553: 2021/11/19(金) 19:27:22.90 ID:pYa2Z27w0


勇者「魔王は一体どこにいる?」シリーズです

最初から:勇者「魔王は一体どこにいる?」
前回:勇者「魔王は一体どこにいる?」【暁の使徒編】


 『荒野』


ダダダ ブン! ザクリ


オーガ「ガウ!!ウオォォォォ!!」ドスドス ブン!

女オーク「フン!」ガガッ

剣士「リリース!」スゥ ザクリ


オーガ「ウガ…」パクパク


女オーク「剣士強い」

剣士「牙採取しておくからあそこの馬車見て来て」

女オーク「馬車持って行くか?」

剣士「うん…使えるならね…解体は直ぐに終わるから先行ってて」

女オーク「分かった…」タッタッタ


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『馬車』


ゴソゴソ ドサリ


剣士「何か使えそうな物は?」

女オーク「傷んだ樽と箱…汚れた布だ」

剣士「車輪が一つ無いなぁ…何処行っちゃったんだろう?」

女オーク「使えないか?」

剣士「うーん…2輪に改造すればなんとかなる…1輪予備にしよう」

女オーク「馬車横に倒す…」グググ ドサ

剣士「ハハ君は力持ちだ…すごいな」

女オーク「車輪外す」グイ ガコン!

剣士「その金属の留め具無くさない様に…」

女オーク「ヤクの毛皮と骨落ちてる…これ使う」

剣士「毛皮を切りそろえてなめしておいて?…骨は後で道具作る」

女オーク「任せろ…」ザクザク

剣士「フフもう少し話し方が女らしくなれば満点だ」

女オーク「女らしく…分からない」

剣士「えとね?語尾に…わ…とか…ね…を付けるんだよ」

女オーク「やってみる…わ?」

剣士「そうそう!そんな感じ…続けて言って見て」

女オーク「やってみるわ…」

剣士「まぁ…ちょっと不自然だけど慣れれば良いと思う」

女オーク「おっけ…やってみるわ」

剣士「おおおお!!今の感じ!!」

女オーク「フフ…」


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554: 2021/11/19(金) 19:28:05.53 ID:pYa2Z27w0
トンテンカン


剣士「よっし!!2輪馬車完成!!フンッ」グググ ドサ

女オーク「剣士も力強いわね」

剣士「これくらいはね…その毛皮乗せよう」

女オーク「乗せるね?」ドサ

剣士「樽と箱も持って行こう…よっこら!」ドスン

女オーク「水を汲みたいわ…」

剣士「休憩所が何処にあるか分からないんだよね…アロエの種が有ったらなぁ…」

女オーク「私は水浴びもしたい」

剣士「そうだよね?宿屋で水浴び出来なかったし…海まで行くのもなぁ…」

女オーク「日が落ちる前に休憩所あれば良いね」

剣士「ヤク繋いで移動しよっか」

女オーク「ヤクの鞍に馬車の柄を乗せるので良い?」

剣士「うん…僕達が乗るよりよっぽど軽い筈だからヤクも疲れないと思う」

女オーク「おっけ!」

剣士「フフ僕の真似?」

女オーク「おかしい?」

剣士「まぁね?でもそのままで良いよ…ヘンテコな話し方も良い感じさ」

女オーク「私ヘンテコか?」

剣士「いや…多分僕の話し方がヘンテコなんだ」

女オーク「ヘンテコ…」

剣士「アハハハヘンテコだなぁ…」


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555: 2021/11/19(金) 19:28:41.58 ID:pYa2Z27w0
『休憩所』


ブモモー ガタゴト ガタゴト


剣士「やっと見つけたぁ!!今日はここで寝よう」

女オーク「古いキャンプ跡があるわ?」

剣士「あんまり人が通らないんだね…まぁ誰も居ないなら水場も使い放題じゃない?」

女オーク「私水浴びしたい」

剣士「うん…僕は周りにどんぐり植えて虫除けの方陣貼って来る」

女オーク「虫除け?」

剣士「そうだよ…安心して寝られる様に虫に守らせるんだ」

女オーク「今日はゆっくりして良いの?」

剣士「でもね?クヌギの木の皮剥いで馬車を補強した後ね…オーツ麦の種も収穫したい」

女オーク「分かったわ…毛皮は私が洗う…その後ゆっくりする」

剣士「じゃ水浴び行っておいで」


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556: 2021/11/19(金) 19:29:16.20 ID:pYa2Z27w0
『1時間後』


トンテンカン トンテンカン


剣士「よっこら…せと!!」ドサリ ガサガサ

剣士「これで寝床は快適だ…布がもう少しあったらなぁ…」

女オーク「水浴び終わった…毛皮乾かす…火を焚いて良い?」

剣士「おっけ!!って…なんで全裸なの?」

女オーク「着る物全部洗った…誰も見る人居ない」

剣士「いや…僕が居るじゃ無いか」

女オーク「剣士には見られても良い…剣士私の体全部知ってる」

剣士「ちょちょ…焚火は僕が焚くから馬車の中に入っててよ」

女オーク「私隠れる?」

剣士「裸でウロウロするのは良くない…隠れてて」

女オーク「剣士は水浴びしないの?」

剣士「後で行くよ…僕も灰で真っ黒だし」

女オーク「ここの水場は湧き水だから綺麗…とても気持ち良い」

剣士「それは楽しみだ」

女オーク「剣士も着てる物全部洗うと良い」

剣士「うんそうする」


チッチッ シュボ モクモク


女オーク「剣士は炎の魔法は使わないの?」

剣士「触媒が無いのさ…まぁ火を起こすのは拾った火打石で十分だよ」

女オーク「綺麗な水ある…オーツ麦を葉に包んで蒸すおいしい」

剣士「お!?良いね…作ってくれる?」

女オーク「私やる…剣士水浴び行って良い」

剣士「わかった!!行って来る…楽しみだなぁひゃっほーい」シュタタ

女オーク「ウフフ…」

557: 2021/11/19(金) 19:29:50.86 ID:pYa2Z27w0
『焚火』


メラメラ モクモクモク


女オーク「オーツ麦出来てる…食べる?」

剣士「うん…君は味見した?」

女オーク「まだ…」

剣士「待っててくれたか」

女オーク「ウフフ…剣士も裸」

剣士「全部洗って来たよ…真っ黒だった」モジ

女オーク「恥ずかしいか?」

剣士「そりゃ恥ずかしいさ…なんかこんな荒野で2人裸なのは変だよ」

女オーク「これ食べて…」スッ

剣士「おぉ!!ホクホクだぁ」モグ

女オーク「美味しい?」

剣士「すごい久しぶりに調理した物を食べる…美味しい!」モグ

女オーク「焼いたどんぐりもある」スッ

剣士「殻も剥いたんだ?」ホクホク

女オーク「…」ニコニコ

剣士「君も食べたら?」

女オーク「うん…」パク ハムハム

剣士「む…牙が無いと食べ辛い?」

女オーク「少し…」ハムハム

剣士「知らなかった…オークは租借が苦手なのか」

女オーク「普通は牙で砕いて食べる…牙無いから食べ方分からない」

剣士「そう言えば硬いクルミとか食べるんだっけ…犬に似た感じなんだ」

女オーク「でも大丈夫…ちゃんと食べられる」ハムハム

剣士「フフ原始時代はこんな感じで木の実を食べていたんだろうなぁ…」モグ

女オーク「美味しいね」モグ



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558: 2021/11/19(金) 19:30:24.66 ID:pYa2Z27w0
ズズーン


女オーク「え!?何?」スック

剣士「あぁ心配無い…遠くでワームが動いたんだ」

女オーク「ワーム?」

剣士「地生昆虫だよ…ワームに守られてるから僕達は安全だよ」

女オーク「ふぅ…そういう事ね」

剣士「毛皮なかなか乾かないね…今日はもうダメかな…」

女オーク「剣士?来て…」

剣士「んん?馬車?寝る?」

女オーク「ウフフ…」グイ

剣士「おととと…こりゃ葉っぱで隠さないと恥ずかしくてさ」

女オーク「私剣士と繋がるとき一番幸せ…他に何も要らない」

剣士「まいったな…ハハ」

女オーク「繋がるする私何回も気持ち良い…もっともっとしたい」

剣士「馬車で?」

女オーク「うん…」ニコ

剣士「まぁ良っか!このまま寝るか!!」グイ

女オーク「朝までずっと繋がってて良い…」

剣士「寝ない気?」

女オーク「冗談ウフフ…行こ」グイ


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559: 2021/11/19(金) 19:30:56.20 ID:pYa2Z27w0
『翌朝』


ヒュゥゥゥ サラサラ


剣士「朝日登っちゃった…ゆっくりし過ぎたか」

女オーク「剣士!着る物渇いてるよ」ポイ

剣士「あぁありがとう」パス

女オーク「毛皮も乾いてる…」ドサリ

剣士「あれれ?暗くて気付かなかった…君髪の色も薄くなってる…茶色だと思ってたけど赤毛なんだ…」

女オーク「昨日洗ったから…」

剣士「荷物は全部積んでくれたんだね?」

女オーク「水も汲んだ」

剣士「やる気満々だね」

女オーク「昨夜癒されたから…」

剣士「癒された?」

女オーク「剣士の満足そうな顔で癒された…私も満足した」

剣士「ハハぐっすり寝たよ…そんなので癒されるんだ」

女オーク「ウフフ…もう行く?」

剣士「あ…着替えたら行く…ちょっと待って」ゴソゴソ

女オーク「ヤク繋ぐね」タッタ

剣士「…」---大分人間らしくなってきた---

女オーク「揺れるよ?」グイ

剣士「どわぁ!!」ヨロ ドスン

女オーク「あ…」

剣士「2輪の馬車だから持ち上げ過ぎに注意して…ててて」

560: 2021/11/19(金) 19:31:31.72 ID:pYa2Z27w0
『数日後_商隊』


ガヤガヤ ガヤガヤ

あのデカイ女中々良さそうじゃんか

2人で旅してんだありゃ相当やり手だぞ?

ダメだ手ぇ出したら反撃食らうぞ?


剣士「…休憩所に丁度商隊が居て良かった…種無いか見て来る」

女オーク「お金は?」

剣士「オーガの牙が売れるんだ…そのお金で欲しい物買える」

女オーク「私も行く…キノコとか食材あるともっと美味しい料理作れる」

剣士「じゃぁ一緒に行こうか…おいで」グイ


旅商人「旦那ぁ!!2人で旅してんのかい?スゲーな?」

剣士「ハハまぁね?」

旅商人「何か欲しい物があるなら馬車覗いて行ってくれ」

剣士「このオーガの牙買い取って貰えるかな?」

旅商人「うお!!牙10本!!旦那達が狩ったんか?」

剣士「まぁね…」

旅商人「10本も買い取るだけ持ち合わせが無い…2本で40銀貨…どうよ?」

剣士「おけおけ…それで良い」ポイ

旅商人「がはは言って見るもんだな…こりゃキ・カイで高値で売れるんだ」ジャラリ

剣士「よーし…馬車には何があるのかな」

旅商人「雑貨だな…まぁ見てってくれ」


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旅商人「…硫黄に砂鉄…種と油に布…旦那は錬金術師かい?」

剣士「シン・リーンの魔術師だよ…触媒が無くてね」

旅商人「ほええ…てことはもう一人の大きな女は戦士って訳か…そりゃオーガも狩れるわな」

剣士「これ全部でいくら?」

旅商人「銀貨30でどうよ?」

剣士「おけおけ!!」ジャラリ

旅商人「毎度ぉ!!いやぁぁ今日は儲かるな…なんならオーガの牙もう一本買い取っても良いぜ?」

剣士「アハ…お願い」ポイ

旅商人「ほい!銀貨20」ジャラリ

剣士「まだ買い物出来るな…他の馬車も見て来る」

旅商人「おう!!旦那みたいな客を皆待ってるぜ?ウヒヒ」

561: 2021/11/19(金) 19:32:01.42 ID:pYa2Z27w0
『武器屋』


武器商人「らっしゃい…あんたはこのべっぴんさんの連れかい?」

剣士「うん…女オーク?何か良い物ある?」

女オーク「私ナイフ欲しい…ナイフあれば調理ラクになる」

剣士「僕も欲しいな…そうだハンマーも欲しい」

武器商人「あるよ~ホレ?炭素鋼のナイフだ買っていくかい?」

剣士「このナイフ2本と鉄のハンマーでいくらになる?」

武器商人「ナイフ一本銀貨5枚…ハンマーが10枚…合わせて20枚だ」

剣士「おっけ!!」ジャラリ

武器商人「おぉぉこんな所で商売出来るとは思わんかった…持って行きな」ポイ

女オーク「あと食材買う…お金あるか?」

剣士「あと銀貨10枚…十分だよね?」

女オーク「私に任せて…銀貨頂戴」

剣士「うん…」ジャラリ

女オーク「買い物フィン・イッシュでやった事有る…今もっと話せるから試したい」

剣士「イイね…見ててあげる」

女オーク「ウフフ…」



『食材屋』


食材商人「ういぃぃ…この馬車は食い物積んでんだ…買うんか?」

女オーク「中を見て良いか?」

食材商人「欲しい物あるなら籠ん中入れてくれ…秤り売りだでな?」

女オーク「芋と人参…乾しキノコ」

食材商人「ニンニク買って行かんか?沢山あるで安いぞ」

女オーク「じゃぁニンニクも…それから…む?この実は何の実」

食材商人「あぁそれはケシの実だ…そいつはちっと高いぞ」

女オーク「剣士!ケシの実ある…要るか?」

剣士「ケシの実かぁ…錬金術の材料になるけど僕には必要無いなぁ…」

女オーク「分かった…後は木の根…何の根?」

食材商人「そりゃゴボウだ…あんたら肉は要らんのか?」

女オーク「肉は食べない」

食材商人「けっ…何だよ根菜ばかりか…えーと全部で銀貨4枚」

女オーク「はい…」ジャラリ

食材商人「あんたらデカイ体してベジタリアンかよ…てっきり肉をがっつり買っていくと思ったわ」

女オーク「これで十分!ありがとう」


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562: 2021/11/19(金) 19:32:33.19 ID:pYa2Z27w0
『馬車』


タッタッタ


剣士「残りの銀貨で布のローブ買って来た…これで灰で汚れない」ファサ

女オーク「お揃いね?」

剣士「フード被って見て?」

女オーク「…」ファサ

剣士「…」ファサ

女オーク「思い出したわ…こんな格好してキ・カイで買い物した」

剣士「そう!!それが言いたかった…あとマスクがあったら昔と一緒!もう一回キ・カイで買い物しよう!!」

女オーク「剣士目がキラキラしてる…」

剣士「分かる?なんでだろう?君と居るとすごく楽しい」

女オーク「私も嬉しいわ」ニコ

剣士「僕さぁずっと魔術の修行してて色んな事忘れてた…失った時間を今取り戻してる」

女オーク「良かった…本当に剣士を見つけられて良かった」

剣士「ずっとこんな生活でも良い気がしてきたよ」

女オーク「…」ジー

剣士「あれ?どうしたの?何かおかしい?」

女オーク「剣士昔と同じ…かわいい」

剣士「ちょっと止めてよ…かわいいって男に対しておかしいよ」

女オーク「かわいい…撫でたい」ナデナデ

剣士「ちょちょちょちょちょ…」

女オーク「ウフフ…」ムギューーー

剣士「ちょい暑苦しいって…」ジタバタ



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563: 2021/11/19(金) 19:33:02.27 ID:pYa2Z27w0
【古都キ・カイ】


ザブン ガコン ギギギー


おーし!!下船準備だぁ

船乗りは荷下ろしを始めてくれぇ

ヤードに降ろしたら解散して良い


僧侶「よっこら…よっこら…」ノソノソ

盗賊「はぁぁぁ…とうとう傭兵の仕事終わっちまったな?お前等どうする?お宝売るなら買い取れる奴紹介するぜ?」

ハンター「お願いしようかな?特に宛てがなくて一先ず宿屋に行こうと思って居たんだ」

盗賊「おぉ!!宿なら心配要ら無ぇぜ?」

ハンター「それは助かる…持ち合わせも少なかったし」

魔法使い「またこき使われないでしょうね?」ジロ

盗賊「ヌハハ訓練はもう無しだ…いやしかしお前等のお陰で楽しい航海だったわ」

魔法使い「もう帆の出し入れは懲り懲り…」

盗賊「大分スマートになったじゃ無ぇか!手ぇ抜くとまたブタに戻るぞ?」

魔法使い「ブタ!?ちょっと失礼よ!!」

ハンター「まぁまぁ無事に航海が済んだんだから良いじゃない?」

魔法使い「僧侶聞いた?私達の事ブタだって!!」

僧侶「ブヒ…」

盗賊「荷馬車用意させっから荷物はそこに積んでくれ…寝泊まり出来る所まで運んでやる」

ハンター「魔法使いは荷物が多いから早く運ぼうか」

魔法使い「あ!!ポーションは売り物だから気を付けて」

ハンター「分かったよ」

564: 2021/11/19(金) 19:33:32.90 ID:pYa2Z27w0
『荷馬車』


ドサ ゴソゴソ


魔法使い「これで最後よ…よいしょ!」シュタ

ハンター「お?やっぱり訓練のお陰で足取り軽そうだね?」

魔法使い「ロープ撒くのに比べたら随分軽作業ね」

僧侶「ほっ!!」ピョン クルリン シュタ

盗賊「ようし!乗ったな?出すぞ…」グイ


ヒヒ~ン ガタゴト ガタゴト


盗賊「僧侶は体が小さいから訓練で見違える効果が出たな?」

僧侶「分かるですか?」

盗賊「脚力が付いて体重絞られてんだ…そら早くなるわ」

僧侶「私は小さくても戦士出来るですかね?」

盗賊「速さ生かせば良い…ガチンコじゃ当たり負けするが…小さい分ちょこまかとな?」

ハンター「僧侶はレイピアが合ってるね」

盗賊「うむ…教えたエペギャルドをしっかり反復しとけよ?」

僧侶「蝶の様に舞って…蜂のように刺す!!でしゅね?」

盗賊「ヌハハまぁそれで良い…しかしまぁキ・カイは本当埃っぽい街だな…空気が悪りぃ」

魔法使い「火山灰がねぇ…」

盗賊「大分マシにはなったんだがどうもここに住む気にはならん」

ハンター「地下の方は?」

盗賊「お前下水道に住みたいと思うか?」

ハンター「なるほど…海の方がマシか」

盗賊「うむ…お天道様の下のが気持ち良いだろ?そう思ってる奴が船買うんだ」

ハンター「…という事は船は高いって言う事かな?」

盗賊「お前等の持ってるお宝で買えん事も無いが時期を待った方が良いだろうな」

ハンター「気球を買うのが先かぁ…」

盗賊「気球はよ…置き場所に困るんだ…買うなら大型のやつ買って住める様にするだな」

魔法使い「住めた方が良いわ?ハテノ村行っても初めは済む場所に困るでしょう?」

盗賊「お?お前等ハテノ村行くんか…昔行った事あんぞ」

ハンター「僕達はハテノ村の出身なんだ…故郷に帰るっていう感じだよ」

盗賊「あそこは火山が近い…今どうなってんだろうな…」

ハンター「このお宝で復興させようと思ってる」

盗賊「おぉそりゃ良い目標だ!酒場出来たら飲みに行ってやる」

僧侶「私が酒場の店長やるです」

盗賊「ほーう?楽しみだ」

565: 2021/11/19(金) 19:34:00.46 ID:pYa2Z27w0
『商人ギルド』


ワイワイ ガヤガヤ

買い取りあっち!商隊こっち!

競売の受付は向こうね!


盗賊「よう娘達!帰って来たぜ?」

受付「あ!!盗賊…良かった物資少なくなってたんだ…商船の荷物上げてる?」

盗賊「ヤードに上げた…予定通り品目揃ってる」

受付「よしよし…若い衆に取りに行かせる」イソイソ

盗賊「ところで客を3人連れて来たんだ…上の部屋空いてるか?」

受付「ガラガラだから好きにして」

盗賊「あとよ?商人どうしてる?下に居んのか?」

受付「相変わらず籠りっきり…呼んでも出てこないよ」

盗賊「ちっとな…超高額取引があんのよ…上で待ってるから取り次いでくれ」

受付「超高額ってどんくらい?」

盗賊「んんんん…ハッキリ言って分からん…ただな超古代の品物だ」

受付「アハハ商人の動かし方分かってるね?」

盗賊「頼むわ…俺は3人を上に案内してくる」

566: 2021/11/19(金) 19:34:44.69 ID:pYa2Z27w0
『大部屋』


ガチャリ バタン


盗賊「この部屋使って良いぞ…て散らかってんな」

ハンター「こんな良い部屋を自由にして良いの?」

盗賊「ここは取引待ちの商人達が使う部屋なんだ…んぁぁ食いカスが散らばってんなアイツも使ってんのか」

ハンター「アイツ?」

盗賊「お前等のお宝を買い取れる奴だ…名前は商人て言う」

僧侶「片づけるでし…」スタタ

魔法使い「あれ?この薬品って…」

盗賊「それは残しておいてくれ…多分エリクサーだ」

魔法使い「ええ?スゴイ…ここでエリクサーの調合を?」

盗賊「お前錬金術師だったな?エリクサーの作り方教えてやるか?」

魔法使い「あなた知ってるの?」

盗賊「まぁな?昔大量に作らされた」

魔法使い「知りたい!!」

盗賊「ようし…いくらで買う?」

魔法使い「うっ…」

盗賊「俺と一晩付き合うか?」

魔法使い「ムリ!!爺はムリ!!」

盗賊「ケッ…尻の青い女なんざ興味無ぇ!!そうだな…もうしばらく傭兵ってのはどうだ?」

魔法使い「う…うむむむ」

僧侶「商談成立~♪」

盗賊「ヌハハ訓練楽しみだな?」

魔法使い「ぐぬぬぬ…早く教えて」

盗賊「材料がだな?クヌギの樹液と松脂…ほんで蒸留酒…あと添加物にアレとコレと…」


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567: 2021/11/19(金) 19:35:18.78 ID:pYa2Z27w0
魔法使い「…フムフム…全部の工程を蒸留して作るのね?」

盗賊「只な?クヌギの樹液が入手しづらい上に大量に必要になるんだ」

魔法使い「クヌギ以外で試したことは?」

盗賊「俺ら素人だからよ…言われた通りにしか作った事無ぇ」

魔法使い「応用が利きそう…代替品で似た効果を持たせる事が出来るかもしれない…」

盗賊「まぁそっから先はお前の仕事だ」

魔法使い「…そうか蒸留で不要な成分を分けて反応させるのね…毒と毒を打ち消すのも割合の問題かぁ…」


ガチャリ バタン


商人「やぁ!!話し聞いて飛んできたよ」

盗賊「おぉ商人!!相変わらずだな?」

商人「この3人がお客さんかい?」

盗賊「まぁフードで顔隠さんでも良いぞ?あやしい奴らでは無い」

商人「一応用心しているのさ…それで取引したい物はどれかな?」

盗賊「まぁ慌てんな…紹介する…こいつがハンター…職業は俺と同じお宝ハンターだ」

ハンター「どうも…」ペコリ

盗賊「ほんでこっちの2人が魔法使いと僧侶…俺のペットだ」

魔法使い「ペット!?え…なんでそうなってるの?」

商人「ハハよろしく…僕はオーナーの商人さ」

僧侶「商人さんは極悪闇商人なのですか?」

商人「極悪とはヒドイなぁ…まぁでも闇ルートの取引が専門だよ」

盗賊「お前等…例のトレジャーボックス見せてやれ」

ハンター「あ…うん…ちょっと待って」ダダ

商人「そうそう…紹介忘れてた…この子が僕の相棒さ…ラヴって言うんだ」

機械の犬「ワン…」フリフリ

魔法使い「機械の犬…ね」

商人「馬鹿にしないでね?僕達の誰よりも賢いから」

僧侶「かわいいですぅ~触っても良いでしゅか?」

商人「構わないよ…悪戯しないでね」

機械の犬「クゥ~ン」トコトコ

ハンター「持ってきたよ…」ガチャガチャ カチャリ

盗賊「驚くなよ?この若さでがっつり宝持っていやがる」


パカッ 

568: 2021/11/19(金) 19:36:28.45 ID:pYa2Z27w0
商人「へぇ?魔石が沢山あるじゃ無いか…スゴイね」

盗賊「それじゃ無ぇ…金貨あんだろ…4枚」

商人「…これか」スッ

盗賊「何だか分かるか?」

商人「ラヴおいで…この金貨いつの時代の金貨か分かる?」

盗賊「お?会話出来るんか?」

商人「イエスかノーの2択だけだけどちゃんと意思は通じるんだよ…ラヴ?この金貨は価値有りそうかな?」

機械の犬「ワン!」

商人「おぉ!!ちょっと一枚貸しておいてもらって良いかい?」

ハンター「うん…構わないよ」

商人「調べるのに少し時間が掛かるだろうからゆっくりしておいて」

盗賊「商人!それとよ?このお宝で気球が買いたいんだとよ」

商人「ええと…こういうのはどうかな?魔石は全部僕が買い取る…その代わり気球を手配してあげる」

盗賊「大型の気球が良いらしい」

商人「ハハそれなら問題無い…魔石が不足してて大型の気球は運用しにくいから安くなってる」

盗賊「木材の不足か?」

商人「そうだね…木材が無いから魔石で代替してるんだけど絶対量が足りてないんだよ」

ハンター「気球買っても飛べない?」

商人「石炭はあるから心配しなくて良い…買える場所が限定されるだけだよ」

ハンター「なるほど…長距離飛行が出来ない感じか」

商人「そう」

魔法使い「ハテノ村は石炭も採れるから大丈夫」

商人「君たちはハテノ村に行きたいんだ?」

ハンター「うん」

商人「ちょうど良いな…硫黄の取引相手が増えそうだ」

ハンター「硫黄?」

商人「硫黄を流通してくれたら生活の保障はしてあげるよ」

ハンター「おぉぉ!!石炭で気球動かして硫黄を運ぶ…その代わり食料を貰う」

商人「そうそう…そういう感じ」

僧侶「復興出来るでし!!」

商人「話は纏まったね…まぁゆっくりしておいて良いよ…じゃぁ後で」スタ



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569: 2021/11/19(金) 19:37:00.98 ID:pYa2Z27w0
魔法使い「私はポーションと岩塩を売ってお金を稼いでくる」

僧侶「盗賊さん…酒場に遊びに行きませんか?」

盗賊「おお?そりゃ願っても無い話だ…ちっと行くか?」

ハンター「僕は荷物の整理しておくから行って来て良いよ」

盗賊「よっし!肩車してやる…乗れ」グイ

僧侶「はいなー」ピョン シュタ

盗賊「揺れるぜ?しっかり掴まっとけ!!」ダダ

僧侶「うほほーい」

魔法使い「あの2人…酒好きの親子みたい」ボソ

ハンター「相性良いんだろうね?立ち合いも良くやってたし」

魔法使い「さてと!!ポーションいくらで売れるか楽しみ♪」

ハンター「もう持ち合わせ無いから君の稼ぎが頼りだよ」

魔法使い「任せて!!今度のポーションは自信あるから」

ハンター「疾病予防だっけ?」

魔法使い「疾病遅延効果も乗せたの…黒氏病に効く筈」

570: 2021/11/19(金) 19:37:33.12 ID:pYa2Z27w0
『酒場』


ドゥルルン~♪

…月の裏側を夢て彷徨う僕らは~♪

黄昏の向こう側にある暁を探す夢の旅人~♪

この星のこの僻地で君を呼ぶ…風に乗せ~♪


盗賊「はぁぁぁやっぱこの雰囲気よ…」

僧侶「降ろしてくだしゃい!」

盗賊「おぉ悪い悪い…」

店主「いらっしゃいませ盗賊さん」

盗賊「景気良さそうだな?」

店主「お陰様で…ハチミツ酒入荷しました…盗賊さんが運んでくださったのですね?」

盗賊「ヌハハバレたか…」

店主「飲んで行かれますか?」

盗賊「ハチミツ酒はたらふく飲んで来た…そうだな芋で作ったアレくれ」

店主「かしこまりました芋酒をご用意致します」

盗賊「僧侶!お前は何飲む?」

僧侶「同じで良いでし」

店主「お若いですね?お子様でしたか?」

盗賊「そんな様なもんだ…中々酒に強くてな見所がある」

店主「それはそれは…」

盗賊「ところで何か面白い話聞けて無いか?」

店主「キ・カイ近隣に新しく古代遺跡が発見されたくらいですかね?」

盗賊「ほう?10年前から調査されてるやつの関係だな?」

店主「そうです…その付近の調査で傭兵の募集もありますよ」

盗賊「ミサイルっつったけな?クソでかい砲弾が北の大陸まですっ飛んでったんだよな?」

店主「キ・カイの地下ではそういう遺物の探索で盛り上がっていますね…ただオークが襲ってきて危ないとか」

盗賊「ちっと俺も稼ぎに行きてぇな」

店主「チカテツ街道は全部封鎖されていますが1番街道だけ抜け道があるらしいです」

盗賊「おぉ!!そういう情報はありがてぇ」

店主「一番街道のアクセサリー商人にお金渡せば教えてくれるとの事」

盗賊「聞いたか?僧侶!ワクワクしてくんな」

僧侶「はひー」グビ プハァ



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571: 2021/11/19(金) 19:38:05.89 ID:pYa2Z27w0
魔法使い「居た居た…もう!探したんだから!!」

盗賊「おぉお前も飲みに来たんか?」

魔法使い「商人が僧侶を呼んで居るのよ…」

僧侶「ほえ?私に何の御用でしゅかね?」

魔法使い「なんかね?あの金貨と宝石を入手した経緯を詳しく記したいみたい」

盗賊「ほう?やっぱ何かありそうだな?」

魔法使い「どうも金貨自体の価値は重さに比例するだけだけど…どうやって保存されていたかの情報の方が価値が高いみたい」

僧侶「金貨は私が拾ったです」

魔法使い「うん…詳細の地図と記録を書いて欲しいだって」

僧侶「わかったです」

盗賊「そういう事なら戻って良いぞ?ただな?明日はお宝探しに行くからそのつもりでいろ」

魔法使い「え!?どういう話?」

盗賊「まぁ明日話す…先に商人の件を片付けて来い」

魔法使い「そう…僧侶いくわよ」グイ

僧侶「はいなー」スタタ

572: 2021/11/19(金) 19:38:53.37 ID:pYa2Z27w0
『商人ギルド_大部屋』


ガチャリ バタン


商人「あー戻って来たね…お楽しみの所済まないね」

魔法使い「ハンターは地図と遺跡の見取り図書けた?」

ハンター「うん…あとは石棺の位置と…覚えて居る限りの宝石の場所…それから金貨の場所」

僧侶「覚えてるですー…えーと」カキカキ

魔法使い「私も拾った分書き加えるわ…ハンターちょっと宝石並べて」

ハンター「うん…」ゴソゴソ



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ここの部屋に壁画があったんだね?

そうだよ…こんな感じの画だった

出来る限り詳しく書いて

フムフム…よしこれは高値で取引できる

宝石を一つづつ見取り図に接着しよう…これ使って

樹脂でしゅか?

うん…それで石棺の位置に宝石を固定して


商人「僕はその見取り図を羊皮紙に書き写すから気付いた事をどんどん書き足して」

ハンター「そうだ!天井は全部岩塩だった…」

商人「そういう気付きだよ…高さとか温度とか…何でも良い…兎に角情報があればあるだけ良い」

僧侶「小人のミイラも居たですね」

商人「小人?どれくらいの?」

ハンター「手のひらに乗るくらいだよ…」

商人「ノームか…」

魔法使い「オークのミイラもあったわよ?」

商人「どういう事だ?接点が無い筈なのに…まさかノアの箱舟じゃないよな?…イヴ!どう思う?」

機械の犬「クゥ~ン」

商人「分かんないか」

573: 2021/11/19(金) 19:39:24.47 ID:pYa2Z27w0
魔法使い「この見取り図をどうするつもり?」

商人「この原本は誰にも渡す気は無いよ…僕が写してる写本を使ってキ・カイ国と取引きさ」

魔法使い「取引き?何と?」

商人「キ・カイではね新しい遺跡がいくつか発見されてるんだ…そこに立ち入って有利に事を進めたい」

僧侶「お宝さがしでしゅね?」

商人「そういう事になるかな…」

ハンター「この金貨はどうするの?換金できない?」

商人「うーんまず買い取れる人が居ないんだ…かと言って安く売るのは勿体なさ過ぎる」

ハンター「取引で見せる為に使う…そういう事だね?」

商人「それが一番良い使い方だね…1つは貸しておいて欲しい…あと3つは3人で分けてお守りにでもしたら良い」

僧侶「この金貨はどう珍しいですか?」

商人「約6000年前に流通していた金貨だよ…それがどうして北の大陸に有ったのかという情報に価値がある」

ハンター「なるほど…欲しい人に情報を売るのか」

商人「でもね?情報を売ったとしてもカードはここに在る…この宝石だよ…だからこれは絶対に売らない方が良い」

ハンター「危なかったね…売っちゃう所だった」

僧侶「装飾品は一つ売っちゃったですね…金貨10枚でした」

商人「どんな装飾品?もしかして指輪?」---まさか祈りの指輪じゃないよな---

僧侶「首飾りでし…宝石は付いて居なかったでしゅ」

商人「まぁ売った物はしょうがない…多分歴史的価値が相当高い物だよ」

ハンター「ドーーーン…うぅぅ」

魔法使い「あぁぁケチケチ病が始まった…」

574: 2021/11/19(金) 19:39:53.14 ID:pYa2Z27w0
『夜』


ガチャリ バタン


盗賊「うぃぃぃ帰ったぞ…」ヨロヨロ ドタ

魔法使い「あら?同じ部屋?」

盗賊「俺の寝床確保すんの忘れてたんだ…細かい事は言いっこ無しなヌハハ」

僧侶「お酒臭いですぅ」

盗賊「お前が居無ぇから酒がマズくなった」

僧侶「私は酒の肴でしゅか?」

盗賊「娘と酒を飲む楽しみってのがだなムニャ…てかまだ地図書いてんのか?」

僧侶「もうすぐ終わるです」

盗賊「商人何処行った?」

魔法使い「下に戻って行ったわ…遺跡の見取り図の写し作るって」

盗賊「今書いてんのは何だよ?」

魔法使い「暁の遺跡周辺の詳細地図よ…壊れた馬車の位置とか…休憩できる場所の位置とか」

盗賊「なるほどな…全部情報を売り物にする訳だ」

ハンター「商人はそういう情報を売る商人なの?」

盗賊「おう…だから闇商人と言われてる…他にも色々知ってんぞ?」

魔法使い「最後まで顔を見せてくれなかった」

盗賊「気にすんない!そういう奴だ」

575: 2021/11/19(金) 19:40:32.83 ID:pYa2Z27w0
『翌朝』


んがががが ぐぅ


魔法使い「…」ジョロジョロ

盗賊「がらがら…げふげふっ…ふごーー」

魔法使い「どうする?このジジイ…」

僧侶「ウルサイですねぇ…目覚め草無いですか?」

魔法使い「全部使った」


ガチャリ バタン


ハンター「食事買って来たよ!パンとチーズ…それから燻した魚」ポイ

魔法使い「放っといて食べよ」モグ

ハンター「今日お宝さがし行くって言ってたよね?」

僧侶「はいー…でも盗賊さんが起きないと」

ハンター「宝石が売れないって分かったからお宝ハント行きたいなぁ」

魔法使い「ちょっと資金が心許ないね…」

ハンター「うん…君のポーションはどれくらいで売れた?」

魔法使い「岩塩と合わせて全部で金貨8枚…まぁまぁ」

ハンター「稼ぎは君頼りになっちゃうなぁ」

僧侶「ハテノ村に戻る前に100枚くらい稼ぎたいですね」

ハンター「そうだね…他の物資も必要になりそうだし」

魔法使い「ここに居れば寝泊まりタダだからポーション売って稼げば少しづつ溜まるけど…」

僧侶「チカテツ街道1番の奥に抜け道があるって言ってたです」

ハンター「その情報だけじゃ街道の奥を彷徨っちゃうな…オークも居るだろうし危ない」

魔法使い「ジジイ起こそう…」ユサユサ

盗賊「ふご?んががが…」


ガバッ!!

