1: 2014/11/26(水) 00:35:20.72 ID:XlwSg0xJ0


“あるところに、とても優秀なプロデューサーがいました”



“それはそれは、腕の立つプロデューサーでした……”



ぷちます!(14) (電撃コミックスEX)

2: 2014/11/26(水) 00:36:00.17 ID:XlwSg0xJ0

なぁ、春香。


あれから何年経った?


まだ、俺のことを待ってくれているのか?

3: 2014/11/26(水) 00:36:31.80 ID:XlwSg0xJ0


――――――――

―――――

――


4: 2014/11/26(水) 00:37:08.98 ID:XlwSg0xJ0

『あのっ、プロデューサーさん』


『サヨナラする前に、少し外、歩きませんか? 話したいことが……』

6: 2014/11/26(水) 00:37:52.81 ID:XlwSg0xJ0

『私、決めました。これから先…どうするのか…』


『私、もうアイドル……』


『…やめてもいいかなって、思ってました』


『けど、やっぱり続けることにしますっ』

7: 2014/11/26(水) 00:38:27.17 ID:XlwSg0xJ0

『プロデューサーさんっ。これからも、ずっと私といてください!』


『お別れなんてイヤです!』

8: 2014/11/26(水) 00:38:58.31 ID:XlwSg0xJ0


『アイドルとしての将来の方が、私の気持ちより、大切なんですか……!?』


9: 2014/11/26(水) 00:39:28.55 ID:XlwSg0xJ0


――――――――

―――――

――


10: 2014/11/26(水) 00:40:23.74 ID:XlwSg0xJ0

彼女を大切にしていたのは、それが仕事だったから?


いや、きっとそうじゃない。


そうじゃないのは分かっている。


でも、そうだって言い聞かせなければ、

11: 2014/11/26(水) 00:40:51.51 ID:XlwSg0xJ0


『私にとって、生涯ただひとりの、代わりのきかない人ですから』


12: 2014/11/26(水) 00:41:40.91 ID:XlwSg0xJ0

そうだって言い聞かせなければ、あの時彼女を突き放した理由がない。


理由を作って、自分を責めなければ、


この渇きにも、耐えられない。

13: 2014/11/26(水) 00:42:53.18 ID:XlwSg0xJ0

未央『ねぇねぇ、プロデューサーがさっき一緒にいたの、765プロの春香ちゃんでしょ?』


未央『なんだか親しげだったけど、仲いいんだね?』グイグイ


モバP『ああ……まあな』


未央『なんで?ちょー気になるぅ』ズイッ


凛『いや別に、当然でしょ。だって……』


卯月『プロデューサーさん、昔765プロにいらっしゃったんですよね?』

14: 2014/11/26(水) 00:44:04.60 ID:XlwSg0xJ0

未央『……え?』ポカン


卯月『って、未央ちゃん知らなかった?』


モバP『卯月、その話は……』


未央『へぇーっ!何それ初耳だよ!!』


凛『なんだ未央、知らなかったんだ』

15: 2014/11/26(水) 00:45:10.72 ID:XlwSg0xJ0

未央『聞きたい!プロデューサーの武勇伝、話してー!』


モバP『いや、ホントに黎明期の一年弱だけだよ』


モバP『俺がプロデュースしたのも天海春香だけだから……』


未央『えぇーー!!春香ちゃんのプロデューサーだったの!!?』

16: 2014/11/26(水) 00:45:42.82 ID:XlwSg0xJ0

『は?って、おい、それ……ヤバい意味じゃないだろうな?』



……俺に、彼女のプロデューサーを名乗る資格はない。

17: 2014/11/26(水) 00:46:20.81 ID:XlwSg0xJ0


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――


18: 2014/11/26(水) 00:47:26.53 ID:XlwSg0xJ0

のあ『ヘルマン・ヘッセはこう言ったわ』


のあ『私がとても愛している徳がたったひとつある。その名は“我が儘”という』


のあ『ふふ、貴方はヘッセの生まれ変わりかしらね……』


モバP『……俺が我が儘って言いたいんですか』アハハ

19: 2014/11/26(水) 00:48:34.64 ID:XlwSg0xJ0

のあ『さあね。……貴方ほど、欲しがりな人も、また珍しい』


モバP『この業界は、貪欲な奴だけが上がっていけますから』


のあ『そうじゃないわ』


のあ『貴方は、誰が見ても、満ち足りているというのに……』


のあ『まだ、迷子のように何かを探し求めている』


のあ『……これ以上、一体何が、貴方の渇きを癒せるのかしら』

20: 2014/11/26(水) 00:57:15.97 ID:XlwSg0xJ0


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21: 2014/11/26(水) 00:58:32.65 ID:XlwSg0xJ0

