1: 2016/08/21(日) 22:29:59.50 ID:l3M1MUi7.net
ダイヤ「はい?」

鞠莉「ということで……お手!」

ダイヤ「しませんけど」

鞠莉「ダイヤ、ペットと言えばお手するものなんだよ?」

ダイヤ「だから、しません!そもそもペンギンは、お手などしませんし!」

鞠莉「じゃあもう、ペンギンじゃなくて犬でもいいや。はい、お手!」

ダイヤ「わたくし、犬でもありませんわ!」

鞠莉「……えっ……まさか……クマ?」

ダイヤ「頭に噛みつくわよ?」

4: 2016/08/21(日) 22:32:22.48 ID:l3M1MUi7.net
ダイヤ「突然来てくれと言われたから、来てみれば――」

ダイヤ「来て早々に、わたくしを飼う?お手をしろ?まったく、なにを考えていますの?」

鞠莉「ええ?簡単な話よ?この間PV撮影のために、水族館に行ったじゃない?」

鞠莉「その時のペンギンがもう、So Cute で!――だから、ダイヤを飼おうかなって」

ダイヤ「全然わかりませんけど!?そもそも飼うって!?」

鞠莉「ホントはカワイイペンギンを買いたいけど……ペット用のは数百万するし……」

鞠莉「野良ペンギンはいないみたいだしね。だから、ダイヤでガマンするしか選択の余事がないの……」

鞠莉「ダイヤはタダみたいなもんだし…………」

ダイヤ「あなたの思考回路はよくわかりませんけど……とにかく無性に腹が立つわ」

6: 2016/08/21(日) 22:35:16.75 ID:l3M1MUi7.net
鞠莉「怒らないでダイヤ!ダイヤのためにいろいろ揃えたのよ?」

鞠莉「まずはこれ、ハーネス!」

ダイヤ「…………それは?」

鞠莉「胴輪よ?これで、飼い主の手元からペットが脱走するのを防げるうえに――」

鞠莉「散歩をすることができるの!」

ダイヤ「…………それで?」

鞠莉「ダイヤにプットオン☆」

ダイヤ「却下。マリさん、あなた何を考えてますの……」

鞠莉「何って……環境に対する影響を、それはそれはしっかり考えたわ!」

9: 2016/08/21(日) 22:37:57.60 ID:l3M1MUi7.net
鞠莉「一度ダイヤが野に放たれたら…………生態系に深刻なダメージが――」

ダイヤ「ありません」

鞠莉「獰猛なダイヤが逃げ出してワイルドダイヤになったら、内浦のアニマルはどうなるの!?」

ダイヤ「どうにもなりませんけど?」

鞠莉「だから――それを防ぐためにも、ハーネスは必要不可欠!ということで、着けて?」

ダイヤ「もう……なにを言ったらいいのか……そもそも、ワイルドダイヤってなんですの…………」

鞠莉「でも、私聞いたよ!?愛媛県でワイルドダイヤが見つかったって」

ダイヤ「……それは天然のダイヤモンドでしょう?わたくしのことではありません」

鞠莉「え?ダイヤって養殖だったの!?」

ダイヤ「…………さっそくだけど、帰らせてもらいます」

鞠莉「ヤダ」

10: 2016/08/21(日) 22:40:10.28 ID:l3M1MUi7.net
鞠莉「わかった。ダイヤがハーネスが嫌なのはわかったよ?」

鞠莉「嫌がるワンちゃんネコちゃんも、結構いるって話だものね」

ダイヤ「嫌がる嫌がらない以前の問題だと、わたくしは思うんですけど?」

鞠莉「ハーネスはやめる。ムリに着けてもよくないもの……だけど――」

鞠莉「ダイヤのために用意したのはそれだけじゃないの!こっちに来て!」

ダイヤ「…………」



ダイヤ「――な、な……なんですの、この部屋は……」

鞠莉「どう?ここはダイヤ用に準備していた部屋なの」

ダイヤ「恐ろしく寒い!」

