1: 2016/06/28(火) 21:32:33.37 ID:Xy2bw9C6.net
凛「凛がかよちんの為におにぎり握ってきたよ!」

花陽「わぁ!猫さんの形だ…かわいいー!」


凛「うん!凛の握るおにぎりはかわいい猫さんにゃー」
花陽「食べるのがもったいないよー」


凛「大丈夫!たくさんあるから食べてね!…はい、あーん」

花陽「あーん」

ぱくっ

凛「…おいしい?」
花陽「んんんー!!おいしい!」

凛「わーいわーい」キョロキョロ
花陽「もぐもぐもぐ…」キョロキョロキョロ


ボトッ


凛「あっ、指示書が落ちてきた!やったぁ!クリアしたにゃ!」

花陽「うんっ!次はえーっと…指示書にはなんて書いてあるのかな…」


凛「…みんな待っててね……。必ず助けてみせるにゃ!」

3: 2016/06/28(火) 21:35:03.16 ID:Xy2bw9C6.net
--30分前--


凛「今日の練習も気合入るにゃー!」

花陽「うんっ。今日はできたての新曲お披露目会があるんだよね?楽しみだなぁ…今回はどんな歌なんだろ」


凛「うーん…ラップかな?」

花陽「ラップ!?うぅぅ…だとしたらどうしよう…花陽、ラップなんて歌えないよぉ…」


凛「大丈夫だって!かよちんに歌えない歌はない……あれ?」


シーン…


花陽「部室の前まで来たけど…今日は一段と静かだね」

凛「真姫ちゃん…先に部室に行ってるって言ってたよね?」

花陽「う、うん…。でも、いる感じしないよね?もしかしたら先に屋上の方に行ったのかな…」


凛「とにかく入ってみるにゃー」

--ガチャ


凛「あれー?誰もいないにゃー」

花陽「やっぱり屋上にいるのかな……あれ?
手紙がある。」

凛「…凛とかよちん宛てにゃ。ファンレターかな?」
花陽「読んでみるね。えーっと…」


花陽「拝啓 μ'sの他のメンバーを誘拐した…」


花陽・凛「えぇぇぇぇ!!!!!」

5: 2016/06/28(火) 21:37:16.51 ID:Xy2bw9C6.net
花陽「返して欲しければ指定の場所で指示通りにイチャイチャしろ……だって!どどどどどうしよう!」


