1: 2016/06/15(水) 13:06:29.22 ID:JHxACkm6.net
商店街の片隅、ひっそりと佇む小さな飲み屋がある。

『小料理居酒屋 こいずみ』

小さなL字カウンター、9人も座るのが精一杯のお店。
季節の肴に季節の酒、そして締めには最高のご飯を提供する居酒屋だ。
若き店主が一人で切り盛りする酒場には、今日も客が集う。

午後5時、看板に灯りをともせば本日も開店。


花陽「よし!今日も張り切っていきましょう!」

小料理居酒屋 こいずみ開店です!

2: 2016/06/15(水) 13:07:36.12 ID:JHxACkm6.net
~~~~~~

花陽「ありがとうございました~、気をつけて帰ってくださいね」

店内に残っていた最後のお客さんを送り出して、壁の時計に目を向けます。
時刻は午後12時に迫ろうかというところ・・・。

花陽「今日はもう店じまいかな・・・」

このお店の客層はご年配の男性がメインで、多くのお客様が一軒目として訪れます。
閉店時間はまだ先だけど、そんな事情もあって遅い時間にお客さんが入ってくることは極めて稀なんです。

花陽「すこし早いけど、暖簾をしまってお片づけしましょう」

そう思って、カウンターから出ようとしたときのことでした。
この時間には滅多に動くことのない扉が開き、見知った顔が見えたのです。

絵里「・・・久しぶり、まだやってるかしら?」

それはスーツ姿でキャリーバッグを持った絵里ちゃん。
どうやら店じまいにはまだ早いみたいです。

4: 2016/06/15(水) 13:11:32.44 ID:JHxACkm6.net
花陽「はい、とりあえずお通しです」

カウンターの向こうの絵里ちゃんに、おしぼりと一緒にお通しの小鉢を差し出します。
・・・あ、結局暖簾はしまっちゃいました。どうせお客さんは来ないし、せっかくだから絵里ちゃんとゆっくりお話もしたかったから。

絵里「ふふ、相変わらずね。なんだかこのお通しを見ると帰ってきたって気がするわ」

花陽「えへへ、このお通しも私のこだわりのひとつだから」

うちのお通しは・・・塩ご飯なんです!
お酒を飲む前に、まずは美味しいご飯を食べてもらう・・・それが開店当初から守り続けてるこだわりのひとつなんだ。

6: 2016/06/15(水) 13:15:50.28 ID:JHxACkm6.net
花陽「お米はいつも通り南魚沼のコシヒカリだけど、お塩を小笠原産に変えてみたんだ。柔らかくも力強い、ご飯に合うお塩だよね」

絵里「そうね・・・おいしい・・・」

絵里ちゃんは噛み締めるように、とても味わって食べてくれて、それが私はなんだか嬉しかった。

花陽「お酒は何がいい?一応ウォッカとかウイスキーもあるんだけど・・・」

絵里「・・・花陽にまかせるから、なにかおいしいお酒をもらえるかしら?そうね・・・こっちは蒸し暑いから、爽やかなのがいいかしら」

絵里ちゃんは少し疲れた表情でそう言った。

花陽「爽やかなお酒かぁ・・・うん、まかせて!」

蒸し暑さに負けない爽やかなお酒、あれでいきましょう!

7: 2016/06/15(水) 13:20:48.14 ID:JHxACkm6.net
花陽「そういえば、絵里ちゃん今度はどの国に行ってたの?」

お酒とおつまみを用意しながら、カウンター越しに絵里ちゃんに問いかけます。
絵里ちゃんは今は通訳のお仕事をしていて、それで外国に行く機会も多いみたい。
こっちは蒸し暑いって言ってたから、多分寒い国だよね。

絵里「ニュージーランドよ、向こうは冬間近だからもう寒くてね」

花陽「そっか、ニュージーランドって南半球だもんね」

絵里「そうなのよ、ちょうどこっちと間逆だし、その前の国が暑い場所だったから気温の変化についていけなくて疲れちゃった」

そう言いながら絵里ちゃんは力なく笑う。
スーツ姿にキャリーバッグ・・・きっと疲れているのに、帰国してその足でここに来てくれたのだろう。
そう思うと、包丁を握る手にも力が入る。

9: 2016/06/15(水) 13:23:31.82 ID:JHxACkm6.net
花陽「・・・できた。はい、絵里ちゃん。ご注文の爽やかなお酒、それからそれに合わせたおつまみです」

絵里「ありがとう」

カウンター越しに、お酒とおつまみを差し出します。

絵里「おつまみは刺身なのね」

花陽「う~ん、たしかにお刺身なんだけど・・・これの場合は洗いって言ったほうがいいかな?」

おつまみは江戸前、夏の名物のひとつ、鯒の洗いです。
今朝仕入れてきた活け締めのマゴチを薄く切り付け、それを氷水で洗い、紅葉おろしとポン酢でサッパリいただく、涼を感じる一品だね。
