1: 2012/02/08(水) 19:31:02.41 ID:zDEdZ1Ot0
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

夕日が差し込む教室

私達は三人でお喋りをしている

京子は何時ものように笑顔で話題を振りまいて

綾乃は初々しくそれに反応して

私は二人を宥めに入る

そんな何時もの光景、幸せな光景


私は京子が好きで、綾乃もきっと京子が好き

だけど、結論は出さず、この時間を続けている


京子が笑っていて、綾乃が笑っていて、私が笑っていて

この時間が、あまりにも幸せだから

それを壊したくないから

だから、今日も私達は三人でお喋りをしている

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

5: 2012/02/08(水) 19:33:34.75 ID:zDEdZ1Ot0
結衣「んっ……」ムクリ

結衣「夢かぁ……」ノビー

結衣(何だか、凄く幸せな夢だったな……)

結衣(私と、京子と、綾乃の夢)

結衣「……」

京子「ふごー」zzz

結衣「ほら、京子、起きなよ、遅刻するよ」ユサユサ

京子「んー、もう少しぃ」ゴロン

結衣「まったく、しょうがないなあ、京子は」

結衣「先にご飯作るから、出来上がるまでに起きるんだぞ?」

京子「んー」モゾモゾ

6: 2012/02/08(水) 19:36:31.25 ID:zDEdZ1Ot0
結衣(綾乃にはちょっと申し訳ないかな……夕方以降は、私がほとんど京子を独占してるみたいなもんだし)

結衣(まあ、だから学校では出来る限り綾乃を立てるようにしてるんだけどね)

結衣「ほら、京子、ご飯で来たよ」カンカン

京子「んぐ、ゆいー、朝ごはんなあに?」

結衣「何って、目玉焼きだよ、京子、朝はあんまり重い物とか食べれないだろ?」

京子「ん、卵二つにしてくれた?」モゾモゾ

結衣「うん、もちろん」

京子「えへへ、じゃあ起きる」ニコ

7: 2012/02/08(水) 19:39:55.07 ID:zDEdZ1Ot0
結衣「まったく、京子は何時までたっても子供だなあ……私がいなかったらどうするつもり?」

京子「なーにいってんの、結衣は何時までも私のそばにいてくれるでしょ?」

結衣「う、うん」ドキッ

結衣(京子は、ナチュラルにこういう事を言ってくるからなあ……)

結衣(私をそういう目で見ててくれてるのか、それとも何時もの冗談か……)

結衣(私の見立てでは割と本気で言ってくれてるんだと思うんだけど……こればっかりは京子に聞かないとわからない)

京子「どったの、結衣、顔赤いよ?風邪引いた?」

結衣「べ、別になんでもないよっ///」

8: 2012/02/08(水) 19:42:52.83 ID:zDEdZ1Ot0
京子「ゆい~、髪梳かすの手伝って!」

結衣「はいはい」ハァ

京子「せんきゅう♪」

結衣(京子の髪、相変わらず綺麗だ)スッスッ

結衣(指に触れる京子の髪、気持ちいいな……)スッスッ

京子「そういえばさ、結衣」

結衣「ん?」スッスッ

京子「ちょっと相談があるんだ」

結衣「何だよ、改まって」スッスッ

9: 2012/02/08(水) 19:44:56.17 ID:zDEdZ1Ot0
京子「実はさ、わたし、ちなつちゃんに告白しようと思ってるんだよ」

結衣「ふーん」スッスッ

京子「それでさー」

結衣「……」

結衣「……は?」グッ

京子「いたっ」

結衣「あ、ご、ごめん、髪が櫛にひっかかっちゃった……」

京子「もう、ゆいにゃん酷いよ……」ウルッ

結衣「ご、ごめん」

12: 2012/02/08(水) 19:48:35.45 ID:zDEdZ1Ot0
京子「それで、話の続きなんだけどさ」

結衣「う、うん」

京子「ちなつちゃんに告白しようと思うんだけど、何か良い方法ないかなって」

結衣「……」

京子「ゆい?」

結衣(き、聞き間違いじゃ、なかったんだ……)

結衣(京子、本気でちなつちゃんの事を?)

結衣(確かに、普段から抱きついたりはしてたけど……てっきり後輩に対する愛情だとばかり……)

京子「おーい、ゆいー?」

14: 2012/02/08(水) 19:50:56.98 ID:zDEdZ1Ot0
結衣「あ、ご、ごめん、ちょっと驚いちゃって」

京子「そんな驚くことかなあ?わたし、普段からちなつちゃんの事が好きだっていってたじゃん」

結衣「そうなんだけど……」

結衣「あ、あのさ、京子、ちなつちやんの、何処が好きなの?」

京子「へ?」

結衣「いや、京子が告白するなら、私も応援したいしさ」

結衣「それには、京子の想いを具体的に知っておかないとって思って……」

15: 2012/02/08(水) 19:52:58.41 ID:zDEdZ1Ot0
京子「んー、何処が好きか……かあ、そだねえ……可愛いところかな!」

結衣「う、うん、なるほど……他には?」

京子「あとは……可愛いところ!」

結衣「……他には?」

京子「他はー……可愛いところかなあ?」

結衣「そうか」

18: 2012/02/08(水) 19:55:37.11 ID:zDEdZ1Ot0
結衣(びっくりした……京子の想いは、たぶん、恋愛感情とかじゃない)

