94: ◆zvY2y1UzWw 2014/02/06(木) 19:50:38.80 ID:1mctWUjo0
学園祭投下、いっきまーす
モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」シリーズです
前回はコチラ
一応、時系列はこう判断しています
一日目
夕方…カースの雨→アンチメガネカース放流&AMC誕生→白兎vs聖來さん
その後AMCがヒーローにメガネ嫌悪の洗脳をする事案が発生
深夜…奈緒ちゃん帰還
二日目
朝…朝の会議で映像を流す予定だったが、白兎襲撃でそれどころじゃなくなる
↓
これから投下
モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」シリーズです
前回はコチラ
一日目
夕方…カースの雨→アンチメガネカース放流&AMC誕生→白兎vs聖來さん
その後AMCがヒーローにメガネ嫌悪の洗脳をする事案が発生
深夜…奈緒ちゃん帰還
二日目
朝…朝の会議で映像を流す予定だったが、白兎襲撃でそれどころじゃなくなる
↓
これから投下
95: 2014/02/06(木) 19:52:35.46 ID:1mctWUjo0
アイドルヒーロー同盟トップであるTPとAP、それに秘書が乗る車内は静かだった。
そこに、人工知能であるSPのボイスが、片耳の無線イヤホンから3人に送られてくる。
『TP様、提出された映像データに一度目を通して下さい』
「何の映像だ?」
『新種のカースの映像だそうです。会議の前に提出されましたが…申し訳ありません、それどころではなくなりましたので…』
TPのネクタイピンやAPのチョーカーや秘書の腕時計の中のマイクが音声を拾い、SPはその音声に反応して返答する。
合成音声との会話は滑らかで、まるでそこに居るようだ。
『勝手ながらこちらの映像は上層部メンバー全員に送信させていただきました。次回の会議の際に話し合う事になるかと』
「それは仕方のない事だ…見せなさい」
『かしこまりました』
車内のディスプレイに、AMCがヒーローを襲う映像が流れだした。
そこに、人工知能であるSPのボイスが、片耳の無線イヤホンから3人に送られてくる。
『TP様、提出された映像データに一度目を通して下さい』
「何の映像だ?」
『新種のカースの映像だそうです。会議の前に提出されましたが…申し訳ありません、それどころではなくなりましたので…』
TPのネクタイピンやAPのチョーカーや秘書の腕時計の中のマイクが音声を拾い、SPはその音声に反応して返答する。
合成音声との会話は滑らかで、まるでそこに居るようだ。
『勝手ながらこちらの映像は上層部メンバー全員に送信させていただきました。次回の会議の際に話し合う事になるかと』
「それは仕方のない事だ…見せなさい」
『かしこまりました』
車内のディスプレイに、AMCがヒーローを襲う映像が流れだした。
----------------------------------------
それは、なんでもないようなとある日のこと。
それは、なんでもないようなとある日のこと。
その日、とある遺跡から謎の石が発掘されました。
時を同じくしてはるか昔に封印された邪悪なる意思が解放されてしまいました。
~中略~
「アイドルマスターシンデレラガールズ」を元ネタにしたシェアワールドです。
・ざっくり言えば『超能力使えたり人間じゃなかったりしたら』の参加型スレ。
96: 2014/02/06(木) 19:54:38.46 ID:1mctWUjo0
子供の姿をしたカースだ。
黒い服、黒い髪、そして少しだけ黒い肌。
レンズの様な不気味な瞳はにっこりとしていれば見えない。
少年の姿、少女の姿のそれは、ヒーローに襲い掛かっていた。
それは常人ならば少し情に訴えかけてくるものがあった。
黒い服、黒い髪、そして少しだけ黒い肌。
レンズの様な不気味な瞳はにっこりとしていれば見えない。
少年の姿、少女の姿のそれは、ヒーローに襲い掛かっていた。
それは常人ならば少し情に訴えかけてくるものがあった。
97: 2014/02/06(木) 19:56:04.42 ID:1mctWUjo0
「…子供型カースか…その姿で自爆とはなんとも気分が悪い」
『白に続き黒の核を持つカースです。会議中に襲撃した怪物の仲間と思わしき「黒」という名称と深くかかわっている筈です』
「ふむ…」
『また、これ以外にも目撃情報はあり、周辺の住民にこの子供に擬態したカースに警戒するよう呼びかけるつもりです。洗脳能力も持っているようですので』
