457: ◆6osdZ663So 2014/03/27(木) 00:02:54.70 ID:aLz/m9nzo
モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」シリーズです
前回はコチラ
投下ー、投下しますー
魔法を使える女の子のお話を少々
魔法を使える女の子のお話を少々
458: 2014/03/27(木) 00:03:20.87 ID:aLz/m9nzo
それはとある冬の日のこと。それは寒い寒い日のことです。
小さな少女が1人、道を行く人たちに声を掛けていました。
「あのぉ……」
「……」
「……すみません」
「……」
女の子は一生懸命声を掛けますが、
通行人たちは見向きもしないか、一瞥もくれずに去っていきます。
「そこの人」
「……あ?」
「……ひっ、すすみません!な、なんでもないですっ!」
「……ちっ」
たまに反応してくれる人も居ましたが、結果は同じ事でした。
「……」
「……うぅ、寒いよぉ」
頭に大きなリボンをつけ、黒いローブを着込んだ少女は、
白い雪の降る空の下、一人ぼっちなのでした。
----------------------------------------
それは、なんでもないようなとある日のこと。
それは、なんでもないようなとある日のこと。
その日、とある遺跡から謎の石が発掘されました。
時を同じくしてはるか昔に封印された邪悪なる意思が解放されてしまいました。
~中略~
「アイドルマスターシンデレラガールズ」を元ネタにしたシェアワールドです。
・ざっくり言えば『超能力使えたり人間じゃなかったりしたら』の参加型スレ。
459: 2014/03/27(木) 00:04:18.77 ID:aLz/m9nzo
その女の子は魔法使いでした。
魔法使いと言っても御伽噺に出てくる様な華やかな魔法使いではありません。
「……”ほのおの魔法”とか使えたらよかったのになぁ」
呪文一つで、たちまち炎を生み出す。彼女はそんな魔法は使えませんでした。
「くしゅん……少しでもあたたかい場所を探さないと」
彼女に使えるのは”何かを探す魔法”。
尋ね人を探す魔法。失せ物を探す魔法。
探して見つける。ただそれだけ。とても地味な魔法でした。
460: 2014/03/27(木) 00:05:18.14 ID:aLz/m9nzo
「あたたかい場所を探す魔法は……」
女の子は懐から、袋を取り出し中を探ります。
そして何かの生き物の毛玉を見つけると、
両手で挟み込み、祈るように唱えました。
「えっとぉ……”暖かい場所を探してくださぁい”」
少女が言葉をつむぐと、スポンっ!とその手から毛玉が飛び出します。
それは微かに雪の積もる地面にふわりと着地すると、
まるで小さな生き物のように、ぴょこぴょこ跳ね回り、
そしてどこかへと向かい始めました。
「えへへ、これでだいじょーぶっ!えっへん!」
魔法の成功を確信し、女の子は胸を張ります。
毛玉に付いていけば、暖かい場所へと案内してくれるはずです。
ぴょんぴょん跳ねる毛玉を、とことこと付いていきます。
461: 2014/03/27(木) 00:06:00.24 ID:aLz/m9nzo
――
女の子は魔法使いのお家に生まれた子供でした。
お父さんも、お母さんも、お爺ちゃんも、お婆ちゃんも、
そのお爺ちゃんも、そのお婆ちゃんも、みんなみんな魔法使い。
そんなお家に生まれた子供でした。
家族はみんな口を揃えて言いました。
「お家の外は怖いから、外に出てはいけないよ」といいました。
女の子は、その言いつけを守って外に出ることはありませんでした。
だから女の子は、外の事をちっとも知りませんでした。
ある日、外の世界から白いお姉さんがやってきました。
そして女の子は知りました。
外の世界にも、素敵なものがたくさんあるのだと知りました。
462: 2014/03/27(木) 00:06:37.57 ID:aLz/m9nzo
それからそれから女の子はさらに知ってしまいます。
外の世界には、カッコいいヒーローが、かわいいヒロインが、
たくさん居て、それぞれ活躍しているのだと知りました。
特別な力を持って、ど派手に大活躍して、みんなに認められるヒーロー。
そんな存在に女の子は憧れたのでした。
「わたしもお家の外の世界にいってみたい!」
日に日に思いは募ります。
そしてある日の夜、女の子はお家を飛び出しました!
