幼馴染「まだ帰らないのかあいつは…」ｿﾜｿﾜ

ｶﾞﾁｬ

幼馴染「あ、帰ってきた！」

幼馴染「ぴんぽーん」ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

男「おー、上がれよ」

幼馴染「おう」

男「これ洗って返すな」

幼馴染「別にいい、それよりだな…」

男「あ、感想？すげー美味かったよ」

幼馴染「ほんとか！？良かった」ﾆｺﾆｺ

男「特に唐揚げが美味かったなぁ」

幼馴染「そうか！？あれはな、特製のタレに3時間漬けて～」ﾍﾟﾗﾍﾟﾗ

男「ふふふっ」

幼馴染「ところで、明日も作っていいだろうか…」

男「俺は嬉しいけど、お前は大丈夫なのか？朝とか」

幼馴染「全然だいじょうぶだ！任せなさい」

男「じゃあ頼むよ」

幼馴染「うむうむ」

男「ちょっと眠くなってきた、膝枕してくれないか」

幼馴染「なっ！？わ、わたしはおじさんだぞ？？」

男「関係無いって、頼むよ」

幼馴染「お、お前が良いなら…こうか？」ﾄﾞｻｯ

男「ん」ｽﾄﾝ

幼馴染「…」

男「お前の膝やわらけー」

幼馴染「そ、それは良かった…」

男「膝枕と言えばナデナデだろ」

幼馴染「そういうものか…」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

男「そうそう、きもちいい」

幼馴染「ふふっ、お前甘えん坊だったのか？」

男「なんだ今頃気付いたのか」

幼馴染「新たな一面を垣間見たぞ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

幼馴染「わたしは帰るぞ～」ｿｰ

男「Zzz…」ｽﾋﾟｰ

幼馴染「ふふっ、よく寝てる…じゃあまた明日な」ﾎﾟﾝﾎﾟﾝ

男「んーむぅ…Zzz」ｸｰ

幼馴染「おはよう！」

男「おーはよう」

幼馴染「今日の分持ってきたぞ！今回も唐揚げ入りだ」

男「やったぜ、いってきます」

幼馴染「いってらっしゃい～」ﾌﾘﾌﾘ

幼馴染「まだかなぁ」ｿﾜｿﾜ

男「…」ﾍﾟﾁｬｸﾁｬ

女「…」ﾍﾟﾁｬｸﾁｬ

幼馴染「あ！おかえ…り…」

男「お、ただいまー」

幼馴染「その方は？」

男「ん、友達」

女「こんにちは、じゃあわたしあっちだから帰るね」

男「おう、またな～」ﾌﾘﾌﾘ

女「またね～」ﾌﾘﾌﾘ

幼馴染「…」

男「ふー、あいつお喋りだから疲れるんだよなぁ」

幼馴染「そうなのか」

男「今日も弁当美味かったよ」

幼馴染「そう…」

男「どうした？なんか元気無いぞ」

幼馴染「別に、なんでもない」

男「まぁ入れよ」

幼馴染「いやいい、今日は帰る」

男「んだよー、今日も膝枕で寝ようと思ったのに」

幼馴染「お前は……わたしはお前のなんなんだ！！」

男「！？…ど、どうしたんだよ」

幼馴染「うっ…ぐずっ…もういい…帰る」ｽﾞﾋﾞｯ

男「いやなんで泣いてるんだよ」

幼馴染「うるさい！放っといてくれ！」ｽﾀｽﾀ

男「あっ、なんだよアレ…」

幼馴染「うっ…わかってたはずだろ…わたしはおじさん…」ｸﾞｽﾞｸﾞｽﾞ

幼馴染「どんなに想っても、所詮おじさんなんだ…うぅ」ｸﾞｽﾞｸﾞｽﾞ

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

幼馴染「…いません」

ﾋﾟﾝﾎﾟﾝﾋﾟﾝﾎﾟﾝﾋﾟﾝﾎﾟﾝﾋﾟﾝﾎﾟﾝ

ｶﾞﾁｬ　幼馴染「営業お断りって書いて…！？」

男「よっ」

幼馴染「…」ｽｯ

男「待て待て待て」ｶﾞｶﾞｯ

幼馴染「なにか用か」

男「とりあえず開けろっての」

幼馴染「…」

男「まったく、おじゃまします」

幼馴染「なんの用だ」

男「なんで泣いたの」

幼馴染「言いたくない」

男「言え」

幼馴染「いやだ」

男「ふぅー…あのなぁ、お前があんな風に泣くとこなんて初めて観たんだけど」

幼馴染「…」

男「心配しちゃダメか？迷惑か？」

幼馴染「…そうやっていつも無自覚な優しさを…」ﾎﾞｿｯ

男「ん？なに？」

幼馴染「あれだ…飼ってたハムスターが氏んだんだ」

男「ハムスター？ハムのすけ？」

幼馴染「そうハムのすけ！」