「ああ、実行してくれ」
『お任せ下さい。それとTP様、要請が届いています』
「なにかね?」
『パップ様から秋炎絢爛祭にてライブを行うアイドルヒーローの増援要請が。既にクールP様からは二名を向かわせると連絡が入っておりますが…』
「…秋炎絢爛祭で被害が出たことはこちらも把握している。許可しよう。SP、念のため予定が空いている者をリストアップしなさい」
『了解しました』
今度はディスプレイに情報を映し出す。
『白に続き黒の核を持つカースです。会議中に襲撃した怪物の仲間と思わしき「黒」という名称と深くかかわっている筈です』
「ふむ…」
『また、これ以外にも目撃情報はあり、周辺の住民にこの子供に擬態したカースに警戒するよう呼びかけるつもりです。洗脳能力も持っているようですので』
「ああ、実行してくれ」
『お任せ下さい。それとTP様、要請が届いています』
「なにかね?」
『パップ様から秋炎絢爛祭にてライブを行うアイドルヒーローの増援要請が。既にクールP様からは二名を向かわせると連絡が入っておりますが…』
「…秋炎絢爛祭で被害が出たことはこちらも把握している。許可しよう。SP、念のため予定が空いている者をリストアップしなさい」
『了解しました』
今度はディスプレイに情報を映し出す。
98: 2014/02/06(木) 19:57:47.97 ID:1mctWUjo0
「…TP様、予定が空いている者はそれなりに居ますが、ここはやはり実力が信頼できるアイドルヒーローも送りましょう。
RISA含め、彼女達は新人です。学園祭に行く人々の安心を保証するにはやはり有名アイドルヒーローの存在が手っ取り早いかと」
「そうだな、『RISA』のライブゲスト扱いで、更に二名…『ラビッツムーン』『ナチュラルラヴァース』はどうだ?予定は…レッスンか」
秘書の助言を受け、増援兼ゲストとして登場するアイドルを提案する。
『その二人は暫くレッスンでしたが、キャンセル可能。ライブもかなり先ですし疲労しているわけでもありません。データ上は問題ないですね』
「その二人なら緊急ゲストでも十分に観客を満足させることが可能でしょう。RISA達とはタイプも違いますから、彼女を完全に喰う事もないでしょうし」
「よし、873プロダクションに連絡を取って、可能なら行くように言ってくれ。返事がNOだったら別のアイドルを考える」
『お任せ下さい、連絡は子機にやらせておきます』
RISA含め、彼女達は新人です。学園祭に行く人々の安心を保証するにはやはり有名アイドルヒーローの存在が手っ取り早いかと」
「そうだな、『RISA』のライブゲスト扱いで、更に二名…『ラビッツムーン』『ナチュラルラヴァース』はどうだ?予定は…レッスンか」
秘書の助言を受け、増援兼ゲストとして登場するアイドルを提案する。
『その二人は暫くレッスンでしたが、キャンセル可能。ライブもかなり先ですし疲労しているわけでもありません。データ上は問題ないですね』
「その二人なら緊急ゲストでも十分に観客を満足させることが可能でしょう。RISA達とはタイプも違いますから、彼女を完全に喰う事もないでしょうし」
「よし、873プロダクションに連絡を取って、可能なら行くように言ってくれ。返事がNOだったら別のアイドルを考える」
『お任せ下さい、連絡は子機にやらせておきます』
99: 2014/02/06(木) 19:59:09.80 ID:1mctWUjo0
『…それともう一つお話が』
「ん?構わないが…」
『…例の海底都市の住人、ライラ様。クールP様のプロデュースによってアイドルヒーローとして所属しましたが…やはり不安要素です』
SPが語り出したのは、クールPにスカウトされた少女。ウェンディ族であるライラの事だった。
「異種族さえもアイドルヒーローとすれば懐の広さを見せることが出来る」などと言われ、上層部は言いくるめられたが、SPは意見があるようだった。
『可能性の話で申し訳ないですが…神の洪水計画を阻止するために海底都市の住人と戦う事になった時、彼女はどう動くのでしょうか。
彼女の技はお爺様直伝だと聞きました。そして彼女は修行の為に地上に来たと言っています。彼女は故郷から逃げて来たわけではありません。
…ライラ様が万が一あちらへ寝返った場合、アイドルヒーローの信用が傷つくだけではなく、その場の士気にも影響が出るでしょう』
「…なるほど、確かに全て筋が通っている…それで、その事について何か対策があるのか?」
『もちろんです』
「…物騒な事ではないだろうな?」
『ご安心を。海底都市からライラ様を寝取るだけです』
