1: 2012/08/03(金) 11:33:35.09 ID:r2GGdBm40
ミーナ「そう、桃太郎よ」

バルクホルン「どういうことだ?」

坂本「上からの命令でな」

坂本「劇などといった催し物を開いて、軍と民間の距離を縮めたいそうだ」

ミーナ「そういう訳で、試験的に私たちがやることになったの」

シャーリー「なるほど、それで桃太郎か」

2: 2012/08/03(金) 11:35:22.17 ID:r2GGdBm40
ミーナ「じゃあ宮藤さんと美緒で台本よろしくね」

芳佳「えっ」

坂本「どうした宮藤?」

芳佳「実はわたし、桃太郎よく覚えてないんです」

ハルトマン「ふーん、宮藤覚えてないんだー」

エイラ「それでも扶桑人カー?」

ペリーヌ「まったくですわ」

坂本「そうか、わたしも実はよく覚えてないのでな」

ペリーヌ「え゛・・・」

ミーナ「じゃあみんなで勝手にアレンジしちゃいましょう」

4: 2012/08/03(金) 11:36:42.87 ID:r2GGdBm40
坂本「確かおばあさんが桃を拾ってくるんだ」

ルッキーニ「ふっふーん、それさえわかればだいじょーぶ!」

シャーリー「本当か!ルッキーニ!?」

芳佳「すごいよルッキーニちゃん!」

ルッキーニ「それじゃあいくよ?」

ルッキーニ「桃太郎!」

8: 2012/08/03(金) 11:37:51.40 ID:r2GGdBm40
昔々、おじいさんとおばあさんがいました

坂本「そういえばおじいさんもいたな」

おばあさんが川に、溜まった洗濯物を洗いにいきました

すると川上から・・・



鬼が流れてきました

バルクホルン「なんだと!?」

シャーリー「お、鬼が流れてくるのか!?」

9: 2012/08/03(金) 11:39:12.72 ID:r2GGdBm40
鬼はおばあさんに言います

鬼『はーひふーへほーー!』

サーニャ「?」

そしておばあさんがこう返しました

おばあさん『出たな!バイキンマ――』

バルクホルン「ストップ!ストップだフランチェスカ・ルッキーニ少尉!」

ルッキーニ「うじゅ?なんでー?」

バルクホルン「な・ん・で・も・だ!」

10: 2012/08/03(金) 11:40:21.82 ID:r2GGdBm40
リーネ「そういえば鬼も出てきましたよね」

坂本「そういえばそうだな、よくやったルッキーニ」

ミーナ「おじいさんとおばあさんがいて、川から桃が流れてくるのね」

坂本「ああ、それで鬼を倒しにいくんだ」

シャーリー「おじいさんとおばあさんが?」

芳佳「桃太郎がです」

エイラ「桃太郎はどこダ?」

芳佳「えっと・・・・・・あれ?」

11: 2012/08/03(金) 11:41:31.88 ID:r2GGdBm40
坂本「じゃあ次、リーネやってみろ」

リーネ「え?」

坂本「桃太郎が出てくるヒントになればそれでいい」

リーネ「わかりました」

リーネ「桃太郎」

12: 2012/08/03(金) 11:42:35.33 ID:r2GGdBm40
昔々、おじいさんとおばあさんがいました

おばあさんが川で洗濯していると

どんぶらこどんぶらこと桃が――

バルクホルン「それだ!」ガタッ

リーネ「え!?」

シャーリー「その擬音だよリーネ!今すごい桃太郎だよ!」

リーネ「あ、ありがとうございます」

リーネ「えと、続けます」

