沢「別に……最初に話した通り、″今は″順調に事は進んでいる」

花輪「……ほう」

永沢「このまま行けば、何とかなるかもね」

花輪「……そうか」

永沢「……」

花輪「……」

永沢「花輪くん」

121: 2014/10/18(土) 21:05:32.48 ID:6xu7m55qO

永沢「君は、みんなを利用してるのがしのびないのか?」

花輪「あぁ……とっとも…」

永沢「…花輪くん、何度も言ってるけど。これは最善の策なのよ!………分かってくれよ」

花輪「分かってるよ…でも、本当にこれが最善の策なのか……疑問になる時があるんだよ」

永沢「全てが終われば、これが最善だったのか、それとも最悪だったのかが分かるよ」

花輪「……」

永沢「明後日……頑張りなよ」









ペラ…

山田「たしか……こっから、読んでなかったじょ」

122: 2014/10/18(土) 21:06:10.38 ID:6xu7m55qO

―何故、丸尾はSPの数を間違えたのか?―
   ↓
―丸尾は自分に注意を向けたかった―

―なぜ?―


山田「……」ペラ


―仲間がいる―
   ↓
―同盟の中にいる→花輪か?―


―分からない事が多すぎる―

―強硬だが明日、丸尾に会ってみよう―


山田「やっぱり、野口は丸尾くんに会ったんだ」ペラ


山田「……!」


―もし、このノートをあんたが読んでるなら疑問が浮かぶはず―



123: 2014/10/18(土) 21:06:45.72 ID:6xu7m55qO

山田「なんで、おいらにノートをメッセージを渡したか……だね」


―理由は簡単、あんたは信用できる人間だから―

―私が失敗して消えてしまった時、私がした事が無駄にならないようにするためにあんたに託すよ―

―でも、これはギャンブル。もし、あんたが敵側の人間だったら……そう考えると恐ろしいね―


山田「大丈夫だよ……おいらは野口の味方さ」ペラ


―山田、頑張りなよ―


山田「……」ペラ

124: 2014/10/18(土) 21:07:25.98 ID:6xu7m55qO

山田「……これで、終わりみたいだじょ」ペラペラ


……パタン

山田「……」

山田「……さてと」


山田「日曜の為にデッキ調整をするじょ!」








みぎわ「明後日か……」

みぎわ「……嫌な予感がするわ」

みぎわ「……」

みぎわ「!…しっかりしなさいよ! あたしッ!!」

みぎわ「不安がっても仕方ないわ! さあ日曜の為に調整よ!」

125: 2014/10/18(土) 21:08:17.91 ID:6xu7m55qO





キートン『不安の夜が明けた』


キートン『一同が決意を固め、決戦へと備えをする』


キートン『この女を除けば』





126: 2014/10/18(土) 21:08:47.43 ID:6xu7m55qO

まる子「うーん」

まる子「でもなぁ……あいつ等を放っておくとドンドン被害が増えてくよね」

まる子「そして、そのうち清水が……いや世界が! それはまずいよね、だったらあたしも……」

まる子「うーん……行こうかな…いや、みんな強いし行かなくっても……」

まる子「あっ…リボンだ。 あたしまだ読んでなかったんだよね」

まる子「どれどれ」ペラ

まる子「……」ペラ

まる子「……ふへへ」ペラ

まる子「……」


まる子「……あたしゃ何やってんだろね」

まる子「はぁ〜……ちゃんと考えよ」ゴロン

127: 2014/10/18(土) 21:09:54.11 ID:6xu7m55qO

まる子「……ハァ」

まる子(なんでこんな事になっちゃったんだろ……)