凛「どうしよう!みんなが誘拐されちゃったって…うわぁぁぁぁぁぁん!!!」


花陽・凛「ダレカタスケテェェェェェ!!!!!」


凛「あっ、ついつい凛も言っちゃったにゃ」
花陽「あー、マネっこだ」

凛「てへへー。恥ずかしいにゃー」
花陽「もーう」


凛「えーっと…なんだったっけ?」

花陽「あっ、そうそう…みんなが誘拐されちゃって…」


凛・花陽「誘拐!?」


凛・花陽「ダレカタスケテェェェェェ!!!」


凛「また言っちゃったー」

花陽「もう凛ちゃんさっきから私のマネばっかりー」


凛「なんでだろ…大好きだからマネしちゃうのかにゃ?」

花陽「そうなの?じゃあ、花陽も凛ちゃんのモノマネしないとにゃー」


凛「……」
花陽「あ…あれ?怒った…?ごめんね…」


凛「とてつもなく可愛かったにゃ…もう一回やって!」

花陽「えぇ!?は…恥ずかしいよぉ…」

6: 2016/06/28(火) 21:38:33.58 ID:Xy2bw9C6.net
凛「えぇー…一回だけなんてつまんないにゃー…ねぇ、もう一回!」


花陽「じゃあ……。もう一回だけにゃー…とか?」


凛「かわいいかわいいかわいい!凛になったかよちんかわいいにゃー!」


凛「可愛すぎてダレカタスケテーにゃ」
花陽「あっ!」


凛「えへへー」
花陽「ふふふっ」


凛「…あれ?なんだったっけ?」

花陽「うん…何かすごく大事なことがあったような…」


あっ


凛・花陽「誘拐!!」

7: 2016/06/28(火) 21:42:17.61 ID:Xy2bw9C6.net



凛「屋上でおにぎりを使ってイチャイチャ…なんて指示があったからやってみたけど…今のが正解だったんだね」


花陽「うん…普通にしてただけなのにね」

凛「ねー」


凛「しかもイチャイチャして合格すればみんなを解放してくれるって…誘拐犯も回りくどいことするにゃー」

花陽「うぅぅ…誘拐だもん。やっぱり警察に通報したほうがいいんじゃないかな…」



凛「ダメだよ!もし通報したら…みんなの名字がちょっとだけ変わっちゃうんだよ!」

花陽「そうだね!私たちのせいでにこちゃんがヤサワ、真姫ちゃんがニシギノ…穂乃果ちゃんがタカサカさんになっちゃう!」

凛「名前の印象がガラッと変わっちゃうにゃー」

凛「希ちゃんなんかヒガシシノさんになっちゃう!」

花陽「東條の條は篠じゃないけど…そんなことはさせないもん!!凛ちゃん、一緒に頑張ろうねっ!」



凛「うん!ねぇ、かよちん!次はなんて書いてあるの?」

花陽「えーっと…『音楽室でイチャイチャしろ』…だって」

凛「えぇ!!まだみんなを解放してくれないの?」

花陽「うん…何回かあるみたい…はぁ…みんな大丈夫かな…」

凛「早く助けないと…。今度は音楽室ね…そうと決まれば早くいくにゃ!」

花陽「ちょっと待って!追伸がある…えーっと…」


凛「えっ…なんて?」
花陽「必ずピアノを使うこと…だって」

凛「ピアノを使ってイチャイチャね…分かったにゃ!」

8: 2016/06/28(火) 21:46:51.98 ID:Xy2bw9C6.net
--音楽室--


ピロローン♪

凛「はぁ?イチャイチャしろって…何それイミワカンナイ!」

花陽「真姫ちゃん!?」


凛「ちょっとかよちん、私と結婚しなさいよね」

花陽「真姫ちゃんが私とイチャイチャしようとしてる…」


凛「出来ないっていうの!?ナニヨソレ!」

花陽「あ…あのね…凛ちゃん」
凛「ナニヨー、どうしたの?何か問題でもあるのかにゃー」


花陽「ピアノを使ってってだけで別に真姫ちゃんにならなくてもいいんじゃないかな…って」

凛「えっ?そうなの?」


ボトッ

凛「あっ、指示書が音楽室の入り口からにょろっと落ちてきたにゃ!」

花陽「えーっと…」
凛「なんて書いてあるの?」



花陽「なんか違う。やり直し…だって」

凛「えぇぇ!!」

11: 2016/06/28(火) 21:51:09.29 ID:Xy2bw9C6.net
花陽「まだ何か書いてある…。えーっと……えぇ!?」

凛「どうしたにゃ!」

花陽「ピアノを使って音楽室コントでイチャイチャ…だって」

凛「なにそれ…全く意味が理解できないにゃ!」



凛「じゃなくて…」

ピロロン♪


凛「イミワカンナイニャ!」

花陽「それはどっちだろ…と、とにかく!ピアノを使って音楽室コント…いきます!」




凛「コント!」
花陽「音楽室!」


凛「えーっと…こ、ここは音楽室にゃ!」

花陽「う、うん…音楽室だね!」


凛「バッハだね」
花陽「うん」

凛「ベートーベンで…モーツァルトでしょ?」
花陽「うんうん」


凛「ザビエル」
花陽「それは違うかな…」

12: 2016/06/28(火) 21:59:52.60 ID:Xy2bw9C6.net
凛「うわぁぁぁ!音楽室コントって何をすればいいにゃー!」

花陽「ピアノを使ってって…真姫ちゃんみたいに上手に弾けないし…」


凛「あれ?そういえば中学生の頃、かよちんが音楽室のピアノでアイドルの歌を弾いてくれたね」

花陽「弾いたって…サビだけだし…それに、片手の人差し指でしか弾けないよ?」


凛「それでいいの!久しぶりにやってみるにゃー!さぁさぁ!座って座って!」



花陽「う、うん…じゃあ……」

~♪


凛「あっ!A-RISEの曲にゃ!」

花陽「……♪」


凛「(あっ…かよちんのピアノを弾いてる姿…)」


凛「すごく…大人っぽくて綺麗…」

凛「(カァァ…)」


ビロロン


花陽「あっ…うぅぅ…やっぱり間違えちゃったよぉ…今度真姫ちゃんに教えてもらおう」

凛「う、うん…」
花陽「凛ちゃん…?」

凛「1年経つだけでこんなに変わるんだね…」

花陽「んん?」

13: 2016/06/28(火) 22:06:02.29 ID:Xy2bw9C6.net
凛「(もじもじ…)」

花陽「(凛ちゃん…ちょっと照れてる?)」

花陽「どうしてだろ…」


ボトッ

花陽「あっ、また指示書だ。えーっと…音楽室でイチャイチャはオッケー…だって!下手っぴなピアノを弾いただけなのに…ちょっと変だね」


凛「………」ボーッ

花陽「凛ちゃん…?」

凛「えへへー。ごめんね…少しボーッとしてて」

花陽「もうっ!」ぷくぅー

凛「怒ったかよちんも可愛いから大好きにゃー」


花陽「けどどうしようか…指示書には『コントにオチをつければ合格。次に進むことができる』…って書いてある。オチはどうしようか…」

凛「オチがなければコントはなりたたないにゃ…」


花陽「実は夢でしたー!…みたいなのはどうかな?」

凛「夢オチはちょっと…。あれ?そういえば…前に希ちゃんが教えてくれたにゃ。どんな状況でもどんな場面でも必ず落とせる最高に面白い魔法の言葉があるって…」

花陽「そんなものが!?それは…?」ゴクリ…



凛「最後はやっぱり……熱いお茶がこわい!!」


花陽「まんじゅうこわい!?」

凛「違うよかよちん!怖いのは熱いお茶!おまんじゅうのことなんて話してないにゃ!」

花陽「そうじゃなくて…」


ボトッ

花陽「あっ…。やったぁ!合格だって!さすが凛ちゃん!指示書が落ちてきたよ」

凛「次は…講堂だね」
花陽「うん…講堂で……えぇ!?」


花陽・凛「芝居でイチャイチャ!?」

凛「台本もないのに…即興でお芝居?」

花陽「そんなの無理だよ…ダレカタスケテェェェェェ!!!」

14: 2016/06/28(火) 22:10:07.94 ID:Xy2bw9C6.net
--講堂--


凛「凛と!」
花陽「花陽の!」

凛・花陽「特別公演!」


凛「題名。陸上部のエースの苦闘」

花陽「わー!パチパチパチー」



凛「凛は陸上部のエース!誰がなんと言おうと、陸上部のエースだよ!本気を出せば時速600キロくらいで走れるにゃー」


凛「はぁ…けど、最近全然タイムが上がらない。時速200キロくらい…これじゃあ全国大会…ううん、地区大会…いや、運動会の徒競走でも勝てるかどうか…」


凛「もっと早く…早く走らないと……時速1200キロくらい…なんなら瞬間移動してサイヤ人かって噂が囁かれるくらい…」


花陽「凛ちゃんお疲れ様」


凛「わぁ!陸上部マネージャーで幼馴染のかよちん!」

花陽「はい、タオル」

凛「う、うん…ありがと…」

花陽「どういたしまして。けど…大丈夫?少し元気ないみたいだけど…」


凛「そんなことない!凛は元気だよ!ほら、元気元気!」


花陽「よかった…。えーっと今のタイムは…」


凛「見ないで!」
花陽「えっ…」

15: 2016/06/28(火) 22:13:45.02 ID:Xy2bw9C6.net
凛「こんなの凛じゃない!こんなタイムのはずがない!凛はもっと早く走れる!凛はもっと頑張れる!!」