家族は追いかけては来ませんでした。やはり、外の世界は怖いのでしょう。
”お父さんやお母さんにもできないことができたんだ!”
それが自信に繋がりました。えっへんと女の子は胸を張ります。
そうして彼女の大冒険がはじまったのです。
463: 2014/03/27(木) 00:07:26.51 ID:aLz/m9nzo
――
「もぉお!ちがうぅ!」
女の子はぷくーっと膨れて怒ります。
彼女が追いかけていた毛玉は、すぐ近くにあった住宅地の民家の前で立ち止まり、
その身を縮こまらせて、スッとドアポストの隙間からその家の中へと入っていったのでした。
「うぅ……確かにあたたかい場所だけど……くしゅんっ!」
魔法の毛玉は、あたたかい場所を求めて、どこかのだれかが住む家へと入っていきました。
ですが、そこに少女が入る事はできません。
他人様のお家に勝手に入れば、怒られてしまうからです。
「またふり出しだよぉ……」
少女の嘆きを尻目に、しんしんと雪は降り続くのでした。
――
――
464: 2014/03/27(木) 00:08:23.73 ID:aLz/m9nzo
――
――
芽衣子「っと言う訳でっ!!」
芽衣子「お誕生日おめでとうっ!さくらちゃんっ!」
さくら「えっへっへー!ありがとうございまぁすっ!」
芽衣子「はいっ、恒例の財閥からの花束!」
さくら「ありがとうございま……おぉ、重いですっ」
芽衣子「……今回もまあ…お誕生日祝いしてくれる人は少ないけれど」
さくら「やっぱり皆さん、忙しいんでしょうかぁ?」
芽衣子「と言うより、現行の時系列よりもう結構時間が経っちゃってて……学園祭も今日から4~6ヶ月ほど前の事だし……」
芽衣子「まあそんな感じだから……今現在もしっかり暇してそうな人が他に思い当たらないんだと思うな」
芽衣子「この頃にはエージェント抜けてる人も居ないとも限らないし」
さくら「芽衣子さんっ、すごいメタ発言ですよぉっ!」
芽衣子「まあまあそんな事より、今日はさくらちゃんのお祝いだよっ!」
芽衣子「来れない人たちの分も私がしっかりお祝いするからね!」
さくら「むむぅぅ……なんだか釈然としないところはありますけど……」
芽衣子「ほら桃のお誕生日ケーキも用意してるから、ねっ?」
さくら「……えへへー、まぁ、お誕生日だからいっかぁ♪」
芽衣子(単純だけど、カワイイ)
465: 2014/03/27(木) 00:09:21.43 ID:aLz/m9nzo
芽衣子「私達からのお誕生日プレゼントはこれだよ♪はいっ!」
さくら「これはっ……!」
さくら「桜の飾りですか?」
芽衣子「そうっ!さくらちゃんピンクの物好きだったよね」
さくら「はいっ!大好きでぇすっ!えへへ」
さくら「でもこれ、何の飾りなんですか?髪飾り…?うーん」
芽衣子「それはね、杖の飾りだよ」
さくら「杖の……あっ!もしかして、『桜の杖』につける飾りですか?」
芽衣子「うん!身に付けるアクセサリーとかはさくらちゃんたくさん持ってたと思うけど」
芽衣子「『桜の杖』はシンプルな木の杖のままだったから、そっちに付けられる飾りは持ってないのかなって思ってね」
芽衣子「それもさくらちゃんの好きなピンクの飾りを選んでみたよ!……どうかな?」
さくら「芽衣子さん…」
さくら「あの!とっても!とーっても!嬉しいですっ!!」
さくら「本当に本当にありがとうございまぁすっ!!」
さくら「えへへー!」
芽衣子(うん、さくらちゃんはやっぱり満面の笑顔が一番カワイイ♪)