洗うときの氷水に、すこしお酒を垂らすのがポイントです。

絵里「お酒は、スピリッツ?いや、おつまみが魚だから焼酎かしら?」

花陽「ふふ、それは飲んでからのお楽しみだよ」

お酒は大振りグラスを使って、オンザロックでご提供。
無色透明、確かに見た目は蒸留酒だね。

12: 2016/06/15(水) 13:29:02.99 ID:JHxACkm6.net
花陽「さっそく飲んでみてよ!きっと疲れも暑さも吹き飛んじゃうから」

絵里「もう、そんなにハードル上げていいの?これでも私、いろんな国で食べ歩いて結構グルメなのよ?」

絵里ちゃんが不敵に笑うけれど、私は自信ありです!

絵里「お手並み拝見ね。・・・いただきます」

そして、絵里ちゃんがお酒を口に含みます。
するとすぐに驚いた表情でこっちを見て・・・
えへへ、計画通りです。

13: 2016/06/15(水) 13:31:10.82 ID:JHxACkm6.net
絵里「これ・・・日本酒だったのね」

花陽「うん、アルコール度数高めの無濾過生原酒、中でもこのお酒はロックで飲むのを想定して造られた日本酒なんだ」

絵里「キリッと冷えてて、優しい甘さ、ロックなのに薄くない・・・日本酒にもこんな飲み方があったのね・・・」

花陽「爽やかで夏にピッタリのお酒でしょ?」

絵里「ええ、これは美味しいわ。爽やかだし、なんだか日本に帰ってきたって感じもしていいわね。この洗い・・・?っていうのもサッパリしてて美味しいわ」

花陽「えへへ、ありがとうございます、お客様」

絵里「もう、そんな他人行儀に言わないでよ」

そう言いながら絵里ちゃんは昔みたいな笑顔を見せてくれて・・・
お店に入ってきたときは疲れた顔をしていたのに、それを変えられたことが私はなんだか嬉しかった。

16: 2016/06/15(水) 13:35:22.91 ID:JHxACkm6.net
絵里「・・・今日はここに来てよかったわ」

それからしばらく、昔の話をしながらお酒を3杯ほどおかわりして、絵里ちゃんは唐突にそう呟いた。
酔いも回っているのだろう、白い肌はほのかに赤く染まっていた。

花陽「こちらこそ、疲れてる中来てくれてありがとう」

絵里「・・・私、そんなに疲れてるように見える?」

花陽「見える」

絵里「まあ、そうね・・・疲れてる、きっと疲れてるんだわ」

そう言いながら、絵里ちゃんは軽くグラスの氷を回して・・・。

絵里「・・・実はね、おばあさまの知り合いから、うちの会社に来ないかって誘われてるのよ」

そう口にした。
なるほど、絵里ちゃんの疲れって言うのは、体の疲れ以上に心の疲れもあったんだね。

17: 2016/06/15(水) 13:38:44.63 ID:JHxACkm6.net
花陽「おばあさまの知り合いっていうことは・・・ロシアなの?」

絵里「ええ、世間って案外狭いのよね。偶然仕事で知り合って、そしたらおばあさまの知り合いだったんだもの。それから話はトントン拍子で進んでいっちゃって・・・」

もう氷だけになったグラスを見つめながら、絵里ちゃんは話を続けた。

絵里「正直なことを言うと、おばあさまのことを省いたとしても、とても魅力的な話なの。できるのならチャレンジしてみたい、そう思うわ」

花陽「それなら・・・」

絵里「でもね、クオーターの私にも、義理だってあれば人情もあるのよ。いままで社長や会社の人たちも良くしてくれた、それを私のわがままで・・・」

花陽「絵里ちゃん・・・」

絵里ちゃんは、空いたグラスを握り締めて、俯きながらそう言った。

18: 2016/06/15(水) 13:44:22.48 ID:JHxACkm6.net
花陽「ねぇ、絵里ちゃんはその仕事、やってみたいの?」

少しの沈黙の後、私はカウンターを出て、絵里ちゃんのグラスにお酒を注ぎながらそう尋ねた。

絵里「・・・やってみたいか、やってみたくないか、その二択ならもちろんやってみたいわ」

花陽「そっか・・・」

絵里ちゃんがそう思っているのなら、私がそれ以上言うことは何も無い。
だって、きっと背中を押してくれる人は他にいるんだから。

絵里「・・・・はぁ、ちょっと飲みすぎちゃったわね。これを飲んだら締めのご飯をもらえるかしら?」

絵里ちゃんは軽くお酒を煽って笑顔で私にそう言った。

花陽「はい、かしこまりましたお客様」

だから、もちろん私も笑顔で返したのであった。

19: 2016/06/15(水) 13:49:11.88 ID:JHxACkm6.net
~~~~~~

