505: 2015/01/15(木)22:14:10 ID:jSx


ヤムチャ「プロレス団体から俺にオファーが来たぞ!」シリーズです
シリーズ一覧はコチラからどうぞ



前回:ヤムチャ「プーアル! プロレス団体に就職したのは失敗だったぞ!」【前編】


最初:ヤムチャ「プーアル! プロレス団体から俺にオファーが来たぞ!」





 ダン(ジミー……! おめぇが動いてくれるのか……よしっ、ここは任せるぞ、早い所ディージェイを何とかしちまえ……!)


ブランカ「ウオオオォッ! 俺ハ負ケナイゾッ! ウリャァッ!」ガスッ

ダルシム「……うぐっ!」


実況「いや、起き上がったブランカは……大きくタメを作ってブランカをストンピング! 踏みつけていきます!」

ホーク「そうですね」

実況「これは、場外でヤムチャとディージェイが乱闘してる隙に……決めてしまおうという事ですかねぇ? 恐らく、ダルシムもかなりのダメージを受けているでしょうから!」


ヤムチャ(お、おいっ……! ブランカさん、助けに来てくれねぇのかよ……!)

ディージェイ「離すんだ……離すんだ……Mr.ヤムチャ……ふんっ……!」グイッ

ヤムチャ(う、うおっ……やべぇっ……! 折角、捉えてたのに……逃げ出しやがった……! やべぇぞ、ダンさん……俺はどうしたらいいんだ……!?)チラッ

ダン(ジミー、どうするつもりだ……? ダルシムの事も場外に落として、おめぇらも場外乱闘おっ始めるつもりか……? でも、あまり試合荒らすんじゃねぇぞ……ここは、第二試合なんだからよぉ……!)
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506: 2015/01/15(木)22:24:45 ID:jSx
ブランカ「ウオオオォッ……! 起キロ……起ヤガレッ……!」ググッ

ダルシム「……ううっ」

ブランカ「……フンッ!」


実況「さぁ、ブランカはダルシムを引き起こし……そのまま、ロープへと振ったぁ!」


ダン(場外乱闘にはいかねぇのか……? ジミー、どうするんだ……? でも、ジミーにはきっと何か考えがあるに違いねぇ……だから、ここは……)

ディージェイ「ヘイヘイ、Mr.ヤムチャ……ファンキーな攻撃とはこうやるんだよ……君は何もしなくていいから……ミーに任せておきなさ~い……」シュッ

ヤムチャ「くっ、来やがったっ……! うぐっ……!」

ダン「ヤムチャァ! おめぇは、暫くそこで何とかしてろ! こっちが、何とか立て直す!」


実況「レフェリーはリング内から、場外の二人に警告しているんでしょうかねぇ? おっと、そうこうしているうちに……ロープに振られた、ダルシムが返ってきたっ!」

509: 2015/01/15(木)22:35:38 ID:jSx
ブランカ「……ウオオオォッ!」クイッ

ダルシム「……う、うおっ!」

ブランカ「……ウンガアアァァッ!」ドシーンッ

ダルシム「……うぐっ!」


実況「そして、カウンターのアームホイップを仕掛けるっ! 走ってくるダルシムを勢いを利用した技だ! 自分の右腕を上手く、相手の脇の下に差し込み、そのままフワリと投げて、ダルシムを背中からマットに落とす!」


ダルシム「う、うおおぉぉっ……!」ジタバタ


実況「ダルシムも腰を抑えて激しく悶えるっ!」

ホーク「見かけに似合わず、綺麗なフォームで高く上げて落としましたからね……ダメージも大きいんじゃないですか?」

実況「ヤムチャは今、場外でディージェイに掴まっております! これはこれは……試合を決めるチャンスか!?」


ディージェイ「ヘイヘイ……行くよ~?」シュッシュッ

ヤムチャ(何とかしろって言われたって……! くそっ、こいつ……好き勝手に攻撃しやがって……受けるので精一杯だぞ、これっ……!)

510: 2015/01/15(木)22:46:37 ID:jSx
ブランカ「ウワアアアァァッ……! 痛イ……! 痛イヨオオォォ……!」

ダルシム「……ぬっ?」


実況「おっと……? だがしかし、ブランカも……自分の右腕を抑えて、激しく痛がっています! こいつは、どういった事でしょう、ホークさん?」

ホーク「アームホイップを仕掛けたのはいいんですが……その前に、ダルシム選手に、右腕を狙われた攻撃を仕掛けられてたでしょう……?」

実況「あ~、確かに……アームブリーカーに、脇固め! 結構、腕に攻撃を仕掛けられていましたね」

ホーク「なんだかんだで、ダメージは残っていたんですね……相手の勢いを利用する技といえども、右腕一本で投げているわけですからね……その負担に耐えれなかったんでしょう……」

実況「なる程! ブランカ……フォールに行けないっ……!」


ブランカ「ウウッ……右腕ガ痛イ……クソッ、今ガ大ちゃんすナノニ……」

ダルシム「うぐっ……どうやら、右腕を痛めつけていたのが、生きていたようだな……これは、幸運な展開だ……」

ブランカ「早クシナイト、アイツガ起キテシマウ……ダケド、腕ガ……腕ガ……」

512: 2015/01/15(木)22:58:47 ID:jSx
ダン「おい、ブランカ……おめぇ、大丈夫か……? その右腕……試合出来るのか……?」

ブランカ「ウルサイ、ウルサイ! 俺ハ、絶対二勝ツ! ウルサイ、ウルサイ!」

ダルシム「相手も、辛いようだ……ここは無理に責めずに、少し様子を見て……」

ブランカ「モウ一回、チャント仕掛ケテ、コイツヲヤッツケル! 今度コソ、チャント、ヤッツケテヤル!」

ダン「でもよぉ……? その右腕腕じゃ……」

ブランカ「ウルサイ、ウルサイ、ウルサイ! 俺ニハ考エガアル!」バンバン


ヤムチャ「……ん?」チラッ

ディージェイ「ヘイヘイ~!」


ブランカ「オイ、でぃーじぇい! 助ケテクレ! オ前ノ力ガ必要ダ! 俺ヲ、助ケテクレ!」バンバン


実況「おっと、ブランカはリング上から、場外にいるディージェイを呼び寄せているのか? マットをバンバンと、音を鳴らしながら叩き、ディージェイの方を向いて、声をかけている模様です!」

ホーク「ディージェイ選手が……上手く、ヤムチャ選手をまければ、いいんですが……」

515: 2015/01/15(木)23:15:31 ID:jSx
ヤムチャ(来たっ……! 天からの助け船……!)

ディージェイ(ヘイヘイ……Mr.ブランカ……どうして、こんなタイミングでミーを呼ぶんだ……ミーはこっちで盛り上げてるんだから……)


ブランカ「何シテル! ソンナ、弱ッチイ奴、早クヤッツケテ、俺ヲ助ケテクレ! 早ク、来イ!」


ヤムチャ(そうか、ブランカさんはこいつの味方なんだから……直接、コイツに指示を与えたって、構わねぇよな……でも、だったらもっと早くに指示してくれても……)

ディージェイ「ヘイヘイ……何なんだ、いったい……皆、ミーの邪魔ばかりしているじゃないか……」イライラ


ブランカ「何シテル! ソンナ、弱イ奴二手コズルナ! 早ク、ヤッツケロ!」


ヤムチャ(あっ、いや……違う……この場外乱闘の攻防……これはまだ、終わりきってねぇんだ……こいつが、俺の目の前で、急にクルリと背を向けて……何事もなかったようにリングに戻る……そんなの不自然じゃねぇか……)

ディージェイ「あぁ、なんなんだ……なんなんだ……」

ヤムチャ(仲間をリングに呼び寄せるのだって、そうだ……よっぽど有利な状況か……よっぽど不利な状況で呼び出さねぇと、不自然に見えちまう……ダルシムさんだって、そういう状況で、俺を呼び寄せてくれたんだし……)


ブランカ「二人デ合体技ヲ打ッテ、コイツヲヤッツケヨウ! でぃーじぇい、俺ヲ助ケテクレ!」


ヤムチャ(この場外を乱闘を終わらせるべきタイミング……コイツをとりあえず、リングの上に戻すタイミング……それが同時に出来るべき状況を、ブランカさんは、急ピッチで作ってくれたんだな……!)

518: 2015/01/15(木)23:28:31 ID:jSx
ヤムチャ(問題は、コイツがブランカさんの……行動の真意を理解しているって話なんだが……)

ディージェイ「……ヘイヘイ、なんだよなんだよ」

ヤムチャ(してねぇな、こりゃ……ちくしょう……俺が、何とかフォローしなきゃいけねぇのか……ここには、俺しかいねぇんだからよぉ……)

ディージェイ「そもそも、ミーはMr.ヤムチャと戦ってるじゃないか……こ~んな状況じゃ、そっちに行けるわけないじゃないか……ミーはどうしたら、いいんだよ……」

ヤムチャ「……おい、早い所、俺をぶっ飛ばして、リングの上に戻った方がいいんじゃねぇか?」ボソッ

ディージェイ「……ん?」

ヤムチャ「俺をぶっ飛ばして……リングに戻れば……ブランカさんと合体技打てて、凄ぇ格好いい所を見せれるんじゃねぇか……? お前、大チャンスなのに……こんな所で何してるんだよ……?」ボソッ

ディージェイ「格好いい……!? 今、リングに戻れば、格好いい所が見せれるのかい!?」

ヤムチャ「あぁ、凄ぇ格好いい所、見せれるぜ……? こ~んな、場外乱闘の百倍は格好いいよ……だからよ、ホレ……なんか、あるだろ……? 俺に、大技でも仕掛けろよ……」ボソッ

ディージェイ「Mr.ヤムチャ……大技まで、かけさせてくれるのかい……!? 君は、まるで聖人のような人間だ!」

ヤムチャ「グダグダ言ってねぇで、早くしろオラっ! ぶっ飛ばしちまうぞ!」

520: 2015/01/15(木)23:46:50 ID:jSx
ディージェイ「OK、任せてくれ! マシンガンアッパーだっ!」ドゴゴゴゴ

ヤムチャ「……おぐっ!」ヨロッ


実況「ここで、ブランカの期待に応えるように、場外でディージェイがヤムチャにマシンガンアッパー! ヤムチャの身体がガクッと崩れます!」

ホーク「……本当、大暴れですね」


ディージェイ「Mr.ヤムチャ……どうだい……? ミーの必殺技……と~っても、ファンキーなリズムだろう……?」

ヤムチャ「んな事、いいから早く戻れ、バカ……格好いい所、見せれなくなっちまうぞ……」ボソッ

ディージェイ「お、おう……そうだった……早くリングに戻らないと……」イソイソ


実況「さぁ、ヤムチャを蹴散らしたディージェイは、素早くリングインして、ブランカと合流! ブランカの呼びかけに、ディージェイが応えました!」


ブランカ「合体技の練習です……行きますよ? 貴方の技は見栄えが悪いんですから……ここで、綺麗なフォームを覚えて下さい……」ボソッ

ディージェイ「ヘイヘイ……ミーが苦手なスープレックスの合体技をここで、するのかい……? なんだよ、Mr.ヤムチャに騙されちゃったよ~」

ブランカ「……文句を言わずに、やりましょう。これも上に行く為には必要な事です」ボソッ

ディージェイ「ミーはもう、完成されているんだけどね……? まぁ、仕方ないな……これさえ出来れば、ミーは第六試合や、第五試合で出来るんだよね……?」


ヤムチャ(あ~、ちくしょう……アイツが、暴れ回るせいで……今日の俺、格好悪い所ばかり見せてねぇかな……? 下手したら、リュウさんやケンさんにも、怒られそうだし……俺もここから、巻き返していかねぇとなぁ……)

521: 2015/01/15(木)23:55:22 ID:jSx
ブランカ「行クゾ……! でぃーじぇい!」

ディージェイ「OK!」

ダルシム「……ううっ」


実況「さぁ、ブランカとディージェイが、二人掛かりでダルシムを引き起こします!」


ブランカ「ろーぷ二振ルゾ! でぃーじぇい……!」

ディージェイ「OK、OK!」

ダルシム「……う、うおっ!」


実況「そして、二人掛かりでダルシムの身体をロープに振ったぁ! そして、ブランカ、ディージェイの二人は並んで、カウンターを狙っているっ!」


ブランカ「行クゾ……! でぃーじぇい……!」

ディージェイ「……スープレックスっていうのは、単調なんだよ。リズムがないんだよ」

ブランカ「……文句を言うなぁ! 相手はもう来てるんだ!」

ディージェイ「……オ、オーケー」


ダルシム(おいおい……大丈夫か……? この技……私も受けるの、怖いぞ……?)

523: 2015/01/16(金)00:02:58 ID:vXW
ブランカ「……フンっ!」ググッ

ディージェイ「……よっと」ググッ

ダルシム「……う、うおっ!」


実況「さぁ、そして両者がタイミングを合わせて……!」


ブランカ「……ウガアアアァァァッ!」

ディージェイ「……よっと」

ダルシム「……うぐっ!」ドシーンッ


実況「二人掛かりでアームホイップ! ダブルアームホイップだぁ! ダルシムの身体をマットに叩きつける!」


ブランカ「……クッ」

ディージェイ「Mr.ブランカ……その右腕、どうしたんだい……? 怪我でもしてるのかい……?」

ブランカ「……でぃーじぇいノ、オカゲデ大丈夫ダ。今度ハ痛クナイ」

ディージェイ「痛がってるじゃないか……? Mr.ブランカ……何を言ってるんだ……?」


実況「ブランカは、右腕を気にしているようだが……先程までの痛がり方はしてませんねぇ、ホークさん?」

ホーク「そうですね。二人掛かりで仕掛けた事によって、負担が軽減されたんでしょう」

537: 2015/01/16(金)22:13:03 ID:vXW
ブランカ「ヨシッ……! ふぉーる二行クゾ! でぃーじぇいハ、こーなー二、下ガッテイテクレ!」

ディージェイ「Mr.ブランカ……この試合、決めるのは貴方じゃ……」

ブランカ「イイカラ、下ガッテテ! ヨシッ、だんサン……カウントヲ取ッテクレ……」


実況「そのまま、ブランカがダルシムの身体に覆いかぶさってフォールの体勢っ! さぁ、そしてレフェリーがやってきて……」


ダン「オラッ! ディージェイ、下がってろっ……! よし、ブランカ、カウント取るぜ!?」

ブランカ「ヨシッ、頼ムゾ!」

ディージェイ(そういや、Mr.ブランカは右腕を痛がってたな……ひょっとしたら、本気で痛めたのかもしれない……それで、この試合を途中で終わらせようとしているのか……? だと、したら……ミーが取るべき行動は……)


実況「カウントを取りますっ! さぁ、ここで決まってしまうのか!?」


ディージェイ「イエーイ! この試合はミー達の圧勝だったね! 楽勝、楽勝!」
ビシッ
ブランカ(……また、何をしているんだ。交代したいのに)

ディージェイ(こうやって……カッコ良いポーズを取って、決めないとね……勝利の瞬間……それは、一番スポットライトが当たる瞬間だ……ミーも格好良い所を見せないとね……)

538: 2015/01/16(金)22:24:56 ID:vXW
実況「ズッシリとダルシムに覆いかぶさるブランカと、その隣で勝利を確信し、ポーズを取るディージェイ! さぁ、そして今カウントが入ったぁ!」


ダン「ワンっ……!」

ダルシム「……ううっ」

ダン「ツーっ……!」

ヤムチャ「何、やってんだおっさんっ……! うおおおぉぉっ!」ダダッ


実況「いやっ、ヤムチャがまだ生きていたっ! ヤムチャが生きていたぞっ!? 場外から、ヤムチャが素早くリングインして……」


ダン「……スリ」

ヤムチャ「……うるぁっ! どけぇっ!」ガスッ

ブランカ「……うぐっ!」

ダン「おぉ~っと、カウントはツーだ! カウントツー! カット成立だ!」


実況「ブランカに一撃お見舞いして、ダルシムを救出! ギリギリです! ギリギリカットが間に合いました!」

ホーク「危なかったですねぇ……ヤムチャ選手、いい動きをしました」


ヤムチャ(ブランカさんがフォールに入るって予想は正解だったみてぇだな……だが、安心するのは、まだ早い……こっからだ……ここから、いい所を見せながら……試合を立て直してやるっ……!)