──藤木と最初に闘って

まる子「ダイレクトアタック!」

藤木「うぅ…くそぉぉおお!!」LP1500→0


──その後はもう話が進んで流されていって


みぎわ「じゃあ、そこで私の華麗なるデュエルを見てなさい」


──怖かったけど


花輪「なぜ、デュエルで人を洗脳してるのか…まずはそれが知りたいんだ」


──不謹慎だけど、わくわくしてたね……あの時は

128: 2014/10/18(土) 21:10:32.33 ID:6xu7m55qO




──でも


長山「これが闇の決闘の敗者がたどる末路さ…」


──だんだんと、わくわくとかは感じなくなったな


たまえ「グスタフの効果発動!」

まる子「……」


たまえ「発射!」


──逆に怖くなってたね


笹山「さよなら」


藤木「うわぁぁああ」










まる子「……」

まる子「気ままに流されてるだけなんて…何だかあたしが軽い女に見えるね」

まる子「はは…はぁ…」

129: 2014/10/18(土) 21:11:13.57 ID:6xu7m55qO

まる子「……」

まる子(みぎわさんが言ってた…)


─私ね、そんな素晴らしい人達の人生がメチャメチャにされるのが許せないの!!─


まる子(あの時は訳分からなかったさけど……今は何となく分かるかな)

まる子(たまちゃんも、ブー太郎も、はまじも、みんな操られて無理矢理闘わされているだけだもんな……)

まる子(もう誰かの人生を狂わせたくない……てのは思うけど)



まる子「怖いもんは……怖いんだよ」




130: 2014/10/18(土) 21:13:44.14 ID:6xu7m55qO

まる子(でも、みぎわさんだって……みんなだって怖いはずだよね。 あたしだけ怖いからって理由で行かないのはな……)


まる子「違う違う! みんながこうだからじゃなくて、あたしがどうなのかを考えなきゃ!」


まる子「考えろ、考えろ……」

まる子「……考えろ」

まる子「……」

まる子「考えても埒が明かないね」


まる子(完全にあたしの中で意見が二分してるね……)

まる子(こりゃ一人じゃあ決めれないね)


まる子「あぁー……どっかにあたしを導くいいのないかねぇ」

まる子「あっ、サイコロ……」

まる子「サイコロね……」コロコロ

まる子(そういえば、学校でサイコロの目が出る確率はぜんぶ平等に等しいとか言ってたね)

131: 2014/10/18(土) 21:14:18.93 ID:6xu7m55qO

まる子「ん……等しい?」

まる子「……」コロコロ

まる子「……」コロコロ

まる子「これだ!」バッ!


まる子「どうせ、このままじゃいつまでも悩んで答えなんて出ないんだ!」


まる子「だったら!」



まる子「このサイコロにあたしの運命を決めてもらうよ!」

132: 2014/10/18(土) 21:15:04.77 ID:6xu7m55qO

まる子「四五六が行く、一ニ三が行かない!……公平だよね」

まる子「よし! いくぞぉ!」


まる子「ぬりゃぁ!!」コロコロ

コロコロ…

まる子「……」ゴク

133: 2014/10/18(土) 21:15:55.09 ID:6xu7m55qO

──ドクッ

コロコロコロ

──ドクッ

コロコロ…コロロ…

──ドクッ


まる子「どうなった……」

──ドクッ








【5】


まる子「………よし!」


まる子「行ってやろうじゃん!」

まる子「みんなを……清水を救いに行くぞぉぉ!!」

134: 2014/10/18(土) 21:16:52.87 ID:6xu7m55qO

まる子「あれ……なんか忘れてるような」

まる子「……そうだ! みぎわさんの家に行かなきゃ!」

まる子「うわぁあ! もう時間じゃん、急げぇ!」

タッタッタッ!

まる子「おっとデッキ、デッキ」


タッタッ!