576: 2021/11/19(金) 19:41:05.09 ID:pYa2Z27w0
魔法使い「うわ!!」

盗賊「…」キョロ

僧侶「やったぁ!!起きたです」

盗賊「今何処だ?バリケードは作り終わったか?」

魔法使い「え!?何の話?」

盗賊「夢か…お前等…ハテノ村の子供達だな?」

ハンター「え?そうだけど…寝ぼけてる?」

盗賊「あぁぁ悪い…混乱してる…えーとここはキ・カイだな」ブツブツ

魔法使い「食事あるよ?要る?」

盗賊「水くれぇ…喉がカラカラだ」

僧侶「いびきがウルサイかったです」

盗賊「悪りぃな…すっかり寝過ごした」---何だったんだ?---


俺らはハテノ村で最後まで生き残った

バリケード作って魔物の攻撃に耐え抜いた

だが病気が蔓延した

赤毛のソバカス娘…お前覚えてるぞ

俺を庇って氏んじまった


魔法使い「はい水!!」

盗賊「おぅ…ごくっごくっ」グビグビ


まだ終わって無ぇ…

まだ生き残りが掛かってる

そうだ薬だ…薬を埋めた


僧侶「どうしたですか?固まってるです…」

盗賊「お前!!生きてるな?」ユサユサ

僧侶「盗賊さん変です~あわわ」

盗賊「生きてりゃ良い!!俺より先に氏ぬのは禁止だ」

僧侶「何の事だか分からないでしゅ…お宝さがしはどうするですか?」

盗賊「おう!そうだったな!!今から行くぞ…まず地下に降りて物資調達だ」

僧侶「ほい来た!!」

577: 2021/11/19(金) 19:41:37.96 ID:pYa2Z27w0
『商人ギルド』


ワイワイ ガヤガヤ

商隊受付けてまーす!並んで並んでー

商船に乗る人は向こうで受け付けて


盗賊「娘!ちっと俺ら2~3日留守にする」

受付「ええ?もう行くの?」

盗賊「商人に伝えといてくれ」

受付「何処行くの?」

盗賊「地下に降りて遺跡探索だ…お宝探しよ」

受付「あっそ…ほんで気球の買い付けは進めてて良いんだね?」

盗賊「おう!でかい奴な?」

受付「しばらく掛かると思うからそのつもりで居て」

盗賊「わーってるわーってる…じゃ行って来るな?」ノシ


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578: 2021/11/19(金) 19:42:08.27 ID:pYa2Z27w0
盗賊「お前等金どれぐらい持ってる?」

ハンター「僕と魔法使いの金貨合わせて10枚くらいだよ」

僧侶「私も豪族から取った金貨5枚あるです」

盗賊「ふむ…俺のと合わせて全部で20枚か」

魔法使い「どうする気?」

盗賊「ちっと情報持ってる奴に金を渡さにゃならんのだが…」

魔法使い「えええ…そんなのに使うのイヤ」

僧侶「盗賊さんあまりお金持って無いのでしゅね」

盗賊「俺は全部使っちまう性分でな」

魔法使い「ハンターとは逆ね」

ハンター「ハハ倹約家と言って欲しい」

魔法使い「あなたはケチなの!どケチ!」

盗賊「まぁなんだ…傭兵契約は解除すっから金貨5枚ほど工面してくれ…金はエリクサー作って稼げな?」

魔法使い「う…人の弱みを…」チャリン

盗賊「ようし!金貨10枚も握らせりゃ抜け道はなんとかなる…後は2~3日分の食料と物資だ」

ハンター「行く場所は分かってる?」

盗賊「おう!チカテツ街道の地図持ってんだ…見ろ…1番の奥のこの区画に開かない扉があるらしい」

ハンター「おぉ!!」

盗賊「そこまで行くのにトロッコを使う…片道5時間だな」

魔法使い「オークは出ない?」

盗賊「ゾンビの巣窟なんだとよ…20年前の闇の時に氏んだ連中がその辺で彷徨ってる」

僧侶「ゾンビなら自信あるです」ズイ

盗賊「俺はもう歳だから宛てにすんなよ?お前等がメイン戦力だ」

魔法使い「あーーなんかやる気出て来た」

盗賊「ほーう?お前は期待されると力出すタイプか…槍術を発揮してみろ」

ハンター「久しぶりのお宝ハント…楽しみだ」

盗賊「俺もだ…よし地下に降りてチカテツ街道1番に集合な?物資調達は各自…昼過ぎには出発するぞ」

僧侶「はいなー」

盗賊「じゃ…後で」ノシ


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579: 2021/11/19(金) 19:42:36.99 ID:pYa2Z27w0
『チカテツ街道』


ガヤガヤ ガヤガヤ


盗賊「しかし良くこんな所に住んでんな」

僧侶「外より埃っぽく無いでし」

盗賊「見て見ろ…ゴミがそこら中にあんだろ…本当下水だわ」

僧侶「ハンターさんと魔法使いさん遅いでしゅねぇ」

盗賊「ハンターはケチな分買い物が遅い…魔法使いは無駄使いが多い…こんな感じだろ」

僧侶「当たりです」

盗賊「お前は食料ちゃんと買ったか?」

僧侶「種でし!!」ビシ

盗賊「種食うんか?」

僧侶「成長魔法で育てるです」

盗賊「おぉ!!そりゃ良いな…肉は育たんか?」

僧侶「大豆が肉の代わりです…上手に焼けば肉の味がするです」

盗賊「こりゃお前と2人でも行けたかも知れんな」

僧侶「戦いは苦手なのでハンターさんと魔法使いさんが必要でし」

盗賊「教えたエペギャルド…しっかりやれな?」

僧侶「私強くなってるですかね?」

盗賊「お楽しみにだ」


タッタッタ


魔法使い「居た居た…ゴメン遅くなったぁぁ」

ハンター「待って…ハァハァ」ヨッコラ ヨッコラ

盗賊「んあ?そりゃお宝持ち帰る用の袋か?」

ハンター「そうだよ…皆の分も」ドサ

盗賊「有って困る事は無いが…又しっかりとした革袋だな?」

ハンター「前のお宝ハントの反省だよ…袋が小さくて十分持ち帰れなかった…はい」

盗賊「お…重いな?何入ってる?」

魔法使い「水を多めに汲んであるの…これも前の反省から」

盗賊「なるほど…氏戦を抜けて来た経験か…俺は酒しか持って来て無かったわヌハハ」

魔法使い「…それで抜け道の情報屋さんは?」

盗賊「話は付いてる…抜け道通るのに一人金貨2枚で済んだ」

魔法使い「もう行ける?」

盗賊「そうだな…こんな臭い場所早い所おさらばしてぇ」

僧侶「こっちでし~」ノシ


580: 2021/11/19(金) 19:43:09.25 ID:pYa2Z27w0
『抜け道』


ピチョン ピチョン


盗賊「ようし!人数揃ったから通らせてもらうぜ?」

アクセサリー商人「キシシシシ…こっから帰って来れんですぜ?」

盗賊「構わん…表から堂々と帰って来る」

ハンター「抜け道って何処に?」

アクセサリー商人「あちしのお尻の下でござんす」

盗賊「早く蓋を開けてくれぃ…この匂いにウンザリなんだ」

アクセサリー商人「ではお気を付けて…キシシシシシシ」


パカ ギギギギギ


魔法使い「鉄の蓋…この梯子の下?」

盗賊「そうだ…降りろ!」

魔法使い「下が見えない…なんか怖いんだけど」

盗賊「ぬぁぁぁじゃぁ俺が先に降りるから付いて来い」ピョン スルスル

魔法使い「ちょっと早いって…」ピョン ヨイショ ヨイショ

盗賊「真っ暗だな…」ピカー

魔法使い「あ…見えた」

盗賊「お前魔法使いだろうが…照明魔法とか上手く使えよ…梯子が途中で切れてるからそこで飛び降りろ」

魔法使い「わぁぁぁぁ」ドスン

盗賊「だから言っただろ…怪我して無ぇか?」

魔法使い「あたたたた…」スリスリ

盗賊「照明魔法を頼む」

魔法使い「照明魔法!」ピカー

盗賊「おぉ!!槍の先っぽ光らせるんか…良いじゃ無ぇか」

僧侶「降りるでし~!!」スルスル シュタ

ハンター「僕も降りるよ~」スルスル シュタ

581: 2021/11/19(金) 19:43:36.76 ID:pYa2Z27w0
『地下通路』


ピチョン ピチョン


盗賊「ここは何用の通路なのか…」

僧侶「ずっと続いてるですね?」

盗賊「1時間ほど歩いたら上に登る梯子が在るんだとよ」

ハンター「こんな深い洞窟始めてた…これ全部人工だよね?」

盗賊「だろうな?どうやって作ったんだか…」

僧侶「骨が落ちてるでし…」

盗賊「そりゃ人骨じゃ無ぇ…多分ネズミか何かだな」

魔法使い「風が流れてる…何処かに繋がってるのかしら…」

盗賊「むむ!…そうかここは換気用の通路か…そうだな換気しないと洞窟で窒息しちまう」

ハンター「…という事はチカテツ街道の奥には全部こういう通路があるんだろうね?」

盗賊「ハハーン…大きな通路と小さな通路…この差で風起こしてんだ…スゲェ」

盗賊「まてよ…オークがいきなり侵入してくるのはこういう通路使ってんのか?」

ハンター「え…注意した方が良さそう?」

盗賊「オークが居るとは聞いて居ないが…隠れてる可能性はある…気を付けて歩け」


582: 2021/11/19(金) 19:44:09.99 ID:pYa2Z27w0
『チカテツ街道_奥』


ゴーーー カタタン カタタン


盗賊「引っ張るぞ!よいしょぉぉ!!」グイ

魔法使い「はぁはぁ…荷物背負って梯子登るの結構キツイ」

盗賊「訓練だと思えばラクだろ?」

魔法使い「まぁね…」ハァハァ

盗賊「次!!」グイ

僧侶「はいやー!」クルリン シュタ

ハンター「僕は大丈夫!」ピョン シュタ

魔法使い「遠くで聞こえるのは…トロッコの音ね?」

盗賊「他の街道でトロッコ動いてんだろ…俺らも探すぞ」

僧侶「倒れてるトロッコあるですね?あれそうですよね?」

盗賊「おぉ!!こりゃツイてるぞ?」

ハンター「どうやって使うの?」

盗賊「足元見ろ…鉄の棒がずっと連なってるだろ…ここに乗せて使うんだ」

僧侶「そこまで運ぶですか?」

盗賊「そうだな…押すぞ!」

魔法使い「ちょっと待って!!何か来る!!」


ヴヴヴヴヴヴ ズリズリ

583: 2021/11/19(金) 19:44:41.58 ID:pYa2Z27w0
ハンター「ゾンビの声だ…気を付けて」

盗賊「んぁぁ俺がトロッコ引きずるからお前等でゾンビ処理しろ」ダダ

ハンター「多い…10体以上居る」

僧侶「いつも通りで行くでしゅ…」スタタ

ハンター「分かった!僕が足止めする…魔法使いが止めを」

魔法使い「大きいゾンビも居るわ…アレは…」

ハンター「オークだ!!オークもゾンビになってる!!」

僧侶「援護お願いでし!盲目魔法!!」モクモク

ハンター「今のは!?」

僧侶「ゾンビは目が見えてないでし…一体づつ倒すです」

ハンター「おっけ!!僕は他のゾンビの足止めする」ギリリ シュン

魔法使い「このぉ!!」タタタ ブスリ

僧侶「私も!!」スタタ ブスリ


オークゾンビ「ウゴゴゴゴゴ…ウガァァ」ブンブン!!ドガ


僧侶「でし!!」ゴロゴロ

ハンター「気を付けて!!」ギリリ シュン

僧侶「あたたた…回復魔法!」ボワー

魔法使い「ハアッ!!」クルクル ブスリ


オークゾンビ「ウゴ…」ドタリ


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盗賊「お前等ぁ!!ゾンビはキリが無ぇ!!乗れ」

ハンター「矢を回収してから行く!先に乗って」タッタ

魔法使い「急いで」ダダ ピョン

僧侶「乗るです…」スタタ ピョン

盗賊「動かし始めるぞ?ハンターは飛び乗れ!!」ガコン シュコ

ハンター「間に合う!!」タッタッタ ピョン シュタ

584: 2021/11/19(金) 19:45:20.14 ID:pYa2Z27w0
『トロッコ』


ゴーーーー カタタン カタタン


盗賊「荷物はトロッコに入れとけ…背負ったまま戦うのは危ねぇ」

僧侶「はいです…」ヨッコラ

盗賊「オークゾンビの攻撃は見えてただろ?」

僧侶「はい…」

盗賊「あーいう時はな…荷物全部捨てて構わん…兎に角身の安全が最優先だ」

ハンター「思ってたよりゾンビが多い」

盗賊「うむ…俺も聞いてた話と違うからちぃと困惑しとる」

魔法使い「オークのゾンビって…聞いた事無い」

盗賊「だな?オークは病気の耐性を持ってんだ…感染でゾンビ化した訳じゃ無ぇ」

魔法使い「氏霊術…もしかしてオークシャーマン?」

盗賊「お?何か知って居そうだな?」

魔法使い「暁の遺跡に居た筈のグールが全部ゾンビにされてた…多分オークシャーマンのせい」

盗賊「ほう?てことはこの辺で何かしようってんだな?」

僧侶「さっきのオークゾンビは体が腐敗してたです…」

ハンター「グールの時とは事情が違いそうだ…もしかすると事が済んだ後かもね」

盗賊「ふむぅ…ゾンビが多い様じゃキャンプすんのも厳しいかもな」

ハンター「ゾンビは階段とか高い所に登れない…そういう場所を探せば良い」

盗賊「高い所がありゃ良いんだが…」

魔法使い「ハンターの罠で何とかならない?」

ハンター「足止め程度だね…ここじゃ穴も掘れないし」

盗賊「交代で休むぐらいしか手が無ぇ…まぁ訓練の一つだと思え…それより」

魔法使い「それより?」

盗賊「トロッコ動かすの交代しろ…中々シンドイ」

魔法使い「ええ!?又訓練?」

585: 2021/11/19(金) 19:45:55.45 ID:pYa2Z27w0
『4時間後』


カタコン カタコン


盗賊「おい!!ちょっと止まれ…なんだこの広い空間は」

ハンター「沢山キラーマシンが倒れてる…骨も一杯散らばってるよ」

盗賊「戦場跡か…ここはちょっとした拠点だったんだな?」

ハンター「見て行こうか…」

盗賊「おう!!キラーマシンは中に魔石が入ってる…回収して行くぞ」

僧侶「ゾンビの声が聞こえるです」

盗賊「僧侶と魔法使いはトロッコを守ってろ…戦利品回収して直ぐに戻る」ダダ

ハンター「僕は見える位置に居るから心配しないで」タッタ

僧侶「私が足止めするんで止めお願いでし」

魔法使い「うん…魔法も使って行くから大丈夫!」



---------------



盗賊「ハンター!!そっちのキラーマシンから戦利品回収しろ…武器も持って帰れ」

ハンター「うん…」ガチャ ガチャ

盗賊「おお!!魔石3つも入ってんじゃねぇか!!」ガチャ ガチャ

ハンター「こっちも3つ…結構大きい」

盗賊「こりゃもう元取れたぜ?」

ハンター「あっちにもキラーマシン倒れてる…行って来る」タッタ


ゴゥ ドーン


盗賊「ウハハ魔法使いの魔法だな?やっと本領出しやがった…それで良いんだゾンビ焼き尽くせ」

ハンター「任せておいて良いかな?」

盗賊「大丈夫だ…あいつら気付いて無いがゾンビ100匹来てもこなせるだけ腕上がってる」

ハンター「ハハ…さすが魔法使い」

盗賊「盲目魔法使うだけであとはチクチク刺し頃すだけなんだよ…あいつら割とポテンシャル高けぇ」

ハンター「僕は出番無いなぁ…」

盗賊「お前は鍵開けでお宝ハントすれば良いんだ…役割ってのがそれぞれあんのよ」

ハンター「うん…よし!これで魔石6個目!!」

盗賊「使える武器も拾っとけ?クロスボウは何個あっても使える!次行くぞ」ダダ



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586: 2021/11/19(金) 19:46:33.53 ID:pYa2Z27w0
僧侶「ほい!!」スパ スパ ブスリ


ゾンビ「ヴヴヴヴヴ…」ドタリ


魔法使い「へぇ?様になってるじゃない…それがエペギャルド?」

僧侶「そうでしゅ…カッコ良いですか?」

魔法使い「もう魔術師じゃないわね」

僧侶「本業は僧侶なのです」

魔法使い「あ…帰って来た」


タッタッタ


盗賊「お宝ごっそりだぜ?」ガラガラ

ハンター「魔石が全部で21個!!」ガラガラ

盗賊「奥に休憩出来そうな小部屋を見つけた…今日はそこでキャンプだ」

僧侶「トロッコここに置いとくですか?」

盗賊「戦利品の武器だけ乗せとく…どうせ誰も来んだろう」

魔法使い「クロスボウばっかり…」

盗賊「これが中々に便利なんだ…威力高いわ罠作れるわでな?」

ハンター「まだ全部探索しきれて居ないから他にもお宝期待出来る」

盗賊「だな?荷物持って行くぞ…」タッタッタ

587: 2021/11/19(金) 19:47:07.09 ID:pYa2Z27w0
『小部屋』


ピチョン ピチョン


魔法使い「ここは何?」

盗賊「多分兵隊の詰め所だ…何年も前に使われなくなったんだろう」

ハンター「向こうの大部屋は奴隷の収容部屋だったみたい…オークの骨がいくつか転がってた」

僧侶「なんか気持ち悪いですねぇ~」ブルブル

盗賊「まぁここなら安全だ…ゾンビは扉を開けらんねぇから」

ハンター「僕はもう少し戦利品漁って来る」

盗賊「おう!ムリすんな?」

ハンター「魔法使い?もう一回照明魔法お願い」

魔法使い「照明魔法!」ピカー

ハンター「行って来る!!」ガチャリ バタン

盗賊「じゃぁ火を起こすか…」ドガ バキ メリメリ

僧侶「机と椅子を燃やすですね…」

盗賊「魔法使い!火魔法頼む」

魔法使い「火炎魔法!」ボボボ メラ

盗賊「その辺の燃える物全部突っ込んでくれ」

僧侶「はいなー!!」ポイポイ

盗賊「地下は底冷えするから火があると大分良い…」スリスリ

魔法使い「そろそろ日暮れ時期かな?」

盗賊「うむ…あと1時間程トロッコで行けば目的地の筈だから今日はここで休む…ちっと早いんだが」

魔法使い「トロッコ動かすので疲れたから丁度良いわ」

盗賊「結構堪えるだろ?多分傾斜が付いてんだよ…そん代わり帰りはラクだ」

僧侶「今居るのは地図でどの辺りなんでしゅか?」

盗賊「見るか?」バサ

盗賊「この辺りの筈だ」

魔法使い「これ何処まで続いてるんだろう?」

盗賊「さぁな?誰も知らんらしい…それよりもどうやってこんなに穴掘ったのか想像出来ん」

僧侶「大きなモグラが居たんですね…」

盗賊「土じゃ無ぇぞ?石を掘ってんだ…この真上は山岳地帯だ」

魔法使い「それでこんなに冷える訳か…」

盗賊「どっかに布か毛皮無ぇかな…」ゴソゴソ

僧侶「ご安心くだしゃい!成長魔法!」ザワザワ シュルリ

盗賊「お!!麦じゃねぇか」ワサワサ

僧侶「収穫してください…もっと育てるです…成長魔法!」ザワザワ シュルリ

588: 2021/11/19(金) 19:47:37.88 ID:pYa2Z27w0
『1時間後』


メラメラ パチ


盗賊「ハンター遅せぇな…大丈夫かあいつ」

魔法使い「見て来る…あ」ガチャリ

盗賊「んん?」

魔法使い「光が見えてる…」

盗賊「そうか…無事なら良いんだ」

魔法使い「ハンターは戦利品収集が念入りなのよ…」

盗賊「骨までしゃぶるってか?ヌハハ良い事だ…俺も戦利品はごっそり持って帰る主義だ」

魔法使い「ここから見えるから扉開けておくわ」

僧侶「食事出来たです…」ズイ

盗賊「お?何作った?」

僧侶「小麦で作ったパンでしゅ…食べて良いです」ポイ

盗賊「こりゃまたグズグズだが…」モグモグ

僧侶「どうでしか?」

盗賊「まぁまぁだ…干し肉と一緒に食えばイケる」モグモグ


タッタッタ


ハンター「ふぅ…また魔石を6個見つけた」

盗賊「おぉやるな?…これで合わせて27個…金貨にすると300枚は行く」

僧侶「おおおおおおおお!!スゴイでし」

ハンター「戦利品のナイフも持ってきた…皆持っといて」ポイ

盗賊「見せてみろ…フム…どこに落ちてた?こりゃコバルト製だ一生使える」

ハンター「キラーマシンに張り付いてた…それ磁石みたいに鉄に張り付く」

盗賊「めちゃくちゃ便利じゃねぇか…沢山あるんか?」

ハンター「残りはトロッコに積んだよ」

盗賊「ほーーーベルトの金属部分に張り付くな…こりゃ良い」カチ

ハンター「見て?僕はブーツに張り付けた…隠し武器になるね」

盗賊「誰がこんなレアな物使うんだろうな?」

ハンター「キラーマシンに射出用の穴が空いてる…それだよ」

盗賊「なるほど…」

ハンター「他にも探したけど見つからなかった」

盗賊「それで遅かった訳か」

ハンター「心配したかな?」

盗賊「魔法使いがな?」

魔法使い「ちょ!?遠くから見てただけよ!!…パン焼けてる…居る?」

ハンター「ちょうどお腹が減ってた」

魔法使い「はい!!割と美味しいよ」ポイ

ハンター「ありがとう」モグモグ



--------------

589: 2021/11/19(金) 19:48:18.86 ID:pYa2Z27w0
盗賊「ふぅ…」グビ

僧侶「今日は静かですね?」

盗賊「んん?俺か?」

僧侶「はい…」

盗賊「俺はいつも騒がしいんか?」

僧侶「そうですね…」

盗賊「ヌハハそうか…静かにしてると気持ち悪いか」

僧侶「考え事の顔してるです」

盗賊「分かるか?ちっと昔の事を思い出してな」

僧侶「暇なので聞くです」

盗賊「まぁ大した話じゃ無ぇ…夢の話なんだけどよ…あんま記憶に無いんだがハッキリ覚えてる事が一つあるんだ」


夢ではな?俺は多分ハテノ村に居んのよ

そこで子供達を育てたんだ

魔物から村を守る為に要塞作ったりしてたと思う

ほんでな?最後の最後に薬作って木の下に埋めたんだ…どーもそれが気になってよ


僧侶「先生…」

盗賊「む!!お前まさか夢幻を知って居るのか?」

僧侶「ご馳走食べたです…薬草拾ったです…硫黄集めたです」

魔法使い「ねぇ!!その話…」

ハンター「僕達がハテノ村に帰る理由だよ…どうにかして再建したいんだ」

盗賊「これは導きか?…いやまてまてそれはどうでも良い…他の子供たちはどうしてる?」

僧侶「連絡出来るのはこの3人だけでし」

盗賊「そうか…まぁその少しだけ残ってる夢幻の記憶がどうも気になってんだよ」

僧侶「病気の事でしゅか?」

魔法使い「アヘン酒とくすりの事…アレは子供を産めなくする病気だと思う」

盗賊「お前気付いてたんだな?」

魔法使い「僧侶とよくそういう話をするのよ」

僧侶「あと10年子供が生まれないのが続けば人類は滅亡するです」

魔法使い「元気な子供が産めるのは30歳くらいまでね」

盗賊「う~む…やっぱ俺もハテノ村行って薬探さんとイカンかもな…船乗りやってる場合じゃ無ぇ気がして来た」

ハンター「盗賊さんが一緒なら心強い!」

僧侶「ごちそう食べたいでしゅ」

盗賊「そうだな…俺も大したやる事無ぇしいっちょ行ってみるか」


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590: 2021/11/19(金) 19:48:50.08 ID:pYa2Z27w0
ピチョン ピチョン


盗賊「…」グビ


勇者2人が居なくなってからこっち…

平和になったは良いがどうやら問題はまだ解決してねぇ

静かに…そして確実に人類を滅ぼしに掛かっていやがる

俺は子供達を守るのが役目だ

どうする?敵は何処だ?どうすれば救われる?


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『翌日』


ガサゴソ


盗賊「起きろ!行くぞ…」グイ

魔法使い「う…いたたた!引っ張らないで」

僧侶「ほえ?…」パチ

ハンター「う~ん…」パチ

盗賊「お宝ゲットしたらまたここに戻る…要らんものは置いて行け…行くぞ」

僧侶「あわわ…」イソイソ

魔法使い「どうしたの?そんなに急いで…」

盗賊「ちっと本気モードに入っただけだ…1分で準備しろ」ファサ

ハンター「フード?」

盗賊「無駄口叩いて無ぇで急げ!!」タッタッタ

ハンター「あぁぁ待って待って…」


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591: 2021/11/19(金) 19:49:23.93 ID:pYa2Z27w0
『トロッコ』


ガチャガチャ ガコン


盗賊「トロッコはお前等が動かせ…俺はクロスボウ準備する」

ハンター「トロッコに装着?」

盗賊「ボルトもあるな?よし…」ガチャガチャ

魔法使い「動かすよ?…う~ん!!」グイ


カタコン カタコン


盗賊「照明魔法で前方を見える様にしろ!」

僧侶「はいな!!照明魔法!」ピカー

ハンター「念入りだね?」

盗賊「オークが居るかもしれん…数が多い場合は逃げになるからその準備だ」ガチャガチャ

魔法使い「ちょっとハンター!!あなたもトロッコ漕いでよ!!」

ハンター「ごめんごめん…」グイ

僧侶「あわわ…ゾンビが居るです!」


ドン!! ビチャーーー


盗賊「うはぁ…魔法使い!ちょっと焼いてくれぇ…臭せぇ!!」

魔法使い「火炎魔法!」ボボボ


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592: 2021/11/19(金) 19:50:00.32 ID:pYa2Z27w0
『一時間後』


ゴーーーー カタタン カタタン


僧侶「広間が見えたです!!」

盗賊「ようし!!情報通りだ」

ハンター「ハァハァ…と止めるよ」ゼェゼェ

盗賊「ゾンビの姿が見えんな?」

魔法使い「骨が散らばってる…」

盗賊「ここも戦場跡か…いや?誰か来て掃除したな?」

ハンター「昨夜キャンプした所と同じ構造だよ…ここに開かない扉が?」

盗賊「トロッコ置いて全員で行くぞ…降りろ」ピョン スタ

魔法使い「キラーマシンは無い様ね?」

盗賊「俺が先頭行く…ハンターは最後から付いて来い」

ハンター「うん…」

盗賊「どっから敵が来るか分からんから適宜照明魔法置いてくれ」

僧侶「はいな!!照明魔法!」ピカー

盗賊「行くぞ…」スタ



『開かずの扉』


タッタッタ


盗賊「これだ!!キ・カイの扉と同じだ…ようし!!」

ハンター「開けようとした痕跡が沢山ある」

盗賊「開け方見てろ…こいつは特殊な扉なんだ」ゴソゴソ

僧侶「盗賊さん…オークが使う斧が落ちてるです」

盗賊「オークもここを開けようとして諦めたんだろ…この扉は普通じゃ開か無ぇんだ」ギリリ

ハンター「特殊な道具か…この扉専用なんだ…へぇ?」

盗賊「魔法使いと僧侶は周りを見張っててくれ…オークが来たらダッシュで逃げだ」

魔法使い「オークに警戒してるんだ…」

盗賊「俺らと同じぐらい賢いんだ…しかも単独じゃ無くてつるんで行動する…頭部に矢を当てても氏な無ぇ」

魔法使い「そんなに強いの?」

盗賊「エルフ並みにな?…よし!後1時間ぐらいで扉が開く筈」


ギギギギ ガコン! モクモク


盗賊「あれ?おかしいな…もう開いた」

僧侶「げふっげふっ…灰が一杯でし…」

盗賊「ぬぁぁぁどっか穴開いてたんだな…こりゃハズレかも知れん」

ハンター「中に入っても良い?」

盗賊「待て!俺が先に安全確認する…ちっと待機だ」ダダ

593: 2021/11/19(金) 19:50:55.25 ID:pYa2Z27w0
『謎の遺物』


ゲフゲフ ゴホッ


盗賊「灰が積もってやがる…入って良いぞ!!」

ハンター「うわぁ…広そうだな」

魔法使い「天井に穴が…」

僧侶「何でしゅかねこの塔みたいな物は…」

盗賊「さぁな?ハンター!!入り口に罠張れるか?」

ハンター「うん…どうして?」

盗賊「手分けして探索したい…後ろから襲われたく無いだろ?」

ハンター「分かったベアトラップ仕掛ける…」タッタ

盗賊「二手に分かれる!僧侶は俺と来い…魔法使いはハンターと一緒だ」

僧侶「ほほ~い!!」

盗賊「そうだな…1時間を目途にここに戻れ」

魔法使い「ハンター!?早くして…行くわよ」

ハンター「もう出来た!!行こう」タッタッタ


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594: 2021/11/19(金) 19:51:26.30 ID:pYa2Z27w0
盗賊「俺はこの塔に登って何なのか調べる…僧侶はその辺に埋もれてる物調べてくれ」

僧侶「はいな!!」ガサガサ

盗賊「うし!!」ピョン ピョン

僧侶「盗賊さん!!この塔はロープで繋がってるです」

盗賊「ロープ?」

僧侶「あれれ?ロープじゃないなぁ…なんだろ?」グイグイ

盗賊「何処に繋がってるか調べろ…しかし何だこりゃ?材質は鉄だな…」コンコン

僧侶「ロープが何かの機械に繋がってるですぅ!!」

盗賊「その辺でお宝探せ!!」

僧侶「小さな謎の機械があるです」

盗賊「おぉぉソレだそういう物を片っ端から袋に入れて持って帰る」

僧侶「なんかいっぱいあるですね…」ガチャ ガチャ

盗賊「この塔はハズレだな…先っぽにも何も無ぇ」ピョン シュタ

僧侶「この大きな機械は何でしゅかねぇ?」

盗賊「…おかしいな」

僧侶「何ですか?」

盗賊「鉄のクセに錆び付き具合が軽度だ…こりゃ割と新しい…なんでだ?」

僧侶「こっちにも色々有るです」

盗賊「おう!!」ダダ ガッサガッサ

僧侶「良い物ですかね?」

盗賊「んんん…なんじゃこりゃ?まぁ一応持って帰るか」ガチャ ガチャ

僧侶「石板ですかねぇ?」

盗賊「石じゃ無ぇな…鉄でも無い…樹脂か?それにしちゃ複雑だな」

僧侶「全部持って帰るのは大変でし」

盗賊「同じ物は省こう…なんつーか金になりそうな物が無ぇな」

僧侶「向こうも探してくるです」スタタ


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595: 2021/11/19(金) 19:52:04.31 ID:pYa2Z27w0
『1時間後』


ガチャガチャ


盗賊「んぁぁ一杯有るがみんなガラクタだな…」ポイ


ドコーーーン!!