鞠莉「Yeah!とってもコールドでしょ?」

16: 2016/08/21(日) 22:44:30.33 ID:l3M1MUi7.net
ダイヤ「まさかペンギンのために部屋を冷やした――とか」

ダイヤ「そのようなこと、考えたりしてませんわよね?」

鞠莉「さすがダイヤね!よっ、ペンギンと紙一重!」

ダイヤ「……バカにしてません?」

鞠莉「ダイヤのこと、マリーはいつもリスペクトしてるよ?」

ダイヤ「…………その様子はちらりとも見えませんけど」



鞠莉「それでね、ペンギンの中には、あまり暑い温度が得意でないものもいるのよ」

鞠莉「だから、涼しい環境を用意してみたの」

ダイヤ「まあ……必要かもしれないような……実際にペンギンを飼うのなら…………ですけど」

鞠莉「まあペット用ペンギンには必要ないけど……」

鞠莉「それでどう?快適でしょ?」

ダイヤ「わたくしペンギンじゃありませんけど。ああ……寒くて鳥肌が立ってますわ…………」

鞠莉「ペンギンだから鳥肌なんだね☆よし、もっと温度下げよっか?」

ダイヤ「あなた、わたくしを凍え頃すつもり?」

17: 2016/08/21(日) 22:47:39.41 ID:l3M1MUi7.net
ダイヤ「――ふぅ……寒かった……」

鞠莉「ペンギンなのに?」

ダイヤ「……しつこさがもはや、粘着剤のようですわね」

鞠莉「ダイヤ、面白くないよ。その例え」

ダイヤ「別にウケを狙ってるわけではありませんから」



ダイヤ「――はぁ…………結局なんだかよくわからない遊びに付き合わされて」

ダイヤ「もうお昼…………わたくしだってヒマじゃありませんのよ?」

鞠莉「だってダイヤがいちいち、いちゃもんつけてくるから」

ダイヤ「………………帰る」

鞠莉「待って!本当に手伝ってほしいことがあるの!」

ダイヤ「………………」

鞠莉「リアル!マリーウソつかない!」

ダイヤ「…………はぁ。わかりましたわ。その手伝いだけはします」

18: 2016/08/21(日) 22:50:19.35 ID:l3M1MUi7.net
ダイヤ「それで?要件というのは?」

鞠莉「その前にランチタイムでいい?私が料理するから」

ダイヤ「別に構いませんけど……ごちそうになってもいいの?」

鞠莉「もちろん」



鞠莉「――ところでダイヤ、体重はどれくらいあるの?」

ダイヤ「はぁ?いきなりなんですの?」

鞠莉「3kgくらい?」

ダイヤ「だから、それはペンギンでしょう!?」

鞠莉「じゃあどのくらい?」

ダイヤ「……じ、女性に体重は聞くものではありませんわ」

鞠莉「でも、それだとエサの量がわからないよ!?」

ダイヤ「エサって……普通の食事量で構いませんけど?」

鞠莉「普通って?」

ダイヤ「マリさんと同じ量あれば十分」

19: 2016/08/21(日) 22:53:16.17 ID:l3M1MUi7.net
鞠莉「私と同じ?ダメダメ!ダメだよダイヤ!」

鞠莉「ペンギンのエサの量は、体重の1割程度を目安にするんだよ!?」

ダイヤ「…………いったん、ペンギンから離れてみませんこと?」

鞠莉「…………教えてくれないなら、目測で――――7kg……7kgあればイナフ!?」

ダイヤ「そんなに食べられませんわ!それにわたくし、体重70kgもありませんけど!?」

鞠莉「四捨五入?」

ダイヤ「65kgもありません!!」

鞠莉「Really?おかしいね?ダイヤの方が、黒鉛より密度が高いのに……」

ダイヤ「それは鉱物のダイヤモンドでしょう?」

鞠莉「セイム☆」

ダイヤ「全然違いますわ!だいたい、自重基準なのはペンギンの食事」