135: 2014/10/18(土) 21:17:58.46 ID:6xu7m55qO










みぎわ「……もうすぐで3時ね」

山田「さくらの奴、来ないじょ」

丸尾「もしや……参加しないつもりですかね」

花輪「……」

136: 2014/10/18(土) 21:19:05.00 ID:6xu7m55qO

みぎわ「……来ないんだったら、仕方ないわね」

丸尾「まったく、さくらさんは……みんなが来てるとゆうのに!」

みぎわ「あんた! さくらさんの事を悪く言わないの!」

丸尾「えぇ……いや、しかし」

みぎわ「さくらさんには、さくらさん成りに一所懸命になって苦しんで考え出した結論なのよ!」

みぎわ「あんた、それを考えてさっきの事を言ったの?!」

丸尾「……すみません」

みぎわ「みんなもいいわね。 来ないからって、さくらさんの事を悪く言わないこと!」

山田「アハハ、わかってるよ。 むしろ此処に来る方がおかしいじょ」


みぎわ「……まあいいわ」

みぎわ「みんなよく聞いて…」

ピーンポーン♪

137: 2014/10/18(土) 21:19:38.81 ID:6xu7m55qO

みぎわ「!」

丸尾「もしや」

花輪「ふっ……ヒーローが遅れてやって来たみたいだね」

みぎわ「チョット、行ってくるわ!」タタタタ

タタタタ……


山田「……さくらが来たのかな?」

丸尾「どうでしょうか?」

花輪「違ったら、違ったらさ」


………タタタタ

みぎわ「みんなッ!」バッ!