『ネトル!ネトル!』
APが抱えていたキンが言葉の意味も知らずに囃し立てる。
「…ねとる?」
「「!?」」
APはともかく、TPと秘書は動揺した。
「ん?構わないが…」
『…例の海底都市の住人、ライラ様。クールP様のプロデュースによってアイドルヒーローとして所属しましたが…やはり不安要素です』
SPが語り出したのは、クールPにスカウトされた少女。ウェンディ族であるライラの事だった。
「異種族さえもアイドルヒーローとすれば懐の広さを見せることが出来る」などと言われ、上層部は言いくるめられたが、SPは意見があるようだった。
『可能性の話で申し訳ないですが…神の洪水計画を阻止するために海底都市の住人と戦う事になった時、彼女はどう動くのでしょうか。
彼女の技はお爺様直伝だと聞きました。そして彼女は修行の為に地上に来たと言っています。彼女は故郷から逃げて来たわけではありません。
…ライラ様が万が一あちらへ寝返った場合、アイドルヒーローの信用が傷つくだけではなく、その場の士気にも影響が出るでしょう』
「…なるほど、確かに全て筋が通っている…それで、その事について何か対策があるのか?」
『もちろんです』
「…物騒な事ではないだろうな?」
『ご安心を。海底都市からライラ様を寝取るだけです』
『ネトル!ネトル!』
APが抱えていたキンが言葉の意味も知らずに囃し立てる。
「…ねとる?」
「「!?」」
APはともかく、TPと秘書は動揺した。
100: 2014/02/06(木) 19:59:45.01 ID:1mctWUjo0
――――
海底『ライラ!俺の事が好きじゃなかったのかよ!』
ライラ『…』
地上『無様だなぁ、海底都市サン?ライラちゃんはお前なんかよりこっちが好きなんだってよ!』
海底『ち、違う!!そんな事あるわけが…!』
地上『ほ~らライラちゃーん?アイスだよ~』
ライラ『…』ピクッ
海底『ら、ライラ!それに釣られちゃだめだ!』
地上『他にもたくさん、ライラちゃんが好きな物をあげようかなぁ~?おいしい物いっぱいだよー?』
ライラ『海底都市さん、私はもう…地上さんの事しか考えられないでございますよ…』
海底『な“ん”で“俺”じ“ゃ”ダ“メ”な“ん”だ“よ”ぉ“ぉ”ぉ“!!』
地上『どうだ悔しいかアハハハハハ…』
―――――
海底『ライラ!俺の事が好きじゃなかったのかよ!』
ライラ『…』
地上『無様だなぁ、海底都市サン?ライラちゃんはお前なんかよりこっちが好きなんだってよ!』
海底『ち、違う!!そんな事あるわけが…!』
地上『ほ~らライラちゃーん?アイスだよ~』
ライラ『…』ピクッ
海底『ら、ライラ!それに釣られちゃだめだ!』
地上『他にもたくさん、ライラちゃんが好きな物をあげようかなぁ~?おいしい物いっぱいだよー?』
ライラ『海底都市さん、私はもう…地上さんの事しか考えられないでございますよ…』
海底『な“ん”で“俺”じ“ゃ”ダ“メ”な“ん”だ“よ”ぉ“ぉ”ぉ“!!』
地上『どうだ悔しいかアハハハハハ…』
―――――
101: 2014/02/06(木) 20:00:56.57 ID:1mctWUjo0
「oh…」
秘書の脳裏に訳の分からない映像が流れてくる。
空気を察したのか、少し気まずそうなSPのボイスが流れてきた。
『…説明しましょう。要約すればAPに彼女の監視をしていただきます。しかし、彼女にはお付きのロボがいる為、自然な形で』
「どういうことだ?」
『友人ですよ、友人。既に友情が芽生えている者もいるようですが、APには監視をするために彼女の友人になってもらいます』
「っ!?」
「…こう言っては何だが…人には適材適所という物があるだろう…?」
「AP様はなんというか…友人関係を構築するのは難しいのでは…」
APは青天の霹靂を受け、TPと秘書は困惑の色を隠せない。
秘書の脳裏に訳の分からない映像が流れてくる。
空気を察したのか、少し気まずそうなSPのボイスが流れてきた。
『…説明しましょう。要約すればAPに彼女の監視をしていただきます。しかし、彼女にはお付きのロボがいる為、自然な形で』
「どういうことだ?」
『友人ですよ、友人。既に友情が芽生えている者もいるようですが、APには監視をするために彼女の友人になってもらいます』
「っ!?」
「…こう言っては何だが…人には適材適所という物があるだろう…?」
「AP様はなんというか…友人関係を構築するのは難しいのでは…」
APは青天の霹靂を受け、TPと秘書は困惑の色を隠せない。
102: 2014/02/06(木) 20:01:57.53 ID:1mctWUjo0