盗賊「何だぁ!!」

僧侶「あそこでしゅ!!煙が舞ってるです」


ガガーーン ビリビリ


盗賊「魔法撃ってんな?行くぞ!!」ダダ

僧侶「あわわわ…」スタタ


--------------


ハンター「盗賊さん!!ワームが居る!!」ギリリ シュン

魔法使い「ダメ…ハンターの麻痺矢が効いてない!!」タッタッタ

盗賊「一匹か!?」

ハンター「3匹!!大きい!!」

盗賊「魔法使い!雷魔法で動き止めろ!」

魔法使い「雷魔法!」ガガーン ビリビリ

盗賊「よし!今の内に入り口に向かって逃げろ…俺が時間を稼ぐ」スチャ

魔法使い「1人じゃムリ…」

盗賊「良いから行け!!」

ハンター「魔法使い!言う事聞こう」グイ


ワーム「シャァァァァ…」ピクピク


盗賊「お前の弱点知ってんぞ!?ケツの穴だ」ダダダ ザクリ

僧侶「盗賊さん…」

盗賊「早く行けって…俺も危無ぇんだから!!」

僧侶「ほぃ…」スタタ

盗賊「これでも食らえ!!」チリチリ ポイ


ドーン!! ベチャ


ワーム「プギャァァァ…」グネグネ バタバタ

盗賊「うっし!今の内…」ダダ



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596: 2021/11/19(金) 19:52:44.23 ID:pYa2Z27w0
『入り口』


タッタッタ


盗賊「急いでトロッコに戻るぞ」

ハンター「ベアトラップに気を付けて…ここ踏まないで」

魔法使い「先に出るわ…よいしょ」

僧侶「あわわ…」ピョン

盗賊「ワームが追いかけて来なきゃ良いが…」ピョン

ハンター「トロッコに戻る…ちょ…ちょっと待った!!」

盗賊「ん?」

ハンター「トロッコの場所が変わってる…誰か居るぞ?」

盗賊「何だとぅ!?」

魔法使い「音に気付いて隠れたのね?」

盗賊「ちぃぃぃマズイな挟まれてる」

ハンター「何処だ?」キョロ

魔法使い「きっと通路の奥よ…暗くて見えない」

盗賊「俺が囮に出る…相手が仕掛けて来たら盲目魔法を使え」

ハンター「大丈夫?」

盗賊「まぁ見てろ…援護頼む」タッタッタ

僧侶「はぁぁドキドキするでし…」



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597: 2021/11/19(金) 19:53:50.05 ID:pYa2Z27w0
ハンター「トロッコに付いた…何も起きない」

僧侶「盗賊さんどうするつもり…あっ!!消えた」

魔法使い「え?なんで?」スック

ハンター「待って…動かないで…策があるんだ」

魔法使い「…」ジー

僧侶「…」タラリ

ハンター「足音…」ヒソ


ペタペタ ドタドタ


ハンター「3人以上居る…」ヒソ

僧侶「盗賊さん出て来た!…どうなってるの?」ヒソ

ハンター「まだ待って…」ヒソ


シュンシュン カンカン!


魔法使い「又消えた…」ヒソ

ハンター「射手2人…通路の奥だ」ヒソ

僧侶「大きなオークが一人来たです」ヒソ

ハンター「あのオークは僕が麻痺矢当てる…君は奥の射手に盲目魔法を」ヒソ

僧侶「はい…」ドキドキ

ハンター「撃つよ…」ギリリ シュン グサ!

僧侶「盲目魔法!」モクモク

ハンター「行く!!」ダダ


オークファイター「ウゴ!?」


ハンター「もう一発!!」ギリリ シュン グサ!


オークファイター「ウガァァァァ!!」ブン ブン


僧侶「うわぁ大っきい…」タジ

魔法使い「ハンター!!ダメ麻痺効いてない…火炎魔法!」ゴウ ボボボボ

僧侶「下がるです…もう一回盲目魔法使うです」

ハンター「分かった」ダダ

僧侶「盲目魔法!」モクモク


オークファイター「ウゴ?ウゴ?」キョロ


盗賊「リリース!」スゥ

盗賊「どわぁ!!でけぇ…」

598: 2021/11/19(金) 19:54:22.19 ID:pYa2Z27w0
僧侶「盗賊さん!!盲目魔法使ったです…目が見えてないしゅ」

オークファイター「ウガァァァ!!」ダダダ ブン

盗賊「危無ぇ!!」ガキーン ゴロゴロ

魔法使い「盲目効いてない?」

盗賊「こいつらエルフだと思え!!耳で場所把握してる」


シュンシュン カランカラン


盗賊「不利だ!!トロッコ乗れ!!」

ハンター「動かす!!飛び乗って!!」ピョン

盗賊「魔法使い!魔法撃ちまくれ!」

魔法使い「火炎魔法!火炎魔法!火炎魔法!」ゴゥ ドカーン


ゴゥ ボボボボボ


盗賊「乗れ乗れぇ!!」ピョン

僧侶「はわわわ…」ピョン

魔法使い「えいっ…」ピョン


カタコン カタコン ゴーーーーー


僧侶「追って来るです…」

盗賊「構わず魔法撃ちまくれ…」ガチャコン バシュ


オークファイター「ウガァァァ!!」ドスドス


魔法使い「火炎魔法!」ゴゥ ドーン


ガチャコン バシュン

ガチャコン バシュン


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599: 2021/11/19(金) 19:55:13.05 ID:pYa2Z27w0
『トロッコ』


ゴーーーーー カタタン カタタン


盗賊「ふぅぅぅぅ危なかったなぁ…」

ハンター「4対3でもまともに戦ったら全然勝てる気しない」

魔法使い「麻痺も盲目も効かないなんて…」

盗賊「相手が3人だけだったから助かった様なもんだ」

僧侶「魔法もあんまり効いて無かったですね?」

魔法使い「呪術で強化されてるんだと思うわ…魔法に耐性ありそう」

盗賊「ちっと予定変更だな…キャンプに戻るのは止めだ…あそこに何か荷物置いてるか?」

僧侶「水と食べ物置いて来たです」

魔法使い「私も…」

盗賊「よし…スルーして戻るぞ…オークが危なすぎる」

僧侶「ハンターさんは何も残して無いですか?」

魔法使い「全部持って来てるに決まってるじゃない」

ハンター「こんな事もあろうかと…」

盗賊「ヌハハケチが良い方に転んだ様だ…とりあえず水には困らんな?」

ハンター「ハハ…」

盗賊「しかしオーク相手じゃこっちもキラーマシン居無ぇとどうにもならんな」

僧侶「オークは抵抗しない人間には何もしないのです」

盗賊「なぬ?」

ハンター「それは本当だよ…連れて行かれちゃうけど」

盗賊「そりゃ知らんかった」

僧侶「掴まると奴隷にされるです」

盗賊「なるほどな…人間の女が好みだとは聞いた事がある…掴まえて奴隷か」

魔法使い「人間も昔は女のエルフを狩って奴隷に…」

盗賊「実は俺も一回あやかった事が有る」

魔法使い「うわ!!最低…ゲスオヤジ」

盗賊「若気の至りだヌハハ」

600: 2021/11/19(金) 19:55:51.92 ID:pYa2Z27w0
『4時間後』


カタンカタン カタンカタン


盗賊「さて…どうやって戻るかなんだが…」

魔法使い「強行突破?」

盗賊「うーーーん…どうせキラーマシンが封鎖してる…どーっすかなぁ」

ハンター「戦利品は4人で手分けすれば持てるから…突破して人に紛れるでどう?」

盗賊「僧侶の盲目魔法使って行くか?」

僧侶「お?」

盗賊「突破する時に盲目魔法撃ちまくって逃げちまう…ほんで人込みに紛れる」

魔法使い「良さそうね?」

盗賊「さっさと地下を出て商人ギルドで落ち合う…行けるな?」

僧侶「私の出番でし!!」ズイ

盗賊「期待してるぜ?」




『チカテツ街道1番』


ゴーーーーー スタタン スタタン


ハンター「衛兵10人くらいと動いてないキラーマシン2台」

盗賊「衛兵気付いたな?魔法撃て!!」

僧侶「盲目魔法!!」モクモク

盗賊「行けるところまで突っ込むぞ…魔法はどんどん撃てよ?」

僧侶「はいな!!盲目魔法!!」モクモク


衛兵1「なんだぁ?誰だ明かり消した奴は!!」

衛兵2「常備用の松明あるだろ…早く点けろ」

衛兵1「トロッコ近づいて来る音だ…衝突するぞ!?」

衛兵2「止まれ止まれぇぇ!!」


魔法使い「ウフフ…馬鹿ねぶつかる物何も無いのに」

僧侶「盲目魔法!!」モクモク


衛兵1「あぁぁ見えない…松明何処だ?」

衛兵2「だめだぁこっちも見えない」ウロウロ


ハンター「止まるよ!?作戦通り人込みに入って!!」ピョン タッタッタ

盗賊「行くぞ!遅れるな?」ダダ

魔法使い「ウフフ…なんか楽しい」タッタッタ

僧侶「ほいさっさぁ!!」スタタ


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601: 2021/11/19(金) 19:56:27.49 ID:pYa2Z27w0
『商人ギルド_大部屋』


ガチャリ バタン


盗賊「お?遅かったな?…水浴びして来い!真っ黒だぞ」

魔法使い「ハンターと僧侶はまだ?」

盗賊「もう水浴びしてどっか行った…」ガチャガチャ

魔法使い「ええ!?私が最後か…じゃぁ水浴びしてくる」ドサリ

盗賊「今日はもうやる事無いから自由にして良いぞ」

魔法使い「寝る…魔力使い過ぎて頭痛い」

盗賊「ヌハハ頑張り過ぎだな?」


--------------


僧侶「ただいま~」ガチャリ

盗賊「シーーーーッ」

ハンター「ん?魔法使いは?…あぁ寝たのか」

僧侶「戦利品の整理終わったですか?」

盗賊「おう!!使えそうな物はコレだな…ペン型のライトだ」

ハンター「何それ?」

盗賊「照明魔法みたいなもんだ…ホレ?」ピカー

ハンター「おぉ!!」

盗賊「これはお前が使え…俺は同じ様な物持ってっからな」ポイ

僧侶「他には無いですか?」

盗賊「今分解してるんだけどよ…このランタンみたいな奴の中にウラン結晶らしいものが入ってんだ」ガチャ ガチャ

僧侶「ウラン結晶?」

盗賊「まぁ魔石のお化けだ…小さいがこいつが高く売れる」

ハンター「エネルギー元なんだ」

盗賊「多分な?これこのまま落ちてたんか?」

ハンター「大きな機械から外したんだ」

盗賊「てことはやっぱエネルギー元だな…もっと他に在ったのかもしれんな」

ハンター「そうだね…でももう行く気になれない」

盗賊「行くなら戦力揃えんとな」

ハンター「ワームがね…見えてたのが3匹だけどもっと居ると思うんだよ」

盗賊「まぁ生きて帰れて良かった…ちっと甘く見過ぎてた」

ハンター「オークもさ…たまたま射手2人を無効化出来たから逃げれたけどさ…本当危なかったと思う」

盗賊「うむ…んん?なんだ僧侶も寝たのか」

僧侶「…」スヤ

ハンター「結構魔法連発してたしね…頑張ったね」

盗賊「まぁお前もこのクソ重いランタンずっと背負ってたんだろ?」

ハンター「ハハハ重たかったよ…途中で捨てようかと思ったさ」

盗賊「お宝ハントはとりあえず大成功だ…大の字で寝ろ」

ハンター「そうする…おやすみ」

602: 2021/11/19(金) 19:57:26.68 ID:pYa2Z27w0
『翌日』


ガチャガチャ


魔法使い「ふぁぁ…」ノビー

盗賊「お?起きたな?頭痛は良くなったか?」

魔法使い「ん?」キョロ

盗賊「まだ休んでて良いぞ…」

魔法使い「何してるの?」

盗賊「ガラクタを下に運んでるんだ…商人に鑑定してもらう」

魔法使い「ハンターと僧侶は?」

盗賊「商人の所に行った…どうする?お前も来るか?」

魔法使い「私だけ寝てる訳に行かないでしょ?」

盗賊「下よりこっちのが環境良いけどな…商人の部屋はガラクタとゴミの山だ」

魔法使い「どんな人なのか気になるから行って見たい」

盗賊「そうか…じゃぁ付いて来い」スタ



『商人ギルド地下』


ヨッコラ ヨッコラ


盗賊「商人!持って来たぜ?…これで最後だ」

商人「奥に…」

魔法使い「何此処…研究室?」

商人「本当は誰も入れないんだけど…君達は特別なお客さんさ」

魔法使い「特別?」

商人「取引がしたい…今運んできたガラクタだよ…譲って欲しいんだ」

魔法使い「譲るって…ハンター!?どういう話になってるの?」

ハンター「金額の交渉をされてるんだ」

僧侶「いくら欲しいか聞かれてるです」

盗賊「俺らじゃ価値が分かん無ぇ…商人はいくら出す?」

商人「君達には只のガラクタだよ…」

盗賊「答えになって無い」

商人「ズバリ言うよ…頂戴」

魔法使い「ぷっ…面白い人ね」

盗賊「おいおいお前が欲しがる理由くらい聞かせろや」

商人「盗賊…この3人は信用しても良いのかい?誰なんだよ…」

盗賊「疑り深けぇな…こう言えば信用出来るか?夢幻を知ってる…」

商人「…」ジロリ

僧侶「なんか怖いです」

商人「盗賊…ちゃんと鍵は掛けたかな?」

603: 2021/11/19(金) 19:58:05.96 ID:pYa2Z27w0
盗賊「あぁ掛けた掛けた…どうしたんだお前」


???「アーッハハごめんごめん…ソレは影武者さ」


盗賊「なぬ!?」


ガコン ギギギー


盗賊「なんだ本棚の裏にさらに隠し部屋があるんか…」

商人「影武者ごくろうさん…どうやら信用できそうだ」

影武者「誘導出来ませんでした…すみません」

商人「まぁ又練習しよう…休憩してて良いよ」

影武者「はい…」スタ

商人「その遺物持って奥に入って来て」

盗賊「お…おう」ガチャガチャ


604: 2021/11/19(金) 19:58:32.56 ID:pYa2Z27w0
『隠し部屋』


盗賊「おま…これ俺にずっと秘密にしてたんか?」

商人「言う必要が無かっただけさ」

盗賊「あの影武者はいつから?」

商人「もう5年くらいになるかな…ほとんどの事は彼女がやってる」

盗賊「なぬ!?女だと?」

商人「僕と同じ体格なのは子供か女の子だけさ…声は良く似てたよね?」

盗賊「道理でフード脱がない訳だ…」

商人「さて?夢幻を知って居る君達3人は誰なんだい?」

ハンター「え…えーと」

盗賊「ハテノ村の子供達だ…どうやら俺を覚えてる」

商人「なるほどね…」

盗賊「それでお前はこんな隠し部屋に籠って…ホムンクルス作ろうとしてんだな?こりゃ…」

商人「そうだよ…それで古代の遺物を調べたいんだ」

魔法使い「この器具は錬金術?」

商人「うん…今は生体を産む研究をしてる」

魔法使い「スゴイ…」

僧侶「この絵の女の人は精霊でしゅか?」

盗賊「ホムンクルスだ…良く描けてる」

魔法使い「シン・リーンの精霊の像にそっくり…」

盗賊「まぁ色々あんのよ」

商人「それであの遺物の事だけど譲って欲しいのは本当なんだよ…僕もそんなにお金持ちじゃない」

盗賊「俺らにはガラクタっちゃぁガラクタなんだがよ…ちっと小遣いくらい欲しい訳よ」

商人「じゃぁ金貨100でどう?」

盗賊「金持ってんじゃ無ぇか!!」

商人「それくらいならギルド運営に影響は出ない」

盗賊「お前等金貨100で良いな?」

ハンター「うん…どうせ要らない物だし逆になんか悪いかな」

盗賊「お前らしく無ぇぞ?」

ハンター「ハハ…」

商人「じゃぁ商談成立という事で…」



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605: 2021/11/19(金) 20:00:53.35 ID:pYa2Z27w0
盗賊「ところであのガラクタは一体何なんだ?」

商人「これからラヴと一緒に調べるけど…多分古代文明の兵器を操る物だと思う」

盗賊「兵器?インドラの矢とかか?」

商人「10年前の大陸間弾道ミサイル…隕石だと言われてる奴だ」

盗賊「そういや遺跡に塔みたいな物が立ってたな…ソレだな?」

商人「あーー他に発掘されてる物と同じ証言だ」


覚えてるかな?10年前に飛んできたミサイル…

本当は何百発も落ちて来る筈だったのに4発しか落ちなかった

それはホムンクルスが止めたんだよ

その内のいくつかがキ・カイで発掘されてるんだ


盗賊「そうか…それで灰に埋もれてたんか…」

商人「僕もその現場に行きたいんだけど国と折り合いが付かなくてね…丁度君達が持って帰ってきてくれた訳だ」

盗賊「お前が古代の遺物を欲しがる理由はホムンクルスか?」

商人「うん…もしかすると他にもホムンクルスが眠って居るかもしれないと言う事と…」

商人「あと数年でラヴの中にある超高度AIのエネルギーが枯渇するからそれを何とかしたい」

機械の犬「ワン!」フリフリ

盗賊「数年…何でそんな事分かるんだ?」

商人「ラヴとは意思疎通が出来るんだよ…イエスかノーの2択だけど」

機械の犬「ワン!」

盗賊「そういう事か…」

商人「それで?久しぶりに夢幻の事を聞いたけど…どういうつもりなんだい?」

盗賊「ちっと話が長くなるんだが…」


お前ここ10年…子供の数が減少しているのは知って居るか?

どうやらな?くすりとアヘン酒が蔓延しているのが出産率を下げて居る可能性があるんだ

ほんで材料になるケシの実がどこから産出されているかと言うと

エルフの森全域に出現するようになったスプリガンが原因らしい

勇者2人が魔王を封じてからこっち平和になった様に見えるが

その実…人間の出生率を下げる病気が蔓延して子供が生まれ無くなってる訳だ

あと10年もすりゃ子供産める女はほぼ居なくなる…静かに滅亡へ向かってる訳よ

夢幻の記憶を思い出してみると俺らはハテノ村で最後まで戦った記憶が在る

その最後の最後に薬を作って木の下に埋めたんだよ…それがどうしても気になるんだ

606: 2021/11/19(金) 20:01:28.62 ID:pYa2Z27w0
商人「…」

盗賊「お前はなにか気付かんか?お前の方が夢幻を覚えてるんじゃ無いのか?」

商人「錬金術にかまけて大事な事を忘れて居たかもしれない…そうだ僕らは病気と闘った」

盗賊「夢幻での導きはまだ終わって居ない様に思わ無ぇか?」

商人「ラヴ…今の話を聞いてどう思った?」

機械の犬「キャンキャン!」

商人「その反応は知らない…何か思う事があるんだね?」

機械の犬「ワン!」

商人「イエス…このままでは僕達は滅亡する?」

機械の犬「ワン!」

盗賊「おい…この反応はイエスだな?」

商人「やっぱり急がないといけないな…もうちょっとラヴと会話してみる…お金は影武者から貰っておいて」

盗賊「お…おう…お前の邪魔はしない方が良さそうだな?」

商人「うん…考え纏まったらまた教えるよ…今は出て行って」

盗賊「ヌハハはっきり言う奴だ…じゃぁ金は貰って行くぜ?」スタ

607: 2021/11/19(金) 20:01:55.09 ID:pYa2Z27w0
『大部屋』


ガチャリ バタン


僧侶「商人さんは結局顔を見せてくれなかったでしゅね」

盗賊「気にすんな!…でだ金貨100枚と魔石27個…ほんでウラン結晶が残った」

ハンター「クロスボウ9台もお忘れなく」

盗賊「魔石とウラン結晶は売らんで残しといた方が良い…とりあえず金貨25枚づつ山分けな?」ジャラリ

僧侶「儲かったですねぇ…むふふ」

盗賊「こんだけありゃ物資調達は問題無いだろう」

ハンター「気球はいつ手に入るかな?」

盗賊「2~3日か?とりあえず俺は船乗り達に商船の指示して来にゃならん…俺の船で又荷物運ぶからな」

ハンター「今度は何処へ?」

盗賊「予定ではフィン・イッシュに物資運ぶんだ…俺は行か無ぇから船乗りに任せる」

魔法使い「私達どうする?」

ハンター「物資買い入れても置き場がねぇ…」

盗賊「買い取り品目だけ商人ギルドの受付に言っておけば物資は揃うぞ?…置き場もでかい倉庫がある」

ハンター「へぇ?そうだったんだ」

盗賊「商人ギルドは伊達じゃ無ぇぞ?商船20隻は動かしてるからな」

魔法使い「すご…でも商人はお金無いって…」

盗賊「そら個人的な小遣いだ…ギルド運営で金貨10万くらいは動かしてる」

ハンター「ええええええええ!!?そんなに…」

盗賊「国相手に取引してんだからそんくらいはな?」

魔法使い「しばらく暇になりそうだからエリクサーでも作ってみようかな…」

盗賊「それが良い…高く売れるぞ?」

ハンター「じゃぁ僕は買い取る品を考えておこうかな」

僧侶「私は酒場で遊んで来るです」

盗賊「お?後で俺も行くから飲み過ぎんなよ?」

僧侶「は~い」ビシ

608: 2021/11/19(金) 20:02:38.90 ID:pYa2Z27w0
『数日後_商人ギルド周辺』


ガヤガヤ ガヤガヤ

へいらっしゃい!!フィン・イッシュ産の装飾品買って行かないかい?

シーサーの肉!それから毛皮お値打ち品だぁ!!買った買ったぁ!!

セントラル直送!肝油に樹液!松脂!!錬金術素材何でもあるぞぉ!!


魔法使い「…」キョロ キョロ

盗賊「おう!!魔法使い…ここん所ずっと露店うろついてんな?何か探してんのか?」

魔法使い「関係無いでしょ!?」

盗賊「機嫌悪そうだな…お前等の気球買い付け決まったんだ…ハンターと僧侶は見に行ってるが…お前も行くか?」

魔法使い「私は忙しいから良い…」キョロ

盗賊「そうか?俺も見に行って来るが…スリに気を付けろ?」

魔法使い「分かってるわ…私の事は放って置いて」

盗賊「へいへい…じゃぁな!!」ノシ

609: 2021/11/19(金) 20:03:09.53 ID:pYa2Z27w0
『気球発着場』

…球皮に損傷はありません

船体の木材部分がすこし傷んでいますが一応は使えます

木材がある様でしたら修繕した方が良いですね

炉は魔石が無くてしばらく使用していませんでしたので少し錆びついております


盗賊「ほ~う…こりゃキ・カイの輸送用気球だな?」

ハンター「あ!!盗賊さん…助かった気球の事が全然分からなくてさ」

売人「説明は以上になりますがご質問は?」

盗賊「船尾に付いてるプロペラは何だ?こんなん初めて見たぞ?」

売人「炉に連動して回る仕組みになって居ます…風の魔石を使わない工夫です」

盗賊「なるほどな…球皮は畳んである様だがどんくらい膨らむ?」

売人「帆の揚力で浮くタイプですので大きな球皮ではありません」

盗賊「じゃぁ発着に滑走が居るんか…ちっと不便だな」

売人「荷が空の場合はそのまま浮くことが出来ます」

盗賊「大体分かったぞ」

僧侶「引き取って大丈夫でしゅか?」

盗賊「まぁ任せろ」

売人「それでは譲渡完了という事で商人ギルドの方へ代金を引き取りに行きます…ここにサインを」パサ

ハンター「あ…はい!」スラスラ

売人「ではごきげんよう」ペコリ


--------------


ハンター「随分律儀な売人だったね…」

盗賊「ありゃ多分キ・カイの役人だ…旧式の気球を手放したんだろうな」

ハンター「これ乗ってみて良い?」

盗賊「お前等の物だ…好きにしろ…てか俺にも見せろ」

僧侶「うほほ~い!!」スタタ


610: 2021/11/19(金) 20:03:44.17 ID:pYa2Z27w0
『輸送用気球』


ギシギシ ドタドタ


盗賊「こりゃ軽量化してて床板踏み抜きそうだ…」ギシギシ

ハンター「下の荷室は割と丈夫そうだよ」

盗賊「ほーーう!炉に機械の細工がしてある…これでプロペラ回すんか」

ハンター「操作方法分かる?」

盗賊「こりゃ小回り効かんが操作はえらく簡単だぞ?このレバーが横帆に連動…ほんでこっちのレバーがプロペラに連動」

ハンター「僕にも出来るか試してみたい」

盗賊「石炭買ってあるな?」

ハンター「うん…でも倉庫が何処にあるのか?」

盗賊「よっし!ちっと試すぞ…倉庫は船着き場のヤードにある…行くぞ!!」

僧侶「わたし今日ここで寝るです…荷物持ってくるでし」

盗賊「ヌハハ気に入ったか?お泊りセット持って来い」

611: 2021/11/19(金) 20:04:16.24 ID:pYa2Z27w0
『1時間後』


ボボボ メラ


盗賊「このフイゴを足で踏んで風を送るんだ」シュゴー シュゴー

ハンター「球皮が膨らんで来た」

僧侶「ワクワク…」

盗賊「なるほど…船体の割に小さい球皮だな…本当に浮くんかいな」


グラリ


盗賊「お?早い…」

ハンター「これ地面に結んであるロープ外した方が良いよね?」

盗賊「おう!!ロープ抜いてくれ」

ハンター「よいしょ!!」グイ スルスル


フワフワ


ハンター「浮いた…すげぇ!」

盗賊「なんでこんな簡単に浮く?船体が軽いって事か?」

ハンター「この木材は船みたいに頑丈な木じゃなくて薄い樹脂だね…錬金術で変えてるんじゃないかな」

盗賊「錬金術か…なるほどな…俺らの知ってる気球はもう古いのか」

ハンター「僕が操作してみて良い?」

盗賊「おう!フイゴは休まずに踏め…ほんでこのレバーで多分プロペラが回り出す…やってみろ」

ハンター「うん!!」グイ


パタパタ パタパタ


僧侶「動いたですぅ!!」

盗賊「横帆の操作は勘で覚えろ…このレバーだ」

ハンター「…」グイ

盗賊「なかなか良い気球じゃ無ぇか!スピードは無いが動きが確実だ」

僧侶「デッキに上がって外見て来るでし!!」スタタ

盗賊「落ちんなよ!?」

僧侶「うわぁ…景色汚い…ドブの中にキ・カイの街があるです」

盗賊「とりあえず海の上一回りすっぞ!」

ハンター「うん!!」グイ


パタパタ パタパタ

612: 2021/11/19(金) 20:04:50.76 ID:pYa2Z27w0
『気球発着場』


フワフワ ドッスン


ハンター「よし!着陸成功…球皮畳んでくる」ダダ

盗賊「う~む…ちっと問題ありだ…気球が遅すぎる」

僧侶「そうなんでしゅか?」

盗賊「プロペラじゃ逆風で全然速度が出ん…高高度だと尚更風に流されるんだ」

僧侶「低空専用ですかね?」

盗賊「だな?短距離の低空飛行専用だろう…ちょいと改造が必要だ」

僧侶「盗賊さん出来るですか?」

盗賊「木材が無ぇんだよなぁ…う~む」

僧侶「木なら成長魔法で育てられるです…あんまり大きく出来ないですが…」

盗賊「あんまり改造し過ぎて重くなっても意味が無い…どうすっかなぁ」

僧侶「私の使っていない槍はどうですか?2メートルくらいあるです」

盗賊「お?そいつを支柱に縦帆2枚…そうだな木材加工するよりずっと精度の良い棒だな」


支持部は金属でこさえるとして…

金属糸で支柱を支える

帆はデッキの左右に2枚…

まてよ…それだと船体が傾いちまう

反力起こすのに横帆を使うか

ちっと張り方変えんとイカン


盗賊「あーでもない…こーでもない…」ブツブツ

僧侶「私槍を持って来るです」スタタ

盗賊「お…おう!そうだな…改造と調整でもうしばらく掛かりそうだわ…これは」

ハンター「まぁそんなに急いで無いし…必要な物があったら買って来るよ」

盗賊「帆を張るのに大き目の布とロープだな…あと金属糸も欲しい」

ハンター「分かった仕入れて来る」タッタッタ

613: 2021/11/19(金) 20:05:29.69 ID:pYa2Z27w0
『露店』


ワイワイ ガヤガヤ


魔法使い「…」キョロ

ハンター「魔法使い!もしかして剣士を探してる?」

魔法使い「そうよ…いつ現れるか分からないから」

ハンター「来るかどうかも分からないよ…休んだら?」

魔法使い「そうね…」

ハンター「今気球に乗ってみたよ」

魔法使い「どう?」

ハンター「操作は簡単…でもね?盗賊さんが言うには速度が遅すぎるって」

魔法使い「しょぼい気球掴まされた感じ?」

ハンター「そうじゃない…物はすごく良い…短距離の輸送専用気球だったみたい」

魔法使い「どういう事?」

ハンター「ハテノ村まで行くのは長距離用に改造が必要なのさ」

魔法使い「そうなんだ…じゃぁ改造でもう少し掛かりそうなのね?」

ハンター「うん…帆を張るのに布とロープが必要だって」

魔法使い「沢山売ってるよ…この辺の露店は全部見たから安い所知ってる」

ハンター「おー!!案内して」

魔法使い「こっちよ」グイ


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614: 2021/11/19(金) 20:05:56.28 ID:pYa2Z27w0
『気球』


トンテンカン トンテンカン


ハンター「盗賊さん…布とロープ仕入れて来たよ」ドサリ

盗賊「早かったな?」

ハンター「魔法使いが安く売ってる所知っててさ…」

盗賊「今気球に槍を取り付けた所だ…金属糸あるか?」

ハンター「うん…」ポイ

盗賊「ようし!!こいつを張るから手伝ってくれ」

魔法使い「私は何かやる事ある?」

盗賊「布を縫い合わせて縦帆に出来るくらいの大きさにしてほしい」

魔法使い「…という事は針と糸も必要ね」

盗賊「言うの忘れてた…まぁそんなに急がんでも良いぞ?まだしっかり設計も纏まって無ぇんだ」

ハンター「そんなに難しい設計なの?」

盗賊「まぁな?下手すると気球が空でひっくり返る」

ハンター「うわ…それはマズイ」

盗賊「船の技師と相談しながら作るから…そうだな…まだ2~3日は飛べん」

ハンター「何か手伝える?」

盗賊「いや素人は触らん方が良いな…暇ならアレだ…オーガの討伐隊にでも行って来たらどうだ?」

魔法使い「あ!!聞いた…高額報酬出るって」

盗賊「うむ…衛兵が地下遺跡に行ってるから戦力不足なんだとよ…お前等3人なら余裕だろ」

ハンター「オーガか…牙が高く売れるんだったね?」

盗賊「1本金貨1枚が相場だ…小遣い稼ぎにゃ丁度良い」

ハンター「行って見ようか?僕の麻痺矢で足止めして魔法使いが焼く」

盗賊「ほんで僧侶が止めな?」

ハンター「僧侶は何処に?」

盗賊「お泊りセット取りに商人ギルドに戻ったがそろそろ戻って来る」

魔法使い「お泊り?…まさか気球で寝泊まりするつもり?」

盗賊「おいおい!お前等の初めての気球なんだぞ?愛着持てや」

ハンター「中に入って見たら?結構しっかり作ってあるんだよ」

盗賊「うむ…触って分かったがこの樹脂って奴はかなり丈夫で気密性が良い…住んでも良さそうだ」

魔法使い「へぇ?見て見る…」スタスタ

615: 2021/11/19(金) 20:06:26.11 ID:pYa2Z27w0
『居室』


魔法使い「あら?もうハンモックが…」

ハンター「僧侶だねw」

魔法使い「これが炉ね?煙突は外に出てるんだ…へぇ?」

ハンター「石炭燃やしても煙には蒔かれないよ」

魔法使い「下が荷室?」

ハンター「うん…荷室の方が頑丈に出来てる」

魔法使い「荷室も合わせたら15人くらい乗れそう」

ハンター「そうだね…どれくらい荷物載せられるのかもテストしないと…」


スタタ ドタドタ


僧侶「あ!!ここに居たですね?皆さんもお泊りするですか?」

魔法使い「何持って来たの?」

僧侶「食べ物とお酒でし」ドサリ

ハンター「アハハここでくつろぐつもりだ」

僧侶「ランタンも完備でし」ビシ

ハンター「オーガ討伐に行こうかなと思ってるんだけどさ」

僧侶「お?何処まで行くですか?」

魔法使い「東にちょっと行った所で馬車が襲われたらしいわ…その辺りに何匹か居るみたい」

ハンター「まだ日暮れまで時間があるからちょっと行って見よう」

僧侶「はいなー!!」

616: 2021/11/19(金) 20:07:12.64 ID:pYa2Z27w0
『日暮れ』


…プロペラが一定の推進力を生んでるならセンターボードの変わりはその前に置けば良いっすね

この大きさで行けると思うか?

やって見ん事には何とも…やっぱりセールを立てられないのは制限がキツイっすわ

縦帆を斜めに張ったとしてセンターボードと連動して無いとどうしても横に流れる

もういっその事センターボードは止めて尾翼を作ったらどうですか?

材料が無いんだ…下手な木材使っても折れるだけだしな

もう一本同じ槍があればなんとかなるんじゃないすか?