466: 2014/03/27(木) 00:10:12.69 ID:aLz/m9nzo
さくら「じゃーん!見てください芽衣子さん!」
桜の杖「…」 キラーン
芽衣子「おっ、早速つけたんだね」
さくら「かわいくなりましたよねぇ?」
芽衣子「うんうん、かわいいよー」
さくら「えっへっへー♪」
さくら「サクライさんにも自慢しますよぉ!」
芽衣子「そっかぁ、サクライさんも喜ぶんじゃないかなぁ」(あの人たぶん口リコンだし)
さくら「ですよねぇ!えへっ」
さくら「『桜の杖』は、サクライさんからのプレゼントでもあるので」
さくら「きっと喜んで貰えますよぉっ!」
芽衣子(純粋だなぁ……)
さくら「あ、そう言えば」
さくら「やっぱり花束の中に、サクライさんからのメッセージカードが入ってるんでしょうか?」
芽衣子「たぶん、入ってるんじゃないかな。私の時と一緒で」
さくら「えっとぉ……」
ゴソゴソ
さくら「ありましたっ!」
芽衣子「何が書いてるのかな?(ちょっと心配)」
さくら「さっそく見てみましょおっ!」
467: 2014/03/27(木) 00:11:01.60 ID:aLz/m9nzo
――
――
「花の種…」
雪の降る空の下。
女の子が毛玉の次に袋から取り出したのは、植物の種でした。
「お願いです、暖かい場所に連れて行ってくださぁい!」
毛玉の時と同じ様に祈りを込めて、魔法をかけます。
ふわりと、魔法の種は宙に浮かびます。
「お外に、あたたかい場所があれば……」
植物は暖かい空気と、土を好むもの。
これなら先ほどの毛玉の様に民家に入っていってしまう事は、たぶん無いはずです。
魔法の種は、少女の頭上をクルクルと回ると、
ゆっくりと、ある方向にむけて、動き始めました。
「!」
民家に入る様子はありません。
どうやら外にもあたたかい場所はあったようです。
「よぉしっ!」
少女は意気込んで、魔法の種を追いかけ始めます。
468: 2014/03/27(木) 00:12:03.04 ID:aLz/m9nzo
――
ところ代わって、
とある公園で、2人の男が話し合っていました。
「確かにこの枝は、昨日僕達が切り離したはずだったね」
「……ああ、間違いない。まったくもって摩訶不思議と言ったところか」
1人は、身形を整えたスーツ姿の若く見える金髪の男。
もう1人は、夜に溶ける黒いローブを着込み、大きな竜のお面を被った奇妙な男でした。
彼らの見上げる先には1本の、満開の桜の木。
とても、とても不思議な光景でした。
この日は、雪の振る寒い寒い日です。
他の木には、葉っぱ一つ残っていません。
それなのに、彼らの目の前にある1本の桜の木は、満開に咲き誇っているのでした。
「呪術師くん。君はどう考えるかな」
金髪の男が、竜のお面の男に問いかけます。
「我輩の目が確かなら、切り離した枝はまったく同一の物に見えるな」
「つまり?」
「……恐らくは時間が逆行しているのではないか?」
469: 2014/03/27(木) 00:12:55.19 ID:aLz/m9nzo
「ふむ……」
「この桜の木は、見ての通り
花を吹き飛ばされても、枝を切られても、次の日には元通り。
おそらくは進んだ時の流れと、同じだけ時の流れを逆行させる。
そう言った類の呪いが掛かっているのではないか。」
「進む分だけ戻る。時の流れへの反抗か……しかし、どうして呪いと言いきれる?」
「ある地点からまったく進めなくなると言うのは、”祝福”ではなく”呪い”だろう?
