209:◆tsGpSwX8mo 2014/03/02(日) 16:42:46.91 ID:jtdOJliV0


モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」シリーズです


前回はコチラ



・◆tsGpSwX8mo氏分

暗い、暗い海底の底。肉眼で見えるものは何もなく、ただただ静かなこの海底に、いくつかの光が見えた。

それは、チョウチンアンコウを模したロボットから発せられる光だった。ざっと数えて5体はいるであろう。

その5体のロボットは何かを探すように海底をうろうろと動き回っていた。

その時、そのチョウチンアンコウ型ロボット、アングラとは明らかに別の機体が現れた。

刺々しい鎧に尾が生えた、まるで悪魔のような機械である。いや、この機械を、「機械」と呼ぶのは表現的に相応しくない。

これの名は、カースドアビス。海底都市の、新たな兵力である。
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それは、なんでもないようなとある日のこと。
その日、とある遺跡から謎の石が発掘されました。
時を同じくしてはるか昔に封印された邪悪なる意思が解放されてしまいました。

~中略~

「アイドルマスターシンデレラガールズ」を元ネタにしたシェアワールドです。
・ざっくり言えば『超能力使えたり人間じゃなかったりしたら』の参加型スレ。



210: 2014/03/02(日) 16:44:05.57 ID:jtdOJliV0
カースドアビス1号、アビスイービルは、アングラと同じく何かを探しているようだった。

虚ろな相貌が暗闇をにらむ。

そして、アングラのうち一体が、探し物を見つけ出した。

それを他の4機とアビスイービルにも伝える。

アングラ達の視線の先には、広大な海底遺跡があった。それも、ただの遺跡ではない。そこは、現在の海底都市を彷彿とさせる町のような遺跡だった。

ここはかつてアトランティスと呼ばれていた。今は海に沈んでいるが、昔はとても栄えた都市だったのだ。

211: 2014/03/02(日) 16:45:38.11 ID:jtdOJliV0
アングラ達とアビスイービルは海底遺跡、アトランティスの内部に侵入しようとした。