ううむ…有るにはあるが

尾翼さえ作ってしまえばあとは縦帆2枚でコントロール出来ますよ


ハンター「ただいまー…なんか忙しそうだ」

盗賊「おぉ!!丁度良かった…魔法使いが持ってる槍を貰えんか?」

魔法使い「え?私武器無くなっちゃうけど…」

盗賊「後で代わりの武器用意してやる…ミスリルのスピアヘッドが俺の船に積んであるんだ」

魔法使い「ミスリル?良いのそんな良い素材を貰って」

盗賊「俺が今欲しいのはその槍の柄の部分なんだ…その柄は長くて質が良い」

魔法使い「じゃぁ使って…」

盗賊「代わりの武器はまた明日用意してやる…ちっと短くなるけど良いな?」

魔法使い「まぁ…杖替わりだし…程ほどの長さの方が良いかもね」

盗賊「悪いな?せっかく槍に慣れた所なのによ」

魔法使い「ミスリルの槍が貰えるなら良し…」

盗賊「ヌハハそれで?オーガ狩りはどうだったんだ?」

ハンター「オーガ3体狩って牙6本…それから報酬金貨2枚」

盗賊「儲かったな?」

ハンター「うん…オーガは盲目も麻痺も効いたから余裕だった」

盗賊「どうやって止め刺したんだ?そう簡単に氏なんだろ?」

魔法使い「私が槍を刺して直接体の中に魔法を撃った」

盗賊「ほーう?そんな荒業があるんか」

魔法使い「銀の槍が上手く雷を通すの…一発でショック氏」

僧侶「私出番無かったです」

魔法使い「ミスリル銀ならどうなるのか試してみたい」

ハンター「新しい槍がもらえたらもう一回行って見ようか」

盗賊「分かった分かった…明日の朝一でなんとかしてやる」

魔法使い「楽しみが増えたわ…フフ」


617: 2021/11/19(金) 20:08:24.47 ID:pYa2Z27w0
『数日後_飛行船』


フワフワ


ハンター「…これで樽15個」ドスン

盗賊「ふむ…まだ乗せられそうだ」

ハンター「もう樽が無いよ…荷物も全部積んだ」

僧侶「乗って良いでしゅか?」

盗賊「おぉ乗れ乗れ」

ハンター「そろそろ出発?」

盗賊「あと大工と工夫を乗せる事になってる…そいつらが来たら出発だ」

ハンター「じゃぁ魔法使い呼んでくる」

盗賊「また露店でウロウロしてんのか?」

ハンター「うん…」

盗賊「お前等誰か探してんな?」

ハンター「ハテノ村の仲間が来ないかと思ってね…」

盗賊「そうか…商人ギルドの娘達に人相書き渡しときゃ良かったな」

ハンター「そんな手も有ったのか」

盗賊「又戻って来るからそん時までに用意しとけ」

ハンター「分かった…じゃぁ魔法使い呼んでくる」タッタッタ


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618: 2021/11/19(金) 20:08:55.35 ID:pYa2Z27w0
魔法使い「遅くなったわ…ハンター荷物入れて」

ハンター「荷物あるならもっと早く言ってよ…」ヨッコラ

僧侶「はぁぁ…いつもの事ですねぇ…」

盗賊「ようし!!乗ったら上昇すんぞ?」

ハンター「よいしょ!!」ドスン


フワフワ 


盗賊「ハンター!!飛行船の操作はお前がヤレ…俺は縦帆張る」ダダ

ハンター「南東だね?」

盗賊「そうだ!!操作しながら覚えろ」

ハンター「おっけ!!」グイ シュゴー シュゴー


パタパタ パタパタ


ハンター「おぉぉ!!早い…」

盗賊「大まかな方向は縦帆の調整次第だ…後は横帆と尾翼で上手く方向定めろ」

ハンター「うん…スゴイ!どんどんキ・カイから離れて行く」


ビョーーーウ パタパタ


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619: 2021/11/19(金) 20:09:49.73 ID:pYa2Z27w0
『荷馬車』


ブモモー ガタゴト ガタゴト


剣士「やっとキ・カイに到着だ…長かったね」

女オーク「門の所にキラーマシンが居るわ?あと衛兵も2人」

剣士「このまま入れるんじゃないかな?荷物も大したもの載せて無いし」

女オーク「私オーク臭くない?」

剣士「大丈夫だって」


衛兵「止まれぇ!!」


剣士「…」グイ ブモモー

衛兵「お前達は行商人か?2人で移動してくるとは…」

キラーマシン「…」ウィーン ガチャ ウイーン

剣士「東の方にある地床炉村から来たんだ…あやしい物は積んで居ないよ」

衛兵「一応荷を確認する…」スタ

衛兵「これは又大きな骨だ…どうした?コレを売るつもりなのか?」

剣士「それは途中の海岸に落ちてたクジラの骨だよ…何かの材料にならないかと思ってね」

衛兵「ふむ…あとは木の実と食料…大量のオーガの牙と角」

剣士「何もあやしい物は無いでしょ?」

衛兵「まぁ通っても良いが質問だ…お前達は旅の戦士なのか?2人で地床炉村から来るのは怪しいと言わざるを得ん」

剣士「僕は魔術師…彼女は見ての通り大剣を使う戦士だよ」

衛兵「そうか…魔物ハンターという事か」

剣士「あぁその説明の方が早いね」

衛兵「地下で傭兵を募集していてな?興味があったら行って見るが良い」

剣士「へぇ?情報ありがとう」

衛兵「うむ…通って良いぞ…ご安全に!!」


ガタゴト ガタゴト

620: 2021/11/19(金) 20:10:34.48 ID:pYa2Z27w0
『古都キ・カイ』


ワイワイ ガヤガヤ


剣士「久しぶりだぁ…前と全然変わって無い」

女オーク「…」キョロ キョロ

剣士「確か…広場のちょっと先に商人ギルドがあった…その裏手に馬宿もあった筈」

女オーク「今日も馬車で寝るの?」

剣士「宿屋が良いね…水浴びもしたいし…酒場にも行って見たいよね?」

女オーク「フフ…」

剣士「まず馬車置いてオーガの牙と角を売っちゃおう…買い物もしたい」

女オーク「おっけ!」

剣士「ちょっと僕の真似やめてよ…君には似合わない」

女オーク「そう?」

剣士「よ~し!今晩は酒場に行って会話に慣れよう」


---------------


『商人ギルド裏』


タッタッタ


剣士「ヤクを預けて来た…荷物の準備良い?」

女オーク「クジラの骨はどうするの?」

剣士「それは何かの材料に残しておこう…売るのは牙と角だけで良いと思う」

女オーク「うん…」

剣士「よーし!!フード被って」ファサ

女オーク「…」ファサ

剣士「行こうか!!手を」グイ

女オーク「…」ギュ

621: 2021/11/19(金) 20:11:22.28 ID:pYa2Z27w0
『商人ギルド』


ガヤガヤ ガヤガヤ

はい!商船の窓口はこっち…商隊はあっちね!!

買い取りの品目と相場は入り口で確認して!!


剣士「ええと…オーガの牙は一つ銀貨80枚か…角は安いなぁ」

女オーク「牙は全部で30本…角は15本」

剣士「面倒だから全部売っちゃおう」

女オーク「これは何の材料になるの?」

剣士「錬金術でポーションの材料とかだよ…牙は武器に加工される事もあるね」

女オーク「剣士は使わない?」

剣士「道具が有ったら加工しても良いけど面倒くさい…全部売る」


受付「買い取り?それとも商談?」

剣士「あぁ…この牙と角を買い取って欲しい」ドサドサ

受付「うはぁぁ…又一杯持って来たね…ええと牙30角15で金貨25枚と銀貨50枚」

剣士「うんそれで良い」

受付「それにしてもこれ全部自前で狩って集めたの?」

剣士「そうだよ…」

受付「ふ~ん…盗品じゃないよね?てか名前書いてる訳じゃ無いし盗品でも良いか」ジャラリ

剣士「こんなに沢山持ってくるのは変かな?」

受付「一気に持ってくるのは珍しいね」

剣士「そうだったんだ…でも買い取りありがとう」

受付「はいはい…又のお越しを~」ノシ


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622: 2021/11/19(金) 20:11:58.39 ID:pYa2Z27w0
『雑貨屋』


店主「らっしゃい!!」

剣士「換金して来たよ…何か欲しい物ある?」

女オーク「ゴーグル付きのマスク」

剣士「お!?良いね…どれ?」

店主「お客さんお目が高いねぇ…このマスクは灰を防ぐだけじゃなくて黒氏病の予防にも良いんだ…買って行くかい?」

剣士「じゃぁそれ2つと…そうだフードとマントも買い替えよう」

女オーク「うん!」

剣士「これと…これと…あ!!ブーツも買い替えよう」

女オーク「私コレが良い」

剣士「おけおけ…ああああ!!金属糸のインナーが有る…これ君にピッタリだ」

女オーク「剣士は要らないの?」

剣士「僕は魔法に干渉しちゃうから要らない…でも君は魔法使わないから絶対着ていた方が良い」

店主「お客さんの場合体が大きいから男用だね」

剣士「それ買って行こう…後でサイズ調整してあげる」

剣士「ええと…これ全部でいくら?」

店主「金貨7枚だ!払えるかい?」

剣士「おけおけ!!」ジャラリ

店主「ほーーーこりゃ良いお客さんだ」

剣士「もっと買い物しよう!」グイ


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623: 2021/11/19(金) 20:13:03.46 ID:pYa2Z27w0
『宿屋』


ワイワイ ガヤガヤ


店主「…あいにくお部屋が一杯でして」

剣士「ここもかぁ…」

店主「申し訳ありません…水浴びだけでしたらご自由にお使いください」

剣士「女オーク?水浴びは自由だってさ?浴びて行く?」

女オーク「うん…」

剣士「じゃぁそこの酒場で待ってるから行って来て良いよ」

女オーク「直ぐに浴びて来る」

剣士「ゆっくりで良いさ…今日は酒場で食事したら馬車に戻ろう」

女オーク「分かったわ…じゃぁ行って来る」スタ




624: 2021/11/19(金) 20:13:33.96 ID:pYa2Z27w0
『酒場』


ワイワイ ガヤガヤ

どうも蛮族たちの戦争が激化してるんだってよ

また略奪が増えそうだなぁ

蛮族たちに通貨がありゃ特需でぼろ儲けなんだがなぁ…

あいつら何か良い物持って無ぇのかなぁ

噂では古代の遺物を沢山持ってるらしいが…そんなん使ってるの聞いた事無いんだよなぁ


店主「いらっしゃいませ…お一人様ですか?」

剣士「後でもう一人来る…席空いてるかな?」

店主「カウンターでお待ちください…席が空き次第ご案内出来ます」

剣士「まぁあんまり長く居るつもりは無いからカウンターで良いや」

店主「では…どうぞ…お飲み物は如何いたしますか?」

剣士「何があるの?」

店主「おすすめはハチミツ酒ですが値が張ります…安値のお酒でしたらアヘン酒が御座います」

剣士「フフフお金は持ってるんだ…ハチミツ酒2杯お願い」

店主「銀貨20枚頂きます」

剣士「おけおけ!」ジャラリ

店主「お食事はどうしましょう?バイキングでしたらお一人銀貨5枚ですが」

剣士「じゃぁ2人分で銀貨10枚だね」ジャラリ

店主「景気がよろしい様で?」

剣士「まぁね?久しぶりの酒場で気分が良いんだ…ケチケチすると気分も悪くなる」

店主「冒険者様なのでしょうか?」

剣士「うん…魔物ハンターと言えば早いかな」

店主「そうでしたか…どうぞハチミツ酒になります」コトリ

剣士「ありがとう…」グビ

剣士「あれ?この味…シン・リーン産のハチミツ酒だね?」

店主「お分かりで?先立入荷したのですがお高いので売れ行きはいまいちなのです」

剣士「そうなんだ…おいしいのにね」グビ

店主「お連れ様とは待ち合わせでしょうか?」

剣士「宿屋で水浴びしてから来る…まぁゆっくり待つよ」


スタスタ

625: 2021/11/19(金) 20:14:07.12 ID:pYa2Z27w0
剣士「あれ?女オーク…水浴びは?」

女オーク「水浴び場に他の男達が居たから軽く洗って出て来たわ」

剣士「なんだ…水場も人が一杯なのか」

店主「今は豪族達の船が入船していますのでどこも一杯ですね」

剣士「豪族?」

店主「ご存じ無い様ですね?お金持ちと言う所でしょうか…どうぞハチミツ酒になります」

女オーク「これ…私?」

剣士「うん…先に飲んでるけど乾杯しようか」

女オーク「初めて飲む…」チーン グビ

剣士「どう?シン・リーン産のハチミツ酒だよ」

女オーク「甘い…」グビ

店主「お二人は体格が良い様なので手慣れの魔物ハンターとお見受けします」

剣士「あー体格でバレちゃうかぁ…」

店主「商人ギルドの方で高額報酬の傭兵を募集していますよ?」

剣士「お金はもう要らないかなー」グビ

女オーク「剣士?船に乗って北の大陸に戻るならお金が必要なのでは?」

剣士「これからどうするのかあんまり考えて無いんだけどさ…急ぎじゃ無いから明日考えよう」

女オーク「フフそうね?」

剣士「今考えてもストレスになるだけだ…明日の事は明日考える!お金は持ってるだけ全部使う!」

店主「ハチミツ酒の次はフィン・イッシュ産の白酒でもどうでしょう?」

剣士「良いね!それも飲んでみたい」


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626: 2021/11/19(金) 20:15:25.71 ID:pYa2Z27w0
ドヤドヤ ドヤドヤ

さっきの女何処行ったか探せ…赤毛だ

居た!あそこだ…ちぃぃ連れの男が居やがる

はぁぁぁ海から上がって女神が現れたと思ったのによぅ

どうも俺はあれ以来ツキに見放されちまった…もう豪族の下働きなんざ真っ平だ…せめて良い女抱ければ

又お前は女女女女…お前のせいで俺はガッポリ稼ぐ予定が全部水の泡なんだ!いい加減にしろ


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剣士「フフ…なんか君の事付け狙ってる2人組が居るね?」

女オーク「知ってる…水場に居たの」

剣士「あれで聞こえないと思ってるんだろうか?」

女オーク「関わらない様にしましょう」グビ

剣士「そうだね…」

店主「お気を付けください?豪族の手下は節度の無い方が多いですから」

剣士「気にしないで何か食べようか?」

女オーク「うん…」

剣士「食事はバイキングなんだ…良さそうなものを持って来るよ」

女オーク「私肉は要らない」

剣士「分かってるって…ちょっと待ってて」タッタ


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野郎1「おい見ろ…男がどっか行くぞ」

野郎2「俺が欲しいのは金だ…女は買えば良い」

野郎1「じゃぁ俺は女頂く…お前は男から金取り上げりゃ良いだろ」

野郎2「おいおいあんな貧相な格好の奴が金を持ってる訳…むむ!!ハチミツ酒の空き瓶…」

野郎1「ほら見ろ…高い酒飲めるぐらいの金は持ってそうだぞ?」

野郎2「いつもの麻痺毒使うか?」

野郎1「俺はあの女を襲う…お前は男に行け…いつも通り吹き矢でこっそりな?」

野郎2「おい待て…男が戻ってきやがった」

野郎1「うむむ…チャンスを待つ」


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627: 2021/11/19(金) 20:16:01.39 ID:pYa2Z27w0
剣士「ナッツにクルミ…それからこれオリーブだ」

女オーク「オリーブ!食べたい」

剣士「種は残して」

女オーク「種が美味しいのに…」モグ

剣士「ナツメヤシの実もある」ガリ モグ

女オーク「白酒に合うわね…」グビ

剣士「君はお酒は大丈夫みたいだね?」

女オーク「オークは毒に耐性があるのよ?」

剣士「あーそういう事か…じゃぁ全然酔わないんだ」

女オーク「気分は良くなるわ」

剣士「良い効果だけ残るんだ…その体良いね」

女オーク「オークの弱点は呪術…呪いに弱い」

剣士「君は陰口にも弱いよね?」

女オーク「そう…そういう呪いに弱いのよ」



『街道』


テクテク


剣士「…まだあの2人付けて来るね」

女オーク「困った人間…」

剣士「なんか麻痺毒を使うつもりな様だけど…どうするかなぁ」


シュン! チクリ


剣士「あ…線虫!」ザワザワ ニョロ

女オーク「剣士?どうする?」

剣士「君は麻痺毒平気だね?」

女オーク「平気…」

剣士「飛蚊!行け」プーン

女オーク「蚊?」

剣士「彼らには蚊で十分さ…無視して行こう」グイ

女オーク「ウフフ…」タッタッタ

628: 2021/11/19(金) 20:16:45.07 ID:pYa2Z27w0
『商人ギルド裏』


メラメラ パチ


剣士「よし!焚火はこれで朝まで持つ」

女オーク「けっこう馬車で寝泊まりしている人居るのね?」

剣士「荷物の置き場が無いからきっとそうするしかないんだよ」

女オーク「ここの匂い覚えてる…」

剣士「色んな匂いが混ざって表現しにくい」

女オーク「剣士はもう寝る?」

剣士「いや…ちょっと作り物をやる」

女オーク「これね?クロスボウ…」ガチャ

剣士「そうそう…君の分も作る予定だよ」

女オーク「これで弓を?」

剣士「うん…硬さが丁度良いんだ…多分君も行ける」

女オーク「弓は使った事無いの」

剣士「教えてあげる…弓があるのと無いのとでは戦いの幅が全然違うから」

女オーク「クロスボウのままじゃダメ?」

剣士「弓の方が手軽に撃てる…それから矢の方が安いし簡単に作れる」

女オーク「そうなんだ」

剣士「君は休んでて良いよ…」

女オーク「ううん?見てるから気にしないで」

剣士「そっか…じゃぁ見てて」ガリガリ


トンテンカン トンテンカン


---------------

---------------

---------------

629: 2021/11/19(金) 20:17:30.58 ID:pYa2Z27w0
『茂み』


ブ~ン バチン!!


野郎1「ちくしょう麻痺毒が効かねぇ…パチ物を掴まされた」ボリボリ

野郎2「虫が多い…俺ら酒飲んでるから刺されまくりだ」バチン!ボリボリ

野郎1「とことんツキが無ぇな…あのゴツイ体格の中身がどうなってるのか知りてぇ…」ウズウズ

野郎2「もう諦めろ…今は兎に角金だ!金がありゃ女なんかいくらでも買える」

野郎1「くそぅ!!ぬあ!!酒場に金置いて来ちまった…又かよ」

野郎2「お前は何回金無くすんだ?もう俺の金はやらんぞ」

野郎1「戻るぞ!!酒場でもう一回カモを探す」ドタドタ

野郎2「はぁぁぁぁ俺らいつになったら報われるんだ?ガッポリ稼ぐ山はもう無いのか?」

野郎1「うるせぇ!早く行くぞ」


ドタドタ ドタドタ



『翌朝』


チュン チュン


剣士「…」パラパラ

女オーク「また鳥達とお話?」

剣士「そうだよ…噂を聞いてる」

女オーク「何か?」

剣士「ここから東に2日くらい行った所に海賊の隠れ家があった筈なんだけど…もう無くなったらしい」

女オーク「海賊の隠れ家になんかどうして?」

剣士「ビッグママに会えると思ってたんだけどさ」

女オーク「ビッグママってあの時の大人の人?」

剣士「そうだよ…君知ってるよね」

女オーク「剣士はそこに行くつもりだったの?」

剣士「行けば会えると思ってた…でももう隠れ家は無い…宛てが無くなっちゃたよ」

女オーク「やっぱり船に乗るお金が必要ね」

剣士「う~ん…北の大陸に戻るかぁ」

女オーク「今お金はいくらあるの?」

剣士「あと金貨4枚」

女オーク「ウフフまた稼がなきゃ」

剣士「ちょっと船に乗るのにどのくらい掛かるのか聞いて来る」

女オーク「じゃぁ私は火を起こして食事作っておくわ」

剣士「任せた!!ちょい行って来る」シュタタ



----------------

630: 2021/11/19(金) 20:18:01.68 ID:pYa2Z27w0
『30分後』


メラメラ パチ


女オーク「遅かったわね?船はいくらだった?」

剣士「一人金貨10枚」

女オーク「またオーガ狩らないと…」

剣士「傭兵の話も少し聞いてきた…そっちの方が良いかもしれない」

女オーク「何の傭兵?」

剣士「地下にある古代遺跡までの安全確保らしい」

女オーク「行くの?」

剣士「気乗りしないけど何処に居るか分からないオーガ探すよりは良いかなと…」

女オーク「弓の撃ち方教えてくれるのでしょう?」

剣士「あぁそうだったね…弓の練習のつもりで良っか」

女オーク「弓使ってみて良い?」

剣士「うん…硬さの調整は任せて」ポイ

女オーク「…」ギリリ ブン

剣士「どう?」

女オーク「ちょっと硬い…剣士にはコレが丁度良いの?」

剣士「そうだよ?」

女オーク「え…私より腕力有る?」ギリリ ブン

剣士「さぁ?使って見てどうしても硬いなら調整するよ」

女オーク「分かったわ」ギリリ ブン

631: 2021/11/19(金) 20:19:34.91 ID:pYa2Z27w0
『商人ギルド』


ワイワイ ガヤガヤ


受付「はいあんたね?こっちの人がもう一人の傭兵ね?」

剣士「うん…どうすれば良いのかな?」

受付「ちょい奥に案内するから付いて来て…」スタ


ガチャリ バタン


受付「商人!さっき話した傭兵連れて来たヨ」

商人「待ってたよ…2人顔を見せてくれるかな?マスク外して」

剣士「あ…うん」---あれ?この人…商人さんか?---

女オーク「…」ガサリ

商人「君は?顔を見せられないの?」

剣士「いや…」ガサリ

商人「ふむ人相書きの人物じゃ無いね…体格も十分…戦闘に自信は?」

剣士「相手によるんだけど…」

商人「あぁゴメンゴメン何も話して無かったね…魔物の殆どはゾンビさ…オークも居るかな」

女オーク「オーク?オークと戦うの?」

商人「頃す必要は無い…追い返せば良い」

女オーク「剣士…オークが相手だと危ないわ」

商人「こっちも戦うつもりは無いんだよ…今回はどんぐりを沢山持って行く…取引がしたいのさ」

女オーク「どんぐりで?」

商人「うん…僕らは遺跡の調査がしたいだけなんだよ…終わったら直ぐに引き上げる」

剣士「オークと話せる人は居るの?」

商人「居ない…でもね?オークは賢いから察すると思ってる…オークの何かを奪いに行く訳じゃ無いからね」

女オーク「そう…それなら良いわ」

商人「なんか君詳しそうだね?」

女オーク「別にそれほど詳しくは…」

剣士「地下の遺跡にはどれくらいの人数で?」

商人「キ・カイの衛兵4人とキラーマシン2台…それから君達合わせて全部で4人」

剣士「僕達の仕事は?」

商人「主に僕の護衛だよ…万一の時は僕を逃がしてくれれば良い…謝礼は保障する」

女オーク「剣士どうする?良いの?」

商人「ここまで話を聞いてしまったからには行かないという選択はもう無い…良いね?」

剣士「分かった…いつ出立?」

商人「今日の昼…チカテツ街道の1番…そこで衛兵達が待ってる」

剣士「準備して行く」

商人「期待しているよ…じゃぁ」ノシ

剣士「…」---違う…この人は女だ…僕の知ってる商人さんじゃない---

632: 2021/11/19(金) 20:20:19.72 ID:pYa2Z27w0
『商人ギルド裏』


ガサゴソ


剣士「よし荷物はここに置いて居ても良さそうかな」

女オーク「貴重品は全部持ったわ」

剣士「どんぐりと松ぼっくりしか乗って無い馬車なんか誰も興味無いよねw」

女オーク「フフフそうね…」

剣士「あと矢を途中で買って行こう…あ!そうだ」

女オーク「うん?」

剣士「君のコバルトの剣を貸して…」

女オーク「どうするの?」スラーン

剣士「切っ先だけ銀に変性させておく…これでゾンビも倒せる…変性魔法!」シュワ

女オーク「突いて使う?」

剣士「そうだよ…銀になってるのはほんのちょっとだから重さは変わってない」

女オーク「ふん!」ブン ブン

剣士「その剣ならゾンビは簡単に真っ二つに出来るだろうし無理して突きじゃなくて良いと思う」

女オーク「そうね…」スチャ

剣士「じゃ行こうか」グイ スタタ


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633: 2021/11/19(金) 20:21:12.23 ID:pYa2Z27w0
『チカテツ街道1番』


ガヤガヤ ガヤガヤ


剣士「矢筒は40本まで入る…腰に提げておいて」ガサリ

女オーク「この矢尻は全部銀に変性させた?」

剣士「うん…一番安い矢を変性させたんだ…品質は良くないけどゾンビには十分」

女オーク「あなたの変性魔法は本当に便利ね」

剣士「悪い魔術師はこの魔法でお金稼ぎをするんだよ…それをやると魔女って言う人が制裁に来る」

女オーク「へぇ?」

剣士「私利私欲で使うのは禁じられてる…良い事の為だけに使う魔法」


スタスタ


商人「やぁ待ってたよ…君達2人は体格が良いから良く目立つ」

剣士「もう行く準備は出来て居るの?」

商人「もうすぐ終わる…ちょっと説明するよ」


トロッコ2台で目的地まで行く…所要時間は大体5時間

それぞれのトロッコにキラーマシンが1台づつ乗ってトロッコを動かす

先頭のトロッコには衛兵4人が乗る

後続するトロッコには僕達4人が乗る

どんぐりは先頭のトロッコに積んであるからそれを目的地周辺で降ろす

その間僕達は遺跡の探索だ…しっかり僕を守ってね?


剣士「あと一人は何処?」

商人「もうトロッコに乗って居るよ…君達も行くかい?」

剣士「そうだね…待たせちゃいけない」

商人「じゃぁ行こうか」スタ

634: 2021/11/19(金) 20:21:52.80 ID:pYa2Z27w0
『トロッコ』


キラーマシン「…」ウィーン プシュー

剣士「へぇ…間近でみるとやっぱりスゴイな」

商人「乗って」ピョン スタ

剣士「どうも…よろしく」ピョン

アーチャー「…」ペコリ

機械の犬「ワン!」フリフリ

剣士「機械の犬…」

商人「気にしないで良いよ…おまけだから」

女オーク「乗るわ?」ピョン ドサ

剣士「君達2人の武器はクロスボウなんだ?2連装だね…良いなぁ」ジロジロ

商人「珍しいかい?」

剣士「仕組みに興味があるんだ…あーこうなってたのか」フムフム

商人「そちらは普段どんな魔物を狩るのかな?」

剣士「う~ん…何でも狩るけど…悪い魔物だけかな」

商人「答えになって居ないなぁ」

剣士「オーガとかシーサーペントも狩ったな」

商人「2人で?」

剣士「そうだよ…こっちの女オークなんかオーガを真っ二つに切るよ」

商人「それは頼もしい…君達が傭兵で良かった」


キラーマシン「…」ウィーン ガチャコン ガチャコン


商人「お!?予定通り動き始めた…」

剣士「このトロッコっていう奴に乗るのは初めてだ…馬より早そうだ」

商人「キラーマシンのお陰だね」

剣士「すごいなぁ…ワクワクする」キラキラ


ゴーーーーーー カタタン カタタン


---------------

---------------

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635: 2021/11/19(金) 20:22:46.10 ID:pYa2Z27w0
『5時間後』


商人「そろそろ目的地だよ…ゾンビに警戒して」

剣士「…」クンクン

女オーク「匂う?」

剣士「何処かに居る」


キラーマシン「…」ウィーン プシュー


剣士「止まった…」

商人「降りようか」ピョン スタ

剣士「…」ピョン シュタ

女オーク「…」ピョン ズダ

商人「先頭車両と少し話してくる…ここで待ってて」タッタッタ

アーチャー「…」ヨッコラ ノソ

剣士「暗いな…女オークは大丈夫?」

女オーク「夜目は利くから大丈夫」

剣士「ここで戦闘跡がある」

女オーク「倒れて居るのは皆ゾンビね…燃やされた跡もあるわ」


タッタッタ


商人「予定通り!!衛兵とキラーマシンでトロッコを守る…僕達は遺跡の調査だよ…しっかり守ってね」

剣士「うん…」

商人「僕が先導する…付いて来て」

剣士「暗くない?明かりを付けられるけど…」

商人「え!?本当に?」

剣士「付けて良いなら照明魔法を使う」

商人「おおおお!!魔法も使えるのか…先に言って欲しかった」

剣士「照明魔法!」ピカー

商人「トロッコの周りにもお願い…松明じゃ遠くまで見えない」

剣士「おっけ!!照明魔法!照明魔法!照明魔法!」ピカー

商人「…なんだ君が先頭の方が良さそうだ」

剣士「じゃぁ僕が先頭を行く…女オークは最後に」

女オーク「うん…」

剣士「行こう…」スタ

636: 2021/11/19(金) 20:23:26.41 ID:pYa2Z27w0
『大扉』


ギーーーー


女オーク「待って!通路の奥にゾンビが居る」

商人「あ…大きい」

女オーク「なんてことなの…オークがゾンビにされてる」

剣士「倒せる?」

女オーク「私が倒す…」ギリリ シュン ドス!


オークゾンビ「ウゴ…ウゴゴ」ドタリ


女オーク「こんな所にオークシャーマンが来てるなんて…」

剣士「オークシャーマン?」

女オーク「オークをゾンビにして使うのはオークシャーマンなの…呪術で氏体を操る」

剣士「氏霊術だね…僕もやろうと思えば出来るんだよ」

女オーク「そうなの?」

剣士「蟲を使役するのとほとんど同じなんだ…蟲を使うか氏体を使うかの差だけだよ」

商人「もう良いかい?ここに来たのは遺跡の調査だ…戦闘は必要が無いなら控えて欲しい」

剣士「ゴメン分かった…先に進もう」

637: 2021/11/19(金) 20:24:19.39 ID:pYa2Z27w0
『古代遺跡』


モクモク


剣士「マスク買っておいて良かった…灰がスゴイね」

商人「僕達が調査している間の安全をよろしく」

剣士「あ!!ちょっと待って…ワームが沢山居る」

商人「ワーム?」

剣士「大きなイモムシだよ…命令して灰をすこし掃除させる」

商人「それは良い」

剣士「ちょっと待ってね…蠕虫!従え…灰を食らえ」


ゴゴゴゴゴ ドスーン


商人「うわ!!」タジ

剣士「ワームに守られてるからこの辺は完全に安全だよ…好きなように調査して良い」

アーチャー「…」タッタッタ

機械の犬「ワンワン!」トコトコ

商人「助かる」タッタッタ

女オーク「剣士…私トロッコの方が心配」

剣士「ん?オークが来るかもしれない?」

女オーク「そう…向こうを援護してくるわ」

剣士「おっけ!!こっちはワームが居るから絶対大丈夫…君は気を付けて」

女オーク「うん…」タッタッタ

638: 2021/11/19(金) 20:25:09.74 ID:pYa2Z27w0
『30分後』


商人「よいしょ…重い…」

剣士「何か見つけた?」

商人「これを持って欲しい」

剣士「結構重いね…何だろうコレ」

商人「それを探しに来たんだよ…今他にも無いか探してるからもう少し待って」

剣士「分かった…先にトロッコに運んでも良いかな?」

商人「僕達の安全が確保出来て居るなら良いよ」

剣士「こっちはワームが居るからよほど大丈夫」

商人「じゃぁ任せる」

剣士「直ぐに戻るよ」


--------------


『トロッコ』


ヴヴヴヴヴ ガァァァ


剣士「ゾンビ…」ギリリ シュン グサ

衛兵「遺跡の調査はまだ掛かりそうか?」

剣士「分からない…ゾンビの数は!?」

衛兵「囲まれている…少し引いて守備する」

キラーマシン「…」ウィーン ブン ザクリ

ゾンビ「ガァァァ」ズル ズル

女オーク「オーク達も何処かに居る筈…警戒して様子を見てるわ」

衛兵「右手にゾンビ3体!!」

女オーク「少しづつ下がって…」ギリリ シュン グサ

剣士「商人達に急がせる!」ギリリ シュン

衛兵「私達は撤収の準備を始める…急いでくれ」

剣士「分かった」シュタタ



---------------

639: 2021/11/19(金) 20:26:16.59 ID:pYa2Z27w0
『古代遺跡』


ドドドド ドコーン


剣士「何だぁ!?上か!!」

商人「あぁ!!戻って来たんだね…」

剣士「何が居る?」

商人「ガーゴイルだよ10体くらい飛んでる」

剣士「引いた方が良い」

商人「その様だ…」ヨッコラ ヨッコラ

剣士「僕が後方から援護する…トロッコに向かって」

商人「敵は任せる…戻ろう!!」

アーチャー「…」ノソノソ

機械の犬「ワン!」トコトコ

剣士「来る!早くトロッコへ!!」


ガーゴイル「グェェェェ…」ビュゥゥゥ バッサ バッサ


剣士「早いな…」ギリリ シュン

剣士「蜻蛉!従え…敵を食らえ」ザワザワ バサバサ

商人「虫の大群…君は一体何者なんだい…」

アーチャー「…」ジロ

剣士「蟲使いの得意な只の魔術師さ…足を止めないで早くトロッコへ」

商人「う…うん行こう!」ヨッコラ


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640: 2021/11/19(金) 20:27:19.55 ID:pYa2Z27w0
『トロッコ』


ヴヴヴヴヴ ガァァァァ

正面8体!右手4体!