いわばこの木は、ただ一つ。世界から置いていかれている。
この木自身はきっと何も知らない。時間を遡り続けるこの木は、記憶や思いを積み重ねることも無いのだから」
「……」
竜のお面を被った男の説明に、金髪の男は目を瞑って考え込んでしまいます。
「……『あの方』は世界の進展を好む。これでは望む物とは真逆だな」
「それは残念な事だな」
470: 2014/03/27(木) 00:13:40.35 ID:aLz/m9nzo
「……」
「だが、これはこれで使えることもあろう」
残念そうに頭を抱える金髪の男に、竜のお面の男は言います。
「この公園を包む春の如き気候は、間違いなくこの桜から発生しているもの。
”『満開』の桜”の持つ属性がそうさせているのだろうな。
桜の木に掛けられているのは、”呪い”と呼べるものだが…
同時にこれの及ぼす結果は一つの”奇跡”とも呼べる。」
「”奇跡”に転じる”呪い”……か」
「しかし……分からぬ事だらけであるのもまた事実ではある」
「そもそもこの”呪い”の始まりは何だったのか……かな?」
「ああ……とりあえず我輩としては……この木の枝や花を幾つか持ち帰って研究したいのだが」
「取り計らうよ。何か分かった事があれば教えてくれ。頼んだよ、呪術師くん」
「任された。サクライ殿」
471: 2014/03/27(木) 00:14:26.80 ID:aLz/m9nzo
「さて……?」
「ん……?」
話を終えた2人の元に、小さな光を纏った何かがふわふわと飛んできます。
それは、植物の種のようでした。
「……これは僕たちを狙った攻撃かな?」
「いや、……違うようだな」
「待ってぇぇ……」
光る種に送れて、小さな少女がよろよろと1人公園にやってきました。
「……人払いの術はかけたのだろう?」
「もちろん……だが、我輩の人払いの結界は、魔力を持たない人間の認識を多少誤魔化すだけのもの」
「つまり?」
「彼女はどうやら魔法使いのようだ。」
「ほう」
2人の興味が、やってきたばかりの小さな少女に注がれます。
「あ、この公園あたたかぁい……ほっ……あれ?」
女の子の方もまた、二人の男の視線に気づきました。
472: 2014/03/27(木) 00:15:27.01 ID:aLz/m9nzo
「……」
「……」
「あ、あの……」
魔法使いの女の子の前に立つのは、二人の男。
1人は奇妙な竜の仮面を被っているとてもあやしい男。
もう1人の金髪の男は身形は整っていましたが、その視線がとてもあやしい男でした。
「こんばんわ、小さなお嬢さん」
金髪の男から少女に声が掛けられました。
「こ、こんばんわ…」
「魔法使いの少女がどうして、こんな所に来たのかな?」
怯える少女に、男が尋ねます。
その顔には、ニッコリと笑顔が張り付いていました。
「あ、ああの……」
「ああ、そんなに怯えなくてもいい。僕は君に酷いことをするような人間ではないよ」
とても、とても優しい声で男は言います。
473: 2014/03/27(木) 00:16:29.83 ID:aLz/m9nzo
「……本当ですか?」
「もちろんだとも。君はきっと僕の敵ではない」
「?」
男のニヤついた口元から放たれる言葉の意味は、少女にはよくわかりませんでした。
「僕はサクライ。魔法使い君、君の名前を教えてくれるかな?」
「……さくらです。村松さくら」
「……そうか、さくら君。いい名前だ」
「えへへ」
なんだかわかりませんでしたが、とにかく褒められたようなので少女は笑います。
「ふふっ、僕達がこの場所で出会ったのは何かの縁かもしれないね」
「……?」
「おや?不思議そうな顔だね……?
