1: 2017/10/17(火) 20:08:59.77 ID:2Zl/icfJ.net
ちかダイ

2: 2017/10/17(火) 20:11:12.79 ID:Dd9iwJ9D.net
カフェ

千歌「わ、どれも美味しそう!ダイヤさんは何にします?」

ダイヤ「えっと、私は――」

千歌「抹茶ラテ、ですよね!」

ダイヤ「はい、それの――」

千歌「抹茶濃い目、ですよねっ!」

ダイヤ「…はい」

千歌「ふふ。プロフィール通り、抹茶には目がないですもんね!」

千歌「ダイヤさんの好み。だんだんわかってきたよ!」ニパー

ダイヤ(…わかりやすいのかしら、私)

4: 2017/10/17(火) 20:12:09.18 ID:Dd9iwJ9D.net
千歌「あっ、期間限定の抹茶マカロンだって!食べます?」

ダイヤ「そこまで抹茶づくしにしなくても大丈夫です。ご飯も食べに行きますし」

ダイヤ(本当は食べたいけど…)

千歌「そう?美味しそうだけどなー。我慢してません?」

ダイヤ「…し、してません」

千歌「目が泳いでますよー?」ニシシ

ダイヤ「わ、私のことはいいですからっ。それより、千歌さんは決まったのですか?」

千歌「うん、決まった!」

5: 2017/10/17(火) 20:13:20.02 ID:Dd9iwJ9D.net
ダイヤ「あら、いつも目移りばかりしているのに珍しい。ほうじ茶ラテですか?」

千歌「ぶっぶー、ですよ!」

ダイヤ「む、じゃあシトラスティーとか?」

千歌「それもぶっぶー、ハズレですっ」

ダイヤ「むぅ…」

千歌「ふふ、いつまでも前のままの私と思ってるとびっくりしちゃうからね!」

ダイヤ「ほう?」

オツギノカタ ドウゾー

千歌「あ、はーい。えっと、抹茶ラテ濃い目ひとつと――」

ダイヤ(さあ、何を選ぶのです?)


千歌「――ブレンドコーヒーをブラックで!」

ダイヤ「!?」

6: 2017/10/17(火) 20:14:30.57 ID:Dd9iwJ9D.net
ハーイ オカイケイ850円ニ ナリマス

ダイヤ「っ、コーヒー、しかもブラック!?だ、大丈夫なのですか?」

千歌「言ったでしょー、前のままの私じゃないって」フフン

オマタセシマシター

千歌「はーい!さ、行こう!」

ダイヤ「え、ええ…」

千歌「~♪」ギュ

ダイヤ(いきなりどうしてコーヒーを…前のままの千歌さんじゃない、とはどういうことでしょうか)

千歌(ふふ、目をパチパチさせて驚いてる。作戦成功だね!)

7: 2017/10/17(火) 20:15:24.97 ID:Dd9iwJ9D.net
千歌「流石のダイヤさんも、このオーダーは読めなかったみたいですね!」

ダイヤ「確かに、思いもよりませんでした。だって、千歌さんはコーヒーが苦手で…」

千歌「まあ、プロフィールの嫌いなものの項目に書くくらいですからね!」

ダイヤ「それが、いきなりどうして…」

千歌「ヒントは、鞠莉さん!」

ダイヤ「鞠莉さん?あ、もしかして…」

千歌「そう、千歌は特訓によって苦手を克服したのです!」

ダイヤ「特訓!?」

千歌「そう、特訓!実はね、曜ちゃんと善子ちゃんから、鞠莉さんの特訓を受けたら、コーヒーが飲めるようになったって聞いてね」

ダイヤ「はぁ」

8: 2017/10/17(火) 20:16:18.87 ID:Dd9iwJ9D.net
千歌「2人ともさ、もっと大人っぽく、カッコよくなるんだーって言ってさ、鞠莉さんに頼んで色々やってたみたいなんだ!」

ダイヤ(また鞠莉さんが裏で糸を引いていたんですか…)

千歌「これは負けちゃいられないなーと、苦手克服を決意した次第なのです」

千歌「そして過酷な訓練の結果、千歌はコーヒーが飲める大人なワタシへと進化したのです」フフン

ダイヤ(コーヒーが飲めたから大人とか、苦手を克服したからカッコイイというわけでもないと思いますが…)

