521: 2016/07/28(木) 22:00:41 ID:OIhX/5cg


ヤムチャ「プロレス団体から俺にオファーが来たぞ!」シリーズです
シリーズ一覧はコチラからどうぞ



前回:ヤムチャ「プーアル! プロレス団体でリベンジ戦だぞ!」【前編】


最初:ヤムチャ「プーアル! プロレス団体から俺にオファーが来たぞ!」





バイソン「反則負けを盾にしてベガ様に楯突こうなんて、頭悪いなりによく考えたなぁ!? 確かにベガ様が反則負けを喰らったら、ちと困る事になるが……俺なら関係ねぇっ!」

ダン「あ、あの野郎っ……!」

バイソン「オラオラ、どうしたどうしたぁっ!? 俺ぁ、反則負けで構わねぇぜっ!? 場外リングアウト負けで構わねぇんだよっ! オラ、とっととカウント取れやっ!」


バイソン、モドレー ! バイソン、シアイシロー !

実況「本日レフェリーっ……! レフェリーの権限を目一杯使い、なんとかベガに行わせようとしておりますが、ここでバイソンっ……!」

元「ベガ君はレフェリーに逆らって反則負けになってしまったら王者転落になるけど……バイソン君なら反則負けになってしまっても、それはベガ君の勝利……」

実況「つまりそれはまたもベガの目論見通り、王者防衛となってしまいますっ! おぉ~っと、ここは負けても構わない……いやっ、敗北する事を望んでいるバイソンが動いてきたっ!」


モドレー ! リングニモドレー !

ベガ「……どうしたどうした? 奴はリングアウトしているぞ。場外カウントだろうが、レフェリー」

ダン「くっ、くそっ……!」

ベガ「んんっ、どうしたぁ……? 何故カウントを数えん……?」ニヤニヤ


ブー、ブーブー

実況「さぁ、この場面っ……! レフェリーのダン氏に残された手段と言えばっ……! う~んっ……! 今の所、ダン氏は場外カウントを取らないっ! カウントを数える気配を見せませんっ!」

元「リングアウト負けを狙っている人間に場外カウントを取るというのは、正に思うつぼだからねぇ。そうです、ここは取らないのは正解でしょう」
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522: 2016/07/28(木) 22:07:07 ID:OIhX/5cg
バイソン「固まりやがって、地蔵かてめぇはっ!? 場外カウント取らなくても構わねぇぜっ! 俺はこのまま棄権させてもらうからよぉっ!?」ズガズガ


アー ? アーアー ?

実況「さぁさぁ、これは困った……んんっ……!? おっと、何だっ!? ここでバイソンはレフェリーに何やら叫びながら、花道を後退りしていきますっ! リングからどんどんどんどん離れていくバイソンっ!」

元「……おぉ~っと、なんだっ!?」


ダン「オイっ、待てっ……! 待て、バイソンっ……!」

バイソン「嫌だねっ……! 今日はおめぇが動かねぇからなっ!? 俺ぁ、人をサンドバッグにする趣味はあるが、される趣味はねぇんだっ……! 棄権だ棄権っ……! アバヨっ……!」ズガズガ


バイソン、モドレー ! バイソンー !

実況「これは……試合放棄……!? 今度はバイソンっ! 試合放棄を狙っているんでしょうかねぇ!?」

元「レフェリーが場外カウント取らないもんだから……コレ、試合放棄して、チャンピオンの勝利を狙うって感じに切り替えてきたかなっ!?」

実況「これは困ったっ! これは困ったっ! 今、レフェリーに出来る事と言えば、リングの上からバイソンに戻ってくるよう呼び掛ける事ぐらいだっ! あ~っと、しかしバイソンが従うはずもないっ……! おぉ~っと、レフェリーと口論するようにバイソンはどんどんと花道を引き下がっていくっ!」

524: 2016/07/28(木) 22:13:49 ID:OIhX/5cg
ヤン「やりすぎてまた迷惑かけるんじゃねぇぞぉっ!? わかってんなっ!?」ダダッ

ユン「さぁさぁ、派手にいくぜ、派手にいくぜっ」ダダッ


アー ? アーアー ?

実況「どうやらレフェリーのシャドルーに対する抵抗もここまで……あ~っ!? いや待て待て待てっ!? なんだなんだなんだっ!?」

元「んあっ……!?」

実況「バイソンが引き下がろうとしているその奥っ……! 退場口からヤンとユンが来ましたっ!? ヤンとユンが来ましたよっ!?」


オー ? オーオー ?

ヤン「うおおぉぉっ……! たぁっ!」ピタッ


実況「ヤンとユンの乱入ですっ! ここでヤンとユンの乱入っ……! さぁ、ヤンを先頭に二人が走って……あっ、いやっ……! ここでヤンが急停止っ! ピタリと動きを止めますっ!」

525: 2016/07/28(木) 22:22:43 ID:OIhX/5cg
ユン「ド派手にぶちかましましょうっ……! んやあぁっ……!」シュタ

ヤン「……ぐっ!」


オー ? オーオー ?

実況「おぉ~っとっ! 前屈みの体勢で急停止したヤンっ! そして後方を走っていたユンがその背中へと飛び乗るっ!」

元「おうおう」


ユン「……ったああぁぁ!」シュタッ


オー ! オーオー !

実況「ユンはその背中を踏み台にして、更に飛んだああぁっ! おぉ~っと、そしてバイソンに向かっていき……」

元「おうおうおうおう」


バイソン「んっ、何の騒ぎ……んああっ……!?」クルッ

ユン「雷撃蹴だっ……! くたばってなっ……!」ズガァッ


オー ! オーオー !

実況「空中から急降下しながら、バイソン目掛けて蹴りを打ち込んでいったぁ! おぉ~っと、これは振り返ったバイソンの胸元へと突き刺さっていくっ!」

526: 2016/07/28(木) 22:32:17 ID:OIhX/5cg
バイソン「うげええぇぇっ……! なんだなんだっ……!?」バターンッ

ユン「……あげっ!」ビターン


オー ! オーオー !

実況「おぉ~っと、なんだなんだっ!? 突然のユンとヤンの乱入っ! しかしながら、これによりバイソンはダーウンっ! 場外でダーウンっ!」

元「おおっ、なんだなんだっ……!? シャドルー以上に無茶してくるねぇ!?」


ユン「あがっ……あがっ……! 痛っええっ……!」モガモガ

ヤン「……そのまま休んでろ」ズガズガ


実況「あ~っと、ユンも悶え苦しんでおりますねっ!? まぁ今の雷撃蹴っ……! マットではない場外で背中から落ちる形にはなりましたからねぇ!?」

元「ちょっと悶えてますねぇ」

実況「さぁ、そしてヤンがそんなユンの……あっ、いや、違うっ! ヤンは悶えているユンの隣を、素通りっ……! 素通りしていきますっ!」

527: 2016/07/28(木) 22:42:57 ID:OIhX/5cg
ヤン「……立ちやがれっ!」グイッ

バイソン「くああっ、なんなんだよ。おめぇらっ……!」ググッ


実況「さぁ、ここでユンの隣を素通りしたヤンは……おぉ~っと、バイソンの身体を引き起こすっ! 引き起こしていきますっ!」


ヤン「おいおい、途中棄権なんて許されるワケないだろ……? 試合はしてもらうぞっ……! 戻れっ……!」ズガズガ

バイソン「ううっ、ううっ……おおっ……」ヨロヨロ


オー !? オーオー !?

実況「あぁ~っとっ! そしてここでヤンは、引き起こしたバイソンの首筋に腕を回し……そしてバイソンをリング方向へと連れていっておりますっ!」

元「おおっ!?」

実況「バイソンを退場させないっ! バイソンを退場させませんっ! ここはユンとヤンが乱入してきて、試合放棄を狙ったバイソンを食い止めていきますっ!」

528: 2016/07/28(木) 22:51:09 ID:OIhX/5cg
ベガ「なん……だと……?」ギロリ

ダン「おおっ、いいぞ……! ヤンっ……! ユンっ……! そいつをこっちに連れ戻してきてくれっ!」


実況「これにはリング上のベガも憮然顔っ……! いいタイミングでヤンとユンが来たっ! いいタイミングでヤンとユンがきてくれたっ! さぁ、バイソンをリングへと引き戻せっ!」

元「レフェリーも手をこまねいてた状態だったからねぇ! ここは助けに来てくれたんでしょうっ!」


イイゾー ! ヤーン ! ヤーン !

ユン「うげげげっ……! 俺はっ……! おい、俺はっ……!? 俺が最初にぶち込んだんだぞっ……!?」

ヤン「レフェリーがあそこまでやってんだっ……! レフェリーだけに任せて選手の俺達が何もしないワケにはいかないだろっ……!? こいつには試合を行ってもらうっ……! さぁ、来いっ……!」ズガズガ

バイソン「おおっ、うおぉっ……調子に乗ってんじゃねぇ……俺の邪魔をするなっ……! うるあぁっ!」ドスッ

ヤン「……おぐっ!」ヨロッ


実況「さぁ、今ヤンが……あ~っ、いやっ! ここはバイソンっ……! リングに連れ戻しそうとしているヤンの腹部へと肘っ……! 肘を打ち込んでいったかっ!?」

元「あららら、抵抗してくるかね?」

実況「あ~っと、これによりヤンの腕が外れてしまいましたっ!」

529: 2016/07/28(木) 23:01:28 ID:OIhX/5cg
バイソン「よくわかんねぇけどよぉ……? てめぇをぶちのめせば問題はねぇって事なんだろ……? オラッ、くたばってろっ……!」ゴスッ

ヤン「……ぐっ!」ヨロッ


ヤーン ! ヤーン !

実況「あ~っと、そしてここでバイソンはヤンの顔面へと拳っ……! 拳を打ち込んでいきますっ! フックのような形で振り抜くっ!」

元「おいおいおい……相手が違うでしょ!? それはベガ君相手にやればいいんじゃないのっ!?」


ヤン「くっ……! くっそおおぉぉっ……!」バチーンッ

バイソン「……ぐえっ!」ヨロッ


オー ! オーオー !

実況「おっとしかし、ここはヤンもグッと踏みとどまり、そして反撃逆水平チョップっ! 逆水平チョップをバイソンへと打ち込んでいくっ! 負けてはいませんっ!」

元「ユン君もっ……! ユン君も手伝いなさいっ……! ちょっと、いい加減立ちなさいっ!」


ユン「あげげ……あげげげっ……!」モガモガ


実況「ユンは雷撃蹴で落ちた衝撃により何処か痛めたかっ!? まだ、ダウンして悶えているっ! ここはヤンが頑張るっ!」

元「しっかりしろ~いっ!」

530: 2016/07/28(木) 23:13:15 ID:OIhX/5cg
バイソン「うざってぇんだよっ……! くたばってろっ……!」ガスッ

ヤン「ぐっ……! シャドルーの好きにはさせないっ……! たああぁぁっ……!」バッチーン


ヤーン ! ヤーン !

実況「さぁ、本日の一戦はベガ対バイソンなのですがっ……! 今現在やりあっているのは、ヤンとバイソンですっ! 二人は場外でやりあっているっ! バイソンが打ち込むっ! 負けじとヤンも打ち込むっ!」

元「ベガ君とバイソン君の一戦を成立させる為に……こういう風になってるんだよっ!」


ベガ「余計な邪魔が入ったせいでバイソンが試合放棄する事が出来んではないか……フン、面倒だが始末するか……」ササッ


アー ? アーアー ?

実況「んっ……? あっと、ここでリング上のベガっ……! コーナーマットへともたれ掛かりながら様子を見ていたベガが動きますっ! 動いてきますよっ!?」

元「……うわっ!」

実況「あっと、ベガは……場外でやり合っているヤンとバイソンの方へと歩みを進めていきますっ!」

531: 2016/07/28(木) 23:21:18 ID:OIhX/5cg
ベガ「バイソンの試合放棄が無事出来るように私も加わるか……二体一なら時間もかかるまい……」ググッ


ザワ……ザワ……

実況「さぁ、ここでベガはロープを潜りそして場外のヤンとバイソンの元へと向かいますっ!」

元「う~んっ……! とりあえずヤン君を始末しようって事かなっ!?」


ダン「よ~し、場外カウントスタートっ! 1・2・3・4・5っ!」

ベガ「……な、何ィィ!?」ピタッ


オー !? オーオー !?

実況「おぉ~っと、おぉ~っとっ! 待て待て待てっ! ここでレフェリーがっ……! レフェリーがっ……!?」

元「おおっ!? いいよいいよっ!」

実況「ベガが身体半分ロープを潜った所で、場外カウントを数え始めますっ! そのカウントが超高速っ! 超・高・速ですっ! ここはロープを潜ろうとしていたベガっ……! 慌ててリングへと戻りますっ!」

533: 2016/07/28(木) 23:27:20 ID:OIhX/5cg
ベガ「……おい、なんだその場外カウントは?」

ダン「今、場外に行くのはリングアウトの可能性が非常に高いぞ? 両者リングアウトなら防衛数は増えねぇ。それならまだマシだ……なんかの表紙にバイソンがリングインしちまったら……王者転落の可能性もある……」


オー ! レフェリー、イイゾー !

元「あの高速場外カウントだったら、もうすぐリングアウトになっちゃうから、ベガ君場外にいけないねぇ」

実況「再びレフェリーが機転を利かせてきますっ! バイソンの助太刀へと行こうとしたベガを超高速場外カウントで牽制するっ! あっという間の5カウントでしたっ! あれではリングアウトの危険性が非常に高いので、ベルトを保持しているベガは場外に行く事を躊躇うっ!」


ダン「……チャンピオンはどっしりリングで構えておけ。直ぐにチャレンジャーが戻ってくるからよぉ?」

ベガ「……チャレンジャーのバイソンはまだ場外にいるぞ? カウントを続けたらどうだ?」

ダン「……シィィィィィィィィィィィィィッッッッッッッッッックスゥゥゥゥゥゥゥ」

ベガ「……貴様ァァ」ワナワナ


オー ! オーオー !

実況「さぁさぁ、これによりベガはリング上に釘付けっ! 釘付けですっ! 動く事が出来ないっ!」

元「レフェリーもバイソン君一人の状況なら、カウントはストップしてるねぇ!?」

実況「さぁ、レフェリーは出来る限りの事はしているぞっ……!? とすればヤンっ……! こっちもだっ……! この試合をなんとかしてもらいたい所だっ!」

534: 2016/07/28(木) 23:29:27 ID:OIhX/5cg
今日はここまで

547: 2016/07/29(金) 22:00:46 ID:CZTSnjYw
バイソン「この糞餓鬼がああぁぁっ……! そういう気だったら、こっちも容赦はしねぇぞぉぉっ! くたばってろ、うるああぁっ!」ズガァァ

ヤン「あっ……う、うぐああぁっ……!」ヨロッ


ヤーン ! ヤーン !

実況「あ~っと、しかし……!? ここでバイソンがヤンの頭部へと、おぉ~っとっ! ヘッドバッドだ、ヘッドバッドっ! 硬い硬い石頭を上から打ち付けていくっ!」

元「レフェリーがベガ君を抑えているんだっ……! ここはヤン君がなんとかっ……!」


ヤン「くっ、くあっ……くそっ、くそっ……」フラフラ

バイソン「……てめぇなんざ、俺様の相手じゃねぇんだよ。馬鹿野郎っ!」クルッ


ヤーン ! ヤーン !

実況「あっと、ここでヤンの動きが止まってしまったかっ!? おぉ~っとっ! そして、そんなヤンの目の前でバイソンは上体を大きく捻るっ!」

元「おいおいおいっ!」


バイソン「いい夢見ろよっ……! うるああぁっ! 眠ってろおぉぉっ!」ズガァッ

ヤン「……くあっ!」クラッ


アー、アーアー

実況「そして捻った上体を戻す反動で大きく大きく腕に遠心力をつけてっ……! あ~っとっ、ここはバイソンのターンパンチがヤンの顔面へと炸裂するゥ!」

元「……あらららら」

548: 2016/07/29(金) 22:06:20 ID:CZTSnjYw
ベガ「おっと、なんだ。バイソン一人でも余裕ではないか。フハハハ」

ダン「ヤン……おめぇがやられたら、俺がここで止めてる意味がねぇじゃねぇかよ……」


ヤン「うああっ……くあっ……」クルン

バイソン「はぁっ、はぁっ……ケッ……!」

ヤン「く、くそっ……」ガクッ


アー、アーアー

実況「あ~っ、ヤンの身体がクルリと半回転して……あ~っと、そのままガックリと場外にへたり込みますっ! ヤンがやられたかっ!? ヤンがやれたかっ!? バイソンを止める事は出来なかったのかっ!?」

元「あ~っ、いやっ……! まだ、ユン君がいるっ! やっと立ち上がってきたよっ!?」


ユン「なぁ~にやってんだよ。情けねぇ奴だなぁっ……! まぁ、ここは俺がカッチョ良~く決めてやるとしますかねぇっ!?」ダダッ


オー !? オーオー !?

実況「おっ!? ここで捨て身に近い雷撃蹴で場外に倒れ込んでいたユンも、ようやく動けるようになったかっ!?」

元「いけいけっ!」

実況「さぁ、ユンは立ち上がり、そしてバイソンへと突っ込んでいくっ!」

549: 2016/07/29(金) 22:13:08 ID:CZTSnjYw
ユン「……もう一度踏み台にさせてもらうぜっ! てりゃっ!」ガシッ

ヤン「ううっ……うおっ……!」

ユン「……いっくぜえええぇぇっ!」シュタッ


オー、オーオー

実況「おぉ~っと、バイソン目掛けて突っ込んでいったユンは……四つん這いでへたり込んでいるヤンの背中へと飛び乗るっ! おぉ~っと、そして更にそこからジャーンプっ! ここは再びヤンを踏み台にしてきたぁ!」

元「おうおうおうおうっ!」


ユン「今日は俺がスーパーヒーローだっ! バイソン、あんたも悪ぃが踏み台になってもらうぜっ……!」クルッ

バイソン「んっ、ああっ……!? また来やがったかっ……!?」


オー、オーオー

実況「高く飛び上がったユンは空中で身体を捻りながらっ……! おぉ~っと、背中からバイソンへと向かっていくっ! 向かっていくっ!」

元「……いけいけぇっ!」

550: 2016/07/29(金) 22:17:53 ID:CZTSnjYw
バイソン「二度も喰らうかっ、馬鹿野郎っ……! っととととっ……!」ガシッ

ユン「……あら?」


アー ? アーアー ?

実況「お~っと、いやっ! ここはバイソンがキャッチしますっ! 高く飛び込み背中から向かって来たユンではありましたが、なんとバイソンがそのまま空中でキャッチっ! ユンを捉えましたっ!」

元「あっとぉ!? まぁ、確かにユン君は軽量級だけれども……」


バイソン「ぴょんぴょんぴょんぴょん……まるでバッタだな、てめぇはっ……! うおおぉぉっ……!」ググッ

ユン「おいおい、なんだよなんだよっ……!? ちょっと待てちょっと待てっ……! 空気を読め、空気をっ……!」


実況「さぁ、バイソンはキャッチしたユンの身体を……おぉ~っと、ここは更に抱え上げてっ……!?」

元「おいおいおいおいっ……!」


バイソン「てめぇもそこそこムカつく面してやがるからなっ……!? そういう奴は、ケツに喰らってろっ……!」

ユン「……あんぎゃああぁぁっ!」ズガアァ


実況「右足を付き出しながら、抱え上げたユンの身体っ……! 尾てい骨をそこへと打ち付けていきますっ!」

元「あ~っと、アトミックドロップっ!」

実況「ここは再び狙っていったユンではありましたが……あ~っと、逆に捉えられアトミックドロップですっ! アトミックドロップっ!」

551: 2016/07/29(金) 22:23:17 ID:CZTSnjYw
ユン「ケツ……ああっ、ケツ……くうぅ、俺はこんな姿を見せる為に来たんじゃ……」フラフラ

バイソン「よぉしっ! そこの最前列のお前っ……! てめぇ、シャドルー構成員だなっ!?」

男「お~っ! お~、お~っ!?」

バイソン「椅子貸してくれやっ! ヘイ、スタンダーップっ!」

男「やっぱり、見に来て良かったよっ! ハハハハっ! 使え使えっ!」ガタッ


実況「これは痛い技ですっ! ユンは尻を押さえて苦しんでいますっ! あ~っと、あ~っと、そしてここでっ……!? バイソンが客席を物色っ! 客席を物色しておりますよっ!?」

元「おいおい。ちょっとちょっとちょっとっ……!」

実況「あ~、今バイソンが客席から……パイプ椅子を手にしましたっ! パイプを手にしましたっ! 渡ってはいけない男の手に、渡ってはいけない物が渡ってしまったぁ!」


バイソン「うざってぇ餓鬼には何しても構わねぇよなぁ!? ベガ様も試合にしゃしゃり出て来てなぁんのつもりだ、てめぇはっ……! うるああぁっ!」バッチーンッ

ユン「……あんぎゃああぁぁっ!」


ブー、ブーブー

実況「そしてバイソンはそのパイプ椅子を……あ~っと、ユンの背中に叩きつけていったぁ!」

元「……ああっ!」

552: 2016/07/29(金) 22:33:36 ID:CZTSnjYw
ベガ「おい、レフェリー。アイツ、凶器使ってるぞ。あれは反則負けじゃないのか……? んんっ……?」

ダン「……」

ベガ「おうおう、ノーコメントか。しかし、アレを私が使えば反則負けになるんだろ……? なぁ……? フハハハ」ニヤニヤ


実況「リング上ではベガ相手に無抵抗で戦う素振りを一切見せないのに、場外のユンとヤンにはコレですっ! 得意の拳を使ったファイトっ……! パワーを見せつける投げっ……! そして今行っている凶器攻撃っ……! なんだ、こいつはっ! なんだコイツはっ!?」

元「いや本当、僕達がそういう言葉を使うのは、よかない事だと思うけど……なんだコイツっ!?」


ブー、ブーブー

バイソン「俺様は認めねぇが、てめぇは世間で言う所のイケメンって奴なんだろ……? ケッ、そういう奴には特別使用だ……覚悟しな……?」スッ

ユン「う、ううっ……」


アー ? アーアー ?

実況「おっと、バイソンは……? 両手で掴んでいたパイプ椅子を持ち替え、ここは左手だけで握りますっ! そして、右腕はユンの首筋へと回し……そして左手で縦にしたパイプ椅子をユンの喉元へと突きつけていくっ!」

元「……おいおいおいおいっ!」

553: 2016/07/29(金) 22:50:58 ID:CZTSnjYw
バイソン「せぇ~のっ……! うらああぁぁっ!」ブンッ

ユン「……カ、カハっ」


ブー ! ブーブー !

実況「そして勢い良くユンの身体を前方へと押しやり……あ~っと、
添えたパイプ椅子へと食い込ませていくっ! ユンの喉がパイプ椅子に突き刺さりますっ!」

元「……えげつない攻撃するもんだ」

実況「パイプ椅子で喉っ……! ピンポイントへとダメージを与えていきますっ! これは酷い攻撃っ……! あ~っと、ユンは喉元を押さえながら、ダーウンっ!」


ヤン「くっ、くっ、くそっ……!」ブルブル

バイソン「……立つんじゃねぇよ、ボケがああぁっ!」バッチーン

ヤン「……ぐああぁぁっ!」ベタッ


ブー ! ブーブー !

実況「続けてバイソンはヤンにも一撃、ヤンにも一撃ィ! ヤンの背中へと打ち込んでいくっ! あ~っと、あ~っとっ! なんだなんだなんだっ!? 本日の一戦っ……! レフェリーだけではなく、ユンとヤンも加わりなんとか成立させようとしているのですがっ……!」

元「う~んっ……!」


ベガ「フハハハ。我々は誰にも止められんのだよ。フハハ……むっ……?」

554: 2016/07/29(金) 23:00:42 ID:CZTSnjYw
ナッシュ「……纏め役は僕がするから、とりあえず今日は自分の事だけ考えなよ。うん、君、丸い」ダダッ

ガイル「……う~い」ダダッ


オー !? オーオー !?

実況「いやいや、待て待て待て待てっ……! ここで花道の奥から、また二人やってきましたよっ!? また二人やってきましたっ! 見て下さい、元さんっ!?」

元「んっ……? おおっ……!?」

実況「花道の奥からやってきたのは……ガイルとナッシュですっ! ガイルとナッシュっ! 先程の試合で、サガット・バルログを下したガイルとナッシュっ! ここでその両者がやってまいりましたっ!」


バイソン「ケッ、二人抜きって所だなっ……! んっ、ああっ……!? なんだなんだっ……!? また増えやがったぞ、どうなってるんだっ!?」


実況「レフェリーに続き……ユンとヤンっ……! 更にはそれに続き、ガイルとナッシュですっ! ガイルとナッシュが加わって参りましたっ!」

元「おうおう、なんだなんだなんだっ!?」

実況「これはシャドルーへ屈しないと言ったストリートプロレスの意思表示っ……! 意思表示と見てもいいのかっ……!? さぁ、ガイルとナッシュっ……! リングへと向かっていくっ! いや、バイソンかっ……!?」

555: 2016/07/29(金) 23:09:57 ID:CZTSnjYw
バイソン「だああぁっ……! ちくしょうっ……! こうなりゃ、二人も四人も一緒だっ……! なりふり構わず四人抜きしてやるよ、うおおぉっ!」ググッ

ナッシュ「……ったああっ!」シュタッ


オー !? オーオー !?

実況「どうやら、狙いはバイソンのようですねっ! バイソンのようですっ! さぁ、ガイルとナッシュバイソンに向かっていくっ!」

元「そうだねっ! とりあえず、バイソン君をリングに戻さないといけないからねっ!」

実況「しかし、バイソンも当然の如く抵抗を見せるっ! あ~っと、ここで椅子を振りかぶるっ! んんっ!? しかし臆する事なく……おぉ~っと、先ずはナッシュがそんなバイソン目掛けて飛び込んでいくっ!」


ナッシュ「……その椅子、邪魔だよっ! たああぁぁっ!」バッチーン

バイソン「う、うおっ……! しまったっ……!」ボトッ


オー !? オーオー !?

実況「ナッシュは飛び込みながらの、ジャンピング・ハイキックっ! 狙いは椅子かっ……!? それとも腕かっ!?」

元「椅子だったっぽいねぇ!」

実況「さぁ、ナッシュ打点の高い蹴りをバイソンの振りかざした椅子目掛けて打ち込んでいくっ! そしてこれにより、バイソンは椅子を落としたぁ!」

556: 2016/07/29(金) 23:20:07 ID:CZTSnjYw
ナッシュ「ガイルっ……! 頼むよっ……!」コロンッ

ガイル「……ヘイヘイ。了解、了解。いきますよ、うらああぁぁっ!」ドスッ

バイソン「んっ……? うおおっ……!?」


オー !? オーオー !?

実況「バイソンが凶器を落としたっ! バイソンの手から凶器が手放されましたっ! さぁ、飛び込みつつ蹴りを打ち込んでいったナッシュはは……おっと、そのまま前方へと回転して距離を取っていくっ!」

元「次はガイル君がいったよっ!?」

実況「さぁ、そしてガイルは体勢を低くして、バイソンへの腹部へと突っ込んでいったぁ!」


ガイル「うるああぁっ……! 薙ぎ倒してやるよっ! くたばってろっ!」ズドーンッ

バイソン「……うぐえええぇぇっ!」


オー ! ガイルー ! イイゾイイゾー !

実況「そしてタックルのように、バイソンの身体を場外で薙ぎ倒していきますっ!」

元「スピアーだっ!」

実況「さぁ、ここはガイルのスピアーだっ! ガイルのスピアーっ! 場外で暴れているバイソンをなんとか取り押さえたっ! おぉ~っと、バイソンは後頭部を打ったかっ!?」

557: 2016/07/29(金) 23:27:08 ID:CZTSnjYw
ガイル「……さてさて」ガシッ


ベガ「チィッ、流石にこれは私も助けに行きたい所だが……」グイッ

ダン「7・8・9・10っ!」

ベガ「わかっている、わかっている。そうなるだろうと思っていた……」


オー ! イイゾー! レフェリー !

実況「そしてここでベガも場外へとバイソンを助けに行こうと目論みますが……おぉ~っと、ここはレフェリーの超高速場外カウントォ!」

元「そうそう。ベガ君はリング上に釘付けにしておかないとね」

実況「これではベガは動けないっ! リングに張り付け状態っ!」


ナッシュ「シャドルーにまともな試合なんて出来るワケないじゃないか……コイツらに何を要求したって無理な話だ。だからここは逆っ……!」ガシッ

ダン「おめぇはリングに残ってなきゃ……んっ……?」


アー ? アーアー ?

実況「あれっ……? ちょっと待って下さいっ……? ここで場外のナッシュがレフェリーに近づき……おっと、サードロープ下から足を掴みましたね?」

元「……んんっ?」

558: 2016/07/29(金) 23:34:51 ID:CZTSnjYw
ナッシュ「……とことん、荒らしてやるっ!」グイッ

ダン「う、うげっ……!」ビターンッ


オーイ ! オーイ !

実況「おぉ~と、そしてナッシュはその掴んだ足を勢い良く引っ張り……あ~っとっ! レフェリーが倒れたっ! 倒れたっ!」

元「……何してるのっ!?」


ナッシュ「……こっちだっ! ちょっとこっちに来てよ、レフェリーっ!」ズルズル

ダン「おいっ……! 何するんだっ……! 何するんだ、てめっ……! う、うおおっ……!」ボトッ

ベガ「フハハハ。どうやらソイツはお前の味方ではなかったようだな。フハハハ」


実況「そしてナッシュはレフェリーをリング外へと引きずりだしていくっ! 引きづりだしていくっ! 何を考えているんだ、ナッシュっ!?」

元「……あっ!?」

559: 2016/07/29(金) 23:39:37 ID:CZTSnjYw
ガイル「……よしっ、気づかれてねぇなっ!」ズザーッ


オー !? オーオー !?

実況「ナッシュがレフェリーを場外に引き摺り出すと同時に……グルっと回り込んでいたガイルがサードロープ下からリング上に滑り込んできますっ!」

元「……おいおいおいおいっ!」

実況「そしてその手にはっ……! パイプ椅子っ……! パイプ椅子を手にしていますよっ!? これは先程、バイソンが手にしていたパイプ椅子でしょうかっ! ガイルが奪い去り、そのまま場外から回り込んでいだようですっ!」


ダン「ぐええぇぇっ……! 頭、打ったぞっ……! ナッシュ、てめぇ何するんだっ!?」

ベガ「フハハハ、いい様だ」


オー !? オーオー !?

実況「ベガは場外に落ちたレフェリーを見ているっ……! コレ、ガイルには気づいていませんっ! 気づいていませんよ、元さんっ!?」

元「……気づいてないねぇ!?」

実況「……ガイルが気配を消して、ベガに忍び寄るっ! おぉ~っと、パイプ椅子を手に、ベガに忍び寄るっ!」

560: 2016/07/29(金) 23:50:39 ID:CZTSnjYw
ナッシュ「手際よくいかなきゃねっ……! それっ……!」シュタッ

ベガ「……んっ?」


オー ? オーオー ?

実況「ガイルは気配を消しているっ! おぉ~っと、そしてここで動いたのはナッシュっ! ベガの正面っ……! エプロンサイドへと飛び乗っったっ!」

元「……おっ!?」


ナッシュ「アンタにもダメージ与えておかなくちゃいけないからねっ……!」ガシッ

ベガ「くっ……うおっ……!」


オー、オーオー

実況「ナッシュはベガの頭部を両腕で掴み……そして顎をトップロープへと押し付けていくっ!」

元「おおっ!」


ナッシュ「さぁ、ロープの衝撃で……吹き飛べっ……!」シュタッ

ベガ「……う、うおおっ!」クルンッ


オー ! オーオー !

実況「そのままエプロンサイドから場外へと飛び下りっ……! おぉ~っと、ロープの衝撃によってベガの身体をはね飛ばしていくっ! おぉ~っと、ベガの身体がクルリと半回転しながら吹き飛ぶっ!」

元「おいおいおいおいっ……!」

561: 2016/07/29(金) 23:55:58 ID:CZTSnjYw
ベガ「くああっ、ちょこざいな……んっ……?」フラフラ

ガイル「……正面向いたな? よし、いくぜっ!」ググッ

ベガ「……何ィィィ!?」


ワー、ワーワー

実況「そしてガイル椅子を振りかぶりますっ! ナッシュにはね飛ばされ……正面を向いたベガに対して大きく大きく椅子を振りかぶるっ!」

元「うおおぉぉっ!」


ガイル「おらあああぁぁっ! くたばりやがれ、ベガァァァッ!」バッチーン

ベガ「……おぐあああぁぁっ!」バターンッ


ワー ! ワーワー !

実況「いったああぁっ! ガイルがいったあぁぁっ! ベガの顔面へと、パイプ椅子のフルスイングだああぁぁっ! ベガの顔面が撃ち抜かれたああぁっ! ベガはダウン、ダウン、ダアアウウンっ!」

元「おおおぉっ!」

562: 2016/07/30(土) 00:01:16 ID:m6/at.NA
ベガ「あっ、ああっ……あっ……」ピクピク


ワー ! ワーワー ! ワー ! ワーワー !

実況「場内はこの盛り上がりですがっ……! しかし、元さんっ……! これはいいのでしょうかっ!? いいのでしょうかっ!?」

元「うん、まぁレフェリーの見てない所でやったからね。その辺は上手く考えてやってるね」

実況「いや、そういう事ではなくて……その~、ガイルが試合に乱入するような形で……ましてや、凶器まで使いましたよ!?」

元「う~ん、だからね……バイソン君は何だかんだでダメージは受けてるけど……ベガ君は、一切受けてないワケじゃない……?」

実況「はいはいはいはいっ!」

元「うん。だから、その辺のバランスを取りに行った……感じなのかな……? ガイル君をフォローするなら、そういう感じになるね」

実況「なるほどなるほど……あっ、ちょっと待って下さいっ……!?」


ナッシュ「ガイルっ……! 今度はコイツだよっ……!」グイッ

バイソン「……ううっ」ゴロン

ガイル「オーケー、オーケー……よぉし、コイツはもういらねぇな……」ズザーッ


オー ? オーオー ?

実況「ここでナッシュがリング外にいたバイソンをサードロープ下からリングの中へと捩じ込んでいくっ! さぁ、ここでバイソンがリングインしたっ! そしてガイルも先程使ったパイプ椅子……リング上を滑らせ場外へと捨てていくっ!」

563: 2016/07/30(土) 00:05:00 ID:m6/at.NA
ガイル「……立ちやがれっ!」グイッ

バイソン「……ううっ」ググッ


オー ? オーオー ?

実況「さぁ、ガイルがバイソンの身体を引き起こすっ……! 本日の試合……これはベガ対バイソンの試合なのだが、今現在リング上で暴れているのはガイルっ!」


ガイル「……てめぇにも、ダメージ与えておかねぇと厄介だからなっ! いくぜ、うおおぉぉっ!」ググッ

バイソン「……う、うおっ!」


オー ? オーオー ?

実況「さぁ、ガイルはバイソンの頭部を自信の股下に押し込み……おぉ~っと、そのまま抱え上げたっ! 自信の頭上までその身体を抱え上げていくっ!」

元「お~っと、パワーボムっ!」


ガイル「くたばってろ、糞野郎がっ……!」ポイッ

バイソン「お、おおっ……! うぐあああぁぁっ……!」ズドーンッ


オー ! オーオー !

実況「おぉ~っと、そしてここは投げっぱなしできたっ! 投げっぱなしできたっ! そのままバイソンの身体をマット目掛けて放り投げていくっ! さぁ、バイソンの身体が背中っ……! いや、後頭部かっ……!? マットへと打ち付けられたっ! バイソンの身体はベガの隣辺りに落下したっ!」

564: 2016/07/30(土) 00:09:54 ID:m6/at.NA
ガイル「ぜぇっ、ぜぇっ……! 二試合連続ってのは、しんどいなっ……! よっこらせっとっ……!」ググッ

バイソン「……う、ううっ」ゴロン

ガイル「……さぁ、とっとと退散するかっ!」ズザーッ


オー !? オーオー !?

実況「あ~っ!? なんとガイルは、マットに倒れたバイソンの身体を……おぉ~っと、そのまま転がして反転させ……」

元「うおっ! フォールじゃんっ!?」

実況「なんとベガの上へと覆い被さらせますっ! 覆い被されますっ! 今、現在なんとバイソンがベガをフォールしておりますっ! そしてガイルは素早くサードロープ下から場外へと出ますっ!」


ナッシュ「よし、レフェリーっ……! 貴方もリングへと戻るんだっ……!」グイッ

ダン「う、ううっ……引き摺り出したのは、てめぇだろうが……」ゴロン


オー !? オーオー !?

