1: 2016/06/18(土) 23:03:51.31 ID:LITXCmBs.net
希「新しいタロット買っちゃったんよ~!」

希「路地裏の怪しいお店で買った『本当に誰でも簡単に出来る!魔法のタロット』!!」ジャーン!

希「ん~~っ!こういう胡散臭いグッズ大好きや~~!!」ワクワク

希「せっかくやし早速占ってみよかな!」

希「ウチの今後の運勢は~っと……」

シャッシャッ…ペラッ…ペラッ…パタン…パタン…パタン…

希「ふむふむ~?な、なんやこのカードの並び……」

希「恋人に……太陽、運命の輪……まさか……恋愛運急上昇!?」

希「えええええ~~~!?」

希「や~ん照れちゃうやん~~~!!」キャーキャー!

希「ウ、ウチもついにモテモテに……!」

希「ってあるわけないやん!ないない!ないって!女子校やもん!!」

希「もう~……!びっくりしたな~……」ドキドキ

希「ん~……これ売ってた怪しい人は出来なかったら返品も受け付ける、とまで言ってたのに~……」ムスーッ

希「ま~いっか!結局ウソやん!ってとこまでがこういうグッズの楽しみみたいなもんやし!」

希「明日も学校あるし寝よかな~」

5: 2016/06/18(土) 23:13:12.36 ID:LITXCmBs.net
翌日

キーンコーン

希「ふぃ~!やっとお昼休みやな~!」

希「昨日の占い……なんかおかしかったし、もう一回やり直そかな?」スッ…

絵里「希~。一緒にご飯食べましょう?」

希「うん!ええよ~。でもちょ~っと待ってな?」サササッ…シャッシャッ…

絵里「あら?タロット占い?」

希「うん~……」パタン…パタン…

希「……!!これは……」パタッ…

絵里「ん~?どういう意味なのこれ?」ピトッ…

希「ん?急に背中にくっついてきてどしたん?エリチの方からスキンシップとか珍しいやん」アハハ

絵里「ふふ、で、これはどういう意味なの?私タロット分からないのよ……」

希「え~っとこれは……あはは……」

絵里「ね~え?」ツツーッ…

希「んっ……!?///なんで今指で首筋つつーってやったん!?なんでやったん!?」

絵里「ふふ、いつもわしわししてくるお・か・え・し!んふふ……」スリスリ…

希「き、今日はどうしたんエリチ……?」

6: 2016/06/18(土) 23:23:48.33 ID:LITXCmBs.net
絵里「ねえタロットって他の人のことも占えるの?」

希「もちろん~。エリチのこと占ってあげよか?」

絵里「ん~私っていうか~……」モジモジ…

希「ん?エリチやないの?」

絵里「私達……の今後とか……///」チラッ

希「エリチとウチの?」

絵里「え、ええ。その、け……結婚とかいつが良いのかとか……」

希「え?け、結婚!?」

絵里「そ、そういうのあるでしょ!?結構占いで時期決めるカップルとか多いらしいわよ!?」

希「ええ!?そ、そう言われても」

絵里「いいから早く占ってよ~!!///」

海未「たのもう~~~~!!!!」ガラッ!

