1: 2013/12/06(金) 08:19:27.35 ID:vJD++ezn0
鷹村「なんつう気迫だ…!」

青木「あぁ、一歩のやつ…頃す気だぜ…!」

鷹村「ちげぇよ、相手の方だ!!」

木村「…あのラッシュをもろに食らってなお、アイツの目は氏んでねぇ!!」

青木「なにか…ねらってやがんのか!?」
鷹村「わからねぇ…が―――」

……セコンドサイド

八木「きまりましたね…!」

鴨川「…モロに入っとる。アゴをかちあげてからのデンプシーロールは必勝パターン。しかし…」

鴨川「この違和感は…なんじゃ……!!?」

4: 2013/12/06(金) 08:21:18.91 ID:vJD++ezn0
一歩「倒れろ!倒れろ!倒れろ!倒れろ!倒れろ!!!」

実況『右!左いい!右ッッ!左イイイイ!!正に蟻地獄!!!一度ハマると決して抜け出せない!!!』
実況『これが幕之内!!これが幕之内のデンプシーロール!!!!!!!』

一歩「倒れろ!倒れ………   審判「ストップだ幕之内!!ゴングだ!!!」

カァンカァンカァンカァンカァン!!!

一歩「…っ!決められなかった…でも、次で絶対!」

鴨川「…第2ラウンドを終えて小僧にダメージは殆ど無い。やはり儂の思い違いじゃったか」

鴨川「よし小僧!次で確実に決めるんじゃ!くれぐれもガードを下げず、丁寧にな」

一歩「はいっっ!!!」

8: 2013/12/06(金) 08:25:30.14 ID:vJD++ezn0
ボックス!!

ぼく「……」ハァッハァッ

一歩「満身創痍…よし!行ける!!」ダッ
実況『おっとぉ幕之内、挑戦者の元へダッシュ!勝負を決めにきたかぁ!?』

一歩「これで…終わりだ!!!」

鴨川「っ!いかん!!小僧!!!」

一歩「なっ…!!!」

大振りな右ストレートに、僕はカウンターを合わせる
スパン!と、鋭いパンチがチャンピオンの頬を貫通する

16: 2013/12/06(金) 08:31:19.89 ID:vJD++ezn0
一歩「か…は……」

鴨川「っ!構えい!!バカモンが!!!」
実況『たっ立場逆転!!!挑戦者意地のラッシュラッシュラッシュ!!先ほどのダメージがまるで消えたかのような鋭いパンチの応酬だああああ』

青木「一歩!!なにやってんだよ打たれまくりじゃねぇか!!」

木村「違う。うてないのさ」
青木「……は?」

鷹村「今のカウンター…、確実に狙ってやがった。1ラウンド、2ラウンドの奴の劣勢は伏線」

鷹村「堅実な一歩のボクシングを崩すためにわざとデンプシーロールを貰い、完全に一歩の勝機を確定させ、基本を捨てて勝ちに来た一歩の大振りに」

青木「したたかにカウンターを返したって…事…か!」

18: 2013/12/06(金) 08:35:26.25 ID:vJD++ezn0
鴨川「迂闊じゃった…!まさかリバー→ガゼル→デンプシーロールをわざと受けにくるなど……!!」

実況『形成逆転!!!挑戦者決氏の意地!!これがボクシングです…!!!』

一歩「か…あ…うげっ……!い、い……」ドサァッ…

実況『ああっとぉ!!チャンピオンダウン!これはまずい倒れ方!』

審判「ニュートラルコーナーまで下がっ……うわっ!?」

実況『ちょ…挑戦者、審判を振り切ってチャンピオンの元へ!まさか気付いていないのか!!』

19: 2013/12/06(金) 08:39:27.45 ID:vJD++ezn0
挑戦者は審判を振り切り、倒れているチャンピオンの元へ

ぼく「うがああああ!!」ダダダ!

鴨川「なっ!抑えんか審判!!」

挑戦者はチャンピオンの右腕を踏みつけた!!

一歩「うっああ!?」

審判「っ!ニュートラルコーナーへ!!!!」

ようやく自我を取り戻したのか、挑戦者はコーナーへ戻る

鴨川「っ!今のは反則じゃ!!わざと足を踏みつけおったんじゃ!」

実況『審判の判断は…無効!!これは痛い!チャンピオン幕之内、右腕負傷!』

21: 2013/12/06(金) 08:43:55.42 ID:vJD++ezn0
ぼく「へ、ざまぁねぇぜ糞チャンプが。俺のラッシュをモロに受け、尚且つ不慮の事故で右腕負傷。」
ぼく「けひひひひ…、こりゃあベルトは貰ったな」ニタニタ


鴨川「くぅ…奴め、確実に狙っておったわ…!たてぇ!小僧!!」

一歩「うぅ…」

青木「たてぇ一歩!」 木村「あの糞野郎ぶっ潰せ!!」

鷹村「…」

実況『おぉっと!幕之内、立ったあああああ!!しかしダメージが大きい、フラフラだああああ』

審判「…目をみせて」

一歩「…行けます!」 審判「……よし、ボックス!」

ぼく「ちっ!サンドバックが…」

25: 2013/12/06(金) 08:48:12.58 ID:vJD++ezn0
チャンピオンの元へダッシュ、勝負を決めにいったぼく

鴨川「くっ、ガードをあげんか、小僧ぉぉ!」

一歩「う…」

ぼく「しねぇ!氏ねよ!!くたばれぇ!!」

両脇から、突き刺さるようなぼでぃ、幕之内はまるでサンドバックのように揺れるだけ

ぼく「しね!氏ね!しね!しね!!」

鴨川「ぐっ……」

八木「かっ会長…タオルを……」

リングが鮮血に染まる。挑戦者決氏のボディーブロー、チャンピオンがついに崩れた!