実況「そしてここでナッシュっ……! 場外から今度はレフェリーをリング内へと捩じ込んでいくっ! 捩じ込んでいくっ!」

元「おおぉっ!? フォール取らせに行ったよっ!?」

実況「リング上では大の字のベガをバイソンがフォールしている状況っ! レフェリーも戻ってきましたっ! なんだコレはっ!? なんだコレはっ!?」

576: 2016/07/30(土) 22:01:11 ID:WFbU4MrQ
ナッシュ「さぁ、レフェリーっ! カウントを取るんだっ……!」バンバン

ダン「カウント……? ううっ、何言って……えっ……!?」ムクッ


実況「さぁ、ナッシュがエプロンを叩き、レフェリーを急かすっ! そしてレフェリーも今、顔を上げるっ!」


バイソン「ううっ……」ガバッ

ベガ「……うあっ」バタッ

ダン「バイソンがベガをフォール……? な、なんだこりゃ……何がどうなってこうなった……!?」

ガイル「何ボサっとしてやがるっ……! フォールしてんだろが、フォールっ……! カウントを取りやがれっ!」ビシッ


オー !? オーオー !?

実況「そしてレフェリーが、ベガに覆い被さっているバイソンを目にしましたっ! 今、目にしましたっ!」

元「状況だけ見れば、完全にバイソン君はベガ君をフォールしているからねぇ!?」

実況「さぁっ、ガイルも場外からカウントを取れとレフェリーを急かすっ! 大声で叫ぶっ!」

577: 2016/07/30(土) 22:10:08 ID:WFbU4MrQ
ヤン「う、ううっ……んっ……? 何がどうなってるんだ……?」ムクッ

ユン「ゲ、ゲホっ、酷ぇ目に合ったぜ……んっ……?」ムクッ


実況「場外でヤンも立ち上がってきたかっ……!? ユンも立ち上がってきたかっ……!?」


ダン「バイソンがフォール……? 何でこうなってるんだっ……!?」

ガイル「細けぇ事はいいんだよっ! カウントを取れえぇっ! とっととカウント取りやがれえぇぇっ!」ビシッ

ナッシュ「早くしなきゃ、回復しちゃうでしょっ……! ベガも……バイソンもっ……!」バンバン


オー !? オーオー !?

実況「しかし、リング上のベガっ……! あ~っと、そしてそのベガに覆い被さっているバイソンも立ち上がりませんっ! 立ち上がりませんっ! ガイルとナッシュがレフェリーを急かすっ……!」


レフェリー ! フォール、シテルゾー ! カウントダー !

ダン「な、なんだかよくわかんねぇが……これはカウントを取るべきなのかっ……!? くそっ、肝心な所は見えてねぇが……仕方ねぇ、カウント取るぞぉ~!」


ワー ! ワーワー !

実況「あぁ~っとっ! そしてここで、レフェリーが今カウントを取り始めましたよっ!? カウントを取り始めましたぁっ!」

元「おいおいおいおいっ……! どうなるんだっ……!? これで決まっちゃうのかっ……!?」

578: 2016/07/30(土) 22:23:14 ID:WFbU4MrQ
ダン「ワンっ……!」

ワー ! ワーワー !

ダン「ツーっ……!」

ワー ! ワーワー !

ダン「……スリ」

ベガ「く、くおっ……! 何をしている、バイソンっ……! 離れんかっ……!」ガバッ

バイソン「……くあっ」

ダン「カウントはツーだっ! カウントツーっ! まだ決まっちゃいねぇぞっ!?」


アー !? アーアー !?

実況「あ~っ! いやいやいやっ……! ここはベガの肩が上がりますっ! 寸前の所で肩が上がったぁ!」

元「おぉ~っとっ! 危なかったねぇっ!?」

実況「カウントは2.8ですっ! 2.8っ……! ここはベガっ……! 王者の意地とでも言えばいいのかっっ……!? それともベルトへの執着心かっ!?」

579: 2016/07/30(土) 22:29:52 ID:WFbU4MrQ
ガイル「ちっくしょうっ……! 上手くいったと思ったのにっ……! だああぁっ、くそっ……!」

ナッシュ「ああっ、くそっ……! 僕が少し遅かったせいで……回復の時間を与える事になってしまったっ……!」バンッ


アー ! アーアー !

実況「ガイルは両手で頭を抱えているっ! ナッシュは悔しそうにエプロンを叩くっ!」

元「ちょっと、二人の思うようにはいかなかったねぇ?」

実況「バイソンにフォールを『取らせた』……二人ではありましたが、ベガは返していくっ! カウントはツーカウントですっ! ツーカウントですっ!」

元「椅子でいった直後にカウントにいければ……いや、いかせれば……かな? そういう意味では、少し計画にもたつきがあったかもしれないね」

実況「……レフェリーも先程の場外カウントと同じように、超高速のカウントを取ればよかったではありませんかっ!?」

元「あ~、いや……それはねぇ……ないんじゃないかなぁ……?」

実況「どうしてでしょう、元さん?」

580: 2016/07/30(土) 22:38:11 ID:WFbU4MrQ
ベガ「このっ……! このっ……! 貴様、何をしている大馬鹿者がっ……!」ガスガス

バイソン「ぐっ……ぐっ……」


元「レフェリーの目的って言えばいいのかな? 彼はベガ君を敗北させようとしているワケじゃないんだよ。まぁ、高速場外カウントとかはあったけどね……表現としちゃ、バイソン君を敗北させない為に動いてる……そういうのが近いかもしれない」

実況「おっと、ここでベガは立ち上がり……怒り狂ったように、バイソンの身体を踏みつけていくっ! ストンピングの連打連打っ! 元さん、続けてどうぞっ!」

元「この試合……言っちゃえば、バイソン君はベガ君の王者防衛数を伸ばす為にわざと敗北しようとしているからね? インチキ試合ですよ。そのインチキ試合をさせないよう、なんとか試合を成立させたい……多分、それがレフェリーの考えだと思う」


ヤン「ユン……お前は、あっちに回り込め……バイソンが逃げねぇように、四方を囲むんだ……」

ユン「オッケー、オッケー。あっちには、ガイルさんとナッシュさんがいるからな……四人もいれば逃げ出す事は出来ねぇだろ……」


実況「おっと、そしてユンですね……!? ここでユンは場外をグルっと回り込んで……んんっ!? 何やら、狙っているのかっ!?」

元「う~ん、狙っているのかもしれないし……そうでもないのかも、しれない……」

実況「……と、言いますのは?」

元「ユン君とヤン君……彼らが見せた動きってのは、今の所試合放棄しようとしたバイソン君をリング上に連れ戻そうとしただけでしょ?」

実況「はいはいはいっ!」

元「だから、レフェリーと同じように、試合を成立させようとしているだけなのかもしれないし……ひょっとしたらそれ以上の事を考えているかもしれないんだ。ここに関しては情報が少ないかもね」

581: 2016/07/30(土) 22:49:37 ID:WFbU4MrQ
ナッシュ「ガイル、隙あれば狙うよっ……!」

ガイル「おうよ……インチキ王者には、転落してもらわねぇとなっ……!」


元「そしてガイル君とナッシュ君……彼らは恐らく、完全にベガ君を敗北させる為に動いているでしょう」

実況「……先程、バイソンにフォールをさせましたからねぇ!?」

元「試合を成立させたいレフェリーとは別の考えですよ。ある意味、バイソン君への肩入れと受け取ってもいいんじゃないか?」

実況「……シャドルーのバイソンに肩入れですか?」

元「どっちが勝ってもベルトはシャドルーの手の中にあるって状況だよ。だったら、バイソン君の手に渡っちゃった方が、ベガ君の連続防衛も止まるし、次にベルト狙いに行く時、何かと都合がいい……」

実況「確かに、ベガとバイソン……自分達がベルトを狙いに行くのであれば、これはバイソンの手にあった方がまだいい気はしますっ!」

元「勿論、そういう考えに至ったのはこれまでのベガ君の防衛ロード……そういう経緯があったからだろうけどね。まぁ、過激派と言うか……強硬派みたいな感じなんじゃないかなぁ?」

582: 2016/07/30(土) 23:00:45 ID:WFbU4MrQ
ベガ「この、このっ……! んっ……?」ピタッ


実況「あっとそして……あ~、ここでリング上をご覧下さいっ! あ~っと、あっとあっと……ベガも異変に気づいたかっ!?」

元「……うん」


オー ? オーオー ?

ベガ「なんだ……? なんだなんだ……?」キョロキョロ

ガイル「……」ジーッ

ナッシュ「……」ジーッ

ユン「……」ジーッ

ヤン「……」ジーッ

ベガ「ガイル……ナッシュ……ユン……ヤン……んんっ……?」キョロキョロ


オー ? オーオー ?

実況「場外、四方からリングを取り囲むように、ガイル・ナッシュ・ユン・ヤンの四人が鋭い目付きでリング上を睨んでいるっ! 睨みつけていますっ!」

元「ちょっと今日の試合も……これまでの経緯も含め、敵を作りすぎちゃったみたいだね。皆、ベガ君の王者に関しては……何かしら思う所はあるだろうしね。だから集まってきたんでしょう」

実況「おぉ~っと、これはまるで……シャドルー包囲網ですっ! シャドルー包囲網だっ! ベガは取り囲まれているっ!」

594: 2016/07/31(日) 22:01:37 ID:xBL9HpwA
ベガ「……ふ~ん、なるほどな」キョロキョロ

ダン「おい、バイソン起きろっ……! とにかく、試合してもらうぞっ……!」


実況「さぁ、ベガは腰に手を当て、辺りを見渡しますっ!」

元「これはベガ君にとって、やり辛い試合になってきたんじゃないかなぁ?」

実況「先程の事もありましたし……これだけの人数がいたら、何が起きるかわかりませんもんねぇ!?」


ベガ「とりあえず、そうだな……おい、レフェリーそこを退け……邪魔だ……」ササッ

ダン「う、うおっ……!? てめぇ、何しやが……」

ベガ「何をするだと……? バイソンと試合をするに決まってるではないかっ……! さぁ、バイソン立て。立つんだ。お前を倒して私の王者防衛数は3となる……」ググッ

バイソン「……う、ううっ」グイッ


オー ? オーオー ?

実況「あっ、いやっ……! ここはベガ……場外で包囲している四人には構わずに……あ~っと、レフェリーを手で払いのけ、そしてバイソンへいくっ! バイソンへいくっ!」

元「おっと、バイソン君……あぁ、まぁ対戦相手はバイソン君だからねぇ」

実況「さぁ、そしてここでベガはバイソンの身体を引き起こしていきますっ!」

595: 2016/07/31(日) 22:07:57 ID:xBL9HpwA
ベガ「……フンっ!」ググッ

バイソン「う、うおっ……」


実況「ベガは股下に手を差し伸ばし、そしてその身体を抱え上げていきますっ!」


ベガ「……そらっ! ボディスラムだっ!」

バイソン「……ぐえっ!」


実況「そしてベガはそのままバイソンの身体をマットへと叩きつけていくっ! ここはボディスラムだっ! これは、場外の四人を気にせずに……バイソンと試合を行うと言った事でしょうかねぇ!?」

元「とは言っても……う~ん、これだけいればねぇ……? やっぱり、誰かが何かをしてくるとは思うんだよ」


ベガ「……ふむ」キョロキョロ


オー ? オーオー ?

実況「そしてバイソンをマットへと叩きつけたベガは、再び辺りを見渡しますっ!」

596: 2016/07/31(日) 22:13:51 ID:xBL9HpwA
ベガ「よし、フォールだ……カウントを取ってもらうぞ、レフェリー……」ガバッ


オー ? オーオー ?

実況「あ~っと、あっとあっとっ!? そしてベガがバイソンの身体の上に覆い被さりましたよっ!? これは、ベガっ……! 場外の四人を全くもって気にしてはいませんっ!」

元「この攻撃は軽めのボティスラムだけどねぇ……バイソン君はガイル君のパワーボムも喰らってるし……ユン君のやつも貰ってるんだよねぇ……」

実況「う~ん、しかし……これはレフェリーが動かない事には……」


ベガ「さぁ、レフェリー。カウントを取ってもらうぞ……」

ダン「おめぇのインチキ試合には……」

ベガ「安心しろ。ここで、必ずバイソンは返してくる……我々は試合をする気になったのだ……心配ならば、超低速のカウントでも構わん……だから、カウントを取れ……それが貴様の仕事だ……」

ダン「ぐっ、でもっ……!」

ベガ「『でも』ではないっ……! 貴様は我々に正当な試合をしろと要求するが、貴様は正当なレフェリングをしているのかァァ!? カウントを取らないレフェリーがいるのでは、いつまで立っても正当な試合など出来んわァァ! 私は超低速のカウントでもいいから取れと言っているのだァァ! 早くしろォォ! ハラワタを引き摺り出すぞォォ!? 頃すぞォォ!?」

ダン「く、くそっ……! 好き放題言いやがって……だったらカウントを取ってやるよっ……! ただし、超低速だっ……!」


アー !? アーアー !?

実況「おぉ~っと、おぉ~っと……ベガはレフェリーに向かってカウントを取れと叫んでいるっ! 叫びまくっていますっ……! んっ……!? あっ、そしてレフェリーが屈する形となってしまったかっ!? カウントを取り始めますねぇ!?」

元「おぉ~っとっ!」

597: 2016/07/31(日) 22:28:29 ID:xBL9HpwA
ガイル「……何、カウント取ろうとしてやがるんだ。あのバカレフェリーっ!」シュタッ


オー !? オーオー !?

実況「おぉ~っと、しかしここは強硬派のガイルっ……! レフェリーがマットに伏せるとほぼ同時に、エプロンサイドへと飛び乗るっ!」

元「やっぱり、邪魔しにくるわねぇ!?」


ベガ「フハハハっ……! やはりなっ……!? やはり、そうくるだろうなぁ……!? お前達はその為に集まってきたんだからなぁ……!?」ムクッ

ダン「ワ……んあっ……!? おい、おめぇ人にカウントを要求しておいて、それはどういうつもりだっ……!?」


オー ? オーオー ?

実況「おっとしかし、ここはベガ……カウントがワンにもいかないうちに、自ら上体を起こしフォールを取り止めますっ!」

元「ガイル君の動きを見てやめたんでしょうね。それだけ、ガイル君の動きが早かったと言えるね」

実況「まぁ、確かにあのまま続けていれば、ガイルのカットが行われていた可能性がありますっ!」

元「カットだけで済めばいいんだけどね。う~ん……そうだな。だから、今のベガ君の行動……これは場外の選手達の様子を確認しておこうといった感じなんじゃないかな?」

実況「なるほどなるほどっ……! そして今のベガの動きを見る限りでは……これは想定内だった……と言った感じでしょうかっ!?」

598: 2016/07/31(日) 22:37:35 ID:xBL9HpwA
ベガ「我々の試合を妨害しようとしている奴がいるぞ。乱入者だ……レフェリー、アイツを止めろ……」ビシッ

ダン「アイツ……? あっ、ガイルっ……!?」

ベガ「貴様の望みは我々に試合させたいのであろう……? しかし、奴は違うぞっ……!? 奴は試合を潰そうとしているっ……! テ口リストだっ! レフェリー、奴を止めろォォ! あのような輩が存在すれば、試合は絶対に成立しないぞォォ!?」ビシッ


実況「おっとおっと、そしてここで……ベガはエプロンサイドからリングインしようとしているガイルを指差し、何やら叫びますっ!」

元「これは……ガイル君を止めるよう要求してるのかな……!?」


ダン「あ、あの野郎っ……! おいおい、ちょっと待てちょっと待て、ガイルっ……! 乱入は駄目だろうが、乱入はっ……! 仮にも王者戦なんだぞっ……!?」ダダッ


アー !? アーアー !?

実況「あっと、そしてここでレフェリーが走りますっ! レフェリーがリングインしているガイルに向かって走って行きますよっ!?」

元「あ~、なるほどね。先ずはレフェリーを手駒にしてきたってワケか」

599: 2016/07/31(日) 22:47:07 ID:xBL9HpwA
ダン「……おい、ガイルっ! 乱入は認めねぇぞっ!?」ピタッ

ガイル「おい、てめぇっ……!? なんで、俺を止めるんだよっ!?」


オーイ !? レフェリー !?

実況「おっと、そしてここで、レフェリーがロープ前でコレ……リングインしようとしているガイルを制していますっ! 制していますよっ!?」

元「そりゃ、王者戦……タイトルマッチに乱入者……そういうのはよくないんじゃないかなぁ?」

実況「しかし、その乱入者が出現する事になってしまった経緯……これは全て、ベガっ……! シャドルーにあるんですよっ!?」

元「そりゃ、勿論そうだけど……う~ん、だからさっきも言ったけど……レフェリーの目的と、ガイル君の目的は違うからっ……!?」


ガイル「退けっ……! 退けっ……! そこを退きやがれ、レフェリーっ……!」モガモガ

ダン「……てめぇらはやり過ぎなんだよっ!」


レフェリー ! レフェリー !

実況「大きな観点から見れば同じ物を持っているではありませんかっ!? あ~っと、リングインしようとするガイルっ……! しかし、それをさせないレフェリーっ!」

元「いや、そりゃ大きな観点で言えばね……!? でも、微妙に違うんだよっ!? これ、そこをついてこられちゃったかなぁ?」

実況「やめろ、やめろ~っ! 仲間同士で争っている場合ではないぞっ!?」

600: 2016/07/31(日) 22:57:20 ID:xBL9HpwA
ベガ「フハハハっ……! 貴様らは所詮、烏合の衆なのだっ……! 一枚岩のシャドルーとは違ぁぁうっ!」ニヤニヤ


実況「おぉ~っと、ここでベガは……争っているレフェリーとガイルをニヤついた顔で見ながら、交代して距離を取っていくっ! ここは我関せずと言った所でしょうか!?」

元「とりあえずね……下手したら、コレ……ガイル君、退場になる可能性だってある……ここは引き下がった方がいいと思う……」

実況「……退場っ!? そいつはいけませんっ!」



ナッシュ「……それっ!」ガシッ

ベガ「……むっ?」


オー !? オーオー !?

実況「あっと、しかしっ……!? ベガが下がっていったロープ方向っ……! ガイルとは逆側ですねっ!? こちらにはナッシュがいますっ! あ~っと、そしてナッシュっ! サードロープ下からベガの足を掴んだっ!」

元「おっ……!? これ、レフェリー今ガイル君を見てるよっ!?」

実況「そうですそうですっ! 場外には四人もいるのですっ! シャドルー包囲網は続いておりますっ!」

601: 2016/07/31(日) 23:04:07 ID:xBL9HpwA
ナッシュ「……場外に引き摺り出してやるっ!」グイグイ

ベガ「おぉ~っと、そうだそうだ……こちらにもいたんだったなぁ……王者戦に乱入は良くないぞぉ……? 離せ離せ……」モガモガ


オー ! オーオー !

実況「さぁ、ベガは足を取られている、足を取られているっ! なんとか振りほどこうとしているが……ナッシュはその手を離しませんっ!」


バイソン「ううっ、ああっ……何がどうなってるんだか……とにかく、俺が試合放棄すれば、終わる事だ……場外リングアウト負けでもいい……」ゴロゴロ


元「……あっと、バイソン君が?」

実況「あっと、ここでバイソンっ……! この隙にリング上を転がって移動して……これ、再び場外へ行こうとしていますかねぇっ!?」


バイソン「よぉし……リングアウト……」ゴロン

ユン「……戻れっ!」グイッ

バイソン「んっ、ああっ……?」ゴロン

ユン「……だから、戻れってっ!」グイッ


実況「隙を見て逃げ出そうとしたバイソンですが……おっと、こちらの方角にはユンがいますっ……! さぁ、ロープ下を潜り抜けようとしているバイソンの身体を……リングへと押し戻していくっ!」

603: 2016/07/31(日) 23:18:04 ID:xBL9HpwA
ベガ「……いい加減、離してもらおうか。フンっ!」ブンッ

ナッシュ「……くそっ!」パッ


実況「シャドルー包囲網は続いている状況ですっ! あ~、いやっ……! ここでベガが掴まれていた足を振りほどきましたかね? しかし、これ……ロープ際に近づくと、何が起きるかわかりませんよっ!?」

元「そうだねぇ。まぁ、近づかない方がいいかもしれないね」


ベガ「フフハハハっ……! これでは試合が出来ん……試合が出来んよ……フンっ……!」ガスッ

ナッシュ「んっ……? うげっ……!」ヨロッ


実況「あっ、いやっ……!? ここでベガは場外にいるナッシュを蹴りつけていきますっ!」

元「……おっとぉ!?」

実況「上手くサードロープ下に足を入れ……お~っと、爪先蹴りをナッシュに当てていくっ!」

604: 2016/07/31(日) 23:24:54 ID:xBL9HpwA
ベガ「フフフフっ……! フハハハっ……! ハーッハッハッハッハァァァ!」ダダッ


アー !? アーアー !?

実況「あっと、そしてここでナッシュを振り切ったベガはっ……!? お~っと、なんだっ!? リング上を大きく走り込んでいくっ!」

元「んんっ……!? なんだなんだなんだっ……!?」


ベガ「レフェリーよぉぉっ! 邪魔者を排除するのを、こぉぉぉの王者自らが手伝ってやろうではないかぁぁぁっ! ハーッハッハッハッハっ! 貴様は場外に落ちてろぉぉぉっ!」ドスッ

ガイル「だから、レフェリ……んっ……? ぐえっ……!」ボトッ

ダン「……ベガっ!?」


アー !? アーアー !?

実況「ベガが向かった先にはガイルがいるっ! ガイルがいるっ! あ~っと、ベガはロープ前でクルっと身体を反転させながら、ガイルに肘を打ち込んでいくっ! バックハンドエルボーっ!」

元「……おいおいおいおいっ!」


ベガ「先ぁぁぁず、一人ィィィィ……! ハーッハッハッハッハっ! そして次ィィィィっ!」ダダッ


アー !? アーアー !?

実況「ガイルの身体が場外へと落ちたぁ! そしてベガはそのままロープを受けて……あ~っと、今度は逆方向っ……! ナッシュですっ! ナッシュの方へと向かっていきますっ!」

606: 2016/07/31(日) 23:31:13 ID:xBL9HpwA
ベガ「ハーッハッハッハッハっ! 氏ねええぇぇっ! サイコクラッシャーっ!」ゴオオォォ

ナッシュ「えっ……!? あっ……ぐわあああぁぁっ……!」


オー ! オーオー !

実況「そのままベガ、リング内から場外へとっ……! トップロープとセカンドロープの間を潜り抜けるサイコクラッシャーアタックですっ! 場外にいるナッシュにいったぁっ!」

元「おおぉっ! サイコ・スイシーダっ!」

実況「おぉ~っと、ベガのサイコ・スイシーダっ! サイコ・スイシーダっ! ここでベガが場外ダイブっ!」


ナッシュ「……う、ううっ」ガクッ

ベガ「ハーッハッハッハッハっ! こぉぉぉれで二人目だぁぁっ!」ムクッ


実況「これにはナッシュも大きく大きく倒れ込むっ! あっと、そしてここでベガは直ぐ様立ち上がってきますっ! おぉ~っと、ベガは高笑いしておりますっ!」

607: 2016/07/31(日) 23:37:29 ID:xBL9HpwA
ベガ「ハーッハッハッハッハっ! この私にパイプ椅子攻撃を加えた輩がいるぅぅぅ! 誰かはわからんっ……! 覚えてはおらんっ……!」


アー、アーアー

実況「ここでベガが場外に出ましたっ! 場外に出ましたっ! あれだけの包囲網を……おぉ~っと、ベガはあっという間に突破っ!」

元「……無理から突破していったねぇ」


ベガ「ならば崇高なる王者戦に乗り込んで来た輩ァァァ……! テ口リスト共ォォォ……! ハーッハッハッハッハっ! 皆頃しだァァァ!」スーッ


オー !? オーオー !?

実況「あ~っと、そしてここで……!? ベガは場外で素早く首を掻っきるポーズを取りますっ!」

元「ちょっと待って、誰に対してっ……!? 誰の首を掻っ切るのっ!? バイソン君じゃないよねぇ!?」


ヤン「あっ、ナッシュさんっ……! くそっ……奴をリングに戻さねぇとっ……!」ササッ

ベガ「ハーッハッハッハッハっ……! 三人目は……お前かァァ……!?」ズガズガ


実況「わかりませんっ……! わかりませんっ……! でも、バイソンではないとは思いますっ……! あ~っと、そしてここでヤンがっ……!? ヤンが場外をグルっと回って、包囲網突破したベガの元へと向かっていきますよっ!?」

614: 2016/08/01(月) 22:01:02 ID:gdyBnAO6
ダン「おいっ……!? おい、ベガっ……! 何してやがるアイツっ……!」ダダッ


オー !? オーオー !?

実況「あ~っ、そしてここはレフェリーも慌ててベガの飛び出しだ方向っ……! ロープ際まで慌てて走っていきますっ!」

元「そ、そうだねっ……! とりあえず、場外に行ったんだから……場外カウントっ……!」


バイソン「ううっ、なんだよ……なんで場外に出られねぇ……んっ……? ああ、コイツか。なるほどね……」ムクッ


オー !? オーオー !?

実況「んっ、あっ……!? そしてここでリング上のバイソンも、立ち上がってきましたっ!立ち上がってきましたっ! こちらはレフェリーの向かったのとは別方向のロープ際で立ち上がってきますっ!」


ユン「てめぇだけでもリングアウトはさせねぇぞ、オラァっ……!」シュタ


オー !? オーオー !?

実況「おぉ~っと、そしてそんなバイソンの様子を見るや否やっ……! ユンがエプロンサイドへと飛び乗りましたっ!」

元「ちょっとちょっとっ……! あっちだけでも忙しいってのに……あ~、こっちでも何か始まっちゃったよっ!?」

615: 2016/08/01(月) 22:06:23 ID:gdyBnAO6
ヤン「くそぉっ……! ベガっ……! リングに戻って試合を……」ダダッ

ベガ「ハーッハッハッハッハっ! 自ら向かってくるとはいい度胸だっ……! だが、氏ねええぇぇっ!」ゴスッ

ヤン「……グガッ!」ヨロッ


アー !? アーアー !?

実況「え~っ……あ~っ……!? 場外でベガに向かっていったヤンっ……! しかしここもベガがいきましたかねっ!?」

元「あっと、ナックルパートだっ!」


ベガ「フハハハっ……! ハハハハっ……! ハーッハッハッハッハっ……!」ガシッ

ヤン「……うげっ!」ベタッ


実況「あ~っと、ベガは正面からヤンの髪を掴み、そのまま顔面をエプロンへと叩きつけるっ! 押し付けていくっ!」

元「……あぁ~っとっ!?」


ベガ「貴様の顔面を削り取ってやろうっ……! フハハハっ……! 氏ねぇぇっ……! 氏ぬがいいっ……!」ズルズル

ヤン「うげっ……ガッ……ガガッ……!」


ヤーン ! ヤーン !

実況「おぉ~っと、そのままはベガはっ……!? ヤンの顔面をエプロンサイドに押し付けてながらっ……! 顔面を擦り付けつつ、場外を移動していくっ!」

元「……あ~っと、ラフな攻撃だっ!?」

616: 2016/08/01(月) 22:22:05 ID:gdyBnAO6
バイソン「なるほどな。さっきからずっとずっとてめぇがちょっかい出してたってワケかっ……!? さっき椅子でやってやったってのに、まだやられ足りねぇってのかっ!? よぉ~し、いいだろうっ!」ガシッ

ユン「……んあっ!?」


実況「おっと、バイソンもっ……!? あ~、何やらロープ越しにエプロンサイドにいるユンの身体を掴んでいますよっ!? 頭部を脇下に抱え込むように掴んでいますっ!」

元「あ~っ、もうっ……! 何がどうなってるんだかっ……!」


ダン「く、くそっ……! 何がどうなってるんだよっ!? ベガっ……! リングに戻れっ……! 場外カウント取るからなっ……!? 1……2……3……」


実況「リング上っ……! いやっ、リング上だけではないっ……! 場外も含め、場内全体がパニックに陥っていますっ! あっとそんな中、レフェリーは……!? これは場外カウントですかねっ!? 数え始めましたよっ!?」

元「そうだね。一つずつでも片付けていかないとっ……! 先ずは、ベガ君をリングに戻しましょうっ!」

617: 2016/08/01(月) 22:31:27 ID:gdyBnAO6
ベガ「……貴様の墓標はリングの上にしてやろうっ! フハハハっ! フンっ!」グイッ

ヤン「……ううっ」ゴロン


アー !? アーアー !?

実況「ちょっと待って下さい、元さんっ!? ここでベガはヤンをサードロープ下からリングの中へと押し込みましたよっ!?」

元「なんでっ……!? ヤン君関係ないじゃんっ!?」


バイソン「だったら、とことんやってやるよっ……! うるあぁっ、こっちへ来やがれ、ボケがっ!」ググッ

ユン「お、おおっ……うぐええぇぇっ……!」バターンッ


アー !? アーアー !?

実況「あ~っと、そしてここでバイソンもっ……!? エプロンサイドにいるユンに対して……ブレーンバスターですっ! ブレーンバスターを仕掛けていきますっ! ユンの身体を真っ逆さまへと抱え上げ、そして後方へと叩きつけていきますっ!」

元「おいおいおいっ……! こっちもかぁ!?」


ベガ「シャドルーに歯向かう輩にはァァ……容赦はせんぞォォ、ハーッハッハッハッハっ!」グイッ


オー !? オーオー !?

実況「ヤンがリングの中へと引き込まれましたっ! ユンもリングの中へと引き込まれてましたっ! そしてそして、ここで場外からベガがリングへと戻ってきましたっ!」

元「これはヤン君とユン君の意志ではないからねっ!? 多分っ……!」

618: 2016/08/01(月) 22:37:35 ID:gdyBnAO6
ダン「お、おいっ……! 待て、てめぇらっ……! 余計なもんリングに連れ込んでるんじゃねぇよっ……!?」

ベガ「さぁ、立つのだ……安らかな眠りにつく為にな……ハーッハッハっ!」グイッ

ヤン「う、ううっ……」ググッ

バイソン「おめぇはとことん苛めてやらなきゃ気が済まねぇ……よっこいっしょっと……」ズシンッ

ユン「……うぐっ」


アー !? アーアー !?

実況「ベガはヤンの身体を引き起こしていきますっ! バイソンは……リング上で倒れているユンへと回り込みながら……おぉ~っとっ! 腹部の上へと陣取っていくっ! マウントポジションっ!」

元「二人とも相手が違うよっ!?」


ベガ「……フンッッッ!」グイッ

ヤン「……うおっ」

バイソン「うるあぁっ……! うるあぁっ……! この糞餓鬼っ……!舐めてんじゃねぇ、タコにしてやるよっ! うるあぁっ、うるあぁっ……!」ガスガス

ユン「ぐっ……あぐっ……!」


ヤーン ! ユーン !

実況「ベガはヤンの股下に手を差伸ばし、その身体を抱え上げていくっ! あ~っと、そしてバイソンは馬乗りになってそのまま殴っていく、殴っていくっ! ユンに拳を打ち込んでいきますっ!」

元「その二人はどうでもいいでしょうがっ!?」

619: 2016/08/01(月) 22:46:32 ID:gdyBnAO6
ダン「なんだよなんだよ、おいっ……! どんどんどんどん悪化していくじゃねぇかよっ……!? くそっ、とりあえずはバイソンだっ……! バイソン、やめねぇかっ!?」ガシッ

バイソン「んああっ……!? なんだ、てめぇっ……!? なんで、俺様を止めやがるっ!?」


オー !? オーオー !?

実況「ここはレフェリーは少し迷ったあげく……バイソンだっ! バイソンに身体にしがみつくように制止しにいきますっ!」

元「まぁ、バイソン君の方が危険な行為はしてるからねぇ!?」


ベガ「フハハハ、そらそらっ……! いくぞいくぞォォ……!?」ガシッ

ヤン「うっ……くっ……」


アー !? アーアー !?

実況「いや、待って下さいっ……!? ヤンを抱え上げていったベガはそのままヤンの身体を真っ逆さまにして……そして胴回りに腕を回すように抱え直していくっ!」

元「おいおいっ……! ツームストーン・パイルドライバーの体勢じゃないのっ!?」

実況「バイソンだけではありませんっ! こちらもデンジャラスですよっ!? デンジャラスな技ですっ!」

620: 2016/08/01(月) 22:57:20 ID:gdyBnAO6
ベガ「ハーッハッハッハッハァァァ!」シュタッ


アー !? アーアー !?

実況「ちょっと待って下さいっ! 更に更にベガはヤンの身体を抱え上げたまま、ジャーンプっ! 飛び込んでいきましたよっ!?」

元「……おいおいおいおぉいっ!?」


ベガ「……氏ねええぇぇっ!」ズドーンッ

ヤン「うぐああああぁぁっ……! あっ、ああっ……」バターン


ヤーン ! ヤーン !

実況「ベガはジャンプして更に高さと勢いをつけながら、ヤンの脳天をマットに打ち付けていきますっ! ジャンピング・ツームストーン・パイルドライバーだっ! ジャンピング・ツームストーン・パイルドライバーっ!」

元「バイソンにかけたヤツより……完全に本気のヤツじゃないかっ!?」

実況「手加減無用のジャンピング・パイル・ドライバーっ! やはりベガっ……! シャドルー以外には容赦はありませんっ! あ~っと、脳天からマットへと打ち付けてられたヤンの身体は……そのままガックリ背中からマットへと崩れ落ちるっ!」


ベガ「こぉぉぉれで三人目……仕留めたぞォォォ……!」スーッ


アー !? アーアー !?

実況「あ~っと、ベガは顔を上げ……そして再びここで首を掻っ切るポーズを見せていきますっ! 無気力試合……試合を行わないと予想されていたベガですが……これは試合を行っているのかっ!? 気力に道溢れているのかっ!? ただしただし、相手が違うっ……!」

621: 2016/08/01(月) 23:03:16 ID:gdyBnAO6
ベガ「さぁ、そしてアイツで四人目っ……! 最後の一人だ、フハハハっ……!」ズガズガ


アー !? アーアー !?

実況「さぁ、そしてベガは立ち上がり……おっと、バイソンの方……いや、これはユンでしょうねぇ!?」

元「恐らくユン君でしょうねぇ」

実況「ユンの方へと向かっていきますっ! これはなんだなんだっ!? 邪魔者を始末してから……ゆっくりとバイソンとのインチキ試合を行おうと言った魂胆かっ!?」


ダン「ああっ、くそっ……! とりあえず、離れろってのバイソンっ……!」

バイソン「うるせぇよっ! 最初に仕掛けてきたのはコイツだろうがっ!? やられた分、やり返して何が……」

ベガ「……バイソン、邪魔だぞぉぉぉ!」ゲシッ

バイソン「……うおっ」ヨロッ


オー ? オーオー ?

実況「おぉ~っと、待って下さいっ!? ここでベガはユンの上へと馬乗りになっているバイソンの背中へと前蹴りを打ち込んでいきますっ! おっと、これによりユンの上に乗っていたバイソンは前へとよろけて倒れたぁ!」

元「このまま、バイソン君と試合に戻ってくれるって事は……」

622: 2016/08/01(月) 23:08:59 ID:gdyBnAO6
ベガ「最後にやられる大トリは貴様だァァ……! 無様に氏にゆく姿を観衆に見せつけるがいいっ……! フハハハっ……!」グイッ

ユン「……くそぉっ!」ググッ


ユーン ! ユーン !

実況「なんですねぇ……!? ありませんねぇっ……!? やはりここはユンですっ! ベガはユンの身体を引き起こしていきますっ! やはり狙いはユンだぁっ!」


ベガ「バイソン、モタモタするなっ……! コイツを背後から押さえつけろっ!」

バイソン「へへへ、はいなはいなっ……! 了解ですっ!」ガシッ

ユン「うおっ……! お、おい、離せよっ……!?」モガモガ


ユーン ! ユーン !

実況「あっと、そしてここでベガはバイソンに何やら指示して……あ~、おっと、ここでバイソンが立ち上がり背後からユンの身体を羽交い締めにしていきますっ! 動きを封じていきますっ!」

元「おいおいおいおいっ……!」


ベガ「……それでは、止めだああぁぁっ! 華やかに氏ぬがいいっ!」ダダッ


ユーン ! ユーン !

実況「ベガはユンに背を向け……おぉ~っと、ロープ方向へと走り込んでいったぁ! これはこれは、狙ってくるかっ……!?」

元「多分……来るでしょうっ……!」

623: 2016/08/01(月) 23:19:06 ID:gdyBnAO6
ベガ「フハハハァァ……! フハハハァァ……!」ダダッ


ユーン ! ユーン !

実況「さぁ、ベガがロープの反動を受けて返ってきたぁ! ユンはもがくっ! しかし背後のバイソンにガッシリ掴まれ、動けないっ! 動けないっ……!」

元「なんとかっ……! なんとかっ……!」


ベガ「フハハハァァァ……! 氏ねええぇぇっ! サイコクラッシャーァァァ!」ゴオオォォ

ユン「……うぐああああぁぁっ!」バターン


オー ! オーオー !

実況「あ~っと、あっとあっとっ! 無情にもここでベガが打ち込んでいくゥ! 動きの取れないベガに対してサイコクラッシャーアタックっ! サイコクラッシャーアタックだあぁぁっ!」

元「……うわあぁ」

624: 2016/08/01(月) 23:27:21 ID:gdyBnAO6
ベガ「これで四人っ……! めでたく全滅と言ったワケだっ……!」スーッ


アー !? アーアー !?

