1: 2016/10/31(月) 22:01:32 ID:PiFH1TT.


ヤムチャ「プロレス団体から俺にオファーが来たぞ!」シリーズです
シリーズ一覧はコチラからどうぞ



前回:ガイ「ヤムチャ殿! 勉強会でござる!」


最初:ヤムチャ「プーアル! プロレス団体から俺にオファーが来たぞ!」





ミカ「うらうら、立て立てクソババアっ……! たぁ~っぷり苛めてやっからよぉ……!?」グイッ

ローズ「……あぁっ、もうっ!」ググッ


ローズ ! ローズ !

実況「そしてミカは引き起こしていくっ! 正座状態のローズの身体を引き起こして立たせていくっ! おっと、しかしここはローズもすかさず腰を落とし何とか堪えていくかっ!?」

元「おっと、堪えていってますねぇ」


ミカ「一丁前に抵抗してんじゃねぇっ……! 面倒臭ぇアバズレだなぁ、オイっ……! 喰らってろっ……!」ガスッ

ローズ「……うっ!」


アー、アーアー

実況「あ~っと、しかしミカっ……! そんな堪えているローズに対して……おっと、ここは胴回りから右腕を外して……そしてエルボーっ! 後頭部へと打ち込んでいくっ!」

元「あっと」
DRAGON BALL外伝 転生したらヤムチャだった件 (ジャンプコミックスDIGITAL)

5: 2016/10/31(月) 22:17:11 ID:PiFH1TT.
ミカ「どうぅぅらっ……! もう一丁だっ……!」ゴスッ

ローズ「……ガッ!」ヨロッ


アー、アーアー

実況「更に続けてっ……! 今度は左腕をも外し、そして両腕でローズの頭部を掴んでいくっ! おぉ~っと、そして打ち込んでいくっ! 後頭部へのヘッドバットだっ!」

元「……あたたたっ!」


ミカ「生意気に抵抗なんてするからこういう目に合うんだよっ……! てめぇは黙ってただただやられてりゃいいんだっ……! 直ぐに楽にしてやっからよぉ……!?」ガシッ

ローズ「……ううっ!」


ローズ ! ローズ !

実況「おっと、そして打ち込んでいったミカは……!? 身体を畳み、折り曲げっ……! 自身の肩をローズの腰に押し当てるようにしつつ、頭部と足に腕を伸ばしていくっ!」

元「あっ!?」


ナデシコ「いけいけ、ミカミカ、ゴーゴーゴーっ……! ぶっ飛ばしてやりなさいっ……!」

まこと「……ゴ、ゴーゴーゴー!」

6: 2016/10/31(月) 22:26:01 ID:PiFH1TT.
ミカ「こぉ~いつがプロレスだあぁっ……! てめぇらみたいなちゃちぃお遊戯じゃねぇっ……! そういうモンを見せつけてやるよおぉぉ……!」グイッ

ローズ「……うあっ!」ググッ


アー !? アーアー !?

実況「あ~っと、そしてそのままミカは抱え上げていくっ! ローズの身体を抱え上げていくっ! 自身の肩の上へと乗せていくように抱え上げていくっ!」

元「……バックブリーカーですねぇ!?」


ローズ「ああっ、ちょっとちょっとっ……! やらせはしないわよっ……!」バタバタ

ミカ「うおっ……! なんだてめぇっ……!? 暴れんじゃ……おっ、おおっ……!」ヨロッ


オー !? オーオー !?

実況「ここはミカっ……! アルゼンチン・バックブリーカーですっ! アルゼンチン・バックブリーカーの体勢でローズの身体を抱え上げて……あ~っ、いやいやいやっ……! ローズも抵抗していくかっ!? 抵抗していくかっ!? 大きく大きく足をバタつかせるっ!」

元「おっ、おっ、いいよいいよ」

7: 2016/10/31(月) 22:30:44 ID:PiFH1TT.
ミカ「チィッ、糞がっ……!」

ローズ「よっとっ……! ふう、危なかったわっ……!」シュタッ


オー ! オーオー !

実況「ここはローズは大きく大きく足をバタつかせ、そのままミカの背後へと降り立つっ! 逃れていくっ! さぁ、ローズは着地ィ!」

元「やっぱりああいう技を貰うってのはキツいからねぇ! うんうん、いいよいいよ」


春麗「いいわよいいわよっ! ナイスナイス、ローズっ!」

さくら「さぁ、反撃っすよっ!」


ミカ「面倒臭ぇ糞アマだなぁ、オイっ……! 嫌になっちまうぜっ……!」クルッ

ローズ「……そりゃこっちの台詞よっ!」クルッ


オー ! オーオー !

実況「さぁ、両者が背中合わせっ! しかし、ローズもミカもっ……! ここは両者、同時に振り返ってきたかっ!?」

8: 2016/10/31(月) 22:36:41 ID:PiFH1TT.
ローズ「打ち込むわよっ……!」ググッ

ミカ「黙ってろっ……! ヴィクトリーカウンターだあぁっ!」ドスッ


アー 、アーアー

実況「両者が向かい合う形となり……あ~っと、しかしここで先に動いてきたのはミカだっ! ミカだっ……! すかさずローズの腹部を蹴り上げるっ!」

元「あ~っと……ローズもいこうとしてたんだけどねぇ……ちょっとミカ君が早かったっ……!」


ローズ「……はうっ!」ヨロッ

ミカ「はぁ~!? なぁ~にが、打ち込むわよだ、ボケっ……! はぁ!? 容易くVカウンター決められてんじゃねぇよ、ボケっ……! だけど、腹蹴られただけで終わりと思うなよっ!? いくぜっ!」ガシッ


アー !? アーアー !?

実況「腹部を蹴られローズの身体が前のめりとなるっ……! あ~っと、そして更にミカは身体を反転させつつ、ローズの頭部を後ろ手で掴みっ! そして自身の肩へと押し付けるっ!」

元「……やべっ!」


ミカ「大股開きで倒れるアバズレ女の姿が見たい奴らは叫べっ……! ヘル・ヤーだっ!」シュタッ

ローズ「ううっ……あっ……!」


アー !? アーアー !?

実況「ミカはそのままローズの頭部を固定したたままっ……! おぉ~っと、飛び込んでいくっ! 前方へと飛び込んでいくっ!」

9: 2016/10/31(月) 22:42:56 ID:PiFH1TT.
ローズ「やかましいっ……! アンタが一人で倒れてりゃいいのよっ……! アタシはゴメンよっ……!」ググッ

ミカ「ピーチゲー……ん、んあっ……!? おっ……!?」スポッ


オー !? オーオー !?

実況「あ~っ、いやっ……! ここはローズっ……! 堪える堪える堪えるっ! 前方に飛び込んでいったミカではありましたが、その背中を押し出すようにしながら頭部を引き抜くっ! 頭部を引き抜くっ! スッポ抜いたぁ!」

元「お~! 堪えたかっ!?」


ミカ「うおっとっ……! なんだなんだなんだっ……!? またかよまたかよっ……! この糞アマ、またやってくれたぜ、おいおいおいっ……!」ドスッ

ローズ「アンタの活躍期待してるファンなんて誰もいないわ……一人寂しく叫んでなさいよ……ヘル・ヤーだったっけ……?」ササッ


オー、オーオー

元「いや~、今ミカ君はちょっと狙ってたねぇ! 危なかったよっ!」

実況「ここは狙っていったミカでしたが……ローズが堪えた堪えたっ! 落ちていったのはミカの身体だけっ! 不発に終わりましたっ! そしてミカは尻餅をつくっ……! そしてローズはそんなミカに狙いを定めながら少しばかり交代していくっ!」

10: 2016/10/31(月) 22:47:50 ID:PiFH1TT.
ミカ「てめぇこそ勘違いするんじゃねぇ、ボケっ……! ここにいる連中はてめぇみてぇな高飛車な女がボコボコにされてる姿を見て、イチモツおっ立てているんだよぉっ……!」ムクッ

ローズ「囀ずってなさいっ……! たああぁぁっ……!」ダダッ


オー ! オーオー !

実況「ミカは立ち上がってくるっ……! ミカは立ち上がってくるっ……! しかし、ローズっ……! そんなミカの起き上がりに合わせて背後から突っ込んでいくっ!」


ローズ「いくわよっ……! たああぁぁっ……!」ダダッ

ミカ「見えてんだよぉっ……! わかってんだよぉっ……! そろそろ大人しく眠っていて貰うぞっ……! うおおぉぉっ……!」クルッ


実況「あ~っとっ……! しかしミカっ……! ここは落ち着いてゆっくりと身体を大きく回転させながらっ……!?」

元「あっ、見えてるねぇ、コレっ!」


ミカ「その首刈らせてもらうぜえぇぇっっ……! ぶっ倒れろっ! ボオオォンっ!」ズガアァ

ローズ「んっ……!? あっ、きゃああぁぁっ……!」グルンッ


アー !? アーアー !?

実況「背後から突っ込んでいったローズっ……! あ~っと、しかしここはミカがゆっくりと身体を半回転させっ……! 遠心力をつけてのっ……! おぉ~っと、ラリアットォ! カウンターで打ち込んでいくっ!」

元「あ~っとっ!」

実況「これは決まったかっ!? これは決まったかっ!? カウンター気味に完全に決まったかっ!? あ~っと、ローズの身体が浮き上がっていったぁ!」

11: 2016/10/31(月) 22:53:42 ID:PiFH1TT.
ローズ「うっ、ああっ……! くああぁぁっ……!」ビターン

ミカ「へへへ、ようやく動きが止まったな」


アー !? アーアー !?

実況「ローズの身体が一回転っ……! あ~っと、一回転してそのままうつ伏せにマットへと落ちたぁ! あ~っと、ここはミカっ! カウンターのラリアットォ!」

元「あ~、う~んっ……! ちょっとミカ君の仕掛けを上手く切り返し続けてたからねぇ……この一撃は痛いねぇ」


ナデシコ「鰯ヶ浜女子プロレスと、こんな糞団体……格が違うのよっ! さぁさぁ、その目によく焼きつけなさいっ!」パンパン

まこと「うんっ……! う、うんっ……!」ググッ


アー、アーアー

実況「カウンター気味の強烈なラリアットが完全に決まったかっ!? あ~っと、ローズは首を刈られたっ! エプロンサイドのナデシコも大きく大きく手を叩いていますねぇ!?」

元「う~ん、そうだねぇ……」

12: 2016/10/31(月) 22:59:35 ID:PiFH1TT.
ミカ「おぉ~っと、勿論これで終わりじゃねぇぞぉ……!? ほ~らほらほら、続けていくぜっ……!」ググッ

ローズ「ううっ……く、くっ……!」ゴロンッ


ローズ ! ローズ !

実況「あ~っと、そして続いてミカっ!? ダウンしているローズを近づき腰を屈め……おっと、うつ伏せのローズの身体を反転させ、仰向けへとしたっ! おっと、そしてローズに背を向けていくっ!」


ミカ「てめぇみてぇな三流以下のゴミ虫がっ……! ファンを満足させる方法つったらよぉ……!? プロレスごっこじゃねぇよなぁ……!? てめぇが何をするべきかは、も~うとっくにわかってるよなぁっ……!?」ガシッ

ローズ「……ううっ」


アー ? アーアー ?

実況「ミカはローズに背を向けたまま、おっと付近のトップロープを掴み、そしてセカンドロープへと両足をかけるっ! ローズに背を向けたままセカンドロープへと昇るっ! そして大きく身体を揺さぶり、ロープを振っていますっ!」

14: 2016/10/31(月) 23:05:02 ID:PiFH1TT.
ミカ「売女っつうのは、こういう事だけしてりゃあいいんだよっ……! うるぁっ! 舐めろっ……! てめぇはケツ穴を舐めろっ……!」シュタッ

ローズ「ううっ……あっ、あっ……! ガッ……!」ドスッ


アー !? アーアー !?

実況「あ~っとっ! そしてミカっ……! そのままセカンドロープから勢いよく飛び降りつつ……おぉ~っと、ローズの顔面へと落ちるっ! 乗っていくっ! 座り込んでいくっ! ローズの顔面へと尻から落ちるっ!」

元「うわ~っ! あ~、あ~、あ~っ!」


ミカ「キス・マイ・アァァァスっ……! うるぁうるぁ、どうしたどうしたっ……!? もっと気合い入れて音立てて舐めてみやがれ、この野郎っ……! ちゅぱちゅぱ音鳴らせっ! この糞アバズレがっ!」フリフリ

ローズ「ぐっ……ぐっ……!」モガモガ


ブー、ブーブー

実況「ミカはローズの顔面へと座り込みっ……! あ~っと、そして顔面へと尻を押し付けるっ! 尻を押し付けているゥ!」

元「スティンクフェイスですねぇ……あ~、あ~、あ~っ……!」


ミカ「しっかり舌伸ばせっ……! 奥まで舐めろっ……! 奥まで舐めるんだよぉぉ!? ほぉぉら、綺麗に掃除してもらおうじゃねぇか、ああっ!?」フリフリ

ローズ「ああっ……! くっ……くっ……くっ……!」モガモガ


ブー ! ブーブー !

実況「ミカは腰を振っているっ……! 腰を振っているゥ! ローズの顔面に尻を押し付け……おぉ~っと、腰を左右に振っているゥ!」

元「こういうのはねぇ……あ~、あ~、あ~、あ~……」

15: 2016/10/31(月) 23:11:39 ID:PiFH1TT.
天津飯「……」

餃子「……」

ランチ「……あらあら」

天津飯「……」チラッ

餃子「……」

ランチ「……あらあらあらあら」

天津飯「え~っと、確か飲み物の引換券があったよな……? 喉とか渇かないか……? 大丈夫か……?」

ランチ「あっ、大丈夫ですわ。それに飲み物は最後に使うって言ってませんでしたっけ……?」

天津飯「お、おう……そうか。そうかそうか……それならいいんだが、う~ん……」

ランチ「あらあらあらあら……あらあらあら……」

天津飯「……う、う~ん」

餃子「……」

16: 2016/10/31(月) 23:17:19 ID:PiFH1TT.
ミカ「見てみろ、大喜びだぞ、おぉいっ! こぉぉいつはいつもこういう事やってんだよっ! これがこの糞女の本性だっ……! てめぇらも後でコイツに舐めて下さいって声かけてみろっ……! 大喜びでやってくれっからよぉっ!?」フリフリ

ローズ「ガッ……ガッ……! こんの糞アマァァっ……!」モガモガ


ブー ! ブーブー !

元「単旬に呼吸が止まって苦しいなんて問題じゃないんですよ。こういうのは本当に屈辱的でねぇ……!? うんっ!」

実況「足蹴ではなく、尻蹴とでも言えばいいでしょうか!? ましてや他団体の人間にこのような事をされてしまってはっ……! あ~っと、ここで場内もブーイングをするっ!」

元「そりゃ場内だってねぇ、こ~んな屈辱的な事されていい気分な訳がないじゃないっ!?」


春麗「ふざけてんじゃないわよ、あの糞アマっ……! も~う、許さないっ……!」ダダッ

さくら「……ぶっとばすっすよっ!」ダダッ


オー !? オーオー !?

実況「あ~っと、いやっ……! ここで春麗とさくらっ……! リングに雪崩れ込んでいくかっ!? 雪崩れ込んでいくかっ!?」

元「当然ですっ!」

24: 2016/11/01(火) 22:00:39 ID:zPbaT0cc
さくら「大概にしておくっすよっ……!」ドンッ

春麗「臭いケツ乗っけてるんじゃないわよっ……!」ドンッ

ミカ「……うげっ!」ヨロッ


オー ! オーオー !

実況「リングに雪崩れ込んだ両者っ……! ここは同時にミカの背中を突き飛ばすっ! 突き飛ばしていくっ! おぉ~っと、それによりミカの身体が前のめりに落ちるっ!」

元「お~しおしおし……あっ、いやっ……!」


ナデシコ「おいおい、水差してんじゃないよっ……! そいつは喜んでるんだよ。見てわかるじゃないか。そういう事するならこっちも黙っていられないねぇ……! まこと、行くよっ……!」ダダッ

まこと「……んだっ!」ダダッ


アー !? アーアー !?

実況「あ~っと、しかしそちらが動くのであればこちらもと言ったところでしょうかっ!? ここでナデシコとまことっ……! ナデシコとまこともリングへと雪崩れ込んできましたよっ!?」

元「う~んっ……! まぁ、動いてくるかっ!?」

25: 2016/11/01(火) 22:06:36 ID:zPbaT0cc
ミカ「……う、ううっ! 楽しくやってる所を突き飛ばしやがってちくしょうっ!」ムクッ

さくら「……どうやら、あちらさんもやってきたようっすねぇ!?」

ミカ「オイコラ、何処見てやがるっ……! 人に喧嘩売っておいて明後日の方見てんじゃねぇぞゴラァっ……!」ドスッ

さくら「えっ……!? ぐっ……!」ヨロッ


アー !? アーアー !?

実況「あ~っと、あっと待って下さいっ……! ここでミカっ……! 突き飛ばされたミカではありましたが直ぐ様起き上がり、そして付近にいたさくらの方を振り向き、そしてトーキックっ! 腹部に蹴りを打ち込んでいきますっ!」

元「あらっ……!?」


春麗「えっ、ちょっとさくらっ……!? アンタ……」チラッ

まこと「……チェストオォォっ!」ドスッ

春麗「……あぐっ!」ヨロッ


アー !? アーアー !?

実況「あ~っと、春麗にはまことが突っ込んでいき……あ~っと、そして正拳突きですっ! 腹部に正拳突きを打ち込んでいったぁ!」

元「あ~っと、一瞬ミカ君とさくら君の方、気にしちゃったねぇ」

26: 2016/11/01(火) 22:13:57 ID:zPbaT0cc
ミカ「売られた喧嘩は勿の論、買わせてもらうぜこんにゃろうっ……! オラオラ、もっとだだっ広い所でやろうぜっ!? 場外だっ! 場外戦だっ!」ガシッ

さくら「……くっ!」

まこと「おまんは試合権を持っちゃせんっ……! 場外にいやーっ……!」ガシッ

春麗「……お、おまんっ!?」


実況「ミカはさくらの首筋に腕を回し……あ~っと、そしてその身体をロープ際へと運んでいっておりますっ! お~っと、そしてまことっ……! まことは春麗の身体を同じように運んでいるっ!」

元「あ~っと、ちょっとこれは鰯ヶ浜女子プロレスサイドに制圧され気味かなぁ~?」


ダン「落ち着け落ち着け、おいおいっ……! 試合権のねぇ奴は下がれっ……! 試合権のねぇ奴は下がれってのっ……!」

ローズ「はぁっ、はぁっ、はぁっ……おえっ……おえっ……臭っ……ううっ、臭っ……」ゴロンッ

ナデシコ「雪崩れ込んできた春麗とさくらは……よしっ……! それなら私はこっちだなっ……!」チラッ

27: 2016/11/01(火) 22:20:53 ID:zPbaT0cc
ミカ「うらうらぁ! 落ちろ落ちろっ……! てめぇにゃ場外で綺麗に綺麗にお掃除してもらうからよぉ……!?」ググッ

さくら「ううっ、くそっ……!」ボトッ

まこと「……場外に帰っちょきっ!」ググッ

春麗「あぁっ、くっ……!」ボトッ


アー ! アーアー !

実況「そして春麗とさくらの身体をロープ間から場外へと落としていくっ! 落としていくっ! あ~っと、ここは鰯ヶ浜女子プロレスサイド側が制圧だぁっ! おっと、更にミカは追っていくっ! 場外へと追っていくっ! まことも追っていきますっ!」


ナデシコ「まことっ……! 場外はミカに任せればいいわっ! アタシ達はこっちよっ!」ガシッ

ローズ「……うあっ!」

まこと「……んだっ!」チラッ


実況「あっ、いやっ……! まことは止まりますねぇ!? 場外に追っていく事はせず、リング内へと止まりますっ! おぉ~っと、そしてナデシコっ! こちらもリング上で何やら企んでいるぞぉ!?」

元「……あらっ!?」

実況「リング上のナデシコっ……! こちらはうつ伏せ状態のローズの腰の上へと両膝を折り畳み正座で乗っていくっ! お~っと、更に上から手を伸ばし下にいるローズの首と足っ……! それぞれ腕を伸ばしていくっ!」

28: 2016/11/01(火) 22:30:18 ID:zPbaT0cc
ナデシコ「年寄りには効く技なのよねぇ、コレ。さぁ、いくわよっ……!」ゴロンッ

ローズ「くっ……! あっ、ああっ……!」ググッ


アー ! アーアー !

実況「あ~っと、そしてナデシコはローズの身体を固定したまま、後方へと転がるっ! 自身の背中をマットへとつけていくっ! そして自身の身体の上っ……! 折り畳んだ両膝の上にローズの身体を固定し……おぉ~っと、その身体を弓のようにしならせていくっ!」

元「ボー・アンド・アローっ……! 弓矢固めですねぇ!?」

実況「ここはボー・アンド・アローっ……! 弓矢固めっ……! あ~っと、ローズも捉えられますっ……! おっと、そしてそんな捉えられいるローズへとまことが近づいていくっ!」


まこと「ん~っ……! てやっ……! てやっ……!」ドスッ

ローズ「くあっ……! くあっ……!」

ナデシコ「そうそう、アタシは下から……そして、まことは上からよっ……!」


アー !? アーアー !?

実況「あ~っと、そしてまことは捉えられているローズっ……! ローズの腹部へと両腕を降り下ろしていくっ! スレッジハンマーを打ち込んでいますっ!」

29: 2016/11/01(火) 22:36:56 ID:zPbaT0cc
ダン「だぁ~っ! 試合権のある奴は場外に行っちまうし……試合権のねぇ奴はリング上で暴れてやがるし……てめぇら、俺にケチつけれるような立場なのかっ!? あぁっ!?」

ナデシコ「遠慮するのが一番失礼で、無礼な事なのよっ……! さぁ、まこと……! 打つのよっ……! こいつらはこの程度で終わるような連中じゃないでしょっ……!?」ググッ

まこと「ん~、んだっ……! んだっ……!」ドスッ

ローズ「くっ……くっ……!」


ブー、ブーブー

実況「あ~っと、リング上ではローズが二人がかりっ……! ナデシコに捉えられ、まことに打ち込まれっ……! ローズが捕まっているっ! 捕まっているっ!」

元「これはねぇ、出来るだけダメージを与えておこうって魂胆でしょうねぇ。今、ナデシコ君は試合権を持ってないからギブアップは取れないんだ……でもこうやって二人がかりでガンガンやってるダメージってのは抜けないからね?」

実況「あ~っと、少しローズにピンチが続いていると言ったところでしょうかねぇ!?」


春麗「だからうちのリングを荒らすんじゃないのっ……! あ~、あ~、本当ムカつくっ……!」ズザーッ


オー !? オーオー !?

実況「あ~、いやっ……! 待って下さいっ……! ここで春麗が戻ってきましたっ! 戻ってきましたっ! サードロープ下から滑り込み、リングへと戻ってきましたっ!」

元「あっ、いいタイミングですねぇ!? 流石のミカ君もやっぱり一人でさくら君と春麗君を抑えておくなんて事は無理でしょうからね!? ここはリングに戻っていかないと!」

実況「さぁ、春麗は立ち上がり、掴まっているローズの元へと突っ込んでいくっ!」

30: 2016/11/01(火) 22:44:32 ID:zPbaT0cc
春麗「いつまでやってるのよっ……!? 邪魔なのよっ……! このおぉっ……!」ドンッ

まこと「……うあっ!」ヨロッ


オー ! オーオー !

実況「そして春麗っ……! 先ずはまことを突き飛ばすっ……! ローズに向けて両腕を降り下ろし続けているまことを突き飛ばしていくっ!」

元「よ~しよしっ……!」


春麗「アンタもっ……! アンタもっ……! 邪魔なのよ、このっ……!」ドスッ

ナデシコ「くっ、戻って来たのかっ……!? ぐぎゃっ……!」

ローズ「う、ううっ……あっ、ふうっ……」ボトッ


オー ! イイゾー ! チュンリー !

実況「更には続けてっ……! ローズを捉えているナデシコの顔面ですっ……! 顔面を踏みつけていきますっ! おぉ~っと、こいつは強烈な一撃かぁ!? そしてこれにより、ナデシコの腕が外れローズの身体がその膝上から落ちましたっ!」

元「お~し、なんとかここは助かったか」

31: 2016/11/01(火) 22:54:37 ID:zPbaT0cc
ミカ「おいおい、何やってんだよ、糞アマがっ……! レスラーぶって暴れてんじゃねぇぞ、この糞ボケェェっ!」ズザーッ


アー !? アーアー !?

実況「あ~っ! いやしかし、ここでミカも戻って来たかっ!? 戻って来たかっ!? あ~っと、サードロープ下からリングへと滑り込んできますっ!」

元「あららっ……! こっちも……嫌なタイミングで戻ってきたねぇ……!?」


ミカ「まことおぉぉっ……! そこ邪魔だっ……! 端っこ寄ってろっ……! ロープの方に行ってろっ……! 邪魔だああぁぁっ!」ダダッ

まこと「あっ、はいっ……!」ササッ


アー ! アーアー !

実況「戻ってきたミカっ……! リングに戻ってきたレインボー・ミカっ……! おぉ~っと、そしてミカは突っ込んでいくっ! 春麗へと突っ込んでいくっ!」


ローズ「ううっ……はぁっ、はぁっ……助かったわ、春麗……」ムクッ

春麗「話は後っ……! 一番いけ好かない奴が向かって来てるみたいっ……!」クルッ

32: 2016/11/01(火) 23:02:07 ID:zPbaT0cc
ミカ「糞王者の顔面がぶっ潰れるその瞬間をその目に焼きつけろっ……! おぉっしゃ、いくぜっ……! おおぉぉっ……!」ググッ

春麗「来てるっ……! けど、当然見えてるわっ……!」シュタッ


オー !? オーオー !?

実況「突っ込んでいったミカは大きく腕を振り……あっ、いやっ……! ここは春麗っ……! そんなミカの動きに合わせていくかのように、身体を沈み込ませマットへと伏せるぞっ!?」

元「おっ、見えてるっ!」


春麗「残念ねっ……! そのまま倒れなさいっ……!」ガシッ

ミカ「うおっ……! なんだとっ……!? お、おおっ……!」グラッ


オー ! オーオー !

実況「マットへ伏せた春麗はそこから両足でミカの太腿を挟み込むっ! 動きをストップさせるっ!」

元「カニ挟みだっ!」

実況「カウンターでのカニ挟みっ! カニ挟みですっ! ミカの勢いが殺され、そのままミカは前のめりに……あ~っ! おぉ~っと、おぉ~っとっ!」


ローズ「はぁっ、はぁっ……手伝うわ、春麗……糞王者の顔面潰す事……手伝ってあげる……」スタッ

ミカ「ちっくしょ……えっ、膝……? おいおい、待て待て待てっ……!? おいおいおい……ぐぎゃあああぁぁっ……!」ズガアァ


オー ! オーオー !

実況「ローズもっ……! ローズも片膝を立てて待っているっ……! そして前のめりに倒れたミカはそんなローズの膝へとっ……!? おぉ~っと、顔面から倒れ込んでいったぁ! ミカの顔面へとローズの膝が食い込みますっ!」

元「お~っ! ナーイスアシストっ!」

33: 2016/11/01(火) 23:08:49 ID:zPbaT0cc
ミカ「あがががっ……! くそっ……! くそくそくそくそおぉっ……!」モガモガ


オー ! オーオー !

実況「強烈な一撃っ……! 強烈な一撃ですっ……! あ~っと、流石のミカも顔面を押さえ、悶え苦しんでおりますっ!」

元「突っ込んでいった勢いが、そのままカウンターになっちゃったからねぇ。しかも顔面に」


まこと「……ミカさんっ!」ササッ

さくら「おぉ~っと、何処行くんすかっ……!? 試合権がない者同士、場外で仲良くやってましょうよ!」シュルッ


オー ! オーオー !

実況「あっとしかし、そんなミカの姿を見てまことも……あっ! いやっ、ここはさくらだっ! さくらがエプロンサイドへと飛び乗り、そこからスリーパーホールドっ! ロープ越しにスリーパーホールドを仕掛けまことの動きを止めていくっ!」

元「さくら君も、いいよいいよ。ナイスアシストだっ!」


さくら「……さぁさぁ、場外に降りてもらいますよっ!」

まこと(はぁっ、はぁっ……忘れちょった……危ない、危ない……)

34: 2016/11/01(火) 23:14:15 ID:zPbaT0cc
ナデシコ「ウチのミカにやってくれるじゃない……くそっ……!」ムクッ


実況「しかし、まことはさくらが封じているが、ナデシコっ……! ナデシコはまだリング上に生きていると言ったところかっ!? おっと、ナデシコは立ち上がってくるっ!」

元「でも、春麗君がいるからっ……! うんっ……!」


春麗「……次はコイツね。とっととリング外に放り出しましょう」

ローズ「ふう、協力するわ……春麗……」ムクッ

ナデシコ「ちょっと待て待て……二体一は……聞いてない、聞いてない……それは、聞いてないぞ……?」


オー !? オーオー !?

実況「あ~っと、しかし春麗っ……! そした立ち上がったローズっ! おっと、ここは二人ががりでナデシコへと近づいていくっ! 近づいていきますっ!」

元「そうですね。一時的にではありますが、二体一の状況なんですからね。ここは有効利用していかないと」

42: 2016/11/02(水) 22:01:06 ID:Fyigp2Og
春麗「……やかましいっ!」ドスッ

ナデシコ「……おぐっ!」ヨロッ

ローズ「アタシに散々二人がかりで仕掛けてきたじゃない……今更何言ってんのよ……」ガシッ


オー ! オーオー !

実況「さぁ、そして春麗とローズは同時にナデシコの腹部へと蹴りを打ち込んでいくっ! おぉ~っと、そして左右から挟み込むようにナデシコの頭部を脇下へと抱え込んだぁ!」

元「おっ」


春麗「二人がかりでいくわよっ……!せぇ~のっ……!」ググッ

ローズ「喰らって消えてなさいっ……! たああぁぁっ……!」ググッ

ナデシコ「う、うおおっ……! くああぁぁっ……!」ズドーンッ


オー ! オーオー !

実況「二人がかりでナデシコの身体を真っ逆さまへと抱え上げっ……! そして後方へと落としていくっ! 叩きつけていくっ!」

元「二人がかりで仕掛けてきました。ツープラトン・ブレーンバスターです」


ナデシコ「ぐあっ、ぐあっ……ああっ、くそっ……!」ゴロゴロ


実況「ナデシコが背中からマットへと叩きつけられていくっ! 打ち付けられていくっ! おぉ~っと、そしてナデシコはこいつを喰らい場外へとエプケープしていくかっ!?」

元「おっと、いいですね」

43: 2016/11/02(水) 22:09:27 ID:Fyigp2Og
春麗「まこと……は、さくらが抑えてるわね。という事は……」グイッ

ローズ「次は……レインボー・ミカねっ! さぁ、立つのよっ!」グイッ

ミカ「アガガ……くっ、あ~っ……なんだなんだなんだ……」ググッ


オー !? オーオー !?

実況「おぉ~っと、更に春麗とローズは立ち上がり、そして今度はミカっ……! ミカへと近づいていき、その身体を引き起こしていくっ! 二人がかりで引き起こしていくっ!」

元「うんうん、いいよいいよ。まだまだ優位な状況は続いています」


春麗「それじゃあ、アンタにもっ……!」ブンッ

ローズ「二人で仕掛けていくわっ……! それっ……!」ブンッ

ミカ「おっ、おおおぉっ……!」ダダッ


オー ! オーオー !

実況「二人がかりでミカの身体をロープ方向へと押し込み押し込みっ……! ミカの背中をロープに押し付けて反動をつけるっ……! そ~してミカを振り投げていくっ! 逆方向のロープへとその身体を振り投げていったぁ!」

元「よ~しよし。続けていきましょう」

実況「さぁ、春麗とローズは足並み揃えてリング中央へと歩みを進めるっ! そ~して、その場でミカを待つ!」

44: 2016/11/02(水) 22:16:29 ID:Fyigp2Og
ミカ「しゃらくせぇんだよおぉっ……! ゴミ二人にこのミカ様がやられると思ってんのかっ!? 二人纏めてぶっ飛ばしてやるっ……!」ググッ


オー ! オーオー !

実況「さぁ、ミカの身体がロープの反動を受け、そして戻ってきたぁ! そんなミカにリング中央で狙いをつけている春麗とローズっ!」


春麗「それじゃあ、いくわよっ……! いいわねっ……!?」ガシッ

ローズ「わかってるわよっ……! 一々指図しなくてもいいのっ……!」ガシッ

ミカ「そぉぉら、カウンターっ……! って、おっ……!? おおっ……!?」ググッ


オー ! オーオー !

実況「そして返ってきたミカの足っ……! 両者が同時に掴みかかっていくっ! 春麗は右足を抱えたっ……! ローズは左足っ……! そのまま両者がミカの身体を持ち上げ持ち上げっ……!」


春麗「そぉらっ……! 喰らってなさいっ……!」

ローズ「……もう一度、その顔面よっ!」

ミカ「うおおぉっ……! おっ、おっ……! んぎゃああぁぁっ……!」ビターンッ


オー ! オーオー !

実況「二人は後方へと倒れ込みつつ、抱え上げたミカの身体を顔面からっ……! 顔面からマットへと叩きつけていきますっ!」

元「おぉ~っと、ツープラトンのフラップジャックですねぇ!? お~、お~、ミカ君ガンガン顔面いかれてるよ」

45: 2016/11/02(水) 22:21:48 ID:Fyigp2Og
春麗「アタシはあっちっ……! アンタはそこで押さえておくのよっ……!」ダダッ

ローズ「だから一々指図しなくてもいいのよっ……! そういうリーダーシップはやめて頂戴っ……!」ゴロンッ


オー !? オーオー !?

実況「さぁ、ツープラトンのフラップジャックっ! 春麗とローズのツープラトンっ! あっと、待って下さいっ……!? 春麗は立ち上がり、そのまま正面のロープへと走るっ!」

元「お~っと、ここから更にいくのかっ……!?」


ローズ「本当、アイツは自分大好きな女ね……まぁ、コイツ程ではないけどね……」ガシッ

ミカ「アガガガ、うおっ……! あぐっ……!」


オー !? オーオー !?

実況「おぉ~っと、そしてローズもっ……! ローズも起き上がり、うつ伏せにダウンしているミカの背中の上っ……! 腰の上へと乗っていくっ! そしてミカの顎へと腕伸ばし……おぉ~っと、上体をエビ反り状へと反らしていくっ!」

元「お~お~、こっちも仕掛けてきたね。キャメルクラッチっ!」


春麗「……さぁて、アタシも急がなくっちゃねっ!」ググッ


オー ! オーオー !