結衣(単に可愛い子を手元に置いておきたいってだけの、子供っぽい独占欲だ)

結衣(まったく、京子はしょうがないなあ……)クスクス

京子「ゆい、なに笑ってんのさ」

結衣「い、いや、何でもないよ、京子」クスクス

京子「何か馬鹿にされてる気がするっ」

結衣「そんなことないって」

結衣「あ、そうだ、京子、ラブレターとか書いてみたら?」

京子「うーん、古典的過ぎない?」

結衣「それがいいんじゃないか」

19: 2012/02/08(水) 19:58:16.55 ID:zDEdZ1Ot0
結衣「そうだ、今日の放課後、綾乃と私と京子の三人で文面練ろうよ」

京子「えっ綾乃にも言っちゃうの?」

結衣「なに?綾乃には相談したくないの?」

京子「い、いや、何か、恥ずかしいじゃない、この京子ちゃんが一人でラブレターも書けないとか思われるのはっ///」

結衣「綾乃はそんなこと、気にしないって」

結衣「むしろ、そういう大切なときに相談されない事のほうがショックだと思うよ、綾乃にとっては」

京子「そ、そっか……」

京子「よし、綾乃にも相談しよう!」

21: 2012/02/08(水) 20:00:49.06 ID:zDEdZ1Ot0
~2-5教室~

綾乃「な、なんですってー!?」

京子「あ、綾乃っ声が大きいって!」

綾乃「そ、そ、そ、そりゃ大きな声にもなるわよ!」

結衣「綾乃、落ち着いて」

綾乃「ふ、船見さんはどうしてそんなに落ち着いてるの!?」

結衣「んー、ちょっと綾乃、こっち来て」グイッ

綾乃「え、え!?」

24: 2012/02/08(水) 20:03:16.51 ID:zDEdZ1Ot0
綾乃「船見さんどういうことなの歳納京子が吉川さんに告白するだなんて突然言われても困るわよっ」

結衣「一応聞いておくけど、どうして困るの?」

綾乃「そ、それは、その……そう、風紀よ!風紀が乱れるからよ!」

結衣「まあ、そういう事にして置いてあげるよ」クスクス

綾乃「う、ううっ///」

綾乃「そんな事より、告白の話よ!」

結衣「いや、違うんだ、綾乃」

綾乃「ち、違う?何時もの冗談……ってこと?」

25: 2012/02/08(水) 20:05:35.52 ID:zDEdZ1Ot0
結衣「今朝、京子に告白する理由を聞いたんだけど『可愛いから』ってだけなんだ」

綾乃「え、それって……」

結衣「うん、恋愛感情ってよりも、お人形さんを手元に置いておきたいって感じの、子供っぽい想いだとおもう」

綾乃「そ、そうだったの……」

結衣「それに、ちなつちゃんも京子のことは先輩としか見てないみたいだしね」

結衣「だから、京子はちなつちゃんに断られて終わると思う」

27: 2012/02/08(水) 20:07:13.26 ID:zDEdZ1Ot0
結衣「ただ……ちゃんと落とし所を考えないと、娯楽部の人間関係が変になっちゃうし」

結衣「何より、京子が傷ついちゃうと思うんだ」

結衣「それを防ぐ為に……」

綾乃「歳納京子の告白を補佐する……って言う事?」

結衣「うん」

29: 2012/02/08(水) 20:10:04.66 ID:zDEdZ1Ot0
綾乃「……そうね、歳納京子が泣いちゃう姿なんて見たくないし」

綾乃「判ったわ、私も手伝う」

結衣「ん、ありがと、綾乃」

京子「二人で何の話してるの~?」

結衣「あ、いや、なんでもないよ、京子」

綾乃「と、歳納京子!私も手伝ってあげるから、感謝しなさい!」

京子「ありがと!綾乃!」

30: 2012/02/08(水) 20:11:59.74 ID:zDEdZ1Ot0
京子「それでさ、ラブレターの原文作ってみたんだけど、こんな感じでどうかなあ?」