539: 2015/01/16(金)22:39:20 ID:vXW
ディージェイ「ヘイヘイ……Mr.ヤムチャ……君は何をして……」

ヤムチャ(先ずは、一番動きの読めないコイツからだ……ちょっと、強めに行くぜ……? 覚悟しろ……うおおおぉぉっ……!)ググッ

ディージェイ「……ん?」

ヤムチャ「邪魔だっ……! てめぇは場外に落ちてろ、このタコがっ!」スパーンッ

ディージェイ「……プゲっ!」バターンッ


実況「さぁさぁ、ヤムチャはまだ行くぞ! ディージェイの胸元に……トラースキックを打ち込んだぁ! ディージェイは、大きくダウンします!」


ヤムチャ(本当は顔にいきてぇけど……万が一怪我しちまったら困るからなぁ……)

ディージェイ「なんだ、なんだ……なんなんだ、これは……」

ヤムチャ(チッ……! この技喰らって場外まで落ちてもらいたかったが……流石に、そこまではしてくれねぇか……まぁ、いい……ある程度は想定内だ……だから、ここは……うおおおっ!)ググッ

ディージェイ「う、うおっ……! 何をする……何をするんだMr.ヤムチャ……そんな事したら、ミーが場外に落下しちゃうよ……」

ヤムチャ「いいから、場外で寝てな! おめぇは、邪魔なんだよ! 早く落ちろ!」ググッ


実況「さぁ、ヤムチャはロープを掴んで上手く体重を自分の足に乗せながら……ディージェイの身体を場外に蹴落とそうとしております。 ディージェイも、なんとか堪えようとするが……おっと、ここでディージェイが場外に落下ぁ!」

540: 2015/01/16(金)22:49:50 ID:vXW
ブランカ「ウウッ……勝ッタト思ッタノニ……何ガ起キタンダ……?」ムクッ

ヤムチャ(そうそう、ブランカさんは、こっちが起きて欲しいタイミングで起きてくれるんだ……だから、慌てる必要はねぇ……邪魔者を始末してから、ゆっくりやればいいんだよ……)


実況「さぁさぁ、ヤムチャはまだ止まらないぞ! 今度はブランカ方へと向かったぁ!」


ヤムチャ「……おめぇも、暫く寝てろ。この野郎」ガシッ

ブランカ「……ウオッ!?」


実況「さぁ、そして背後からブランカを掴んだっ!」


ヤムチャ(ここは、是が非でも大ダメージが欲しい場面……落ち着けっ……焦るなっ……落ち着いてやれば、ちゃんと出来るんだからよぉ……うおおおぉぉっ!)グイッ

ブランカ「ウ、ウオッ……!?」

ヤムチャ「うるあぁぁっ! バックドロップだっ! 暫く、マットに寝てろや、この野郎っ!」ドシーンッ

ブランカ「……ウガッ!」


実況「そして、そのままバックドロップっ! こいつはいいのが決まったか!? なんとなんと、ヤムチャが一人で蹴散らしました!」

541: 2015/01/16(金)23:03:32 ID:vXW
ヤムチャ(ふぅ、よしっ……今のは良かったんじゃねぇか……? えっと、次は……落ち着け落ち着け……)

ダン「おい、ヤムチャ……? おめぇ、ちょっと暴れすぎだぞ? とにかくコーナーに……」

ヤムチャ「うるせぇっ! 誰に指図してんだ、コラっ! おめぇもぶっ飛ばしてやろうか、あぁっ!?」

ダン「う、うおっ……!」ビクッ


実況「おっと、警告したレフェリーに対して……ヤムチャが、少し噛み付いてたか? ちょっと、冷静さが欠けているか?」

ホーク「そうですねぇ……まぁ、行動が読めない二人が相手だからって……冷静さは失ってはいけないと思います」


ヤムチャ(あっ、やべぇ、も~う……ダンさんがいきなり話しかけてくるから、間違えたじゃねぇかよ……ゴメンよ、ダンさん……俺、こういう言葉使い慣れてないんですよ……まぁ、このまま突っ切るしかねぇかな……?)

ダン(おいおい……ヤムチャの野郎まで、暴れだしたら、もう俺止めれねぇぞ……? とにかく落ち着けって……!)

ヤムチャ「おい、コラ! いつまで寝てんだよ、おっさん! 早く起きろ、くたばるには、まだまだ早いぞ!?」

ダルシム「う、ううっ……ヤムチャ君……」

ヤムチャ「おっさんの負けは、俺の負けにもなっちまうんだよ! もう、おっさんは休んでろよ、この役立たずが!」

542: 2015/01/16(金)23:13:29 ID:vXW
ヤムチャ「コーナーに戻れば、いいんでしょ……? わかってますよ、そんな事は……」

ダン「……ん?」

ヤムチャ「オラッ、おっさん……! 俺は、コーナーで待っててやるからよぉ……? 這いずってでもいいから、来いや。もう交代だ!」

ダルシム「う、うむ……そうだな……それが、ベストな選択だろう……」

ヤムチャ「……ったく、待ってるから、早く来やがれ」ズガズガ


実況「いやっ、ヤムチャは一言二言、ダルシムに喝を入れた後……大人しくコーナーに引き下がります。 冷静でした。ヤムチャは冷静でした!」

ホーク「そうですね。今のうちに交代するのが、ベストな選択だと思います。ヤムチャ選手……結構、周り見えてますね」


ダン(何だよ、ヤムチャの野郎、ポーズかよ……よかったよかった……しっかし、アイツ結構迫力のある奴だな……マジでビビっちまったぜ……)

ヤムチャ(気になるのは……アイツの動き……ちくしょう、今から交代するんだから、邪魔だけはするんじゃねぇぞ……?)

ダルシム(ここでディージェイ君が乱入してきたら……また、ややこしい事になってしまう……だが、今の私は、こうやって這いずりながら、ヤムチャ君の元へ行くしかない……くそっ、焦るな……焦ってはいけない……)ズルズル

543: 2015/01/16(金)23:23:04 ID:vXW
ヤムチャ「おっさん、何してんだよっ! 早く来いや!」

ダルシム「わかっているよ……ハハ、若者は元気があっていいな……」ズルズル


実況「さぁ、懸命に這いずりながらも、ヤムチャの元へ近づくダルシム! ヤムチャをコーナーで声を張り上げている!」


ヤムチャ「焦ってぇなぁ、おいっ……! 早く来いや、こっちによぉ……!?」

ダルシム「わかっているよ……そう、急かさないでくれ……これでも頑張っているんだ、私は……」ズルズル


ダール・シム! ダール・シム!

実況「さぁ、もう少しだ……ヤムチャの元まで、もう少しっ! 場内からはダルシムコールが流れる。この声援も……ダルシムの力となるか!?」


ヤムチャ(おっ、おぉっ……第二試合でも、こんな声援、貰えるのか……ちょっと、意外だな……)

ダルシム(やはり、派手な試合になっているようだな……声援は、有り難いのだが……他の者達に悪いな……)

544: 2015/01/16(金)23:33:36 ID:vXW
ダール・シム! ダール・シム!


ディージェイ「どうして、Mr.ダルシムが声援を貰ってるんだい……? 彼は何もファンキーな事をしていないじゃないか……?」

ブランカ「ディージェイ君……ディージェイ君……私の声が聞こえてますか……? そのままの体勢で聞いて下さい……」ボソッ

ディージェイ「……ん?」

ブランカ「声援に紛れて……打ち合わせの再構成をしましょう……色々、言いたい事はありますが……それは、後です」ボソッ

ディージェイ「何を言ってるんだ、Mr.ブランカ……?」

ブランカ「……試合時間は残り三分です。ダルシムさんがヤムチャ君に交代したら、私もディージェイ君に交代します」ボソッ

ディージェイ「ヘイヘイ、Mr.ブランカ……それは違うよ……試合時間はまだ5分はあるだろう……? だって、交代のタイミングは……」

ブランカ「その事も含めて、全ては後で話します……とにかく、試合時間は残り三分です」ボソッ

ディージェイ「ちょっと、待ってくれよ……いきなり残り時間三分だなんて……ミーはどうしたら、いいんだい……!?」

ブランカ「私から、タッチを受ける準備でもしたら、どうですか……? ほら、モタモタしてると……どんどん、時間が減っていきますよ……?」ボソッ

ディージェイ「!」

545: 2015/01/16(金)23:44:06 ID:vXW
ダール・シム! ダール・シム!

実況「さぁさぁ、ダルシムがヤムチャに手を伸ばす! その距離、僅か30センチっ! ヤムチャも懸命に手を伸ばしている!」


ヤムチャ「ほら、おっさん……! もう、後少しだっ……! 踏ん張りなっ!」

ダルシム「ううっ、ヤムチャ君……後は任せるっ……!」パシッ

ヤムチャ「よっしゃっ……! 任せておきな、おっさんっ……!」パシッ


パチパチ……パチパチ……

実況「そして、ここでタッチが成立っ! 試合権はヤムチャへと移ったぁ!」


ダルシム「……ヤムチャ君、残り試合時間は大丈夫か? 体内時計は機能しているか?」ボソッ

ヤムチャ(そういや……残り何分だ……今日の試合、色々考える事が多すぎて……今、時間の感覚、完全にねぇぞ……)

ダルシム「その表情……確認して、よかったよ……残り時間は三分だ……色々とあったが……後は、三分以内に奴を始末すればいい……! ヤムチャ君、頼むぞ!」

ヤムチャ「おっさんの、そういう所……俺も学んでいかねぇとな……OK! おっさん、任せておきな! あの糞野郎を……ぶっ飛ばしてくるぜ!」


実況「さぁ、そしてヤムチャがリングイ~ン!」

546: 2015/01/16(金)23:58:12 ID:vXW
ディージェイ「ヘイヘイ、Mr.ブランカっ……! 何をしている……! ミーに交代だっ!」ピョン

ブランカ「ウッ……ウウッ……」


実況「おっと、このタイミングで、ディージェイも復活だ! エプロンサイドにピョンと飛び乗り、手を伸ばして、ブランカからタッチを受けようとしている!」


ヤムチャ(俺が行ったら……ややこしい事になっちまう……ここは、交代させてやるか……)

ブランカ「ウッ、ウウッ……でぃーじぇい……ワカッタ……」ムクッ

ディージェイ「何やってるんだ、早くしなよ! Mr.ブランカ!」


実況「さぁ、ブランカが起き上がり、ディージェイに交代しようとしていますが……ヤムチャはその様子を不敵に眺めている! こいつは、ターゲットはディージェイか!?」

ホーク「なんだかんだで色々仕掛けられてますからね。正々堂々、リングの上で決着をつけたいんでしょうね」

実況「中腰の体勢で……鋭い視線で相手サイドのコーナーを見つめている! 視線の先には、ディージェイか!?」


ブランカ「……ウウッ、でぃーじぇい、後ハ任セル」パシッ

ディージェイ「も~う、Mr.ブランカはいつまで待たせるんだい!? 遅いよ!」


実況「そして、ここでタッチが成立! 試合権はブランカからディージェイに移り……ヤムチャ対ディージェイの対決です!」

559: 2015/01/17(土)22:08:17 ID:3r2
ディージェイ「全く、Mr.ブランカ、遅いよっ……! それじゃあ、行ってくるね!?」ピョンッ

ヤムチャ(奴が臨戦体勢を取ったら……こっちも、アピールと同時に仕掛けるっ……! タイミングさえ、間違えなければ、大丈夫だろ……)


実況「ディージェイが、トップロープを飛び越えながらのリングインっ! 軽快な動きです!」


ヤムチャ(よしっ、後はアイツが構えたら……)

ディージェイ「ヘイヘイ、さぁさぁ、ようやくミーの出番だよ~! オーディエンスの皆も乗っていこう~!」

ヤムチャ(……何やってんだよ、時間がねぇのに余計な事してんじゃねぇよ。コイツ、とことんバカなんだな)


実況「そして両腕を広げて、お客さんに大アピールも忘れませんっ! いやぁ~、実に陽気だ! この、ディージェイ、実に陽気な男だ!」

ホーク「まぁ、ちょっと陽気すぎると思いますけどね……でもまぁ、それが彼の持ち味と言えば持ち味なんでしょう」


ディージェイ「今夜はとびきり、ファンキーでエキゾチックな夜にしてあげるよ~! さぁさぁ、オーディエンスも乗っていこうっ!」

ヤムチャ(ったく、本当に仕方のねぇ野郎だな……)

ブー、ブーブー

ヤムチャ(……ん?)

ディージェイ「……ん?」

560: 2015/01/17(土)22:21:26 ID:3r2
ブー、ブーブー

ヤムチャ(ブーイング……? な、なんだこりゃ……おいおい、交代したばかりだぞ……)


実況「おっと、だがしかし会場からの支持は得られていないようだっ! ディージェイ、少し哀しいぞ!?」


チョウシシ、ノッテンジャーネェ バカヤロー

ディージェイ「ヘイヘイ! 何て事を言うんだい!? ちょっと待ってくれよ……今からミーがファンキーなバトルを……」

ヤムチャ(そりゃ、ごもっともだよ……お客さんの言う事ごもっとだよ……おめぇ、勝手な事ばかりしてんだからよぉ……? おいおい待てよ……ブーイングが来てる中でのスタートかよ……最悪の状態からのスタートじゃねぇか……)


ホーク「……まぁ、相手が悪かったって所ですかね? なんせ、相手は三番弟子ともいえども、あの空手軍団ですからね」

実況「そうです! ディージェイの相手は……あの空手軍団の一員、ヤムチャだぁ!」


ディージェイ「ほら、今からミーが格好いいバトルを始めるんだよ!? オーディエンスも、もっとファンキーにいこうよ!?」

ウルセェ、バカヤロー! ヤムチャー、ソンナヤツ、ヤッチマエー!

ヤムチャ(う、うおっ……アイツのせいで、お客さんまで荒れ始めてんのか……!? でも、これはチャンスだ……! この声援、使わせてもらおう……!)

561: 2015/01/17(土)22:30:41 ID:3r2
ヤムチャ「オーケー、任せなっ! 俺が、あのふざけた野郎を……ぶっ飛ばしてやるぜっ……!」

イイゾー! ヤムチャー!


実況「さぁ、そしてヤムチャも中腰の体勢から……身体を伸ばして臨戦体勢っ! それと同時に叫んだぁ!」

ホーク「さぁ、ここからです」


ヤムチャ「オラオラ、行くぜっ……! 散々好き放題しやがって……覚悟は出来てるんだろうなぁ……!?」ダダッ

ディージェイ「何故、このタイミングで突っ込んでくる……Mr.ヤムチャ……! こんな状況で……よくもまぁ、そんなに空気の読めない行動を……!」


実況「そして、ヤムチャがディージェイ目掛けて、突っ込んだぁ!」

ヤ・ム・チャ! ヤ・ム・チャ!

実況「場内からの支持は完全にヤムチャのようだ! ヤムチャコールが巻き起こる! さぁ、ヤムチャ、空手軍団の力を見せつけれるか!?」

562: 2015/01/17(土)22:41:35 ID:3r2
ヤムチャ(ちょっと待てよ……いくら何でも、盛り上がりすぎだろ……やべぇ、タックルに、いくつもりだったが……ダメだっ……! もっと派手な技を見せるべきだ、ここは……!)

ヤ・ム・チャ! ヤ・ム・チャ!

ヤムチャ(どうするどうする……!? 何か技はねぇか……!? と、とにかくふんわり跳んでみよう……そして、飛び蹴りを仕掛けるっ……! うおおおぉぉっ……!)シュタッ

ディージェイ「ちょっと待て……! 何をしている、Mr.ヤムチャ……!」


実況「さぁ、そして走り込んだ勢いのまま……ヤムチャが高く跳んだぁ! 何を仕掛けるっ!?」


ヤムチャ(技名をつけるなら……ランニング延髄斬りって、所か……!? とにかく……派手に、格好良く、決まってくれっ……! うおおおぉぉっ……!)

ディージェイ「!」

ヤムチャ「うるあぁぁっ……! 喰らいやがれっ……!」ズガアァァッ


ダルシム(技が荒すぎる……! ヤムチャ君は、落ち着いていたと思っていたのに……どうやら、お客さんの声援で焦ってしまったようだな……!)

563: 2015/01/17(土)22:54:33 ID:3r2
ディージェイ「……ぐわっ!」バターンッ

ヤムチャ(ぐっ……! どうだ……上手くいったか……!?)ドスッ


イイゾー! ヤムチャー!

実況「自らも倒れこんでしまうような、高い打点の荒々しい飛び蹴りを仕掛ける! これには、ディージェイも、ダーウンっ!」


ヤムチャ(くっ、受け身は失敗しちまったが、声援は貰えてる……まぁ、結果オーライって所だ……)

ダルシム「いいぞ、ヤムチャ君! そのままハンドスプリングで起き上がれ!」

ヤムチャ(……ん?)

ダルシム「ラッシュを仕掛けろっ! 奴がダウンしている、今がチャンスだ!」


実況「さぁ、コーナーにいるダルシムも乗ってきたのではないか!? 必氏に仲間のヤムチャの事を応援しているっ!」


ヤムチャ(やべぇ、受け身を失敗した事、バレてるのかな……? でもまぁ、そうだよな……? 自然な流れでフォローしておかなきゃいけねぇ……お客さんにも、バレてるかもしれねぇしな……)

564: 2015/01/17(土)23:04:43 ID:3r2
ヤムチャ「……うるぁっ!」シュタッ


実況「おっと、ヤムチャがそのまま、ハンドスプリングで素早く起き上がる!