春香は特別容姿に恵まれた訳でも、歌が飛びぬけて上手いこともなかった。


彼女を売り出すのは、苦労ばかりだった。


朝の挨拶一つに文句を言い、


仕事の前日に夜更かしはする、その仕事の出来は不安定。


俺が新米だったのもあっただろうが、素材に対しての苦悩が多かったのも事実だ。

22: 2014/11/26(水) 01:01:00.73 ID:XlwSg0xJ0

それでも、楽しいと思えることが多かった。


ランクアップを祝って、ささやかな祝勝会を開いたり、


仕事の合間にアトリウムに二人で行ったりしたこともあった。

23: 2014/11/26(水) 01:04:14.85 ID:XlwSg0xJ0


『プロデューサーさんっ!ドームですよっ!ドームっっ!!』


24: 2014/11/26(水) 01:05:00.76 ID:XlwSg0xJ0

それから、765プロから独立した俺は、


まだ立ち上がったばかりだったCGプロに誘われて、


可愛い、個性的なアイドルを何十人とプロデュースしてきた。


捉えにくかったり、少々癖があったりするアイドルだって、


きちんと最良の方法で導いてきた。

25: 2014/11/26(水) 01:06:05.86 ID:XlwSg0xJ0

CGプロは加速度的に展開していった。


もはや今のアイドル業界で、CGプロに圧力をかけられるような事務所は無い。


765プロという強力な存在もあるが、実力で言ったら恐ろしいのは、春香ぐらいだ。

26: 2014/11/26(水) 01:07:33.06 ID:XlwSg0xJ0

今のCGプロには全てが揃っている。


立地の良い事務所。


優秀なアシスタント。


アイドルだって粒ぞろいだ。


まだ小学生の子から、俺と、大して年齢差の無い大人の方まで、層も厚く。


……俺を慕ってアイドルをしてくれている子もいるぐらい。

27: 2014/11/26(水) 01:08:20.05 ID:XlwSg0xJ0

当然だが、プロデュースの方もそれなりに結果を出せている。


日本中に知られていると言ってもいい、CGプロの顔、“シンデレラガール”を三人輩出した。


この前、765プロを抑えて頂点に立ったユニットも、俺のプロデュースだ。

28: 2014/11/26(水) 01:09:18.35 ID:XlwSg0xJ0

だが――――


だが、今の俺にはどの子も、あの頃のような熱量で、プロデュース出来ていない。


Pくん、Pさん、Pちゃん、なんて、呼ばれても。


俺は彼女たちを、しっかりと見つめることが出来ないまま。

29: 2014/11/26(水) 01:09:51.75 ID:XlwSg0xJ0


―――俺は、間違っていたのか?