実況「ここで素早く首を掻っ切るポーズを見せていきますっ!」


ベガ「見たかっ……! この崇高なる王者の力っ……! そしてっ……!」ググッ

バイソン「シャドルーの力をよぉっ!」ググッ


オー !? オーオー !?

実況「お~っと、そしてここでなんだっ……!? ベガは両腕を大きく挙げましたっ! バイソンも同じように両腕を大きく上げましたっ! これはこれは……ベガとバイソンが場内に向けてアピールをしているのでしょうかっ!?」

元「手際よく……って言えばいいのかねぇ……? 集まってきた四人をやっつけたからねぇ……? こういう事をバイソン君とやればいいんだよ」


ベガ「五分もかからず、四人は全滅だっ……!」

バイソン「そんなゴミみてぇな奴らがベガ様っ……! そして俺達シャドルーの試合にイチャモンつけてんじゃねぇよっ! てめぇらはただただ指くわえて見てりゃいいんだ、ボケがぁっ!」


ブー ! ブーブー !

実況「その通りでございますっ! 全くもってその通りでございますっ! あ~っと、場内からブーイングが飛び交ってくるかっ!?」

元「一緒になって、腕挙げてる場合じゃないでしょ! 戦うのはアンタ達なんだから!」

実況「……しかしながら、これは悔しい結果になってしまいましたねぇ!?」

625: 2016/08/01(月) 23:33:22 ID:gdyBnAO6
ガイル「何が全滅だゴラァっ……! 俺はまだ、ピンピンしてるぞっ……!」グイッ

ナッシュ「くそっ、やられたまま……言われたままってのは気に喰わないねぇ……!?」グイッ

ダン「ベガ……バイソン……もう、わかったから試合を……んあっ……!?」


オー !? オーオー !?

実況「あっ、いやっ! しかし、ここはガイルとナッシュが立ち上がり……あ~っ、おっとっ! ここで同時にリングに雪崩込んでいきますっ!」

元「おっとっ!?」


ガイル「……てめぇ、ベガっ! この野郎っ!」ガシッ

ベガ「おっと……貴様にはダメージが浅かったのかな……? フフ、懲りない奴だ」

ナッシュ「……たああぁぁっ!」ガシッ

バイソン「おっと、てめぇはベガ様にやられたんじゃねぇのかよ……? ここはシャドルーのリングなんだよ。何しに来やがったっ……!?」


オー !? オーオー !?

実況「やられたままでは終われないっ……! というか、やられてもいないっ! まだまだ、ガイルとナッシュは動けますっ! さぁ、リング上に乗り込んだガイルとナッシュはベガとバイソンに組かかっていくっ!」

626: 2016/08/01(月) 23:38:03 ID:gdyBnAO6
サガット「いくぞ、バルログっ……!」ダダッ

バルログ「そうですね……王者に集る蝿が随分といるようです……」ダダッ


アー !? アーアー !?

実況「あ~っ! ちょっと待って下さいっ! ここでまたっ……! ここのまた花道の奥から二人の人影が現れましたよっ!?」

元「んっ……? おぉいっ!?」

実況「ここまでシャドルーに不満を持った選手達が続々と集まってまいりましたが……ここで現れたら二人は……」

元「これ、違うでしょうっ!」

実況「花道の奥から現れたのはサガットとバルログっ……! サガットとバルログっ……! シャドルーだっ! おぉ~っと、両者がリングに向かって花道を走り込んでいくっ!」

627: 2016/08/01(月) 23:38:45 ID:gdyBnAO6
今日はここまで

633: 2016/08/02(火) 22:00:46 ID:VtDO/rpY
ガイル「人を見下すのも大概にしておけってんだ、この野郎っ……!」グイグイ

ベガ「おぉ~っとっと……貴様の方こそ、崇高なる王者に向かってその口の聞き方はないんじゃないか? んんっ……?」


オー !? オーオー !?

実況「ガイルはベガに組みかかり、その身体をコーナーへと押しやっていくっ! 青コーナーへと押しやっていきますっ!」


ナッシュ「どれだけ僕達に意気がった所で、君はベガ相手には何一つする事が出来ないただの腰抜けだっ……! てやああぁっ……!」グイグイ

バイソン「違うねっ……!? 俺はベガ様に手を出す必要性がねぇから出さねぇだけだっ……! てめぇらゴミクズはしっかり潰しておかねぇといけねぇからなっ……!?」


オー !? オーオー !?

実況「そしてナッシュは逆方向っ……! バイソンの身体を赤コーナー方へと押しやっているが……あ~っと、サガットとバルログが向かって来ているぞっ!? コレ、二人は気づいているのでしょうかねぇっ!?」

元「……見えてないかもしれないっ!」

634: 2016/08/02(火) 22:07:37 ID:VtDO/rpY
サガット「先程の試合の恨みっ……! 今、ここで返させてもらうぞ。フンっ……!」ガシッ

ガイル「崇高なる王者だと……!? ふざけんじゃねぇっ! てめぇはただの……ん、んあっ……!?」

ベガ「……サガット遅いぞ~。何をモタモタしていたんだ。こういった蝿を始末するのもお前の役目のはずだ」


アー !? アーアー !?

実況「あ~っと、そしてここでサガットがっ……! 青コーナー付近で縺れ合っているガイルとベガっ……! あ~っと、ガイルの足を今場外から掴みましたよっ!?」


バルログ「フンっ。先程の試合の借りを……美しく返させてもらいますよっ……!」シュタッ

ダン「ちくしょう、ちくしょう。なんでコイツらまでっ……! あっ、おい、サガットっ……! あ~っ、おいっ! バルログっ……!」キョロキョロ


アー !? アーアー !?

元「あっ……!? バルログ君がっ!」

実況「バルログっ……!? あ~っ、おぉ~っとっ!? バルログはサガットとは別方向っ……! エプロンサイドへと昇り、そこから更にニュートラルコーナーへと昇っていきますっ! 昇っていきますっ!」

元「コレ、何か狙ってるよっ!?」

635: 2016/08/02(火) 22:13:59 ID:VtDO/rpY
ガイル「てめぇっ……!? 散々痛め付けてやったってのに、まだやられたりねぇってのかっ……!? だったら、てめぇはまた後で相手にしてやるよっ! 今は取り込み中だ。離せこの野郎っ……!」モガモガ

サガット「後……ではなく、今しよう……今っ……!」ガシッ

ベガ「おぉ~い、サガット……お前はそのまま、そのカスの動きを止めてろ。止めているだけでいいぞ……? この私自らが仕留めてやるからな。フフ……」スッ


実況「ニュートラルコーナーに昇ったバルログは……あ~っと、青コーナーのガイルではなくっ……! これ、赤コーナーのナッシュを見ていますねっ!? ナッシュに狙いを定めているかと思われますっ!」


ベガ「そぉ~ら、突き上げてやろうっ……! 急所は誰にも鍛え上げる事は出来んからなっ……! ハーッハッハッハっ!」ズガァァ

ガイル「……う、うぐおおぉぉっ!」


元「あっ……! 今、ベガ君がガイル君に急所攻撃仕掛けたよっ!?」


ダン「バルログっ……! 何してやがる。下りろっ……! 下りろおぉぉっ……!」

バルログ「さぁさぁ、ナッシュ、いきますよっ……! ヒョオオォォっ!」シュタ


アー !? アーアー !?

実況「えっ、急所攻撃……!? おあ~っと、ここでバルログが飛びましたっ! コーナーポスト上から飛びましたよっ!?」

636: 2016/08/02(火) 22:20:21 ID:VtDO/rpY
バルログ「……ヒャオォォォッ!」ズガァァ

ナッシュ「……おぐああぁぁっ!」ヨロッ


アー !? アーアー !?

実況「バルログはニュートラルコーナー上から大の字に倒れているユンの身体に上を通り過ぎ……あ~っと、そして赤コーナーまでっ! コーナー付近で縺れ合っているのナッシュの腰へと背後から打ち込んでいったぁ! コーナー・トゥ・コーナー・ドロップキックだぁぁ!」


バイソン「おいおいおいおい……こっちに倒れ込んでくるなっつ~のっ……! 邪魔だよ、オラァっ!」ガスッ

ナッシュ「……あぐっ!」ヨロッ


アー !? アーアー !?

実況「背後から打たれナッシュの身体は前へとよろけるっ……! しかし、そこにはバイソンがいるっ……! バイソンは振り払っていくように、顔面へとフックを打ち込んでいったぁ!」

637: 2016/08/02(火) 22:30:06 ID:VtDO/rpY
ガイル「う、ううっ……く、くそっ……! 何が崇高なる王者だっ……!」ブルブル

サガット「……さぁさぁ、場外に出て貰おうか」ガシッ

ベガ「い~や、サガット。そいつはリングに止めておけ。私もバルログのように華やかに決めてやろう……」ガシッ


元「……ちょっと待って。ベガ君も何か狙ってるよ!?」

実況「ベガっ……!? あ~っ、お~っとっとっ……! お~っと、ここでベガは前のめりの体勢で……あ~っ、股関を押さえていますねぇ!?」

元「さっき、屈み込んで急所に打ち込んでいったんだよっ!」

実況「そんなガイルに視線を定めつつ、コーナーに背を向けたまま……あ~っと、ベガはセカンドロープに足を掛けるっ! あ~っと、更にトップロープにも足を掛けるっ! ガイルに視線を定めつつ、コーナーへと昇っていきますっ!」


バイソン「うるあぁっ……! 邪魔なんだよっ! てめぇは場外に落ちてろっ……!」グイグイ

ナッシュ「うっ……くあっ……!」ボトッ

638: 2016/08/02(火) 22:37:06 ID:VtDO/rpY
ベガ「それでは氏にぞこないに止めを差してやるとするかぁぁっ! フゥゥンっ!」シュタ


アー !? アーアー !?

実況「あ~っとっ! そしてベガも飛んだ、ベガも飛んだぁぁっ! コーナー最上段から、前のめりの体勢のガイルに向かって飛んだぁぁっ!」

元「あっ、ナッシュ君が場外に出されたっ!」


ベガ「何匹虫が集まろうとも、所詮は虫は虫なのだぁぁっ! フゥゥンっ!」ズガァァ

ガイル「……ぐえええぇぇっ!」バターン


アー !? アーアー !?

実況「そして前のめりの体勢のガイルの背中っ……! あっ、いやっ、後頭部だっ! ベガは両腕を組みながら踏みつけていきますっ!」

元「おぉ~っと、こっちも飛んできたかっ!? ダイニング・ヘッドプレスっ!」

実況「ベガのダイニング・ヘッドプレスっ! ダーイビング・ヘッドプレスっ! あ~っと、後頭部に強烈な一撃を貰い、ガイルは崩れますっ! お~っと、飛び込んでいったベガも崩れますっ!」

639: 2016/08/02(火) 22:46:18 ID:VtDO/rpY
ナッシュ「……く、くそっ!」ムクッ

バルログ「おや、浅かったですかねっ……!? しかし、まだまだ美しくいきますよっ……!? ヒョオォォっ……!」シュタ


アー !? アーアー !?

実況「これにはガイルも……あ~っと、あっとあっとっ! そしてここで再びバルログが飛びましたよっ!?」

元「あっちでこっちで……ああっ、なんだなんだっ……!?」

実況「場外にいるナッシュに向かって、バルログはロープを掴みその反動を使ってトップロープを飛び込え、向かっていったぁ! 場外ダーイブっ!」


バルログ「……ヒャオォォォッ!」ズガァァ

ナッシュ「くっ……ぐわああぁぁっ……!」バターン


アー !? アーアー !?

実況「バルログは大きく大きく腕を広げながら、その身体をナッシュへとぶつけていきますっ! プランチャ・スイシーダだっ! プランチャ・スイシーダっ!」

元「おいおいおいおいっ……!」

実況「ナッシュとバルログの身体が共に場外で崩れますっ!」

640: 2016/08/02(火) 22:54:32 ID:VtDO/rpY
ベガ「おぉ~い、サガットもういいぞ……その虫けらを片付けておけ……」ムクッ

サガット「はいっ……! よぉ~し、場外に来てもらおうかっ!?」ズルズル

ガイル「う、ううっ……う、うおっ……」ボトッ


アー !? アーアー !?

実況「あ~っと、更に更に……サガットですっ! ここでサガットがダウンしているガイルの身体を掴み、そして場外へと引き摺り出しているっ! あ~っと、ガイルの身体が今場外へと落ちたぁ!」

元「あ~っと、こっちも出されたかぁ……」

実況「怒りに身を任せ、リングへと乗り込んでいったガイルとナッシュではありましたがっ……! ここでシャドルー集結っ! シャドルー大集結だっ! ガイルとナッシュは、サガットとバルログの手によって再び場外に引き摺り出されてしまったぁっ!」


ダン「おいっ……! バイソンっ……! おい、バイソンっ……!」

バイソン「うるせぇうるせぇ……てめぇの言いたい事はわかってるよ。リング上にゴミがあったら試合が出来ねぇだろ……今はゴミ掃除してる最中だっ……! うざってぇから、ついてくるなっ……!」ササッ


実況「これはもう、レフェリーも誰を止めればいいのかわかりませんねぇっ!? レフェリーは、とりあえずは近くにいたバイソンに警告をしていますが……あ~っと、バイソンは耳を傾けないっ! レフェリーを煙たがるように、ロープ際を移動していきますっ!」

元「サガット君とバルログ君もだけど……う~ん、言うなればガイル君達もある意味、招かれざる客ではあるからねぇ!?」

641: 2016/08/02(火) 23:00:45 ID:VtDO/rpY
サガット「おらおら、起きろ起きろっ………! こっちだっ……!」グイグイ

ガイル「う、ううっ……」ヨロヨロ


実況「何処へ連れていくのやら……何処へ連れていくのやらっ……!? あ~っと、サガットはガイルの身体を引き起こし、場外を引き摺り回しておりますっ!」


バルログ「さぁさぁ、こちらですよ……崇高なる王者戦の邪魔はいけません……」グイグイ

ナッシュ「う、ううっ……」ヨロヨロ


実況「そしてまたバルログもっ……! こっちはナッシュの身体を引き起こし場外を引き摺り回しておりますっ! しかしこれは今現在行われている試合とは別に、先程の試合の第二ラウンドが始まったと見てもいいのではないでしょうかっ!?」

元「ちょっと待ってよっ……!? 只でさえゴタゴタしているのに、そんな事が始まったら、どうなるかわかんないよ、もうっ!」

642: 2016/08/02(火) 23:07:16 ID:VtDO/rpY
ベガ「おぉ~い、バイソン……その位置でストップだ……その位置いい……そこでストップ……」ササッ


アー !? アーアー !?

実況「さぁ、皮肉な事にもサガット達の乱入によって、ある意味リング上がスッキリしてきましたっ!」

元「その分、場外はパニックだっ!」

実況「おっと、ここでベガは何やらバイソンに声を掛け……んっ……!? なんだなんだ、ロープ際を移動していきますっ!」


ベガ「……フン。ほれ、起きろ」グイッ

ユン「……う、ううっ」ググッ


アー !? アーアー !?

実況「あっ、いやっ! 違うっ……! ベガの狙いはユンですっ……! 今度はユンですっ! ベガはリング上で大の字だったユンの身体を引き起こしていきますよっ!?」

元「ちょっと待ってよ……!? ユン君はもういいでしょ……!? さっき、サイコクラッシャー喰らっているんだよっ!?」

実況「そうですっ! ユンは先程、ベガのサイコクラッシャーアタックを受けていますっ! ベガの必殺技、サイコクラッシャーアタックをっ! やめろやめろ、ユンはもう限界だっ!」

643: 2016/08/02(火) 23:13:02 ID:VtDO/rpY
ベガ「さぁさぁ、こっちだこっち……来いっ……!」ズルズル

ユン「……う、ううっ」ヨロヨロ

バイソン「あっ、なるほどねっ……! そういう事かっ!」


アー !? アーアー !?

実況「ベガはユンの身体を、おぉ~っとニュートラルコーナー付近へ連れていくっ!」


ベガ「次はバイソンにやってもらう……フハハ、僅か数分で二度も我らシャドルーの崇高なる技がその身で味わえるのだっ……! フハハ、こ~んな機会二度もないぞっ……!?」クルッ

ユン「……う、ううっ」クルッ


アー !? アーアー !?

実況「おっと、ここでベガはっ……!? あ~っと、ユンの身体毎向きを変え、対角線コーナーの方を向いていくっ! 向いていきますっ!」

644: 2016/08/02(火) 23:17:58 ID:VtDO/rpY
バイソン「コイツには場外でやられた分があるからなっ……! おぉ~っしゃっ! 百億万倍にして返してやるぜええぇぇっ!」グルグル


アー !? アーアー !?

実況「あ~っとっ! そしてその対角線コーナーには、バイソンがいるっ! バイソンが待ち構えておりますっ!」

元「おいおいおいおいっ……! あの構えっ……! 狙ってるよっ……!?」

実況「バイソンは前傾姿勢を取り、そして大きく大きく右腕を回しているっ! 右腕をグルグルグルグル回しているぞっ!?」


ベガ「フハハハァァァ……! 再び無様な氏に様を観衆に見せつけて来ォォいっ……! フゥゥゥンっ……!」ブンッ

ユン「う、うおおっ……!」ダダッ


アー !? アーアー !?

実況「そしてここでベガっ……! 対角線コーナーで待ち構えているバイソンの元へと、ユンの身体を降り投げていったぁ!」

元「おいおいおいおいっ……!」

645: 2016/08/02(火) 23:21:09 ID:VtDO/rpY
バイソン「ぐちゃぐちゃに潰れろォォ! バイソン式アックスボンバーだっ! うるああぁぁっ!」ズガァァ

ユン「……うぎゃあああぁぁっ!」グルンッ


アー !? アーアー !?

実況「ベガに振られて向かってきたユンの顔面にっ……! あ~っと、バイソンが大きく大きくその右腕っ……!」

元「拳っ……!」

実況「拳を振り抜いていったぁ! 早い話がカウンターの右ストレートォォ! バイソン式アックスボンバーァァ! おぉ~と、ユンの身体が一回転っ!」


ユン「……ぐえええぇぇっ!」ビターンッ


ブー ! ブーブー !

実況「そしてマットへと落ちますっ! ユンは一回転してマットへと落ちますっ! バイソンの反則技ァァ! 反則技だぁぁ!」


ダン「おい、バイソンっ……! 拳は反則だろうが、拳はっ!」

バイソン「それは正統な対戦相手に対してだろっ!? コイツはただの乱入者だっ! そういう奴には何しても構わねぇんだよっ!?」


ブー ! ブーブー !

実況「あ~っと、レフェリーがバイソンに何やら激しく言っているが……あ~っと、バイソンも激しい形相で何やら言い返しているっ!」

646: 2016/08/02(火) 23:24:40 ID:VtDO/rpY
ユン「う、ううっ……」ゴロゴロ


実況「ユンは立てないのではないかっ……!? もう立てないのではないかっ……!? あ~っと、ユンは最後の力を振り絞るように転がって……場外にエスケープしますっ!」

元「うん。もう場外の方が安全だよ」


ベガ「バイソン……次はソイツだ……」ビシッ


アー !? アーアー !?

実況「あ~っと、そしてここでベガが……!? あ~っと、ダウンしているヤンを指差しましたっ!」

元「おいおい、ヤン君パイルドライバー喰らってるでしょうが」


バイソン「了解了解っ……! コイツも同じようにやっちゃいましょう……」ササッ

ダン「おい、バイソンっ……! おい、バイソンっ……!」

バイソン「しつけぇなぁ、おめぇはっ……! 乱入者のコイツがリングにいたら、試合になんねぇだろうっ……! 廃除するって言ってんだっ! もう、てめぇは引っ込んでろっ!」ドンッ

ダン「……うげっ」ヨロッ


アー !? アーアー !?

実況「あ~っと、そしてバイソンはヤンへと向かっていく。ヤンへと向かっていくっ! あ~っと、今レフェリーを突き飛ばしましたっ!」

647: 2016/08/02(火) 23:29:29 ID:VtDO/rpY
バイソン「それじゃあ……ベガ様、いきますよっ……!?」グイッ

ヤン「……ううっ」ググッ


ヤーン ! ヤーン !

実況「さぁ、バイソンはヤンの身体を引き起こし、そしてニュートラルコーナーの方に引き連れ……おぉ~っと、ベガの待つ対角線コーナーの方を振り向かせたぁ!」


ベガ「……フフ、来い」スーッ


ヤーン ! ヤーン !

実況「ベガは視線を定めたまま……あ~っと、ここで再び首を掻っ切るポーズを見せたぁ!」


バイソン「それじゃあ、ベガ様に止めを差してもらいなっ……! うるああぁぁっ……!」ブンッ

ヤン「う、うおぉっ……」ダダッ


ヤーン ! ヤーン !

実況「そしてバイソンが今、ヤンの身体を対角線コーナーで待つベガの元へと振り投げていったぁ!」

648: 2016/08/02(火) 23:33:59 ID:VtDO/rpY
ヤン「……くっそぉぉっ! やられねぇぞぉっ!」ビタッ

バイソン「……んあっ?」


オー !? オーオー !?

実況「あっ、いやっ……! ここはヤンが踏ん張って堪えたかっ!? 堪えたかっ!?」

元「おおっ……!?」


ヤン「……振られるのはっ!」ググッ

バイソン「うおおっ……おおっ……!」ヨロッ


オー !? オーオー !?

実況「なんとか踏みとどまったヤンは自身の身体を軸にバイソンの身体をスイングさせて……!? スイングさせてっ……!?」


ヤン「アンタだっ……! だああぁぁっ……!」ブンッ

バイソン「う、うおっ……しまったっ……!」ダダッ


オー ! オーオー !

実況「逆に振り返していったああぁっ!」

元「お~、いいよっ! 返したよっ!」

649: 2016/08/02(火) 23:37:54 ID:VtDO/rpY
ベガ「……なんでお前が来るんだ。もう止まらんぞ、馬鹿者ォォ!」ズガァァ

バイソン「……うげえええぇぇっ!」バターン


ワー ! ワーワー !

実況「そしてベガが大きく大きく右腕を振り縫いていくがっ……!? 向かっていったのはヤンでないっ! バイソンだ、バイソォォンっ!」

元「いいラリアットが決まったねぇ!?」

実況「首をを掻られたのはヤンではなぁぁいっ! バイソンだっ! バァァイソンっ!」


ヤン「ぜぇっ、ぜぇっ……ざまあみろっ……!」


ワーワー ! ヤーン ! イイゾー !

元「これは、ちょっと間が空いてたのが幸いしたかもね。スタミナ回復の時間も作れたんでしょう」

実況「ここはヤンっ……! 何とかシャドルーに一矢報いましたっ! さぁさぁ、バイソンは大きく大きくダーウンっ!」


バイソン「う、うああっ……」

ベガ「全くバイソンめ……まぁ、いい……おぉ~い、レフェリー。フォールだ……カウントを取ってくれ……」ガバッ


アー !? アーアー !?

実況「あれ……? ちょっと待って下さい……おっと、ベガはそのままバイソンの身体に覆い被さって……」

元「……あっ!?」

実況「あれっ……!? フォールにいったんですかっ!? フォールにいきましたよ、元さんっ!?」

666: 2016/08/04(木) 22:00:44 ID:d5Z2mQDQ
ダン「ああっ、フォールっ……!? くそっ、くそっ……! 試合にケリさえつけば、この騒動は収まるのかっ……!?」

ベガ「なぁ~にをモタモタしている。早くカウントを取るのだぁ……」

ダン「く、くそっ……! わぁ~ったよっ……!」ダダッ


アー !? アーアー !?

実況「あ~っとっ!? そしてここでレフェリーが走りますよっ!? バイソンに覆い被さっているベガに向かって走っていきますっ!」

元「んっ……!? カウント取るのかなっ!?」


ヤン「お、おいっ……! ここでフォールかよっ……! おいおい、待てよ待てよ、これじゃ俺がまるで……」

サガット「……フンっ!」ガシッ

ヤン「んあっ……!? う、うおっ……!」ビターン

サガット「ベガ様の助太刀に走ってくれるとは有り難い……だが、お前はもう用済みだ。さぁ、場外で大人しくしていてもらうぞっ……!」ズルズル

ヤン「う、うおおぉっ……!」ズルズル


アー !? アーアー !?

実況「お~っと、ここでサガットっ……! 場外からグルっと回り込み、サードロープ下からヤンの足を掴むっ! そして場外へと引き摺り出していくっ!」

元「おっと、すかさずベガ君のアシスト」

実況「リング上にはベガとバイソンの姿だけっ! そしてここまでカウントを拒否していたレフェリーがっ……! あ~っと、あ~っとっ! 今カウントを数え始めましたっ!」

667: 2016/08/04(木) 22:07:35 ID:d5Z2mQDQ
ダン「ワンっ……!」

アー !? アーアー !?

ダン「ツーっ……!」

アー !? アーアー !?

ダン「……スリ」

ナッシュ「……うおおおぉぉっ! だあぁっ!」グイッ

ダン「……うおぉっ!」ゴロンッ


オー !? オーオー !?

実況「あ~っとっ!? いや、ここはナッシュがサードロープ下から素早くリングへ滑り込んで来ましたっ!」

元「おっとっ!? バルログ君を振りきったのかなっ!?」

実況「そしてナッシュはベガにカット……では、なくっ! リング上に伏せてカウントを取っているレフェリーの身体を力任せに下から持ち上げ、身体を反転させていくっ! カウントを妨害していくっ! ベガではなく、レフェリーに手を出していきましたっ!」

元「ナッシュ君は試合権どころか、試合に参加していないからね。止めるんだったら、こうするしかなかったんじゃないかな? ベガ君に打ち込んでカットした所で、レフェリーはカウントを継続してるかもしれないしねぇ!?」

実況「あ~っと、あ~っとっ……! 何はともあれ、カウントはツー……ですよねっ!? まだ三つリングを叩く音は届いておりませんっ!」

668: 2016/08/04(木) 22:13:37 ID:d5Z2mQDQ
ベガ「なんだなんだ。折角決めにいったというのに、ま~た邪魔者が現れか……」ムクッ

ナッシュ「防衛なんてさせないっ……! それ以上の事っ……! 王者転落してもらうぞっ!?」ムクッ


オー !? オーオー !?

実況「さぁ、リング上でここはフォールを取り止め、ベガが立ち上がりますっ! しかしナッシュも立ち上がってくるっ!」


ダン「……だああぁぁっ! ちくしょうっ!」ムクッ

ベガ「……むっ?」


実況「そしてここで、レフェリーも立ち上がってきますかね……?」


ダン「てめぇ、この野郎っ……! なにしやがるんだ、この野郎っ……!」ドンッ

ナッシュ「……おっと」ヨロッ


アー !? アーアー !?

実況「あれ、待って下さいっ……!? ここで立ち上がったレフェリーが……なんだっ!? ナッシュの胸を突き飛ばしていきますよっ!?」

元「あたたた、ちょっとさっきのカットは乱暴だったからねぇ」

669: 2016/08/04(木) 22:20:35 ID:d5Z2mQDQ
ナッシュ「何しやがる……じゃないでしょっ!? 貴方こそ、どうして馬鹿正直にカウントを取っているんだっ!?」

ダン「リングに入ってくるなっ……! 場外に出てろ、ナッシュっ……!」ビシッ


アー !? アーアー !?

実況「あっとっ!? そしてここでレフェリーが、ナッシュに向かって……ナッシュに向かってですよっ!? リングアウトの警告をしているのですかねぇ!? 場外を指差しますっ!」


ナッシュ「僕がリングアウトだと……!? どうしてそんな真似をしなくちゃいけないっ……!」

ダン「てめぇらが関係ねぇ奴らがこうやってリングにいちゃ、いつまでたっても収集つかねぇだろうがっ……! とっとと出やがれっ……!」ビシッ

ナッシュ「僕達がいなくなったら、それこそまたインチキ防衛が繰り返されるでしょうっ……!? それは今日だけじゃないぞっ……!? 次もだ。その次もだっ……! インチキ防衛はコイツが記録を塗り替えるまで続くんだ。だから、今日潰さないといけないんだっ……!」


アー !? アーアー !?

実況「レフェリーはかなりキツい口調でナッシュに警告しているが……あ~、いやナッシュも引かないっ! おぉ~っと、ここでレフェリーとナッシュが口論するような形になっているっ!」

元「カウントもそうだけど、こりゃもうレフェリーは試合成立を優先させにいったねぇ。とにかく試合に関係ない人達には出ていってもらおうって事でしょう」

実況「何故この二人が揉める形になってしまうんだっ!? 敵はシャドルーだろっ……!? ベガだろ、バイソンだろっ……!?」

元「……レフェリーはあくまで中立なんだよ」

670: 2016/08/04(木) 22:26:26 ID:d5Z2mQDQ
ダン「とにかく出ろっ……! てめぇはリングから出るんだよっ……!」グイグイ

ナッシュ「貴方は人の話を聞いているのかっ!?」

ベガ「フハハ、揉めろ揉めろ。烏合の衆め……」ニヤニヤ


アー !? アーアー !?

実況「あ~っと、ここでレフェリーは実力行使と言った所かっ!? ナッシュをリングアウトさせようとロープ際へ押しやっていくっ! 確かに、これはレフェリーとして正しい行為だっ……! 正当なる行為ではあるがっっ……!」

元「……うんっ」

実況「これではまるでベガの思う壺ではありませんかっ!? ほら、見て下さいっ! ベガはしめしめといった表情で二人を見ていますよっ!?」


ナッシュ「今、僕がリングから出るワケにはいかないんだっ……! 悪いねっ……!」グイッ

ダン「……んあっ!?」クルッ


アー !? アーアー !?

実況「あっと、待って下さいっ……!? ここでナッシュはレフェリーの両肩を掴み……おぉ~っと、反転させるっ! レフェリーの身体を180度回転させていくっ!」


ナッシュ「……ったああっ!」ドンッ

ダン「うおっ、コイツっ……! うげっ……!」ドスッ

ベガ「おいっ、こっちに来るな……おぐっ……!」ヨロッ


オー !? オーオー !?

実況「あ~っ! そしてナッシュはレフェリーを背中を力一杯押していくっ……! そして押した先には……ベガがいた、ベガがいたっ! ここでレフェリーとベガが正面衝突ですっ!」

671: 2016/08/04(木) 22:32:01 ID:d5Z2mQDQ
ダン「……うげっ!」ベタッ

ベガ「おいおいおいおい……何をしている……? 貴様は何をしている……!?」ヨロヨロ

ナッシュ「たあああぁっ……!」ダダッ


オー !? オーオー !?

実況「これにはベガもフラつくっ! あ~っ、レフェリーはそのままガックリと前のめりに倒れ、四つん這いの体勢っ!」

元「ナッシュ君も引かないねぇっ!?」

実況「あ~っ!? そしてナッシュは……そのまま向かっていくっ!」


ナッシュ「……てやああぁぁっ!」シュタッ


オー !? オーオー !?

実況「おぉ~っと、ナッシュはそ~んなレフェリーを飛び越えるようにジャーンプっ! そして右足を大きく大きく蹴り上げるっ!」


ナッシュ「ムーンサルトスラッシュだっ! てやああぁぁっ……!」ズガァァ

ベガ「……おぐぁっ!」ヨロッ


オー ! オーオー !

実況「そしてレフェリーの向こうにいるベガにっ……! その振り上げた右足を大きく大きく弧を描くように蹴り落としていきますっ!」

元「おぉっ! ムーンサルトスラッシュっ!」

実況「ナッシュも引かない、ナッシュも引かないっ! ここはムーンサルトスラッシュだっ! 側頭部辺りにヒットしたかっ!? そしてナッシュは着地っ!」

672: 2016/08/04(木) 22:43:03 ID:d5Z2mQDQ
ナッシュ「バイソンは攻撃を仕掛けないっ……! だからこそ、僕達がアンタにダメージを与えなくちゃいけないんだっ!」ガシッ

ベガ「……うあぁ」


オー ! オーオー !

実況「さぁさぁ、そのままナッシュはベガに組みかかっていきますっ!」

元「だからナッシュ君は、今日はとことんやってやろうって腹をくくってるのかなぁ!?」


ダン「あの野郎っ……! くそっ……! くそっ……!」ムクッ

バイソン「おいおい。ベガ様が試合を決めにいったってのに……まぁ~た邪魔者が現れたってのかっ……! 仕方ねぇなぁ……」ムクッ


アー !? アーアー !?

実況「あ~、ベガに正面衝突したレフェリーは……大事には至らなかったようですね。今立ち上がろうと……あ~っと、ちょっと待てっ……! ここでバイソンが立ち上がってきますっ! バイソンもまた立ち上がってきますっ!」

元「おいおいおいおいっ……! さっきやられてたんじゃなかったのかっ!?」

673: 2016/08/04(木) 22:49:43 ID:d5Z2mQDQ
バイソン「おいコラ、虫けらァっ! てめぇみてぇな奴がベガ様に触れてんじゃねぇよ、うるあぁぁっ!」ゴスッ

ナッシュ「……ガッ」

ダン「……バイソンっ!?」


アー !? アーアー !?

実況「先程、スリーカウント決まるか決まらないのかの瀬戸際だったバイソンは……意気揚々とナッシュの背後から近づき、そして後頭部へとパーンチっ! 元気だったっ……! やはりバイソンは元気だったっ!」

元「って事はやっぱり、さっきのフォールは負けにいったと!?」


バイソン「てめぇがリングにいちゃ、いつまで経っても試合が終わらねぇんだよっ! てめぇにゃ、消えてもらうぜっ……! うるぁ、こっち向けやっ!」グイッ

ナッシュ「……ううっ」グルン


アー !? アーアー !?

実況「そしてバイソンは後頭部を押さえ苦しんでいるナッシュの身体を反転させ……おぉ~っと、自身の方に向けていくっ! ナッシュの頭部を自身の股下へと押し込んでいくっ!」


バイソン「消えてろ、虫けらがっ……! うおおぉぉっ!」ググッ

ナッシュ「う、うおおっ……!」


アー !? アーアー !?

実況「あ~っとっ! そしてナッシュの身体を抱え上げていくっ! そのまま頭上まで抱え上げていくっ! パワーボムだっ! パワーボムの体勢で抱え上げるっ!」

674: 2016/08/04(木) 22:54:39 ID:d5Z2mQDQ
ダン「おい、バイソンっ……! 俺がソイツを退場させてやるから、そういう事はっ……!」

バイソン「こっちに投げたら、ベガ様にぶつかっちまうな……って事は、こっちの方向だ……そぉ~れっ!」ブンッ

ナッシュ「……う、うおおっ」

ダン「えっ、あっ……!? うげえぇっ……!」バターン


アー !? アーアー !?

実況「おぉ~っと、バイソンは捻りを加えつつナッシュの身体を抱え上げていくっ! 持ち上げると同時にスイングさせて、遠心力をつけていきますっ!」

元「あっ、レフェリーにっ……!?」

実況「あ~っとっ! スイングされているナッシュの足がレフェリーにぶつかったかっ!? 巻き込まれる形となったかっ!?」


バイソン「おぉぉらっ……! 喰らって場外に帰りなっ……! そおぉいっ!」ポイッ

ナッシュ「……ぐわああぁぁっ!」ズドーン


アー !? アーアー !?

実況「あ~っと、そしてバイソンは投げ捨てていきますっ! ナッシュの身体をそのままマットへと放り投げたっ! ここは投げっぱし式のパワーボムだっ! レフェリーも巻き込まれる形となったぞっ!?」

元「あ~っとっとっと」

675: 2016/08/04(木) 22:59:38 ID:d5Z2mQDQ
ナッシュ「う、ううっ……」ゴロゴロ

バイソン「ケッ、消えてろ。馬鹿野郎が……」

ガイル「うああっ……! まだ終わらねぇぞ、ちくしょうっ……!」ズザーッ


オー !? オーオー !?

実況「あ~、これはナッシュも大ダメージだっ! ナッシュは転がり場外へとエスケープ……あ~っ! いやっ……! 今度はガイルが来たっ! ガイルが来たっ! 場外へとエスケープするナッシュと入れ違いになるように、ガイルがサードロープ下から滑り込み、リングインっ!」

元「おおっ!?」


バイソン「なんだなんだっ!? 一つ片付けたと思ったら、また一つ出てきやがったかっ……!? ああっ!?」クルッ

ガイル「……うるああぁっ!」ガシッ

バイソン「……うおっ!」


オー !? オーオー !?

実況「バイソンも慌ててそんなガイルの方を振り返る……がっ……!? おぉ~っと、ガイルは体勢を低くしつつ、正面からバイソンへと突っ込むんだっ! 懐に潜り込んだっ! バイソンの脇下に自身の頭部を潜り込ませていくっ!」

676: 2016/08/04(木) 23:05:32 ID:d5Z2mQDQ
ガイル「……うおおらああぁぁっ!」ググッ

バイソン「おっ、おおっ……! う、うおおっ……!」


オー !? オーオー !?

