141: ◆m1wnrGFAi. 2012/01/14(土) 22:21:28 ID:imWtcdUo0
この物語の簡単な説明


和「月にはウサギさんが住んでるのよ!」

唯憂「な、なんだってー!!」



        ういうさ!

142: 2012/01/14(土) 22:21:55 ID:imWtcdUo0
ここはお空に浮かぶお月様!


唯うさ「ういー、起きてういー!」

憂うさ「うぅぅ……うぅぅぅう」


憂うさ「はっ!」 ガバッ

唯うさ「起きた!おはよう!うい!」

憂うさ「お姉ちゃん…おはよう!」 ニコッ

唯うさ「うなされてたけど、大丈夫?」

憂うさ「うん、平気だよ。 お姉ちゃん

    ただちょっと悪い夢を見ちゃって…」

唯うさ「へー、どんな?」

憂うさ「あんまりよく覚えてないんだけど…

    なんて言うか…学校の屋上から叩き落される夢?」

唯うさ「それは災難だったね」

憂うさ「うん、本当に」
高3!

143: 2012/01/14(土) 22:22:22 ID:imWtcdUo0
憂うさ「ところで、お姉ちゃん」

唯うさ「なんだい、妹よ」

憂うさ「なんで私たち、ウサギなのかな?」 ピコピコ

唯うさ「おぉ!いい事に気がついたね!憂!

    花丸シールをあげよう!」

憂うさ「わーい、やったー!」 ピョン!


憂うさ「…おほん!

    それはともかく、どうしてなのかな?」

唯うさ「それはねぇ、

    このSSがジャンピング憂ちゃん企画だからだよ!」 フンスッ

憂うさ「えーっと…つまり?」

唯うさ「ジャンピング憂ちゃん企画って言うのは、

    みんなで憂が可愛くジャンプするSSを書くって企画なんだけどね」

憂うさ「うんうん」

唯うさ「それが、月に住んでるウサギさんだと何かと都合がいいんだよ」

憂うさ「そうなんだ」

144: 2012/01/14(土) 22:22:50 ID:imWtcdUo0
唯うさ「そうなんだよー」


唯うさ「まずウサギって可愛いよね」

憂うさ「うん、可愛いよ!」

唯うさ「だから、もうそれだけで憂うさは高得点です!」

憂うさ「えへへー」 ピコピコ

唯うさ「それにウサギってピョンピョン跳ねるよね」

憂うさ「そっか!だからジャンプ企画には都合がいいんだね!」

唯うさ「その通り!」


唯うさ「そして知っての通り、この月面は無重力です!!」

憂うさ「月にも重力はあるよ、お姉ちゃん」

唯うさ「あれ、そうなの?」

憂うさ「うん、地球の1/6くらいなんだって」

唯うさ「なるほどー」

145: 2012/01/14(土) 22:23:15 ID:imWtcdUo0
憂うさ「月の重力が今回の企画と関係してるの?」

唯うさ「うん!あのね、重力がないと…あれ、あるんだっけ…?

    まあ、いいや!とにかく月面では地球よりも高く跳べるでしょ!

    だからいいんだよ!より高い所まで跳べればそれも高得点だからね!」

憂うさ「えっ?…可愛さを競う企画であって、高さは関係ないんじゃ…」

唯うさ「あるよ!すごくあるよ!

    憂がより可愛く!そしてより高く!

    すごいジャンプをすることが今回の企画の意義なんだよ!!」

憂うさ「うーん……どうだろう…て言うかそんな事誰か言ってたっけ…?」

唯うさ「憂は高くジャンプしてくれないの…?」 ウルウル

憂うさ「!……わかったよ!お姉ちゃん!

    私高く跳べるように頑張ってみる!」

唯うさ「よく言ったよ、憂!その意気だよ!」

憂うさ「お姉ちゃん!」

唯うさ「憂!」

憂うさ「お姉ちゃん!」

唯うさ「憂!」

146: 2012/01/14(土) 22:23:46 ID:imWtcdUo0
唯うさ「跳ぶからにはやっぱり一番を目指さなきゃ!」

憂うさ「うん!」

唯うさ「でも周りも強敵ぞろいだからね!」

憂うさ「うぅ、私勝てるかな…」

唯うさ「大丈夫だよ!憂うさなら大丈夫!」 ブイブイ

憂うさ「お姉ちゃん…!」 ウルウル


唯うさ「まあ、さっきも言ったけど可愛さって点で言えば

    憂うさはもうウサギってだけで合格点だと思うんだよ」

憂うさ(お姉ちゃんに褒められるのは嬉しいけど……それはどうだろうか…)