ｶﾗｶﾗｶﾗｶﾗ

男「…」

幼馴染「…」

男「まだご存命のようですが」

幼馴染「…」

幼馴染「だから…その…」

男「うん」

幼馴染「……あああもう！好きなんだよ！お前のことが！」

男「ん？俺も好きだぞ？」

幼馴染「わたしの好きはこういう意味だ」ﾌﾞｯﾁｭｰ

男「んぐっ…」

幼馴染「ぷはぁ、わかったら帰ってくれ…あとわたしは近々引っ越すからもう顔を合わすこともない、今のは忘れてくれ」

男「お前…」

幼馴染「はいはい帰った帰った！」ｸﾞｲｸﾞｲ

男「ちょ、ちょっと待てよまだ話が」

幼馴染「そんなもの無い！頼むから帰れ！」ﾊﾞﾀﾝｯ

男「な、なんなんだよ一体…好きって…どういう意味だよ…」

幼馴染「うぐっ…うう…これでいいんだ…これで……うわああああん」

あれから数週間、男とは顔も合わせていない
メールも電話も無視している、正直心が痛むが、この方がアイツにとっても良いんだ
そして引っ越し当日

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

幼馴染「はぁ…今日でこの家もサヨナラかぁ」

ｶﾗｶﾗｶﾗｶﾗ

幼馴染「お前は相変わらずだなｗｗ」


ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

幼馴染「あ、業者さん来たかな、はーい」ｶﾞﾁｬ

男「よお」

幼馴染「…」ｶﾞｯ

男「おーっと待てや！」ｶﾞｶﾞｯ

幼馴染「な、なにしにきた」

男「お前今日引っ越しだろ？」

幼馴染「なんで知って…」

男「まぁいろいろ聞いて回った、お前電話も出ねぇし」

幼馴染「…」

男「ほら入れろよ、足痛い」

男「正座」

幼馴染「え」

男「正座！」

幼馴染「は、はい」

男「お前俺に言うこと無いの」

幼馴染「え、あの…あ、お世話になりました」

男「ちっがーーーーう！ごめんなさいだろうが！」

幼馴染「うっ…ごめんなさい…」

男「で？お前俺にキスしといてさっさと逃げるつもりなのか」

幼馴染「いや、そういうつもりでは…」

男「じゃあどういうつもりだ」

幼馴染「……だって仕方ないじゃないか！こうするしか！」

男「あのな、この数週間いろいろ考えたよ」

幼馴染「はぁ」

男「お前の好きがどういう意味なのか、お前の気持ちとか、お前が…居なくなった後のこととか」

幼馴染「…」

男「でな、やっぱお前が居なくなるのは嫌だ」

幼馴染「そんなこと言われても…」

男「だから俺も家引き払ってきた」

幼馴染「え゛っ！？」

男「もう俺宿無しだから」

幼馴染「な、なに言って…」

男「だから俺も連れてけ」

幼馴染「は！？」

男「お前に着いて行く」

幼馴染「いやいや部屋一つしか無いし！」

男「別に問題無い」

幼馴染「ベッドだって一つしか置けないし！」

男「一緒に寝りゃいい」

幼馴染「お前分かってるのか！？俺はお前のことが」

男「好きなんだろ？もう知ってるよ」

幼馴染「だからそういう意味じゃ…んぐっ」

男「ぷはっ…こういう意味だろ？」

幼馴染「…」

男「まぁなんだ、いいから連れてけよおっさん」

幼馴染「おっさんなのに…なんでこんな…ぐずっ」

男「あーもう泣くなって」ｷﾞｭｯ

幼馴染「うっ…うわああああん」

男「よしよし」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

男「泣き止んだ？」

幼馴染「う、うん」

男「そういうことだから、異論無いよな？」

幼馴染「ひとつだけ良いか」

男「ん？なんだ？」

幼馴染「お前はその…わたしのことをどう思って…」

男「今更そんなこと聞くのか？」

幼馴染「あ、いや…すまん」

男「…」ﾁｭｯ

幼馴染「！？」

男「さぁどういう意味でしょう」

幼馴染「ば、ばっかやろう…」ﾌﾟｲｯ

男「照れた照れたｗｗ」

幼馴染「ふんっ」

男「これからよろしくな、おっさん！」

幼馴染「お、おう…よろしく」


ｶﾗｶﾗｶﾗｶﾗ
ハムのすけ（やれやれだぜ）


HAPPY END？

なかなかよかった

乙
だが俺の期待を裏切ったことは許さない