花輪「!」

138: 2014/10/18(土) 21:20:46.11 ID:6xu7m55qO

みぎわ「さくらさん、来たわよ!」

丸尾「おぉ!」

山田「アハハ、これは心強いじょ」


まる子「ご、ごめん……待たせちゃったかな?」

花輪「いや、みんな今来た所さ!」

みぎわ「よし! これでマハミヤノマ同盟、全員集合ね!」

みぎわ「早速だけど、話したいことがあるわ! みんなよく聞いて」

まる子「分かったよ」

山田「どんと来い!」

139: 2014/10/18(土) 21:21:35.27 ID:6xu7m55qO

みぎわ「あたし旧桜ヶ丘 第二小学校についてネットで調べてみたわ」

山田「おいらも少し調べてみたじょ……なんでも山の中にあるんだよね」

みぎわ「そう、山の中……しかも、かなりのへき地にあるわ」

まる子「ふぅーん……で、それがどうしなのさ」

みぎわ「問題があるのよ……」

140: 2014/10/18(土) 21:22:57.29 ID:6xu7m55qO

みぎわ「その小学校に行くには二つのルートがあるの」


みぎわ「まず一つは、道路を通り行くルート」


まる子「まぁ……普通だね」


みぎわ「そしてもう一つは鉄道でのルートがあるのよ」


山田「そういえば……父ちゃんが第二小は駅のすぐ近くにあるとか言ってたじょ」

141: 2014/10/18(土) 21:23:27.08 ID:6xu7m55qO

まる子「これの何が問題なのさ?」

みぎわ「まあ最後まで聞いてよ」

みぎわ「そして、問題はこっから」

みぎわ「まず一つ目のルートなんだこど……道を進んでくと、どうしても通らなきゃいけないトンネルがあるの」

丸尾「まさか……そのトンネルは…」

みぎわ「そう、落盤で塞がってるのよ……」

花輪「それじゃあ必然的にもう一つのルートで行かなきゃならないね」

山田「アハハ、お金持ってかなきゃいけないじょ〜」

まる子「二百円で足りるかね」

みぎわ「そのね……みんな」

丸尾「なんでしょ?」

142: 2014/10/18(土) 21:24:26.89 ID:6xu7m55qO


みぎわ「……もう一つのルートは鉄道会社が潰れて今は列車が走ってないのよ」


山田「い″?」

まる子「ど…どうすりゃいいのさ」

みぎわ「線路を歩くしか無いわね」

丸尾「あの……ズバリ、何キロぐらい歩くのでしょうか?」

みぎわ「さあ? とにかく、もの凄く歩くわよ。 山を越えるもの」

まる子「……」

花輪「……」

丸尾「……」

山田「……」

みぎわ「それに駅に行くまでもかなりの距離があるわよ。 自転車で1時間ぐらいはするわね」

まる子「うぇ…」

山田「はぁ…いやだなぁ」


みぎわ「……あたしだって嫌よ」


143: 2014/10/18(土) 21:25:42.23 ID:6xu7m55qO

みぎわ「でも、やるわよ。 あたしだけでも」

山田「なにも、おりるとは言ってないじょ」

まる子「そうだよ、チョット覚悟を決めてただけだよ」

花輪「そうだよ、そんな事ぐらいでへこたれる程、僕達は弱かないのさ」


みぎわ「まあ、そうよね」

まる子「あんた……冷たい返しだね」

みぎわ「冗談よ! みんながついて来てくれるって分かってホッとしてるわ」

みぎわ「あっ……そうだ!」

みぎわ「みんなに集まってもらったのには他にも理由があるわ」

まる子「え……なに」

山田「……なんだじょ」

花輪「……」

144: 2014/10/18(土) 21:26:18.36 ID:6xu7m55qO

みぎわ「みんなでデッキ調整しましょ」

まる子「……あぁ、なんだ」

山田「アハハ…なんだそんな事かい」

みぎわ「そんな事ってなによ! 重要なことじゃないの!」

花輪「まあまあ……僕は賛成だよ。 やっぱり、一人で調整してたら分からない事だってあるしね」

丸尾「ズバリ! わたくしも同意見です!」

まる子「あたしもそう思うよ!」

みぎわ「ふふ……そう来なくっちゃ!」

みぎわ「よし! みんな、自分なりの最強デッキを作るわよ!」


まる子「おぉ〜!!」

145: 2014/10/18(土) 21:26:47.39 ID:6xu7m55qO


ガヤガヤ… ガヤガヤ…

山田「アハハ、パワーボンドを発動! そしてガトリング・ドラゴンを融合」

花輪「奈落だよベイビー」

山田「チェーン! 強制脱出装置!」

みぎわ「うーん、苦肉の策ね」


ガヤガヤ…ガヤガヤ…

まる子「あたしのデッキ……何が足りないんだろね」

丸尾「ズバリ! ランク4のエクシーズでしょう!」