実況「さぁ、そして春麗がロープの反動を受け戻ってきたっ……! しかし、春麗は一度素通りしていくっ! ミカにキャメルクラッチを仕掛けているローズの脇を一度素通りっ……! ここはもう一度ロープの反動を受けに向かうっ!」

元「正面から……だねっ……!」

46: 2016/11/02(水) 22:39:21 ID:Fyigp2Og
春麗「……それじゃあ、いくわよっ!」ググッ


オー ! オーオー !

実況「さぁ、再び春麗がロープの反動を受けたぁ! そして正面からっ……! ローズによって上体を大きく大きく反らされているミカの正面から向かっていくゥ!」


ローズ「派手で美味しい役はいつも自分の物……あ~、あ~、ヤダヤダ……アンタの悪い所、今凄く出てるわよ……?」

春麗「何言ってんのよ、フィニッシュを譲ってあげてるじゃないっ……!? 美味しい部分はアンタよっ……! はああぁぁっ……!」ズガアァ

ミカ「てめぇら、アタシを無視してブツブツブツブツ……あっ、うおっ……!? だぐううぅぅっ……!」ガクッ


オー ! オーオー !

実況「そして低空で飛び込みつつ、ミカの顔面っ……! 顔面へと両足を打ち込んでいくっ……! 低空のドロップキックを打ち込んでいったぁ!」

元「いいのが決まったねぇ!? 結構勢いついてたからねぇ!?」

実況「こ~いつを喰らい、ミカの上体がガックリとマットへと落ちるっ! ガーックリとマットへと落ちるっ!」

47: 2016/11/02(水) 22:47:22 ID:Fyigp2Og
ローズ「どうだかどうだか……まぁ、いいわっ……! それじゃあ、終わりにするわよっ……! たああぁっ……!」ググッ

ミカ「ううっ、うっ……うおっ……! あぐぐぐぐぐっ……!」


オー !? オーオー !?

実況「あ~っと、更にそんなミカの腰の上へと乗っているローズっ……! ガックリ落ちたミカの上体っ……! その喉へともう一度腕を回し……おぉ~っと、持ち上げていくっ! もう一度ミカの上体を大きく大きくエビ反り状へと反らしていくっ!」

元「キャメルクラッチっ……! さぁ、どうだっ!?」


ローズ「レフェリー、レフェリー……ほらほら、言うわよ言うわよ……? ギブアップって言うわよ……? ほらほら、確認してあげなさい!」ググッ

ダン「おい、どうするっ……!? ギブアップかっ……!?」

ミカ「アガガ、ふざけんじゃねぇっ……! ノーだっ……! ノーっ……!」


オー !? イイゾー ! ローズ !

実況「おぉ~っと、そしてローズは先程よりも急角度で反らしていくっ! おぉ~っと、ミカの身体が90度っ! 90度っ! 上体がほぼ完全に持ち上がっているっ! おぉ~っと、これはどうだどうだどうだっ!?」

元「お~お~っ! きっつい角度っ!」

48: 2016/11/02(水) 22:59:00 ID:Fyigp2Og
まこと「ミカさんっ……!」モガモガ

さくら「ダ~メっ……! いかせませんよっ! あ~、それとまことさんっ……!」ガシッ

まこと「……んっ!?」

さくら「え~っとね……あの……あの……」ボソボソ


ローズ ! ローズ !

実況「これはローズっ……! 決めにいっても見てよろしいですよねぇ!?」

元「そうですねっ! こりゃ決めにいってますよっ!」

実況「ローズが決めにいっているっ! 急角度のキャメルクラッチっ! さぁ、レフェリーがミカに確認をとりますっ! その口からギブアップの声が漏れるかっ!? さぁ、これにはまことも大慌てではありますが……そこはさくらっ……! さくらが捕まえていますっ!」


ナデシコ「くそっ……! やらせはしないぞっ……!」シュタッ

春麗「あらあら、また戻ってきたの……? でも残念ね……」ダダッ


実況「あっ……! いや、しかしナデシコが戻ってきたかっ!? ナデシコが戻ってきたかっ!? 今、エプロンサイドへと飛び乗りますっ!」

元「いやっ……! 春麗君がいったぁ!」


春麗「はい、残念っ……! お外で指加えて眺めてなさいっ……! アンタの所の大将が堕ちる所をねっ……!?」ドスッ

ナデシコ「く、くっ……! う、うおっ……!」ボトッ


オー ! オーオー !

実況「あ~っと、そこは春麗っ……! 即座にナデシコへと向かっていき、そしてドロップキックっ! 突き刺していくっ! ナデシコの身体をもう一度場外へと落としていくっ!」

元「いいじゃんいいじゃん、ナイスナイスっ!」

49: 2016/11/02(水) 23:07:10 ID:Fyigp2Og
ローズ ! ローズ !

ローズ「意地張った所でいい事なんて何もないわ……ほらほら、早い所ギブアップしちゃいなさい……」

ミカ「アガガガっ……! ガッ、ちくしょうっ……! ガッ、ちくしょうっ……!」

ダン「ヘイ、どうするんだオイっ!? ギブアップかっ……!? ギブアップするのかっ!?」


ロ・ー・ズ ! ロ ・ー・ズ !

実況「春麗はナデシコを追うようにエプロンサイドへと移動していくっ! さぁ、まことも抑えられたっ! ナデシコも抑えられたっ! そしてリング上ではミカが急角度っ!」

元「大チャンスですよっ!? これ、ギブアップ取れるんじゃないのっ!?」

実況「さぁ、出るのか出るのか出るのかっ!? ミカの口からギブアップの一言が出てしまうのかっ!? レフェリーが確認をとりますっ! さぁ、そして場内からはここで決めてしまえと言わんばかりのローズコールですっ!」


まこと「ううっ、ああっ……! こんのぉ~っ……!」ドスッ

さくら「あっ、ぐっ……! し、しまったっ……!」


実況「あ~っ、いやいやいやっ……! まことだっ……! ここはまことっ……! さくらの腹部へと肘を打ち込んだかっ!? さくらの腕が外れましたっ!」

元「……あっとっ!」

実況「まことがさくらを振りほどいたぁっ! そしてまことは向かっているっ! ミカを捉えているローズの元へと向かっていくっ!」

50: 2016/11/02(水) 23:14:37 ID:Fyigp2Og
まこと「……ミカさんをラーメンにゃさせやーせんっ!」ドンッ

ローズ「えっ……? フフ……ちょっとっ……!」ボトッ


アー !? アーアー !?

実況「あ~っと、そしてまことがローズの身体を押し倒すっ……! 押し倒していくっ……! あ~っと、ここはまことのカットだっ!」

元「あ~っ、惜しかったねぇ……!?」


まこと(言われた通りの事を言ってカットをしたけど……ラーメン……? なき、ラーメン……?)

さくら「ロ、ローズさんごめんなさいっ……! 今のは自分のミスっすっ……! ごめんなさいっ……! ごめんなさいっ……!」ダダッ


実況「あ~っと、そしてさくらっ……! 慌ててリングに入ってきますっ……! そしてまことの首筋をつかんでいくっ……!」

元「まぁ、結構頑張って抑えていたんですけどねぇ……? う~ん、やっぱりそこまで長時間封じ込めていられているかっていったらねぇ!?」


さくら「へへ、ローズさんマジでごめんなさいっ……! 今度はしっかりと場外で抑えておきますっ! さぁ、こっちっすよっ!」グイッ

まこと「……うあっ!」ボトッ

ローズ(あ~、さくらちゃんなのね……何、下らない事仕込んでるのよ……ちょっと笑っちゃったじゃない……)ギロリ


実況「さくらは慌ててまことの身体をロープ方向へと押しやり、あ~っと、再び場外へと出していくっ! ローズは少しそんな抑えておけなかったさくらの方を見ているかっ!?」

元「まぁ、決まりはしなかったけど、ダメージは確実に蓄積されてますよ。だからここは、気落ちしないでいこうっ!」

51: 2016/11/02(水) 23:20:20 ID:Fyigp2Og
春麗「ローズっ……! アンタも結構疲れてるんじゃないっ!? ここは一度交代しましょうっ!」スーッ


オー !? オーオー !?

実況「あ~っと、そしてここでエプロンサイドにいた春麗っ……! そのまま自軍コーナーの方へと移動して、そこから手を伸ばしておりますっ! 大きく大きく腕を伸ばしていますっ!」

元「おぉ~っと、これは」

実況「これは交代を求めていますねぇ!? エプロンサイドから春麗がっ……! ローズに向かって交代を求めていますっ!」


ローズ「全くさくらちゃんったら……ふう、気を取り直して……はいはい、わかりましたわかりました。それじゃあ、そろそろ交代してあげましょうかね?」パシッ

春麗「さて……アタシの出番よっ……!」パシッ


オー ! オーオー !

実況「ローズは立ち上がり……おぉ~っと、そしてそんな春麗へと元へと向かうっ! 向かっていくっ!」

元「まぁ、ローズ君も結構戦ってたからねぇ。このタイミングは悪くない」

実況「さぁ、そしてローズと春麗の手が触れるっ! ここで試合権が移りますっ! 試合権はローズから移って春麗へっ!」

66: 2016/11/03(木) 22:01:29 ID:APGxCv.g
春麗「終わらせるわよっ……! レインボー・ミカっ……!」ガシッ


オー ! オーオー !

実況「さぁ、春麗っ……! おっと、ここは先ずコーナーポストへと昇っていきますっ! エプロンサイドから直接コーナーポストへと昇っていきますっ!」

元「そうだね。大きいのが狙える時に狙っていく……うん、いいよいいよ」


春麗「……いくわよっ!」シュタッ


オー ! オーオー !

実況「コーナーポスト上へと昇りきった春麗っ……! さぁ、そしてそこから狙いを定めっ……! ミカへと飛び込んでいったあぁぁっ!」


春麗「ローズが痛めつけてくれてたからねっ……! アタシもソコに打ち込んでいくわよっ……! はああぁぁっ……!」ズドーンッ

ミカ「……だぐかあぁぁっ!」


ワー、ワーワー

実況「そして肘を落としていくっ! その腰へと肘を落としていくっ! さぁ、ダイビング・エルボードロップだあぁっ! 春麗がミカへと落としていったぁ!」

元「いいのが決まったよっ!」

67: 2016/11/03(木) 22:07:53 ID:APGxCv.g
ナデシコ「くそっ、くそっ……! ミカっ……!」シュタッ


アー !? アーアー !?

実況「あ~っと、しかし再びナデシコが戻ってきたかっ!? 戻ってきたかっ!? ナデシコがエプロンサイドへと飛び乗りますっ!」

元「……あらっ!?」


春麗「あらあら、もう復活してきたのね……? でも、今いい所だから邪魔しないでねっとっ……!」ドンッ

ナデシコ「……うっ、くおっ!」ボトッ


オー !? オーオー !?

実況「あ~っと、しかし春麗っ……! すかさず立ち上がり、そしてそんなナデシコへと向かっていき、その身体を突き飛ばしていくっ! 突き飛ばしていくっ! エプロンサイドへと戻ってきたナデシコだったが……再び春麗に場外に落とされたっ!」

元「いいねぇ。この場面で落ち着いてるじゃない」


春麗「ローズっ……! 悪いけど、あっち抑えておいてっ……!」

ローズ「はいはい、わかりましたわかりました……もう、休む暇がないわね……」シュタ


オー ! オーオー !

実況「お~っと、更にローズっ……! ローズがそんな場外に落ちたナデシコを追っていきますっ! 追っていきますっ! さぁ、ローズが場外へと降りたっ!」

元「忙しい試合だけどね、分断分断で上手くやってると思いますよ」

68: 2016/11/03(木) 22:17:25 ID:APGxCv.g
ミカ「ううっ、くそっ……くそっ……! こんな奴らごときに……うあっ、くそっ……!」ブルブル

春麗「さて、これで邪魔者は消え去ったわ。残すはアンタを仕留めるだけねっ!」ガバッ


オー、オーオー

実況「なんとかミカも立ち上がろうとしているがっ……! あ~っと、立てないっ……! 立てないっ……! マットへと四つん這いの状態で腰を押さえていますっ!」

元「そうですねぇ。かなりのダメージは蓄積されてると思いますよ」

実況「さぁ、そして春麗っ……! そんな四つん這いのミカの後方から近づいていき、おっと覆い被さるように背後を捉えたっ!」


春麗「楽にしてあげるわっ……! さぁ、立ちなさいっ……!」グイッ

ミカ「う、ううっ……!」ググッ


オー、オーオー

実況「背後を捉え、ミカの脇下へと自身の頭部を入れつつ、その身体を引き起こしていくっ! 引き起こしていくっ! さぁ、春麗がミカを立たせたっ!」

元「さぁ、いこうっ!」

69: 2016/11/03(木) 22:24:33 ID:APGxCv.g
春麗「さて、いくわよっ……!」グイッ

ミカ「う、うおおっ……!」ググッ


オー ! オーオー !

実況「そのまま春麗は抱え上げていくっ! ミカの身体を抱え上げていくっ! さぁ、バックドロップの体勢で抱え上げていったぁ!」

元「よぉしっ!」


春麗「相手が弱ってる所を更に痛めつける……勝負の鉄則よねっ……!?」シュタッ

ミカ「……んっ!?」


オー !? オーオー !?

実況「あ~っと、そこから春麗はっ……!? 倒れ込みながら自身の両膝を折り畳み、ミカの背中へと押し付けるっ……! 押し付けていくっ!」

元「……おっとぉ!?」


春麗「という事で……喰らっておきなさいっ……! はああぁぁっ……!」ズドーンッ

ミカ「……あぐぎゃああぁっ!」


オー ! オーオー !

実況「マットではなくっ……! 折り畳んだ自身の両膝の上へとミカの身体を落としていくっ!」

元「おぉ~っとっ! これはまた腰から落ちたぞぉ!?」

実況「バックドロップの形で抱え上げ……コードブレイカーっ……! もしくはバックブリーカーの形で落としていったぁ! バックドロップとバックブリーカーの複合技っ……! ミカが叩きつけられたっ! 腰から叩きつけられたっ!」

70: 2016/11/03(木) 22:35:30 ID:APGxCv.g
春麗「……フン、こんな所ね」

ミカ「あ、ああっ……冗談だろ……? このアタシが……こんなカス共に……」ズルッ

春麗「冗談なんかじゃないの。これが現実よ……アンタの敗北……アンタの負けっ……! アッチの団体では王者を気取れたとしても、ウチの団体じゃこういう結果なのよ……」ガバッ


オー ! オーオー !

実況「さぁ、春麗がミカの下から足を引き抜くっ! ミカの身体がズルっと滑り落ちるっ! さぁ、そしてだっ……! そして春麗は身体の上へと覆い被さったぁ! フォールに入ったっ! フォールに入ったぁ!」

元「いよぉ~しっ!」


ナデシコ「くっ、くっ……ミカっ……!」モガモガ

ローズ「はい、残念~。そこで眺めておきなさい」ガシッ


まこと「ミカさんっ……! ミカさんっ……!」モガモガ

さくら「ダメっすよっ……! リングには行かせはしないっすっ……!」ガシッ


実況「ナデシコっ……! そしてまことっ……! ここは両者も慌ててリングへと向かおうとしていますが、そこは抑えているっ! ローズとさくらがガッシリとその身体にしがみつき、抑えていますっ!」

元「よしよしよしっ……! おぉい、おぉいっ!」


ダン「よぉしっ! それじゃあカウントいくぜっ!」


ワー、ワーワー

実況「さぁ、そしてここでレフェリーがマットへと伏せるっ! カウントを数え始めるっ! どうだどうだどうだっ!」

71: 2016/11/03(木) 22:45:01 ID:APGxCv.g
ダン「ワンっ……!」

ワー、ワーワー

ダン「ツーっ……!」

ワー ! ワーワー !

ダン「……スリ」

ミカ「……鰯ヶ浜女子プロレス舐めんじゃねぇよっ! んだらあぁぁっ!」ガバッ

春麗「……嘘っ!?」


アー !? アーアー !?

ダン「カウントはツーだっ! ツーカウントっ! まだ決まっちゃいねぇぞっ!」


アー !? アーアー !?

実況「あ~っ! いやいやいやっ……! 肩が上がった、肩が上がったぁっ! ここはレインボー・ミカの肩が上がっていきますっ! 返しましたっ! 返しましたっ!」

元「あ~、あ~、あ~っ! 返してきたのかっ!?」

実況「カウントは2.8と言った所でしょうかっ!? レインボー・ミカの肩が上がってきましたっ! ここは返したっ! 返してきたっ!」

72: 2016/11/03(木) 22:54:16 ID:APGxCv.g
ミカ「へへへ、へへ、へへ……言っただろ……? 鰯ヶ浜女子プロレスはは、こんな糞団体とは格が違うんだよぉ……ルゥゥゥレヴェルが違うんだよぉ……?」

春麗「フン、虫の息だってのに最後の最後まで減らず口の減らない女ねぇ……もっとドギツイのを喰らわないと理解出来ないバカみたいねっ……!」ムクッ


オー !? オーオー !?

元「まぁ、ミカ君もねぇ……看板背負ってきてる身だからねぇ……!?」

実況「寸前の所でミカが返してきましたっ! ミカが返してきましたっ! あっと、しかし春麗っ……! ここは即座に立ち上がってきますねぇ!?」

元「まぁ、そうだねっ! 追い込んでる事に変わりはないんだからっ! いこういこういこうっ!」


春麗「アンタはもう終わってるのよっ……! いい加減に認めなさいっ……!」グイッ

ミカ「ふぅっ、ふぅっ、鐘は三つ鳴ってねぇんだ……それなら終わりじゃねぇだろが……何、勝手に終わった気になってやがるんだよ、ボケ……」ググッ


オー ! オーオー !

実況「そして再び春麗っ……! ミカの背後を取りつつ、その身体を引き起こしていきますっ! さぁ春麗がバックを取りつつミカを引き起こしていったぁ!」

元「よしよし、いこういこうっ!」

73: 2016/11/03(木) 23:01:39 ID:APGxCv.g
春麗「終わってるのよ、双発勁っ……! たぁっ……!」ドスッ

ミカ「ぐっ……! だぐっ……!」ヨロッ


オー、オーオー

実況「さぁ、春麗はミカの背後から発勁っ……! 両腕でミカの再び腰ィ……! 打ち込んでいきますっ! おぉ~っと、ミカの身体が大きく大きくヨロけたっ!」

元「うんうん、この辺りはローズ君が作っていった流れが生きているんじゃないかな?」


春麗「ちょっと軽く打ち込んだだけなのに……そんなによろけちゃって、フフ……」ガシッ

ミカ「……うおっ」


オー、オーオー

実況「前方によろけたミカを春麗は追っていき……おっと、更に再び背後から後頭部をつかんでいくっ! おっと、そしてミカの身体をそのまま前方のコーナーへと連れていくっ!」

元「おっ?」


春麗「これが終わりじゃなくてなんだって言うのよ……? 本当、バカねっ……! それっ……!」ブンッ

ミカ「う、うおっ……! どげっ……!」ドスッ


オー、オーオー

実況「そしてミカの頭部っ……! 顔面をコーナーマットへと打ち付けていきますっ! ミカの顔面を叩きつけていったぁ!」

元「これは、狙ってるねぇ……!?」

74: 2016/11/03(木) 23:07:29 ID:APGxCv.g
春麗「それじゃあ、フィニッシュにしちゃいましょうっ……! よいしょっとっ……!」グイッ

ミカ「……ううっ」ググッ


オー ! オーオー !

実況「さぁ、そして春麗はミカの身体を持ち上げ、そのまま後ろ向きにコーナーポストの上へと乗せていきますっ! 乗せていきますっ!」

元「雪崩式攻撃狙ってますねぇ!?」

実況「春麗はロープへと足をかけ……昇っていきますっ! さぁ、ミカの背後からコーナーへと昇っていきますっ! ここは雪崩式攻撃っ! 狙うはバックドロップかっ……!? それともジャーマン・スープレックスかっ……!?」


ミカ「ううっ、ああっ……! 勝った気になってんじゃねぇ、ボケっ……!」ドスッ

春麗「んっ……!? あっ、はうっ……!」


アー !? アーアー !?

実況「あっとぉ!? しかし、コーナーポストいるミカも反撃していくかっ!? あ~っと、ここは背後から昇ってきている春麗の腹部へと肘っ……! 肘を打ち込んでいきますっ……!」

元「……あらっ!?」

75: 2016/11/03(木) 23:13:56 ID:APGxCv.g
まこと「ミカさんっ……! 頑張れっ……!」

さくら「あっとあっと、嫌なタイミングで……う~んっ……!」


ミカ「うるぁっ、うるぁっ……! やらせねぇぞっ……! 落ちろっ……!」ドスドス

春麗「くっ、暴れるんじゃないわよっ……! 背中に喰らっておきなさいっ……!」ガスッ


アー ! チュンリー ! チュンリー !

実況「ここはミカが抵抗していきますっ! 抵抗していきますっ! 春麗に打ち込んでいるっ!」

元「う~ん、まぁミカ君からすればこれは貰えない技だしねぇ……!? う~ん、あ~っ……!」

実況「さぁ、春麗も背中へと打ち込んでいくがっ……!? あ~っと、コーナーポスト上での攻防が行われていますっ!」


ローズ「ちょっとちょっと、春麗……も~うっ……!」チラッ

ナデシコ「今だっ……! 向こうに消えてろっ……! たああぁぁっ……!」ブンッ

ローズ「えっ……? きゃああぁぁっ……!」ガッシャーン

76: 2016/11/03(木) 23:19:36 ID:APGxCv.g
ミカ「うぜぇんだよ、糞ブスがっ……! 舐めんなっ……!」ドスッ

春麗「……おぐっ!」

ミカ「いよぉ~しっ……! 今が好機っ……! アタシをここに乗っけた事を後悔させてやるぜっ……!」ガシッ


アー !? アーアー !?

実況「あ~っと、あっとあっとっ! ここで春麗の身体が大きく大きくヨロけるっ! 強いのを打ち込まれたかっ!? おっと、更にミカっ……! そんなヨロけた春麗の頭部を……!? お~っとっとっとっ! 脇下へと抱え込むっ!」

元「うあっ……! あっ、あっ……!」


ミカ「ぶっ倒れるのは、てめぇの方だああぁぁっ……! いくぞおおぉぉっ……!」シュタッ

春麗「あっ、あっ……! し、しまったっ……!」グルンッ


アー ! アーアー !

実況「更に更にミカっ……! コーナーポスト上で立ち上がり……あ~っと、そこから飛んでいくっ! 春麗の頭部を脇下へと抱え込んだままっ……! 捻りをつけて、コーナーポスト上からリングへと向かって飛び込んいくっ!」

元「うあ~ったったっ……!」

77: 2016/11/03(木) 23:25:35 ID:APGxCv.g
ミカ「顔面からマットへと落ちてろ、糞ブスがっ……! ボンバアアァァッ!」

春麗「……くああああぁぁぁっ!」ズドーンッ


アー ! アーアー !

実況「春麗の身体が180度回転させられっ……! あ~っと、そして顔面がらっ……! 顔面からマットへと落とされてしまいましたっ!」

元「ブルドッギング・ヘッドロックかな? 捻りも加わってますよ」

実況「ここは雪崩式攻撃を狙っていった春麗ではありましたがっ……! あ~っと、それが仇となってしまったかっ!? ミカのブルドッギング・ヘッドロックっ! スイング・ブルドッギング・ヘッドロックの餌食となってしまったぁっ!」


ミカ「へぇっ、へぇっ、へぇっ……見たか、この糞ボケっ……!」ムクッ

ナデシコ「ミカっ……! ナイスガッツよっ……! ここからはアタシがいくわっ……!」シュタッ


アー !? アーアー !?

実況「あ~っと、あっとあっとっ……! そして再びナデシコっ……! ナデシコがエプロンサイドへと戻ってきましたっ!」

元「おいおいおいっ……! これ、最悪のタイミングじゃないのっ!?」

78: 2016/11/03(木) 23:31:06 ID:APGxCv.g
ナデシコ「交代よっ!」スーッ

ミカ「へぇっ、へぇっ……そうだな、そうだな……交代だな……」フラフラ


アー ! アーアー !

実況「当然エプロンサイドから腕を伸ばすナデシコっ……! そしてミカもそんな当然のごとくナデシコへと歩みを進めていきますっ!」

元「ミカ君にねぇ、ダメージを与えていただけにねぇ……これは痛いっ……!」


ミカ「……ナデシコっ! 気合い入れていけよっ!」パシッ

ナデシコ「任せなさいっ……! さぁ、アタシの出番よっ!」


アー ! アーアー !

実況「そしてミカとナデシコの腕が触れ合ったぁっ! ここで交代成立ですっ! 交代成立っ! 試合権がミカからナデシコへと移りましたっ! あ~っと、ナデシコがロープを潜りリングインしてきますっ!」

87: 2016/11/04(金) 22:01:12 ID:6LPh8JLw
春麗「うっ、くっ……! 後一歩って所だったのに、しくじったわっ……! ううっ、最悪っ……!」ゴロンッ

ナデシコ「……それじゃあ、いくわよっ!」ダダッ


チュンリー ! チュンリー !

実況「そしてナデシコが突っ込んでいくっ! リング上でダウンしている春麗へと向かって突っ込んでいくっ!」


ナデシコ「……くたばってろっ!」クルッ


アー ! アーアー !

実況「おぉ~っと、春麗へと突っ込んでいったナデシコはっ……!? 前方宙返りをしながら春麗へと飛び込んでいくっ!」

元「……あ~らっ!」


ナデシコ「……そらああぁっ!」ドスッ

春麗「……ぐっ!」


アー ! アーアー !

実況「仰向けにダウンしている春麗の腹部の上へと背中から落ちていったぁ!」

元「サンセット・フリップですねぇ……」

実況「サンセット・フリップっ! サンセット・フリップっ! さぁ、背中からナデシコが落ちていきましたっ!」

88: 2016/11/04(金) 22:07:53 ID:6LPh8JLw
ミカ「へぇっ、へぇっ、ここが勝負所だぜぇ、オイっ……! ナデシコォ……! 一気に流れを掴んじまうぞっ……!」フラフラ

ナデシコ「勿論よっ……! たああぁぁっ……!」ダダッ


チュンリー ! チュンリー !

実況「あ~っと、更にナデシコは身体を起こし……おっと、そのまま対角線コーナーの方へと向かっていくっ……! 自軍コーナーからリングインして、春麗をサンセット・フリップを浴びせ、そのまま対角線コーナーにっ……! 流れるような動きだっ!」

元「……んっ!?」

実況「あ~っと、あ~っとっ……! そしてミカですっ……! ミカですっ……! ミカもまたダウンしている春麗の元へと向かっていきますっ!」


ダン「ちょっと待て、ちょっと待てオイっ……! てめぇはタッチしただろ、交代しただろっ……!? 試合権は今、アッチだろがっ!?」

ミカ「ケチケチしてんじゃねぇよ。ロスタイムだ、ロス・タイムっ……! それより、そこにいたらアンタも危ねぇぞっ!? 巻き込まれちまうぞっ!?」ガシッ

ダン「……あぁっ!?」

ミカ「コイツらの曲芸とは違う、真のプロレス魂っ……! 見せてやるっスっ……!」ビシッ


アー !? アーアー !?

実況「ミカは春麗の右足を左脇下に抱え込みつつ、右手で場内を指差していくっ! あ~っと、更に続けて春麗の左足を右脇下へと抱え込むっ! おっと、ミカが春麗の両足を脇下へと抱え込んだぁっ!」

元「……んんっ!?」

89: 2016/11/04(金) 22:14:46 ID:6LPh8JLw
ミカ「よぉ~っしゃっ! いっくぞおおぉぉっ! レインボーォォォ!」グルンッ

春麗「あっ……ああっ……!」

ダン「おっ、おおっ……! 危ねっ……!」ササッ


オー !? オーオー !?

実況「おぉ~っとっ! そしてミカは自身の身体を軸にしながら回転っ……! 自身の身体毎、捉えた春麗の身体を回転させていくっ!」

元「おいおいおいっ……! レインボータイフーンかっ!?」


ローズ「ちょっとちょっとっ……! 何やってるのよ春麗っ……!」シュタッ

ナデシコ「引っ込んでいろっ……! 邪魔だっ……!」ドンッ

ローズ「……きゃあっ!」ボトッ


実況「スタミナが殆ど尽きかけたと思われていたレインボー・ミカっ……! ここで大技っ! レインボータイフーンっ! あ~っと、捉えた春麗の身体を振り回していきますっ!」

元「いや、逆でしょ!? ナデシコ君に交代したからこそ、ペース配分とかもう考えずにいけてるワケだっ!」

実況「おっ!? エプロンサイドへローズが戻ってきたかっ!? あっ、いやっ……! 落とされた、落とされたっ! ナデシコによって再び落とされたっ!」

90: 2016/11/04(金) 22:22:56 ID:6LPh8JLw
ナデシコ「狙うわっ……! これが鰯ヶ浜女子プロレスの連携っ……!」クルッ

ミカ「うるぁうるぁうるぁうるぁっ……! 回れ回れ回れっ……! 可愛いヒヨコさんを頭の上に飼っておきなっ……!」グルグルッ

春麗「あっ……ああっ……」


チュンリー ! チュンリー !

実況「春麗の身体が一回転っ……! 二回転っ……! あ~っと、ミカによって振り回されているっ! おっとっ、そしてナデシコっ……! ナデシコはコーナー付近でロープを掴み前傾姿勢をとり、マットに足摺りしているぞぉ!? バッファローのような足摺りをその場で見せているぞっ!?」

元「……あっ! これ、マズいぞっ!?」


ミカ「ナデシコォォ……! 仕留めろォォ……! コイツをぶっ潰せっ!」グルグルッ

ナデシコ「……ぶっ潰すっ!」ダダッ


オー !? オーオー !?

実況「あ~っと、そしてナデシコっ……! リング中央で回転しているミカっ……! 回転させられてる春麗っ……! おぉ~っと、そこに向かって突っ込んでいったぁ!」

91: 2016/11/04(金) 22:31:20 ID:6LPh8JLw
ナデシコ「何が起こったのかわからないまま……やられておけっ……! てやああぁぁっ……!」ドスッ

春麗「……あぐあぁっ!」


オー !? オーオー !?

実況「あ~っと、あ~っと、なんとなんとなんとっ……!? ミカがレインボータイフーンで振り回している春麗の元へとナデシコが突っ込んでいき……あ~っと、そしてドロップキックだっ! 低空のドロップキックを春麗の頭部へと打ち込んでいくっ!」

元「ジャイアントスイングから更に発展させた連携技だっ!」


春麗「あ、ああっ……くあっ……!」ボトッ

ミカ「ヘッ、フラフラになってる所に打ち込まれりゃ……ど~んなバカでもお陀仏だっての……おおっ……」ドテッ


実況「ジャイアントスイングで振り回している所に、横からナデシコっ……! 横からナデシコっ……! あ~っと、コイツを喰らい春麗の身体がマットへと落ちたっ! あ~っと、振り回していたミカもその衝撃で横へと倒れたっ!」

元「確か、ヘリコプタークラッシュ……だったかな……?」

実況「ヘリコプタークラッシュ……?ヘリコプタークラッシュっ……! あ~っと、レインボー・ミカと大和・ナデシコっ……! とんでもない攻撃を繰り出していきますっ! 確かにマットに落ちた春麗の姿を見ると……それはまるでヘリコプターの墜落現場を見ているようだっ!」

92: 2016/11/04(金) 22:41:20 ID:6LPh8JLw
ナデシコ「ミカっ……! 踏み台が欲しいわっ……!」ムクッ

ミカ「おしおしっ……! 踏み台だな……踏み台、踏み台っと……」ゴロンッ

ナデシコ「……ありがとねっ!」シュタッ


アー !? アーアー !?

実況「春麗は大の字ですっ! 大きく大きく大の字ですっ! あっと、そしてナデシコが立ち上がり……あ~っと、今度は四つん這いになっているミカの背中へと春麗に背中を向けつつ飛び乗ったっ!」

元「……あっ!」


ナデシコ「さぁ、これで終わりよっ……! たああぁぁっ……!」シュタッ


アー !? アーアー !?

実況「そしてミカの背の上からナデシコっ……! リングに横たわっている春麗へと向かって後方宙返りをしながら飛び込んでいくっ!」

元「……あ~っ!」


ナデシコ「フィニィッシュっ……! さぁ、フォールよっ!」ズドーンッ

春麗「……くああぁぁっ!」

ダン「お、おおっ……! フォ、フォールだなっ……!?」


アー ! アーアー !

実況「春麗の上へとナデシコが落ちたぁっ! ムーンサルトプレスっ! ミカを足場にしての、リング中央でのムーンサルトプレスっ! あ~っと、そしてナデシコはそのままフォールへといったかっ!?」

元「あ~っとっ……! フォールいかれたぞっ!?」

実況「あ~っと、レフェリーが今マットへと伏せカウントを数えますっ……!? これはどうだっ……!? 春麗っ……! 大丈夫かっ!? 大丈夫かっ!?」

93: 2016/11/04(金) 22:48:39 ID:6LPh8JLw
ダン「ワンっ……!」

チュンリー ! チュンリー !

ダン「ツーっ……!」

さくら「……やらせはしないっすよっ!」


オー !? オーオー !?

実況「いや、さくらが戻ってきたかっ!? さくらが戻ってきたっ!」

元「あ~、よしよしっ!」


ダン「……スリ」

さくら「……てやああっ!」ドスッ

ナデシコ「……ぐっ!」


オー ! イイゾー ! サクラー !

ダン「カット成立だっ! カット成立っ! まだ決まっちゃいねぇぞっ!」


ワー ! ワーワー !

実況「危ない危ないっ……! ここは直ぐ様さくらがリングへと戻り、そしてナデシコの背中へと打ち込むっ! カットは成立ですっ! レフェリーの立てている指も二本っ!」

元「さくら君が戻ってこなかったら、ちょっと危なかったかもしれないねぇ!?」

94: 2016/11/04(金) 22:55:49 ID:6LPh8JLw
さくら「ナデシコは……いや、ここはとりあえず頭数を減らす事が優先事項っ……!」グイッ

ミカ「……うおおっ!」ググッ


オー、オーオー

実況「さぁ、リングに戻ったさくらはっ……!? おっと、先ずはミカを引き起こし、そしてロープ際へとその身体を運んでいきますっ!」

元「そうだねっ……! やっぱりスタミナが消費されてるからって、ミカ君をリング上に残しておく事は危険だっ!」


さくら「……そら、場外に帰るっすよっ!」ググッ

ミカ「……うおっ」ボトッ


オー、オーオー

実況「さぁ、さくらは素早くミカの身体をロープ間から場外へと落としていったぁ!」


まこと「……逃がさんぜよっ!」ズザーッ


アー !? アーアー !?