30: 2014/11/26(水) 01:10:45.80 ID:XlwSg0xJ0

なぁ、春香。


正しいと言ってくれ。


間違っていないと、笑ってくれ……

31: 2014/11/26(水) 01:11:15.67 ID:XlwSg0xJ0


――――――――

―――――

――


32: 2014/11/26(水) 01:14:00.36 ID:XlwSg0xJ0

卯月「なんだか元気ないですね」


モバP「ん?……そんなことないよ」


卯月「そんなことありますよ」


卯月「ここ最近、そんな風にぼーっとしてるプロデューサーさんを、よく見ます」


モバP「あはは、ごめんごめん」


モバP「この年になると、“今まで”とか“これから”とか、よく考えちゃって」ハハ…

33: 2014/11/26(水) 01:15:38.66 ID:XlwSg0xJ0

卯月「春香ちゃんですか……?」


モバP「……へっ?」


卯月「……プロデューサーさんが悲しそうなの、春香ちゃんと関係があるんですか?」


モバP「えっと、卯月……?」


卯月「私が何も気付いてないと思っているんでしょう」ツーン

34: 2014/11/26(水) 01:16:43.65 ID:XlwSg0xJ0

モバP「あはは、参ったな」


卯月「他の子を誤魔化せても、私はそうはいきません」プクー


卯月「この事務所じゃ、私が一番付き合いが長いんですから」フンス


モバP「……どうして分かったかな」


卯月「だって、プロデューサーさん、雑誌とか、いつも春香ちゃんの記事で手を止めてますから」

35: 2014/11/26(水) 01:17:16.20 ID:XlwSg0xJ0

卯月「話して下さい」


モバP「どうしてもか?」


卯月「こんなこと言ったら、良くないのかもしれませんけど……」


卯月「……不安なんです。私、プロデューサーさんに全然信頼されてないんじゃって」ウツムキ


モバP「卯月……」

36: 2014/11/26(水) 01:19:01.98 ID:XlwSg0xJ0

モバP「……」ハァ…



モバP「かつて……とても大切な人がいた」


モバP「お互いの将来のために、一度別々の道を歩むことを、決めたけど…」


モバP「結局、別れ際に、伝えなきゃいけない気持ちも、言葉も、言えなかった」

37: 2014/11/26(水) 01:20:02.67 ID:XlwSg0xJ0

モバP「彼女と別れる時、“強くなりたい”って思った」


モバP「彼女を守れるくらいに、遠く離れてもその気持ちを無くさないぐらいに」


モバP「……実際は、そんな清潔な願いは、現実に負けて薄れていったんだけど」

38: 2014/11/26(水) 01:20:54.18 ID:XlwSg0xJ0

モバP「強い後悔と……“もっと上に、もっと先へ”」


モバP「“ここは自分の居場所じゃない、こんな自分は認めない”」


モバP「そんな、切迫感だけは残ってしまった」

39: 2014/11/26(水) 01:21:54.06 ID:XlwSg0xJ0

卯月「……話してくれて、ありがとうございます」


卯月「……」


卯月「プロデューサーさんは、優しいですね」


卯月「優しくて、責任感が強い人なのに、本当はすごく弱くて」


卯月「……ときどき、目の前の女の子からも逃げちゃう」

40: 2014/11/26(水) 01:23:13.67 ID:XlwSg0xJ0

卯月「でもきっと、そんなプロデューサーさんのことが、事務所のみんなは大好きなんだと思います」


卯月「事情は分からなくても、みんなプロデューサーさんのことが大好きなんです」


卯月「だからもう、昔の自分を許して……」


卯月「今、ここにいる私たちと、一緒に前を向いて生きましょう?」

41: 2014/11/26(水) 01:24:07.16 ID:XlwSg0xJ0


「私たちだけの思い出を、新しい何かを、一緒に始めませんか」ニコッ


42: 2014/11/26(水) 01:24:39.42 ID:XlwSg0xJ0


――――――――

―――――

――


43: 2014/11/26(水) 01:26:54.78 ID:XlwSg0xJ0

ちひろ「あっ、プロデューサーさん、変わったお手紙が」


モバP「手紙……?」


ちひろ「ええ。この前のニュージェネレーションのライブのプレゼントボックスに入っていたんです」


スッ


モバP「……たしかに、“プロデューサーさんへ”って」


ちひろ「プロデューサーさんにもついに、ファンが出来たんじゃないですか」アハハ


モバP「いやぁ、出来るとしたら俺より先にちひろさんですよ」


ちひろ「あら、ちょっと嬉しかったりして」

44: 2014/11/26(水) 01:27:45.30 ID:XlwSg0xJ0

その可愛らしい桜色の封筒には、名前が記されていなかった。


だけど、間違いなく、その筆跡も、言葉づかいも、春香のものだった。

45: 2014/11/26(水) 01:29:24.01 ID:XlwSg0xJ0

プロデューサーさんへ



お元気ですか?


はじめに、ワールド・アイドル・ノヴァに、私を推薦してくださったこと、感謝します。


聞きましたよ、最終選考の会議で、「天海春香がいいんじゃないか」と、ひと押し下さったって。


おかげで、私は世界の舞台に立てることになりました!


えへへ、世界の天海春香ですよ!

46: 2014/11/26(水) 01:31:38.29 ID:XlwSg0xJ0

―――


あの時あなたが、私に伝えたかったこと、やっと分かってきたと思うんです。


アイドルは誰のものでもないって。


私も、たくさんステージに立って、765プロもたくさんの仲間に助けられて、


その中で、もっと私が大切にするべきものが、ちゃんと考えられるようになった気がします。

47: 2014/11/26(水) 01:35:20.97 ID:XlwSg0xJ0

だから、もし、


もしも……私の言葉が、私の存在が、今のあなたを苦しめているならば、


私のことなんか忘れてしまってください。


今はあなたの周りには、大切にしなければいけない人がたくさんいると思うんです。


どうか、彼女たちの想いを無碍にせず、


私にしてくれたように、


気持ちに、真剣に向き合ってあげて下さい。



あなたは優しくて、臆病だから……きっと上手に逃げてしまえるのかもしれないですけど。


……なんて言ったら、怒っちゃいますか?

48: 2014/11/26(水) 01:36:32.80 ID:XlwSg0xJ0

でもでも、私がいつか、ただの天海春香になって、


あなたとまた向かい合える日がきたら、伝えたい言葉が、やっぱりあるんです。


それ以上は、ここには書きません。






追伸 プロデューサーさんは、明日へのヒント、見つけられましたか?

49: 2014/11/26(水) 01:38:37.35 ID:XlwSg0xJ0


何度も何度も、読み返した。


こんな矛盾だらけの文章を、海外へ行く直前の彼女が、どんな気持ちで書いたのか……


手紙から、言葉からまるで、温度が、表情が、伝わってくるようで。



こみあげるものを必氏にこらえながら、


うるんだ視界で、その可愛げな小さな文字が、ぼやけて消えた。

50: 2014/11/26(水) 01:39:25.92 ID:XlwSg0xJ0

凛「……プロデューサー?」


事務所のドアが開く音に、気がつかなかった。


モバP「り、凛…!」アタフタ


凛「待って」


凛「……感情を抑えつける必要なんてない」

51: 2014/11/26(水) 01:40:28.94 ID:XlwSg0xJ0

凛「私も伝えるのが苦手だし、表現するのだって下手だけど」


凛「プロデューサーの気持ちを見せて」


モバP「……俺が悪いんだ」


凛「そうやって、優しい態度で誤魔化さないで」


モバP「俺は……」


モバP「俺は……自分がずっと許せなかった……っ…」ポロポロ


凛「……これ」つティッシュ

52: 2014/11/26(水) 01:41:11.94 ID:XlwSg0xJ0

泣きたいわけじゃなかった。慰めてほしいわけじゃなかった。


それでも、意識とは無関係に感情はあふれ、止まらなかった。

53: 2014/11/26(水) 01:46:57.47 ID:XlwSg0xJ0

未央「プロデューサーっ!!」ガバッ


モバP「……!!」


未央「ごめんね、ドアの外で、二人の声が聞こえて」


未央「でも、私、いてもたってもいられなかったよぅ……」ギュゥゥ


モバP「……未央、すまなかった」


モバP「今まで……ちゃんと見てやれなくて……ごめんな……」


未央「ううん……」ギュゥゥ

54: 2014/11/26(水) 01:47:25.77 ID:XlwSg0xJ0

それから、微熱のような波が止まるまで、


凛と未央の小さな手が、ずっと右手に重ねられていた。

55: 2014/11/26(水) 01:48:07.22 ID:XlwSg0xJ0


――――――――

―――――

――


56: 2014/11/26(水) 01:49:24.43 ID:XlwSg0xJ0


それから少しだけ、時は経って――


57: 2014/11/26(水) 01:50:32.19 ID:XlwSg0xJ0

居酒屋・女子会



瑞樹「なるほどねー、最近ニュージェネとプロデューサーの距離感が変わったと思ったら……」


楓「……それにしても、ちひろさん、なんでも知ってるんですね」


ちひろ「まあ、事務所にいると色々な声を聞きますからね」ハハ…


ちひろ「あ、それと、今の事はみなさんが大人だからお話したんですよ」


瑞樹「ええ、もちろん。そこまでヤボじゃないもの」

58: 2014/11/26(水) 01:51:40.44 ID:XlwSg0xJ0

楓「春香ちゃんかぁ……大スターじゃないですか」


瑞樹「そうねぇ……」


楓「……神さま」


楓「神さま、エントツをひとつ」


楓「私の心にエントツをひとつつけてください」

59: 2014/11/26(水) 01:52:31.19 ID:XlwSg0xJ0

楓「この手に負えないジェラシーを 追い出したいのです」


楓「でないともうすぐ、心がまっくろにすすけてしまいます……」


瑞樹「分かるわ」


ちひろ「楓さん、相変わらず酔いが良いですね」


楓「あっ、ちひろさん、それなかなかグッドです」フフ

60: 2014/11/26(水) 01:53:51.27 ID:XlwSg0xJ0

瑞樹「でも、プロデューサーも結構ピュアな所があるのね」


楓「……たしかに」


楓「初恋、憧れ、信じる心……」


ちひろ「かけがえのない想いを抱える少女たち……」


「「「いいわぁ~」」」

61: 2014/11/26(水) 01:54:51.23 ID:XlwSg0xJ0

楓「世界は永遠に続く音楽、なんていうのはどうですか?」


楓「結果は新しい原因となって、また新しい結果を生む」


楓「人はゴールの無いマラソンを、過去と並走しながら生きるの」


瑞樹「でもでも、過去に囚われているのと、」


瑞樹「過去を大切にするのとでは違うでしょ?」


ちひろ「過去……川島さんが言うと重みがありますね」


瑞樹「ちょっとやめてよ~!」キャピ☆

62: 2014/11/26(水) 01:55:33.80 ID:XlwSg0xJ0


――――――――

―――――

――


63: 2014/11/26(水) 01:57:08.50 ID:XlwSg0xJ0

運命や偶然、宿命と、私たちによって名づけられたものごとがある。


だれに出会って、だれと恋をし、だれと別れ、


何を得て、何を失い、どんな道を歩き、どのように生をまっとうしていくか。


自分自身のことであるのに、あまりに理解不能で、


神秘的で、計算不可で……


そのことに慄いて、私たちはそのような名づけや、定義付けを行うのかもしれない。


でもそんな言葉じゃ、生きることに関わる大きなことは、


言葉の持つせまい意味ではとらえられず、言葉からあふれ出てしまう。

64: 2014/11/26(水) 01:58:41.68 ID:XlwSg0xJ0


年末・CGプロ事務所



モバP「……どっか飯でも食いに行くか」


きらり「うぇへっ!?」


杏「えぇー?どったのプロデューサー、珍しいね」

65: 2014/11/26(水) 01:59:10.50 ID:XlwSg0xJ0

モバP「ちひろさんも、どうですか、よろしかったら」


ちひろ「ええ、いいですよ。もちろん♪」


杏「いってらっしゃーい」


モバP「お前も行くんだ、杏」


ヒョイッ


杏「うひゃっ!?」

66: 2014/11/26(水) 02:00:27.45 ID:XlwSg0xJ0

モバP「おお、軽い軽い」


杏「何するんだ、降ろせぇー!!セクハラだぞーっ!!」ギャー


きらり「いいなー杏ちゃん!Pちゃん、きらりも抱っこ☆してー!!」ガバッ


モバP「うおっ、ちょい待てっ!」グラッ


ドシーン!


モバP「あははは……杏すまん、平気か?」


杏「まったく……いきなり陽気なオッサンぶるからそうなんの……」

67: 2014/11/26(水) 02:02:08.91 ID:XlwSg0xJ0

ちひろ「さ、行きましょう」ニコニコ


きらり「Pちゃん、行くお店は決まってるのかにぃ?」


モバP「ああ、鍋が美味しい店があるんだ」


杏「空腹で氏にそう。早く連れてって~」グデー




モバP「よし、しゅっぱーつ!」

「「おー!」」「おー……」

68: 2014/11/26(水) 02:05:00.77 ID:XlwSg0xJ0


追伸の追伸 


明日へのヒントが見つかったなら、いってらっしゃいです!プロデューサーさん!


69: 2014/11/26(水) 02:05:53.15 ID:XlwSg0xJ0


きらめく舞台で、強くなる努力を一途に重ねていた君。



軽やかに、世界の頂点を目指そうとしている君――。



……いつか



いつか、あの時、君から受け取った大切な気持ちを、



返せる日が来たらと、願っている。


70: 2014/11/26(水) 02:06:51.05 ID:XlwSg0xJ0

おしまいです。


夜遅くまで読んで下さった方々、ありがとうございました。

71: 2014/11/26(水) 02:07:50.14 ID:w+T2O4yLo


良かった

引用: モバP「なぁ、春香」