ホーク「あ~、なる程……一見、無理な体勢での蹴りだと思ったのですが、ここまで計算してたワケですね……」


ヤムチャ「うるぁっ! まだまだ、いくぜっ!」


イイゾー! ヤムチャー!

実況「そして、ヤムチャが吠えるっ! どうやら、完全にリズムを掴んだか!? 会場はヤムチャムード一色だ!」


ヤムチャ(お客さんにはウケてる……蹴り自体は少し無茶をしすぎたが、その後のフォローで、なんとかなったんじゃねぇか、これは……)

ダルシム(全く、荒々しい技を仕掛けて……無茶しすぎだぞ、ヤムチャ君……前回の試合で閃いていて、よかったじゃないか……トータルでは、まだマシになった……)

ヤムチャ(……これは、宿題だな。 上手くやれれば、応用が効きそうだ)

ダルシム(……まぁ、彼の宿題だな。 応用すれば、派手で美しい見栄えになる)

566: 2015/01/17(土)23:16:03 ID:3r2
ヤムチャ「オラオラ、まだまだ行くぜっ!」

ディージェイ(ヘイヘイ、何をやっているんだい、Mr.ヤムチャ……! いきなり蹴りを仕掛けるだなんて……)

ヤムチャ(お客さんは、俺を応援している……この声援に応えるには、ド派手な技を一発か……もしくは、手数を増やしてラッシュを仕掛けるべきだが……)


実況「さぁ、そしてヤムチャがダウンしている、ディージェイに近づいて……」


ヤムチャ(あ~、ちくしょうっ……! 打撃攻撃にセンスがあるって、浮かれてる場合じゃねぇな……裏を返せば、こういう時、打撃攻撃しか選択肢がねぇって事だ……)グイッ

ディージェイ「あたたた……! ヘイ、Mr.ヤムチャ……! 髪の毛を掴んで、無理矢理引き起こすなんて、酷いよ!」

ヤムチャ「うるせぇ、こうでもしなきゃ、おめぇは言う事聞かねぇだろうが! モタモタしてんじゃねぇよ、早く起きな!」


実況「そのままディージェイ髪の毛を掴んで、引き起こします! さぁさぁ、ここから、どうするっ!?」

567: 2015/01/17(土)23:26:27 ID:3r2
ヤムチャ(とにかく、打撃のラッシュだ……いざとなれば、ちょっと強めに打ち込んで、こいつの動き止める事が出来る……! うるぁっ!)シュッ

ディージェイ「……おぐっ!」


実況「そして、ディージェイの腹部に蹴りをお見舞いだぁ!」


ヤムチャ「……うるぁっ!」シュッ

ディージェイ「……あがっ!」

ヤムチャ「……もう一丁っ!」シュッ

ディージェイ「……ふぐっ!」


実況「左足にローキック! 右脇腹にミドルキック! 得意の打撃攻撃を仕掛けてきたかぁ!?」

ホーク「なんたって、空手軍団ですからね」


イイゾー! ヤムチャー! ソノママ、ヤッチマエー!

ヤムチャ「任せておきなっ! このままコイツを、やっちまうぜっ……! オラオラオラっ……!」ガスガス

ディージェイ(グッ……! Mr.ヤムチャ……いくら自分の格好いい所を見せたいからって……こんな、好き勝手に行動するのはダメだよ……もっと空気読みなよ……!)


実況「さぁさぁ、ヤムチャが仕掛ける、仕掛けるっ! 完全にリズムを掴んでいる! ディージェイを蹴りの嵐で滅多打ちだぁ!」

570: 2015/01/17(土)23:41:20 ID:3r2
ヤムチャ(ちょっと、一方的すぎる展開な気もするが……)ガスガス

ディージェイ「ぐっ……! ううっ……!」


ヤ・ム・チャ! ヤ・ム・チャ!


ヤムチャ(会場からはヤムチャコール……俺が責めなきゃいけねぇ、状況だ……それに、コイツを泳がせるのは、残り時間の事もあるし、マズい気がする……仕方ねぇ事なのか……?)ガスガス

ディージェイ(くっ……! Mr.ヤムチャは自分の事しか考えてないからダメだっ……! だから、ここはミーがリードしないと……!)グイッ

ヤムチャ「……ん?」


実況「おっと、ここでディージェイが打撃攻撃の隙を上手くつき、距離を詰めてヤムチャの身体に掴みかかったぁ!」

ホーク「技を仕掛けにいった……と、いうより、クリンチですね。まぁ、精一杯の行動でしょう」


ディージェイ「ヘイヘイ、Mr.ヤムチャ……君は何を考えてるんだい……? 一旦、攻撃を中断してくれ……じゃないと、ファンキーなバトルは出来ないよ……?」ボソボソ

ヤムチャ(どうする……? ここで投げられて、反撃されるか? でも……)

571: 2015/01/17(土)23:57:28 ID:3r2
ヤムチャー! イイゾー! キイテルゾー! ソノママ、ヤッチマエー!

ヤムチャ(そうなんだよ……場内からは、俺への声援が続いてるんだよ……だから……)

ディージェイ「Mr.ヤムチャはもっと、空気を読んで……」ボソッ

ヤムチャ「……うるせぇ! てめぇが言うな、この野郎っ!」ゴスッ

ディージェイ「……おごっ!」


実況「お~っと、だがしかし! 組みつかれながらも……ヤムチャは上手く、ディージェイの腹部に膝蹴りをお見舞いしたぁ!」

イイゾー! ヤムチャー!

実況「組みついていたディージェイも、この攻撃で流石に、手を離してしまう! さぁ、組み合っていた身体が再び離れたぞ!?」


ヤムチャ(ほら、歓声貰えるんだよ……これだったら、もう時間もねぇし……こいつのいい所、見せてやる必要なんてねぇんじゃねぇの……?)

ディージェイ(Mr.ヤムチャは、プロレスをわかっていない……さっきから、本気の打撃攻撃ばかり仕掛けてるじゃないか……そういう事なら、総合格闘技や、キックボクシングにでいけばいいじゃないか……!)

ヤムチャ(でも、よくよく考えれば……こいつ、試合の前半部分で暴れまわっててたからなぁ……? だったら、もういいんじゃねぇの……? いい所は充分見せただろ……)

ディージェイ(エキゾチックでファンキーな試合にはならないが……ミーだって、いい所を見せたいんだよ……そっちがその気なら、こっちだって……!)

583: 2015/01/18(日)22:16:48 ID:Fqr
ヤムチャ「……うらぁっ! もう一丁っ!」シュッ

ディージェイ「ぐっ……! だが、ミーだって……いい所は、見せたいんだっ……! はぁっ!」シュッ

ヤムチャ「……う、うおっと!」


実況「さぁ、そしてヤムチャが再びローキックを仕掛けるっ! ディージェイの左足に打ち込み……いやっ、お~っと!?」

ホーク「おっ、ディージェイ選手も……追い詰められてきて、反撃に出ましたね?」

実況「ここで、ディージェイが反撃に出たぁ! 同じように右足でのローキックをヤムチャの左足に打ち込むっ!」


ヤムチャ(このタイミングで反撃して来やがったか……どうする? 受けてやるか……? こいつのいい所、今から作ってやるか……? だが、時間はねぇぞ……)

ディージェイ「自分勝手な行動は辞めるんだっ……! Mr.ヤムチャっ……!」

ヤムチャ「……ん?」

ディージェイ「……はあぁっ!」ガスッ


実況「おっと、ここでエルボーバットでしょうか!? それとも左足フックか!? とにかく、ヤムチャの顔に打撃攻撃を打ち込んだぁ!」

588: 2015/01/18(日)22:30:41 ID:Fqr
ヤムチャ(痛ぇ……こいつ、サガットさん達と違って、加減がわかってねぇ……今、本気で打ち込みやがったな……? 何考えてやがる……)

ディージェイ(Mr.ヤムチャ……君が悪いんだよ……? 君が、プロレスの範疇を超えた攻撃を繰り出すから……ミーだって、こうやるしかないんじゃないか……!)


ヤムチャー! ソンナヤツニ マケルナー!


ヤムチャ(あぁ、わかってるさ……わかってるとも……こんな空気の読めねぇ野郎に負けてたまるかよ……)

ディージェイ(さぁ、Mr.ヤムチャ……もう、君はそのままフラつけばいいんだ……そしたら、ミーが格好いい攻撃を仕掛けて……オーディエンスを満足させてあげるから……)

ヤムチャ(お客さんの声援があるって事は……俺が攻撃をしてもいい場面のはずだろ、ここは……だったら、仕掛けさせてもらおうじゃねぇか……こいつが耐えれる範囲内での、ちょっぴり強い攻撃をよぉ……?)ギロリ

ディージェイ(Mr.ヤムチャ……何故、君がミーを睨む! 君が勝手な行動ばかりするから、こうするしかなかったんだよ……! 怒るんじゃない、フラつくんだ!)


実況「どうやら、追い詰められたディージェイも必氏の様です! なんとか、返していきました!」

590: 2015/01/18(日)22:41:07 ID:Fqr
ヤムチャ「強めのを打ち込むぜ……! おめぇは、黙って動きを止めてりゃいいんだよぉ!」ガスッ

ディージェイ「……うぐっ!」


イケー! ヤムチャー!

実況「だがしかし、間髪入れずに、ヤムチャが打ち込むっ! ミドルキックを脇腹にお見舞いだぁ! いいのが決まったか!?」


ヤムチャ「オラオラ……お前は、そのまま黙ってやられてなっ……! 今度はこっちだっ!」シュッ

ディージェイ「何故、Mr.ヤムチャはわかってくれないっ……! くそっ……!」

ヤムチャ「……何だと!?」

ディージェイ「Mr.ヤムチャ……動きを止めるのは、君なんだよ! いいから、止めなっ!」ガスッ

ヤムチャ「……うぐっ!」


実況「おっと、これはディージェイが上手くブロック! 蹴りを上手くブロックして……カウンターのエルボー……いや、フックですね、これは。フックを叩き込む!」

592: 2015/01/18(日)22:50:14 ID:Fqr
ヤムチャー! マケルナー!

ヤムチャ(この声援が聞こえねぇのかよ……今は、おめぇの出る幕じゃねぇんだ……! いいから、動きを止めろよ……うるぁっ!)シュッ

ディージェイ「ぐっ……! さっきから、そればかり……! 君は何を考えているんだっ……! はあぁっ!」ガスッ

ヤムチャ「ぐおっ……! てめぇだって、そればかりじゃねぇかよ! 自分の事棚に上げて言ってんじゃねぇぞ、ゴラァっ!」シュッ


実況「さぁ、ヤムチャが打ち込む! ディージェイが打ち込む! これは、お互いノーガードの打撃合戦か!?」

ワー、ワーワー!

実況「両者一歩も引かない、激しい打撃合戦! さぁ、打ち勝つのはどちらだ!?」


ヤムチャ「いいから、黙ってやられてろっ……! ボケ……!」シュッ

ディージェイ「やられるのは、Mr.ヤムチャ……! 君の方だよ……!」ガスッ


ダン(おいおいおい……盛り上がってんのは、いいけどよぉ……? こいつら、ひょっとしてガチでやってねぇだろうなぁ……? 試合終盤に、何やってんだよ……)

593: 2015/01/18(日)22:59:53 ID:Fqr
ヤムチャ「……うるぁっ!」シュッ

ディージェイ「……うおおおぉぉっ!」ガスッ


ワー! ワーワー!

実況「ヤムチャは蹴りで! ディージェイは、蹴りとフック巧みに合わせながらの、打撃合戦だ! まるでリング上でのストリートファイトを見ているようだ!」

ホーク「……えぇ」


ダン(おい、これどうするよ……? やっぱり、俺が何とかしねぇといけねぇのかよ……?)チラッ

ダルシム(くそっ、ディージェイ君のペースに完全に飲まれてるいるではないか……ヤムチャ君まで、我を忘れてどうする……!)

ブランカ(彼なりに、加減はしている様ですが……やりすぎです……あんな事を続けていたら……いつか誰かが大怪我します……)

ダン(あぁ、くそっ……! ダルシムも、ジミーの奴もコーナーにいやがる……あいつらに一番近いのは、俺だ……くそっ、試合時間は伸びちまうが……やっぱり、止めるかっ……!?)

595: 2015/01/18(日)23:10:19 ID:Fqr
ヤムチャ「おめぇが動き止めなきゃ、いつまで経っても、この試合は終わらねぇんだよっ……! いいから、これ喰らって……寝てなっ……!」ググッ

ディージェイ(……来る!)


実況「おっと、ヤムチャがここで、やや大振り気味に構えて……!」


ディージェイ(Mr.ヤムチャは、加減がわかってないくせに、どうしてそんな真似をする……! あんな大振りの本気の蹴り……とてもじゃないが、ミーには耐えられないよっ……!)

ヤムチャ「……うるああぁぁっ! 喰らって眠りなぁ!」ブンッ


実況「そして仕掛けたぁ! 大振りのハイキック!」


ディージェイ「……フンッ!」

ヤムチャ(こいつ……何で、このタイミングで避けるんだよ……馬鹿野郎っ……!)スカッ


実況「おぉ~っと、だがしかし、これはディージェイが上手く屈んで避けたっ! 避けたぞっ!」


ディージェイ「Mr.ヤムチャはプロレスがわかっていない……だから、ミーがリードしてあげるよ……」ググッ

ヤムチャ(や、やべぇ……こいつ、何か狙ってやがる……! 加減のわかってない、こいつに何か仕掛けられるのは……マ、マズいんじゃねぇか……?)

598: 2015/01/18(日)23:26:00 ID:Fqr
ディージェイ「……はあああぁぁぁっ!」ズドーンッ

ブランカ「!」

ダルシム「!」

ダン(馬鹿野郎っ……! 何て、パンチを打ってやがる!)


実況「う、うおっと……え~、ここでディージェイがカウンター気味に……ヤムチャに渾身の右ストレートをお見舞いしました」

ホーク「……」

実況「あ、あまりに……いいのが、決まりすぎてしまったか……? 先程、まで熱狂に包まれていた場内が……静寂に包まれます……」


ブランカ(……完全に私のミスだ。ディージェイ君に打ち合わせ無しは、危険すぎた)

ダルシム(どうする……ヤムチャ君の負けで試合が終わる……? マズい、それは空手軍団にも傷つける事になるぞ……)


ディージェイ「Mr.ヤムチャ……君は、いい所を見せたいが為だけに、ミーに強い攻撃を仕掛けていたが、それは違う……プロレスとはそうじゃない……ファンキーなリズムで、オーディエンスをエキサイトさせる事なんだ……」

ヤムチャ「……」

ディージェイ「そういう、野蛮な攻防がしたいのなら……総合格闘技やキックボクシングの世界にでも行ったらどうだい……? まぁ、元キックボクサーのミーから、言わせてもらえば……そっちの世界でも君は通用しそうにないけどね……」

607: 2015/01/18(日)23:37:34 ID:Fqr
ヤムチャ「……そうか。お前、元キックボクサーだったのか。蹴りも鋭いし、いい反応してると思ったよ。そういう事だったんだな」

ディージェイ「……ん?」


実況「渾身のストリートを顔面受けたヤムチャは、大きくダウン……いや、ダウンしないぞ!? パンチを顔面に貰った状況のまま、仁王立ちだ!」


ヤムチャ「でもなぁ、お前、知らないだろう……?世の中には……もっと、もっと強い奴がいるって事をよぉ……?」

ブランカ(……ヤムチャ君)

ヤムチャ「胸を貫かれるような……鋭い手刀、喰らった事あるか……?」

ダルシム(立っているだと……? 無事だったのか……!?)

ヤムチャ「腕の骨が砕けちまうような……重いエルボー、喰らった事あるか……?」

ダン(ヤムチャっ……! よく堪えたぞっ……! ナイスだ!)

ヤムチャ「一瞬で、天に召されちまうような……自爆技、受けた事あんのか……? あぁ……?」

ディージェイ「な、何故、ダウンしないんだ……」


ヤムチャ「お前の攻撃なんざ……この俺には全く効かねぇんだよぉ!」ギロリ


実況「ヤムチャは倒れないっ! ヤムチャは倒れないぞ!? そのまま不敵な表情でディージェイを睨んでいるううぅぅ!」

616: 2015/01/18(日)23:47:14 ID:Fqr
ヤムチャ「てめぇもチンケな世界で満足してねぇで……プロレスの勉強、少しはしやがれっ……!」ググッ

ディージェイ「……うっ!」


ヤムチャー! スゲェゾー!

実況「ヤムチャは倒れない! まだまだ責め続けるうぅ!」

ホーク「驚きの爆発力ですねぇ……ディージェイ選手も怯んでいます」

実況「さぁ、そのディージェイの頭を……両腕でガッツリ掴んだぁ!」


ヤムチャ「手加減はしてやるけどよぉ……? それでも、おめぇにとっては痛ぇ事だから……頑張って我慢しろよ……!?」

ディージェイ(な、なんなんだ……彼は……理解出来ない……全く、ミーには理解出来ないよ……!)