実況「あ~っと、しかしここでまことだっ! まことが戻ってきた戻ってきたっ! 場外からサードロープ下を潜り、再びリングへと戻ってきたっ!」

元「あ~っと、戻って来ちゃったかっ!?」

96: 2016/11/04(金) 23:03:40 ID:6LPh8JLw
まこと「うちはまだ負けてないぜよっ……!」ズガズガ

さくら「よし、次はナデシコ……えっ、ちょっと待って……もう一人来てる……?」チラッ

ナデシコ「……おぉ~っと、何処を見てるんだいっ!?」ダダッ


アー !? アーアー !?

実況「ここでも嫌なタイミングで戻って来ました、戻って来ましたっ! あ~っと、まことはさくらへと向かっていくっ!」

元「ナデシコ君もいってるよっ!?」


ナデシコ「……注意力散漫だねっ! それっ!」ドスッ

さくら「しまったっ……! あくあっ……!」ヨロッ


アー、アーアー

実況「あ~っと、そしてここはナデシコですねぇっ!? 突っ込んでいったナデシコが、さくらの腹部っ……! みぞおちへと膝を打ち込んでいくっ! キチンシンクだ、キチンシンクっ!」

元「あ~っ! ちょっと一瞬まこと君の方を見ちゃったかなっ!?」

97: 2016/11/04(金) 23:11:08 ID:6LPh8JLw
ナデシコ「まことっ……! ほら、あなたもっ……!」ガシッ

まこと「はいっ……!」ガシッ

さくら「うあっ……!」


アー !? アーアー !?

実況「膝を打ち込み、そしてナデシコは正面からさくらの首へと右腕を回していくっ! あ~っと、更にまことも加わってきたっ! まことはナデシコとは逆サイドからっ……! さくらの首筋に左腕を回していくっ!」

元「……おいおいおいおいっ!」


ナデシコ「ダブルでいくわよっ……! あなたの得意技っ……!」グググッ

まこと「大外刈りぜよっ……! ちゃがまれっ……!」グググッ

さくら「うわっ、うわっ……! ぐわあああぁぁっ……!」ビターンッ


アー ! アーアー !

実況「そして両者が同時にさくらの足を払いっ……! あ~っと、さくらの身体を後頭部からマットへと叩きつけていくっ!」

元「あれじゃあ、受身が取れないっ……!」

実況「ここはダブルで見舞っていったぁ! 大外刈りっ! あ~っと、さくらが後頭部からマットへと受け身の取れない状態でマットへと叩きつけられたぁ!」

98: 2016/11/04(金) 23:17:18 ID:6LPh8JLw
さくら「あっ、ああっ……くそっ……」ゴロゴロ

ローズ「あ~っ……! もうっ……!」ズザーッ


オー !? オーオー !?

実況「さくらがやられてしまったっ! やられてしまったっ……! あ~っとっ……! しかし、ローズっ! ローズっ! ローズっ! ローズが戻ってきたぁ!」

元「もう、今日は乱戦だ、乱戦だっ! とことん乱戦だっ! ここを制する事が出来ないと……う~んっ……!」


ローズ「春麗がやられても……さくらちゃんがやられても……アタシ一人残っていれば、勝利は訪れるのよっ……!」

ナデシコ「……アイツを倒せば終了だっ! まこと、いくぞっ!」チラッ

まこと「……んだっ!」チラッ


オー ! オーオー !

実況「あ~っと、しかしナデシコっ……! まことっ……! 両者が揃ってローズを見るっ! 見ていく見ていくっ!」

元「とにかくここは、ローズ君になんとかっ!」

121: 2016/11/07(月) 22:02:13 ID:3TICueOA
春麗「どいつもこいつも……勝手にアタシを終わらせないでよ……本当、バカ……」ググッ


オー !? オーオー !?

実況「あ~っ、いやっ……!? 立ち上がってくるかっ……!? 立ち上がってくるかっ!? ここで春麗が立ち上がってくるかっ!?」

元「おっ!?」


春麗「……はああぁぁっ!」ダダッ

まこと「……んっ?」チラッ


オー !? オーオー !?

実況「ナデシコとまことはローズに向かっていく……がっ……! そこに加わる形で春麗が突っ込んでいくっ! 突っ込んでいくっ! おぉ~っと、立ち上がった春麗が突っ込んでいくっ! そして飛び込んだぁ!」

元「よしよしっ……!」


春麗「何が終了よっ……! アタシはまだまだ終わってないわよ、はあぁぁっ……!」ガスッ

まこと「ナデシコさんっ……! んだあぁっ……!」バターン


オー ! オーオー !

実況「そして身体を捻りつつのっ……! フライングニールキーックっ! おぉ~っと、まことの側頭部へと打ち込んでいったかっ!?」

元「いいですいいですっ! 喰らわせましたよっ!」

122: 2016/11/07(月) 22:07:10 ID:3TICueOA
まこと「うあっ……! く、くそっ……!」ゴロゴロ

ナデシコ「えっ……!? ちょっと、まことっ……! なんでっ……!?」クルッ


オー ! オーオー !

実況「さぁ、まことがダーウンっ! ダウンダーウンっ……! まことは場外へとエスケープしていくかっ!?」

元「おっ!? いいよいいよ!」


ローズ「何処見てるのよっ……!? 相手はアタシじゃなかったのっ……!?」ガシッ

ナデシコ「……しまったっ!」


オー !? オーオー !?

実況「ナデシコが一瞬まことを見たかっ……!? あ~っと、そんな隙をローズは逃さないっ……! 逃さないっ……! 背後からナデシコの頭部を掴んだっ!」

元「おぉしっ!」


ローズ「ミスX……大和・ナデシコっ……! アンタも餌食よっ……! はああぁぁっ……!」グイッ

ナデシコ「……うぐああぁぁっ!」ズドーン


オー ! オーオー !

実況「勢いよく、その掴んだ掴んだ頭部を引き起こしつつ、ローズは開脚ジャンプでマットへと落ちていくっ! そして、ナデシコの後頭部をマットへと打ち付けるっ!」

元「リバースXファクター! よぉ~しっ!」

124: 2016/11/07(月) 22:12:34 ID:3TICueOA
ローズ「春麗、春麗っ……! ほら、フォールしちゃいなさいっ……! 試合権はアンタなんだからっ……! ほらほら早く早くっ!」クイクイ


オー ! オーオー !

実況「ナデシコがダウンっ! ナデシコが大きくダウンっ……! おぉ~っと、そしてローズは……!? おっとっ! 春麗に覆い被されっ……! その身体に覆い被されと言ったジェスチャーを見せていますっ!」

元「そうですねっ……! 試合権は春麗君にありますからねっ!?」


春麗「まだよ、ローズ……仕留めるなら確実に……確実に仕留めなきゃいけないわ……ローズ、ちょっと離れてて……」ムクッ


オー ? オーオー ?

実況「そんな春麗が立ち上がり……そしてナデシコの身体へと……あ~っと、いやっ……!?」

元「……んっ!?」


春麗「ローズに加えて……アタシの必殺技も喰らっておきなさいっ……! さぁ、立つのよっ……!」グイッ

ナデシコ「……うう、ああっ!」ググッ


オー !? オーオー !?

実況「おぉ~っと、ここは春麗っ……! フォールにはいかず、ローズを一度退かして……ナデシコを引き起こしていくっ! 背後を取りつつ引き起こしていきますっ!」

元「んんっ!?」

125: 2016/11/07(月) 22:17:52 ID:3TICueOA
春麗「さぁさぁ長々と続いた試合も、もうここで終わりっ……! いくわよっ……!」グルンッ

ナデシコ「……くあっ!」


オー !? オーオー !?

実況「おぉ~っとっ! そして春麗っ……! 背後からナデシコの両腕を閂状態へと捉え……その両腕を持ち上げつつ、脇下を潜り抜け、自身とナデシコの身体を反転させるっ! 素早く反転させるっ! おぉ~っと、これはこれはっ!?」

元「より確実に仕留めていこうと言った所でしょうっ! キル・スイッチだっ!」


春麗「とどめよっ……! はああぁぁっ……!」フワッ

ナデシコ「……んだぐあああぁぁっ!」ズドーンッ


ワー、ワーワー

実況「身体を反転させ、春麗はナデシコへと背を向けるっ! そしてナデシコは腕を封じられ、前のめりの体勢っ……! そこから、春麗が前方へと飛び込んだああぁぁっ!」

元「いよぉ~しっ!」

実況「そしてナデシコの顔面をマットへと叩きつけていったぁっ! さぁ、ここで決まったかっ!? とっておきのダメ押しっ……! キル・スイッチだっ! キィィル・スイッチィィっ! ナデシコが顔面からマットへと叩きつけられたぁ!」

126: 2016/11/07(月) 22:22:27 ID:3TICueOA
ミカ「う、ううっ……」

まこと「あ、ああっ……」


ワー、ワーワー

実況「ミカは場外っ……! まことも場外っ……! そしてナデシコはリング上でダーウンっ! ダウンダウンダウンダーウンっ! この乱戦を制したのは、ストリートプロレスっ……! ストリートプロレスサイドですっ!」

元「安心するのはまだ早いよっ! フォールだ、フォール、フォールっ!」


春麗「さぁ、レフェリーっ……! カウントよっ!」ガバッ

ローズ「早くしなさいっ……! ほら、早く早く早くっ……!」

ダン「わかってるよ、おいっ……! おっしゃあっ! カウントいくぞっ!」


ワー ! ワーワー !

実況「うつ伏せにマットへと落ちたナデシコの身体を反転させっ……! そして春麗がその上へと覆い被さったぁ! さぁ、ここでフォールに入りましたっ!」

元「いよぉ~しっ!」

実況「さぁ、そして今レフェリーがカウントを数えますっ! どうだどうだどうだっ!?」

127: 2016/11/07(月) 22:28:37 ID:3TICueOA
ダン「ワンっ……!」

ワー ! ワーワー !

ダン「ツーっ……!」

ワー ! ワーワー !

ダン「……スリ」

ナデシコ「……まああぁぁだだああぁぁっ!」ガバッ

春麗「……嘘っ!?」


アー !? アーアー !?

ダン「カウントはツーだっ! ツーカウントっ! まだ決まっちゃいねぇぞっ!」


アー !? アーアー !?

実況「おぉ~っとっ……! なんだなんだなんだぁっ!? 肩が上がったぞっ!? 肩が上がっていったぞぉ!?」

元「……マジかっ!?」

実況「ローズっ……! 更には春麗と続けて決めていった場面ではありましたが、なんとなんとなんと、肩が上がりましたっ! ナデシコの肩が上がりましたっ! カウントは2.9っ! 2.99の所でナデシコの肩が上がっていきましたっ!」

128: 2016/11/07(月) 22:37:37 ID:3TICueOA
春麗「なんで、ここで返してくるのよっ……! なんで沈まないのよっ……!? もうファンもお腹いっぱいよっ……!」ムクッ

ローズ「春麗、冷静になりなさいっ! もう一撃喰らわせれば、終わりのはずよっ……! アタシも手伝うから今度は合体攻撃で仕留めましょうっ……!」


アー !? アーアー !?

実況「完全に決まったかと思われたこの場面っ……! しかしナデシコは返してきたっ! 返してきたぁっ! これには春麗も驚きの表情を見せておりますっ!」

元「切り替えろっ……! 追い詰めてる事には変わりはないっ!」


ミカ「へぇっ、へぇっ……ナデシコが見せた鰯ヶ浜女子プロレスのド根性っ……! うおおぉぉっ、アタシだって見せるぜっ……!」シュタッ


アー !? アーアー !?

実況「うあ~っ、いやっ……! しかし、このタイミングでミカが復活してきたかっ!? ミカが復活してきたかっ!? 場外でダウンしていたミカが立ち上がり……あ~っと、そしてエプロンサイドへと昇り、そこから更にコーナーポストへと昇っていくっ!」

元「おいおいおいおいおいっ……!」

129: 2016/11/07(月) 22:43:06 ID:3TICueOA
さくら「ふんぬっ……! やらせるかっ……!」ガシッ

ミカ「う、うおっ……! なぁ~んだ、てめぇはっ!?」


オー !? オーオー !?

実況「あ~っ、いやいやいやいやっ……! ここでさくらも復活っ! さくらも復活っ!」

元「おおっ!?」

実況「ここはさくらっ……! エプロンサイドへと飛び乗り、コーナーポスト上のミカの足へとしがみついていくっ! その動きを止めていくっ!」


ミカ「邪魔なんだよぉっ……! 退けっ……! 離れてろっ……! ひんむかれててぇのか、てめぇはよぉ……!?」ゲシゲシ

さくら「ぐっ……ぐっ……! うああっ、ローズさんっ……! ちょっとこっち手伝って下さいっ……!」ガシッ


実況「あ~っとっ! しかしミカはそんなさくらを蹴りつけているっ! 蹴りつけているっ! なんとかさくらを振りほどこうとしているかっ!?」

元「いやっ……! リング上からフォローが来てるっ……! もうちょい頑張れっ!」

130: 2016/11/07(月) 22:49:51 ID:3TICueOA
ローズ「ストップ、春麗っ……! ナデシコは後よっ……! ミカが来てるわっ……!」ササッ

春麗「ああっ、もうっ……! ちょろちょろちょろちょろっ……!」ササッ


オー ! オーオー !

実況「あ~っと、向かっていますねっ!? 向かっていますねっ! 春麗とローズっ! 春麗とローズっ! コーナーポスト上でさくらを振りほどこうとしているミカへと二人揃って向かっていますっ!」


ローズ「さくらちゃん、ありがとっ……! ここからはアタシ達に任せてっ……!」スッ

春麗「……落としてあげるわっ!」スッ

ミカ「ちくしょうっ……! てめぇが余計な事しやがるからっ……! くそっ、くそっ……!」


オー ! オーオー !

実況「さぁ、そして春麗とローズっ……! コーナーポスト上のミカの身体を下から持ち上げていくように、胴へと腕を添えるっ! 添えていくっ!」

元「デッドリー・ドライブですねっ! お~し、落とそうっ!」


ナデシコ「う、ううっ……! まだだ……まだだっ……!」ググッ


アー !? アーアー !?

実況「さぁ、春麗とローズは……あ~っと、待って下さいっ! しかしここでナデシコが動くかっ!? 動くか、動くかっ!? 立ち上がろうとしているぞっ!?」

元「あらっ……!?」

131: 2016/11/07(月) 22:55:31 ID:3TICueOA
ナデシコ「相手に背後を見せるな。このマヌケっ……!」スッ

春麗「さぁ、覚悟しな……えっ……? えっ、えっ……!?」ゴロンッ


アー !? アーアー !?

実況「あ~っとっ! ナデシコは春麗の股下へと腕を差し伸ばし、そして足を抱え込み春麗の身体を後方へと倒し込んでいくっ!」

元「おい、ちょっと待てっ! スクールガールっ!」


ナデシコ「レフェリーっ……! カウントっ……! カウント、カウントっ……!」

ダン「お、お、おうっ……!」


アー !? アーアー !?

実況「あ~っとっ! ここはナデシコがクイックで丸め込んできたぁっ! あ~っと、レフェリーがカウントと取り始めますっ! あ~っ、どうだどうだどうだっ!?」

元「おいおいおいおいっ……!」


さくら「ああっ、ちょっとちょっとっ……! カットしに行かないとっ……! カット、カット……」

まこと「……行かせんっ!」ガシッ

さくら「……んっ?」チラッ


ミカ「よっしゃっ! ナデシコ、いいぞっ……! ガッチリ固めちまえっ……!」

ローズ「ちょっとちょっと、も~うっ……! とりあえず、アンタはもう落ちてなさいっ……!」ブンッ

ミカ「……どげええぇぇっ!」ズドーン

132: 2016/11/07(月) 23:00:42 ID:3TICueOA
ダン「ワンっ……!」

アー !? アーアー !?

ダン「ツーっ……!」

チュンリー ! チュンリー !

ダン「……スリ」

ローズ「ああっ……! もうっ……! 忙しいわねっ……!」ドガッ

ナデシコ「……だぐっ!」


オー ! オーオー !

ダン「カット成立だっ! カット成立っ! まだ決まっちゃいねぇぞっ!」


オー ! オーオー !

実況「あ~っ、いやっ……! ここはカットカットカットカットっ! 慌ててローズがカットしていきますっ!」

元「おぉ~っ! 助かった助かったっ!」

実況「ローズは慌ててミカをデッドリー・ドライブでコーナーポスト上からマットへと落とし、そして春麗を丸め込んでいるナデシコにカットっ! 両肘を落としていきますっ! ここはカットが間に合ったっ! カウントはツーっ! この辺り、ローズの動きが光ると言った所でしょうかっ!?」

133: 2016/11/07(月) 23:05:01 ID:3TICueOA
ローズ「ちょっと、春麗っ……! 何やってるのよ、も~うっ……! こ~んな大事な場面で……立ちなさいっ……! ほら、立ちなさいっ……!」パンパン

ナデシコ「はぁっ、そうか……コイツが残っていたな……」ムクッ


アー !? アーアー !?

実況「さぁ、現在リング上に立っているのはローズだけっ……! ローズだけですっ! ローズは春麗に向かって早く起きろと言わんばかりに手を叩いて急かしていますがっ……! あ~っと、しかし立ち上がってきたのはナデシコっ……! ナデシコだっ……! 春麗ではなく、ナデシコだっ!」

元「あ~ったたたたっ……!」


ナデシコ「おいおい、何処を見ているっ……! 何処を見ているっ……!? 目の前の相手を見た方がいいぞっ!?」ガシッ

ローズ「……んんっ!」


アー !? アーアー !?

実況「あ~っと、そして立ち上がったナデシコがっ……! あ~っと、ローズの首筋に腕を回すっ! 腕を回していくっ! あ~っと、そしてローズの身体をロープ方向へと引き連れていくっ!」

元「うあ~っ! でも、結構足にも来てるんじゃないのかなぁ!?」


春麗「不意打ちで少しばかり驚いたけど……なんて事はないっ……! なんて事はないわっ……!」ググッ


オー !? オーオー !?

実況「お~っと、しかし一手遅れて春麗っ……! 春麗もまた立ち上がってきますっ! ここで春麗が立ち上がってきたぁ!」

元「おおっ!? だから、これナデシコ君がローズ君に構ってる間に……こ~う……ねっ……!?」

134: 2016/11/07(月) 23:09:53 ID:3TICueOA
春麗「……終わらせに行くわっ!」ササッ

ミカ「行かせねぇぞっ……! 行かせねぇ、行かせねぇっ……! 終わるんのはてめぇなんだよ、このクソボケがあぁぁっ!」シュルッ

春麗「……ガガっ!」


アー !? アーアー !?

実況「春麗はナデシコに向かって……あ~っと、いや、ダメだっ! ここでミカが立ち上がりますっ! ミカが立ち上がってきますっ! そして春麗の背後から首筋に腕を回していきますっ! あ~っと、スリーパーホールドの形で春麗を捉えたぁ!」

元「……うおおぉぉいっ!」


ナデシコ「……場外に消えてろっ!」ブンッ

ローズ「……くっ!」ボトッ


実況「ローズはロープ間から場外へと落とされたぁ! あ~っとあっとあっとっ……! これはまたもや危うい状況ではありませんかねぇっ!?」

元「え~っとっ……! さくら君は……さくら君は何処だっ……!?」

135: 2016/11/07(月) 23:13:40 ID:3TICueOA
ミカ「ナデシコっ……! 決めるぞっ……! 向こうへ回れっ……! 向こうへ回れっ……!」グイグイ

春麗「……ガ、ガガっ!」ズルズル

ナデシコ「わかったわっ……! ミカっ……! 決めてやりましょうっ……!」


チュンリー ! チュンリー !

実況「え~、さくらはっ……! さくらはっ……! あ~っ、場外でまことに捕まっておりますねぇ!?」

元「うああっ……!? いつの間に……!?」

実況「さぁ、リング上のミカっ……! 春麗をスリーパーホールドで捉え、そのままコーナー付近へと移動していくっ! あ~っと、そして……!? ナデシコは対角線コーナーの方へと移動していくぞっ!?」


ミカ「決めるぜ、ナデシコォっ……! おぅら、受けとれぇぇっ……!」ブンッ

春麗「うああっ……!」ダダッ


チュンリー ! チュンリー !

実況「あ~っと、そしてミカっ……! ここで春麗の身体を、ナデシコの待つ対角線コーナー目掛けて振り投げていったぁ!」

元「えっ……!? あっ……! あっ!」

136: 2016/11/07(月) 23:18:42 ID:3TICueOA
ナデシコ「……キャッチっ!」ガシッ

春麗「……アガッ!」


チュンリー ! チュンリー !

実況「あ~っと、そしてナデシコっ……! そんな向かってきた春麗の背後に回り込むようにしながらっ……! こちらもスリーパーホールドで捉えたっ! 捉えていったっ!」

元「あ~っ、あ~っ、あ~っ、あ~っ!」


ナデシコ「……終わりにしてやるぞっ! てやああぁぁっ!」グルンッ

春麗「ガッ……ガガッ……!」


アー !? アーアー !?

実況「あ~っと、あ~っと、更に更にナデシコは回転っ……! 春麗の首を捉えたまま回転っ……! 春麗の足が浮き上がるっ……! ジャイアントスイングのような……」

元「スイング・スリーパーっ……! スイング・スリーパーっ……!」

実況「あ~っと、これはスイング・スリーパー……」

元「あ~っ……! でも、まだまだっ……! あ~っ!」

137: 2016/11/07(月) 23:22:56 ID:3TICueOA
ナデシコ「……終わりだぁぁっ!」ドンッ

春麗「……うあっ!」ヨロッ


アー !? アーアー !?

実況「あ~っとっ! 一回転半した所でナデシコは春麗の首から腕を外し……あっとあっとあっとっ! そして今度は前へと突き飛ばしていくっ! あ~っと、春麗がヨロヨロと前進っ!」

元「来るよ来るよ来るよっ!?」


ミカ「……見せてやるっすっ!」パチンッ


アー !? アーアー !?

実況「おぉ~っと、そして何だっ……!? ここでミカは一度自身の尻を叩き……そしてその腕っ……! 指を春麗に向けたっ……!」

元「やっぱり来るよ~っ!」


ミカ「……うおおおぉぉっ!」ダダッ

春麗「……ううっ」フラッ

ナデシコ「……たああぁぁっ!」ダダッ


アー !? アーアー !?

実況「あ~っと、あっとあっとっ! そして突っ込んでいるっ! 春麗に向かってっ……! ミカとナデシコが同時に突っ込んできたぁ!」

元「あ~っ!」

実況「あ~っと、そして春麗の目の前で身体を反転させつつ、両者が同時に飛び込むっ!」

138: 2016/11/07(月) 23:26:34 ID:3TICueOA
ミカ「……バッドリィィっ!」ズガアァッ

春麗「……くああっ」

ナデシコ「……ピーチっ!」ズガアァッ


アー !? アーアー !?

実況「あ~っとっ! あっとあっとっ! そして春麗の正面からミカっ……! 後ろからナデシコっ……! あ~っと、両者が同時にっ……! 同時にヒップアタックっ……! フライング・ピーチを繰り出してくるっ……!」

元「……バッドリーピーチだ」

実況「ここで合体攻撃っ……! 得意の尻を使った合体攻撃っ……! 春麗の顔面がクラッシュさせられるっ! ミカとナデシコの尻の強烈なサンドイッチによってクラッシュさせられていくっ!」


春麗「あっ……ああっ……」ガクッ

ミカ「へ、へへ……よぉし、ナデシコ……フォールしちまいな……」


チュンリー ! チュンリー !

実況「春麗が膝からガックリと崩れ落ちるっ……! ガーックリと崩れ落ちてしまうっ……!」

元「あ~っ、いやいやいや……」

139: 2016/11/07(月) 23:31:03 ID:3TICueOA
ナデシコ「さぁ、レフェリー終わりだっ……! カウントをっ……!」ガバッ

ダン「お、おうっ……!」


アー !? アーアー !?

実況「そしてナデシコが崩れた春麗の身体の上へと覆い被さりますっ! 覆い被さりますっ! フォールに入ったぁっ!」

元「あ~っ、ちょっとちょっとちょっとっ……!」


ローズ「……春麗っ!」シュタッ


オー !? オーオー !?

実況「さくら……は、まことに掴まっているっ……! あ~っ、しかしローズっ……! ローズが戻ってきた、戻ってきたぁ!」

元「おぉ~しっ!」


ミカ「やめとけっつ~のっ……! これ以上試合が引き延びたら、暴動が起きちまうってのっ……! てめぇは引っ込んでろっ……! これで試合は終了なんだよっ……!」ガシッ

ローズ「……あっ!」


アー !? アーアー !?

実況「あ~っと、しかしミカが、ミカが、ミカがっ……! エプロンサイドに戻ってきたローズの身体にしがみつくっ……! 動きを止めていくっ!」

元「……ああっ!」

実況「あ~っと、そして今レフェリーによってカウントが取られますっ……! どうだどうだどうだっ……!? 春麗、返せるかっ!?」

140: 2016/11/07(月) 23:36:29 ID:3TICueOA
ダン「ワンっ……!」

チュンリー ! チュンリー !

ダン「ツーっ……!」

チュンリー ! チュンリー !

ダン「……スリイイィィィっ!」


アー !? アーアー !? アー !? アーアー !?

ダン「スリーカウントだっ! スリーカウントっ! 試合決着だっ! ゴングを鳴らせ、ゴングをよぉ!」


カンカンカーン


アー !? アーアー !?

実況「返せないっ……! 返せない、返せないっ……! 決まってしまったっ……! ここで決まってしまったっ……!」

元「……ああっ」

実況「カウントスリーっ……! 三つのカウントがここで決まってしまいましたっ! あ~、試合終了のゴングが打ち鳴らされますっ……! ここで試合終了のゴングが打ち鳴らされますっ!」

155: 2016/11/08(火) 22:02:28 ID:G7SHPnRo
ローズ「……嘘っ!?」

ミカ「聞こえてねぇのかっ!? ゴングが鳴ったんだよ、ゴングがっ……! てめぇらの敗北だっ……! 今更ガタガタ抜かしてんじゃねぇっ……! てめぇも消えてろっ……!」ガスッ

ローズ「……くあっ!」ボトッ


アー、アーアー

実況「なんと言う事だっ……! な~んと言う事だっ……! この乱戦を制したのは鰯ヶ浜女子プロレスっ……! 我々、ストリートプロレスサイドの敗北と言う結果に陥ってしまいましたっ……!」

元「……あぁっ」

実況「そしてまさかのピンフォールを取られてしまったのは春麗っ……! 春麗がリングに横たわっておりますっ! あ~っと、あっとあっとっ……! そしてそしてミカがそんな春麗へと近づいていきますっ!」


ミカ「ざまぁみやがれってんだっ! この糞アマっ……! この糞ブスがよぉっ……! 井の中の蛙大海を知らずって言葉知ってっかっ……!? なぁ、知ってっかっ……!?」

春麗「……う、ううっ」


アー !? アーアー !?

実況「あ~っと、あ~っと、そしてミカは横たわっている春麗の身体を跨ぎ……あ~っと、上からその顔を覗き込むようにしながら、何やら何やら春麗に向かって言っておりますっ! 喚き散らしておりますっ!」


ミカ「猿山で王者気取った所でよぉ……!? 所詮はモンキーなんだよっ……! 猿山のチャンピオンは人間様には勝てねぇんだよっ……! 世の中にはてめぇなんかより、もっともっともっと強ぇ奴がいるんだよっ……! それがアタシ達だっ!」

ナデシコ「猿なら猿らしく尻丸出しのコスチュームでも作って、赤く塗ってみたらどうっ……!? そっちの方がよっぽどらしいんじゃないっ!?」


ブー 、ブーブー

実況「あ~っと、あっとあっとっ……! 更に更に、そこにナデシコも加わり……あぁ~っと、春麗に向かって何やら喚き散らしているっ! ミカとナデシコっ……! 二人かがりで喚き散らしているっ!」

元「……う~んっ!」

156: 2016/11/08(火) 22:08:25 ID:G7SHPnRo
ミカ「外見だけのちゃんちゃらおかしいなんちゃってレスラーはリングにいる価値はねぇんだっ……! オラオラ、とっとと帰れ帰れっ……!」ゲシゲシ

ナデシコ「リングってのは神聖な場所であるべきなのっ……! アンタみたい奴の存在が、プロレス界の価値を下げているのよっ……! 消えなさいっ……!」ゲシゲシ

春麗「う、ううっ……! くあっ……」ボトッ


ブー ! ブーブー !

実況「更にミカっ……! ナデシコっ……! 今度は春麗の身体を蹴り出し、蹴り出しっ……! あ~っと、落とされたっ! 春麗の身体が場外へと落とされたっ!」

元「……あ~っ、あ~っ」


さくら「春麗さんっ……! それに、ローズさんっ……! 大丈夫っすかっ……!?」

ローズ「ううっ、私は……でも、春麗が……」

春麗「くそっ……くそっ、くそっ……!」


実況「あ~っと、そしてそんな場外へ落ちた春麗に対して……あ~っと、さくらが駆け寄っていきますっ! 駆け寄っていきますっ!」

157: 2016/11/08(火) 22:15:22 ID:G7SHPnRo
ミカ「バカちOちんの観客共~っ! ハイ、注目っ! ハイハイ、注目注目ゥ~っ!」パンパン

ナデシコ「ほらほら、何処見てるのよっ! リングに注目しなさいっ! んっ……?」パンパン


ブー ! ブーブー !

実況「あ~っと、そしてミカはリング上を大きく大きく回りながら手を打ち鳴らしていますっ! 手を打ち鳴らしていますっ! 更にはナデシコも手を打ち鳴らしているっ!」

元「……う~んっ!」


さくら「春麗さんっ……! 春麗さんっ……! とりあえず、今日の所は引き下がりましょうっ……!」

春麗「くそっ……くそっ、くそっ……!」


実況「あ~っと、そしてそんなミカ達を尻目に……あ~っと、さくらは春麗へと肩を貸し……引き下がっていきますっ! 今、花道を引き下がっていきますっ!」

元「う~んっ……! 悔しい結果だけどねぇ……」


ミカ「ウチの団体にはお約束っつーもんがあるんだよっ! 勝利をした時っ……! スカッとした時っ……! そういう時は大きく叫べば気分がいいぞぉっ!? 勿論、やらせて貰うぜぇっ! お前らも一緒に叫んでこいよなっ!? なんかより120倍気持ちいい事だからよぉ!?」

ナデシコ「声高々に叫ぶのよっ! ボン……んああっ……!?」ビクッ

158: 2016/11/08(火) 22:21:47 ID:G7SHPnRo
実況「リング上のミカ達は盛り上がっていますっ! 会場とは裏腹に盛り上がっていますっ! あっと、そして今まことも戻ってきたかっ!? リング上に鰯ヶ浜女子プロレスの三人が集結したっ!」

元「まぁ、悔しいけど……今日の試合は彼女達に取られちゃったね」


ミカ「それじゃあ、いくぜえぇぇっ……! 声高々に叫べええぇっ! せぇ~のっ!」

まこと「ボンバアアァァ!」

ナデシコ「ボンバアアァァ!」

ミカ「ボンバアアァァ!」


ブー ! ブーブー !

実況「そして声高々に叫ぶっ! 叫んでいくっ! ボンバアァァとっ! あ~っと、そんな鰯ヶ浜女子プロレスサイドを尻目に……あ~っと、ストリートプロレスサイドは退場していったぁ! 悔しい敗戦ですっ……! 非情にっ……! 非情に悔しい敗戦ですっ!」


ミカ「ざけんなざけんな、ブーイングじゃねぇだろうがっ……! ボンバーだろうが、糞がっ……! ったく、説教だっ! ヘイ、マイクだっ! マイク寄越せっ!」

160: 2016/11/08(火) 22:31:01 ID:G7SHPnRo
---


ヤムチャ「う~ん、そうか……今日はこっちの負けか……」

ケン「そりゃ、他団体様を呼んでずっとずっと勝ち続ける事なんて事は出来ねぇよ。何度もやってりゃ負けもあるし……勝ちもある……」

ヤムチャ「……まぁ、そうっすよねぇ」

ケン「大和・ナデシコねぇ……ふ~ん……」

ガイル「いい選手だったな」


コンコン、コンコン


ケン「あぁ、いい選手だったよ……まぁ、俺程ではないけどね……んっ、誰だ……?」

161: 2016/11/08(火) 22:39:19 ID:G7SHPnRo
フェイロン「失礼します」ガチャッ

ガイル「お~う、フェイロンか。どうした……?」

フェイロン「今、少し時間ありますか……? ホークを少し借りたいんですけど……」

ホーク「……どうしたんだ、フェイロン?」

フェイロン「時間ある……? ちょっとちょっと……」クイクイ

ホーク「あっ、それじゃあ少し席を外しても大丈夫ですかね……?」

ケン「いいよいいよ。なんか呼んでるみたいだし……行ってこいよ」

ホーク「あっ、はい。それじゃあ失礼します……」ササッ


ガイル「……なんだ、アイツ?」

リュウ「……さぁ?」

162: 2016/11/08(火) 22:47:52 ID:G7SHPnRo
---


春麗「……はぁっ、疲れた」

ローズ「本当、疲れた……も~う、フルタイムで動きっぱなし……」

さくら「へへへ、お疲れ様でしたっ!」

春麗「アンタ一人楽しちゃって……ずっと場外でちょこまかちょこまかしてただけでしょ……? そういうのは、ダメ……ちょっとさくら、今から腕立て伏せ100回ね……」

ローズ「それと、腹筋と背筋も100回ずつね……本当、おばさん二人をフル稼働させるだなんて、この娘頭おかしいわよ……」

さくら「……へへへ」

春麗「ローズ……? あなたはおばさんかもしれないけど、アタシはおばさんじゃないわ。訂正しなさい」

ローズ「フン、なぁ~に言ってんだか……ねぇ、それよりさくらちゃん……? 何が可笑しいの……? ねぇ、ねぇ……?」

163: 2016/11/08(火) 22:55:15 ID:G7SHPnRo
さくら「いや、フル稼働させた事は申し訳ないっすけど……今日の試合ね……自分の中では楽しかったっすよ。満足出来ました」

春麗「……んっ?」

さくら「……6人タッグマッチって、自分達はどうしても出来ないっすからね」

ローズ「まぁ、そうね。駒がないもんね」

さくら「羨ましいなと思ってたんっすよ。空手軍団とシャドルーがリング上でわっちゃわっちゃしてる姿を見てるとね……女子部でもこういう事やってみたいな~って、憧れてた部分はあったんっすよ」

春麗「動かされるこっちの身にもなりなさいよっ……! 今日、あっち向いてこっち向いて……本当、忙しかったんだからっ……!」

さくら「いいじゃないっすか。対抗戦の最中じゃないとこういう事出来ないんだから」

春麗「自分は楽しちゃって! もうっ!」

164: 2016/11/08(火) 23:03:19 ID:G7SHPnRo
さくら「そういう事じゃないっすよっ! 自分は裏方っすよ。二人に華を持たせたんすからっ!」

春麗「どうだかね~」ニヤニヤ

さくら「別にフル稼働してもいいんすよ。フル稼働して主役になっちゃってもいいんすよ? でも、そういう事したら……二人は怒るでしょ!?」

ローズ「そりゃ当然よ。マッチメーカーが主役になるなんて、あるまじき行為よ。それは権限使った横暴よ」

春麗「そういう時はもう、キャミィとかりんを加えて、皆でアンタに反旗を翻すわよ」

さくら「でしょ……!? だからこそ自分は影を潜めて、息を頃して、ひっそりひっそりとねぇ……!? 自分だって動いてましたよ!? そりゃ印象は薄いかもしれませんけどっ!」

ローズ「はいはい、ムキにならないムキにならないっ……! ちょっとからかっただけよ……」クスクス

春麗「本当、この娘はバカね」ニヤニヤ

さくら「……も~うっ!」

ローズ「まぁ、でもそうね。こういうのは忙しいけど……やりがいはあるよね……?」

春麗「キャミィとかりんにも、経験させた方がいいんじゃない? そういうカード作りなさいよ。え~っと、それとアタシのレインボー・ミカへのリベンジ……そこだけは絶対に忘れないでね?」

さくら「そうっすね。まぁ、今日は自分でしたけど……キャミィさんとかりんにもやってもらいたいっすね。今しか出来ないっすからね」

165: 2016/11/08(火) 23:07:59 ID:G7SHPnRo
ーーー


ブー ! ブーブー !