146: 2014/10/18(土) 21:27:23.41 ID:6xu7m55qO

まる子「ランク4ね…ランク4か……何がいいかな」

丸尾「うーむ……何がいいでしょうか」

丸尾「カステル……いや、ツインで事足りてますね。 じゃあ、ビュートで……」

まる子「うーん……何か防御系のカードが欲しいね。 アタッカーと除去はシンクロで大丈夫だし」

丸尾「なるほど、防御……防御ですか……」




丸尾「むむ! 思いつきました!」

丸尾「ちょっと待って下さいね。 えぇ〜と……たしかこれに…」

まる子「……?」

147: 2014/10/18(土) 21:28:16.81 ID:6xu7m55qO

丸尾「おっ! ありました! さくらさん、あなたのデッキに合ったカードがありました」

まる子「これは……」


【No.39 希望皇ホープ】

まる子「あんたの主力じゃん」

148: 2014/10/18(土) 21:28:53.18 ID:6xu7m55qO

丸尾「元主力ですよ。 今はあまり使わなくなってしまいましてね……せっかくですから、さくらさんに一枚差し上げようと」

まる子「そう……悪いね貰っちゃって」

丸尾「構いませんよ。 ズバリ! 困った時は助け合うのが同盟ですから!」

まる子「ちょっとあんた、良いこと言うねぇ!」

丸尾「ふふふ、ズバリ! 今度の学級委員選挙……お願いいたしますよ!」

まる子「……見直したあたしがバカだったよ」

149: 2014/10/18(土) 21:30:42.14 ID:6xu7m55qO



ボーン…ボーン…ボーン

まる子「あれ……まさか、もう五時?」

ボーン…ボーン

丸尾「ズバリ、楽しい時間はあっと言う間でしょう」

まる子「それじゃあ時間だし、あたし帰るね」

みぎわ「あら、お疲れ」

花輪「さくらくん。 僕も帰るから、ついでに車で送っていこうか?」

みぎわ「!!」

まる子「えぇ! いいの?」

花輪「構わないよ。 レディーに夜道を帰らせる訳にはいかないからね」

みぎわ「花輪くん! あたしも送っていってちょーだい!」

キートン『お前の家は此処だろ』


150: 2014/10/18(土) 21:31:13.03 ID:6xu7m55qO

花輪「……それは、ちょっと」

みぎわ「ふふ、冗談よ。 みんな気を付けて帰ってね」

山田「アハハ、それじゃあみんな! さよなら」

丸尾「ズバリ! さよならでしょう!」

みぎわ「じゃあね! また明日」

タッタッタッ

151: 2014/10/18(土) 21:31:43.06 ID:6xu7m55qO

タッタッタッ

『君達も送っていこうか?』

『いえ、わたくしはこのまま歩いて帰りますよ』

『アハハ、おいらも歩くじょ〜』

『分かった。 気を付けて帰ってね』

『それじゃあねぇ〜みんな!』


ブロロロ……


『……』

『それじゃあ、山田君……また明日』タッタッ

『……あぁ、また明日』タッタッ

タッタッタッ…



みぎわ「……」

みぎわ「………明日か…」

みぎわ「……大丈夫、きっと上手くいくわ……大丈夫」

152: 2014/10/18(土) 21:32:17.12 ID:6xu7m55qO








ブロロロロ……キッ!

ヒデ爺「着きましたよ」

まる子「あっ! ありがとう。ヒデ爺」

……ガチャ

まる子「いやぁ〜、悪いね。 送ってくれちゃってさ」

花輪「構わないよ、一緒に帰るついでさ」

まる子「それじゃあね、花輪くん……また明日」

花輪「……あぁ、また明日」


まる子「……」テクテク


花輪「……」

花輪「さくらくん!」

153: 2014/10/18(土) 21:33:13.86 ID:6xu7m55qO

まる子「……なに?」


花輪「いくよ!」ポイ


まる子「うおっ!」パシッ

花輪「ナイスキャッチ!」

まる子「ちょっと急に投げないでよ」

花輪「ハッハッハ! ゴメンゴメン」

花輪「それじゃあ、さくらくん! さよなら、良い夢を」

花輪「ヒデ爺、出して」

ヒデ爺「はい、坊っちゃま。 さくらさん、お元気で」

ブロロロ……



まる子「……なんだったんだろね?」

154: 2014/10/18(土) 21:34:49.44 ID:6xu7m55qO

まる子「……」

まる子「しかしまぁ花輪くんたら……友達にあげるぐらいで、こんなに厳重に包んじゃって」


まる子「中身はなんだろね」


まる子「ふへへ、楽しみだね。 部屋に入ってからゆっくり開けよ」


ガラララッ!