花陽「凛ちゃん…?ちょっ、どうしたの?」


凛「もう一度走るにゃ。かよちん、タイム計ってね」

花陽「う…うん…ねぇ、凛ちゃん」

凛「ん?」
花陽「無理しないでね…ほら、無理は体にもよくないから」


凛「そんな言葉いらない!人一倍頑張らないと早くなんて走れないよ!かよちんは凛を応援してくれればいいにゃ!」


花陽「けど…凛ちゃん」

凛「人一倍…ううん、千倍がんばる!頑張って全国大会にいく…もし、全国に行けたら凛と付き合っ……」



凛「ううん…なんでもない…」

花陽「えっ…う、うん」


凛「全国大会に行けたら話すにゃ!ほら、もう一回だよ!」


花陽「うん…」



凛『けれど、凛はタイムはどんどんは悪くなっていった』



凛「なんで早く走れないの?もっと…もっと早く…」


凛『監督や部活のみんなやクラスメイトにまで『頑張れ…頑張れ!』と、凛は応援され続けた』



凛「全国に行って…かよちんと…それなのに!」

16: 2016/06/28(火) 22:17:16.79 ID:Xy2bw9C6.net
花陽「ねぇ凛ちゃん…」


凛「かよちん…!ごめんね…かっこ悪いところ見せちゃったね。けどすぐ早いタイムをだしてみせるから!」


花陽「そうじゃなくて…凛ちゃん…大丈夫?」

凛「えっ…なんで?」


花陽「最近ずっと顔色が悪いから…」

凛「大丈夫だよ!ほら、元気元気!」


花陽「あのね、凛ちゃん…少し休んだ方がいいと思うの」

凛「えっ…なんで?」


花陽「凛ちゃん、最近ずーっと頑張ってたから少しお休みも必要かなって」


凛「なにそれ…休んだらもっと遅くなるよ!」

花陽「ううん。体調も悪いみたいだし一度休んでちゃんと治してから…」


凛「うるさいよ!」

花陽「えっ…」


凛「なんで応援してくれないの?みんなみたいに頑張れって一言でいいんだよ!かよちんに応援されたら凛は頑張れるもん!」


花陽「応援してるよ!いつも頑張れって思ってる!」


凛「じゃあなんで休めなんていうの!ひどいよ!」

花陽「だって…ううっ…」ぐすぐす


凛「あっ…ごめっ……かよちんの事を泣かせたかったわけじゃなくて…」


花陽「ねぇ…凛ちゃん」

凛「…んっ?」



花陽「凛ちゃんは…楽しんでる?」

凛「えっ…」


花陽「前の凛ちゃんはいつも笑顔で…思ったタイムがでなくても次があるから大丈夫ってすごく楽しそうにしてた…けど、今の凛ちゃんは…全然楽しくなさそうだもん!」

17: 2016/06/28(火) 22:19:19.08 ID:Xy2bw9C6.net
凛「楽しい…?」

ねぇ、りんちゃんはどうして走ってるとき、いつも笑顔なの?

それはね!すーっごく楽しいからだよ!


花陽「あの時みたいに…笑顔いっぱいの凛ちゃんの方が…私は好きだった!!」


凛「かよち…」フラフラ…


花陽「凛ちゃん!…すごい熱…!凛ちゃんしっかりして!」

凛「ははっ…なんか急にめまいがしちゃって」


花陽「待ってて!今すぐ監督を呼んでくるから!」


凛「待って…」


花陽「けど…」

凛「…ねぇ、教えて……凛は間違ってたのかな?がむしゃらに走ってた。みんなの期待に応えるために…早く走ることだけを考えて…」


花陽「ううん。凛ちゃんも応援してくれたみんなも誰も悪くないよ。」


凛「そっか…凛……ちょっと休んでまた頑張るね」

花陽「うん!」


凛「がくっ、ばたばたばたー。たおれたにゃー」

花陽「わー、りんちゃーん、たおれないでーいやー」

18: 2016/06/28(火) 22:23:00.30 ID:Xy2bw9C6.net
凛「あれ?なんか風邪が治ったっぽいよ!」


花陽「わぁ、よかったねー」

凛「楽しさを取り戻したら早く走れて全国にいけたにゃー。時速1500キロくらいにゃー」

花陽「わー、すごーい」


凛「全国に行けるし、かよちんには凛と付き合う…ううん!付き合う過程と結納飛びこえて結婚してほしいにゃー」

花陽「うん、もちろん!」


凛・花陽「おしまい!!」


凛「わーいわーい!一芝居でイチャイチャできたにゃー」

花陽「ふぅ…お客さんはいないけどなんだか緊張しちゃった…」

凛「かよちんは名女優になれるよ!一緒に演技して確信したにゃ!!」


花陽「そんなことないよ…なれるなら凛ちゃんだよ!迫真の演技だったもん!」





ボトッ

凛「客席から指示書がとんできたにゃ!」

花陽「えーっと…『オチが雑すぎ…ですが、まぁいいでしょう』だって!」

凛「やったぁ!一芝居クリアにゃー!…で、次は?」


花陽「次は…生徒会室で…」

凛「生徒会室で?」



花陽「修羅場でイチャイチャ…だって」
凛「修羅場でイチャイチャ!?もうよく分からないにゃー」

19: 2016/06/28(火) 22:26:51.31 ID:Xy2bw9C6.net
--生徒会室--


凛「ねぇ、まだ続くの?」

花陽「うん…どこまで続くんだろ…」


凛「その程度のイチャイチャなの?認められないわぁ?…みたいな?」

花陽「あははっ、けど誘拐犯は絵里ちゃんじゃないよー」
凛「えへへー」

ガタンッ!

花陽「きゃぁっ!!」
凛「なんの音…?」


シーン…


花陽「気のせいかな…?」

凛「そうみたいだね。とにかく修羅場をなんとかしてみんなを助けないと…かよちん…今回の作戦は…ゴニョゴニョゴニョ…」


花陽「うんっ、うんうん…分かった!」

凛「じゃあいくよ!」

花陽「うんっ!」

21: 2016/06/28(火) 22:30:27.15 ID:Xy2bw9C6.net
凛「凛はかよちんのことが大好きにゃー」


花陽「……」

凛「あれ…?かよちん……?」



花陽「どーせ他のかよちんにも同じこと言ってるんでしょ」ぷいっ


凛「にゃぁぁぁ!!!!!」




花陽「ふんだっ!」ぷいっ

凛「うぅぅ…困ったにゃ…困ったことに、怒ったかよちんはとてつもなく可愛いにゃー」




凛「じゃなくて…凛はかよちんのことを言ってるんだよ?他のかよちんの事を褒めたりしないにゃー」

花陽「ふんっ!じゃあ2日前の出来事はどう説明するの?」


凛「それは…えーっと…」

花陽「ほら説明できない!」ぷいっ


花陽「ふんっ!」ぷいぷいっ


花陽「ぷんぷんっ」ぷくぅー


凛「ぷっ!!」


花陽「り…凛ちゃん笑っちゃダメだよ…修羅場なんだよ…」

22: 2016/06/28(火) 22:33:50.31 ID:Xy2bw9C6.net
凛「ごめんにゃー。怒ったかよちんがあまりにも可愛くてつい吹き出しちゃったにゃー」


