1: ◆Xz1yv1fzOo 2017/07/15(土) 23:44:24.00 ID:vvtiHo0v0
2: 2017/07/15(土) 23:45:20.63 ID:vvtiHo0v0
自宅
翠「……はい、これで良し、です」キュッ
モバP「ありがとう、翠。いつもありがとうな、わざわざネクタイ締めてくれて」
翠「服装の乱れは心の乱れ、ですから。……あなたはよく、荒く締めてしまいますので」
モバP「はは……つい、な。いやあ直そうとは思ってるんだけど」
翠「……それに、ですね」
モバP「?」
翠「そうでなくても、やりたいんです。こういうささいなことだからこそ、ですね」
モバP「翠……ありがとうな」ギュッ
翠「あっ……ふふ、こちらこそ♪」ギュッ
モバP「翠はあったかいな、心も体も」ギュー
翠「あなたこそ、力強くて暖かくて……とても安心します」
モバP「……さて、もう少し翠を抱きしめていたいんだけど」
翠「ええ、もう時間ですね……」シュン
モバP「ほら、そんな名残惜しい顔しない」
翠「えっ、そ、そんな顔していましたか」アタフタ
モバP「ははは、翠は甘えん坊だな」
翠「もう……意地悪ですよ」
モバP「ごめんごめん。……じゃ、行ってくるよ」
翠「行ってらっしゃい。あなた」
モバP「うん、翠と居るためになるだけ早く帰ってくるから」ガチャ
翠「もう、あなたったら……ふふ、お待ちしています♪」
3: 2017/07/15(土) 23:45:52.99 ID:vvtiHo0v0
バタン
翠「ふふ……さて、お洗濯とお掃除をしなくては」
翠(晩御飯の準備も要りますし、お買い物に行かないといけませんね)ピロリン
翠(おや、通知……美由紀ちゃんからですね)
翠(……『おっはよー! 今日学校お休みになっちゃったからさ、お買い物行かない?』)
翠(ちょうどいいですね、えーと、一緒に行きま、しょ、う……っと)ピピピ ピッ
翠(よし、では速やかに終わらせましょうか)
4: 2017/07/15(土) 23:46:34.66 ID:vvtiHo0v0
寝室
翠「よい、しょっ……」
翠(ふう、そこまで重くはないのですが……動かすとなると、なかなかですね)
翠(おや、まだ暖かいですね。あの人の温もり……でしょうか。ふふっ)
バサッ
翠(よしっと……さて)
翠(……あ、洗濯機そろそろ止まっているでしょうか)
翠(それからお掃除もしないと……あとは、えーと)
翠(ふふっ、次から次へと忙しいですね。ですがこれもまた、楽しく感じます)
5: 2017/07/15(土) 23:47:32.07 ID:vvtiHo0v0
お昼
ピンポーン
翠「はい、今出ます」
『美由紀「もしもーし!」』
翠「美由紀ちゃん、ちょっと待っててくださいね」
カタン
ガチャ
美由紀「おっじゃましまーす!」
翠「こんにちは、美由紀ちゃん」
美由紀「へへ、こんにちは翠ちゃん! あ、これおみやげ!」スッ
翠「ありがとうございます♪」
美由紀「いっぱい入っているやつを買ってきたから、翠ちゃんでも安心だね」
翠「も、もう……大丈夫です、そんなに食べませんから」
美由紀「ほんとかなー?」
翠「あんまりからかうと用意していたお菓子、しまっちゃいますよ?」
美由紀「いっぱい入ってるやつ買ってきたから、Pさんと二人で仲良く食べられるよね! うん!」
翠「もう、調子いいんですから」クスッ
美由紀「へへー♪ ごめんごめん!」
翠「ふふ……とりあえず、上がってください。ちょっとだけやり残したことがありますので」
美由紀「はーい♪」
6: 2017/07/15(土) 23:48:09.56 ID:vvtiHo0v0
リビング
翠「では、すぐに終わりますので少々待っててくださいね」
美由紀「はーい!」
翠「さて、と……」
美由紀(翠ちゃん、がんばってるなー)モグモグ
翠「~♪」
美由紀「」キョロキョロ
翠「~~」
美由紀(……あ、あの写真)
美由紀(うわあ、懐かしいなあ……美食公演)
美由紀(まだあたしがあんなちっちゃい頃だったんだね……うーん)
美由紀(翠ちゃんの女神、すごかったな。綺麗っていうか美しいっていうか)
美由紀(あの頃も良かったなあ……って、こんなこと思ってるとなんだか歳とったみた)
翠「……由紀ちゃん、美由紀ちゃん?」
美由紀「ふぁい!?」
翠「どうしましたか? ぼーっとしてたようですが」
美由紀「あ、あー……いや、なんでもないよ?」
翠「そうですか……気分が悪いなら、言ってくださいね」
美由紀「うん!」
翠「さて、私も用事は済ませましたので……行きましょうか」
美由紀「はーい♪ エアコン切って~っと」
7: 2017/07/15(土) 23:49:28.38 ID:vvtiHo0v0
家の前
翠「よし、では……」スッ
美由紀「? あ、それって車の」
翠「ええ、この度私も免許を取りまして……まだまだ不慣れ、なのですが」
美由紀「すごーい! え、もしかして乗せていってくれるの?」