唯うさ「後は誰よりも高く跳べれば優勝間違いなしだね!」

憂うさ「誰よりも高く…かぁ、大きい目標だね」

唯うさ「一番高みを目指そう!」

憂うさ「うん!」

147: 2012/01/14(土) 22:24:12 ID:imWtcdUo0
唯うさ「ところで、実際に憂うさはどのくらいジャンプできるの?」

憂うさ「ウサギのジャンプ力と月の重力のちからを合わせて…

    だいたい5mくらいかな」 

ぴょーん! ぴょーん!

唯うさ「5mかー、ちょーっと厳しいかもね」

憂うさ「それでも普通の人が跳ぶよりは跳べてると思うんだけど…」

唯うさ「少なくとも学校の屋上から地面までの高さくらいは跳びこしたいね!」

憂うさ「うぅぅ…トラウマが蘇りそう…」 ブルブル


唯うさ「憂選手パワーで、もうちょっと高く飛べないかな?」

憂うさ「そんなパワーないよ…お姉ちゃん…」

唯うさ「憂」

憂うさ「?」


唯うさ「がんばって!☆」 ニッコリ

憂うさ「アップはしなくてもいいかな!」 フンスッ

148: 2012/01/14(土) 22:25:05 ID:imWtcdUo0
ぴょーーん!

ぴょーーん!

憂うさ「ふぅ…今のジャンプで10mってとこかなぁ」

唯うさ「おお!2倍になったよ!すごいよ憂!」

憂うさ「えへへー」


憂うさ「でも、これ以上高く跳ぶのは難しいかも」

唯うさ「…うーん、10mでも十分凄いんだけど

    やっぱり周りは強敵ばかりだからね

    どんな跳び方してくるか…わかったもんじゃないよ」


唯うさ「よし!こうなったら!」

憂うさ「こうなったら?」

唯うさ「助っ人を呼ぶしかないね!」

憂うさ「助っ人!?」

149: 2012/01/14(土) 22:25:32 ID:imWtcdUo0


現在、憂うさのジャンプ距離は 10m です。


唯うさ「はい!と、言うわけで

    助っ人の亀あずにゃんです!」

梓かめ「あ、どうも」 ノソノソ

憂うさ「助っ人って梓ちゃん!?

    …………なんで亀なの?」

梓かめ「……なんでだろ」

唯うさ「それはほら、ウサギとカメって言ったら有名だからね!」

憂うさ「有名は有名だけど…」(有名だから何だと言うのだろう…)

梓かめ「まぁ、私たちの学校にもウサギとカメ像があるくらいだからね」

唯うさ「それにあずにゃんはトンちゃんのこと大好きだからね!」

梓かめ「いいじゃないですか、別に!」 テレテレ

憂うさ(大好きだから何だと言うのだろう…)


憂うさ「月に亀がいるっておかしいような…あんまり関係ないし」

梓かめ「それを言ったら、月にウサギが居る時点でおかしいよ」

憂うさ「そうかもしれないけど…」

憂うさ(なんか釈然としないなぁ…)

梓かめ「あっ、月にスッポンならぬ月とスッポンモドキ的な?」

憂うさ「今思いついた感じだっ」

唯うさ「まあまあ、あんまり突っ込みすぎると話が進まないよ?」

150: 2012/01/14(土) 22:25:58 ID:imWtcdUo0
憂うさ「でも、お姉ちゃん

    梓ちゃんが助っ人してくれるのは、とても嬉しいんだけど、

    カメの梓ちゃんが一体どうやって私のジャンプを手伝ってくれるの…?」

唯うさ、梓かめ「えっ」

憂うさ「えっ」

梓かめ「憂、知らないの??」

唯うさ「ジャンプ中にカメを踏んづけたら、もう一段高く跳べるんだよ??」

憂うさ「まさかのスーパーマリオ理論だったよ」


憂うさ「と言うか、私友達踏まなきゃいけないの…?」

梓かめ「友達と思ってるのは憂の方だけかもしれないよ……」

憂うさ「あずざぢゃん…」 ウルウル

梓かめ「冗談です、ごめんなさい」

唯うさ「目標を達成しようと思ったら、時として犠牲は付き物なんだよ、憂」

151: 2012/01/14(土) 22:26:40 ID:imWtcdUo0
唯うさ「あずカメを踏んでいつもより高く飛ぼう作戦ー!いえーい!」

梓かめ「パフパフー」

憂うさ「なに、そのノリ」

唯うさ「具体的には憂は全力でジャンプして、

    着地時にあずにゃんを思いっきり踏んづけて高度を稼ぐ作戦だよ!」 フンス

梓かめ「さあ、遠慮なく踏みつけなよ、ぐりぐりと」

憂うさ「さらっと、えげつないよ!!」


唯うさ「憂……これができないと一番高く跳ぶなんて夢のまた夢だよ」

憂うさ「でも……」

唯うさ「憂」

憂うさ「?」

唯うさ「応援してるからねっ☆」 ニッコリ

憂うさ「梓ちゃん!ごめんね!!踏んじゃっても私たちは親友だよ!」 フンスッ

梓かめ(なんだろう、この姉妹)

152: 2012/01/14(土) 22:27:06 ID:imWtcdUo0
梓かめ「じゃあ、私は空中で待機してるからー」 パタパタ

憂うさ「飛べるんだ…カメなのに…」

唯うさ「ノコノコじゃなくて、パタパタなんだよ」

梓かめ「て言うか、私天使ですからー」 パタパタ

唯うさ「さっき憂は10m跳んだから、

    あずにゃんはそのくらいの高度を維持しててねー」

梓かめ「了解です」



唯うさ「あずにゃん、スタンバイおーけー!?」

梓かめ「うっす!」

唯うさ「憂、スタンバイおーけー?!」

憂うさ「うん!大丈夫だよ!お姉ちゃん!」

唯うさ「さらなる高みを目指して頑張るぞー!」

憂うさ、梓かめ「おーっ!」

153: 2012/01/14(土) 22:27:33 ID:imWtcdUo0
憂うさ「すぅー はぁー」

憂うさ「よし!! 行くね! お姉ちゃん!」

唯うさ「頑張って!憂!」

憂うさ「行くよ!梓ちゃん!」

梓かめ「ばっちこい」


憂うさ「…」

憂うさ「ふんすっ!」 カッ

憂うさ「とりゃああああ!」 

ぴょーん!

憂うさ「ごめん!梓ちゃん!」

げしっ

梓かめ「ぐげっ!」

ぴょいん!


20m突破!!

154: 2012/01/14(土) 22:27:59 ID:imWtcdUo0
憂うさ「やった…20m!!」

憂うさ「やったよ!お姉ちゃん!梓ちゃん!!」 ピョンピョン

憂うさ「さっきの2倍のジャン…」

憂うさ「あ…」


唯うさ「あずにゃん!あずにゃん、しっかり!!」

梓かめ「…」 ピクピク

唯うさ「10m強からの墜落だからそりゃあそうなるよねっ!」

梓かめ「ゆい…せんぱい…」

唯うさ「あずにゃんっ!」

梓かめ「私…やっとできました…ひねしょうが…」

唯うさ「それ、私のネタだよ!あずにゃん!!」

梓かめ「ぐふっ……」 グッタリ

唯うさ「あずにゃぁああん!!」


唯うさ「あずにゃん!君の犠牲は無駄にはしないよ!!」

憂うさ「せっかく高くジャンプできたのに全然喜べないよっ!!!」

155: 2012/01/14(土) 22:28:25 ID:imWtcdUo0


現在、憂うさのジャンプ距離は 20m です。


唯うさ「あずにゃんの尊い犠牲のおかげで憂は20mまで跳べたけど…」

憂うさ「後味悪いね…」


憂うさ「でも梓ちゃんのおかげで20mも高く跳べたから優勝だってできるよね!」

唯うさ「甘いよ!!」

憂うさ「!!」

唯うさ「20m程度で優勝なんてできたら苦労しないよ!!」

憂うさ「うぅ…あんなに頑張ったのに…!主に梓ちゃんが…」

唯うさ「でもご安心を!実はもっと高く跳べる作戦考えたんだー、

    そのための助っ人ももう呼んでます!」

憂うさ(梓ちゃん、踏まれ損だよ…)

156: 2012/01/14(土) 22:28:59 ID:imWtcdUo0
唯うさ「と、言うわけで!

    助っ人に呼びました!鶴の澪ちゃんです!」

澪つる「こんにちは、憂ちゃん」

憂うさ「こんにちは、澪さん!

    お姉ちゃん、なんで鶴なの…?」

唯うさ「え、えっとそれは……

    ほら、言うじゃん!鶴は千年、亀は万年!」

憂うさ「言うけど……でもそのカメはさっきリタイアしたよ…」

唯うさ「それに昔話でもあったよね!