ダイヤ「ですから、ハナからおかしいわけで……なにゆえわたくしに、適応させようとして――」

鞠莉「とりあえず作ってくる!」

21: 2016/08/21(日) 22:56:09.32 ID:l3M1MUi7.net
――――――――――
――――――



鞠莉「ダイヤー、ごはんできたよ」

ダイヤ「ありがとうございます。では、いただきまし…………」

ダイヤ「…………マリさん、これは?」

鞠莉「うん?食事だよ?ダイヤの」

ダイヤ「それはわかりました……それで、わたくしに出されているこれは?」

鞠莉「んー……イワシ?」

ダイヤ「なんでイワシですの!?しかもこれ――」

ダイヤ「カチンコチンに凍ってますけど!?」

鞠莉「フローズン☆」

22: 2016/08/21(日) 22:58:58.51 ID:l3M1MUi7.net
鞠莉「ペンギンは魚を、そのまま丸のみするんだよ?」

鞠莉「って果南が言ってた」

ダイヤ「そんなことは、どうでもいいですわ!」

ダイヤ「こんなものだされても、食べられません!」

鞠莉「Why?イワシダメ?」

ダイヤ「イワシどうこうではなくて……ああ、なんだか気分が悪くなってきましたわ…………」

鞠莉「OK、イワシはやめればいいのね?まったく、ダイヤの好き嫌いの多さには困るわ!」

ダイヤ「だからイワシが嫌いなのではないって、先ほどから言ってるでしょう!?」

23: 2016/08/21(日) 23:01:56.72 ID:l3M1MUi7.net
ダイヤ「………………これは?」

鞠莉「作り直したよ。もうー!ダイヤがイワシダメって言うからー」

ダイヤ「…………それでこれは?」

鞠莉「アジ」

ダイヤ「アジ……ええ、それはわかります。体の側面に、とげのようなゼイゴがついてますものね」

ダイヤ「……で、この料理名は?」

鞠莉「生アジ!」

ダイヤ「あああ!もう、いい加減にしてくださいます!?」

ダイヤ「なにをどうすれば、生のアジをそのまま昼食に出すことになるんですのぉ!?」

鞠莉「ノンフローズン☆」

ダイヤ「少し黙ってくださる!?」

24: 2016/08/21(日) 23:04:28.43 ID:l3M1MUi7.net
鞠莉「でも、アジも大好物で頭から丸のみするんだよ?」

鞠莉「って果南が言ってた」

ダイヤ「それはペンギンでしょう!?わたくしは人間!」

鞠莉「えっ……どのへんが?」

ダイヤ「………………やはり帰りますわ」

鞠莉「ええ?まだ早いと思うよ?」

ダイヤ「いいえ、もう十分。帰る。帰るわ!」

26: 2016/08/21(日) 23:06:33.40 ID:l3M1MUi7.net
鞠莉「まって、ダイヤ!」

ダイヤ「まだなにか?わたくしは忙しいの」

鞠莉「今、私の家のフリーザーの中に、カタラーナがあるよ?」

ダイヤ「……はい?カタラーナ?」

鞠莉「Yeah!カタラーナインフリーザーOK?」

ダイヤ「……なに言ってるかわかりませんけど。まだ、おちょくるつもり?」

鞠莉「違うよダイヤ。お菓子だよ?」

ダイヤ「お菓子?あなたが、おかしいんじゃなくて?」

鞠莉「おかしくないよ?」

27: 2016/08/21(日) 23:09:00.93 ID:l3M1MUi7.net
鞠莉「冷凍庫の中に、おしゃれなお菓子、Catalanaがあるの!」

鞠莉「濃厚なカスタードの上に、ほろにがのカラメル――」

鞠莉「それを半冷凍状態で食べると……so cool!暑い時期にもぴったり!」

ダイヤ「………………」ゴクリ

ダイヤ「…………プ、プリンみたいなものですの?」

鞠莉「……お帰りはそちら☆」