ヤムチャ「格の違いを見せつけてやるっ……! うおおおぉぉっ……! だぁっ!」ゴスッ

ディージェイ「……うぐああぁぁっ!」


実況「そのまま、ヘッドバッーットっ! 渾身の一撃をディージェイにお見舞いだぁ!」

625: 2015/01/18(日)23:56:43 ID:Fqr
イイゾー! ヤムチャー!


ディージェイ「あぁ、ううぅ……ど、どうしてだ……? 彼の頭は、まるで鉄のように硬い……どうして、そこまで頭を鍛える事ができる……?」フラフラ


実況「ヤムチャの怒りの一撃が炸裂だぁ! ディージェイは、頭を抑えかなりフラついているぞ!? ここがチャンス! ここがチャンスだ!」


ヤムチャ(……その体勢が、ベストっ!)

ディージェイ「ああぁ……ううっ……」フラフラ

ヤムチャ(スパインバスターを仕掛けるには……相手を一度ロープに振らなきゃいけねぇ……だが、奴が大人しく指示に従ってくれるとは、考えにくい……!)


ヤ・ム・チャ! ヤ・ム・チャ!

実況「場内からは大ヤムチャコールっ! ここで決めたい場面だっ!」


ヤムチャ(アイツがフラついている、この状態でしかスパインバスターを掛けるチャンスはねぇ……! だが、足りねぇ……これだけの声援に応えるには……まだ、足りてねぇ……!)

626: 2015/01/18(日)23:57:12 ID:Fqr
今日はここまで

649: 2015/01/19(月)22:07:35 ID:Nvu
ヤムチャ(スパインバスターは……素早く、荒々しく仕掛けるのがポイントだが……ここまで、素早くて荒々しい事しか俺はしていない……だから、逆だっ……!)

ヤ・ム・チャ! ヤ・ム・チャ!

ヤムチャ(だからこそ、逆だ……! 違った一面を見せるんだっ……! ゆったりでもいい……とにかく、ド派手な格闘技の試合で見れないような、投げを仕掛けるんだ……!)ググッ


実況「さぁさぁ、ヤムチャが深く腰を落としたぞ!? これは、何かを狙っているのか!? ここで決めに行くのか!?」


ヤムチャ「これは、プロレスなんだからよぉ! 行くぜっ、うおおおぉぉっ!」ダダッ

ディージェイ「……う、ううぅ」

ヤムチャ「……うおおおぉぉっ! だああぁぁっ!」ドスッ

ディージェイ「……うぐっ!」


実況「そのまま、ディージェイに突っ込んだぁ! タックルか!? それとも、スピアーか!?」

ホーク「……いやっ! 違います!」

650: 2015/01/19(月)22:15:55 ID:Nvu
ヤムチャ(相手の両太腿を抱え……そのまま、持ち上げるっ……!)ググッ

ディージェイ「う、うおおぉっ……!」


実況「おっと、そのままディージェイの身体を抱え上げるっ! どうやら、こいつはスパインバスターだっ!」

ホーク「……ですねっ!」


ワー、ワーワー

ヤムチャ(まだだ……まだ足りねぇ……こんな声援じゃ足りねぇ……もっとだ、もっと高く……! もっと派手に……!)ググッ

ディージェイ「う、うおおっ……! 何だって……!?」


実況「お~っと! こいつは、高い高い高いっ! 何て、高さだ!? ハイアングル気味にディージェイを持ち上げたぁ!」


オー、スゲー! タケー!

ヤムチャ(そうだ……! この声援だ……! ここから、コイツをリングに叩きつけるっ……! だが、まだまだ終わらねぇぜっ……!)

654: 2015/01/19(月)22:36:28 ID:Nvu
ヤムチャー! イイゾー!


ダン「よし、ヤムチャ、いいぞっ! そのまま、そいつが暴れねぇように、ガッツリ抑え込んでおきな!」

ヤムチャ(おおっ……偶然にも、フォールの体勢に入っているじゃねぇか……ダンさんが……カウント取りに来てくれたぜ……)

ダン「また、暴れられると……面倒だからよぉ……! よし、カウント取るぜっ!」


イケー! キメチマエー!


ブランカ「……ソウハ、サセナイゾ! でぃーじぇい、今、助ケテヤル!」

ヤムチャ「……ブランカさん!?」

ブランカ「でぃーじぇい、負ケルナ! 頑張レ! 俺ガ助ケテヤルッ!」


実況「おっと、ブランカがここで、ディージェイの救出の為にリング内へと向かったぁ!」

658: 2015/01/19(月)22:46:26 ID:Nvu
ダルシム「そうは、させんよ……さぁ、私も最後の力を振り絞らせてもらうとするか……」

ブランカ「……ウッ!?」


実況「だが、ほぼ同時のタイミングで……ダルシムもリングインっ! ブランカを止めにかかるっ……!」


ダルシム「君にヤムチャ君の邪魔はさせんっ……! 私が相手になろうでは、ないか……!」

ブランカ「オ前ミタイナ、弱ソウナ奴……突キ飛バシテヤルッ……! ドケッ……!」

ダルシム「おっと、そうはさせんっ……! ふんっ……!」シュルッ

ブランカ「……ウオッ!?」


実況「ダルシムはそのままカウンターで、ブランカを捉え……ヘッドロック! ヘッドロックの体勢だぁ! ブランカの動きを封じた!」


ブランカ「ウオッ……! クソッ、離セ……! 離セ……!」モガモガ

ダルシム「少しの我慢だよ、大人しくしておきたまえ……あまり暴れられると、私も君にげんこつをせざるを得なくなる……二人で大人しく、試合の行く末を見守ろうではないか……」


実況「これで邪魔者は完全にいなくなったぁ! さぁ、これで試合はフィニッシュか!?」

660: 2015/01/19(月)22:55:00 ID:Nvu
ディージェイ「なんだよこの試合……ミーのいい所が一つも……」

ヤムチャ「囀るんじゃんねぇ! 暴れるんじゃねぇ! これで終わりだっ!」ググッ

ダン「そのまま、抑え込んでおきな! よし、カウント行くぜっ!」


実況「そして、レフェリーが今、カウントを取りますっ!」


ダン「ワンっ……!」

イイゾー! ヤムチャー!

ダン「ツーっ……!」

キメチマエー!

ダン「……スリーっ!」


ヤムチャ「……よしっ!」

ワー!ワーワー!

実況「そして、ここでカウントスリー! 試合は決着だぁ! ヤムチャの豪快なスープレックスにて、試合は決着ウゥ!」

ホーク「いや~、流石空手軍団……一気に流れを持っていきましたね」

実況「完全に格の違いを見せつけたか!? ヤムチャの驚きの爆発力! そこから、一気に試合を持っていきました!」

666: 2015/01/19(月)23:05:02 ID:Nvu
ーーー


ケン「ハハハ。何やってんだよ、アイツはよぉ……」

バルログ「はぁ、覚えたばかりのスパインバスター……試合中にアレンジしましたねぇ……」

ケン「派手すぎるんだよ、試合がよぉ……? 第二試合で、あんな試合するなんて、アイツ何考えてるんだ……?」

バルログ「……まぁ、ディージェイ君が原因な所もありますけどね」

ケン「そろそろ、第二試合では限界じゃねぇか……? 派手な試合はこっちですればいいんだよ……こっちでよぉ……?」

バルログ「……まぁ、現場監督がこの試合、どう評価するかですね」

ケン「アイツが戻って来なきゃ、俺が負け役になっちまうから困るんだけどねぇ……まぁ、とにかくよぉ、バルログ……?」

バルログ「……ん?」

ケン「打ち合わせは……やり直さねぇとな……? 二番弟子の俺が、三番弟子のアイツに負けてちゃ……笑い話にもならねぇよ……」

バルログ「……そうですね。こんな内容じゃ、我々の試合もヤムチャ君に喰われちゃいます」

668: 2015/01/19(月)23:16:06 ID:Nvu
ーーー


ナッシュ「いやぁ、ディージェイ君のタッグマッチが、こんな結果になるとは……」

ガイル「……少し、予想外だったな」

バイソン「自由に動きすぎなんだよ……アイツはよぉ……?」

ナッシュ「コレ、我々の打ち合わせ内容も変える必要がありそうですね……?」

サガット「……そうだな。同じタッグマッチでも、ベルトがかかっているんだからな」

ガイル「相手がシャドルーさんってのは……幸か不幸か……」

バイソン「……幸じゃねぇの? 格上の俺達にだったら、その分バンバン大技仕掛けれるじゃん?」

ナッシュ「でも、そうなると、ケンさんとバルログさんが試合、作りにくくならないですかねぇ……?」

サガット「そうだな。俺達は、違う形で試合を作っていった方がいいかもしれない。連携攻撃や、合体技……そういったモノを中心にしていくか……」

ナッシュ「そうですね。そういう攻撃なら……シャドルーさんにも対抗できそうですし……上の人達も試合が作りやすくなるでしょう……上はシングルばかりですから」

バイソン「俺は、逆に二人の事を見下してさぁ、個人行動ばかりするから、そこの所、上手く突いてくれや!」

ガイル「……とにかく、細かい部分を、今から作っていきましょう。時間もないです」

673: 2015/01/19(月)23:27:59 ID:Nvu
ーーー


かりん「……相変わらず、ディージェイさんの試合は荒れますわね」

キャミィ「……そうですね」

かりん「でも、あのヤムチャって人……上手く対応してませんでした……? 新入りの方なのに、やりますわね」

キャミィ「……でも、凄く盛り上がってました」

かりん「キャミィ……? ひょっとして……プレッシャー受けてますの……?」

キャミィ「……」

かりん「大丈夫ですわよ! 女子部だって、今の試合に負けないような、凄い試合をしたら、いいだけの話ですわよ!」

キャミィ「……」

かりん「昨日の試合で、私達が、貴女にアピールしてましたし……今日はマイクが得意なローズさんも、解説で手伝ってくれるんだから、大丈夫ですわよ」

キャミィ「……はい」

かりん「どちらにしても……春麗さんが抜けた状況なんだから、盛り上げていかなきゃいけないのは、同じ事ですわ」

キャミィ「……」

かりん「ほら、キャミィ……? もうすぐ、出番ですわよ……? だから、もっとしゃんとした顔をした方がいいですわ」


キャミィ(春麗さんを越える試合……今の試合を越える試合……私がそういう試合をしなきゃ、女子部は……)

682: 2015/01/19(月)23:37:20 ID:Nvu
ーーー


ヤ・ム・チャ! ヤ・ム・チャ!


ヤムチャ「よっしゃぁ! 俺の勝ちだっ!」

ダルシム「やったな! ヤムチャ君!」


実況「さぁ、場内のヤムチャが止む事なく続いているぅ! 今、リング上でヤムチャが勝ち名乗りを受けている!」


ブランカ「……さぁ、彼らの邪魔をしない様に、退場しましょう」ボソッ

ディージェイ「ヘイヘイ、Mr.ブランカ……聞いてくれよ……! Mr.ヤムチャは……!」

ブランカ「……黙れ」ギロリ

ディージェイ「!」

ブランカ「私の不手際もあったが……今日の試合、君には言いたい事が多すぎる……! 全ては控え室で話しましょう……」ボソッ


実況「さぁさぁ、敗者のブランカ・ディージェイ組は……それを尻目に退場します!」

ヤ・ム・チャ! ヤ・ム・チャ!

実況「止まらない、ヤムチャコール! 勝者のヤムチャには、止む事のない声援と拍手が鳴り響きます!」

690: 2015/01/19(月)23:47:39 ID:Nvu
ヤムチャ「うっしゃぁ!」

ワー! ワーワー!


実況「さぁ、リング上でヤムチャが大きくガッツポーズ!」


ダルシム「……もう、煽るな。ヤムチャ君」ボソッ

ヤムチャ「……ん?」

ダルシム「いくら何でも、盛り上がりすぎだ……これ以上盛り上がると、上の方達に迷惑がかかるぞ……?」ボソッ

ヤムチャ(あっ、しまった……! テンションが上がって……お客さんの声援に応えすぎちまった……!)

ダルシム「過ぎた事は仕方ない……だが、これ以上の騒ぎになる事は、抑える事が出来る……下手な事はせずに、ここままひっそりと退場しよう……」ボソッ

ヤムチャ「……う、うっす!」

ダルシム(下手にヤムチャ君が締めると、また盛り上がってしまうからな……ここは私が締めるか……)ペコッ


実況「さぁ、ダルシムが、四方に向かって、深々とお辞儀して……」


ダルシム「では、ヤムチャ君……我々も退場しようか……?」

ヤムチャ「……うっす!」


実況「ヤムチャとダルシムは、退場します! 退場していく二人に惜しみない拍手が送られています!」

694: 2015/01/19(月)23:55:33 ID:Nvu
パチパチ……パチパチ……


ヤムチャ(確かに、盛り上がりすぎだよ……今までの試合……ここまでの声援を貰った事なんてねぇのに……)

ヤムチャー! ヨクヤッタゾー!

ヤムチャ(うおっ……! 客席から、俺の身体に触って激励してくれる人までいるよ……!)

ヨク、アノ、イケスケネェヤロウヲ、ブットバシテクレタナー! ヤルジャネェカー!

ヤムチャ(嬉しい……こんなに声援を貰えるのは嬉しい……だけど……)

ソノチョウシデ、アニデシ、タスケテヤレヨー!

ヤムチャ(本当は、貰っちゃいけねぇんだよなぁ……)

ヤ・ム・チャ! ヤ・ム・チャ!

ヤムチャ(なんか複雑だなぁ……嬉しいよ……嬉しいんだけどさぁ……)

720: 2015/01/20(火)22:05:22 ID:ll7
実況「さぁ、まさに嵐のような第二試合が今、終了しましたぁ!」

ホーク「試合当初は、どうなるかと思いましたが……空手軍団のヤムチャ選手が格の違いを見せつけましたね」

実況「フィニッシュホールドは、え~……零距離ハイアイグル旋回式スパインバスターとでも言えばいいですかね?」

ホーク「あはは、何だか呼びにくいですね? 何か、新しいネーミングがいるのでは、ないでしょうか?」

実況「そうですね! では、正に嵐のような一戦だったので……それを踏まえて『トルネードスパイン』なんてのは、いかかでしょう!? どうでしょう、ホークさんだったら、どのような名前をつけますかね?」

ホーク「う~ん、自分の場合は……と、いうか自分の印象は……」

実況「はい!」

ホーク「ヤムチャ選手には狼の様なイメージ感じましたから、『ウルフバスター』なんてのはいかがですかね……?」

実況「おっと、確かにヤムチャの必殺技には『狼牙風風拳』なんてのも、ありましたね!? そちらもいい名前だぁ!」

ホーク「まぁ、決めるのはヤムチャ選手です。ひょっとしたら、もっといいネーミングがあるのかもしれませんね?」

721: 2015/01/20(火)22:13:59 ID:bHG
実況「では、そのヤムチャは新技……それが、どういった技名になるのかも、踏まえて……これからのヤムチャの活躍に期待していきましょう!」

ホーク「そうですね。自分も負けてられません」

実況「……ホークさんも、いずれヤムチャと戦う機会があるかもしれませんもんねぇ!?」

ホーク「タイプは違いますが……自分も負けませんよ……鷹が狼を喰ってやります」

実況「力強いお言葉ありがとうございます! これからのホークさんの活躍にも期待していきましょう!」

ホーク「はい、ありがとうございます」

実況「さぁさぁ、ではそろそろお時間だ! 第二試合の中継はこの辺りで終了させて頂きます! 最後にもう一度ご紹介しましょう! 本日のゲスト解説は……」

ホーク「T.ホークです。ありがとうございました」

実況「CMの後は……ベルトを賭けた女の一戦っ! 春麗を破ってチャンピオンになったキャミィ! それに我らがさくらが挑むぅ!」

724: 2015/01/20(火)22:24:52 ID:bHG
ーーー


プーアル「ヤムチャ様、ダルシムさん! お疲れ様でした!」

ヤムチャ「お、おう……プーアル、終わったよ……」

プーアル「凄い盛り上がりでしたよ! 僕も見ててドキドキしました! これだったら、ヤムチャ様も第五試合に戻れるんじゃないですか!?」

ヤムチャ「プーアル、盛り上がっちゃダメなんだよ……そりゃ、声援を貰えたのは凄く嬉しかったよ……? でも、盛り上がっちゃダメなんだよ……」

プーアル「……えっ?」

ヤムチャ「これ、やらかしちゃったかなぁ……? あ~、ケンさんとか怒ってんのかなぁ……? さくらちゃんにも迷惑掛けたのかなぁ……今、大変そうなのに……」

ダルシム「……済んだことは、仕方ない。まぁ、どっちにしろ上の方達には、これを越える試合をしてもらわないといけない。あまり、気にする事はない」

ヤムチャ「……ん?」

ダルシム「空手軍団とシャドルーの抗争も、行き詰まっているし……ナッシュ君と、ガイル君だってもっと人気が出てもいい……」

ヤムチャ「……はぁ」

ダルシム「それに、女子部だってチャンピオンの春麗君が抜けてピンチなんだ……どっちにしても、いい試合をしていかなければいけないのは、同じだ……」

ヤムチャ「ダルシムさんが、そう言ってくれるのは有り難いっす……」

ダルシム「そもそも、今日の試合がこんなにも盛り上がりすぎたのは、ディージェイ君のせいだ……ヤムチャ君にそこまで責任はないよ……現場監督は評価してくれると思うぞ?」

ヤムチャ「あっ、そうだ! ディージェイですよ、ディージェイ! あいつ、なんなんですか!?」

726: 2015/01/20(火)22:33:51 ID:bHG
ヤムチャ「あいつ、ワケのわからない行動、沢山してやがったし……」

ダルシム「……すまない」

ヤムチャ「ちょくちょく、痛い蹴りやパンチ入れてきたし……あいつ、加減がわかってないっすよ!」

ダルシム「本当に、申し訳ない……そうだ! 最後の彼のパンチは大丈夫だったのか!? モロに喰らっていたように見えたが……」

ヤムチャ「あ~、アレは……まぁ、俺は鍛え方が違うから、一応大丈夫っすよ……でもまぁ、痛いもんは痛いっすけどね……」

ダルシム(鍛え方……? あんなパンチを耐えるトレーニング法があるのか……?)