    怪我した鶴が月の世界に帰っていくって言う」

澪つる「かぐや姫の恩返しだっけ?」

憂うさ「混ざってる!!」

157: 2012/01/14(土) 22:29:34 ID:imWtcdUo0
唯うさ「澪鶴と一緒に飛んでもっと高く跳ぼう作戦ー!いえーい!」

澪つる「パフパフー」

憂うさ「つづくんだ…そのノリ」

唯うさ「具体的には憂は鶴の澪ちゃんの背中に乗って、

    十分高いところまで行ったら、そこからジャンプ!」

澪つる「”私の飛行した高さ+憂ちゃんのジャンプ高さ”がそのまま記録になる訳だな」

憂うさ「それっていいの?」

唯うさ「問題ないよ、言ってみればこれも1ジャンプの内だよ」

憂うさ(と言うかそれが許されるなら

    自称天使の梓ちゃんに同じ事して貰えば良かったんじゃあ…)


唯うさ「澪ちゃん!この作戦大丈夫かな?」

澪つる「ふふっ、鶴の中には5000m級の山を飛び越える種類もいるんだぞ」

澪つる「私でも1000mは余裕だな」 フフン!

唯うさ「すごい!!さっきまでと桁が違うよ!流石澪ちゃん!!」 キラキラ

澪つる「ぁぅ」 テレテレ

憂うさ(梓ちゃん……踏まれ損……)

158: 2012/01/14(土) 22:30:03 ID:imWtcdUo0
澪つる「それじゃあ善は急げだよ

     憂ちゃん、私の背中にのって」

憂うさ「は、はい!それじゃあ失礼して…」


憂うさ「よいしょっと」

澪つる「乗れたかな?」

憂うさ「はい!大丈夫です!」

唯うさ「あぁ…憂が私以外の人に乗るなんてっ

    澪ちゃんっ!憂をよろしくねっ…」

澪つる「任せておいてよ」

唯うさ「ういー!しっかりジャンプするんだよ!応援してるからねー!」

憂うさ「うん!!ありがとう!お姉ちゃん、私頑張るから!!」


澪つる「じゃあ飛ぶぞ!」

びゅぅうーん!!

159: 2012/01/14(土) 22:30:30 ID:imWtcdUo0

50m突破!


100m突破!


200m突破!


憂うさ「すごい!どんどん高度が上がってる!」

澪つる「まだまだ飛ぶぞ!」


500m突破!


800m突破!


1000m突破!


澪つる「うーん、やっぱりこのくらいが限界かな」

憂うさ「1000m!」

160: 2012/01/14(土) 22:31:04 ID:imWtcdUo0
澪つる「後はこの高さからジャンプするだけだよ」

憂うさ「…」

澪つる「憂ちゃん?」

憂うさ「今さらだけど、この高さからジャンプして平気なのかな…

    跳んだら無事ですまないような気がするけど…」

唯うさ「大丈夫だよ、憂!」

憂うさ「あれ!? お姉ちゃんの声!?