まる子「お母さん、ただいまぁ〜」











155: 2014/10/18(土) 21:35:29.39 ID:6xu7m55qO






パチパチ……パチ…

永沢「うーん……フォートレスで攻撃」


ガチャ

花輪「ただいまベイビー」

永沢「あぁ……おかえり。 遅かったじゃないか」

花輪「ふっ、心配したのかい?」

永沢「別に……形式的な挨拶さ」

花輪「そう……まぁ、こんなに遅くなったには訳があってね」

永沢「……ほぉ」

花輪「レディーをエスコートしてたらこんな時間になってしまってね……」

永沢「ふぅーん」パチ…

156: 2014/10/18(土) 21:36:08.69 ID:6xu7m55qO

花輪「……一人デュエルをしてるのかい?」

永沢「あぁ、ちょっと藤木くんのデッキを借りてね」

花輪「どっちが優勢なのかな?」

永沢「僕が圧倒的に優勢さ」パチ…

永沢「……」パチ…

花輪「……」


永沢「……花輪くん」


花輪「なんだい? ベイビー」

永沢「……いや、なんでもない」


花輪「……」


永沢「分かった……後で話すよ」










159: 2014/10/18(土) 22:23:14.46 ID:6xu7m55qO


キートン『そして、日曜日』


ガタガタ……ゴトッ


友蔵「はぁはぁ……あったぞ!」

友蔵「後はこれを外に……むん! ぐぅぅ」

タタタタ…

さきこ「さっきからゴトゴト音がするけど何を……」タタタ

さきこ「うわ! なにこれ!」

友蔵「おや、お姉ちゃん」

さきこ「うっわぁ……どうしたの? すごい散らかってるけど」

160: 2014/10/18(土) 22:24:08.76 ID:6xu7m55qO

友蔵「すまんすまん、探し物をしてたらな……うっかり散らかしてしもうた」

さきこ「探し物? よかったら一緒に探そうか?」

友蔵「いいよ、もう見つけたから、構わんよ」

さきこ「あっ、そうなんだ。よかったね、見つかって」




さきこ「ねぇ、おじいちゃん……何を探してたの」

友蔵「わしの隣にあるやつじゃよ。 さっきようやく見つけてな」


さきこ「これって……ローラースルーゴーゴーだよね」


友蔵「そうじゃよ、まる子がどうしても要るって言ってなぁ……」

さきこ「はぁ〜まったく、まる子たら……おじいちゃんゴメンね。 疲れてるのにこんな事させちゃって」

友蔵「なに、心配は無用じゃ! 可愛いまる子の為ならこれぐらい……」


……グキッ!

友蔵「あぅ!」

161: 2014/10/18(土) 22:25:12.90 ID:6xu7m55qO

さきこ「おじいちゃん! 大丈夫?!」

友蔵「だ…だい……じょうぶ、じゃ…ちょっと疲れただけ」


『おじ〜ちゃ〜ん』タタタ


さきこ「!」

まる子「どう? 見つかった?」タタタ


さきこ「まる子ッ!!」


まる子「うへぇ!」

さきこ「あんた! おじいちゃんにこんな事させないの!」

さきこ「おじいちゃんね! 昨日、おとといのパトロールで疲れてんのよ! それなのにあんたは!!」

まる子「……ごめん」

さきこ「あれ……なんか聞き分けが良い」

162: 2014/10/18(土) 22:25:54.52 ID:6xu7m55qO

まる子「おじいちゃん、ごめんね……無理させちゃって」

友蔵「いいんじゃよ、年寄りは子供のために働くのが定め……気にする事はない」


友蔵「よいしょ……っと」

友蔵「それじゃあ、わしこれを外に運んで……」


……グキッ!