13: 2012/08/03(金) 11:43:31.94 ID:r2GGdBm40
桃が流れてきました

おばあさんは桃を持ち帰ると、おじいさんの帰りを待って桃を切りわけました

その時、おばあさんが言いました

おばあさん『おじいさんめ、やってくれた喃・・・やってくれた喃・・・』

バルクホルン「え・・・」

おばあさんは左手で包丁の刃を挟み、引き絞り、放ちました

おじいさんは為す術もなく両目を――

シャーリー「ま、まてリーネ」

14: 2012/08/03(金) 11:45:00.64 ID:r2GGdBm40
リーネ「なんでです?まだまだこれからですよ」

リーネ「これからおじいさんが無明逆流れを会得して、虎眼先生と・・・」

バルクホルン「わかったから、わかったからやめようかリネット軍曹」

リーネ「うーん、桃から源之助が出てくる展開は熱いと思ったんですが」

坂本「それだ!!」

リーネ「ですよね!虎眼先生が笑顔で『戯れなれば、当て身にて』って・・・」

坂本「桃太郎は桃から生まれるんだ!」

芳佳「!!」

16: 2012/08/03(金) 11:46:21.11 ID:r2GGdBm40
芳佳「確かそれで、おじいさんとおばあさんに何かもらって旅するんですよ」

ミーナ「もうほとんど完成じゃない?」

坂本「うーん、何かいろいろ忘れている気もするが」

坂本「まぁいい、サーニャ頑張れるか?」

サーニャ「了解です」

サーニャ「桃太郎」

18: 2012/08/03(金) 11:47:16.76 ID:r2GGdBm40
おばあさんが桃を切ると

中から赤ん坊が生まれました

坂本「うむ、かなり桃太郎だ」

おじいさんとおばあさんは桃太郎と名付け、大切に育てました

桃太郎が大学生になったころ

ペリーヌ「だ、大学生?」

エイラ「黙ってロ、つんつん眼鏡」

トカゲが桃太郎の前に現れました

19: 2012/08/03(金) 11:48:26.85 ID:r2GGdBm40
先に沈黙を破ったのはトカゲでした

トカゲ「我輩はノイ・クレザント卿、騎士で――」

バルクホルン「わかったサーニャ、私も大好きだぞその作品は」

バルクホルン「だがそれは桃太郎じゃない」

サーニャ「このあと夕日が犬の騎士とカラスの騎士を」

バルクホルン「ああわかっている、わかっているがもはや夕日と言ってしまっているな」

20: 2012/08/03(金) 11:50:01.64 ID:r2GGdBm40
芳佳「犬の騎士・・・」

芳佳「・・・そうだ、犬ですよ!」

芳佳「犬と猿と雉が仲間になるんですよ!」

坂本「おお!そうだったな、でかしたサーニャ!」

シャーリー「でも肝心の旅立つ理由と貰う物がわからないままだな」

坂本「じゃあ次はハルトマン、できるか?」

ハルトマン「ほーい」

ハルトマン「桃太郎」

22: 2012/08/03(金) 11:50:51.18 ID:r2GGdBm40
桃太郎はすくすくと成長しました

そんなある日ある噂を聞きます

坂本「おお、確かここで鬼の噂だったか」



なんと魔王が復活して世界を滅ぼそうとしているというのです

バルクホルン「スケールがでかい!!」

23: 2012/08/03(金) 11:52:11.49 ID:r2GGdBm40
バルクホルン「ハルトマン、劇のタイトルを言ってみろ」

ハルトマン「桃太郎」