    どうして?! 地上にいるお姉ちゃんとは少なくとも1000mは離れてるはずだよ!?」

唯うさ「このSSはコメディだからね!距離に関係なく声は届くし

    飛び降りても氏んだり怪我したりしないよ!」

憂うさ「ビバご都合主義」

唯うさ「さっき墜落してたあずにゃんもこの通り!」

梓かめ「実は元気ピンピンです」

憂うさ「生きてた!良かった!梓ちゃん!」

梓かめ「墜落した時の痛みは感じなくても

     親友に踏まれた痛み…それはそれはもう心が痛いの何のって」

憂うさ「あ…あずざぢゃん、ごめん…ごめんなさいっ」 グスッ

梓かめ「ごめん、冗談だから本気で泣かないで憂」

161: 2012/01/14(土) 22:31:44 ID:imWtcdUo0
唯うさ「と言うわけで落ちても大丈夫だから、安心してジャンプして!憂!」

憂うさ「うん!よぉし!じゃあ……」


梓かめ「あ、落ちると言えば知ってました?」

唯うさ「?」

梓かめ「月って実は地球にずっと落ち続けてるそうですよ」

唯うさ「えっ!?うそっ!?!本当にっ!?!!」

梓かめ「はい、でも落ちると同時に横方向に移動してるから

     落ちきらずに地球の周りを回ってるみたいです」

唯うさ「??? 落ちると回るの?」

梓かめ「詳しく説明するのはめんどくさいので後はググってください」


憂うさ「…もう跳んでいいかなぁ……」

162: 2012/01/14(土) 22:32:10 ID:imWtcdUo0
ガタガタガタガタ

憂うさ「? 揺れてる?」

澪つる「あわわわわ」 ガタガタブルブル

憂うさ「み、澪さん?」

澪つる「まままままままま回ってる…」 ガタガタブルブル

憂うさ「あぁ…何か嫌な予感が…」

澪つる「つ、月は回って…」 ガタガタブルブル

憂うさ「でもそれ、すごくスケールでっかい話ですけど…」

澪つる「回るのはっ!回るのはダメなんだ!」 ジタバタ

憂うさ「澪さん!落ち着いて!」

澪つる「回るのはぁぁっあぁあぁぁぁぁ!」

憂うさ「澪さぁぁぁん!」


ヒュウウウウウウ

ずどーん


梓かめ「跳ぶ前に墜落しちゃいましたね…」

唯うさ「もう、あずにゃんダメだよ!澪ちゃんのトラウマ抉ったら」

梓かめ「てへぺろっ」

163: 2012/01/14(土) 22:32:55 ID:imWtcdUo0


現在、憂うさのジャンプ距離は 20m です。


唯うさ「今のは完全に墜落だったから記録にはならないねぇ」

憂うさ「…あう」

澪つる「ごめんな、憂ちゃん…」

憂うさ「いえ、澪さんのせいではないので気にしないでください」

梓かめ「そうですね、今のは誰も悪くないです」

憂うさ「梓ちゃんは反省しよう、お互い様だけど反省しよう」


唯うさ「澪ちゃん、まだ飛べそう?」

澪つる「ごめん、唯……また同じように墜落しちゃうかもしれないから…」

唯うさ「そっか…じゃあ仕方ないね……ありがとう、澪ちゃん!」

憂うさ「でもジャンプはどうするの?お姉ちゃん?」

唯うさ「大丈夫だよ、次の作戦も考えてるからね!大丈夫!」

憂うさ「流石お姉ちゃん!」

唯うさ「えへへー」

梓かめ(憂…唯先輩の大丈夫はね…それはもう大丈夫じゃないんだよ…)

164: 2012/01/14(土) 22:33:33 ID:imWtcdUo0
唯うさ「と、言うわけで次なる助っ人は!

    ゴリラムギちゃんです!!」

紬ゴリ「どうも~」 ムキッ

憂うさ「あ、どうも

    って!怒られるよっ!!!!!!」

唯うさ「ダメかな…?」

憂うさ「よりによって、ゴリラはないよ!」

唯うさ「だ、だってムギちゃん怪力キャラだし…」

憂うさ「だからってこれはムギさんファンに怒られるよ!

    て言うか、カメや鶴と違って何の連想とも繋がってないし!」

紬ゴリ「私、一度ゴリラになるのが夢だったのー!」 ムキムキッ

憂うさ「でたっ!いつもの台詞!!

    でも、それ言ったら許されると思ったら大間違いなんですからねっ!!」

165: 2012/01/14(土) 22:34:04 ID:imWtcdUo0

唯うさ「ムギゴリちゃんに投げて貰ってすごく高く飛ぼう作戦ー!いえーい!」

紬ゴリ「パフパフー」 ムキッ

憂うさ「作戦名から既に不吉な感じが…」


唯うさ「今度の作戦はすっごく簡単シンプル!」

澪つる「ムギが憂ちゃんを掴む」

紬ゴリ「私が憂ちゃんを投げる!!」

梓かめ「憂がすごい跳ぶ、終わり」

憂うさ「色んな意味で終わっちゃうよ!!」


憂うさ「もはやジャンプですらないし!私、投げ飛ばされてるだけじゃん!」

唯うさ「いやいや、ちゃんとジャンプだよ

    たまたまジャンプの瞬間にムギちゃんに投げられちゃうだけで」

憂うさ「いや、それはどう考えてもちがっ…」

唯うさ「憂」

憂うさ「?」

唯うさ「私、憂のこと信じてるよ

    憂ならきっと誰よりも高くジャンプしてくれる

    私、憂のこと一生懸命応援してるからね」 ニッコリ

憂うさ(くっ……もはや、お姉ちゃんに笑顔で応援されると、

    どんな事でも無理やり納得して、頑張ってしまう自分自身の生態が憎い…)

憂うさ「でも頑張っちゃう!!私、跳んでくるよ!お姉ちゃん!!!」 フンスッ

梓かめ「無茶しやがって……」

166: 2012/01/14(土) 22:34:48 ID:imWtcdUo0
唯うさ「それじゃあ、ムギちゃん!準備して!」

紬ゴリ「よいしょっと」 ひょいっ

憂うさ「ひゃあっ」

唯うさ「いい?ムギちゃん!大砲の応用だよ!