友蔵「おわぁ!!」

まる子「おじいちゃん!」

さきこ「これを外にだすのは、あたしがやるから! おじいちゃんは休んどいて」

友蔵「す…すまん、お姉ちゃん」

さきこ「いいよいいよ、ゆっくり休んどいて」


さきこ「よっと!……あら、そんなに重くない」

友蔵「……」

タッ…タッ…タッ…タッ…

163: 2014/10/18(土) 22:27:00.11 ID:6xu7m55qO


友蔵「わし…ここまで衰えておったのか……」

まる子「おじいちゃん……し、湿布持ってくるね」







タッタッタッ…

まる子「もう、おじいちゃんたら無理しちゃって」

ガチャ

まる子「湿布湿布、えぇ〜と……たしか冷蔵庫の…何処だったかな?」ガサゴソ

まる子「おっ! あった」

まる子「いやぁ〜、おじいちゃんには悪いことしちゃったね」

まる子「お詫びにデュエルしてあげようかね」

164: 2014/10/18(土) 22:28:31.82 ID:6xu7m55qO

まる子「あっ! その前にローラースルーGOGOをキレイにしないとね。 デュエルはそれからか…」

まる子 「!…そうだ、早く湿布持って行かなきゃ!」

まる子「はぁ〜……案外やることが多いね…あたしって」

タッタッタッ…


キートン『なんでもない日常。 このなんでもない日常が終わるかもしれない』


まる子「急げぇ〜」タッタッ


キートン『そう思うとやる事なす事が新鮮に感じるものである』


まる子「……」タッタッ…タッ……


キートン『だが、その新鮮さがまる子を思いとどまらせる』




まる子「早く、時間にならないかな」


キートン『早く…早く時間が来ないか……そう何度も呟く』


まる子「……」


キートン『まるで自分の中の何かを引き止めるかの様に……何度も…何度も呟いたのであった』

まる子「はぁ〜…いても立ってもいれないね」

165: 2014/10/18(土) 22:29:32.87 ID:6xu7m55qO


まる子「まだ四時か……後一時間半待ったら行こうかね」

まる子「いや、ちょっと早くなるけど五時出発でもいいかな?」

まる子「……」

まる子「おっと! おじいちゃんに湿布持っていってあげなきゃ!」

まる子「細かいこと考えるのはその後だね」



まる子「……まてよ、おじいちゃんが散らかしたやつ…あたしが片付けなきゃだめかね」

まる子「はぁ……がんばろ」




166: 2014/10/18(土) 22:29:58.39 ID:6xu7m55qO










【 PM 5:30 】 学校前


みぎわ「……」


『みぎわさぁ〜〜ん!!』


みぎわ「!……さくらさん!」

まる子「お〜〜いッ!」シャー

キィィィィ…ィィ…

まる子「おっと」

まる子「ごめん、待った?」

みぎわ「さくらさん、まだ五時半よ。 ちょっと早すぎるわよ」

まる子「いやぁ〜、家にいてもやる事が無くてね」

みぎわ「あら、でもここでもやる事は無いわよ」

まる子「アハハ…まあ、いいじゃないの」

167: 2014/10/18(土) 22:30:24.64 ID:6xu7m55qO

【 PM5:35 】

『アハハ! アハハ〜』


まる子「!」

みぎわ「この笑い声は……」


山田「あ! さくら、みぎわ!」


まる子「山田! あんた走って来たの?!」

みぎわ「自転車でも1時間かかるって言ったじゃないの……」

山田「アハハ、自転車が壊れちゃったんだじょ〜。 だから走って来たんだよ」

まる子「あんた……災難だね…」

みぎわ「……頑張りなよ」

山田「アハハ、頑張るじょ〜」

168: 2014/10/18(土) 22:30:53.47 ID:6xu7m55qO


【 PM5:41 】


キコキコ キコキコ…キィィィィ…

みぎわ「あら、誰か来たわね」


丸尾「よっと!……ん? むむ!」


まる子「あっ! 丸尾くん」

丸尾「なんと! さくらさんと山田くんがこんな時間に来ている!」

丸尾「ズバリ! 今日は大嵐でしょう!」

まる子「あんた……来て早々なんてこと言うんだい…」

山田「アハハ……」

丸尾「冗談ですよ。 あなた方がきちんと来てくれて嬉しく思います」

まる子「おぉ! 良いこと言うねぇ、あんた!」


みぎわ「丸尾が来た……これで、残るは花輪くんね…」

丸尾「まあ、時間はまだあるので、まったり待っていましょうか」

まる子「そうだね、そうしようか」

169: 2014/10/18(土) 22:31:57.72 ID:6xu7m55qO

【 PM5:48 】

山田「アハハ、それにしてもみんな早く来過ぎだなぁ〜」

丸尾「ズバリ! 家にいたら体が疼いてしょうがなかったのですよ」

まる子「まあ、あたしも……そんな感じかな」

みぎわ「あたしは言い出しっぺだから誰よりも早く来なくちゃいけないでしょ」

まる子「てか……山田も早いじゃん」

山田「それもそっか、アハハ」


みぎわ「それにしても……花輪くんまだ来ないわね…」


まる子「まあ、あと5分ぐらいで来るんじゃないのかな?」

丸尾「まあ、そのくらいには来ますよ」

みぎわ「……」

170: 2014/10/18(土) 22:32:39.23 ID:6xu7m55qO

【 PM6:00 】

みぎわ「来ないじゃないのぉお!!」


まる子「みぎわさん、落ち着いて…」

丸尾「そうですよ、あと数分ぐらいで来ますよ……たぶん」

みぎわ「たぶんって何よ! たぶんって!」ガシ!