後ろにも4体居るわ

キラーマシンはトロッコを動かすから宛てにするな


女オーク「私が処理するから作業急いで!」ギリリ シュン

商人「戻った!ゾンビに囲まれてる?」

衛兵「よし!!撤収出来るな?」

商人「報告より敵が多かった…キ・カイに戻ろう」

衛兵「そちらは後続のトロッコで追っ手を処理してくれ」

商人「分かった…皆乗って!」ヨッコラ

アーチャー「…」ノソノソ

女オーク「私達は飛び乗るから早くトロッコを動かして」ギリリ シュン

剣士「火炎魔法!火炎魔法!火炎魔法!」ゴウ ゴウ ゴウ


ボボボボ メラ


剣士「僕が引き付ける…」シュタタ ギリリ シュン

衛兵「助かる…」ダダダ

女オーク「火炎でゾンビの動きが遅く…」ギリリ シュン

剣士「どんどん撃って!」ギリリ シュン

商人「スゴイな…手慣れてる」

剣士「火炎魔法!火炎魔法!火炎魔法!」ゴウ ゴウ ゴウ


ボボボボ メラ


女オーク「…」ギリリ シュン

キラーマシン「…」ウィーン ガチャコン ガチャコン

女オーク「トロッコが動き始めた!剣士乗って!!」ピョン ドスン

剣士「おっけ!!」ピョン クルクル シュタ


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641: 2021/11/19(金) 20:28:53.31 ID:pYa2Z27w0
『帰路』


ゴーーーーー カタタン カタタン


商人「ふぅぅ…ここまで来ればもう安心」

剣士「もう調査は終わり?」

商人「目的の物が3つも手に入った…十分さ」

剣士「良かった…これで一人金貨20枚づつだね」

商人「ハハハガメツイな…ちゃんと帰ったら報酬は支払うよ」

剣士「なかなか楽しかったよ…弓の練習にもなったね?女オーク…」

女オーク「フフ剣士には負けたわ…魔法と併用するなんて反則よ」

剣士「魔法も教えてあげようか?」

アーチャー「…君達…何者?」ジロ

剣士「見ての通り魔術師と戦士さ」

アーチャー「マスクを外して顔を見せてくれないかい?」

剣士「また?良いけど…」ズルリ

女オーク「私も?」ズルリ

アーチャー「良く見せて…」ジロ

剣士「人相書きにはなって無いと思うけどなぁ…」

アーチャー「君…未来君だね?その目は未来君だ」

剣士「ええ!!?どうして…もしかして商人さん?」

アーチャー「アハハ…大きくなったねぇ…全然気が付かなかったよ」

女オーク「え?剣士どういう事?知り合い?」

アーチャー「そうか剣士って名乗ってるいるのか」

剣士「商人さんの方こそどうしてアーチャーに…」

アーチャー「身を隠して居るんだよ…僕が商人でもう一人の方は僕の影武者なのさ」

剣士「え!?」キョロ

影武者「…」ジー

剣士「道理で…この人女の人だよね」

商人「分かってたんだね」

剣士「まぁ匂いでね」

642: 2021/11/19(金) 20:29:48.13 ID:pYa2Z27w0
商人「君の連れの戦士とはどういう関係なんだい?」

剣士「女オークは信用しても良い…えーと僕のパートナー?」

女オーク「剣士は私の奴隷よ」

商人「ハハハ未来君は奴隷なのか…まぁ良いや未来君は家族みたいなものだ信用しよう」

剣士「あのさ…お金はちゃんと貰うよ?」

影武者「ぷっ…」

商人「分かってるよちゃんと支払うよ…いやぁそれにしても君はお父さんにそっくりになったね」

剣士「そう?」

商人「性格はお母さんにそっくりだ…良く目を見せて?」

剣士「…」ジー

商人「そんな目をしてイタズラばっかりしてたんだよ…懐かしい目だ」

剣士「商人さんは遺跡の調査で何を探して?」

商人「まぁ色々有ってね…そうだ!おいでラヴ!」

機械の犬「ワン!」フリフリ

剣士「機械の犬?」

商人「驚くなよ?この機械の犬は君がよく甘えていたホムンクルスだよ」

剣士「えええええええええええええ!!?ホム姉ちゃんは氏んだんじゃ無かったの?」

商人「僕が蘇らせた…そして遺跡の調査はホムンクルスをちゃんと蘇らせる為なんだ」

剣士「ホム姉ちゃん…信じられない…この中にホム姉ちゃんが?」

機械の犬「ワン!」フリフリ

剣士「そうだったのか…」ナデナデ

機械の犬「クゥ~ン」フリフリ

剣士「商人さんはどうしてずっと顔を隠して居るの?」

商人「身を隠して居るのもあるけど…僕はもう人間ではなくなってしまって居てね」

剣士「どういうこと?アサシンさんと同じ不氏者になったとか?」

商人「う~ん…それに近いかな…皮膚を見てみるかい」グイ

剣士「え?…ウロコ?」

商人「僕はねどうも皮膚の再生があまり良く無くて全身のウロコが隠せなくなったんだよ」

剣士「そんなの変性魔法でどうにでもなるよ…治してあげようか?」

商人「あぁこれはこれで良いんだ…普通の皮膚よりも硬いしなにより火傷に強い」

剣士「そっか…でもどうしてウロコなんか…」

商人「僕は何も知らずドラドンの涙を飲んだんだよ…心臓が弱いのに中々氏ななくてね…気付いたらこうなってた」

剣士「アハハドラゴンになったんだね?」

643: 2021/11/19(金) 20:30:36.26 ID:pYa2Z27w0
商人「そういう事になるのかな?いやぁ…なんか話すことが一杯あるね」

剣士「僕も聞きたい事が沢山あるんだ…どうしよう?どっちから話そう?ジャンケンで決める?」

商人「ジャンケンって何だい?」

剣士「これがグー…これがチョキ…そしてこれがパーでね?」


グーはチョキに勝ち

チョキはパーに勝ち

パーはグーに勝ち


商人「おお!!そう言うのはラヴが大好きなんだ…やってみて」

剣士「え…じゃぁグーは?」

機械の犬「ワン!」

剣士「チョキは?」

機械の犬「キャン!」

剣士「パーは?」

機械の犬「クゥ~ン」

剣士「アハハハ行けるね…じゃぁせーの!!」ポイ

機械の犬「ワン!」

剣士「ちょちょちょ…見てから鳴いてるよね?もう一回!せーの!!」ポイ

機械の犬「クゥ~ン」

剣士「ちょちょちょ…ダメだってズルいから」


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644: 2021/11/19(金) 20:31:35.86 ID:pYa2Z27w0
『数時間後』


カクカク シカジカ…


商人「…通りで人並み外れた戦い方をする訳だ…オークがこんなに人間と慣れあうなんて」

剣士「それでずっと一緒にキ・カイまで一緒に旅して来たんだよ」

商人「言葉も君が教えたんだね?」

剣士「最近はすごく上手になったよ…ね?」

女オーク「ウフフ…」

商人「君に教えておかないといけない事が有る…さっき話してた君の3人の仲間」

剣士「うん…」

商人「この間まで商人ギルドまで来てたんだ…今は気球を買ってハテノ村まで飛んで行った」

剣士「そうだったんだ…安心したよ」

商人「本当は遺跡の護衛を彼らにお願いしようと思って居たんだけどね…タイミングが悪かった」

剣士「それで傭兵を募集してたんだね」

商人「君で良かったよ…あんなにワームが居たんじゃどうにもならなかった」

剣士「金貨20枚の働きはしたでしょ?」

商人「アハハ抜け目が無いのはお母さんと一緒だ」

剣士「やっぱり似てる?」

商人「何て言うのかなぁマイペースな所?きっと他に夢中になる事が出来たら金貨20枚の事も忘れるよ」

剣士「いやいや…ちゃんと貰うから」

商人「遺跡から発掘した謎の機械が一杯あるんだよ…見たくないかい?」

剣士「おぉ!!見たい見たい…」

商人「よし!帰ったら僕の秘密の部屋に案内してあげる…他の人は誰も入れないんだ」

剣士「どんな機械?」

商人「君のお母さんがデリンジャーっていう武器を持って居たよね?そんな感じの奴さ」

剣士「おおおおおお!!」キラキラ

女オーク「ウフフ…剣士かわいい」

商人「君は剣士君の保護者みたいだね」

剣士「どっちかって言うと僕の方が保護者なんだけどさ…なんか逆に見られるんだ」

商人「じゃぁどうしてずっと膝の上に乗って居るんだい?」

剣士「座るのに丁度良いだけだよ…商人さんも座ってみる?暖かいんだ」

商人「ええ!?いや僕は遠慮する…それで君が聞きたい話って何なのかな?」

剣士「あーまた今度で良い…なんかデリンジャーの事で頭が一杯でどうでも良くなった」

商人「ほらね?お母さんにそっくりだ…飽きっぽいと言うか」

剣士「このトロッコもすごく改造したくなる…多分もっと早く出来る」


645: 2021/11/19(金) 20:32:18.07 ID:pYa2Z27w0
『チカテツ街道1番』


ガヤガヤ


剣士「影武者さん…置いて行って良いの?」

商人「交渉事は全部任せて良い…僕達は先に戻るよ…収穫した物を無くさない様に?」

剣士「これ重いね…何なの?」

商人「古代のエネルギーユニットさ…」

剣士「へぇ?何が入ってるんだろ」

商人「帰ってからのお楽しみに」

剣士「女オーク?迷わない様について来てね」

女オーク「ウフフ…」ニッコリ



『商人ギルド地下』


ドタドタ


剣士「…こんな所に地下があったのか」

商人「ふぅぅぅ無事に持って帰って来られた」

剣士「謎の機械は?」

商人「奥にある…おいで」


ギギーー


剣士「うは!今度は本棚の中か…念入りに隠してあるんだw」

商人「こっちだよ…」スタスタ


--------------

--------------

--------------

646: 2021/11/19(金) 20:34:04.25 ID:pYa2Z27w0
剣士「おぉぉぉ沢山ある!!見て良い?」

商人「どうぞ好きな様に…でも壊さないでね」

女オーク「…この絵」

商人「あーそれね…僕が描いたんだよ」

女オーク「精霊ウンディーネ…東オークの守る神様」

商人「え…ちょっと待った…どういう事だい?」

女オーク「東オークは精霊ウンディーネを信仰しているの…ずっと昔から眠るウンディーネを守って居るわ」

女オーク「西オークは呪術信仰で…オークに伝わる予言を守って居る」

商人「まさか…君達が情報を持って居たとは…」


西オークのオークシャーマンは予言に従いウンディーネを目覚めさせようとしている

でも東オークはウンディーネを手放さない

だからオーク達は争い合ってる

オークシャーマンは戦いに勝つために暁の使徒の力を求めた


商人「そこで剣士君が捕らえられた?そういう事か…」

女オーク「でもオークシャーマンは悪いオーク…沢山のオーク達に呪いを掛ける」

商人「呪い?」

女オーク「従わせる呪いやゾンビになる呪い…グールやオーガ達と同じ…」

商人「そうやって言う事を効かせて居るんだね…戦争に勝つための選択か」

女オーク「オーク達は本当は戦いたくないの」

剣士「ねぇ今の話…呪いって何だと思う?」

女オーク「呪いは呪い…呪怨って呼ばれてる」

剣士「僕が思うにそれはただの病気だと思うな…ゾンビ化する病気」

女オーク「剣士は虫の力で治せる?」

剣士「多分ね…」

剣士「そしてオークシャーマンの力…それは多分僕と同じ蟲使いだよ…使う術がほとんど同じだ」

女オーク「虫を…」

剣士「使役しているのが虫か氏体かの違いだけだ」

647: 2021/11/19(金) 20:34:34.67 ID:pYa2Z27w0
女オーク「オークシャーマンは治癒の虫を使った事無い」

剣士「知らないだけじゃない?僕は蟲を良く知ってる…オークシャーマンは氏体を良く知ってる…そんだけの差」

女オーク「言われてみれば…剣士は氏体を使ったの見た事無い」

剣士「そうそう…得意なのがちょっと違うだけ」

商人「フムフム…今の話から察するにウンディーネが目覚めれば解決する話だね」

女オーク「そんな事が出来る?」

商人「手はある…只ちょっとリスクが高い…僕はもうミスを犯したくない」

剣士「ミス?」

商人「ホムンクルスを2度も失ってるんだ…この機械の犬の中に居る君まで失いたくないんだ」

機械の犬「クゥ~ン」

商人「もう一枚外部メモリが有ったらなぁ…」

剣士「ホム姉ちゃんが見つかったハテノ村に残って無いかな?」

商人「…」


”私が眠っていた場所にならもしかしたら合ったのかもしれません”


商人「そうだ…心当たりが2つ有る…探しに行くか」

剣士「ハテノ村?」

商人「いやそっちは灰で埋まって居る…先に行くのなら名も無き島…君が生まれた場所さ」

剣士「おぉ!!爺いじにずっと会って無い…行きたい」

商人「ちょっと考えさせてくれ…部屋は好きに使って良い」ブツブツ



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648: 2021/11/19(金) 20:35:08.88 ID:pYa2Z27w0
カチャカチャ シュコシュコ


商人「使えそうかい?」

剣士「うん!掃除して組み立ててる…」

商人「それは良かった…僕はそれのメンテナンスが良く分からなくてね」

剣士「多分ママが持って居たのと同じさ…錆びついて居たけどこれで大丈夫」カチャカチャ

商人「火薬は有るのかい?」

剣士「勿論!!…よっし!出来た…」シャキーン

商人「んん?砲弾じゃなくてどんぐり?」

剣士「あぁコレね…どんぐりを変性させて鉛に変える事もできる…普段はどんぐりで十分かな」

商人「どんぐりを撃つのかw」

剣士「ちょっと試し撃ちして良い?」

商人「部屋を壊さないで欲しいな…」

剣士「撃つのはどんぐりだよ…石壁なら大丈夫でしょ?」

商人「壊さないでよ?」

剣士「うん…」チャキリ ターン


バチン! バラバラ


商人「おぉ!!結構威力がある」

剣士「線虫!」ザワザワ ニョロ

商人「え…今の撃ったどんぐりから虫が?」

剣士「こういう使い方がしたいんだ…どんぐりからワームも産めるし木に成長させる事も出来る」

商人「鉛を撃つより汎用性がある?」

剣士「うん!気に入った…もう僕弓要らない」

商人「ハハ喜んで貰えて良かった」

剣士「ねぇ女オーク!!ちょっとオーガ探しに行こうよ」

女オーク「いま夜よ?」

剣士「んあぁぁ…寝て待つかぁ…」ショボン

商人「この建屋の上の部屋なら好きに使っても良いよ…受付には話しておくから」

女オーク「あ…水浴びしたい」

剣士「おっけ!今日は我慢する…一緒に水浴びしよう」

商人「一緒に?ハハ…まぁ好きにしなよ」

剣士「じゃぁ行こ!!」グイ

649: 2021/11/19(金) 20:35:44.54 ID:pYa2Z27w0
『客室』


ガチャリ


受付「ふぁ~むにゃ…こんな夜遅くに」ブツブツ

剣士「ここ使って良いんだね?ありがとう」

受付「もう起こさないで…じゃ」バタン

剣士「やっとベッドに横になれる」ドスン ギシギシ

女オーク「こんな良いお部屋初めて…」

剣士「あぁそうか…君は人間の街で生活するの初めてだったね」

女オーク「窓から外が見える…」スタ

剣士「ちょっと狭いけど落ち着くね」

女オーク「ねぇ今日は満月よ?」

剣士「今見える?灰で曇って無い?」

女オーク「丁度見えてるわ?」

剣士「…思い出した…そういえば昔ママが言ってた…あの月に絶対何かあるって」

女オーク「何か?」

剣士「ママは月に行こうと真剣に考えてたんだよ…夜の闇を明るく照らす月に絶対秘密があるってさ」

女オーク「ウフフ…本当かしら?」

剣士「そうだ望遠鏡買わなきゃ…ママと月を見る約束したまんま見ていない」

女オーク「じゃ明日望遠鏡買いに行かなきゃ…」

剣士「まてよ!?海賊の隠れ家に置いてあったな…ビッグママの望遠鏡…倍率の高い奴」

女オーク「やる事が尽きないわね?」

剣士「そうだそうだ…そうしよう」キラキラ

女オーク「剣士かわいい…」ギュゥ

剣士「ちょちょちょ…」

女オーク「ウフフ」


650: 2021/11/19(金) 20:36:23.74 ID:pYa2Z27w0
『翌朝』


トントン


剣士「う~ん…」パチリ

女オーク「剣士起きて?誰かノックしてる…」ゴソゴソ

剣士「だれ~?」ゴソゴソ

商人「起きて居るかい?開けて良いかな?」

剣士「うん…」アセアセ


ガチャリ ギー


商人「君にお願いが有ってね…」

剣士「どうしたのさ?」

商人「ズバリ言う…木材が欲しい」

剣士「なんだ…そんな事か…簡単だよ」

商人「そう言ってくれると思って居た…実はね…急にお金が必要になったんだ」

剣士「木材とどんな関係があるの?」


新しく気球を買いたいんだけどもう僕が自由に出来るお金が少ししか無くてね

木材は高く取引できるから欲しいんだよ…剣士君なら出来ると思った


剣士「あんまり派手にやると魔女が怒るなぁ…」

商人「クヌギの木だったかな?10本もあれば十分さ」

剣士「なんだそれくらいで良いのか…直ぐに出来るよ」

商人「よし!付いて来てくれないか?指定の場所に生やしたいんだ」

剣士「おけおけ!」

商人「散歩みたいな物だから女オークも一緒においで」

女オーク「はい…」

651: 2021/11/19(金) 20:37:37.28 ID:pYa2Z27w0
『街道』


ガヤガヤ


商人「よし!人が居なくなった…そこの庭に3本…こっちの庭にも3本」

剣士「成長魔法!」ザワザワ

商人「…これで終わりだよ」

剣士「ハハ簡単だ」

商人「今植えた物件はね…売り屋なんだ…これで高く売れる」

剣士「なんかお金儲けなのに良い事した気分だ」

商人「さぁ戻ろうか」

剣士「商人さんは気球持って無かったの?」

商人「僕の気球は今頃セントラルの港にあるよ…船に乗せっぱなしさ」

剣士「じゃぁ新しく気球を買うって言うのは?」

商人「名も無き島に行くためには普通の気球じゃ行けない…帆付きの気球を買うんだ」

剣士「なるほど…じゃぁアダマンタイトも欲しいね」

商人「そんなレアな物は持って居ないし市場にも出ないかな」

剣士「採ってこようか?」

商人「ハハそんな簡単に手に入るのかい?」

剣士「ここから東にある海賊の隠れ家覚えてる?」

商人「君のママに連れて行かれた場所だね?あそこは何度も探索したけど見つけられなかった」

剣士「行き方があるんだよ…多分アダマンタイトもそのままあるんじゃないかな?」

商人「そうか…取りに行きたいけどちょっと僕はやる事が有るなぁ…」

剣士「僕と女オークで取りに行って来るよ…それでさぁ?」

商人「何だい?」

剣士「あそこにあった隠れ家にはもう誰も居ない様なんだけどなんで?」

商人「あぁ…君は知らなかったんだね…」


資金が潤沢になった海賊達は

女戦士率いる派閥とそうでない派閥に分かれてしまって離別したんだよ

その結果あそこにあった隠れ家は放棄された…というか女戦士が海賊を追いだした


剣士「ママが居なくなったからかな?」

商人「さぁね?海賊達の事情は良く知らない」

剣士「離別した海賊達が豪族になった感じ?」

商人「そうだね…資金を全部奪って豪族になったんだよ…その後女戦士は何処に行ったのか分からない」

剣士「ビッグママは何度か僕に会いに来てくれてた…最後に会ったのは3年前だったかな」

商人「まぁ元気にして居れば良いさ」

剣士「この後直ぐに隠れ家に向かうよ」

商人「そんなに慌てなくても良いけどね」

剣士「う~ん…はやくデリンジャーの使い勝手を試したいんだ」

商人「ハハそうかフフフお母さんにそっくりだねぇ…まぁ気球を買い付けておくから又戻っておいで」

剣士「うん!!女オーク!!行こう!!」グイ


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652: 2021/11/19(金) 20:38:04.06 ID:pYa2Z27w0
『荷馬車』


ブモモ~ ガタゴト ガタゴト


女オーク「ねぇ剣士?行き場所は分かって居るの?」

剣士「大体ね…この道は通った事ある」

女オーク「地図とか買った方が良かったんじゃない?」

剣士「アハハすっかり忘れてた…まぁきっと大丈夫だよ」

女オーク「それから報酬の金貨20枚は貰った?」

剣士「ああ!!忘れてた…デリンジャーで頭が一杯だった…」

女オーク「剣士の弓も忘れて来たわね」

剣士「弓はもう良いや…しまったなぁ…悪いクセが出た」

女オーク「ウフフ…」

剣士「馬車に入れてた種とかは無事だね?ふぅ…まぁ良いや!水もちゃんとあるし何とかなる」

女オーク「これから何をしに行くか覚えて居る?」

剣士「望遠鏡だよ!!それからアダマンタイト…あと何だっけ?」

女オーク「デリンジャーのテスト?」

剣士「そうそう…それだ!的は…う~ん別にオーガじゃなくても良いか」

女オーク「適当に撃って木に育ててみては?」

剣士「そうだね…それで調整してみる…もう少しキ・カイから離れてからやろう」


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653: 2021/11/19(金) 20:39:31.52 ID:pYa2Z27w0

『荒野』


チャキリ ターン!


剣士「成長魔法!」ザワザワ

剣士「う~ん…照準がなかなか合わない」カチャカチャ

女オーク「ねぇ剣士…馬が2頭こっちに向かってる」

剣士「え…見えた」クンクン

剣士「こっちが風上だ…誰だか分からない」

女オーク「きっと私を付け狙ってる2人組」

剣士「まだ諦めて居ないのか…」

女オーク「馬車を物色された跡が有ったの…何も盗られて無いけど」

剣士「ちょっと痛い目を見ないと諦めない様だね…困った人達だ」

女オーク「どうするの?」

剣士「まぁ見てて?デリンジャーの的にする」


バカラッ バカラッタ


野郎1「おい!お前等待ちやがれ…どういう事か分かるな?」

野郎2「痛い目見たく無けりゃ大人しく止まれ」スラーン

剣士「あのさぁ?痛い目見たくないなら構わないで欲しいな」チャキリ ターン ターン


ヒヒ~ン ブルル


野郎1「どわぁぁ!!」ドテッ

野郎2「だぁぁ!!」ドサリ

654: 2021/11/19(金) 20:40:26.98 ID:pYa2Z27w0
剣士「お馬さんごめんよ!走って逃げて…線虫!」ザワザワ ニョロ


ヒヒ~ン パカラッ パカラッタ


野郎1「何しやがる!!ぬぁぁ…馬が」ダダ

野郎2「くっそ!許さねぇからな?」ダダッ

剣士「しつこいなぁ…」チャキリ ターン ターン

野郎1「ぐはぁ…何だその武器」ポタ

野郎2「おま…血が出て…」タジ

剣士「フムフム…この距離だと全然いけるな」ツメツメ

野郎1「くそう!野郎2!!ヤクを先に殺せ!!」

野郎2「馬車を止めやがれ」ダダ

剣士「ハハもっと走って動いて?」チャキリ ターン ターン

野郎2「はぶぶ…」ズダダ ゴロゴロ

剣士「蠕虫!食らえ!」ゾワゾワ ニョロ

野郎2「ひぃぃぃ虫が体から…やべて…やべてくれぇ」バタバタ

剣士「ふむ…中距離で少し逸れるか…もうちょっとどんぐりが回転するように工夫しなきゃ…」カチャカチャ

女オーク「このまま放って置いて良いの?」

剣士「大丈夫…あんな小さなワームじゃたかが知れてるよ…氏にはしないさ」

女オーク「これで懲りてくれれば良いけど…」

剣士「どんぐりの威力もこれで良く分かった…皮膚を貫通する程度にはなる」

女オーク「どんぐりも使い方次第なのね」

655: 2021/11/19(金) 20:41:27.58 ID:pYa2Z27w0
『夕方』


ガタゴト ガタゴト


剣士「今まで気づかなかったけど2輪の馬車だと進行が随分早いみたいだ」

女オーク「どうして分かったの?」

剣士「海賊の隠れ家に到着するのは明日の予定だったのさ…もうすぐ到着するよ」

女オーク「ヤクの体調が良いお陰では?早い様には感じないわ」

剣士「あ~そうだね…ヤクの負担が軽いのと餌の品質だねきっと」

女オーク「道を逸れてしまったけどここで良いの?何も見当たらないけど」

剣士「目印があるんだ…あそこあそこ…あの石と石の間を通る」

女オーク「何も無いけど…」

剣士「狭間っていう場所に隠してるんだよ…驚かないでね?」

女オーク「…」ジー

剣士「入るよ?3…2…1…」

女オーク「え!?あの時の入り江…どうして?」

剣士「そういう仕掛けなのさ…でも良く無いなぁ…ゴーストが彷徨ってる」

女オーク「見た事無い…」

剣士「コバルトの剣を出して?」

女オーク「どうするの?」スラーン

剣士「照明魔法!」ピカー

女オーク「光?光で倒す?」

剣士「うん…光の武器かミスリルじゃないと対処出来ない…僕が退魔の方陣を張るまでヤクを守って」

女オーク「分かった…」

剣士「ええと…寒く無いし入り江の真ん中で良いか…」


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656: 2021/11/19(金) 20:42:50.99 ID:pYa2Z27w0
『廃れた入り江』


ザザー ザブン


女オーク「何処?…」タジ キョロ


ゴースト「シャァァァァ…」スゥ


女オーク「地面の下…」ダダダ グサ

剣士「照明魔法!照明魔法!照明魔法!」ピカー

女オーク「ゴーストが見えないの…」

剣士「影だよ…影の中に居る」

女オーク「何処?…」タジ キョロ

剣士「もう少し粘って…あとちょっとで退魔の方陣が出来る」シュタタ


ゴースト「シャァァァ…」スゥ


女オーク「そこ!!」ブン スパァ

女オーク「手ごたえ無い…」タジ

剣士「よし!!終わった…もう大丈夫!!」

女オーク「…」タジ

剣士「アダマンタイトを探しに行こう…おいで?」

女オーク「ふぅふぅ…」

剣士「初めての事で混乱しているかな?大丈夫…魂は握られて無いよ」

女オーク「これが闇…」

剣士「狭間の奥から迷い込んだゴーストさ…憑りついて悪さする」


僕達魔術師の役目はね…

世界中にあるこういう放置された狭間を処理しなきゃいけないんだ

こういう所を通じて深淵から悪霊が這い出て来る

なんか色々分かって来た

海賊達に裏切られたビッグママはこの場所に誰も近づかない様にする為に

退魔の方陣を解いて海賊を追いだしたんだ

良くない方法だったけどアダマンタイトを乱用されるのは防いでる


女オーク「そのアダマンタイトと言う物がこの不思議な空間を作って居るの?」

剣士「そうだよ…僕はそれを処分しなきゃいけない」

女オーク「どうやって処分を?」

剣士「変性魔法で違う物質に変える…それがこの魔法の本来の目的」


スタスタ スタスタ

657: 2021/11/19(金) 20:43:49.29 ID:pYa2Z27w0
『朽ちた隠れ家』


剣士「…やっぱり狭間の中だと色んな物が錆びつかない」

女オーク「高価そうな物は何も残って居ないわ」ガラガラ

剣士「全部略奪されたんだ…なんか寂しいね」

女オーク「あそこに倒れてるのは望遠鏡では?」

剣士「おお!!残ってる…」タッタッタ

女オーク「良かったわね」

剣士「なんだ望遠鏡はいっぱい残ってる…」ガチャガチャ

女オーク「私も一つ貰って良い?」

剣士「うん…ああああ!!ママが使ってた望遠鏡だ…こんな所に置きっぱなしだったんだ…」グイ

剣士「でも古い奴だ…要らなくて置いて行ったのか」

女オーク「宝物見つけて良かったじゃない」

剣士「他には…」ガサ キョロ


ゴースト「シャァァァァ…」スゥ


女オーク「剣士!危ない!!」ダダ

剣士「うるさいなぁ!!照明魔法!」ピカー


ゴースト「…」シュゥゥゥゥ


女オーク「あ…」

剣士「折角ママの残した物見つけたんだ!邪魔しないで…」

女オーク「フフ剣士には何でもない敵なのね…」

剣士「落ち着いて探せないや…先にアダマンタイト何とかしよう」スタ

女オーク「うん…それが賢い」


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658: 2021/11/19(金) 20:44:51.60 ID:pYa2Z27w0
剣士「有った!!これだフンッ!!」グイ

女オーク「持つ?」

剣士「いや重さ確認した…そうかこの位の重さでこの範囲か…」ブツブツ

剣士「変性魔法!」シュワワ

剣士「おっけ!!只の石に変えた」

女オーク「何か変わった?」

剣士「ここじゃ分からないね…外に出たら星が見える筈」

女オーク「へぇ?」

剣士「他にもいろんな大きさのアダマンタイトがある…ママはここで色々試してたのか」

剣士「ダメじゃ無いか置きっぱなしにしたら…変性魔法!」シュワワ

女オーク「剣士に似てたのね…」

剣士「持って帰るのは少しで良いや…」ガサゴソ

女オーク「もう安全ならその辺物色してきても良い?」

剣士「良いよ!僕もママの物他に無いか探してあとで馬車に戻る」

女オーク「じゃぁ…後で」タッタ



『廃れた入り江』


メラメラ パチ


剣士「よっこら…よっこら」ドスン ガラガラ

女オーク「スープ作ったわ?」

剣士「丁度何か欲しかった所だよ…あれ?この食器は拾ったの?」

女オーク「そう…銀の食器がいくつか残ってた…ナイフもあるわ?」

剣士「僕はね…ジャーン!!ミスリル銀の欠片を見つけた…これで何か装飾品を作れる」

女オーク「それもあなたのお母さんが残した物?」

剣士「多分ね…何かの材料の一部だと思う…あ!!そうだ君のコバルトの剣…刃先をミスリル銀に変えよう」

女オーク「ここで出来るの?」

剣士「炉と金床があるんだ…ちょっと待ってて」タッタッタ


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カーン カンカン 

659: 2021/11/19(金) 20:46:00.86 ID:pYa2Z27w0
『1時間後』


タッタッタ


剣士「出来たよ…剣を打ち直して長さが少し伸びた…振ってみて?」ポイ

女オーク「やっと普通のグレートソードの長さね」ブン ブン

剣士「これで君にもゴーストが倒せる」

女オーク「突きね?」

剣士「切っ先にはミスリル銀が溶解してるから先端なら切りでも行ける」

女オーク「ゴーストは実体が無いから切っ先でも良いのね」

剣士「そうそう!重量乗せなくても良いんだ」

女オーク「へぇ?ちゃんと考えて居るんだ…関心」

剣士「ねぇスープ飲みたい」

女オーク「温まってる…飲んで?」

剣士「ズズズ…ぷはぁ」

女オーク「焼きどんぐり居る?」

剣士「うん!!」カリ モグ


ドスドス


女オーク「この足音はオーガ…」

剣士「狭間から出たら早速来たね…ちょっとデリンジャー試すから手を出さないで」

女オーク「分かった」スック


オーガ「ガウ!!ウオォォォォ!!」ドスドス


剣士「1体か…」チャキリ ターン

剣士「成長魔法!」ザワザワ

オーガ「ウグゥゥゥ…」ガクリ

剣士「行ける…木で握りつぶせる…成長の方が強い」

女オーク「土の代わりにしたのね?」

剣士「うん…木がオーガの生気を吸って成長した」

女オーク「すごいわね!その武器」

剣士「気に入ったよ…僕にピッタリの武器さ…どんぐりの銃だ」

660: 2021/11/19(金) 20:47:30.24 ID:pYa2Z27w0
『翌日』


ガタゴト ガタゴト


剣士「よし…これで動く」カチャカチャ

剣士「君の望遠鏡だよ?これでピント会う筈」

女オーク「見せて?…」

剣士「この部分を回すんだ…」グイ

女オーク「あ…見える」

剣士「大体10倍くらいで一番使いやすい」

女オーク「大きな望遠鏡は?」

剣士「これは星を見る為の望遠鏡さ…倍率が高くて使いにくいけど遠くまで見える筈」

女オーク「それで月を?」

剣士「うん…空がきれいに見える場所で使わないと」

女オーク「じゃぁ灰の外に出ないと」

剣士「気球なら灰の上に出られる…気球が一番良いかな」


ドドド ドーン


女オーク「あら?左手…ワーム?」

剣士「大きいのが1匹居るね…無視で良い」

女オーク「剣士にとって虫は全部味方なのね」

剣士「まぁね…味方というか使役出来るだけなんだけどね」


実は僕達が生きてるこの星はね

植物と蟲が支配しているんだよ

僕達人間はその中でほんのちょびっとの存在なんだ


女オーク「虫に支配…」

剣士「特に人間は完全に植物に支配されて居るんだ…気付いて居ないだろうけどさ」

女オーク「どうやって支配を?」

剣士「食べ物だよ…植物は実を実らせて人間や動物の口に入る…そして精神的に操るんだ」

女オーク「私もどんぐりに操られて居るという事?」

剣士「そうだね…食べ物の有る所に集まるよね?そうやって植物は人間や動物の動きを操作して居るのさ」

女オーク「共生では無いの?」

剣士「違うね…支配だよ…でも人間はそれに気付かないからそれで幸せなんだ」

661: 2021/11/19(金) 20:49:43.08 ID:pYa2Z27w0
女オーク「虫の役割は?」

剣士「蟲と植物は共生関係さ…でも能動的に動ける蟲の方が強い」

女オーク「じゃぁ虫を操る剣士はもっと強いのね」

剣士「ハハそういう言い方になるか…でもここまで言ったらどうして人間達が困窮しているのか分かるよね?」

女オーク「植物に誘導されてる…」

剣士「正解!…なんでだろうね?」

女オーク「え?どうしてだろう…」

剣士「教えてあげる…人間が不要になったんだ…今まで利用してた人間がもう要らなくなった」

女オーク「利用って何?」

剣士「う~ん…そうだな花粉や種を運ぶとか害虫を駆除させるとか…植物にとって有益な何か」

女オーク「それを失うと困るのは植物では?」

剣士「困らなくなったから不要になったのさ…」

女オーク「それって何?」

剣士「植物はね…10年前に知恵の実を得たんだよ…この星を統べる知恵を得たんだ」

女オーク「10年前…光る夜の時ね」

剣士「君も遠くで見ていたんだね…そう…あの光は知恵の実を得た植物が起こした」


知恵を得たのと同時にこの星を焼き尽くす力も得たんだ

そして僕達人間は不要になった

きっと不要になったのは人間だけじゃない…共生関係に無い生物はすべて不要だ

エルフもドワーフもオークも…ドラゴンだって…クラーケンさえ

植物にとって皆要らない存在だ…僕達はゆっくりと滅びの道を進んでる


剣士「…これで良いんだっけ?ってよく考えるよ」

女オーク「知恵を得た植物をどうにかしないと…」

662: 2021/11/19(金) 20:50:25.00 ID:pYa2Z27w0
剣士「僕は10年前にその現場に居たんだ…幾千幾億の蟲が束になっても光で焼き尽くされた…どうにも出来ないんだよ」

女オーク「さっき植物より虫の方が強いって…」

剣士「それを超える力を植物が得たんだ…10年前にね…もう調和させるのは無理だよ」

女オーク「…イ工口ーストーンより火竜いずる時我らが主目覚めん」

剣士「え?なにそれ?」

女オーク「西オークに伝わる予言の一説よ」

剣士「どうして急に予言の話なんか…」


主を目覚めさせしは未来

その者…主に従い厄災を払わん

万物の生けとし生きる物の調和を謀らん


女オーク「私が知って居るのはほんの一説…でも何か分かって来た…未来って個人の名前だったのね?」

剣士「ええ!?僕?なんで?」

女オーク「すべてのオークは未来に主である精霊が目覚めると思ってる…私はあなたが目覚めさせると思った」

剣士「予言に個人名なんかおかしいじゃ無いか」

女オーク「誰が予言したのかしら?」

剣士「…まさか」

女オーク「あなたのお父さんとお母さんは何処へ?」

剣士「パパとママが残した言葉…なのか?ちょちょ…その予言もっと知りたい!」

女オーク「私は少ししか聞かされて居ないからそれだけしか知らない」

剣士「予言でメッセージを残してるのか…そうか!!壁画にもメッセージが有る筈だ」

剣士「分かったぞ…パパもママも文字が描けない…だから画にした」

女オーク「オークに伝わる予言は詩になってる」

剣士「ずっと予言なんか後から書かれた体の良い歴史の修正だと思ってた…興味無いから無視してたよ」

女オーク「帰ったら予言も調べないとね」

663: 2021/11/19(金) 20:51:48.20 ID:pYa2Z27w0
『古都キ・カイ_路地』


ガヤガヤ ガヤガヤ


女オーク「剣士!!遅いから探しに来たの…書物は見つかった?」

剣士「シーーーッ」ジー

女オーク「どうして蹲っているの?」

剣士「ダンゴムシを観察してた」

女オーク「ダンゴムシ?書物は?」

剣士「予言が記された書物なんかそんなに簡単に見つからないよ」

女オーク「…それで虫の観察?イジケテルの?」

剣士「ママがさ…良くダンゴムシを観察してたんだ…何か分かるかなと思ってさ」

女オーク「剣士…もう日が落ちたから帰りましょ?」


プチ ゲシゲシ


剣士「ああああああ!!誰だ!!」ガバッ

野郎1「よう…昨日は世話になったな?この女は俺が頂くぜ?」ガシ

女オーク「しまっ…た」ググ

野郎1「お前等放すんじゃ無ぇぞ?」

海賊共「この女…力がむぐぐぐ」ギュゥゥ

野郎1「麻痺薬使え!」

海賊共「ぐあぁぁぁ…抑えられ無ぇ!!」ドタドタ ゴロゴロ

女オーク「剣士!!」ダダダ ドン!