    こう、ズドーンッ!!とねっ!!!」

紬ゴリ「ズドドドーンッね!!任せて、唯ちゃん!!」

憂うさ「ドが多いですよっ?!

    わ、私…も、もう跳ばされちゃうの?お姉ちゃん?」

唯うさ「そろそろSS自体が思ったより長くなってきたからね、巻いていかないと!」

憂うさ「書き手の都合でこんな仕打ち受けてると思うとたまったものじゃないね!」

紬ゴリ「はぁぁぁああ!」

憂うさ「て言うかムギさんもう既にぶん投げる体勢に入ってます!?」

紬ゴリ「そぉおおい!!!!!!!!!!!」

ブンッ

ズドドドドーンッ

憂うさ「いやぁああああああ!!!!!!!!」

ばびゅーーーーーーん


キランッ

167: 2012/01/14(土) 22:36:05 ID:imWtcdUo0
唯うさ「おお、飛んだねー」

澪つる「飛んだな」

梓かめ「飛んじゃいましたね

紬ゴリ「加減したんだけど……」

唯うさ「…」

澪つる「…」

梓かめ「…」


澪つる「て言うか……どこまで飛んで行ったんだ?」

唯うさ「さぁ」


ぴゅーーーん

梓かめ「あ、逆の方から」

どしんっ

憂うさ「ぴゃっ!」

唯うさ「憂っ!!」

澪つる「もしかして…月を一周してきたのか?」

紬ゴリ「憂ちゃん!ごめんなさいっ!」

唯うさ「月を一周…」


唯うさ「……お、と言うことは」

168: 2012/01/14(土) 22:36:37 ID:imWtcdUo0


現在、憂うさのジャンプ距離は 10920km(月の円周) です。


唯うさ「おめでとう、憂!!!

    10000km!10000kmだよ!!!

    一万ってだけでも凄いのに、kmも付いてるよ!」

憂うさ「えへへー」 ニコニコ

唯うさ「ムギちゃんもありがとう!!

    憂が1万kmも跳べたのも、ムギちゃんの怪力キャラおかげだよ!」

紬ゴリ「役に立てたみたいで良かった~♪」

梓かめ「私たちの頑張りはなんだったんでしょうね」

澪つる「さぁ…」

唯うさ「ま、まぁまぁ……あずにゃんも澪ちゃんも協力してくれてありがとうね!」


憂うさ「一時はどうなるかと思ったけど…

    1万kmも飛べば間違いなく一番高く跳んだよね!お姉ちゃん!」

唯うさ「うん!よくやったよ!憂!!自慢の憂だよー!!」 ギューッ

憂うさ「えへへー、お姉ちゃーん!」 ギューッ

憂うさ(いろいろ大変だったけど、今はほんわり幸せな気分!

    頑張った甲斐が……)


紬ゴリ「大変っ!!!」

憂うさ「あぁ……嫌な予感が………」

169: 2012/01/14(土) 22:37:21 ID:imWtcdUo0
梓かめ「どうしたんですか、ムギ先輩」

紬ゴリ「菫から連絡が来て…

    奥田さんって子の情報によると

    恩那組の3人が2万kmのジャンプをしたらしいの…」

澪つる「ここぞとばかりに色んな名前が出してきたな…」


澪つる「でも、恩那組の3人はどうやって2万kmものジャンプを…?」

紬ゴリ「身長2万kmの巨人、幸ちゃんの頭の上からスーパージャンプしたらしいの」

唯うさ「!! しまった、その手が!!

    どうして今まで思いつかなかったんだろう!