結衣「へえ、準備早いじゃない、京子」

綾乃「どれどれ……」

結衣「……え」

綾乃「え……」

33: 2012/02/08(水) 20:18:12.80 ID:zDEdZ1Ot0
no title

34: 2012/02/08(水) 20:18:30.48 ID:zDEdZ1Ot0
no title

35: 2012/02/08(水) 20:18:47.08 ID:zDEdZ1Ot0
no title

36: 2012/02/08(水) 20:19:03.05 ID:zDEdZ1Ot0
no title

37: 2012/02/08(水) 20:19:17.44 ID:2em/lOc80
荒らしかと思ってびっくりした……

38: 2012/02/08(水) 20:19:31.82 ID:zDEdZ1Ot0
結衣「却下」

綾乃「駄目ね」

京子「え、ええー……」

結衣「ラブレターを漫画形式にするやつははじめてみたよ……ちなつちゃんの心境まで書いちゃってるし」

綾乃「もっと普通のじゃないと駄目よ、歳納京子」

京子「普通って言われても、私、ラブレター書いた事も貰った事も無いからわかんないよ……」

結衣「相手が喜ぶような言い回しするのが基本だよ、京子」

綾乃「そうそう、相手の気持ちを考えてあげるのが一番大切ね」

京子「ううー、難しい……あ、そうだ」

41: 2012/02/08(水) 20:22:14.66 ID:zDEdZ1Ot0
京子「じゃあさ、二人ともちょっと見本を見せてよ」

綾乃「み、みほん?」

結衣「私達がちなつちゃんにラブレターを書くって事?」

京子「いや、それだと貰う側の気持ちを体感出来ないから……私宛にラブレターを書いて?」

結衣「なっ///」

綾乃「にっ///」

京子「2通も見本があれば、きっと素敵なラブレターがかける気がする!」

44: 2012/02/08(水) 20:24:55.40 ID:zDEdZ1Ot0
結衣「ちょ、ちょっと待って、突然言われてもそんなのかけないよ///」

綾乃「そ、そうよ!そういうのは心の準備が必要だし///」

京子「えー、ぱっぱーっと書けない?」

結綾「「書けない!」」

京子「は、はいっ!」ビクーンッ

46: 2012/02/08(水) 20:27:47.66 ID:zDEdZ1Ot0
京子「じゃ、じゃあ、明日までに書いてくるってどうかな?」ビクビク

結衣「あ、明日かぁ……」

綾乃「そ、それくらい、時間があれば、まあ///」

京子「ほんと!?」

結衣「うん、まあ、京子の頼みだしね」

綾乃「ええ、本来なら偽のラプレターなんて不謹慎なものは書かないのだけど、歳納京子が困ってるみたいだし!」

綾乃「仕方なく!書いてきてあげるわよ!」

京子「ありがと!結衣も綾乃も大好き!」ニコ

結衣「///」

綾乃「///」

47: 2012/02/08(水) 20:30:40.24 ID:zDEdZ1Ot0
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

夕日が差し込む教室

京子は居眠りをしていて

私と綾乃は頭を絞って京子の宿題をやってあげている


問題はなかなか難問で、全然先に進むことが出来ない

まったく、誰だこんな宿題を出したのは


ため息が出る

隣からもため息の声が聞こえた

綾乃も苦労してるみたい

二人で視線を合わせ、苦笑する


もう少し、二人で頑張ろう

この宿題を仕上げれば、目を覚ました京子はきっと喜ぶだろうから

そうすれば、また三人でお喋り出来るから

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

49: 2012/02/08(水) 20:33:37.31 ID:zDEdZ1Ot0

~翌朝~


結衣「……ん、またあの夢か」ムクリ

結衣「あ、私、ラブレター書きながら寝ちゃってたんだ……」

結衣「うー……何とか、完成したけど」

結衣「さ、流石に恥ずかしいな、これ///」

結衣(けど、これって京子に私の気持ちを伝えるチャンスでもあるんだよな)

結衣(勿論、あくまで『見本』として書いたって名目だから、京子も本気にはしないだろうけど)

結衣(それでも私を意識してくれる切っ掛けにはなるかも……)

50: 2012/02/08(水) 20:36:48.56 ID:zDEdZ1Ot0
結衣「……そうだ、綾乃はちゃんと書けたのかな」

結衣(もし綾乃が書けてないのなら、何か抜け駆けしたみたいで嫌だな)

結衣(ちょっと電話で聞いてみようか……)