……ああ、そうか。君はそこの花をまだ見ていなかったね
なら、是非見ておくといい。悠久の時の呪いに囚われ…なお煌き咲き誇る、美しき花の姿を」
サクライと名乗った男が指差す方を見ると、
「わああっ!」
そこには雪の降る月夜に煌く、満開の桃色の華。
それは家を出て外の世界にやってきた魔法使いの少女が一番最初に見た、”素敵なもの”なのでした。
474: 2014/03/27(木) 00:17:29.56 ID:aLz/m9nzo
――
「はっはっは、そうか。さくら君はヒーロー達に憧れて家を出てきたのか
なるほど、見かけによらずとても大胆で勇気のある行動だ」
「はいっ!外の世界には、カッコよくてカワイイヒーローがたくさん居るって聞いてましたからぁ!えへへ!」
「ああ、さくら君の言う通り。彼らの活躍こそまさしくこの時代の華だろう」
「ですよねぇっ!私もそんなそんな凄いヒーローみたいになりたくって!
みんなに認められるカッコよくてカワイイ魔法使い!ちょーよくないですかっ?!」
「そうだね、素敵な目標だ」
「えっへっへー♪サクライさん話がわかるぅ♪」
すぐ傍にあったベンチに座って、さくらは自分の夢を話します。
いつの間にか、彼女のサクライに対する警戒はすっかり解かれていたのでした。
「しかし、その夢を叶えるのは……今の君には厳しいだろうね」
「えっ…?」
475: 2014/03/27(木) 00:18:19.58 ID:aLz/m9nzo
「君の扱う魔法は、おそらく戦闘向きではないね?」
「そ、そのぉ……」
「ははは、図星かな?さて、それではヒーローは務まらない。
何より……君にはたった1人で生きていくことができるのかな?
住む場所さえ無いのなら、夢を叶える以前に明日を食いつなぐ事さえ難しいよ」
「うぐぐぐぐ…………」
サクライと名乗った男の言う通りでした。
何の計画もなく飛び出てきたさくらには、お家も、お金も、知識も、何もありません。
「だから……君に必要なものは僕が用意しよう」
「えっ?」
彼はやはり、笑顔で言いました。
「住む家に、必要な資金、外で生きぬくための知識、魔術を学ぶ師……」
「ちょっと待てサクライ、最後のはもしや我輩のことではあるまいな?」
ずっと黙っていた竜のお面の男が口を挟みますが、サクライは無視して少女に語りかけます。
「それくらいのものなら財閥は簡単に用意できるさ」
「で、でも…」
「もちろん無理にとは言わないよ。
だが、君さえよければ僕についてきて欲しい。さくら君」
「……」
「……あのっ、私はっ!」
それは少女が夢に近づくために、決意した瞬間でした。
476: 2014/03/27(木) 00:19:50.81 ID:aLz/m9nzo
――
――
さくら「えっとぉ」
さくら「『まずは誕生日おめでとう、さくら君』」
さくら「『さくら君の活躍は、どこに居ても僕の耳に入ってくる。本当によくやってくれていて感謝するよ』」
さくら「えっへっへー♪芽衣子さぁん!褒められてますよぉ!」
芽衣子「……そうだね」
芽衣子(どうしよう、チョロすぎて心配になってきちゃった……)
さくら「えっとぉ、『さくら君が外でちゃんと生活できていると聞いて、君のご両親もとても安心されているようだね』」
さくら「そっかぁ、お父さんとお母さんも……えへへー」
芽衣子「……?」
さくら「『後でご家族からの誕生日プレゼントも届くはずだから、受け取るといい』」
さくら「わぁっ!なんだろーっ!ちょー楽しみ!」
芽衣子「……」
芽衣子「……あれっ?」
477: 2014/03/27(木) 00:20:41.72 ID:aLz/m9nzo
芽衣子「あの、さくらちゃん?」
さくら「?、どうしました、芽衣子さん?」
芽衣子「さくらちゃんは家出中……なんだよね?」
さくら「そうですよぉ?」
芽衣子「それで……ご両親はさくらちゃんがここに居るの知ってるの?」