    私達も愛生=巨人ネタを使っていればっ…」

梓かめ「悔やまれますね…」

憂うさ「色々突っ込みたいけど、とりあえず方々から怒られるよ」


唯うさ「ここまで来たら……憂はそれ以上跳ぶしかないよねっ!!」

憂うさ(やっぱり……) ガックシ

170: 2012/01/14(土) 22:38:14 ID:imWtcdUo0
唯うさ「ねぇ、ムギちゃん、ムギちゃんが本気出して憂を投げたらどこまで飛ばせるかな?」

紬ゴリ「……唯ちゃん、それは危険すぎるわ」

憂うさ「危険!?危険ってなに?!」

梓かめ「ど、どういうことですか、ムギせんぱい…?」

紬ゴリ「私が本気を出して投げたら…憂ちゃんは何処までも飛んでいってしまう…

     月の重力も突き抜けて宇宙まで放り出されてしまうわ、

     宇宙に飛び出してしまえば…何かにぶつかるまで止まることはない…

     いえ、ぶつかったとしてもそれが、生半可な物体だとそれも貫通してしまうでしょうね」

憂うさ(ムギさん、どんだけ…)

唯うさ「でも、投げた先に受けとめてくれるキャッチャーがいれば?」

紬ゴリ「……生半可なキャッチャーじゃダメよ?」

唯うさ「にやりっ」

唯うさ「最後の助っ人の出番だねっ!りっちゃん!!」

梓かめ「? 急に辺りが明るく?」

171: 2012/01/14(土) 22:38:56 ID:imWtcdUo0
律太陽「待ちくたびれたぜー!!」 ジャジャーン!


憂うさ「スケールでかいよっっっ!!?!」

唯うさ「りっちゃーん!おーい!」


律太陽「ゆいー!私はどうすればいいんだー!?」


唯うさ「今からそっちに向かって憂を投げるから受け止めてあげてねー!」

憂うさ「!?!!」

唯うさ「ムギちゃん!イケるよね!?」

紬ゴリ「りっちゃんが受けとめてくれるなら…

    少しくらい本気を出しても大丈夫みたいね!」 コキコキ ごごごごご…

憂うさ「!!?!」


澪つる「地球から太陽までの距離 1億4960万km!

     足すことの地球から月までの距離40万km!

     このジャンプが成功したら合わせて1億5000万km!!」

梓かめ「笑っても泣いても最後の大勝負ですね…」

憂うさ(いやいや!!氏んじゃうっ!!私氏んじゃうよっ!!)

172: 2012/01/14(土) 22:39:30 ID:imWtcdUo0
唯うさ「憂」

憂うさ「も、もう騙されないからね!お姉ちゃん!」

ギュッ

唯うさ「憂なら大丈夫だからね、絶対

    私が保証するよ…」

憂うさ「騙され…ない…んだから」

なでなで

唯うさ「憂ならできるよ

    だって憂は私の自慢の妹だからね」

憂うさ「だ…だまされ……」


ちゅっ


唯うさ「えへへー、ほっぺにちゅーしちゃった☆」

憂うさ「ええええいっ!!どうにでもなれ!!!このやろおぅ!!!」  フンスフンスフンスッ

唯うさ「それでこそ自慢の憂だよっ!!」

173: 2012/01/14(土) 22:39:57 ID:imWtcdUo0

  ―― 別に今の私が特別なわけじゃない ――


律太陽「こっちはいつでもいいぞー」


  ―― 人には誰にだって、目標があって ――


紬ゴリ「本気を出すのは何十年振りかしらね」 ゴゴゴゴゴゴゴ


 ―― 乗り越えなきゃいけない壁があるんだって思う ――


澪つる「ムギ、まだ十数年しか生きてないよな」


―― そして何より、跳び超えなきゃいけないのは自分自身 ――


梓かめ「その辺は気分じゃないですかね」


     ―― だから、私は ――


唯うさ「憂、帰ってきたら…」

174: 2012/01/14(土) 22:40:23 ID:imWtcdUo0




唯うさ「もっと凄いことしようねっ!」



       ―  跳ぶ ――



憂うさ「Ok, Good Luck」



紬ゴリ「えいやぁあああっ!!!!!!!」 ズゴゴゴ

キュイイイイイイイイイイインン

ズゥオオオオオオオオオン!!!!