しかし、突然、海底遺跡の内部から立ち上がる影が現れた。

それは銀色に輝く体を持った、戦闘外殻であった。

その名はアビスプラッシュ。この海底遺跡アトランティスの守護神である。

実のところ彼らの探し物とは、あのアビスプラッシュが守る秘宝なのだが……。

「グラー」

「グラァ!」

二体のアングラがアビスプラッシュに接近する。しかし、

「グ?!」

「グ/ラ/ァ!?」

アビスプラッシュの持つ槍によっていとも簡単に破壊されてしまう。

212: 2014/03/02(日) 16:47:02.07 ID:jtdOJliV0
それを見て、アビスプラッシュに近づこうとするアビスイービル。

しかし、唐突に彼の脳内に埋め込まれた通信機に通信が入った。

撤退せよとのことである。

アビスイービルは残った3体のアングラを連れて、彼らの開発者のいる海底都市へと引き上げていった。

213: 2014/03/02(日) 16:50:04.37 ID:jtdOJliV0
場所は代わり海底都市のドクターPの研究所。

彼は通信室のモニターに写し出された、遺跡とアビスプラッシュを見ていた。

「あら、2体やられちゃったわね」

その後ろで同じくモニターを眺めていた海竜の巫女。

「あぁ。あのロボット一体作るのにも金がかかるのによ。大損害だ、まったく」

ドクターPは吐き捨てるように言った。

しかし、彼はどうしても、あの海底遺跡に隠されている物がほしかったのだ。

「アビスプラッシュが守る秘宝、ヴリル……本当にあるのかしらね」

「なきゃ困るんだよ」

ヴリルとは、かつてアトランティスとして栄えていたあの海底遺跡に隠されていると言われているエネルギー物質のことである。

「あれさえあれば、戦闘外殻の能力を飛躍的に上げられる……」

ドクターPは玩具をねだる子供のような目で、言葉をはいた。

「でも今はアビスプラッシュが守ってて遺跡の中にはとても入れないんでしょう?」

「あぁ、問題はそこだ。……それにしても、アビスプラッシュ……無人で動ける戦闘外殻とは、是非捕獲して調べてみたい」

そう、あの戦闘外殻アビスプラッシュは中に人が入っていないのだ。なぜ無人で動けるのかは不明であるが。

「……そういえば無人の戦闘外殻といえば、アビスエンペラーが無人で動き出したそうじゃねえか、えぇ?」

それを聞くと巫女は苦々しげに顔をしかめてみせた。

「えぇ、そうよ。中には誰もいないはずなのに……おまけにあれは古の龍の魂がなければ動かない……」

ドクターPも顔をしかめた。

いや、ドクターPの場合は自分が興味を抱いていた戦闘外殻に逃げられたことが面白くないのだろう。

214: 2014/03/02(日) 16:51:12.81 ID:jtdOJliV0
「ふん、なんにせよ早く見つけ出さねえとな」

「えぇ……」

海竜の巫女は苛立っていた。ただでさえ計画に狂いが出ているのに、これ以上何かあったら胃に穴が空きそうだ。

それに、この男も油断できない。もしかしたら不足の事態が起きて裏切るかも知れないのだ。

そこで、巫女はこの男の来歴を調べ弱味を握って、ドクターPが裏切らないよう手をうつことにしたのだった。

口を開く海竜の巫女。

「……あぁ、そういえば」

「あん?」

215: 2014/03/02(日) 16:52:08.14 ID:jtdOJliV0
「あなた、エマの母親、ケイの事を知ってる?」

その名を聞いて反応するドクターP。

「あぁ。勿論だ」

「とても美しい歌声の持ち主だったそうね」

海竜の巫女は語り始めた。

「歌声だけじゃなく、人目見れば誰もが振り向くような美貌の持ち主であり、ヨリコ様からの信頼も厚かったとか」

ドクターPは名にも言わない。

「彼女とアビスマイルの相性は抜群であったそうね。親衛隊の中でもとても強い人だったとか」

「……」

やはり、何も言わない。

216: 2014/03/02(日) 16:53:19.86 ID:jtdOJliV0
「でも、氏んでしまったのよね」

続けてこういった。

「彼女を知る人から聞いたわ。あんなに元気だったのに突然氏んでしまって」

ドクターPは無言である。いつもつけているホッケーマスクのせいで表情もわからない。

「一時期ケイは誰かに殺されたんだと言う噂もたったそうね」

海竜の巫女は言った。

「その噂は本当かもしれないわね。ねぇ、ひょっとして頃したのはあなたなんじゃないの?ドクターP」

217: 2014/03/02(日) 16:54:22.54 ID:jtdOJliV0
「あぁそうだ」

ドクターPは否定しなかった。

「やっぱりね」

まるで世間話のようなやりとりだ。

ドクターPはマスクの下で低く笑った。

「くくくくく……。あいつは知ってしまったんだよ。戦闘外殻ヒュドラに使われている毒の秘密をよ…」

「それで口封じに?」

「あぁ」

そこでドクターPの笑い声は更に大きくなった。

「ふふふふふふふ!ひゃははははははは!!あの女の無様な氏に顔!思い出すだけでも笑いが止まらねぇ!ぎゃはははははは!!」

ドクターPの笑い声はいつまでも響いた。

そして、唐突にその笑い声は止まる。

「わかってるだろうが……その事をばらすなよ?面倒なことになる」

海竜の巫女はニヤリと笑った。

218: 2014/03/02(日) 16:55:28.23 ID:jtdOJliV0
アビスプラッシュ

鯨の戦闘外殻。
普通の戦闘外殻に比べ、一回り大きく、その身体は硬く、防御力も高い。
何より、その硬度を利用したタックルは破壊力バツグン。
また、右腕から圧縮された海水を放つことができる。

ヴリル

かつて古代に栄え、神の怒りにより沈められた王国≪アトランティス≫にあったとされるエネルギー物質。

アトランティスにあったとされるオリハルコン製の戦闘機の動力源として使用されていたといわれている。

オリハルコンの力を最大限に引き出し、無限の力を出すといわれている。

もし、これが現在で見つかり、戦闘外殻に使われたらどうなるか……それは誰もわからない。

219: 2014/03/02(日) 16:56:52.64 ID:jtdOJliV0
ここまでです。

アビスプラッシュとヴリルはメタネタスレからお借りしました。ありがとうございました。

イベント情報
・アビスイービルの試験運用をしています
・エマママことケイを頃したのはドクターPのようです

お目汚し失礼します

#避難所分ここまで

220: 2014/03/02(日) 18:16:22.95 ID:nGTjaAhDO
移行乙

ついでに酉チェック



【次回に続く・・・】



引用: モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」 part9