490: 2015/11/08(日) 22:01:26 ID:7wewarGM


ヤムチャ「プロレス団体から俺にオファーが来たぞ!」シリーズです
シリーズ一覧はコチラからどうぞ



前回:ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で悪者と戦うぞ!」【その3】


最初:ヤムチャ「プーアル! プロレス団体から俺にオファーが来たぞ!」





ーーー


ベガ「……ふう」

バルログ「あの……ベガ様……?」

ケン「……」ジロッ

バイソン「一週間後のメインは、マジで……」

ベガ「わかっておる……お前の言いたい事……わかっておる……」

ヤムチャ(リュウさんと、ベガさんは……戦わないのか……)

ベガ「説明もしてやる……今後の展望も、話してやる……が……」
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491: 2015/11/08(日) 22:08:45 ID:7wewarGM
ベガ「どうせ、リュウにも同じ事を聞かれる……サガットにも、同じ事を聞かれるだろう……」

バルログ「……まぁ、そうなるでしょうねぇ」

ベガ「同じ事を何度も何度も説明するのは、面倒だ……だから、説明はリュウとサガットが、この場に来てから……と、いう事でいいかな?」

バイソン「あぁ、わかりました……」

ケン「……そこに納得出来るだけの理由があるのなら、こっちは従いますよ」

ベガ「とは言っても、もう発表してしまったからな……うむ……」

ヤムチャ(う~ん、今日の結果どうなんだ……三連戦では勝ち越したけど……う~ん、なんだかコレ空手軍団の勝ちか……? って、言われたら、そうでもないような気がするんだよなぁ……)

ベガ「まぁ、とにかくだ……サガットマイクのアピール……そして、リュウが上手く締めてくれるのを待とうか……話はそれからだ……」

492: 2015/11/08(日) 22:18:01 ID:7wewarGM
ーーー


ブー! ブーブー! ブー! ブーブー!

サガット(くっ……! 試合前に聞かされた時に、こうなる事は想像出来たが……それでも、予想以上のブーイングだっ……!)ヒョイッ


実況「さぁ、そしてベガがリング内へと投げ入れたマイクを……サガットは拾ったぁ!」


ブー! ブーブー! ブー! ブーブー!

サガット(しかし、挑戦者として指名されたのは俺だっ……! 言うしかないっ……!)

リュウ(おいおいおいおいっ……! 本当にこれでよかったのかよ……この流れから、この展開……本当にこれでよかったのかよ……?)

サガット「はぁっ……はぁっ……おい、リュウ……」


実況「さぁ、そして……サガットが言葉を発しましたっ! 言葉を発しましたっ!」

493: 2015/11/08(日) 22:26:54 ID:7wewarGM
ナンデ、オマエガチョウセンシャナンダー! ブー! ブーブー!

サガット(くっ……! 言うしかないっ……! このままもう……突っ切るしかないっ……!)

リュウ(サガットっ……! 余計な事言うんじゃねぇぞ……頼むぞっ……!)

サガット「自分がベルトへの挑戦権を手にする事が出来るとでも思ったか……? フハハ……残念だったな……王者戦……俺が先に行かせてもらうぞ……?」


ブー! ブーブー! ブー! ブーブー!

実況「さぁ、サガットはリュウに言うっ! リュウに言うっ! 次回の王者戦の相手はリュウではなく、自分だっ……! そう言っているっ! 勿論、場内からは大ブーイングだぁ!」


ブー! ブーブー! ブー! ブーブー!

リュウ(サ、サガットっ……! 煽るんじゃねぇよ、ちくしょうっ……!)ギロリ

サガット(くっ……! そんな目をするなよ、リュウっ……! もう突っ切るしかないんだこっちだってっ……! 俺だって、シャドルーなんだよっ……!)

494: 2015/11/08(日) 22:36:31 ID:7wewarGM
サガット「ベガ様が直々に、この俺を指名してくれたんだ……フハハ、俺も燃えてきたよ……」

リュウ(燃えるんじゃねぇ……!)

サガット「今日、貴様に土をつけられたが……その借りは、必ず返すっ……! そして……」

リュウ(そうそう、そういう事……そういう事……そういう事を言えばいいんだお前は……)

サガット「その時には、きっと俺の腰にベルトが巻かれている事だろう……」クイッ


ブー! ブーブー! ブー! ブーブー!

実況「おぉ~っと、そしてサガットは……自身の腹部にベルトを示すかのようなジェスチャーをしていくっ!」

元「う~ん、まぁそうだろうね……経緯はどうであれ……やっぱりサガット君もベルトは欲しいだろうからね……サガット君にとっては、これは大きなチャンスだ」

497: 2015/11/08(日) 22:46:29 ID:7wewarGM
サガット「次は……王者サガットとして……お前の前に現れる……」


ブー! ブーブー! ブー! ブーブー!

リュウ(こ、この野郎っ……! 余計な事ばかり言いやがってっ……!)

サガット「今日の借り……忘れはせんぞ……俺が王者になった暁には……貴様を最初に血の海に沈めてやるっ……!」


ブー! ブーブー! ブー! ブーブー!

実況「確かにっ……! チャンピオンベルトをその腰に巻くという事は、誰しもが願う事っ……! 望む事っ……! そして、それはサガットだって同じだっ!」

元「う~ん……そうなんだよねぇ……」

実況「だがしかしっ……! これでいいのかっ……! 本当にこれでいいのかっ……!?」

元「う~ん……ねぇ……?」

498: 2015/11/08(日) 22:56:22 ID:7wewarGM
サガット「……首を洗って待っていろ、フン」ポイッ


ブー! ブーブー! ブー! ブーブー!

実況「さぁ、そしてサガットはマイクを捨てたっ! ゴトンという音と共に、マイクがリングへと転がります……」


リュウ(あ~あ~、もう滅茶苦茶だ……)

サガット(お前とのリターンマッチの宣言……王者戦への意気込み……睨むなよ、どんなに空気が悪くなろうとも俺だってやらざるを得ないんだよ……)

リュウ(このブーイングの中から……俺に、締めろって言うのかよ……くそっ……! やっぱり、俺とベガでやった方がいいんじゃねぇのか……?)

サガット(俺のやるべき事はやったはずだっ……! 頼むぞ、リュウっ……! ここからお前マイクで、上手くハッピーエンドに持っていってくれっ……!)


ブー! ブーブー! ブー! ブーブー!

実況「さぁ、そしてフラつきながらも……リングを降り……退場していくサガットっ! このブーイングの中、サガットは退場していきますっ!」

499: 2015/11/08(日) 23:04:09 ID:7wewarGM
ブー! ブーブー! ブー! ブーブー!

サガット(俺が退場したら、空気は変わるはずだろう……だが、やられたばかりだからな……くそっ、あまり急いで退場は出来ないな……)フラフラ

リュウ(落ち着け……落ち着くんだ……凄まじいブーイングだが……これは、ベガのやり方……最後に一番美味しい所だけを掻っさらっていく……そうだ、いつものベガのやり方だ……)


実況「さぁ、鳴り止まないブーイングの中……サガットは退場していきますっ! フラフラとした足取りで……退場していますっ!」

元「う~ん、そうだね」


リュウ(今日一日を思い出せ……ヤムチャもやった……ケンもやった……そして、俺もっ……! ザンギエフ抜きでも……出来るって事を証明できたはずだっ……!)

サガット(……リュウっ! 後はお前に任せるっ!)

リュウ(ハッピーエンドで終われる素材は十分揃ってんだよっ……! それは、もう見せたはずだっ……! それを最後に少し、ベガに邪魔されただけだっ……! こんなバッドエンドで終わっていいわけないだろうがっ……!)

500: 2015/11/08(日) 23:14:37 ID:7wewarGM
実況「まぁ、とにかく……次の王者戦は、ベガ対サガットっ! ベガ対サガットっ! これは、シャドルー同士の戦いになりますねぇ、元さん?」

元「う~ん、でも捉え方によっては面白いんじゃないかな~、この一戦は……」

実況「……ほ~う」

元「だってやっぱり、こういうシャドルー同士ってのは、ベルトが絡みでもしないと、なかなか試合する機会なんてないでしょ?」

実況「まぁ、それもそうですねぇ」

元「これ、だから一週間後……? そこのベルト戦でさぁ、サガット君がベガ君に勝っちゃう……な~んて事が起こっちゃったら、どうなるんでしょう?」

実況「う~ん……まぁ、サガットはリング上でリュウに言ってましたからねぇ……やはり、王者としてリュウに今日の借り返す……つまり、リュウとの防衛戦が始まったりするのでしょうか?」

元「あ~、あ~、違う違う……そういう事じゃなくて……」

実況「……むむっ?」

501: 2015/11/08(日) 23:22:09 ID:7wewarGM
元「だから、サガット君がベガ君に勝つ……となれば、これシャドルー内での構図が入れ替わったりもあるのかね……?」

実況「あ~、なるほど……確かにっ……!」

元「シャドルーの総帥が、ベガ君からサガット君に……なんて事も、起きるのかなぁ?」

実況「ベガが率いるシャドルーではなく……サガットが率いるシャドルーっ……! なんて事も起こり得るのでしょうかねぇ!?」

元「でも、サガット君は結構、ベガ君への忠誠心……みたいなの高いからねぇ……」

実況「確かに、そうですねぇ……サガットはベガに完全な忠誠を誓っておりますっ!」

元「ベルト取ったとしても……変わらない忠誠を誓い続けるのかね……? これは、その時までどうなるかわからないけどね……?」

実況「さぁ、次の王者戦……いったいどうなってしまうのかっ!? あ~っと、そしてサガットの姿がここで消えたぁ!」


リュウ(やってやるっ……! やってやるよっ……! ここから、俺が締めてハッピーエンドで終わらせてやるよっ……!)

514: 2015/11/09(月) 22:00:37 ID:MHs4fLSI
ーーー


バイソン「とりあえず……お疲れさん……」

バルログ「ええ、お疲れ様です。サガット」

サガット「……あぁ」

ベガ「……ふむ。よくやったぞ、サガット」

サガット「あの、ベガ様……本当にこれで……」

ベガ「わかっておる……お前の言いたい事……わかっておる……」

サガット「……では」

ベガ「リュウが来てからだ……お前達が揃ってから説明をする……とりあえず、リュウが締めるのを待て……」

サガット「あぁ……は、はい……」

515: 2015/11/09(月) 22:09:35 ID:MHs4fLSI
ケン「おい、ヤムチャ……いつでも行けるように、準備だけしておくぞ……」

ヤムチャ「えっ……? 準備って……何のですか……?」

ケン「リュウが俺達をリングに呼び出すかも知れねぇだろ……呼ばれたらすぐに行けるように、準備しておけって事だよっ……!」

ヤムチャ「えっ……!? 俺も……ここから、マイクパフォーマンスしなきゃいけないんですかっ!?」

ケン「バカっ……! お前のマイクなんて、あるわけねぇだろがっ! お前、出来ねぇだろっ……!?」

ヤムチャ「はい。出来ませんっ!」

ケン「リュウの所に行くだけだよ、行くだけ行くだけ……空手軍団三人揃えば……絵になるだろ……? リュウが呼び出したら……俺達は盛り上げ役として、リングに行くんだよ……」

ヤムチャ「盛り上げ役ですね……? わ、わかりました……」

ケン「俺は今日負けたから、ちょっとテンション低めになるかも知れねぇが……お前は勝ったんだ……だから、胸張ってテンション高めでいけ」

ヤムチャ「は、はいっ……! わかりましたっ……!」

517: 2015/11/09(月) 22:18:22 ID:MHs4fLSI
ーーー


ザワ……ザワ……

リュウ(さぁ、いくぜっ……ここから、いくぜっ……!)スッ


実況「さぁ、サガットが退場した事により、ようやく場内のブーイングは静まってきましたが、しかし……おっと、ここでリュウがマイクを拾い上げましたっ!」

元「……おぉっ?」


リュウ「くそっ……ベガは、取り逃がしてしまったか……」


実況「さぁ、ここでリュウが口を開きますっ! 言葉を発しますっ!」

元「まぁ、聞こうじゃないか、静かに」

実況「そぉ~ですねぇっ! 元さぁ~んっ!」

元「……いや、だからね?」

519: 2015/11/09(月) 22:23:15 ID:MHs4fLSI
リュウ「精々逃げ回るがいいさ、ベガさんよぉっ!」


オー? オーオー?

実況「おぉ~っと、そしてここでリュウが叫んだぁ!」


リュウ「だが、ベガっ……! これだけは、言っておくぞっ……! 今日の三連戦……勝ったのはどっちだ……どっちが勝ったんだ……? えぇっ……!?」


カラテグンダーン! カラテグンダンダゾー!

実況「おぉ~っと、更に更にリュウは続けていくっ……! 続けていくっ……!」

元「そうです。今日の三連戦……どっちが勝ったか……そりゃ、もうわかる話だよね」

520: 2015/11/09(月) 22:32:32 ID:MHs4fLSI
リュウ「シャドルー侵略計画……? どうやら、それは……夢物語だったようだなっ!」


ワー! ワーワー!

実況「そうですっ! 本日の三連戦……ベガはシャドルーにとっての邪魔者である空手軍団を潰しにかかりましたっ! しかぁしっ……! しかしだっ……!」

元「……あ~、もう、五月蝿いねぇ」

実況「しかし、その目論見は外れたぁ! 勝利したのは、空手軍団っ……! 空手軍団っ……! シャドルー侵略計画は、リュウの言う通り夢物語と終わったぁ!」


リュウ(ほら、見てみろっ……! 今日の結果を振り返れば……こうなるんだ……こうなるんだよ……やっぱり、皆見ててくれてるじゃねぇかっ……!)

523: 2015/11/09(月) 22:42:58 ID:MHs4fLSI
リュウ(だが、今言ったのは現実……今日の事……ここから未来の事……未来はもっと凄くなっていくって事を、言っていかなきゃいけねぇっ……!)

ワー! ワーワー!