結衣「……」ピッポッパッ


トゥルルルル


綾乃『ふあい、すぎうらあやのです……』

結衣(綾乃の声、寝ぼけたみたいになってる……ひょっとして、徹夜明けかな)クスッ

53: 2012/02/08(水) 20:39:02.01 ID:zDEdZ1Ot0
結衣「おはよう綾乃、朝早くごめんね、結衣だけど」

綾乃『おはやう、ふなみしゃん』

結衣「……綾乃、大丈夫?」

綾乃『ええ、らいりょうぶ、ちゃんとラブレター、かけたわよ、かいたわよ』

結衣「そ、そっか……頑張ったんだね」

綾乃『だって、としのーきょーこの為ですもの、手なんて抜けないわひょ』

結衣「……うん、そうだね」

結衣「今回は見本って名目だけど、それでも京子に思いが届く可能性はある」

結衣「だから、私も手を抜かなかった」

綾乃『ふなみさん……?』

54: 2012/02/08(水) 20:41:59.08 ID:zDEdZ1Ot0
結衣「……綾乃も手を抜かなかったって聞けて、良かった」

綾乃『え?』

結衣「変な電話してごめんね」

綾乃『……別に、いいわよ、私も船見さんが手を抜いてるかどうか気になってたから』

結衣「そっか」

綾乃『……じゃあ、船見さん、今日も頑張りましょうね』

結衣「うん……」

55: 2012/02/08(水) 20:43:47.96 ID:zDEdZ1Ot0

~2-5教室~


京子「二人とも、ラブレター書いて来てくれた~?」

結衣「う、うん、書いてきたよ、ほら」スッ

綾乃「わ、私も書いてきたわっ」スッ

京子「おー!ありがと!」

京子「じゃー、ちょっと拝見~」

結衣「え、ここで読むの!?」

綾乃「い、家に持って帰って読んでもらったほうがっ!」

京子「えー、いいじゃん、早く読みたいしさ」パサパサ

結衣「///」

綾乃「///」

56: 2012/02/08(水) 20:45:56.96 ID:zDEdZ1Ot0
~京子へ~

突然手紙を送ってごめんね

直接会って伝えるのは恥ずかしいから、手紙に私の気持ちを載せたいと思う

私は、京子の事が好き

子供の頃から、ずっと好きだった

泣き虫な京子も、優しい京子も、我侭な京子も、全部好き

最近の京子は殆ど泣かなくなったけど、それでも私の前でだけは涙を隠さず見せてくれるよね

それが凄くうれしかった

私が寂しがってると、何時も側に来てくれて、私を支えてくれるよね

それが凄くドキドキした

もう私が守ってあげる必要なんてないのかもしれない……けどね、それでも私は京子と一緒にいたいんだ

だから、恋人として、付き合ってください

お返事待ってます

                             船見結衣

57: 2012/02/08(水) 20:48:10.30 ID:zDEdZ1Ot0
~歳納京子へ~

何時も素直になれずに変な事を言ってしまって、本当にごめんなさい

直接会うと、また素直になれないかもしれないので、手紙で私を想いを伝えたいと思います

気弱な私がここまで頑張って来れたのは、実は貴女のお陰なの

貴女を目標にしてたから、今まで頑張ってこれた

けどね、私はもっと貴女と親しくしたいの

二人で一緒に遊びに行ったり、宿題を見せてあげたりしたいの

貴女が見せる笑顔をもっと側で見たい

貴女が時々見せる気弱そうな顔の理由を知りたい

貴女のすべてを受け止めたいの

だって、私は貴女の事を好きだから

憧れとかそういう段階は通り越して、愛してしまっているから

だから、お願いします、私の恋人になってください

お返事待ってます

                              杉浦綾乃

59: 2012/02/08(水) 20:51:22.24 ID:zDEdZ1Ot0
京子「///」

結衣「///」

綾乃「///」

京子「ふ、二人とも、あの、あのっ///」

結衣「な、なに///」

綾乃「か、感想とかあるなら聞かせて……あっあっ、やっぱりいらないわ///」

京子「あ、あの、ありがとう、二人とも凄いねこんなの書けるなんて///」

京子「こ、これがラブレター貰う側の気持ちなんだね///」

結衣「う、うん、そうだよ///」

綾乃「お、お役に立てたかしら///」

京子「うん、凄く参考になるよ、ありがとう、二人とも///」

61: 2012/02/08(水) 20:54:14.35 ID:zDEdZ1Ot0
結衣「あ、あの、じゃあ、どうする、京子///」

京子「ど、どうするって何が///」

綾乃「よ、吉川さんにラプレター書くんでしょ歳納京子///」

京子「うん、そうなんだけど、何か心臓がドキドキしてて書けないよっ///」

結衣「そ、そっか、そうだよな///」

綾乃「あ、じゃあ、私達と同じように、明日までに書いてくるっていうのはどうかしら///」

京子「う、うん、判った///」

結衣「じゃあ、もう今日は解散する?正直言うと、もう家に帰って布団被って寝ちゃいたい気分なんだけど///」

綾乃「わ、私もだわ///」

京子「じゃあ、また明日ね、ふ、二人ともっ///」

63: 2012/02/08(水) 20:56:06.85 ID:zDEdZ1Ot0
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

夕日が差し込む教室

京子は宿題に頭を悩ませている

私と綾乃は、それを横目に楽しくお喋り

やっぱり宿題は自分でやら無いとね、京子


京子が泣きそうな顔でこっちを眺めてきた


その顔を見ると、少し切なくなる

けどね、京子、その宿題は京子が仕上げるべきものなんだよ

だから、頑張って


夕日が翳る

外を見ると、雨が降り始めていた

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

64: 2012/02/08(水) 20:58:21.56 ID:zDEdZ1Ot0

~翌朝~

結衣「あ……」

結衣(また変な夢、見たな……三人で教室にいる夢……)

結衣(ここ最近、ずっとだ)