『APが普段無口なのは改善すべきですから』
「…」
『AP…黙らないでください』
『ナオス!ナオス!』
「…」
APは視線を逸らそうとするがSPはこの場に居ないのでどうやっても視線を逸らせないので俯く。
しかし俯いても抱きかかえているキンが居たのでAPは諦めた。
『便宜上は世間知らずなライラ様の案内役…という形を取らせていただきます。女性同士ですのでライラ様とは比較的会話しやすいかと』
「…」
「そうか…」
『会話の際は自分が音声でサポートいたします。ライラ様には聞こえないでしょうし。そもそもAPがまともな話題を出せるとは思えませんし』
「そ、そうか…」
『もう少しコミュ障を治すというか、無口と威圧感を治すべきだと思うんですよ。TP様のボディガードとしても』
「ああ、私もわかります。AP様はもう少しコミュニケーションを取れるようになるべきです」
『秘書様の同意を得られて嬉しく思います』
「どうも」
『コミュショー!』
「こ、コミュ障………ま、マスター…」
「…確かに、若い女性同士で話せるようになってくれたら、私は嬉しく思う。もちろん戦闘とかそういうのではなく…こう、ヤングな感じの」
「マスター…!?」
APは四方から追い詰められつつあった。
「…」
『AP…黙らないでください』
『ナオス!ナオス!』
「…」
APは視線を逸らそうとするがSPはこの場に居ないのでどうやっても視線を逸らせないので俯く。
しかし俯いても抱きかかえているキンが居たのでAPは諦めた。
『便宜上は世間知らずなライラ様の案内役…という形を取らせていただきます。女性同士ですのでライラ様とは比較的会話しやすいかと』
「…」
「そうか…」
『会話の際は自分が音声でサポートいたします。ライラ様には聞こえないでしょうし。そもそもAPがまともな話題を出せるとは思えませんし』
「そ、そうか…」
『もう少しコミュ障を治すというか、無口と威圧感を治すべきだと思うんですよ。TP様のボディガードとしても』
「ああ、私もわかります。AP様はもう少しコミュニケーションを取れるようになるべきです」
『秘書様の同意を得られて嬉しく思います』
「どうも」
『コミュショー!』
「こ、コミュ障………ま、マスター…」
「…確かに、若い女性同士で話せるようになってくれたら、私は嬉しく思う。もちろん戦闘とかそういうのではなく…こう、ヤングな感じの」
「マスター…!?」
APは四方から追い詰められつつあった。
103: 2014/02/06(木) 20:03:29.04 ID:1mctWUjo0
『スーツじゃなく、もっと女性らしい格好などもすべきかと』
「そうですね、ライラ様と一緒に買い物にでも行かせてはどうでしょうか」
「…そうだな、悪くない」
『オフクー!』
「あ、あの、皆さま、えっとあの…そこまで必要ですか…?」
『もちろん』
「…」
彼女の目からただでさえ少ないハイライトが失せた気がした。
心の底から「監視をするのは賛成だが、そんな風に友人を装う必要はないだろう」と、声に出して言いたかった。
『監視諦めますか?コミュ障止めますか?』
「………」
「…嫌か?」
「わ……わかりました。やります」
『その言葉が聞きたかった。…ライラ様監視を開始するのはクールP様にこの事を伝達した後になります。早くて明日からですね』
「…手早いな」
『この展開を予測していたので』
「あ、貴方って人は…」
『サイテー!クズー!』
『えっ』
こうして、ライラ監視計画兼、APコミュ障改善計画が動き出した。
「そうですね、ライラ様と一緒に買い物にでも行かせてはどうでしょうか」
「…そうだな、悪くない」
『オフクー!』
「あ、あの、皆さま、えっとあの…そこまで必要ですか…?」
『もちろん』
「…」
彼女の目からただでさえ少ないハイライトが失せた気がした。
心の底から「監視をするのは賛成だが、そんな風に友人を装う必要はないだろう」と、声に出して言いたかった。
『監視諦めますか?コミュ障止めますか?』
「………」
「…嫌か?」
「わ……わかりました。やります」
『その言葉が聞きたかった。…ライラ様監視を開始するのはクールP様にこの事を伝達した後になります。早くて明日からですね』
「…手早いな」
『この展開を予測していたので』
「あ、貴方って人は…」
『サイテー!クズー!』
『えっ』
こうして、ライラ監視計画兼、APコミュ障改善計画が動き出した。
104: 2014/02/06(木) 20:05:15.20 ID:1mctWUjo0
