～～～～翌日・部室～～～～

ドア「ガチャ」

唯「やっほー」

だだだだだだだ

唯「？」

がばっ

唯「うわあっ」どんっ

どて

唯「い、いたた……な、いったいなにごと……？」

ひしっ

唯「ん……？あ、あずにゃん……？どうしたの……そんなにひっついてきて……」

梓「……」ひしっ

唯「あ、あずにゃーん……？おーい？」

梓「……」ひしっ

唯「……？？」

律「おー。来たか、唯」

澪「待ってたぞ」

唯「りっちゃん澪ちゃん……。あの、これ、このあずにゃんはどういうこと？」

紬「梓ちゃん、きのうね、夢を見たらしいの」

唯「ムギちゃん。夢って？」

律「それがだな……」




澪「学祭のライブ直前、家に忘れたギターを取りに行ったまま唯が帰ってこない夢、だそうだ」

唯「へ、へーぇ……？」

澪「それで今日の梓は、唯にひっつかずにはいられなくなったんだ、と」

紬「」つやつや

唯「は、ははぁ、なるほど……」

律「ん？どった唯、珍しく梓のほうからくっついてこられてるのに、あんまり嬉しくなさそうじゃん」

唯「い、いやあ……なんかびっくりしちゃって……。ほんと、こんなあずにゃんは珍しいねぇ……」

梓「……」ひしっ

紬「ねぇ唯ちゃん、梓ちゃんに帰ってきたよ、って言ってあげたら？」

澪「そうだな。それで梓も安心するだろうし」

唯「そ、そうだねぇ。あ、あずにゃーん？私ちゃんと帰ってきたよー？」

梓「……」ひしっ

律「……動かんな」

澪「……相当こわい夢だったんだろうな」

律（梓に同情の目線を向ける秋山さん……）

唯「あ、あのー……離れてくれないんですが？」

紬「唯ちゃんがギターを忘れた夢なのよね、だったらギターもちゃんと持ってきてるよ、って言ってあげたらいいんじゃない？」

唯「そ、それだよムギちゃん！ほ、ほれあずにゃん！ギー太もちゃんといるよ～これでライブも問題なしだよ～」

梓「……」

唯「……ごくり」

梓「……」ぎゅう

唯「ええっ、なんでいっそうひっついてくるの？！」

律「たはは……愛されてんなあ……」

梓「……」ぎゅう

澪「それくらいこわい夢だったんだろうな、うんうん」

律「いーやいやいや……」

紬「ま、まあひとまずお茶にしましょうか」

唯「そ、そうだね……。ほらあずにゃん、このままだと立ち上がりにくいからいったん離れ……ああんもうダメだこの娘」

梓「……」ぎゅう

ずずずっ

澪「梓、どう？少しは落ち着いた？」

紬「とっておきのダージリンよ」

梓「……ぁ、は、はい……」

律「でも相変わらず唯から離れないんだな」

梓「……」ひしっ

唯「あ、あははー……ね、ねぇあずにゃん？そのままだとケーキ食べづらくない？やっぱり離れたほうが」

梓「……」ぎゅう

唯「はい……」

紬「あ！だったら唯ちゃんがあーんしてあげたらいいんじゃない？」つやつや

律「ほほう……」

唯「え……いや別にいいけど……なんかムギちゃん今日肌ツヤいいね」

唯「てことではいあずにゃん、あーん」

梓「……」ぷい

唯「ええっ？！」

律「なにが不満なんだ……？」

澪「それくらいこわい夢だったんだな、うんうん分かるぞ梓」

律「それはもういいよ」

紬「あ、梓ちゃん……もしかしてタルト嫌いだった？」

梓「あ、いえ別にそういうわけでは」

唯「じゃあどうしたの？ダイエット中？」

梓「いえ……ただ、」すっ

唯「？」

梓「食べるならそっちがいいです」

唯「……そっち、って……わ、私のケーキ？」

梓「はい」ぎゅう

唯「……」

唯「い、いいけど別に……」さくっ

梓「あ！切るなら唯先輩の食べ差しのところ切ってくださいよ！！」

澪「ぶうﾞぅっ」

律「もう何も憚らんな……今のは澪じゃなくても紅茶吹きだすわ……」

紬「」つやつや

唯「はい、じゃあ、あーん……」

梓「あーんです」

ぱく

唯「おいしい？」

梓「ですです」ぎゅう

唯「あ、離れてはくれないんだ……」

