1: 2012/06/19(火) 18:35:39 ID:la/1nTXM0


 むかしむかし、あるところに。
 とても不思議な泉がありました。

 森の奥にある、その泉には、
 これまた不思議な精霊がいたそうです。

2: 2012/06/19(火) 18:36:14 ID:la/1nTXM0


 ‐不思議な泉‐


 「ばしゃーん」


唯「大変だ、あずにゃんが泉の中に落ちちゃった!」

 「お困りのようですね」

唯「はっ!あなたはもしや泉の精霊!」

純「そう私は泉の精霊、鈴木純」

唯「すごく日本人みたいな名前だね」

純「いや、ここ日本ですから」

唯「途端にこの泉が沼に見えてきたよ」

純「止めてください」

唯「沼のような泉の精霊、純ちゃん」

唯「略して沼のような純ちゃん」

純「その略し方はおかしい」

唯「沼のような純ちゃん、いつものお願いできる?」

純「まるで常連のように……。あと、私は泉の精霊ですから!!」
けいおん!Shuffle 3巻 (まんがタイムKRコミックス)
3: 2012/06/19(火) 18:36:56 ID:la/1nTXM0


 * * *


純「……さて、あなたが落としたのは」

梓1「ゆ~いせんぱ~い!」

唯「おお!」

純「このデレにゃんですか?」

純「それとも」

梓2「は?何言ってるんですか?」

唯「むむ!」

純「このツンにゃんですか?」

唯「うーん……」

唯「純ちゃんに質問があります」

純「はい?」

唯「二人とも愛でたいです」

純「それは質問ではないです、答えです」

4: 2012/06/19(火) 18:37:22 ID:la/1nTXM0


 * * *


純(二人まとめて持っていってしまった)

純(困ったな、本物はここにいるのに)

梓「……」

純「おーい、梓ー」

梓「……ちょっと行ってくる」

純「えっ?」

5: 2012/06/19(火) 18:38:09 ID:la/1nTXM0


 * * *


梓「ただいま」

純「お帰り」

純「で、そいつらを縛り上げて、どうするつもり?」

梓1「……」

梓2「……」

梓「今から一つずつ突き落とす」

純「私の泉を殺人現場に仕立てあげるな」

梓「大丈夫、証拠は残さないから」

純「私の目撃情報が最大の証拠になってしまうんだけど」

梓「はい、まず一人!」

梓1「にゃああああ!」

純「聞いちゃいないわー」

 「ざばーん」

純「えーと、あなたが落としたのは」

梓「それです、嘘です、引き取ってください」

純「それが目的か」

梓「えっ、嘘ついたら何も貰えないんですか?
 いやあ嘘はよくありませんね、それじゃ二人目いこう!」

純「その元気が、私には怖い」

6: 2012/06/19(火) 18:38:50 ID:la/1nTXM0


 * * *


純(あの後、二人目の梓が泉に突き落とされました)

純(とても満足した梓は、その後)

純(“唯先輩にはお仕置きが必要だ”と言い)

純(また何処かへ行ってしまいました)

純(……そして)

梓「ほら唯先輩、こっちです」

純「性懲りもなくまた現れおった」

唯「ここにデレにゃんとツンにゃんが落ちたんだね?」

純「落とされたんですよ」

唯「えっ?」

梓「おっと手が滑りましたー!」

 「ばしゃーん!」

梓「あー、唯先輩が落ちちゃったよー」

純「落とされたんだよ!」

梓「ほら、例のアレよろしく」

純「うわー見事に利用されてるな、私」

純「……えー、あなたが落としたのは」

唯1「あずにゃ~ん!」

純「このかわ唯先輩ですか?」

純「それとも」

唯2「……どうしたの、梓」

純「このかっこ唯先輩ですか?」

梓「お仕置きのしがいがあって、私に従順な唯先輩をください」

純「そんなリクエストは受け付けてません」

梓「サービス悪いなあ」

純「こちとらサービスでやってるわけじゃないわ!」

7: 2012/06/19(火) 18:39:22 ID:la/1nTXM0

梓「……じゃあどっちでもないよ、もう」

純「ほう」

純「では、正直者の梓には本物も含めて、三人の唯先輩をあげましょう」

梓「えっ」

唯1「わーい!」

唯2「ほら、行こう?」

唯「そうかそうか、あずにゃんはそんなに私の愛が欲しいのかあ~」

梓「……純」

純「現在時刻は午後五時です。本日の営業時間は終了しました」

梓「定時で終わるとか公務員か!」

唯2「いいじゃん、邪魔者がいなくなって、さ?」

梓「へっ?」

唯1「ぐふふ、今日は寝かせないぜ子猫ちゃん!」

梓「は、はい?」

唯「それじゃあ四人で一緒に、かーえりましょ!」

梓「……大変なことになった。良い意味で」

純(……良い意味で……?)

8: 2012/06/19(火) 18:40:11 ID:la/1nTXM0


 ……その日の晩は、梓にとって忘れられない一晩になったそうな。
 何故?それを聞くのは、野暮というものです。

 まあ、それはさておきまして。
 唯と梓と唯と唯は翌日、憂にこっぴどく叱られてしまいました。

 後日、今回のことで増えた唯達は、全部泉に突き落とされたそうな。

 これ以降、二人がこの泉と再び関わることは一切無かったか?
 それを語るのは、また別の機会にしましょう……

9: 2012/06/19(火) 18:40:50 ID:la/1nTXM0


律「おお、これが噂の“増える泉”か!」

純(非常に困った)


 ‐おしまい‐

10: 2012/06/19(火) 18:42:21 ID:la/1nTXM0
企画に参加できなかったのが悔しく、短編をひとつ
やはり長編の方が好きですね、こちらとしては

では

11: 2012/06/19(火) 19:48:25 ID:yiOb6i4c0
かっこ唯とかわ唯面白い。純が困っているのもグッドです。コンパクトで良かった

12: 2012/06/19(火) 20:01:07 ID:cZ.V05/wO
乙、わろた
なにこのハーレム生成機ww

引用: 純「いずみのせい」