ヤムチャ「でも、アレ……俺じゃなかったら、間違いなく事故ですよ、事故!」

ダルシム「そうだよな……迷惑かけて、本当にすまない……」

ヤムチャ「俺、プロレス始めたばかりで、まだ右も左もわからない状態ですけど……それでも、アイツは才能ないって、ハッキリわかりますよ!」

ダルシム「……」

ヤムチャ「アイツはクビにした方がいいですよ!? なんで、あんな奴、半年間も雇ってるんですよ!? もっと、他の人いるでしょうが!?」

ダルシム「……まぁ、ディージェイ君は少し変わった経歴を持っていてな」

ヤムチャ「……ん?」

735: 2015/01/20(火)22:45:32 ID:bHG
ーーー


ブランカ「何を考えているんだ、君は! ヤムチャ君に、本気で仕掛けただろう!? いったい、何を考えている!?」

ディージェイ「へ、ヘイ……Mr.ブランカ……」

ブランカ「キックボクシングの世界で、いい所までいった君が……本気で、仕掛けたら、どうなるかぐらい想像はつくだろう! そこまで、君は空気が読めないのか!? あぁ!?」

ディージェイ「違うんだ……ミーの話を聞いてくれよ……」

ブランカ「我々は、こういった世界でやっているが……スーパーマンではない! 殴られれば人と同じように傷つく身体だ! その身体で試してみるか……あぁ……!?」

ディージェイ「待ってくれよ……! 先に仕掛けてきたのは、Mr.ヤムチャだって……!」

ブランカ「何故、ヤムチャ君が強い攻撃を仕掛けてきたと思う……? そこを考えてみろ……?」

ディージェイ「それは……Mr.ヤムチャが自分のいい所を見せたいが為だけに……」

ブランカ「……そこが、そもそもの間違いなんだよ。やはり、君は三流だ」

ディージェイ「なんて事を言うんだい……!? ミーは三流なんかじゃない、一流だ!」

743: 2015/01/20(火)23:03:19 ID:bHG
ブランカ「……いい加減に、過去の事は忘れなさい」

ディージェイ「……えっ?」

ブランカ「君が一流だったのは、キックボクシングの世界……そして、音楽で活躍出来るミュージシャンだった時の話でしょう……?」

ディージェイ「……」

ブランカ「キックボクシングの世界で活躍しても……自分の優れた音楽の才能表現出来ずに、満足出来なくて……音楽の世界で活躍しても……自分の優れた格闘センスを表現出来ずに、満足出来なかったんでしょう……?」

ディージェイ「……あぁ」

ブランカ「だからこそ、君は……その二つの才能を両立させる事の出来そうな場所……格闘しながらも、他の事で自分を表現出来そうな場所……プロレスを選んだんでしょう……?」

ディージェイ「あぁ、ミーはいつか絶対に最強のミュージックファイターになってやるんだ」

ブランカ「君の才能は認めます。格闘センス……そして音楽で学んだ自己表現方法……今日のアピールだって、貴方のコンサートだったら、大盛り上がりなんでしょうね?」

ディージェイ「そうだよ。ミュージックを聴くなら、CDだけで充分だからね。コンサート会場に来てくれたオーディエンスには、それ以上の……アピールや、ダンス……そんな事をして特別な空間を与えてあげるべきなんだ……」

ブランカ「貴方はプロレスというものを、よく理解している。そして、その為に行動しているのは、わかります。だけど、まだまだレスラーとしては新米……右も左もわかってはいません……」

752: 2015/01/20(火)23:14:32 ID:bHG
ブランカ「三流のギタリストが、他の人達を無視して……出しゃばった真似をしたら、どうなりますか……? 三流のベーシストが出しゃばった真似をしたらどうなりますか……?」

ディージェイ「……そ、それは」

ブランカ「貴方のコンサートで、そういった事が起きるのです。主役である貴方を無視して……三流のミュージシャンが突然、自己主張を始めるのです……貴方は許せますか……? そして、お客さんは受け入れてくれますか……?」

ディージェイ「そ、そんな事考えられないよ! ミュージックっていうのは、協調性だ! 協調したリズムがファンキーなビートを作っていくんだよ!?」

ブランカ「そうです。協調性です……貴方に足りないのは、そこです……」

ディージェイ「……えっ?」

ブランカ「一流になりたいのなら……先ずは、今の自分が三流である事を受け入れましょう……そして、そこから一歩進んでいきましょう……下手に一流の真似事をするのは、逆効果です……」

ディージェイ「……」

ブランカ「でないと……この場所で芽が出ないまま……格闘家としての寿命が尽きてしまうかもしれませんよ……? 満足出来ない、日々を……また、過ごしたいのですか……?」

ディージェイ「……」

ブランカ「とりあえず、貴方はそこで頭を冷やしておいて下さい……私は、ヤムチャ君に、謝罪してきます……パンチの一件も、心配ですしね……」

756: 2015/01/20(火)23:25:50 ID:bHG
ーーー


ヤムチャ「はぁ……キックボクシングで、そこそこいい所いって……ミュージシャンでも一流なのか……変わった奴だなぁ……」

プーアル「どちらか一本に絞ったらいいと思いますけどねぇ……?」

ダルシム「まぁ、本人はなぁ……頑張ろうとしているのだが……どうもなぁ……」

ヤムチャ「本人がやりたいって言ってるんだったらなぁ……でも、大丈夫なんですかねぇ……?」

ダルシム「……なんだかんだで、才能はあると思う。ディージェイ君は」

ヤムチャ「いやいや……キックボクシングとミュージシャンでも、一流だとしても……プロレスは、また別でしょ……?」

ダルシム「教育係の私が、ベラベラと喋るのもよくない事だと、思うんだが……まぁ、ヤムチャ君だって彼と関わる事はあるだろうしな……知る必要はある、か……」

ヤムチャ「……ん?」

ダルシム「例えば、教育の試合だ……まぁ、ディージェイ君の過去は置いておくとして……総合的に見たら、試合を一番引っ張っていたのは、誰だろうか……? 考えてみてほしい」

ヤムチャ「えっ……? それは……」

758: 2015/01/20(火)23:35:54 ID:bHG
ヤムチャ「……ディージェイ?」

ダルシム「そうだ。ディージェイ君だ……確実に間違った方向へ試合は進んでいたが……殆どディージェイ君が中心となっていただろう……?」

ヤムチャ「そうっすけど……でも、間違ってるんでしょ……?」

ダルシム「そう、間違っている。試合を間違った方向に動かそうとしている、ディージェイ君……それを修正しようとしている、私と、ブランカ君とヤムチャ君……いや、ダン君もいるな……一対四の自己主張のぶつかり合いだ」

ヤムチャ「……はぁ」

ダルシム「一対四の状況でも……試合を支配して……自分の空間を作り上げていたのは誰だ……? それは、紛れもなくディージェイ君だろ?」

ヤムチャ「そうっすけど……でも、間違った方向に進んでるんですよね……!?」

ダルシム「あぁ、間違っている。そこは断言しよう、確実に間違っている。だが……」

ヤムチャ「……ん?」

ダルシム「ディージェイ君はプロレスというものを理解している。理解して、やろうとしているのだが、少しズレたポイントに、試合展開を持っていっているのが、今の現状だ……」

ヤムチャ「……はぁ」

ダルシム「そのパワーを……正しい方向に向ける事が出来れば……ブランカ君や、バイソン君……自己主張の強い選手も、我が団体には多々いるが……それを超える力になると思わんかね……?」

ヤムチャ「……」

762: 2015/01/20(火)23:46:44 ID:bHG
ダルシム「今日の大熱狂だって、そうだ……」

ヤムチャ「……ん?」

ダルシム「ディージェイ君が、自分勝手な行動を繰り返し……我々が、試合中、苛立つ場面もあっただろう……?」

ヤムチャ「まぁ、確かに……ありましたねぇ……」

ダルシム「その不満は、お客さんも感じている……ディージェイ君がいいタイミングだったのに、邪魔したな……なんて、小さな不満を募らせている……」

ヤムチャ「……」

ダルシム「そして、その小さな不満が積もり積もって……限界に近づいてきた時に……ヤムチャ君が、登場したってワケだ……」

ヤムチャ「俺が……あいつをぶっ飛ばしていい、空気が自然に出来上がってましたねぇ……」

ダルシム「ある意味、あの声援はディージェイ君のものとも言ってもいい。声援はヤムチャ君への応援だったが……裏返せば、あれはディージェイ君がやられる姿を、皆求めていたんだ……」

ヤムチャ「……」

ダルシム「あそこまでの声援を貰う事の難しさ……それはヤムチャ君も、わかっているだろう……? 思っていた反応より、小さかった……そんな経験は、ここまでの何試合かで感じた事はあるだろう?」

ヤムチャ「……確かに」

ダルシム「ある意味、天性的なものなんだろうと思うよ……だが、天性ではダメだ……ヒールのシャドルーさん達も、同じ事をしているが……彼らは計算で行っている……」

770: 2015/01/20(火)23:59:01 ID:bHG
ダルシム「そういった、彼の良さを殺さないようにしつつ……足りない部分を補って、いいレスラーに出来ればいいのだが……なかなか難しいよ……」

ヤムチャ「あ~、ダルシムさんも苦労されてるんですねぇ……」

ダルシム「私やブランカ君が力不足なだけだよ……今日のディージェイ君に対して、ヤムチャ君も苛立ちを感じただろうと思うが……それは、ディージェイ君の責任ではなく、教育係の我々の責任だ……」

ヤムチャ「……えっ?」

ダルシム「ディージェイ君を恨むなら、私の事を恨んでくれ……全ての責任は私達にある」

ヤムチャ「いやいやいやいや……!」

ダルシム「ヤムチャ君だって、第五試合に戻りたいという目標があるのに、とんだ迷惑をかけてしまったな……本当に申し訳ない!」

ヤムチャ「いや、やめて下さいよ、ダルシムさん……! もう、わかりましたから……!」

ダルシム「……ん?」

ヤムチャ「いいんじゃないですか……? そういう事だったら……まぁ、俺もプロレスの仕組みはまだよくわかってないっすけど……頑張って、そのミュージックファイターってヤツになればいいじゃないですか!」

ダルシム「すまないな……ヤムチャ君、ありがとう……」

ヤムチャ「なるほどねぇ……まぁ、確かに厄介な野郎だけど……あいつにも、あいつなりの優れた所があるんだね……」

785: 2015/01/21(水)22:19:45 ID:Z30
ブランカ「……ヤムチャ君」

ヤムチャ「あっ、ブランカさん……」

プーアル「ブランカさん、お疲れ様でした!」

ブランカ「今日の試合……本当に、申し訳なかった……顔にいいのを貰っていたが……大丈夫かい……?」

ヤムチャ「あ~、それはもう大丈夫っすよ……」

ブランカ「……大丈夫なのか? ディージェイ君にも、私からキツく言っておくから、今臨在この様な事が起きないようにさせるよ」

ヤムチャ「……うっす。よろしくお願いします」

ブランカ「まぁ、お互いに注意しようではないか……私も……そして、君も……」

ヤムチャ「お互い……? 俺も……?」

ブランカ「あぁ、そうだ。ヤムチャ君も、だ……」

ヤムチャ「いやいや、俺は何もしてませんよ……? ちゃんと、試合やりましたよ……?」

786: 2015/01/21(水)22:30:35 ID:Z30
ブランカ「ディージェイ君の言い分を聞くには……ヤムチャ君が、強い攻撃を仕掛けてきたから……自分も仕掛ける形になってしまった、らしい……」

ヤムチャ「いやいや、それはアイツが勝手な行動ばかりするからでしょう……?」

ブランカ「勿論そうだ。ディージェイ君は、勝手な行動ばかりしていたな……その事も、後でディージェイ君に言っておくよ……今日は夜通し反省会だ……」

ヤムチャ「俺は、その行動を止める為に……強めの攻撃をして……アイツに気づいてもらおうと……」

ブランカ「……本当にそうか? 君は100%、そういう感情で行動していたのか?」

ヤムチャ「……えっ?」

ブランカ「『こいつ、鬱陶しい奴だな……』『ムカつくヤツだな……』そういった怒りの感情が、そこにはあった様に、私は思う。そういった、感情も……少しはあったんじゃないかな……?」

ヤムチャ「……それは」

ブランカ「試合前に、伝えておいてくれっと言っておいたハズだが……ダルシムさん、伝えてないのですか……?」

ダルシム「それは今、この場で蒸し返す事か……? 確かに伝えたが……今、この場でヤムチャ君に言う必要があるのか……?」

ブランカ「……ヤムチャ君の成長の為には、必要な事ですから。試合前にダルシムさんから、絶対に怒ったり、キレたり、投げ出したりしないでくれ……そう、指示はされてますよね?」

ヤムチャ「それは……されましたけど……」

789: 2015/01/21(水)22:41:33 ID:Z30
ブランカ「勿論、ディージェイ君がした事は許されたモノではありません……そこは、同じように彼が理解するまで、何度も何度も言い聞かせます……」

ヤムチャ「……はぁ」

ブランカ「しかし、何故その様になったのかを、突き詰めていくと……ヤムチャ君が怒りの感情を持って……自分に本気で仕掛けてきた、とディージェイ君は思ってしまったそうです」

ヤムチャ「でも、それは……」

ブランカ「わかってます。ディージェイ君が試合の空気を読まずに……勝手な行動ばかりして、フラストレーションが溜まった中で……強引でも、彼を動きを止めないといけない場面が来たからですね……?」

ヤムチャ「……はい」

ブランカ「その事は、ディージェイ君にも、同じように伝えます。彼が理解するまで……何度でも何度でも、同じ事を言い聞かせます。安心して下さい」

ヤムチャ「……ありがとうござます」

ブランカ「二人の微妙に噛み合ってない歯車のズレが、大きくなり、大きくなり……限度越えてしまったからこそ……あそこまでの、騒動になってしまったと……私は思います……」

ヤムチャ「……」

ブランカ「ヤムチャ君がダルシムさんの指示を守り切って……怒らないよう、キレないよう、ディージェイ君にはディージェイ君なりの努力がある事を、理解しようとしていれば……別の手段で、ディージェイ君に対応してあげれたかもしれませんね……」

791: 2015/01/21(水)22:51:08 ID:Z30
ヤムチャ「……俺にも、問題があったって事っすね」

ブランカ「全てがヤムチャ君の責任だというワケではないですよ? ただ、今日の二人は、お互いの信頼が足りなかった……という感じですね……」

ヤムチャ「……信頼?」

ブランカ「まぁ、ヤムチャ君がディージェイ君の事を、どう思っているかはわかりませんが……試合中、迷惑をかけやがって……なんて事を思っていたでしょ?」

ヤムチャ「まぁ、嘘ついても仕方ないので……正直に言いますよ……はい……」

ブランカ「しかし、その事は第五試合で……シャドルーの方達や、空手軍団のリュウさんやケンさんも、ヤムチャ君に対して、思っている事なんですよ……」

ヤムチャ「……えっ?」

ブランカ「あの方々にとっては、ヤムチャ君がディージェイ君に感じたように……同じように、どんな行動をするか読めない存在です」

ヤムチャ「……」

ブランカ「彼らは、そんなヤムチャ君にも……何とか自分の意思を伝えよう、伝えようと……ヤムチャ君に、優しく接してくれませんでしたか……?」

ヤムチャ「そうっすね……すいません……ダルシムさんの、指示……守れてませんでした……」

794: 2015/01/21(水)23:05:50 ID:Z30
ブランカ「私達は、リングの上で、プロレスという形式で……相手を痛めつけ、殴り、投げ、戦っています……」