リュウ(ベガ対サガットじゃ……反応見る限り、凄くはならねぇだろ……だから……)


実況「さぁ、リュウは続けますっ……!」


リュウ「もう一度……よく考えた方がいいんじゃないか……ベガ……? お前、タイトルマッチやる相手……間違えてないか……? 」

オー! オーオー!

リュウ「タイトルマッチ……誰とやるべきか……価値のある試合になるのか……? サガットか……? 本当に……サガットなのか……?」


ワー! ワーワー! ソウダソウダー!

実況「さぁ、そしてここでリュウがベガに問いかけるっ……! 改めて、問いかけていくっ……!」

元「まぁ、リュウ君からしたらそうなるね、うん」

524: 2015/11/09(月) 22:48:38 ID:MHs4fLSI
ーーー


ヤムチャ「リュウさん……俺達の事、呼びませんね……?」

ケン「う~ん、一人で締めるつもりかな……? でも……」

バイソン「ほら、ベガ様……こうなりますって……リュウは言葉濁してますけど……やっぱり、納得いってませんよ……」

ベガ「……いいんだよ。これでいいんだよ。私とサガットの試合で納得しろという方が無茶だ。それはファンだってそう思っていただろう」

バルログ「……そうですが」

ベガ「……これはリュウの生の声だ」

サガット「……」

525: 2015/11/09(月) 22:57:02 ID:MHs4fLSI
ベガ「今回はサガットだが……当然、リュウは持っている……ザンギエフや私より、若い自分の方がいい物を見せれるという、エースの自覚をな……」

サガット「……はい」

ベガ「しかし、奴はファンの前ではそれを見せない……ファンの前では納得した素振りを見せて、ザンギエフや私より下の次世代のエースポジションでいる……」

バルログ「リュウ君は、ベビーですから……そういった事を見せるのは難しいですね……」

ベガ「しかし、私はヒールだ……ザンギエフと違い、ファンに指示されていないチャンピオンだ……そんな私相手なら……公然と言えるだろう……」

バイソン「……今、言ってますね」

ベガ「こうでも言わなきゃ、丸く収まらんさ……リュウが今言っている事は至極真っ当な事だ……私とサガット……そもそも、このカードがおかしい……批判は当然だ……」

ケン「……」

ベガ「私が、ファンに批判される事をする……批判はヒールの仕事だ……そして、それをリュウが納得出来る形に持っていく……それがベビーの仕事だ……今、リュウが言ってる事は正しい……リュウはそうやって指示されるべきだろう……」

526: 2015/11/09(月) 23:05:18 ID:MHs4fLSI
ーーー


リュウ「今日の三連戦……俺達、空手軍団の勝ちだっ……!」


ワー! ワーワー!

実況「さぁ、リュウは続けるっ!」


リュウ「だが、お前からの勝利は、まだだ……ベガっ……!」


ワー! ワーワー!

実況「シャドルー三連戦……これは空手軍団の勝利となりましたが……だがしかし、まだリュウは満足していないっ!」

元「そうだね、うんっ!」

527: 2015/11/09(月) 23:14:18 ID:MHs4fLSI
リュウ「それは一番価値のある試合で……決着つけようぜ……なぁ、ベガっ……!?」


ワー! ワーワー!

実況「空手軍団の大将としてっ……! シャドルーの総帥である、ベガからの勝利を望むリュウっ……! そして、一番価値のある試合っ……!」

元「まぁ、大将戦やるなら、やっぱり相応しい舞台ってのがあるからね」


リュウ(あ~、どうする……? 言うか……? 言うか……? う~ん……でも、言わないと、多分締まらないだろうなぁ……えぇ~い、もう言っちまえっ……!)

ワー! ワーワー!

リュウ「7日後の防衛戦……今なら、対戦相手の変更も効くぞっ……! ベガっ……!」

528: 2015/11/09(月) 23:20:41 ID:MHs4fLSI
ワー! ワーワー! イイゾー! リュウー! ワー! ワーワー!

実況「おぉ~っと、そして……ここでリュウはベガへの挑戦表明……でしょうかねぇ!?」

元「挑戦表明と捉えて構わないでしょう」

実況「やはり、大将戦にはそれなりの舞台があるっ! そう、それはタイトル戦だぁ!」


リュウ(防衛戦をサガットとするってより……俺が挑戦権得る可能性もあるって事を臭わせておいた方が、期待出来るだろう……これは、間違ってないはずだぞ、ベガ……)

ワー! ワーワー!

リュウ「完全決着こそはついてないが……それでもっ……それでもだっ……!」

ワー! ワーワー!

リュウ「今日、勝ったのは誰だっ……!? 誰が、勝ったんだっ……!? 皆、わかってるよなっ……!?」

529: 2015/11/09(月) 23:25:05 ID:MHs4fLSI
カラテグンダーン、カラテグンダーン

リュウ「聞こえないぞ、おいおいっ……! どうしたどうしたっ!?」

カラテグンダーン! カラテグンダーン!

リュウ「そうだっ! そのその通りだっ!」


実況「さぁ、そしてここでリュウは場内へと問いかけるっ! 問いかけていくっ! 本日の勝者を……誰が勝利したのかをっ……!」

元「うんうん」


リュウ「そうだっ……! 俺達、空手軍団のっ……!」

ワー! ワーワー!

リュウ「勝ちだああぁぁっ!」


実況「そして、リュウがその右腕を天高く突き上げるっ! 突き上げていくっ! 本日の勝利は空手軍団ですっ! 空手軍団っ! シャドルー侵略計画……それは水の泡と化しましたぁ!」

元「いや~、よく頑張ったよ。皆ね……」

実況「おぉ~っと、そしてここでリュウのテーマが流れ始めましたっ! 勝者のテーマが流れるっ! 長き長き一日がようやく、終わりましたっ!」

530: 2015/11/09(月) 23:29:29 ID:MHs4fLSI
リュウ「それじゃあ、後は頼みます……ダンさん……」サッ

ダン「あいよ」


元「まぁ、上手くね……ハッピーエンドで終われたじゃない。よかったよかった」

実況「リュウの激闘がありましたっ! ケンの激闘もありましたっ! ヤムチャの激闘もありましたっ! 空手軍団が一丸となってシャドルーと戦いましたっ!」

元「うん、勝ててよかったよ」

実況「空手軍団を潰す為に始まったこのシャドルー侵略計画……しかし、勝ったのは空手軍団っ! 空手軍団っ! 場内は歓声に包まれますっ! あ~っと、そして今、リュウの歓声の中、退場していっていますね」


リュウー! ボウエイセンモ、キタイシテルゾー!

リュウ「ああっ! 任せておけっ!」

サガットジャナクテ、オマエガチョウセンシロヨー!

リュウ(とは、言っても……どうなるんだコレ……? ベガは本当にサガットと防衛戦するのか……?)

531: 2015/11/09(月) 23:33:46 ID:MHs4fLSI
実況「しかし……とは、言っても……空手軍団の方も、シャドルーを壊滅……と言った所までは追い込めませんでしたね!?」

元「そうだね、うん。ベガ君との一戦……残ってるね……」

実況「リュウは、その一戦……タイトルマッチを志望していますっ! しかし、ベガが指名したのはサガットっ……! サガットですっ……!」

元「リュウ君もねぇ、言っていたけど……ベガ君の初防衛戦……これは本当にサガット君でいくのかねぇ?」

実況「王者防衛戦は一週間後ですっ……! ひょっとしたら、挑戦者の変更という事もあり得るかもしれませんっ! まぁ、とにかくますます見逃せない事になってきましたね、元さん!」

元「こりゃ、王者戦までの一週間も見ものだね」

実況「さぁ、残念ながらここらでお時間となってしまいましたっ! 本日の『ストリートプロレス』の中継はここまでですっ! 実況は私と……」

元「解説は私、元でお送りしましました」

実況「次回のストリートプロレスも……必ず見て下さいねっ!? 勝ったぞっ! 今日は勝ったぞっ! イェイっ!」

532: 2015/11/09(月) 23:39:46 ID:MHs4fLSI
ーーー


プーアル「リュウさん、お疲れ様でしたっ!」

ヤムチャ「お疲れ様です」

リュウ「……おう、お疲れ様」

ケン「マイクで俺達呼ぶんじゃねぇかって、準備はしてたんだけどさ……どうやら、必要なかったみたいだな……」

リュウ「呼ぼうか迷ったけどね……そういう感じじゃなかったからな……」

ベガ「……うむ。よくやってくれた、リュウ」

リュウ「ああでも言わないと、締めれそうになかったら、ああ言ったけど……」

ベガ「……構わん」

リュウ「……本当に防衛戦、サガットとやるのか? 今なら、変更出来るんじゃないか?」

ベガ「反応を見てカードの事まで気を使ってくれたというのか……しかし、相手はサガットだ……サガットでいくよ……」

543: 2015/11/10(火) 22:01:29 ID:PUro8nuc
バルログ「それでは全員揃った事ですし、そろそろ説明頂いてもよろしいでしょうかねぇ……?」

ベガ「……うむ」

バルログ「何故、メインの対戦相手がリュウではなく……サガットなのか……」

ベガ「……そうだな」

ケン「酷いブーイングだったけど……それでも、サガットとベルト戦……やるんですかね……?」

ベガ「そりゃ、順当にいけばリュウだ……王者戦はサガットではなく、リュウだ……だがなぁ……」

サガット「……」

ベガ「だがなぁ……なんと言うか……今、リュウと王者戦を行うというのは……」

リュウ「……」

ベガ「……節操なくないか?」

544: 2015/11/10(火) 22:11:56 ID:PUro8nuc
ベガ「ザンギエフが倒れ、メインを張れる人材が減った事は、当然ファンも知っておる……発表してるんだからな……?」

バイソン「……はい」

ベガ「そんな状況の中……リュウが一つ繰り上がって、私とベルトを賭けたメインをするんだ……どうだろう……?」

バルログ「それは……」

ベガ「いかにも、このストリートプロレスの底の浅さを露呈するような事になるとは思わないかね……?」

サガット「……」

ベガ「現時点で出せる、最高のカードは……私とリュウ……それは間違いない……間違いないだろう……それが最高のカードだ……」

リュウ「……出し惜しみしてる場合なのかね?」

ベガ「出し惜しみ……ではない……リュウ、私はこのカードの価値はもっと高くなると睨んでいるんだ……」

546: 2015/11/10(火) 22:24:32 ID:PUro8nuc
ベガ「ザンギエフは、ファンが認める最高のチャンピオンだ……だが、アイツは一匹狼だった……誰とも組まず、一人でチャンピオンを続けていた……」

リュウ「……」

ベガ「しかし、私とリュウは違う……私はシャドルーの大将……リュウは空手軍団の大将……お互い、軍団を率いる者だ……」

リュウ「……あぁ」

ベガ「ザンギエフが倒れた事で……それぞれの格が一つ繰り上がり、いきなり軍団抗争の最終戦が始まってしまうのは……例え、この状況だとしても……」

リュウ「……」

ベガ「あまりに安い試合だとは思わないか……? 今までに、私達は空手軍団とシャドルーの抗争を続けていただろう……?」

リュウ「……あぁ」

ベガ「その抗争は何処に行ったんだ……? ザンギエフが倒れたからと言って……我々が行っていた、軍団抗争が最終局面に突入するのか……? それは空手軍団にとっても、シャドルーにとっても、あまりにも安いっ……!」

547: 2015/11/10(火) 22:35:22 ID:PUro8nuc
ベガ「我々はザンギエフとは違う……アイツに負けている部分はあるが……だからと言って、アイツと同じようになる事が正しい事ではない……互いに軍団を率いる者……これは、アイツにはない我々だけの強みだ……」

リュウ「……そうだな」

ベガ「私は今まで通りの軍団抗争の形のまま……続けていこうと思う……何故なら、ザンギエフがチャンピオンだった時には、軍団抗争での王者の大将戦……そんな事は出来なかったんだからな……」

リュウ「……」

ベガ「ただ、言っておく……次の私とサガットの王者戦……これは、間違いなく盛り上がらん……」

バイソン「あ~、あ~、薄々感じてましたけど……言っちゃった……ハッキリ、言っちゃった……」

ベガ「……今日のブーイングで、それはもうわかる事だろう。今更、隠す必要はない」

548: 2015/11/10(火) 22:48:12 ID:PUro8nuc
ベガ「納得出来ない気持ちは、ファンだけじゃなく……お前達にも当然あっただろう……? 特に空手軍団……なぁ、リュウ……?」

リュウ「ある、ね……」

ベガ「お前も……なぁ、ケン……?」

ケン「サガット依怙贔屓してんじゃねぇか……って、感じる部分もありますね……」

ベガ「そういうカードだからな……それに、経験の浅いヤムチャ君にだって、おかしいと思う部分はあっただろ……?」

ヤムチャ「あっ、え~っと……俺も、確かに経験は浅くてよくはわからなかったですけど……」

ベガ「……うむ」

ヤムチャ「やっぱり、ここはリュウさんがベガさんと戦うべきなんじゃないかな……なんて、思いました……」

549: 2015/11/10(火) 22:58:22 ID:PUro8nuc
ベガ「お前達のその納得出来ない想いを……ここのメイン戦でぶつけてくれ……そうでも、しないとこの一戦は成り立たん……」

ケン「ぶつけるって言ったって……どうするんだよ……? 乱入でもすればいいのかよ……?」

リュウ「ヒールのそっちは出来るかもしれないけど……こっちはベビーなんだぜ……?」

ベガ「大丈夫だ……その辺りも、もう考えておる……だが……」

リュウ「……だが?」

ベガ「ちょっと、危険な賭けかも知れなくてな……まぁ、その辺はもう少し他の案がないかこっちも考えてみるよ……少し、待ってくれ……」

ケン「もう、一週間後って発表してるんだから……猶予はねぇんだぞ……?」

ベガ「わかってる……わかってるよ……」

550: 2015/11/10(火) 23:04:13 ID:PUro8nuc
サガット「次の王者戦からその後の展開……というのも、視野には入れてるんですか……?」