9: 2016/06/18(土) 23:33:48.81 ID:LITXCmBs.net
海未「のんたんは居ますか!?」

ザワザワ…ノンタン…?ナンネンセイ…?アノコタシカ…ミューズノ…ボケタントウノ…

絵里「海未!?」

希「のんたん?ウチ……?」

海未「ああ!のんたん!」

希「う、うん。海未ちゃんどうしたん?」

海未「海未ちゃん?これからは私のことはうみみ、と呼んでください」

希「う、うみみ?」

海未「はい。登校中の私を見つけたら『う~みみ!』と言いつつ背後から抱き着いてくださいね!」ウフフ

希「ええ~……」

10: 2016/06/18(土) 23:40:20.85 ID:LITXCmBs.net
希「そもそもその、のんたんっていうのもどうしたん!?」

絵里「そうよそうよ!海未ばっかりズルいじゃない!!」

海未「こ、恋人同士は特別なあだ名で呼び合うものでは……?///」モジモジ…

希「こ、恋人!?///ウチらが!?」

絵里「なるほど。希が私をエリチって呼ぶのってそういうことだったのね……」

海未「なっ!?」

希「ええええ!?ち、ちゃうって~~!!」アタフタ

絵里「え……?私のこと大事じゃないの……?」ウル…

希「だ、大事!!大事やけど……!!」

海未「私はのんたんのこと大切に思ってますよ」

希「うえっ!?///」

絵里「わ、私だってのぞぽんのことが!!」

花陽「け、ケンカしないで~!!!」グスッグスッ…

希「花陽ちゃん!?」

絵里「泣いてるの!?」

海未「花陽!?どうしたのです!?大丈夫ですか!?」

花陽「ぐすっ……」ゴシゴシ…

花陽「もう希ちゃんは私のだから争っても無駄だよぉ……だからケンカしないでぇ……」グスグス…

希「え……?」

13: 2016/06/18(土) 23:48:58.09 ID:LITXCmBs.net
花陽「もうずっと一緒だよ希ちゃん……」ギュッ…

希「わ……花陽ちゃん」

海未「いつの間にそんなことになったんですか!?説明してください!!」

希「いや~ウチもちょっと……」

花陽「この前私のおすすめのお米を食べてみたいって希ちゃんが……」

希「ああ~……そんな話したような……」

花陽「毎日私の炊いたご飯が食べたいって……///」

希「言ったかなあ!?」

絵里「絶対言ってないでしょう!?」

花陽「言ったもん~~!!」

絵里「ホントぉ~!?じゃあ何時何分何秒ですか~!!」

海未「地球が何回回った時ですか~!!」

花陽「うう……」

16: 2016/06/19(日) 00:00:40.46 ID:RwpHvywb.net
花陽「とにかくもう希ちゃんは私のなのぉ~~!!」

希「ええっ!?」

花陽「希ちゃんはイヤなの……?」

希「い、イヤやないけど……///」

海未「……では花陽は私の物です。それでいいですね?」

花陽「え……?」

海未「それなら花陽の物である希も私の物です」

希「なんなんその支配構造!?」

絵里「ああ!マトリョーシカみたいなものね!じゃあ海未は私の物よ!!」

希「二人ともそんなんでいいん……?」

海未「お断りします」

絵里「ちょっと!!?お断りシステム実装されてるの!!?聞いてないわよ!?」

凛「それだったら凛も山頂アタックはお断りしたかったにゃ……」

海未「!?」

花陽「凛ちゃん!?」

絵里「切実ね」

17: 2016/06/19(日) 00:06:46.89 ID:RwpHvywb.net
希「ど、どうしたん凛ちゃん……?」

凛「うん……今日は希ちゃんに伝えたいことがあって来たんだ……」ソワソワ…

絵里「あらそうなの?じゃあ私の海未の花陽の希の話は私も聞くわね?」

凛「合宿で山登りしたとき希ちゃんは倒れそうな凛をずっと支えてくれたよね……」

希「う、うん……そうやったかも……」

凛「思い返せばそれだけじゃなくていつでもどんなときでも見守ってくれてたって気づいたんだ……」

凛「だ、だから言うね……?凛はそんな希ちゃんのことが……す、す……」モジモジ…

凛「好き……」カアアア~ッ…

希「え///」

海未「なっ!?」

花陽「凛ちゃん!?」

絵里「ちょっと!?」

凛「だにゃあ~……///」ボシュ!

希「す、すすす好き!!?///ウ、ウチのことが!?///」

20: 2016/06/19(日) 00:19:46.73 ID:RwpHvywb.net
凛「す、好きだにゃ!!///」

希「っ///凛ちゃん……す、好きって言いすぎやよ~……///」

凛「だから返事が欲しいにゃ!!」

希「へ、返事ってそんな急に言われても……ウチ困っちゃうよ……///」タジタジ…

凛「凛は希ちゃんが好きなのー!!こっ、こんな勇気出して言ったんだから……///早く返事するにゃ~!にゃっ、にゃーにゃーにゃーっ!!///」ポコポコ

希「り、凛ちゃんちょっと落ち着こ?///な?///」タジタジ…

海未「いえここはしっかりと答えてもらいますよ」ズイッ

絵里「そうね。ハッキリさせましょう……この中で希は誰が好きなのか」

希「ええ~~!?///」

凛「そうだよ!!希ちゃん!凛たちの誰が好きなの!!?」

希「ちょ、ちょっといきなりすぎやないかな……?」アハハ…

花陽「希ちゃぁん……」ウルウル…

希「う……。み、みんな好き、やなあ……?」アハハ…

凛「え~……?」

海未「はあ……」ヤレヤレ…

絵里「全く……まあそんなところも可愛いけれどね……」

21: 2016/06/19(日) 00:32:24.99 ID:RwpHvywb.net
海未「いいですか希。そんなだらしない男性のような言動はいけませんよ?」