ヤムチャ「……はい」

ブランカ「だけど、そこに本当の憎しみ……殺意……そういったものがあっては、なりません……」

ヤムチャ「……はい」

ブランカ「どんな相手でも、何があっても……相手の事を信頼して……優しく接してあげて下さい」

ヤムチャ「わかりました……今日の俺には……そういう所が足りませんでしたね……」

ブランカ「まぁ、他にも細かな部分の粗はあったような気がしますが……大まかな部分はこんな感じですね?」

ヤムチャ「……指導、ありがとうございます。勉強になりましたよ」

ブランカ「後の細かな部分は、シャドルーの皆さんや、ダンさんにでも、聞いて下さい。確か、飲み会に参加してるんですよね……?」

ヤムチャ「あっ、はい。参加してます」

ブランカ「ヤムチャ君は、話が早くて助かりますよ……まぁ、初めて私と試合した後は、どうなる事かと思いましたけどね……?」

ヤムチャ「いや、あれはですねぇ……初めての第二試合で、こっちもよくわからなかったから……」

ブランカ「まぁ、そういう事にしときましょうか。では、ダルシムさん……今日も私とディージェイ君の反省会に付き合って下さい……」

ダルシム「私は、君程強く言う事は出来んがなぁ……まぁ、相槌を打つぐらいは、出来るだろう……わかったよ……」

798: 2015/01/21(水)23:21:46 ID:Z30
ヤムチャ「俺も、そっちの反省会参加しなくていいんですか……? 俺も、今は第二試合ですよ……?」

ダルシム「あ~、ヤムチャ君が来るのは勘弁してくれ……その場にヤムチャ君がいたら、ディージェイ君が全ての責任をヤムチャ君になすりつけようとして、また喧嘩が始まりそうだ……もう争いはこりごりだよ……」

ヤムチャ「いや、でも……」

ダルシム「シャドルーさん達に、指導されているんだろう……? あんなエース格の指導を受けているなんて……恵まれた事なんだぞ?」

ヤムチャ「……はぁ」

ダルシム「こ~んなベテランの老体連中と、仲良くしてもいい事はないぞ? ディージェイ君は仲良くする相手が私達しかいないだけだ」

ヤムチャ「う~ん……それはそれで、アイツも可哀想な気がしますねぇ……ミュージックファイターってヤツ、目指してるんでしょ?」

ダルシム「そもそも、私はミュージックファイターとは何かが、さっぱりわからんがな……あっ、そうそうヤムチャ君……?」

ヤムチャ「……ん?」

ダルシム「ラストの投げはよかったが……交代した間際にディージェイ君に飛び蹴りを仕掛けただろう……?」

ヤムチャ「あっ、はい! あれ、やっぱり荒かったですよね?」

ダルシム「荒かった、が……工夫次第では派手な技に出来る可能性を感じたよ……まぁ、シャドルーの皆さんにでも、相談してみたらどうだ? あの人達は、我々と違って派手に見せる攻防をしているんだからな」

ヤムチャ「うっす。俺も、思っていた部分はありました! わかりました、相談してみます!」

ダルシム「なんだ、自分でも思っていたのか……なら余計な一言だったかな……? まぁ、その調子で精進してくれ……」

ヤムチャ「うっす!」

ダルシム「では、ブランカ君……次は、ディージェイ君の指導に行こうか……? 彼はヤムチャ君程飲み込みが早くないからなぁ……困ったもんだ……」

ブランカ「……ダルシムさんも、もう少し強く言うべきなんですよ。ダルシムさんは、優しすぎる所がありますから」

ダルシム「そうは言ってもなぁ……私は温厚なんだよ……そういうのには向いていない……」


ヤムチャ「ブランカさん、ダルシムさん! 指導、ありがとうございました!」ペコッ

801: 2015/01/21(水)23:36:38 ID:Z30
プーアル「あら、ヤムチャ様……ブランカさんとは、犬猿の仲でしたのに……どうしちゃったんですか……?」

ヤムチャ「いや、さぁ……前にダンさんに言われた事なんだけどよぉ……?」

プーアル「はい」

ヤムチャ「リングにいる対戦相手は、敵であり味方だ……レフェリーのダンさんも、中立の立場であり味方だ……って、言われたんだよ……」

プーアル「あ~、確かに、そんな事言ってましたねぇ……」

ヤムチャ「今日の試合で、よくわかったよ……まぁ、俺はディージェイの事を、邪魔をする敵……なんて、思ってたけどさぁ……?」

プーアル「はい」

ヤムチャ「俺、一人じゃ難しい事でも……中立の立場のダンさんや、敵であるブランカさんが……スッって俺の事、助けに来てくれたんだよね……?」

プーアル「……そうだったんですか」

ヤムチャ「信頼だよ、信頼……そうだよ、あの人達は俺が困った時、助けてくれるんだから……俺も、もっとあの人達の事、信じなきゃいけねぇ……あの人達も仲間なんだよ」

プーアル「なるほど!」

ヤムチャ「あの試合の復讐は……勿論、いつか絶対にしてやるよ……? でも、それは殴る蹴るじゃなくて……」

プーアル「はい」

ヤムチャ「あの人喰っちまうような、格好いい所見せて……第五試合に戻るための踏み台にする事が復讐だよ」

プーアル「そうですね! それがいいですよ、ヤムチャ様!」

ヤムチャ「まぁ、とりあえず、今は勉強だ……他の試合を見て、自分に足りない部分探してみるか……俺が盛り上げすぎちまったせいで……さくらちゃんの事も、ちょっと心配だしな……」

プーアル「でも、僕はヤムチャ様コールが起きてた時、嬉しかったですよ? まさか、あのヤムチャ様が! なんて、思いました」

ヤムチャ「……ここは、そういう試合する所じゃねぇんだって。とりあえず、さくらちゃんの試合見るか。もう始まってるんじゃねぇか?」

802: 2015/01/21(水)23:53:35 ID:Z30
ーーー


さくら「春風脚っ……!」ガスッ

キャミィ「……くっ!」

さくら「はああぁぁっ! たああぁぁっ!」ガスガス

キャミィ「ぐっ……うっ……くっ……!」


実況「さぁさぁ、さくらの春風脚っ! 身体を回転させながらの、連続回し蹴りを叩き込む! 二発……三発……そして、四発っ!」

ローズ「こういったスタイルが、さくら選手の持ち味です。いいリズムで戦ってますね」


さくら「……とどめっすっ! はぁっ!」ガスッ

キャミィ「……くっ!」


実況「そして、締めのハイキックっ! 下から、キャミィの顎を蹴り上げたぁ! これには、キャミィもダーウンっ!」


さくら「よしっ……! いい感じっす……!」

キャミィ「……甘いっ!」シュッ

さくら「うっ……うおっと……!」

キャミィ「……はあぁっ!」


実況「おっと、だがしかし、すぐ様さくらに水面蹴りっ! ダウンと同時に身体を捻らせ、そのまま仕掛けたぁ!」

ローズ「……やっぱり、上手いですね。キャミィ選手には、テクニックだけではなく、こういったまるで猫のようなすばしっこい所があるんですよ」

817: 2015/01/22(木)22:07:42 ID:q8q
さくら「くっ……やるっすね……!」

キャミィ「……ここがチャンス、仕掛ける!」ダダッ


実況「そして、キャミィは素早く起き上がり、そのままロープに走ったぁ! 実にスピーディな動きだ!」

ローズ「さくら選手の、起き上がりに合わせて……何か、狙ってますね!?」


さくら「くっ、素早い相手っす……折角、いい感じで責めれてたのに……」ムクッ

キャミィ「……ターゲット、ロックオン!」

さくら「ヤバい……! 来たっ……!」

キャミィ「……スパイラルアロー!」シュッ

さくら「……くあっ!」


実況「さぁ、そして起き上がりに合わせて……回転をつけた低空のドロップキック! スパイラルアローを当てたぁ! さくらに傾きかけた流れを、モノにさせませんっ!」

ローズ「キャミィ選手のこういう所が……強いんですよ。一瞬の隙をついて、トリッキーな動きからの攻撃や……複雑なサブミッション……隙を見せたら、すぐにペースを崩され、キャミィ選手のペースにもっていかれます……」

818: 2015/01/22(木)22:19:13 ID:q8q
キャミィ(反応……お客さんの、反応は……!?)キョロキョロ

さくら「くそっ……まだまだ、負けないっすよ……」

キャミィ(来ないっ……! くっ、もう試合は終盤に差し掛かっているのに……!)


実況「しかし、そういった攻防こそが、男性と違う女性の試合の魅力じゃないでしょうか、ローズさん?」

ローズ「そうですね。やはり、単純な筋力……力などでは、男性の方が上ですからね。そういった事も、勿論必要ですが、私達はそういった事を見せていかないと、いけません」

実況「キャミィのファイトスタイルを見る限り、そういったモノを本能的にでも、持ち合わせているんでしょうかねぇ?」

ローズ「そうですね、持ってると思いますよ……キャミィ選手は……」


キャミィ(くっ……! 今は考えている時間はないっ……! とにかく、責めないと……!)

820: 2015/01/22(木)22:33:45 ID:q8q
キャミィ「……はぁっ!」シュッ

さくら「!」


実況「おぉ~っと! これはまた、そのトリッキーな動きを見せたっ! ダウンしているさくらの身体を……側転の様な動きで跨いで……!」

ローズ「……何か、狙ってますね」


キャミィ「ミッション、左腕の破壊……ターゲット、ロックオン!」ググッ

さくら「な、何か狙ってるっすね……!?」


実況「そのまま、さくらの真横で左手一本で倒立だぁ! コイツは、何を狙っているんだ!?」

ローズ「……ちょっと、これは読みにくいです」


キャミィ「その腕を破壊する……いくぞっ……!」シュルッ

さくら「狙いは……腕……!?」


実況「おっと、その状態から……自分の身体を落とすと同時に、勢いをつけつつながら、自分の両足と右手をさくらの左腕に絡めたぁ!」

ローズ「あそこから、腕ひしぎ逆十字に、持っていきましたね!」

実況「トリッキーな入りの腕ひしぎ逆十字固めだぁ! 落ちてくる勢いもプラスさせて……さくらの左腕を一気に引き延ばす!」

821: 2015/01/22(木)22:41:56 ID:q8q
パチパチ……パチパチ……


キャミィ(違うっ……! 拍手じゃない……拍手じゃないんだ……!)

さくら「う、うわああぁぁっ……!」


実況「さぁ、さくらの腕が引き伸ばされる! これで決まってしまうのか!?」


キャミィ(春麗さんと、私……何が違うんだ、何が……!)

さくら「くっ……あっ……負けないっすよ……!」ジタバタ


実況「さくらが?く! 懸命に?くっ! ロープまで逃げようと、必氏に暴れている!」

ローズ「どうでしょうか……? でも、ここが勝負の分かれ目ですね!」

実況「これ、完全に決まってるんでしょうか、ローズさん!?」

ローズ「いい具合に決まってはいますけど……完全では、ないです! さくら選手も、ピンポイントはギリギリ避けたようですが……早く逃げないと、危ないです!」

824: 2015/01/22(木)22:53:56 ID:q8q
キャミィ「……無駄な足掻きだっ!」ググッ

さくら「負けないっす……! 絶対に負けないっす……!」ジタバタ


実況「さぁ、さくらが懸命に暴れて……キャミィの身体を引きずりながら、ロープに近づく!」


ダン「おい、さくら! 大丈夫か!? ギブアップすんのか!?」

さくら「ノーっすよ! ノー! ロープまで、後少しっす……! ここで諦めて、たまるかっす……!」

キャミィ「……くっ、粘るな。だが容赦はしないぞ!」グググッ

さくら「……くっ、うわああぁぁっ!」


実況「さぁ、ロープまでさくらが近づいてきたが……ここでキャミィも決めにいったか!? より一層、力を振り絞りさくらの左腕に力を加える!」

ローズ「あぁ、さくら選手……動きが止まってしまいましたね……ロープまで後、少しなのに……!」

実況「いつもは天使のような、さくらの笑顔が、本日は苦悶の表情に歪む! 本日のベルトを賭けた一戦……激しいぞ! 激しすぎる!」

827: 2015/01/22(木)23:05:33 ID:q8q
ダン「おい、さくら……! もう限界だ……! おめぇがギブアップしねぇなら無理矢理にでも……」

さくら「……だああぁぁぁっ!」ガシッ

キャミィ「……くっ」


実況「おっと、ここでさくらが最後の力を振り絞り……ロープを掴んだ! 逃げ切った! ロープブレイクで何とか逃げ切ったぁ!」


さくら「ロープブレイクっすよ、ダンさんっ……! もう、こっちも限界っす……! 早く、止めて下さいっ……!」

ダン「おう、わかったぜ! オラ、キャミィ! ロープブレイクだ、とっとと手を離せ!」

キャミィ(ここで素直に離していいのだろうか……? 私がレフェリーの指示に逆らえば……この試合はもっと盛り上がるのだろうか……?)


実況「さぁ、ここでレフェリーが、キャミィを制します。この辺りは、さくらのキャミィ対策と言えばいいのですかねぇ、ローズさん?」

ローズ「まぁ、結構していたみたいですからねぇ……生きたと言えば、生きたのですが……」

実況「おっと……少しばかり、勿体ぶったような言い方な気もしますが……どうなされたんですか?」


キャミィ(春麗さんなら、どうするだろうか……? 試合を盛り上げる為に、ここでどういった行動をするだろうか……くっ、私は春麗さんじゃない……!)

828: 2015/01/22(木)23:17:40 ID:q8q
ローズ「さくら選手は、キャミィ選手対策で……まぁ、キャミィ選手を意識しての戦い方をしている……とは、感じられるんですけど……」

実況「そういえば、何度かキャミィのCQCのフェイスロックに対抗して……変形クイックフェイスロックを、仕掛けようとしていたりしましたねぇ?」

ローズ「……でも、あれって結局、キャミィ選手にはまともに仕掛けれてないでしょう?」

実況「あぁ、確かに……試合中、何度か仕掛けようとしていましたが、猫のような素早い動きで逃げられた箇所もありましたね? やはり、自分の必殺技の弱点……仕掛けられた際の、脱出方法などは……自分自身が一番よくわかっているのでしょうかね?」

ローズ「……私は、そうは思いません」

実況「ほう……と、言いますと……?」

ローズ「キャミィ選手対策で、キャミィの攻撃に対応する事は出来ています、が……その分、さくら選手の持ち味が活かせてないのではないかと、思うんですよね……?」

実況「……ほう」


ダン「おい、コラ! キャミィ、離しやがれ!」

キャミィ「……くっ」パッ

さくら「うあっ……くっ、助かったっす……今のは、マジでヤバかったっす……」

キャミィ(もういい……! 私は春麗さんじゃない……チャンピオンじゃない……! 今は、自分に出来る事をしよう……それだけだ……!)

829: 2015/01/22(木)23:27:57 ID:q8q
サクラチャーン! ナイスファイトー!

さくら「へへ、応援ありがとうございます……まだまだ、負けないっすよ……」ムクッ


実況「さぁ、今さくらが起き上がりました、が……」

ローズ「……結構、左腕を気にしてますねぇ? やはり、ダメージが大きかったんでしょう」

実況「ロープに手をかけながら、何とか立ち上がった、という印象です……ここから、巻き返せるか!?」


さくら「やっぱり、チャンピオンの道程は遠いっすね……そう楽な道程じゃないっす……」プルプル

キャミィ(勝手な事を……じゃあ、私の気持ちはどうなるんだ……!?)