175: 2012/01/14(土) 22:40:50 ID:imWtcdUo0


……

………


梓かめ「な、何が起こったの?眩しくて何も見えなかったけど…」

澪つる「ムギの腕を振る速度が早過ぎて発光したんだっ…」

紬ゴリ「ふぅぅ……」 シュゥウゥ

梓かめ「!! ムギ先輩、煙が出て…」

紬ゴリ「久しぶりに…本気出したから……少し疲れちゃった」



唯うさ「りっちゃん!」

律太陽「ん…んんー??」

唯うさ「憂はっ!?」

律太陽「あ、あれ?」

律太陽「おっかしーなぁ…」


律太陽「こっちには来てないみたいだぞ」

唯うさ「!?!」

176: 2012/01/14(土) 22:41:16 ID:imWtcdUo0
唯うさ「そ、そんな……じゃあ憂は……?」

紬ゴリ「……まさか」

唯うさ「ムギちゃん!憂は!?!」

紬ゴリ「憂ちゃんの体は……

    私の…本気には耐えられなかったの……」

唯うさ「そ、そんな…」

紬ゴリ「ごめんなさい……」

梓かめ「憂……」 グスン

澪つる「…」

唯うさ「うわぁあああああん」 


澪つる「いや、唯、あっちの方見てみなよ」

唯うさ「えっ、あっち……?」

177: 2012/01/14(土) 22:41:43 ID:imWtcdUo0


憂うさ「うんせっ!うんせっ!」 フワリフワリ



唯うさ「!!! ういっ!!!」

梓かめ「宇宙空間を泳いでる!?」

紬ゴリ「なんてことっ…!」

澪つる「ムギは久しぶりに本気出したって言ってたろ?

     だからコントロールがうまくいかなくて、投げる方向がちょっとずれちゃったんだよ

     でも憂ちゃんはそのズレを自力で修正しているんだ」

紬ゴリ「そんなことって……信じられない!」

梓かめ「まさにアンビリーバブルです!!」

唯うさ「憂!!!」

澪つる「ほら、もう辿り着くみたいだぞ」


律太陽「こっちこっち」

憂うさ「うんせっ」

憂うさ「よいしょっ」


憂うさ「太陽に着地したよ!お姉ちゃん!!!」


1億5000万km ジャンプ達成!

178: 2012/01/14(土) 22:42:10 ID:imWtcdUo0

唯うさ「憂!!憂!!おめでとう、憂!!!」 パチパチパチパチ

澪つる「おめでとう憂ちゃん!!」 パチパチパチパチ

紬ゴリ「すばらしいジャンプだったわ!!」 パチパチパチパチ

梓かめ「流石は私の親友だね!」 パチパチパチパチ

律太陽「感動したっ!!」 パチパチパチパチ


憂うさ「お姉ちゃん…皆さん…!応援ありがとうございました!!!」 ペコリッ


  ― もし、あなたがこの先壁にぶつかる事があったら ―

     ― 勇気を出して、跳び越えてみて ―

      ― きっとその先に見える眺めは ―


        ― 最高の景色だから! ―


唯うさ「ふふ、それじゃあ憂!月に帰ってきたら約束のもっとすごい…」

憂うさ「…!」 ゴクリッ




紬ゴリ「たいへんっ!!!」


憂うさ「えっ」

179: 2012/01/14(土) 22:42:55 ID:imWtcdUo0

紬ゴリ「今、入った情報によると

    ドーナツ咥えたそこら辺の女子高生の純ちゃんが

    もの凄い突風に吹き飛ばされて、今の憂ちゃんの記録を超える大ジャンプをしちゃったみたい!」

梓かめ「あー、純跳びやすそうな頭してるもんね、二重の意味で」

憂うさ「純ちゃん、どんだけ……」

律太陽「一体どのくらい跳んだんだ?」

紬ゴリ「それが木星くらいまで跳んじゃったみたい」

澪つる「地球から木星までって言うと…だいたい7億5000万kmか…」

唯うさ「!?! そ、そんなの勝てっこないよ……」


「諦めるのはまだ早いんじゃない?」


唯うさ「!!」

律太陽「その声は!!!」


宇宙戦艦さわ子「今度は私が助っ人よ!憂ちゃん!」


憂「」

梓かめ「宇宙戦艦さわ子!!」

紬ゴリ「なるほど…ワープ航法や跳躍航法みたいなSF的なジャンプも…ジャンプはジャンプ!」

澪つる「まさにジャンピング憂ちゃん!」

宇宙戦艦さわ子「私の跳躍航法は108光年まであるわ!さあ!今すぐ乗り込んで!!憂ちゃん!!!」


唯うさ「と、言うわけで…

    もっと凄いことは次に帰ってきてからのお楽しみだね、憂!」

憂うさ「お、お姉ちゃん……」

唯うさ「憂、頑張ってっ!☆」 ニッコリ


憂うさ「…は、ははは」

憂うさ「もういやぁああああああああああああああああ!!!!」


ヒュイイイイイイインン  ゴォオオオオオオオオオオオオ


                                      おしまい

引用: 憂「跳びたて!憂ちゃん!」