律「でも、唯はなんでそんなに戸惑ってるんだよ？いつもひっついてるのは唯のほうじゃん」

唯「だから、なんていうかビックリしちゃって」

澪「驚くにしても引きずり過ぎじゃないか？梓にひっつかれてから、もう1時間近く経ってるぞ」

唯「うーん、それはそうなんだけど……」

梓「……む」ぎゅう

紬「私としてはやっぱり相思相愛がいいかな～、なんて」つやつや

律「ほんと肌ツヤいいな今日……で、だから唯はなーにが不満なんだ」

唯「うーん……自分でもよくわかんないんだけど」

紬「よしじゃあこうしましょう。唯ちゃん、梓ちゃんの髪を撫ででそっとにおいを嗅いでみるの」

澪「それはムギが見たいってだけだろ！」

唯「こうかな」なでなで

律「やっとるし……」

梓「～～～っ」ぎゅううあ

律「案の定逆効果だし……」

紬「いいものを見せていただきました」

唯「あ、そ、そう……？」

律「しかし唯が戸惑ってるのはおいとくにしても、これどーすんだろうな。さすがにずっとこのままってわけにもいかないだろ？」

澪「確かに、下校時間までにどうにかしないとな」

紬「練習もちょっと難しいわね」

唯「ええぅ、どうしよう」

律「おーい梓ぁ、どうしたら唯から離れるんだー？」

梓「唯先輩がずっと一緒にいてくれるなら考えます」

律「だめだもうわけがわからん」

きーんこーん

　　かーんこーん

律「……って、そうこうしてるうちに下校時間だぞ」

澪「結局梓はひっついたまま、か」

紬「さすがに梓ちゃんも、帰らなきゃいけないわよね」

唯「おーいあずにゃん、もう帰らなきゃだけど、どうする？」

梓「そうですね、じゃあ帰りましょうか」

唯「え？」

梓「ああ、ご心配なく。お泊りセットならギターケースに入れてきましたから」

律「唯ん家に泊まる気かい！！」

澪「ムスタングはどうしたんだよ……」

梓「家ですが」

唯「ムッたん……」

梓「憂には午前中に話しておきましたので大丈夫ですよ。それじゃ行きましょうか、唯先輩」

唯「う、うん……」

～～～～夜・唯の自室～～～～

唯「じ、じゃあ寝よっかあずにゃん」

梓「はい」ひしっ

唯（寝返りうてないなこりゃ）

梓「むにゃ」もぞもぞ

唯「……ちょっと、あずにゃん」

梓「……ぐぅ」

唯「寝たふりしてへんなとこ触らないでよ……」

梓「ばれましたか」

唯「ばれます」

梓「むーっ」

唯「はぁ……もぉ。ちゃんと一緒にいたげるから、今日はもう寝なさいっ」

梓「はーい……おやすみなさいです、唯先輩」

唯「はい、おやすみ」

～～～～翌朝～～～～

梓「……ん」ぱち

梓「……ああ、そっか。私昨日、唯先輩の部屋に泊まって……」

梓「……」かああ

梓（……なにやってんの昨日の私なにあれちがうあんなの私じゃない恥ずかしい消えてなくなりたい）かああああ

梓（……こわい夢みたから、って……そんな、子供じゃないんだから……）

梓「と、とりあえず起きよう……」

ひしっ

梓「？」

唯「おはよう、あずにゃん」

梓「お、おはようございます、先輩……？」

唯「……」

梓「あ、あの……先輩？」

唯「ん？なに？」

梓「なんで……ひっついてるんですか？」

～～～～一方、澪の家～～～～

澪「ん……朝か……」

澪（？布団の中で、パジャマの裾が何かに引っかかって……上手く起きられない……）

ばさっ

澪「……」

澪「……なにやってんだ、律」

律「おー、おはよ、澪」

澪「……離れろよ」

律「やだけど」

澪「……まさかお前、」

律「……」ぎゅうう

澪「……あのなあ」

～～～～紬の家～～～～

紬「……」

紬「……」

紬「……こわい夢」





紬「……見れなかったなあ」



おわり

ついついSSかけそうな時間ができたからって即興だとしょーもない話しかかけませんで。
ともあれ失礼しました。

なにげに初したらば

お疲れ様でした！