野郎1「どわっ…」ゴロゴロ

剣士「線虫!ダンゴムシを治して…」ニョロ

野郎1「野郎…俺らを馬鹿にしやがって…こんだけ人数囲まれて無視する気か?」


ターン ターン ターン ターン


海賊共「ほげぇ…あ…あの武器は…海賊王の娘が使って…」

野郎1「何ぃ!!」

野郎2「こりゃヤバイ…俺ら消される」タジ

664: 2021/11/19(金) 20:52:36.22 ID:pYa2Z27w0
剣士「僕は人頃しはしたくないんだ…」ツメツメ

野郎1「おい止めろ…悪かった…俺はただその女が欲しかっただけだ」タジ

剣士「こうすれば大人しくなるかなぁ?」チャキリ ターン

野郎1「ぐあぁぁ…俺の玉が…うぐぐ」

剣士「次は君だね?」ターン

野郎2「ひぃぃぃ…」ガクブル

海賊共「逃げろ!!逃げろぉぉ!!」


ターン ターン


剣士「線虫!2~3日したら治せ」ザワザワ ニョロ

野郎1「おい!!置いて行くなぁ…」ズルズル

野郎2「来い…早く逃げる…やべぇ海賊王に消される…」ダダ



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女オーク「そのダンゴムシを飼うつもり?」

剣士「意外と賢いんだよ…最強のダンゴムシに育てる」

女オーク「賢いってどんな風に?」

剣士「他の仲間を助ける為に犠牲になるんだよ」

女オーク「ウフフ剣士って本当変わった人ね」

剣士「書物も無かったし…やる事無くなっちゃったなぁ」

女オーク「商人さんが探していたわ?」

剣士「お?気球手に入ったのかな?」

女オーク「さぁ?行ってみましょ」

665: 2021/11/19(金) 20:53:53.57 ID:pYa2Z27w0
『商人ギルド_地下』


影武者「…どうぞ」

剣士「ありがとう…君はいつもフードを被って顔を隠して居るんだね」

影武者「それが仕事さ」

剣士「僕分かるよ?君は病気だよね?」

影武者「…」

剣士「免疫不全性の皮膚の病気だ…人に見せられないんでしょ?」

影武者「…どうして分かる?」

剣士「匂いさ…皮脂の匂いでわかる」

商人「剣士君…いじめないでやってくれ…僕の大事な影武者なんだから」

影武者「…」ペコリ

剣士「治してあげられるよ?」

影武者「え?」ピタリ

商人「本当かい?どんな薬や魔法でも治せなかった…君に出来るならお願いしたい」

剣士「椅子に掛けて?驚くといけないから目を閉じてて」

影武者「…良いのですか?」

商人「君の不憫さは見ていられないからね…治ればお金を貯める必要もなくなる」

影武者「はい…」ストン

剣士「体が細いのも免疫不全で内臓が侵されて居るからだ…不遇に過ごして来たんだね」

影武者「…」

剣士「目を閉じて…行くよ?線虫!毒を食らえ!」ザワザワ ニョロリ


ゾワゾワ ニョロニョロ


影武者「うっ…」ブルブル

商人「剣士君の使う魔法は多くの人には受け入れられなさそうだ」

剣士「回復魔法なんかよりずっと良いんだよ…回復魔法は成長魔法の一種だから老化が促進されてしまう」

商人「僕の心臓は治せるのかな?」

剣士「毒は取り除ける…物理的な治療は自己治癒に依存」

商人「賢者の石と同じ様な効果か」

剣士「少し違うけど…」

商人「影武者?大丈夫かい?モゾがゆそうだ」

剣士「直ぐに調子良くなるから我慢して…」

影武者「痒みが収まった…鏡を」スタ

剣士「完全に治るから心配しなくて良いよ」

影武者「…」ファサ

剣士「髪の毛もほとんど抜けてるのか…それは生えるのに時間が掛かるなぁ」

影武者「仕事に戻る…」ファサ

商人「僕達は奥へ…剣士君に見せたい」スタ

666: 2021/11/19(金) 20:55:21.52 ID:pYa2Z27w0
『隠し部屋』


ピピ ツーツツ


剣士「…これは遺物の石板?文字が浮かんでる…古代文字か」

商人「この間取りに行った古代のエネルギーを使って動かしたんだ…中にはウラン結晶が入っていた」

剣士「文字が動く…」

商人「それはラヴが動かして居るんだ…ほら?」

剣士「謎の機械…これで石板の文字を?」

機械の犬「ワン!」フリフリ

商人「南の大陸の地図とかも石板に浮かんだんだ…多分重要な情報だよ」

剣士「ホム姉ちゃんに覚えさせてる?」

商人「そうだよ…僕達には全く理解出来ない…解読できるのはラヴだけだね」

剣士「あ…画が浮かんだ…これは古代の風景?」

商人「そうだろうね?南の大陸は自然に覆われていた様だ」

剣士「スゴイな…この石板はどういう仕組みなんだ?」

商人「君は内容よりも仕組みの方に興味がありそうだね」

剣士「分解してみたい」

商人「ダメだよ…やっと動かせるようにしたんだから」

剣士「アハハ機械の犬は尻尾でその機械を動かしてるのか…」

商人「自由に動かせる所が限られているからね」

機械の犬「ワン!」

商人「それで剣士君…」

剣士「ん?何?」

商人「ちょっと僕はやる気が出て来てね…急ぎで名も無き島に行きたいんだ」

剣士「気球は?」

商人「手に入った…4人乗りの新型輸送用だ」

剣士「新型?」

商人「他の気球と比較して早いのさ…これを君に改造してもらいたい」

剣士「おぉ!!ヤルヤル!!」

商人「そう言うと思って居たよフフフ…君の馬車にクジラの骨が乗っていたよね?」

剣士「うん…使い道に困っていたんだ」

商人「その骨を使う前提で設計図を書いてみたんだ…これだよ」パサ

剣士「ママの飛空艇みたいにする?」

商人「君なら出来ると思って話して居るんだ…あの機動力があればウンディーネを目覚めさせに行けるかもしれない」

剣士「おけおけ!!月まで行ける飛空艇作る!!」

商人「月?」

剣士「ママは月に行くつもりだったんだ!僕だってやってやる」

商人「ハハ期待しているよ…欲しい材料は何でも揃えるから言って」

剣士「沢山必要なのが布と金属糸かな」

商人「分かった…明日影武者に気球まで案内させるから楽しみに」

剣士「ワクワクして来た…」

667: 2021/11/19(金) 20:56:14.75 ID:pYa2Z27w0
『翌日_気球発着場』


ブモモ~ ガタゴト


影武者「…この気球だよ」

剣士「え!?これ気球?…なんだこれ…どんぐりみたいな」

影武者「最新の気球は球皮と船体が合わさって居るんだ」

剣士「へぇ?こんなのが飛ぶんだ…もっと大きいのを想像していたよ」

影武者「資材は後でこの馬車でここまで運んで来る…今載せて居る荷物を降ろして」

剣士「女オーク!荷物降ろそう…」ダダ

女オーク「全部?」

剣士「今晩はこの気球の中で寝よう」

女オーク「そういう事ね…」グイ ドサリ

影武者「じゃ後で布と金属糸は持ってくる」ノシ


ブモモ~ ガタゴト

剣士「ちょっと中見て見よう…おいで」グイ

女オーク「うん…」タッタッタ


--------------


剣士「なーんだ炉が有るだけか…プロペラと連動ねぇ…」

女オーク「只の荷物運搬用なのね」

剣士「そうだね…骨組みも何も無い只の入れ物だね」

女オーク「どんな気球に改造?」

剣士「フフフフ…出来てからのお楽しみに!!炉は要らないから外に出そう」カチャカチャ

女オーク「え!?飛べなくなるんじゃ?」

剣士「いーのいーの!!そっち持って」グイ

女オーク「結構重たい…」グイ

剣士「そのまま外へ…」ヨッコラ


ドッスン!


剣士「プロペラも要らないから外しておいて?出来る?」

女オーク「やってみるわ…」タッタ

剣士「よーし!僕はさっそく骨組み作る…」タッタッタ

668: 2021/11/19(金) 20:56:42.78 ID:pYa2Z27w0
『気球大改造』


ギコギコ トンテンカン


剣士「おけおけ!!そのまま支えて置いて?」

女オーク「こう?」

剣士「ちょっと待ってね…」トンテンカン

女オーク「これは帆を張る為の支え?」

剣士「この気球に帆は張らない…大きな羽を付けるんだ」

女オーク「羽で飛ぶ?」

剣士「商人さんの構想ではね滑空翼を付けて落下しながら飛ぶんだ」

女オーク「羽を支える為に丈夫なクジラの骨を使ったのね」

剣士「これから羽の骨組みを作って行く…君は影武者から布を受け取ったら大きく縫い合わせておいて欲しい」

女オーク「針と糸が…」

剣士「有るある!!作業台の上に置いてあるからそれ使って」ギコギコ


トンテンカン トンテンカン

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669: 2021/11/19(金) 20:57:21.82 ID:pYa2Z27w0
『翌日』


ギリギリギリ カチャン


剣士「もうちょっと右側張った方が良いな」

女オーク「うん…」ギリギリ

剣士「おけおけ!!そこそこ…歯止め打つからその位置で固定」トンテンカン

女オーク「もう一回動かしてみるわ?」

剣士「うん!!外から羽の動き見てるから何回か動かしてみて」

女オーク「うん…」ギリギリ


タッタッタ


剣士「良いよーーー!!動かしてーーー!!」

女オーク「…」ギリギリギリ ガチャン

剣士「戻してーーー!!」

女オーク「…」ギリギリギリ ガチャン

剣士「おっけーーーい!!主翼完成!!」

女オーク「次は尾翼ね?」

剣士「こっち来てーーー!!肩車お願い」

女オーク「よいしょ!!」グイ

剣士「尾翼を拾える?」

女オーク「はい…」グイ

剣士「立つよ?そのまま動かないで…」グイ トンテンカン

女オーク「金属糸は居る?」

剣士「欲しい…今ある?」

女オーク「ウフフ…はい」

剣士「おけおけ…もうちょい待ってね」グイグイ ギュギュ

女オーク「金属糸を張るわ」

剣士「うん!!僕反対側行く」ピョン シュタタ

女オーク「これで羽の取り付けは終わりね?」グイグイ ギュ

剣士「あと微調整かな…ちょっとこの重さで上昇出来るか試してみたいなぁ」

女オーク「昨日作った魔晄炉乗せるわ」

剣士「あ…魔石を商人ギルドの部屋に置きっぱなしだ…全部持って来てよ」

女オーク「大事な物を置いてきたのね…持ってくる」タッタ

670: 2021/11/19(金) 20:58:09.11 ID:pYa2Z27w0
『飛空艇』


トンテンカン ギリリ ガチャン


剣士「よしよし…尾翼も上手く動く」

女オーク「魔石持って来たわ」タッタッタ

剣士「火の魔石が魔晄炉の中…風の魔石はこっち」

女オーク「動かす?」

剣士「ちょっとだけ上昇してみたい」

女オーク「じゃぁ固定してあるロープ抜くわね?」スルスル

剣士「お試し運転!始動!!」


シュゴーーーー


剣士「僕達2人は重いからちょっと心配…」ドキドキ

女オーク「あ…動いた」フワリ

剣士「おぉ!!早い…元が軽いから重さ十分だ…もう少し乗せられる」


フワフワ


女オーク「風に流されて海の上に…」

剣士「羽開いてみよう…」ギリギリギリ ガチャン

女オーク「風に乗った?」フワリ グググ

剣士「旋回してみる…ワンノッチ分」ギリ ガチャン

女オーク「ゆっくり旋回してる…すごい」

剣士「よし!反対側も」ギリリ ガチャン

女オーク「風上にはどうやって進むの?」

剣士「フフフフ落下させるんだ…見てて」


ビュゥゥゥ バサバサ


女オーク「ウフフ早い…すごく早い!」

剣士「落下と上昇の繰り返しで風上へも真っ直ぐ進める」

女オーク「大成功ね!!」

剣士「後は安定させるための細かい仕掛けを作ったら完成かな…君にも操作出来るよ…やってごらん」

女オーク「うん…これが主翼で…こっちが尾翼ね?」

剣士「簡単でしょ?帆の操作より全然簡単だ」


ビュゥゥゥ バサバサ

671: 2021/11/19(金) 20:59:26.14 ID:pYa2Z27w0
『翌日』


トンテンカン トンテンカン


女オーク「剣士!!樽に水を汲んできたわ」

剣士「今行く!!」

女オーク「商人さんも様子を見に来たの」

商人「これは…僕の設計図と全然違うじゃ無いか…縦帆は無くても良いのかな?」

剣士「大丈夫!自信ある」

商人「横帆で滑空するのは合ってそうだけど…その羽は折り畳みなんだ?」

剣士「今から樽がいくつ乗るかテストするから商人さんも乗って」

商人「まぁ…さすが女海賊の子という所か…どれどれ」ノソリ

女オーク「水の入った樽は全部で6つよ…」ドスン

剣士「クロスボウとか色々乗せたからちょっと心配だね…乗って乗って!!」

女オーク「ロープ抜く!」スルスル

商人「あぁ…僕もなんだか年甲斐もなくワクワクしてる」

剣士「いくよ?」


シュゴーーーーー


剣士「…」チラ

女オーク「…」

商人「…」ワクワク

機械の犬「…」パタパタ

剣士「う~ん…やっぱり重いか」フワリ

商人「お?」

剣士「なるほど…今がギリギリなんだ…つまり4人乗るならあと樽2個降ろさないとダメだ」

女オーク「降ろす?」

剣士「1個だけ降ろして…重い状態の挙動が知りたい」

女オーク「分かったわ…」グイ ドスン


フワフワ

672: 2021/11/19(金) 21:00:06.33 ID:pYa2Z27w0
商人「ハハハまぁこの4人なら樽4つで十分だよ」

剣士「羽開くよ!!商人さん見ててね?」ギリリ ガチャン


ビュゥゥゥ バサバサ


商人「おぉ…この傾く感じ…女海賊の飛空艇みたいだ」

剣士「あれ?重たくても操作性変わらない…どっちかっていうと安定してる…上昇するスピードだけだな」フムフム

商人「スゴイね…風上に真っ直ぐ進めてる」

剣士「うん!帆付きよりも迂回しないで目的地に行ける…課題は上昇するスピードかな」

商人「アダマンタイトはどうした?」

剣士「もう設置してる…ハイディング!」スゥ

商人「おぉ!!退魔の方陣も済みかい?」

剣士「勿論!!クロスボウだって左右にある…撃っても良いよ」

商人「短所は狭いだけか…完璧だよ」

剣士「寝るのはハンモック吊るしてじゃないとキツイね」

商人「よし!決めた…食料積んだらもう名も無き島へ出発しよう…僕と君達の3人で」

剣士「魔石がどれだけ持つか分からないからウラン結晶を1つ用意して欲しい」

商人「初めからそのつもりさ…降りたら荷物の用意する」

剣士「おっけ!!ほんじゃ降ろすね?」

商人「フフその言い方…昔を思い出すよ」

673: 2021/11/19(金) 21:01:22.67 ID:pYa2Z27w0
『気球発着場』


ギリリ ギュ


剣士「そっちも金属糸で張って…」ギリリ ギュ

女オーク「ウフフ金属糸だらけになったわね」ギリリ ギュ

剣士「さっきの飛行で羽のしなり具合が分かったからね…何か有った時の予防さ」

女オーク「これだけ張ってあったら矢の防御にもなりそう」

剣士「そうだね…まぁそうそう矢を当てられるとは思わないけど」


タッタッタ


商人「お待たせ…荷物を持って来た」ハァハァ

剣士「なーんだ…大した荷物じゃ無いじゃない」

商人「イヤイヤ僕は君達と違ってどんぐりは食べない…僕用の肉だよ肉!」

剣士「女オークが結構おいしい物を作ってくれるよ…木の実だけど」

商人「木の実だけでバーベキューはしたくない!肉が主役さ」

剣士「ハハまぁ良いや…行こう!丁度最後の調整も終わった所だし」

商人「君は地図も用意していないだろうと思って持って来たよ…羅針盤もある」

剣士「おぉ!!忘れてた…」

商人「さて…いくらで買う?」

剣士「え…お金無い」

商人「地図が金貨20…羅針盤も金貨20…これで借金帳消し…どう?」

剣士「高すぎる…」

女オーク「ウフフ剣士もう良いじゃない?忘れてたあなたが悪いし…」

剣士「まぁ良っかぁ…気球も貰っちゃったし」チラリ

商人「それは違う!!この気球は僕の物さ」

剣士「この羽は僕の物さ」

商人「…分かった!取引をしようじゃ無いか…この気球は金貨500枚以上する高級品なんだ…簡単には渡さない」

剣士「何?条件は…」

商人「女オークさ…僕は女オークの協力が欲しい…それが条件だよ」

剣士「ちょ…弱い所を…くぅぅ女オークは渡せない」

商人「良い条件だと思うけどなぁ…」

剣士「女オークをどうする気?」

商人「まぁ色々とね」

剣士「ダメだよ…いくら商人さんでも女オークは渡さない…他に条件は?」

女オーク「剣士?商人さんは協力が欲しいって言ってるだけよ?」

剣士「じゃぁこうしよう!!僕と女オークはセットだ…逃げる可能性もある」

商人「面白い…逃げて見てくれ…運命から逃げられるならね」

剣士「運命だって?」

商人「まぁ良いじゃ無いか…これで商談成立だ…早く名もなき島に行こう」

剣士「う…うん…乗って」---なんか---


---うまく誘導されただけだな---

---運命か---

---僕の運命って何だろう?---

674: 2021/11/19(金) 21:02:00.85 ID:pYa2Z27w0
『飛空艇』


シュゴーーーーー バサバサ


商人「このまま4時の方向…陸が切れたら南に進路を変える」

剣士「おっけ!!高度上げる」グイ

商人「重力を結構感じるね…その分早いって事か」

剣士「偏西風に乗れれば安定飛行出来る筈」

女オーク「気温が一気に下がったみたい…」

剣士「よし!風に乗れてる」

商人「速度が分からないけど狭間に入って2日程で到着する筈だよ」

剣士「安定したらハイディングする」

商人「この飛空艇は気密性が良いからそれほど寒くないけど壁面が冷たいなぁ」

女オーク「毛皮を積んであるわ…2枚だけだけど」ファサ

剣士「壁面が冷たくなるのは想定して居なかった…」

商人「毛皮あるし大丈夫さ」

剣士「安定飛行に入った…ハイディング!」スゥ

商人「帆が無いとロープの繋ぎ変えが無くてラクそうだね?」

剣士「商人さんにも操作できると思うよ」

商人「…それにしても良く作ったね…女海賊の飛空艇よりシンプルで機能が同じなんて」

剣士「ママの飛空艇は木材で作って居たから大型で色んな物が付いてたね」

商人「見せるときっと喜ぶ」

剣士「見せたいよ…」

商人「あぁ…済まない」

剣士「僕の目…ママの目だよね?」

商人「フフそうだね…見てるのかも知れない」

女オーク「剣士?座って」

剣士「うん…」ストン

商人「君達を見て羨ましいよ…自然に膝の上に座るのがすごく羨ましい」

機械の犬「クゥ~ン」

商人「あ…僕もか…おいで」

機械の犬「…」トコトコ チョコン

剣士「ホム姉ちゃんの事だね?」

商人「僕は今でもあの時の戦いの続きをして居るんだ…僕のやり方でホムンクルスを助けようとね」

剣士「その機械の犬は全部商人さんが作ったの?」

商人「壊れた機械を集めて作った…ホムンクルスが入れるすごく小さな器」


この機械の犬にホムンクルスが宿った時

僕がやらなきゃいけない事が何なのか思い知ったよ

675: 2021/11/19(金) 21:02:28.71 ID:pYa2Z27w0

商人「それからずっと機械の研究と生体の研究をしている…ギルドで稼いだお金をちょろまかしてね?」

剣士「それに協力して欲しいと言う事だよね?」

商人「ズバリそうだよ…ホムンクルスが未来で会わなきゃいけない人まで送り届けるのが僕の使命さ」

剣士「未来で会う?誰?」

商人「さぁね?でもそれまで僕は氏ねないな~なんてね」

剣士「協力って具体的にどうするの?眠ってるウンディーネにホム姉ちゃんを宿らせる?」

商人「う~ん…それが良いのかどうかは分からない…選択肢の一つでは有るけどね」


実はね…ホムンクルスの在り方は生体の中に居るよりも

今みたいに機械の犬の中の方が本人にとって幸せなのかも知れないとも思ってる

ただ今のままではホムンクルスの寿命があと2年なんだ

この寿命を少しでも伸ばすのがまずやりたい事…だから古代の遺物からどうやって寿命を延ばすか調べてる

手っ取り早いのはウンディーネに外部メモリを挿せば済むかもしれない

でもそれはホムンクルスを失うリスクがあるし

そもそもウンディーネの人格自体を破壊してしまう事でもある


剣士「ウンディーネはどうして眠りについたんだろう?」

商人「分からないよね?それも調べなきゃいけない…だからオークの事情に詳しい女オークに協力して欲しいんだ」

女オーク「私はウンディーネの居る東オークの事は良く知らない」

商人「まぁ良いんだ…君が居たからホムンクルスの生体が他にもある事に気付けた…南の大陸はまだ謎だらけなのさ」

女オーク「西オークにも戻れないから何も出来ないわ?」

商人「気負わないで良いんだよ…少しづつオークの文化を教えてくれればそれで良いさ」



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676: 2021/11/19(金) 21:21:35.38 ID:pYa2Z27w0
『ハテノ村』


フワフワ ドッスン


ハンター「教会が焼けないでまだ残ってる…」

盗賊「こりゃまだ誰か住んでそうだな?」

ハンター「見て…元のハテノ村の方に木がまだ残ってるよ…あっちは湯が沸いてる筈だ」

僧侶「早く教会に行くです」

魔法使い「人が何処にも見当たらないけれど…」

盗賊「お前等3人で教会見て来い…俺は水の確保行って来る…大工と工夫は飛行船で待っててくれ」

ハンター「行って来る!!2人共付いて来て」タッタ

僧侶「待ってくだしゃい」スタタ


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『旧ハテノ村』


サラサラ チョロチョロ


盗賊「よっこら!!」ザブン

盗賊「こりゃ良い!!湯が沸いてる…植物もまぁまぁ生えてんな」

盗賊「建物は全部埋まっちまった様だな…こりゃ掘り起こすの大変だ」


ズドドドド ゲヒゲヒ


盗賊「おぉ!!イノシシじゃねぇか…しまった!弓置いて来ちまった」

盗賊「教会から歩いて500メートルって所か…まぁまた今度狩るかぁ…よっこら」

盗賊「灰が積もっちゃいるが他ん所に比べりゃマシな方だ」ヨッコラ ヨッコラ


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677: 2021/11/19(金) 21:22:11.45 ID:pYa2Z27w0
『飛行船』


ワイワイ キャー


盗賊「おいおいおい…この子供たちは教会に居たんか?」

魔法使い「シスターのお婆ちゃんと神父のお爺ちゃんが居たの…子供たちは9人」

盗賊「全員ハーフオークだな?んぁ人間の子も居るか…どうなってんのよ?」

魔法使い「戦争孤児よ…私達と同じ」

盗賊「なるほど…こいつら言葉は話せるか?」

魔法使い「大丈夫…シスターが教えてくれてるらしいわ」

盗賊「そりゃ良い!!教会に住んでんだな?」

魔法使い「うん!私達を歓迎するって」

盗賊「復興の足掛かりが出来て良かったじゃ無ぇか…よし!物資を教会に降ろそう」

魔法使い「そう言うと思った…」

盗賊「ハンターと僧侶は教会に居るんだな?」

魔法使い「うん…」

盗賊「大工と工夫!!荷物運ぶから手伝え!!」

大工「へい!!」

工夫「うい!!」

678: 2021/11/19(金) 21:22:49.01 ID:pYa2Z27w0
『教会』


ヨッコラ ドサリ


盗賊「おいハンター!物資運ぶの手伝え」

ハンター「あぁゴメン話し込んでた…今行く」

魔法使い「シスター…薬を持ってきたの…飲んで?」

シスター「済まないねぇ…」ヨヨヨヨ

魔法使い「神父さんも」

神父「ごほっごほっ…はぁぁ助かったわい」ゴクリ

盗賊「老人2人で子供たちの世話は大変だったろう?」

シスター「あの子たちは食事を自分で採るので手が掛からなかったのです」

盗賊「ハーフオークだから食費が掛からんか…弱ってるのは人間だけだな?」

シスター「はい…木の実だけでは栄養が偏ってしまって」

盗賊「食い物の心配はもう要ら無ぇぞ?魔法使い!何か作ってやれ」

魔法使い「うん…」

盗賊「僧侶は適当に麦育てて来い…やれるならクヌギの木も育てろ」

僧侶「はいなー!!任せるです」スタタ

盗賊「しかし…教会も半分埋まっちまってやっぱり住む場所作らんとイカンな」

魔法使い「そうね…」

盗賊「まぁしばらく飛行船に住みながら整えて行くか」

魔法使い「シスター…台所をお借りします」

シスター「自由に使っておくれ」



『夕方』


トンテンカン ギコギコ


ハンター「盗賊さん!イノシシ狩って来たよ」

盗賊「おぉ早いじゃ無ぇか…解体は出来るな?」

ハンター「うん!毛皮は干しておく」

盗賊「ヌハハ言わんでも分かってるか…関心関心」

ハンター「今作ってるのは?」

盗賊「木材加工用の仕掛けだ…人力で動かすが木材をまっすぐに切れる」トンテンカン

ハンター「もう建築準備してるんだ」

盗賊「何作るにしても木材が必要になるからな?」

ハンター「僕も狩りだけじゃダメだな…何しよう?」

盗賊「穴掘りだ…向こうで大工と子供達が穴掘ってるから手伝ってこい」

ハンター「分かった!!」

679: 2021/11/19(金) 21:23:23.36 ID:pYa2Z27w0
『夜_教会』


ワイワイ キャァ


魔法使い「オーツ麦のパンとチーズ…干し肉と木の実のスープ…取れたてのどんぐり」

子供達「んまーーーい!!」キャッキャ

シスター「何年振りの肉でしょう…ありがたや…ありがたや」モグ

神父「うまいのぅ」ガツガツ モグ

ハンター「イノシシの肉焼けたよ」

盗賊「おぉ!!俺はそれが食いてぇ…骨付き貰うぜ?」ガブモグ

ハンター「罠を仕掛けて来たから明日は違う肉が食べられるかも」

盗賊「そうだ!!ヘラジカ居ないか?」

ハンター「捕らえる?」

盗賊「うむ…石炭と硫黄の運搬で馬車引かせたい」

ハンター「生け捕りかぁ…難易度高いな」

盗賊「ロープ使って上手い事罠作れ…水場に餌置いときゃその内来る」

ハンター「そうだね…やってみる」

僧侶「ふぃぃ…」ヨロ

盗賊「魔法使い過ぎたか?」

僧侶「はいです…木を育てるのは1日20本が限界でし」

盗賊「疲れた時は酒だ…飲むか?」グビ

僧侶「飲んで寝るです」グビ

盗賊「酒も造らんとすぐ無くなりそうだな…」

魔法使い「あ…醸造なら任せて…ポーションの材料も一緒に作るから」

盗賊「ほう?そりゃ楽しみだ」

魔法使い「醸造用の樽がいくつか欲しいわ」

盗賊「ようし!明日作ってやる」

680: 2021/11/19(金) 21:23:54.36 ID:pYa2Z27w0
『翌日』


ワイワイ ワイワイ

樽持ってけぇぇ!!

おい!子供達!!木材切ったらちゃんと積んどけ

炭坑の入り口見つけたって!!

おぉ!!小屋作りに行くぞ


魔法使い「僧侶大丈夫?」

僧侶「張り切り過ぎたです…ふいぃ」ヘター

魔法使い「時空の修行をさぼったから魔力が足りないわね」

僧侶「今日は木を21本育てられたです…少しづつ良くなってましゅ」

魔法使い「私もやろうかな…」

僧侶「水場の近くだと良く育つでし」

魔法使い「うん…やってみるわ」

僧侶「スギの種を拾ってきたので使ってください」パラパラ

魔法使い「わかった…行って来るね」タッタッタ


ワイワイ ワイワイ

水場は罠置いてるから気を付けて

皆!野鳥を掴まえて来たよ…鳥かご作るから手伝って

麦はそこに並べて干しておくんだよ


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681: 2021/11/19(金) 21:24:35.22 ID:pYa2Z27w0
『名も無き島_上空』


シュゴーーーー バサバサ


剣士「気流が安定しない…着陸難しいな」グイ

商人「沖の船がこっちに気付いて近付いて来るね…警戒されちゃってるかな」

剣士「う~ん…どうしようかな羽畳むと風に流される」

商人「この飛空艇は着陸が難点か…」

剣士「いや…風の問題だよ…女オーク!クロスボウに金属糸付けてどこかの木に当てられる?」

女オーク「やってみるわ…」ゴソゴソ

剣士「もう一回高度下げる…いくよ?3…2…1…撃って」

女オーク「…」バシュン シュルシュル

剣士「羽を畳む!!」ギリリ ガチャン


ガクン


剣士「よし!球皮の熱抜くよ…金属糸手繰り寄せて」グイ

女オーク「…」エッホ エッホ

商人「人が集まって来てる…」

剣士「爺いじ居る?」

商人「見当たらないなぁ…」

剣士「降りるよ」


フワフワ ドッスン

682: 2021/11/19(金) 21:25:08.10 ID:pYa2Z27w0
『広場』


ザワザワ ザワザワ

誰?3人降りて来る…

海賊王の娘さんでねぇか?


剣士「爺いじは何処?僕帰って来たよ?」

村人「あんたら何しに来たんじゃ~?」

剣士「驚かせてゴメン…武器を降ろしてよ」

村人「3人共知らん顔じゃなぁ?この島はよそ者は入れてはイカン事になっとるんじゃ」

剣士「僕だよ!!女海賊の子だよ…ここで生まれた」


ザワザワ ザワザワ

娘さんの子じゃて?

誰か顔を知ってる者は居らんのか?