鴨川「くっ……」グッ……

ぼく「しねぇぇぇ」

31: 2013/12/06(金) 08:55:07.47 ID:vJD++ezn0
青木「あっー!」 木村「まずい、これで倒れちまったら…」

鷹村「試合が止められちまう…!ただでさえボロボロなんだ…審判だって何度も手をあげようとしてやがる!」

鴨川「こぞぉぉぉぉ!!!」

一歩の体がリングへ付こうとした瞬間…腰を入れ、全身の体重の乗った低空スマッシュが挑戦者のボディーへヒット!

ぼく「こっ…………?」

実況『な…、チャンピオン意地のカウンターあああああ!!これは凄い!自身の置かれた悪状況を利用した!!!』

一歩「っ!そうだ!約束したじゃないか!…僕は…これ以上負けるわけには行かないんだ!!!」

負傷したはずの右腕を構え、挑戦者の顎に向けて放つ!

BGM inner light

38: 2013/12/06(金) 09:01:32.51 ID:vJD++ezn0
ぼく「…ばか…が、こんな大振りくらい、カウンター…え?」

右ストレートが挑戦者の顎を貫く!!
挑戦者の体はまるでマトリックスのように逆に折れ曲がる!

鷹村「バカが、一歩の土俵でデンプシーロール破りなんざ出来るわけねーんだ」

木村「ようやくさっきのリバーブローが効いてきやがった!」

青木「いけぇぇ!一歩ぉぉ!」


ぼく「ふざけんな…オレは…俺は……!!ぶふぇ!」

左が下腹部に刺さる。右が頬を貫く。そして、丁寧に放たれた左アッパーが挑戦者の顎を砕く!

鴨川「よ…よし!そのまま…そのまま決めるんじゃあああああ」

一歩「ぬぉああああああ!!」

全身全霊右ストレート、顎をかちあげられた挑戦者は動けない

一歩「ぬあああああああああああ!!!」』

ぴたっ…

42: 2013/12/06(金) 09:07:07.75 ID:vJD++ezn0
実況『っ!チャンピオン、右ストレートの勢いが消えた!!先程の事故が効いてきたかああああ!!』

一歩「っ!動け!動け…あ――、動か……」

ぼく「少々焦っちまったが…これで終わりだ!!」

挑戦者渾身の右は、チャンピオンのテンプルへ――――

瞬間、幕之内が前のめりに倒れるように重心が崩れ、挑戦者のフックは空を切った……

ぼく「…がっ!!!」

青木「リバァ!!」

ぼく「ごへぇっ!」

木村「アッパー!!…こりゃあ……」

鷹村「っ!このリービングは………」

実況『で、でたあああああああ!!!チャンピオン二度目!正真正銘必勝パターン、デンプシーロールだあああああ!!!』

46: 2013/12/06(金) 09:15:29.28 ID:vJD++ezn0
規則正しいリズムで放たれるそれは、挑戦者を不自然な形へ変えてゆく

実況『左!右!左!右いいい!止まらない!!止められない!!!そしてぇぇぇぇ!』
実況『みっぎひぁいああいいいい!!!挑戦者ダウーン!!審判これはカウントを取らない!勝者、赤コーナー、幕之内一歩ぉぉぉぉ!!』

BGM 夕空の紙飛行機

会場が幕之内コールに包まれる

鴨川「ふん…なにやっとる。さっさと挨拶せんか。応援してくれた観客にな」

一歩「へ…ぼく…本当に……!!」

鴨川「ヒヤヒヤさせおって。お主の勝ちじゃ、小僧!!!」

一歩「っ!…あ…」ドサッ

鴨川「…ふん。」

――とあるボクシングジム

?「奴が負けた?」
?「おいおい、まじかよ」
?「びびんなよ。次はお前の番だ…幕之内をぶっつぶせ」
?「はい」


47: 2013/12/06(金) 09:16:50.38 ID:GjrNvSu50
ぼくにはもっと頑張って欲しかった

48: 2013/12/06(金) 09:17:04.69 ID:h7/akeMk0
ぼくなのにかませとは

49: 2013/12/06(金) 09:17:25.29 ID:xFutxMjjO
乙 ぼく生きてるか… 生きてても障害残りそう…

51: 2013/12/06(金) 09:19:38.61 ID:YnKrr6nX0
パンチドランカー・ぼく

56: 2013/12/06(金) 10:02:53.33 ID:HOPA/mXk0

面白かったわ

引用: 一歩「倒れろ!倒れろ!倒れろぉ!」ズガ!ズガ! ぼく「っ…」