実況「ミカが喚き散らし喚き散らし……そしてブーイングの中退場していきましたっ!」

元「……放送コード大丈夫かね?」

実況「私達も出来る限りは戦士達の生の声を皆様にお伝えしていきたいですっ! さぁ、この中継がピー音によって埋めつくされない事を祈りたいです。レインボー・ミカの生の声皆様に届くのか……!? 届かないのかっ……!?」

元「まぁ、でもそういう所を含めて、良くも悪くも存在感のある選手だよねぇ?」

実況「まぁ、存在だけで言えば……とんでもありませんよっ!?」

元「まぁ、そういう存在感って言うのは一流の選手である事の条件だとは思ってるんだけどね……?」

実況「そのなんと言いますか……こうその立っているだけで威圧感があると言いますか……? その場にいるだけで安心感があると言いますか……? そういった感じでしょうかねぇ?」

元「うん、そういう事だと思うよ。レインボー・ミカ君はねぇ……鰯ヶ浜女子プロレスにとってのそういう……安心感のある存在にはなってると思うよ」

実況「なるほどっ! 確かに試合中に……そういった言葉を言ってましたねぇ!?」

元「う~ん……う~ん……え~っ、そうだな~……う~ん、う~ん……」ブツブツ

実況「おっと、元さん、どうされました!?」

元「あ~っ、いやいや、ごめんごめん……ちょっと言葉詰まっちゃった」

166: 2016/11/08(火) 23:14:11 ID:G7SHPnRo
元「え~っと、それとだ。忘れちゃいけないのが、ミスX……大和・ナデシコ君だね」

実況「そうですねぇ!? レインボー・ミカの引き連れてきた追加召集メンバー大和・ナデシコっ……!」

元「この大和・ナデシコ君って言うのは、鰯ヶ浜女子プロレスでミカ君とタッグを組んでるんだよ。試合前にも言ったと思うけど、ミカ君の絶対的なパートナーなんだ」

実況「はいはいはいっ! 本日の試合、そういった場面が幾度か見られましたねぇ!?」

元「ラストはミカ君と二人でバッドリーピーチでしょ……? え~、後合体技で言えばヘリコプター・クラッシュ……」

実況「あのジャイアント・スイングからの合体攻撃ですねっ!? 私、あのような合体攻撃は初めて目にしましたっ!」

元「う~ん、男子選手でもああいう合体攻撃はないからねぇ。その辺は顔負けだよ。う~ん……だからミカ君の……ミカ君と……ミカ君との……うん、ミカ君との連携。その辺りも非情に光っていた。こっちも存在感はありますよ」

実況「大和・ナデシコっ……! こちらも要注意人物でございますっ!」

元「まぁ、でもそういう意味で言ったら、春麗君とローズ君なんかも……よく動いて……頑張ったしねぇ……?」

実況「う~ん、破れはしましたが健闘を見せてはくれましたっ!」

167: 2016/11/08(火) 23:20:42 ID:G7SHPnRo
ーーー


ホーク「なんだなんだ、フェイロン……どうしたどうした……?」

フェイロン「いや~、何となく気になっちゃってね……え~っと、さっきの試合見てた……?」

ホーク「さっきの試合と言うと……女子部の事だよな……?」

フェイロン「そうそう、女子部の試合。女子部の試合」

ホーク「勿論見ていたが……どうした……?」

フェイロン「……どうだった?」

ホーク「どうだった……とは……?」

フェイロン「……感想、感想」

ホーク「え~、感想……え~……」

フェイロン「うん」

168: 2016/11/08(火) 23:25:11 ID:G7SHPnRo
ホーク「いい試合だと思った」

フェイロン「あははは、あはははっ……!」

ホーク「んっ、どうした……? どうしたんだっ……!? 何が可笑しい?」

フェイロン「あはは、君らしいなぁと思ってさ。感想ってそれだけ……?」

ホーク「う~ん……う~ん……」

フェイロン「やっぱり、来て正解だったよ。まこと選手……彼女の事、どう思った……?」

ホーク「まこと選手……んっ……? まこと選手……?」

169: 2016/11/08(火) 23:30:17 ID:G7SHPnRo
---


ミカ「え~っと、この後はインタビューが控えてるが……控えてるが……う~ん、そうだな……なぁ、まこと……?」

まこと「あい」

ミカ「アタシはあんまりこういう事って言いたくはないんだぞ……? だけど、どうせ陽子さんに後で言われるだろうしさぁ……? そういう事だったら、もう早いウチに伝えておいた方がいいと思うんだよね……」

まこと「……あい」シュン

ミカ「……お前、今日の試合で自分の存在感残せたと思う?」

まこと「……」

ミカ「アタシは、ここでやらせて貰うのは正式な試合としては一試合目だよ。けど、前に特別試合やってっからな……一応二試合目だ……」

まこと「……あい」

ミカ「ナデシコは今日が初舞台だよ。このストリートプロレスで試合をさせて頂く初戦だよ……初戦だから印象残す為に、色々やってただろ……?」

ナデシコ「……まぁ、アタシはミスXだったり、最終勝者の部分があるわよ」

ミカ「けどさぁ、まこと……お前だって初戦じゃんっ!? 初めてまことって存在をここで目にして知るファンだって沢山いるよ。ナデシコだけじゃねぇんだよ。お前だって初戦じゃんっ!?」

186: 2016/11/09(水) 22:00:42 ID:rZs1HX5w
ミカ「お前、何してた? なぁ、何してたんだんだっ!? 一番最初にお前とさくらさんの二人で試合が始まったよな……? そこはあったと思うよ。まことって存在感がリング上にはあったと思うよ」

まこと「……あい」シュンッ

ミカ「けどさぁ……!? 最後の方、何してた……? お前何してた、なぁ……? なんて言うか……膨らんだ風船の空気が萎んでいくって言うかさぁ……? お前の存在感がフェードアウトしていくっつーかさぁ……!?」

ナデシコ「ミカ……ねぇ、ミカ……?」

ミカ「え~、あの~……アレかっ!? あの~、スリーパーホールドの時かっ!?」

まこと「……あい」

ナデシコ「……スリーパーホールドって?」

ミカ「ロープ際で、まことがさくらさんからエプロンサイドからのスリーパーホールドを貰うって場面があっただろ……? それで、その時コイツ……ちょっと、位置取り間違えてロープから離れた場所で待機してたんだよ……」

ナデシコ「……アタシ、その時ダウンしてる?」

ミカ「ナデシコは……え~、ボー・アンド・アロー仕掛けている時だな」

187: 2016/11/09(水) 22:08:38 ID:rZs1HX5w
まこと「ミカさんに怒られて……慌ててロープの方へ行ったけど……」

ミカ「おいおいおい、待てよ待てよ待てよっ……! アタシは怒っちゃいねぇぞ!? 別にアタシは怒っちゃいねぇぞ……!? 今だって、怒ってるワケじゃないんだぞ、なぁ……?」

ナデシコ「もう。とりあえず、一通りの話を聞きましょうよ。まこと……続けなさい……」

まこと「これ以上失敗出来ないと思って……ちゃんと自分の事をやりよらんといかんと思って……」

ミカ「やるべき事ってのは、自分の存在感を……」

ナデシコ「ねぇ、黙って。お願いだから一回黙って。その……だから、存在感を残すって事よりも、試合を成立させる事を優先させちゃった……って感じなのかな……?」

まこと「……あい。そうやか」シュン

ミカ「んん~っ……! なんだかねぇ……!」

188: 2016/11/09(水) 22:14:37 ID:rZs1HX5w
---


ホーク「まこと選手は……え~っ……え~っ……」

フェイロン「あまり印象に残ってないだろ?」

ホーク「えっ……? あ、ああっ……うん……」

フェイロン「なぁ~んかその姿を見てると、君と被っちゃってね」

ホーク「……私と?」

フェイロン「うん。君が同じようになっちゃうんじゃないかな~って不安になっちゃった」

ホーク「……」

フェイロン「最初の方はさ……? 大きいホークが暴れてるな……なんて、印象に残るファイトを君は見せてくれると思うんだけどさ。最後になったら……ホークはいたのかなって、大きいホークの存在が小さく小さくなってしまうんじゃないかなってね」

189: 2016/11/09(水) 22:23:25 ID:rZs1HX5w
ホーク「そうなってしまうのかな?」

フェイロン「今日の相手はユンさんとガイルさんだよ? 君がベストを尽くしたとしても、きっとそれを越えるベストを尽くしてくるんじゃないかなと、僕は思う」

ホーク「……」

フェイロン「ホーク。あまり頭を悩ませるな……君は頭が悪いんだから」

ホーク「……ふはははっ!」

フェイロン「ははは、はははっ! 僕も同じ事になるとは思うんだよ。偉そうに人に言える立場じゃないんだ。僕も君の立場なら、多分最後の最後には存在感が消えてなくなってしまっただろうなと思う」

ホーク「あぁ、うん」

フェイロン「ただ今の試合を見て……自分にも似たような事が起こるんじゃないかと思ったら、僕なら考えるよ。どうすればいいのかを考えていくよ……僕なら」

ホーク「……なるほど」

フェイロン「そして、君は頭が悪いから……考える、考えない以前に……発見してなんじゃないかなと僕は思ったワケだ! 君は頭が悪いからっ!」

ホーク「ふははははっ!」

フェイロン「ははは、なっ……!? なっ……!? だろっ……!?」

ホーク「君の言いたい事がわかってきたかもしれない……じゃあ、もし君がこういう状況に陥ったら、どうする……? 君ならどうする?」

フェイロン「絶対に出来る事って沢山あると思うんだよ。僕は」

190: 2016/11/09(水) 22:31:02 ID:rZs1HX5w
---


ミカ「エプロンで待機してた時だって、ずっと黙ってなかったか……? 休憩時間じゃねぇんだぞ? アピールチャンスだよ。アピールチャンス……」

まこと「……すいやーせん」シュン

ナデシコ「そこは思うけど……じゃあ、ミカと同じだけ煽れると思う……? アタシだってついていくので精一杯だったんだから……」

ミカ「え~っと、あのラストの時とかっ……! 試合決着後にアタシが倒れた春麗さんにガンガンガンガン煽ってたよ! あれはナデシコも加わってきたよ、なぁ?」

ナデシコ「……アタシはすぐ側にいたから」

ミカ「なんで来ないんだよっ……!? なんで一緒になって、喚き散らしてねぇんだよ。なんで来なかったんだ、あの時……?」

まこと「……すいやーせん」

ミカ「それでさぁ……? ボンバーの時だけは戻ってくるじゃん……? ボンバーだけやってりゃいいってもんじゃないだろ?」

まこと「……すいやーせん」

ナデシコ「ミカ……ミカ……ねぇ、ミカ……」

191: 2016/11/09(水) 22:38:22 ID:rZs1HX5w
ミカ「まぁ、その……なんだ……試合成立させる為に四苦八苦ながらやってた事は認めるっ……! そこはよく頑張ったなと言ってやるよ。初めての対抗戦で……うんっ! よく頑張ったっ! うんっ!」

まこと「……あい」

ミカ「ただ……う~ん、最低限だったよな? 弁当で言えば、塩ご飯に海苔だけ乗っけたようなもんだよ。淋しい淋しい弁当だったんだよ……アタシはハンバーグが食べたかったっ! 唐揚げも食べたかったなぁ~っ!」

ナデシコ「う~ん……わかるような……わからないような……」

ミカ「陽子さんとの間にはアタシが入ってやる……アタシが入って口聞いてやるから、そこは安心しろ……なっ……?」

ナデシコ「……アタシも入るわ」

まこと「……あい」

ミカ「こっちはゲストとして呼ばれてる身分なんだから……もっと一試合一試合に向き合っていこうよ!? 対抗戦ってのは時間が限られてるんだよっ! こういう問題を先送り先送りにしていく事の積み重ねが……最後の最後にとんでもない状況を生み出すんだっ!」

192: 2016/11/09(水) 22:50:05 ID:rZs1HX5w
ーーー


ローズ「さくらちゃん、まことちゃんはどうだった……?」

さくら「う~ん、まだ固かったっすかねぇ……? リラックスさせようと頑張ってみたものの……」

ローズ「……あっ、ラーメンね!?」

さくら「へへへ、すいませんっす。う~ん……まぁ、だからこれからのカードでその辺もっすね。お二人はどうでしたか……?」

春麗「忙しかった以外の感想はあまりないわよ」

ローズ「うん、そうね。忙しかったの一言につきるかな~?」

193: 2016/11/09(水) 22:55:52 ID:rZs1HX5w
春麗「対抗戦の決着っては、まだ先でしょ……? そこに向けて、モチベーション作っていかなきゃ」

ローズ「今日の試合はこれくらいって所じゃない?」

さくら「まぁ、そうっすね……ラスト前に燃え尽きちゃうってのも、良くないっすからね」

春麗「こういうのはベテランのテクニックよ」

ローズ「そう、おばさんになったら、こういうテクニックが使えるようになるの。だからさくらちゃんも早く歳を重ねなさい……」

さくら「あはははは」

春麗「だからアタシはっ……!? ねぇ、ところでラーメンって何っ……!? ラーメンって何よ……!?」

ローズ「あっ、そうそう聞いて聞いてっ……! さくらちゃんったら、アタシがキャメル・クラッチしてた時に……」クスクス

春麗「キャメル・クラッチでラーメンっ……!? アンタも十分おばさんじゃないっ!?」

さくら「ベガさんとジミーさんが、そういう話をしてた事があるんすよっ! 自分はそれで知ったんっすっ!」クスクス

194: 2016/11/09(水) 23:02:17 ID:rZs1HX5w
---


ホーク「参考になったよ。私の為にわざわざ……本当に本当にありがとう。フェイロン……」

フェイロン「ははは、ちょっと語弊があるな。僕はそんなに聖人じゃない。ただ君の為だけに、これを伝えに来たのではなく……これを伝える事は僕の為にもなるからだ」

ホーク「……んっ?」

フェイロン「君が今日の試合で結果を出せれば、君と僕との二人で大舞台に上がれる可能性があるんだからね。そしてそれは僕自身の為だ。打算故が上の行動だね」

ホーク「うんうん」

フェイロン「それに……もし今日舞台に上がっていたのが僕ならば……とも思いたくはない」

ホーク「はは、そうかそうか」

フェイロン「言ったよね……? 僕ならもうちょっと上手く出来るのにって、モヤモヤした気持ちは生みたくないってね……?」

ホーク「ああっ! 言ったっ! 言った言ったっ!」

195: 2016/11/09(水) 23:08:48 ID:rZs1HX5w
フェイロン「残念だけど、今日一緒にリングに立つ事は出来ない。僕はこっちだ……」

ホーク「うん」

フェイロン「でもリングの中と外……心は繋がっているという事は忘れないでいてほしい……」

ホーク「今日の私は……君の分まで戦わないといけないんだな……ははは、これも気づいていなかった……本当に本当にバカだ……私は……」グスッ

フェイロン「……試合前だぞ~? そんな顔してんじゃないよ」ケラケラ

ホーク「ああっ……! うんっ……! ああっ……! そうだなっ……!」ゴシゴシ

フェイロン「……いいファイトを見せてくれよ。頭の悪い大きな戦士さん」

ホーク「……必ずいいファイトを見せてみせる。ありがとう、頭のいい小さな戦士さん」

197: 2016/11/09(水) 23:12:47 ID:rZs1HX5w
---


ベガ「……ジミー」ムスッ

ブランカ(試合以外でのドスの効いた声……い、嫌な予感がします……)

ベガ「おい、コラ……ジミー……聞いてんのか、オイ……」

ブランカ「あっ……あっ、はい。なんでしょうか……?」

ベガ「……お前、さくらの補佐につけるか?」

ブランカ「え~っ、さくらさんの補佐ですか……? あ~、はい……」

ベガ「対抗戦の間だけで構わんからさ」

ブランカ「あぁ、対抗戦の間は……私とさくらさんでマッチメイクを作っていけと……?」

ベガ「一回、ストーリー見直す必要があるだろ……? これ、多分評判悪いぞ……?」

ブランカ「……あぁ、ははは」

198: 2016/11/09(水) 23:16:45 ID:rZs1HX5w
ベガ「何も出来てないではないか、アイツらは……!? 対抗戦のお祭りムードで浮かれてんじゃないのか……!? さくらだけではないっ……! 春麗もだっ……! ローズもだっ……!」

ブランカ「あ~、はいはい……一回落ち着きませんかね……? 一回……ねっ……? 一回、一回……」

ベガ「今日はKIR○Nさんも見に来てるんだぞっ!? スポンサー様が見に来てるんだぞっ!? よくもまぁ、そんな前であんな試合が出来たもんだなぁ!?」ドガァッ

ブランカ「……机は蹴らないっ!」

ベガ「ふざけた試合をしやがって……あんの野郎……ふざけた試合をしやがって……」

ブランカ「まぁまぁまぁ……そうは言っても、対抗戦の決着はまだ先ですし……今日の試合はそれの前哨戦と言いますか……」

ベガ「そんな物が理由になるかっ!? この大馬鹿物がっ!」ドガァッ

ブランカ(ああコレ、ダメなヤツだ……久々だなぁ……)

ベガ「対抗戦の決着さえいい形で終わればいいのかっ……!? ならばその課程はどうでもいいというのか……!? 今日会場に足を運んだファンの事は無視しても構わんのかっ!?」

ブランカ「それは……いけません……はい……」

ベガ「ジミー……お前、さくらの補佐だ。これも育成業務だ……」

ブランカ「育成ですか……」

199: 2016/11/09(水) 23:20:32 ID:rZs1HX5w
ベガ「当然だ。他団体の選手を育成していかなければいけないんだぞ……? しかも、制限時間付きでだ……?」

ブランカ「はい、そうですね。まこと君ですね。一皮剥けて貰わないといけませんからね……」

ベガ「まこと君だけではない。ナデシコ君もだ。今日の試合……彼女達が力を出せなかったのではない。その力を引き出せなかったアイツらに問題があるんだろうがっ!」

ブランカ「はい……はい……はい……」

ベガ「それをなんだ。浮かれてヘラヘラヘラヘラしやがって、バカ共がっ……! 試合中に遊んでる場合かっ! 人様の団体の選手を無視して、何を遊んでるんだアイツらはっ!」

ブランカ「はい……はい……はい……」

ベガ「こんな試合を続けているようではな、業界だけではなくファンにも見捨てられてしまう……間違いなくこの試合は評判悪いぞ……!? さくらめ……あぁっ……! 何をしているっ……!?」

ブランカ「そうですね……う~ん、何と言うか……お祭りではありませんし、意識改革……う~ん……」

ベガ「今すぐさくらを呼び出……あぁっ……! いやっ、違うっ……! バイソンだっ……! バイソンとナッシュを呼び出せっ……!」

ブランカ「さくらさんではなく、バイソン君とナッシュ君ですか……?」

200: 2016/11/09(水) 23:24:25 ID:rZs1HX5w
ベガ「次の試合はバイソンとナッシュだろうがっ……!」

ブランカ「……あぁ、はいっ!」

ベガ「ダラけた試合を忘れ去せるようなインパクトの残るドギツイ試合をしてもらわなければ困るっ……! 沸かせろっ……! 会場を沸かせろっ……! KIR○Nさんも見ているんだぞっ!?」

ブランカ「はいっ……! はいっ……!」

ベガ「今回のまこと君の件っ……! 私自らが陽子さんに頭を下げるっ……! ジミーは会場だっ……! 今、目の前にあるこの冷えきった会場をなんとかしろっ……! 走れっ!」

ブランカ「はひっ……! 急いでバイソン君とナッシュ君を呼んできますっ……!」ダダッ

ベガ「さくら……あぁっ! コーディの事もあるかっ……!? あ~っ、さくらにはアンケートの結果を突きつけてやってからでいいだろう……遊び半分で試合を行っていた事……目の越えたファンは当然感じてるだろう……チィッ……!」

215: 2016/11/10(木) 22:01:33 ID:bpawpwOE
ーーー


ジェイク「ちくしょうっ……! ちくしょうっ……! 嗚呼、ちくしょうっ……!」

エルガド「ガイにも続き……俺達の春麗まで……くぅ~っ……!」

エディ「お前らの応援パワーが足りねぇんだよ。応援パワーがよぉ」

ジェイク「いや、そんな事ありませんよ。俺達、声出してたじゃないですか」

エディ「何、言ってやがる。ほとんど掻き消されてたじゃねぇか。情けねぇ奴らだなぁ、お前らはよぉ」

ツーピー「でも、そうっすねぇ。やっぱり春麗さんの時になったら、周りの声も大きくなってきますねぇ」キョロキョロ

エディ「メトロシティ魂が足りねぇよ……おめぇらにはメトロシティ魂がよぉ……」

エルガド「じゃあ、エディさんも声出して下さいよ。エディさん、声出してなかったでしょ!?」

エディ「俺は保護者だよ。保護者だ、保護者だ……保護者だから、そういうのはいいんだよ……」

216: 2016/11/10(木) 22:08:24 ID:bpawpwOE
エディ「でもよぉ……? あのレインボー・ミカとかいう奴っ!? ゲヘヘ、アイツ中々面白ぇ奴だったよな!?」

ジェイク「……えっ!?」

エディ「おめぇら、ああいう女好きだろ……? ああいう気の強そうな女にさ……? ケツにさ……!? 顔埋めて、ちゅっちゅちゅっちゅしてなっ……!? ガハハハっ!」

ダグ「エディさん、保護者がなんて事言うんすか……? 保護者なんでしょ……?」

エディ「ガハハハっ! おしり、ちゅっちゅちゅっちゅってなっ!」

ジェイク「……エディさん、エディさん。勘弁して下さいよ」

エルガド「俺達は、女ならなんでもいいってワケじゃないんですよ」

エディ「……んっ?」

217: 2016/11/10(木) 22:16:38 ID:bpawpwOE
ジェイク「俺達のタイプってのは、もっとなんだろうなぁ……こ~う、おしとやかで……」

エルガド「そうそうそうそうっ! 優しくて……え~、そんでもって家庭的で!」

ジェイク「でもやっぱりナイスバディじゃないといけねぇよなぁ!? ボン・キュッ・ボンだよっ! ボン・キュッ・ボーンっ……!」

エルガド「顔面偏差値は勿論60は必要っ……! 出来る事なら70は欲しいけどねっ!」

エディ「……そういう事ばっか言ってから、おめぇらいつまで経っても彼女が出来ねぇんだよ、バーカ」

ジェイク「……えぇっ!?」

エルガド「……んんっ!?」

エディ「何が顔面偏差値60だ。顔面偏差値60ゥ……!? てめぇらどうなんだよ!? 顔面偏差値も……実際の偏差値も30切ってるじゃねぇか、バーカっ!」ゲラゲラ

ジェイク「し、失礼なっ……!? そりゃ、実際の偏差値は……そうかもしれませんけど……」

エルガド「俺達、顔面偏差値は55ぐらいはありますよっ!?」

エディ「ガハハハっ……! お前ら一生彼女出来ねーよっ! 断言してやるよっ!」ゲラゲラ

219: 2016/11/10(木) 22:26:35 ID:bpawpwOE
ダグ「ちょっとちょっと、あまり騒ぎすぎると周りの迷惑になりますから……ちょっとちょっと……」アセアセ

ツーピー「今更……って感じもしますけどね……? ところで……おい、ケンシロウ……? どうしたどうした……?」

アクセル「……」

ツーピー「腹でも痛いのか……? 急に黙りこくってよぉ……? 腹痛いんだったら、今の間に便所に行ってきた方がいいんじゃねぇの……?」

ダグ「あ~、あ~……そうじゃねぇよ、そうじゃねぇよ、ツーピー……今はそっとしておいてやれって……コイツ、ショック受けてるんだよ……」

ツーピー「……んっ?」

ダグ「ほら、コイツ……自分の事、春麗さんの親衛隊長とか言ってたじゃん……? 自称だけど、友達以上恋人未満の関係だよ……でもさ、今の試合で春麗さんは……」

ツーピー「あ~っ、そっか。なぁ、ケンシロウ……? でもお前までそんなに落ち込む事はないとは思うんだよ!? きっと春麗さんだったら、次の試合で……」

アクセル「……まこりん」ポッ

ダグ「……んっ?」

ツーピー「……んあっ?」

220: 2016/11/10(木) 22:38:04 ID:bpawpwOE
アクセル「可愛かったなぁ……一生懸命だったなぁ……俺、ああいう子……好き……」ブツブツ

ダグ「ケンシロウ……? おい、ケンシロウ……?」

アクセル「俺、まこりんのファンになっちゃった……ああいう子……俺っ……! 応援するっ……!」

ツーピー「おい、ケンシロウ……? まこりんって誰だ……? まこりんって誰だっ!?」

アクセル「まこりんはまこりんじゃねぇかよっ……! お前らっ……! 今の試合のまこりんの勇姿を見なかったのかっ……!? その目に焼き付けなかったのかっ!?」

ダグ「まこり……あぁっ……! まことって人の事だなっ! まこと選手、まこと選手っ!」

ツーピー「ま、まこと……? え~っと、どの人だったっけ……?」

アクセル「一番可愛いかった子だよっ……! どの人っ……!? それ、どういう意味だっ……!?」ガシッ

ダグ「ほら、レインボー・ミカの仲間だった人だよ。一番最初に出てきた人だよな?」

ツーピー「な、なんでそんなにムキになって……お前、春麗さんの親衛隊長はどうなったんだよ……? そ、それにそのまことって人は、春麗さんの敵だろ……? 敵を応援してどうするんだよ……?」アセアセ

アクセル「それはそれっ……! これはこれっ……!」

ツーピー「いやいやいや、それはそれ……これはこれってさぁ……?」

ダグ「ははははっ! 裏切り者だ~っ! 裏切り者が出たぞ~!」ゲラゲラ

222: 2016/11/10(木) 22:51:15 ID:bpawpwOE
ジェイク「エルガドは偏差値30っ……! でも、俺は偏差値55っ……!」

エルガド「お前より、俺の方が絶対絶対格好いい自信はあるぞっ!? 鏡見てから言えよ、そういう事はなぁ!?」

ジェイク「その台詞そっくりそのまま返してやるよっ! 俺の方が絶対にイケメンだってのっ!」


アクセル「裏切り者とか、そういう事じゃないっ! 春麗さんの親衛隊長は続けていくよっ! ただ、個人的にまこりんを応援していくって話だよっ!?」

ツーピー「それ、裏切り者じゃんっ! 今日はメトロシティの英雄達を応援するんだろ!?」

アクセル「だから、それはそれ……! これはこれっ……!」

ダグ「じゃあ、もしさぁ……? 春麗さんとまこりんが一対一で試合するってなったら、お前どっち応援するの……?」

アクセル「え、え~っと……そ、それは……」

ツーピー「そうだよそうだよ。そういう事になってくるじゃねぇかっ!? もし、春麗さんとまこりんに同時に告白されたらどうするんだよっ!? お前、そういう考えだったら困る事になるぞ~っ!?」

アクセル「え~っ……え~っ……そ、そん時には三人で仲良く暮らすよっ……!」アセアセ

ダグ「ははは、ダメだこいつ」


エディ「ガハハっ! いや~っ、今日は楽しいなぁ~! 今日は楽しいなぁ~! でもよぉ、お前らあまり騒ぎすぎてヘバるんじゃねぇぞ? メトロシティの英雄はまだ残ってんだからよぉ!?」

240: 2016/11/12(土) 22:00:50 ID:UpwSpZ2Y
ーーー


ランチ「凄い試合でしたね。ちょっと目が追いつきません部分がありましたが、それでも楽しかったですわ」クスクス

天津飯「色んな意味で凄い試合だったな、うん」

ランチ「ヤムチャさんの試合も、もうすぐですよね?」

天津飯「次にもう一試合ある。その次だ」

ランチ「え~っと、え~っと……そういう事なら……えっと……」ガサゴソ

天津飯「……ん、どうした?」

餃子「……トイレ?」

ランチ「あっ、お手洗いじゃありませんわ。ジュースの引き換えに行ってきます」

天津飯「引き換えは確か最後の試合前だと言われなかったか?」

241: 2016/11/12(土) 22:09:01 ID:UpwSpZ2Y
ランチ「はい、最後の試合の前と言われましたけど……でも、ほら……? これだけ沢山の人がいるじゃありませんか?」キョロキョロ

天津飯「おう」キョロキョロ

ランチ「皆さんが一斉に引き換えに行ったら混雑しませんか? それなら今のうちに行っておいた方がいいと思うんですよ」

天津飯「あぁ、なるほどな」

ランチ「やっぱりヤムチャさんはしっかり見たいじゃないですか。ジュースはちょっとぬるくなっちゃうかもしれませんけど……ですから私、今から天津飯さんと餃子さんの分も引き換えてきますわ。引換券預けて頂けますか?」

天津飯「いや、君が行く事はない。俺が行ってくるよ。この引換券を売店に持っていけばいいんだよな? 三人分、纏めて貰ってくる」

ランチ「あっ、そういうのは私が……」

天津飯「俺はあくまでヤムチャを見る事を目的に来たからな。君は試合を見て楽しんでいるようだし……そこで座って見てればいいさ。引換券を預かるよ。貸してくれ」

ランチ「……あっ、はい」パッ

天津飯「餃子もここで待ってろ。万が一の事があるからな」

餃子「うん」

242: 2016/11/12(土) 22:17:09 ID:UpwSpZ2Y
ランチ「あの~、天津飯さん……?」シュン

天津飯「どうした?」

ランチ「折角お誘いしたのに、その……私一人だけ楽しんで……その……私ばかりお喋りして……その、申し訳ありません……」

天津飯「んっ……? それはどういう意味……」

ランチ「退屈……されてません……? なんだか、楽しんでるのは私だけのような気がして……」

天津飯「いや、そんな事はないとは思うぞ?」

ランチ「でも、天津飯さん……ずっと険しい表情で……」

餃子「天さんはいつもこんな感じ。気にしないで」

天津飯「う~ん、俺もそれなりには楽しんでいるつもりなんだが……う~ん、なんだろうな……」

243: 2016/11/12(土) 22:24:43 ID:UpwSpZ2Y
ダン「いよいよ佳境に入ってきましたっ! それでは第五試合ですっ!」


オー ! オーオー !