実況「ガイルはそのまま無理矢理バイソンを抱え上げていくっ! 肩の上へと抱え上げていくっ!」


バルログ「ベガ様っ……! これではキリがありませんっ! これを使って、纏めて始末して下さいっ……! それっ……!」ズザーッ


アー !? アーアー !?

元「あ~っ! あ~っ! バルログ君がっ……!」


ベガ「……おっ?」チラッ

ダン「ぐっ、ぐっ……また余計な物を……この野郎っ……!」


アー !? アーアー !?

実況「ファイヤーマンズキャリーの体勢でバイソンを肩の上へとかつぎ……あ~っとっ! あ~っとっ! なんだなんだなんだっ!? ここでリング上にパイプ椅子が突然出現したぞっ!?」

元「バルログ君だよ、バルログ君っ……! サードロープ下から滑り込ませてきたっ!」

677: 2016/08/04(木) 23:11:24 ID:d5Z2mQDQ
ベガ「ナッシュを取り押さえておけなかったのは、お前の失態だ。しかしこのパイプ椅子……よぉしよし、いいだろうバルログ。これでチャラだ……有り難く使わせてもらうぞ……」スッ


アー !? アーアー !?

実況「ガイルはパイプ椅子に気づいているのかっ!? パイプ椅子に気づいているのかっ……!? あ~っと、ここでベガがそのパイプ椅子に手を伸ばすっ!」


ダン「ううっ、試合を成立させるんだ……試合を……それがレフェリーとしての……レフェリーとしてのっ……! うわあああぁぁっ……!」ガシッ

ベガ「んっ……!? 何ィィ……!?」


オー !? オーオー !?

実況「いや待てっ……! いや待て、ここでレフェリーがっ……! ダウンしていたレフェリーがっ……! ビーチ・フラッグスの旗に飛び付くか如く、ベガが手にしたパイプ椅子に飛びつきますっ! 飛びついていきますっ!」

元「……おおっ!?」


ベガ「貴様っ……! 何をするっ……! 離せっ……!」グイグイ

ダン「凶器はダメだっ……! 凶器はダメだぁぁっ! 乱入者は俺が責任を持って追い出してやるからっ……! 凶器はやめろおおぉぉっ!」ガシッ


オー !? イイゾー ! レフェリー !

実況「レフェリーはダウンしたままですが、そのパイプ椅子を胸に抱き込むようにして、なんとかベガの手に渡らぬようしがみついていくっ!」

元「いいよいいよっ! ベガ君に渡しちゃダメだっ!」

実況「ベガはパイプ椅子を何とか自分の物にしようと、力を込めるっ……! 力を込めていくが、レフェリーは離さないっ! 離しませんっ!」

678: 2016/08/04(木) 23:15:54 ID:d5Z2mQDQ
ガイル「ベガには勿論っ……! てめぇにも眠っていてもらわにゃ困るんだよ、だああぁぁっ……!」グイッ

バイソン「う、うおおおぉぉっ……!」ブゥン


オー !? オーオー !?

実況「おぉ~っと、そしてここでガイルっ……! 肩の上にバイソンを担ぎ上げたまま、上体を捻り右方向を振り向くっ!」

元「……おおぉっ!?」

実況「そぉ~して、勢いよく右を捻った上体を左へと捻りつつ、更にバイソンの足を同方向へと押し出していくっ!」


バイソン「うおおぉっ……うおおぉっ……!」ブゥン


オー !? オーオー !?

実況「頭部を軸にガイルの肩の上でバイソンの身体が大きく大きくスイングされるっ! 270度の回転っ! そしてガイルはそのまま後方に倒れ込んでっ……!?」


ガイル「……くたばってろおぉぉっ!」

バイソン「……おぐあああぁぁっ!」ズドーンッ


ワー ! ワーワー !

実況「バイソンを顔面から、マットへと叩きつけるっ! スイングさせてっ……! マットへと打ち付けていくっ!」

元「F5っ!」

実況「F5っ! エフ・ファイブっ! エフ・ファァァイブっ! 本日、二度目のエフ・ファァァァァイブっ! 先程の試合はこの技でバルログを沈めましたっ! さぁ、その技を今度はバイソンにもいったああぁぁっ!」

686: 2016/08/05(金) 22:01:21 ID:SV1WBzZY
ベガ「ええい、離せと言っているんだっ……! 聞こえんのかっ……!?」

ダン「う、うおっ……!」


アー !? アーアー !?

実況「あ~っとっ! しかしここでベガがパイプ椅子を手にするっ! 掴んでいたレフェリーから……無理矢理ひったくるっ!」

元「あ~っ!?」


ダン「ダ、ダメだっ……! 椅子は渡さねぇ……渡さねぇぞっ……!」ガシッ

ベガ「邪魔だぞっ……! 離れろっ……! 離れろォォ!」ガスガス

ダン「ぐがっ……! ぐがっ……!」


アー !? アーアー !?

実況「ベガの手に椅子が渡りました、椅子が渡りましたっ! ダウンしているレフェリーは今度はベガの足掴んでいくが……あ~っとっ! そんなレフェリーをおぉ~っと、ベガは振り払うかのように踏みつけていくっ!」

元「あ~、あ~」

687: 2016/08/05(金) 22:06:34 ID:SV1WBzZY
ガイル「よぉし、バイソンはこれで大丈夫だっ……! 後はベガにも喰らわせて、バイソンにフォールさせれば……」ムクッ


実況「リング上のガイルが立ち上がってくるっ! ガイルは気づいていないのかっ!? 気づいていないのかっ!?」

元「気づいてませんねぇ!?」


ベガ「フフフ、覚悟するがいい……」ズガズガ

ダン「ううっ……ああっ……くっ、くっ……」ガクッ


ガイルー ! ウシロダー ! ウシロー !

実況「ガイルはベガに背を向けているっ! あ~っと、そしてそんなガイルの背後からベガが向かっていくっ! パイプ椅子を手にしたベガが気配を消して向かっていくっ!」

元「来てるよ、来てるよっ……!?」


ガイル「よし、次いくぞ次っ……! んっ……!?」クルッ

ベガ「ハーッハッハッハっ! テ口リストは撲滅だああぁぁっ! 氏ねえええぇぇっ!」バッチーン

ガイル「えっ……!? うおおぉぉぐっ……!」


アー !? アーアー !?

実況「あ~っとっ! 振り返ったガイルに対してっ……! ベガがそのパイプ椅子を振りかざしていくゥゥ! あ~っと、ガイルの脳天にパイプ椅子を叩きつきていったぁ!」

688: 2016/08/05(金) 22:20:19 ID:SV1WBzZY
ガイル「てめぇ、この野郎……いつの間にそんな物持ってやがった……あっ、ああっ……」ガクッ


ブー ! ブーブー !

実況「不意打ち気味へと打ち込まれ……あ~っとっ! ガイルから全身の力が失われていくっ……!」

元「……あ~っ!」

実況「あ~っと、ガイルは両膝を着いたっ!」


ベガ「ほ~う……? てっきりダウンすると思っていたのだが……見上げた根性だなっ……!?」ニヤニヤ


ブー ! ブーブー !

実況「おっと、そしてベガはそんなガイルの顔を……おぉ~っと、ニヤついた表情で覗き込んでいるっ!」

元「……う~っ!」


ベガ「まぁ、テ口リストに未来などない。どれ、今度はもっと勢いよく叩きつけてやろう……」ジリジリ

ダン「ううっ……ダメだ……ダメだ、ダメだ、ダメだっ……」ブルブル


ブー ! ブーブー !

実況「おぉ~っと、そしてここでベガはっ……! ガイルに視線を定めたままっ……! パイプ椅子を横に振りかぶりながらっ……! おぉ~っと、ここでガイルから距離を取っていくっ!」

元「もう一撃、いく気かっ!?」

690: 2016/08/05(金) 22:32:03 ID:SV1WBzZY
ベガ「正真正銘、最後の止めだああぁぁっ……! 氏ねえええぇぇっ……!」ダダッ

ダン「……ベガァァッ!」


ガイルー ! ガイルー !

実況「距離を取ったベガがっ……! ここでガイルに突っ込んでいくっ! パイプ椅子を振りかぶりながら、突っ込んでいくっ!」


ベガ「うおっ……!? なんだ……おおおっ……! うおおっ……!」ビターンッ


アー !? アーアー !?

実況「んっ……!? おぉ~っと、おぉ~っとっ……!? なんだなんだぁっ!? ここで突然、ベガが転んだぞっ!? 転倒したぁ!」

元「おっ……!?」


ベガ「くっ、なんだっ……!? 今、足を掴まれたせいで……く、くそっ……!」モガモガ

ユン「ぜぇっ、ぜぇっ……ざまあみろってんだ、バーカっ……!」


オー !? オーオー !?

実況「これはダウンしているレフェリーが……あっ、違いますねっ!? ユンですねっ!? ユンですねっ!?」

元「うんっ……! ユン君が場外からベガ君の足を引っ張ったっ!」

実況「おぉ~っと、ここはユンのナイスプレーっ……! ユンが場外からベガの足を掴んで転倒させましたっ……! その結果、なんとかガイルはピンチの間逃れたっ!」

691: 2016/08/05(金) 22:39:31 ID:SV1WBzZY
ユン「ぜぇっ、ぜぇっ……今日はやられてばかりだからな……最後ぐらいはカッチョよ~く決めてやるぜっ……!」シュタッ


オー !? オーオー !?

元「……あくまで一時的な物だけどねっ!?」

実況「おぉ~っと、ここでユンは疲労困憊の身体に鞭を打ち、エプロンサイドへと昇るっ……! そしてそこから更に移動して、ニュートラルナーの方へと向かっていきますっ!」


ユン「ぜぇっ、ぜぇっ……よっ……よっ……」ガシッ


オー !? オーオー !?

実況「ユンはエプロンサイドから直接コーナーポストへと昇っていきますっ! さぁ、今セカンドロープに足を掛けたっ!」

元「……あっ!」


サガット「おぉい、そこのチビスケっ……! なんのつもりだっ……!?」シュタ

ユン「……んああぁっ!?」


アー !? アーアー !?

実況「あ~っと、ユンが昇ろうとしているコーナーポストの逆サイドからっ……! サガットが来ましたっ! サガットが来ましたっ! エプロンサイドに昇り、コーナーポストに昇ろうとしているユンに近づきますっ!」

元「……んあ~っとっ!」

692: 2016/08/05(金) 22:48:05 ID:SV1WBzZY
サガット「何か大技を狙おうとしていたのか……? 残念だったな、お前には俺の大技を喰らって貰う事になるっ……! フンっ……!」ガシッ

ユン「ガッ……ゴ、ゴホっ……」


アー !? アーアー !?

実況「あ~っと、長身のサガットはそのまま長い長い腕を伸ばし、コーナーポストへと半分昇っているユンの……?」

元「首ですねっ……! 首絞めていますっ!」

実況「サガットはユンの喉元に腕を伸ばし、締め付けていくっ!」


サガット「バカと煙は高い所が好き……なんて言うからな……? 高い所に昇った分だけ、痛い目を見る事になるぞっ……!?」チラチラ

ユン「お、おいっ……! おいおいっ……! 冗談は寄せってのっ……! そっちは場外……」チラチラ


アー !? アーアー !?

実況「ちょっと待てちょっと待てっ……! サガットは場外方向を見ているぞっ……!? エプロンサイドでコーナーポストを捉えたまま、何やら場外方向に狙いを定めているぞっ……!?」

元「……あそこから、場外に投げるのかね?」

実況「という事はなんですかっ……!? ええっ……!? 雪崩式のっ……!? 断崖式のっ……!? チョークスラムだという事ですかっ!?」

元「た、多分っ……!」

実況「な~んとデンジャラスなっ……!? な~んと、デンジャラスな事を狙っているんだサガットっ!」

693: 2016/08/05(金) 22:53:27 ID:SV1WBzZY
ヤン「……やめろおおぉぉっ!」シュタッ

サガット「それでは……んっ……?」

ヤン「……うるああぁっ!」ガスッ

サガット「……おぐっ!」


オー !? オーオー !?

元「あ~っ! ヤン君がきた、ヤン君がきたっ!」

実況「あっ……! ここでヤンがピンチに駆けつけてきますっ! ヤンもエプロンサイドへと飛び乗って、ユンの喉元を掴んでいるサガットのその背中に打ち込んでいくっ!」


ヤン「オラァ……! オラオラァっ……!」ガスガス

サガット「くっ、くっ……チィッ、こっちのチビもうざったいなっ……!」パッ

ユン「う、うおっとっととっ……! 急に……離すなっ……!」グラッ


オー ! イイゾー ! ヤーン !

実況「ここはヤンがユンのピンチ走っていきますっ! 流石パートナーっ! さぁ、ヤンはサガットの背中へと打ち込み打ち込み……おぉ~っと、ここでサガット腕がユンの喉元から離れたっ!」

元「いやっ……! バランスが崩れたっ……!」

694: 2016/08/05(金) 23:04:04 ID:SV1WBzZY
ユン「うおおぉぉっ……! うげっ……!」ボトーン


アー !? アーアー !?

実況「あ~っと、ユンはバランスを崩し、エプロンサイドへと落下っ!」


ユン「うおおぉぉっ……! おおっ……うげっ……!」ボトッ


アー !? アーアー !?

実況「そして、エプロンサイドで身体がバウンドして……あ~っと、そしてそこから更に場外へと落ちたっ!」

元「ちょっと危険な落ち方しましたっ!」

実況「雪崩式の断崖式のチョークスラムは逃れたとは言え……これはこれは大ダメージでしょうっ!?」


ヤン「……アンタも場外に落ちてろっ!」グイッ

サガット「お、おおっ……おっ……!」ボトッ


実況「さぁ、ヤンはサガットの背中を蹴り出すように押し出し……お~っと、サガットをエプロンサイドから場外へ落として……あ~、いやっ! サガットは上手く着地したかっ!?」

695: 2016/08/05(金) 23:16:45 ID:SV1WBzZY
サガット「……チィッ、チビスケがっ!」クルッ

ヤン「……いくぞぉぉっ!」ダダッ


オー !? オーオー !?

実況「場外に下りる形となったサガットは直ぐ様ヤンの……あ~、いやっ! ヤンが突っ込んでいる、ヤンがっ……! 少々後退し、加速をつけてサガットへとエプロンサイドから突っ込んだぁっ!」

元「……おぉっ!?」


ヤン「……喰らってろっ!」グルン

サガット「……うおっ!?」

ヤン「……うるあああぁぁっ!」スガァァ

サガット「……ぐわああぁぁっ!」バターン


オー !? オーオー !?

実況「そしてヤンは前方回転しながら、サガットへと飛び込み、そして背中からぶつかっていくっ!」

元「トペ・コン・ヒーロだっ!」

実況「ここはヤンのトペ・コン・ヒーロだっ! トペ・コン・ヒーロっ! サガットを薙ぎ倒していったぁ~っ! おぉ~っと、サガットはダーウンっ! 仕掛けたヤンもそのままダウンだっ!」

696: 2016/08/05(金) 23:25:12 ID:SV1WBzZY
ベガ「くそっ、ユンの奴め……」ググッ

ガイル「う、ううっ……くそっ……!」ムクッ


オー !? オーオー !?

実況「あ~っと、しかしここでリング上のベガが今、起き上がろうと……あっと、いやっ……!? それより先にガイルが動くかっ!? ガイルが立ち上がるかっ!?」

元「……おっ!?」


バルログ「……美しく決めてやりましょうっ!」シュタッ


アー !? アーアー !?

実況「あ~、いやいやいやいやっ……! しかしここでバルログがっ……!? 素早い動きでエプロンサイドに飛び乗り、そしてそこからコーナーポストへと昇っていくっ! 今度は赤コーナーの方に動きありだっ!」

元「あ~っと、サガット君止めても、バルログ君がまだ生き残ってたかっ!?」

実況「コーナーポスト昇りきったバルログは……少々距離はあるが、リング上のガイルを見ているっ! ガイルに狙いを定めているっ!」

697: 2016/08/05(金) 23:33:55 ID:SV1WBzZY
ベガ「うああっ、椅子だ……パイプ椅子……」ググッ

ダン「う、ううっ……渡さねぇ……」ガシッ

ベガ「なんだ……またっ……!?」


ガイルー ! バルログモキテルゾー !?

バルログ「さぁさぁ、くたばりなさい、ガイルっ……! ヒャオっ!」シュタッ

ガイル「バルログ……? う、うおっ……! あっちかっ……!?」


実況「おぉ~っと、そしてバルログがガイルに向かってコーナーポスト上から飛び込んでいったぁ!」

元「……来たぁっ!」

実況「バルログはコーナーポスト上から、大きく大きく腕を広げ……ガイルに向かって飛び込んでいくっ! フライング・ボディプレスだああぁっ!」

698: 2016/08/05(金) 23:42:24 ID:SV1WBzZY
ガイル「……サァァァマソオオォォっ!」クルッ

バルログ「えっ……!? くわああぁぁっ!」スガァァ


オー !? オーオー !?

実況「あ~っ、いやいやいやっ……! ここでガイルがっ……! ガイルが飛び込んできたバルログに対してカウンターのっ……! カウンターのっ……!」

元「サマーソルトキックっ!」

実況「空中から飛び込んで来たバルログをサマーソルトキックでカウンターっ! 滞空攻撃ィィ! バルログを打ち落としていきますっ!」


バルログ「……くああっ、ああっ」ゴロゴロ

ガイル「……油断ならねぇ野郎だっ!」シュタッ


ワー ! ワーワー !

実況「カウンターで打ち落とされたバルログはそのままリングを転がり、場外へエスケープっ! そしてガイルはクルっと一回転して着地っ!」

元「タイミングバッチリだったよっ! ナイスナイスっ!」

699: 2016/08/05(金) 23:48:31 ID:SV1WBzZY
ベガ「フンっ、見苦しい悪足掻きだなっ……! 頃してやるっ……!」ムクッ

ダン「ああっ、くそっ……! いかせねぇぞっ……!」ガシッ


実況「あ~っと、あっとあっとっ! しかしここで椅子を手にしたベガも立ち上がってくるっ! 立ち上がってきますっ!」

元「いや、レフェリーが足にしがみついているからっ……!」


ベガ「ええいっ……! いい加減、貴様はうざったいぞっ……! 乱入者を始末出来んだろうがっ……! 離れろォォ!」バッチーンッ

ダン「……ぐわああぁぁっ!」


アー !? アーアー !?

実況「あ~、いやいやいやっ……! ここでベガは、そのパイプ椅子をレフェリーへと振りかざしていきますっ! あ~っと、レフェリーの背中へと打ち込んだぁ!」

元「……あ~っ!」

実況「これにより、ベガの足を掴んでいたレフェリーの手が離れますっ!」

700: 2016/08/05(金) 23:55:59 ID:SV1WBzZY
ベガ「ハーッハッハッハっ……! 氏んでもらうぞおおぉぉっ!」ダダッ

ダン「ううっ、ダメだ……ダメだ……もう、俺にはどうしようもねぇ……」ヨロヨロ


ガイルー ! ガイルー !

実況「そしてベガは向かっていくっ! パイプ椅子を振りかざしてながらガイルへと向かっていくっ!」


ベガ「ようやく思い出したぞォォォ! 私の顔面を打ち抜いたのは、お前だったなァァァ! ハーッハッハッハァァァ! 氏ねえええぇぇっ!」
バッチーン

ガイル「さぁさぁ、次は……えっ……うぐあああぁぁっ!」バターン


アー !? アーアー !?

実況「そして振り抜いたァァ! ガイルの顔面目掛けて、パイプ椅子を振り抜いていったァァ!」


ダン「ノーコンテンストだっ……! ノーコンテンストっ……! もう、どうしようもねぇよっ……! ゴングを鳴らせ、ゴングをよぉ……!?」

701: 2016/08/06(土) 00:01:56 ID:SPw0moAM
ベガ「ジ・エンドォォォ……! これでもう邪魔者はいない……」ポイッ


実況「ガイルの顔面に振り抜いていったベガは、満足気な表情をしながら、パイプ椅子を投げ捨て、そしてバイソンへと近づいていくっ!」

元「……あ~っ」


ベガ「そういえば、バイソンはガイルにやられていたんだったなぁ……という事は、もうこれで構わんだろう……」グイッ

バイソン「……ううっ」ゴロンッ


実況「そして、ベガはうつ伏せにダウンしているバイソンの身体を、足で転がすようにして、反転っ! 仰向けへとしていくっ!」

元「……これは」


カンカンカーン


ベガ「さぁ、フォールだ……んっ……?」ガバッ


アー !? アーアー !?

実況「あっとぉ……!? ベガはバイソンの身体に覆い被さってフォールの体勢なのですが……あっと、なんでしょうっ!? フォールにいく直前に……今、ゴングが鳴らされませんでしたかっ!?」

元「ええっ……!? う、うんっ……!」

718: 2016/08/06(土) 22:01:21 ID:MU24lsXs
ベガ「何故、ゴングが鳴るっ!? 何故、ゴングが鳴るゥゥ……!? まだ貴様はカウントを取っていないだろうっ……! 何故だぁっ!?」

ダン「う、ううっ……」ズルズル


ザワ……ザワ……

実況「場内がざわめきますっ! 場内がざわめきますっ! あ~っと、バイソンの身体に覆い被さっているベガも驚きの表情を見せますっ! ゴングを要請したレフェリーの、その背中っ……! 驚きの表情で見つめているっ!」


ダン「う、ううっ……あ、ああっ……うおっと……」ボトッ

ベガ「何処へ行く気だ。戻って来いっ……! 私はバイソンをフォールしているぞっ!?」バンバン


ザワ……ザワ……

実況「レフェリーはそのまま這いずってサードロープを潜り、おぉ~っと、ここで場外に出るっ! あ~っと、ベガはそんなレフェリーを呼び寄せるように、マットを叩いているっ!」


ダン「ううっ、マイクだ……マイク貸してくれ……」ムクッ


ザワ……ザワ……

実況「あっと、そして場外に出たレフェリーは今、我々放送席の目の前で立ち上がり……お~っと、マイクを握りましたっ!」

元「おっと」

719: 2016/08/06(土) 22:07:09 ID:MU24lsXs
ダン「只今の試合っ……! 乱入者多数及びベガ選手の凶器使用によって、ノーコンテンストっ……! ノーコンテンストとさせて頂きますっ!」


アー !? アーアー !?

実況「そしてレフェリーのダン氏が声高らかに叫び……あ~っと、あっとあっとっ!?」

元「……無効試合かっ!?」

実況「なんとなんと、無効試合ですっ! この混乱しっぱなしのこの試合っ……! 無効試合の裁定が下されましたよっ!?」


ベガ「凶器使用で無効試合だとっ……!? ふざけるなっ……! 私が使用したのは、勝手に乱入してきたテ口リスト共達だけにだっ……!? バイソンには一切使っておらんっ……!」ガバッ

ダン「第五試合、ベガ選手対バイソン選手の試合は無効試合とさせて頂きますっ! 無効試合とさせて頂きますっ! そして、その結果っ……!」


アー !? アーアー !?

実況「あ~っとっ! リング上のベガも立ち上がり、何やら怒鳴っているっ! 怒鳴りつけているっ! あ~、しかしレフェリーは続けるっ……!」

720: 2016/08/06(土) 22:13:42 ID:MU24lsXs
ダン「……ベガ選手の王者防衛数は、増えませんっ!」


オー !? オーオー !?

実況「あ~っと、確かにっ……!? この試合が無効試合になると言う事は……当然の如く、勝者も敗者も存在しないと言う事っ!」

元「全てがなかった事になると言う事だもんねっ!?」

実況「ここで途絶えたっ……! 嘘で塗り固めてきた、インチキで塗り固めてきたベガの王者防衛記録が、ここでストォォーップっ!」


ダン「しかしながらベルトの扱いに関しましては、これは無効試合と言う事なので……」

サガット「無効試合だと……? ベガ様の王者防衛数が増えないだと……? ふざけるなぁぁっ! 今すぐその裁定を取り消すんだああぁぁっ!」ダダッ

ダン「引き続き……んっ……!? どぐああぁぁっ!」ボトッ


オー ! オーオー !

実況「これはこれは……混乱を引き起こした乱入者……つまり、ガイル達の力によって、大きな大きな結果を引き起こしたのではないでしょうかっ!?」

元「試合の結末が見れないってのはアレだけど……まぁ、そもそも試合をする気なんてなかったみたいだしねっ!? これ、この結果だけでもねぇっ……!?」

実況「あ~っとっ! しかしこの結末に、やはりシャドルー陣は納得がいかないようだっ! ここでサガットっ……! 話を続けているレフェリーに襲いかかっていきますっ!」

721: 2016/08/06(土) 22:20:57 ID:MU24lsXs
ベガ「防衛数が増えない……私の王者防衛数が増えないだとっ……!?」ワナワナ

ガイル「へ、へへ……王者転落を狙っていたんだが……まぁ、この結末はコレはコレでありかもな……へへっ……!」

ベガ「く、くそおおぉぉっ……! 全ては貴様のせいだっ……! 余計な事をしよってっ! フゥゥゥンっ!」ドスッ

ガイル「……おぐっ!」


アー !? アーアー !?

実況「あ~っとっ! 納得がいかないのはベガもだっ! ベガはダウンしているガイルの身体をっ……! 怒りに身を任せ、踏みつけていくっ! 踏みつけていくっ!」

元「まぁ、ベガ君にとっては邪魔をされた張本人だからねぇ……!?」


サガット「ふざけるなっ……! おい、ふざけていると痛い目に合うぞっ……!? 今すぐ裁定を取り消すんだっ……!?」ググッ

ダン「ゲ、ゲホっ……! 離せ……離せってのっ……!」


実況「サガットはレフェリーの胸ぐらを掴み、そして抱え上げて、これ脅しているのでしょうかっ!? おぉ~っと、これはレフェリーのダン氏が危ないっ!」

元「でも、こういう結果にするしかないじゃんっ!?」

722: 2016/08/06(土) 22:29:19 ID:MU24lsXs
ヤン「ううっ……! そもそもアンタも俺もこの試合には、なんの関係もねぇ人間なんだっ! そういう奴が口挟むのは、よくねぇだろがっ……! レフェリーを離せ、うるあああぁぁっ!」ダダッ

サガット「……ぐおっ!」ヨロッ

ダン「お、おおっ……!」ボトッ


実況「あ~っとっ! しかしそんなサガットに対して……ここはヤンが後ろからタックルをするように突っ込んでいくっ! おっと、胸ぐらを掴まれてたレフェリーは……おぉ~っと、逃れたかっ!?」


サガット「俺は今レフェリーと話しているんだっ……! 関係ない、チビスケは引っ込んでろっ……!」ガシッ

ヤン「うるせえっ! アンタにゃ、話す資格はねぇんだっ! 来るなら来やがれっ……!」ガシッ


実況「しかし、サガットも振り返り……あっと、今度はユンに組かかっていくっ! 組かかかっているっ! 今、我々放送席の目の前で二人が揉み合っていますっ!」


ベガ「貴様のせいだっ……! 全ては貴様のせいだっ……! 氏ねっ……! 氏ねっ……!」ドスドス

ガイル「……ぐっ、ぐっ」


アー !? アーアー !?

実況「ベガはリング上でガイルの身体を踏みつけ続けているっ! 元さん、これ……試合は終わったとは言え……まだ、終わる気配が見えませんよっ!?」

元「まぁ、そりゃシャドルーが揃って『無効試合でしたか。それじゃあ、お疲れ様です』な~んて言うワケないけどさぁ? う~ん……」

723: 2016/08/06(土) 22:37:53 ID:MU24lsXs
ガイル「ぐっ……ガッ……」

ベガ「フンっ……! 踏みつけるより、コイツを使った方が手っ取り早く殺せるなっ……!」ガシッ


アー !? アーアー!?

実況「あ~っと、ここでベガは動きを止めっ……? おぉ~っと、パイプ椅子を手にしたっ! 手にしたっ! 再びパイプ椅子を手にしたっ!」

元「ダメだよっ……! それが無効試合になった理由じゃないのっ!」


ダン「試合はもう終わってんだよっ………! 終わってんだよっ! ゴングを鳴らせ、もういっぺんゴングを鳴らせえぇっ! コイツらに教えてやれぇぇっ!」


カンカンカーン、カンカンカーン

実況「あっと、ここでレフェリーが要請したのでしょうかっ!? 試合終了を告げる鐘の音がもう一度打ち鳴らされるっ……! あ~、一度ではないっ! 打ち続けられていますっ!」


ベガ「私の試合を潰した責任は取ってもらうぞォォ……! 氏ねえええぇぇっ……!」バッチーン

ガイル「……ぐわああぁぁっ!」


アー !? アーアー !?

実況「ベガには耳がないのかっ……!? 聞こえていないのかっ……!? あ~っと、ベガは場内にゴングが鳴り続けているこの状況で……あ~っと、ガイルに椅子を打ち込んでいったぁ!」

元「怒りで聞こえてないのか……それとも、もうわかってやってるのか……」

724: 2016/08/06(土) 22:42:28 ID:MU24lsXs
リュウ「おうおう、大騒ぎだな……とにかく、行こうっ……!」スッ


アー !? アーアー !?

実況「リング上でガイルを滅多打ちにするベガっ……! あっ、待って下さいっ!? ここで花道の奥から……」

元「……あっ!?」


リュウ「……はああぁぁっ!」ダダッ


オー !? オーオー !?

実況「おぉ~っと、リュウが現れたっ! リュウが現れたっ! リュウはリングに向かって走っていきますっ! また一人、この混乱に一人増えましたっ!」

726: 2016/08/06(土) 22:49:22 ID:MU24lsXs
リュウ「……ベガっ!」ズザーッ

ベガ「頃してやるっ……! 頃してやるっ……! むっ……!?」

リュウ「何しているっ……! その椅子、寄越せっ……!」ガシッ


オー !? オーオー !?

実況「リュウは素早くサードロープ下からリングに滑り込みっ……! あ~っと、ベガがガイル目掛けて大きく大きく振りかぶっているパイプ椅子を掴んだっ! 掴んだっ!」

元「おっ、おっ……! いいよっ!?」


リュウ「これは預からせてもらうぞっ……!? はあぁっ!」ブンッ

ベガ「くああっ……! お前もテ口リストの一味かっ……!?」


オー !? オーオー !?

実況「そしてリュウはベガからパイプ椅子を奪い取っていきますっ! 奪い取りましたよぉ!?」

元「おぉ~し、いいよいいよっ!」


リュウ「何、言ってるんだ……? とにかく離れろっ……!」ドスッ

ベガ「ぐっ……! お~っとっとっと……」ヨロヨロ


オー ! イイゾー !

実況「更にリュウは椅子を奪い取ったままっ……!? おぉ~っと、ベガの腹部へと蹴りを打ち込み、少しばかり距離を取っていくっ! ベガは大きくよろけたっ!」

727: 2016/08/06(土) 22:55:56 ID:MU24lsXs
リュウ「……これはいらないっ!」ガシャン


オー ! オーオー !

実況「さぁ、リュウは椅子を投げ捨てたっ……! そしてベガに……」


リュウ「おいっ、ガイルっ……! 大丈夫かっ!? しっかりしろっ……!」

ガイル「う、ううっ……」


実況「あっ、いや、違いぞっ……!? ここはリュウ、ダウンしているガイルに向かって声をかけているっ! 安否を気遣っているのかっ!?」

元「まぁ、しこたま打ち込まれてたからね」


ベガ「くそっ、リュウめ……リュウめ、リュウめ、リュウめ……」ギロリ

リュウ「……」チラッ


実況「しかし、そんな事……と言えば聞こえは悪いですが、している場合ではないのかもしれませんよっ!? ベガがっ……! ベガがっ……!」

元「いや、一応リュウ君は警戒してます」

728: 2016/08/06(土) 23:01:26 ID:MU24lsXs
ベガ「フンっ、全くもってウザったい奴だ……ここは、とりあえず引くか……」グイッ

リュウ「……行ったか」


アー !? アーアー !?

実況「あれっ、待って下さい……ここでベガはリュウにはいかず、逆に距離を取り、おぉ~っと、ロープを潜り場外へと出ていきますっ! 」

元「なんだなんだ?」


バルログ「……ベガ様、いいのですか?」ササッ

ベガ「お~う、バルログ。大丈夫だったみたいだな……それで、いいのですかとは、何の事だ……?」

バルログ「いや、リュウが来てますよ……? アイツも始末しなくていいのですか……?」ビシッ


実況「あっと、そんなベガにバルログが駆け寄って来ましたねぇ? そして、バルログはリング上のリュウに場外から指を指していますっ!」

729: 2016/08/06(土) 23:07:37 ID:MU24lsXs
ベガ「焦るでない、バルログ……よくよく考えてもみろ……」バッ

バルログ「……はい」


実況「ここでベガは大きく腕を広げたっ!」


ベガ「我々シャドルーは何人いる……? 観客席に紛れ込んでいる、構成員は含めなくてもよい。今、我々シャドルーは何人だ……?」

バルログ「四人です」

ベガ「そうだな、四人だ……お前は頭がいい……」ビシッ


実況「んっ、何だっ……? ベガはバルログに向かって、指を四本立てますっ!」


ベガ「では、乱入してきたテ口リスト共は何人だ? 数えてみようか……?」グルッ

バルログ「そうですね」

ベガ「え~、そこにナッシュ……リング上にはリュウとガイル……あっちにはユンとヤンいるなぁ……?」チョンチョン


実況「あ~っと、そして続けてベガは辺りを見回しながら……お~っと、何かに指を指しているぞっ!?」

元「あ~、なるほどね」

730: 2016/08/06(土) 23:20:31 ID:MU24lsXs
バルログ「……五人ですね」

ベガ「そうだ、五人だ。我々に対して一つ不利な状況になった……」バッ


実況「さぁ、そして再びベガが大きく腕を広げますっ! 元さん、なるほどとは、なんでしょう?」

元「リュウ君が加わった事で、五体四の状況になっちゃったんだよね?」

実況「あ~、なるほどっ……! ベガじゃ自分達は四人で……相手は五人いると……あ~、確かに確かにっ……! バルログにそう言ってるんでしょうねぇ?」


ベガ「撤収だ……撤収、撤収……今日の所は引き下がるぞ……」

バルログ「しかし、奴らの思う壺のまま終わらせてもいいのでしょうか?」

ベガ「構わん構わん。たまには奴らに華を持たせてやろう……それに、私は負けてはいないィィ。お~い、サガットっ……! 撤収だ、そいつはもういい。解放してやれっ! バルログはリングのバイソンを回収しろ」


実況「なるほどなるほどっ……! 自分達に取って悪い状況になったから……こう、リュウにはいかず場外に行ったとっ!?」

元「まっ、クレバーなベガ君らしい行動だと言えますね」

実況「あ~っと、ベガはサガットに声をかけ……おっと、ここでサガットはヤンから離れ、ベガの元へ向かっていくっ! そして、バルログは……場外からバイソンの身体をこれは引き摺り出していますね!? さぁ、リュウはその様子を警戒しつつ見つめているっ!」

731: 2016/08/06(土) 23:26:11 ID:MU24lsXs
バルログ「バイソン大丈夫ですか……?」

バイソン「う、ううっ……あのイカレ頭の糞野郎っ……!」

サガット「ベガ様、俺達がもう少し早く来ていれば……」

ベガ「もういいもういい……撤収、撤収……帰るぞ、帰るぞ……」


アー !? アーアー !?

実況「さぁ、場外で大終結したシャドルーは……あ~っと、ここで引き下がっていきますねぇ!?」

元「まぁね、しこたま暴れたからもう満足したでしょう」

実況「さぁ、ゾロゾロと引き下げっていくシャドルー達っ! 今は落ち着いた素振りを見せていますが……実はコレ、内心ハラワタ煮えくり返っているでしょうっ!?」

元「そうかもしれないね」

実況「ベガの王者防衛記録はここでストップしたのですっ! これはこれは、もうストリートプロレスの大勝利と言も過言ではありませんっ!?」

元「……いや、大勝利ではないね」

732: 2016/08/06(土) 23:30:42 ID:MU24lsXs
リュウ「レフェリー、こんな試合が二度と起きない為にも……マイクを貸してくれ……」

ダン「オーケー、オーケー……ホレ……」


実況「何を言ってるんですか、元さんっ!? ベガの計画は崩れ落ち……」

元「いやぁ……ねっ……?」


リュウ「おいっ……! ベガァァァっ……!」

ベガ「……んっ?」クルッ


オー !? オーオー !?

実況「あ~っと、お待ち下さいっ……! ここでリュウが叫びましたよっ!? マイクを握っていますねぇ? さぁ、帰り行こうとしているベガに向かってマイクを使って叫んでいきますっ! さぁ、ベガがそんなリュウの方を見たっ!」

733: 2016/08/06(土) 23:35:02 ID:MU24lsXs
リュウ「他人の試合に乱入して暴れ回る……まるで、お前達みたいな事をしてるが、なんでこうなったかは、勿論わかってるよなぁ……!?」


オー ! オーオー !