ベガ「う~ん、とりあえず……二週間後には春麗の復帰があるだろ……? だから……」

サガット「……はい」

ベガ「あ~、いや……やっぱり、これはわからんな……とにかく、次の王者戦次第だ……」

サガット「そう……ですか……」

ベガ「それとだ、サガット……」

サガット「はいっ……!」

ベガ「リュウが王者になるという事は……お前にもその時には、今よりもっと支持を得られてもらわないと困る……その後もあるからな……わかってるよな……?」

サガット「……勿論です」

551: 2015/11/10(火) 23:11:28 ID:PUro8nuc
ベガ「リュウだけじゃないぞ……お前もだ……わかったな……?」

サガット「……次の王者戦で見せます」

ベガ「よし……とにかく、お前達……今日はよくやってくれた……ザンギエフがいない……私も試合はしていない……少しマイクで絡んだだけだ……しかし、そんな中お前達だけで、本当によくやってくれたと思うよ」

リュウ「今日は無事に終わったけど……次もあるからな……」

ベガ「若いお前だけでの、今日の盛況……これは、誇りに思っていい……新世代の第一歩だ……今日は本当によくやった。継続させていこう……」

サガット「はい、わかりました」

ベガ「各自、ゆっくり休め……と、言いたい所だが、この後インタビューだ……すまん、もう少し付き合ってくれ……」

552: 2015/11/10(火) 23:20:07 ID:PUro8nuc
バルログ「インタビューって、前にやった……」

ベガ「……そうだ」

バイソン「じゃあ、今日もヴァイパーさん……来てるんですか……?」

ベガ「いや、来てない……」

バイソン「……あれ?」

ベガ「いやぁ~、ヴァイパーさんに怒られたんだよ……期間が短かすぎると……まぁ、そりゃ当然だ……」

バルログ「確かに……急でしたからねぇ……よくやって下さいましたよ……」

ベガ「今度からは素材だけでも、先に用意しておけだと……」

553: 2015/11/10(火) 23:25:34 ID:PUro8nuc
ベガ「今日のインタビューは……今日の試合の感想と、それと一週間後に向けた意気込みって所だな……今回は私も同席だ……参加するからな……」

リュウ「感想と意気込みねぇ……」

ベガ「とにかく、私の事をボロクソに言ってくれ……軍団抗争だという事を全面に押していこう……」

リュウ「……わかったよ」

ベガ「詳しい事は、行きながら話そうか……これからの一週間の事も伝えておかないといけないしな……では、行くぞ……」


ヤムチャ「あ~、またインタビューかよ……ちくしょう、苦手なんだよなぁ……」

プーアル「……ヤムチャ様、しっかりして下さいよ」

ヤムチャ「わかってるよ……何やってるんだよ……お前も来るんだよ、プーアル……ほらっ……!」グイッ

554: 2015/11/10(火) 23:30:02 ID:PUro8nuc
プーアル「えっ……!? いいんですか?」

ヤムチャ「……何がっ!?」

プーアル「いや、だから僕はクリリンさんや武天老師様、呼びに行かなきゃ……帰っちゃいますよ……!?」

ヤムチャ「……あっ、忘れてたっ!」

プーアル「うわっ……! 自分の師匠なのに……酷~いっ!」

ヤムチャ「バ、バカっ……! 忘れてたワケじゃないけど……そういう時って、あるだろ……!? なんかあるだろ……!?」

ケン「お~い、何やってんだよ、ヤムチャ……早く来いよ……」

ヤムチャ「あ~、はいっ! 今、行きますっ……! それじゃあ、プーアル……お前は行って来いっ……! 俺は俺でこっちでやっておくからさ……?」

プーアル「ヘマしちゃダメですよ?」

ヤムチャ「自信はねぇけど、頑張るよっ! 今回はカットされないようになっ!」

567: 2015/11/11(水) 22:01:33 ID:tH0CplaI
ーーー


ダン「本日のご来場、誠にありがとうございましたっ! お帰りの際には、お忘れ物などございませんよう、お気をつけてお帰り下さいっ!」


クリリン「あ~、いや~、終わりましたねぇ」

18号「うん、結構楽しめたよ」

ウーロン「いいケツも見れたっ……! 実にいいケツだったっ……!」

亀仙人「にょほほほ、たまらんかったのぉ~」

クリリン「……まだ言ってるのか、この二人は」

18号「本当……こいつら……」

ウーロン「いやぁ……へへへへ……」ニヤニヤ

亀仙人「にょほほほ……でへへぇ~……」ニヤニヤ

クリリン「何、やってるんですか……ほら、荷物纏めて……帰りますよ……」

568: 2015/11/11(水) 22:09:39 ID:tH0CplaI
プーアル「え~っと……ヤムチャ様がパイプ椅子で叩かれたのは、確かこの辺だったはずですけど……」キョロキョロ


18号「んっ……? おい、見てみなよ……何か、小さいのがやってきたよ……?」

クリリン「小さいの……? んっ……? あっ……!」

プーアル「あっ……! いましたいましたっ! クリリンさ~んっ!」

18号「アイツは確か、ヤムチャの……なっ……?」

クリリン「プーアルっ! よ~おっ! 来たぞ~、来てやったぞ~!」

ウーロン「あっ……! おっ……! プーアルじゃねぇかっ!」

プーアル「ウーロンもっ!」

570: 2015/11/11(水) 22:22:09 ID:tH0CplaI
ウーロン「いや~、おいっ……! 久しぶりだなぁ! 元気にやってたかよっ!?」

プーアル「ウーロンも元気そうですねっ! それに、武天老師様もっ!」

亀仙人「イエーイ」ブイッ

プーアル「……本当に、ジャッキー・チュンの格好で来てたんですね? どうして、また」

亀仙人「まぁ、こういった大会ではワシのような有名人がいると知られたら、騒ぎになってしまうかもしらんと思って、こういった格好で来たのじゃが……杞憂じゃったかの……?」

プーアル「わざわざ、変装までして頂いてありがとうございますね。それに、18号さんも……来て頂いてありがとうございますっ!」

18号「な~に、退屈凌ぎさ……結構、楽しめたよ……」

571: 2015/11/11(水) 22:27:28 ID:tH0CplaI
18号「ところで……ヤムチャの奴はどうしたんだい……? 挨拶なしかい……? こっちは遠くから遥々来てやってんだよ……?」

クリリン「……お前は、人の金で来てるじゃねぇかよ」

18号「……いいじゃないかい、それくらい」

プーアル「あっ、ヤムチャ様はこの後も少しやる事がありましてね……それに、ヤムチャ様は選手なのでちょっとこういった場所に出てくるのも……マズいんじゃないかと思いまして……」

亀仙人「まぁ、確かにヤムチャは選手じゃ……こ~んな場所にノコノコ出てきたら、騒ぎになってしまうわ……」

プーアル「それでも、ヤムチャ様は皆さんに挨拶がしたいって言ってまして……皆さん、この後お時間あります……?」

クリリン「おう、大丈夫だよプーアルっ! 折角、俺達も来たんだからな……ちょっと、間近でヤムチャさんの顔見ておきたいよっ!」

ウーロン「あの、マヌケ面をなっ! ギャハハハっ!」

プーアル「……ウーロンっ!」

572: 2015/11/11(水) 22:36:22 ID:tH0CplaI
プーアル「それじゃあ……え~っと、どうしましょうかねぇ……」キョロキョロ

18号「……来客室とか、そういう所はないのかい? 案内してくれよ」

プーアル「いや~、あるとは思うんですけどね……? 実はヤムチャ様……入団したてで……そこまで自由に使える立場でもないと思うんですよね……?」

18号「……なんだいなんだい」

ウーロン「情けねぇなぁ……ヤムチャも……」

プーアル「こっちにも、立場があるんですよウーロンっ……! 友達来てるから、来客室使わせて下さい……なんて、簡単には頼めないんですよっ……!」

クリリン「ははは、その辺ヤムチャさんらしいなぁ……それじゃあさ……俺達、会場の外の人気のない所で待ってるからさ……?」

プーアル「本当……重ね重ねすいませんっ……!」

クリリン「いいよいいよ。ヤムチャさん、準備出来たら呼んできてくれねぇかな……?」

プーアル「はい、わかりましたっ! 準備はすぐ出来ると思いますっ!」

573: 2015/11/11(水) 22:41:00 ID:tH0CplaI
数十分後ーー


ヤムチャ「……あ~、ダメだったなぁ」

ケン「……何が?」

ヤムチャ「いや~、俺……何も喋ってないでしょ……?」

ケン「だって、喋れねぇじゃん、お前……」

ヤムチャ「そこですよ……そこなんですよ……そこがダメな所なんですよ、俺の……」

リュウ「今はこれでいい……俺やケンの言う事に、相槌を打つ……それでいい……だけど……」

ヤムチャ「……はい」

リュウ「これじゃあ……そのうち、厳しくなるかな……?」

ヤムチャ「そうですよねぇ……練習します……」

574: 2015/11/11(水) 22:47:20 ID:tH0CplaI
プーアル「ヤムチャ様~、終わりましたか~? どうでしたか~?」

ヤムチャ「あ~、プーアル……ダメだった……」

プーアル「も~うっ……! 行く前は、あんなに気合入れて意気込んでたのに……」

ヤムチャ「でも、ヘマはしなかったぞっ……! 喋れはしなかったけど……ヘマはしなかったっ! ど~だっ!」

ケン「……威張って言う事か、馬鹿野郎」

ヤムチャ「ナ、ナハハハ……」

リュウ「それより、プーアル君……何処に行ってたんだ……? ヤムチャを放ったらかしにして……」

プーアル「あっ、そうそうっ! ヤムチャ様、もう待ってますよっ!」

ヤムチャ「あっ、そうかそうかプーアルっ……! もう、待ってるかっ……!」

575: 2015/11/11(水) 22:52:58 ID:tH0CplaI
プーアル「ヤムチャ様~、終わりましたか~? どうでしたか~?」

ヤムチャ「あ~、プーアル……ダメだった……」

プーアル「も~うっ……! 行く前は、あんなに気合入れて意気込んでたのに……」

ヤムチャ「でも、ヘマはしなかったぞっ……! 喋れはしなかったけど……ヘマはしなかったっ! ど~だっ!」

ケン「……威張って言う事か、馬鹿野郎」

ヤムチャ「ナ、ナハハハ……」

リュウ「それより、プーアル君……何処に行ってたんだ……? ヤムチャを放ったらかしにして……」

プーアル「あっ、そうそうっ! ヤムチャ様、もう待ってますよっ!」

ヤムチャ「あっ、そうかそうかプーアルっ……! もう、待ってるかっ……!」

576: 2015/11/11(水) 22:53:49 ID:tH0CplaI
ヤムチャ「あの~、ホラ……? 今日、俺友人来てるって言ってたじゃないですか……?」

リュウ「あ~、はいはい……天下一武道会のな……?」

ヤムチャ「それで、わざわざ来てもらったんだから、挨拶だけしておこうと思いまして……プーアルに待っててもらうよう、言っておいたんですよ……」

ケン「ホレ、行ってこい行ってこい」

ヤムチャ「だから、ちょっと挨拶だけ……行ってきてもいいですかね……?」

リュウ「大丈夫なのか……? ファンに見つかったら……騒ぎになるんじゃないのか……?」

プーアル「あっ、大丈夫ですっ! 会場の外の人気のない所で待っていてもらってますからっ!」

リュウ「そうか……じゃあ、折角友人が来てくれたんだから……挨拶言ってこいよ……」

ヤムチャ「あっ、はいっ……! それじゃあ、行ってきますっ……! すぐ、戻ってくると思いますんで……!」

577: 2015/11/11(水) 23:04:16 ID:tH0CplaI
ヤムチャ「よしっ……じゃあ、プーアル……クリリン達は何処だ、案内してくれ! もう結構待ってるんじゃねぇか?」

プーアル「は~い、こっちです~、ヤムチャ様~」


リュウ「お~いっ……! 口滑らして余計な事言うんじゃねぇぞ~! わかってんのか~!?」

ケン「まぁ、その辺は……プーアル君がいるから、多分大丈夫だろ……」

リュウ「……そうだな」

ケン「それに、相手は天下一武道の出場者だ……余計な事を言う、言わないの前に……もう、わかってんだろ……」

リュウ「それもそうか……」

ケン「……なっ?」

リュウ「とりあえず……俺達はシャワー室でも行きますか……」

ケン「そうですね……そうしましょう……いや~、今日は疲れたよ……」

578: 2015/11/11(水) 23:11:25 ID:tH0CplaI
ーーー


ウーロン「……ったく、ヤムチャの野郎いつまで待たせる気なんだよ」

18号「……全くだよ」

クリリン「そんなに時間たってねぇじゃねぇか……コイツはともかく……ウーロン、お前まで文句言ってるんじゃねぇよ……」

18号「コイツはともかく……って、どういう意味だい……それ……?」

クリリン「……えぇ?」

18号「 それじゃあ、まるでアタシが普段から文句ばかり言ってる奴みたいじゃないか……? アンタ、アタシの事、そういう目で見てたのかい……?」

クリリン「そういう意味じゃないよ……そういう意味じゃ……」

579: 2015/11/11(水) 23:18:25 ID:tH0CplaI
亀仙人「30分一本勝負スタートじゃ……カーン……」

クリリン「……はぁっ!?」

18号「今日は、色んな技が見れたからね……いくつかは、あんたにかけれそうな技もあった……よしよし、それじゃあ何をしてやろうかねぇ……?」ニヤニヤ

クリリン「ちょっとっ……! 武天老師様……!? それに……お前も、何でちょっとやる気になってるんだよっ……!?」

18号「いいじゃんいいじゃん……アタシにもさ……ちょっとやらせてくれよ……実験台になってくれよ……? ねっ……?」ニヤニヤ

ウーロン「いいぞ~! よしよし、やれやれ~っ!」

クリリン「バ、バカっ……! お前、加減知らねぇだろっ……! 俺、氏んじまうぞっ……! ウーロンも、煽るなっ!」

18号「いいじゃんいいじゃん……アンタは頑丈だから大丈夫だって……ねっ、ちょっとだけ……? ちょっとだけでいいからさ……?」

クリリン「ダメっ……! 絶対ダメっ……! ちょっととかないよっ……!」


ヤムチャ「お~い……! お~いっ! 皆~っ!」

580: 2015/11/11(水) 23:23:19 ID:tH0CplaI
クリリン「あっ……! ヤムチャさんっ……!」

18号「あ~、なんだい……いい所だったってのに……」

ウーロン「よ~おっ! ヤムチャっ! 久しぶりだなぁっ!」

ヤムチャ「今日、来るのクリリンだけだと思ってたんだけど……ウーロン……それに、18号まで来てくれたのかっ……!」

18号「……アンタの活躍、しっかりと見させてもらったよ」

ヤムチャ「それに……武天老師様も……」

亀仙人「ふむ。お前もしっかりやっておるようじゃの」

ヤムチャ「あの~……一つ聞きたいんですけど……」

亀仙人「……どうした?」

ヤムチャ「……なんですか、その格好?」

亀仙人「ジャッキー・チュンじゃよ。ジャッキー・チュン……イエーイ、ナウいじゃろ?」ブイッ

581: 2015/11/11(水) 23:31:43 ID:tH0CplaI
ヤムチャ「よりによって、俺を倒したその姿で……」

亀仙人「にょほほほ。そうじゃったな」

ヤムチャ「変装するにしたって……他の何かなかったんですか……? なんで、よりによってそれなんですか……?」

亀仙人「まっ、初心忘るべからずという事じゃな。プロレスデビューでちっといい気になってるかもしれんと思って、この格好を選んだんじゃが……そう感じるならいいじゃろう……」