翠「こんなに暑いですからね、体調悪くなってもいけませんし」
美由紀「やったー♪」
翠「では、参りましょうか」
ブロロロロ……
美由紀「おおー」
翠「もし狭かったら椅子を下げてくださいね」
美由紀「はーい! ううむ、しかし翠ちゃんが運転かあ」
翠「へ、変でしょうか?」
美由紀「うーん……いや、なんだかイメージできなかったからさ」
翠「そうですね……私も、取ろうとはあまり思っていなかったのですが」
美由紀「なんか理由でもあったの?」
翠「えっと……です、ね」
美由紀「んー……ああ、Pさんが取ってたから? 一緒のが欲しくなっちゃったんだ」
翠「うう、お見通しですか」
美由紀「まあ、あんなにPさんにべったべたな翠ちゃんだからねー」
翠「恥ずかしいです......」
美由紀「......ちなみにさ、いつもPさんはどこ座ってるの?」
翠「え? ああ、いつもはPさんに運転してもらうのですが......そうですね、私が運転するときは助手席に......」
美由紀「なるほど、ここかー。......えいっ」ぽふっ
翠「?」
美由紀「うん、なんかPさんの感覚を感じる気がする。なんとなく」
翠「なるほど……? そういうもの、でしょうか」
美由紀「そういうもの、だよー」ポフポフ
8: 2017/07/15(土) 23:50:01.67 ID:vvtiHo0v0
駐車場
ブロロロロ……
ガチャ
美由紀「ついたー!」
翠「ふう、やはり外に出ると暑いですね」
美由紀「だねー。うん、はやく入っちゃおうよ!」
翠「ええ、そうしましょうか」
ショッピングモール
美由紀「翠ちゃん、まずどこから行こっか?」
翠「えーと……最後にご飯の用意を買っていきたいだけなので、それ以外は特にきめてません」
美由紀「そっか、あたしは……そうだね、服とか見ていきたいなーって感じかな」
翠「なるほど……では、美由紀ちゃんの用事から行きましょうか」
美由紀「いいの?」
翠「ええ、私は大きい用事はないのです。本屋などに一緒に寄っていこうかな、と思っていたもので」
美由紀「なるほどねー。うん、じゃああたしのから行こっか」
9: 2017/07/15(土) 23:50:34.81 ID:vvtiHo0v0
服屋
翠「……あ、あの」
美由紀「んー? どうしたの? ……あ、はい! 次はこれ!」
翠「はい。……じゃ、なくてですね……どうして、私が着せ替えられてるのでしょう?」
美由紀「……翠ちゃん、Pさんに喜んでほしいんだよね?」
翠「は、はい」
美由紀「もしさ、翠ちゃんが突然とーっても可愛い服したりしたらどう思うかな?」
翠「どう、とは……」
美由紀「きっとPさん、すっごく喜んでくれると思うよ? 翠ちゃんにあまあまだからねー」
翠「なるほど」フムフム
美由紀「喜びすぎて褒めてくれるだけじゃすまないかも」
翠「……」
美由紀「と、言うわけではいっ! これは次の次ね!」
翠「わかりました、着こなして見せましょう」キリッ
美由紀「よし」グッ
10: 2017/07/15(土) 23:51:23.43 ID:vvtiHo0v0
翠「……どう、でしょうか?」
美由紀「わー! すっごく似合ってるよ! せっくしー!」
翠「ありがとうございます。ふふ、なんだかこそばゆいですね」
美由紀「えへへ、あたしのコーデ気に入ってくれたならうれしいな!」
翠「ええ、とても良かったです。美由紀ちゃん、おしゃれの方もすごく勉強しているのですね」
美由紀「もっちろん! へへ、これも事務所の皆のおかげかな」
翠「事務所……ふふ、懐かしいですね」
美由紀「そっか……翠ちゃん、もう随分来てないもんね」
翠「そうですね……皆さん、元気にしているでしょうか?」
美由紀「うん! 皆元気だよ!」
翠「なら、良かったです♪」
美由紀「ちょっと元気すぎてPさんが苦労してそうだけどねー」
翠「そ、そんなにですか……」
美由紀「……ねえ翠ちゃん。たまには戻ってきたり、してみない?」
翠「……そうですね。たまには顔を出したいです」
美由紀「ほんとっ!?」
翠「ええ、最近やっと家事にも慣れてきましたので……余裕が出てきまして」
美由紀「いつでも来てねっ! あ、いやでもあたしがいる時にして!」
翠「ふふ、了解しました」
美由紀「待ってるからね! ……っと、それもそうだけど。はい!次はこれね!」
翠「はい♪」
11: 2017/07/15(土) 23:52:08.64 ID:vvtiHo0v0
ーーーー
本屋
翠「ふむ……」
美由紀「翠ちゃん何探してるの?」
翠「料理や家事などの本、ですね。色々な技術を身につけていきたいので……」
美由紀「なーるほど……」
美由紀(料理、家事……うーむ、翠ちゃんならもう十分だとは思うんだけど)
翠「……?」
『良い結婚生活のための100の項目』
美由紀(翠ちゃんは真剣だなー。ふふっ、そこはやっぱり変わんないね)
翠「むう……」
美由紀(さて、あたしも何か探してこよっかな……ん?)