さくら「でも……チャンピオンへの道程は、絶対諦めないっすよ……!」

キャミィ「……くっ!」ダダッ


実況「おぉ~っと、だがしかし! 間髪入れずにキャミィが向かって来たっ! ここが勝機と見たか!? キャミィが全力で突っ込んでくるっ!」

830: 2015/01/22(木)23:40:32 ID:q8q
キャミィ「……ターゲット、ロックオン!」

さくら「くっ、来たっ……! や、ヤバいっす……!」


実況「さぁ、キャミィが勢いつけて、走り込んでくる! 狙いはキャノンスパイクか!?」


さくら「って、言いたい所だけど……キャミィ対策、完全に出来てますよ……たああぁぁっ……!」ダダッ


実況「おっと、だがしかし、さくらの目はまだ氏んでいない! 走り込んでくるキャミィに対して……自らも突っ込んだぁ!」

ローズ「咲桜拳ですかね!? さくら選手も勝負かけてきました!」


さくら「目には目を……歯には歯をってヤツっすよ……よっと……!」ククッ

キャミィ「……何っ!?」

さくら「上手くタイミング合わせて……カウンターで決めれたっすよ……! スクールボーイ……いや、スクールガールっす!」


実況「いや、違うっ! 走ってくるキャミィの股の下にカウンターで手を差し込み、そのまま自らも倒れこんで丸め込んだ! これはスクールガールだ! さくらがクイックの丸め込みで勝負を決めにいった!」

ローズ「上手く意表をつきましたけど……どうなんでしょうか!?」

831: 2015/01/22(木)23:49:16 ID:q8q
さくら「レフェリー……! こっちも限界っすっ……! 早く、カウント取ってくれっす……!」

ダン「オーケー! 任せておきな!」


実況「そして、今レフェリーがカウントに入る!」


ダン「ワンっ……!」

ワー、ワーワー

ダン「ツーっ……!」

ワー、ワーワー

ダン「……スリ」


キャミィ「……くっ!」ガバッ


実況「いや、だがしかし、キャミィも何とか返す! カウントは2.8! 2.8で返していく! さくらのスクールガールは惜しくも、仕留める事が出来なかったぁ!」


ダン「カウントは2! カウント2だ!」

さくら「くっ、意表を突いたはずだったのに……カウントはツーっすか……」ムクッ

キャミィ(もういい……もういいんです……)ムクッ

834: 2015/01/23(金)00:01:12 ID:9Bh
キャミィ「舐めた真似を……!」シュッ

さくら「……くっ!」


実況「さぁ、両者が起き上がり……いや、すぐ様キャミィが仕掛けた! 打ち下ろしのチョップでさくらを攻めていく!」

ローズ「キャミィ選手は、いつ大技をしかけてくるか読めませんからね……チョップの連打に見せて……やはり、予想外のタイミングで仕掛けてくると、思います……」


キャミィ「はぁっ……! たあっ……!」ガスガス

さくら「くっ……こっちも、もう限界っす……! でも、見えたっ……! そこだぁ!」グイッ

キャミィ「……何っ!?」


実況「キャミィの連打のチョップで、さくらは……おっと! ここでさくらが上手くキャミィの左腕を掴んでブロック! 何とか堪えたぁ!」


さくら「キャミィさんの対策してたら……色んな、技覚えましたよ……今度は、こうやって、と……」グルンッ

キャミィ「……何っ!?」


実況「そのまま、キャミィの身体を跨ぐようにして……その勢いのままキャミィの身体を転がして丸め込みにいったぁ! ラ・マヒストラル!」

ローズ「ブロックから……上手く、クイックで丸め込みにいきましたね!」

実況「一度でダメなら、もう一度! 再びクイックモーションでの丸め込みを仕掛ける! さぁ、今度はどうだ!?」

836: 2015/01/23(金)00:07:40 ID:9Bh
さくら「レフェリー! こっちも、もう限界っす……! 早くして下さい……!」

ダン「オーケー、任せな! 俺は仕事はちゃんとするタイプだからよぉ!」


実況「そして、再びレフェリーがフォール入る! さぁ、今度はどうだ!?」


ダン「ワンっ……!」

ワー! ワーワー!

ダン「ツーっ……!」

ワー! ワーワー!

ダン「……スリ」


キャミィ「……負けるかぁ!」ガバッ


実況「カーウント、2.9! カウント2.9であります! これもキャミィがギリギリの所で返していったぁ!」

ローズ「惜しかった……です……」


ダン「カウントは2だ! カウントは2! まだ、決まってねぇぞ!」

さくら「後少しなのに……後少し……ベルトまでの道程は、本当に後少しなのに……それが遠いっす……」

キャミィ(道程なんて、遠いものではない……! それは、私が一番良く知っている……!)

838: 2015/01/23(金)00:17:30 ID:9Bh

ワー! ワーワー!

実況「さぁ、場内が大熱狂っ! こいつがどちらが勝手も可笑しくない勝負だ! 幸運の女神が微笑むのは……いや、ベルトを手にする幸運の女神自身なのは、キャミィかさくらか……どちらの選手なのか!?」


さくら「こうなったら……新必殺技の……変形クイックフェイスロックで……」

キャミィ「……慣れない、トリッキーな技ばかり打って、それで私に勝つつもりか?」

さくら「……こっちは絶対にベルトを、取ってやるっす! その為だったら、何だってやるっす!」

キャミィ「お前の技は、まだまだ未熟だ……そのような未完成な技では……私を仕留める事は出来んぞ……!?」

さくら「……何っ!?」

キャミィ「未熟な技と、私の本物の技……その違いを身を持って知るといい……! いくぞ、本物の技を、教えてあげよう……!」シュッ

さくら「……早いっ!」

キャミィ「……プレゼント、フォー、ユー!」

849: 2015/01/23(金)22:11:28 ID:MbM
ワー! ワーワー!

実況「ここでキャミィが仕掛けたぁ! 正面からさくらの両肩に飛び乗り……そのまま頭上で、首捻るっ!」


キャミィ「……イージーっ!」グキッ

さくら「……ガッ!」

キャミィ「……」シュルッ


実況「そして、そのまま流れるように、さくらの背後に降り立ち、足を救って転ばせたぁ! キャミィは、そのまま腕を取り……腕ひしぎ逆十字固めへ!」


キャミィ「……ヤッ!」

さくら「……くああぁっ!」グキッ

キャミィ「……」シュバッ


ワー! ワーワー!

実況「さらにさらに、キャミィの身体が天高くそびえ立つ! 美しい倒立を見せながら……身体を回転させるっ!」

851: 2015/01/23(金)22:21:45 ID:MbM
実況「その流れのまま、さくらの腕をロックしながらのフェイスロック体勢っ! 摩訶不思議な動きだ! 実に摩訶不思議な動きで、さくらの首! 腕! 顔! 連続関節技のオンパレード!」

ローズ「CQC、出してきましたね!」

実況「キャミィ・クイック・コンビネーション! 略してCQC! キャミィもここで勝負をかけてきたぁ!」


キャミィ(もう、これで終わりだ……これで……)ググッ

さくら「……く、くああぁっ!」

ダン「おい、さくらっ! どうすんだ、ギブアップすんのか!? ギブアップをよぉ!?」


実況「ロープまでの距離が遠いっ! リングのど真ん中で仕掛けられているぅ! さぁ、さくらはどうする……!?」

ローズ「いい位置で仕掛けていますね……完璧です……」

ワー! ワーワー!

実況「キャミィが仕留めきるかぁ! さくらが逃げ切るかぁ! 場内は大熱狂ですっ!」

852: 2015/01/23(金)22:30:06 ID:MbM
さくら「く、くああぁっ……!」

キャミィ「……」ググッ

さくら「ダ、ダメっす……このままじゃ……本当に……」

ダン「おい、さくら! どうすんだ!? ギブアップか!?」


実況「さぁ、さくらも粘っているが、その表情は苦悶に満ちている! これは苦しい! ロープまでの距離が遠いっ!」


ダン「どうすんだ!? ギブアップするのか!? ギブアップをよぉ!」

さくら「くっ……! ギ、ギブ……っす……!」

ダン「おい、ギブアップだ、ギブアップっ! ゴング鳴らせ、ゴングをよぉ!」


カンカンカーン


実況「あ~っと! だがしかし、ここでギブアップっ! 流石にさくらもこの技には耐えられなかったか!?」

ローズ「最近、さくら選手は勢いに乗っていたんですが……キャミィ選手の仕掛けが完璧でしたね……キャミィ選手が一枚上手でした……」

853: 2015/01/23(金)22:41:26 ID:MbM
さくら「く、くああぁっ……!」

ダン「おい、キャミィ……! ゴングが聞こえねぇのか!? とっとと、離しやがれ、おめぇの勝ちなんだからよぉ!?」

キャミィ(終わった……やっと、終わった……)スッ

ダン「お、おう……それで、いいんだよ……それで……」


実況「さぁ、キャミィがベルトの初防衛に成功しました……春麗から奪い……そして、さくらから防衛に成功しました! こいつは、いよいよキャミィが止められなくなってきたかぁ!?」

ローズ「……そうですね」

実況「さぁ、今……防衛に成功したキャミィが、勝ち名乗りを……おっと……?」


キャミィ(今日の試合後の締めは、さくらさんがやってくれます……だがら、私は、もう戻りましょう……)

ダン「おい、キャミィ……何やってんだよ!? おめぇの勝ち名乗り、しなくちゃいけねぇだろが!?」


実況「おぉ~っと! 勝ち名乗りを受けずに……キャミィが退場します。実にクール! 実にクールだ!」

ローズ「……そうですね」

実況「これは……どうなんでしょう……? 新チャピオンからしたら……まだまだ、お前達など眼中にない……! この程度の勝利など当然である! そういった、メッセージだと考えてもいいんでしょうかね!?」

ローズ「悔しいですけど……あの振る舞いを見ていると、そう思うしかありませんね……」

854: 2015/01/23(金)22:50:23 ID:MbM
ーーー


ヤムチャ「……なぁ、プーアル?」

プーアル「……どうしたんですか、ヤムチャ様?」

ヤムチャ「今の、さくらちゃん達の試合と……俺の試合……どっちが盛り上がってた?」

プーアル「それは……」

ヤムチャ「俺は、自分の試合はリングの中にいたから、わからない部分もあったけど……プーアルはどっちも、外から見てるだろ……? だから、正直に行ってくれよ……?」

プーアル「う~ん、それは……ヤムチャ様達の試合の方が、盛り上がってました……」

ヤムチャ「そうだよな……俺達の試合は、もっと歓声があったような気もするし……もっと、盛り上がってたような気がするよ……」

プーアル「……」

ヤムチャ「わかんねぇよな……さくらちゃん達の方が、複雑な技も派手な技もしてるのに……もっと盛り上がってもいいんじゃねぇの……? 俺のコールがあったんだから、さくらちゃんコールや、キャミィさんコールがあってもいいじゃねぇか……」

プーアル「……そうですよね」

ヤムチャ「今、さくらちゃん、マイクアピールで盛り上げようとしてるけど……やっぱり、あれも俺の責任なのかねぇ……?」

プーアル「ヤムチャ様一人の責任じゃないですよ。ディージェイさんにも責任はありますよ……それは、ブランカさんも言ってたじゃないですか……」

ヤムチャ「まぁ、そうだけどさ……やっぱりね……」

858: 2015/01/23(金)23:01:46 ID:MbM
ーーー


実況「さぁ、さくらがリベンジ宣言をして、今退場しています! 会場からは温かい拍手だ!」

ローズ「そうですね。チャンスはきっと、また来ますからね」

実況「では、今日の試合のポイントなどを……ローズさんに伺ってみましょうか!? 同じ女子選手からの目線で……勝敗の分かれ目になったポイントなんかを教えて頂けますかねぇ!?」

ローズ「う~ん……私は、何処が分かれ目だったかと言うより……全体的なさくら選手の動き……だったと、思います」

実況「さくらの全体的な動き……? それは、どういった事でしょうか……?」

ローズ「さくら選手のキャミィ選手対策は、完璧でしたよ? 完璧でした。キャミィさんの動きへの対応は、素晴らしかったと思います」

実況「確かに! 今日の一試合は、非常にスピーディで、見応えのある一戦でしたね!」

ローズ「でも、そういう試合って……キャミィ選手が、得意にしている試合で……さくら選手の試合って、普段はそういう感じでは、ないと思うんですよ?」

実況「……ほう!」

ローズ「キャミィ選手に対応する為に、ファイトスタイルを変えたのはいいが……その結果、自分の持ち味を活かせてないんじゃないかと……私は、思いましたね」

実況「確かに、普段のさくらは、もっとこう……なんというか……バンバンと責めていくスタイルのような気もしますね!」

ローズ「まぁ、そういった相手の得意な試合展開に、持って行かせないというのも、キャミィ選手の強みですけどね。私も、キャミィ選手と戦う時は……いつも、相手のペースに飲まれてしまいます」

859: 2015/01/23(金)23:24:44 ID:MbM
ローズ「でも、さくら選手の場合……まぁ、私とは違いますからねぇ?」

実況「確かに……! 今、さくらは乗りに乗っているぅ! そして何より、若さが違うっ!」

ローズ「……怒りますよ?」

実況「おっと、申し訳ありません……! ローズさん、続けて下さい……」

ローズ「ラストの丸め込み……あの場面は、普段のさくら選手なら……咲桜拳、いってたんじゃないですかねぇ……?」

実況「あぁ、確かに……! ローズさんは、言っていましたねぇ……?」

ローズ「ちょっと、今日の試合は……キャミィ選手に飲ますぎていました……自分の持ち味、出せてませんでしたね」

実況「相手に、合わせたファイトスタイルもあるが……! 自分自信のファイトスタイルを貫き通す事も大事! そういう事ですね!?」

ローズ「ええ、それが出来ていた……チャンピオンのキャミィ選手……そして、それを出来なかった、挑戦者のさくら選手……勝敗の分かれ目を言うのなら……そこじゃないですかね?」

実況「な~る程、ではリベンジの際には……その自分ファイトスタイルを貫き通す事の出来ている、さくらを期待しましょう!」

ローズ「まぁ、その前に……私がベルト、取っちゃいますかもしれませんよ……? 勿論、私だって狙っています。今日の試合で、色々とキャミィさん攻略のヒントも見つけましたしね?」

実況「おぉ~っと、キャミィの攻略のヒント……!? それは一体、どうようなものなのですか、ローズさん!?」

ローズ「ふふ、それはまぁ、秘密です。まぁ、先ずは挑戦権を得る所からですね……試合で、お見せ出来ればいいなと、思ってます」

実況「それぞれが、ベルトを奪う為に秘策を練る! そして、それを迎え撃つキャミィ! 女達の熱い戦いはまだまだ始まったばかりだ! では、これからのベルトの行方に注目していきましょう!」

ローズ「そうですね。応援、よろしくお願いします」

実況「さぁ、といった所でそろそろお時間だ! 第二試合の中継終了させて頂きます! 美しい女性がいて、私本日の実況はちょっぴりテンションが上がっちゃったぞ! 本日のゲスト解説は……」

ローズ「ローズです。ありがとうございました」

実況「CMの後は、タッグベルト選手権っ! 王者のナッシュ・ガイル組に挑むはっ……!」

861: 2015/01/23(金)23:31:58 ID:MbM
ーーー


ローズ「……ふぅ」

さくら「ローズさん、お疲れ様っす! 解説の方は、どうでしたか?」

ローズ「うん。まぁ、やれる事はやったつもりよ。今日は、真面目に実況してもらえたし……やっぱり、気を使ってくれてるみたい。ちょっと、最後にぶっ込まれちゃったけどね?」クスッ

さくら「まぁ、皆で頑張っていくしかないっすよ……自分も頑張りますから……女子部一丸となって、このピンチを乗り越えていきましょう!」

ローズ「……そうね」

かりん「……そうですわね」

キャミィ「……」

さくら「キャミィさん……?」

キャミィ「……」

さくら「ねっ、キャミィさんも、頑張りましょうよ……? 今日の試合……よかったっすよ……? いつもより、盛り上がってたじゃないっすか……?」

862: 2015/01/23(金)23:41:39 ID:MbM
ローズ「……どうなのかしら?」

さくら「いやいや、盛り上がってたっすよ! 盛り上がってじゃないっすか!? ローズさん、あの会場の熱狂、聞こえてないっすか!?」

ローズ「確かに、いつもよりは……よかったわよ……?」

かりん「でも、ディージェイさんの試合が……今日は、予想外でしたからねぇ……」

さくら「かりんは、余計な事を言わなくていいっす! 他所は他所、うちはうちっす!」

ローズ「……結構、食われちゃったかもしれないわね」

かりん「女子部が、準備万全で臨んだ時に限って……いつも、こういう事が、起きますわね……春麗さんの怪我の時もそうだったし……」

さくら「いない人の事を、今ここで言っても仕方ないっすよ! 今、現状で出来るベストな試合をするしか、ないじゃないっすか!?」

かりん「そうね……では、春麗さんの事は忘れて……今日の試合の事を話しましょうか……」

さくら「……そうしましょう。それがいいっす、それが」

かりん「試合終わった後の、キャミィなんですけど……あそこは、もうちょっとアピールしてもよかったと思いますわ? キャミィは、チャンピオンなんですから……もっと、堂々とするべきですわよ」

キャミィ(……チャンピオン)

863: 2015/01/23(金)23:52:51 ID:MbM
ローズ「アレ……? あれは、シャドルー入隊の為の演出じゃなかったの……?」

かりん「……あら?」

ローズ「ちょっと、私はヒールっぽいキャミィちゃんだと、思ったわよ? キャミィちゃん、シャドルー加入の話受ける決心がついたように……私は、思えたなぁ」

キャミィ(……シャドルー)

ローズ「どうなの、キャミィちゃん? 結局、あの話受ける事にしたの……?」

さくら「あ~、あ~、違うっすよ……! あれは……今日は自分のマイク締めるから……キャミィさんはとっとと帰ってくれって、自分が指示しただけっす……自分の指示っすよ!」

ローズ「……そうなんだ? でも、結果的に良かったんじゃない? シャドルー入隊のきっかけにはなると、私は思うわよ」

かりん「……キャミィが、シャドルー加入したら、チャンピオンとしての威厳もつきそうですわねぇ」

キャミィ(私に威厳なんてない……私は春麗さんじゃない……)