千歌「さあ、刮目せよ。これが大人になった私だよ!」グイッ

ダイヤ「あ」



千歌「に゛か゛い゛」

ダイヤ「言わんこっちゃない」

9: 2017/10/17(火) 20:18:12.83 ID:Dd9iwJ9D.net
理事会室

曜「あー。やっぱり駄目だったんだね、千歌ちゃん」

鞠莉「ふふ、それでその後は?」

ダイヤ「仕方ないから、私の抹茶ラテと交換しましたよ。もっとも、こちらも渋くしてしまいましたから、抹茶マカロンを買わなかったことを後悔してましたが」

鞠莉「うんうん、それはサウンズグー」ニコニコ

ダイヤ「笑い話じゃありません、また千歌さんに変なことを吹き込んで…」

鞠莉「私は言ったよ?無理にそんなことしなくてもいいって。でも――」

千歌『ダイヤさんと同じものが飲めないのは嫌だもん!お願い鞠莉さん!私のコーヒー嫌いを治して!』

鞠莉「あまりにも真剣だったからさ、むげにも出来ないなって」

ダイヤ「むぅ…」

鞠莉「でも、そこで抹茶ラテ頼んじゃうところが千歌っちらしいよね」

10: 2017/10/17(火) 20:19:23.30 ID:Dd9iwJ9D.net
曜「んー、どういう事?」

鞠莉「一緒が良いって言いながら、ダイヤの好きな物を優先しちゃうところ。ホント可愛いわね、千歌っちって」クス

ダイヤ「…」ムー

鞠莉「見てよ。照れちゃった」

曜「本当だ、珍しいね」

ダイヤ「…」プイ

曜「あ、目を合わせてくれない」

鞠莉「わかりやすいですねぇ」

ダイヤ「わ、私のことはいいですからっ。それより、例の件はどうなったのですか?」

11: 2017/10/17(火) 20:20:26.54 ID:Dd9iwJ9D.net
鞠莉「ハロウィンパーティのことね。もちろん――」

曜「もちろん賛成、大賛成だよっ!」

ダイヤ「じゃあ…!」

曜「うん!これがコンセプトだよ!ダイヤさんと千歌ちゃんと果南ちゃんが魔女で…」

鞠莉「私たちギルキスが堕天使で、曜とマルとルビィが黒猫。ふふ、パーフェクトな組み合わせよね」

ダイヤ「ええ、完璧です!ありがとうございます。曜さんも、衣装作り大変でしょうに…」

曜「色んなコスプレのみんなが見られるならなんのそのってね!腕によりをかけて、目一杯可愛い衣装を作っちゃうから!」

12: 2017/10/17(火) 20:21:54.59 ID:Dd9iwJ9D.net
鞠莉「ふふ♪まあ、そう言うわけだから。衣装の方は頼んだわ、曜」

曜「了解であります!後で進捗を報告するね!楽しいハロウィン目指して、ヨーソロー!!」ドタバタ

ダイヤ「相変わらず、元気全開ですね」クス

鞠莉「持ち前のコスプレ魂にファイヤーをつけちゃったわね」クス

鞠莉「さてさて…曜が居なくなったから言うけどさ」

ダイヤ「はい?」



鞠莉「良かったね、間接キス出来て」

ダイヤ「…はあっ!?」

13: 2017/10/17(火) 20:25:19.59 ID:Dd9iwJ9D.net
鞠莉「だって間接キスでしょ?ダイヤの抹茶ラテと、千歌っちのコーヒーを交換したってことは、これはもう立派な間接キスだよ」

