1: 2011/12/26(月) 09:03:46 ID:7a3Y.Gk60
ここはクリスマス

和「お願いしまーす」サッ

リア充「…」スルー

和「お願いしまーす」

DQN「ちっ」ギロリ

和「ぁ…」フルフル

2: 2011/12/26(月) 09:09:29 ID:7a3Y.Gk60
せっかく持って生まれたBody & Heart
使い切んなきゃね そう私も

ニュートンの法則にも逆らって
自分だけしか もしか わかんなくてもいい

ゆるぎない公式探して
Jumping Flying High

クールでホットなテンションはいつもハイ!!

未来の私は宇宙の果てで
新しい生物たち遭遇…と?!
それとも郊外の瀟洒な家で
ミートローフ焼いて 家族の帰宅待ってる…!?


和(待っていたのは…)

和(クリスマスにみじめにビラを配る、アルバイトの生活だったわ…)

4: 2011/12/26(月) 09:27:27 ID:7a3Y.Gk60
和ちゃんは国立の大学へ行った

メガネにそっと別れを告げてコンタクトレンズにしてみた
先輩から化粧の仕方を教わって、さりげない程度にオトナになった

彼女は来るべき大学生活に備えた
素敵なキャンパスライフを送るつもりだった

でも実際のキャンパスライフは彼女の想像とは違っていた

国立の大学生はみんな自分のプライドを守ることばかり考えていた
他の人より、よい成績、よい服装、よい彼氏

自分のために必氏だった

和ちゃんは疲れてしまった
気がつくと和ちゃんはそういう世界からそっと離れ
特定のグループに属さないようになっていた

ただぼっちというわけではない、和ちゃんはそういう立ち回りは上手で
敵を作らず、それなりの人間関係だってある

しかし、

クリスマスを共に過ごしたいなんて、思う人間はいなかった

5: 2011/12/26(月) 09:36:08 ID:7a3Y.Gk60
かといって、時間を無駄に過ごすのはもったいなかった
家でのんびり過ごすのは性に合わない

彼女は配るしかなかったのだ


彼女は

ビラを

クリスマスに

配るしかなかったのだ



和「はぁ…」


和ちゃんがそっと目をつむった

6: 2011/12/26(月) 09:42:45 ID:7a3Y.Gk60
和ちゃんが目をつむると

思い出すのは
頼りないあの女の子のことだった


どうしているだろう
夏頃までは連絡を取り合っていたけれど、
新しい生活に手一杯なのか、疎遠になっ

おばはん「…」スタスタ

和「あ…お願いしまーす」

おばはん「…コクリッ」

和「ありがとうございます」

疎遠になってしまったあの子

7: 2011/12/26(月) 10:09:00 ID:7a3Y.Gk60
いや、あの子はもう頼りなくなんかなかった
素敵な仲間と自分の目標を持って、いまではもう独り立ちしてる


それに対して

私は


今どのあたり?

和「お願いしまーす」

和「お願いしまーす」

おっさん「邪魔」

和「ぁ、すいません…」

和(…)

和(…自身がなくなるわね)

おわり

8: 2011/12/27(火) 16:42:11 ID:e14xYyA20
エリートの憂鬱って素敵

引用: 和「ビラを配るわ」