安部菜々と相葉夕美が所属する873プロダクションでは、TP直々に出された出動願いの件で二人が呼び出されていた。
「ええっ!同盟のトップから直々に秋炎絢爛祭のRISAちゃんのライブゲスト兼、増援要請ですか!?」
「す、すごい話…」
「ああ、こちらの事がちゃんと評価されているようだ。二人の意思も尊重したいから聞くが…受けるか?」
「もちろんです!学園祭って初めt…あわっ!えっとえっと…ウサミン星には学園祭が無いんですよ!JKなのに!」
「…ナナちゃんが受けるなら、私には断る理由はないかな?」
それぞれの返事を聞いて、満足そうに二人の担当Pは笑った。
「そうか、その返事が聞けて良かったよ。すぐにYESの返事を出そう。二人とも、ライブが始まる数時間前までは自由行動でいいからな」
「本当ですか!?」
「ああ、資料自体は来ているから、しっかり読んでくれ。俺は他の所にも用事があるからもう行くぞ。レッスンのキャンセルは向こうがしてくれるそうだ」
「「はいっ!」」
菜々はどこか嬉しそうだ。それを夕美はちゃんと察している。
「ええっ!同盟のトップから直々に秋炎絢爛祭のRISAちゃんのライブゲスト兼、増援要請ですか!?」
「す、すごい話…」
「ああ、こちらの事がちゃんと評価されているようだ。二人の意思も尊重したいから聞くが…受けるか?」
「もちろんです!学園祭って初めt…あわっ!えっとえっと…ウサミン星には学園祭が無いんですよ!JKなのに!」
「…ナナちゃんが受けるなら、私には断る理由はないかな?」
それぞれの返事を聞いて、満足そうに二人の担当Pは笑った。
「そうか、その返事が聞けて良かったよ。すぐにYESの返事を出そう。二人とも、ライブが始まる数時間前までは自由行動でいいからな」
「本当ですか!?」
「ああ、資料自体は来ているから、しっかり読んでくれ。俺は他の所にも用事があるからもう行くぞ。レッスンのキャンセルは向こうがしてくれるそうだ」
「「はいっ!」」
菜々はどこか嬉しそうだ。それを夕美はちゃんと察している。
105: 2014/02/06(木) 20:06:35.67 ID:1mctWUjo0
「…夕美ちゃん!」
「どうしたの、ナナちゃん?」
「どうしたもこうしたも!最近オフ少ないですし、オフ替わりみたいなものですよこれ!」
両手で夕美の手をぎゅっと握って、菜々は夕美に微笑んだ。
「楽しみましょうね!ナナ、リンゴ飴食べたいんですよ!思い出になる気がするんです!」
「思い出…そうだね、私も飴食べたいかも。飴細工ってすごいんでしょ?」
「はい!一度見たことありますけど、あれすごいんですよ!学園祭でやってるみたいですし、行ってみましょうよ!」
思い出。その言葉の裏に、夕美は菜々の思いを垣間見ていた。
(…帰っちゃうのかな。ウサミン星に…まだ、決意って程ではないけれど)
いつになるかもわからない。けれど、いつか確実に来るだろう。…菜々が地球を旅立つ日が。そう予感させた。
…嬉しそうなのに、どこか寂しそうだと思ったから。
アイドル活動は忙しくて、楽しい。けれど、こんな『JKらしい』思い出はもうあまり作れないだろうから。
手を握り返して、夕美は菜々と一緒に学園祭へ向かいだした。
「どうしたの、ナナちゃん?」
「どうしたもこうしたも!最近オフ少ないですし、オフ替わりみたいなものですよこれ!」
両手で夕美の手をぎゅっと握って、菜々は夕美に微笑んだ。
「楽しみましょうね!ナナ、リンゴ飴食べたいんですよ!思い出になる気がするんです!」
「思い出…そうだね、私も飴食べたいかも。飴細工ってすごいんでしょ?」
「はい!一度見たことありますけど、あれすごいんですよ!学園祭でやってるみたいですし、行ってみましょうよ!」
思い出。その言葉の裏に、夕美は菜々の思いを垣間見ていた。
(…帰っちゃうのかな。ウサミン星に…まだ、決意って程ではないけれど)
いつになるかもわからない。けれど、いつか確実に来るだろう。…菜々が地球を旅立つ日が。そう予感させた。
…嬉しそうなのに、どこか寂しそうだと思ったから。
アイドル活動は忙しくて、楽しい。けれど、こんな『JKらしい』思い出はもうあまり作れないだろうから。
手を握り返して、夕美は菜々と一緒に学園祭へ向かいだした。
106: 2014/02/06(木) 20:07:59.29 ID:1mctWUjo0
「クラリスお姉ちゃん、お祭り行ってくるー!リサお姉ちゃんのライブ見てくるねー!」
「はい、いってらっしゃい」
クラリスに手を振りながら、子供服とポシェットを付けて、ナニカは教会を飛び出した。
『…で、今日は主にアイドルヒーローのライブ見るのか』