ヤムチャ「嫌~な、思い出思い出しましたよ……ちぇっ……」

亀仙人「馬鹿弟子のお前が……こうやって、上手くやってるのを目の前でやってるのを見て……ワシも、安心したよ、うむ……」

ヤムチャ「馬鹿弟子って……」

亀仙人「戯け者っ! 馬鹿弟子じゃ!」

583: 2015/11/11(水) 23:39:36 ID:tH0CplaI
亀仙人「ワシの亀仙流の弟子は、武道家としては優秀な奴ばかりじゃが……人間としては、どうしようもないような奴ばかりじゃ……」

ウーロン「師匠がそうだから、弟子もそうなるんじゃねぇの?」

亀仙人「……ウーロン、ちっと黙っとれ! こりゃ、大事な話じゃ!」

ウーロン「……は~い」

亀仙人「例外は、牛魔王ぐらいじゃ……クリリンは、最近真面目にやるようになってきた……」

クリリン「……はい」

亀仙人「しかし、お前はどうじゃ……いつまで経っても、フラフラフラフラしておる……お前、この数年間何しとったっ!?」

ヤムチャ「い、いやぁ……ナハハ……返す言葉がありません……」

亀仙人「……悟空だって、そうじゃ」

585: 2015/11/11(水) 23:47:44 ID:tH0CplaI
亀仙人「悟空は確かに英雄じゃ……地球の英雄じゃ……じゃが、しかし……」

ヤムチャ「……」

亀仙人「……氏んでしもうた」

クリリン「……」

亀仙人「チチと……悟飯と……そして、新たな命を残し……なっ……?」

ヤムチャ「……子供、出来てたらしいですね」

亀仙人「確かに……悟空がいなければ、セルに地球は破壊されていたじゃろう……だが、残された者はどうなる……?」

ヤムチャ「ちょっと……大変ですよね……はい……」

亀仙人「牛魔王もチチの為に……色々とやっておるが……それでもじゃ……それでも、悟空は少しばかり身勝手すぎる……」

665: 2015/11/12(木) 22:00:54 ID:wY2Rrj42
亀仙人「ワシは責任を感じておる……悟空は武道家として優秀だった故に……ああいった結果になってしまったのではないかとな……」

ヤムチャ「いや……そんな事は……」

亀仙人「師あるワシの責任じゃ……ワシがもっとしっかりしていれば……もっと変わった結果になったかもしれん……」

クリリン「いや……悟空に頼りっきりだった俺達にも、責任はありますよ……」

亀仙人「だから、これから亀仙流の弟子はな……人間としてもっともっと優秀な人材にしていかねばならんっ……! 武道家としてだけでは、なく……なっ……?」

ヤムチャ「……はい」

亀仙人「とにかく、フラフラフラフラしてたお前も……ようやく、真面目に生きる第一歩を踏み出したという所かの……?」

ヤムチャ「長々と御心配かけて……申し訳ありませんでしたっ……!」ペコッ

亀仙人「ヤムチャっ……! お前は、しっかりせぇ! お前は、しっかり生きろっ!」

ヤムチャ「はいっ……!」

666: 2015/11/12(木) 22:12:36 ID:wY2Rrj42
亀仙人「プロレスとは、武道のようでまた別物……じゃが、しかし……」

ヤムチャ「……」

亀仙人「お前がこれまで、培ってきた技術……経験……それは、きっとこの場所でも活用出来るはずじゃっ……!」

ヤムチャ「……はいっ!」

亀仙人「特に、お前は器用じゃ。お前は、ワシの弟子の中でも……一番器用なタイプかもしらん……」

ヤムチャ「……ありがとうございます」

亀仙人「お前なら、きっとその亀仙流武術も……ここで使える物にする事が出来るじゃろう……」

ヤムチャ「……はいっ!」

亀仙人「ヤムチャっ……! 精進するんじゃぞっ……!」

ヤムチャ「はいっ……! 精進しますっ……!」

668: 2015/11/12(木) 22:19:40 ID:wY2Rrj42
亀仙人「お前が、活躍すれば……ヒーローじゃ……そして、ヒーローはとはモテモテになれると相場が決まっておるっ……!」

ヤムチャ「はいっ……! んんっ……?」

亀仙人「そ~んな、モテモテのヒーローの師匠はどうじゃ!? も~っと、モテモテじゃっ! そうじゃそうじゃ、も~っとモテモテになれるに決まっておるっ!」

ヤムチャ「……あ、あの~?」

亀仙人「いやぁ~ん! あれって、あのヤムチャの師匠の武天老師なんじゃないの~?」キャピキャピ

ヤムチャ「……武天老師様?」

亀仙人「ふむ、如何にも……あのヤムチャを育てたのは……このワシじゃ……」キリッ

18号「……な~んか、一人芝居が始まったよ」

亀仙人「いやぁ~ん! カッコいい~、ナ~ウ~い~、素敵素敵~! もう、パンティーあげちゃう~!」キャピキャピ

クリリン「はぁ……こういう所がダメなんだよ、この人は……」

亀仙人「お嬢さん……私はパンティより……君のパフパフの方がいいんだがね……?」キリッ

669: 2015/11/12(木) 22:26:13 ID:wY2Rrj42
亀仙人「いやぁ~ん、いやぁ~ん! パフパフしちゃ~う! そ~れ、パフパフ……パフパフ……」キャピキャピ

18号「……いい加減にしなっ!」ゴチンッ

亀仙人「ガ、ガガっ……! お、お前……また殴りよったな……このワシを……」

ウーロン「どうやら、しっかりしなきゃいけないのは……弟子より、師匠の爺さんみたいだな! ハハハっ!」

亀仙人「カ、カカっ……! ワ、ワシはもう……隠居生活に入っておる……ワシはこれでいいんじゃ……」

プーアル「ちょっと、真面目な事を言ったと思ったら……相変わらずですねぇ……」

ヤムチャ「なぁ……? クリリン……いつもこんな感じなの……?」

クリリン「……基本的にはこんな感じですね。変わってませんよ、こっちも」

670: 2015/11/12(木) 22:32:45 ID:wY2Rrj42
ヤムチャ「あっ、ところで……クリリンさぁ……?」

クリリン「あっ、はい……どうしました……?」

ヤムチャ「俺は、ここでこうやって……プロレスデビューして、働いてるんだけどさぁ……お前、今何やってんだ……?」

クリリン「あっ、それねっ……!」

ヤムチャ「お前も真面目にやってるって事は……何か、お前も仕事とかしてるのか……?」

クリリン「ヤムチャさん、ヤムチャさんっ……! ちょ~っと、その事でお話が……あのっ……! ちょっと、二人で話しませんかね……?」グイグイ

ヤムチャ「お、おい……なんだよ、クリリン……」

クリリン「いいからいいからっ……! ホラ、こっちこっちっ……! あっ、ヤムチャさんと、積もる話があるからさぁ……? ちょっと、待っててくれねぇかっ……!?」グイグイ


ウーロン「な~んだよ……俺達に聞かせれない話なのかよ……?」

18号「……なんだい、アイツ」

亀仙人「カ、カカ……ま、まぁ……あやつらの付き合いは長い……そういう話もあるじゃろう……カ、カカ……」

672: 2015/11/12(木) 22:41:00 ID:wY2Rrj42
ーーー


リュウ「……んっ、ヤムチャはまだ戻ってねぇのか?」キョロキョロ

ケン「まぁ、積もる話もあるんじゃねぇか……?」

リュウ「ファンに見つかって……騒ぎになってるとかじゃないだろうなぁ……?」

ケン「その辺は、プーアル君がいるから……大丈夫なような気がするけどなぁ……」

リュウ「……そうだな」

ケン「あ~、でも万が一があるからなぁ……うんうん……ちょっと心配だね……? ファンに下手な事、言っちゃあ……なぁ……?」

673: 2015/11/12(木) 22:49:24 ID:wY2Rrj42
サガット「おい、リュウ……ケン……ヤムチャ君は、どうしたんだ……?」キョロキョロ

ケン「お~う、サガット……まだ、友人と話してるみたいだけど……」

リュウ「……ちょっと、探してくるよ」

ケン「えっ……? お、おい……お前が行くのかよ……?」

リュウ「万が一、ファンに掴まっていたら……厄介だ……それと……」

サガット「……それと?」

リュウ「ちょっと、クリリンって奴を生で見てみたい気持ちもある……」

ケン「……なぁ~んだかんだで気になってたのかよ、お前っ!?」

リュウ「ははは、見るだけだよ見るだけ……それじゃあ、見物に行ってくるよ……」

サガット「俺も、見に行きたいけど俺がヤムチャ君を探している……と、いうのはおかしな話だよな……?」

ケン「……お前もかよ」

674: 2015/11/12(木) 22:54:51 ID:wY2Rrj42
ーーー


ヤムチャ「おいおいっ……なんだなんだ、どうしたどうした、クリリンっ……!」

クリリン「いいからいいから、ヤムチャさん……よしよし、この辺なら大丈夫かな……?」キョロキョロ

ヤムチャ「皆に聞かれちゃ、マズい事でもあるのかよ……? あっ、お前……ひょっとして、何か危ない仕事に手ぇ出してるんじゃねぇだろうなっ!?」

クリリン「そんなんじゃないですよっ……! ホラ、俺は……ヤムチャさんみたいに、こういう派手な仕事は性に合わないっていうか……向いてないっていうかね……?」

ヤムチャ「……うん」

クリリン「それでも、武天老師様の所で培った物を使いたいというのも、ありましてね……?」

ヤムチャ「うんうん」

クリリン「警官っすよ。俺、警察官になろうと思ってるんですよ」

ヤムチャ「あ~、警察官ね……なる程なる程……結構、考えてるんだなぁ……」

676: 2015/11/12(木) 23:01:45 ID:wY2Rrj42
ヤムチャ「じゃあ、今日は休日か? 休日の中……わざわざ、見にきてくれたんだな……?」

クリリン「あ~、いやっ……! まだですっ……! まだ、警察官ではないんですよ……?」

ヤムチャ「……あぁ? どういう事だ?」

クリリン「あの~、ヤムチャさん知ってます……? 警察官になろうとしてもね……どんなに、強くても……どんなに腕があっても……それだけじゃなれないんですよ……?」

ヤムチャ「な~んでだよ……? お前ぐらいの強さだったら……すぐなれるだろう……!」

クリリン「試験があるんですよ……試験が……採用試験ってのがあるんですよ……」

ヤムチャ「あ~、そうなんだ……そういう物もあるんだ……へぇ~……」

677: 2015/11/12(木) 23:09:13 ID:wY2Rrj42
クリリン「だから俺、今……武天老師様の所で世話になりながら、その試験の勉強をしてるってワケです」

ヤムチャ「へぇ~、簡単にはなれないもんなんだぁ。でも、そういう事だったらな……頑張れよ、クリリン」

クリリン「……俺もこの歳になって、勉強始める事になるとは思いませんでしたよ。ちくしょう、こんな事ならもっと勉強しておけばよかったですよ」

ヤムチャ「大丈夫だって。お前だったら絶対に警察官になれるよ! うん、頑張れクリリンっ!」

クリリン「ヤムチャさん、ありがとうございます……」

ヤムチャ「うんっ!」

クリリン「それで、ね……? ヤムチャさん……ここからです……ここから、話があるんですよ……」

ヤムチャ「……なんだなんだ、どうした?」

679: 2015/11/12(木) 23:16:30 ID:wY2Rrj42
クリリン「今、俺は武天老師様の所でお世話になってる身分ですよね……? やっぱり武天老師様の言う通り、武道家としてはともかく……人間としては、俺もフラフラしてて、ダメじゃないですか……?」