実況「さぁ、リュウは叫びますっ! リュウ叫んでいきますっ! そうですっ! 元はと言えば、ガイル達はこの試合に乱入したのも、ベガが嘘八百っ……! インチキな試合を行って、王者防衛記録を伸ばしていた事に原因があったのですよっ!?」


リュウ「お前の持ってるそのベルト……挑戦したい相手……挑戦するに相応しい相手が……ここにいるんだよ……ここにもっ……! ここにもっ……! ここにもっ……!」


オー ! オーオー !

実況「おぉ~っと、リュウは自信は勿論の事っ……! ガイルやナッシュ、ユン達も指差し……んっ……?」


リュウ「こんな事いつまでも、続けられるとでも思うなよ? 次の防衛戦、またシャドルー内から指名すると……また、こうなっちまうかもしれないぞぉぉっ!?」

ベガ「ベルトはまだ私の手の中だ……」


オー !? オーオー !?

実況「んっ、待って下さい……? ベルトに挑戦……んっ、これは元さん……?」

元「この試合がなくなった事によって、ベガ君の防衛数は増えないけど……うん、そうだね。ベルトはまだベガ君の手にある状態だね。ただ単にこの防衛戦が中止……お流れ……そういう扱いですもんね」

実況「あ~、そうだそうだっ……! ベガの防衛数が増えていないのはコレ、ベルトの移動でそうなったワケではないっ……! 無効試合っ……! ノーコンテンストだからだっ!」

元「そうです」

実況「という事は、今現在ベルトを所持しているのは、この試合が行われる直前っ……! この無効試合が行われる直前に保持していた者……ベガだあぁっ!」

746: 2016/08/08(月) 22:00:32 ID:iPSA3Kgc
実況「これでは元さんっ……!? ガイルやナッシュ……加えてユンとヤンっ……! それにレフェリーもいましたっ! ベガに不平不満を溜めていた彼らの行動は……無意味な物だったという事でしょうかっ!?」

元「そんな事はない。防衛数の数が二と三……この差は大きいよ」


リュウ「おい、ベガ。今日は次の防衛戦の相手……指名していかないのかっ……!? いつもは試合後、次のチャレンジャーを王者のお前自らが指名して帰っていってただろ!?」


元「それにベガ君の……え~、インチキ防衛戦。もう流石にこれ以上は許せないぞと言う事で、強行手段に出た選手達がこれだけいるんだよ。流石にベガ君もこれ以上続ける事は難しいと思うよ? また、こうやって乱入されちゃうからねぇ」

実況「あ~、なるほど~。あ~、そしてここでリュウがベガに……おぉ~っと、問いかけていくっ!」


リュウ「いつものように、今ここで指名してみろよっ……!? 次のチャレンジャーはどうするんだっ!? お前に相応しい対戦相手はそっちじゃないっ……! ここに大勢揃ってるぞっ!? 誰にするっ……!? 誰がいいっ……!? 今ここで、好きなの選んでみろよっ……!?」


オー !? オーオー !?

実況「さぁ、リュウはベガに次の挑戦者をどうするのかっ……!? おぉ~っと、ここでベガに問い掛ける、問い掛けるっ……!? さぁ、ベガっ……! どうするっ……!?」

747: 2016/08/08(月) 22:07:44 ID:iPSA3Kgc
ベガ「フン、猿が盛りよって……おい、帰るぞっ…!?」

バルログ「ベガ様、挑戦者の指名は……?」

ベガ「今ここでサガットと言い出せば、この猿達がまた我々に来るぞ……? 今日の所は引き下がる。ベルトが私の手の中にある事実は変わらん。まだだ……まだ我々の方が優位だ、フンっ……!」クルッ


アー !? アーアー !?

実況「あっと……? しかし、ベガはここでリュウに背を向けてっ……?」


サガット「しかし、ベガ様……次の俺との防衛戦……再び奴らが同じように、試合を潰す為に乱入してくる可能性がっ……!」ゾロゾロ

ベガ「わかっているっ……! そんな事などわかっているわっ……! くそっ、くそっ……!」ゾロゾロ


アー !? アーアー !?

実況「あ~っとっ! そして退場していきますっ! 退場していきますっ! 次の挑戦者の指名っ……! これは本日行われませんでしたよっ……!?」

元「案外、もう一回サガット君とかバルログ君にするつもりだったんじゃないかな?」


リュウ「帰るのかっ……!? おい、帰るのかっ……!? お前が挑戦者を決めないんだったら、こっちで決めるからなっ!?」

ベガ「……ぐっ!」


オー !? オーオー !?

実況「お~っと、リュウは退場していくベガ達に向かって叫ぶっ!」

元「……おおっ!?」

748: 2016/08/08(月) 22:12:48 ID:iPSA3Kgc
実況「さぁ、今ベガ……そして、バイソン含めたシャドルーが花道の奥へと消えていきましたっ! リュウはそんな花道の奥をまだ見つめているっ!」

元「……今の発言は良かったんじゃないかな?」

実況「良かったと言いますと?」

元「これまで続いたサガット君、バルログ君、バイソン君と続いた防衛戦……これはベガ君が先手を打って打って、挑戦者を指名してきたワケだ。まぁ、主導権はずっとベガ君にあった状態……」

実況「はいはい。ここまでの防衛ロード……その対戦相手は全てベガの指名よる物でしたっ!?」

元「だけど、リュウ君の発言で……主導権はこっちに移ったんじゃないのっ……!? だって、ベガ君は挑戦者を指名しなかったんだから……ベガ君が今、何も応えなかったのは、こりゃ誰でもいいですよ。いつ何時誰の挑戦も受けてやるぞと言う風に受け取ってもいいでしょう」

実況「……おぉ~っとっ!?」

元「そういうのが本当の王者ってもんでしょうっ!? 否定はしてないんだからさ……? こっちで決めよう、こっちで決めようっ……! 四度目……? 無効試合だから三度目になるのっ……!? 次の防衛戦の相手……こっちで決めちゃおうっ!」

実況「確かにベガは今回要求していませんっ……! そういう事なら、一番の強者をぶつけましょうよっ……!? ベガからベルトを奪還する可能性が高いっ……! 一番の強者をっ……!」

元「そうそうそうそうっ!」

749: 2016/08/08(月) 22:18:57 ID:iPSA3Kgc
実況「さぁ、リュウの発言により主導権はこちらに移ったぁっ! 次のベガへの挑戦者っ……! これは誰になるのかっ!? 順当にいけば、リュウかっ……!? ガイルも……結構、あるんじゃないでしょうかっ!? ユンとヤンっ……! どうだっ……!?」

元「まぁ、誰がいく事になれ……も~う、こんな嘘八百の防衛戦は行われないよ」

実況「おっと、場外にいたナッシュが起き上がり、リングへと入るっ! あっと、ヤンもだっ……! ユンもだっ……!」


ナッシュ「はぁっ、はぁっ、リュウ……僕にいかせてよ……? 必ずベルトを奪って見せるからさ……?」

ユン「ぜぇっ、ぜぇっ……何言ってんだよ……? 俺だよ、俺、俺……」

ヤン「俺だっていきたいよっ……! 俺だってっ……!」

リュウ「……」


オー ? オーオー ?

実況「ナッシュ達はリュウの元に集まり、何やら話しかけているっ! これは挑戦権を自分にしろとでも言っているのでしょうかっ!?」

元「まぁ、そんな感じはするね」

750: 2016/08/08(月) 22:25:49 ID:iPSA3Kgc
リュウ「待て待て……皆、待て待て……その話は後でいいだろ……? とりあえず、今は……」ササッ


オー ? オーオー ?

実況「あっと、なんでしょう? しかし、リュウはここは手でナッシュ達を制して……」


リュウ「ガイル、大丈夫か……? しっかりしろ……」ササッ

ガイル「ううっ、ああっ……マイク……俺にもマイクをくれ……」


アー、アーアー

実況「あ~、リュウはガイルですね!? ガイルの元へと歩みを進めますっ!」

元「あ~、そうだね。うん、ガイル君はずっとダウンしていたからね」


リュウ「ナッシュ……マイクを持ってきてやってくれよ……」

ナッシュ「わかったわかった……ちょっと、レフェリーっ……! もう一つ、マイク貸してよ……!」ササッ


実況「リュウは倒れているガイルの事を気遣っていきますっ! あっと、そしてリュウがナッシュに指示して……あっと、ナッシュが何やら……ん~、あ~っ! これはマイクですね!」

751: 2016/08/08(月) 22:30:24 ID:iPSA3Kgc
ナッシュ「……ほら、マイクだよ」

ガイル「……お~う、悪ィな」パシッ


オー ? オーオー ?

実況「さぁ、そして今レフェリー……ナッシュ……そしてダウンしているるガイルと言う順にマイクが受け渡されます。ガイルはマイクを要求していたのか?」

元「そうでしょうねぇ」


ガイル「へ、へへ……やったな。やったじゃねぇか……ベガの防衛記録……止まったじゃねぇか……」

リュウ「……やり過ぎなんじゃないか?」

ダン「そうだそうだ、やり過ぎだっ!」コクコク


オー ! オーオー !

実況「さぁ、ガイルはダウンしたまま言葉を発しますっ! あ~っと、しかしリュウからはやり過ぎだったという言葉も出ますっ! おっと、その言葉に場外のレフェリーも頷いているっ!」

元「まぁ、やり過ぎって言えばやり過ぎだったけど……そうさせたのはあくまで、ベガ君なんですよ」

752: 2016/08/08(月) 22:36:30 ID:iPSA3Kgc
ガイル「やり過ぎなんて事ぁねぇよ……う、ううっ……防衛記録を完全にぶっ潰すつもりだったんだが、まぁそう上手くはいかなかったか、ちくしょう……」ムクッ


オー、オーオー

実況「そしてガイルは上体を起こしながら……おぉ~っと、話を続けますっ!」


ガイル「まぁ、でも……またこういう試合をするつもりだったら、またこうやって潰してやるよっ……! そうすりゃ、アイツの防衛数は増えねぇ……へへへ……」

ダン「おいコラ、てめぇまた乱入するつもりなのかっ……!?」


オー ! オーオー !

実況「おぉ~っと、おぉ~っと、そしてガイルは……あ~っとっ!」

元「おやおやおやおや」


リュウ「大丈夫だ。今回、ベガは挑戦者を指名しなかった……という事は、こちらから挑戦者を選べるって事だ……だから、こんな真似はもう二度と止めておけ。アイツらと同じだぞっ!?」


オー ! オーオー !

実況「あっとっ……! そんなガイルをリュウは……止めていきますねぇ!?」

元「まぁ、確かにいくらシャドルーが好き放題してるからってこういう真似はねぇ……それに、今回の件は牽制となってるでしょ?」

753: 2016/08/08(月) 22:45:18 ID:iPSA3Kgc
ガイル「ベルトをクソッタレの連中に牛耳られてるってのは、情けねぇ話だからな……まぁ、取り返すチャンスすらなかった状態だったってのが、前に進んだんだ……これはこれで、よしとするか……」

リュウ「……ああっ」


オー ! オーオー !

実況「そうですよ、そうですよっ! チャンスが舞い降りましたよっ! ベルト奪還というチャンスがねぇっ!?」

元「そうです。舞い降りました」


ガイル「シングルのベルトに関しては、とりあえず次だな……それで……え~、問題はシングルのベルトだけじゃねぇぞ……? もう一つ……タッグベルトの方もだよ……」


オー ? オーオー ?

実況「おぉ~っと、そしてここでガイルはタッグベルトっ……! たgふベルトの方に触れていきますねぇ!?」

元「あっ、そうですねぇ」


ガイル「こっちもクソッタレの連中が保持してるベルトだ……今日、おめぇん所の連中が挑戦するんだろ、オイっ……!? いけんのか、オイっ……!?」

リュウ「……」


オー !? オーオー !?

実況「そうですそうです。この後、控えておりますよっ……! 本日のメインイベントにタッグ王者選手権がっ……! そして、そこに挑戦者として挑むのは、そうっ……! 空手軍団から、ケンとヤムチャでありますよっ!?」

元「パートナーはケン君じゃなくて、本田君だったけど……数日前、ヤムチャ君が痛い敗北をしてねぇ……うん……」

754: 2016/08/08(月) 22:51:35 ID:iPSA3Kgc
リュウ「前にロレント達に挑んだ時……あの時は、確かシャドルーの乱入があったよな……? アイツらが余計なちょっかいを出してきたんだ……」

ガイル「……あぁ」


実況「あ~、確かそうでしたねぇ、元さんっ!?」

元「そうそうそう、サガット君とバイソン君が途中から加わってきたんだよ」


リュウ「今日は、お前達が……ははっ、暴れまわってくれたおかげで……シャドルーの連中も流石に消耗してるだろうからなぁ……」

ガイル「そうっ……! それも俺の計算だったってワケ……へへっ、どうだ……? 結構、考えてんだろ……? バイソンの糞野郎なんて、もう動けねぇぜっ!? 今頃、もう寝てんじゃねぇか……? へへへへ……」


オー !? オーオー !?

実況「お~っ! ここでリュウとガイルは……少し笑い合いながら語りますっ!」

元「お~、なるほどっ……! 確かにこれだけ暴れりゃシャドルーも元気はないでしょ?」

755: 2016/08/08(月) 22:59:40 ID:iPSA3Kgc
リュウ「タッグベルトは今日、二人が取り返すっ!」


オー ! オーオー !

実況「おぉ~っとっ! そしてここでリュウの口から力強い言葉が出たあぁぁっ!」

元「いいねいいねっ! そうそうそうっ! まぁ、シングルのベルトは次になるけど、タッグベルトは今日取り返せる条件が十分すぎる程整ってるもんねぇ!?」


リュウ「おぉぉいっ! 聞こえてんだろ、お前らああぁっ! 今日、俺達の手の中にっ……! ベルトを取り戻してもらうぞおぉぉっ!」


ワー ! ワーワー !

実況「さぁ、リュウは叫ぶ叫ぶ叫ぶっ! 大声で叫んでいくっ!」


リュウ「ヤムチャァァ! しっかりやれよォォっ! ケェェンっ! お前がそいつのフォローしてやってくれよなぁぁっ!」


ワー ! ワーワー !

実況「さぁさぁ、リュウは檄を飛ばしていくぅぅ! 次のメインイベントに備えて控えているであろう二人に向かって檄を飛ばしていくゥゥ! さぁ、二人の耳にこの声は届いたかっ!?」

元「こりゃ、届いたでしょう。タッグベルトは今日これから奪還してもらいましょうっ!」

756: 2016/08/08(月) 23:08:02 ID:iPSA3Kgc
---


ヤムチャー ! シッカリヤレヨー ! ケーン ! オマエガ、ソイツノフォローシテヤッテクレヨナー !


ヤムチャ「ナハハ。試練の時だなぁ……」

ケン「……試練の時って、何が?」

ヤムチャ「いやぁ、凄い試合だったじゃないですか? 一対一の試合が一人増え、二人増え……最終的には、十人ですよね?」ニヤニヤ

ケン「ダンさん含めりゃ十人だな」

ヤムチャ「こんなの見た事ないですよ。どんどん増えて、どんどん増えて……尚且つ、その状態のまま継続されるんですからね……?」

ケン「……ベガもとんでもねぇ事考えるよな」

ヤムチャ「それで、俺……この試合、越えるような物見せていかなきゃいけないんでしょ……!? 今からっ……!」

ケン「……そういう風になるわなぁ」ニヤニヤ

ヤムチャ「ナハハ、試練の時っす」

758: 2016/08/08(月) 23:20:40 ID:iPSA3Kgc
ケン「……プレッシャー感じてんの?」ニヤニヤ

ヤムチャ「ない……って言っちゃ嘘になりますねぇ……!? そりゃ、こんな事されたら」ニヤニヤ

ケン「大丈夫、大丈夫。お前のフォローは俺に任せておけって。お前は……しっかりやれっ……!」

ヤムチャ「はい」

ケン「それに、こういうドタバタ騒ぎのお祭りが好きって人もいれば、ちゃんとした試合……っていうのは、言い方はおかしいかもしれねぇが、そういう方が好きって人もちゃ~んといるんだから。俺達がするのは、そっちの試合だろ……?」

ヤムチャ「そうっすね」

ケン「確かに、ドタバタ騒ぎのプロレスじゃないと出来ねぇ事をベガ達はしやがった……けど、それでもこんなのは試合じゃないよって感じる人もいるんだよ。俺も流石に、この一戦がメインイベントですよ……って言われりゃ、おかしな話だと思うぞ? 完全にプロレスなんだけど……やっぱり、おかしいよ」

ヤムチャ「あ~、なるほど……そう言われれば、確かにそうかもしれませんね」

ケン「俺達が今からするのは、これこそがプロレスであり……これこそが試合であり……そして、これこそがメインイベントです……って、そういう試合だ。これとは別ジャンル」

759: 2016/08/08(月) 23:32:26 ID:iPSA3Kgc
ヤムチャ「いや~、本当に色んな試合形式があるんですね~。お笑いマッチやら、これは……乱闘試合とでも言えばいいんですかねぇ? 幅広いっ……! 面白いっ……!」

ケン「おっ、面白ぇか……?」

ヤムチャ「はい、面白いです。でも面白い事は確かなんですけど……俺も、これだなっ! これこそがプロレスだなっ! って感じではないんですよ。うん、うんっ……!」コクコク

ケン「そうそうそうそうっ……! 臨機応変にやる事も大事だけど、自分の中にそういう物があるってのは……俺はいい事だと思うぞ? 俺は」

ヤムチャ「今日、残りの試合は俺達の試合だけです。だから、ここで……うんっ……!」

ケン「これこそが……ってのを見せてやろう。この一戦ではいくらなんでも終われねぇよ。俺達がビシッと締めてやろう」

ヤムチャ「……ケンさん、今日は一つよろしくお願いしますっ!」ペコッ

ケン「ハハハ、改まってんじゃねぇよ、バーカ……つられちまうじゃねぇか……」ペコッ

プーアル「ケンさん、ヤムチャ様っ……! メインイベントらしい一戦を見せて下さいねっ!」

772: 2016/08/14(日) 22:00:38 ID:mYCgr4x.
ーーー


ダン「それでは、皆様お待たせいたしましたっ! 本日のストリートプロレス、いよいよ最終戦でございますっ! 最終戦っ!」

ワー! ワーワー!

ダン「タッグベルト王者戦っ……! 60分一本勝負の開幕ですっ!」


実況「さぁ、レフェリーのダン氏も……これはいけそうですかねぇ!?」

元「まぁ、残りはこの一戦だけですからね。彼にもなんとか頑張ってもらいましょう」

実況「本日のストリートプロレス……非常にいい風が吹いているんじゃないですかねぇ?」

元「いやぁ、流れはきてると思うよ」


ダン「先ずは挑戦者っ……! ベルトをその手に空手軍団っ……! ヤムチャ選手、ケン選手の入場ですっ!」


ワー ! ワーワー !

実況「ならば、その流れに乗ってベルト奪還といきたい所だっ! さぁ、今挑戦者の名がコールされたぁ!」

773: 2016/08/14(日) 22:05:01 ID:mYCgr4x.
ウッ、ハッ、ウッ、ハッ ウー、ロウガフウフウケン

実況「そして場内にテーマソングが流れますっ! おぉ~っと、どうやら本日はヤムチャのテーマソングらしいですね」

元「まぁ、そうだね。このタイトル戦を要求したのはヤムチャ君だからね」


ヤムチャ(……今日の俺は)スッ


ワー ! ワーワー !

実況「さぁさぁ、そんなヤムチャが今っ……! 花道の奥から姿を現したぁ!」


ヤムチャ(前回の敗戦でハラワタ煮えくりかえっているはずだからな……ヘラヘラするワケにはいかないぞ。今日はビシッと決めていくっ!)


ワー ! ワーワー !

実況「さぁ、険しい表情でヤムチャは花道を歩くっ! 進んでいきますっ!」

元「いい表情はしてるんじゃない?」

774: 2016/08/14(日) 22:11:29 ID:mYCgr4x.
オー ? オーオー ?

実況「んっ……? なんだ、どうした……? ここでヤムチャの入場曲に何やらノイズがっ……!?」

元「んっ……?」

実況「どうした、メインイベントだというのにこんな調子では困るぞっ!? あ~、いやいやいやっ……!」


~♪~♪

ケン「さぁさぁ、熱い戦いを見せてやるぜっ……!」スッ


ワー ! ワーワー !

実況「ここで入場曲が切り替わっていく、切り替わっていくっ! ヤムチャの入場曲が今度はケンの入場曲に切り替わっていったぁ!」

元「おっ!」

実況「それに合わせるように、今度はケンの花道の奥から姿を現してきたぁ!」

775: 2016/08/14(日) 22:21:31 ID:mYCgr4x.
ケン「長かっただろっ……!? 俺の出番、まだかまだかなんて待ちくたびれてたんだろっ……!? なぁ……!?」ガバッ


ワー ! ワーワー !

元「え~、前回ヤムチャ君はタッグ戦でロレント君とソドム君に敗北はしてるんだけど……その時のタッグパートナーは本田君だったんだよね」

実況「おぉ~っと、ケンも今来ていてる流れを感じているのかっ!? 大きく大きく腕を広げながら、場内に大きく大きくアピールをしながらの入場ですっ!」


ケン「ようやくだっ……! ようやく俺の出番だっ……! これから起こる事よく見ておけよっ……! そっちもっ……! こっちもっ……!」ビシッ


ワー ! ワーワー !

元「それでそのリベンジも兼ねてというこの一戦……今度はヤムチャ君はケン君を連れてきたってワケなんだけど……おぉ~っと、ケン君乗ってるねぇ」

実況「さぁ、ケンは歩きながら場内っ……! 客席になにやら指を指しているっ!」

元「この二人だったら、十二分にタッグベルトを取れる可能性はあると思うよ?」

776: 2016/08/14(日) 22:30:12 ID:mYCgr4x.
ヤムチャ「……よしっ」スッ


ワー ! ワーワー !

実況「さぁ、先ずは先を歩いていたヤムチャがエプロンサイドへと立った。今、ヤムチャがロープを飛び越えリングイン……あ~、違う」


ヤムチャ「……ケンさん、どうぞ」グイッ

ケン「……んっ?」


実況「ここはヤムチャっ……! いつものように、トップロープを飛び越えての入場ではなく、セカンドロープに腰掛け、そしてトップロープを持ち上げ、ロープ間を広げて先ずは迎え入れますっ!」

元「まぁ、そうだね。今回はヤムチャ君が……うん、ケン君へ要請したって形だからねぇ」

実況「え~、前回は本田からの要請がヤムチャへと……しかし、それだけでは戦いは収まりきらず、今度はヤムチャからケンへと白羽の矢が立ちましたっ! さぁ、そんなケン……後方を歩いていたケンが、今エプロンサイドに立ちましたっ!」

777: 2016/08/14(日) 22:37:46 ID:mYCgr4x.
ヤムチャ「……どうぞ」ググッ

ケン「……あんまりカッカするなよ馬鹿野郎。リラックスしろ。リラックス」ポンポン


ワー ! ワーワー !

実況「さぁ、ここでケンはヤムチャの肩を二度三度軽く叩いたか?」


ケン「なんて言ったってワザワザこの俺が出てきてやったんだ。楽勝だよ。楽勝、楽勝っ……!」グイッ


ワー ! ワーワー !

実況「さぁ、そしてケンが今リングイーンっ! ロープを潜り、今リングインしていきますっ!」

元「うんっ!」


ケン「さぁさぁ、派手にいこうぜっ! 騒いでいこうぜっ! 今日の最終戦だあぁっ! 盛り上げるの手伝ってくれよっ!」パンパン


ワー ! ワーワー !

実況「ケンは大きく大きく手を打ち鳴らしながら……おぉ~っと、そのままコーナーポストの方へと向かっていきますっ! そして、昇っていきますっ! さぁ、そしてヤムチャもリングインしましたっ!」

778: 2016/08/14(日) 22:45:44 ID:mYCgr4x.
ヤムチャ(ケンさんは、賑やかし担当……だから、ああいう感じだ……)

ケン「うるあぁっ! 今日は新王者誕生の瞬間、見せてやるからなっ!? その目に焼き付けてろよっ!」グイッ


オー !? オーオー !?

実況「おぉ~っと、そしてコーナーに昇ったケンは、自信の腰周りにこれはベルトを表すポーズを見せていきますっ!」

元「まぁ、タイトルマッチだからね。この試合でベルトが移動する可能性があるからねぇ!? ケン君にとっても気合いの入る一戦じゃないかな?」

実況「さぁ、ケンはコーナーから降りて……おぉ~っと、今度はあちらのコーナーへと向かったっ! そしてコーナーを昇っていくっ!」


ケン「ハッピーエンドで終わらせようっ! 俺達の勝利がハッピーエンドなんだっ! 腐った野郎共からベルトを取り戻すっ!」グイッ

ヤムチャ(俺はシリアス担当だってさ……シリアス担当……へへ、らしくねぇな……でも、やらなきゃな……)ジーッ


ワー ! ワーワー !

実況「そして再び場内に向けて、アピールしていきますっ! ベルトの移動をっ……! そして勝利を約束していきますっ!」

元「うんっ!」

実況「さぁ、タイトルマッチという事で気合いの入っているケンっ……! しかし、対称的と言いますか……何やら、ヤムチャは大人しいと言いますか……控えめですねぇ!?」

779: 2016/08/14(日) 22:51:49 ID:mYCgr4x.
ヤムチャ「……」ジーッ


元「まぁ、ヤムチャ君にとっては前回の借りというか、リベンジ戦みたいな所もあるからね……? 前回の試合はこっぴどくやられたみたいだからね」

実況「さぁ、ヤムチャは花道の奥をじっと見つめていますっ! 対戦相手のロレントっ……! ソドムっ……! その登場を今か今かと待ちわびていますっ!」

元「ヤムチャ君にとっては、そっちの方が重要な事なのかもしれないね?」

実況「やられたままでは終われないのですっ……! やられたままで終わってはいけないのですっ! さぁさぁ、ヤムチャっ……! こちらは静かに闘志を燃やしているという事でしょうかっ!?」


ダン「続きましては、王者組っ……! ロレント選手、ソドム選手の入場となりますっ!」


オー ! オーオー !

実況「さぁ、何はともあれ挑戦者組は出揃いましたっ! そしてここで王者組っ……! ロレントとソドムの名がコールされていきますっ!」

780: 2016/08/14(日) 23:03:18 ID:mYCgr4x.
ロレント「例えケンが出てこようとも、我輩が全ての上官だという事に代わりはない。さしずめアイツは大尉といった所だな……」スッ

ソドム「Yeeeeeaaaaaaah ! 」スッ

ヤムチャ「……来やがったか」ギロリ


オー ! オーオー !

実況「そして今、王者組が花道の奥から姿を現してきたぁっ! おぉ~っと、ヤムチャもその姿をその目に捉えたかっ!? 激しく睨み付けていきますねぇ!?」

元「お~っと」


ヤムチャ「今日、ここで……借りを返すっ……!」ギロリ

ソドム「HAHAHAHA ! HAHAHAHA ! 」ズガズガ

ロレント「この一戦で我々の……んっ……?」ピタッ


オー !? オーオー !?

実況「ベルトを肩から下げ王者組が今リングへと向かっていきますっ! あっ、いや待てっ……! ここで王者組の足止まりますっ! 花道の途中で足が止まりますっ!」

元「……おっ?」

実況「その視線の先には……おぉ~っと、ヤムチャですっ! ヤムチャですっ! 今、王者組とヤムチャの視線が合いましたっ!」

781: 2016/08/14(日) 23:19:20 ID:mYCgr4x.
ロレント(睨んでいるのはヤムチャさんだけ……ケンさんは、我関せずだ……きっと敢えて我関せずなんだろうな……)ジーッ

ケン「オラオラオラオラァ! 盛り上がっていこうぜっ!」パンパン


オー !? オーオー !?

実況「さぁ、激しくロレント達を睨み付けるヤムチャっ! その勢いにロレント達は怯んだかっ!?」

元「いやぁ、怯んだ感じはしないねぇ。表情からは余裕が見えます」

実況「しかし、足を止めこちらもまたヤムチャを睨み返していくっ! さぁ、両者は何を思うのかっ!?」


ロレント(まだこちらを向いてはくれないが、ケンさんが前回の試合に加わってきたという形だな……本田さんは今日はこちら……俺の背中にいる……大丈夫さ。出来るさ)ニヤリ


オー !? オーオー !?

実況「あ~っと、なんだなんだっ!? ここでロレントがニヤリと笑いましたっ! ニヤリと笑いましたねぇ!?」

元「う~ん、落ち着いてるねぇ」

782: 2016/08/14(日) 23:27:05 ID:mYCgr4x.
ヤムチャ(これこそがメインイベントって試合を見せてやるっ……! リング上でのこの人は敵なんだっ……! 敵、敵、敵っ……! 俺のプライドっ……! 空手軍団のプライドを潰した敵っ……!)

ロレント(随分と気合いが入っているようだが、気合い負けするワケにはいかんのだっ……! これをあっさり透かせるのが、我輩なのであるっ……! 誰よりも傲慢知己にいくのだっ!)


オー !? オーオー !?

実況「さぁさぁ、ヤムチャとロレント達との睨み合いは続きますっ! 続きますっ!」


ケン「……おいおい、ヤムチャ。あんまり威嚇してやるなよ? そ~んな事しちゃアイツらビビって入って来れねぇだろが」スッ

ヤムチャ「……んっ?」


実況「あっと、しかし……そんなヤムチャにここはケンが近づいて……?」


ケン「とっとと試合始めようぜ……? ほ~ら、チャンピオンチーム……とっとと上がって来いや。おめぇらがリングに来なくちゃ始まらねぇからな……?」クイクイ

ロレント「……フン」ニヤリ


オー ! オーオー !

実況「そしてヤムチャを制するように……おぉ~っと、自軍コーナーの方へと引き下がらせますっ! あ~っと、そして王者組に対してリングに上がって来いと指を動かしていくっ! ロレントはそんなケンを見て……おぉ~っと、ニヤリと笑うっ!」

783: 2016/08/14(日) 23:33:52 ID:mYCgr4x.
ソドム「ALL LAIT WERE JAM EAT ANTS ! GUT KIT DIE SHOW !! (訳:生意気なヤツだ、ギッタンギッタンにしてやる!)」

ロレント「確かに王者相手に取る態度とは到底思えんなぁ……しかし、あの態度が何処まで続くやら……ヒャハハ、いくぞ」グイッ

ソドム「OK ! 」グイッ


オー ! オーオー !

実況「さぁ、そしていよいよ王者組がリングインですっ! 今、ロレントとソドムが揃ってリングインしますっ!」


ロレント「この下級兵の要望通り、我輩達はここにベルトを持ってきたっ! タイトルマッチを受けてやるっ……! しかし勝利するのは我輩達だっ!」ググッ

ソドム「We're a champion ! 」ググッ


オー ! オーオー !

実況「ロレントとソドムはベルトを掲げ、場内へと見せつけていますっ! さぁ、それで王者組も出揃いましたっ!」

785: 2016/08/14(日) 23:42:41 ID:mYCgr4x.
ダン「この一戦はタイトルマッチだ。という事で、ロレント……ソドム……ベルトを一時返還してもらうぞ……?」

ロレント「……一時的にだがな。ホレ」サッ

ソドム「OK.」サッ


実況「さぁ、ここでタイトルマッチという事でベルトの一時変換が行われます。今、ロレントとソドムの手からレフェリーにベルトが返却されました」

元「はい」


ダン「よ~し、それじゃあ……これ、そっちで預かっておいてくれ……」ササッ


オー、オーオー

実況「さぁ、レフェリーは場内……四方にその返却されたベルトを見せつけ……我々の放送席の元へと預けにきました」


ヤムチャ「おい、ロレントっ……! ソドムっ……!」ズガズガ

ケン「……おい、ヤムチャっ!?」


オー !? オーオー !?

実況「さぁ、これでいよいよ……あっ、待って下さいっ……!? レフェリーがリング上から席を外したその隙とでもいえばいいのですか……? ヤムチャがロレントとソドムに近づいていきますよ!? 近づいていきますよっ!?」

元「あら?」

786: 2016/08/14(日) 23:53:53 ID:mYCgr4x.
ヤムチャ「はっきり言うよ。俺はお前達が嫌いだ……嫌いだ……」ギロリ

ロレント「……ほ~う」


ザワ……ザワ……

実況「ヤムチャに近づき……おぉ~っと、睨みつけていきますっ! 鋭く睨みつけていきますっ! これは相当、前回の事を根に持っているといった感じでしょうかっ!?」

元「まぁ、今日のヤムチャ君はね……ずっと見てて、雰囲気が違うと言うかね……? そういう所があるんだよ」


ヤムチャ「だけどなぁ……? 俺の要求した通りに……渋りもせずに、あのベルトを持ってきた事には感謝しなくちゃいけないな……」

ロレント「……んっ?」

ヤムチャ「そこだけは礼を言っておくよ。ありがとさんっ……!」サッ


オー !? オーオー !?

実況「あっ、待って下さいっ……! ヤムチャはそのままロレントに手を差し伸ばし……」

元「あ~っと、意外と冷静って言うか……落ち着いているんだね」

実況「ここは握手を要求しますっ! ロレントに対して……ヤムチャは握手を要求しますっ!」

元「まぁ、言ってもね……王者として挑戦に応えてくれた形にはなるからね?」

793: 2016/08/15(月) 22:01:24 ID:expgBbzo
ロレント「ヒャハハ。握手か……握手、握手……ヒャハハ……」

ヤムチャ「……いい試合をしようぜ?」

ロレント「……くだらん」クルッ


アー !? アーアー !?

実況「あ~っと、しかしここはロレントっ……! 握手を求めてきたヤムチャに対してクルリと背を向け……あ~っ、案の定とでも言えばいいのか……」

元「……まぁ、こういう事に応える人ではないでしょう」


ソドム「HAHAHAHA ! Wouldn't you like ? 」

ヤムチャ「……」

ソドム「OK,OK. I'll shake hands.」スッ


オー !? オーオー !?

実況「あっ、おっと待って下さいっ……!? しかし、そんなロレントとは対称的にソドムっ……! ここはソドムがっ……!?」

元「……おぉ~っと」

実況「ソドムはヤムチャに向かって手を差し伸ばしますっ! 差し伸ばしていきますよっ!?」

794: 2016/08/15(月) 22:13:10 ID:expgBbzo
ソドム「Play the good game ! 」ガシッ

ヤムチャ「……おう」ガシッ


オー !? オーオー !?

実況「そして今、二人の手がガッシリと握り合わさったっ! ロレントには拒否されてしまいましたが、ソドムは応えたっ! 応えてきたっ! これは元さん……ねぇっ!? 好勝負を期待してもいいんじゃないでしょうかっ!?」

元「……いや、待って。様子がおかしいよ」

実況「……んんっ?」


ソドム「ugh...ughh...uggghh...」モガモガ

ヤムチャ「……」ギリギリ


アー !? アーアー !?

実況「あっ、なんだ……!? ソドムの様子が何やらおかしいぞ……!? どうしたどうしたっ!?」

元「あ~っと、あっとっとぉ~」

795: 2016/08/15(月) 22:19:42 ID:expgBbzo
ソドム「Fuck...! Fuck...! 」

ヤムチャ「いい試合ってのは、どういう事かわかってんだろなぁ……? 俺が勝利して、お前達のプライドを打ち崩すっ……! それがいい試合の条件だ。そこの所をわかってるんだろなぁ……!?」ギリギリ

ソドム「uggh...uggh...uggghhh...! 」モガモガ


オー !? オーオー !?

実況「ソドムは何やら悶えていますねぇ!?」

元「これ、ヤムチャ君がソドム君の手を力を込めて握り潰してますねぇ!?」

実況「あ~っと、なるほどっ……! これはヤムチャがソドムの手を握り潰していると!? 求める握手に……ソドムは応じていったのですが、しかしここはヤムチャが仕掛けるっ……! 仕掛けていきますよ、元さんっ!?」

元「ちょっとヤムチャ君らしからぬ行為かもしれないねぇ?」

796: 2016/08/15(月) 22:31:13 ID:expgBbzo
ダン「よし、それじゃあ……んっ……?」ササッ


オー !? オーオー !?

実況「それだけヤムチャも前回の事の根に持っているという事でしょうかっ!? あ~っと、ソドムに応じた事によってこれは好勝負が期待されるかと一瞬は思いましたが……」

元「ヤムチャ君の方も……そうではなかったみたいだねぇ!?」


ヤムチャ「お前ら、そうやって余裕ぶってられるのも今のうちだけだぞ……? 今日の俺は何するかわかんない所まできてるからな……」ギリギリ

ソドム「ugh...ugghh...! Stop him ! 」モガモガ

ダン「おいおい、何やってんだてめぇらっ! まだだっ……! まだ始まってねぇんだからやめておけっ!」


実況「あ~っと、しかしここはレフェリーがリング上に戻ってきましたかねぇ!? そして今起こっている事に気づきましたっ! レフェリーは慌ててヤムチャとソドムの元へと走りますっ!」

元「そうだね。こういうのは試合が始まってからですよ」

797: 2016/08/15(月) 22:38:45 ID:expgBbzo
ダン「何やってんだ、オラっ! 握手はもういいだろっ!? 離せ離せっ! んあっ……!? これ、ヤムチャがやってんのかっ……!?」グイグイ

ヤムチャ「……今更ごめんなさいって言った所でもう遅いんだからなぁっ!?」ギリギリ

ソドム「ugghh...! Make them stop early ! 」


オー !? オーオー !?