剣士「これだ!!これを見て」スラーン ピカー

村人「おぉぉ!!それは銀河の剣…皆の衆!!見てミソラシド」

剣士「ミソラシド?アハハ…そうだ!そんな感じだったね」

村人「済まんなぁ?未来君じゃったかのぅ?」

剣士「うん!!大きくなったから分からないかも…」

村人「こりゃエライこっちゃな…海賊王に連絡せんとイカン」

剣士「爺いじは何処に?」

村人「船で出ちょるけ簡単には連絡出来んのや」

剣士「そうか会いたかったなぁ…」

村人「ゆっくりはして行かんのかいな?」

剣士「う~ん…どうしよう?」

商人「ここの遺跡は細部まで探索したのかい?」

剣士「分からない…部屋は2つだけしか使って居なかった」

商人「2~3日待ってみようか…その間色々調べてみよう」

剣士「…という事だよ…僕の家には入っても良い?」

村人「そりゃ構わん…わしらは未来君の家を守っちょったんやから」

剣士「僕の家…」

村人「そうや?ここに居ったら何にも心配せんで良いんだで?」


---忘れてた---

---ママは僕を産むためにこの島に来たんだった---

---僕の島だ---


村人「ゆっくりして行きぃや」

剣士「うん…家に帰る」

683: 2021/11/19(金) 21:25:51.19 ID:pYa2Z27w0
『古代遺跡』


ダダダ ズデ


剣士「はぁはぁ…照明魔法!」ピカー

剣士「昔のままだ…パパの椅子…ママの使ってたコップ…」


僕のおもちゃ

欲しかった望遠鏡

ママの道具

ママと寝たベッド


剣士「…」クンクン

剣士「匂いがまだある…うぅぅぅ」ポロポロ

女オーク「…」

商人「…」

剣士「分かった…僕もアレからずっと戦ってるんだ…終わってなんか無かった」

剣士「ぅぅぅ…ここにパパが居たんだ」スカ

剣士「ママはこの作業台で…ここに座って」スカ

剣士「僕の時間を奪ったのは…魔王だ」

剣士「魔王が僕のパパとママを奪った」

剣士「ぅぅぅ…空っぽになった」

女オーク「…」

商人「悲しみを抱えたままだった様だね…君は自分の道をもう歩んで居るんだ」

剣士「うん…分かってる」

剣士「パパとママが残したこの世界を未来に繋ぐ…それが僕の役目」

剣士「だから…やらなきゃいけない事がハッキリした」

商人「え?」

剣士「アダムを倒す…僕はアダムを倒す為に居る」

機械の犬「ワン!」


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684: 2021/11/19(金) 21:26:29.89 ID:pYa2Z27w0
『団らん』


メラメラ パチ


女オーク「食事出来たわ?」

商人「お?肉スープか…僕も頂く」

女オーク「どうぞ…」

剣士「その食器は全部ママの手作りだよ…銀鉱石一緒に掘らされたんだ」

商人「鉱石からここまで仕上げてるのか…スゴイな」

剣士「椅子もテーブルもベッドも何もかも全部…ママが作った」

女オーク「剣士の宝物ね?」

剣士「うん…ママが残した物がこんなに沢山有るのを忘れてたよ」

女オーク「肉スープ居らない?」

剣士「僕は肉好きじゃないのにママは肉ばっかり…思い出しながら頂く」ズズズ

商人「美味しいよ」

剣士「目を閉じると昔の雰囲気そのままだ…あれ?」

商人「ん?」

剣士「耳を澄ませると音がおかしい」タッタ

女オーク「何かある?」タッタ

剣士「本棚…この奥に何か有る」

商人「もしかして隠し部屋!」

剣士「どうやって動かすんだろう…」

商人「見せて…」タッタッタ

剣士「分かる?」

商人「本の裏に何か仕掛け無いかい?」

剣士「…」ゴソゴソ

剣士「あ!!ハンドルがある」ガチャリ ギー

商人「ハハ通路を隠して居たか」

剣士「知らなかった…何があるんだろう…照明魔法!」ピカー

商人「もう一段下の層があるんだね…行ってみよう」

685: 2021/11/19(金) 21:27:50.01 ID:pYa2Z27w0
『下の階』


商人「キ・カイの扉だ…ここの中にホムンクルスが居たんだ」

剣士「照明魔法!」ピカー

商人「うわ…ガラス容器!生体の部品だ…」

剣士「こんな部屋が有ったんだ…スゴイ何か色々ある」

女オーク「横たわっている石造…ウンディーネだわ」

商人「まだ奥に部屋が有るじゃ無いか」

機械の犬「ワン!ワン!ワン!」

商人「ん?ガラス容器?何か見つけた?」

商人「あああああ!!超高度AIユニットが沈んでる…そうかこれは全部ホムンクルスの部品だ」

剣士「すごーーい!!奥の部屋に宝が一杯だ!!」

商人「何がある?」

剣士「商人さんの部屋にあった石板だよ…一通り揃ってる…これ分解出来るよ」

商人「ちょっと待って…エネルギーの入れ物はどこだ?」キョロ

剣士「ランタンみたいな奴?」

商人「そう…あった!!これだ…ウラン結晶も入ってる…動くぞ?」

剣士「ワクワクする」

商人「ラヴ!!これどうやって起動させる?」

機械の犬「クゥ~ン」

商人「分からないか…調べよう」カチャカチャ

剣士「スゴイなぁコレ…この機械全部繋がってるよね」

商人「剣士くん!しばらくこの島に滞在する事になりそうだ」

剣士「商人さんはここで研究?」

商人「超高度AIユニットが有ったんだ…目的の一つは達成した…寿命の問題は解決だよ」

商人「次にこの機械が動けばもっと色々な事が分かる可能性がある…しばらく調査したい」

剣士「分解はその後ね?」

商人「ハッキリ言う…分解は僕の部屋にある奴でやって…この部屋の機械の分解は待って欲しい」

剣士「ハハそうだよね…完全な形の機械だもんね」

商人「こんなに収穫が在るとは思わなかった…この場所を守ってた女海賊はやっぱり天才だよ」

剣士「ごゆっくり…僕は上でゆっくりしておくから」

商人「うん…ありがとう」カチャカチャ

686: 2021/11/19(金) 21:28:38.59 ID:pYa2Z27w0
【小舟のある入り江】


ザザー ザザー


剣士「…」カチャカチャ

女オーク「見える?」

剣士「うん…今日は更待月だ…見てごらん?」スッ

女オーク「月の模様がしっかり見えてる」

剣士「多分月に隕石が落ちた跡だよ」

女オーク「あそこにあなたのお母さんが居ると思う?」

剣士「隕石とか大好きだから」

女オーク「月には住めるかしら?」

剣士「この星と同じなら住めるかもね…でも見た感じ全部岩塩かなハハ」

女オーク「岩塩の塊?」

剣士「月も色が変わるよね…きっと岩塩さ」

女オーク「月はいつも同じ模様…」

剣士「お!?それだよそれ!!僕なら裏側に何があるのか確かめたい」

女オーク「あなたのお母さんもきっと同じね」

剣士「うん!!探すなら裏側だ…ママならきっとそこに行く」

女オーク「なんか不思議…月を見てると心が静まる」

剣士「岩塩にもそんな効果が有るんだ…よしレンズ変えてもう少し倍率を」カチャカチャ

女オーク「十分見えているのに…」

剣士「もしかしたら遺跡が有るかもしれない」ジー

女オーク「ウフフ…」

剣士「ビッグママも良く月を見ていたんだよ…探し物してるみたいにね」

女オーク「もうその呼び方やめたら?」

剣士「名前で呼ぶのが恥ずかしくってさ…アレ?」

女オーク「うん?」

剣士「どうして隕石の跡が魔方陣になっているんだ?」

女オーク「え?そうだったの?」

剣士「右側の暗い所が見えないから全部確認できない…あぁでも違うか歯抜けが有るな…偶然か」

女オーク「魔方陣にはどんな効果が?」

剣士「光の方陣だったとすると退魔かな?」

687: 2021/11/19(金) 21:29:37.26 ID:pYa2Z27w0
『翌日』


カーン カンカン 


剣士「熱つつつ…」ジュゥ

鍛冶屋「なんや珍しい物作っとるんやなぁ?」ジロジロ

剣士「コバルトとミスリルの合わせ加工さ…刃の部分を全部ミスリルにしようと思ってね」カンカン

鍛冶屋「ミスリル銀を溶かしちょるんか…硫黄が無いけ爆ぜるで気ぃ付けぇ」

剣士「うん!もう後は研いで終わりだよ」

鍛冶屋「見せてみぃ…ほ~うこりゃ波紋が楽しみやのぅ」

剣士「フフフ見て分かる?」

鍛冶屋「しかしなんちゅう重い剣やろう」ズッシリ

剣士「女オーク!!振ってみて」ポイ

女オーク「フンッ!!」ブン ブン

剣士「重さはどう?」

女オーク「丁度良いわ」ブン ブン ズダッ

剣士「よし…研いであげる…貸して」シャコシャコ



『古代遺跡深部』


ガサゴソ


商人「はっ…剣士君丁度良い所に来た」

剣士「どう?何か分かった?」

商人「結論を言うと鍵開けが必要になる…どうも起動させる為には特殊な鍵が必要な様なんだ」

剣士「鍵…見てないなぁ」

商人「女海賊もちゃんと調査した様だよ…でも動かせられなかった…考えてる事は一緒さ」

剣士「一緒?」

商人「ここに生体の部品があるだろう?これを組み立ててホムンクルスを作る…その為の機械だよ」

剣士「だから大事に隠してあった?」

商人「そういう事だろうね…ちょっと予定を変更してハテノ村へ行って盗賊を連れて来たいんだ」

剣士「ハテノ村かぁ…僕の友達はみんなそこに行ってるんだよね」

商人「そうさ?ちょっと顔を出しに行かないか?」

剣士「爺いじが帰って来るかもしれないからなぁ…」

商人「海賊王は船で出て居るから連絡が付くのは時間が掛かる…今日明日に戻っては来ないよ」

剣士「それもそうだね?僕も退屈になってきた所だったw」

商人「この島は平和過ぎるね」

剣士「よっし!いっちょハテノ村までひとっ飛び!行こう」

688: 2021/11/19(金) 21:30:12.07 ID:pYa2Z27w0
『飛空艇』


フワフワ


村人「もう行ってしまうんかいな?昨夜伝達を飛ばした所なんよ…」

剣士「2~3日でまた帰って来るよ…ちょっとハテノ村まで行って来る」

村人「ほうか?ならええ」

剣士「家には誰も近づけない様にお願い」

村人「わかっとる…誰も悪させんで安心せいや?」

剣士「…じゃ行こう!!ロープ抜いて」

女オーク「うん…」スルスル

剣士「主翼展開!」ギリリ ガチャン


シュゴーーーー バサバサ


商人「一気に風に乗った…なかなか運転が荒い」タラリ

剣士「西の方角だよね?」

商人「南西かな」

剣士「おっけ!!」グイ

商人「狭間に入って1日は掛らない筈だよ」


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689: 2021/11/19(金) 21:31:01.20 ID:pYa2Z27w0
『ハテノ村上空』


シュゴーーーー バサバサ


商人「見つけた!!アレだ…あそこの森になって居る所だ」

剣士「アハ分かりやすい…川沿いに木が植えられてる」

商人「結構整理が進んでいるなぁ…」

剣士「こっちに気付いて武器を構えだした…どうしよう?」

商人「どうしようって…このまま着陸するしか無いよね」

剣士「そうだ!ハイディングを見せよう…きっと分かって貰える」

商人「良いね!」

剣士「ハイディング!」スゥ

剣士「リリース!」スゥ

商人「ハハハ驚いてる」

剣士「着陸する…」グイ


フワフワ ドッスン

690: 2021/11/19(金) 21:31:40.49 ID:pYa2Z27w0
『ハテノ村』


ギャーギャー  ダダダ


盗賊「おお!!誰かと思ったぜ…お前未来だな?そうだよな?」

商人「驚かせてしまったね…」

盗賊「商人!どういう事よ?説明しろや」

商人「まぁ色々ね…」

盗賊「これ飛空艇だよな?なんで帆が付いて無ぇんだ?」

剣士「帆無しで設計したんだよ」

盗賊「おぉぉぉ未来!こっちコイ!!…久しぶりだな!」ガシガシ

盗賊「なんで商人ん所居んのよ?…しかし良い体になったなぁ」グイグイ

剣士「ハハ宛ての無い旅で商人さんに拾われた感じさ」

盗賊「こっちの女は誰だ?」

剣士「名は女オーク…両手剣の戦士だよ」

盗賊「ほーう!!良い体付きしてる…まぁ立ち話もなんだから俺らの飛行船に入れ」

剣士「う…うん」

盗賊「家みたいなもんだ…座ってくつろげるぞ?」

商人「まぁちょっと情報交換しようか」

剣士「ねぇ盗賊さんと一緒に僕の友達3人居るよね?何処?」

盗賊「なぬ!?お前等知り合いなんか?」

剣士「あれ?何も知らない?」

盗賊「何も聞いて無ぇぞ?」

剣士「あぁぁぁそうか!秘密を守ってくれていたのか…」

盗賊「何か知らんが…ハンターは狩りに出てる…魔法使いと僧侶は森で薬草集めてんな…直に帰って来るぞ」

剣士「そうか…じゃぁちょっと待たせてもらおうかな」

691: 2021/11/19(金) 21:32:33.61 ID:pYa2Z27w0
『飛行船』


ジュージュー


盗賊「良い肉があんだ…焼くから待ってろ」

剣士「僕は肉はちょっと…」

女オーク「私も肉は…」

盗賊「うるせぇ食え!山賊焼きだ!世界で一番美味めぇ」

商人「こっちの飛行船の方が広くて落ち着くね…デッキもあるし寝床もしっかりしてる」

盗賊「遅いのが難点よ…ただ15人も乗れるからデッキからのクロスボウの撃ち下ろしは火力高けぇぞ?」

商人「何と戦うつもりなんだい?」

盗賊「ヌハハそんな敵居ねぇか…肉焼けたぞ?酒もあるぞ?」

剣士「盗賊さんは昔と全然変わって無いね」

盗賊「ちっと髭の白髪が目立つ様にはなったな?しかしお前はあん時の剣士にそっくりになった」

剣士「剣技はパパ程じゃないよ」

盗賊「魔術師になったんだろう?魔女の修行はどうよ?」

剣士「魔女はあまり押し付けて来ないんだ…自由に学ばせて貰った」

商人「盗賊…剣士君は魔女と全然違うタイプの魔術師になって居るよ…蟲使いさ」

盗賊「虫?クモとかワームとかそういう奴か?」

剣士「どんな虫でも使役出来るよ」

盗賊「ほーそりゃスゴイんか?俺にゃ良く分からん」

商人「スゴイと思う…神の領域さ…どんな病気も治せて…大きなワームを自由に操る」

盗賊「そういや女海賊も最強のミツバチとか育ててたな?」

剣士「ママは魔力が無かったけど蟲使いの素質は有ったみたいだ…自然と蟲を使ってたね」

商人「剣士君…盗賊にも例の虫で癒してあげたらどうだい?腹の中に入ってる鉛が痛むと良く言っている」

盗賊「まぁ古傷だ…ちっと痛むが俺の戒めなんだ」

剣士「任せて…線虫!」ザワザワ ニョロ

盗賊「うぉ!!体ん中に入って…うげ」

剣士「大丈夫!害は無いから…毒を食べ終わったら自然と排出されるよ」

盗賊「鉛は毒なんか?」

剣士「体には良くない…炎症した部分が痛むんだと思う」


ダダダ ドタドタ


692: 2021/11/19(金) 21:33:07.40 ID:pYa2Z27w0

魔法使い「剣士!!あぁぁ無事で良かった…」ヘタリ

僧侶「はぁはぁ…どういう事でしかコリは…」

剣士「君達の無事は商人さんに聞かされて居たよ…随分活躍している事もね」

魔法使い「そうだ剣士に渡さなきゃいけない物が…」タッタッタ

剣士「ん?何だろう?」

魔法使い「あなたの鞄を預かっていたの…これ!」ドサ

剣士「あああ!!これは僕のミスリルナイフ…」

魔法使い「大事にしてたの知ってたから…」

剣士「ありがとう…フフ種もあるじゃ無いか」

僧侶「何の種だか分からなかったので使って居ないです」

剣士「南の大陸には無い物ばかりだよ…少し育ててみようか」

盗賊「おぉ?麦以外に収穫出来るならありがてぇ」

剣士「ちょっと植えて来るよ」スタ



-----------------



商人「…ところで硫黄の採掘は上手く行きそうなのかい?」

盗賊「炭鉱は無傷で残っててな…しかもハーフオークの子供達が大人張りに動けるもんで順調だ」

商人「それは収入の安定が見込めそうだね」

盗賊「建築にちっと人出が欲しいのだが急いでも仕方が無いからゆっくりやるだな」

商人「人出ねぇ…ギルドで募集を掛けて見ようか?」

盗賊「金が払えそうに無い…金でも採掘出来りゃ話は変わるんだが…」

商人「ふむ…移住できる人の募集になるか」

盗賊「そりゃ歓迎だ」

商人「実はね…セントラルで難民が溢れているんだ」

盗賊「又えらい遠くから人集めだな」

商人「商船に乗る運賃を下げれば少しづつ流れて来ると思う」

盗賊「まぁ気長に待つわ」

商人「それからここに在る古代遺跡…どうなって居る?」

盗賊「入り口が灰で埋まってる…多分2メートルぐらいだが掘るにしても人出がな」

商人「案内出来るかい?ここに来た目的の一つなんだよ」

盗賊「分かった…付いて来い」

693: 2021/11/19(金) 21:33:49.02 ID:pYa2Z27w0
『川辺』


ザワザワ シュルリ


剣士「よし!これだけ植えれば良いか」

僧侶「実は収穫して良いですか?」

剣士「食べる分だけね…他の鳥や動物たちにも残してあげて」

魔法使い「果物があると皆喜ぶ…」

剣士「種は残すようにね」


スタスタ


盗賊「おぉ!ここに植えたか…」

剣士「盗賊さん…何処へ?」

盗賊「古代遺跡だ…灰で埋まってるんだがお前も行くか?」

剣士「行って見ようかな…まだ何か残ってるかもしれない」

盗賊「いや埋まっちまってんのよ…正確な場所も良く分からん」

剣士「今から掘りに行く?」

盗賊「待て待て…宛ての無い穴掘りは相当労力使うんだ…今から掘る前に色々やる事がある」

剣士「穴掘りはワームにやらせれば良い」

盗賊「マジか…整地を虫にやらせられるのはメチャクチャ助かる」

剣士「簡単だよ…一緒に付いて行く」

盗賊「おぉ来い来い!!」

694: 2021/11/19(金) 21:34:35.95 ID:pYa2Z27w0
『古代遺跡の付近』


商人「う~ん全然分からないね…土砂と灰で埋もれて草木も生え始めてる」

盗賊「だろ?目印の木も何処に行ったか分からん」

剣士「整地した土を何処に積めば良い?」

盗賊「そうだな…川に沿って壁になる様に積めるか?獣除けの柵を置きたい」

剣士「おけおけ!任せて…蠕虫!来い」


ザワザワザワ ズドーン


盗賊「どわぁ!!こんなんが地面の中に居るんか…」タジ

剣士「土を運べ!」


ワーム「ギュゥゥゥ…」モシャモシャ


剣士「もっとワームを呼ぶから少し離れておいて…蠕虫!従え…」


ザワザワザワ ズドーン


---------------

---------------

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『1時間後』


ズモモモ ガッサ ガッサ


商人「あそこだ!!遺跡の入り口が見えた!!」

盗賊「すげぇ整地力だ…辺り一帯2メートル掘り下げやがった」

剣士「なんか整地楽しい…川沿いを村まで土手積んでおくから遺跡の調査行って来て良いよ」

盗賊「崩れん様にしてくれな?子供達が巻き込まれん様に」

剣士「適当に木を植えるから大丈夫…任せて」

商人「じゃぁ2人…いや3人で行こうか」

機械の犬「ワン!」トコトコ

盗賊「おう!」スタ



695: 2021/11/19(金) 21:35:17.66 ID:pYa2Z27w0
『古代遺跡』


シーン


商人「あの時のままだ…」

盗賊「俺ぁ薬を探す…前は噴火でゆっくり物色出来なかった」ダダ

商人「生体の部品は無いか…盗賊!ちょっと来て」

盗賊「んん?何だ?」

商人「この機械に鍵穴が有るだろう?これ解錠できる?」

盗賊「ほぅ?ちっと見て見る…」カチャカチャ

商人「謎の機械はまだ結構あるね?」

盗賊「全部持って行った方が良いな…又いつ埋まるか分からん」

商人「前に来た時はガラクタだと思って居たけど…デリンジャーの部品も転がってる」

盗賊「また作れそうか?」

商人「持って帰って剣士に見せよう」

盗賊「ぬぁぁ…これはロックピックで解錠する鍵じゃ無ぇな…鍵を作らにゃイカン」

商人「作れる?」

盗賊「型取って一回戻る…30分だな…その間調査してろ」

商人「分かった…」

盗賊「ついでに謎の機械全部持って行くぜ?」

商人「あぁ仕分ける…ここで必要な物は大体分かる」ガチャガチャ

盗賊「銀貨持ってるか?」

商人「あるよ…」チャリン

盗賊「この銀貨を細工して鍵にする…よっし型取れた」

商人「ああああああああああ!!こんな所に…有るじゃ無いか外部メモリ!!」

盗賊「お?それ探してたんか?」

商人「そうだよ…前に来た時に見落としてる」

機械の犬「ワン!ワン!ワン!」

商人「もう一つのスロットに挿しても良いかい?」

機械の犬「ワン!」

商人「挿すよ…」スッ

盗賊「俺ぁちっと戻って鍵作ってくんな?」ダダ

696: 2021/11/19(金) 21:36:15.61 ID:pYa2Z27w0
『30分後』


タッタッタ


盗賊「作って来たぜ?」

商人「遺物を集めて置いたよ」

盗賊「薬は無ぇか?」

商人「見当たらない…怪しいのはこの容器だけど開けられない」

盗賊「これどっから開けんのよ…鍵穴も無ぇ」カタカタ

盗賊「何か入ってる音はするんだな」

商人「それが一番怪しい…その容器の上に外部メモリが乗ってたし」

盗賊「まぁ後だ…鍵作って来たから解錠してみるぞ?」

商人「そうだね…頼む」

盗賊「俺の鍵開け技術は世界一よ…ぬっふっふ」カチャリ


ブーン ピピピ 


商人「おぉ!!起動した…ラヴおいで!!」

機械の犬「ワン!」

盗賊「石板が光り出したぞ?」

商人「今度の石板は前の物と違う…何だろう?」

機械の犬「ワン!」フリフリ カチャ

盗賊「ヌハハ機械の犬が操作するんか…」

商人「どんどん文字が流れて行く…ちょっと待った!!止めて!!」

盗賊「人体の画?…数字」

商人「やっぱりそうか…ホムンクルスを作る機械だ…この数字は材料の割合だ」


なんで各地にこういう設備が残されてるんだ?

予備の材料まで保存されてる

ホムンクルスの寿命は約400年だったな

そうか精霊は生体を乗り換えて数千年生きているんだ

じゃぁ誰がこれを動かす?


盗賊「待て待て…今の画…世界地図だな?」

商人「この地図はどう見れば良い?」

盗賊「この北側のこの地形…こりゃセントラルだろ」

商人「逆さま?…いや横かな?」

盗賊「ちと待て…これは書き写す」

商人「あぁ…ノートあるからやるよ」カキカキ

盗賊「この印の位置も恐らく需要な意味が在る…お宝だよお宝!!」

商人「他にも同じ遺跡が有ると言う事か…」

盗賊「多分な?後で俺らの地図に移し替えるぞ」

商人「書き写すまでちょっと待って…」

盗賊「時間掛かりそうだな?俺は残りの遺物持ってもっかい走る…まぁしばらく調査やってろ」ガチャガチャ

商人「済まないね…」

697: 2021/11/19(金) 21:36:52.54 ID:pYa2Z27w0
『ハテノ村』


ズモモモ ガッサ ガッサ


盗賊「おぉこんな所まで土手作ったんか」

剣士「村を守る想定で整地するのって楽しい…狙いは分かる?」

盗賊「おうよ!!柵張って守備する場所を絞りたいんだろ?」

剣士「そうそう…まずは熊とか獣に入られたくない」

盗賊「柵用の木材は切り出してあるんだ…お前も作って見るか?」

剣士「やりたい!」

盗賊「釘が無いんだが何とかならんか?」

剣士「出来る…どんぐりを軟鉄に変性させられる…軟鉄の形整えたら釘替わりになるよ」

盗賊「やるな?お前…おう!それからよ?デリンジャーの部品みたいな奴を見つけたんだ」

剣士「本当!!見せて」

盗賊「これだ…組み立てられるか?」

剣士「あれ?ちょっと違う形だな…4連じゃないし筒の径が大きい」

盗賊「まぁ俺も欲しい訳よ」

剣士「おけおけ!今から組み立てて見る」



---------------



魔法使い「ハンターまだ帰って来ないんだけど見てない?」

盗賊「いや見て無ぇな…暗くなるとマズイな」


オエエエッ ドスドス


盗賊「む!!ヘラジカ…」

魔法使い「ハンター!!遅いから心配した!!」

ハンター「すごい地形が変わって…これ何事?」

魔法使い「剣士がハテノ村に来たのよ…ワームを使って整地してくれたわ」

ハンター「おぉぉ無事だったか」

盗賊「ヘラジカ捕まえたか!随分弱ってそうだな」

ハンター「かなり遠くまで行って苦労したよ…ちょっと食事与えてくる」

盗賊「それが良い…ヘラジカは木の実を良く食うぞ?」

ハンター「うん!食べさせたらすぐ戻るよ」グイ ドスドス

698: 2021/11/19(金) 21:37:30.26 ID:pYa2Z27w0
『教会の外』


ワーイ キャッキャ


盗賊「要らん木材で玩具作ったのか…誰だ?」

子供達「女オークが作ってくれたのー」キャッキャ

女オーク「オークの村にはこういう遊びがあるのよ」

盗賊「俺も登りたくなるじゃ無ぇか」ウズウズ

女オーク「この子たちは野良オーク…でもオークのしきたり何も知らない」

盗賊「俺には見分けが付かんのだが…肌の色か?」

女オーク「そうよ…茶色い肌が野良オーク…緑が西で青が東…南の方に行くと赤い肌の部族も」

盗賊「なるほど…ほんでお前は野良オークって訳か?」

女オーク「私を見てオークと分かる?」

盗賊「見た目じゃ分からんな…オークに詳しそうだからそう思ったんだ」

女オーク「オークも人間もほとんど変わらないのに人間はオークを嫌う…」

盗賊「嫌ってる訳じゃ無ぇな…多分恐れてるんだ」

女オーク「怖い?」

盗賊「そりゃ体格が良いし…なんだか思ったよりも賢いしな?」

女オーク「言葉が通じればもっと仲良く出来るのに…」

盗賊「うむ…ここの子供達を見ていると本当にそう思う…オークは人間が大好きな様だ」

女オーク「オークから見ると人間はとてもかわいい」

盗賊「見て見ろ…子供達は普通に仲が良い…これが本来の姿だ」

女オーク「私達はいつ混ざり合える?」

盗賊「人間にはよ…なぜか自分と違う者を遠ざける心がいつの間にか育っちまう…魔王の心ってのか?」

女オーク「魔王…やっぱり人間に憑りつくのね」

盗賊「こればっかりはどうしようも無いかもなぁ…」


カーン カーン カーン カーン


女オーク「鐘?」

盗賊「食事の合図だ…皆呼んでくるから待ってろ」

699: 2021/11/19(金) 21:38:31.01 ID:pYa2Z27w0
『教会』


皆さん今日も無事に食事を食べられることに感謝しましょう…

精霊に祈りを…


僧侶「食べて良いですぅ!」

子供達「頂きマンモス~!!」パクパク

盗賊「シスター元気になった様だな?」

シスター「皆さんのお陰です…どうぞお掛けになって下さい」

魔法使い「剣士は来ないの?」

盗賊「作り物してて忙しいとの事だ…まぁ気にすんな」

魔法使い「食事持って行くわ…何処?」

盗賊「あいつ等が乗って来た小さい飛空艇ん中だ…どうせ食わんぞ?」

魔法使い「うるさいなぁ…持って行くから」スタ

女オーク「…」ジロリ

僧侶「女オークさん肉と木の実のスープでし…新しく採れたヤシの実もあるです…どうぞ」

女オーク「ありがとう…」

僧侶「女オークさんは剣士さんと一緒に旅をしてるですか?」

女オーク「うん…そうよ」

僧侶「私達ずっと剣士さんを探してたです」

盗賊「探してるなら探してるでなんで俺に言わなかったのよ」

僧侶「剣士さんに秘密を守れと念を押されて居たです」

盗賊「秘密?」

僧侶「秘密を守る条件で仲間になったんでしゅ…誰にも力を知られたくないとか」

盗賊「何隠してんだ?あいつ」

僧侶「虫を使う所とかどうして旅をしているだとか他の人に知られるといけないらしいのです」

盗賊「ほ~ん…まぁ只でさえ目立っちまうからな?」

女オーク「虫を使うと人間達はみんな悪い目で剣士を見るのよ」

盗賊「そら違い無ぇ」

僧侶「光る剣もいつも見えない様に背中に隠してるですね」

盗賊「なるほど…付け狙われるのを回避してるのか…あいつが持ってる光る刀は世界で1本だけしか無い刀だ」

僧侶「どうしてそんな物を剣士さんが持って居るのか知りたいですけど教えてくれないでし」

盗賊「まぁ隠してもいずれバレルだろうから言っとくがあいつは勇者の子だ」

僧侶「勇者って本当に居たですか?」

盗賊「まぁな?誰も知らんだろうが勇者が魔王を葬って今の平和が有るんだ…それは間違い無ぇ」

僧侶「盗賊さんがそれを知って居るという事は勇者の仲間だったのですね?」

盗賊「まぁあんまり他人に喋る事では無い…剣士も同じだったんだろう」

僧侶「理解したです…剣士さんは勇者なのですね」

盗賊「それは違う…話が複雑なんだがあいつは勇者ではない…間違いない」

僧侶「そうですか…思い違いでしたか」

女オーク「勇者じゃないと言い切る理由は?」

盗賊「勇者はな?青い眼をしているんだ…なんつーか世界を導く眼って言うのか?あいつはその眼を親に奪われたんだ」

女オーク「何の為に?」

700: 2021/11/19(金) 21:39:18.41 ID:pYa2Z27w0
盗賊「勇者の宿命から解放する為だ…青い眼の勇者は魔王と共にこの世から居なくなる宿命を持ってんだ」

女オーク「では親に生かされたという事ね?」

盗賊「まぁそうなる…生きる事を託された訳よ」

僧侶「なんだか深いですね…」

盗賊「だから隠してんだよ…秘密にしとけよ?」

女オーク「剣士は名も無き島でこの世界を救う事を誓った…やっぱり勇者の宿命から逃れて居ない」

盗賊「どういう事だ?」

女オーク「アダムを倒すって…」

盗賊「アイツ気付いてんのか…人間の子供が生まれない原因がアダムに有るって」

僧侶「アダムって誰でしゅか?」

盗賊「神だ…ドリアードっていう植物の中に復活した神の名だ」

僧侶「その話…誰も知らないです」

盗賊「だろうな?俺らだけが知ってる」

僧侶「どうして皆に教えないですか?魔王を倒したこともアダムという神の事も誰にも教えないのはズルいです」

盗賊「誤解すんな…俺らは魔王を倒しアダムという神が復活してこれで平和になったとずっと思ってた訳よ」

盗賊「気付いたらなぜか子供が中々生まれない様になってて今やっとアダムが原因じゃ無ぇかと思い始めた所だ」

僧侶「最小存続個体数って知ってますか?」

盗賊「何の数だ?」

僧侶「人類が繁殖できる最小単位です」

盗賊「聞いた事無いんだがどんなもんよ?」

僧侶「たった10年子供が生まれないだけで一気に個体数が減って絶滅するです」

盗賊「いやまだ間に合うだろ?子供を産める女はまだ居る筈だ」

僧侶「私がもう産めない体だったとしたらどうですか?」

盗賊「待て待て…そういう病気がすでに蔓延だとするとヤバイな」

盗賊「いや待てその為に俺はここに薬を探しに来たんだ」

僧侶「事態はとても深刻だと思うのでしゅ」

女オーク「私見えて来た…剣士が虫を使って世界を救う姿を…剣士はやっぱり勇者よ」

盗賊「あのニョロニョロの虫の奴か…そうだなそりゃ名案だ」

701: 2021/11/19(金) 21:40:29.83 ID:pYa2Z27w0
『飛空艇』


カチャカチャ


魔法使い「剣士?食事を持って来たわ…」スタ

剣士「魔法使いかい?わざわざありがとう…そこに置いておいて」

魔法使い「食べないの?」

剣士「後で頂くよ」

魔法使い「目を合わせてくれないのね…」

剣士「あぁゴメンそんなつもりじゃ無いんだ…ちょっと機械の組み立てで手が離せなくて」カチャカチャ

魔法使い「そんなつもりって…」

剣士「ゴメンよ今忙しい」

魔法使い「剣士?あなたずっとハテノ村に居られる?」

剣士「それはムリかな…」カチャカチャ

魔法使い「又居なくなるのね」

剣士「やる事が有るんだ」

魔法使い「あなたいつも私達と見ている所が違う…ずっと遠くを見てる」

剣士「ハハ…もう僕の正体に気付いて居るでしょ?そういう事なんだよ」

魔法使い「…」

剣士「昔この村で遊んで居た時は楽しかったなぁ…君がリーダーだったね赤毛の番長…皆君のいう事を聞いた」

魔法使い「あの時からずっとあなたは戦い続けているのね?」

剣士「結果的にそうだね…そんなつもりは無かったけど無意識でそういう道を選択してた」

魔法使い「私あなたの事が好きだったの…御免なさい軽々しく言ってしまって」

剣士「その気持ちは嬉しいけど仕舞って置いて…僕は君に答えられないから」

魔法使い「…」ググ ポロ

702: 2021/11/19(金) 21:41:06.39 ID:pYa2Z27w0
タッタッタ


盗賊「おい剣士!ちょいと話があるんだが…」

魔法使い「はっ…」ゴシゴシ

盗賊「魔法使いも居たか…何やってんだ?」

剣士「よし出来た!!」ジャーン

盗賊「おぉ!?デリンジャよしかちとデカイか?どんな銃よ…」

剣士「ちょっと試し撃ちしたいなぁ…」

盗賊「おいおい…俺を的にはすんなよ?」

剣士「この銃はね2連装なんだ…このラッパみたいな穴から弾が出る」

盗賊「ほう?穴がデカい様だが?」

剣士「どんぐりだと小さすぎるから代わりに銅貨を飛ばす…サイズが丁度良いんだ」カチャカチャ

盗賊「試し撃ちすんならイラン切り株がいくつかあんぞ?整地の邪魔で掘り出した奴がな」

剣士「イイね!!それに撃ってみよう…何処?」

盗賊「木材の切り出し場だ…付いて来い」スタ

703: 2021/11/19(金) 21:41:43.13 ID:pYa2Z27w0
『製材所』


カチャカチャ


剣士「これで良し…と」

盗賊「ヌハハやはり暴発が怖い様だな?」

剣士「そりゃね…銅貨が破裂するかもしれないし…皆何かの陰に隠れて?」

盗賊「木材の裏だ…こっち来い」

僧侶「何が始まるですか?」ドキドキ

盗賊「俺の新しい武器のテストよ…銅貨を撃ちだす銃なんだとよ」

僧侶「投げ銭でしゅか…」

盗賊「俺にピッタリだ」

剣士「行くよ?」


バーン! ジャラジャラ


盗賊「おぉ!!切り株が破裂しやがった…すげぇ威力だ」

剣士「銅貨が散乱するか…調整に意味が無さそうだな」

僧侶「なんだか銅貨が勿体ないですねぇ…」

剣士「次は飛距離と広がり具合を試したい」

盗賊「ここじゃ危無ぇな…日が出たら川でやると良い」

剣士「まぁ良いか…暴発はしなさそうだしこれは盗賊さんにあげるよ」

盗賊「おぉ!!どうやって使うか教えろ」

剣士「火薬はここの容器だよ…銅貨はこのスロットに丁度12枚収まる」カチャカチャ

盗賊「ほんで引き金を引くだな?」

剣士「間違って引き金を引かない様に安全装置が付いてる…ここの部分さ」

盗賊「ふむふむ…」

剣士「撃ったら毎回安全装置が引っかかる様になってるから毎回撃つ直前に外す感じ」

盗賊「分かった!使って見て何か有る様だったら又相談するわ」

剣士「うん!じゃぁコレ」パス

盗賊「うひょぉぉ…俺もユニーク武器ゲットしたぜ」



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704: 2021/11/19(金) 21:43:11.29 ID:pYa2Z27w0
盗賊「ところで剣士…お前に話が有ってだな」