翠「」ジー
美由紀(あー……どうしよ、翠ちゃんには多分合わなさそうなんだけど。気づいてなさそう)
翠「……よし」
美由紀(あっ、あー……うーん、こうなったら止められないや)
翠「すいません、これを……」
美由紀(……まあ、なるようになるでしょ。翠ちゃんなら変なことはしないはずだし)
翠「よし、これで……」
美由紀(……大丈夫、だよね?)
12: 2017/07/15(土) 23:52:40.79 ID:vvtiHo0v0
ーーーー
食品街
美由紀「翠ちゃん、今日は何作るの?」
翠「そうですね……昨日はお肉でしたから、お魚にしようかな。というイメージはあるのですが」
美由紀「なるほどー」
翠「……では、アジにしましょうか」
美由紀「あ、じゃああたし取ってくるよ!」
翠「ええ、お願いします。……あ、三人分、お願いしますね」
美由紀「やった! よーし、いってきまーす♪」タタタ
翠「それから……えーと、何を買っておきましょうか」
美由紀「」タタタ
翠「? 美由紀ちゃん、早かったですね」
美由紀「バレちゃった」
翠「え?」
美由紀「えっとね、ちょーっと人と真正面から顔合わせちゃって。……えへへ、アイドルだってバレちゃった♪」
翠「だ、大丈夫なんですか?」
美由紀「い、急いでいけば……? 大丈夫、かなあ?」
翠「い、急ぎましょう!」
美由紀「ごめんなさい翠ちゃん~!」
13: 2017/07/15(土) 23:53:16.38 ID:vvtiHo0v0
アリガトウゴザイマシター
翠「ふう……」ガサガサ
美由紀「あー、ごめんね? 翠ちゃん」ガサガサ
翠「いえ、大丈夫です。私もこういうのは慣れていますから」
美由紀「うー……ありがと。あ、これみゆ……あたしが持つよ」
翠「これくらいなら大丈夫ですよ、私が」
美由紀「いーのいーの! 今日もごはん食べさせてくれるんだから、あたしが手伝います」
翠「いえ、ですが……」
美由紀「これくらいなら大丈夫!レッスンで鍛えた体だもんね」
翠「……わかりました、ではお願いしますね」
美由紀「まっかせて! ふふー」
翠(……ふふ、すっかり頼もしくなりましたね、美由紀ちゃん。前よりもうんと……)
14: 2017/07/15(土) 23:54:28.98 ID:vvtiHo0v0
帰路
ブロロロロ……
美由紀「楽しかったー!」
翠「ええ、本当に……久しぶりに、二人だけのお買い物でしたね」
美由紀「ほんとにねー。あたしがとっても忙しかったから……」
翠「今日色々あって思いましたが……アイドル活動も順調みたいですね、美由紀ちゃん」
美由紀「うん! バリバリ絶好調なのです」ブイ
翠「実はですね、この前のライブをこっそり見せてもらいました。とっても元気で、良いパフォーマンスでしたよ」
美由紀「わわ、見てたの!?」
翠「ええ、美由紀ちゃんらしくてとても良かったです」
美由紀「え、へへ……ちょっと、照れちゃうね」
翠「でも、元気すぎて少しステージから落ちそうになっていましたね?」
美由紀「あれは……うう、Pさんにもこってり怒られちゃった」
翠「ダメですよ、けがしちゃったら悲しむ人がいっぱいいるんですから。私だってそうですし、ファンの皆や事務所の皆もすごく悲しみますからね?」
美由紀「は、ハイ……反省してマス」
翠「……ふふ、ですが先ほども言いましたが全体的に良いライブでした。それだけは間違いありませんよ」
美由紀「翠ちゃん……」
翠「今日の料理は美由紀ちゃんへのライブの……遅かったですがお祝いとしましょう。たーんと食べてくださいね♪」
美由紀「うん!」
15: 2017/07/15(土) 23:55:18.72 ID:vvtiHo0v0
ーーーーーー
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ーー
自宅
ガチャ
モバP「ただいまー」
~~ ~~
モバP「おっ、この靴、この声……美由紀か」
……美由紀ちゃん、どうでしょうか?
うん、とってもおいしいよ!
ふふ、ならよかったです♪
モバP「……ふふ、今日も賑やかな食卓になりそうだな」
ガチャ
ただいまー
おかえりなさい。あなた♪
おかえりなさーい、Pさん!
おっ、今日は魚かー
うん! あとはみゆきのお味噌汁です。よーく味わってね?
はは、そいつは楽しみだな。あとは……
ガチャン
終
16: 2017/07/15(土) 23:56:05.67 ID:vvtiHo0v0
終わりです。依頼出してきます。
ずっとsageてた……
ずっとsageてた……
17: 2017/07/16(日) 01:04:54.63 ID:iuqnhZgVO
乙
引用: 翠「ある日常の風景」
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