天津飯「おっと、次の試合が始まるみたいだな……? まぁ、俺の事は気にしないで、自分の思うように楽しめばいい。というか、俺は楽しんでいる」

ランチ「天津飯さんが楽しんでいるのなら……いいんですが……う~ん……」

天津飯「んっ、なんだ……? なんだなんだ……?」

餃子「試合が始まる。見よう。楽しもう」

ランチ「そうですね。はい」

天津飯「まぁ、いいか……とりあえず、ジュースを貰ってくるよ。すぐに戻ってくる」

244: 2016/11/12(土) 22:29:19 ID:UpwSpZ2Y
---


コーディ「……なんか俺ってとことん間が悪いって言うか」

ダルシム「何やら今、機嫌悪いらしいな。しかし、ベガさんの機嫌によって……君の今後がどうこう左右される事はない……とは思う……多分……」

コーディ「ガイの時はスポンサーの電話がかかってきた直後で……凄く機嫌がよかったって聞いてますよ……?」

ダルシム「あぁ、そういえばそうだったそうだった……うんうん、あの日は凄く上機嫌だった」

コーディ「なんで、今日に限って……」

ダルシム「まぁ、覚悟を決めよう」コンコン


ベガ「……入れ~」

245: 2016/11/12(土) 22:37:50 ID:UpwSpZ2Y
ダルシム「……失礼します」ガチャ

コーディ「……失礼しますっ!」

ベガ「まぁ、とりあえず掛けろ。わかっているだろうとは思うが、ベルト戦の件だ」

ダルシム「……あれ、機嫌いいんですか?」

ベガ「……んっ?」

ダルシム「いや、ジミー君が今怒っていて危険だから……みたいな事言ってたんですけど……」

ベガ「や~め~ろ。ようやく少し落ち着いた所だ……それを蒸し返すな。やめろやめろ……大体さくらがいない場所で爆発させても仕方がないだろう……」

ダルシム「ああ、なるほど」

ベガ「女子部の件は女子部の件……コーディの件はコーディの件だ……こことの一戦はあんなふざけた一戦するワケにはいかんからな……? 前向きに……前向きに話していこうではないか……ふざけた試合にさせん為にもな」

ダルシム(……う~ん、若干まだ怒ってますね、コレ)

246: 2016/11/12(土) 22:41:25 ID:UpwSpZ2Y
ベガ「では、え~、コーディ……次の防衛戦はお前とだ。そしてお前にもそこでキャラチェンジをしてもらう。王者戦という大舞台で新たなファイトスタイル……キャラクター……そういった物でこれから先に進んで貰いたい」

コーディ「その事なんですけど……一ついいですかね……?」

ベガ「……どうした?」

コーディ「さっきダルシムさんと少しそういう事を話しましたし……それより、その前ですね。だから、ガイが忍者になると決まってから自分にも同じように話が来るんじゃないかって、考えてた部分はあったんですよ……」

ベガ「おう、そうかそうか。考えてたのか」

コーディ「それで、う~ん……なんと言うか……俺って、そういうキャラクターやる事は向いてないと思うんですよ……無理だと思うんですよ……」

ベガ「……何?」

ダルシム「待て待て、コーディ君……やりもしないうちから、そういう事を言うのは良くないぞ?」

247: 2016/11/12(土) 22:48:40 ID:UpwSpZ2Y
コーディ「違うんです。話は最後まで聞いてもらってもいいですか……? 俺って……空回り癖みたいな所があると思うんですよ……これは自分自身の悪い所です。自覚しているんです」

ベガ「……ほう」

コーディ「こ~う、なんだろうなぁ……一生懸命やろうと思った時に、余計な雑念が入ってしまうと言うか……だからさっき言ってた元さんの暗殺拳の後継者をするとしても……」

ダルシム「うん」

コーディ「頑張って暗殺拳の後継者をしなければ……暗殺拳らしくやらなければ……ってのが、雑念となって……どんどん土坪に入っていくというか……」

ベガ「……ふ~む」

コーディ「メトロシティに遠征に行った時には上手くいったとは思ってたんですが……それも結局、今日ガイに使われちまうし……今日のガイの試合で、空回りの種がまた増えたんじゃないかとは思ってるんですよ……」

ダルシム「あぁ、確かに……今日、メトロシティのファンが来てるなぁ」

コーディ「そりゃ、俺もガイみたいに……いや、ガイより……結果を出したいとは思いますが……そういう事を考えながらやる時って、俺は空回りしちゃうパターンが多いんです……今までの経験上」

248: 2016/11/12(土) 22:55:53 ID:UpwSpZ2Y
ベガ「でもなぁ、コーディ……? お前、そういう事を言ってたら何も出来ないぞ? それはキャラクター云々ではなく、お前のこれからにも必ず付きまとってくる」

コーディ「いや、キャラはやりますっ……! も、勿論王者戦もやりますっ……! え~っと、だからそこに持っていくキャラ……え~っと、やる気なしキャラみたいなのはダメですか!?」

ダルシム「……やる気なしキャラ?」

コーディ「俺、自分の欠点は把握してるんですよ。だから新しいキャラで、その欠点に拍車をかけていくってよりかは……その欠点を制御する……だってやる気なしキャラなんだから」

ベガ「……ふむ」

コーディ「ガイはキャラクターを自分の原動力……エンジンとして使いました。俺はその逆に使った方がいいんじゃないかと思うんですよ。その……制御装置として……ブレーキとして……」

ベガ「……なぁ、コーディ?」

コーディ「はい」

ベガ「お前の希望はわかった。その事を踏まえて……五分席を外せ。五分でいい。仮にそれをやるとすれば、今後の方針にも関わってくる……お前だけじゃなくて、ガイにもな……? とりあえず、ダルシム君と二人で話したい。五分退室……ゲットアァァウト……」クイクイ

コーディ「は、はい……わかりました……」ガチャ

250: 2016/11/12(土) 23:00:44 ID:UpwSpZ2Y



バタン


ベガ「……やる気なし人間だとさ。ダルシム君、どう思う?」

ダルシム「う~ん、そうですね」

ベガ「発想自体は悪くはないとは思うんだよ。今日のガイは私に勝つ為に全力を尽くす……みたいなスタンスで来たが、アイツがやる気なし人間で来るとすれば、要は俺なんかが勝てるワケないよ無駄だよ、無駄無駄……みたいな形で挑んでくるワケだ」

ダルシム「そうなりますね」

ベガ「その辺りは対比が出ていて面白いとは思うんだよ。同じような形で向かってくるのではなく、ガイとコーディ……試合の前から私に対する意気込みが違っている。面白い。ここで二人の違いがはっきりと出るわけだ」

ダルシム「はい」

ベガ「ただ、問題はだ……やる気なし人間……う~ん、やる気なし人間……う~ん、無気力人間……う~ん……」

ダルシム「……」

ベガ「……一発屋の臭いがしないか?」

ダルシム「多少、しますねぇ」

251: 2016/11/12(土) 23:12:39 ID:UpwSpZ2Y
ベガ「個人的にはさぁ、発想は好きなんだよ。発想は……」

ダルシム「あっ、そうですか」

ベガ「うん。だから私もザンギエフと同じ事をしてても仕方がない……ザンギエフと違うカラーを出していかねばならない……そういった部分はあるからな。アイツがガイと違う路線でいきたがってるのは、理解出来る部分はある」

ダルシム「あ~、なるほど……はいはいはい……」

ベガ「それでさぁ……? アイツ、さっき何か空回り癖だとかさぁ……? 雑念だとかさぁ……? ネガティブな事ばかり言ってただろ……?」

ダルシム「はいはい、言ってましたね」

ベガ「しかし、そのネガティブな部分……それを今回のキャラチェンジを使って、ポジティブに変えていきたい……それはあったじゃないか? 負の感情を正の感情へと変化させる……なっ?」

ダルシム「はいはい」

ベガ「私もスタートラインはそこだったんだよ。ザンギエフへのやっかみが……シャドルーを生み出したんだよ。気持ちはわかる……うん、わかる……」

252: 2016/11/12(土) 23:20:35 ID:UpwSpZ2Y
ベガ「出来る事なら、やらせてやりたいとは思うが……やる気なし人間……う~ん、そりゃファンだってやる気のある人間を応援するからな……」

ダルシム「……ですよねぇ」

ベガ「あ~、でも私ならば……やる気があれば勝てるのか? 根性論で勝てるのか? こんなドクズが私に勝てるわけないだろう……と、言うなぁ……」

ダルシム「あ~、確かに」

ベガ「だから、コレをコーディに言わせればいいんじゃないか……? ブーブー、コーディもっとしっかりしろー……はい、ブーイングがきました」

ダルシム「……きました」

ベガ「やかましいブーイングを飛ばしてるんじゃないぞ、ゴミ共め。お前らは本気で俺がベガに勝てるとでも思ってたのか? 俺はベガに弄ばれただけなんだよ。ちくしょう」

ダルシム「……ああ、はいはい」

253: 2016/11/12(土) 23:28:20 ID:UpwSpZ2Y
ベガ「正義が負ける事だってあるんだよ。ハッピーエンドばかり期待している脳みそお花畑の連中が喚くな」

ダルシム「……ほうほう」

ベガ「じゃあ、ダルシムっ……! お前だったら、ベガに勝てるのかっ……!? 私の次はお前がベガの踏み台にされるぞっ……!? 次のベガの指名はお前だっ……! お前がベガからベルト奪えよっ……! そしたらこのやかましい虫けら達も大喜びだっ……!」

ダルシム「ああ、なるほど。私が、あの王者戦でのやる気なしの態度はどうだったんだ……? みたいな事を言うワケですね?」

ベガ「なんだこのアマ共の試合はっ……! 私の試合と大差ないのではないか……? 喚いてブーイングを飛ばす相手は私ではなく、こいつらではないのかっ……!? ほら、ブーイング飛ばせよっ……! ゴミ共、ブーイング飛ばせよっ……!」

ダルシム「女子部はもういいです。もう、いいですから……」

ベガ「うんうん。これはいけるいける……少なくても、私ならいけるいける……」

ダルシム「……スラスラ出てきますねぇ。そういう言葉」

ベガ「だから、無気力人間プラス皮肉屋なんだよ。アイツの希望、叶えてやる事が出来るよ」

254: 2016/11/12(土) 23:33:01 ID:UpwSpZ2Y
ダルシム「しかし、一つ懸念すべき事があります」

ベガ「……なんだ?」

ダルシム「そのコーディ君の無気力皮肉人間とでも言えばいいでしょうか……? マイク前提みたいなっている部分がありますよね?」

ベガ「あぁ、確かにな」

ダルシム「つまりそれは、試合中今日のガイ君のような事は期待出来ないという事になりませんかね……? 要は無気力なファイトで魅了していかなければならないと言う事ですよね?」

ベガ「……なるほどな。確かにそうなるな」

ダルシム「……大丈夫でしょうか?」

ベガ「その為の私だ……フン、その為の私なのだ……まぁ、やりがいのある試合にはなるとは思うがね。コーディの希望を引き出してやらねばな」

278: 2016/11/14(月) 22:00:38 ID:D/PugidE
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天津飯「う~ん、少し並んでいるみたいだな。まぁ、餃子がついているだろうから、金髪化しても大丈夫だろうとは思うが……あまり目を離しすぎるのは心配だからな」

女「ねぇねぇ、早く戻ろうよ。ジュース貰って戻ろうよ」

男「わかってるって、わかってるって。もう」

天津飯「う~ん、しかしランチ……一体何を気にして……」

女「早くしないと試合始まっちゃうよ! も~う、早く早くっ!」

男「……ったく、ずっとしかめっ面してたのに、なんだかなぁ~」

天津飯「……んっ?」チラッ

女「しかめっ面なんてしてませ~ん!」

男「いやいや、しかめっ面してたよ……しかめっ面を……それに誘った時も、凄ぇ嫌そうにしてたぞ、お前……?」

279: 2016/11/14(月) 22:07:23 ID:D/PugidE
女「だってさ……!? デートだよ!? デートだよ!? デートにプロレスって……おかしくない……?」

男「……そうかな?」

女「絶対、絶対おかしいよ!? ちょっとズレてるよ! チョイスがおかしいとは思うよ!」

男「でもさ……!? 出してんのは俺じゃんっ! 俺が二人分出してるから構わないじゃんっ!? 俺がゼニーを払って……二人分のチケットを買って……今日は連れてきてるんだ。俺が連れてきてやってるんじゃん!?」

女「ゼニーとか、そういう問題じゃなくてさぁ……? それに嫌な顔なんてしてないっ!」


天津飯「……」ジーッ


男「『なぁ~んでプロレス』なんて言ってた癖に、何言ってんだか……朝からずっとしかめっ面してた癖に、何言ってんだか……」

女「言ってませ~んっ! してませ~んっ!」

男「でも、ホラ……? 実際来て見てみると……案外、楽しいもんだろ?」

女「うん!」

280: 2016/11/14(月) 22:15:50 ID:D/PugidE
男「やっぱり、折角こうやって誘ったんだから、楽しく見たいじゃん? 隣でず~っとしかめっ面されてちゃ、こっちもテンション下がっちゃうワケだ! そういう反応されちゃ、誘った俺だって申し訳ないなって気になるよ!」

女「だから、チョイスにビックリした部分はあるけど……別に嫌な顔はしてなかって」


天津飯(テンションが下がる……誘ったのに申し訳ない気になる……)


男「でも、出どころは汗水垂らして働いて稼いだ俺のゼニーなワケじゃん? だったら、チョイスがおかしいとかそういう言葉はないんじゃないかな……と、思う部分はあるよ!?」

女「ゼニー、ゼニーってしつこいなぁ、も~うっ……! だったら、自分の分払うよ!? 出すよ! チケットいくらだったの!?」


天津飯(そうだな。う~ん……よく考えれば、俺も餃子もランチが働いて稼いだゼニーで、今ここにいるワケだ……後でランチに……)


男「いやいや……! それを受け取ったら……尚更無理矢理連れてきた感が増しちゃうよっ! そこは俺が誘って……お前は来てくれた……それはそれでいいじゃん。なっ……?」

女「こっちは楽しんでるんだからっ……! そういう時に、ゼニーの話をされちゃこっちだってテンション下がっちゃうよ!」


天津飯(んっ、なんだ……? 自分達の分を自分達で出すのはダメなのか……? 無理矢理誘った感が出るだと……? それなら、どうすればいいんだ……?)

281: 2016/11/14(月) 22:24:14 ID:D/PugidE
男「そこはもうプレゼントとして受けとってくれりゃあいいよ。だから……その代わりと言っちゃなんだけど、夜のプレゼントの方ですよ。夜のプレゼント……」

女「……んっ?」


天津飯(……夜のプレゼント?)


男「やっぱりゼニーよりかは、俺は夜のプレゼントの方が嬉しいかな~なんて思う。だから今日の夜は積極的に……ねっ、ねっ……!? そういった形の方が俺は嬉しいな~! うん、嬉しいな~!」

女「……ねぇ、何言ってんの!?」


天津飯(ああなるほど……ゼニーで返すのではなく、別の形で返した方が誘った側は喜ぶというわけなのか……ふむ、なるほど……)


男「楽しんでるでしょ……!? ねっ、今楽しんでるでしょっ……!? だったら……だったら、ねっ……!?」

女「早くジュース交換して、試合見に戻るよ。もうっ!」


天津飯(あの時のランチの態度……そうか。確かに誘ってくれたのは彼女なんだ。申し訳ない事をしてしまったのかもしれないな)

282: 2016/11/14(月) 22:31:59 ID:D/PugidE
売店員「お次の方、どうぞ~」

天津飯「んっ……? あっ、俺か。この引換券で貰えるんだよな? 三枚あるのだが……」

売店員「はい、三枚ですね。少々お待ち下さい」

天津飯(え~、しかめっ面ばかりしていると、誘った側もテンションが下がるか……う~ん、なるほどな……)

売店員「はい。それじゃあ、こちら三本になります。どうぞ」

天津飯「ああ。うむ、ありがとう」

売店員「お次の方、どうぞ~」

天津飯(それと誘ってくれた事に対する礼も、行わないとな……まぁ、野菜だな。いいトマトとナスとキャベツが取れている……確かに、ゼニーを渡すよりかは、こちらの方が彼女も喜んでくれそうだ)

284: 2016/11/14(月) 22:47:05 ID:D/PugidE
---


コーディ「あ、あの……怒鳴り声みたいなのが聞こえてましたけど……ダメでしたか……?」

ベガ「聞こえてたのか? しかし、気にするな。少しマイクパフォーマンスの練習をしていただけだ」

コーディ「ああ、はい」

ベガ「お前の言ったやる気なしキャラ……一応、可能だ。一応な……」

コーディ「……一応ってどういう事ですか?」

ダルシム「やる気なしキャラだけでは少し弱いかなといった部分があったので……そこにプラスアルファで皮肉屋というキャラを加えてみてはどうかなという話になったのですよ」

コーディ「……皮肉屋ですか」

ベガ「まぁ、確実にマイクは増えるだろうな。聞こえてたという怒鳴り声はそのマイクの練習だ。気にする事はない」

コーディ「ああ、はい」

285: 2016/11/14(月) 22:57:50 ID:D/PugidE
ベガ「今回ガイは私に勝利する為に……まぁ、ネバーギブアップの精神で向かってきたワケだ。しかし、お前がやる気なしキャラでくる場合は、最初から自分なんかが勝てるワケないという精神で向かってくる事になる……」

コーディ「はい」

ベガ「しかし、ファンにはお前を応援してもらわけなければいけない。やる気なしの……無気力のお前の応援をしてもらわなければならない……これは難しい事だ。ある意味、矛盾をしている。何が悲しくて、やる気のない人間を応援しなくてはいけないのだ……とな?」

コーディ「は、はい」

ベガ「そんなお前がだ……? ファンを魅了する為に必要な物……なんだと思う……?」

コーディ「だから、マイクで……指示を掴んでいけと……?」

ベガ「マイクは結果だ。違う」

コーディ「……えっ?」

ベガ「反骨心だよ。反骨心」

286: 2016/11/14(月) 23:07:50 ID:D/PugidE
ベガ「別に自分が勝てるワケないと思って向かって来るのは間違ってはいないんだよ。それはファンも感じている事だからな。ただし、私という絶対的悪に対しての反骨心は忘れてはいけない。そこがなければ、ただのやる気なしの無気力で面白みのないレスラーだ」

コーディ「そうですね。はい」

ベガ「私の神経の逆撫でしろ……とことんコケにしろ……私を苛立たせる事は……ファンにとっても気持ちがいい事だからな……?」

コーディ「はい、はい……はい……」

ベガ「う~ん、そうだな……お前、明日さぁ……? 一回パジャマ持って来い」

コーディ「えっ、パジャマですか?」

ダルシム「……どうしてパジャマ?」

ベガ「お前の新コスチュームは、パジャマだよっ! パジャマがいいな、うんっ!」ニヤニヤ

288: 2016/11/14(月) 23:21:48 ID:D/PugidE
ダルシム「いやいや、パジャマはいくらなんでも……」アセアセ

ベガ「インパクトはあるだろ? パジャマ姿で試合を行う輩など前代未聞だ。それにパジャマならやる気のなさも一目でわかる」

コーディ「パジャマですか……え~、パジャマ……」

ベガ「いいか、コーディ……? お前のやろうとしている無気力皮肉人間……まぁ、どちらかと言えばヒール寄りだな?」

コーディ「あぁ、はい。そうですね。自分もどちらかと言うと、そっち路線になるんじゃないかと思いつつ提示はしました……でも、パジャマは……」

ベガ「私はヒールとしての大先輩だ。ヒールとして……大切な要素……何か、教えてやろうか……?」

コーディ「あっ、それは聞きたいです」

ベガ「先ず一つ……相手が何をされたら、一番腹が立つのかを考えてみろ……」

コーディ「は、はい」

289: 2016/11/14(月) 23:26:42 ID:D/PugidE
ベガ「今日の試合であればだ……コスチュームを変更して、気合いを入れてきたガイ……それを叩き潰す事によって、私は自分の強さという物を見せつける事が出来た。それは私にとって一番喜ばしい事だ」

コーディ「はい」

ベガ「だから私が叩き潰したとしても……喜ぶ事にならない……寧ろ、腹が立つような相手とはどんな相手だ……?」

コーディ「え~、それは……」

ベガ「気合いの入ったコスチュームで挑んでくるのならともかく……パジャマ姿の相手を叩き潰して私が喜ぶと思うか……? そんな相手がリングに現れた時点で私は腹が立つよ、ハハハ」

コーディ「そうは言っても……え~、え~……」

ベガ「そしてもう一つ……これはもうヒールとしての真意だ……」

コーディ「あっ、はい」

ベガ「……自分の事を棚に上げろ」

290: 2016/11/14(月) 23:31:09 ID:D/PugidE
ベガ「今、私の話はしてないだろ……? それより、アイツはどうなんだよ……? どうなんだよ……? そのスタンスだ」

コーディ「はいはい」

ベガ「パジャマ姿で試合に望むお前への反応を考えるのではない……パジャマ姿で試合に望むお前を見た私の反応だ……大事なのはそこだろ? 私がどんなアクションを起こすと思う?」

コーディ「う~ん、あ~、はい」

ベガ「ここを割り切る事が出来なければ、やる気なしキャラというのは難しいぞ? なんでやる気ない試合を行ったんだ……当然、そういう風にファンが言うだろうな」

コーディ「はい、はい。そうですね……」

ベガ「その時も自分も棚に上げていく精神だよ。俺の事はいいんだよ。じゃあ、やる気のあったガイは勝てたのか……? どうなんだよ……? そういう風に持っていくわけだ」

ダルシム(う~ん……ヒール講座が始まりましたね……)

コーディ(やべぇ……やる気なしキャラ……これ、難易度高いんじゃないかな……?)

ベガ「あ~、ところでお前、どんなパジャマ着てるんだ……? クマさん柄とか、花柄だったら流石に無理だとは思うけどさぁ……?」

コーディ「あ~っ、え~っ、今使ってる奴は青と白のボーダー……みたいな感じです」

ベガ「青と白のボーダー……いいじゃないか、いいじゃないか。ガイは赤だし対称的だよ。とりあえず一回パジャマを持ってこい。出来るだけヨレヨレの方がいいな」

308: 2016/11/16(水) 22:00:54 ID:8fOTnrnc
--ー


ワー ! ワーワー !


天津飯「ただいま。引き換えてきたぞ」

餃子「天さん、おかえり」

ランチ「あっ、天津飯さんおかえりなさい」


ブー ! ブーブー !

天津飯「んっ、なんだ……? 結構な騒ぎのようだが……」

ランチ「あ~、そうなんですよ。天津飯さん……あちらの黒い方が……あらあらあらあら……」

餃子「入場の時から大暴れ」

天津飯「黒い方……? あ~、あっちか……確かに、見ればわかるな……」

309: 2016/11/16(水) 22:08:15 ID:8fOTnrnc
ナッシュ(女子部には悪いが……彼女達が勝手に落ちたんだっ……! その尻拭い……? いいや、違うねっ……! これは僕にとってのチャンスなんだっ……! この試合を物にしてみせるっ……!)ダダッ

バイソン(……今日はまだレフェリーへの暴行は見せてねぇよなぁ!? ここで使わせてもらうぜっ! まだまだ盛り上げていかねぇとなぁ!? ベガ様直々の指令だっ!)ググッ

ダン(……あ~っ、なんだ!? 使うのかっ!?)


実況「しかしナッシュも負けてはいないっ……! ここはムーンサルトスラッシュで飛び込みつつ……あ~っ、いやいやいやっ……! バイソンがっ……! バイソンがレフェリーを掴んだぞっ!?」

元「おいおいおいおいっ……!」


ダン「待て待て待て待てっ……! あ~っ……! あ~っ……!」バターン

ナッシュ「……しまったっ!」

バイソン「他人の事を気にしてる場合じゃねぇんじゃねぇか、おぉいっ! さぁさぁ、いくぜいくぜっ! ここから再び地獄の時間だっ! うるあぁっ!」


ブー ! ブーブー !

実況「ここはバイソンが付近にいたレフェリーを盾にするっ! ナッシュのムーンサルトスラッシュはレフェリーにヒットっ! レフェリーがダーウンっ!」

元「あ~っ……! 抜け目がないと言えばいいか……う~んっ……!」

実況「そしてバイソンはナッシュへと……あ~っとっ! ボディに打ち込んだぁ!」

310: 2016/11/16(水) 22:15:19 ID:8fOTnrnc
天津飯「まぁ、ここからは俺もゆっくりじっくり、試合を楽し……んんっ!? ちょっと待てっ……!」

餃子「……あっ!」

天津飯「な、なんだアイツっ……! 今、審判を盾にしたぞ……!? あんな事してもいいのかっ!? なんだアイツはっ……!?」ギロリ

餃子「ダメ」

ランチ「……あらあらあらあら」

天津飯(んっ……? あっ、いや、待てっ……! おっと、また険しい顔になってるぞ……そうだそうだ。ダメだダメだ……確か、険しい顔はイケないんだったな……)フルフル

ランチ「あ~、審判の方が踞っていますねぇ……」

餃子「うん」

天津飯(険しい顔をしていたら、誘ってくれたランチに申し訳ないからな……う~ん……う~ん……)

311: 2016/11/16(水) 22:20:35 ID:8fOTnrnc
天津飯「う、う~ん……し、しかしだ……ある意味上手い作戦だとも言えるな……?」

餃子「……えっ?」

ランチ「あら……? 今のは上手い作戦なんですか?」

天津飯「その~……だから、え~……自分への攻撃を攻撃を避ける為に、付近の物を盾に使うのは……ご、合理的な判断とも言い換える事が出来る……」

餃子「……天さん?」

ランチ「でも、そんな事をしたら。盾に使われた方がかわいそうですよ……ほら、あんなに苦しんでいるじゃないですか……?」

天津飯「も、勿論……そ、その人を盾に使うのはよくないな! 俺が餃子を盾に使うような物だ。そ、そういった事は良くない」

餃子「うん、良くない」

313: 2016/11/16(水) 22:28:53 ID:8fOTnrnc
天津飯「し、しかしどうだろう……? あの倒れている審判を……そうだな……岩や木などと考えてみたらどうかな……?」

餃子「岩……木……?」

天津飯「自分に向かって来た攻撃を……岩や木を盾にして避ける……そう考えると、合理的な判断とも言える」

ランチ「フフ。天津飯さん、何言ってるんですか。あの人は人ですよ。岩や木なんかじゃありませんよ」クスクス

天津飯「いや……だから、だから……仮定の話としてだなぁ……!?」アセアセ

餃子「天さんの言ってる事がちょっとわからない」

天津飯(餃子っ……! 俺だって今、自分が何を言ってるのかさっぱりわかっていないさ……だ、だがしかしっ……!)アセアセ

ランチ「あっ、それじゃあ天津飯さん天津飯さん……アレは……? アレは、合理的な作戦なんでしょうか?」


ブー ! ブーブー !


天津飯「んっ……!? なんだアレ……あ~っ、いや違うっ……! 合理的だな。うむ、合理的な作戦だ」アセアセ

餃子「天さん……? 天さん……!?」

314: 2016/11/16(水) 22:34:09 ID:8fOTnrnc
ーー数十分後


プーアル「今日のバイソンさん、暴れてましたねぇ」

ヤムチャ「うんうん、暴れてた。暴れてた」

ケン「まぁ、全体的な流れを考えると、この場面でド派手に負けてもらわねぇとな。こっちがやり辛いよ」

ヤムチャ「……そうなんですか?」

ケン「そりゃそうだろ。ベガのベルト防衛……鰯ヶ浜女子プロレスの勝利……シャドルーのバイソンが快勝……その後に俺達が踊るんだぞ?」

プーアル「確かにもしバイソンさんが今の試合で勝っていたら、こう呑気に踊っている場合ではないと言いますか……マイナスムードが強いですもんね?」

ケン「そうそうそう。だから、ベガのベルト防衛と鰯ヶ浜女子プロレスの試合のマイナスを……バイソンの負けによって、なんとかトントンぐらいまでに引き戻すんだよ。そうじゃないとこっちも何呑気に踊ってんだってなるよ」

ヤムチャ「あ~、だからバイソンさん激しくやってたんですね」

ケン「まぁ、それとナッシュだな……こういう時って当然ナッシュにとってもチャンスだからな? 上手く使ってアピールしていこうって所もあった」

リュウ「……お喋りはそこまでだ。一回黙ろう」ボソッ

315: 2016/11/16(水) 22:42:35 ID:8fOTnrnc
ヤムチャ「……んっ?」

リュウ「先生来てるぞ……?」ボソッ

ケン「……おっと、それじゃあ踏み込んだ話は控えておくか」ボソッ


エレナ「はーい。いよいよ本番だよー! 皆、緊張しないでリラックス、リラックスねー!」

ブランカ「さぁ、皆さん。練習の成果を見せて下さいよ。エレナ先生も激励に来てくれました」


ケン「最終戦ですから、バチッとビシッと両方決めてきますよ」

リュウ「先生の御指導の成果を発揮してきます」

ヤムチャ「最初の頃は沢山迷惑をかけたと思います……でも、それも今になっちゃいい思い出かな~?」


エレナ「えー? ヤムチャ君、そういう事は全部終わってから口にするんじゃないのー?」

ブランカ「まぁ、MCが間に入りますので……出番は10分、15分後ぐらいになりますかね? 先ずはMCからです」

316: 2016/11/16(水) 22:48:23 ID:8fOTnrnc
---


天津飯(何故俺が……何故、俺があの選手のフォローをしなければいけないっ……!?)

餃子「次はヤムチャの出番」

ランチ「そうですね~。いよいよヤムチャさんの出番です。頑張って応援しましょうね」

天津飯(そ、それは黙っていればまた険しい顔になってしまうだろからだが……う~ん……う~ん……)

ランチ「でも先程の試合は、沢山天津飯さんが解説して下さって、楽しかったです」ニコニコ

天津飯「……んっ?」

ランチ「あぁいった作戦だとか……判断などがあるんですね。勉強になりました。ありがとうござます。あっ……とは言っても、私はこういった試合はしませんけどね、フフ」ニコニコ

天津飯(う、う~ん……何か違う気もするが……彼女が楽しんでくれたという意味では……これは、いいのかな……? いや、何かが間違っている気がするぞ……)

餃子「……天さんの言ってる事、僕はあまりわからなかった」

317: 2016/11/16(水) 22:55:29 ID:8fOTnrnc
ダン「さぁ、いよいよ最終戦っ……! 最終戦ですっ……!」


ランチ「あっ、始まるみたいですね。天津飯さん、よろしければまた先程みたいに色々と教えて下さい」ニコニコ

天津飯「……う、うむ」


ダン「最終戦を行う前に……皆様、リングに注目して頂きたいです。本日のストリートプロレス……リング上に大きな大きな変化が起きておりますっ!」


天津飯「……んっ?」

ランチ「なんでしょう……?」


ダン「何度も会場に足を下さった方っ……! 後は察しのいい人……などですねっ! そういった方なんかは、もうお気付きだろうと思いますが……初めてこの会場に足を運んで下さった方も勿論います。そういった方の為にね……!? 少々、御説明の時間を頂きたいですっ!」ズガズガ


天津飯「俺達は初めて来た人になるからな。まぁ、そういう事は説明してもらわないと、わからないな。う~ん……なんだろう……」

ランチ「え~、え~……ん~……フフ、間違い探しみたいですね」

318: 2016/11/16(水) 23:01:15 ID:8fOTnrnc
ダン「さぁ、先ずは私の足元っ……! 指差す方向、エプロンサイドにご注目下さいっ! さぁ、ここに記されたロゴっ……! 皆様、お見えになるでしょうかっ!? 一度、声に出して読んでみましょうっ!」


ランチ「あっ、何か書いてありますね」

餃子「K……l……○……l……N……」


ダン「K・I・○・I・Nっ……! キ○ンっ……! そうですっ! 皆様、このロゴが見えるでしょうかっ! 本日のストリートプロレスっ……! エプロンサイドにKI○INのロゴが大きく大きく記されておりますっ! ここが第一の変化でございますっ!」


天津飯「わかるワケないだろう。そんな物……俺達は初めて来たんだから……」

ランチ「あっ、でも今日はキ○ンビバレッジ特別興行って書いてましたよ! チケットにそういう風に書いてます!」


ダン「さぁ、変化はまだありますよ~? 皆様、おわかりになりますか~?」ズガズガ

319: 2016/11/16(水) 23:06:58 ID:8fOTnrnc
ダン「二つ目の変化はここですっ……! さぁ、私の指差す方向にご注目下さいっ!」ビシッ


天津飯「……確かに、チケットにはそう書いてあるな」マジマジ

ランチ「あっ、そういう事なら……私、わかっちゃったかもしれません。あのですね……」


ダン「そうですっ! 二つ目の変化はコーナーマットですっ! このコーナーマットに記されたロゴも……一度声に出して呼んでみましょうっ! M・○・T・ アポストロフィー・Sっ!」


ランチ「あそこに今日貰ったジュースのM○T'Sって書いて……あっ、言われちゃいました……!」

餃子「少し遅かった」ニコニコ

ランチ「あ~、言われちゃいました……わかったのに……わかったのに……」


ダン「メ○ツっ……! 第二の変化はここっ……! コーナーマットに記された、このM○T'Sのロゴっ……! え~、こちらは入場時に皆さんに引換券が配られたと思います。まだ引き換えていない……もう飲んでしまった……そういった方はこれから、少し辛くなるかもしれませんよ~!?」

320: 2016/11/16(水) 23:15:25 ID:8fOTnrnc
ダン「実はまだ変化がありますっ……! では、第三の変化……皆様、おわかりになられるでしょうか……!? さぁ、探して見て下さいっ!」


ランチ「え~っと、え~っと……」

天津飯「傾向はわかってきた。あそこに書いてある文字を読めばいいんだろ?」

餃子「でも、KI○IN……M○T'S……もう文字は書いてない」


ダン「さぁ、第三の変化と言うのはリング……では、なく……実は皆様の後方になります。会場後方を注目してみましょうか?」


天津飯「だから、逆サイドに違う文字……なんだと、後ろだと……?」チラッ

餃子「……後ろ?」チラッ

ランチ「そんなのズルいですよ~!」チラッ

天津飯「後ろ……んっ……? しかし何も書いてはいないが……」

321: 2016/11/16(水) 23:20:20 ID:8fOTnrnc
ダン「え~、三つ目の変化……これはカメラが多いのです。本日のストリートプロレス。普段の撮影カメラに加えて、なんと8台っ……! 8台のカメラが増設されておりますっ!」

オー、オーオー

ダン「再び、リングに下さいっ! エプロンサイドのKI○INのロゴ……コーナーマットのM○T'Sのロゴ……そして、増設された8台のカメラっ! ここから導き出せる答えは一つっ!」

オー、オーオー

ダン「本日の最終戦、キ○ンビバレッジ特別興行っ……! こちらはM○T'SのCM撮影を兼ねた特別試合としてお送りしたいと思いますっ!」

オー ! オーオー !

ダン「これから、我らが空手軍団、リュウ選手……ケン選手……ヤムチャ選手の三名が入場してきますが、本日の彼らの入場曲は皆さんご存じ、M○T'Sのあの曲が入場曲として流れる事になりますっ! 本日の空手軍団の入場は特別ヴァージョンですっ!」

オー ! オーオー !

ダン「勿論、彼らもあのCMと同じように……ダンスをしながら入場して頂くでしょうっ! 増設されたカメラの4台が……彼らの姿を撮影しておりますっ!」

322: 2016/11/16(水) 23:25:43 ID:8fOTnrnc
天津飯「ダンスをしながら入場だと……? ヤムチャが……?」

ランチ「あっ、私そのCM知ってますよ! あの踊ってるやつですよねぇ!?」


ダン「カメラの4台が彼らを撮影している……それなら、残りの4台は何処を撮影しているんだ……? それは……勿論、皆様の観客席の方を写しておりますっ!」

オー !? オーオー !?

ダン「空手軍団だけではなく……皆様の姿も撮影させて頂こうと言った事ですっ! CM撮影は15秒といった印象がありますが、実はそうではありませんっ……! 30秒ヴァージョン……60秒ヴァージョンというのもあるのですっ! 皆様の姿もCMに使われますっ!」

オー ! オーオー !

ダン「さぁ、ここで私からのワンポイントアドバイスっ……! CMに皆様の姿が使われるコツという物をお教えしましょうっ!」


ランチ「あっ、天津飯さん天津飯さんっ……! 私達もCMに出れるのかもしれないんですって!」

天津飯「いや、それよりダンス……? ダンス……?」

337: 2016/11/17(木) 22:00:53 ID:MwiGghgI
ダン「先ずは一つ目……! 本日、皆様に配られた引換券っ……! そちらのM○T'Sドリンクを、手に持ち……そして高々と挙げながら、ダンスをする選手達を御覧になって下さい。M○T'Sドリンクを高々挙げながらの方が、CM出演出来る可能性が高いかと思われます!」


ランチ「え~っと……え~っと……ドリンクですね!? あっ、ほら
天津飯さんと餃子さんも……」

餃子「うん」


ダン「まだ引き換えていない方……まだ間に合いますのでね。今の間に売店の方へと引き換えにいくのが、吉なのではないですかねぇ……? もう少々説明のお時間は続きます。そして、もう既に飲みきってしまわれた方……これはもう仕方がない。もう一本買いましょう! 本日、売店の方でM○T'Sドリンク……販売しておりますっ……!」


天津飯「いやいやいやいや……あ~、いやいやいやいや……」

ランチ「天津飯さん……? 天津飯さんも、ほらっ……!」


ダン「そしてもう一つ……こちらは、もう本日の会場の様子を見る限りでは皆様に言うまでもない事かと思われますが、それでも改めて説明させて頂きます!」

338: 2016/11/17(木) 22:07:33 ID:MwiGghgI
ダン「CM撮影なので……元気よくっ……! テンションを上げてっ……! これまで以上にもっともっと、盛り上がっていきましょうっ! 元気な姿であればある程、皆様の姿がCMに使われるでしょうっ!」

オー ! オーオー !