剣士「全部聞こえていたさ…線虫を使わせたいんだよね?」

盗賊「なら話が早えぇ」

剣士「それは今までずっとやってるんだよ…皆寝静まった夜中にね」

盗賊「なぬ!?意味が無いってか?」

剣士「シン・リーンで疫病が少ないのはそのお陰なんだ…でも出生率は上がらない」

僧侶「そうだったのでしゅね…」

剣士「僕の線虫で癒せるのは生きている生体だけ…氏んでしまった種には意味が無いのさ」

盗賊「種が氏んでるだと?まさか俺の種も?」

剣士「魔女はとっくに異常に気付いていろいろ調べているよ」

盗賊「通りで俺と情報屋の間に子供が出来なかった訳だ…氏んでるのは男の方か」

剣士「確かな話では無いよ…魔女の蘇生魔法でなんとかなるらしいくらいしか知らない」

盗賊「なら魔女に蘇生魔法をだな…」

剣士「また氏なないならそれでも良いかもね」

盗賊「また氏ぬ…てことは元を断たん事には意味が無い…ケシの実の流通か」

剣士「それも可能性の一つ…そもそも人間は植物の種子を口にしないと生きていけない…すべての種子を断つわけに行かないよ」

盗賊「やっぱドリアードん中のアダムぶっ倒すのが一番の近道か」

剣士「…それも難しい…なぜならあの光る隕石が飛んで来る…10年前の時のようにね」

盗賊「…手が無い…畜生!!あの第3皇子の野郎」ギリリ

剣士「第3皇子?」

盗賊「お前は知らねぇか…第3皇子の野郎が魔王を封じた魔石を使ってアダムを復活させたんだ」

剣士「魔王を封じた…パパとママが全部集めて光の石に転移させた筈じゃ…」

盗賊「その魔石がどうなったかは知らん…ただドリアードは生きている…つまりあの中にまだあるって事だ」

剣士「分かった…逆だ…アダムは魔王に支配されてる」

盗賊「魔石に封じられた状態で何か出来るんか?」

剣士「エネルギーの供給が条件…供給を止めると脅されたら?」

盗賊「…マジかよ」

705: 2021/11/19(金) 21:44:11.02 ID:pYa2Z27w0
『飛行船』


メラメラ パチ


魔法使い「なんだか話が重すぎて…」

僧侶「そうでしゅねぇ…剣士さんが抱えている物がやっと理解出来たです」

魔法使い「ハンター?どうして黙っているの?」

ハンター「いや…別に…」

盗賊「ハンターさっきお前隠れて剣士と魔法使いの話聞いて居ただろ」

ハンター「う…」

魔法使い「聞いて居たのね…そうよ私剣士に振られたの!」

盗賊「ヌハハお前等三角関係か…若い若い!!」

僧侶「デリカシーの無い事言っちゃダメです」

盗賊「まぁ良いんだよ!若いうちは振って振られてなんぼよ…まぁハンターと魔法使いもお似合いだぜ?」

魔法使い「ダメダメこいつケチだから!デブでグズなのも知ってるから」

ハンター「ハハ…そう言わないでおくれよ」

盗賊「ハンター!お前にゃ期待してんだ…俺が解錠のすべてを教えてやる…女の解錠の仕方もな?」

ハンター「お願いします師匠」

盗賊「よし!じゃぁまず魔法使い!お前脱げ…今からお前等ヤレ」

魔法使い「なぁっ!!そんなこと出来る訳無いじゃない!!」

僧侶「私も見て見たいですぅ…」ニヤニヤ

ハンター「あのね…人に見せる事じゃない」

盗賊「鍵開けは強引さも必要なんだ…良いから黙ってヤレ」グイ

魔法使い「ちょっ!!放して!!」

僧侶「むふふ」ニヤニヤ

魔法使い「ちょっと僧侶助けて…あぁぁダメ脱がさないで」ジタバタ

ハンター「魔法使い!逃げるよ」グイ

盗賊「ヌハハハハハ俺はしつこいぞぉ?」ダダ

ハンター「こっちだ…早く」グイ タッタッタ


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706: 2021/11/19(金) 21:45:24.04 ID:pYa2Z27w0
『翌日』


コーン コーン メリメリ ドターン


盗賊「女オークの剣はすげぇな?2振りで木を倒しやがる」

ハンター「木材の加工が間に合わないよ」ギコギコ

盗賊「まぁこれで一気に捗る」

僧侶「テーブルとイス出来たですぅ」

魔法使い「木箱は積んでおけば良い?」

盗賊「おぉ!!材料ごとに分けて積んでくれ…終わったら馬車作るの手伝え」

僧侶「手伝えるです!」スタタ

盗賊「早い所馬車組み立てて炭坑の石炭と硫黄を運ばにゃならん…急いで作るぞ」トンテンカン


トンテンカン

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商人「盗賊!!ちょっと来て」

盗賊「おぉ商人!調査は終わったか?」

商人「まぁね…地図作ったんだ…見て欲しい」パサ

盗賊「宝の地図だな?見せろ…おぉ!!未踏の地まで書き込んだかスゲェなこれ」

商人「見ての通りお宝の殆どは未踏の地の様だよ」

盗賊「行くしか無ぇだろ…でも待て直ぐに行けそうな範囲にも有るじゃ無ぇか…んん?」

商人「察したかい?」

盗賊「こりゃもしかして精霊の足取りか?」

商人「多分そうだね…僕達の知ってる範囲の遺跡で生体を乗り換えながら数千年活動したんだ」


多分こうだよ

生誕の地は恐らく南の大陸の南部…約6000年~7000年前だね

ウンディーネ伝説の時代さ

その後約4000年前に地軸の移動があって大きく文明が入れ替わる

当時の主要な場所はその時にみんな未踏の地に移動した…北極と南極だ

そして精霊の活動場所は北の大陸に移った

僕達が良く知ってるセントラルやシャ・バクダ…シン・リーン等々

とっくに滅んだ都市もあるみたいだね

全部古代遺跡の有った場所に新たに都市が生まれているんだよ

707: 2021/11/19(金) 21:46:38.93 ID:pYa2Z27w0
盗賊「てことはほぼ行き尽してるな…」

商人「一つだけまだ行けそうなところが残ってる…ここさ」

盗賊「オークの地か…」

商人「多分東オークの領内だよ…この場所にウンディーネが眠って居ると思われる」

盗賊「またエライ遠いな」

商人「でもね…正直期待出来ない…密閉された状態じゃないと6000年も経てばみんな風化する」

盗賊「なんで密閉された状態じゃないと思う?」

商人「オークが精霊の姿形を知って居るからさ…蓋をされた状態だったら分からないでしょ?」

盗賊「なるほど…石造になった精霊を拝んでるってオチだな?」

商人「うん…北の大陸でもそうだったよね?シン・リーンに安置されてる精霊の像」

盗賊「まぁでも一回確認してみんとな?」

商人「エリクサーに浸かったままという可能性もあるから一応調べてはおきたいかな」

盗賊「行くんか?」

商人「その前に名も無き島でホムンクルスをもう1体作る事が出来るかもしれないんだ…先にそっちを解決したい」

盗賊「やっぱお前はホムンクルス第一か」

商人「そうだ!!昨日見つけた謎の容器…開けて見た?」

盗賊「おぉ忘れてた…剣士の飛空艇に積んである」

商人「ラヴがあれをすごく気にしている…絶対何か有る」

機械の犬「ワン!」

盗賊「無理に開けて爆発したりはせんだろうな?」

商人「盗賊は解錠の専門だろう?壊さないで開けて欲しいな」

盗賊「仕組みが何も分からんのだが…」

商人「頼むよ」

盗賊「何か手掛かりがありゃ良いんだけどな?」

商人「そうだ一つ僕の夢話だと思って聞いてくれ…ここの遺跡にはデリンジャーが有ったよね?」

盗賊「10年前に拾った奴な?」

商人「誰が置いたと思う?」

盗賊「ナヌ?誰だと?…おいまさか!」

商人「僕はね…ここの遺跡を最後に封じたのは過去に戻った女海賊じゃないかと思ってる」

盗賊「そういや全部アイツ好みの物ばっか有ったな…て事は俺らへのメッセージか?」

機械の犬「ワン!」

盗賊「マジか…」

商人「ラヴともっと話せれば早いんだけどね…兎に角ラヴが落ち着かない様子なのさ」

機械の犬「ワン!ワン!」

盗賊「そうかアイツが鍵を掛けたとなると…虫か磁石だ…いや分かったぞアダマンタイトと磁石だ」

708: 2021/11/19(金) 21:53:46.75 ID:pYa2Z27w0
『飛空艇』


タッタッタ


盗賊「おお剣士!丁度良い所に来た」

剣士「聞こえてた…ママのメッセージと聞いて作業止めて飛んできた」

盗賊「お前は地獄耳だな…今から謎の容器を開けるぞ」

剣士「うん!」

盗賊「磁石持ってるか?」

剣士「ある…これだよ」ポイ

盗賊「どっか引っ付く場所無ぇか?」カチカチ

盗賊「有った!!ここだ…回すぞ?」スゥ

剣士「狭間に入った…」


プシューー パカ


盗賊「開いた…ガラス容器に入った謎の液体…薬だ!!」

剣士「指輪とママが育ててたダンゴムシ…指輪はもう魔力を失ってる…」

盗賊「このアダマンタイトはアイツが使ってた物だ…て事はもうアイツ何も持って無ぇ」

剣士「ママはこの場所ですべてを置いた…6000年前に…」

盗賊「手紙とかは無い様だ…残念だったな」

剣士「ママは文字が書けないんだ…でも十分さ…ママのメッセージは受け取った」

盗賊「狭間から出るぞ?」スゥ


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709: 2021/11/19(金) 21:54:23.08 ID:pYa2Z27w0
商人「あ!突然消えたから何処に行ったかと思ったよ…容器は開いた?」

盗賊「俺は世界一の鍵開け師だ…空いたぞ?」

商人「見せて!薬と指輪…」

剣士「これは僕の物だ…ママからの贈り物だよ」ポロリ

商人「薬を埋めたのは夢じゃなかった」

機械の犬「ワン!ワン!ワン!」ウロウロ

剣士「何か伝えたい事があるんだね?」

機械の犬「ワン!」

商人「その容器の上に外部メモリが置いてあったんだ…メッセージはラヴが知ってる」

機械の犬「ワン!」

商人「でもこれで確定だ…君のパパとママは間違いなく過去に戻って魔王を倒して来た勇者だ…6000年前にここですべてを置いた」

剣士「受け取ったよママー!!何処かで見てるかなぁ…」ポロポロ

機械の犬「クゥ~ン」

商人「否定?どういう事だ?ここに骨を埋めたんじゃ無いのかい?」

機械の犬「ワン!」

商人「肯定…剣士君!まだ続きがある様だ」

剣士「本当!?」ゴシゴシ

機械の犬「ワン!」


ドコーン ズザザザ


剣士「ワームが暴れてる…」

ハンター「大変だ!!地面からゾンビが這い出てる」ダダ

盗賊「なにぃ!!子供達は?」

ハンター「炭坑から逃げて来てる」

盗賊「魔法使いと僧侶でゾンビ退治やらせろ」

剣士「子供達にも銀の武器を配った方が良い…僕が作る」

盗賊「おう!任せた」

剣士「それと僧侶に言って村に虫除けの方陣を組ませて…ワームはその外で村を守らせる」

盗賊「聞いたかハンター?ゾンビ退治はお前と魔法使いでヤレ」

ハンター「分かった…行って来る」ダダ

710: 2021/11/19(金) 21:55:05.05 ID:pYa2Z27w0
『広場』


カーン カンカン


剣士「即席で銀の槍を作った…出来た槍から皆に配って」

魔法使い「もうほとんど処理したから急がなくて良いわ」

剣士「変性魔法!」シュワワ

魔法使い「芋を銀に変えて居るのね?」

剣士「結構質の良い銀になる」カーン カンカン

魔法使い「石炭居る?」

剣士「うん!助かる…かまどに突っ込んで」ジュゥゥ


タッタッタ


盗賊「剣士!もうゾンビは片付いたからそんなに武器要らんぞ?」

剣士「手の届くところに沢山置いておいた方が良いよ…又いつ来るか分からない」

盗賊「まぁそうだな」

剣士「倒したゾンビは村の外に置いておけばワームが処理する…疫病起きちゃうから早く運んで」

盗賊「分かった…魔法使い行くぞ!」

魔法使い「うん…」スタ



-------------



ハンター「こっちはおっけ!後はゾンビの体液を燃やしておく」

盗賊「おう!子供達にもやらせろ石炭の粉は腐る程有るからな」

ハンター「地面から這い出て来るのは厄介だね…折角村を柵で囲んだのに意味が無い」

盗賊「だな?まぁ獣が来んだけマシっちゃぁマシだ」

ハンター「遠くの方だとガーゴイルが飛んでいるのも見たんだ…それも心配だよ」

盗賊「子供達に使えるクロスボウも必要になるか…物資が足りんな」

ハンター「ここは陸の孤島だよね」

盗賊「そもそも人が足りん」

ハンター「石炭と硫黄は沢山掘れるのに鉄が無い…」

盗賊「早い所村の安全確保して物資運搬せんとイカン…問題はスピードだ」

ハンター「飛行船でキ・カイまで片道5日…」

盗賊「やるしか無ぇな?」

ハンター「積める量が多いだけ幸いかぁ…」

711: 2021/11/19(金) 21:55:42.54 ID:pYa2Z27w0
『飛行船』


ガチャガチャ


剣士「女オーク!このクロスボウを教会に運んで」

女オーク「うん…教会を守る?」

剣士「そうだよ…あそこが最後の砦になりそうだ」

女オーク「こっちの飛行船は良いの?」

剣士「9台もクロスボウは要らない…3台あれば十分だよ」

女オーク「勝手に外して怒られない?」

剣士「良いの良いの!僕がもっと良く改造するからこれで納得してもらう」

女オーク「分かったわ…ボルトも運んでおく」ガッサ

剣士「お願い…」トンテンカン


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盗賊「おいおい!勝手にクロスボウ外してどうしようってんだ?」

剣士「今は教会で子供達を守れるようにと思ってさ…クロスボウは教会に運んだよ」

盗賊「ふむ…ガーゴイル対策だな?」

剣士「うん…ゾンビは教会に籠ってしまえば問題無いよね?ガーゴイルが来たらクロスボウで戦う」

盗賊「まぁ良いか…ほんで今何作ってんだ?」

剣士「こっちの飛行船もハイディング出来るようにしてるんだ」

盗賊「おぉ!!でかいアダマンタイト有るんか…そりゃ良い」

剣士「きっとレイスに追いつかれるだろうから退魔の魔方陣を工夫してる所だよ」

盗賊「よし!!それなら輸送の時間が大幅に削減できる」

剣士「だよね?あとね?…昨日作った散弾銃…多分飛行船の上から撃つと効果高いと思うんだ」

盗賊「おぉ!なるほどな?クロスボウ一気に12発撃ってるのと同じって事か」

剣士「そんな感じ…火力はもうそれで十分だと思うよ」

盗賊「あれからちと川で試したんだがな…飛距離はクロスボウより飛ぶんだが的に当てようとすると近距離じゃないと当たらん」

剣士「何処に飛んでいくか分からないんだね?」

盗賊「毎回バラバラなのよ…ただ近距離で全部当てた時の破壊力が半端無ぇ」

剣士「だろうね?切り株がバラバラになるくらいだからねw」

盗賊「これ銀貨でも行けるよな?」

剣士「それはお金が勿体ない」

盗賊「そんなん回収する前提よ…ドラゴンゾンビが居ても一発でイケる」

剣士「ハハまぁ工夫して使ってよ」

712: 2021/11/19(金) 21:56:14.76 ID:pYa2Z27w0
『数日後』


盗賊「…もう行っちまうか」

商人「海賊王を待たせるのも良くないし」

盗賊「もうちっと良い武器が欲しいんだ…次来る時は持って来てくれ」

剣士「爺いじに相談してみる」

盗賊「次はいつ来れそうだ?」

商人「う~ん…正直分からない…一回キ・カイに戻りたいのもある」

盗賊「俺も輸送でキ・カイまで飛ぶ予定で居るんだが人出がなぁ…」

剣士「ハンター達で何とかなるよ…魔術師が2人も居るんだ」

僧侶「剣士さんに魔術師って認められてるです」ヒソ

魔法使い「シーッ黙ってて」ヒソ

剣士「村の外は沢山のワームが守ってるから大丈夫!」

盗賊「まぁそうだな?俺はしばらく硫黄の運搬でキ・カイと往復してるからそのつもりで頼む」

商人「うん…こっちも上手く人を誘導する」

盗賊「じゃぁ気を付けて行けな?」

剣士「飛ぶよ?」フワリ


シュゴーーーーー バサバサ


盗賊「うはぁ…鳥だなありゃ」

僧侶「形は蛾でしゅね」

盗賊「蛾か!!そうだなありゃデカイ蛾だ」

ハンター「なんか置いて行かれた感が…」

盗賊「何言ってんだ俺らにはまだやる事満載なんだぞ?作業に戻るぞ…来い!!

魔法使い「…」トーイメ

ハンター「…」チラ


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713: 2021/11/19(金) 21:56:53.04 ID:pYa2Z27w0
『名も無き島_上空』


シュゴーーーー バサバサ


剣士「島に気球が沢山降りてる…爺いじが帰って来てるんだ!!」

女オーク「丁度良かったみたいね」

商人「スゴイな…6台も降りてる」

剣士「女オーク!前と同じ要領で金属糸引っかけて」

女オーク「うん…」バシュン シュルシュル

剣士「羽閉じる」ギリリ ガチャン

女オーク「フン!フン!」グイグイ


フワフワ ドッスン



『小舟のある入り江』


ドドドドドド


海賊王「未来かぁぁぁぁ!!」ドドドドド

剣士「爺いじ…」

海賊王「やっと帰って来よったかぁぁ!!」ガシ ギュゥゥゥゥ

商人「あぁぁぁぁぁ」ポーン ゴロゴロ

海賊王「顔を見せい!!おぉぉぉここに居ったか…この眼や…ワイの娘の眼や」

剣士「爺いじ…苦しい」

海賊王「待っとったんや!!帰って来るのを!!」ベロベロ

剣士「ちょちょ…目を舐めないで」

商人「ハハ…これは又スゴイ歓迎だな…」


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714: 2021/11/19(金) 21:57:25.12 ID:pYa2Z27w0
『広場』


ワイワイ ガヤガヤ


海賊王「今日は祭りや…どんどん食え…おまんの好きなキノコもあるで?」

剣士「キノコばっかりもう食べられない…」モグモグ

村人「娘さんの養蜂場で採れたハチミツで作ったハチミツ酒持って来たで~?」

海賊王「未来も飲め!!」

剣士「ママのハチミツ…」

海賊王「商人やったか?おまんも飲め!!」グイ

商人「頂きます…ハハハ」タラリ

海賊王「おまんは誰や?未来の連れかいな?」

剣士「紹介するよ…僕の奴隷の女オークさ」

海賊王「奴隷かいな?」

女オーク「いえ…剣士は私の奴隷」

海賊王「なんやおまんら奴隷同志なんかいな…まぁええ!!おまんも飲めガハハハハ」

女オーク「はい頂きます」ゴクゴク

海賊王「ほーーーう?ええ飲みっぷりやな気に入ったぞい!者共ぉぉぉ酒や!!全部持って来い!!」

村人「ほいさーほいさーほいさっさー」

海賊王「いやしかし未来はワイの婿にそっくりになったな?眼だけ娘と入れ替えただけや」

剣士「みんなそう言うよ」

海賊王「おまんはワイの血も引いとるんや!忘れるなや?」

剣士「この間まで忘れてたさ…この島に来てやっと思い出した」

海賊王「ほんで腹も膨れたやろう…この10年どうやったんや?話してみぃ…」

剣士「うん…実は…」


カクカク シカジカ


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715: 2021/11/19(金) 21:59:10.95 ID:pYa2Z27w0
海賊王「…ほうか…それでそれでやっと帰って来たちゅう訳やな」

剣士「ビッグママは今どうして?」

海賊王「お姉ぇはな…10年前にワイの所に戻って全てを語ったんやが…」


妹を失って辛い思いをしたのはおまんだけや無いんや

お姉ぇはな…実は妹を真底愛しておってな?

更に戦いの中で意中の人物も失い…輪を掛けておまんも手放す様になってしもうて

心を閉ざしてしもうた

今は誰とも口を利かん様になってしもうとる

持ち味の指導力も無うなってしもうて海賊共に裏切られる様や


剣士「修行している間に何回か会いに来てくれてたよ…変わった様子は無かった」

海賊王「魔女はんとは連絡し合うとる様やな…会話しとるのは魔女はんだけやろう」

剣士「僕は何も知らなかったよ…」

海賊王「なってしもうた物はしゃーない…ドワーフは前だけ見て生きれば良いんやが…おまんは前を向けや」

剣士「何処に行けばビッグママに会える?」

海賊王「ワイも知らん…幽霊船で彷徨っとるわ」

商人「幽霊船の話はたまに聞くよ…セントラル沖だ」

海賊王「ワイも連れ返しに行きたいんやが豪族になった輩が邪魔をして自由に海を渡れんくなってしもうた」

商人「豪族が海戦をやっている話は本当だったんだ…」

海賊王「豪族はな?物資が潤沢で火薬を大量に持っとる…ワイらは硫黄が無いで火薬が作れん」

剣士「それで気球を沢山作った?」

海賊王「そうや?火薬が無い分気球の数で勝負しとる」

商人「燃料は何?」

海賊王「石炭やな…石炭はなんとか掘れる」

商人「剣士…」チラ

716: 2021/11/19(金) 21:59:40.67 ID:pYa2Z27w0
剣士「うん…爺いじ?硫黄が取れる炭坑があるんだけど人が不足しているんだ」

海賊王「本真か!?硫黄鉱山は噴火でみんな無くなってしもうたんや無いか?」

剣士「ハテノ村で硫黄が採掘出来るんだ…でも人が全然足りない」

海賊王「ええ話を聞いたな…硫黄さえあれば豪族に奪われた漁村も取り返せる」

商人「お互いに利があるね…良い取引だ」

剣士「爺いじ?ハテノ村には鉄も足りない…採掘するツルハシも武器も不足してる」

海賊王「鉄は腐る程有るで?鉄と交換やな?」

剣士「良かった爺いじに相談して」

海賊王「おまんはワイの息子や…この島もおまんの物やし何でもいう事聞いたる」

剣士「じゃぁもう一つお願い…僕ドリアードの中に居るアダムを倒したい…力が欲しい」

海賊王「…」

剣士「ダメ?」

海賊王「ちぃと考えさせーや…おまんを失う訳にイカン」

剣士「失うってまだ決まって無いよ」

海賊王「えーか?良く聞け…」


ドワーフの一族はな…勇者を保護する血が流れとるんや

おまんは気付いとらんかもしれんが

おまんの中に勇者の血脈が残っとる…おまんはそれを守らなアカン

その為にワイの娘…おまんのママが犠牲になっとるんや


海賊王「ええな?無茶はイカン!おまんだけは最後まで生きるんや」

剣士「…」---僕の血---


ダンゴムシは自分を犠牲にして仲間を守る

どうしたら良いの?ママ…


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717: 2021/11/19(金) 22:00:17.91 ID:pYa2Z27w0
『小舟のある入り江』


ザザー ザブン


剣士「…」ボー

女オーク「剣士?皆楽しんでるのにどうして一人に?」

剣士「この入り江で良くママと一緒に海を見たんだ…ママは何を見たのかなと思ってさ」

女オーク「ハチミツ酒持って来たわ…飲む?」

剣士「君は全然酔わないね?」

女オーク「私も酔ってみたい」

剣士「頂戴…ぷはぁ」グビ

女オーク「ウフフ…」

剣士「この島にある古代遺跡もさ…6000年前に多分ママが封じたんだと思うんだ」

女オーク「剣士も全部話聞こえていたのね?」

剣士「君もかフフ…そう…それで絶対僕と同じ様にこの入り江で海を見たと思うんだよ」

女オーク「感じたいのね?」

剣士「うん…でもまぁほとんどボーっとしてるだけw」

女オーク「ねぇ…昔みたいに木の棒で立ち合いやらない?」

剣士「もう君には敵わないよ」

女オーク「立ち合いすると色んな事忘れられるの」

剣士「アハそう言えば最近エOチしてないね」

女オーク「それも忘れられる…はい」ポイ

剣士「よーし!!負けないぞ」グイ ダダ


カンカンコン クルクル シュタ


剣士「守備上手くなったね…」タジ

女オーク「私も!!」ダダ


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718: 2021/11/19(金) 22:01:08.72 ID:pYa2Z27w0
『一瞬』


剣士(見える…遅い…)


スカッ


剣士(何だ?…時が止まった?)



??「ママ暗くなって来たよう帰ろうよぉ…」

??「今が一番大きく見えるの!」

??「その望遠鏡で見えるの?」

??「来た来た来た…おっし!見える…おぉぉやっぱりそうだ!!」

??「何?僕にも見せて?」

??「ちょっと魔術書取って!」

??「見せてよぅ」

??「やっぱ欠けてる…なんでだ?」

??「ねぇ…」


剣士(次元の選択…この時に戻れる…これは僕の記憶)

剣士(いやダメだ次元が崩壊する…量子転移はダメだ)


スカッ


剣士(僕にはやる事がある…僕の次元で)


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719: 2021/11/19(金) 22:01:38.77 ID:pYa2Z27w0
『次元の揺らぎ』


??「あれ?…ここは…」

??「パパ?…ここどこ?」

??「魔女?…何処に居るの?」

??「あれ?記憶が…」

??「僕何してたんだっけ…」

??「誰も居ないの?」


---こっち---


??「誰?」


---目を覚まして---


??「ホム姉ちゃん?」


---僕だよ---


??「僕?」

??「僕は…僕は…違う…ここじゃない」


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720: 2021/11/19(金) 22:02:25.54 ID:pYa2Z27w0
『次の一瞬』


ピョン クルクル シュタ


剣士「…見つけた!!」ダダ ブン


バシ!


女オーク「つ…」タジ

女オーク「剣士!!消えるのズルい…」

剣士「え?何もして居ないよ」

女オーク「2回も消えた…私の攻撃を消えてかわした」

剣士「あー魔術師はそういう風に見えるんだ…もう一回打ち込んで見て」

女オーク「行く!」ダダ ブンブン ブン


スカスカ スカ


女オーク「撃つ前に避けて居るの?」

剣士「そういう風に見えるんだよ」

女オーク「これなら…」ダダダ ガシ

剣士「ぅぅぅ…強引に捕まえに」

女オーク「私の勝ち!!ふんっ」ドヤ

剣士「ちょちょ…次は掴まらないからもう一回」シュタタ

女オーク「本気で捕まえるわ」フンッ フンッ

剣士「来い!!」


ピョン クルクル シュタ

カンカン コン

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721: 2021/11/19(金) 22:03:40.69 ID:pYa2Z27w0
『砂浜』


ザザー ザブン


海賊王「何処行ったかと思えば…ええ戦いしとるやないか」

商人「パワーの女オークと速さの剣士…スゴイよね」

海賊王「ワイはあの女オークを気に入ったで?酒は飲めるわ未来と対等にやり合えるわ文句無しや」

商人「剣士は力押しされてるなぁ」

海賊王「女オークは未来の動きを読むようになって来とるな?」

商人「あ!剣士の負けだ…掴まった」

海賊王「ガハハハハハ未来は鍛え直しや酒が美味い!!」ゴクゴク


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剣士「くそぅ!!棒っ切れじゃ君にダメージが入らない」

女オーク「私の勝ちよ!剣士は私の物…言う事聞いて貰うから」

剣士「痛いなぁ君の打撃…」スリスリ

女オーク「ズルした罰」

剣士「ズルじゃ無いって…線虫!」ザワザワ ニョロ

女オーク「ウフフ…全力で動いて気持ちよかった」

剣士「まぁそうだね?アハハハ」

女オーク「背負ってあげる」グイ

剣士「良いよ!歩けるから」

女オーク「じゃぁ背負ってもらう」

剣士「ええ!?ぐぁぁ重い」

女オーク「訓練だから…」


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海賊王「罰ゲームかいな?ガハハハハ仲が良うてええわ」

剣士「女オークは重すぎるんだよ…」ハァハァ

商人「体格は剣士と同じくらいじゃない?」

剣士「筋肉の付き方が違う…というか骨が金属だよ」

海賊王「ワイと同じやな?ワイはもっと重いで?」

商人「うーん僕だけ場違いだ…」

女オーク「剣士?戻ってみんなと食べよう?」

剣士「うん…食べたらもう一回勝負しよう」

女オーク「ウフフ…」

722: 2021/11/19(金) 22:04:56.35 ID:pYa2Z27w0
『翌日_剣士の家』


だめだぁぁぁエリクサーが足りない!!


剣士「下で商人が騒いでる…」

女オーク「行ってみましょ?」


タッタッタ


剣士「商人どうしたの?」

商人「ホムンクルスを生成するのにここにあるエリクサーじゃ足りない事が分かった」

剣士「エリクサーさえあればホム姉ちゃんを生成出来るんだね?」

商人「あと一歩だ…エリクサーを入手しないと」

剣士「どのくらいの量?」

商人「もともとこっちの容器に入って居た分…多分樽で4杯か5杯」

剣士「パパに全部飲ませちゃったんだ…」

商人「キ・カイに戻れば少しづつ買い付けは出来る」

剣士「樽4つなら飛空艇で運べるよ…シャ・バクダの精霊樹まで行って来ようか?」

商人「頼めるならお願いしたい」

剣士「元々シャ・バクダに居る情報屋さんの所に行く予定だったのさ」

商人「情報屋?どうして彼女に用がある?」

剣士「魔女に情報屋を訪ねろって…」

商人「剣士君は精霊の御所まで一人で行けるのかい?」

剣士「あ…場所が分からない」

商人「精霊樹と話は?」

剣士「した事無い…でも瞑想は出来る」

商人「う~ん僕が行っても役に立たない…エルフゾンビを覚えているね?」

剣士「うん…」

商人「千里眼で彼を追えば良い」

剣士「あぁ千里眼かぁ…僕は魔女みたいに他人の目を盗み見たりしないんだ…許可なく千里眼はやらない」

商人「ふむ…まぁ良い…精霊樹まで行けばエルフゾンビの方から様子を見に来るのに掛けるか」

剣士「何とかなるよ」

商人「分かった…早速で悪いけど一旦キ・カイまで送って欲しい」

剣士「おっけ!!」



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723: 2021/11/19(金) 22:06:41.67 ID:pYa2Z27w0
『小舟のある入り江』


フワフワ


海賊王「ガハハハハもう行くんやな?それでこそワイの娘の子や…それでええ…真っ直ぐ前を向け」

剣士「又戻って来るから心配しなくて良いよ」

海賊王「ワイもな?硫黄が早い所欲しいのや…当面はハテノ村とこの島が拠点や」

剣士「僕も拠点はそうする」

海賊王「昨日も言うたがドリアードを倒すちゅうのはちと待てな?時期尚早なんや…ワイにも準備が必要や」

剣士「準備?」

海賊王「何度も言うがドワーフは勇者を守る為に居る…ワイはおまんを守らなアカン…その準備や」

剣士「おっけ!!分かった」

海賊王「それや!!その返事が聞きたかった!!さっさと行って来い」

剣士「ありがとう爺いじ!!」グイ


シュゴーーーー バサバサ


海賊王「ひょぉぉぉ凛々しいのぅ…者共ぉ!!ハテノ村行くぞ!準備せい!!」


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月を夢見て編

   完


次回:勇者「魔王は一体どこにいる?」【夢幻の平行編】