絵里「そうね……ふふ、そんな態度されたら私たち愛想尽かしちゃうかもしれないわよ?」

希「ええ!?そんな意地悪言わんといてよ~……」

絵里「ふふ、なんてね。でもこんな風に宙ぶらりんにするのは良くないんじゃないかしら」

花陽「うん……私も……さっきの答え知りたい……かも……」

凛「そうだよ~!凛の純情を返すにゃ~!!!」ズイッ

希「え、ええ~……?」

キーンコーン

希「!!ほら鐘鳴ったよ!そろそろ教室に戻った方がええんやないかな!?」

海未「まだ予鈴です。さあ聞かせてもらいますよ!!希!!!!さあ!!!」

園田ー静かにな~

海未「先生!!ですが今は大切な時なのです!!」

園田ーもう予鈴鳴ってるぞ~

海未「はい!ですが授業には遅れませんので!!!」

園田ー教室戻れ~

海未「どうして私だけなんですかっ!!!!」

22: 2016/06/19(日) 00:44:47.35 ID:RwpHvywb.net
キーンコーン

希「ふ~っ……やっと放課後やな~……」チラッ

絵里「んぐっふっふ……」ジィ~ッ…

希「……今日は早く帰った方がよさそうやな~」スタスタ

絵里「ねえ~希……」

希「ダ~ッシュ!!」ダダッ!

絵里「あっちょっと!希!!」

希「ごめんエリチ~!今日のエリチはちょっとおかしいと思うんよ~~!」

絵里「希が逃げたわ!!」

エ…?トウジョウサンガ…?ワタシタチノトウジョウサンガ…ノンタンカワイイ…スキ…

絵里「私たちクラスみんなの力を合わせればきっと捕らえられるわ!!!!」

オー!

海未「生け捕りですよ!!傷はつけないように!!!」

イエスマム!

絵里「さあ行きなさい!!!あなたたち!!!」ビシッ!

ワアアアアアアアア!

ズダダダダダ…!

希「ん!?えええええ~!?30人ぐらい大挙して追いかけてきてるやん~~!!なんで~~!?」タッタッタ!

穂乃果「あっ希ちゃん見~っけ!」

希「穂乃果ちゃん!」

33: 2016/06/19(日) 17:17:25.95 ID:RwpHvywb.net
穂乃果「希ちゃ~ん!なんでこんなに急いでるの~!?」タッタッタ!

希「それは……!よくわかんないんやけどクラスのみんなに追われてるんよ~!」タッタッタ!

絵里「待ちなさい!!希~!?」ダダダダッ

穂乃果「ええ~!?大丈夫!?」

希「ううん……もうあかんかも……」ハアハア…

穂乃果「えええええええ~~!?あっ!じゃあ部室に逃げ込もうよ!あの辺アイドル部しかないから人も少ないよ!!」

希「部室……!?」

穂乃果「うん!!」

35: 2016/06/19(日) 17:31:11.11 ID:RwpHvywb.net
ガチャッ…バタン!

希「はあ……はあ……。あ、ほんまに誰も着いてきてないみたいやな」

穂乃果「でしょでしょ!?灯台モト……冬樹だっけ?あれ?」

希「あはは……でも穂乃果ちゃんが偶然居てくれて助かった~。ありがとなあ」

穂乃果「偶然じゃないよ?」

希「え?」

穂乃果「だって希ちゃんに会いに来たんだもん!」

希「あ、そうやったん?バタバタしててごめんなあ~。なんの用事なん?」

穂乃果「う~ん用事かあ~……」

希「ん?どしたん?」

穂乃果「えへへ、実は用事なんて無いんだ!希ちゃんに会いたかっただけだから!」

希「え~?照れちゃうやんも~!そういうことばっかり言ってるとウチ本気にしちゃうよ~?いいん~?」ニシシ

穂乃果「本気だよ」

希「えっ」

穂乃果「本気だよ?」

希「じゃあホントにウチに会うためだけに……?」

穂乃果「うん。好きな人に会うのに理由が無くちゃダメなの?」ズイッ

希「あ……いや……えっ!?///なんて?///好き?///」

穂乃果「も~!だ~か~ら~好きな人に~……」プクー

希「わ、わわわかったわかった!///落ち着こ?な?///」

36: 2016/06/19(日) 17:41:23.39 ID:RwpHvywb.net
穂乃果「えへへ~だから希ちゃんもこれから毎日穂乃果に会いに来ていいんだよ?」

希「ええ~?それは……」

穂乃果「むぅ~会いに来てくれないの~?」

希「そ、そういうわけでも……」

穂乃果「いいも~ん!そしたら毎日穂乃果の方から会いに行っちゃうからね!えへへ!」

希「用事も無いのに……?」

穂乃果「無いのに!だって希ちゃんと一緒に居たいもん~!」

希「あはは……あ、ありがとう///」

ことり「そうはさせないよ!」バターン!