ヤムチャ「でも、勉強はしてるんだろ? 努力はしてるんだろ? 頑張ってるじゃねぇか!」

クリリン「そうです。それでね……? その努力が実って、俺が警察官になって……」

ヤムチャ「うん」

クリリン「安定した収入を得る事が出来るになって、ね……日々の暮らしに不憫な思いを感じさせないような立派な男になれたら、ね……?」

ヤムチャ「うん……んっ……?」

クリリン「俺、プロポーズしようと思うですよ……アイツに……」

681: 2015/11/12(木) 23:23:58 ID:wY2Rrj42
ヤムチャ「アイツって……」

クリリン「ヤムチャさんには、話しておこうと思いまして……あの、内緒ですよ? まだ、内緒にしておいて下さいね……?」

ヤムチャ「18号の事だよなぁ……?」

クリリン「俺もね、ちゃんとしようと勉強していく中で……やっぱり、ちゃんとした関係と言うか……そういう事を思うようになってきまして……」

ヤムチャ「お、おいっ……! そ、それってっ……! 結婚って事かっ!?」

クリリン「だぁ~っ、声がデカいですっ……! まだですっ……まだなんですからっ……!」


18号「あぁ……? アイツら何の話をしているんだ……?」チラッ

ウーロン「きっと、可愛い女選手紹介しろって、頼み込んでるに違いねぇなっ!」

18号「……ほ~う、そりゃお仕置きだ」

682: 2015/11/12(木) 23:28:33 ID:wY2Rrj42
ヤムチャ「お前っ……! だって、おいっ……! お、おいっ……!」

クリリン「静かにっ……! 静かに、ヤムチャさんっ……!」

ヤムチャ「あ、あぁ……す、すまん……」

クリリン「ま、まだするって決まったワケじゃないんですけどね……? 採用試験にも受かってないですし……で、でも……ねぇ、ヤムチャさん……」

ヤムチャ「採用試験に受かってから、か……」

クリリン「そ、その……何と言うか……俺の方が先……あ~、いや……こういう言い方はおかしいですよね……え~っと……すいませんっ! ヤムチャさんっ!」ペコッ

ヤムチャ「い、いやっ……! お、おいおい……待てよ待てよ、クリリンっ……!」

クリリン「……すいませんっ!」ペコッ

ヤムチャ「あ~、待てよってのは、そういう意味じゃなくて……めでたい報告じゃねぇかっ!? お前が、謝る事ねぇよっ!」

683: 2015/11/12(木) 23:32:56 ID:wY2Rrj42
ヤムチャ「いいから、頭を上げろ……なっ……? なんで、俺に謝ってるんだよ……」

クリリン「あ~、いやぁ……」

ヤムチャ「俺に気を使う必要ねぇよ……俺なんかにさ、気を使わなくても大丈夫だから、なっ……? そりゃ、お前だってそういう事を考えるようにもなるさ……自然な事なんだから……なっ……?」

クリリン「……はい」

ヤムチャ「そうかそうか……クリリンもそういう事を考えるようになったか……そうだよな……付き合ってたら、そうなるか……」

クリリン「はい」

ヤムチャ「でも……なぁ……? 大丈夫か……? 結構、凶暴な所あるんじゃねぇのか……? なぁ……?」

クリリン「はは、確かにそういう所はありますけど、ね……でも……」

ヤムチャ「……うん」

クリリン「……それ以上に、いい所もありますから」

ヤムチャ「……そうか」

705: 2015/11/13(金) 22:02:28 ID:cuj3bCHc
ヤムチャ「そういう事だったら、なっ……!?」ガシッ

クリリン「う、うおっとっ……!」

ヤムチャ「頑張れよ、なっ! 頑張れよ、クリリンっ!」バシバシ

クリリン「あたたた……痛っ……! ちょっと痛いですって、ヤムチャさんっ……!」

ヤムチャ「早い所、警察官になって……それで、なっ……? 早い所、しちまえ……なっ……?」

クリリン「は、はいっ……! ありがとうございますっ……!」

ヤムチャ「俺も応援してるからよぉ……! 温か~い、家庭作れよぉ~、クリリンっ……!」

クリリン「ちょ、ちょっとっ……! 気が早いですって……まだですよっ……! まだ、そこまではいってないんですからっ……!」

ヤムチャ「ハハハハ、ハハハハっ!」


リュウ「おっ、いたいた……アレがクリリンかな……? 背丈は結構小さいんだな……」

706: 2015/11/13(金) 22:08:42 ID:cuj3bCHc
リュウ(それで、あっちの三人も……ヤムチャの友人かな……?)チラッ

ウーロン「クリリンとヤムチャの野郎、何話し込んでやがるんだ……?」

リュウ(ありゃ、豚型人間だな……アイツ、プーアル君といい、幅広く付き合ってるんだな……)

18号「……後で、とっちめて聞いてやらないといけないね」

リュウ(それで、女……雰囲気出てる女だな……あっちも格闘技経験者かな……?)

亀仙人「ホッホッホ。野暮な事はするもんではない」

リュウ(それで……んっ……? アレって……)マジマジ

亀仙人「……おや?」

リュウ(あれって……お、おいっ……! ジャッキー・チュンじゃねぇかよっ!? ジャッキー・チュンがこんな所にいるぞっ!?)

707: 2015/11/13(金) 22:15:46 ID:cuj3bCHc
ウーロン「爺さん、どうした……って、あっ……アレ、リュウじゃねぇか?」

18号「おお、そうだね……最後に試合をしてた奴だ……リュウだね……」

プーアル「あっ……! リュウさんっ……!」

亀仙人「ヤムチャはクリリンと話し込んでるようじゃし……ちょ~っち、ワシはアヤツに挨拶をしてくるとでもするかの……」ササッ

リュウ(お、おいおい……近づいて来たぞ……あのジャッキー・チュンが……こっちに近づいて来たぞっ……!?)

亀仙人「リュウさん……じゃったな……?」

リュウ「は、はい……! ヤ、ヤムチャ君の……御友人のお方ですよね……?」

亀仙人「……うちのヤムチャがお世話になっております」ペコッ

708: 2015/11/13(金) 22:23:35 ID:cuj3bCHc
リュウ「あ~、いえいえっ……! ヤムチャ君は、しっかりと働いてくれてましてね……礼を言うのは、こっちの方ですよ……どうぞどうぞ、お顔を上げて下さいっ……!」

亀仙人「ホッホッホ。アンタの試合もよかったぞ。今日、一日楽しめたわ」

リュウ「ありがとうございます……あの、一つお伺いしてもよろしいでしょうか……?」

亀仙人「……なんじゃ?」

リュウ「ジャッキー・チュン……さん……ですよねぇ……?」

亀仙人「おぉ、なんじゃ……お主にもバレてしまったか……」

リュウ「あっ、やっぱり……」

亀仙人「バイソンとか言う奴にも、バレてしまったわ……こりゃ、新しい変装のパターン、考えるねばいかんな……」

リュウ(……変装のパターン?)

709: 2015/11/13(金) 22:30:19 ID:cuj3bCHc
リュウ「天下一武道会の優勝者に、こんな所で会えるだなんて……こちらこそ、光栄ですよ。今日は、ご来場頂きありがとうございます」

亀仙人「……やめんかい、やめんかい。昔の話じゃ」

リュウ「ヤムチャ君も、武道家として非常に優れていますが……彼を指導されたのは、貴方が……?」

亀仙人「ワシは、ちょこっと手解きしてやっただけじゃよ。アヤツは、殆ど独流じゃ」

リュウ(ん……? この話……何処かで……確か……)

亀仙人「基礎は叩き込んだつもりじゃが……独学が故、どうも無駄な動きが多い……しかし、アンタらの所ではな……? それが、役に立つのではないかの……?」

リュウ「……失礼ですが」

亀仙人「……む?」

710: 2015/11/13(金) 22:37:28 ID:cuj3bCHc
リュウ「……何か異名を持ってたりしますかね?」

亀仙人「むむっ……? どういう事じゃ……?」

リュウ「武術の神……そういう風に呼ばれた事は、ありませんかね……?」

亀仙人「……ふむ」

リュウ(確か、言っていた……ヤムチャは言っていた……自分の師匠は武天老師だと……あの時は冗談だと思っていたが……この雰囲気……)

亀仙人「……」

リュウ「武天老師様……ですよね……?」

亀仙人「……お主の師匠とも、戦った事があるぞい」

リュウ「……えっ?」

711: 2015/11/13(金) 22:47:16 ID:cuj3bCHc
亀仙人「武術の神だなんて呼ばれておると、多くの人間に吹っかけられる……お主の師匠……確か、剛拳じゃったかの……? それも、チャレンジャーの一人じゃった」

リュウ「師匠と、戦った事があるんですか……!?」

亀仙人「ワシが勝った……ワシが勝った事には、勝ったが……お主の師匠はなぁ……悔いておった……」

リュウ「……」

亀仙人「負けた事ではなく……何も出来なかった自分に対して……悔いておったわ……まぁ、アンタらの言う所のしょっぱい試合じゃったと言うワケじゃ……」

リュウ「……」

亀仙人「ワシに挑んでくる奴なんてのは、ワシを倒して名を挙げたい……な~んて奴も多かったからな……一風変わったチャレンジャーじゃったから、覚えておるわ」

712: 2015/11/13(金) 22:53:50 ID:cuj3bCHc
亀仙人「プロレスとして、何処まで出来るのか……試したかったんじゃろうな……しかし、ワシは大人気なかったよ……あっさり終わらせてしまった……」

リュウ「……」

亀仙人「……申し訳なかったと伝えておいてくれ」

リュウ「……はい」

亀仙人「ヤムチャはワシとは違う……ワシと違って、アイツは器用じゃ……アンタらの土俵で、アンタらのやり方で出来る男じゃ……なっ……?」

リュウ「そうですね」

亀仙人「今は、アンタらは仲間のようじゃが……いずれ、師弟対決が出来るといいな? 今度は、アンタらのルールでな」ニカッ

リュウ「……はい」

713: 2015/11/13(金) 23:01:16 ID:cuj3bCHc
ヤムチャ「ハハハハ、ハハハハっ!」バシバシ

クリリン「痛い、痛いですって、ヤムチャさんっ……! それに、あまり長話してると……皆に怪しまれますから、そろそろこの辺で……」

ヤムチャ「あっ、それもそうだなっ! じゃあ、皆の所にって……アレ……?」

クリリン「んっ……? あれって、ヤムチャさんのね……リュウさんって人ですよね……?」

ヤムチャ「なんで、リュウさん来てるんだ……? しかも、武天老師様と話し込んでるじゃねぇか……ちょっと、ちょっと……俺、あっち行ってくるわ……ゴメンな、クリリンっ……!」

クリリン「あ~、はいはいっ! 行って下さい」

ヤムチャ「それと……なっ……!? 頑張れよ、クリリンっ!」

クリリン「はいっ!」

715: 2015/11/13(金) 23:08:11 ID:cuj3bCHc
ヤムチャ「リュウさ~ん、リュウさんどうしたんですか……? こんな所に来ちゃって……」

リュウ「あぁ、ヤムチャ……折角だからな、俺もお前の御友人に挨拶しておこうと思ってな……」

ヤムチャ「いいっすよ、いいっすよ、こんな人に……わざわざリュウさんが挨拶する必要なんてないんですから……」

リュウ「こんな人……? お前、自分の師匠に向かってそんな言い方はないだろう……?」

ヤムチャ「違うっ……! リュウさんは知らないんですよっ! この人の本当の姿をっ!」

リュウ「本当の姿って……この人の本当の姿は、武天……」

亀仙人「まぁまぁまぁ……リュウさんや、リュウさんや……もういいじゃろう、なっ……?」

717: 2015/11/13(金) 23:14:47 ID:cuj3bCHc
亀仙人「うちの所のヤムチャは、武道家としては優秀かもしれんが、見ての通りまだまだじゃ……」

ヤムチャ「それは、あなたがねぇっ……!」

亀仙人「こんな形で送り出すのは、師として情けない事かもしらんが……それでも……」

ヤムチャ「聞いてますっ!? ねぇ、聞いてますっ!?」

亀仙人「どうか、こいつを頼みますわ。一人前にしてやって下さい」ペコッ

ヤムチャ「子供じゃないんですから……も~うっ……!」

リュウ「はい、大切にお預かりさせて頂きます……」ペコッ

ヤムチャ「って、あ~っ! リュウさんまで……も~うっ……!」

718: 2015/11/13(金) 23:19:09 ID:cuj3bCHc
ーーー


サガット「リュウまで戻って来なくなったぞ。まさか、本当にファンに捕まってるんじゃないだろうなぁ?」

ケン「……案外、楽しく喋ってたりしてなぁ?」

サガット「それだといいんだが……」

バイソン「ジャッキー・チュンと楽しくお喋り……う~ん、羨ましいね……」

サガット「……ジャッキー・チュンって、どういう事だ?」

バイソン「あれ……? 言ってなかったっけ……? ヤムチャ君の友人にさぁ、ジャッキー・チュンも来てるって……」

サガット「……聞いてないぞ、おい」

721: 2015/11/13(金) 23:28:23 ID:cuj3bCHc
バルログ「案外、軽く鍛えてもらってたりしてね……」

ケン「あ~、それいいねぇ、うん」

バルログ「私はルチャ・リブレがベースですからねぇ。そういうのは使えそうにはないですけど、習ってみたいような気はします」

バイソン「俺もラフファイトだからなぁ……使えそうにないけど……うん、やっぱり習ってみてぇ!」

サガット「俺はムエタイだっ! 使えるぞっ! 多分、試合でも使えるっ!」

バルログ「……サガット、ヒールじゃないですか」

ケン「ヒールのお前が出歩くのやめておけって……俺、探しに行ってみようかな……?」

サガット「ジャッキー・チュンが来てるなんて聞いてなかったぞっ! どうしてお前達、言ってくれなかったんだっ!?」

バイソン「な~んか、言い出すタイミングなかったんだよ……そういう時もあるだろうが」

746: 2015/11/14(土) 22:02:27 ID:/ieX/gog
ーーー


クリリン「それじゃあ、ヤムチャさん……今日はお疲れ様でしたっ! 楽しかったですよっ!」

ウーロン「お~う、近いうちにまた来るからなっ! しっかりしろよ、ヤムチャっ!」

ヤムチャ「おう、皆して……本当にありがとなっ! 久々に皆の顔が見れてよかったよ。近いうちにまた来てくれっ!」

リュウ「……お待ちしております」ペコッ

亀仙人「ホッホッホ、それじゃあ飯でも食って……帰るとするか……」

18号「……それと、ショッピングもしようよ。確か、そういう約束したもんね?」

クリリン「おいおい、待てよ……あれは、お前が勝手になぁ……?」

18号「なぁ~に言ってるんだい……約束は約束だよ……キッチリ守ってもらうよ……?」

クリリン「だからぁ~、おいおい……勘弁してくれよ……」

ヤムチャ「……ハハハ。クリリン、仲良くな」

747: 2015/11/14(土) 22:09:11 ID:/ieX/gog
リュウ「いやぁ、あの時は冗談だと思ったんだけどさ……」

ヤムチャ「……んっ?」

リュウ「お前の師匠が、武天老師様だって……アレ、本当だったんだな……?」

ヤムチャ「あ、あれっ……? リュウさん、武天老師様だって……わかっちゃいました……?」

リュウ「でも、もうちょっと敬意を払った方がいいんじゃないか……? 武術の神だぞ……武術の神……」

ヤムチャ「いやぁ、勿論払う所では払ってるんですけどね……? ただねぇ……なんと言うか、その……ねぇ……?」

リュウ「……なんだよ?」

ヤムチャ「いやぁ、本性知ったら……びっくりしますよ、リュウさんも……?」

リュウ「……いい人だったじゃないか」

ヤムチャ「いや~、だからですねぇ……」

749: 2015/11/14(土) 22:17:27 ID:/ieX/gog
ヤムチャ(しかしなぁ……クリリンが……あのクリリンが……そうかそうか、プロポーズか……)