「そうだよ、昨日はやってなかったの」
『ふーん』
今朝ちょっとアイドルヒーロー同盟のビルを襲ってきた白兎は、あまり面白くなさそうだ。
『つまり今日は混みそうダな、昨日みたいにいろいろ起きそうだ』
『いろいろ、か…』
「そんなにいっぱい事件なんてないって」
『人が多ければ動きやすいけど…事件なんてそこらじゅうにある物だぞ』
「そんなわけないってー」
のんきな事を言いながら、ナニカは学園祭に向かっていく。
色々考えない為には、楽しい事をするのが一番だから。
「はい、いってらっしゃい」
クラリスに手を振りながら、子供服とポシェットを付けて、ナニカは教会を飛び出した。
『…で、今日は主にアイドルヒーローのライブ見るのか』
「そうだよ、昨日はやってなかったの」
『ふーん』
今朝ちょっとアイドルヒーロー同盟のビルを襲ってきた白兎は、あまり面白くなさそうだ。
『つまり今日は混みそうダな、昨日みたいにいろいろ起きそうだ』
『いろいろ、か…』
「そんなにいっぱい事件なんてないって」
『人が多ければ動きやすいけど…事件なんてそこらじゅうにある物だぞ』
「そんなわけないってー」
のんきな事を言いながら、ナニカは学園祭に向かっていく。
色々考えない為には、楽しい事をするのが一番だから。
107: 2014/02/06(木) 20:08:40.17 ID:1mctWUjo0
「涼さん、今日も学園祭のライブやるんだよね?」
「まぁ毎日だな。光栄なことだよ本当に…昨日は大変だったけど」
出かける支度をする涼に、あずきが眠り草を持ちながら近づいてきた。
「…眠り草、今日は涼さんが持ってく?」
「えっ」
『えっ』
あずきの口から眠り草の声が漏れた。涼が驚いた事に眠り草が動揺したらしい。
「…昨日と同じでいいんじゃないか?ていうか妖刀とかマーサが食いつくからできるだけ止めておきたいんだけど」
「うーんと…涼さんが持っていた方がいい気がするの。なんとなく」
「なんとなく、ねぇ…」
「まぁ毎日だな。光栄なことだよ本当に…昨日は大変だったけど」
出かける支度をする涼に、あずきが眠り草を持ちながら近づいてきた。
「…眠り草、今日は涼さんが持ってく?」
「えっ」
『えっ』
あずきの口から眠り草の声が漏れた。涼が驚いた事に眠り草が動揺したらしい。
「…昨日と同じでいいんじゃないか?ていうか妖刀とかマーサが食いつくからできるだけ止めておきたいんだけど」
「うーんと…涼さんが持っていた方がいい気がするの。なんとなく」
「なんとなく、ねぇ…」
108: 2014/02/06(木) 20:09:35.35 ID:1mctWUjo0
『拙者をつれていくでござるー』
「…」
『ごーざーるー』
「…」
『ミミミン!ミミミン!ウーサミン!』
「…」
『ピカピカ、ピッカ!』
「…」
『ホンキノセイノウハ、ジンルイヲリョウガシマス!』
「あー…!わかった、わかったからちょっと黙ってくれ」
『ハーイ』
「裏声止めろ」
「…」
『ごーざーるー』
「…」
『ミミミン!ミミミン!ウーサミン!』
「…」
『ピカピカ、ピッカ!』
「…」
『ホンキノセイノウハ、ジンルイヲリョウガシマス!』
「あー…!わかった、わかったからちょっと黙ってくれ」
『ハーイ』
「裏声止めろ」
109: 2014/02/06(木) 20:10:19.39 ID:1mctWUjo0
「あのな…持って行くとしてもな、浮くだろ。あずきが持っていると和服と刀だからコスプレとかなんかだと思ってくれるだろうけどさ…」
「えーでも、最近は刀を持っている女の子のヒーローが…」
『小春bゲフンゲフン…刀持ちの侵略者系乙女ヒーロー、ひなたん星人でござるな!』
「うんうん、そういう子もいるみたいだから大丈夫じゃない?」
眠り草的にはあまり荒事に絡みたくないので、傲慢な刀である小春日和の名前は一応伏せておく。
『(下手に名前出したらフラグ立っちゃうでござる。やばーい☆)』
「ちょっと待て…小春なんちゃらってなんだ」
『それは内緒にすべきだと拙者の勘が』
「つまり知っているのか…」
「えーでも、最近は刀を持っている女の子のヒーローが…」
『小春bゲフンゲフン…刀持ちの侵略者系乙女ヒーロー、ひなたん星人でござるな!』
「うんうん、そういう子もいるみたいだから大丈夫じゃない?」
眠り草的にはあまり荒事に絡みたくないので、傲慢な刀である小春日和の名前は一応伏せておく。
『(下手に名前出したらフラグ立っちゃうでござる。やばーい☆)』
「ちょっと待て…小春なんちゃらってなんだ」
『それは内緒にすべきだと拙者の勘が』