ダイヤ「はぁ!?あなた帰らせたいの!?帰らせたくないの!!?」

鞠莉「カタラーナ。ソースイート☆」

ダイヤ「だからぁあああ!あなたのしたいことが、全くわかりませんわああああ!!」

29: 2016/08/21(日) 23:11:10.87 ID:l3M1MUi7.net
ダイヤ「………………」モグモグ

鞠莉「どう?」

ダイヤ「おいしい…………なんだか悔しいですけど」

鞠莉「やっぱり。ダイヤが気に入ると思って、とっておいたのよ?」

鞠莉「あ、それとね。今ちょうどパスタ二人分茹であがったから」

ダイヤ「………………」

鞠莉「レッツイート!」

30: 2016/08/21(日) 23:14:04.92 ID:l3M1MUi7.net
ダイヤ「……あの、わたくしの分をちゃんと用意して下さったのは、とても感謝しています」

ダイヤ「しかし――それなら、先に言っては下さらなくって?」

鞠莉「ペンギンはパスタ食べないと思ってたから」

ダイヤ「…………でも、わたくしは食べますけど?」

鞠莉「うん、薄々そんな気はしてた」

ダイヤ「………………ああ、頭が痛い」

鞠莉「まあ、とにかく食べよう?」

ダイヤ「…………ええ……そうですわね」

32: 2016/08/21(日) 23:17:05.07 ID:l3M1MUi7.net
――――――――
――――――



ダイヤ「さて、食事も済んだことですし――本来の要件をこなしますわよ?」

鞠莉「そうね…………それじゃあ、お手!」

ダイヤ「…………違いますわよね?」

鞠莉「…………お風呂で……水浴び?」

ダイヤ「あきれた……まさか、本当にペットごっこのためだけに呼んだんですの!?」

鞠莉「………………まあホントは曲づくりのアイディアを少し、ね」

ダイヤ「ああ、Aqoursの――」

鞠莉「大方できてるんだけど、どうしても自分の趣味が入っちゃうって言うか……」

鞠莉「だから一度、誰かに聞いてもらいたくて」

鞠莉「それで、ダイヤと果南を呼んだの」

33: 2016/08/21(日) 23:20:44.08 ID:l3M1MUi7.net
ダイヤ「果南さん?来ていないようですけど」

鞠莉「お店の手伝いがあるみたいで、後から来るって」

ダイヤ「…………なるほど」

ダイヤ「あなたの頼みはわかりました。しかし、わたくし……こういう音楽は得意ではなくて……」

鞠莉「とりあえず聞いてほしいの」

ダイヤ「ですが……」

鞠莉「これからも、アイドルソングは作り続けるわけだし――」

鞠莉「それに、もしかしたら……ダイヤが作る機会もあるかもだよ?」

ダイヤ「………………そうですわね。そもそも、この道に入ると自ら決めたこと」

ダイヤ「知らないといって、逃げるわけには参りませんもの」

34: 2016/08/21(日) 23:24:08.67 ID:l3M1MUi7.net
――――――――――
――――――



鞠莉「ふぅ……これで大分修正できたかな?」

鞠莉「やっぱり、他人の意見を聞くのは大事よね。テンキューダイヤ!」

ダイヤ「どういたしまして」

鞠莉「………………」

鞠莉「……それにしても不思議ね」

ダイヤ「不思議?」

鞠莉「ついこの間まで、思ってもみなかった。ダイヤとアイドルソングづくりするなんてね……」

ダイヤ「…………わたくしも、つゆにも」

鞠莉「どうしてこんなことに、なっちゃったんだっけ?」

ダイヤ「どうしてでしたっけね?」

35: 2016/08/21(日) 23:26:44.27 ID:l3M1MUi7.net
鞠莉「あー……今思い返してみても……チカッちのしつこさったら、ホント信じられない!」