さくら「はい!手紙でやり取りもしてますし!」
芽衣子「て、手紙?……それは本物の?本当にご両親の書いた手紙?」
さくら「えっ?もちろんですよぉ!」
さくら「前にお家に帰ったときに、ちゃんと返事の手紙が届いたか確認もしましたしぃ!」
芽衣子「そっか、それなら……って、えっ??お、お家にも帰ってたの?」
さくら「はい!年末年始くらいはちゃんと実家に帰って」
さくら「ご家族に顔を見せておきなさいってサクライさんが言ってたのでぇ!」
芽衣子「……ぇぇぇ」
さくら「?」
芽衣子「もう一回だけ、確認するけど……家出中なんだよね?」
さくら「はいっ!」
芽衣子「……そっか。うん……わかった」
ピンポーン
さくら「あ、もしかしてお誕生日プレゼント届いたのかなぁ?ちょっと見てきます!」 トテトテトテ
芽衣子「……家出って何だろう」
478: 2014/03/27(木) 00:23:23.97 ID:aLz/m9nzo
―
さくら「えへへー♪やっぱりお家からでした!大きな箱が届きましたよぉ!」
芽衣子(普通に配達が届くなんて……この拠点の住所バレてるのかな?いや……もう私はツッコまないけどね)
芽衣子「……それにしても、なんだかものものしい箱だね」
さくら「早速開けてみましょお!パカッと!」
さくら「!!」
芽衣子「これはっ…!」
さくら「すごい!ちょーかわいい!!」
芽衣子「うん、さくらちゃんに似合いそうな服だね」
さくら「…………えへっ」
さくら「芽衣子さん、私のお家では衣装の贈り物はですね」
さくら「一人前の魔法使いに贈られるものなんですっ!」
芽衣子「……そっか、さくらちゃんの頑張り。本当に家族に認められてるんだね」
さくら「えっへへー♪」
さくら「今日の贈り物、本当に本当に嬉しかったです!」
芽衣子「ふふっ、良かったね、さくらちゃん!」
さくら「はぁい!」
芽衣子「でもさくらちゃんがこれを着て活躍するのは、ずっと先だろうね」
さくら「えっ」
芽衣子「ほら、現行の時系列が3月27日に追いつかないと」
さくら「……それより前に着たらダメですか?」
芽衣子「うん、ダメだよ?」
さくら「……ちょーっとくらいフライングして着ちゃってても」
芽衣子「ダメです」
さくら「細かい設定なんて無視したって
芽衣子「ダメ」
さくら「……そ、そんなぁああああああああ!」
おしまい
さくら「えへへー♪やっぱりお家からでした!大きな箱が届きましたよぉ!」
芽衣子(普通に配達が届くなんて……この拠点の住所バレてるのかな?いや……もう私はツッコまないけどね)
芽衣子「……それにしても、なんだかものものしい箱だね」
さくら「早速開けてみましょお!パカッと!」
さくら「!!」
芽衣子「これはっ…!」
さくら「すごい!ちょーかわいい!!」
芽衣子「うん、さくらちゃんに似合いそうな服だね」
さくら「…………えへっ」
さくら「芽衣子さん、私のお家では衣装の贈り物はですね」
さくら「一人前の魔法使いに贈られるものなんですっ!」
芽衣子「……そっか、さくらちゃんの頑張り。本当に家族に認められてるんだね」
さくら「えっへへー♪」
さくら「今日の贈り物、本当に本当に嬉しかったです!」
芽衣子「ふふっ、良かったね、さくらちゃん!」
さくら「はぁい!」
芽衣子「でもさくらちゃんがこれを着て活躍するのは、ずっと先だろうね」
さくら「えっ」
芽衣子「ほら、現行の時系列が3月27日に追いつかないと」
さくら「……それより前に着たらダメですか?」
芽衣子「うん、ダメだよ?」
さくら「……ちょーっとくらいフライングして着ちゃってても」
芽衣子「ダメです」
さくら「細かい設定なんて無視したって
芽衣子「ダメ」
さくら「……そ、そんなぁああああああああ!」
おしまい
479: 2014/03/27(木) 00:24:37.54 ID:aLz/m9nzo