実況「あ~っと、レフェリーは今両者の手を外そうとしていきますが、ヤムチャは離しませんっ……! 離していきませんねぇ!?」

元「試合が始まったら、思う存分出来るんだから……」


ダン「おい、ケンっ……! 黙って見てんじゃねぇよっ……! おめぇも止めろ。あぁっ!?」

ケン「あぁ、ダメダメ……今日のソイツは止まりそうもねぇ。俺だって怪我したくねぇんだ……」


オー !? オーオー !?

実況「あ~っと、あっと……まだ試合は始まってもないというのに、この有り様ですっ! 少しばかり波乱の予感もしてきましたっ!」

798: 2016/08/15(月) 22:45:43 ID:expgBbzo
ロレント「全く……何を粋がっているんだか……」ササッ


オー !? オーオー !?

実況「あ~っと、待って下さいっ……! 待って下さいっ! ここでロレントが来ましたっ! 手を離さないヤムチャと、力一杯その手を握られているソドムっ……! その間にやってきましたよっ!?」

元「……あら」


ロレント「……いい加減に離したらどうだァァァっ! フンっ!」ブンッ

ヤムチャ「うおっ……いってっ……」パッ

ソドム「...Phew」パッ


オー !? オーオー !?

実況「そして握り合っている……いやっ、ヤムチャが一方的に握っているその手を、おぉ~っと、ロレントは蹴り上げたっ!」

元「あ~っと、ちょっと乱暴だねぇ」

実況「しかしながら、これによって手は離れましたっ! ヤムチャとソドムの手は離れましたっ!」

799: 2016/08/15(月) 22:50:59 ID:expgBbzo
ソドム「shit...shit,shit...」ヨロヨロ


実況「随分長らくその手を握られていたソドムっ! 少しばかり痛めてしまったかっ!?」

元「まぁ、試合には影響はないとは思うけど……」

実況「ここは腕を大きく振りながら、手の調子を確認するかのように自軍コーナーの方へと引き下がり、ここは一度距離を取っていきます」


ヤムチャ「痛ぇな……何するんだよ、馬鹿野郎……ああっ……?」ギロリ

ロレント「粋がるな。お前は負けたのだ……下級兵士なのだ……上官の我々を敬え……」

ヤムチャ「シャドルーに手助けされて、くだらない棒きっれ使うような奴らの事を敬え……? 何言ってんだ、お前……? 無理だよ、バーカ」

ダン「おいおい、やめろやめろっ……! だから試合が始まってからでいいだろ、そういう事はっ!」


オー !? オーオー !?

実況「あ~っと、あっとあっとっ……! しかし今度は……続いて今度はヤムチャとロレントとの睨み合いっ……! あ~っと、それが始まっていきますよっ!?」

元「あ~っとっ!」

800: 2016/08/15(月) 23:01:22 ID:expgBbzo
ソドム「Yoooouuuuuuu !!!!! 」ビシッ

ヤムチャ「……」チラッ

ロレント「……んっ」チラッ


アー !? アーアー !?

実況「あっと、待って下さいっ!? ここで自軍コーナーへと引き下がったソドムがっ……!? ヤムチャを指差しながら、叫びますっ!」


ソドム「I'll tell you our regulation ! 」

ヤムチャ「……」

ソドム「A regulation of an army, its four !! The man who prepares a handshake of a trap...」


アー !? アーアー !?

実況「ソドムは何やら意味不明な言葉をヤムチャに対し言っておりますっ! 叫びまくっていますっ! 元さん、これは何と言ってるのでしょう」

元「ちょっと待ってね……え~っと、え~っと……」

801: 2016/08/15(月) 23:05:59 ID:expgBbzo
ソドム「SEEEEEEEI-SAAAAAAAI !!!」ギギギッ


アー !? アーアー !?

実況「あ~っ、ちょっと待って下さいっ……!? 今、ソドムは『制裁』と言いましたよねっ!? 『制裁』とっ!」

元「あ~、言ってる言ってる」

実況「え~、ソドムは相変わらず何を言っているのかはサッパリではございますが、最後の部分だけはハッキリと聞き取れましたっ! ヤムチャに向かって首を掻っ切るポーズをしながら『制裁』と叫びましたっ!」


ソドム「Boss, go down ! I go to SEI-SAY Yum cha ! 」バンバン

ロレント「よ~し、わかったわかったソドム……お前が行け……」クルッ


アー !? アーアー !?

実況「おぉ~っと、そしてソドムは自軍のコーナーマットをバンバンと叩き……これはロレントを呼び寄せているのでしょうかっ!? あっと、ロレントはヤムチャに背を向けそちらへ向かいます」

元「ちょっと言ってる事はよくわからないけど、多分自分が制裁しに行く……みたいな事を言っているんでしょうねぇ?」

実況「あ~っと、あ~っと、何やらソドムも興奮気味へとなってきたっ!」

802: 2016/08/15(月) 23:11:51 ID:expgBbzo
実況「ロレントは……あ~っと、今ロープを潜りエプロンサイドへと引き下がりましたね? という事は先発はソドムっ……! ソドムとなったようですっ!」


ケン「向こうさんはソドムが来るってよ……? なら、俺が行こうか……?」

ヤムチャ「い~や、俺がいきます……俺は両方ぶちのめすつもりっすから……」スッ


オー !? オーオー !?

実況「その様子を見てケンも動いてくるが……あ~っと、ここはやはりと言った所でしょうかっ!? そんなケンをヤムチャは手で制するっ!」

元「まぁ、こっちはこうなるだろうね」


ケン「わ~った。わ~った。それじゃあ、最初はおめぇに任せる……頑張れ……」スッ

ヤムチャ「……了解っす」


オー ! オーオー !

実況「そしてこちらはケンっ……! ケンが自軍コーナーの方へと引き下がっていきますっ! さぁ、ロープを潜りエプロンサイドへっ! リング上に残ったのはヤムチャっ! こちらはヤムチャが先発となりますっ!」

元「気合い入ってるみたいだけど……うん、冷静さは失っちゃいけないよ」

803: 2016/08/15(月) 23:17:13 ID:expgBbzo
ソドム「Fuck...Fuck... ! 」

ダン「ゴングが鳴ってからだぞっ……!? 鳴ってからだぞっ……!?」

ヤムチャ「……早く鳴らして下さいよ」


オー ! オーオー !

実況「さぁ、互いに先発は出揃ったっ! 激しく睨みつけるヤムチャっ……! 興奮気味のソドムっ……!リング中央付近にで両者が対峙するっ!」


ダン「それじゃあ、ゴングを鳴らせっ! ゴングをよぉ! 試合開始だっ!」


カーン


ワー ! ワーワー !

実況「そして今、戦いの鐘の音が場内に響き渡ったぁ! それでは、いよいよメインイベントっ! タッグ王者選手権っ! 挑戦者ヤムチャ・ケン組対王者ロレント・ソドム組ィィ! 先ずはヤムチャ対ソドムからのスタートですっ!」

815: 2016/08/16(火) 22:00:41 ID:/UYHpDoU
ソドム「I'll teach you a lesson ! 」ガシッ

ヤムチャ「……来いっ!」ガシッ


オー ! オーオー !

実況「さぁさぁ、ゴングと同時に両者が組み合っていったっ! 先ずは、ロックアップっ! ロックアップの体勢に捉え合いましたっ!」


ヤムチャ「……うるぁっ!」バッ

ソドム「...Whoa」パッ


オー !? オーオー !?

実況「両者が力を込め合いっ……! あ~、いや、違うっ……! ここでヤムチャはソドムの腕の下から自信の両腕を差し込み、そして外側へとソドムの腕を弾いていくっ! 弾いていきますっ!」

元「……おっ?」

実況「ヤムチャはロックアップを拒否っ!」


ヤムチャ「チンタラやるのは得意じゃねぇんだっ……! いきなり、エンジン全開っ……! いっくぜぇ、だああぁぁっ……!」バッチーン

ソドム「...ohh ! 」ヨロッ


オー ! オーオー !

実況「そして胸元へと逆水平チョーップっ! 強い強いチョップをソドムの胸元へと打ち込んでいきますっ!」

816: 2016/08/16(火) 22:08:28 ID:/UYHpDoU
ヤムチャ「もう一丁っ……! だああぁぁっ……!」バッチーン

ソドム「...ohh」ヨロッ


オー ! オーオー !

実況「さぁ、ヤムチャは続けて打ち込んでいくっ! 再び、逆水平チョーップっ! ソドムの胸元へと打ち込んだぁ!」


ヤムチャ「続けて……顎っ……! だああぁぁっ!」ゴスッ

ソドム「...ugh ! 」ヨロッ


オー ! オーオー !

実況「更には下からカチ上げていくエルボー・スマッシュっ! さぁ、ソドムの顎へと打ち込んでいくっ!」


ヤムチャ「そんでもって……胸っ……! だああぁぁっ!」バッチーン

ソドム「ugh...ugghh...」ヨロヨロ


オー ! オーオー !

実況「まだまだいくっ! まだまだいくっ! 逆水平チョーップっ! さぁ、ゴングとほぼ同時に先ずはヤムチャが連続して打ち込んでいくっ!」

元「そうだね。今日のヤムチャ君は勢いがあるね」

817: 2016/08/16(火) 22:14:58 ID:/UYHpDoU
ソドム「Damn it ! 」ヨロッ

ヤムチャ「……ガンガン飛ばしていくぜっ! うるあっ!」ガシッ


オー ! オーオー !

実況「さぁ、ソドムの身体がロープ際まで押し込まれたっ! しかし、ヤムチャはまだ止まらないっ! 今度はそんなソドムの腕を掴んでいくっ!」


ヤムチャ「今度は、向こうだっ……! 行ってこい、うるああっ……!」ブンッ

ソドム「Oh...Ohhhhh... ! 」


オー ! オーオー !

実況「ソドムの身体を背後のロープへと押し付けその反動を利用して……そして逆方向のロープへと振り投げていったぁ!」

818: 2016/08/16(火) 22:21:56 ID:/UYHpDoU
ソドム「That's not gonna happen ! 」ググッ

ヤムチャ「……んあっ!?」


アー ? アーアー ?

実況「あ~、いやっ……! ここはソドムが足を踏ん張り、踏み止まりますかっ!? 踏み止まりますかっ!?」

元「あっと」


ソドム「It's you to go to a rope ! 」ググッ

ヤムチャ「うおっ……おおっ……」ヨロヨロ


実況「踏み止まったソドムは自信の身体を軸にヤムチャの身体をスイングさせて……スイングさせて……!」


ソドム「GGGGGAAAAA... ! 」ブンッ

ヤムチャ「う、うおっ……!」ダダッ


実況「そしてヤムチャの身体をロープ目掛けて振り投げていきますっ! ここはソドムっ……! 落ち着いて返していったという所でしょうかねぇ!?」

元「そうですね」

819: 2016/08/16(火) 22:28:35 ID:/UYHpDoU
ヤムチャ「……チィッ」ググッ

ソドム「HAHAHA ! HAHAHA ! 」ズカズガ


実況「さぁ、ヤムチャの身体がロープの反動によって返ってくるっ! そして、ソドムは何事もなかったかのように、前進していくっ!」


ソドム「Hey,Come on ! Come on,boy ! 」

ヤムチャ「まぁ、いいや……このままいってやるよ。うおおぉぉっ……!」ダダッ


実況「さぁ、リング中央でヤムチャを待ち構えるソドムっ! さぁ、ヤムチャの身体がソドム目掛けて突っ込んでいくっ!」


ソドム「Fall down ! 」ズドーンッ

ヤムチャ「関係ないっ……! このままぶっ倒してやる、だああっ!」ズドーン


オー ! オーオー !

実況「おぉ~っと、そしてここは互いにぶつかってきましたっ! ショルダータックルのぶつかり合いとなりましたっ!」

820: 2016/08/16(火) 22:34:42 ID:/UYHpDoU
ヤムチャ「おっ、おおっ……! うげええぇっ……!」バターン


アー、アーアー

実況「しかし弾き飛ばされたのは、ヤムチャですっ! ヤムチャが弾き飛ばされましたっ! ヤムチャはそのまま背中から、マットへと倒れますっ! 一方、ソドムは無傷だっ!」

元「まぁ、体格差もあるからねぇ」


ソドム「HAHAHAHAHAHA ! 」ガバッ


アー ? アーアー ?

実況「あ~っと、なんでしょうなんでしょうっ!? ここでソドムがガバッと両腕を拡げ、何やら大声で叫びますっ!」


ソドム「That you can win against me, did you think ?」

ヤムチャ「……んあぁっ?」ムクッ

ソドム「You...are...weak... ! You're weak !!!」チョンチョン


アー !? アーアー !?

実況「ソドムは目の前でダウンしているヤムチャを指差し、何やら何やら大声で叫んでいますっ! これ、何を言っているのかは我々には理解出来ませんがっ……!?」

元「まぁ、恐らく挑発をしているんでしょうね。『話にならない』みたいな事言ってるんじゃない?」

821: 2016/08/16(火) 22:42:35 ID:/UYHpDoU
ヤムチャー ! シッカリシロー ! ヤムチャー ! マケテンジャネェー !

ヤムチャ「くそっ、こいつが何言ってんのかはわからないけど……多分、バカにしてるんだろうなぁ……そんな気がする……」ムクッ


実況「さぁソドムのこの態度には……おぉ~っと、ダウンしているヤムチャもソドムを厳しく睨みつけるっ! そして今、立ち上がってきますっ!」


ソドム「Ready...? Set...」ググッ

ヤムチャ「……んっ?」


アー ! アーアー !

実況「あ~っと、お待ち下さいっ! しかし、そんなヤムチャの目の前で……ソドム体勢を低くして構えたっ!」


ソドム「...Goooooooo ! 」ドスッ

ヤムチャ「……うげええぇぇっ!」


実況「おぉ~っと、そして起き上がりに合わせてソドムが突っ込んだっ! ソドムが突っ込んだっ! 体勢を低くしてのアメフト・タックルですっ! 至近距離からヤムチャにその身体をぶつけていきますっ!」

822: 2016/08/16(火) 22:50:02 ID:/UYHpDoU
ヤムチャ「ぐ、ぐええっ……! くそっ……!」ゴロゴロ

ソドム「HAHAHAHA ! HAHAHAHAHA ! 」ジリジリ


ヤムチャー ! ヤムチャー!

実況「さぁ、これによりヤムチャの身体が一回転っ……! 二回転っ……! 吹き飛ばされて転がりますっ! あ~っと、そしてここでソドムっ! 大きく腕を拡げながら少しばかり後退をして、ヤムチャから距離を取っていくっ!」


ソドム「Ready...? Set...」ググッ

ヤムチャ「う、ううっ……!」


ヤムチャー ! ヤムチャー !

実況「あ~、距離を取ったソドムは再び体勢を低くして構えるっ! 視線はヤムチャっ! どうやら、これは起き上がりに合わせて……」

元「……狙ってますねぇ」


ヤムチャ「……くそっ!」ムクッ

ソドム「Gooooooo ! 」ダダッ


実況「そしてヤムチャが立ち上がるっ! しかしソドムはそれに合わせて突っ込んでくるっ! 今度は距離を取って、勢いをつけてきたぁ!」

823: 2016/08/16(火) 22:59:33 ID:/UYHpDoU
ヤムチャ「……舐めるなっ!」グイッ

ソドム「Take this... ! What's... !? 」ダダッ


オー ? オーオー ?

実況「あ~っと、待って下さいっ……! ここでヤムチャは体勢を低くして突っ込んできたソドムよりも、 低くっ……! 殆どマットに伏せるような形で突っ込んできたソドムの懐に潜り込んでいくっ!」

元「……おっ!?」


ヤムチャ「二度も三度も喰らうもんかっ……! お前が転けてろっ……!」ブンッ

ソドム「Oh...Ohhhhh...」グラッ


オー、オーオー

実況「そしてヤムチャは足を掬ったぁ! 突っ込んできたそのソドムの足を……腕を大きく振りながら掬い上げていくっ!」

元「いいね」


ソドム「Oh...oh...gag... ! 」


オー ! オーオー !

実況「これによりバランスを崩したソドムは後方に転倒っ! ここはヤムチャが返してくるっ! ヤムチャも負けてはいられないっ!」

824: 2016/08/16(火) 23:04:35 ID:/UYHpDoU
ヤムチャ「人をちょっと転ばしたぐらいで、勝ち誇ってんじゃねぇっ……! ああっ!?」ムクッ


オー ! オーオー !

実況「そしてソドムを転ばせていったヤムチャは大声を挙げながら立ち上がってきますっ!」

元「よく見てたね」


ヤムチャ「追撃だっ……! いっくぜえぇっ……! たあぁっ!」フワッ


オー、オーオー

実況「そして立ち上がったヤムチャはそのままソドムへと突っ込んでいき……そして飛び込んでいくっ!」


ヤムチャ「エルボー・ドロップだっ……! 喰らっておきなっ……!」ドスッ

ソドム「...gag ! 」


オー ! オーオー !

実況「そしてエルボー・ドロップですっ! ダウンしているソドムの腹部へと飛び込み入つつの一撃を加えていきましたぁ!」

元「うん、いいね。間を開けずにいってるね。いける時にいかないとね」

830: 2016/08/17(水) 22:01:23 ID:0xvEOT6k
ヤムチャ「……まだまだっ!」ムクッ


オー、オーオー

実況「更に直ぐ様ヤムチャは立ち上がっていくっ!」


ヤムチャ「モタモタしてんじゃねぇっ……! ほ~ら、とっとと起きろっ……!」グイッ

ソドム「ugh...ugghh...」ググッ


オー、オーオー

実況「そしてソドム頭部へと回り込むように移動しつつ、その身体を引き起こしていきますっ! ここはヤムチャっ……! バックを取りつつ引き起こしにかかりますっ!」

元「うんっ!」


ヤムチャ「……いっくぜぇ、そぉぉらっ!」ガシッ

ソドム「...Shit ! 」


オー、オーオー

実況「そして背後から胴回りを掴み脇下へと頭を差し込んでいくっ! ここはヤムチャがバックドロップの体勢へと捉えましたっ!」

元「うんっ!」

831: 2016/08/17(水) 22:05:35 ID:0xvEOT6k
ヤムチャ「いっくぜえぇぇっ……! うおおぉぉっ……!」ググッ

ソドム「...hum ! 」ガシッ

ヤムチャ「……んあっ?」


アー、アーアー

実況「そしてヤムチャがソドムの身体を抱え上げ……あ~、いやっ! ここはソドムが堪えていきますかっ!? 踏ん張って堪えていきますっ!」

元「……あ~っと」


ソドム「I don’t give a fuck... ! fuck... ! fuck,fuck... ! 」ガスガス

ヤムチャ「いでっ……! いでっ、いでっ……!」


アー、アーアー

実況「あ~っと、そしてソドムはヤムチャの頭部へと肘を落としていきますっ! 二発、三発とエルボースタンプを見舞っていくっ!」

元「あらら」

832: 2016/08/17(水) 22:11:05 ID:0xvEOT6k
ソドム「...It's now ! 」クルッ

ヤムチャ「……んあっ?」


アー、アーアー

実況「あ~っと、そしてソドムが身体を捻りつつ、移動して……移動して……」

元「おっと、バックを取り返してきたねぇ」


ソドム「I got you ! 」ガシッ

ヤムチャ「……くっ!」


アー、アーアー

実況「ここはソドムが切り返してくるっ! 背後を取り返してくるっ! ソドムはヤムチャの胴回りに腕を回すっ!」


ソドム「Take that, you bastard ! 」ググッ

ヤムチャ「おっ……おおっ……!」


アー、アーアー

実況「あ~っとっ! そしてソドムは即座に抱え上げるっ! こちらは軽々とヤムチャの身体をそのまま抱え上げていくっ!」

元「そうだね。ソドム君の方がパワーはあるんでしょうね」

833: 2016/08/17(水) 22:15:40 ID:0xvEOT6k
ヤムチャ「……させるかっ! だああぁぁっ!」バタバタ

ソドム「...What's !? 」ヨロヨロ


オー ? オーオー ?

実況「あ~、しかし抱え上げられたヤムチャですが、ここは足をバタつかせ……大きく大きくバタつかせ……」

元「……おっ?」


ソドム「Oh...shit... ! 」ヨロッ

ヤムチャ「着地っ……! それとこの腕、邪魔っ……!」スタッ


オー、オーオー

実況「ここはヤムチャも堪えていきますっ! 空中で足をバタつかせ、堪えていくっ! さぁ、身体半分抱え上げられたヤムチャだが、なんとか着地っ! そしてソドムの腕を振り払っていくっ!」


ヤムチャ「多分、この辺にあるだろっ……! いくぜ、はああぁぁっ……!」シュッ

ソドム「What... ? GYAAAaaaaa... ! 」スパーン


オー !? オーオー !?

実況「おぉ~っとっ! ここでトラースキックだっ! トラースキックだっ! ヤムチャが打ち込んでいくっ!」

元「おおっ!?」

834: 2016/08/17(水) 22:22:17 ID:0xvEOT6k
実況「左足をまるで鞭のようにしならせ、背後に立つソドムの側頭部へと打ち込んでいくっ! まるで後ろに目がついているかのように、ピンポイントに決めていったぁ!」

元「今のは上手いねぇ。いいよいいよ」


ヤムチャ「よしよし、上手く当たったみたいだな……」クルッ

ソドム「ugh...ugghh...」フラフラ

ヤムチャ「それじゃあ、もう一発だっ……!」フワッ


オー !? オーオー !?

実況「更にヤムチャはソドムの方を振り返りつつ……勢いがいい半回転のターンを見せつつ飛び上がってっ……!?」


ヤムチャ「今度は右足でだっ……! 同じ所に打ち込んでやるよっ! はあぁぁっ!」スパーンッ

ソドム「...GYAAAaaa ! 」ヨロッ


オー ! オーオー !

実況「そして今度は延髄切りですっ! 飛び込みつつの延髄切りを正面から打ち込んでいくっ! さぁ、再び側頭部へとヒットしたかっ!?」

元「ヒットしましたねぇ」

835: 2016/08/17(水) 22:32:53 ID:0xvEOT6k
ヤムチャー ! イイゾー !

ヤムチャ「どうだっ……!? あでっ……!」ビターンッ

ソドム「ugh...ugghh...」ヨロヨロ


実況「あ~っと、しかしこれは浅かったかっ!? 大きく大きくふらついてはいるが……ダウンには至りませんっ! ダウンには至りませんっ!」


ソドム「...Fuck ! 」ガクッ

ヤムチャ「……よしっ!」ムクッ


オー ! オーオー !

実況「あっ、いやっ……! 膝をつきましたっ……! フラリフラリとソドムはよろけてよろけて、ここで膝をつきましたっ!」

元「まぁ、ピンポイントで側頭部に打ち込んでるんだ。そりゃタフなソドム君でもこうなるでしょ」

実況「少しばかり時間差できましたかね!? さぁさぁ、ヤムチャが立ち上がってきますっ!」


ヤムチャ「まだまだいくぜっ……! うおおぉぉっ……!」ダダッ


オー ! オーオー !

実況「さぁ、立ち上がったヤムチャは片膝をついているソドムへと向かって、勢いよく突っ込んでいくっ!」

836: 2016/08/17(水) 22:42:27 ID:0xvEOT6k
ヤムチャ「いっくぜぇ、オイっ……! てやっ……!」フワッ

ソドム「...What's ?」


オー、オーオー

実況「さぁ、勢いよく突っ込んでいったヤムチャはソドムの前フワリと飛び上がるっ!」


ヤムチャ「喰らってろっ……! だああぁぁっ……!」ドスッ

ソドム「……gggaaaggg ! 」バターン


オー ! オーオー !

実況「そして膝をついているソドムのその胸元っ……! 両足を揃えて打ち込んでいきますっ! 勢いをつけた低空のドロップキックだっ!」

元「いいんじゃない、いいんじゃない。今日のヤムチャ君は勢いがあるよ」


ヤムチャ「……よしっ!」ムクッ


イイゾー ! ヤムチャー !

実況「さぁ、これよりソドムの身体はマットへとダーウンっ! そしてヤムチャも直ぐ様立ち上がってきますっ!」

837: 2016/08/17(水) 22:49:01 ID:0xvEOT6k
ヤムチャ「次は、あっちだっ……!」ササッ


オー、オーオー

実況「さぁ、立ち上がったヤムチャは……ここはコーナーポストの方へと素早く移動していきますっ!」


ヤムチャ「それじゃあケンさん、よろしくお願いしますっ!」パシッ

ケン「おう、了解っ!」パシッ


オー ? オーオー ?

実況「あ~っと、そしてここでヤムチャはエプロンサイドにいるケンとタッチしていきますねぇ。どうやら、ここは交代していくようです」

元「あっ、そうだね。まぁ、運動量の多いファイトスタイルで攻めてるから、これはいいんじゃないかな?」


ヤムチャ「……よしっ」グイッ

ケン「よ~しよし……それじゃあ、いこうか……」ガシッ


オー !? オーオー !?

実況「ここはスタミナ温存と言った所でしょうか? さぁ、ヤムチャはロープを潜りエプロンサイドへと戻りますっ! そして試合権の移ったケン……あ~っと、ここはロープを潜らずにエプロンサイドからそのままコーナーポスト上へと昇っていますねぇ!?」

元「おっと」

838: 2016/08/17(水) 22:56:36 ID:0xvEOT6k
ケン「それじゃあ、いくぜっ……! たああぁぁっ……!」シュタッ


オー ! オーオー !

実況「そしてケンが飛び込んでいくっ! コーナーポスト上から飛び込んでいくっ! 狙いはダウンしているソドムっ!」


ケン「喰らってろっ……! はああぁぁっ……!」ズドーンッ

ソドム「……gggaaaggg ! 」


ワー、ワーワー

実況「コーナーポスト上から飛び込つつのダイビング・エルボー・ドロップっ! さぁ、ソドムの腹部へと肘を突き立てていくっ! 強烈な一撃を見舞っていくっ!」


ヤムチャ「ケンさん、俺も俺も……俺もいきますっ……!」ガシッ


オー !? オーオー !?

実況「あ~っと、待て待て待てっ……!? そしてここでヤムチャもまたコーナーポスト上に昇っているっ! 昇っているぞっ!?」

元「……おっと」

839: 2016/08/17(水) 23:04:16 ID:0xvEOT6k
ケン「……はいはい、わかってますよ~っと」ゴロンッ


オー !? オーオー !?

実況「そしてケンが立ち上がり……あっと、前方回転して素早くそんなヤムチャに近づいていくっ!」


ケン「……よ~し、それじゃいってこいっ!」パシッ

ヤムチャ「……了解っす!」パシッ


オー !? オーオー !?

実況「そしてケンはコーナーポスト上のヤムチャとタッチっ! ここで再び選手が切り替わるっ! 試合権は再びヤムチャへと戻ったっ!」

元「お~、切り返え切り返えやっていくね」


ヤムチャ「それじゃあ、もう一撃っ……! たああぁぁっ……!」シュタッ


オー ! オーオー !

実況「そしてヤムチャもまたダウンしているソドムに向かって飛び込んでいったぁぁっ!」

840: 2016/08/17(水) 23:09:55 ID:0xvEOT6k
ヤムチャ「喰らってろっ……! だああぁぁっ……!」ズドーンッ

ソドム「...GYAAAaaa !」


ワー、ワーワー

実況「そしてヤムチャも突き刺していくっ! コーナーポスト上から飛び込んでソドムの腹部へと肘を落としていくっ! こちらもダイビング・エルボー・ドロップっ!」

元「間を開けずにガンガンいってるからね。これはソドム君も辛いでしょ」

実況「ケンっ……! ヤムチャと続けてきましたっ! この辺り、挑戦者組の連係は取れてると言ってもいいでしょうかっ!?」

元「うん、取れてるんじゃない?」


ヤムチャ「よぉ~し、よし……それじゃあ、起きろっ……! 起きろっ……!」グイッ

ソドム「...ugghh」ググッ


オー、オーオー

実況「そしてヤムチャは立ち上がり、ソドムの身体を引き起こしていきますっ! さぁ、挑戦者組……いいリズムを作ってきたかっ!?」

元「いいリズムです」

841: 2016/08/17(水) 23:16:29 ID:0xvEOT6k
ヤムチャ「今度はしっかり決めるぜっ……! でやっ……!」ガシッ

ソドム「Oh...Ohhhhh...」


オー、オーオー

実況「背後を取りつつ引き起こし……そしてソドムの胴回りへと腕を回していくっ! そして脇下に自身の頭部を差し込んでいくっ!」

元「バックドロップですね」


ヤムチャ「……うおおおぉぉっ!」ググッ

ソドム「Oh...Ohhhhh...」


オー ! オーオー !

実況「そしてソドムの身体を抱え上げていくっ! 今度は抱え上げたっ! しっかりと抱え上げたっ! ソドムの巨体をヤムチャが抱え上げていくっ!」

元「おおっ! いいよっ!」


ヤムチャ「バックドロップだっ……! 喰らってろっ……!」ズドーンッ

ソドム「...gggaaaggg ! 」


オー ! イイゾー ! ヤムチャー !

実況「そしてソドムの身体を後方へと叩きつけていきますっ! さぁ、今度は決まりましたっ! ヤムチャのバックドロップですっ!」

842: 2016/08/17(水) 23:22:49 ID:0xvEOT6k
ヤムチャ(ふう、随分と飛ばしているように見えるが……でも、まだまだ……まだまだなんだよ……)ムクッ


オー、オーオー

実況「完全にヤムチャがリズムっ……! 流れを掴んだと言ってもいいでしょうっ! さぁ、ヤムチャは立ち上がってくるっ!」



ヤムチャ(メインイベントなんだから……一番凄い試合をしなきゃいけないんだから……それで、一番凄い試合って言うのは……)ガシッ


オー、オーオー

実況「さぁ、ヤムチャはソドムの頭部の方へと回り込み……おっと、ここはソドムの腕を掴んでいきますっ!」


ヤムチャ(さっきの試合もそうだったけど……技とか以外にもあるんだっ……!)グイッ

ソドム「...ugh」ズルッ


オー ? オーオー ?

実況「ヤムチャは掴んだソドムのその腕を、おぉ~っと、力一杯引っ張って、その身体を引き摺っていきますっ! ダウンしたソドムの身体を移動していますねぇ?」

元「まぁ、フォールとかにいくには位置が悪かったのかな?」

843: 2016/08/17(水) 23:27:53 ID:0xvEOT6k
ヤムチャ「……よぉぉし、そらっ!」グイッ

ソドム「……ugh」ズルッ


オー ? オーオー ?

実況「いや、待って下さいっ……!? これ、ヤムチャはソドムを相手コーナーの方まで連れていきましたよっ!? ダウンしているソドムを相手陣営の方まで持っていったっ! ヤムチャはそこで腕を離すっ!」


ヤムチャ「次はお前だっ……! お前が出てこいっ……!」ビシッ

ロレント「……」


オー !? オーオー !?

実況「あ~っと、そしてヤムチャはここでロレントに向かって指を差し……あ~っと、何やら言っているっ!」

元「お~っと、これはロレント君を指名……という形でいいのかねぇ?」


ヤムチャ「こいつはもうKOだっ……! 次はお前をKOする番だっ……! わざわざ運んできてやったんだぞっ!? だからタッチして代われっ! お前が出てこいっ!」ビシッ

ロレント「……」


ワー ! ワーワー !

実況「ここでヤムチャはロレントを指名っ! ロレントを指名していきますっ! タッチして代わって来いと言っていますねぇ!?」

元「まぁ、この王者組のリーダー格はロレント君だからねぇ。ヤムチャからしたら、そっちから勝利を奪いたいって所じゃない?」

844: 2016/08/17(水) 23:28:48 ID:0xvEOT6k
今日はここまで

850: 2016/08/18(木) 22:00:59 ID:QOMvQ4i6
ヤムチャ「ほら、とっとと交代しろっ……! 次はお前だっ……!」ビシッ

ロレント「……上官に向かって指図するとは」


ワー ! ワーワー !

実況「という事はヤムチャっ……! ここまで非常にハイペースで攻めたてていたのは……」

元「まぁ、ちゃちゃっとソドム君を片付けて、リーダー格のロレント君を……って事だね」


ロレント「……規律を叩き込まねばならんな」ストン

ヤムチャ「……ああっ!?」


アー !? アーアー !?

実況「あっ……! 待って下さいっ……! しかし、ここはロレントっ……! そんなヤムチャから離れるように……おっと、場外へ下りたっ! エプロンサイドから場外へと下りたっ!」

元「……あらっ!?」

851: 2016/08/18(木) 22:10:05 ID:QOMvQ4i6
ヤムチャ「おいコラ、何処行ってんだっ……!? そっちじゃねぇぞっ! リングの中に来いっ……!」グイッ

ロレント「何故、我輩が貴様ごときに従わねばならんのだっ……! 下級兵に戯言に貸す耳など持ち合わせておらんわっ!」ガバッ


アー !? アーアー !?

実況「慌てて場外に下りたロレントをロープ越しから覗き込むヤムチャっ! しかし、こちらもまた腕を大きく拡げヤムチャの神経を逆撫でするような態度を取っているっ!」

元「……まずいよ、ありゃ囮だ」

実況「囮……? あっ……!」


ソドム「ugh...ugghh...」ムクッ

ケン「おい、バカっ! 周りをよく見ろ、周りをっ……! 後ろだっ……!」ビシッ


実況「ソドムが動いてますねぇっ!? ソドムが起き上がってきますよ、元さんっ!」

元「ちょ~っと、ソドム君を仕留め切れてなかったね。ソドム君、タフだから」

実況「慌ててケンもエプロンサイドからヤムチャに警告していきますっ!」

852: 2016/08/18(木) 22:17:38 ID:QOMvQ4i6
ヤムチャ「ソドムはもう片付け……えっ……?」チラッ

ソドム「A defenseless back ! 」シュルッ


アー !? アーアー !?

実況「あ~っと、そしてソドムが体勢を低くして突っ込んでいくっ! 背を向けているヤムチャの股下に腕を差し込んでいくっ!」

元「ちょっとロレント君に意識向けすぎてリング上への注意が散漫になってるんじゃないの!?」


ソドム「You are fuckhead ! 」グイッ

ヤムチャ「う、うおっ……おおっ……!」ゴロンッ


アー、アーアー

実況「巨体に似つかわぬテクニカルな技っ……! ここはソドムっ……! ヤムチャの身体を後方へと転がし丸め込んでいくっ! スクールボーイですっ! スクールボーイっ!」

元「パワーだけじゃなくて、こういう技も使える一面を持っているんだ」


ソドム「...Count up ! 」

ダン「おう、わかったぜっ!」

ロレント「ソドムをKOしたと考えるその都合のいい脳みそ……ヒャハハ、救えん奴だな」スタッ


実況「ここはソドムがクイックで丸め込んでいきますっ! それを確認するや否やロレントもエプロンサイドへと戻るっ! あ~っと、レフェリーが今マットに伏せ、カウントを数えますっ!」

853: 2016/08/18(木) 22:25:34 ID:QOMvQ4i6
ダン「ワンっ……!」

ヤムチャー ! ヤムチャー !

ダン「……ツー」

ヤムチャ「……うるああぁぁっ!」ガバッ

ソドム「...Wow」

オー ! オーオー !

ダン「カウントはツーだっ! ツーカウントっ!」


オー ! オーオー !

実況「しかしここはヤムチャも直ぐ様、返してきますっ! カウントがツーに届くか届かないかといった所で肩を上げるっ! カウントはツーっ! いや、1.9辺りかっ!?」

元「そうだね。まぁ、ここは返してくるわね」

854: 2016/08/18(木) 22:32:38 ID:QOMvQ4i6
ヤムチャ「なんだよオイ……まだくたばってなかったのか、ちくしょう……」ムクッ

ソドム「I go,I go,I goooo... ! 」ムクッ


実況「そして立ち上がってくるヤムチャっ……! だが、ソドムもまた立ち上がってくるっ!」

元「とにかく、色々考えてるのはわかるけど、リングの中の事にもうちょっと集中していこう。来るよ~」


ソドム「...Wooooooow ! 」ダダッ

ヤムチャ「……んっ?」


実況「先に動いたのはソドムっ……! 立ち上がろうとしているヤムチャへと突っ込んでいき……」


ソドム「Take this ! 」ドガッ

ヤムチャ「……ぐえっ!」ドテッ


アー、アーアー

実況「そして前蹴りィ! 立ち上がろうとしているヤムチャの顔面へと打ち込んでいきますっ! 先に打ち込んでいったのはソドムっ……!」

元「そうですねぇ」

855: 2016/08/18(木) 22:38:45 ID:QOMvQ4i6
ケン「何やってんだっ……! 試合権のねぇヤツに絡んでその様はねぇだろがっ……! 今日はベルト戦なんだぞ、オイっ!」


ヤムチャー ! シッカリシロー !

実況「おぉ~っと、コーナーのケンも厳しい口調で何やら叫んでいますっ!」

元「う~ん」


ソドム「Hey...Stand up...」グイッ

ヤムチャ「……ぐっ」ググッ


ヤムチャー ! ヤムチャー !

実況「少し雲行きが怪しくなってきたでしょうかっ!? さぁ、ソドムはヤムチャの身体を引き起こしていきますっ!」

元「まぁまぁ、ちょっと流れは変わった部分はあるけどまだまだだよ」


ソドム「Fuck... ! 」ガシッ

ヤムチャ「……ぐっ」


実況「そしてソドムは自身の脇下にヤムチャの頭部を抱え込んだっ!」

856: 2016/08/18(木) 22:44:43 ID:QOMvQ4i6
ソドム「Fucking... ! 」ドスッ

ヤムチャ「……おぐっ!」


アー、アーアー

実況「ヤムチャを捉えその無防備な背中に、ソドムは腕を降り下ろしていきますっ! ここはハンマーパンチっ!」

元「うんっ!」


ソドム「Fucking... ! Fucking... ! 」ドスドス

ヤムチャ「ぐっ……ぐっ……」


アー、アーアー

実況「ソドムは続けて二発、三発と打ち込んでいくっ!」


ソドム「...Come here ! 」ズルズル

ヤムチャ「おっ……おおっ……」


アー、アーアー

実況「おぉ~っと、ソドムは背中に打ち込みつつ……後退をしてヤムチャの身体を引き摺り移動していきますねぇ」

元「そうですねぇ」

857: 2016/08/18(木) 22:50:16 ID:QOMvQ4i6
ソドム「The next is...」クルッ

ヤムチャ「……んっ?」クルッ


オー ? オーオー ?

実況「あっと、そしてここでソドムは捉えていたヤムチャの頭部を離し……おっと、ここで体を入れ換えていくっ! ソドムとヤムチャの身体が互いにクルっと半回転っ!」


ソドム「...That ! Hey ! 」ドンッ

ヤムチャ「……うおっ」ヨロッ


実況「そしてソドムはヤムチャの身体を突き飛ばすっ……! あ~っと、あっとあっとっ……!」

元「ああっ……!」


ロレント「……ヒャハハ、捉えたぞ」ガシッ

ヤムチャ「んあっ……!? なんだよ、お前……」


アー ! アーアー !

実況「そんなヤムチャをロレントがキャッチっ! ロレントがキャッチっ! エプロンサイドからヤムチャを捉えていきますっ!」

元「あ~っと、さっきは逃げたのにここでちょっかいかけてくるか」

858: 2016/08/18(木) 22:56:50 ID:QOMvQ4i6
ロレント「我輩と戦いたいんだな……? いいだろう、少しだけ相手をしてやるっ……」ガシッ

ヤムチャ「さっきは場外に尻尾巻いて逃げた癖に、今更かよっ……!」チラチラ


アー ! アーアー !

実況「そしてロレントが……腕を掴みましたっ! エプロンサイドからヤムチャの腕を掴んでいきますっ!」

元「う~ん……嫌なタイミングでちょっかい出してきたねぇ」


ロレント「ほぉ~らほら……アームロックだっ……!」ガシッ

ヤムチャ「くっ、んああっ……! この野郎、ロレントっ……!」チラチラ


アー ? アーアー ?

実況「あ~っと、そしてここでロレントはヤムチャの腕を捻り……更にはセカンドロープにその腕を絡めるようにしながらアームロックを仕掛けていきますっ! これは反則行為っ……! ここで王者組のタッグワークを……」

元「いや、そういう事じゃないっ……! こういう事をされると、ヤムチャ君の意識がまたロレント君にいっちゃうって事っ!」

859: 2016/08/18(木) 23:00:38 ID:QOMvQ4i6
ケン「おい、レフェリーっ……! 試合権のないバカがちょっかい仕掛けて来てるぞっ! 止めろ止めろっ!」ビシッ

ダン「おうおう。わかってらぁ、わかってらぁ!」


ロレント「ヒャハハ……ヒャハハ……」ギリギリ

ヤムチャ「この野郎っ……! リングでやるぞっ……! リングでっ……! こっちに来いっ!」チラチラ


ブー 、ブーブー

実況「あ~っと、確かにっ……! 元さんの言う通り、ヤムチャはロレントとばかりを気にしているといった印象ですかねぇ!?」

元「今、試合権を持ってる相手は誰なのっ!? そっちも見なさいっ! ほら、来てる!」


ソドム「Ahhhhhhhh ! 」ダダッ


実況「あ~っと、来ている来ているっ……! ソドムが来ているっ! そんなヤムチャに向かって、突っ込んで来ているっ!」

860: 2016/08/18(木) 23:05:43 ID:QOMvQ4i6
ロレント「我輩が行くのではない……貴様が来るのだ……」ストン

ヤムチャ「……ああっ!?」


実況「ロレントはその動きに合わせて腕を離し、そして再びエプロンサイドから場外へと下りたっ!」

元「前を見ろっ!」


ソドム「HAHAHAHA ! Take this ! 」ズガアァ

ヤムチャ「んっ……? おっ、うぐおおおぉぉっ……!」グラッ


アー、アーアー

実況「そして突っ込んでソドムが体重を描けながらの……ラリアットっ! ラリアットですっ……! あ~っと、ロープ際のヤムチャへと打ち込んでいったぁ!」

元「……だああぁぁっ!」


ヤムチャ「うおっ……! なんだなんだ……来てやがったのか、くそっ……うげっ……!」ボトッ


アー、アーアー

実況「あ~っと、危ないっ……! ヤムチャの身体が一回転して……おぉ~っと、そのまま場外へと落下したぁ!」

861: 2016/08/18(木) 23:11:21 ID:QOMvQ4i6
ロレント「ヒャハハハ。少しだけ……少しだけ、下級兵士と遊んでやるか……」グイッ

ヤムチャ「ぐっ、あででで……ち、ちくしょう……」ググッ


実況「そして場外にはロレントがいる。ロレントがいるゥ! ここでロレントは場外に落ちたヤムチャの身体を引き起こしていきますっ!」

元「う~ん……ちょっと上手くいってないねぇ……」


ロレント「ヒャハハ、こっちに来てもらおうか……」ズルズル

ヤムチャ「……うああっ」ヨロヨロ


実況「ロレントはヤムチャの髪を掴み……そして場外の奥深くへと連れて行こうとしているんでしょうか?」

元「う~ん」


ケン「ったく……! 何やってんだよ、あの野郎っ……! くそっ……!」スタッ


オー !? オーオー !?

実況「あっと、待って下さいっ! しかしここでケンが動きますよっ!? 今ケンがエプロンサイドから場外へと下りましたねぇ!?」

元「おっ、ケン君が動いてくるか」

868: 2016/08/19(金) 22:01:38 ID:kNk0DWbo
ソドム「Boss ! Ken went there ! 」

ダン「とりあえず、場外カウントだっ! 1……2……!」


実況「さぁ、ケンは場外をぐるっと周りロレント達の方へと向かっていくっ! ソドムはそんなケンの様子を見ているかっ!? そして、ここでレフェリーが場外カウントを数え始めますっ!」


ロレント「そうかそうか、動いてきたか。まぁ、当然か……よし、フゥゥゥンっ……!」ブンッ

ヤムチャ「……うぎゃああぁぁっ!」ガッシャーン


キャー ! キャー !

実況「おぉ~っと、そしてロレントはヤムチャの髪の毛を後ろから掴んだまま……先ずは鉄柵に向かって打ち付けていくっ! ヤムチャの額が硬い硬い鉄柵へと打ち付けられたぁ!」

869: 2016/08/19(金) 22:05:47 ID:kNk0DWbo
ダン「3……4……」

ヤムチャ「く、くそっ……!」フラッ

ロレント「……ヒャハハ、次はこっちだっ!」グイッ


実況「額を押さえるヤムチャっ! あっと、しかしロレントは再びそんなヤムチャの後頭部を掴み……おっと、引き連れていくっ!」


ロレント「鉄柵の次はエプロンサイドだっ……!」グイッ

ヤムチャ「……ぐええぇぇっ!」ビターン


ヤムチャー ! ヤムチャー !

実況「おぉ~っと、そして今度はエプロンサイドですっ! エプロンサイドへとヤムチャの身体を打ち付けていくっ!」


ロレント「ケンも向かって来ているらしいし……まぁ、ここらが潮時って所だな……フン、戻れ……」グイッ

ヤムチャ「……ううっ」ゴロンッ


実況「あ~っとっ……!? そしてここでロレントは、ヤムチャの身体をサードロープ下からリングに捩じ込んでいくっ!」

元「あっ、戻してきたねぇ」

870: 2016/08/19(金) 22:16:22 ID:kNk0DWbo
ケン「あぁっ……!? なんだなんだ、リングに戻すのかっ……!?」

ダン「って事は場外カウントはもういいなっ! よし、ファイっ……!」


実況「さぁ、戦場は場外から再びリング内へっ! ここはロレント、あっさり戻してきましたねぇ?」

元「あっさりって言っても鉄柵攻撃とかしてるんだけどね。まぁ、ケン君も動いて来てる事だし、ここらが潮時なんじゃないかな?」


ソドム「I was waiting ! 」ググッ

ヤムチャ「くそっ、あの野郎……」グイッ


実況「さぁ、そしてリング上で待ち構えていたソドムっ……! 戻ってきたヤムチャの身体を掴み、そして引き起こしていきますっ!」


ソドム「Caught ! 」ガシッ

ヤムチャ「……うおっ!」


実況「そしてソドムはヤムチャの片腕を巻き込みつつ……胴回りを抱え込んだっ!」

871: 2016/08/19(金) 22:25:14 ID:kNk0DWbo
ソドム「Ohhhh... ! Take this ! 」ググッ

ヤムチャ「う、うおおっ……!」


アー、アーアー

実況「おぉ~っと、そしてソドムはそのまま後方に反り返りつつ……大きく大きくブリッヂの体勢を見せつつ、ヤムチャの身体を後方へとっ……!」


ソドム「...GAAAAAaaa ! 」

ヤムチャ「……ぐええええぇぇぇっ!」ズドーン


アー ! アーアー !

実況「叩きつけていったぁ! ヤムチャの身体が背中から落ちますっ!」

元「フロント・スープレックスだね」

実況「ここはフロント・スープレックスっ! フロント・スープレックスっ! ソドムには高さもありますっ! さぁ、高い位置からヤムチャが打ち付けられたぁ!」

872: 2016/08/19(金) 22:32:56 ID:kNk0DWbo
ソドム「...Next ! 」ガシッ

ヤムチャ「……うおっ」


オー ? オーオー ?

実況「あ~っと、更にここからソドムはサイドポジションの体勢に持っていきましたかねぇ!?」

元「あ~っと、持っていきました」

実況「ソドムは上体を起こしつつ、即座に腕をヤムチャの頭部付近へと回していくっ! フロント・スープレックスからそのままサイドポジションへと持ち込んだっ!」


ロレント「ヒャハハっ……! よ~し、よしっ……! それでは我輩もいくぞっ……!」ガシッ


アー !? アーアー !?

実況「あ~っとっ! そしてここでロレントも動いてくるっ! 場外にいたロレントが素早くエプロンサイドに昇り、そこから更にコーナーポストへと昇っていくっ!」

873: 2016/08/19(金) 22:42:21 ID:kNk0DWbo
ロレント「さて、いくぞ。ケン大尉ィィィっ……!」

ケン「おっと、飛び込んで来るってか……けど、そうはいかねぇよ……」ササッ


実況「ロレントの狙いは……これはケンですっ! 場外にいるケンに狙いを定めていますっ!」

元「いや、でも……」

実況「あ~、しかしこの動きをケンはよく見ていましたっ! ロレントの動きを察知っ! 透かさず、距離を取っていきますっ!」


ロレント「おぉぉいっ! ケン大尉ィィィ……! そこにいては我輩は届かないぞォォォ……こちらまで来いっ……! こちらまで……」

ケン「バーカ。誰が行くか……そこからここまで、飛び込んでみろよ……? 案外届くんじゃねぇの……? まぁ、十中八九自爆に終わるだろうがな!」


実況「これは少しばかり距離がありますっ! これでは恐らくロレントは届きませんでしょう」

元「そうですね」

実況「しかしながら、ロレントはコーナーポストの上で騒ぎ立てております」

874: 2016/08/19(金) 22:50:56 ID:kNk0DWbo
ロレント「ケン大尉ィィィ……! ケン大尉ィィィ……! 貴様も腑抜けなのか、腰抜けなのかァァァ……!」

ダン「おいおい、うるせぇうるせぇ……コーナーポストの上で騒ぎ立ててるんじゃねぇっ! 降りろ降りろっ……!」イソイソ

ソドム「……OK」チラッ


実況「おっと、そんなロレントに今レフェリーが近づいていきますねぇ?」

元「まぁ、あぁやってコーナーポストの上でギャーギャー言われたらねぇ」


ソドム「Fuck...Fuck... ! 」ドスッ

ヤムチャ「……うぐっ」


実況「さぁ、そしてリング上の二人ですっ! ソドムとヤムチャっ……! ここでソドムは腰を上げて……膝ですねっ……! 膝でヤムチャの腹部を踏みつけ押さえつけていきますっ!」

元「ニーオンザベリーって体勢だ」


ソドム「HAHAHAHA ! kiiiiiill yoooou ! 」ガシッ

ヤムチャ「えっ……!? ガッ……!」


アー !? アーアー !?

実況「あ~っ! 待って下さいっ……! ここでソドムが両腕で……ヤムチャの首を締め付けましたよっ!? 締め付けていきましたよっ!?」

元「あっ……あ~っ……!」

875: 2016/08/19(金) 22:55:42 ID:kNk0DWbo
ソドム「HAHAHAHA... ! Fuck... ! Fuck... ! Fuck... ! 」バンバン

ヤムチャ「ガッ……ウガッ……がガッ……!」バタバタ


ブー ! ブーブー !

実況「ソドムはヤムチャの首を両腕で絞めつつ、上体を持ち上げ……そしてリングに叩きつけっ……! あ~っと、何度も何度も打ち付けていくっ! これは完全に反則行為っ!」


ダン「降りろってのっ……! 降りろっての馬鹿野郎っ……!」

ロレント「……試合の邪魔はしてはおらんっ!」


レフェリー ! ソッチジャネェー !

元「なるほどねぇ……ロレント君はあそこでレフェリーの注意を引き付けてるって事か……」

実況「元さん、感心している場合ではありませんよっ! あ~っと、これにはヤムチャも足をバタつかせて苦しんでいるっ!」


ケン「あっ、あの野郎っ……! 随分ギャーギャーと騒いでやがると思ったら……そういう事か、くそっ……!」ダダッ


元「いや、大丈夫だっ! ケン君が見てるっ! 走ったよっ!」

実況「あ~っとっ! ここで場外にいたケンが慌ててリングへと走りますっ! 今サードロープ下からリングへと滑り込んだっ!」

876: 2016/08/19(金) 23:03:33 ID:kNk0DWbo
ケン「やる事がこすいんだよ、このタコっ……! うるあぁっ……!」スパーン

ソドム「……GHHHHAAAAAAK ! 」バターン


オー ! ケーン ! イイゾー !

実況「そ~してここでケンが一撃ィィ! ソドムの顔面へと打ち込んでいったかっ!? ケンの鋭い蹴りィィ! ヤムチャを救出しますっ!」

元「いや~、危なかったね!」


ロレント「おい、レフェリー……試合権のない者が乱入しているぞ……? 我輩も降りてやる……だから、次はヤツを引き下がらせろ……」

ダン「えっ……? あ~、くそっ……! ケンも来てやがったか……!」イソイソ


実況「あ~、しかしここでロレントがケンに指を差し……」

元「う~ん、レフェリーを使ってきますねぇ」

実況「ここはレフェリーがケンの元へと走りますっ! 今度はケンの元へと走っていきますっ!」

877: 2016/08/19(金) 23:09:58 ID:kNk0DWbo
ダン「おい、ケンっ……! ダメだダメだっ……! 試合権のない奴がリングにいちゃいけないだろがっ……!」

ケン「わかってますよっ……! すぐ下がりますってのっ……! ああっ、もうっ……!」ササッ


ケーン ! ケーン !

実況「レフェリーはケンに下がるように警告し……あ~、しかしここははケンも従っていきますね。直ぐ様、自軍コーナーへと引き下がっていきますっ!」

元「まぁ、救出は出来たからよしとしましょう」


ヤムチャ「ううっ……ううっ……」ムクッ


実況「さぁ、そしてここでヤムチャが立ち上がってきますっ! 少しばかり喉元を押さえている様だが……?」

元「まぁ、ああいった攻撃は短時間でも大きなダメージに繋がるからねぇ」


ケン「おい、ヤムチャっ……! 交代だ、交代っ……! 俺に代われっ……!」ググッ


オー ! オーオー !

実況「おぉ~っと、そして立ち上がったヤムチャを確認するや否や、ここはケンがコーナーから腕を伸ばし、タッチを求めていますっ! 交代を要求しますっ!」

元「おっ、そうだね」

878: 2016/08/19(金) 23:16:39 ID:kNk0DWbo
ヤムチャ「……」フルフル

ケン「……あぁっ?」


アー !? アーアー !?

実況「んっ……?」

元「ありゃ……?」


ケン「交代しろって言ってんだっ……! 俺に代われ、俺に代われ……おめぇは休んでろ……」

ヤムチャ「いや、大丈夫です。俺、まだいけます……」フルフル


アー !? アーアー !?

実況「あ~っと、なんだなんだ……? ここはヤムチャが首を振っていきますよっ!?」

元「いや~、交代して、一回流れ切り替えた方がいいとは思うんだよ」


ケン「交代しろって言ってんだよ、バカっ……!」

ヤムチャ「大丈夫ですっ……! ちょっと油断しただけっすよ。ここからは全部俺のターンだから大丈夫っす」フルフル


アー !? アーアー !?

実況「ケンは交代を要求しますが、ヤムチャは首を横に振るっ! ヤムチャがケンに従いませんっ!」

元「あ~、ちょっと、ダメな意味で熱くなってんじゃないのぉ~!?」

883: 2016/08/20(土) 22:00:42 ID:RzIrfozA
ヤムチャ「さぁさぁ、ここからだ……ここからだ……起きろっ……!」グイッ

ソドム「...ugghh」ググッ


オーイ、ヤムチャー

実況「そしてヤムチャは向かっていきますっ! あ~っと、ソドムに近づき、その身体を引き起こしていきますっ!」

元「ん~っ! この判断、吉と出るか凶と出るか」


ケン「あのバカっ……! クソっ……!」バンッ


実況「意気込んでいるヤムチャと裏腹に、ケンは渋い顔をしながらコーナーポストを叩きますっ!」

元「う~んっ……!」


ヤムチャ「よくも首絞めてくれたな、この野郎っ……! お前ら、そういう事しか出来ねぇのかよっ……!」ググッ

ソドム「...ugghh」


実況「とにかく試合は続いておりますっ! さぁ、ソドムの身体を引き起こしたヤムチャはそのままその頭部をググッと押し下げ、前屈みの体勢にしていくっ!」

884: 2016/08/20(土) 22:07:52 ID:RzIrfozA
ヤムチャ「……だああぁっ!」ズガァ

ソドム「...gag ! 」ヨロッ


オー、オーオー

実況「そして下から蹴り上げていくっ! 前屈みのソドムの顔面へと膝を打ち込んでいくっ! ここはニーレフトですっ!」

元「うん」


ヤムチャ「おっと、まだまだだっ……!」ガシッ

ソドム「...ugghh」


実況「あ~っと、ヤムチャは浮き上がったソドムの頭部を両腕で捉えて、更に再び押し下げていくっ!」


ヤムチャ「もう一発っ……!」ズガァ

ソドム「...gag ! 」ヨロッ


オー、オーオー

実況「そして再び蹴り上げていくっ! さぁ、顔面にいった。二発目っ……! 再びニーリフトだっ!」

元「まぁ、ヤムチャ君が交代しないにしても、こうやってリズムを取り戻していけるってのなら、問題はない事なんだよ」

885: 2016/08/20(土) 22:13:27 ID:RzIrfozA
ソドム「My face...My face...ugghh...」ヨロッ

ヤムチャ「終わらせはしないぞっ……! うらっ……!」ガシッ


オー、オーオー

実況「再びソドムの上体が浮き上がるっ! ソドムは顔面を押さえ、苦しんでいるっ! しかし、そんなソドムをヤムチャは逃さないっ! さぁ、再び両腕でソドムの顔面を掴んだっ!」

元「うん」


ヤムチャ「もう一撃っ……! うおおぉぉっ……!」ググッ

ソドム「No... ! No,No... ! 」ブンブン

ヤムチャ「……んあっ!?」パッ


アー、アーアー

実況「そしてもう一度ソドムを前屈みの体勢に……あ~っ、いやっ……! ここはソドムが頭部を大きく大きく振ってヤムチャの腕を振り払っていったっ!」

元「単調になるのは、よくないよぉ!」

886: 2016/08/20(土) 22:20:44 ID:RzIrfozA
ソドム「Fucking Son of a bitch... ! GAAaaa ! 」ブンッ

ヤムチャ「……んっ?」


アー、アーアー

実況「更にソドムは素早く上体を起こし……あ~っとっ! そしてヤムチャに向かって腕を振っていくっ!」

元「んあっ!」


ソドム「Take this, you bastard !  」ブンッ

ヤムチャ「甘いっての、バカ野郎っ……!」ググッ

ソドム「...Oh !? 」スカッ


オー !? オーオー !?

実況「ショートレンジのラリアットっ……! あ~っ、いやいやいやっ……! ここはヤムチャが避けますっ! 避わしていきますっ!」

元「おっ!? 見えてるのかっ!?」

実況「頭を下げそのソドムの腕を下を潜り抜けるようにヤムチャが避わしたぁ! そのヤムチャはソドムの背後へと回るっ!」

887: 2016/08/20(土) 22:28:15 ID:RzIrfozA
ソドム「Damn it ! 」クルッ

ヤムチャ「そこだああぁぁっ……! でえええやっ……!」スパーン

ソドム「GYAAAaaaa ! 」グラッ


オー ! オーオー !

実況「更に振り向いたらソドムに対してヤムチャが即座に打ち込んでいく、打ち込んでいくっ! ここでトラースキックだっ! カウンター気味へと顎先へと打ち込んだかっ!?」

元「おうおう、見えてる見えてる」


ソドム「Oh...Oh...Oh,No...」バターン

ヤムチャ「……手間かけさせるんじゃねぇよ、バーカっ!」ジーッ


オー ! オーオー !

実況「ソドムの身体が大きく大きくぐらつき……そしてここでダーウンっ! ここでダーウンっ! ヤムチャはダウンしたソドムを見つめているっ!」

888: 2016/08/20(土) 22:37:29 ID:RzIrfozA
ヤムチャ「お前はお呼びじゃないんだよ……さっきみたいに、また立ってこられるのも面倒だし、ここで止めを刺しておいてやるよ……」シュタッ


オー !? オーオー !?

実況「あ~っと、そしてダウンしたソドムの前でヤムチャが構えるっ! おぉ~っと、あの構えは……あの構えは、狼牙風風拳っ!」


ロレント「おぉ~っと、あれは確か……マズいな……」ストン


実況「ここでヤムチャが狼牙風風拳を狙うっ! ここはヤムチャが一気に流れを引き戻しにきたっ! ここで狼牙風風拳を狙いますっ!」

元「……決まればの話だけどね」


ヤムチャ「さぁ、立てっ……! 立つんだ、ソドムっ……! 終わらせてやるよっ……!」

ソドム「ugghh...ugghh...」


ワー、ワーワー

実況「ソドムの起き上がりに合わせて、狙いを定めるヤムチャっ! ヤムチャっ! 場内が湧きますっ!」

892: 2016/08/20(土) 22:52:59 ID:RzIrfozA
ロレント「そこで立つのは下策だ……この場面、体勢を整えるなら場外がいい……どれ、上官の我輩自らが援護してやろう……」ガシッ

ソドム「...Oh」ズルッ

ヤムチャ「……んっ?」


アー ? アーアー ?

実況「あ~っと、待って下さいっ……!? しかしここでダウンしているソドムの身体が動くっ! ヤムチャから離れるように移動するっ!」

元「まぁ、こうなるだろうねぇ。ロレント君が動いてくるよ」


ロレント「全くっ……! 重い奴だっ……! しかし、そういった奴だからこそ、我輩に不足しているパワーを持ち合わせていると言う事……手間をかけさせるなっ……!」ググッ

ソドム「Oh...Thank you for Boss...」ボトッ

ヤムチャ「……ちっくしょう。また邪魔しやがったな」


ブー、ブーブー

実況「あ~っと、ロレントですねぇっ!? ここはロレントが場外からグルっと回り込み、そしてサードロープ下からソドムの身体を掴み、場外へと引き摺り出していきますっ!」

元「まぁ、これは喰らいたくない技ではあるからね。そりゃこういった形で邪魔もしてくるよ」

実況「あ~っと、そしてソドムの身体がヤムチャから離れ……今、場外へと落ちたぁ!」

894: 2016/08/20(土) 22:56:08 ID:RzIrfozA
ケン「……打つなら打つで一言かけろっての。くそっ」

ヤムチャ「なぁ、レフェリー。あれはどうなんだ……? 反則じゃないのか?」

ダン「お、お、おうっ……! わかったわかった、ちょっと行ってくるよ……」ササッ


実況「あ~っと、そしてここでヤムチャがレフェリーに何やら言ってもいるっ! そしてそんなレフェリーが……あ~っと、ロレント達の方へと向かっていきますっ!」

元「う~ん、反則なんじゃないかな? みたいな事じゃない?」


ダン「おい、ロレントっ……! 試合権のねぇヤツがそういう事をしちゃいけねぇだろがっ!」

ロレント「何故だっ!? あの下級兵士に手を出したワケではない。我輩の部下に行った事なのだ。これは合意の上での行為だ……」ガバッ

ダン「う~ん……そう言われりゃ、そうだけどさぁ……」


ブー ! ブーブー !

実況「レフェリーがロープ越しに場外のロレントへと警告をしますが……あ~っと、ロレントは大きく腕を拡げ、しらばっくれてるとでも言えばいいのでしょうか?」

元「う~ん。そうですね」

実況「……今日のロレントは非常によく動いてきますねぇ」

元「あ~、そこは僕も思うよ」

895: 2016/08/20(土) 23:00:07 ID:RzIrfozA
ソドム「...ugghh」ムクッ

ロレント「おっ、ソドム……そうだ。ここなら立ち上がっても安全だ」


実況「さぁ、そうこう言ってるうちに場外でソドムが立ち上がってきましたかねぇ?」

元「なんだかんだでねぇ、ここまでのタッグワークに関しては王者チームに分があるんじゃないかと思うね。ロレント君が動いて動いて…相手を掻き乱して……みたいな感じでやってるよね」


ロレント「おい、レフェリー……リングインする際に狙われては厄介だ……そいつをもう少し離れさせろ……そうでないと戻れん……」ビシッ

ダン「はいはい、わかりましたわかりました……おい、ヤムチャっ……! おめぇがそこにいたらリングに戻ってこれねぇってよ。少し距離を取ってくれ」ササッ


実況「あ~っと、ここも何やらロレントが動き、レフェリーに何か言っております。あ~、どうやらヤムチャを離れさせろと言った所かっ!?」

元「う~ん、なんだろうねぇ。ちょっと挑戦者チームは……上手くいってないってワケじゃないけど……」


ヤムチャ「なんで向こうの言いなりなんですよ。そういう事なら、場外カウント取って下さい」

ダン「はいはい、わかったわかった。1...2...!」


実況「なんとなく乱されているという印象は受けますよね? あ~、そしてレフェリーが場外カウントを数え始めますっ!」

元「うん、そうなんですよ」

896: 2016/08/20(土) 23:05:51 ID:RzIrfozA
ロレント「ソドム、まだいけるか……?」

ソドム「Sorry...No...」

ロレント「……そうか。部下に無理をさせるワケにはいかんな」シュタッ


実況「さぁ、ロレントとソドムは共に場外をグルッと回り……ロレントは自軍コーナーエプロンサイドへと先に戻ります」

元「まぁ、スタミナ回復の時間も作ってね」


ソドム「...Phew」グイッ


実況「そしてソドムもヤムチャから距離を取るように……非常に自軍コーナーに近い位置でリングへと戻ってきますっ!」

元「うん」


ロレント「よし、それじゃあソドム……交代だ……」サッ


オー !? オーオー !?

実況「あっ……! そしてここでロレントがエプロンサイドからソドムに向けて手を伸ばしますね? 手を伸ばしますねっ!? これは交代ですか!?」

元「タイミングとしちゃ悪くないでしょう」

897: 2016/08/20(土) 23:11:19 ID:RzIrfozA
ソドム「...OK ! 」パシッ

ロレント「さて、腑抜けた軟弱者共に身の程を教えてやるとするか……」グイッ


オー ! オーオー !

実況「そしてソドムがロレントのその掌へとタッチっ! ここで試合権が移りますっ! さぁ、試合権はソドムから、ロレントへと移ったぁ! ソドムはエプロンサイドへと引き下がり……そしてロレントがロープを潜りリングインしてくるっ!」


ヤムチャ「ようやくきたか……遅いんだよ、ったく……」ニヤリ


実況「さぁ、そしてこのロレントは……そうっ! ヤムチャが待ち望んでいた相手でございますっ! さぁさぁ、ヤムチャっ……! ここでようやく己にとっての目当ての相手が出てきたっ!」

元「計算していた……望んでいた形で出せたかと言うと……ちょっと、違うような部分もある気がするんだけどね」

実況「……おっと、と言いますと?」

元「まぁ、野暮な事を言うのは止めておこうか。流れも多少は引き戻ってきたでしょ」

898: 2016/08/20(土) 23:16:34 ID:RzIrfozA
ヤムチャ「ようやく出てきやがったかっ……! 待ちくたびれたぜ、この野郎っ……!」ビシッ

ロレント「……フン」


オー ! オーオー !

実況「おっとぉ!? ここでヤムチャはロレントに向かって指を差していきますっ! そして何やら叫ぶっ!」

元「うん」


ヤムチャ「さぁさぁ、いくぜいくぜっ……! 前回の借りっ……! ここで返すっ……!」ズガズガ

ロレント(前回の借り……そう、これは突然振って湧いた試合ではなく、一つの流れから続いて生み出された試合……)ズガズガ


オー ! オーオー !

実況「ヤムチャはロレントに向かっていくっ! そしてまたロレントもヤムチャに向かっていくっ!」


ヤムチャ「いくぜっ! うるああぁっ!」ガシッ

ロレント(そしてその借りというものは、我輩にだってあるんだっ! コイツだけではないのだァァァ!)ガシッ


オー ! オーオー !

実況「さぁ、そして今ヤムチャとロレントが組み合ったぁ! ここはロックアップっ! ロックアップの体勢から入ってきましたっ!」

899: 2016/08/20(土) 23:17:09 ID:RzIrfozA
今日はここまで

905: 2016/08/21(日) 22:00:53 ID:yYvTZl0w
ロレント「……でぇりゃああぁぁっ!」グイッ

ヤムチャ「……おっ」ヨロッ


イケー ! ヤムチャー !

実況「おっと、ここはロレントが引き込んでいくか? 組みかかったまま、力一杯下がるっ! 少しヤムチャがバランスを崩すっ!」


ヤムチャ「おっと、させるかっ……!」ガシッ

ロレント「……だああぁぁりゃっ!」グイグイ

ヤムチャ「……うおっと」ガクッ


オー ? オーオー ?

実況「ヤムチャも踏ん張り堪えていくがっ……! 構わずロレントっ……! 力任せにヤムチャの身体を引き込み引き込み体勢を崩しにかかりますっ!」

元「おぉ~っと」

実況「あ~っと、そしてここでヤムチャの体勢が崩れたかっ!? 片膝をつきますっ!」

906: 2016/08/21(日) 22:07:56 ID:yYvTZl0w
ロレント「……だあぁりゃっ!」グイッ

ヤムチャ「……くおっ!」


アー、アーアー

実況「その隙を逃さないっ……! さぁ、ロレントは上から体重を浴びせるように、ヤムチャの身体を押し込んでいくっ! だが依然、ヤムチャは片膝をついたままっ……!」


ロレント「ああっ……だああっ……! んだぁっ……!」クルッ

ヤムチャ「……んっ?」


アー、アーアー

実況「あっと、続けてロレントはヤムチャの身体を押し込んだまま、クルっと体勢を変えつつ回り込んで……!?」

元「おっと、バックを取ったねぇ」

907: 2016/08/21(日) 22:17:14 ID:yYvTZl0w
ロレント(見せるんだっ……! 我輩がここまで積み重ねてきた物っ……! それを今ここで見せるんだっ……!)ガシッ

ヤムチャ「……くおっ!」


オー、オーオー

実況「さぁ、バックを取ったロレントはヤムチャの腰回りに組みかかっていきますかねぇっ!? さぁ、バックからヤムチャの腰を掴んだっ!」


ロレント(我輩はただただ、見せればいいのだっ……! その後の事は誰かが何とかしてくれるっ……!)ググッ

ヤムチャ「くっ……! くっ……!」モガモガ


ヤムチャー ! ヤムチャー !

実況「さぁ、ロレントはそのまま力を込め……あ~、しかしヤムチャも堪えるっ! さぁさぁ、どうするどうするっ!?」


ロレント「……うおおおぉぉっ!」ググッ

ヤムチャ「くっ、くっ……うおっ……!」ヨロッ


オー ? オーオー ?

実況「おぉ~っと、そしてここで、ロレントが身体を捻っていきますねぇっ!? 背後から強引にヤムチャの身体を捻っていきますっ!」

908: 2016/08/21(日) 22:23:05 ID:yYvTZl0w
ロレント「……だああぁぁっ!」ゴロンッ

ヤムチャ「う、うおっ……! おっ……!」ゴロンッ


オー、オーオー

実況「おぉ~っと、そのまま横方向に一回転っ! 身体を掴んだまま横方向に転がって、自信の身体毎ヤムチャの身体を回転させていきますっ!」

元「おっと」


ロレント「……んああっ!」ガシッ

ヤムチャ「……うおっ」モガモガ


実況「互いの一回転して……再び元の体勢にっ! ここはスタミナを削りにいったという所かっ!? いやっ、先程と違い片膝をついていたヤムチャは尻餅をついている体勢となっているかっ!?」

元「うん」

909: 2016/08/21(日) 22:29:20 ID:yYvTZl0w
ロレント「……だああぁぁっ!」ゴロンッ

ヤムチャ「う、うおっ……!」ゴロンッ


オー、オーオー

実況「おぉ~っと、ロレントはまたもいきますっ!背後から身体を掴んだまま横方向に回転っ! そして自信とヤムチャの身体を回転させていくっ! 両者の身体が回転して、再び元の体勢にっ!」

元「おおぉ」


ロレント「……まだまだァァァ!」ゴロンッ

ヤムチャ「ああっ……! なんだなんだ、こいつ……!」ゴロンッ


オー、オーオー

実況「おぉ~っと、まだいきますっ! ま~だいきますっ! ロレントがヤムチャの身体を回転させていくっ! おぉ~っと、これはヤムチャの身体がロレントによってリング上を転がされまわっているっ!」

元「……ほ~う」

910: 2016/08/21(日) 22:38:37 ID:yYvTZl0w
ロレント「……ああああァァァ!」ゴロンッ

ヤムチャ「なんだなんだっ……! ずっとゴロゴロゴロゴロ……やる気あるのか、コイツっ……!」ゴロンッ


オー ! オーオー !

実況「更にもう一回転っ! もう一回転っ! 力任せの強引にいったクレイドルと言った所かっ!? ここはロレントがヤムチャの身体を転がし転がし、スタミナを削りにかかりますっ!」

元「ほ~う」

実況「まぁ、こういうのもなんですが、最近のロレントに似つかわない、らしくないファイトスタイルですよねぇ!?」

元「まぁ、腐っても鯛……王者のプライドというものは持ち合わせているんだね?」


ロレント「……だああぁぁっ!」ゴロンッ

ヤムチャ「ああっ……! なんだなんだっ……!」ゴロンッ


オー ! オーオー !

実況「おぉ~っと、またも両者の身体が一回転っ! 元さん、王者のプライド……と、言うのは!?」

元「え~、ヤムチャ君は言ってたじゃない? ロレント君は殴る蹴るのロクでもない戦い方しかしない奴って。実際、最近のロレント君はずっとそういったファイトスタイルだよ」

実況「それで伸し上がってきた部分もロレントにはありますからねぇ!?」

911: 2016/08/21(日) 22:46:27 ID:yYvTZl0w
ケン「なにやってんだ、オラっ……! いい様にやられっぱなしじゃねぇかっ……! ふざけんなっ……!」

ソドム「HAHAHAHA ! You can't wrestling ! You can't wrestling ! 」


オー ! オーオー !