結衣「まあ、悪い夢じゃないから、気にする必要も無いか……」

結衣「それにしても」

結衣「……」

結衣「うおああああああああ、一晩たっても恥ずかしいっ///」ゴロンゴロン

結衣「ら、ラブレターを読んでる時の京子のあの表情っ///」ゴロンゴロン

結衣「あ、あれってどうなの、脈ありと見てもいいのっ!?」


トゥルルルー



65: 2012/02/08(水) 21:01:17.25 ID:zDEdZ1Ot0
結衣「あ、あれ、電話だ、誰だろ」


ポチッ


綾乃『あ、朝からごめんなさい、船見さんっ』

結衣「え、どうしたのさ綾乃」

綾乃『ちょ、ちょっと確認しようと思って』

結衣「確認?」

綾乃『き、昨日、私、歳納京子にラブレターを渡しちゃった気がしてるんだけど、あれって夢よね?事実じゃないよね?』

結衣「……綾乃」

綾乃『な、なに?』

結衣「夢じゃないよ」ニコ

綾乃『やっぱりかあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!』ゴロンゴロン

66: 2012/02/08(水) 21:03:17.69 ID:zDEdZ1Ot0
綾乃『は、恥ずかしい、恥ずかしすぎるっ///』ゴロンゴロン

結衣「あ、綾乃、落ち着いて」

綾乃『だ、だって、もっと良い文面とか考えられたかもしれないのに、もう渡しちゃってって///』

綾乃『や、やり直しを要求したいわっ///』

結衣「綾乃……」

結衣「そう言われると私も……もう少しちゃんとした文に出来たかもしれない……」

綾乃『ふ、船見さん?』

結衣「だ、だって、一晩でそんなの書くなんて無理だよ、もっと時間が欲しかったよぉぉっ!」ゴロンゴロンッ

綾乃『ふ、船見さん、落ち着いて』

結衣「や、やり直したい、もう一回やり直したいっ」ゴロンゴロン

69: 2012/02/08(水) 21:05:18.73 ID:zDEdZ1Ot0
綾乃『とりあえず、落ち着きましょう、深呼吸!』

結衣「う、うん……」

綾乃『スーーー』

結衣「ハーーー」

綾乃『スーーー』

結衣「ハーーー」

結衣「ありがと、落ち着いたよ」

綾乃『ええ、私も落ち着いたわ……』

70: 2012/02/08(水) 21:08:14.96 ID:zDEdZ1Ot0
結衣「渡しちゃったものは、もう仕方ないよ」

綾乃『そ、そうよね』

結衣「あとは、京子の判断に委ねよう」

綾乃『……うん』

結衣「じゃ、そろそろ切るね」

綾乃『あ……』

結衣「ん?」

71: 2012/02/08(水) 21:12:04.78 ID:zDEdZ1Ot0
綾乃『船見さん、あの……何時もありがとうね、私に気を使ってくれて』

結衣「こっちこそ、綾乃がいてくれて、凄く助かってるし……何より、毎日が凄く楽しいから」

綾乃『そ、そう……』

結衣「これかもさ、何かあったら遠慮なく電話してよ」

綾乃『……うん、ありがとう、船見さん』

結衣「じゃ、今日も頑張ろうね、綾乃」

綾乃「ええ」

72: 2012/02/08(水) 21:14:44.06 ID:zDEdZ1Ot0

~2-5教室~


結衣「京子~、ラブレター書いてきた?」

京子「う、うん、二人のを参考にして、何とか書けたよ」

綾乃「そ、そう、良かったわね」

結衣「じゃ、見せて?」

京子「え、見るの?」

綾乃「そりゃあ、見せて貰わないと助言できないわよ、歳納京子」

京子「……ごめん、これはちょっと見せられない」

結衣「え?」

京子「二人には色々手伝ってもらって助かったけど……これは本当に私の気持ちが籠ったものだから」

京子「だから、ちなつちゃんにだけ見てもらいたいの」

綾乃「歳納京子……」

73: 2012/02/08(水) 21:17:30.36 ID:zDEdZ1Ot0
結衣「……そっか、京子がそう思うなら、それでいいと思う」

綾乃「そうね……元々、歳納京子の恋路ですもの」

京子「だ、大丈夫、二人のラブレターから色々教えてもらったから、漫画形式とかにはしてないから」

結衣「うん……力になれて、何よりだよ」

京子「じゃ、じゃあ、早速ちなつちゃんに渡してくるね!」

綾乃「え、ええ、行ってらっしゃい、頑張って、歳納京子」

京子「が、頑張ってきます!」タッタッタッ

75: 2012/02/08(水) 21:19:31.82 ID:zDEdZ1Ot0
綾乃「……歳納京子、大丈夫かしら」

結衣「大丈夫、ちなつちゃんだって優しい子なんだから、あんなに真剣になってる京子に酷い事言ったりはしないよ」

結衣「ちゃんと、穏便に断ってくれるはず」

綾乃「そ、それならいいけど……」

結衣「それよりさ、今日の放課後も開けておいてね、綾乃」

綾乃「え?」

結衣「京子を慰めてあげる為に、遊びに行く予定だからさ」

綾乃「……そうね、精一杯、歳納京子を慰めてあげないと」

結衣「うん」

77: 2012/02/08(水) 21:20:23.03 ID:zDEdZ1Ot0
京子「……」トボトボ

結衣「あ、京子帰ってきた」

綾乃「と、歳納京子、どうだったの!?」

京子「あー……うん、駄目だった……」

結衣「そっか……」

綾乃「あの、嫌ならいいんだけど、どんな感じで断られたのか聞いていい?」

京子「……ちなつちゃん、泣いちゃって」

結衣「え」

京子「気持ちは嬉しいけど、受け止められないって言って、逃げられちゃったの」

綾乃「そ、そう……」

79: 2012/02/08(水) 21:22:16.70 ID:zDEdZ1Ot0
結衣(ちなつちゃんには、あとでフォロー入れておいてあげないとな……)

京子「わたし、わたしちなつちゃんを傷つけちゃったのかなあ……」

京子「こんな事なら、気持ちを伝えなきゃ良かった……」

綾乃「……そんな事は、ないわ」

京子「あやの?」

綾乃「気持ちを伝えなかったら、歳納京子は絶対に後悔してたと思う」

結衣「……そうだな、例え断られて、相手を傷つけてしまったとしても」

結衣「気持ちを伝えること自体は、悪いことじゃないと思うよ、京子」

京子「……結衣、綾乃」

81: 2012/02/08(水) 21:25:37.75 ID:zDEdZ1Ot0
京子「ありがと、凄く気持ちが楽になった」

結衣「……まあ、私達には助言するくらいしか出来ないからな」

綾乃「そ、そうね……あ、それと歳納京子!」

京子「え?」

綾乃「ほ、放課後、三人で遊びに行かない?」

結衣「うん、ほら、失恋した記念にさ、パーッと騒ごうよ」

京子「し、失恋した記念って」

結衣「だって、本当のことだろ?」

京子「ううー、まあ、そうなんだけど……」

綾乃「そ、それじゃあ、決まりね!」

京子「もう、しょうがないなあ、二人とも」クスッ

82: 2012/02/08(水) 21:27:40.00 ID:zDEdZ1Ot0
京子「……結衣、綾乃、本当にありがとう」

結衣「もう、気にしなくていいって」

京子「ううん、言わせてよ、結衣」

京子「私、二人が友達で居てくれて当に良かった」

京子「結衣も綾乃も、大好き」ニコ

結衣「///」

綾乃「///」

83: 2012/02/08(水) 21:30:24.75 ID:zDEdZ1Ot0
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