丸尾「ひぇ!」


山田「……!」


丸尾「ズバリ! 暴力反対でしょう!」

まる子「みぎわさん、やめなよ!」


山田「みんな!」

みぎわ「!」

丸尾「グェ……」

171: 2014/10/18(土) 22:33:11.83 ID:6xu7m55qO

山田「花輪くんが来た!!」


みぎわ「なんですって!」パッ

丸尾「はぁ……ズバリ、助かったでしょう」


『ヘーイ、ベイビー達!』


みぎわ「花輪くん!」

花輪「待ったかい?」

まる子「あんた……少し遅かったじゃないの」


花輪「ふっ……ヒーローは遅れてやって来るもんだろ」


花輪「ヒロインにカッコつける為にね」

みぎわ「キャアァァァ!! 花輪くん!///」


まる子「ハハッ……何言ってんだろね」

山田「アハハ……」

172: 2014/10/18(土) 22:33:37.97 ID:6xu7m55qO

丸尾「……まあ、なんにしても…これで全員揃いましたね」


まる子「……うん」


みぎわ「えぇ、そうね……これで同盟のみんな揃ったわね」


山田「あぁ……ついに出発かい」


花輪「……」


みぎわ「みんな!」


丸尾「……」

まる子「……」

山田「……」

花輪「……」


みぎわ「……行くわよ」

173: 2014/10/18(土) 22:35:24.32 ID:6xu7m55qO


丸尾「……行きましょう」

まる子「くぅ〜、心臓がバクバクいってきたよ」

山田「アハハ、がんばるじょ〜」

花輪「……」

174: 2014/10/18(土) 22:36:12.29 ID:6xu7m55qO

みぎわ「よぉ〜し! みんな、あたしについて来てよ! 案内するわ」

丸尾「はい!……山田くん、遅れないでくださいね」

山田「アハハ、大丈夫だじょ〜。 おいら脚が速いんだじょ〜」

花輪「よし……」


花輪「マハミヤノマ同盟ッ!!」


まる子「出撃!」みぎわ「出撃!」
    花輪「出撃!」
山田「出撃!」丸尾「出撃!」




第十三話 完

175: 2014/10/18(土) 22:37:25.41 ID:6xu7m55qO

最終決戦の地、旧桜ヶ丘 第二小学校を目指して歩を進めるまる子達

そして、その道中に待ち受けている物とは?



次回のちびまる子ちゃんは

『車長の丸尾』

『超巨大ロボ、降り立つ』

の二本である

176: 2014/10/18(土) 22:38:27.40 ID:6xu7m55qO
今日の最強カード


【ローラースルーGOGO】


みぎわ「描写が少ないけど、さくらさんが乗ってきたやつね」

藤木「……カード?」

みぎわ「1974年に日本で発売された乗り物で見た目はキックボードに近い見た目ね」

藤木「……」

みぎわ「ローラースルーGOGOといえば『まる子 おすし屋さんへ行くの巻』を思い出す人が多いかもね」

藤木「う、うん」


キートン『このコーナーは何なのだろうか、そう思う藤木であった』


終わり


177: 2014/10/18(土) 22:40:37.83 ID:6xu7m55qO
次回の投下日は未定


ごめんな、お前ら……待たせちゃって
次はそんなに時間をかけない!……と思う

178: 2014/10/18(土) 22:45:21.87 ID:iN4yBs9G0

179: 2014/10/19(日) 02:31:59.80 ID:ARk9F/xJo

ゆっくり待つぜ


引用: 「まる子、闇の決闘をする」の巻き