バルクホルン「桃太郎はあれか?天空人と地上人の子供なのか?」

ハルトマン「ううん、勇者の末裔だよ」

ハルトマン「ナンバリング的には1」

バルクホルン「犬猿雉と四人パーティーだと言っているだろう!」

24: 2012/08/03(金) 11:53:45.66 ID:r2GGdBm40
坂本「まぁ落ち着けバルクホルン」

坂本「桃太郎が旅立つ理由がわかっただけでもよしとしよう」

ミーナ「鬼が暴れてるって噂ね」

芳佳「確か別な場所でしたよね、村じゃなくて」

坂本「んん?そうだったか・・・」

坂本「じゃあ貰う物と鬼が暴れてる場所を踏まえて」

坂本「エイラやってみろ」

エイラ「任セロ」

26: 2012/08/03(金) 11:55:04.14 ID:r2GGdBm40
鬼が暴れてるという噂を聞いて

桃太郎は激怒した

かの邪知暴虐なる鬼を――

シャーリー「エイラ、桃太郎は走るのか?」

エイラ「当然ダロ?」

メロ・・・桃太郎には妹がいた

バルクホルン「無理するな、ユーティライネン少尉」

バルクホルン「どうせその話もうろ覚えだろう?」

エイラ「うぐっ」

27: 2012/08/03(金) 11:56:45.54 ID:r2GGdBm40
エイラ「ち、ちゃんと覚えてるゾ!」

リーネ「じゃあ問題です、メロスは何のために走ったでしょう?」

エイラ「そんなの簡単ダ、妹のためダロ?」

リーネ「妹の何を見るため?」

エイラ「えっ・・・・・・」

エイラ「何をって・・・あ、あれダ」

エイラ「い、妹と月見をするンダ!」

坂本「月見・・・・・・そうか!」

坂本「だんごだ、きびだんごだよ!」

芳佳「ああ!」

30: 2012/08/03(金) 11:58:02.21 ID:r2GGdBm40
ミーナ「つまり、桃太郎はきびだんごを持って犬猿雉と鬼を倒しに行くのね」

芳佳「はい!そうなんです!」

ルッキーニ「でもどうして犬達は鬼を倒しに行くの?」

バルクホルン「確かに、危険が伴うからな」

エイラ「まぁただじゃやらないヨナ」

坂本「じゃあペリーヌ」

ペリーヌ「了解ですわ」

31: 2012/08/03(金) 11:58:53.36 ID:r2GGdBm40
桃太郎『では、鬼を倒しに言ってきます』

家を出ようとする桃太郎におばあさんが何かを渡します

それはおばあさん手作りのきびだんごでした

おばあさん『お腹がすいたらお食べ』

桃太郎は足取りも軽く、鬼を退治に出発しました

坂本「ほぉ、なかなかに桃太郎らしいじゃないか」

32: 2012/08/03(金) 11:59:48.63 ID:r2GGdBm40
桃太郎が歩いていると、犬が話し掛けてきました

犬『桃太郎さん、桃太郎さん、お腰のきびだんごをひと――』

バルクホルン「まてクロステルマン中尉」

ペリーヌ「え、何か?」

ハルトマン「お前それまんま桃太郎じゃん」

ミーナ「空気嫁」

ペリーヌ「」

34: 2012/08/03(金) 12:00:50.76 ID:r2GGdBm40
ペリーヌ「わ、わかりましたわよ」

ペリーヌ「その代わり、ネタがわからないとかはなしでしてよ」


桃太郎が歩いていると、犬が・・・

いや、果たして犬と読んでいいのでしょうか

体は紛れも無い犬ですが、足はスナック菓子

顔はアスキーアートで野球帽をかぶっています

桃太郎が固まっていると・・・

キュボン!