ダン「……だ~だ~しっ! ここで一つ御注意!」

オー ? オーオー ?

ダン「M○T'Sドリンクは炭酸飲料水っ……! あまりテンションを上げすぎて、ドリンク自体を激しく振っちゃうと……これ、いざ飲もうとして蓋を開けた時に、美味しくいただけない……もしくは回りの方々に迷惑がかかってしまう可能性がありますっ!」

アー、アーアー

ダン「だからね……右手にドリンクを持ちつつ、左手を振る……そういった感じの方がいいのかもしれませんね!? そして、ちょっと激しく振りすぎちゃったかな~なんて思った方は、すぐ飲むのではなく……少々寝かしてからの方が、周りの方への配慮になると思われます。そこは一つ御了承下さい」

アー、アーアー

ダン「それではここで一度練習してみましょうか? 会場ビジョンに御注目下さい。そちらの映像に合わせて……皆様、練習してみましょう。それではミュージックスタートっ!」

339: 2016/11/17(木) 22:15:21 ID:MwiGghgI
You can be anything you wanna


エディ「ツーピー走れっ! ジュース引き換えて来いっ!」

ツーピー「えっ、俺が行くんすか?」


We’re getting down, getting down with the sound


ジェイク「じゃあ、ツーピー。俺の分も俺の分も」

エルガド「俺の分も、よろしく」

 
We want Mets !


アクセル「バイソンも好き……うん、あのアウトロー感がいいよな。あっ、ツーピー俺の分も」

ダグ「ははは、節操ねぇなぁ、おめぇは……! あ~っ、じゃあツーピーついでだ……俺の分も頼むよ」

ツーピー「エディさんは、まぁわかるけど……あ~っ、なんだお前ら……人をパシりにしやがってっ……!」


ダン「そんなのじゃCMに移れませんよぉ~! もっともっと元気よくいきましょ~うっ!」

340: 2016/11/17(木) 22:23:59 ID:MwiGghgI
ーーそして


ワー ! ワーワー !

実況「さぁ、既に場内が盛り上がっておりますっ! それもそのハズっ……! 本日のメインイベント……何が行われるのか、元さんご存じですか!?」

元「勿論ですよ。なんか、公開収録撮影も兼ねているんでしょ? 今日の試合は」

実況「その通りでございますっ! 本日のメインイベントはキ○ンビバレッジ特別興行という事で、M○T'SのCMの公開収録も兼ねていますっ! なんとなんと空手軍団が踊りますよっ!?」

元「まぁ、こういう楽しいイベントってのは僕は大好きだね。まぁ、新たなファン層を増やしていく為にも、空手軍団には一肌脱いでもらいましょう」


ダン「さぁ、それではいよいよメインイベントっ……! キ○ンビバレッジ特別試合っ……! 先ずは我らが空手軍団っ……! リュウ選手、ケン選手、ヤムチャの選手の入場ですっ!」


ワー ! ワーワー !

実況「さぁ、それでは空手軍団の入場ですっ……! 本日は特別入場テーマでの登場ですっ!」

341: 2016/11/17(木) 22:31:51 ID:MwiGghgI
~♪ ~♪


リュウ「……いくぞっ!」

ケン「……おうっ!」

ヤムチャ(沢山練習したんだ……! 毎日のように居残り練習もしたし……ディージェイも手伝ってくれたっ……! 頭で考えるんじゃなくて……身体で感じるんだったなっ……!)


オー !? オーオー !?

実況「さぁ、空手軍団の姿が現れ……おぉ~っと、踊っていますっ! 踊っていますねぇ、元さんっ!?」

元「あっ、案外いい感じだねぇ、うん」

実況「リュウを先頭に、一歩下がってケンとヤムチャっ……! 踊っていますっ! 踊っていますっ! さぁ、M○T'Sのテーマに合わせて、ダンスをしながらリングへと向かっていますっ!」

342: 2016/11/17(木) 22:37:57 ID:MwiGghgI
You can be anything you wanna


ワー ! ワーワー !

リュウ(……最初に俺がリング中央で、一人で踊る)

ケン「……え~っと」ガシッ

ヤムチャ(俺はコーナーポスト……だったよな……)ガスッ


We’re getting down, getting down with the sound


ワー ! ワーワー !

実況「ダンスをしながら、リュウがリングイーンっ! さぁ、ケンとヤムチャはコーナーポストへと昇っていくっ!」

元「お~、お~っ! いいじゃんいいじゃんっ!」

343: 2016/11/17(木) 22:44:07 ID:MwiGghgI
We want Mets !


ワー ! ワーワー !

リュウ(会場は盛り上がってる……けど、不安な部分はまだある……二人共、煽り続けてくれよなっ……!)

ヤムチャ「盛り上がっていきましょうっ!」パンパン

ケン「……」スタッ


オー !? オーオー !?

実況「おぉ~っとっ! おっとおっとっ! 更に更に、リュウがリング中央で……踊っていますよっ!? 踊っていますよっ!? プロレスのリングの上でっ……! その中心でっ……! リュウがダンスが見せておりますっ!」

元「はははははっ! たまにはこういう使い方もいいねぇ!」

実況「コーナーポストの上で、ケンが大きく手を打ち鳴らすっ! ヤムチャも手を打ち鳴らすっ! おぉ~っと、ケンはコーナーポストから降りたかっ!?」

344: 2016/11/17(木) 22:50:48 ID:MwiGghgI
We’re the funky spunky younger generation


リュウ(とにかく集中……集中だ……ダンスに集中だ……)

ケン「……」ズガズガ


ワー ! ワーワー !

実況「さぁ、コーナーポストから降りたケンは……リュウへと近づいていきますっ! リュウへと近づいていきますっ!」

元「おっと、ケン君も中央にきたね。どうせだったら、二人でやって欲しいけどね」


ワー ! ワーワー !

ケン「難しい顔して、ド下手なダンス踊ってんじゃねぇよっ! 人様に見せれるレベルの物を提供しろっ……! 俺ァ、CM撮影中だろうが容赦はしねぇぞ、うるあぁっ!」ズガァッ

リュウ「えっ……? うおっ……!」ヨロッ


アー !? アーアー !?

実況「そうですね。やはり試合中でのコンビネーションみたいな物を、ダンスの中でもっ……! こ~う、セッションとでも言えばいいのですかね!? そういった物を……んっ……?」

元「……んあっ!?」

実況「……ケンがリュウを殴りましたよ?」

345: 2016/11/17(木) 22:56:06 ID:MwiGghgI
We want Mets !


アー !? アーアー !?

ヤムチャ「ちょ、ちょっとっ……! ケンさん何やってるんですかっ!? 本番中ですよっ……!? 今、本番中なんですよっ……!?」 アタフタ


実況「ケンがリュウを殴りましたっ! ケンはリュウを殴りましたっ! あ~っと、これはヤムチャもダンスを中断し……あ~っと、リング中央、ケンの元へと駆け寄っていくっ!」

元「え~っと、え~っと……んんっ……!?」


ケン「今はリュウとだっ……! お前はすっ混んでろっ……! コーナー昇ってただただ、手ぇ叩いてりゃいいんだよっ! 居残り練習ばかりしやがってっ……! お前だってそれくらいしか出来ねぇだろっ……! リングの中央に来るなっ!」ブンッ

ヤムチャ「ちょ……ちょっと、ケンさんっ……!? う、うおおっ……!」ブンッ


アー !? アーアー !?

実況「あ~っとっ! しかしケンっ……! そんなヤムチャの腕を掴み……あ~っと、コーナーへっ……! コーナーへと振り投げていくっ!」

元「ちょっとちょっとちょっとっ!」

346: 2016/11/17(木) 23:00:10 ID:MwiGghgI
Get that boy, Get that girl


ヤムチャ「……どぐっ!」ドスッ


アー !? アーアー !?

実況「ヤムチャの身体がコーナーマットへと突き刺さるっ! あ~っと、ヤムチャの身体でコーナーマットに記されたM○T'Sのロゴが隠れてしまうっ!」

元「そうだよそうだよ、ダメだよ。今日はM○T'Sのその……」


リュウ「ううっ……ケン……お前、何を……?」フラッ

ケン「言っただろがっ……!? そんな難しい顔してるんだったら、ダンスなんてもういいよっ! やめちまえっ……!」ブンッ

リュウ「……うおっ!」ダダッ


アー !? アーアー !?

実況「あ~っとあっとっ! 更に更に、ケンはリュウをも掴み……リュウの身体をコーナーへと振り投げていくっ!」

元「だから、ダメだってのっ!」

354: 2016/11/18(金) 22:01:17 ID:F/PqvN8k
We want Mets !


リュウ(難しい顔……してたのかな……? でも……まぁ、いっか……!)シュタッ


オー ? オーオー ?

実況「リュウの身体もM○T'Sのロゴが書かれているコーナーマットへと……あっ、いや待って下さいっ! リュウはそのままコーナーマットを蹴りつつ飛び上がるっ!」

元「……んっ!?」


リュウ(ここからは難しい表情でも……構わないからなっ……!)クルンッ


オー ! オーオー !

実況「そしてクルっと後方に一回転しつつ着地っ! おぉ~っと、ここは逃れていきましたっ! コーナーマット……M○T'Sのロゴが書かれたコーナーマットを蹴りつつマットへと着地していきましたっ!」

元「お~、お~、よかったよかったっ……! あ~、それでこのシーンをね……!? CMに使って貰えばいいんじゃないのかなぁ!?」

実況「サルト・モルタルですっ! ここはリュウっ……! サルト・モルタルでの回避ですっ!」

355: 2016/11/18(金) 22:06:35 ID:F/PqvN8k
We’re the funky spunky younger generation


リュウ「ケン……何をしているんだ……?」チラッ

ケン「俺が立て直してやるよっ……! 難しい顔のド下手なダンスなんて見てても仕方ねぇだろ……!? 俺はダンスには自信があるぜっ……!? そしてこの爽やかな笑顔っ……! コイツはリュウには真似出来ねぇぞっ!?」


オー !? オーオー !?

実況「あ~っと、おっとおっとっ! そしてケンではありますが……あ~っと、リング中央で踊り始めましたっ! リュウとはまた違うダンスを見せていきますっ!」

元「なんでしょうかねぇ……? コレ、自分が一番目立ちたかった……みたいな所があるんでしょうかねぇ?」

実況「まぁ、今回はCM撮影という事で、自身が目立ちたい……前へ前へいきたいという気持ちは分かりますがねぇ……!? あ~っと、リュウもそんなケンを怪訝な表情で見つめておりますっ!」


ヤムチャ「と、とりあえず……言われた通りにコーナーに昇って手を叩いておこう……」パンパン


オー ! オーオー !

実況「公開収録という事なのですが……少々、雲行きが怪しくなってまいりましたっ! う~ん、大丈夫でしょうかっ!?」

元「ケン君の考えはわからないけど……う~ん、ヤムチャ君は頑張ってるね。ほら、盛り上げようとしてるじゃん?」

356: 2016/11/18(金) 22:12:30 ID:F/PqvN8k
We want Mets !


ケン「俺だけ見てりゃいいんだぞっ……!? 俺だけ移してりゃいいんだぞっ……!? CMは全部俺のシーンだけにしてくれよなっ!? 60秒なんて甘いもんじゃねぇっ……!? 二分だろが、三分だろうが、踊り続けるぜっ!」

リュウ「おい、ケン……踊っている所悪いが……なぁ、ケン……? ケン……?」ズガズガ


アー ? アーアー ?

実況「あ~っと、しかしお待ち下さいっ……! そんなリング中央で踊っているケンに対して……リュウが近づいていきますっ! リュウが近づいていきますっ!」

元「……え~っ? 何だかまた嫌な予感がするよ~」


リュウ「お前……何を考えているんだ……?」ピタッ

ケン「CM撮影にド下手なダンスを提供するのは申し訳ないだろがっ……!? それにファンにもだっ! リングの中心ってのは、一番出来る奴がいればいいんだよっ! 試合じゃお前なのかもしれねぇが、ダンスだったら俺だっ! お~っと、いけね。爽やかな笑顔っと……!」


アー !? アーアー !?

実況「リュウは怪訝な表情をしつつ腕を組み……あ~っと、ケンを見つめていますっ! 何だか不穏な空気ですっ!」

元「ちょっとちょっとちょっと……」

357: 2016/11/18(金) 22:20:22 ID:F/PqvN8k
Get that boy, Get that girl


ケン「へへ、お前にこういったダンスが出来るのかよっ……!? もう一度言うぜ! ダンスの実力なら俺の方が上なんだよっ!」

リュウ「……」ジーッ


アー ? アーアー ?

実況「あ~っと、しかしケンは気にしていないと言いますか……あ~っと、まるでリュウに見せつけるかの如く、踊っていますっ! 踊り続けていますっ!」

元「う~ん……なんだろうねぇ……ケンは一生懸命やろうとしているんでしょうが、なんというか……挑発的な態度っていうか……こういう事の積み重ねがね……?」


リュウ「やってやるよっ……! さっきは身体が温まっていなかっただけだっ……! ダンスの実力だって、俺の方が上だっ……!」

ケン「……ターンで決めるぜっ!」クルッ


オー !? オーオー !?

実況「あ~っと、待って下さいっ……!? ここはリュウっ……! そ~んなケンに負けじと踊り始めたよっ!? よかったよかった。リュウがダンスを再開してくれましたっ!」

元「……お~っ」

358: 2016/11/18(金) 22:26:13 ID:F/PqvN8k
We the youth, speak the truth, Nothing matters


リュウ「俺のシーンがない事には始まらないだろっ……! いくぜっ!」

ケン「へへ、ど~うだっ! 俺の実力……んっ……!?」ピタッ


オー ! オーオー !

実況「リュウが負けじと踊り始めましたっ! 踊り始めましたっ! あ~っと、そしてそれを見て今度はケンの動きが止まりますっ!」

元「あっ、そうだそうだっ! こういう形で決着つければいいんじゃないっ!? その力ではなくて、ダンスって形でねっ!?」

実況「そうですねっ! ここはそういった形で決着を着けていただきましょうっ! 試合ではありませんっ! ダンスで……! ダンスで決着ですっ!」


リュウ「……どうだっ!?」ピタッ

ケン「ちっくしょう……俺の方が絶対上なんだっ……! MCハマーもどきなんかに負けられっかよっ……! いくぜっ!」


ワー、ワーワー

実況「あ~っと、リュウがケンへとダンスを見せつけるっ! あっと、しかしケンも負けてはいないっ! 対抗してまた踊り始めますっ!」

元「いいよいいよ。立て直ってきたよっ! 立て直ってきたっ! ナイスナイスっ!」

実況「これはっ……! ダンスバトルとでも言えばいいでしょうかっ!? ダンスバトルとでも言えばいいでしょうかっ!? 本日のストリートプロレスのリングはダンスバトルの舞台へと使用されますっ! さぁ、リュウも負けるなっ……! ケンも負けるなっ……!」

359: 2016/11/18(金) 22:34:05 ID:F/PqvN8k
Take a chance, with a laugh, and a dance


ケン「……どうだあぁっ!」ピタッ

リュウ「いや、俺の方が上だっ……! やるぜっ……!」


ワー ! ワーワー !

実況「ケンがリュウに見せつけますっ……! さぁ、しかしリュウも再びまた踊り見せつけるっ! ダーンスバトルっ……! ダーンスバトルっ……!」

元「よしよし。だからこれをCMに使って貰えれば、なんとなりますよ」


リュウ「どうだっ! 次はお前の番……」ピタッ

ケン「ドヤ顔してんじゃねぇよ……人様に提供出来るレベルじゃねぇっての……もう、いいよ。引っ込んでろ……」ドンッ

リュウ「……うおっ」ヨロッ


アー !? アーアー !?

実況「続いてケンっ……! あっと、いや待てっ……! ここでケンがリュウを突き飛ばしますっ! 突き飛ばしますっ! 身体を両手で押すっ! どうしたどうしたどうしたっ!? ダンスだぞっ!? ダンスだぞっ!?」

元「ちょっとちょっとっ……! 今、いい感じで進んでたじゃない……? 何してるの……? 何してるの……?」

360: 2016/11/18(金) 22:40:30 ID:F/PqvN8k
Lets all move to the groove and the rhythm


リュウ「ダンスで負けを認めたって事だな……? ダンスで勝てないから、こういう事をするワケだ……そういうのは、よくないんじゃないかなっ……!? 」ドンッ

ケン「負けてねぇっつ~のっ! お前こそ負けを認めたから、こういう事してくるんじゃねぇの……? 一発は一発だからなっ……!?」ドンッ

リュウ「一発は一発……? それを言うなら、先にしてきたのはケンだろっ……!? じゃあ、一発は一発だぞっ……!? いや、俺は後二回か……? 二回出来るな!」ドンッ


アー !? アーアー !?

実況「ちょっと待って下さいっ……! また始まりましたよっ!? また始まりましたよっ!? ダンスバトルは何処にいったんだっ!? 今日のこのリングはダンスに使う舞台なんだぞっ!? これじゃあ、いつものリングでございますっ!」

元「結局彼らはこういう形なっちゃうんだよっ……! も~う、ねっ……!?」


ヤムチャ「ちょっと待ってよっ……! なんで、また喧嘩が始まってるんだよっ……! も~う、どうしよっかなぁ……どうしよっかなぁ……あっ、そうだっ!」クルッ

361: 2016/11/18(金) 22:46:00 ID:F/PqvN8k
Jump around sparkling souls paint the town


ヤムチャ「ちょっとっ……! 二人共、落ち着いて下さいっ……! うおおぉぉぉっ……!」シュタッ

リュウ「……んっ?」チラッ

ケン「……あぁっ?」チラッ


アー !? アーアー !?

実況「リング上は困ったな事に……あ~っと、お待ち下さいっ! ここでコーナーポスト上にいたヤムチャが飛び込みましたよっ!? コーナーポスト上からリング中央にいるリュウとケンに向かって飛び込みますっ!」

元「……何してんのっ!?」


ヤムチャ「喧嘩両成敗っ……! って事でいいのかな……? いいんだよね……?」ズガァッ

リュウ「ぐわああっ……! ヤムチャっ……! お前っ……!」バターンッ

ケン「うぐおおぉぉっ……! トチ狂ってんのか、てめぇっ……!」バターンッ


アー !? アーアー !?

実況「あ~っとっ! そして左右の足でリュウとケンっ……! あ~っと、同時に打ち込んでいきますっ! ミサイルキックですっ! ミサイルキックですっ! ヤムチャがリュウとケンに打ち込みましたっ!」

元「ただでさえ混乱している所にさぁ……!? なんのつもりなんだ、彼は!?」

実況「リュウはダーウンっ! ケンもダーウンっ! そしてヤムチャもマットに倒れ込むっ……! なんだなんだコレは!? ダンスを行う人物がいないではないかっ!? どうするんだ、どうするんだっ!?」

362: 2016/11/18(金) 22:51:32 ID:F/PqvN8k
We want Mets!


リュウ(……フリーパート頑張れよ)ゴロゴロ

ケン(……リング中央でダウンしている俺達がいるのは、画にならねぇからな。隅っこの方に移動しよう)ゴロゴロ

ヤムチャ「え~っと……え~っと……多分、これじゃあダンスを踊る人がいないと思うんですよね……!」シュタッ


オー、オーオー

実況「あっ、いや待って下さいっ! ここでヤムチャが立ち上がりますっ! 素早くハンドスプリングで……お~っと、即座に立ち上がってくるっ!」

元「んんっ……? ああっ……? おおっ……!?」


ヤムチャ「え~っと……だからだからっ……! とりあえず、俺が踊りますっ……! よぉ~し、頑張るぞ~!」


オー、オーオー

実況「あっ、いや待って下さいっ……! そして立ち上がったヤムチャが踊り始めましたよっ!? リング中央で……コレ、ダンスを始めましたっ!」

元「おうおうおうおう。そうそう、とりあえず踊らなきゃ……踊らないと、CM撮影は出来ないからねっ! うんうん、とりあえず踊ろうよ! 踊ろうよ!」

363: 2016/11/18(金) 22:57:08 ID:F/PqvN8k
ランチ「あ~、見て下さいっ! ほらっ……! ヤムチャさんがっ……! ヤムチャさんが踊ってますよっ!?」

餃子「ヤムチャが踊ってる」

天津飯「ああっ……!? ああっ……!? 何がおかしいのかがわからないぞっ……!?」


カメラマン「客席客席……いい画になりそうなのは……いい画になりそうなのは……」マジマジ


ランチ「ヤムチャさ~ん! 頑張って下さい~! 頑張って下さ~い!」

餃子「踊ってるヤムチャ、面白い」ニカッ

天津飯「ヤムチャがダンスをしているというのもおかしいし……そ、それにダンスとしてもこれはおかしいんじゃないのかっ……!? んっ……!? んんっ……!?」


カメラマン「おっ……? あの青い髪の女性は美人だし盛り上ってるな。笑ってる小さいのはお子さんかな……? うんうん、画になるぞ……画になるぞ……」マジマジ

364: 2016/11/18(金) 23:04:32 ID:F/PqvN8k
We’re the funky spunky younger generation


ヤムチャ(ディージェイ、見てっか、おいっ……! 俺頑張ってるぞっ!)

リュウ「……ううっ」ムクッ

ケン「……あの野郎っ」ムクッ


オー ! オーオー !

実況「とりあえずの所、ダンスは続きますっ……! しかしヤムチャがリュウとケンに……これはどういったつもりなんでしょうかっ!?」

元「ひょっとしたら自分も目立ちたい……みたいな所があったのかもしれない……ほら、CM撮影だから普段よりね……?」


リュウ「おい、ヤムチャ……おい、ヤムチャ……」ズガズガ

ケン「お前さぁ……? 誰に何したか、わかってんの……?」ズガズガ

ヤムチャ「……んっ?」


アー !? アーアー !?

実況「確かにヤムチャも……あ~っと、お待ち下さいっ! リュウとケンが立ち上がるっ……! そしてリング中央で踊っているヤムチャへとゆっくりと近づいていくっ!」

元「……僕は嫌な予感がするよぉ~?」

365: 2016/11/18(金) 23:09:50 ID:F/PqvN8k
We want Mets!


リュウ「CM撮影だからって浮かれてんじゃないぞっ……!」スパーンッ

ケン「ド派手な技やってきやがってっ……! 一発は一発だからなっ……! 同じ分だけやり返すぞっ……!」スパーンッ

ヤムチャ「ちょっと待って下さ……俺は二人を止めようと……う、うげえええぇぇっ……!」バターンッ


アー !? アーアー !?

実況「あ~っとっ……! そしてリュウとケンっ……! ここでヤムチャの顔面にっ……! 顔面に同時に蹴りを打ち込んでいくっ! ダブルのトラースキックだっ! ダブルのトラースキックがヤムチャへと炸裂だぁ!」

元「勿論、上下関係みたいな物は大事だよっ! 大事、大事っ!」


ヤムチャ「……あ、あぐぐぐぐ」

リュウ「……ったく」

ケン「……反省してろ」


アー、アーアー

実況「ヤムチャはダーウンっ! ダウンダウンダーウンっ! リュウとケンはそんなヤムチャを見つめているっ!」

元「けど今はそうじゃないだろうっ……! 踊れっ……! 踊れぇぇっ!」

381: 2016/11/20(日) 22:00:55 ID:aHJP/ewk
Get that boy, Get that girl


ダン「なぁ~に、やってんてんだお前らっ……! スポンサー様との契約を潰す気かっ!? 何考えてやがるっ……! 俺もマジでキレるぞっ! 何やってるオラァ!」ブンブン


実況「んあ~っ……! 場外のレフェリーのダン氏も少し慌ててきたかっ……!? 大きく大きく腕を振っているっ! もしかしたら、コレ……中止という事もあり得るのでしょうかねぇ!?」

元「いやいやいやっ……! 今更、中止なんて出来るわけないでしょ!?」


ケン「……って、オイっ! 馬鹿な事やってる場合じゃねぇよっ! 踊らねぇと!」

リュウ「そうだよっ……! 踊らないとっ……!」


オー ? オーオー ?

実況「あ~っ! 待って下さい、待って下さいっ! ここでリング上のリュウとケンが踊り始めましたっ! 踊り始めてくれましたっ……! なんとか途中中断にはならないかっ!?」

元「お~、お~っ……そうそうそうっ……!」


ダン(これだけカメラが増えてりゃ、誰かは俺の事も撮ってるだろうにっ……! だったら、ボケッと突っ立ってねぇでアピールさせてもらいますよ~!)ブンブン

382: 2016/11/20(日) 22:06:47 ID:aHJP/ewk
We want Mets!


リュウ「今度は動きを合わせていくぜっ……!」

ケン「そうだなっ……! 俺達はダンスでもコンビネーション、バッチリって所も見せてやろうぜっ!」


オー !? オーオー !?

実況「おぉ~っと、そしてリュウとケンっ……! 今度は動きを合わせてっ……! 同じ動きでっ……! 同じ動きでのダーンスっ……! さぁ、二人が息を揃えて踊るっ!」

元「息を揃えるのは、こういう時だよっ……!? さっきみたいな事はさぁ……!?」


ヤムチャ「……う、ううっ」ムクッ


実況「あ~っ、いや待って下さいっ……!? ここでヤムチャっ……! ヤムチャが上体を起こしてくるっ……! これ、ヤムチャの動き次第ではまた再びっ……!」

元「いや、本当にやめておきなさいよ……? 本当に怒られるよっ!? あっ、僕じゃなくてKI○INさんにね?」

383: 2016/11/20(日) 22:14:05 ID:Ej.pi4PI
We’re the funky spunky younger generation


リュウ「ヤムチャっ! 起きたのならお前も一緒にだっ! 早くしろっ!」

ケン「何ボケッとしてやがるっ……! そろそろ終わるぞっ!? ラストぐらいはせめてビシっと決めようぜっ!?」

ヤムチャ「あっ、あっ……! は、はいっ……! そうですね、三人で……三人でね……!?」イソイソ


オー ? オーオー ?

実況「ヤムチャは近づいていくっ……! リュウとケンへと近づいていきますっ……! やめろよやめろよやめておけよっ……! これはフリではないぞっ!?」

元「そうだよっ!? 本当にやめておきなよっ!?」


リュウ「よしっ……! それじゃあ、空手軍団三人で決めるぞっ……!」

ケン「ダンスでも同じように見せつけんだよっ! トチんじゃねぇぞっ!?」

ヤムチャ「はいっ……! 練習の成果を見せましょうっ!」


オー !? オーオー !?

実況「おぉ~しっ! ヤムチャが踊り始めましたっ! ヤムチャも踊り始めましたっ! それでいいっ……! それでいいんだ、ヤムチャっ……! お約束としてはいけないのかもしれないが、今回はこれでいいっ……! これでいいんだ、ヤムチャァ!」

元「……あ~っ、胃が痛い」

384: 2016/11/20(日) 22:22:02 ID:Ej.pi4PI
We want Mets!


リュウ「さぁ、いくぜっ……!」

ケン「任せとけってんだっ……!」

ヤムチャ「頑張りますよっ!」


ワー、ワーワー

実況「ここで空手軍団の三人が踊るっ……! 同じ動きでっ……! 同じリズムでっ……! さぁ、ようやくここで空手軍団三人の息の合ったダンスが披露されましたっ!」

元「……遅ぇってのっ!」


Get that boy, Get that girl


リュウ「……フィニッシュだっ!」

ケン「フィニッシュっ! 終了っ……!」

ヤムチャ「んっ……! やったっ……!」


ワー ! ワーワー !

実況「あ~っと、あっとあっと、しかし……これは時すでに遅しと言った所かっ……!? ここで終了っ……! BGMが終了ですっ……! おっと、おっとここでここで終了となってしまいましたか~っ!?」

元「う~んっ……! う~ん、う~ん……」

385: 2016/11/20(日) 22:28:51 ID:Ej.pi4PI
ランチ「わぁ~、凄いですね~。凄いですね~。ヤムチャさんってああいう事も出来たんですね~」パチパチ

天津飯「う、う~ん……絶対に出来るはずないとは思うのだが……う、う~ん……」

ランチ「それじゃあ、沢山練習したのでしょうかね?」

餃子「練習だと思う」

天津飯「う~ん、練習……練習……アイツらしくないというか、そういうタイプに見えないというか……しかし、う~ん……驚きだな……まぁ、身体は動かしているみたいだな」

ランチ「ヤムチャさん、凄いですね~。凄いですね~」パチパチ

餃子「久しぶりに見たヤムチャ、元気だった」

天津飯「……そ、それより試合はまだなのか?」

386: 2016/11/20(日) 22:36:33 ID:Ej.pi4PI
ワー、イイゾー、ワーワー

実況「さぁ、場内には余韻が残ってるとでも言えばいいでしょうか……ねぇ……!? う~ん……元さんはどうでしたでしょうか?」

元「ダメだね、こりゃ!」

実況「……えっ!?」

元「なぁ~んで驚く必要があるの? じゃあ、逆に君に問うよ? 君はあれでよかったと思うの? 本当によかったと思う? な~んか変な事してたよねぇ!?」

実況「いやいや、元さん……まぁ、そこは……」

元「結局ねっ! レスラーにダンスなんか出来ないんだよっ! レスラーにダンスなんかが出来るはずないんだっ!」

実況「元さん元さん、落ち着いて下さい。まぁ、元さんのおっしゃってる事も、わかる部分はありますが……しかしながら、出来たて部分もあったではないですか? ほら、最後なんかはバシっと三人で……?」

元「入って来た時と最後の時だけでしょうっ! 結局は彼らはあぁなっちゃうんだよ。な~んか、殴ったり蹴ったりさ……? そういう感じになっちゃうっ!」

実況「……ある意味、レスラーの性とでも言えばいいのでしょうかねぇ?」

元「なんだろなぁ~……なんだろなぁ~……君もおかしいと思うでしょ!?」

387: 2016/11/20(日) 22:40:40 ID:Ej.pi4PI
実況「まぁ、そうは思う部分はありますが……しかし、どうしましょうか……? それでは、後日撮り直し……みたいな事になるんでしょうかね?」

元「多分ねぇ……僕は何度やってもこういう結果になっちゃうと思う……」

実況「まぁ、可能性はあり得ます」

元「うん。だから、これはもう仕方がない。あの~、ちょくちょく、ちゃんと踊れていた部分があったでしょ……? 全体としてはごっちゃごちゃだったけど……その、部分部分ね!?」

実況「部分部分でですね!? そうですね、部分部分で言えばありましたねぇ」

元「その~、だから……上手く踊れていた部分だけを、上手い具合に切り取って……ねっ……!?」

実況「……えっ?」

元「それで、その~……切り取った上手い部分を、繋ぎ合わせて……繋ぎ合わせて……こ~う、なんとかね……?」

実況「それはそのぉ~、編集技術に頼ると言った事でしょうかねぇ!?」

元「だって、しょうがないじゃんっ! じゃあ、コレ放送出来る!? コレをそのまま放送出来る!?」

388: 2016/11/20(日) 22:45:58 ID:Ej.pi4PI
実況「まぁ、こちらの放送のではそのまま流す事も可能性なんでしょうが、CMになるとやはり15秒……30秒という形にしていく為に、手を加える必要はどちらにしてもありますしね……?」

元「そうでしょ?」

実況「それでは、これはもう編集技術頼みと?」

元「え~、今回はこういった形になってしまい申し訳ありません。私が代わって、陳謝させていただきます」

実況「私からも謝罪させていただきます。しかしながら戦士達に罪はないのですっ……! 戦士だからこそっ……! そこだけは私は言っておきたいっ! 声を大にして言っておきたいっ!」

元「……いいよいいよ、言わなくてもいいよ」

実況「さぁ、あのダンスがどういった形に生まれ変わるのか……!? それは勿論CMの完成をお待ち下さいっ! CMならばっ……! 素晴らしいダンスに変わっているはずですっ! その目でお確かめ下さい!」

389: 2016/11/20(日) 22:54:16 ID:Ej.pi4PI
ダン「さぁ、それでは続きまして、ガイル・ユン・T.ホーク選手の入場ですっ!」


オー ! オーオー !

実況「さぁ、ダンスタイムはこれにて終了っ……! そしてここからは熱い熱い試合の時間になりますっ! 皆様、切り替えていきましょうっ!」

元「まぁ、試合の方はね……安心して下さいよ。ここからはいつも通りです」

実況「さぁ、レフェリーによってガイルっ……! ユンっ……! T.ホークの名が今コールされましたっ!」


ガイル「おっしゃっ……! お前らいくぞっ……!」

ホーク(……フェイロン、私は君の分まで戦ってくる)

ユン「ばばばばばばばばっ!」


オー ! オーオー !

実況「さぁ、そして花道の奥から、今ガイルとユンとホークが姿を現しましたっ!」

390: 2016/11/20(日) 23:01:33 ID:Ej.pi4PI
ユン「ゆきゃん びー えにしーんぐ ゆー わな~!」ブンブン

ガイル「……んっ?」チラッ


オー ? オーオー ?