穂乃果「ことりちゃん!?」

39: 2016/06/19(日) 17:54:35.54 ID:RwpHvywb.net
ことり「これから穂乃果ちゃんが希ちゃんのところに行こうとしたら全力で止めちゃうよ~」チュンチュン

穂乃果「な、なんで!?ひどいよ!!雪穂よりひどい!!」

ことり「だって……穂乃果ちゃんと一緒にいたら希ちゃんは自然体ではいられないじゃない……?」

希「ま、まあさっきみたいにもうアタックされるとちょっと……///」

ことり「それじゃダメなの~!私は自然体の希ちゃんを陰からそっと盗撮してるのが好きなの!!」

希「えええええ!?めっちゃ凄いこと聞いちゃったんやけど!?いつからやってるんそれ!?」

ことり「き、今日初めて……///」

希「よ、よかった……いや全然よくないな?」

ことり「どうして!?立派なバードウォッチングでしょ!!!!!」

希「バードがウォッチングするわけやないよ!?」

穂乃果「ことりちゃん!!」

穂乃果「じゃあその写真穂乃果にも流してよ!!!!!」

希「えっ?」

ことり「動画だよ?」

穂乃果「ぅわっしょ~~~~い!!!」

ことり「でも……タダというわけには……」

穂乃果「ええ~!?悪代官~!!10円までなら出すから!!」

ことり「ん~……もう一声~!!」

穂乃果「う……15円……」シクシク…

希「ウチ安ない?」

真姫「それなら10万まで出すわ!!!!」バーン!!

希「なに言うてん……」

40: 2016/06/19(日) 18:05:05.89 ID:RwpHvywb.net
真姫「ウフフ!お金ならあるのよ?」

希「感じ悪いなあそれ……」

真姫「だから私はその……えっと///」

穂乃果「どうしたの?真姫ちゃん?」

ことり「顔真っ赤だよ?」

真姫「う、ウルサイ!希と結婚したい……///って言ってるのよ!!///」

希「えー」

真姫「ちょっと!!!リアクション薄くない!?」

希「正直ちょっと慣れてきたなあ」

真姫「な、なんでよ!私はこんなに希を養いたいのに……!!」

希「え!?養う!?」

真姫「そうよ。なんだか家だとちょっとだらしなくしてそうなところが……保護欲をそそるっていうか……」

ことり「わかるかも~」

穂乃果「希ちゃんは~……」ムムムーッ…

穂乃果「ちょっとだらしなさそう」アハハ

希「穂乃果ちゃんに言われたくないけど!?」

41: 2016/06/19(日) 18:12:56.12 ID:RwpHvywb.net
希「そもそも養うだけって真姫ちゃんそれでいいん?」

真姫「いいの……希が笑ってくれればそれで……///」クスッ

希「あ……そうなん……///」

真姫「あ!そうよ!希って焼肉好きでしょ!?毎日連れてってあげるわよ!?叙○苑にも連れてってあげるわよ!?」

希「毎日……叙○苑……やて……!?」

ことり「あ、揺らいでる~」

穂乃果「食に弱いなあ……」

希「ゆ、揺らいでなんかないて!」

真姫「なによ。そんなに私と一緒じゃイヤなの……?私のこと嫌いだったらハッキリ言ってよ……」ジッ…

希「嫌いなんか……」

真姫「じゃあどうして!?」

穂乃果「だって希ちゃんは穂乃果のことが好きなんだもん!!」

ことり「ええっ!?そうなの!?」

希「そ、そりゃ穂乃果ちゃんだって好きやけど……」

真姫「じゃあここでハッキリ選びなさいよ。私に養われるか」

穂乃果「穂乃果と毎日一緒に居るか!」

ことり「私に盗撮されるか~」

希「ん~早くも1人脱落やな~」

42: 2016/06/19(日) 18:21:48.01 ID:RwpHvywb.net
真姫「さあ誰を選ぶの?」ジリ…

穂乃果「希ちゃ~ん?」ジリリ…

ことり「早く決めないと食べちゃうぞ~?」ジリリリ…

希「ど、どうして今日はすぐこうなるんや……」ズサリ…ズサリ…

ガチャ!