外は土砂降りの雨

私達は相変わらず三人で教室の中に居る

半泣きの京子を、私と綾乃で慰めてあげてる


私達で楽しい話をしてあてげるうちに

京子も笑ってくれるようになって

皆で歌って、ふざけあって、ゲームをして

そういう楽しい時間を、三人で過ごした


期待したほど、京子との関係が進んだわけじゃないけど、それでもいいんだ

だって、三人で過ごす時間が、凄く楽しいから、本当に楽しいから

ずっと、ここに居られるといいな

ずっと、ずっと


雨はまだ止まない

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84: 2012/02/08(水) 21:32:20.03 ID:zDEdZ1Ot0

~翌朝~


結衣「……」

結衣「んー……またあの夢かあ」ノビー

結衣「ふう」

結衣(昨日は、凄く楽しかったな)

結衣(最初は京子もちょっと落ち込んでたけど)

結衣(最後の方は普段どおり笑ってくれてたし)


トゥルルル


結衣「電話……綾乃からかな」

86: 2012/02/08(水) 21:34:07.75 ID:zDEdZ1Ot0
綾乃『船見さん、朝からごめんなさい』

結衣「綾乃、どうしたの?」

綾乃『い、いや、あの……歳納京子の事なんだけど』

結衣「うん、まあ綾乃からかかってくる電話って京子の用件ばっかりだから、予想はついてたよ」

綾乃『うっ///』

結衣「それで、京子がどうしたの?」

綾乃『え、えっとね、歳納京子、まだ落ち込んでるかもしれないから……』

綾乃『あ、あの、朝迎えに行ってあげたほうがいいなかって』

結衣「あー……なるほど」

88: 2012/02/08(水) 21:36:15.90 ID:zDEdZ1Ot0
綾乃『あ、私は別に必要ないと思うのよ?』

綾乃『け、けど船見さんがもし迎えに行くつもりなら、私も昨日の続きでお付き合いしてもいいかなって……』

結衣「もう、綾乃って本当に素直じゃないよね」クスクス

綾乃『ほ、本当に私は別にっ///』

結衣「ん、いいよ、京子を迎えに行こうっか」

綾乃『そ、そう、なら仕方ないわね』

結衣「京子の家は判るよね?」

綾乃「ええ、それは判るわ」

結衣『じゃあ、京子の家の前にある公園で集合って事で』

綾乃『判ったわ、急いでいくわね』

89: 2012/02/08(水) 21:38:13.25 ID:zDEdZ1Ot0
~公園~

結衣「綾乃、遅いなあ、急がないと京子が登校しちゃうよ」ソワソワ

綾乃「ご、ごめんなさい!船見さん!」タッタッタッ

結衣「お、何とか間に合ったね、綾乃」ニコ

綾乃「と、歳納京子は?」

綾乃「うん、まだ家に居るはずだよ」

綾乃「そ、そう、じゃあ、行きましょうかっ」カチンコチン

結衣「綾乃?凄く硬くなってるけど……」

綾乃「き、きのせいよっ」カチンコチン

結衣「い、いや、もう少し落ち着いて、見てる私のほうも緊張してくるからっ」

綾乃「だ、だって、はじめて歳納京子の家に行くんだもの、緊張もするわよっ」

結衣「そういえばはじめてだっけ……って、京子の家から誰か出てきたっ」サッ

綾乃「と、歳納京子出てきちゃっての!?」サッ

92: 2012/02/08(水) 21:41:00.65 ID:zDEdZ1Ot0
結衣「……あれ」

綾乃「あの、船見さん、あれって」

結衣「……うん、ちなつちゃんだね」

綾乃「ど、どうして吉川さんが歳納京子の家から……?」

結衣「な、なにか怒ってるみたいだけど……あ、京子も出てきた」

綾乃「え?」

結衣「何だろ、何か言い争ってる?」

綾乃「け、けんか?止めに行ったほうがいいかしら」

結衣「う、うん、そうだ……ね?」

96: 2012/02/08(水) 21:43:26.76 ID:zDEdZ1Ot0
綾乃「あれ……歳納京子が、吉川さんを抱きしめたわ」

結衣「ちなつちゃんも、何か大人しくなっちゃった」

結衣「って、京子、なに、やってるの?そんなに顔を近づけたら、ちなつちゃんに唇が当っちゃうよ?」

綾乃「だ、駄目よ、歳納京子」

結衣「うん、駄目だ、そんな事したら、ちなつちゃんに嫌われちゃうよ、京子」

綾乃「だから、だから、止めて、止めてよ歳納京子」

結衣「そんな幸せそうな顔でちなつちゃんにキスしようとするのは……」



綾乃「あ……」

結衣「あ……」

99: 2012/02/08(水) 21:45:32.78 ID:zDEdZ1Ot0
綾乃「キス、したわ」

結衣「ど、どうして、さっきまで何か喧嘩してるふうだったのに」

綾乃「どうして、今は二人ともあんなに幸せそうな顔してるの、かしら」

結衣「……どうし、て」

綾乃「う、嘘よ、こんなの、そう、そうだわ、ドッキリよ、二人で私たちを騙そうと……」

結衣「……そ、そうだよ、な、こんな事、あるはずが」

綾乃「そうよ、あるはず、ないわよ……」