バルクホルン「キュボン?」

37: 2012/08/03(金) 12:01:57.75 ID:r2GGdBm40
一人の少女がもちゅもちゅと何かを食べています

桃太郎が状況を飲み込めずにいると、男が走ってきました

男『おい、ヒヨス!他人の物は食っちゃダメだろ!』

言うや否や男は少女の口に指を突っ込み少女に嘔吐――

バルクホルン「クロステルマン中尉、もうやめていいぞ」

シャーリー「ネタがわからない上に次に繋がるヒントもないとはな」

ペリーヌ「ぐっ・・・」

38: 2012/08/03(金) 12:03:12.66 ID:r2GGdBm40
坂本「ペリーヌ、そのヒヨスとかいう少女は何をしたんだ?」

ペリーヌ「きびだんごを食べたんです」

ペリーヌ「こう、箸で圧縮して・・・」

坂本「箸で圧縮?」

芳佳「・・・あ!そうですよ!」

芳佳「餌付けです!きびだんご食べさせて仲間にするんですよ!」

坂本「それだ!」

40: 2012/08/03(金) 12:04:13.83 ID:r2GGdBm40
坂本「残るは鬼がどこにいるか、だな」

坂本「よし、じゃあバルクホルンに任せる」

シャーリー「期待していいのか?」

バルクホルン「当然だ」

バルクホルン「では犬猿雉を仲間にしたところから始める」

41: 2012/08/03(金) 12:04:57.58 ID:r2GGdBm40
桃太郎は犬、猿、雉を仲間にし、鬼を退治するのに盤石な体制を築きました

桃太郎達は血気盛んに飛行艇に乗り込み

シャーリー「飛行艇?」

一路、海洋探査人口島を――

ハルトマン「四人パーティーって言ったのお前だろトゥルーデ!!」

42: 2012/08/03(金) 12:06:01.90 ID:r2GGdBm40
バルクホルン「ど、どうしたハルトマン」

ハルトマン「どうしたも何もそれだって三人パーティーじゃん!」

バルクホルン「だ、ダメか・・・」

バルクホルン「くっ、桃太郎が『さすが物知りザルだな』って」

エイラ「猿とゼルを一緒にスンナ!」

ミーナ「はいはいそこまで」

坂本「海洋探査人口島・・・か」

44: 2012/08/03(金) 12:07:04.89 ID:r2GGdBm40
坂本「そうか、島だ」

リーネ「え?」

坂本「鬼がいるのは、鬼ヶ島だ!」

芳佳「そうですよ!鬼ヶ島です!」

ミーナ「さすがね、トゥルーデ」

バルクホルン「ま、まあな!」

坂本「よし、シャーリー締めて来い!」

シャーリー「了解!」

45: 2012/08/03(金) 12:08:07.46 ID:r2GGdBm40
桃太郎達が鬼ヶ島に辿り着くと、そこにあったのは眼を疑う光景でした

バルクホルン「なかなか惹かれるな」

坂本「ああ、鬼がどんなひどい事をしているか興味がわく」

眼から血を流しながら楽しそうに笑う大量の屍人が――

バルクホルン「鬼はどこいった!」

坂本「いんふぇるの!」

シャーリー「ダメか?」

バルクホルン「童話にしてはホラー過ぎる!」

46: 2012/08/03(金) 12:09:06.13 ID:r2GGdBm40
芳佳「まぁでもあの後は鬼を倒してめでたしめでたしですし」

サーニャ「一応完成?」

エイラ「そうだナ」

ミーナ「じゃあ今のをまとめてみましょうか」

坂本「ペリーヌ」

ペリーヌ「ちゃんとメモしてありますわ」

47: 2012/08/03(金) 12:09:55.50 ID:r2GGdBm40
流れてきた桃をおばあさんが拾う

虎眼流流れ星で桃とおじいさんを切断

桃太郎誕生!

大学生になり、惑星を砕く物語に巻き込まれる

魔王復活の噂と鬼が暴れてる噂を聞き、鬼退治を決意

桃太郎はきびだんごを貰って走った

犬猿雉を餌付けし、ヒヨスが吐き、八戸が壊滅した

鬼ヶ島に行くとそこは羽生蛇村だった

鬼を倒してめでたしめでたし

48: 2012/08/03(金) 12:11:26.39 ID:r2GGdBm40
坂本「・・・・・・」

芳佳「・・・・・・」

坂本「これは桃太郎か?」

芳佳「八戸って壊滅しましたっけ?」

坂本「・・・・・・」

坂本「・・・よし、訓練だ宮藤!」

芳佳「はいっ!」

~この試みが大失敗したことは言うに及ばない~


-END-

50: 2012/08/03(金) 12:12:18.90 ID:IclaOJJO0
終わってた
おつ

51: 2012/08/03(金) 12:12:34.98 ID:66A0T5LC0
桃太郎はSDKだったのか

引用: 芳佳「桃太郎ですかぁ?」