リュウ「さて……」

ヤムチャ(最初に会った時は芋臭い小僧だったのに……へへ、髪とか伸ばして色気づいちゃってさ……そうかそうか……そうだよな……クリリンだって、もうそういう事考えるよな……)

リュウ「……そろそろ、戻るか。ケンやサガットも待ってるからな?」

ヤムチャ(悟空に……クリリン……この中じゃ絶対俺が一番最初だと思ってたけど……ハハハ、俺が一番最後になっちまったな……)

リュウ「ん……おい、どうした……? 聞いてるんだったら、返事ぐらい……」

ヤムチャ「ちっくしょうっ……! 俺も負けねぇぞ、この野郎っ……!」

リュウ「……う、うおっ! なんだっ!?」ビクッ

751: 2015/11/14(土) 22:26:31 ID:/ieX/gog
プーアル「ちょ、ちょっと……ヤムチャ様、どうしたんですか……? いきなり大声なんか出しちゃって……びっくりさせないで下さいよ……」アセアセ

ヤムチャ「あ~、悪い悪いプーアル。こう、感情が高まってな……自然に出ちゃうっ……! そういう時って、人間あるだろ? なっ、なっ……?」

リュウ「……お前は、何を言ってるんだ?」

ヤムチャ「あ~、いや~……やっぱり、友人達に会ったらね、俺も触発されたと言うか……こ~う、俺も頑張ろうっ! って、気持ちになったんですよ。ナハハハ」

リュウ「そうかそうか……じゃあ、これからそれをいい方向に使ってくれ……頼むぞ……」

ヤムチャ「勿論っすよっ! それじゃあね……皆の所に戻りましょうかっ! よ~し、これから飲み会だ~! 俺も頑張るぞ~!」

リュウ「……お前は飲み会で何を頑張るんだ?」

ヤムチャ「そりゃ~、色々っすよっ……! 色々、色々っ! さぁさぁ、リュウさん、リュウさん、行きましょうっ!」

リュウ「……こういう所が、まだまだって言われる所以なのかな? う~ん」

754: 2015/11/14(土) 22:32:40 ID:/ieX/gog
ーーー


サガット「そりゃ、試合に向けて集中はしてたけど……そういう事だったら、教えてくれてもよかったんじゃないか……? なぁ……?」

バイソン「こっちの好意をそういう受け取り方するんじゃねぇよ、サガットちゃん……」

サガット「いやぁ……でもなぁ……?」

ケン「いつまでやってんだ……おっ、それよりリュウとヤムチャ……戻ってきたみたいだぞ……?」


リュウ「……ただいま」

ヤムチャ「あ~、すいませんすいません、皆さん……待たせちゃいましたかね……?」

756: 2015/11/14(土) 22:41:50 ID:/ieX/gog
サガット「おい、リュウ……お前も、ジャッキー・チュンと話したのか……?」

リュウ「あぁ。ヤムチャの事……よろしく頼むって言われたよ……」

サガット「天下のジャッキー・チュンがそう言ったのか……?」

リュウ「あぁ、そういう風に頼まれた……こりゃ、もうヤムチャの育成失敗は許されないぞ、おい……」

サガット「……そうだよなぁ」

リュウ「と、いうかジャッキー・チュンって……実は……」

プーアル「まぁまぁまぁ……リュウさん、リュウさん……いいじゃないですか……その事はもういいじゃないですかっ……!」

リュウ「……んっ?」

プーアル「ジャッキー・チュンの話はもういいじゃないですかっ!? ジャッキー・チュンがどれだけ凄くても、ヤムチャ様はヤムチャ様なんですからっ!」

バイソン「……プーアル君も言うねぇ、うん」

リュウ(あっ、そっか……わざわざ変装して来るって事は……やっぱり、武天老師だって、バレたくないのかな……? 俺が、皆に言う事……では、ないか……)

757: 2015/11/14(土) 22:51:13 ID:/ieX/gog
ヤムチャ「んっ……?」キョロ

ケン「……どうした、ヤムチャ?」

ヤムチャ「んっ……? んっ、んっ……?」キョロキョロ

バルログ「ヤムチャ君、どうしました?」

ヤムチャ「あれ~? 今日……さくらちゃんは……?」

キャミィ「さくらさんは、今日も残業です」

ヤムチャ「あらっ……! さくらちゃん、今日も残業なんだっ!? じゃあ、飲み会……来れないの……?」

キャミィ「はい」

ヤムチャ「あらららら。またか~」

758: 2015/11/14(土) 22:56:47 ID:/ieX/gog
バルログ「さくらさんが、残業という事になりますと……また、女性陣はキャミィさん一人ですか……大丈夫です……?」

キャミィ「私は、大丈夫ですよ」

バルログ「ローズさんとか、かりんさんも誘ってみますかね……?」

バイソン「これだ、これこれ……見ろよ、これがバルログちゃんのテクニックだ……こうやって、女を誘うんだよコイツは……」

バルログ「違いますよっ……! 私は女性陣が、キャミィさん一人だったらい辛いんじゃないかなと思いまして、こういう提案をですね……?」

バイソン「はいはい、またまた~」

サガット「う~ん……確かに、さくらちゃんが残業でこっちに来れないとなると……これは、ローズさんとかりん君も、こっちに呼ぶべきなのかなぁ……?」

バルログ「……でしょ?」

ケン「なぁ~んか、どんどん増えてくるなぁ……おい……」

759: 2015/11/14(土) 23:04:54 ID:/ieX/gog
キャミィ「それじゃあ、私がまたローズさんとかりんさんに声かけておきますよ」

バルログ「キャミィさんがこっちばかりでね……女子部の方々とコミュニケーション取れなくなると、いけないでしょ……? もう、いっそ合流させちゃいましょう」

バイソン「キャミィちゃんは、シャドルーの仮部員でもあるしなぁ……うん、だからこれを機に、俺達と女子部の架け橋になってくれや!」

キャミィ「……頑張ってみます」

バイソン「明日はかりんと王者戦か……? その時は俺達、シャドルーも出番あるだろうから……うんうん……かりんとコミュニケーション取る事は、悪い方には転がらねぇはずだ」

キャミィ「あっ、その事なんですけど……」

バイソン「……どうした?」

760: 2015/11/14(土) 23:14:25 ID:/ieX/gog
キャミィ「明日は、かりんさんと私ではなく……かりんさんと、さくらさんだそうです。さくらさんに、そう言われました」

ケン「今日、かりんが……挑戦表明してたじゃねぇかよ……? それはどうするんだ……?」

キャミィ「……私が解説で、二人の間に割って入っていけと」

バイソン「う~わっ……! 大変だね、ハハハ」ニヤニヤ

キャミィ「さくらさんに勉強して来いと言われました……この後、御指導よろしくお願いします……」

サガット「それは、緊急だな……今日はそこをメインとするか……」

キャミィ「……申し訳ありません」

リュウ「気にする事はないよ……解説を勉強するべき人間は、ちょうどこっちにもいる……なっ、ヤムチャ……?」

ヤムチャ「キャミィさん、俺も付き合うから……一緒に勉強しよう……」キリッ

ケン「……格好つけてんじゃねぇよ、バーカ」

761: 2015/11/14(土) 23:21:58 ID:/ieX/gog
バイソン「それじゃあ、後はダンさん誘って……行きますかっ!」

ケン「てめぇも、仕切ってんじゃねぇよ、バーカ」

ヤムチャ(う~ん……なんだよ、さくらちゃん……また来れねぇのか……)

バイソン「ハハハ! たまには、いいじゃねぇかよ、おい。それじゃあ、ヤムチャ君もな……?」

ケン「そうだよ、とっとと着替えて来いよ」

ヤムチャ(う~ん……なんだよ、ちくしょう……まぁ、仕方ないと言えば仕方ないのかな……? でも……う~ん……)

プーアル「……ヤムチャ様?」

ヤムチャ「あっ……! うんうんうんっ……! わかってるよ、わかってるよ……プーアル」

762: 2015/11/14(土) 23:25:54 ID:/ieX/gog
ーーー


さくら「……メインが、リュウさん抜きでの、ベガさんとサガットさんで大丈夫ですか? 」

ベガ「やりきってみせるさ……あの、PVが予想以上に効果があった……今回は、数日かけての宣伝だ……なんとかしてみせる……」

さくら「……」

ベガ「ところで、さくら……今日お前達の試合だが……」

さくら「……なんすか?」

ベガ「お前……あまり自分の商品価値を落とすような試合はするなよ……?」

さくら「その点は、大丈夫っす。大丈夫……自分は熱狂的なファンに支えられていますから」

ベガ「……そうか」

763: 2015/11/14(土) 23:31:57 ID:/ieX/gog
さくら「……ベガさんも」

ベガ「……んっ?」

さくら「ベルトの価値……あまり落とすような真似は、やめて下さいね……」

ベガ「……」

さくら「先人達が必氏に……いい試合して……ちょっとずつ価値を積み重ねてきたベルトなんですよ、それは……」

ベガ「……そうだな」

さくら「……本当に女子部に喰われても知りませんよ? ねっ?」

ベガ「喰ってくれても構わん……春麗の復帰試合は、メインにする予定なんだからな……」

788: 2015/11/15(日) 22:08:33 ID:2Ue9S0GY
さくら「一週間後のメインは、ベガさん対サガットさん……二週間後のメインは、女子部……それで、明日のメインは……?」

ベガ「ここに、ロレント・ソドム組とホーク・フェイロン組を持ってきてリュウを休ませたいのだが……」

さくら「……タッグのベルト戦っすか」

ベガ「……無理だよな?」

さくら「厳しいかと」

ベガ「まだリュウ休ませる事は出来ないようだな……明日のメインは、私とリュウになるな……ロレント達は第五試合でやらせよう……」

さくら「ベガさんと、リュウさん……もう、使っちゃうんですか……?」

ベガ「まだ、使わない……勿論タッグだよ……パートナーは……」

790: 2015/11/15(日) 22:24:39 ID:2Ue9S0GY
ベガ「バルログと……ヤムチャ……いってみたいなぁ……」

さくら「バルログさんと、ヤムチャさんですか」

ベガ「あぁ、この組み合わせは今日の勝利者だ、リュウも勝った……バルログも勝った……ヤムチャも勝った……シャドルー三連戦の生き残り組だ。今日の延長戦だな……」

さくら「……確かに」

ベガ「リュウに私を追い詰めてもらいつつ……ヤムチャに負けさせる……うん、これだろうな……」

さくら「……ヤムチャさんメインデビューっすか?」

ベガ「……早いか?」

さくら「女子部は基本的に、そういう事には慣れっこですが……下手したら、タッグ組の反感買う事になりますよ?」

791: 2015/11/15(日) 22:43:24 ID:2Ue9S0GY
ベガ「タッグ組も今きているロレントとソドムを中心にメインデビューをさせるていくつもりだ……明日、サガットとナッシュに戦ってもらう……」

さくら「サガットさんと、ナッシュさん……? また、変わった組み合わせですね……?」

ベガ「一週間の王者戦に向けて……サガットの修行だな……この一週間、サガットには空手軍団とは絡ませずに、タッグ組と絡んでもらう事にするつもりだ」

さくら「……」

ベガ「ヤムチャをメインに出すのは、あくまで空手軍団だからだ……タッグ戦線にサガットという刺激を投下して……タッグ組のコンテンツを大きい物にしてもらわないとな……」