ダイヤ「れ、連呼しないでください!」

鞠莉「真面目でむっつりなダイヤのことだからさ。これはもう内心バクバクだったんじゃないかなー」ニマニマ

ダイヤ「わ、私は口をつける前でした!」

鞠莉「え、ホントに?」

ダイヤ「…はい」

鞠莉「ふ~ん」



鞠莉「あ、でも千歌っちは飲んだ後だから、やっぱり間接キスだよね!」

ダイヤ「あああああああ!」

14: 2017/10/17(火) 20:30:16.90 ID:Dd9iwJ9D.net
鞠莉「変に誤魔化そうとするから、かえって恥ずかしい目にあうんだよ?」

ダイヤ「あなたが茶化すからじゃないですかぁ!」

鞠莉「茶化してないよ、半分くらいしか」

ダイヤ「もう半分はなんなんですか」

鞠莉「んー、優しさ?」

ダイヤ「頭が痛くなってきました…」

鞠莉「ふふ、イッツジョーク。デート中のさりげないドキドキって素敵だなってのが本心。素直にそう思うよ?」

ダイヤ「…そ、そうですか?」

鞠莉「だからこそ、協力したいなって思ったんだよ。千歌っちのハロウィンリクエストを叶えてあげたいって話にさ」

15: 2017/10/17(火) 20:31:05.59 ID:Dd9iwJ9D.net
千歌『そうだ!今度Aqoursでハロウィンパーティをやったらどうかなー?』

千歌『曜ちゃんに衣装作ってもらって、みんなで飾り付けとお菓子を用意して…うんうん、これは盛り上がること間違いなし!』

千歌『ダイヤさんは魔女で、善子ちゃんとペア!』



ダイヤ「…いつも、ありがとうございます」

鞠莉「お茶目でロマンチストな所、もっと千歌っちにも見せればいいのに。きっともっと好きになってくれるよ?」

ダイヤ「ぅ…よく言いますよ。自分だってそんな度胸ないのに、人には景気のいいことばかり…」

鞠莉「む、その言い方はひどいんじゃない?2人のこと応援したいって思って、いろいろしてるのに」プクー

ダイヤ「あ、その…すみません、つい」

鞠莉「ふふっ、なんてね!ダイヤのそういうところ、好きだよ?」

ダイヤ「…褒め言葉として受け取っておきます」プイ

16: 2017/10/17(火) 20:32:06.19 ID:Dd9iwJ9D.net
鞠莉「そんな可愛いダイヤに、いつでも好景気なマリーから、素敵なアドバイスをプレゼントしちゃうわ♪」

ダイヤ(なんかもう、嫌な予感しかしないんですが…)

鞠莉「いま、嫌な予感がするって思った?」

ダイヤ「…いえ?」

鞠莉「目が泳いでる。口ほどに物を言うってこのことね」

ダイヤ「…」

鞠莉「閉じない閉じない。ここで寝られたら私が困っちゃうんだから」

ダイヤ「寝ませんわよ!」

鞠莉「ふふ、じゃあ目が覚めた所で、マリー先生のレッスン、スタート!」

17: 2017/10/17(火) 20:33:16.80 ID:Dd9iwJ9D.net
パーティ当日・ホテルオハラ

善子「くっくっくっ…よくぞ集まった。闇の装束を纏し、我がリトルデーモンたちよ」

善子「今宵は暗黒に生きる者どもの宴…おお、まさにヴァルプルギス・ナハト!さあ、夜の訪れを共に祝おうぞ!」

花丸「ヴァルプルギスの夜は春の行事ずら」ヒソヒソ

梨子「まあまあ、多少の設定不備は大目に見てあげようよ」ヒソヒソ

善子「そこ、静かに!静粛にぃ!」

18: 2017/10/17(火) 20:34:29.74 ID:Dd9iwJ9D.net
ダイヤ「善子さんはいつも通りですねぇ…」

千歌「わ、魔女ダイヤさん!やっぱりカッコいい!」

ダイヤ「ありがとうございます。千歌さんの魔女も、なかなかお似合いですよ」

千歌「へへ、そうかな?」

ダイヤ「ええ、とても」ニコ

ダイヤ(同じ魔女の衣装でも、千歌さんのイメージに合うように可愛らしく仕上げている…)

ダイヤ(流石は曜さん。この出来栄えは目を見張るものがありますね)

曜「はいはーい!実行委員長の挨拶が終わった所で、まずはイメージカットから撮るよー!」

19: 2017/10/17(火) 20:35:45.89 ID:Dd9iwJ9D.net
…………………

曜「うんうん、みんな可愛く撮れてるよ!最後は、善子ちゃんとダイヤさんだね!」

善子「くっくっ、いよいよ出番ね。あとヨハネよ」ギラン

ダイヤ「はぁ…本当にやるんですか?」

善子「もちろん。このヨハネとの堕天降臨なんだもの、恥ずかしがらずにカッコよく行くわよ!」

ダイヤ「そ、そうは言っても…」チラ

千歌「ダイヤさん頑張ってー!」ブンブン

善子「ほら、千歌さんも応援してるし。新たな境地を開拓するチャンスよ!」

ダイヤ「うぅ…」

曜「それじゃ始めるよー。目線こっちにおねがいしまーす」フリフリ

ダイヤ(くっ…覚悟を決めるしかないようね)