あれから絵里ちゃんを送り出して、ようやくお店の片付けも終わった。
いい時間だけど、なんだか一杯飲みたくなっちゃったし、私も飲んじゃおっかな?

花陽「お酒はおつまみは絵里ちゃんに出したのと同じもの・・・でも私はストレートで」

絵里ちゃんには爽やかさ重視でロックで出したけど、私はストレートも好きなんだよね。
さっそくそのお酒を口に含んでみます。

花陽「香りはイソアミル系、濃厚な甘みを感じるけれど、それはすぐに消えていく・・・。味わいの中軸は、甘みの裏に隠れた酸味だね」

濃厚な甘みを一瞬でかき消す酸味。

花陽「これがロックだと、より甘みが引き立ち、原酒ながらとても飲みやすくなる・・・」

とてもよく考えて造られたお酒だと思います。

花陽「・・・うん、洗いと合わせてもさわやかで美味しい」

活け締め、とくに白身の魚は非常に食感が強いです。その反面、味が無いのが欠点でもあります。
夏の魚、特に鱸や黒鯛、そしてこの鯒は洗いにして生きる魚といえるでしょう。

花陽「味の薄さよりも、食感の良さを活かす・・・それこそ洗いだね。さわやかな夏、最高の肴と言ってもいいでしょう」

古くからこの技法を用いていた、江戸前の職人さんたちはすごいです。

20: 2016/06/15(水) 13:53:24.43 ID:JHxACkm6.net
花陽「やりたいからやってみる・・・いつか希ちゃんが言ってたっけ?きっと、私が背中を押さなくても、誰かが絵里ちゃんの背中を押してくれるはずだよね・・・」

なのになぜだろう、このお酒の名前を教えてしまったのは・・・。

花陽「『玉川 純米吟醸 Ice Breaker』日本で唯一、英国人杜氏の醸す酒・・・」

玉川の杜氏であるフィリップ・ハーパー氏は日本での派遣英語教師時代を経て、日本酒に惚れ込み、今は品評会で唯一金賞を受賞する外国人杜氏となりました。
その根幹にあるのは好きなものへの情熱、そして最初のきっかけは「やってみたい」ということにあったのでしょう。