さくら「ここでも、シャドルーが絡んでくるんですね。女子部も、そうですけど」

ベガ「タッグベルトをメインに持って来れるだけの輝きを作ってもらいたい。現段階では、メインで納得してもらえるのは、シャドルーと空手軍団というブランドありきだろう」

792: 2015/11/15(日) 23:04:47 ID:2Ue9S0GY
居酒屋ーー


ナッシュ「挑戦権を得たのは……ホーク君と、フェイロン君か……」

ホーク「そうですね。最近、プッシュされてるのを感じます」

ガイル「……お前、結構前からプッシュされてたんだぞ? ずっと、気づいてなかっただろ?」

ホーク「……そ、そうなんですか?」

フェイロン「本当、ウチの相方はこの辺がダメなんですよ……すいません……」

ヤン「俺達もお膳立てしたんですから、ロレントさん達といい試合して下さいよ、ホークさん……フェイロンさん……」

ホーク「そりゃ、勿論さっ! 次の試合を盛り上げて……タッグ戦線、盛り上げていきましょうっ! ロレントさん、ソドムさんっ! ガハハハ!」

794: 2015/11/15(日) 23:16:07 ID:2Ue9S0GY
ロレント「……いやぁ、もう自分は吐きそうっすけどね」

ソドム「……どうした、ロレント君? まだ、そんなに飲んでないだろ?」

ロレント「いや、そういう意味じゃなくて……本田さんと組んでた頃は、全くプッシュされてなかったのに……パートナー変わった途端、このプッシュじゃないですか……?」

ガイル「……ヒールターンしたってのもあるだろ?」

ロレント「これだけ押される事はなかったもんですからね……もう、プレッシャーで、プレッシャーで……いつも、試合前になったら吐きそうになります……」

ソドム「まさか、私のパートナーの本性が、こんなに器の小さい男だとは思わかったよ」

ロレント「……リングでは、しっかりやってるつもりですよ?」

ソドム「ははは、そうだな。リング上でさえ、しっかりしてくれていればいいさ」

ナッシュ「二人のプッシュのおかげで、最近僕が影薄くなっちゃったよ……人気大丈夫かな~?」

795: 2015/11/15(日) 23:28:38 ID:2Ue9S0GY
ユン「でも、俺達タッグ組はもっとプッシュされてもいいと思うんですよっ!」

ガイル「……なんだなんだ、どうした?」

ユン「だって、あの新入りっ!」

ガイル「……あぁ」

ユン「あのヤムチャって奴っ……! なんなんですよ、アレっ……!」

ナッシュ「ディージェイ君と同じように、即戦力を期待されて入団してきたんだろうが……」

ガイル「……まぁ、いい位置でやってるわな」

ナッシュ「猛プッシュなんてもんじゃないね……超プッシュだ……」

800: 2015/11/15(日) 23:50:33 ID:2Ue9S0GY
ロレント「……なんだかんだでプレッシャーは凄いと思いますよ? 今の自分、そうですから」

ユン「ロレントは本田さんとも組んでたし……長いじゃないですかっ! それに、ソドムさんだってベテランだ」

ソドム「……そうだな。私は長いな」

ユン「あの新入りは……経験ないでしょ……? あんな奴に、ゴボウ抜きされてちゃ、ちょ~っと立場ありませんよ……」

ヤン「……言いたい事は、わかる。うん」

ユン「シャドルーさんもべったりでしょ……? なんですか、アレ……?」

ヤン「こんな状況で、俺達じゃなく……あの新入りが……皆さんは、納得してるんですか……?」

803: 2015/11/15(日) 23:57:40 ID:2Ue9S0GY
ナッシュ「ちょっと……ねっ……?」

フェイロン「う~ん、まぁねぇ……」

ホーク「来るなら、私達の一つ下に来て欲しかったというのが本音かな……?」

ユン「ほらっ、ほらっ! 皆、納得してないっ! 俺だって納得していないっ!」

ガイル「お前いくら納得がいかねぇからって、間違ってもシュートしかけんじゃねぇぞっ!? 天下一武道会でいい所までいった奴なんだからなっ!? 返り討ちにされちまうぞっ!?」

ヤン「だから、そういう他の所の経歴を……こっちに持ってくるってのが、一番気に入らないんですよ……」

ロレント「皆さんの気持ちもわかりますけどね……ソドムさんは……?」

ソドム「……ノーコメント」

884: 2015/11/17(火) 22:01:33 ID:uzabEuFo
ーーー


プーアル「あっ、リュウさんグラス空ですよ。注ぎますね」

リュウ「おっととと……はいはい、ストップストップ……おう、プーアル君、ありがとう」

ヤムチャ「あ~、ケンさんも……グラス空です……それじゃあ、こっちは俺が注ぎます」

ケン「お~う……御苦労……」

ダン「なんだかんだでよぉ、ヤムチャも馴染んで来たんじゃねぇか、なぁっ!?」

ケン「入団したての時はね……どうなる事かと思ってたけど……スタミナも多いし、身体能力もあるからな……今日は、セコンドもやったからな……うんうん……」

ヤムチャ「セコンドはしましたけど、俺はバイソンさんと違って何も出来てませんよ。それに……マイクパフォーマンスもやってませんしね……ナハハ」

リュウ「そうだそうだ、バイソンバイソンっ! お前、セコンド入るなんて……聞いてなかったぞっ!?」

バイソン「ガハハハハ、まぁいいじゃねぇか! いいじゃんいいじゃん。結果的には全体として上手くいったんだからよぉ?」

885: 2015/11/17(火) 22:07:03 ID:uzabEuFo
キャミィ「バルログさん、今日のケンさんとの試合で新技を出しましたよね?」

サガット「おお、そういや出してたな。うん」

バルログ「フィニッシュホールドになり得る関節技……私も欲しかったですからね。それと、ヤムチャ君対策に……」

ヤムチャ「……俺対策?」

ケン「あっ、そうだそうだっ! バルログよぉ、俺一つ聞きたい事があるんだけどさ……?」

バルログ「……どうしましたか?」

ケン「あの新技ってさぁ……? 『バルログ・スペシャル』で……『バロ・スペシャル』って、言ってたよなぁ……?」

バルログ「はい、言いましたよ」

ケン「でも、試合中には……確か『パロ・スペシャル』って言ったよなぁ……?」

バルログ「……はい、言いましたよ」

ケン「バナナの『バ』じゃなくて、パンダの『パ』だったんだよなぁ? ありゃ、どういう事だ……?」

886: 2015/11/17(火) 22:15:47 ID:uzabEuFo
バルログ「あれね……うん、あれはね……うん、うんうん……」

ダン「……どうした? 何か事情でもあったのか?」

バルログ「あれね……うん……噛んじゃったんですよ……」

ケン「……はぁ?」

バルログ「『バロ・スペシャル』って言おうとしたら……噛んじゃって『パロ・スペシャル』になっちゃいました……」

バイソン「お前っ……! 折角の新技なのに……噛んだのかっ……!? 何やってんだよ!?」

バルログ「やっちゃいましたねぇ……でも、パロ・スペシャル……響きは悪くありませんね。うん、噛んでませんっ! あれは、最初から『パロ・スペシャル』だったのですよ。私は噛んでませんよ。もう、アレはパロ・スペシャルでいきますよ」

887: 2015/11/17(火) 22:23:12 ID:uzabEuFo
ケン「バルログ・スペシャルの略で『バロ・スペシャル』じゃなかったのかよ。その辺はどうなっちまったんだよ?」

バルログ「その辺はね……もう、有耶無耶にしておきましょう。うん、パロ・スペシャル……あれは、パロ・スペシャルですよ……」

リュウ「お前が、名前を『パルログ』にしたら、辻褄が合うようになるんじゃないか?」

バルログ「……ええっ!?」

ケン「お~、いい案が出たなっ! それにしようっ! それなら辻褄も合うなっ!」

サガット「パルログか……う~ん……」

バイソン「シャドルーのマスコットキャラの誕生だな。うん、パルログちゃん……今日から、おめぇはパルログちゃん」

キャミィ「……可愛くなりました」クスクス

バルログ「ちょっと、ちょっとやめて下さいよっ……! も~う、パルログって……なんですか、ソレ……」

891: 2015/11/17(火) 22:32:41 ID:uzabEuFo
ヤムチャ「ねぇねぇ、パルログさん、パルログさん……」

バルログ「も~う、ヤムチャ君まで……もう、ダメっ! この話はお終いですっ!」

ヤムチャ「あ~、いやいや……冗談ですよ、ごめんなさい。あの~、必殺技のパロ・スペシャル……? え~っと、パロ・スペシャルでいいんですか……?」

バルログ「技名はパロ・スペシャルでいきます。でも、私はバルログです」

ヤムチャ「その必殺技のパロ・スペシャル……俺、対策って言いましたよね……?」

バルログ「あ~、はいはい」

ヤムチャ「それって、どういう事ですか……? アレは、今日ケンさんを倒す為の……新必殺じゃないんですか……?」

バルログ「勿論、それもありますけどね。ただ、これからシャドルーと空手軍団の抗争でヤムチャ君と戦う機会増えるとなると……ああいった技を、大技として持っておいた方がいいと思いましてね……?」

892: 2015/11/17(火) 22:42:35 ID:uzabEuFo
ダン「……バルログは、おめぇには遠慮してるからな、うんうん」

ヤムチャ「いや~、バルログさん……遠慮なんて入りませんよっ! ドーンとぶつかってきて下さいっ!」

ケン「……そういう問題じゃねぇんだよ」

ヤムチャ「……えっ?」

バルログ「ほら、今日の試合で……私がケンの周りを、グルグルグルグル回る技あったでしょ……? あれ、デジャヴって技なんですけど、覚えてます……?」

ヤムチャ「あ~、はいはいっ……! ありました、ありましたっ! なんか、グルングルンってなってる奴ですよねぇ?」

バルログ「あれをヤムチャ君に仕掛けるのって……ねぇ……?」

ヤムチャ「いや~、大丈夫ですよっ! 全然仕掛けてくれても構いませんよっ!?」

ダン「……そういう事じゃねぇんだよ、ヤムチャ」

893: 2015/11/17(火) 22:49:36 ID:uzabEuFo
ダン「お前、あの技さぁ……? どのタイミングで飛べばいいか……つまり、やられればいいか……まだ、わかってねぇだろ……?」

ヤムチャ「えっ……それは……」

ダン「断空脚と一緒だよ。断空脚は、相手を踏み台にしてジャンプする技だが……もし、その踏み台にした相手が、踏ん張ってくれなかったらどうなる……?」

ヤムチャ「それは……ジャンプ出来ません……崩れる事になってしまいます……」

ダン「お前は相手が踏ん張ってくれるって、わかってるからこそ……安心して相手を踏み台にして、二発目・三発目繰り出す事が出来るんだ。そうだろ……?」

ヤムチャ「はい、そうです」

バルログ「私の大技って、そういう技が多いんですよ……相手がこの位置で待っててくれる……踏ん張ってくれる……その場所やタイミングをちゃんと理解している相手じゃないと……成功しませんからね……」

894: 2015/11/17(火) 22:54:40 ID:uzabEuFo
ヤムチャ「あ~、そういやバルログさんと以前戦った時の打ち合わせでは……念入りに言われましたね……この位置で待ってろとか、このタイミングで飛んでくれとか……」

バルログ「ラ・ブファドーラとコルバタですね。キッチリと打ち合わせさせてもらいました」

ヤムチャ「確かに、アレも……俺の待ってる位置とか、飛ぶタイミングがズレたりしたら……失敗になりますもんね……」

バルログ「私のファイトスタイルって、皆さんと少し違いますからね。強引に投げる……とかではなくて、相手の身体を軸にして……さらに、そこから発展させていくってパターンが多いんですよ」

ヤムチャ「確かに確かに……バルログさんは、サガットさんやバイソンさんとは、ちょっと違う感じがします」

バルログ「大技になればなる程、より複雑で相手協力が必要な技になります……一つぐらい、強引に仕掛けれる技もあってもいいんじゃないかと、思いましてね……それがあのパロ・スペシャルというワケですよ」

ケン「デジャヴやハリケーン・ラナよりかは強引にはいける技だけど……でもあれも、完全に一人で……って、ワケにはいかねぇぞ?」

バルログ「そこはまぁ……でも、大半の技はそういう物でしょ?」

896: 2015/11/17(火) 23:10:06 ID:uzabEuFo
ヤムチャ「確かに、バイソンさんとは戦う機会が多いから『あっ、この技くるんだな』って雰囲気でわかるようになってきました……でも、バルログさんはやっぱり打ち合わせしてもらわないと、困りますねぇ」

ダン「その雰囲気でわかる……ってのがねぇと、大技も仕掛けにくいもんなんだよ……ましてや、バルログみたいな複雑な技なら尚更な……?」

ヤムチャ「失敗した時、最悪大変な事になっちゃいますもんねぇ……それはやっぱり、俺が経験が浅いせいで……大技が仕掛けにくい……って、事ですよねぇ?」

バルログ「……えぇ、まぁ」

ヤムチャ「こりゃ、マズいな……バイソンさん相手に試合するのが慣れて来たって、ホッとしている場合じゃねぇ……バルログさん相手にも、慣れていかなくちゃいけないのか……」

ケン「これから空手軍団と、シャドルーでな……お前だってバイソン以外のバルログやサガットと戦う場面も増えてくるだろうからな」

ダン「サガット……おめぇだって、ヤムチャにはまだまだ遠慮してる部分はあるだろ……?」

898: 2015/11/17(火) 23:21:18 ID:uzabEuFo
ヤムチャ「えぇ、サガットさんも……!? でも、サガットさんはバルログさんみたいな複雑な技ありましたっけ……? サガットさんは強引にドーンって投げるタイプですよねぇ?」

ダン「……ブレーンバスター。まだ、一回も仕掛けてねぇだろ、こいつに」

サガット「……仕掛けてませんね。そういった技は打ち合わせの段階から、外しています」

ヤムチャ「ええっ……!? サガットさんも……あ、あるんだ……」

サガット「いい機会だから言うが……実は、受ける側に技術が要求される技……そういった技は今まで仕掛けていない……ヤムチャ君は経験が浅いからな……」

ヤムチャ「え、ええっ……」

サガット「ただ、俺達には他の技もある……そこまで技術が要求されずに、より派手に見える技……そういった物を、ヤムチャ君相手の時はチョイスしているというワケだ」

バイソン「俺なんか、その代表格だなっ! だって、拳でぶん殴るだけなんだぜ!? そもそも、投げてねぇからなっ!」

899: 2015/11/17(火) 23:33:38 ID:uzabEuFo
ーーー


ユン「あんなの接待プロレスっですよ、接待プロレスっ!」

ガイル「もういいもういい、止めろ止めろ……ユン、ちょっと悪酔いしてるんじゃないか……? 酒が不味くなるよ……」

ユン「だって、ブレーンバスターも受けない……ジャーマンスープレックスも受けない……あれはシャドルーさんが、無理矢理持ち上げてるだけじゃないですか……技術は俺達の方が上が、絶対に上ですよっ!」

