629: ◆tsGpSwX8mo 2014/01/04(土) 13:17:18.80 ID:gW20STDao


モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」シリーズです


前回はコチラ



そろそろ投下します

630: 2014/01/04(土) 13:18:26.81 ID:gW20STDao
昔々、あるところに一人の神様がいました。

しかし、その神様は自堕落な上にとても怒りっぽい性格で、たくさんの幸せをうばい、そして、たくさんの土地をダメにしました。

そんなある日、神様は別の神様に言われて、神様をやめることになりました。

神様の管理している土地や人を、神様がダメにしたから出す。

しかし、神様は喜びました。

これで、自分は自由だ!と。

神様の仕事は辛く、大変で、煩わしいと思っていたから、神様はとても、喜びました。

元神様はハハハと笑います。

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それは、なんでもないようなとある日のこと。
その日、とある遺跡から謎の石が発掘されました。
時を同じくしてはるか昔に封印された邪悪なる意思が解放されてしまいました。

~中略~

「アイドルマスターシンデレラガールズ」を元ネタにしたシェアワールドです。
・ざっくり言えば『超能力使えたり人間じゃなかったりしたら』の参加型スレ。




631: 2014/01/04(土) 13:19:10.33 ID:gW20STDao
そして神様は地獄に落ちて、悪魔になりました。

元神様の悪魔は喜びました。

悪魔になったから自分は自由だ!これからは、好き勝手に生きてやる、と。

悪魔は好き勝手にいきました。

どこまでも自分勝手で、果てしなく自堕落な、悪魔らしいと言えばとても悪魔らしい生活を続けました。

そのうち、怠惰の証を手に入れて、怠惰の悪魔と呼ばれるようになりましたが、それでも変わらず悪魔は自堕落な生活を続けました。

悪魔はケラケラと笑います。

632: 2014/01/04(土) 13:20:11.71 ID:gW20STDao
でも、ある日、悪魔は地獄のルールを破り、勝手に人間の世界に行ってしまいました。

悪魔は長いときを生きているうちに、今の生活に飽きてしまったのです。

今の人間の世界は、悪魔が神様だった頃に見た人間の世界とは、まるで別物でした。

でも、今の人間界は悪魔の好きなものでいっぱいでした。

混沌と恐怖、悲しみや憎しみが溢れ、悪魔はそこで飽きることなく人々を恐怖に苦しめました。

自分を神様だと勘違いした人達を病魔で苦しめ、土地を腐らせ、水をダメにし、風に毒をのせ、炎で人々の暮らしを邪魔しました。

悪魔はゲラゲラと笑います。

633: 2014/01/04(土) 13:21:04.37 ID:gW20STDao
でも、楽しい時間はすぐにすぎ、終わりがやって来ました。

悪魔の世界の王さまが怒って、悪魔から怠惰の悪魔の証を奪ってしまったのです。

その上、悪魔の体と魔法を奪われてしまいました。

悪魔は両手を上げて喜びました。

これで、自分は自由だ!何にも縛られず、抑制されず、好きに生きれる!

悪魔は可哀想な一人の女性に取りつきました。

悪魔は今もどこかで、笑っています。

634: 2014/01/04(土) 13:21:53.85 ID:gW20STDao
そして、時はたち現代。

平和で静かなお正月の空を、一人の女性が佇んでいた。

その女性はまるでごみでも見るような目で地上を見下ろす。

「退屈ね」

一言、女性は呟いた。

「まったくもって、退屈だわ」

風が吹き、髪が靡く。

物憂げに口を開けると、そこから白い息が吐き出される。

「それにしても、家畜共の「お正月」という行事は本当に理解できないわ。ただ年が変わるというだけでこんなに大騒ぎして、そしてその後はだらだらと過ごすんですもの」

女性は退屈そうに呟く。

いや、退屈そうにではない。本当に退屈なのだ。

635: 2014/01/04(土) 13:22:43.10 ID:gW20STDao
「あなたたちに自堕落に過ごす権利なんて、あるわけないじゃない。自堕落に過ごせるのはこの世界でただ一人、この私だけよ」