花陽「きっと大丈夫だよ・・・」

絵里ちゃんがどんな道を選ぶのかは、私にはわからない。
でも、絵里ちゃんが本心で選んだ道なら、それはきっと間違いじゃない。

花陽「私はずっと、ここで待ってるからね・・・」

誰もいないカウンターでグラスを傾けながら、私の夜はふけていった。

39: 2016/06/15(水) 16:22:22.47 ID:JHxACkm6.net
花陽「はぁ・・・今日はお客さん来ないなぁ・・・」

外は雨、お客さんのいない店内・・・。
梅雨時期は飲食店にとって苦難の時期でもあります。

ガラガラッ!
そんな時勢いよく店の引き戸が開きました。

穂乃果「花陽ちゃん!お酒!お酒飲ませてよ!」

花陽「・・・はぁ」

待ち望んだお客様は、なんだか荒れてる穂乃果ちゃんでした・・・。

40: 2016/06/15(水) 16:23:39.96 ID:JHxACkm6.net
花陽「穂乃果ちゃん・・・もしかしてけっこう飲んでる・・・?」

なんだか目が据わっるし・・・いつもの穂乃果ちゃんと違って荒れてる感じだよぉ・・・。

穂乃果「いいからお酒飲ませてよ!今の穂乃果は自棄飲みしたい気分なんだから!」

あ、自棄飲みって・・・やっぱりなにかあったんだね。

花陽「ちょっと待っててね・・・いまお酒とおつまみ用意するから・・・」

お客さんは穂乃果ちゃんだし、いい機会です。
あれを試してみましょう!

42: 2016/06/15(水) 16:32:48.51 ID:JHxACkm6.net
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花陽「お待たせいたしました、お酒とおつまみは握り寿司です」

カウンター越しにお酒とお寿司を差し出すと、穂乃果ちゃんは驚いた顔をして

穂乃果「うわぁ!花陽ちゃん、お寿司なんて作れたんだ」

花陽「うん!お隣のお寿司屋さんに教えてもらったんだ」

穂乃果「ネタはマグロとコハダ・・・?」

花陽「あってるんだけど、少しだけ違うかな?まあ、とにかくお酒と合わせて食べてみてよ」

握りの技術は心もとないけど、お米とネタは自信作!
きっと穂乃果ちゃんも満足してくれるはずです。

43: 2016/06/15(水) 16:40:45.77 ID:JHxACkm6.net
穂乃果「この舎利、ちょっぴり色が着いてるんだね・・・」

花陽「わかる?昔ながらの赤酢を使ってるんだよ」

古く江戸前寿司では白い米酢ではなく、赤褐色の赤酢が用いられてきました。
砂糖を極力減らし、赤酢と塩で舎利を作る、それが江戸前のやりかたです。
米酢の舎利は甘ったるく感じるけど、赤酢の舎利はキレが良くお米とネタの味を引き出してくれる、それが私の考えです。
ちなみにお米は山形県産のハエヌキ、そしてササニシキのブレンドを使用しています。

花陽「切れのいい舎利に仕上げたつもりだから、きっとお酒とも合うと思うな」

穂乃果「じゃあまずはお酒から・・・」

そう言って穂乃果ちゃんがお酒を口に含む・・・。

穂乃果「おいしい・・・甘酸っぱくて、でもガス感があってスッキリしてる。ワインっぽくも感じるけど、これに日本酒だよね?本当にこれをお寿司にあわせるの?」

花陽「うん!騙されたと思って食べてみて」

穂乃果「花陽ちゃんがそう言うなら・・・」

穂乃果ちゃんは恐る恐るといった様子で、お寿司を口に運びます。

44: 2016/06/15(水) 16:44:01.99 ID:JHxACkm6.net
穂乃果「・・・あれ?これと割と合うね・・・」

花陽「でしょ?普通のお寿司なら辛口を合わせるけど、これが赤酢のすごい所なんだよね」

舎利の切れで、多少であれば魚介と相性の悪いお酒でも押し切れる。
寿司としての味わいだけではなく、そう言った部分も赤酢の魅力の一つでしょう。

穂乃果「よくわからないけど・・・美味しい!やっぱり花陽ちゃんのところに来てよかったよ」

そう言いながら、穂乃果ちゃんはお寿司をつまみにお酒を飲みます。
入店したときと比べて大分落ち着いてきた穂乃果ちゃんだけど、きっとここに来たのも誰かに話を聞いてほしかったからだよね?
なら、ここの店主として尋ねないわけにもいきません。