ローズ「どうするの、キャミィちゃん?」

かりん「話を進めるなら……早い方がいいですわ……」

さくら「だから~、どうして皆して、キャミィさんばかり……」


キャミィ「……もう、チャンピオン辞めたいです」ボソッ

879: 2015/01/24(土)22:15:15 ID:JC3
ローズ「……キャミィちゃん、何言ってるの?」

かりん「あのね、キャミィ……」

キャミィ「私に春麗さんと、同じだけの事は無理です……キャリアも違うし……ファイトスタイルだって違うんですから……」

さくら「別に、春麗さんと同じ事をしろって言ってるんじゃないですよ……! キャミィさんは、キャミィさんのやり方で……チャンピオンやればいいじゃないですか!?」

ローズ「そうよ。今、ベルトを巻いているのは、キャミィちゃんなんだから……」

かりん「ベルトをたらい回しにして……どんぐりの背比べを続けるつもり……?」

キャミィ「そんな事、言ってますけど……ただ、責任を私に擦りつけてるだけじゃないですか……!」

さくら「そんな訳ないっすよ……! ねっ、皆でキャミィさんの事、サポートしますから……」

キャミィ「数日前までは……皆で力を合わせて、盛り上げていこうと……第三試合でも、一丸となっていた女子部だったのに……今は、そうじゃない……」

さくら「だから、そういう状況だからこそ……皆がね……?」

キャミィ「……今は、プロレスが楽しくありません」

880: 2015/01/24(土)22:23:34 ID:JC3
ローズ「……キャミィちゃん、ちょっと責任感が足りないんじゃないかな?」

かりん「そうですわ……力がつけば、それだけ重い役割を任せられる……それは、当然の事でしょう……?」

キャミィ「私が、ベルトを巻いたのなんて、事故でしょう!? 私には、そんな器はまだなかったんです!」

ローズ「だから~、事故であれ何であれ……キャミィちゃんがベルトを巻いたのは事実……それは、わかる……?」

かりん「ベルトを巻いたんだったら、それらしい振る舞いが求められますわ」

キャミィ「だったら、ローズさんやかりんが巻いたらどうですか!? それなら、私も全力で二人の事をサポートしますよ! 私はそっちのタイプです!」

ローズ「……私はキャミィちゃん程、人気がないでしょ? もう、おばさんだし」

かりん「私だって……キャミィ程、上手い試合なんて、まだまだ作れませんよ……」

キャミィ「私だって、春麗さん程、人気もないし……上手い試合なんて作れませんっ……!」


さくら「ブレイク……ブレイクっ……! 一旦、皆さん落ち着きましょう……ブレイクっす……!」アセアセ

881: 2015/01/24(土)22:35:05 ID:JC3
ローズ「これを機に、キャミィちゃんが、春麗さんみたいになればいいだけじゃない……そうでしょ……?」

キャミィ「だったら、ローズさんが私みたいになってくれても、いいんじゃないですか!?」

ローズ「私は、おばさんだから無理よ……キャミィちゃんみたいな色気はないなぁ……」

かりん「実力はあるのに、何言ってるのよ……キャミィ……」

キャミィ「かりんさんも、もっと実力つけて下さいよ……! そうしたら、チャンピオンになれます! ベルトを巻けます!」

かりん「ちょ、ちょっと……何で、私に矛先が向いているんですの……?」


さくら「ババ抜きやってるんじゃないっすから……何で、ベルトの押し付け合いみたいに、なっちゃうっすかねぇ……?」

キャミィ「……さくらさん!」

さくら「……ん?」

キャミィ「次の試合で……私から勝って、ベルトを奪って下さい……私には無理です……こんなベルト、私には無理だったんですよ……」グスッ

さくら(……涙?)

キャミィ「お願いします……もう、私には無理です……」

さくら「あっ、ちょっと……! 待つっすよ、キャミィさん……! そんな話、いきなり言われても……こっちは、納得出来ないっすよ……!」

882: 2015/01/24(土)22:43:09 ID:JC3
ローズ「も~う……何考えてるかしら、キャミィちゃんは……」

かりん「結局、自分だってさくらに責任を押し付けてるじゃない……人の事、言えませんわ……」

ローズ「もうちょっと、責任感持ってやってくれると、いいんだけどねぇ……」

かりん「でも、あの調子じゃ、チャンピオン続けれないんじゃない……? どうしますの……さくらが巻きます……?」

ローズ「……まぁ、今の調子じゃ、そうするしかないのかなぁ?」

さくら「……だああぁぁぁっ! どいつもこいつも、自分勝手に好き放題言いやがって!」イライラ

ローズ「……わっ、ビックリした」

かりん「もう、いきなり大声出さないでよ、さくら……下品ですわよ……でもキャミィには困ったものですわねぇ……」

さくら「キャミィさんだけじゃないっすよ……! ローズさんに、かりん! 二人もっす! 好き放題言ってるのは」

ローズ「……ん?」

かりん「……ん?」

886: 2015/01/24(土)23:00:55 ID:JC3
さくら「キャミィさんは、責任感あるじゃないっすか! 責任感があるからこそ、あぁやって悩んでいるんでしょうが!」

ローズ「結局、ベルトをさくらちゃんに、譲る事が……現状の解決策なの……?」

さくら「二人が、ちょっとずつちょっとずつ、キャミィさんを追い詰めていくから、こうなるんでしょうが! チャンピオンだから、ああしろだ……こうしろだ……そんな小言グチグチ言われたら、そりゃ、わけわかんなくもなっちまうっすよ!」

かりん「春麗さんがいない女子部を盛り上げていかなければ、いけないのは……早急な事でしょう、さくら……?」

さくら「そんな事わかってるっすよ! だから、キャミィさんに巻いてもらったんでしょうが、盛り上げる為に!」

ローズ「……そうよ」

さくら「そりゃ、急遽の事だったんで、キャミィさんには、まだ足らない部分はあるかもしれないっすよ!? 試合表を作ってる、自分のミスもそこにはあるっすよ!」

かりん「……まぁ、そうかもしれませんわね」

さくら「今、キャミィさんにしてあげるべき事は、現状の重圧を再確認させてあげる事っすか? そんなもんは、とっくにキャミィさんはわかってますよ!」

ローズ「……うん」

さくら「今は、皆でキャミィさんの背中を、ちょっとずつ押してあげなきゃいけないんじゃないっすか!? そうやっていく事がサポートなんじゃないんすか?」

かりん「……う~ん」

さくら「な~んで、わざわざ追い詰めるような言葉をチョイスしちゃうんすか? そんな棘のある言葉は、リングの上だけでいいでしょう!?」

888: 2015/01/24(土)23:07:52 ID:JC3
さくら「二人がね……女子部の為に、色々考えて……それをキャミィさんに言ってあげてるのは……本当によくわかってるっす……」

ローズ「……うん」

かりん「……えぇ」

さくら「きっと、そこには善意しかなく……キャミィさんの為になるからこそ、言ってあげてるってのは、本当によくわかってるっす……! それは、本当に感謝してるっす……!」

ローズ「……うん」

かりん「……うん」

さくら「だけど……その行為って、今のキャミィさんには、多分伝わらないと思うんすよねぇ……? 逆効果になってると思うっす……このままじゃ、女子部はバラバラっす……」

ローズ「……そうだね」

かりん「キャミィも……辛いんだもんね……」

さくら「暫く、キャミィさんの事は、自分に任せてもらえないっすか……? 二人は、もう少しキャミィさんが落ち着いてから……言ってあげて欲しいっす……」

889: 2015/01/24(土)23:15:14 ID:JC3
ローズ「さくら一人で、大丈夫……?」

さくら「大丈夫っす……大丈夫……絶対、何とかしてみせるっす……」

かりん「まぁ、明日がオフでよかったわね……キャミィと一日、話し合ってみたら?」

さくら「……そうさせてもらうっす」

ローズ「じゃあ、さくらちゃん……キャミィちゃんの事……」

かりん「……頼みましたわよ?」

さくら「……了解っす」

ローズ「……」

かりん「……」

さくら「ん……? な、何でそんな不安そうな目で見つめてるんっすか……? 大丈夫っすよ、大丈夫! だから、ほら……散った散った……!」アセアセ

890: 2015/01/24(土)23:23:49 ID:JC3
さくら「はぁ、怒鳴るとダンさんそっくりになっちまうっす……慣れない事はするもんじゃないっすねぇ……」


ヤムチャ「あの~、さくらちゃん……」

さくら「うわ……ヤムチャさん……」

ヤムチャ「……」

さくら「その顔……さっきの事、見られてましたね……? うわ~、嫌な所、見られたっす……」

ヤムチャ「俺の試合が派手になっちまったから……その事謝りに来たんだけど……」

さくら「……気にする事、ないっすよ」

ヤムチャ「あっ……! 盗み聞くつもりは、本当になかったんだよ、本当に……! こう、間が悪かったというか……」

さくら「……まぁ、あれだけ大声話してたら、聞くなって方が無茶っすよ」

ヤムチャ「……うん」

さくら「トラブル続きなのは……今日だけじゃなくて、日常茶飯事な事っすよ……」

892: 2015/01/24(土)23:40:28 ID:JC3
さくら「はぁ、怒鳴るとダンさんそっくりになっちまうっす……慣れない事はするもんじゃないっすねぇ……」


ヤムチャ「あの~、さくらちゃん……」

さくら「うわ……ヤムチャさん……」

ヤムチャ「……」

さくら「その顔……さっきの事、見られてましたね……? うわ~、嫌な所、見られたっす……」

ヤムチャ「俺の試合が派手になっちまったから……その事謝りに来たんだけど……」

さくら「……気にする事、ないっすよ」

ヤムチャ「あっ……! 盗み聞くつもりは、本当になかったんだよ、本当に……! こう、間が悪かったというか……」

さくら「……まぁ、あれだけ大声話してたら、聞くなって方が無茶っすよ」

ヤムチャ「……うん」

さくら「トラブル続きなのは……今日だけじゃなくて、日常茶飯事な事っすよ……」

893: 2015/01/24(土)23:49:57 ID:JC3
数十分後ーー


バルログ「……ふぅ、お疲れ様です」


ヤムチャ「バルログさん、お疲れ様です! 派手な試合で勉強になりました!」

プーアル「バルログさん、お疲れ様です!」

サガット「……なかなか、よかったんじゃないか? まぁ、ケンの動きにキレがあったのもあるがな」

バイソン「二人して、派手に飛び回って、格好つけてよぉ! 気に食わねぇな、男だったら、ガツンと拳一つで戦いやがれ!」

バルログ「何言ってるんですか……皆さんが、派手な試合をしたからこうなっちゃったんじゃないですか……まぁ、結果的に良いものは出せましたけどね……?」

ヤムチャ「……」

バルログ「サガット達だって、上手く連携攻撃中心の……タッグマッチならではの試合をしてたじゃないですか? よかったですよ……?」

サガット「……まぁ、な」

バイソン「まぁ、その辺は……ね……?」

バルログ「それに、女子部の試合だってよかったですよ? さくらさんと、キャミィさんが盛り上げて……あの調子だったら、暫くはキャミィさんがチャンピオンでやっていけそうなんじゃないですか……?」

さくら「……」

894: 2015/01/25(日)00:01:22 ID:SmT
バルログ「あれ……? これ、何か私……やっちゃったかな……?」

サガット「……バカ」

バルログ「そ、そうですよねぇ……? そういや、今日はキャミィさんも、飲み会に参加するって言ってたのに……この場にいないって事は……」

バイソン「……そこまで、わかってるんだったら、もう黙ってろ。タコ」

バルログ「お、おかしいなぁ~? 私は、こんなに空気読めないキャラじゃないんだけどなぁ……あれれ~、試合疲れかな、これは……」


プーアル「……さくらさん、キャミィさんとは、まだ連絡繋がらないんですか?」

さくら「……ダメっす。携帯、電源切れてます」


バルログ「いや、あの……違うんですよ……ミスは誰にでもあるんですよ……? これはね……ちょっとした、イージーミスで……イージーミス……!」

バイソン「弁解すればする程、どツボにハマっていくぜぇ、バルログちゃんよぉ……?」

バルログ「そ、そうですよね……? 申し訳ありません……もう、黙ってます……」

897: 2015/01/25(日)00:12:36 ID:SmT
サガット「……まぁ、その事を含めて、反省会の課題だな? さくらちゃん」

さくら「……そうっすね」

サガット「明日がオフがよかったよ。多少の時間の猶予はある……早いうちにキャミィの事も、なんとかしてやらんとな……」

さくら「まぁ、明日はキャミィさんと一日……話し合ってみますよ……」

サガット「なんなら、俺達も加わってやってもいいぞ? 付き合う必要があるなら、付き合うさ」

さくら「いやいや……サガットさん達にも、付き合ってもらうのは、悪いっすよ……」

サガット「どうせ、キャミィとは一度話をしたいと思っていた所だ。なっ、バイソン……バルログ……?」

バイソン「おうっ!」

バルログ「え、えぇ……! 私も付き合いますよ……!」

さくら「……皆さん、ありがとうっす」

サガット「なんだかんだで、さくらちゃんも気苦労は多いだろうからな……まぁ、こういう時は男子部、女子部関係無しだよ……」

さくら「とりあえず……じゃあ、ダンさんの終わり待って……飲み会行きましょうか……?」

サガット「……今日は、潰れるまで飲むなよ? さくらちゃんは酒の飲み方が下手だからな」

さくら「あはは、大丈夫っすよ、大丈夫! 今日はそこまで飲みません! 前の一件でもう反省したっす」

899: 2015/01/25(日)00:25:32 ID:SmT
ヤムチャ「俺さぁ……まだ、プロレスの事はよくわかんないだけどさぁ……?」

さくら「……ん?」

ヤムチャ「キャミィさんは、一度サガットさん達と話をしてみた方がいいと思う……」

さくら「……そう思うっすか?」

ヤムチャ「俺も、サガットさんに、プロレスの事教えてもらってたけど……最近、ブランカさんとダルシムさんにも教えてもらってるじゃん……?」

さくら「どうっすか、順調っすか?」

ヤムチャ「あぁ、順調順調! やっぱり、その人なりの考え方がそれぞれ違うっていうのか……視野が広がるっていうか……今まで見えてなかったものに気づけるようになって、面白いよ!」

さくら「おっ、面白い……いいじゃないっすか……」

ヤムチャ「だからさ……キャミィさんも、女子部の人達だけじゃなくて……サガット達に話を聞いてみたら、また違った意見が聞けるんじゃないかな……?」

さくら「あ~、そういや……今日、飲み会連れて行くって言ってたのに……どうしてこんな喧嘩別れみたいになっちゃうんすかねぇ……」

ヤムチャ「……きっとあの人達は答えを持ってるよ」

さくら「……とりあえず、連絡してみるっすか。繋がればいいんすけどねぇ」

901: 2015/01/25(日)00:34:51 ID:SmT
サガット「じゃあ、とりあえず……ダンさんが終わるまで……ここで待つか……」

さくら「そうっすね!」


ヤムチャ(あ~、試合見てるけど……色んな事が気になりすぎて、あまり頭に入ってこねぇ……)

プーアル「……」

ヤムチャ(俺の試合が派手だったせいで……さくらちゃん達に、迷惑をかけちまったのかなぁ……?)

プーアル「……」

ヤムチャ(リュウさんと、ザンギエフさんの試合……やっぱり、派手だな……他の試合より盛り上がる事しようとしてるんだろうな……)

プーアル「……」

ヤムチャ(あ~、くそっ……! 全然頭に入ってこねぇ……やっちまったのかな……俺、やっちまったのかなぁ……)

プーアル(ヤムチャ様、なんだか、上の空ですね……次は『プーアル! プロレス団体でやっていくのは難しいぞ!』なんて言い出しそうです……)


ヤムチャ「……おっ? 何だ、あの回転しながら落ちてくる、物凄ぇ技は!?」

バイソン「ありゃ、ザンギエフさんの『スクリューパイルドライバー』だな! あんな、凄ぇスープレックスが出来るのは、ザンギエフさんしかいねぇよ!」

902: 2015/01/25(日)00:37:33 ID:SmT
最後にミスったけど とりあえずこのスレはここでお終い
ちょっと残り多い気がするけど まぁ、チキったんでしょう

また続きは一週間後ぐらいに同じようにやるよ
いつもいつも付き合ってくれてありがとね

905: 2015/01/25(日)00:42:01 ID:qXE
乙!
キャミィちゃんが心配だけど、
次シリーズ楽しみに待ってる!

915: 2015/01/25(日)08:36:43 ID:9Hf
乙っした!
一週間後が楽しみだ!




次回に続く:ヤムチャ「プーアル! プロレス団体でやっていくのは難しいぞ!」【前編】


 

引用: ヤムチャ「プーアル! プロレス団体に就職したのは失敗だったぞ!」