花陽「もうっ!真面目にやってるのに…」



凛「…あっ」
花陽「どうかしたの…?」


凛「う、うん…かよちんが凛に怒ったのって…あの時以来かなって」

花陽「あの時…?」

凛「あの時のかよちんすっごく怖くって…凛、もう嫌われちゃったのかと思っちゃったにゃ」

花陽「私が凛ちゃんの事を嫌うわけないよ」

凛「だって本当に怖かったんだよ?目なんてこーにゃ」

花陽「そんな顔してないもん!」


凛「イミワカンナイ!」
花陽「真姫ちゃん!?もーう…怒られるよ?」


凛「にゃー。えーっと…あの日って…たしか…」

花陽「中2の林間学校かな?」


凛「そうだったにゃ!たしか…」

24: 2016/06/28(火) 22:40:23.50 ID:Xy2bw9C6.net




凛「にゃー、凛は中2にゃー」

花陽「花陽も中2だよ!」

凛「林間学校真っ最中にゃー」
花陽「ねー」


凛「じゃあお米係の凛達がご飯を炊くにゃー。かよちん、お米は持ってきた?」

花陽「えっ…私はカレー係だよ?」

凛「えっ!!かよちんなのにカレー係なの?」


花陽「ひっぐ…ぐずぐず…じゃんけんで…負けっ…てぇ…」

凛「あぁ…そうだったね!泣かないでよぉ…ほら、ハンカチ」
花陽「ぐすぐす…ありがとう」



凛「ってことは…あれ?かよちんがお米係だと思ってたから凛はお米持ってきてないよ」

花陽「えっ…」


凛「あっ…ま、待ってて!他のお米係の子に……えっ?お米を用意するのは凛の係?」


花陽「……」
凛「あわ…あわわわわ…」

凛「り…りんはなんてことを……ごめんなさい!」


花陽「……」

凛「…かよ……ちん?」

花陽「忘れちゃったなら仕方ないね」にこっ

凛「怒ってないの…?」

25: 2016/06/28(火) 22:45:58.33 ID:Xy2bw9C6.net
花陽「うんっ。怒ってないよ。ただ…」


花陽「朝ごはんはパンだからお米が全然足らない…」がくっ

凛「かよちん…」

花陽「なんてね。あっ、じゃあ私はカレー作ってくるね」


凛「待ってかよちん…!うぅ…大好きなかよちんからお米を取り上げるなんて凛はなんてひどいことを……」

凛「そうにゃ!ふもとまで行けばコンビニくらい…」


凛「待っててねかよちん…凛がお米を調達してくるにゃ!」



凛「えーっと山を降りて…あれ?こっちだっけ?」

凛「なんか暗くなってきたにゃ…」


凛「あれ?こんなとこ通ったっけ?」



凛「……」


凛「迷ったにゃ!」










凛「はぁ…凛、この先どうなるんだろ…お米も調達できなかったし…遭難しちゃったし…はぁ…」


いたぞ!あの子だ!


凛「にゃ?」

26: 2016/06/28(火) 22:51:11.20 ID:Xy2bw9C6.net
先生、あの子ですか!
そうです!あいつです…って

先生「星空ぁ!!」

凛「ひぃぃ!」

先生「お前勝手なことして…何したのか分かってるのか!」


凛「ごめんなさい…」

先生「もういい説教は後だ!とにかく今は…」


"ズカズカズカ……"

花陽「……」

先生「お…おい、小泉…お前、ついてくるなって言っただろ!」




凛「…かよちん?」


花陽「ばかっ!!」


凛「えっ…」


花陽「りんちゃんのばかっ!!」

凛「ひっ…ぐっ…ぐずっ…かよちんが……凛のこと…ばかっ……うわぁぁぁぁん!!!」


花陽「心配したんだから!」


凛「かよ…ち……だって…!凛、お米忘れちゃったからコンビニで買ってこようって…だから!」


花陽「っ…ぐずっ……」
凛「かよちん…?」

花陽「ひっぐ…り、ちゃんの…っ、ばかぁぁぁ…」

凛「泣いてるの…?」

花陽「お米なんて…ひっぐ、いい…っ…グズっ…凛ちゃ……いなくなるかもって……っ」


凛「ごめん…かよちん…凛……かよちんに喜んで欲しくて……」

花陽「喜ぶわけないよ!凛ちゃんにもしもの事があったら私…うわぁぁぁぁん!!!」


凛「やめてよ…かよちんが泣いたら凛も……うわぁぁぁぁん!!!」

27: 2016/06/28(火) 22:56:48.13 ID:Xy2bw9C6.net




花陽「ふふっ…そんな事もあったね」

凛「懐かしいにゃー」


花陽「あのあとすごく怒られたね…」

凛「うん…校長室でキャッチボールした同級生より怒られたよね」

花陽「けど…いい思い出だね」

凛「うん!若かりし日の思い出にゃー」



花陽「…もう、やめてね。あんなこと…」
凛「うん。もうしないよ」

花陽「よかった……。あと、あの時…凛ちゃんに酷いこと言って…」

凛「もういいにゃー。それに、1番悪いのは凛だし」

花陽「凛ちゃん…」


凛「心配してくれてありがとう…あと、心配させてごめんね」

花陽「…ううんっ!」

凛「改めて仲直りしよっ!」
花陽「うんっ!」


凛「かーよちんっ」にこにこ
花陽「りーんちゃんっ」にこにこ


凛「何してたんだっけ?」

花陽「えーっと…はっ!?」


凛・花陽「修羅場!!」



花陽「ほ、他のかよちんにも同じこと言ってるんでしょ!」


凛「誤解にゃー!」


ボトッ


凛「あっ!生徒会室の入り口の隙間から指示書が落ちてきたにゃ!」

28: 2016/06/28(火) 22:58:22.61 ID:Xy2bw9C6.net
花陽「えーっと…『合格…次はアルパカ小屋』だって」

凛「アルパカ小屋で…なにをするの?」ゴクリ


花陽「えーっと…。えぇっ?」

凛「どうしたにゃ!」


花陽「悲恋芝居でイチャイチャ…だって」


凛「また芝居?って、悲恋でイチャイチャ!?…なんだかもうめちゃくちゃにゃ!」


花陽「しかもアルパカ小屋でお芝居する必要ってあるのかな…」

凛「謎は深まるばかりだにゃ…」



花陽「はぁ…早くみんなを助けなきゃいけないのに…」


凛「とにかくアルパカ小屋に行こうか」



凛「そうだね!

29: 2016/06/28(火) 23:04:38.09 ID:Xy2bw9C6.net
--アルパカ小屋--


花陽「悲恋で芝居なんて急に言われても…」
凛「しかもこんな場所でにゃ」

めぇ~
めぇぇ~

花陽「ふふっ、みんなも分からないよね?」
アルパカ「「めぇ~」」

花陽「はぁ…しかもイチャイチャってどうすればいいんだろ…」

凛「悲恋といえば…やっぱりあの歌かな?」

花陽「あの歌…?もしかして…凛ちゃんが泣いちゃうあの歌?」


凛「うん…あの歌で一芝居うつにゃ!」
花陽「な…なるほど!では…」

凛「凛と!」
花陽「花陽の!」

凛・花陽「特別公演!」

凛「題名。らぶまーじぬぁー!」

花陽「わー。パチパチパチー」

めぇ~

凛「あっ、アルパカさんも盛り上げてくれたにゃー」
花陽「ありがとうね」

凛「では早速いくにゃ!」
花陽「えっ…もう?(何も打ち合わせしてないよ?)」

じゃんっ!

凛「ここは駅です!」

花陽「えっ…う、うん…」

凛「あっ、電車が来たにゃ!じゃあ凛は先に乗るね」

花陽「うん!またねー」

凛「うん。また…」


凛「(にこっ)」

花陽「(凛ちゃんが先に乗るねって言って微笑んでる…?)」


花陽「ま…まさか!」

花陽「(歌詞のまんまやる気じゃないよね!!)」

30: 2016/06/28(火) 23:10:29.98 ID:Xy2bw9C6.net
凛「ガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトーン…」

凛「はぁ…電車の中だけど…かよちんに思いを伝えられなかったにゃ…」

凛「(ぷるぷるぷる…)」

花陽「唇が少しふるえてる…」


凛「はぁ…凛の切ない思い…どうしてくれるにゃ……ガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトーン」

花陽「せつない思いが走ってる!!」


凛「気持ちだけでも伝えたいな…けど、それができないから困ってるにゃ…」

凛「はぁー」

凛「きゅっ、きゅきゅっ、きゅー」

花陽「吐息でガラスに何か書いてるー!!」


凛「隣の芝生って何色だったっけ?」

花陽「青い!」


凛「はぁ…スケルトンな凛になりたいにゃー」
花陽「透明な自分になりたがってる!!」


凛「かよちんは友達…友達のままでかよちんの前でスケルトンになりたいにゃー」

花陽「私の前で透明な凛ちゃんになろうとしてる!」


凛「隠みの術!」
花陽「お尻だけ出てて体全部を隠しきれてないよ…はぁっ!?」


凛「はぁ…かよちん可愛い大好きドキドキ」
花陽「胸がドキドキしてる!」


凛「あぁぁだれにもきづかれたくないよぉぉぉ!!!」

31: 2016/06/28(火) 23:17:34.94 ID:Xy2bw9C6.net
花陽「どうしよう…このままだと心がスケルトンになった凛ちゃんが「隣の芝は青いし凛を返して」…とか言いかねない…」

花陽「それこそイミワカンナイ!!そうはさせません!」

凛「友達なのにかよちんのことが大好きにゃー。けどそれは秘密だからちょっとだけ窓にもたれかかろうかな」


花陽「凛ちゃんストーップ!!」
凛「にゃっ!?かよちん…!」


花陽「何も歌詞通りにやらなくてもいいんだよ!」

凛「あっ…。かよちんの言う通りにゃ…悲恋の芝居をやらないとって考えすぎてとんでもない方向に…」


花陽「あぶなかったね」

凛「うぅぅ…どうしようかよちん…凛、かよちんと悲恋のお芝居なんてできないよ…だって、かよちんとやるお芝居はハッピーエンドがいいもん!」


花陽「凛ちゃん…大丈夫!凛ちゃん…もう一度やり直そう!」

凛「えっ…」
 
花陽「悲恋でイチャイチャなお芝居…やりとげようよ!」

凛「かよちん…うんっ!」


花陽「marginalの意味は色々あるけど…限界であるさまを表してる」

花陽「花陽にとって凛ちゃんは…その凛ちゃんが…」



花陽「うんっ!できました!」

凛「やったにゃあ!…で、凛はどうすればいいの?」


花陽「あのね…ごにょごにょ」
凛「うんうん……分かったにゃ!」

花陽「じゃあいきます!」


凛「凛と!」
花陽「花陽の!」

凛・花陽「やりなおし特別公演!」


花陽「題名!らぶまーじなる!」

凛「わー。パチパチパチー」
めぇ~
花陽「うんっ、頑張るね」
めぇ~

32: 2016/06/28(火) 23:22:36.63 ID:Xy2bw9C6.net
花陽「はぁ…。私は今日も自分に嘘をつきました。だって…」


凛「かーよちーん!」
花陽「凛ちゃん!?」

凛「どうしたの?一緒に帰ろうって約束したじゃん!

花陽「う、うん…ごめんね」
凛「もーう!かよちんは困ったさんにゃー」

ピ口リ口リン

凛「あっ♪」

花陽「…」


花陽「ケータイを覗き込む凛ちゃんの顔を見て…誰から届いたメールなのかすぐに分かりました」


花陽「あっ…電車きちゃった。ごめん凛ちゃん…私、急いでるから先に乗って帰るね」

凛「えぇ!!今から来るって言ってるよ?3人で一緒に帰ろうよ!」


花陽「ごめんね…また…今度ね」
凛「そっか…うん!じゃあまた今度!約束だからね!」


花陽「うんっ」にこっ


花陽「電車に揺られながら思いました。この思い…気持ちだけでも伝えたい…けど、伝えてしまえば私と凛ちゃんの関係は壊れてしまうかもしれない」

花陽「はぁ…私と凛ちゃんは友達…」 ただの友達…それなのに…


花陽「前みたいに…凛ちゃんと純粋にお友達の付き合いができたらな…」

花陽「この思い…誰にも気づかれたくないけど……花陽は…友達なのに、あなたの事が好きです」



花陽「凛ちゃん…」

花陽「言葉にできないから…息で凛ちゃんの名前を電車の窓ガラスに書きました…」



凛「ひーん…ぐずっ…ぐすぐす…ひっく…ひーん…」


花陽「凛ちゃん!?な、ナンデナイテルノォォ!?

33: 2016/06/28(火) 23:26:36.27 ID:Xy2bw9C6.net
凛「なんで凛はかよちんじゃなくて他の人の事が好きなの!!」


花陽「えぇぇぇぇ!!」


凛「かよちんはこの後、景色が変わってかよちんが泣いて凛の癖を凛の好きな人から聞くんだよ!こころが結ばれる夢とか見たがってるんだよ!凛とかよちんの心はとっくに繋がってるのに!」


凛「凛とかよちんはとっくにしわあせを手にしてるのにかよちんが可愛そうにゃ!!!」


花陽「凛ちゃん!お芝居!これはお芝居だよ!」

凛「…ぐずぐずっ…そうだけど……ひーん…ぐすぐす…」


花陽「泣かないで凛ちゃん…かわいい顔が台無しだよ?」

凛「だってかよちんが可愛い…可愛いのに可愛そう…略して可愛そう…」

花陽「どういう意味だろ…けど、可愛いって言ってくれてありがとう」


凛「ひーん…かよちん…ぐすぐす…かよちん…」

花陽「涙を拭いてあげるね」ゴシゴシ


凛「うっ…うん、ありがと…」

花陽「どういたしまして。もう…泣いちゃうんだもんびっくりしちゃった」


凛「…うぅっ……だってかよちんがー…やっぱりかよちんは名女優にゃあ…ぐすぐす」


花陽「2回も言われちゃった!だから名女優は言い過ぎだよ…」

凛「それなのに…なんで凛はかよちんのことが好きじゃないにゃ!!」

花陽「だからお芝居なのに…」

凛「たとえお芝居でもかよちんの心を傷付けた罪は重いよ!」


花陽「傷ついてないよ!だって…凛ちゃんは花陽の…その…恋人だもん!!」

34: 2016/06/28(火) 23:32:17.60 ID:Xy2bw9C6.net
凛「えっ?…えへへ…そうやって言われると照れちゃうにゃー」


花陽「ふふっ、りーんちゃん」
凛「かーよちんっ」


花陽「(にこにこ)」
凛「(にこにこ)」


花陽「あれ?…私たち、何してたんだっけ?」
凛「にゃあ?」


花陽「うーん…」
凛「凛は悩んでるかよちんも好きにゃー」

花陽「そうだ!悲恋のお芝居!」
凛「そうだったにゃ!悲恋のお芝居でみんなが誘拐にゃ!」


花陽「私達はお芝居の途中!…お客さんはいないけど…アイドルたるもの最後まで頑張ってお芝居を終わらせないと!」

凛「そうにゃ…」

花陽「ど…どうしよう凛ちゃん…悲恋のお芝居…」



凛「かよちんの名女優ぶりはみたいけど…苦しむかよちんを見るのは辛いにゃ…」

花陽「そんなの私だって苦しむ凛ちゃんの姿は見たくないよ…」



凛「なら、かよちん…凛に任せてくれない?」
花陽「えっ…」

凛「凛がかよちんと一緒に演じたい悲恋のお芝居のストーリーは…やっぱりあんな感じにゃ!」

花陽「凛ちゃん…うんっ!」


凛「じゃあいくよ!」


凛「凛と!」
花陽「花陽の!」

凛・花陽「再々公演!」

凛・花陽「らぶまーじなる!!!」

35: 2016/06/28(火) 23:38:13.87 ID:Xy2bw9C6.net
凛「かよちん!凛は先に乗るね!」にこにこ

花陽「うん!凛ちゃんバイバーイ」

花陽「そして!ここから先、花陽は電車役に変わります!」


ぎゅっ

凛「電車役のかよちんに抱きしめられたにゃ!そうだよ!ここはかよちんの腕の中…すなわち電車の中!」

花陽「がたんごとーんがたんごとーん」

凛「ううー、電車の中にゃー…なんか切ないにゃー」ふるふるふる


花陽「がたーんごとんがたんごとーん」

凛「切ないからなんとなく走る真似をしておくにゃ。それが凛の思いにゃ。あっ、実際の電車では走っても走る真似もやっちゃだめだよ!」


花陽「2人からのお願いです!」
凛「にゃー」


凛「気持ちだけでも伝えたいけど…それができるならね…吐息で電車の窓にかよちんって書いたりしないにゃー」きゅっきゅー


花陽「ははっ!もう凛ちゃんくすぐったいよー」

凛「えへへー」


凛「はぁ…海未ちゃんのイメージカラー」

花陽「青です!」


凛「はぁ…凛は透けてみたい」

花陽「透明になりたいという意味です!」



凛「あっ、けど…透けるって言っても完全に透けるのはやだよ!だって…全部透けちゃったらかよちんに凛だって分かってもらえないもーん」

花陽「もう、凛ちゃってば♪」

凛「えへへー」


凛「はぁ…けど凛のこの思い…友達のままでかよちんの前で胸のトキメキを隠しきれるな?」


凛「だってこの思い…誰にも…はっ!…ビクビクッ!」

花陽「分かりづらいかもしれませんが気づかれたくないという意味です!」

36: 2016/06/28(火) 23:43:33.65 ID:Xy2bw9C6.net
凛「心が透明な凛を返して!友達なのにかよちんのことが好き!」

花陽「大好きなんて嬉しいです!」


凛「かくれんぼするにゃー」

花陽「はい、凛ちゃんみーつけた。顔を手で覆うだけじゃ何も隠しきれてないよー」


凛「はぁ…忘れられない…秘密を抱えて…」

花陽「はい!電車役の小泉花陽です!窓も含め私が電車です!」


凛「電車役のかよちんにもたれるにゃー♪」

花陽「きゃあー♪」



凛「1番はクリアにゃー」
花陽「じゃあ2番の片思いさんは花陽が演じるね」

凛「うん!じゃあ凛は今から流れる景色役をやるにゃー」


花陽「(ぷるぷるぷるぷるぷる…)」

凛「はぁっ!かよちんが体を張って一筋の涙を流そうとしている…さすが名女優にゃ!」



ボトッ


凛「あれ…?お芝居の途中なのにアルパカ小屋の後ろから指示書が落ちてきたにゃ!」

花陽「どうして?まだ途中なのに…もしかして…花陽たちのお芝居がダメだったのかな?」

凛「そんなぁ!じゃあ…今のお芝居は失格?」
花陽「ってことは…みんなを助けてあげられない!」

凛「と、とにかく指示書を読んでみるにゃ!」

花陽「うん!えーっと…」

37: 2016/06/28(火) 23:47:31.90 ID:Xy2bw9C6.net
花陽「『私たちはあなた達の可能性が知りたかった…』……んっ?」


凛「いつもと感じが違うにゃ…」
花陽「とにかく続きを読むね!」


花陽「『どんな無茶なフリでも受け入れ困難に立ち向かい2人で協力し乗り越えました。』」


凛・花陽「むちゃぶり?」



確かに、2人の可能性は無限大ですね。

こんな形になってしまってごめんなさい。

ただ、私達はあなた達を含めみんなの事が大好きです。


だから…




花陽「講堂に来てください。大好きな人たちが2人を待っています…だって!」


凛「もしかして!誘拐犯がみんなを解放してくれたのかも!」

花陽「わぁ!やったね凛ちゃん!」


凛「ってことは悲恋でイチャイチャもクリアって事なのかな?」
花陽「うん…けど、そもそも悲恋でイチャイチャってどういうことなんだろ…」

凛「不思議だよねー」
花陽「うん…合格の基準もよく分からないし…」

凛「とにかくみんなが心配だよ!急いで講堂に行くにゃ!」

花陽「うん!」


凛・花陽「手をつないで!」

38: 2016/06/28(火) 23:52:45.93 ID:Xy2bw9C6.net
ダッダッダッダッダッダ…


凛「かよちん早く!!」

花陽「はぁ…はぁ…ま……まってぇぇ…」



凛「着いたにゃ」
花陽「じゃあ…開けるね」


---ガチャ


花陽「あれ…?真っ暗…だよ…?」

凛「なんで?さっき来た時は明るかったのに…」


パチッ!

凛「うわぁ!」
花陽「へっ!?」

穂乃果「せーのっ!!」


「「テッテレー!!!」」


花陽「へっ…穂乃果ちゃん?」

にこ「穂乃果ちゃんだけじゃないよぉー、みんないるにこぉー♪」

凛「変なキャラ作ってるにこちゃんもいるにゃ!」

にこ「変なキャラは余計なのよ!」
希「まぁまぁ、事実なんやし」


あっはっはっはー!!!


花陽「あれ…?お客さん…?」

海未「はい。みなさん私たちのファンの方達です」
花陽「えぇ!けど、さっき来た時は誰も…」

凛・花陽「んん?」


穂乃果「ごめんね…ぜーんぶ2人を騙すためのドッキリだったんだ」

花陽「えっ…」
凛「どっ…きり?」

凛・花陽「えぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

39: 2016/06/29(水) 00:00:00.77 ID:Fptj+mdr.net
わぁぁぁぁぁ!
はなよー!
りんちゃーん!!

パチパチパチパチパチパチパチパチパチ

凛「ドッキリ…?」キョトン
花陽「……なんの?」キョトン

穂乃果「あちゃー…全然ピンときてない」
ことり「とにかく、凛ちゃん花陽ちゃんおかえり!」

真姫「待ってたわよ」
絵里「ほら、そんなところにいないで今回の主役はあなた達なんだから。早くステージに上がってきて」


凛「主役…?」

花陽「り、りんちゃん!」
凛「へ?」

凛「なぁぁっ!?なんなのこの看板は!」


凛「凛と花陽のドッキリ生配信!?」
花陽「凛と花陽のドッキリ生配信!?」


凛「ドッキリさんの生配信ってこと?」

真姫「違うわよ!まだ分からないの?もう…ほら、よくみなさい。あそことあそこ…カメラがあるでしょ?」

ことり「放送部の方が協力してくれたの!みんな、ありがとうね!」


花陽「ってことは、今も撮影されてて…もしかして!生中継中なの!?」



穂乃果「うん、そうだよー」
花陽「ってことは…」
にこ「やっと気づいた?」


花陽「なんとなく状況が読めてきました」
凛「凛は全く読めないにゃ…」


花陽「多分だけど…お芝居も修羅場もイチャイチャしてたのも生中継で全部見られてたってことだよ!」

凛「えぇぇ!なんでそんなことするの?」

40: 2016/06/29(水) 00:08:07.93 ID:Fptj+mdr.net
希「仕方ない。うちが謎を解き明かしたろ!」


海未「えぇ、お願いします」

希「ここで改めてメールを読むね」

花陽・凛「メール?」


希「ペンネーム、りんぱなはジャスティスさん」

花陽「ん?」
凛「りんぱなって…凛とかよちんのことだよね?」

にこ「そうよ。あんたたちのファンよ」

凛「わぁ!ありがとにゃー!」
花陽「ありがとうございます!」


ことり「私たちからも一言!ありがとうございます♪」
穂乃果「うん。りんぱなはジャスティスさん!メールありがとう!」


絵里「希…続きをお願い」
希「うん」

希「『μ'sのみなさんこんにちは。 凛ちゃんと花陽ちゃんは付き合っていて人類最強のカップルですが』」


花陽・凛「…え?」

希「で、続きが…」


花陽「ちょっと待って!!」

希「どうしたん?」


凛「り、りんたちは付き合っていますが!?…が…ってなんにゃ!」

花陽「確定事項みたいに言われてるよ!」


絵里「あら…?違うの?」

凛・花陽「…そうだけど」

フゥゥゥゥゥ!!!
いやぁぁぁぁぁぁぁ!!!

穂乃果「すごい歓声だね!」


希「じゃあ、続きを読むね。凛ちゃんと花陽ちゃんは付き合っていて人類最強のカップルですが、どこまで最強の百合カップルなんですか?自分が思うに、2人に無理難題なお題をぶつけてもイチャイチャできるくらい最強の百合カップルだと思います」


真姫「(改めて読むとすごいメールね)」

41: 2016/06/29(水) 00:14:50.42 ID:Fptj+mdr.net
希「りんぱなの可能性は無限大です。たくさんの可能性を秘めています。自分はそこに触れたいです。なので調べてくださいお願いします…とのことでした」



凛「無理難題でイチャイチャって…やっぱり!」


穂乃果「うん。だからあれが全部ドッキリだったんだよ」


凛・花陽「ぶぅぅぅー」


凛「真姫ちゃんこれはどういうことかにゃ!」
花陽「騙すなんてひどいよ!」

真姫「ヴェェ…!?なんで私1人を責めるのよ!」


凛「そもそもどうして凛たち内緒で配信番組を放送してるにゃ!聞いてた放送日と違うよ!凛とかよちんも楽しみにしてたのに…」

海未「ですから、これもコーナーの一環です」
花陽「えっ…」


穂乃果「題して!μ'sが皆さんの要望にこたえます!」
ことり「私たちがファンの皆さんの要望に応えて頑張りますってコーナーだよ」

海未「内容はミーティングで決めたはずです。2人も覚えていますね?」

花陽「う、うん…覚えてる…」


真姫「で、その企画にりんぱなはジャスティスさんのメールが採用されたってわけ」


凛「けど騙すなんてひどいよ!」

にこ「はぁ?番組の目玉になる企画なのに2人が主役なのよ?…出ずっぱりだったし…できることなら変わって欲しかったわよ…」


真姫「ちょっと、心の声が全部聞こえてるんだけど」



にこ「…私が花陽と付き合えば番組を独占」ぶつぶつ

真姫「だから聞こえてるわよ!!」

42: 2016/06/29(水) 00:19:06.94 ID:Fptj+mdr.net
希「と、いうことで2人が無理難題なお題に沿ってイチャイチャしてた姿を生配信してたってわけやね」

ことり「ほら、ネットで見てる人たちからすごい数のコメントがきてるよ!」


穂乃果「二人とも可愛いってコメントが多いねー。穂乃果も思ったよ。二人ともすっごく可愛かったもん!」


凛「うぅぅ…かよちんとあんな事からこんな事までしてたのに…恥ずかしいにゃ…。」

花陽「う、うん…」



凛「けど……かよちんとなら…いいかな」

花陽「うんっ…。私も凛ちゃんとだったらいいかな…なんて」


凛「えへへー。かーよちん」

花陽「なーに?りーんちゃんっ」



穂乃果「おぉっ…ネタばらししても一瞬にして2人の空気に…さすが最強カップルだね!」

希「まだイチャイチャするつもりなん?」

真姫「あれがみんなの言うイチャイチャなの?あんなのしょっちゅうやってるじゃない。この前も授業中に…」


穂乃果「授業中でもああなの!?…すごい」

真姫「そうだけど…何か問題でもあるの?だから普通でしょ?」


授業中に何があったのー!!!
いやぁぁぁぁぁぁぁ!!!


にこ「はいっ、いいからさっさとシメなさいよ。時間押してるんだから」

海未「はい。この後はライブコーナーになっています」

絵里「では凛と花陽、ドッキリにかかった感想をどうぞ」


花陽「せかされてる…」
ことり「あはは…」


凛「じゃあシメるにゃ!」

43: 2016/06/29(水) 00:20:55.18 ID:Fptj+mdr.net
凛「えっと…。りんぱなはジャスティスさん!リクエストありがとうにゃー」

花陽「ご期待に応えられたかは分からないですけど…2人で一生懸命頑張りました!」



凛「上手にイチャイチャできたかな…?」

花陽「どうかな…?」



パチパチパチパチパチパチパチパチパチ…
フォー!ファァァァ!!!
ワー!キャー!イェァァァァ!!!


凛「やったにゃ!できてたみたいだよ!」

花陽「よかった…」



凛「これからも…凛たちは協力しあってどんな困難も乗り越えていきます!」



花陽「うん!だから応援よろしくお願いします」


凛「おねがいします!」

44: 2016/06/29(水) 00:21:50.23 ID:Fptj+mdr.net
花陽「(にこにこ)」
凛「(にこにこ)」


・・・・・・・・・・・・・・・・。


花陽「どうしよう凛ちゃん…この空気…」

凛「もしかして!!」


凛・花陽「オチてない…」


凛「ど、どうしよう!こういうコメントはオチを作るのが当たり前ってにこちゃんが言ってたにゃ!」


花陽「オチって急に言われても…うぅぅ…ダレカタスケテェェェェェ!!!」


凛「かよちんが助けを求めてる…凛がなんとかしてあげないと!!」


凛「そうだ…凛たちにはあの言葉があるよ!」

45: 2016/06/29(水) 00:26:53.43 ID:Fptj+mdr.net
花陽「あっ…!」

凛「そう…それは魔法の言葉…そうだよね?」


花陽「うん!」

凛「かよちん…いくにゃ!」

花陽「うんっ!」


せーのっ!!


花陽・凛「最後はやっぱり熱いお茶がこわい!」


・・・・・・・・・・・・・。




希「うんうん」

海未「…」
絵里「…」

真姫「…はぁ」



凛「ふぅー…これでオチたにゃー」

花陽「じゃあライブコーナーの準備をしないとね」

凛「うん!その前に…かよちんに抱きつくにゃー」
花陽「ぴゃあ!」



にこ「言っとくけど、それ全然オチてないわよ」


凛・花陽「えぇ!!」



ことり「ちゃんちゃんっ♪」

穂乃果「終わりだよ!」

おわり

46: 2016/06/29(水) 00:30:58.15 ID:Fptj+mdr.net
以上でした。
ありがとうございます。失礼しました。

47: 2016/06/29(水) 02:00:55.99 ID:klCW6Eiz.net
乙!よかった

引用: 花陽「イチャイチャします!」凛「イチャイチャするにゃー」