鞠莉「何度Aqoursに入ってくれ、と言われたことか…………」

ダイヤ「わたくしなど、人質ならぬ妹質をとられましたし…………」

鞠莉「元々、この土地に愛着なんてないし。ううん、あちこち渡り歩いてた私だもの」

鞠莉「ここだけではなくて……一度も人にも土地にも、愛着なんて持ったことないって言うのにね」

ダイヤ「………………」

鞠莉「来年の今頃にはこんな島には何の未練もなく、気分を一新して海外に行くつもりだったのに――」

鞠莉「チカっちのせいで、気が変わりでもしたら――」

鞠莉「…………まったく迷惑しちゃう」

ダイヤ「………………マリさん」

37: 2016/08/21(日) 23:28:41.04 ID:l3M1MUi7.net
鞠莉「チカっちのしつこさは、もうアレよ!」

ダイヤ「アレ?」

鞠莉「シンクの水アカ!」

ダイヤ「水アカって…………」

鞠莉「白く固まって、ゴシゴシとこすらないと落ちないの!」

鞠莉「そして、そんなチカっちを上回るしつこさ、ガンコさを誇る――」

ダイヤ「………………?何でわたくしを見て……」

鞠莉「そう!ダイヤ!」

ダイヤ「はぁ!?わたくしはしつこくなど、ありませんわ!」

39: 2016/08/21(日) 23:31:43.19 ID:l3M1MUi7.net
鞠莉「ダイヤはまさに――換気扇にこびりついた油汚れ!」

ダイヤ「なにが油汚れ!このクリーンなわたくしを見て、油汚れ!?片腹痛いわ!」

鞠莉「しつこいところがソックリ。あと、油汚れは黒ずむよ」

ダイヤ「黒ければ何でもわたくしに結び付けるの、そろそろやめません?」

鞠莉「他にも――ダイヤは酸にもアルカリにも溶けないし」

鞠莉「もう、どんな溶剤もお手上げのしつこさ!」

40: 2016/08/21(日) 23:34:01.01 ID:l3M1MUi7.net
ダイヤ「だから、それは鉱物のダイヤモンドで――」

鞠莉「でもでも……甘いものとカワイイ妹を前にすると、心は即座に溶けちゃうんだよね?」

ダイヤ「うるさいですわ!」

――――――――――
――――――



鞠莉「――うん、いけそう!ホントありがと、ダイヤ!」

ダイヤ「お役にたててよかったですわ。それでは、この後習い事がありますから――」

ダイヤ「少々急ですみませんけど、そろそろ失礼するわ」

鞠莉「えー?もう少しだけゆっくりしてったら?果南も来てないのに……」

ダイヤ「ですけど…………」

鞠莉「むこうの部屋、まだまだ冷えてるよ?」

ダイヤ「別に冷えた部屋なんて、嬉しくもなんでもありませんけど」

鞠莉「じゃあ、暖める?40度くらいに」

ダイヤ「だから、そうでは…………ああ、こんなことしてるから無駄に時間が経っていくんでしたわね」

ダイヤ「それでは、おじゃましまし――――」

鞠莉「ダイヤの薄情者!」

41: 2016/08/21(日) 23:36:25.00 ID:l3M1MUi7.net
ダイヤ「薄情って言われましても……」

鞠莉「果南が来るまで、一人でいろって言うの!?」

ダイヤ「ええ」

鞠莉「ヒドイ!マリーはウサギのように、一人にすると氏んでしまうのに!?」

ダイヤ「いつも突然一人でフラっといなくなるくせに、よく言いますわね!?」

鞠莉「お願い!果南が来たらすぐに追い出すから!」

ダイヤ「それはそれで、ムカムカするんですけれど!?」

鞠莉「ダイヤのけちー!」

ダイヤ「ケチとか何とかでなくて、用事があるって言ってるでしょう?」

鞠莉「………………あっ、わかった」

42: 2016/08/21(日) 23:38:42.69 ID:l3M1MUi7.net