そして両手を広げた。女性を中心に五つの緑色の玉、怠惰のカースの核が浮かぶ。

「躾は必要よね。色々と、ね」

女性の口に嗜虐的な笑みが広がった。

核から泥が溢れ、それが形を作る。

カースはまるで、騎士のような形になった。

「きびきび動きなさい、豚どもよ。あなた達の存在意義はただ私の退屈しのぎの相手をする、ただそれだけなのだから」

五体のカースが地上に降り立つ。そしてその直後、平和だった町からは恐怖の悲鳴や泣き叫ぶ声が聞こえだす。

それを聞いて、女性は恍惚の表情を浮かべ、震えた。

「あぁ、いいわ!いい声で鳴くじゃない!」

636: 2014/01/04(土) 13:23:45.93 ID:gW20STDao
カースは暴れる。怠惰の特性には不釣り合いなほど、暴れまわる。

耳に悲鳴が届くたびに、女性の頬の赤みはましていく。

「ふふふふ、そうよ、もっと鳴きなさい豚どもよ。そしてあなた達の存在意義を再確認しなさい」

暫くして、アイドルヒーローが数人やって来て、カースを倒していく。

その光景を見て更に笑う。

「そうよ抵抗しなさい!もっとよ、もっと抵抗して私を楽しませなさい!」

女性の笑い声は更にエスカレートし、それに呼応するように、カースも力を振るう。

女性が作り出したカースの存在意義は自分の主人を楽しませること。それ以外のことは考えない。それ以外の事はなにもしたい。

ただただ、暴れる。

数時間後、カースは全て駆逐された。

怪我人の救助が始まる。痛みに悶える男性や泣き叫ぶ少女。それらが女性を喜ばせる。

「ふふ、さて。余興はこれくらいにしておいて、本番にうつりましょう」

女性は地上へと降りていった。

637: 2014/01/04(土) 13:24:34.16 ID:gW20STDao
地上は大惨事となっていた。

荒れ果てた街並みはとても数時間前まで平和であったとは思えない。

瓦礫の下敷きになりもがく女性がいた。

親とはぐれて泣き叫ぶ男の子がいた。

血まみれでピクピクと痙攣する夫婦もいた。その間に挟まっている女児は動いてすらいない。

それらに近づき、女性は囁く。

「ねぇ、あなた。生きたい?」

638: 2014/01/04(土) 13:25:30.49 ID:gW20STDao
「………!」

虫けらのように氏にかけている人々にそう囁けば、大体の人は首をたてにふるのだ。

「そう。なら私のために歌を歌いなさい。私を称える歌を、私だけのために」

そして、怠惰の核を氏に損ないどもに押し付ける。

核は人体にするすると潜っていった。

「さぁ、呼びなさい。私の名を」

怠惰のカースドヒューマンと化した人々の前で、女性は言葉をはっする。

カースドヒューマン達は口を開いた。それは最初は呻き声にしか聞こえないが、だんだんと大きくなっていく。

「バ…………・ペ………………」

「バ…ル・ペ………オ、」

「バアル・ペ………オ、」

「バアル・ペオル……」

「バアル・ペオル…………!」

「バアル・ペオル……!」

「バアル・ペオル!」

「バアル・ペオル!!」

「バアル・ペオル!!!」

639: 2014/01/04(土) 13:26:15.39 ID:gW20STDao
その合唱に包まれながら、「バアル・ペオル」は満足そうに笑みを浮かべた。

「ふふ、退屈しのぎにはなったわ。また遊びましょう」

バアル・ペオルは僕となったものたちの前から去った。

「拒否する権利はない。あなたたち人類(家畜)は一人のこらず全てこの財前時子(バアル・ペオル)の玩具なのよ」

こうしてバアル・ペオルの日常は過ぎ去る。

どこまでも自分勝手で、果てしなく自堕落な、財前時子の時は過ぎていく。

641: 2014/01/04(土) 13:29:17.82 ID:MWXfk9Tvo
財前時子/バアル・ペオル
初代怠惰の悪魔にして元神様。自分の持つ力は他の神様とサタンにほとんど奪われているが、地上に潜む怠惰のカースの核を食らうことで少しずつ魔翌力を取り戻している。現在は怠惰のカースの制作ぐらいはできる。非常に身勝手な性格で、人の涙や悲鳴が大好物。自分を満たすために他人を不幸にすることに躊躇しない。彼女は今もどこかで怠惰のカースをばらまき人々を恐怖に貶めている。

崇拝者
バアル・ペオルによってカースドヒューマンにされた人間のこと。役割は「バアル・ペオルを称える歌を歌うこと」それ以外はなにもしない。生きるための行動すらしなくなるため、彼らの寿命は短い。

642: 2014/01/04(土) 13:29:50.53 ID:MWXfk9Tvo
ここまでです。

643: 2014/01/04(土) 13:34:48.51 ID:ysfTtVl3o
乙ですー、
投下中に割り込んじゃって本当申し訳ない
書き込み前に更新はちゃんとするべきでしたね、本当スンマセン
時子さん称えてきます

やはり時子さんはSでございますね
初代組では積極的に悪事を働く珍しいタイプ




【次回に続く・・・】


引用: モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part8