実況「おぉ~っと、なんでしょうか? ユンは手を大きく振り……大きく振って……!? 乗っていますねぇ!? 先程の流れの後だと、ダンスにも見えてしまいますっ! しかし、ここから先は試合の時間です!」

元「まぁ、さっきの流れの後だからね」


ユン「うぃーっ! うぉーんっ! めっつっ!」ブンブン

ガイル(んっ……? こいつ、なんだ……? 対抗してやがんのか……? ダンスはもう終わってるっての)チラッ

ホーク(……よし、集中集中っと)


オー、オーオー

実況「さぁ、ガイル・ユン・ホークっ……! 三名がリングへと向かっていきますっ! なんとなく、ユンが乗っているような感じがしますかねぇ!? こちらはガイルのテーマで入場なのですが……ガイルよりもユンが乗っていますっ!」

元「なかなか珍しい光景だね」

391: 2016/11/20(日) 23:05:58 ID:Ej.pi4PI
ユン(一々振り返らなくていいってのっ……! 俺から言わせてもらえば、なんであんた達は何もしないんだよって感じだよ……入場で負けてちゃ話にならないってのっ……!)ブンブン

ガイル(まぁ、いいや……ユンはユン……俺は俺だ……)


元「ガイル君とホーク君ってどちらかと言えば、まぁ寡黙と言うか……そういう部分があるでしょ?」

実況「そうですねぇ。どちらかと言えばそういったタイプかと思われます」

元「そういった目線で今回のこの三名……やっぱりタイプが違っていると感じるのは僕はユン君。彼みたいなタイプがああやって、場を盛り上げて……チームを盛り上げて……そういった事をしていくのって重要だと思うよ」


ユン「うぃー! うぉーんっ! めっつっ!」ブンブン

ガイル「いくぞいくぞっ、おいっ!」ズガズガ


オー、オーオー

実況「さぁ、それに続くようにガイルも叫んだかっ!? 何やら、叫びつつリングに向かっていきますっ!」

元「相手は空手軍団なんだからチーム力ってのはあるでしょう。それと同等……それ以上のチーム力が必要になってくるこの一戦。僕はこっちのチームは、誰が引っ張っていくのかな……? なんてのも気になっていますね」

実況「確かにそうですねぇ!? この三名がどういった化学反応を起こすのか……これも見ものになってきそうです」

元「入場の時点ではユン君が早かったね。まぁ、試合になってくるとまた変わってくるんだろうけどね」

406: 2016/11/21(月) 22:01:27 ID:cysnQ2cM
ーーー


ブランカ「う~ん、ユン君に合わせるか……ガイル君とホーク君に合わせるか……どちらかに合わせたらいいのに……う~ん……」

ベガ「……試合さえ潰さなければそれでいい。入場はどうでもいい」

ブランカ「……ああ、そうですか」

ベガ「ユンはそういったタイプではないとは思う……我が我が……そういったタイプだろ? それにどちらかと言えば、最近の時代のタイプのレスラーだと思うんだよ」

ブランカ「そうですね」

ベガ「ホークは逆だよ……古い気質なタイプと言うか……昔ながらのタイプだ」

ブランカ「はいはい」

ベガ「ホークに合わせればユンが氏ぬ……ユンに合わせればホークは氏ぬ……この二人はどうやったって合わんだろ。だから、私はこれでいいと思う。もう、これでいいと思う。ガイルはその二人の間に入ってるしな」

ブランカ「……そうですか」

ベガ「……試合さえしっかりしてくれれば、それでいい」

407: 2016/11/21(月) 22:07:57 ID:cysnQ2cM
ブランカ「……投げてます?」

ベガ「んっ、投げてないぞ……?」

ブランカ「一時の感情で冷静さを失うのは、上に立つ者としてあってはならない行為だと思います」

ベガ「……んっ、何を言っている?」

ブランカ「いや、だから……女子部の事で……判断能力が今欠けて……」

ベガ「しつこいぞ……? 怒りはしたが、もうそれは終わった話だ。明日、さくらにアンケート結果を突きつけ説教をする……それで終わりだ。それで終わりだ」

ブランカ「……んっ?」

ベガ「祭り事だからと言って、捨て試合にするのは勿体ない……今日は元さん達に頼んだ事もある……とにかく、試合さえしっかりしてくれればいいんだ。怒ったり、説教するのは……試合がダメだった時だ」

408: 2016/11/21(月) 22:16:54 ID:cysnQ2cM
ーーー


ガイル「おらおらぁ、いくぜおいっ!」グイッ

ユン「うぃー! うぉーんっ! めっつっ!」ブンブン

ホーク「……」


オー ! オーオー !

実況「さぁ、これで全選手がリングインっ! ユンはコーナーに昇って大きく振っていますっ! ガイルは空手軍団を睨み付け、闘志を剥き出しにしてるといった感じか?」

元「ホーク君は……う~ん、どうなんだろ……? 緊張してるのかな……? 体格は目立ってるんだけどね、はは」

実況「緊張なのでしょうか……? しかしまぁ、ともかくこれはそれぞれタイプの違う三名のチームっ! 素晴らしき化学反応を期待したいっ! さぁ、それではそろそろ試合が始まります」


リュウ「……先発、ヤムチャ」

ケン「おう、そうだな。先発はヤムチャだ……おい、行ってこい……」

ヤムチャ「……えっ、俺っすかっ!?」

409: 2016/11/21(月) 22:23:06 ID:cysnQ2cM
リュウ「ダンスが思っていたより、スタミナを消費した……出来る事なら序盤はそのスタミナを回復させたい……だからヤムチャ、頼む……」

ケン「そうそうそうそう。誰かさんがコーナーから仕掛けてきたせいでそのダメージが抜けきってねぇんだよ……責任とれよ」

ヤムチャ「いやいや、ちょっと待って下さいっ……! それなら俺だってちょっと疲れてますし、それに二人に……その……ダメージがっ……!」アセアセ

ケン「うるせうるせ。お前が一番下なんだよ。言う事聞けっ!」

リュウ「時間を稼いでくれればいいんだ。楽にいこう」

ヤムチャ「立場が下って……時間を稼げって……ず、ずるいですっ……! な、なんかずるいですっ……!」


実況「さぁ、空手軍団……おっと、ここはリュウとケンがエプロンサイドへと下がりますかね……? という事はヤムチャっ……! 空手軍団の先発はヤムチャとなりますっ!」

元「そうだね。ヤムチャ君で相手チームの出方を伺うってのが無難な選択でしょう。ケン君でもありかと思うけど」

410: 2016/11/21(月) 22:32:06 ID:cysnQ2cM
ツーピー「よぉ~っしっ! いきなりヤムチャさんだっ!」

ダグ「お~っ、きたねきたねっ! それじゃあ、コールいこうっ! コールいこうっ!」

エディ「最終戦だぞ~。さっきみたいに情けねぇコールしてんじゃねぇぞ。ほれ、いけい!」

ジェイク「レッツーゴー! ヤムチャ! レッツゴー! ヤムチャ!」

アクセル「これ、いきなりヤムチャさんが出てきたって事は、相手はガイルさんじゃねぇのっ!?」

エルガド「だよな……!? そうだよな……!? やっぱりヤムチャさん対ガイルさんが見たいよなっ!? ガイルさんコールもいこうっ! いこういこうっ!」

411: 2016/11/21(月) 22:41:45 ID:cysnQ2cM
レッツゴー !ヤムチャ ! (パン、パン、パパパン) レッツゴー ! ヤムチャ ! (パン、パン、パパパン)

ヤムチャ(あっ、メトロシティだ、これ……ははは、お礼ぐらい言っておこうっと……)チラッ

レッツゴー ! ガイル ! (パン、パン、パパパン) レッツゴー ! ガイル ! (パン、パン、パパパン)

ガイル(歓声に埋もれてるが……微かに聞こえるぞ……俺にコールだ?)

ヤムチャ(あれっ……? ガイルさんのコールも……えっ、どういう事だ……? 待て待て待て……って事はガイルさんが……これ、出てくるの……? ちょっと待って待って……)アセアセ


実況「さぁ、空手軍団の先発はヤムチャっ……! 対する……う~ん、ここは化学反応チーム……いや、チーム・ケミストリーとでも呼びましょうかっ!? こちらの先発は誰でしょう!?」

元「僕は横文字より縦文字が好きなんだけどね……うん、化学反応チームってのは格好悪いね。うん、チーム・ケミストリーの方がいいよ」

実況「はははっ! 我ながらナイスセンスだと思いますっ……! チーム・ケミストリーっ!」


ガイル(メトロシティは俺の逆風になるかもと考えてたが……そうかそうか……うん。とりあえず、媚びておくか……)

412: 2016/11/21(月) 22:50:25 ID:cysnQ2cM
レッツゴー、ガイル ! (パン、パン、パパパン) レッツゴー ! ガイル ! (パン、パン、パパパン)


ガイル「おうおう、わかったわかった。センキュー、センキュー……ただ、俺じゃなくてコイツ……なぁ、それでいいか……?」チラッ

ヤムチャ(……んっ?)

ガイル「見てみろよ、この身体……俺より一回りも二回りもデカいんだっ! それにこっちにも戦略ってもんがあるっ……! そこはわかってくれっ! ホークだ、ホークっ!」ポンポン

ホーク「……はい」


オー ? オーオー ?

実況「あっ、いやっ……! チーム・ケミストリーっ……! ここは先ず、ガイルがホークの背中をポンポンと叩き……?」

元「……という事は先発はホーク君って事かな?」

413: 2016/11/21(月) 22:58:20 ID:cysnQ2cM
ガイル「俺は後で出るからよっ……! 後でなっ……! その時はしっかり応援してくれっ! おい、レフェリーっ……! こっちの先発はホークなっ!?」

ダン「オーケーっ……! 先発はホークだなっ! 了解だっ!」

ヤムチャ「あっ、あっ……! こっちの先発は俺ですっ……!」アセアセ

ダン(ガイルはアピールの流れとして、俺に報告してんのっ……! お前はわざわざ言う必要ねぇよっ……! それくらいわかってるよ、バーカっ!)

ユン「よぉ~しっ! 頑張っていくぜぇ~! ヨロシクなぁ~!」ブンブン

ガイル「ユン……ユン……いつまでやってんだ、いつまでやってんだ、おい……先発はホークって決定したんだ……俺達は下がるぞ……エプロンでも出来るだろ?」


実況「さぁ、ガイルはユンにも声を掛け……さぁ、二人揃ってエプロンサイドへと引き下がっていきますっ!」

元「先発はホーク君……まぁ、緊張で飲まれてないといいんだけどね」

414: 2016/11/21(月) 23:07:00 ID:cysnQ2cM
ダン「それじゃあ、両者中央へっ……!」

ヤムチャ(先発はホークさん……ちょっと急遽変更になるんじゃないかと思って焦ったけど、変更なし……よしよし……)

ホーク「……」


オー ! オーオー !

実況「相手は空手軍団……それに、飲まれていてはいけないっ……! さぁ、ホークは静かにヤムチャを見つめるっ!」

元「現タッグ王者でもあるね」

実況「あ~、そうですっ! その通りですっ! ヤムチャは現タッグ王者でもあります。さぁ、リング中央でヤムチャとホークが互いにその姿を確認し合うっ……! 先発はヤムチャ対ホークっ……! ヤムチャ対ホークっ……!」


ダン「よぉ~しっ! それじゃあ、試合開始だっ! ゴングを鳴らせ、ゴングをよぉ!」


カーン


ワー、ワーワー

実況「さぁっ! 今戦いの鐘の音が場内に響き渡りましたっ! それでは本日の最終戦っ! キ○ンビバレッジ特別試合っ! 空手軍団対チーム・ケミストリーっ! 試合開始ですっ!」

元「はいっ!」

実況「先発はヤムチャ対ホークっ! ヤムチャ対ホォォクっ!」

416: 2016/11/21(月) 23:14:14 ID:cysnQ2cM
ヤムチャ「よし、とりあえずは出方を伺うか……」

ホーク「……うおおおおぉぉっ!」ブンッ

ヤムチャ「……んっ!?」


オー ? オーオー ?

実況「おぉ~っとっ! いきなり動いたのはホークっ! ヤムチャに向かって腕を振るっ!」

元「……おっ!?」


ヤムチャ「……うおっとっ! 危ねっ!」サッ

ホーク「……おおおっ!」スカッ


オー ! オーオー !

実況「先手必勝と言わんばかりに仕掛けていったホークっ……! 腕を振ってのショートレンジのラリアットォ! がっ……! しかしヤムチャもしっかり見ているっ……! ここはホークの脇の下を潜るように避けていくっ!」

元「おっ……!? こっちも見てるねっ!?」

417: 2016/11/21(月) 23:20:11 ID:cysnQ2cM
ヤムチャ「……ナハハ、いきなりはちょっとビックリしたかな?」

ホーク「……おおぉぉっ!」クルッ

ヤムチャ「……んんっ?」

ホーク「……うおおおおぉぉっ!」ブンッ


オー ? オーオー ?

実況「そしてホークの背後へと回った……あっ、待てっ! ホークもそのままターンをするっ! 身体を回転させながらの……おぉ~っとっ! ラリアットっ! おぉ~っと、ホークは続けていきますっ!」

元「おっ……! おっ……! おっ……!?」


ヤムチャ「……うおっ、何だコイツ!?」サッ

ホーク「……おおおぉぉっ!」スカッ


オー ! オーオー !

実況「しかしヤムチャも見ている見ているっ! 上手く対応していくっ! 今度はバックステップで避けていくっ!」

元「お~、お~、見てる見てる」

418: 2016/11/21(月) 23:25:32 ID:cysnQ2cM
ヤムチャ「ふう……って、おあっ……!? またきてるっ……!」サッ

ホーク「うおおおおぉぉっ……!」スカッ


オー ! オーオー !

実況「あ~っと、しかし更にホークは腕を振るっ! 今度は左腕っ! ヤムチャに向かって振っていくっ! しかし、ヤムチャっ! ここもバックステップで避けるっ!」

元「ホーク君、緊張してるんじゃないかなと思ってたけど……いやぁ~、これは狙ってたねぇ!?」


ユン「防戦一方っ……! イエーイっ! 防戦一方じゃ~んっ! イエーイっ!」ブンブン

ガイル「ホーク、ホークっ! そうだそうだ、腕振れ、腕振れっ! とりあえず、一発当てろっ! そのうち当たるはずだから、続けろ続けろっ!」バンバン


実況「おぉ~っと、エプロンサイドでユンが乗っているっ! ガイルも乗っているっ!」

419: 2016/11/21(月) 23:26:04 ID:cysnQ2cM
今日はここまで

428: 2016/11/22(火) 22:00:53 ID:pCStiljI
ランチ「さぁ、ヤムチャさん頑張って……あら……?」

天津飯「フッ、しかしアイツがそれなりに身体を動かしている事はわかった。ここは秒殺……んっ……!?」

餃子「……押されてる!?」

ランチ「あらあらあらあら……あっ、ヤムチャさん……あらあら、ヤムチャさん……」アセアセ

天津飯「な、何っ……!? ど、どういう事だ……!? ヤ、ヤムチャっ……!? どういう事だっ……!?」

餃子「……避けるので精一杯」

天津飯「そんなにスピードのある攻撃ではないだろうっ……!? それに、そこまで大きな気も感じない相手だっ……!? な、何をしているんだ、ヤムチャっ!?」

餃子「……わからない」

天津飯「え~、これはつまり……その……身体は動かしていたが、それはダンスの事ばかりで……アイツ、戦闘勘がすっかりなくなってしまったという事なのか……?」

餃子「……そ、そうかもしれない」

ランチ「ヤムチャさ~ん! 頑張って下さ~い!」

429: 2016/11/22(火) 22:07:03 ID:pCStiljI
ヤムチャ「おいおい、待てよ待てよ……うおっ……!?」サッ

ホーク「……うおおおぉぉぉっ!」スカッ


オー ! オーオー !

実況「元さん、ホークが狙っていたというのはどういう事でしょうかっ!?」

元「試合前から実は気掛かりだったんだけどね。これ、今日の空手軍団はね……万全の体勢ではないと思うんだよ」


ヤムチャ「待って待ってっ! ねぇ、ちょっと待ってっ! ねぇ!? んっ、ロープ……?」

ホーク「……追い詰めたっ!」ガシッ


アー ? アーアー ?

実況「万全の体勢ではないとは……? あっと、ここでヤムチャがロープ際まで追い詰められたっ! ブンブンと腕を振り回すホークの攻撃を避けて避けてはいるが、ロープ際まで追い詰められたかっ!? そしてホークがヤムチャの腕を掴むっ!」

元「空手軍団、全員スタミナが減った状態で始まってると思うんだよ? 試合前に色々とあったからね?」


ホーク「……うおおおぉぉっ! どああっ!」ブンッ

ヤムチャ「ちょっと待って……ああっ……! 待てって言ってんだろがっ……! 俺の話を聞けぇっ!」ダダッ


アー !? アーアー !?

実況「あっ……な、なるほどっ……! あ~っと、そしてホークっ! ここでヤムチャの身体を逆側のロープへと振り投げていったぁ!」

元「空手軍団に対してそこはちょっと……というか、結構気掛かりだったんだよ。ホーク君の動きを見てる限り……ホーク君も気づいてたのかもしれない」

430: 2016/11/22(火) 22:13:36 ID:pCStiljI
ヤムチャ「なんで俺の話を聞いてくれないんですかってっ……!? あ~っ、もうっ……! イライラするなぁっ……!?」ググッ


ヤムチャー ! セメロー ! ヤムチャー !

実況「ロープに振られたヤムチャの身体が再びその反動で返って来ますっ! あ~っと、そしてホークっ! 自信は背後のロープの反動を利用して……そしてヤムチャに向かうっ! 向かっていくっ!」

元「なんとなくホーク君は自分の気配を頃して……コレ、先手必勝って形でいこうと考えてたんじゃないかな、と思う。あ~、それとヤムチャ君は立ち上がりは慎重な所があるからね、うん」


ホーク「……ぬおおぉぉっ! コォンドルスパイアっ!」ズドーンッ

ヤムチャ「えっ……! うおっ……! どげええぇぇっ……!」バターンッ


アー ! アーアー !

実況「あ~っと、そしてリング中央っ……! ここはホークっ! コンドルスパイアっ! コーンドルスパイアだっ! 返ってきたヤムチャの身体に自信の巨体をぶつけていくっ! ヤムチャの身体を薙ぎ倒していくっ!」

元「……う~ん、まだ流れはわからないけど、とりあえず先手を取ったのはホーク君だね」

431: 2016/11/22(火) 22:21:24 ID:pCStiljI
ヤムチャ「ううっ、くっそっ……! なんだよ、なんだよ、ちくしょうっ……!」ゴロンッ

ホーク(私はフェイロンのようには出来ないっ……! だから、ゆっくり……間違いのないようにだ……私はそれでいいんだっ……!)ズシズシ


ユン「はいはいは~いっ! はい、派手にぶっ飛んだぁ~! は~い、派手にぶっ飛んだぁ~!」ブンブン

ガイル「おぉ~っしゃっ! そうだっ! 数打ちゃ当たるんだっ! 下手な鉄砲でもバンバンバンバン撃ち続ければいいんだっ! ホーク、そのままいけっ!」


アー !? アーアー !?

実況「あっとっ……! ダウンしたヤムチャは……あっと、その衝撃で後方へと回転っ! おぉ~っと、そしてうつ伏せにダウンしますっ!」

元「……あっと、思ってた以上にクリーンヒットしちゃったかな?」

実況「お~っと、更にホークはいきますっ! さぁ、ダウンしているヤムチャへと近づいていきますっ!」


ホーク(……多分)スッ

ヤムチャ「……んあっ!?」


アー ? アーアー ?

実況「おっと、ホークは屈み込み、うつ伏せにダウンしているヤムチャの胸っ……! 腹の下へと両手を差し込んでいくっ!」

元「結果論になるけどね、ヤムチャ君の立ち上がり……ここは自分が犠牲になる……って形で向かっていった方がよかったのかもしれないね」

432: 2016/11/22(火) 22:29:04 ID:pCStiljI
ホーク「……ふぬおおぉぉっ!」ググッ

ヤムチャ「う、うおおっ……!」


オー ! オーオー !

実況「お~っと、そしてホークはそのまま腰を上げつつ……おぉ~っと、一気のヤムチャの身体を頭上まで持ち上げてっ! 重量上げのバーベルかの如く……ヤムチャの身体を高々と持ち上げていくっ! 元さん、犠牲になるとは!?」

元「空手軍団三人のスタミナが減ってるという事は、今試合権のあるヤムチャ君以外……つまり、控えているリュウ君とケン君は今消費したスタミナを回復させてるワケなんだね」


ホーク「……ふんぬおおぉぉっ!」クルッ

ヤムチャ「何してる、何してる、おいっ……! 危ないぞ……!? 危ないぞ、おいっ……!」


オー ? オーオー ?

実況「ホークはそのままゆっくりとターンをしていくっ! ヤムチャの身体を抱え上げたままターンをしていくっ! 元さん、続けて下さいっ!」

元「その考えでいくと、先発……最初に出る一人ってのは、絶対にスタミナが減った状態で始まるんだよ。上手く立ち回れば、試合の中でスタミナを回復させつつ、相手を攻めていく……って戦法もとれます」


ホーク「いくぞっ……! ふおおぉぉっ……!」ポイッ

ヤムチャ「おいっ……! おいっ……! ゲッ、あっ……! んがあああぁぁっ……!」ビターンッ


オー ! オーオー !

実況「ホークはそのままリング中央にヤムチャの身体を放り投げるっ……! 放り投げていくっ! あ~っと、ヤムチャの身体が高い位置からマットへと落ちるっ! ここはリフトアップ・スラムっ!」

元「でもそういった戦い方なら、器用なケン君に任せた方が絶対にいいと思うよ。ヤムチャ君は同じだけ立ち回れるかな……? いっそ、自分はスタミナ減った状態でも構いません……二人だけでも完全に回復させて下さい。そういう風に割り切った方が良かった気がする」

433: 2016/11/22(火) 22:36:06 ID:pCStiljI
ユン「そしてここで、俺参上っ……! さぁさぁ、ユンの出番だぜっ!」ササッ


アー !? アーアー !?

元「ヤムチャ君が長い時間頑張れば頑張った分だけ、二人はスタミナを回復させる事が出来る……二人のスタミナを完全回復させる……僕はそれだけで大仕事だと思うよ? 自分の仕事を間違っちゃいけない。ケン君とヤムチャ君では、また求められてくる事が違う」

実況「なるほどっ……! その為にヤムチャはいっそ捨て身で……あっ! 待って下さいっ! ここでユンっ……! ユンがエプロンサイドからリングインしてきましたよっ!?」


ユン「いくぜいくぜっ! ガンガンいきましょうっ! ガンガンいきましょうっ! 盛り上がっていきましょ~うっ!」ダダッ

ガイル「……よぉし、俺もいくか」ササッ


アー !? アーアー !?

実況「あ~っと、ユンはヤムチャの脇を逸れつつ……あ~っと、ここはリュウとケンですっ! リュウとケンへと向かっていきますっ! あ~っ、そしてガイルもリングインっ! 更にガイルもリングインしてきますっ!」

元「……ちょっと、つけこんで来てるんじゃないのかなぁ、コレ!?」

434: 2016/11/22(火) 22:45:11 ID:pCStiljI
ユン「そいやぁっ……! 場外に落ちててもらいましょうっ……!」ガスッ

ケン「……ぐおっ!」ボトッ

ユン「勿論こっちもっ……! よいしょ~っ!」ズガァッ

リュウ「何っ……!? う、うおっ……!」ボトッ


アー !? アーアー !?

実況「空手軍団コーナーサイドへと突っ込んでいったユンは先ずはケンへとエルボーバーットっ! 即座に続けてリュウへとドロップキックっ! あ~っと、二人をエプロンサイドから場外へと落としていきますっ!」

元「……何気に上手いねぇ。リュウ君に対して大きめの攻撃を仕掛けてるよ。やっぱり、最終的に厄介になってくるのはリュウ君だからね?」

実況「あ~、はいはいはいっ! なるほど~!」

435: 2016/11/22(火) 22:56:58 ID:pCStiljI
ガイル「とりあえず、リュウとケンはユンに任せるとするよ……俺はお前だ……個人的感情で悪いが、てめぇには恨みってもんがあるからな……?」

ヤムチャ「……ううっ」

ガイル「メトロシティでやり合った時の借りは返さなきゃいけねぇ……それにタッグベルトの方もお前に取られてるからな……? あれは元々俺とナッシュの物なんだよ……その辺ひっくるめて、てめぇにゃ恨みがあるんだ……」

ホーク(んっ、タッグベルト……? あれ……? 確かガイルさんは自分はタッグベルトに興味はないみたいな事を言っていたような……)

ガイル「さぁ、ホークいくぞ、おいっ! 合体攻撃仕掛けるなら、今がチャンスだっ!」ガシッ

ホーク(おっといけないっ……! 雑念はいけないっ……! 集中だ……私は集中しないとっ……!)ガシッ

ヤムチャ「お、おおおっ……!」ググッ


アー ? アーアー ?

実況「あ~っと、更にガイルはヤムチャに近づいていって……おぉ~っと、そしてガイルとホークっ……! ヤムチャの足を掴んでいくっ! 其々がヤムチャの足を片方ずつ持ち、そして持ち上げていくっ! ヤムチャの下半身が浮いていくっ!」

元「ここで分断作戦か。ほ~う」

436: 2016/11/22(火) 23:10:46 ID:pCStiljI
ガイル「それじゃあ、いくぞホークっ……! せぇ~のっ!」ブンッ

ホーク「……うおおぉぉぉっ!」ブンッ

ヤムチャ「……だぁっ、痛っえええぇぇぇっ!」ビターンッ


オー ! アーアー !

実況「ホークとガイルは高い位置まで持ち上げたその足を、同時に勢いよくマットへと叩きつけていくっ! ヤムチャの両膝をマットへと打ち付けるっ!」

元「ダブル・レッグブリーカーですねぇ。ヤムチャ君のスピードを頃していこうって所かな?」


ガイル「そ~んなに痛がってんじゃねぇよっ! チャンピオンだったらこれぐらい我慢してみろってんだ、オイっ! それに、痛いのはまだまだ続くぞオイっ……! おっしゃ、ホークっ! 続けるぞっ!」ガシッ

ホーク「……はいっ!」ガシッ

ユン「……主役は俺っ!」ムクッ


オー ! アーアー ?

実況「あ~っと、更にホークとガイルは続けますっ! 両者が屈み込み、うつ伏せに倒れたヤムチャの腰回りを左右から抱えるっ! 強引に腰を掴んでいくっ!」

元「そうだね。リュウ君とケン君は分断されてるし……まぁ、ここはいくよ」

437: 2016/11/22(火) 23:15:48 ID:pCStiljI
ガイル「このまま持ち上げるぞ、ホークっ……! せぇ~のっ!」ググッ

ホーク「はいっ……! ふおおおぉぉっ……!」ググッ

ヤムチャ「うおっ、うおっ……! なんだなんだっ……! 何がどうなってるんだっ……!?」


オー ! オーオー !

実況「そして両者がダウンしているヤムチャの身体をそのまま、抱え上げていったぁっ! バックドロップの体勢っ! バックドロップの体勢で抱え上げていったぁっ!」

元「お~っ! ツープラトンのぶっこ抜きバックドロップか。あっ、でもホーク君がいるもんね」


ガイル「……一回、止めるぞ。ホークっ! わかってるなっ!?」ピタッ

ホーク「……勿論ですっ! わかってますっ!」ピタッ

ヤムチャ「……んっ?」

ユン「へへ……好きじゃないんだ、俺はアイツは好きじゃないんだ……こういうのって、何かいいねっ!」ガシッ


アー ? アーアー ?

実況「なるほどっ! ホークのパワーがありますからねっ!?」

元「そうそうそう。ホーク君にとっても多分フェイロン君よりガイル君の方がパワーがあると思うからね」

実況「あっと、しかし待って下さいっ……!? 二人掛かりでヤムチャの身体を抱え上げていったのですが……おぉ~っと、ここは抱え上げた状態でストップっ! ストップしますっ!」

元「……あ~っ! ユン君だっ!」

438: 2016/11/22(火) 23:20:15 ID:pCStiljI
ガイル「ホークっ……! もうちょっと前だっ……! ユンが届かねぇっ! え~、後二歩っ……!」ズガズガ

ホーク「二歩……はいっ……!」ズガズガ

ヤムチャ「ううっ、何やってんだ何やってんだ、おい……ああっ……!?」

ユン「イエーイっ! ド派手に決めちゃうぜぇ~っ! 皆、見ててくれよなぁ~!」ググッ


オー ? オーオー ?

実況「あ~っと、あ~っとっ! ユンですっ! ユンですっ! ユンがコーナーポスト上に昇っておりますっ! そして両腕を高々と上げていますっ!」

元「……ここは三人で仕掛けてきたねぇ」


ユン「ウイ~ン……ストップっ! その位置でいいぜぇっ! その位置で二人共ストップだっ!」ビシッ

ガイル「おしっ……! ホーク、ストップだっ!」ピタッ

ホーク「はいっ……! ユンさん、飛び込んで来て下さいっ!」

ヤムチャ「くそっ、くそっ……ふざけるなよ、ふざけるな……三人掛かりで俺一人を……くそっ……!」


オー !? オーオー !?

実況「ホークとガイルはユンのいるコーナーポストへとヤムチャを抱え上げたまま近づいていくっ! あ~っと、そしてコーナーポスト上のユンっ……! 高々と両腕を下げ……ヤムチャを指差したぁっ!」

元「おうおう、これくるぞっ!」

439: 2016/11/22(火) 23:24:52 ID:pCStiljI
ユン「いくぜっ……! 俺の方が先輩なんだよっ……! 喰らってろ、オイっ……!」シュタッ


オー ! オーオー !

実況「おぉ~っと、そしてユンがヤムチャに向かって飛び込んでいくっ! いやっ……! いや、ヤムチャの脇をすり抜け……ガイルの頭上を飛び越えるようにして……あ~っと、そしてヤムチャの首筋を掴んでいくっ! ユンがヤムチャをキャッチしたっ!」

元「おっと!? 雷撃蹴じゃなくて、ネックブリーカーかっ!?」


ユン「……敬語を使いなさいなっ! そぉ~れ、いくぞ~!」

ガイル「……ホークっ! 俺達も倒れるぞ、せぇ~のっ!」

ホーク「はいっ……! ふぬおおぉぉっ……!」

ヤムチャ「んぐあああぁぁぁっ……!」ズドーンッ


オー !! オーオー !!

実況「そしてホークとガイルも後方へと倒れ込むっ……! おぉ~っと、おっとおっとっ! そして三人掛かりでヤムチャの身体を後方っ……! マットへと打ち付けていくっ! ヤムチャが打ち付けられたぁ!」

元「お~お~お~、ツープラトンバックドロップ&ネックブリーカーって所か……!? お~お~お~」

実況「ここで三人揃っての合体攻撃っ……! 合体攻撃攻撃ですっ……!」

451: 2016/11/23(水) 22:00:39 ID:2ziTk9bw
ユン「決まったぜえぇぇっ! 見事に炸裂~っ! イエーイっ!」ムクッ

ガイル「うっしゃ、どうだ見たかオイっ! あぁっ!? こっちはマジなんだよっ! マジなんだよ、オイっ! 浮かれてる連中とはワケが違うぞっ!?」ムクッ


オー !! オーオー !!

実況「あ~っと、ユンとガイルは立ち上がり、そして大きく大きく腕を上げるっ! 腕を上げていくっ!」

元「……これさぁ!? 結構機能してるんじゃないのっ!? チーム・ケミストリー!」

実況「機能していますよねぇ……? 機能していますよねぇ!? おっとおっとこれはこれは……流れはチーム・ケミストリー側と言った所かっ!?」


ガイル「よっしゃ、ホークっ……! もう決めちまってもいいじゃねぇかっ!? フォールだ、フォールフォールっ!」

ホーク「はいっ……! カウントをお願いしますっ……!」ガバッ

ダン「おうよ、カウントだなっ! わかったぜっ!」


オー !? オーオー !?

実況「あ~っと、そしてホーク、ホーク、ホークっ……! あ~っと、ヤムチャの身体の上に覆い被さりますっ! フォールにいきます、フォールにいきますっ!」

元「おっとっ! いきなり決めにきたかっ!?」

実況「さぁ、そしてレフェリーがマットへと伏せるっ! カウントを数え始めるっ! どうだどうだどうだっ!? まさかの秒殺KOとなってしまうのかっ!?」

452: 2016/11/23(水) 22:07:15 ID:2ziTk9bw
天津飯「ヤムチャがやられているだと!?」

ランチ「ヤ、ヤムチャさん頑張って下さ~いっ!」

天津飯「ど、どういう事だっ!? 確かに相手は三人だが……三人掛かりできているが……何をしているヤムチャっ!」

餃子「……天さん、落ち着いて」

ランチ「ヤムチャさん、負けないで下さ~いっ!」

天津飯「ヤ、ヤムチャっ……! ヤ、ヤムチャ……どうやらアイツは戦闘勘を完全に……」

餃子「……ヤムチャの気は減っていない」

ランチ「ヤムチャさん、起きて下さ~い!」

天津飯「んっ……? 気……? おっ、あっ、確かに……」

453: 2016/11/23(水) 22:15:04 ID:2ziTk9bw
ダン「ワンっ……!」

オー !? オーオー !?

ダン「……ツっ」

ヤムチャ「……ふざけてんじゃねぇぞ、この野郎っ! うるあぁっ!」ガバッ

ホーク「……んっ!?」


オー !! オーオー !!

ダン「カウントはワンだっ! カウントワンっ……! 決まっちゃいねぇぞ、オイっ!」


オー !! オーオー !!

実況「そうはいきませんっ! そぉ~うはいきませんっ……! おぉ~っと、ヤムチャの肩が上がっていくっ! 肩が上がっていくっ! ツーカウントに届く前に肩が上がっていったぁ!」

元「お~お~っ! そうこなくっちゃ、そうこなくっちゃ!」

実況「ここはヤムチャも即座に返してくるっ! カーウントワンでヤムチャの肩が上がりましたぁ!」

454: 2016/11/23(水) 22:25:17 ID:2ziTk9bw
ヤムチャ「……あ~、やっちまった。油断した」ムクッ

ユン(アドリブで頭蹴りつけてやりたいなぁ~! 二三発ぐらいなら大丈夫じゃない……? 大丈夫じゃないかな~!?)スッ


リュウ「危ない流れだっ……! ケン、ここはフォローにいこうっ……!」シュタッ

ケン「ああ、そうだなっ……! くそっ、ヤムチャ……しっかりしてくれよっ……!」シュタッ


ヤムチャー ! イイゾー ! ヤムチャー !

実況「ヤムチャは上体を起こし……あっと、しかしっ! おっと、これはやはりダメージは大きいと言った所でしょうか?」

元「まぁ、素早くカウントワンで返してきたのはいいと思うよ。流れを持っていかれたくはないからね。ただ当然の話だけど、そりゃダメージ事態はあるよ」

実況「あっ、いや待って下さいっ!? そんなヤムチャの様子を見て……ここでリュウとケンが戻ってきたかっ!? エプロンサイドに飛び乗り、そしてリングインしますっ!」

455: 2016/11/23(水) 22:30:54 ID:2ziTk9bw
ガイル「ヘイ、レフェリーっ……! アイツらを止めてくれっ! ストップさせてくれ、ストップっ!」ビシッ

ダン「……んっ?」チラッ

リュウ「……んっ?」ピタッ

ケン「……チィッ、あの野郎先手打ってきやがった」ピタッ


アー !? アーアー !?

実況「あ~っ、いやいやいやっ……! ここはガイルっ! エプロンサイドへと飛び乗ったリュウとケンを指差し、レフェリーにアピールしていくっ! あ~っと、そしてそれを見てリュウとケンの動きが止まったかっ!? リングは出来ずっ!」

元「……おっ」


ダン「いや、ちょっと待てオイっ……! お前、人の事言うより先ず自分の事……」

ガイル「わかってるって、そいつは勿論わかってるっての……俺達は引き下がる……アンタはアイツらをリングインさせないっ……! それでリングの上は一対一の平常進行だ。わかってるわかってる……ホラ、下がってるだろ……?」ススッ


実況「あ~っと、そしてガイルっ! ガイルは両手を軽く上げ、降伏のようなポーズをレフェリーに見せながら後退りしていきますっ!」

元「うんうんうんうん。上手いねぇ上手いねぇ」

456: 2016/11/23(水) 22:37:33 ID:2ziTk9bw
ガイル「おい、ユン。なにやってんだ、オイ……てめぇも下がるぞ……オラオラオラ……」ガシッ

ユン「……うおっ!」


オー ? オーオー ?

実況「おぉ~っと、更にっ! ガイルはユンの肩を後ろから掴み、おっとそしてユンを制するようにしながら自軍コーナーへと引き下がっていきますっ! ユンを引き連れ、自軍コーナーへと下がりますっ!」

元「うんうんうん。いいねいいね」


ダン「え~、まぁ……って事だっ! アイツらも引き下がっているみたいだし、お前らが出てくる必要性はねぇって事だ。なっ!? そういう事で合ってるな!?」

リュウ「……くそっ」

ケン「……チィッ」


実況「さぁ、ねぇ!? 合体攻撃が終われば即座に引き下がるっ! あくまでリングの上は一対一っ! この辺りは美しいフェア精神ですっ! さぁ、ガイルとユン……二人揃ってエプロンサイドへと戻りました!」

元「いや、まぁフェア精神と言っちゃ、フェア精神なんだけどね。勿論これには打算もあるよ?」

実況「……おっと、打算とは?」

457: 2016/11/23(水) 22:44:57 ID:2ziTk9bw
元「え~、だから今のガイル君にとっては乱戦の状況よりも、リング上でホーク君とヤムチャ君が一対一でやってる方が好都合なワケなんだよ」

実況「あ~、なるほどなるほどっ! ヤムチャ一人に狙いを搾っていく方が……はいっ! 確かによさそうですっ!」

元「下手に乱戦にして、どう動くかわからない試合状況を作るよりかは、ここでヤムチャ君一人にターゲットと搾りきった方が今後の展開も落ち着いて考えられるだろうしね。ただ君が言ったフェア精神って発言が間違ってるのか……と言ったらそうでもない」

実況「はいはいはい」

元「だから、本当は合体攻撃とか連携攻撃ってこうやって使うべきなんだよ。出てきて合体攻撃しました……はい、おしまい……終わったから、戻ります……って感じでね?」

実況「なるほどなるほど」

元「それを合体攻撃して、ちょっと場が混乱しちゃったからその勢いに乗って、もっともっといこう……もっともっといこう……みたいな感じでどんどんどんどんいっちゃうから、余計に場が混乱しちゃうんだよ。だから、勿論打算もあるけど……フェア精神ではありますと。僕はそう思います」

実況「なるほど~!」

元「うん。上手くゲームメイクをしてるんじゃないかな? 上手くゲームメイクしてると思うよ、うん」

458: 2016/11/23(水) 22:50:52 ID:2ziTk9bw
ホーク「よし……よぉし……さぁ、いくぞ……立てっ……!」グイッ

ヤムチャ「ここからは気を取り直してなんとか……んっ……!?」ググッ


ヤムチャー ! ヤムチャー !

実況「しかし、こうなってくると苦しくなってしまうのはヤムチャですよねぇ……!?」

元「そうだね、苦しいね。その、リュウ君とケン君の援護が先に潰されちゃった形になるからね」

実況「さぁ、ヤムチャにとっては苦しい展開っ……! おっと、さぁホークは続けていくかっ!? ヤムチャの身体を引き起こしていきます!」


ホーク「ふおおおぉぉっ……! いくぞおおぉぉっ!」ガシッ

ヤムチャ「……んあっ!?」ググッ


オー ? オーオー ?

実況「おぉ~っと、そしてホークはヤムチャの身体を前のめりにしつつ、その頭部を股下へと押し込んでいくっ! そして上から覆い被さるように腰回りに腕を回していくっ!」

元「だから、ここからホーク君は上手くヤムチャ君を生かさず殺さずの……あっ、パワーボムか」

実況「さぁ、パワーボムの体勢で捉えましたっ! ホークがヤムチャをパワーボムの体勢で捉えましたっ!」

459: 2016/11/23(水) 22:56:24 ID:2ziTk9bw
ホーク「いくぞおおぉぉっ……! ふおおおぉぉっ……!」ググッ

ヤムチャ「……んがががががっ!」ガシッ

ホーク「……んっ!?」


オー !? オーオー !?

実況「そしてホークはヤムチャの身体を一気に抱え上げ……あ~っ! いやいやいやっ! ここは堪えますっ! 堪えます、堪えますっ! ヤムチャが堪えていきますっ!」

元「まぁ、当然だろうね。ヤムチャ君からしたらこの一撃ってのは絶対に貰えないからね。ここらでなんとか流れを自分の方に持ってこなければ、最悪そのまま押しきられちゃう」


ホーク「くっ、くっ……! 上がれっ……! 上がれっ……!」ググッ

ヤムチャ「上がれって言われて上がる奴いないよっ……! んがが……んがががっ……!」ブルブル


オー !? オーオー !?

実況「しっかりと踏ん張り堪えていくヤムチャっ……! しかしホークもっ……! ホークも更に上からヤムチャの身体を抱え上げようとしていくっ! あ~っと、どうだどうだどうだっ……!?」

元「パワーで言えばホーク君に分があるでしょうっ! でも、ここのヤムチャ君は貰えない場面だからねっ! そりゃ、頑張ってくるよ! 堪えてくるよ!」

460: 2016/11/23(水) 23:02:03 ID:2ziTk9bw
ランチ「ヤムチャさん、頑張って下さ~い! んっ……? あっ……」

天津飯「気はまだまだ残っているはずだっ! それなら何をモタモタしているっ!?」

餃子「……下から持ち上げようとしてる?」

ランチ「あっ……あら……? あっ……あっ……」

天津飯「下から持ち上げるって言ったって……精々130キロぐらいのものだろう……? それなのに、アイツは何をしている……!? 一体何をしているんだっ……!?」

餃子「……う~ん」

ランチ「……くしゅん」

天津飯「!?」チラッ

餃子「!?」チラッ

472: 2016/11/24(木) 12:34:00 ID:msSHKyhw
今更だが天さんたちにはホークがヤムチャを抱えあげようとしてるのをヤムチャが頑張って堪えてるのではなく
ヤムチャがホークを抱え上げるのにやたらもたついてるように見えるのか

473: 2016/11/24(木) 22:00:42 ID:VWfvZYRg
リュウ「ヤムチャっ……! よしっ、頑張れっ……!」

ケン「おぉ~っしゃ、いいぞいいぞっ! とりあえず耐えろっ……! 耐えてろっ……!」


ユン「なぁ~にやってんだよ、オイオイっ……! とっととぶん投げられちまえってのっ!」ブンブン

ガイル「ホークっ……! 抵抗するようなら、一回上からぶん殴っちまえっ! こういう時は一回痛めつけるんだよっ!」グイグイ


オー !? オーオー !?

実況「さぁ、パワーボムを狙っていくホークっ……! しかし、それを堪えていくヤムチャっ……! さぁさぁ、両者が粘り合っているといった所かっ!?」

元「う~ん、そうだねぇ!」


ホーク「よしっ、その通りだっ……! 私のパワーで打ち込めば……抵抗する気力も消え失せるはずっ……! ふおおぉぉっ!」ドスッ

ヤムチャ「……どぐっ!」ヨロッ


オー ? オーオー ?

実況「おっと、しかしここはホークっ……! ヤムチャの腰回りから一度腕を外し、そしてその両腕を振り上げるっ! 振り上げた両腕をヤムチャの背中へと落としていくっ!」

元「おっと、スレッジハンマーっ! 耐えてるみたいだから、打ち込んできた」

474: 2016/11/24(木) 22:05:57 ID:VWfvZYRg
ホーク「ふおおぉっ……! もう一撃っ……!」ググッ

ヤムチャ「くあっ、痛ぇ……ううっ、でも腰から手を離しやがったなっ……!? それじゃあ、頭を引き抜くだけだっ! だああぁぁっ……!」スポッ


オー !? オーオー !?

実況「もう一撃いくかっ……!? ホークが再び腕を振り上げ……あ~っ、いやいやいやっ……! ここでヤムチャが抜けてきたかっ!? ホークの股下から自信の頭も引き抜いたかっ!?」

元「おっ!? そうだね、抜いた抜いたっ!」


ヤムチャ「……ここから反撃だっ! いくぜっ! てりゃああぁぁっ!」スパーン

ホーク「しまったっ……! あっ……おぐうぅぅ……!」ヨロッ


オー !? オーオー !?

実況「おぉ~っと、そしてヤムチャっ……! 股下から頭を引き抜き、そのまま身体を起こしつつの……トラースキィーックっ! ホークの顎へと打ち込んでいったぁ!」

元「おうおう! そうこなっくっちゃっ!」

475: 2016/11/24(木) 22:12:19 ID:VWfvZYRg
ホーク「……く、くおっ!」ヨロッ

ヤムチャ「……まだまだ反撃は終わらないっ! いっくぜぇぇ!」クルッ


オー !? オーオー !?

実況「あっ、しかしこれはホークっ! 少しよろけただけと言った所でしょうかっ!? ここはダウンはしませんっ! ダウンはしませんっ!」

元「あっ……! ちょっと、浅かったかもね!?」

実況「あ~っと、しかしよろけた事には変わりはないっ……! ここはヤムチャっ……! そんなホークの目の前でゆったりとしたターンを見せるっ……!」


ヤムチャ「そぉ~ら、いくぜっ……! 喰らってろっ……!」バッチーンッ

ホーク「……ふぐおっ!」ヨロッ


オー ! オーオー !

実況「そして胸板へと逆水平チョーップっ! ターンをして、遠心力をつけつつの逆水平をホークへと打ち込んでいくっ! さぁ、鋭い音が場内へと響き渡ったぁ!」

元「おぉっ! いいねっ!」

実況「あ~っと、しかしこれもホークはダウンはしないっ! ダウンはしないっ! ダウンはしませんっ!」

476: 2016/11/24(木) 22:23:29 ID:VWfvZYRg
ホーク「……くそっ!」ギロリ

ヤムチャ「デカい相手はいつだってタフだな……!? だけど大丈夫っ……! こういう相手への対応ってのは、本田さんで実戦済みだっ……! ハイィィっ!」ビシッ

ホーク「んっ……? おぐっ……!」フラッ


オー ! オーオー !

元「やっぱりこの辺りは体格差かな!?」

実況「おぉ~っと、これはダメージがあるのかないのか……!? ヤムチャを睨み付けるホークっ……! あっ、いやっ……! しかしヤムチャは続けるっ! 今度はそんなホークの顔面へと掌底ですっ! 打ち込んでいきますっ!」


ヤムチャ「まだまだぁっ……! ハイっ……! ハイィィっ……!」ビシビシ

ホーク「ぐおっ……! ぐおっ……!」フラフラ


オー ! オーオー !

実況「更に続けて右・左と掌底を打ち込んでいくヤムチャっ……! さぁ、再び顔面っ! ホークに打ち込んでいきますっ!」

元「ピンポイント狙いに切り替えてきたって所かなっ!?」

477: 2016/11/24(木) 22:31:30 ID:VWfvZYRg
ランチ「オラァァァ! いけいけぇぇ! そいつをぶっ頃しちまえぇぇ! やっちまえぇぇっ!」

天津飯「なんで、よりにもよってこんなタイミングで……ああっ……餃子っ! 胡椒は持ってきているかっ!? 胡椒は持ってきているよなっ!?」アセアセ

餃子「……い、一応持ってきている」アセアセ

ランチ「もっといけって言ってんだろっ……! ちっくしょう、聞こえてねぇのか……!? よぉ~し、こうなったら景気づけにマシンガンでもぶっ放すかっ!」

餃子「!?」

天津飯「餃子っ! 動きを止めるんだっ……!」

ランチ「んっ、んっ……? あれ、あれ……? マシンガンのホイポイカプセルがねぇぞ……? あれ、あれ……? 何処だ、何処だ……ねぇぞ、ねぇぞ……?」ガサゴソ

餃子「ホッ、マシンガンは持ってきていないみたい……よかった……」

天津飯「も、持ってきていないのか……それなら超能力はいいっ……! 胡椒だ、胡椒だっ! こっちのランチだと何が起こるかわからんっ……! 先ずは胡椒だ餃子っ……!」

478: 2016/11/24(木) 22:38:37 ID:VWfvZYRg
ホーク「ぐっ……ぐっ……!」フラフラ

ヤムチャ「効いてるみたいだなっ……!? それじゃあっ……!」ススッ


オー ! オーオー !

実況「的確に顔面へと打ち込んでいくヤムチャっ! さぁ、この辺りは体格差を埋めるための手段と言った所でしょうかっ!? おっと、そしてここでヤムチャっ! そんなホークから少しばかり距離を取るっ……! 離れていくっ!」

元「……おっ?」


ヤムチャ「ダウンして貰うぜっ……! 喰らってろっ……! たありゃああっ……!」ドスッ

ホーク「……ぐおおぉぉっ!」バターンッ


オー ! オーオー !

実況「おぉ~っと、そしてヤムチャっ! そこから勢いよくホークに飛び込みつつの……ドロップキックですっ! ホークの胸元へと突き刺していくっ! 正面飛びのドロップキィーックっ!」

元「勢いをつけて、打ち込んできたっ!」

実況「そしてこれでホークがダウンしましたっ! ダウンしましたっ! さぁ、ヤムチャのドロップが突き刺さり、ホークがマットへと仰向けにダウンしたぁ!」

479: 2016/11/24(木) 22:47:08 ID:VWfvZYRg
ヤムチャ「ふう、危なかったかもしれない……でも、これで五分と五分のはずっ!」ムクッ

リュウ「ナイス、ナイスっ……! ナイスガッツだったぜ、ヤムチャっ……!」

ケン「一回交代してやってもいいぜっ!? チェンジもありな場面だ。それなら俺に交代しなっ!」

ヤムチャ「ケンさん、大丈夫です! 出鼻は挫かれたかもしれませんけど……まだまだ俺は出来ますよっ! やってやりますっ!」チラッ


オー ! オーオー !

実況「さぁ、ヤムチャは立ち上がりますっ! ゆっくりですが、確実に立ち上がりますっ! さぁ、コーナーのリュウとケンもヤムチャにエールを送っているっ!」

元「ちょっと流れが相手側に傾きかけてたからね。うんうん、ここはナイスガッツを見せてくれたよ」


ヤムチャ「さぁさぁ、ここからだっ……! ここから反撃だっ……! れっつごー、ヤムチャっ! れっつごー、ヤムチャっ!」パンパン

ホーク「……くううっ」


オー ! オーオー ! レッツゴー ! ヤムチャ ! (パン、パン、パパパン)

実況「ヤムチャもまた、心配ないよ、自分はまだまだ大丈夫だ! と言わんばかりにコーナーにいるリュウとケンを方を見て……おっと、今度は大きく手を打ち鳴らしながらダウンしているホークの頭部付近へと回り込んでいきますっ!」

元「そして今度は流れを自分の方へと引き寄せようとしているね。本当、ヤムチャ君良くなってきたよ」

480: 2016/11/24(木) 22:52:41 ID:VWfvZYRg
ヤムチャ「よいしょっとっ! とりあえず、上体を起こして……んぐぐっ、やっぱり重いねぇ……!?」グググッ

ホーク「……ううっ」


オー ! オーオー !

実況「さぁ、そしてヤムチャは屈み込み、ダウンしているホークの上体を引き起こしていきますっ!」

元「うんっ!」


ヤムチャ「それじゃあ……ジワリジワリといかせてもらうかっ……! そらよっとっ!」シュルッ

ホーク「おあっ……? ゴ、ゴフっ……!」


オー ? オーオー ?

実況「そしてその起こした上体の背後から……ヤムチャは腕を回すっ! さぁ、ホークの首筋に腕を回していくっ! ここは背後からスリーパーホールドで捉えたっ!」

元「おぉ~っと、じっくりとリズムを作っていこうという事か?」

481: 2016/11/24(木) 22:58:36 ID:VWfvZYRg
ヤムチャ「そして更にっ……! グラウンドに持ち込ませて貰うぜっ……! そらよっとっ……!」ガシッ

ホーク「おぐぐっ……ガガっ……!」ビターンッ


オー !? オーオー !?

実況「そして更にホークの胴回りに自身の両足を回しつつ……その上体をマットへと再び倒し込んでいくっ!」

元「胴締めスリーパーホールドだね。じっくり攻めつつ……自身のスタミナ……うん……」

実況「さぁ、ヤムチャが胴締めスリーパーホールドで捉えましたっ! ホークを胴締めスリーパーホールドで捉えましたっ! ここはジワリジワリと攻め立てていきますっ!」


ダン「ホークっ……! どうするっ!? ギブアップかっ……!?」

ホーク(フェイロンじゃなく……私だけに許された手段……ヤムチャさんもその為に動いてくれた……だから、ここは即座に……!)ムクッ

ヤムチャ「……んっ、アレっ!?」


オー ? オーオー ?

実況「あ~っと、待って下さいっ……! しかしここはホークっ……! 即座に立ち上がってきますかねっ!? ヤムチャに胴締めスリーパーホールドで捉えられつつも……あ~っと、そのまま立ち上がるっ! そのまま立ち上がりますっ!」

元「……う~ん、なんとなくはこうなるとは思ってたんだよねぇ!? だって、体格差を考えてみてよっ!?」

482: 2016/11/24(木) 23:03:41 ID:VWfvZYRg
ホーク「フンっ……! フンっ……!」ズシズシ

ヤムチャ「おいおいおいっ……! ちょっと待てよ……ちょっと待ってくれよ、おいっ……!」


オー !? オーオー !?

実況「さぁ、ホークがヤムチャに捉えられながらも、完全に立ち上がったっ! その様子はまるで大人におんぶされている子供っ……! こ~いつが体格差と言った所でしょうかっ!?」

元「誉めた途端、コレだよっ!? だから僕、言ったじゃないっ……! 今は捨て身でいくべきだってっ……! 自分のスタミナを回復させる事は難しいんじゃないのかなって……!? まぁ~だ、保険うって行動してるのか、彼はっ!」

実況「元さん、元さんっ……! おっしゃってる事は非常によくわかりますが……これ、元さんの声は残念ながら試合中のヤムチャには届いておりませんっ!」

元「グラウンドでじっくりじっくり、そういう事したいのはわかるけどさぁ……? 先ずは体格差を考えなさいっ! 先ずは体格差を考えなさいよっ!?」


ホーク「押し潰すっ……! ふおおおぉぉ、おおっ……!」ググッ

ヤムチャ「……あぐげええぇぇっ!」ビターン


オー !? オーオー !?

元「……だああっ! もうっ!」

実況「あ~っとっ! 立ち上がったホークは勢いよく後方へと倒れ込みますっ! そしてヤムチャの身体を押し潰していきますっ! ホークの全体重がヤムチャにのしかかっていくっ!」

元(これは恐らくホーク君にターンを返したと考えるべきでしょうね。僕はそういう時には容赦なくこの席で批判するよ~。僕の批判を耳にして……そうです、そういうつもりでやってたんです……って言ってくれれば嬉しいからね)

496: 2016/11/26(土) 22:01:03 ID:zNzA.smc
ヤムチャ「うげぇ、重てぇ……こいつ、一体何キロあるんだ……?」モガモガ

ホーク「再び私の番だっ……! さぁ、いくぞっ……!」ムクッ


ユン「よ~しっ! そのイケ好かない野郎をぶっ飛ばしちまえっ! なぁ~んなら俺も手伝ってやってもいいぞぉ~!?」ブンブン

ガイル「よぉ~っしゃっ! ホーク、それでいいんだっ! 細かい事は考えなくてもいいぞっ……! ただただ、ガンガンやってりゃいいんだっ!」バンバン


オー ! オーオー !

実況「ヤムチャの身体がホークの巨体の下敷きとなってしまったぁ! あ~っと、そして捉えていたヤムチャのロックも外れてしまったかっ!?」

元「……んあ~、そりゃアレだけのものに押し潰されちゃそうもなるでしょ。ここはホーク君がパワーで返した形になるね」

実況「ヤムチャの呼吸が止まったかっ!? 少し悶えている、悶えているっ! あ~っと、そしてホークっ! ホークは立ち上がりますっ!」


ホーク「……ホーっ!」ググッ


オー !? オーオー !?

実況「おぉ~っと、立ち上がったホークは右の腕で握り拳を作り、高々と上げるっ! そ~して、何やら叫んでいくっ!」

元「今、流れがどちらに傾いているかはわからないからね。ここで流れを掴みにいっているね」

497: 2016/11/26(土) 22:07:38 ID:zNzA.smc
ホーク「ふおおぉぉっ……! んだあっ……!」ズドーンッ

ヤムチャ「……どぐっ!」


オー ! オーオー !

実況「そぉ~してホークは倒れ込んでいくっ! ダウンしているヤムチャに向かって肘を突き立て倒れ込んでいくっ!」

元「エルボードロップですねぇ」

実況「ここはエルボードロップですっ! さぁ、ホークの全体重が肘に乗り、ヤムチャのどてっ腹に突き刺さったぁ! ここはエルボードロップっ!」


ホーク「よぉし、よぉしっ……まだまだっ……! まだまだっ……!」ムクッ

ユン「ヘーイ、寝てろ寝てろぉ~! そのまま寝てろぉ~!」ブンブン

ホーク「……ホーっ!」ググッ

ガイル「ホーっ!」ググッ


ホー ! ホー !

実況「ホークは立ち上がってくるっ! おぉ~っと、立ち上がったホークはここでもう一度右の腕で握り拳を作り、そして高々と上げていくっ!」

元「今日のホーク君、積極的に流れを引き寄せようとしているのを感じるよ。そうそう先発ってのはそういう役割なんだ」

498: 2016/11/26(土) 22:15:22 ID:zNzA.smc
ランチ「寝てんじゃねぇ~っ! 何やってんだ、何やってんだよぉ~!? ちょっと図体がデケぇだけの奴なんかに好き放題やられてんじゃねぇよぉ~!」

天津飯「胡椒だ、胡椒っ……! 餃子、いけっ……!」

餃子「うんっ……! うんっ……!」ガシッ

ランチ「あっ、おいっ……! チビ助、何しやがる、鬱陶しいなっ! こんな時にまとわりついてきてんじゃねぇっ! 離れろ、離れろっ……!」モガモガ

天津飯「少しの辛抱だっ……! 少しの辛抱っ……! わ、悪いが少しだけ大人しくしておいてくれっ……!」

餃子「こ、胡椒胡椒っ……!」

ランチ「大人しくしておけだぁ~!? ヤムチャがやられてるのに大人しくしてろだぁ~!? 天津飯もなぁ~に言ってんだよっ!? とにかく、チビ助離れろ離れろっ……! 母ちゃんじゃねぇんだ、こっちはっ……!」モガモガ

天津飯「……むっ!? アイツ、またやられているのかっ!?」チラッ

499: 2016/11/26(土) 22:21:46 ID:zNzA.smc
ホーク「今度は身体全体を使って押し潰すっ……! ふおおぉっ!」シュタッ

ヤムチャ「くああぁっ……二度目はごめんだぜっ……! よっ……!」ゴロン


オー !? オーオー !?

実況「おぉ~っと、そしてホークっ! 今度は肘ではなく身体全体で飛び込んでいくっ! ここはジャンピング・ボディ・プレスっ! その場飛びのジャンピング・ボディ・プレスです……が、おっ!?」

元「おぉ~っと、見てるっ!」

実況「ここはヤムチャっ……! 横へと転がり避けていくっ! ホークの下敷きへとなるのを避けていくっ! ヤムチャが避けた避けたっ! ここはよく見ているっ!」


ヤムチャ「へぇっ、へぇっ……いや~、危なかったぜ……でもここからっ……!」ムクッ

ホーク「避けられたのか……しかし……しかしっ……!?」ムクッ


オー ! オーオー !

実況「そしてヤムチャが立ち上がってきます……がっ! あ~っと、この場面はすぐ様ホークも立ち上がってきますっ! こちらも負けじとっ! 両者が負けじと立ち上がってきますっ!」

元「そうだねぇ。やっぱりここはお互いに一手先をいっておきたいからね」

500: 2016/11/26(土) 22:28:44 ID:zNzA.smc
ホーク「私に出来る事はこれで押しきる事だけっ……! ふおおぉっ! コンドルスパイアだああぁぁっ……!」ダダッ


オー ! オーオー !

実況「あっとっ! 先に動いたのはホークかっ!? ここで再び両腕を開き、ヤムチャに向かって突進していくっ!」

元「うんうん。コンドルスパイアだ」


ヤムチャ「受けてやるっ……! パワーで負けてるとは思ってねぇっ……! こっちもいくぜ、うおおっ……!」ダダッ


オー ! オーオー !

実況「あ~っと、しかしヤムチャっ! こちらも遅れて向かっていくっ! 負けじとホークに向かって突進していくっ!」

元「……向かっていくのか~? う~ん、どうなんだろ?」


ホーク「ふおおぉぉっ!」ドスッ

ヤムチャ「……うおらぁっ!」ドスッ


オー ! オーオー !

実況「そして今、両者の身体がぶつかり合ったぁ! さぁ、どうだっ!?」

501: 2016/11/26(土) 22:37:24 ID:zNzA.smc
ヤムチャ「く、くそっ……! おっととととっ……!」フラフラ


オー ! オーオー !

実況「しかしこれはホークに分があったかっ!? やはりホークに分があったかっ!? おぉ~っと、ヤムチャの身体は大きく大きくよろけて後退するっ!」

元「あっと、でも耐えたよ!?」


ユン「情けねぇのっ! 情けねぇぞ~! おいおいおい~!」

ガイル「間髪入れずにいけっ! ホークっ!」

ホーク「勿論っ……! ふおおぉぉっ……! コンドルスパイアっ……!」ダダッ


オー ! オーオー !

実況「あ~っと、しかし再びホークっ! そんなヤムチャに向かって突っ込んでいくっ! 再び突進していくっ!」

元「まぁまぁまぁまぁ……そうなるわなっ!」

502: 2016/11/26(土) 22:42:34 ID:zNzA.smc
ヤムチャ「と、とりあえずここは逃げの一手っ……! 春麗さんのテクニックっ……!」グイッ

ホーク「んっ……? お、おおっ……!?」スカッ


オー !? オーオー !?

実況「おっ、あっ!? いや、しかしヤムチャも負けてはいないっ! ここはすかさず、背後にあるトップロープを両腕で掴み、身体を沈みこませそれを引き下げつつ、ホークの脇へと逸れるように避けるっ!」

元「そうそうそう。真正面からぶつかるのはいい策とは言えないからね。それでいいと思う」


ホーク「避けられた……おおっ……おっとっ……! おっとっとっとっ!」ヨロヨロ

ヤムチャ「逃げるが勝ちっ……! ここは逃げるが勝ちっ……! 今のうち、今のうち……」ササッ


オー !? オーオー !?

実況「真正面から打ち合わずに、ここは打ち合いを避けていこうと言った所かっ!? ヤムチャはホークの勢いを透かし場外へ落下させようとしたのでしょうが……あ~っと、しかしホークは耐えるっ! ホークは耐えるっ! 急ブレーキをかけ、なんとかロープ前で踏みとどまりますっ!」

元「とりあえずは避けれたけど……完全に思い通りに言ってるってワケじゃないって感じかな?」

実況「おぉ~っと、そしてヤムチャっ……! その隙にホークから距離を取るっ! 距離を取るっ! ここは様子を見にいったという所かっ!? 急いでホークから離れていきますっ!」

503: 2016/11/26(土) 22:49:04 ID:zNzA.smc
ホーク「一撃当たればそれだけでいいんだ……次こそは……んっ……?」クルッ

ヤムチャ「へぇっ、へぇっ……もう動きは見切ったぜ……? もう一回突っ込んでこいよ……? もう一回、突っ込んでこい……もう当たりはしないからよぉ……?」クイクイ


オー !? オーオー !?

実況「さぁ、耐えたホークはヤムチャの方を振り返り……あ~っとっとっとっ! しかしお待ち下さいっ! ここはヤムチャっ……! そんなホークに向かって来いよ来いよと言わんばかりに誘っていますっ! 両腕を差し伸ばし指を動かし誘っているっ!」

元「おぉ~っとっと」

実況「だがしかし、そんなヤムチャの背後にはロープですっ! ロープがありますっ! これはこれは……!? ヤムチャはまたホークを場外に落下させにいくのを狙っていると見てもいいんですよね? 元さん!?」


ホーク「……」ジーッ

ヤムチャ「デカ物野郎、突っ込んできやがれ……もう喰らわない……俺の勝ちは決まってる……だから、突っ込んでこいよ……さっきのもう一回打ってこいっ……!」クイクイ


元「……う~ん。だから言うなれば、駆け引きなんでしょうね」

実況「駆け引き……?」

元「まぁ、だから今ヤムチャ君がそういう風に狙っているってのは……対戦相手のホーク君もわかっているでしょう。そこを踏まえて、ホーク君がどう行動するかだよね?」

実況「ほうほうほうほう」

元「勿論避けて場外に落とす事を狙ってるんだろうけど……これ、あの位置で喰らっちゃったら、多分ヤムチャ君が場外に落ちる事になると思うんだよ。ハイリスク・ハイリターンと言いますか……そういう駆け引きを今仕掛けていってるんでしょうね」

504: 2016/11/26(土) 22:56:28 ID:zNzA.smc
ユン「同じ技ばかり仕掛けさせてんじゃねぇよ、バカっ! これじゃあまるでホークがバカの一つ覚えじゃねぇかよっ!」

ガイル(逆だ……逆、逆……ヤムチャが誘うからこそホークはバカの一つ覚えでいけるんだよ……)


ホーク「当てる事さえ出来れば私の勝ち……それなら突っ込むっ……! ふおおぉぉっ……!」ダダッ


オー ! オーオー !

実況「なるほどっ! あ~っと、そしてホークは突っ込んだっ! 突っ込んだっ! ここはヤムチャの誘いに乗る事を選んだかっ!?」

元「そうだね。互いにハイリスク・ハイリターンを選んできたって事だ」


ヤムチャ「来やがったなっ……!? だけど逃げて勝つってのは何か違う気がする……だからここはぶつかり合いっ……! うおおぉぉっ……! こっちも突っ込むぜっ!」ダダッ


オー !? オーオー !?

実況「さぁ、ヤムチャのホークの動きを冷静に観察しつつ……あっ、いや、待って下さいっ!? ここで遅れてヤムチャも突っ込むっ! 一手遅れてホークへと突っ込んでいきますよっ!?」

元「あれっ!?」

505: 2016/11/26(土) 23:01:44 ID:zNzA.smc
ホーク「……彼もまた突っ込んできた!?」

ヤムチャ「騙してごめんねっ……! ショルダータックル対ショルダータックルじゃ勝てないっ……! だけど、パワー勝負で勝つんだっ……! だからここはっ……!」ドスッ

ホーク「……ぐっ!」


オー ! オーオー !

実況「あ~っとっ! そしてヤムチャが体勢を低くしてホークの腹部へとぶつかっていくっ! 自信の肩から腹部に突っ込んだっ! 更にはホークの両太腿を掴んでいくっ!」

元「お~っと、なんだっ……!? ここは更にもう一つ駆け引きがあったということか?」


ヤムチャ「ぐっ……ぐっ……やっぱり重いっ……! だけど、とりあえずは俺の勝ちだっ……!」ググッ

ホーク「お、おおっ……!」

ヤムチャ「ここはスパイン・バスターだっ……! あえて向かっていくぜっ……! うるああぁっ!」ズドーンッ

ホーク「……ぐおおぉぉっ!」


オー ! オーオー !

実況「ヤムチャはホークの身体を抱え上げ……抱え上げっ……! う~んっ……! 低空ではあるが、そのままマットへと薙ぎ倒していくっ! ここはスパイン・バスターだっ! スパイン・バスターっ! おぉ~っと、ヤムチャの狙いはこちらだったのでしょうかっっ!?」

元「動きを見てる限りそういう事になるね! これを狙ってるって……まぁ嘘をついて、その虚をついてきたワケだっ!」

506: 2016/11/26(土) 23:07:27 ID:zNzA.smc
ケン「ちったぁ、頭を使うようになったじゃねぇか、オイっ! それでいいぞっ!」パンパン

リュウ「それにパワー勝負でも負けてはいないっ! だけど油断はするなよっ!」パンパン


ヤムチャ「多分、あまり高く上げられなかったからそんなにダメージはない……まだ安心しちゃいけない場面だっ……!」ダダッ


オー ! オーオー !

実況「さぁ、そしてすぐ様ヤムチャが立ち上がってきますっ! おぉ~っと、立ち上がったヤムチャはそのまま再び走り込んでいくっ! 前方のロープ目掛けて一直線っ!」

元「スピアー気味には決まっていたとは思うけど……まぁ、普段のスパイン・バスターの五割から七割ぐらいのダメージと考えてもいいかな?」


ホーク「うっ、ううっ……だ、騙された……」ムクッ

ヤムチャ「やぁ~っぱり起きてきやがった……でも、わかってた……わかってたぜ……!?」グイッ


オー !? オーオー !?

実況「あ~っと、そのようですねっ!? ホークはすぐ様、上体を起こしてくるっっ! だがしかしヤムチャっ……! ヤムチャはロープの反動をつけて、そんなホークの背後から向かっていくっ!」

元「うんうんうんうんっ!」


ヤムチャ「そおおぉぉらっ! 喰らってろおぉっ!」ドスッ

ホーク「……うおおぉぉぐっ!」


オー ! オーオー !

実況「そして低空で飛び込みつつの……ドロップキィーックっ! ドロップキィーックっ! おぉ~っと、両足でホークの後頭部に打ち込んでいったぁ!」

元「お~お~っ! いいんじゃないっ!? いいんじゃないっ!?」

507: 2016/11/26(土) 23:08:33 ID:zNzA.smc
今日はここまで

508: 2016/11/26(土) 23:12:45 ID:mW4HBza.
ユンが残念な奴になってるが、やっぱりヤムチャの試合は面白いな
個人的にはウルフバスターが来ないのかと残念に思ったが、まだ早いのかな

509: 2016/11/26(土) 23:22:42 ID:AhTfr5Ho


天津飯サイドも気になる…チャオズがおさえる役なのねw
さて、ヤムチャのターン…大技決めて交代かな?

510: 2016/11/26(土) 23:40:52 ID:QlwspkJM
乙乙
上手くホークの技受けつつ見せてますな!(まだ二ヶ月経った程度の新人です




次回に続く:ベガ「リュウ! プロレス団体なのに踊ってもらうぞ!」【その4】


 

引用: ベガ「リュウ! プロレス団体なのに踊ってもらうぞ!!」