ダイヤ「わかってくださいました?」

鞠莉「ダイヤをペットにすれば、所有権は私に。そうすれば、ダイヤは帰らなくて済む」

ダイヤ「またムチャクチャな……」

鞠莉「ということで、ダイヤ!こっち来て!」

ダイヤ「ち、ちょっと!腕を引っ張ら――」



鞠莉「あったあった。しかも二つ!」

ダイヤ「………………これは」

鞠莉「くびわ☆」

ダイヤ「いい加減にしてくださる!?」

43: 2016/08/21(日) 23:41:07.72 ID:l3M1MUi7.net
鞠莉「まってダイヤ!一度つけてくれたら、もうそれで満足するから!」

ダイヤ「そんなんで満足されても困りますけど!?」

鞠莉「じゃあ、満足のハードル上げるから!着けたまま辺りを散歩させるくらいにするよ?」

ダイヤ「違う違う!そういう意味で言ったんじゃないですわ!」

鞠莉「おかしい……猫に小判、豚に真珠、ダイヤに首輪って言うのに」

ダイヤ「言いませんけど!?言いませんけど!?」

鞠莉「まあまあ、まずはつけてみよ?とりあえず、ね?」

ダイヤ「とりあえずビール、みたいな勢いで首輪つけようとするの、やめていただきたいですわ……」

44: 2016/08/21(日) 23:42:54.74 ID:l3M1MUi7.net
鞠莉「ちょっとだけでいいから!」

ダイヤ「イヤだと言ってるの!」

鞠莉「それなら、もう一個の首輪、私もつけるから!おそろい!」

ダイヤ「もう意味が分かりませんわああああああ!!」

鞠莉「ほら、私はつけたから!ダイヤもさっさとプットオン☆」

ダイヤ「………………」スタスタ

鞠莉「ああっ!ムシして玄関へ行かないで!」

鞠莉「………………」

鞠莉「………………!そうだわ!」

45: 2016/08/21(日) 23:44:38.68 ID:l3M1MUi7.net
鞠莉「ダイヤ!もう着けなくてもいいから、私がつけてる首輪のリードを持って!」

ダイヤ「……はぁ?」

鞠莉「ほらっ!これを持って!」

ダイヤ「…………こんなもの渡されてどうしろと」ギュッ

鞠莉「…………握ったね?」

鞠莉「握ったということは、私を飼うということ。さあっ!飼い主として責任もって私の相手するの!」

ダイヤ「お断りしますわ!大体なんでリードを持ったからと言って――」



―ガチャ

果南「ヤッホー!マリ、ダイヤ!」

46: 2016/08/21(日) 23:48:36.85 ID:l3M1MUi7.net
果南「遅れてごめんごめん。それにしても、なんだかにぎやかそ…………あっ……」

鞠莉「ハーイ果南!どうかした?」

果南「ええと…………なんかごめんね。間が悪かったというか――」

ダイヤ「はい?なんのことですの?」

果南「わ、私はどんな趣味を持ってようとも、二人のこと大好きだからね…………」

鞠莉「……ちょっと、果南!?」

ダイヤ「…………も、もしかして首輪をつけたあなたと、リードを持つわたくしを見て――」

ダイヤ「変な勘違い、されてません!?」

鞠莉「…………!」

果南「それじゃあ……おじゃましました……」バタン



鞠莉「ま、待って!違うの果南!私、ダイヤに飼われる趣味なんてないわ!」

ダイヤ「わたくしにそんな趣味、ありませんわああああ!」


おわり

47: 2016/08/21(日) 23:49:55.18 ID:lT1sjC6x.net
ワロタ

49: 2016/08/21(日) 23:51:30.23 ID:IhMJxYJl.net
可愛らしい乙

引用: 鞠莉「しかたないから、ペンギンのかわりにダイヤを飼う!」