元「ただロレント君は出来ないワケじゃないんだよ。しないだけで。殴る蹴るだけのロクでもない事も出来るんだよ。しないけど」

実況「まぁ、確かにロレントはこういったファイトスタイルでいっていた時期もありましたっ!」

元「だから、これはそんなヤムチャ君に対するアンチテーゼとでも言えばいいかね? 自分はこういったファイトスタイルも出来るんだぞという事を見せてるんじゃないかねぇ?」


ロレント「まだまだァァ……! んっ……!」グイッ

ヤムチャ「く、くそっ……!」ガシッ


オー !? オーオー !?

実況「という事は……コレ、今日のロレントはいつものファイトスタイルではなく……こういったファイトスタイルを見せてくると考えてもよろしいのでしょうかっ!?」

元「アンチテーゼって言い方はちょっと持ち上げすぎたね。格好よく言いすぎた。う~ん、ただの天の邪鬼な反骨心なのかもしれないし……そこはわからないけどね」

実況「あ~、ここでリング上を転がされまわっているヤムチャが付近にあったロープを掴んだかっ!? ロープを掴んだっ! ここはロープに手を伸ばし、身体を固定しますっ!」

912: 2016/08/21(日) 22:52:25 ID:yYvTZl0w
ヤムチャ「ああっ……! ああっ……! なんだコイツっ……!」ムクッ

ロレント「くっ、くっ……ロープを掴んだか……」ムクッ


オー ! オーオー !

実況「とりあえずこの場は凌いだといった所でしょうか!? さぁ、ヤムチャはロープを両手で掴んでなんとか立ち上がるっ! セカンドロープからトップロープに持ち替え、なんとかロープにしがみつき堪えているっ!」

元「流石にこういう形で来るとはヤムチャ君も予想外でしょう」

実況「さぁ、しかしロレントはまだ腰にしがみついているっ! ヤムチャの動きに合わせて自身も立ち上がってくるっ!」


ヤムチャ「おい、レフェリーっ……! これ、ロープブレイクじゃないのかっ……!? そうだろっ……!?」

ダン「今行こうと思ってたんだよ、わかってらぁ!」


実況「あ~、ここはロープブレイクの形になりますかね? ロープにしがみつくヤムチャっ……! それにしがみつくロレントっ……! そこにレフェリーが向かっていきますっ!」

元「うん」

913: 2016/08/21(日) 22:58:41 ID:yYvTZl0w
ロレント「ロープブレイクなどで終わらせてなどたまるかァァァ……! だああァァァ……!」グイグイ

ヤムチャ「んっ……? あっ……!」ズルズル

ダン「んっ……?」


オー !? オーオー !?

実況「あ~、待って下さいっ!? ここでロレントが強引に後退して……おっと、ヤムチャの腕がロープから離れたっ!」

元「おっと、引き剥がしてきたっ!」

実況「ロレントはそのままヤムチャの身体をロープから遠ざけていくっ! 遠ざけていくっ!」


ロレント「我輩に殴る蹴る以外を求めた下級兵士よォォォ……! ヒャーハハハっ! 貴様は特進物だなっ! うるああァァァ!」グイッ

ヤムチャ「う、うおおっ……!」ググッ


オー !? オーオー !?

実況「そしてロレントが抱え上げていくっ! ロープから引き剥がしっ……! 背後からヤムチャの身体を抱え上げていきますっ!」

元「おぉ~っと」

914: 2016/08/21(日) 23:04:43 ID:yYvTZl0w
ロレント「ジャーマン・スープレックスだァァァ! だあありゃァァァ!」

ヤムチャ「うっ、おおっ……ぐがああぁぁっ……!」ズドーン


オー ! オーオー !

実況「そのまま後方へと反り投げていきますっ! ブリッヂの体勢でヤムチャの身体をマットへと叩きつけていきますっ!」

元「おぉ~っと、ジャーマン・スープレックスっ!」

実況「強引にっ……! 力任せにいったぁ……! この辺りもロレントらしかぬファイトスタイルっ……!」


ダン「おっと、フォールか。って事はカウントっ……!」ササッ

ロレント「こんな物で終わりではない……我輩にとっては最後のチャンスなのかもしらんのだ……まだまだだ」コロン

ダン「ありゃ、フォールいかねぇのか……?」


実況「ロレントはそのままフォールの体勢……あ~、には、いきませんねぇ。ここはロレントっ……! クラッチを一度解き、そして横へと転がっていきます」

元「まぁまぁ、ケン君も生きてるしね。ここはフォールにいっても、決まらないんじゃないかな」

915: 2016/08/21(日) 23:10:45 ID:yYvTZl0w
ロレント「さぁ、立て……立て……我輩と同じで貴様もこの程度ではないはずだろう……」ムクッ


オー ! オーオー !

実況「そしてロレントは立ち上がりますっ! さぁ、立ち上がったロレントは大きく息を吐き呼吸を整えつつ、ヤムチャの動きを見ているっ!」


ヤムチャ「あ~、いててて……ちくしょう……」ムクッ


オー ? オーオー ?

実況「そしてヤムチャも上体を起こしてきますっ! 激しく打ち付けられたかっ!? 頭部を押さえているが……しかし、ここは直ぐ様体勢を立て直してくるっ!」


ロレント「今日は正攻法でいってやる……キャリアの違いを見せつけてやる……さっさと立て、下級兵士が……」クイクイ

ヤムチャ「んあっ……? 野郎、舐めやがって……」ギロリ


オー !? オーオー !?

実況「あ~っとっ! そしてここでロレントはそんなヤムチャに対して、早く立ち上がって来い言わんばかりに掌を仰ぎ、少しばかり挑発的な態度っ!」

元「この辺はいつものロレント君らしいね。いつもって表現でいいのかはわからないけど」

921: 2016/08/22(月) 22:00:49 ID:pj8/A3Cg
ヤムチャ「こっちだって、まだまだこれからだっ……! いくぜっ……!」ムクッ


オー ! オーオー !

実況「そんなロレントを見て、さぁヤムチャも立ち上がってくるっ! そして向かっていくっ! ロレントもまた構えるっ!」


ヤムチャ「いくぜ、うるああぁぁっ!」ガシッ

ロレント「我輩はいけ好かない上官にさんざんシゴかれてここまできたのだァァ! 例え正攻法だろうが、貴様ごときには負けんっ! だああァァ!」ガシッ


オー ! オーオー !

実況「そしてここで組み合ったっ! 両者が再び組み合ったっ! ロックアップの体勢ですっ!」


ヤムチャ「……うおおぉぉっ!」ギリギリ

ロレント「……だりゃァァァ!」ギリギリ


オー ! オーオー !

実況「ヤムチャが力を込めていくっ! ロレントも力を込めていくっ! さぁさぁ、両者が渾身の力で組み合っているっ!」

922: 2016/08/22(月) 22:06:25 ID:pj8/A3Cg
ヤムチャ「……その足もらうぜっ!」スッ

ロレント「……させるかっ!」サッ


オー、オーオー

実況「おっと、ここでヤムチャは足を取りにいったかっ!? いや、すかさずロレントが腰を引き、それを避けていきますっ!」


ヤムチャ「チィ……でも、それなら……うおおぉぉっ……!」グイグイ

ロレント「おっ……おおっ……!」ヨロヨロ


オー ? オーオー ?

実況「おぉ~っと、しかしここでヤムチャが押し込んでいくっ! 腰を引いたタイミングに合わせて身体を押し込み、ここは体勢崩しにかかりますっ!」

元「おっ」


ロレント「……くっ!」ガシッ

ヤムチャ「踏みとどまらせはしねぇっ……! うおおぉぉっ……!」グイグイ

ロレント「……うおっ!」ヨロッ


オー、オーオー

実況「ロレントも何とか踏ん張り……あっ、いやっ! ヤムチャが押すっ! ヤムチャが押していくっ! ここはヤムチャがロレントの身体を押し込んでいきますっ!」

923: 2016/08/22(月) 22:16:08 ID:pj8/A3Cg
ロレント「貴様がそうするならこうするだけだ。バカめェェェ!」グイッ

ヤムチャ「……うおっ!」ヨロッ


オー ? オーオー ?

実況「あ~、いやっ! ここはロレントが、後退させられつつもヤムチャの頭部を押し下げるっ!」

元「おっと、勢いを透かしてきたっ!」

実況「ここはロレントが引き込みますっ! 自ら下がりその勢いを頃していくっ! おっと、これはヤムチャのバランスが崩れたか!?」


ロレント「引き落としてやるっ……! 貴様が崩れろっ……! フンっ……!」グイッ

ヤムチャ「おっ、おおっ……」ヨロッ

ロレント「崩れろっ……! 崩れろっ……! フンっ……!」グイッ

ヤムチャ「おっ……おおっ……くっ……」ガクッ


オー、オーオー

実況「ここはロレントが強引にいくっ! かなり強引にいきますっ! ヤムチャの頭部押し下げつつ、引き込む、引き込むっ! 強引に体勢を崩しにかかりますっ!」

元「うんっ!」

実況「あ~っと、そしてここでヤムチャの体勢が崩れたかっ!? おぉ~っと、前のめりに……両膝をついたぁ!」

924: 2016/08/22(月) 22:21:34 ID:pj8/A3Cg
ロレント「膝をついたなっ……!? よォォォしっ!」ガバッ

ヤムチャ「……くっ」


オー、オーオー

実況「透かさずロレントっ! 自身も膝をつき、そんなヤムチャの背上へと覆い被さっていくっ! 頭部に腕を回していきます!」


ロレント「よぉし……よしよし……」グイグイ

ヤムチャ「くっ……くっ……!」


実況「さぁ、ロレントは自身も膝をつきながら……膝をついているヤムチャの身体を、更に引き込もうとしていますかねぇ?」

元「うん、そうだねぇ」


ロレント「よし……ここは……」スッ

ヤムチャ「……んっ?」


実況「おっ、ここでロレントは頭部から腕を離し、右腕でヤムチャの左腕を掴み、左腕は肩下から胸を通り……そしてここはヤムチャの左足を掴みにいったかっ!?」

925: 2016/08/22(月) 22:31:09 ID:pj8/A3Cg
ロレント「だりゃァァァ……!」グイッ

ヤムチャ「……うおっ」ゴロン


オー ! オーオー !

実況「おぉ~っと、そしてロレントは膝を立て一歩前に踏み出すと同時に、おっとヤムチャの身体を転がしていくっ! 反転させていきますっ!」

元「外無双だね。引き込みつつ前に出て、相手の身体を反転させるんだ」


ロレント「……フンっ!」ガシッ

ヤムチャ「……くっ!」


オー ! オーオー !

実況「ヤムチャの身体を反転させつつロレントはポジショニングを移動して……おぉ~っと、ここはサイドポジションっ! サイドポジションへと回ったっ!」

元「上手くグラウンドに持っていったよ」

実況「ロレントはそのままヤムチャの頭部に腕を回し、グラウンド・ヘッドロックっ! グラウンド・ヘッドロックの体勢に持っていきましたっ!」

926: 2016/08/22(月) 22:37:44 ID:pj8/A3Cg
ヤムチャ「くそっ、舐めんなっ……!」ググッ


オー ? オーオー ?

実況「あっ……! しかしここはヤムチャも負けてはいないっ! グラウンド・ヘッドロックに捉えられながらも、ここは腰を浮かし両足を高く高く上げていくっ!」

元「おっ」


ヤムチャ「……うるあぁぁっ!」ガシッ

ロレント「……んあっ!?」


オー、オーオー

実況「そしてその両足をロレントの首筋へと巻き付けていくっ! ヤムチャが下からロレントの頭部を両足で挟み込んだっ!」


ヤムチャ「お前が寝てろ、この野郎っ……!」ググッ

ロレント「くっ、くおっ……!」ビターン


オー、オーオー

実況「そしてその両足を勢いよく降り下ろし、ロレントの身体を引き離していくっ! ここはヘッドシザーズで返しますっ!」

元「うんうん」

927: 2016/08/22(月) 22:57:30 ID:pj8/A3Cg
ヤムチャ「見たか、この野郎っ……! 首四の字固めだっ……!」ガシッ

ロレント「くっ……くっ……!」


オー !? オーオー !?

実況「あっ、いやっ……! ヘッドシザーズではありませんっ! ヘッドシザーズではありませんねぇ!?」

元「おっ、一気に首四の字固めにまで持っていったかっ!?」

実況「ここはヤムチャっ……! 足を組み替えヘッドシザーズではなく、首四の字固めで捉えますっ! ロレントの首筋に自信の足を巻き付けていくっ! そして締め付けるっ!」


ヤムチャ「ここじゃ、位置が悪いからな……コイツの首から外れねぇように……よっ……よっ……」ズルズル

ロレント「ぐっ……ぐっ……」


オー ? オーオー ?

実況「さぁ、ヤムチャは両腕を使い自身の腰を持ち上げ、お~っと、そのままポジショングを移していきますっ!」

元「そうだね。サイドから仕掛けるよりも、もっと頭の上の方まで回った方がいいからね」

928: 2016/08/22(月) 23:07:23 ID:pj8/A3Cg
ヤムチャ「よしっ……! これで完全に決まったっ!」ガシッ


オー ! オーオー !

実況「さぁ、そしてここでヤムチャがロレントの頭部の上まで移動しきったっ! 完全なる首四の字固めがここで決まっていったぁ!」

元「うんっ!」


ロレント「舐めるなァァァ………! 我輩を舐めるなァァァ……! うおおぉぉっ……!」ググッ

ヤムチャ「んっ、んっ……? なんだっ……!?」ググッ


オー ? オーオー ?

実況「あ~、しかしここはロレントも抵抗していきますねぇ!? 捉えられつつもヤムチャの足を掴み、身体を横に捻ろうとしていますっ!」

元「あ~っと」


ロレント「……だりゃァァァ!」ゴロンッ

ヤムチャ「う、うおっ……!」ゴロンッ


オー ? オーオー ?

実況「あ~っと、そしてここ反転しますっ! ロレントが捉えられながらも、身体を大きく大きく横に捻り、自身とヤムチャの身体を反転させていったぁ!」

929: 2016/08/22(月) 23:13:39 ID:pj8/A3Cg
ヤムチャ「首四の字固めは反転してもこっちは痛くないんだ……! コイツ、知らないんだな……バカだっ……!」ググッ

ロレント「ぐっ、ぐっ……」ムクッ


実況「しかし、反転させられた状況でも、ヤムチャは絞め続けていくっ! ロレントを首四の字固めで絞め続けるっ! ロレントは……ここは腰を浮かし、何とか立ち上がろうとしているかっ!?」

元「そうですね」


ロレント「正攻法っ……! 正攻法だっ……! うおォォォ……!」ググッ

ヤムチャ「……んあっ!?」


オー ? オーオー ?

実況「おぉ~っと、ここでロレントが引き抜いたかっ!? 立ち上がる勢いで、捉えられていた首を引き抜いていったかっ!?」

元「おっ、抜けたっ!」


ロレント「……だりゃァァァ!」ガシッ

ヤムチャ「……あっ!?」


オー、オーオー

実況「さぁ、ロレントは再びサイドへと回り、ヤムチャの下半身の上へと覆い被さるっ! おっと、そして下半身にしがみついていきますっ!」

元「アンクルホールドっ!」

実況「アンクルホールド……え~っ……」

元「レスリングスタイルの方ねっ!」

930: 2016/08/22(月) 23:18:57 ID:pj8/A3Cg
ロレント「……だりゃァァァ!」ゴロンッ

ヤムチャ「う、うおおっ……!」ゴロンッ


オー !? オーオー !?

実況「あ~っと、そしてここでロレントが回転していきますっ! 再び身体を捻り、自身の身体毎ヤムチャの身体を回転させていくっ! 両者の身体が一回転っ!」

元「レスリングスタイルのアンクルホールドはこれだ。足首にダメージを与えるんじゃなくてクロスさせて動きを封じるんだ」


ロレント「……だりゃァァァ!」ゴロンッ

ヤムチャ「うおっ、うおっ……またかっ……!」ゴロンッ


オー ! オーオー !

実況「あ~っと、確かにこれはレスリングスタイルのアンクル・ホールドっ! ロレントはクロスされたヤムチャの両足を下から纏めて左腕で抱えるっ! 右腕は腰回りを抱き込んでいるかっ!?」


ロレント「……まだまだァァァ!」ゴロンッ

ヤムチャ「う、うおおっ……!」ゴロンッ


オー ! オーオー !

実況「ヤムチャの動きを封じてそしてロレントはリング上を転がるっ! 転がし転がしスタミナを削っていくっ!」

元「おうおうおう」

実況「本日のロレントも転がる、転がる、転がっていくっ! しかし、今日はレスリング・スタイルだっ! これは間違いなくレスリング・スタイルっ! これはなんだっ……!? 王者としてのプライドなのかっ……!? それともただの天の邪鬼なのかっ!?」

941: 2016/08/24(水) 22:01:56 ID:tX.h3SsE
ロレント「だりゃァァァ……くっ……!?」ググッ

ヤムチャ「これ以上は……これ以上は流石にっ……! ぐっ……!」ググッ


オー ? オーオー ?

実況「さぁ、ロレントによる回転地獄っ! ローリング地獄っ! ヤムチャの身体がゴロゴロとリング上を転がされ……あ~っ、いやっ! ここでヤムチャが堪えるっ! 堪えてくるっ!」

元「おっ」

実況「回転させられるとは逆方向に上体を大きく大きく捻り、ここは抵抗していきますっ! なんとか回転は止まったかっ!? 両者はうつ伏せの状態で、少し動きが止まるっ!」


ヤムチャ「とりあえずは足だ……この掴まれている足をなんとかしないと……うおおぉぉっ……!」グイッ

ロレント「……くっ!」


オー ? オーオー ?

実況「あ~っと抜けたかっ!? ここでヤムチャの足が一本抜けたかっ!?」

元「おっ、抜いたねっ!」

実況「真っ直ぐ伸びている右足を強引に抱えられた腕から引っこ抜き、そして腹部の下へと折り畳むように隠していくっ! ヤムチャは前へと逃げるっ!」

942: 2016/08/24(水) 22:05:53 ID:tX.h3SsE
ヤムチャ「はぁっ、はぁっ……こ、これで……」

ロレント「……逃ィィィがさんっ!」グイッ


オー、オーオー

実況「あ~、しかしロレント……! そんなヤムチャを追いかけるように、すかさず踏ん張り……前方へと一歩飛び込むっ!」

元「安心してちゃダメだよっ! もっと這いずって這いずって前へと逃げなきゃ!」


ロレント「はぁっ、はぁっ……捉え直すっ……!」スッ

ヤムチャ「……んっ?」


オー、オーオー

実況「おぉ~っと、そしてロレントはヤムチャの腰の上に覆い被さるようにっ……! 左腕はまだ左足を抱え込んだままっ! しかし、太腿辺りを抱え込んいた右腕を一度外し……今度は上からっ! ヤムチャの脇から差し込むように腹部の下の足を取っていくっ!」


ロレント「逃がしはしないっ……! 我輩のプライドにかけて逃がしはしないのだァァァ……! だりゃァァ……!」ググッ

ヤムチャ「う、うおっ……!」コロンッ


オー ! オーオー !

実況「そしてロレントっ……! その右足を抱え上げ、ヤムチャを転がす、反転させるっ! うつ伏せだったヤムチャの身体が今度は仰向けっ!」

元「息ついてちゃダメだよっ!」

943: 2016/08/24(水) 22:11:55 ID:tX.h3SsE
ロレント「……だりゃァァァ!」ベタッ

ヤムチャ「……ぐっ!」


オー ! オーオー !

実況「そしてロレントっ……! 今度はヤムチャを左足を両腕で抱き込みつつ上体を大きく大きく後方へと倒すっ!」

元「おっ」


ロレント(はぁっ、はぁっ、全てはヒールの我輩が……正攻法以外でのファイトスタイルの我輩が、正攻法で攻めているからこそ……意外性でこういった反応になるのだ……)ガシッ


オー ! オーオー !

実況「更にロレントっ……! 腕だけはなく、両足をも使ってヤムチャの左足を抱き込んでいくっ!」

元「おおっ」


ロレント「だが、それでも構わんのだァァァ……! 我輩は我輩自身で、今この場に立っているぞォォォ……! だりゃァァァ……!」ググッ

ヤムチャ「……ぐ、ぐぎゃああぁぁ!」


オー ! オーオー !

実況「ロレントは大きく後方に倒れ込みながら、掴んだその足っ……! 足首を捻っていきますっ!」

元「ヒールホールドですね!」

実況「ここはヒールホールドっ! ヒィィルホールドっ! さぁ、ロレントが今度はヒールホールドに捉え直してきたっ!」

944: 2016/08/24(水) 22:15:52 ID:tX.h3SsE
ヤムチャ「ぐ、ぐわあぁぁっ……!」モガモガ

ケン「落ち着け、オイっ! ロープブレイクだっ……! ロープブレイク狙えっ!」ビシッ


オー ! オーオー !

実況「ヤムチャがもがく、もがくっ! ロレントに足を取られ、もがき苦しむっ!」

元「そうだね。そんなに距離は離れてないので、ロープブレイク狙った方が吉かもね」


ヤムチャ「ぐっ、ぐっ……くそっ……!」コロンッ

ロレント「くっ……足は離さんぞっ……!」コロンッ


オー ? オーオー ?

実況「ここはヤムチャっ……! ロープブレイクを狙うかっ!? さぁ、身体を横へと捻り反転させ、ロープへと近づくっ! 両者の身体がうつ伏せになったが、ロレントはまだ足へとしがみついているっ!」

945: 2016/08/24(水) 22:21:11 ID:tX.h3SsE
ヤムチャ「うざってぇよっ……! 離せよっ……! この野郎っ……!」ゲシッ

ロレント「……うぐっ!」


オー ? オーオー ?

実況「あっ、いやっ……! 両者の身体がひっくり返った所で……ここはヤムチャっ! 捉えられていない足……右足でロレントの顔面を蹴りつけていきますかねっ!?」

元「おっ?」


ヤムチャ「離せっ……! 離せって言ってたんだ、オラァっ……!」ゲシゲシ

ロレント「ぐっ……ぐっ……!」


オー、オーオー

実況「さぁ、ヤムチャは二発三発とロレントの顔面の蹴りつけるっ!」

元「ここはロープブレイクではなく、力尽くで外しにかかってきたねぇ!?」


ヤムチャ「ああっ……! だぁっ、くそっ……! 外れろっ……!」ゲシッ

ロレント「……くおっ!」


オー、オーオー

実況「あっと、そしてここで引き離す事に成功したかっ!? ロレントの腕が……ヤムチャの足から外れたぁ!」

元「お~う、逃れたっ!」

946: 2016/08/24(水) 22:28:20 ID:tX.h3SsE
ヤムチャ「はぁっ、はぁっ……よ、よし……はぁっ……なんとか、外れたぜ……」ムクッ


オー、オーオー

実況「足からロレントを外し、そしてヤムチャが立ち上がって来るがっ……!? あ~っと、ここは呼吸が荒いっ!」

元「まぁ、そりゃあれだけゴロゴロゴロゴロされてちゃ、スタミナも消費しちゃうよ」


ロレント「ロープブレイクではなく、自ら外してきたか……しかし、まだまだっ……!」ムクッ

ケン「交代だっ……! いいから、一回交代しろっ……!」


オー ? オーオー ?

実況「しかし、ここはすかさずロレントもまた立ち上がってくるっ! あ~っと、コーナーのケンが大きく手を伸ばしているっ!」

元「そうだね。一回交代した方がいいんじゃないかなぁ?」


ロレント「ソォォォドムっ……! 少しは回復もしただろうっ……! 入って来ォォォいっ!」チラッ

ソドム「OK ! I go now ! 」グイッ


オー ? オーオー ?

実況「おぉ~っと、しかしロレントはソドムの方を見て叫ぶっ! あ~っと、あっと、そしてソドムがロープを潜りリングへ入ってきますっ! 入ってきますよぉ!?」

元「あっと、なんだ呼び寄せてきたぞっ!?」

947: 2016/08/24(水) 22:35:09 ID:tX.h3SsE
ヤムチャ「くっ……! 今度は二体一かっ……!?」チラッ

ロレント「勘違いをするなァァァ……! 正攻法だァァァ……! だりゃァ……!」ガシッ


オー ? オーオー ?

実況「ヤムチャもソドムの方へと視線を送るっ! だが、しかしそんなヤムチャにロレントがいくっ! またも組かかっていくっ! ロレントは頭部へと組みかかっていったぁ!」


ソドム「GAAAAaaaa ! 」ダダッ

ケン「チィっ……! 狙いは俺かっ……!?」


オー ? オーオー ?

実況「あ~、いやっ……! ソドムはヤムチャではなく、ケンへと向かっていきますねぇっ!? ここはソドムっ! 一気に対角線コーナーまで突っ込んでいくっ!」

元「あっと、分断作戦かっ!? まぁ、ちょっとケン君が動きを見せていたから、すかさずこっちも動いてきたよっ!」

948: 2016/08/24(水) 22:39:47 ID:tX.h3SsE
ソドム「Don't move ! 」ピタッ

ケン「カウンターで返り討ちに……んっ……!?」


オー ? オーオー ?

実況「あっ、いやっ……! ここはソドムっ……! コーナー前で急停止っ! 急停止していきますっ! ケンには仕掛けていきませんっ!」

元「あ~、って事は、とりあえずリングインを封じていこうといった所かっ!?」


ロレント「随分と疲弊してきたようだがっ……! 容赦はせんぞォォォ! だりゃァァァ……!」ギリギリ

ヤムチャ(はぁっ、はぁっ……冗談抜きで疲れてきたぞ、今日のコレっ……! おおぉぉっ……!)


オー、オーオー

実況「ロレントはヤムチャの腕を巻き込みつつ頭部を捉え、その頭部を脇下に押し込むようにして……?」

元「お~、フロントネックロックですね」

実況「おぉ~っと、ここはフロントネックロックですっ! フロントネックロックっ! スタンディングの状態でヤムチャの片腕を極めつつ頭部を捉え、そして頸動脈を圧迫していくっ! ここはフロントネックロックだっ!」

949: 2016/08/24(水) 22:46:05 ID:tX.h3SsE
ロレント「とことんとことん拘るのだっ……! だりゃァァァ……!」グイグイ

ヤムチャ「う、うおおっ……!」ヨロヨロ


オー ? オーオー ?

実況「捉えたままロレントは下がるっ! 後退していくっ! おぉ~っと、ヤムチャの身体を引き摺るっ!」


ヤムチャ「……くおっ!」ヨロッ

ロレント「……テイクダァァァウンっ!」ビターン


オー、オーオー

実況「そのままヤムチャの身体が前のめりに倒れ込むっ! ロレントの身体毎前のめりに倒れるっ!」

元「これはロレント君が引き込んでるんだ!」


ロレント「……再びグラウンドだァァァっ!」ガシッ

ヤムチャ「ガッ、ガガッ……!」


オー ! オーオー !

実況「ロレントは自信の上へと覆い被さる形になったヤムチャの腰回りへと足を回すっ! 足をフックさせて胴回りを捉えたっ!」

元「グラウンド・フロントネックロックに持ち込んでいったよっ!」

950: 2016/08/24(水) 22:53:20 ID:tX.h3SsE
ロレント「……だりゃァァァ!」ギリギリ

ダン「おい、ヤムチャっ……! どうするギブアップかっ……!?」

ヤムチャ「はぁっ、はぁっ……ううっ……あぁっ……」ブルブル


オー !? オーオー !?

実況「グラウンドでロレントが締め上げていくっ! あっ……! ヤムチャの動きが鈍いっ……! 鈍いぞっ……!?」

元「散々スタミナ削られてるからねぇ。ちょ~っと、これは危ないんじゃないっ!?」


ケン「おいっ……! おいっ……! おい、コラっ……!」イソイソ

ソドム「Don't move ! Don't move ! 」


実況「流石にこの状況っ……! ケンも慌ててきたか、慌ててきたかっ!? エプロンサイドから救出にいきたい所だが……そこにはソドムがいるっ!? リングインしようとしているケンへと睨みを効かせているっ!」

元「だからいいタイミングで入ってきたよね」

実況「これではケンは動けないっ! 動けないっ!」

951: 2016/08/24(水) 22:59:32 ID:tX.h3SsE
ヤムチャー ! ロレントー ! ヤムチャー ! ロレントー !


ロレント「だりゃァァァ……!」ギリギリ

ヤムチャ(負けた……負けたよ……)ガクッ

ダン「ギブアップかっ!? ギブアップか、おいっ……!? そもそも意識あるのかっ……!? もしもぉ~しっ!?」ポンポン


ワー、ワーワー

実況「ヤムチャは抵抗する動きを見せないっ……! グッタリとしてきたっ! これは落ちたかっ!? 落ちてしまったかっ!?」

元「う~ん、わかんないっ!」

実況「レフェリーも慌てて意識を確認するっ! ヤムチャの背中を叩くっ! しかし、ヤムチャは動かないっ……! 動かないっ……!」


ヤムチャ(腕を取られ、足を取られ……まるで手品みたいに身体をひっくり返されちまう……)

ロレント(プロレスとレスリングは違う……レスリングが出来なくても、行わなくても、成功していく事は可能なのだ。現在の俺のスタイル……それに、彼も……いい例だ……)

ヤムチャ(これは完全に経験の差なんだろうな……俺の上をいかれてた……完敗……完敗だ……)

ロレント(しかし、それでも……それでも俺はこの舞台でレスリングを魅せたかったっ……! 今までに積み上げてきた事を……! もうこのスタイルを出せるチャンスは来ないのだっ……!)

952: 2016/08/24(水) 23:06:06 ID:tX.h3SsE
ヤムチャ(完敗はしたけど……だけどっ……! くっそぉっ……! 鼬の最後っ屁ぐらいはしっかり見せねぇとなっ……! ふんがああぁぁっ……!)ググッ

ダン「おっ……! おおっ……! なんだ、急に動きやがったっ……! 危ねぇっ……!」ササッ


オー !? オーオー !?

実況「あ~、いやっ! ヤムチャが動きましたよっ!? ここで動いてきましたっ!」

元「おっ!?」


ロレント(……魔法が解ける時間がきたか)

ヤムチャ「ちくしょうっ……! ちくしょうっ……! うるああぁぁっ!」グイッ


オー ! オーオー !

実況「ヤムチャは無理矢理ロレントの身体を抱え上げっ……! そして立ち上がりつつ、捻りを加えて捻りを加えて……!」

元「残された力を振り絞ってきたよっ!」


ヤムチャ「……離れろォォォ!」ズドーンッ

ロレント(ぐうぅぅっ……! くあぁっ……! 馴れないレスリングスタイルに付き合ってくれて感謝するぞ。ヤムチャァァ……!)


オー ! オーオー !

実況「そしてロレントの身体を叩きつけていくっ! マットへと打ち付けていくっ! まだ、ヤムチャは氏んではいないっ! 強引にロレントの身体を引き離しにかかるっ!」

955: 2016/08/24(水) 23:11:57 ID:tX.h3SsE
ロレント「ぐああっ……! くっ、くっ……」

ヤムチャ「はぁっ、はぁっ……マジで……冗談抜きで、ヤバい……」ムクッ


オー ! オーオー !

実況「そしてこれにより、ロレントの身体が外れたっ! 下からしがみついていたロレントの身体が外れたぁ! ここもヤムチャっ! 強引に引き離していったぁ!」

元「とりあえずは一安心だ」

実況「しかし、ヤムチャもかなり疲弊しているっ! ロープに手をかけ立ち上がってくるが、か~なり息があがっているっ!」


ケン「指示は聞かねぇわ、グラウンドではボコボコだわ……お前、何やってんだよ、馬鹿野郎っ……! もういいっ……!」パシッ

ヤムチャ「……んっ?」


オー ? オーオー ?

実況「あ~、しかしそんなヤムチャにエプロンサイドからケンが近づき、その背中にタッチですっ! エプロンサイドからヤムチャに触れていきますっ!」

元「そうだねっ! ここは一回交代した方がいいよっ!」


ケン「今日のてめぇ……とことんとことんマイナスだぞっ……!? わかってんだろなっ……!?」ギロリ

ヤムチャ(……マイナス)


オー、オーオー

実況「ここで切り替わってきますっ! 試合権が切り替わっていきますっ! さぁ、試合権はヤムチャからケンへと移りましたっ!」

元「ここからはね、ケン君に任せよう」

956: 2016/08/24(水) 23:16:35 ID:tX.h3SsE
ケン「さぁさぁ、いくぜっ……! 俺が流れを切り替えていかねぇとなっ! 今日のアイツはダメだっ……!」グイッ

ソドム「...Fuck ! 」


オー ! ケーン ! イケー !

実況「そしてケンがリングインっ……! あ~、いやしかしっ! ここでソドムが向かっていくっ! ケンへと向かっていくっ!」


ケン「てめぇは試合権持ってねぇだろっ……! すっこんでろっ……!」バッチーンッ

ソドム「...ugh ! 」ヨロッ


オー ! オーオー !

実況「しかしケンっ……! そぉ~んなソドムへと即座に打ち込んでいくっ! 胸元へと熱~い逆水平面チョップだっ!」

元「ケン君も出番はまだかまだかと待ちかねていた状況が続いていたからね。まぁ、ここはいくよ」


ケン「邪魔なんだよっ……!」ドスッ

ソドム「……ugh ! 」ヨロッ


オー ! オーオー !

実況「更には腹部へと膝蹴りっ! さぁ、ようやく出番の回ってきたケンっ! ここは一気にいきますっ!」

957: 2016/08/24(水) 23:22:03 ID:tX.h3SsE
ケン「そぉ~らっ……! 場外に帰りなっ……!」ググッ

ソドム「Oh...gag... ! 」ボトッ


オー ! オーオー !

実況「ケンは背後からソドムの首筋を掴み……おぉ~っと、そのままソドムの身体をロープ間へと捩じ込んでいく、捩じ込んでいくっ!」

元「うん、いいね」

実況「先ずはこの場面でソドムを処理しにいったぁ! さぁ、そしてソドムの身体が……場外へと落ちましたっ! リングからソドムの姿が消えましたっ!」


ダン「ソドムは場外だな、よし。って事は、ヤムチャっ! お前もエプロンに引っ込め引っ込めっ! 試合権は、今ケンだろっ! お前じゃねぇっ!」

ヤムチャ「はぁっ、わかりましたよ。下がります」

958: 2016/08/24(水) 23:27:13 ID:tX.h3SsE
ケン「ソドムはオッケー……次はロレントだな……」クルッ

ロレント「……次はケンか」ムクッ


イケー ! ケーン !

実況「さぁ、ソドムを場外っ……! リング下へ追いやったケンは続いてロレント方を見ますっ! そしてロレントもここで立ち上がってくるっ!」

元「うん」

実況「ヤムチャも下がり、リング上にはケンとロレントっ! ケンとロレントっ! そしてケンがロレントに向かっていきますっ!」


ロレント「……来い、ケン」スッ

ケン「……おっ?」


オー ? オーオー ?

実況「そして立ち上がったロレントっ……! おぉ~っと、ここは少し前屈みの体制になり、右腕を挙げその手をケンに伸ばすっ!」

元「今度は力比べか」

959: 2016/08/24(水) 23:32:15 ID:tX.h3SsE
ケン「俺はアイツみてぇにあっさりはいかねぇぞ……? 後悔するなよ……?」スッ


オー ! オーオー !

実況「そしてケンも同じような体勢になり、こちらは左手っ! 左手を高く挙げ、ロレントのその腕へと近づけていくっ!」

元「おっと、誘いに乗ってきたね」

実況「今日のロレントはあくまで正攻法っ……! 正攻法へと拘っていきますっ! さぁ、互いの腕が今触れ合いますっ!」


ロレント「隙ありだァァァ……! うるあァァァ……!」ズンッ

ケン「えっ……? うおっ、危ねぇっ……!」スッ


アー !? アーアー !?

実況「いやっ……! 待って下さいっ……!? 待って下さい、今両者の手が触れ合おうとした瞬間、ロレントがっ……! ケンの足を踏みつけにいこうとしましたよっ!?」

元「……ありゃ!?」


ケン「力比べ誘っておいてからの不意打ち……ほ~う……?」ギロリ

ロレント(昔の我輩はもう終わりだ。魔法は解けたのだ……ヤムチャからケンに変わったこの瞬間。ここからは今の我輩……現在の我輩を魅せる時だ……)ギロリ


エー !? エーエー !?

実況「ケンも慌てて足を引き、なんとか避けてはいったがっ……! あ~っと、どうしたロレントっ! ここで突然の不意打ちとでも言えばいいでしょうかっ!? ケンはそんなロレントを睨むっ!」

元「う~んっ……!」

960: 2016/08/24(水) 23:33:23 ID:tX.h3SsE
今日はここまで

961: 2016/08/24(水) 23:37:48 ID:9GLgBuIU


ヤムチャ、まずはお疲れ
冷静さを取り戻して、見せ場に備えてちょうだい
流石にメインで狼牙風風拳未遂だけでは終われないしな

962: 2016/08/24(水) 23:51:59 ID:WQvd42C2
乙!




次回に続く:ベガ「ダルシム君、私の四度目の防衛戦の件なんだが……」


 

引用: ヤムチャ「プーアル! プロレス団体でリベンジ戦だぞ!」