104: 2012/02/08(水) 21:47:53.10 ID:zDEdZ1Ot0

~2-5教室~

京子「昨日ね、家に帰ったら、ちなつちゃんが待っててくれたんだ」

京子「私が帰るまで、ずっと家の前で立ってたらしくて、凄く身体が冷えちゃってた」

京子「だから、家に入ってもらって、お風呂にいれてあげて、私の家に泊まるってちなつちゃんの家に連絡して」

京子「それでね、話を聞いたら、ちなつちゃん、また泣き出しちゃって」

京子「ごめんなさい、さっきはごめんなさいって」

京子「ちなつちゃん、私からの告白が突然だったからびっくりして受け止められなかっただけみたいで」

京子「……それで、あのね、ちなつちゃんから、改めて恋人として付き合いたいって、言ってもらえたの」

京子「私も、ちなつちゃんの恋人になりたいって、返したよ」

京子「だから、今日から、私とちなつちゃんは恋人同士」

京子「最初はギクシャクする事もあるかもしれないけど、二人で乗り越えようねって約束したんだ」

京子「……二人とも、ありがとう、二人のお陰だよ、こんなに良い友達を持って、私は幸せだよ」ニコリ

108: 2012/02/08(水) 21:50:19.92 ID:zDEdZ1Ot0
京子は、幸せそうな顔で私達にそう言ってくれた

その幸せそうな顔を見て、私達二人は理解した

この幸せは、演技などでは無いと

彼女達二人の恋が成就してしまったのだと

私達二人の恋はもう成就しないのだと



理解した



ふと、雨音を聞いた気がした

112: 2012/02/08(水) 21:52:50.65 ID:zDEdZ1Ot0
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

雨の音がする中、私は一人で教室に立っている

京子と綾乃はどこに行ったのだろう

廊下に出てみるが、誰も居ない

雨の音だけが響く


綾乃の泣き声を聞いたような気がした

生徒会室の扉が見える

綾乃はこの中に居るのかな


生徒会室の中は、シトシトと雨が降っていた

中央に座り込み泣いている綾乃に、私は傘を差し出す

どうして泣いてるの、綾乃

だって、船見さん、もうすぐ、ここが沈んでしまうから

115: 2012/02/08(水) 21:55:13.40 ID:zDEdZ1Ot0
生徒会室に水が流れ込んでくる

窓の外は海底

海月が泳いでいる

雨は嵐になり、どんどん水かさが増す

綾乃を助けようと手を引くけど、動かない

逆に引っ張られてしまう

そのうち全身が水に浸かり、息苦しさに襲われる


『ずっと、ここに居られるといいな』

『ずっと、ずっと』


ああ、そうか、私はここから離れられないんだった

だって、私が、ここに居たいって、望んだのだから


綾乃と一緒に、ここに沈んで、ずっと二人で

京子はもういないのに

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

116: 2012/02/08(水) 21:56:51.42 ID:zDEdZ1Ot0

~深夜~


結衣「うああああああっ!」ガバッ

結衣「はぁ……はぁ……はぁ……」

結衣(……何だろ、凄く嫌な夢を見てた気がする)

結衣(思い出したくも無いような、夢……)


トゥルルルル


結衣(電話……そっか、この音で、私は目を覚ましたんだ……)

119: 2012/02/08(水) 21:59:02.07 ID:zDEdZ1Ot0
結衣「……もしもし」

綾乃『……好きなの!』

結衣「綾乃?」

綾乃『私、好きなの、船見さん!』

結衣「……うん、そうだね、綾乃」

綾乃『好き、なのよっ!』

結衣「私も、好きだよ」


京子の事が



123: 2012/02/08(水) 22:00:53.06 ID:zDEdZ1Ot0
綾乃「私も、好き、大好き」

結衣「うん」

綾乃「じゃあ、今度デートしましょう」

結衣「うん」

綾乃「楽しみね」

結衣「うん」

綾乃「好きよ、愛してるわ」


京子の事を



126: 2012/02/08(水) 22:02:51.60 ID:zDEdZ1Ot0
結衣(綾乃はあれから毎晩、電話してくるようになった)

結衣(最初は、お互い励ましあってたけど)

結衣(京子とちなつちゃんの仲を見続けるうち)

結衣(綾乃は静かに壊れて行った)

結衣(学校では表面上は何時も通りだ)

結衣(皆も京子も、千歳すら気づいていない)

結衣(けど、綾乃は行き場の無い京子への愛情を、私にぶつけてくるようになった)

128: 2012/02/08(水) 22:04:45.44 ID:zDEdZ1Ot0
結衣「……明日は、綾乃とデートか」

結衣(私は、どうしたいんだろう)

結衣(綾乃を助けてあげたいのか)

結衣(それとも、京子を失った者同士で傷を舐めあいたいのか)