ガイル「じゃあ、なんだ……? お前が素人、ヒーローに仕立て上げる事出来んのかよ……? シャドルーさんが持ち上げて、アイツはそれでも応えてんだろが。片方が持ち上げるだけじゃ、ヒーローは誕生しねぇぞ?」

ロレント「まぁまぁ、落ち着きましょう……落ち着きましょう……喧嘩はよくありません……」

ソドム「……うむ。こういった席ではやめよう」

ガイル「お前ら、俺が何回チャンスやったと思ってるんだ? それに応えてくれたか? 技術持ってんだろ? あぁ?」

ユン「そう、言われると……言い返せないですけど、ね……」

900: 2015/11/17(火) 23:40:34 ID:uzabEuFo
ガイル「ロレントと、ソドムさん、見てみろよっ!? 一回目で応えたぞ、オイっ! それで、プッシュが始まったんだろっ!」

ナッシュ「ハハハ。想像以上に、リングでボコボコにされちゃったけどね」

ガイル「いつまで経ってもチャンスに応えようとしねぇから……あの新入りだけじゃなく、ロレントとソドムさんにも……ホークとフェイロンにも、差をつけられるんじゃねぇのか、あぁっ!?」

フェイロン「……うちの相方がプッシュに気づいたのは、最近ですけどね」

ガイル「皆、チャンス掴むのに必氏なんだよバカっ! あの新入りも……ここにいる、全員も……お前らだけだよ、他人の足引っ張ろう引っ張ろうとしてるのはよぉ……? 今、どういう状況かわかってんのか、オイっ!」

ヤン「……お、俺はそこまで言ってませんよっ!?」

904: 2015/11/17(火) 23:46:08 ID:uzabEuFo
ユン「……」

ガイル「……なんだなんだ、もうへこたれたのかこの野郎」

ユン「俺ね……最近、伸び悩んでるんですよ……」

ガイル「知ってる……うんうん、知ってる知ってる……」

ユン「今までは、タッグ組のナンバー2だったのに……気がつきゃ、ロレントさん達とフェイロンさんとホークさんのプッシュが始まって、最下層っすよ……」

ガイル「お前……おいっ、止めんじゃねぇぞ、こんな時に……」

909: 2015/11/18(水) 00:01:07 ID:ALwpJnRw
ユン「……どうしたら、いいですかねぇ?」

ガイル「もういいよ、もういいもういい……飲め飲め飲めっ……! わかった、わかった……今日は付き合ってやるから……暗い酒にするんじゃねぇよっ!」

ユン「……すいません」

ガイル「吐いてスッキリするなら言っちまえっ! 今日は付き合ってやるよ、ちくしょうっ!」

ユン「ち~くしょうっ……! な~にが、天下一武道会だっ! ちくしょうっ!」

ガイル「は~いはい、そうそう……それでいい……それでいいそれでいい……」

ユン「技術では、俺の方が絶対上だぞっ……! あのド素人めっ! 俺はあんなド素人が、自分より上だなんて認めねぇぞ、この野郎めっ……!」

ガイル「そうそう、技術ではユン君の方が上です……間違いなく上です……」

933: 2015/11/18(水) 22:02:18 ID:ALwpJnRw
ーーー


ヤムチャ「って事は、技術もより磨いていかなきゃいけないって事か……」

ダン「うんにゃ、当然です」

リュウ「サガット、バルログ、バイソン……こいつら三人が使う技は、そういう事のないように覚えておいた方がいいな」

ヤムチャ「そうっすね」

リュウ「それと、余裕があればベガ。ベガもブレーンバスターは使う……シングルはないかもしれないけど、タッグなら試合が組まれる事もあると思うよ」

ヤムチャ「あ~、そうかそうか……ベガさんもか……でも、そうですよね。こいつには安心して技仕掛けてもいい……ってのが、ないと試合中に大技出すタイミングが限られてきますもんね……」

ダン「……というか、大技はお前が率先して喰らうべきだよ。だって、空手軍団の中で一番弱いのは、お前なんだからよ」

ヤムチャ「あ~、確かに……そうですね……」

934: 2015/11/18(水) 22:10:48 ID:ALwpJnRw
リュウ「……一丁、直々にシゴいてやるよ」

サガット「おっ、リュウ……お前がか……?」

リュウ「天下のジャッキー・チュン直々に頼まれたからな……コイツを一人前にしてくれって……約束したからには、守らねぇとな……」

ケン「……なんだなんだ、そんな事があったのか、オイっ!」

リュウ「という事だ、ヤムチャ……今日は上手くいったかもしれねぇが……まだまだ、先もあるんだよ……その時に向けて、準備しておけよ?」

ヤムチャ「つかの間の休息もないですね。ナハハ」

リュウ「……文句言ってるんじゃねぇよ?」ニヤニヤ

ヤムチャ「あ~、いやっ……! これは文句じゃないですっ……! それじゃあリュウさん、よろしくお願いしますっ!」

936: 2015/11/18(水) 22:23:32 ID:ALwpJnRw
サガット「ただ、リュウ……ヤムチャ君を伸ばす事だけじゃないぞ……? お前自身が伸びていく事……それは、忘れるな……」

リュウ「そんな物わかってるよ。当たり前じゃないか……コイツ、見てて……俺も考えは変わったよ……」

ヤムチャ「えっ……?」

リュウ「だってそうだろ……? 身体能力は高いけど、技術もない……マイクも出来ない……間の抜けた所だってあるよ、コイツは……」

ヤムチャ「うわっ……! リュウさん、酷いっ……!」

プーアル「いいえ、ヤムチャ様。これは鋭い分析です」

リュウ「けど、何故かわからないけど……ファンに認められ始めてるんだよ、コイツは……」

938: 2015/11/18(水) 22:37:29 ID:ALwpJnRw
キャミィ「スター性とか……そういう事でしょうかね……?」

リュウ「う~ん……それも、違うと思う……」

プーアル「……確かに、ヤムチャ様ってそういうスターとか、そういうタイプではないですよね」

ヤムチャ「あぁ、それは分かるよ。うんうん、俺はスターとかそういう感じじゃないよな?」

リュウ「今の俺に必要な物……それはこいつが持っている、そのよくわからない何か……それを手にする事だろう……そう思う……」

サガット「……ふむ」

リュウ「……いいサンプルだよ、コイツは」

ヤムチャ「……でも俺、自分で言うのもなんですけど、どっちかと言うと持ってない男だと思いますよ?」

リュウ「持ってないなら、俺達にもファンにも受け入れられないよ」

939: 2015/11/18(水) 22:46:34 ID:ALwpJnRw
リュウ「それを身につける事さえ出来れば……なっ……?」

サガット「……俺達も協力しよう」

リュウ「とは、言っても……王者戦はお前なんだよなぁ……サガット……」

サガット「……ベガ様にも考えはあるのだろうが、うむ。俺も他人の事に首を突っ込んでいる場合ではないかもしれん。期間は一週間だ。一週間で何かを身につけていかないと、間違いなく盛り上がらないだろうな」

ダン「今日の盛り上がりを一週間続ければ、なんとかなるだろうが……今日はカードを出し惜しみしなかったからなぁ……」

バルログ「……ロレント君と、ソドムさん達は見せてませんでしたが」

ダン「……まぁ、その辺だろうな」

941: 2015/11/18(水) 22:54:40 ID:ALwpJnRw
バイソン「でもよぉ……? この一週間を乗り切ったら……春麗の復帰までの秒読みになるだろっ!? 女子部も盛り返してくるぜっ!」

ケン「春麗は二週間か……」

キャミィ「……二週間ですか」

バルログ「春麗さんの復帰試合となれば……女子部もいい位置で出来るんじゃないですか……? やっぱり、今の状況では復帰戦はキャミィさんが濃厚ですかね?」

キャミィ「……それまでに、私も盛り上げていかなくてはいけませんね」

バイソン「まぁまぁ、気負うんじゃねぇよ、キャミィちゃん。俺達シャドルーだってついてるんだし……なっ……?」

キャミィ「はい、ありがとうございます」

バイソン「あ~、そうだそうだ……そういや、明日は解説だったよなぁ……? そうだそうだ、練習もここでしておかねぇとな……」

942: 2015/11/18(水) 23:05:52 ID:ALwpJnRw
ダン「ちょ~っと、状況が状況でベガもさくらもゴタゴタしてるかもしれねぇけど……とにかくっ……! それでも、お前達は今日はよくやったよっ! あぁ、褒めてやるよっ!」

リュウ「ありがとうございます」

ダン「各自、課題もあるだろう……期間もハッキリしてる……キャミィは、二週間……それで、サガットは一週間……」

キャミィ「はい」

サガット「はい」

ダン「リュウは……ベガとの王者戦の時に向けて……」

リュウ「はい」

ダン「それで、ヤムチャは……明日……」

ヤムチャ「……俺だけ短いっ!」

ダン「うるせぇっ! お前は明日だろうがっ! 明日なんとかしろ、明日っ!」

943: 2015/11/18(水) 23:13:05 ID:ALwpJnRw
ダン「それぞれ、大一番が控えてるんだ。そこに向けて……今日みたいな事を繰り返して、自分の商品価値を高めていけ、わかったな!?」

サガット「一週間……か……」

キャミィ「二週間……ですね……」

リュウ「俺は、まだ決まってないけどな……まぁ、気持ちを切るなって事だろうな……」

ヤムチャ「俺は明日です。出来る事ってのは、帰ってゆっくり休む事ぐらい……かな……?」

バイソン「……体調管理は大事だぞ? ヤムチャ君」

ヤムチャ「ま、まぁそうですけどね……」

947: 2015/11/18(水) 23:42:13 ID:ALwpJnRw
そしてーー


ヤムチャ「結局、今日もさくらちゃん来なかったじゃねぇか、どうなってるんだよ、オイ」

プーアル「……さくらさんは、残業で大変ですから」

ヤムチャ「ちくしょう……反省会でのマイクの勉強……明日も練習、それに試合……どうなってるんだ、おい」

プーアル「ヤムチャ様はいい位置でやらせてもらってる身分なんですから……それに応える事が、ヤムチャ様に今出来る事ですよ?」

ヤムチャ「確かに確かに……そうだそうだ……だってなぁ……? 今日はクリリン達も見に来てくれてたのに、そんな中ブランカさんとか、ディージェイ相手だったらなぁ……?」

プーアル「……ねぇ?」

ヤムチャ「ちょ~っと、恥ずかしくて見せられないよなぁ……? 相手がバイソンさんでよかったよ、本当に……」

948: 2015/11/18(水) 23:54:49 ID:ALwpJnRw
ヤムチャ「でも、ディージェイの奴も案外いい奴でよかったよ。今日、アイツの作ってくれた入場曲だっただろ? どうだった?」

プーアル「あ~っ! 凄く決まってましたよ、アレっ!」

ヤムチャ「明日はリュウさんが、直々に鍛えてくれるって言ってたしさ……? ケンさんも優しくなってきたし……ディージェイも曲作ってくれた……」

プーアル「ねぇ?」

ヤムチャ「結構、皆と上手く打ち解けれて来たんじゃねぇか……? まぁ、さくらちゃんとのすれ違いは、あるけどね……」

プーアル「……しつこいですね」

ヤムチャ「だってよぉ……? クリリンがさぁ……クリリンが……あのクリリンが……」シクシク

プーアル「……クリリンさんが、どうしました? なんで泣いてるんです?」

ヤムチャ「……皆、大人になってるんだよ、プーアル」

プーアル「……何言ってるんです?」

949: 2015/11/19(木) 00:14:36 ID:MkXUmWj2
プーアル「とにかく、ヤムチャ様……ようやく、皆さんに認められて、戦力として期待されてきたんですから」

ヤムチャ「そうだよな。第五試合でシングルマッチ……こりゃ、もう皆に認められたと言ってもいいだろうっ!」

プーアル「あとはその期待に応えるだけですっ!」

ヤムチャ「おうっ!」

プーアル「ヤムチャ様、次は『プロレス団体を盛り上げていくぞ!』ですよ!? わかりましたか?」

ヤムチャ「おう、任せておけってっ! 俺はまだまだ、成長段階なんだ……俺が成長すれば、きっとあそこも盛り上がっていくはずだよっ!」

プーアル「でも、一番はあくまでリュウさんですよ……? わかってますか、ヤムチャ様? 出しゃばりすぎると……ま~た、怒られちゃいますよ……?」

ヤムチャ「はい、わかってます……せっかく仲良くなってきたのに……もう冷たくされるのはコリゴリです……」

950: 2015/11/19(木) 00:16:52 ID:MkXUmWj2
ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で悪者と戦うぞ!」

ーー完

951: 2015/11/19(木) 00:19:32 ID:pG/JiPdA
乙!
プロレスでは一足跳びに来たけど、私生活のほうではなかなかなあ…

次スレ楽しみに待ってますよ!

953: 2015/11/19(木) 00:23:02 ID:MkXUmWj2
このスレはこれで終わりです

次スレ行く前に短編立てると思います
一週間後ぐらいに再開すると思いますが、多分短編は三日後ぐらいに立てると思います。ちょっと今回、期間が曖昧です。申し訳ありません

954: 2015/11/19(木) 00:26:22 ID:???
おお!楽しみにしてます。
出来たらここにリンク貼ってくださいね。
あっいや、埋まってるかもしれんが。
その場合は雑談スレにでも。

955: 2015/11/19(木) 00:28:25 ID:fHSNP6H6
乙です
次回の更新楽しみに待ってます
数ヶ月は連続して更新がなかった日は無い気がするので、ゆっくり体を休めて下さい




次回に続く:プーアル「ヤムチャ様! 一週間を振り返ってみましょうか!」


 

引用: ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で悪者と戦うぞ!!」