20: 2017/10/17(火) 20:37:03.00 ID:Dd9iwJ9D.net
善子「漆黒より出でし混沌と幻影が、現世を覆い尽くす…!」ギラン

ダイヤ「黒檀の闇が全てを飲み込み、世界は深淵と虚無へと還る…」ギラン



千歌「お~!凄い!凄いよ2人とも!!」

梨子「善子ちゃんはともかく、ダイヤさんも意外とノリノリだね」

ルビィ「思い切ってやらないと、変に目立っちゃうし。それに、やると決めたら張り切っちゃうんです、お姉ちゃん」ニコ

梨子「なるほどね。あ、終わったみたい」

千歌「ダイヤさーん!」ダッ

梨子「あらあら、待ち遠しかったんだね」クス

21: 2017/10/17(火) 20:38:21.42 ID:Dd9iwJ9D.net
千歌「ダイヤさーんっ!」ギュ

ダイヤ「千歌さん。どうでしたか?」

千歌「カッコいい、すっごくカッコいい!思った通り、いや、それ以上だよ!」

ダイヤ「ふふ…ありがとうございます」スッ

千歌「あ…!」ドキッ

ダイヤ「外は月が綺麗です。よろしければ、ご一緒しませんか?」ニコ

千歌「は、はいっ!」



果南「おー、ダイヤやるねぇ。これも鞠莉の目論見通りなの?」

鞠莉「ええ、レッスンの成果が出てるわ。後は本命を残すのみね」

果南「本命?なにかあるの?」

鞠莉「あると思うよ?」

果南「んー、どういうこと?」

鞠莉「ま、私もそこまで野暮じゃないってことかな♪」

22: 2017/10/17(火) 20:40:16.10 ID:Dd9iwJ9D.net
千歌「わぁー!」

ダイヤ「綺麗ですね。夜空に輝く三日月が、本当に綺麗…」

千歌「うんっ!でもダイヤさんも、負けないくらい素敵だよ!」

ダイヤ「ふふ、千歌さんさっきからそればっかり」

千歌「だって素敵なんだもん!絶対魔女コスが似合うと思ったけど、私の目に狂いは無かったね!」ニコ

ダイヤ「ありがとうございます。でも、月に照らされた千歌さんも、いつも以上に素敵ですよ」

千歌「そ、そうかなー?私はダイヤさんたちみたく、カッコよくないし」

ダイヤ「いいえ、私の目に狂いはありませんわ」

ハグッ

千歌「わっ…」

23: 2017/10/17(火) 20:41:54.26 ID:Dd9iwJ9D.net
ダイヤ「実は、今日は覚悟を決めて来たのです」

千歌「か、覚悟?」ドキドキ

ダイヤ「はい。今回の仮装も、先日のお揃い服も。普段の私からすれば、全く柄にもないことだと思いますが…」

ダイヤ「千歌さんとの時間を大切にするために。そして、2人の未来のために。踏み出す覚悟を決めたんです」

千歌「踏み出す、覚悟…」

ダイヤ「千歌さん。ユア・アイズ・オンリーです」

千歌「ユア、アイズ…どういう意味?」

ダイヤ「そのままの意味ですわ」スッ

千歌「んっ、むっ…!」

ダイヤ「んっ…」

千歌「ん、ん…ぷぁっ、だ、ダイヤさん…」ドキドキ

ダイヤ「…受け取ってください」

ダイヤ「あなたの目のためだけに。あなただけに見せる、秘密の私を――」



終わり

25: 2017/10/17(火) 20:45:48.37 ID:Dd9iwJ9D.net
前作
千歌「秋のおそろいダイヤさん!」

スクフェスのちかダイイベントお疲れ様でした。

ありがとうございました。

26: 2017/10/17(火) 20:53:42.01 ID:7mADMSd2.net
ダイちかのこういう距離感好きだわ
いいものをありがとう

27: 2017/10/18(水) 00:16:13.13 ID:9AksZhn7.net
最高かよ!ずら

引用: ダイヤ「千歌さん。ユア・アイズ・オンリーです」