「つまり知っているのか…」
110: 2014/02/06(木) 20:10:58.28 ID:1mctWUjo0
「刀友達かな?」
「…どうなんだ?」
『ミンナニハ ナイショダヨ』
「裏声やめてよー!その声を出すことを強いられるアタシの身にもなってよーっ!もう!折るよ!」
『またまたーたとえあずき殿でも名刀である拙者を折る事など…』
「…一つ教えてやるけど、アレ見えるか?壁の傷跡」
台所の方を涼が指で示す。
『ん?あの台所の…天井から床まで伸びている傷跡でござるか?塞がってるでござるが…』
「そうだ。…あれやったの包丁持ったあずきだからな」
『アイエエエエエエ!?アズキ!?アズキナンデ!?』
「い、いえーい…ちなみに貫通したよ」
すこし気まずそうにあずきが続ける。
「…どうなんだ?」
『ミンナニハ ナイショダヨ』
「裏声やめてよー!その声を出すことを強いられるアタシの身にもなってよーっ!もう!折るよ!」
『またまたーたとえあずき殿でも名刀である拙者を折る事など…』
「…一つ教えてやるけど、アレ見えるか?壁の傷跡」
台所の方を涼が指で示す。
『ん?あの台所の…天井から床まで伸びている傷跡でござるか?塞がってるでござるが…』
「そうだ。…あれやったの包丁持ったあずきだからな」
『アイエエエエエエ!?アズキ!?アズキナンデ!?』
「い、いえーい…ちなみに貫通したよ」
すこし気まずそうにあずきが続ける。
111: 2014/02/06(木) 20:11:49.19 ID:1mctWUjo0
「弁償代は…まぁ何とかなったし、直ったし、貫通した先が外でさらに言えば夏だったからまだよかったものの…隣と貫通したらどうしようかと」
「お隣って確か古賀さんだっけ?」
「そうそう」
ちなみにそのさらに隣にはマリナたちが住む部屋がある。
刀の所有者である涼は狙われている立場なのだが…今の所遭遇すらしていない。
『(折られる☆…やばーい☆バキバキすぅ?)』
遭遇していない事に多少は貢献している筈の眠り草は話を聞いていないようだ。おそらく、人間だったら顔面蒼白であろう。
「お隣って確か古賀さんだっけ?」
「そうそう」
ちなみにそのさらに隣にはマリナたちが住む部屋がある。
刀の所有者である涼は狙われている立場なのだが…今の所遭遇すらしていない。
『(折られる☆…やばーい☆バキバキすぅ?)』
遭遇していない事に多少は貢献している筈の眠り草は話を聞いていないようだ。おそらく、人間だったら顔面蒼白であろう。
112: 2014/02/06(木) 20:12:24.93 ID:1mctWUjo0
『涼殿!拙者あずき殿の周りでは暫くふざけないでござるぅ!!だから、今日くらいは連れて行って欲しいでござるー!!』
「お前、そこまで…」
「というか話がグルグルしているだけの様な気がするんだけど…」
『気のせい!』
「眠り草が話を逸らすからでしょーっ!もーっ!」
「…仕方ないな、今日くらい何とか持って行くよ」
『マジでござるか!?ひゃっほーう!』
「あずき、眠り草ってあずきを介さなければ黙ってるよな?」
「そうだね。…涼さんの頭の中に呼びかけてくるかもしれないけど」
「ああ…うるさくしないように命令でもした方がいいか?」
『黙ってる!拙者黙ってるから!なんか敵が来た時以外黙ってるから!』
「敵なんてカース以外居ないから大丈夫だろ…」
彼女は一応一般人だ。犯罪組織を敵にしているわけでもないし、罪を犯したわけでもない。
…ただの妖怪と同棲して、ついでに妖刀の持ち主に選ばれてしまっただけの女子大生だ。
「お前、そこまで…」
「というか話がグルグルしているだけの様な気がするんだけど…」
『気のせい!』
「眠り草が話を逸らすからでしょーっ!もーっ!」
「…仕方ないな、今日くらい何とか持って行くよ」
『マジでござるか!?ひゃっほーう!』
「あずき、眠り草ってあずきを介さなければ黙ってるよな?」
「そうだね。…涼さんの頭の中に呼びかけてくるかもしれないけど」
「ああ…うるさくしないように命令でもした方がいいか?」
『黙ってる!拙者黙ってるから!なんか敵が来た時以外黙ってるから!』
「敵なんてカース以外居ないから大丈夫だろ…」
彼女は一応一般人だ。犯罪組織を敵にしているわけでもないし、罪を犯したわけでもない。
…ただの妖怪と同棲して、ついでに妖刀の持ち主に選ばれてしまっただけの女子大生だ。
113: 2014/02/06(木) 20:13:56.00 ID:1mctWUjo0
『(ここで拙者が狙われているとか今更言ったら十中八九折られるでござる…まぁそんな遭遇する事なんてないだろうし、来たら大体わかるし…)』
『(…ん?そもそも拙者折れるのでござろうか。うーん…面倒くさいからどうでもいいやー)』
あずきから手放された眠り草は、どこかどうでもよさげに思考する。
『(拙者は今の生活で満足だし、お祭りって美人多いし…それに金持ちとか偉そうなのって嫌いなんだよねー)』
『(…まあ、なんとかなるでござるね。多分)』
『(…ん?そもそも拙者折れるのでござろうか。うーん…面倒くさいからどうでもいいやー)』
あずきから手放された眠り草は、どこかどうでもよさげに思考する。
『(拙者は今の生活で満足だし、お祭りって美人多いし…それに金持ちとか偉そうなのって嫌いなんだよねー)』
『(…まあ、なんとかなるでござるね。多分)』
114: 2014/02/06(木) 20:14:59.49 ID:1mctWUjo0
涼が眠り草を入れた袋と、バッグを持つ。
「じゃあ、先に行ってるからな。仁奈ちゃんと歌鈴に迷惑かけるなよ?」
「わかってるよ!いってらっしゃーい!」
あずきは涼を手を振って見送った。
仁奈と歌鈴が来るまではまだ時間がある。それまで家の掃除でもしようかと、家に入りなおす。
すると入った瞬間、つけっぱなしだったテレビの画面が急に切り替わった。
『番組の途中ですが、ここでアイドルヒーロー同盟から臨時ニュースをお送りします』
「ん?」
「じゃあ、先に行ってるからな。仁奈ちゃんと歌鈴に迷惑かけるなよ?」
「わかってるよ!いってらっしゃーい!」
あずきは涼を手を振って見送った。
仁奈と歌鈴が来るまではまだ時間がある。それまで家の掃除でもしようかと、家に入りなおす。
すると入った瞬間、つけっぱなしだったテレビの画面が急に切り替わった。
『番組の途中ですが、ここでアイドルヒーロー同盟から臨時ニュースをお送りします』
「ん?」
115: 2014/02/06(木) 20:16:49.56 ID:1mctWUjo0
『以下のエリアにて、人間に擬態するカースが目撃されました。近隣の住民は警戒してください』
テロップと共に、画面には目撃情報があった場所周辺の地域の地図が表示されている。
『刺激せず、発見次第連絡をお願いします。また、擬態したカースだと言い張って他人を傷つける人間を発見した場合も通報をお願いします』
『また、表示されているエリア以外にも潜んでいる可能性はあります。どこに住んでいても警戒は怠らず、関わらないようにしてください』
「人間に化けるカースかぁ…それにしても最近は物騒だなー」
掃除を忘れ、戸棚からせんべいを取り出しながら、あずきは数回繰り返されたそのニュースを見ていた。
テロップと共に、画面には目撃情報があった場所周辺の地域の地図が表示されている。
『刺激せず、発見次第連絡をお願いします。また、擬態したカースだと言い張って他人を傷つける人間を発見した場合も通報をお願いします』
『また、表示されているエリア以外にも潜んでいる可能性はあります。どこに住んでいても警戒は怠らず、関わらないようにしてください』
「人間に化けるカースかぁ…それにしても最近は物騒だなー」
掃除を忘れ、戸棚からせんべいを取り出しながら、あずきは数回繰り返されたそのニュースを見ていた。
116: 2014/02/06(木) 20:18:55.01 ID:1mctWUjo0
以上です
学園祭二日目突☆入!
菜々さんと相葉ちゃんも行くことになりましたよ
イベント情報(二日目)
・安部菜々&相葉夕美も学園祭へ。RISAのライブのゲストとして登場する予定です。
・アイドルヒーロー同盟からAMCへの注意報が放送されました。しかしテレビや街頭モニターを見ていない場合、情報は伝わってない可能性が高いです。
・APとライラさんお友達計画(仮)始動…?
・本日、眠り草は涼さんが持っています
学園祭二日目突☆入!
菜々さんと相葉ちゃんも行くことになりましたよ
イベント情報(二日目)
・安部菜々&相葉夕美も学園祭へ。RISAのライブのゲストとして登場する予定です。
・アイドルヒーロー同盟からAMCへの注意報が放送されました。しかしテレビや街頭モニターを見ていない場合、情報は伝わってない可能性が高いです。
・APとライラさんお友達計画(仮)始動…?
・本日、眠り草は涼さんが持っています
117: 2014/02/06(木) 22:23:32.46 ID:rdZIToT6o
乙
【次回に続く・・・】
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります