117: ◆Nb6gZWlAdvRp 2014/02/06(木) 22:23:32.46 ID:rdZIToT6o



モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」シリーズです


前回はコチラ



復帰がてらイベント関係無いG3の話を投下ー
時系列?学祭の後じゃないかな

118: 2014/02/06(木) 22:24:24.02 ID:rdZIToT6o
その夜は、なぜか眠れなかった。
 目を閉じてもどこからか湧き上がってくる焦りが、あたしを現実につなぎ止める。
 1時間ほどベッドで横になっていたけれど、このままでは朝まで起きていることになりかねないと、諦めて体を起こす。

 台所に降りてホットミルクを飲んだけど、焦りは消えず、むしろ大きくなっていく。
 その感情に耐えられなくなって、あたしはパジャマのまま家から出た。



 家を出たあたしは足の向くままに歩き続け、気が付くとある場所にたどり着いていた。
 ――そこは、あたしたちが『わたし』になった場所だった。
 辺りを見ると二人もここに来ていた。
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それは、なんでもないようなとある日のこと。
その日、とある遺跡から謎の石が発掘されました。
時を同じくしてはるか昔に封印された邪悪なる意思が解放されてしまいました。

~中略~

「アイドルマスターシンデレラガールズ」を元ネタにしたシェアワールドです。
・ざっくり言えば『超能力使えたり人間じゃなかったりしたら』の参加型スレ。




119: 2014/02/06(木) 22:24:52.22 ID:rdZIToT6o
「あれ? 二人も来たんだ」

「うん、なんだか眠れなくて」

「あたしも、なんか『行かなきゃ』って感じがして」

『はぁい、お母様方こんばんは』

 二人と会話を始めた直後、頭の中に声が響く。
 聞き覚えのない声だったけど、なぜか自然とこれが『わたし』であることがわかった。

「あー、やっぱりAEがなんかしてたんだ」

『ええ、そろそろ外出しようと思って』

「わざわざ夜中に集めないでよ……」

120: 2014/02/06(木) 22:25:39.37 ID:rdZIToT6o
 法子が一人で何か納得していたけど、あたしたちには何のことかさっぱり分からない。
 かな子と顔を見合わせ首を傾げたところで……腹痛があたしたちを襲った。

「ひ、ぎぃっ」

 突然のことにお腹を押さえて膝をつく。押さえた手に固くて尖ったものが当たっているのを感じてパジャマを捲ると、何かの――いや、あの日食べたいくつもの破片がお腹を突き破って出ていた。
 いくらかの出血と一緒に地面に落ちた破片から泥が吹き出し、移動していく。
 視線だけでそれを追うと、法子とかな子からも同様に破片が出てきたみたいで、三人分の破片が一ヶ所に集まると、泥の量が一気に増えて人ひとり分くらいの大きさになる。

『かな子お母様』

「うぅ……え、なに?」

『わたしの仔を頂戴』

「え、と……あ、あの核?」

『ええ、その通りよ。あるでしょう?』

 それに向かって、かな子がなぜか持ってきていたあの7色の核を出すと、核はひとりでに浮き上がってそれに飲み込まれていく。
 核を飲み込んだそれは2,3回脈打つと、女の人の姿になった。
 歳は20台半ばくらいかな、スラッと背が高めで、ウェーブのかかった茶髪が腰に届かない程度に伸びている。

 肌が泥だとか、真っ黒なんてこともなくて、整った顔もあってただの美人にしか見えない。
 顔の前で何度か試すように手を握ったり開いたりしたかと思うと、両手の間に白っぽい球体を生み出して……

121: 2014/02/06(木) 22:26:05.76 ID:rdZIToT6o








――辺りが『清浄な光』に包まれた








122: 2014/02/06(木) 22:26:49.93 ID:rdZIToT6o

「あづっあ!?」

 全身を弱火で炙られるような感覚にあたしたちは転げまわり、女の人は満足げに頷く。

『贅沢を言うとまだ不満な点はあるけども、まあ及第点ね』

『お母様方、これからわたしは出かけます』

『今しばらくの間はこれまで通りに過ごしても構わないわ』

『でも、いずれわたしのために動いてもらうことになるから覚えておいて』

 言うだけ言うと踵を返して立ち去ろうとしてしまう。

「ちょ、待って説明! 説明が足りない!」

 まだピリピリするのを我慢して、声を張り上げて呼び止める。

『あらみちるお母様、夜中に近所迷惑よ?』

『でも、まあ……確かにお母様方には色々と話しておくべきかしら?』

 そう言うと、お腹に指を沈めて左右に割り開く。
 そんなことしても泥くらいしか無いと思ったんだけど、予想に反してそこには……草原が広がっていた。

123: 2014/02/06(木) 22:27:29.85 ID:rdZIToT6o
「……はい?」

 それをみたあたしたちは目が点になる。

『原罪の力で楽園……エデンの園を再現したの。わたしはここを命で満たしたいのよ』

『人に限らず、生き物は弱いわ。地上を埋め尽くす命のうち、どれだけが自らの重ねた罪と向き合って、背負っていけるというのかしら』

『だからこの楽園へ連れて行ってあげたいの』

『楽園のために原罪の力はほとんど使ってしまったけど、構わないわ』

『この楽園に行けばあらゆる罪から解放されて、解き放たれた罪をわたしが請け負うことでより大きな力が得られるのだもの』

『わたしはこの楽園で生きとし生けるものを包み込んで、導いて、神様に代わってしまおうと思うの』

 その後もあたしたちを置いてけぼりにして色々喋っていた筈だけど、それらはほとんど頭に入って来なかった。
 たしか最後のほうでやっとAE……Another Edenとか名乗ったっけ。それを聞いて法子が妙な顔をしたけど、なんだったんだろう。

――破片に突き破られたはずのお腹は、いつの間にか塞がっていた。

124: 2014/02/06(木) 22:31:59.57 ID:rdZIToT6o
 全てを喰らう者
 暴食のカース
 能力:天聖気を扱う・天聖気無効・他不明
 All Eater/Another Eden
 法子の中で自我を得た『わたし』の自称
 『わたし』を食べることで始まった三人への侵食は、『わたし』に自我が芽生えることで終わりを迎えた
 割とその場のノリで名乗る名前を変えるが、AEというイニシャルには拘りがあるらしい

 自らの自我と共に生まれた原罪の核を『わたしの仔』と呼ぶ

 原罪を取り込んで体内にエデンの園のレプリカを創り、そこにあらゆる命を取り込んで神になり替わろうとしている。
 彼女にとって食事とは「楽園へ命を導く行為」であるため「生きたまま丸呑み」を好み、暴食でありながら一般的な食事への関心は殆どない。
 偽物とはいえ楽園そのものを内包することで天聖気を扱う能力を得た。また、この能力は原罪由来で得た後天的なものであり、これとは別に先天的な能力を持つ。


G3について備考
・AEの核の破片はまだ一つ二つG3の体内に残ってます
・核がごっそり減ったので侵食は軽減された
・AEから力を貰ってるので天聖気への耐性(ダメージを軽減する程度)を得た

125: 2014/02/06(木) 22:33:13.28 ID:rdZIToT6o
投下終わり

久々に書くとキャラが動かなくて投げ出したくなる不具合

127: 2014/02/06(木) 22:48:33.66 ID:1mctWUjo0
乙です
AEがダブルネーミングだったとは…
楽園がなんか罠にしかみえない



【次回に続く・・・】



引用: モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」 part9