花陽「ねえ、穂乃果ちゃん。もしかしてなにかあった?」

穂乃果「・・・」

私の問いかけに、穂乃果ちゃんはお酒を飲みながらちょっぴり黙り込んで・・・

穂乃果「聞いてよ!花陽ちゃん!!」

そして堰を切ったように話し始めたのでした。

46: 2016/06/15(水) 16:55:06.79 ID:JHxACkm6.net
~~~~~~

事の顛末を簡単に説明するとこうだ。
穂乃果ちゃんはお店でケーキを売りたい、お父さんはそれを認めない。
単純な親子喧嘩だった。

穂乃果「だって、前に一日限定で販売したときはすっごく評判良かったんだよ?だったらレギュラー商品にしたっていいじゃん!花陽ちゃんもそう思うでしょ?」

花陽「たしかにあのショートケーキは美味しかったけど・・・」

他でもない、私だって穂むらの1日限定ショートケーキを食べたうちの一人だ。
あのショートケーキは本当に美味しかった・・・。

穂乃果「お父さん、ケーキだってあんなに美味しく作れるのに、なんで反対したりするんだろう?きっとケーキを売り出せば穂むらだってもっと・・・」

穂乃果ちゃんの気持ちもわかるけれど、私にはお父さんの気持ちもわかる気がした。

花陽「・・・ねぇ、穂乃果ちゃん。さっき穂乃果ちゃんがコハダって言ってたお寿司のネタはね、実は新子っていうんだ」

だから、せめて橋渡しでも・・・そう思って私は話し始めた。

47: 2016/06/15(水) 17:08:37.16 ID:JHxACkm6.net
花陽「新子はねこの時期に出回るコハダの子供なんだ。今時期は卸値でキロ3万円くらい・・・とても高いネタなの」

穂乃果「そうだったんだ・・・おいしかったけど、そんなに高いものだったんだね」

花陽「これは隣のお寿司屋さんにもらってきたやつなんだけどね。でも、江戸前の寿司職人は例え赤字になったとしても、時期になると新子を仕入れて握るんだって」

穂乃果「なんでそんなこと」

花陽「それが職人の意地だから」

穂乃果「・・・」

花陽「・・・江戸前の職人っていうのはね、頑固なんだ。頭では伝統だけじゃダメだってわかってても、なかなか受け入れられないものなの」

私の言葉を聞きながら、穂乃果ちゃんは唇を噛んでいた。

花陽「でもね、そんな職人さんたちにも新しい風が必要なんだ・・・そう、きっと穂乃果ちゃんみたいな・・・」

穂乃果「花陽ちゃん・・・うん!私頑張るよ!」

そう笑う穂乃果ちゃんは、昔のように不敵な顔で・・・。
穂むらで和と洋が融合したお菓子が提供されるのは、そう遠くないのかもしれません。

48: 2016/06/15(水) 17:09:41.92 ID:JHxACkm6.net
~~~~~~

花陽「今日もお疲れ様でした・・・一杯飲んで帰りましょう」

また誰もいないカウンターに座り、お酒を飲むとしましょう。
おつまみは穂乃果ちゃんに出したのと同じ握り寿司。ネタは佐渡の本マグロの中トロ、そして舞阪の新子です。

花陽「さっそくお酒から・・・」

口に含むと微かなガス感が口内を刺激します。

花陽「この蔵特有の甘酸っぱさ、そして日本酒っぽくない軽やかな飲み口・・・これが新政の魅力だね」

『新政 No.6 R-type』
昔ながらの造りを大切にしつつ、挑戦を続ける秋田のお酒だ。

花陽「伝統、そして新しい時代の融合・・・きっと穂乃果ちゃんならできるよ」

なんていったって、私たちのリーダーなんだから!

花陽「・・・私の握りは、もっと修行しないとですね」

自分の握ったお寿司を食べてそんなことを思いながら、夜は更けていった。

49: 2016/06/15(水) 17:10:48.75 ID:JHxACkm6.net
疲れたので終わります

52: 2016/06/15(水) 17:41:38.31 ID:Ux0xtWNe.net
乙です
よかった

引用: 小料理居酒屋 こいずみ