結衣「ねえ、京子、もしかして、私も……」

結衣「私も、壊れちゃってるのかな」

130: 2012/02/08(水) 22:06:37.46 ID:zDEdZ1Ot0

~結衣宅~


綾乃「ねえ、船見さん」

結衣「なに、綾乃」

綾乃「歳納京子ごっこしましょうよ」

結衣「……うん、いいよ」

綾乃「うふふ、私、これ凄く好きなの」

結衣「私も、好きだ」

132: 2012/02/08(水) 22:08:03.20 ID:zDEdZ1Ot0
綾乃「ねえ、歳納京子」

結衣「なに?京子」

綾乃「私のこと、好き?」

結衣「うん、大好き」

綾乃「じゃあ、抱っこして、歳納京子」

結衣「うん、いっぱい抱きしめてあげる、京子」

136: 2012/02/08(水) 22:09:32.99 ID:zDEdZ1Ot0
綾乃「歳納京子、暖かい、暖かいわ、貴女の身体……」ギュッ

結衣「ありがとう、京子も、暖かいよ」ギュッ

綾乃「ずっと、ずっとこうしたかったのよ」

結衣「私も、私もずっと抱きしめたかった」

綾乃「歳納京子……キス、して」

結衣「うん……いいよ、京子」


チュッ



140: 2012/02/08(水) 22:11:10.05 ID:zDEdZ1Ot0
綾乃「……歳納京子と、キスしちゃった」クスクス

結衣「もう、何時もやってるだろ、京子」

綾乃「何度やっても嬉しいわよ」

結衣「うん、そうだね」

綾乃「ね、もう一回……」

結衣「うん」

綾乃「好きよ、歳納京子」

結衣「京子、私も愛してるよ」


チュッ



142: 2012/02/08(水) 22:13:09.01 ID:zDEdZ1Ot0
綾乃「としのう、きょうこっ、んんっ」チュッ

結衣「きょうこ、きょうこっ」ペロッ

綾乃「好き、愛してるの、としのうきょうこ、だいすきっ」チュッチュッ

結衣「わたしも、好きだよ、愛してる、京子の事、ずっと一緒に居たいっ」チュプ

綾乃「ね、歳納京子、今夜もいっぱい、いっぱい愛し合いましょう……」

結衣「うん、京子、今夜もいっぱい、愛してあげる……」


気持ちいいはずなのに


まるで海底にいるかのように、胸が苦しい


けど、私達はここから逃げることは出来ない


私達はここでしか生きられないから

143: 2012/02/08(水) 22:15:10.75 ID:zDEdZ1Ot0

~数年後~


京子「結衣~綾乃~!早くしないと卒業式遅れるよ!」

結衣「京子は先に行ってくれていいよ、ちなつちゃんとのお別れもしないといけないでしょ」

綾乃「そうよ、中学卒業したら1年間は一緒の学校に通えないんだし、存分にお別れしてきなさい」

京子「結衣、綾乃、ありがと!じゃあ先に行くね!」タッタッタッ

綾乃「行っちゃったわね……」

結衣「……ねえ」

綾乃「何かしら」

結衣「キスして」

綾乃「……ええ」


チュッ



146: 2012/02/08(水) 22:16:29.80 ID:zDEdZ1Ot0
綾乃「……ねえ」

結衣「ん?」

綾乃「私達がしてる事って、良い事なのかしら、悪い事なのかしら」

結衣「判らないよ」

綾乃「そう……けど、この愛は本物なのよ」

結衣「うん、私もだよ」

綾乃「愛してるわ」

結衣「私も愛してる」


京子の事を


心の底から




155: 2012/02/08(水) 22:19:40.87 ID:zDEdZ1Ot0
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

教室は暗い海の底に沈んでしまった

私達は、そこで深海生物のように、漂っている

水面を見上げると、二人の少女が泳いでいた

凄く楽しそうで、羨ましい


高い波が来て、二人は引き離される

けど、時間がたてば、二人はまた合流して楽しそうに泳ぎ始めるだろう


隣に居る綾乃を見ると、笑っていた

私も、きっと同じ笑みを浮かべているのだろう


ねえ、京子、また一緒に、この教室で過ごそうよ、三人で



手を伸ばせば、彼女の足に届く

だから、私と綾乃は

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

157: 2012/02/08(水) 22:23:07.04 ID:zDEdZ1Ot0
結衣「京子、高校に行っても娯楽部作るの?」

京子「もっちろん!ちなつちゃんにも作るって言っておいたしね」

結衣「そっか」

京子「結衣は勿論として、綾乃にも参加して貰いたいな!」

綾乃「ええ、勿論参加するわよ、歳納京子」

京子「ありがと、綾乃!」

結衣「……京子」

京子「ん?」

結衣「楽しい部活に、しようね」

京子「うん!」

綾乃「楽しみね」

結衣「入学式が待ち遠しい」

159: 2012/02/08(水) 22:26:11.28 ID:zDEdZ1Ot0
ねえ、京子

私達はきっと壊れかけてるんだ

完全に壊れてしまえば、きっと京子を傷付ける

だから、正気を保っていられる今のうちに謝っておくよ

ごめんね、京子


愛してる


ずっと


一緒


だよ




160: 2012/02/08(水) 22:26:55.27 ID:METSqnxw0

161: 2012/02/08(水) 22:27:44.62 ID:fR8w0F/K0
鬱ゆり乙だよぉ

引用: 京子「結衣も綾乃も大好き!」