希「ごめん!ウチ不意の告白とか困っちゃうんよ~~~!」ダダダッ

穂乃果「あ!?」

ことり「逃げたよ~!?」

プルルルル

真姫「絵里!?聞こえる!?」

希「エリチと真姫ちゃんグルだったん!?」タッタッタ!

真姫「たらしが逃げたわ!!」

希「なんてこと言うん!」

真姫「恐らく屋上の方よ!」

絵里『了解よ!海未!!全兵力を屋上へ!』

海未『了解です!!』

真姫「さあ私たちのクラスメイトも総動員するわよ!」

ことり「わかった!」

穂乃果「任せて!!」

43: 2016/06/19(日) 18:30:49.09 ID:RwpHvywb.net
ガチャ…バタン…!

希「ふう……屋上まで来れば大丈夫やろ……?」

ガチャリ…

希「鍵もかけちゃえばこっちには来られないはずやしな~」

希「ってあらら……?」

希「……これ……ウチも帰れないんやない……?」

希「……」

希「ああああ~~!!!やっちゃったやん~~~~!」

希「今から屋上出て下の階に行こうにもそろそろエリチ軍が到着するころやし……」

希「ああどうしたらええんやああ~~~……」ワナワナ…

希「もう終わりやん~~~!!」

希「もうウチ女の子に捕まって揉みくちゃにされて、くんずほぐれつあんなことやこんなこと……」

希「そんな悪くないかも……?」

にこ「どうしたのよそんなうなだれて。チョコでも食べる?ほら」

希「げっ……にこっち……」

にこ「げっ、ってなによ、げっ、って……」

44: 2016/06/19(日) 18:43:44.82 ID:RwpHvywb.net
にこ「どうしたのよこんなところで」

希「ま、まあ色々あってな~……」アハハ…

にこ「はあ……?」

希「あ、あはは、にこっちこそどうしたん?屋上なんかで」

にこ「ん~?まあ今日は練習も無いし1人で自主練……」ハッ

にこ「な~んて小悪魔アイドルがするわけないわよね~!私は……は、俳句詠んでたのよ!そう俳句!」

希「俳句~!?風流やな~!!どんなん詠んでたん?聞かせてよ~」ニマニマ

にこ「ええ!?そりゃ~もう……すっごいやつよ。ま、枕詞とか使っちゃうんだから」

希「ほうほう~?詠んで詠んで~」ニヤニヤ

にこ「た、たらちねの……」

にこ「希……?」

希「失礼やな?」

46: 2016/06/19(日) 18:52:34.24 ID:RwpHvywb.net
希「……」ソワソワ

にこ「?希なんか今日変じゃない?どうしたのよ」

希「い、いやあ~……にこっちはウチになんか言いたいこと、ある?」

にこ「え?言いたいこと……ねえ……」

にこ「希……好きよ」

希「!?」

にこ「とか言ってほしいわけ?」

希「な、なんやビックリしたなあ~。ホントに告白されるんかと思ったよ~」アハハ

にこ「告白ね……」

にこ「希……」ジッ…

希「や、やっぱり……」ゴク…

にこ「アンタ頭でも打ったの?ちょっとおかしいわよ?」

希「え……こ、告白しないん?」

にこ「はあ?なに言ってんのよ全く……」

希「いやあ~実はなあ~……」

49: 2016/06/19(日) 19:05:12.81 ID:RwpHvywb.net
希「~って感じでしょっちゅう告白されて……」

にこ「ええっ!?告白されたってアンタどれかにOK出したの!?」

希「いやいや出してないて!出してないよ~!///」ブンブン

にこ「あ、そう……。ならいいんだけど」

希「なんかみんなおかしくってなあ……だからにこっちは普通で安心したよ~」

にこ「そりゃまあ私はなんともないけど……アンタはアンタでモテて嬉しかったりするんじゃないの~?」キシシ

希「いやあ~でも追いかけられるほど好かれるのはちょっと……ほら声聞こえるやろ?」

ソッチトウジョウサンイター?コッチノクサムラニハイナカッタヨー!

にこ「うわ……グラウンドにワラワラ居るのあれ全部アンタの追手なわけ……?」

希「た、多分……なんで虫取り網なんて持ってるん……」

にこ「ここあが使ってるの以外だと軽く10年ぶりぐらいに見た気がするわ……」

希「あはは……困っちゃうなあ……」

にこ「別にグラウンド通らなければいいだけじゃないの?」

希「いやあ~……」

ダンダン!

絵里「希!!そこに居るのは分かってるわよ!!早く出てきなさい!!」ダンダン!

にこ「あ~……」

希「な~……?」アハハ

にこ「しょ~がないわねえ~」

52: 2016/06/19(日) 19:15:17.87 ID:RwpHvywb.net
にこ「ほら早くこっちよ……!まだ誰も来てないわ……!」コソコソ

希「う、うん……!」コソコソ

にこ「早く……!下駄箱まできっと誰も居ないわ……!!」

希「なあ……にこっちなんでこんな道知ってるん?」

にこ「ああ……お昼休みに屋上使いたかったのよ。ほら放課後しか屋上の鍵って借りられないじゃない?」スタスタ…

希「ん。そうやな」スタスタ…

にこ「だけどこっちの美術準備室からも避難階段で繋がってるのよね。意外と知られてないけど」スタスタ…

希「なんでお昼に屋上に?」スタスタ…

にこ「1人でお弁当食べるためよ」

希「あ~……」

にこ「まあ……今はもう、誘えばアンタなんかが一緒に居てくれるんでしょ?」

希「そんなん当たり前やん?」

にこ「ふふ、ならもうそれで十分よ」

希「うぇっ!?///や、やっぱりにこっちも……///」

にこ「ちょっとなにやってんの早くしなさいよ……!もう下駄箱よ……!」グイグイ

希「ってあれ~……?気のせい?ウチも今日はちょっと過敏になっちゃったんかなあ?」アハハ

絵里「居たわ!!希よ!」

希「!?」

53: 2016/06/19(日) 19:23:18.68 ID:RwpHvywb.net
にこ「希!急いで!!」

希「う、うん!!」ダダッ!

凛「捕まえるのは凛に任せて!!」ダダッ

にこ「ここは私に食い止めるわ!!!!」バッ

凛「待~つ~にゃー!!」シュタタタ!

にこ「さあ来なさい!!」

凛「……」スルッ…タタタッ!

にこ「ちょっと!!!少しは構いなさいよ!!凛~!?聞いてんの!?」

絵里「にこ……」ツカツカ…

にこ「同情するなら金をくれ」

絵里「そういう日もあるわよ」ポン

にこ「……そうね」

希「にこっちぃ~!めっちゃ凛ちゃんが追いかけてくるんやけど~!?」

54: 2016/06/19(日) 19:35:42.76 ID:RwpHvywb.net
希「ふう~今日は大変やったな~……」

希「このタロット……やっぱり当たってたんかな……」マジマジ…

希「モテ期……と言って差し支えないやろ我ながら……」

パラッ…

希「ん?説明書?なになに~……」ペラペラ

希「この魔法のタロットで占った結果は次の日に本当になります」

希「通常は1日で効能は消えますが、とても強い魔法なので用法用量を守って正しくお使いください」

希「……?」

希「ってえええええええええええええええええ!?」

希「ああ!『本当に(誰でも簡単に)出来る!魔法のタロット』なん!?これ!?」

希「日本語は難しいなあ~!!っていやいや!」

希「つまりこのタロットの力でウチは今日だけ、やたらとモテたいうこと……?」

希「じゃあ今日みんながな~んか変だったんは、このタロットで無理矢理ウチに恋愛感情を持たされてたからってことかあ~」

希「ん~……なんかホッとしたようなちょっと残念なような~……」アハハ…

希「あれ?それじゃなんでにこっちだけはいつも通りやったんやろ……?」

希「効かなかったんかな……?そんなことあるん……?だとしたらなんでやろ……?」ムム…

希「う~ん……まだまだ謎が多いなあ……これはもう一度使って確かめないと、やな~」ニッシッシ…


終わり

55: 2016/06/19(日) 19:43:15.27 ID:Ew/TyL8x.net
ニヤニヤしっぱなしだった
乙です

56: 2016/06/19(日) 19:47:06.88 ID:iTnMvsVj.net
最初から惚れてたなら魔法は効かんってか……?
乙です

引用: 希「ウチがモテ期?」