竜面の男
職業 妖術師 魔術師 エージェント
属性 呪術使い
能力 妖術 魔術
大きな竜のお面を被った男。櫻井財閥の『エージェント』の1人。
『エージェント』の中では発言力の高い方であるらしく、サクライPとも対等であるかのように話す。
妖術と魔術の研究家。呪い(まじない)の探求者。
妖の身でも悪魔の身でも無いに関わらず、両方の術を学び取り入れ行使する。
人の身で両者の技術を高い精度で行使するために、肉体を大きく変形させているようだ。
財閥では悪魔研究部門の責任者でもあり、カースの研究や魔術使いの教育なども担当している。
さくらの魔術の師。彼女との師弟関係は意外と良好であったらしい。
『万年桜』 2
例え散っても萎れても、次の日には満開の花を咲かせ続ける桜の木。
とある呪術師は、木が経過した時間と同じだけ”時間を遡っている”と考えた。
云わば、この桜の木は時間が停止しているようなもの。
時の概念から切り離され、世界から切り離された存在であるらしい。
”不老不氏”と言えば聞こえはいいが、それは記憶や思いを募らせることはできず、
周囲の変化にも気づかず、ただ同じ時を繰り返し続けているだけなのだろう。
櫻井財閥は、この木から枝や花を持ち帰る事はできた。
しかし、別たれた枝は”分身”と言う扱いであるようで、本物の枝が時の牢獄から脱する事はやはり無いらしい。
480: 2014/03/27(木) 00:25:56.80 ID:aLz/m9nzo
『ピンキッシュブライト』
さくらの誕生日にエージェントから贈られ、『桜の杖』に取り付けられた花飾り。桜の花がモチーフ。
ただの飾りではなく、『桜の杖』の力さらにを強化する力が備わっている。
『満開』の属性が強まり、さくらの放つ魔術は従来の倍以上の力を発揮するだろう。
『アデプトドレス』
さくらの誕生日に家族から贈られてきた一品。
さくらのために魔法を込めて織られた衣装で、どうやら彼女も一人前の魔法使いと認められたと言う事らしい。
ピンクを基調としていてでちょーかわいい服。
でも本筋のお話ではしばらく着られる事は無いはず。哀れ。
さくらの誕生日にエージェントから贈られ、『桜の杖』に取り付けられた花飾り。桜の花がモチーフ。
ただの飾りではなく、『桜の杖』の力さらにを強化する力が備わっている。
『満開』の属性が強まり、さくらの放つ魔術は従来の倍以上の力を発揮するだろう。
『アデプトドレス』
さくらの誕生日に家族から贈られてきた一品。
さくらのために魔法を込めて織られた衣装で、どうやら彼女も一人前の魔法使いと認められたと言う事らしい。
ピンクを基調としていてでちょーかわいい服。
でも本筋のお話ではしばらく着られる事は無いはず。哀れ。
481: 2014/03/27(木) 00:27:05.81 ID:aLz/m9nzo
と言う訳で、さくらと桜とサクライのお話でした
3月27日は「桜の日」だそうです
そんな日なので万年桜の設定がちょいと重くなりました、何故か
そしてさくらの師である竜面の男、実はすごい裏設定がある……って事は全然なくて普通にモブいエージェントです。
さくらお誕生日おめでとー(でもパワーアップはしばらくお預け)
482: 2014/03/27(木) 00:35:48.06 ID:AXV0NQnp0
乙です
さくら誕生日おめでとー
家出ってなんだっけ?
そして財閥事情がメタすぎぃ!
時間が巻き戻るように呪われた不老不氏の桜かぁ
なんだかちょっとホラーでファンタジー
さくら誕生日おめでとー
家出ってなんだっけ?
そして財閥事情がメタすぎぃ!
時間が巻き戻るように呪われた不老不氏の桜かぁ
なんだかちょっとホラーでファンタジー
【次回に続く・・・】
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります