1: 2016/08/22(月) 21:38:43.70 ID:ihrVH0ou.net
ちかるびSS

2: 2016/08/22(月) 21:39:05.40 ID:ihrVH0ou.net
善子「ず~ら~ま~る~」ゴゴゴゴ

花丸「マルは別に何も悪く無いズラ!}シレッ

善子「だからいつも見張ってなさいって言ったでしょ!」

花丸「そんな事オラにできるわけないズラ!空海上人ならできるかもだけど…」

ルビィ「ピイイ…2人とも落ち着いて…」

善子「そーいう事言ってんじゃないわよズラ丸!」

花丸「マルとしては堕天使ヨハネが衆目に晒されて
   焦ってる善子ちゃんがとても可愛くて眼福ズラ…」

善子「はぁぁぁぁ!?///なーに言ってんのよズラ丸…バカァ…///」

ギャーギャー




3: 2016/08/22(月) 21:39:49.05 ID:ihrVH0ou.net




【Side/Ruby】

ルビィ「はぁ…まだまだ続きそうだよぉ…」


溜息を一つ、ルビィはそっと教室を出る 

二人はずっと楽しくやってるからルビィが居なくなっても全然気づかないんだよね

先に部室に来ていても、しばらくして二人仲良くやってきて、"あれ?ルビィちゃん早いズラね"だってさ

そりゃ二人より早く教室出てるからに決まってるじゃん…

4: 2016/08/22(月) 21:44:00.64 ID:ihrVH0ou.net
部室でも花丸ちゃんと善子ちゃんはずっと言葉のキャッチボール

ルビィにはちょっと話に割り込む隙間はないかな…いや、ちょっとどころか全くないよ…

花丸ちゃんはルビィと二人っきりだった頃には全く見せなかった表情をいっぱいい~っぱいします…

今思えばルビィと二人だった頃の花丸ちゃんの表情が乏しかったのはルビィと居てつまらなかったからなのかな…なんて思ってしまいます

今までは花丸ちゃんの隣はいつもルビィの指定席で…2人の穏やかな時間が流れていたのに…それがいつまでも存在するものだと思っていたのに…



突然その席は善子ちゃんの指定席になりました

5: 2016/08/22(月) 21:45:02.46 ID:ihrVH0ou.net
指定席の人間は花丸ちゃん自身が決める事なんだからしょうがない…しょうがないんだよ…

善子ちゃん、こんなつまらないルビィなんかよりず~っと面白いものね…


ルビィは最近はいつも自分の折れそうな心に、そう言い聞かせて平静さを保っています


でもね?ルビィはそんなに強い子じゃないんだよ?

6: 2016/08/22(月) 21:45:34.89 ID:ihrVH0ou.net
今日の練習中の休憩中…

善子ちゃん、陰で花丸ちゃんのほっぺにキスしてたよね…

誰も見たいないと思ったでしょ?こっそり近くまでいって覗いてたんだ

"花丸の魔力を吸って肉体の疲労を回復させるのよ!"とかなんとか聞こえたけれど…



二人とも顔真っ赤だったね

初々しい恋人みたいだったね

7: 2016/08/22(月) 21:46:01.80 ID:ihrVH0ou.net
ねぇルビィは花丸ちゃんにとって何なのかな?

花丸ちゃんと善子ちゃんの一人娘?

そんな立場になるんだったらルビィ、家出しちゃうかな

ルビィは花丸お父さんと善子お母さんのいる家なんてごめんだよ

でも実際は黒澤家の娘だもんね!もう引きこもっちゃおうかな…

引きこもれば花丸ちゃん…善子ちゃんみたいにルビィの事連れ戻しに来てくれるかな

もし来なかったら…なんて考えたくもないです

そもそもお姉ちゃんが引きこもりなんて許しそうにないし…

ルビィの部屋は離れだから籠城できるけど…


ぐすん


その後の練習は全く身が入りませんでした



9: 2016/08/22(月) 21:47:48.80 ID:ihrVH0ou.net
練習が終わり、みんなは夕日に照らされながら、校庭を歩きます


いつもバス停まで、みんなで並んで帰るんだけど…

花丸ちゃんと善子ちゃんが並んで歩いている、その後ろを歩くのは結構クルものがあるよ…

いつもなら耐えられたけれど、今日はさすがにね…ルビィ泣いちゃうビィ

泣いたら花丸ちゃんに面倒くさい子って思われちゃうかな

10: 2016/08/22(月) 21:49:01.70 ID:ihrVH0ou.net
校門に差し掛かりました よしっ…


ルビィ「あ~っ!ルビィ、部室に忘れ物しちゃったぁぁ!」


ちょっとオーバーな演技になっちゃったかな?怪しまれないかな…


ルビィ「取りに戻るから、みんなは気にしないで先に帰ってて!」

花丸「そういう訳にも…オラも一緒に付いて行ってもいいズラか?」


さすが花丸ちゃん、誰にでも優しいよね…だから善子ちゃんも花丸ちゃんの事好きになったんだよね


ルビィ「気持ちはありがたいけど…悪いから先に帰ってて!」ニコッ

花丸「分かった、じゃあまた明日ズラ、ルビィちゃん」ニコッ

11: 2016/08/22(月) 21:49:27.10 ID:ihrVH0ou.net
その言葉を聞いたルビィは、すぐに背を向け、薄暗い校舎へと向かって行きます

すぐに振り向いたのはね…これ以上花丸ちゃんと話ししてたら、目の奥がじわっとしてきちゃいそうだったからなんだ




ルビィ、泣き虫だから…

12: 2016/08/22(月) 21:49:55.24 ID:ihrVH0ou.net
夕日が傾いて薄暗くなった部室内


ルビィはここで一人泣いて泣いてい~っぱい泣いて…心のなかの黒い膿を全部出しちゃうんだ

そうすれば明日からはみんなの前で笑顔ないつものルビィでいられるから…

ルビィはいつもニコニコ笑顔な…みんなのマスコットキャラでなくちゃならないんだから…



13: 2016/08/22(月) 21:50:33.37 ID:ihrVH0ou.net



ルビィ「帰ろうかな…お姉ちゃんも心配するだろうし」


時計を見たら20分近く経っていた

そろそろみんなバスに乗って帰った頃かな

ルビィは誰にも人目につかずに一人帰ります 


部室のドアを開ける

14: 2016/08/22(月) 21:54:22.29 ID:ihrVH0ou.net
【SIDE/?????】


黒澤ルビィちゃん。

Aqoursの末っ子。

そして…私の想い人。

初めて出会った時は可愛いなぁ…ぐらいだったけれど
正式に入部してからは可愛いからこれ幸いと、目の保養のつもりでついつい視線で追っていた

15: 2016/08/22(月) 21:54:42.11 ID:ihrVH0ou.net
そうしたら次第にね、
ルビィちゃんと目を合わせると心臓の鼓動が早くなる
ルビィちゃんに触れると息が荒くなる
あっ、これ恋だ。


自覚したのはわりと早かったかな


そんなルビィちゃんは、私の事をまるで本当の姉みたいに慕ってくれるから、
いつもルビィちゃんにいいカッコ見せようと張り切って…力んで…失敗して………テヘヘ

16: 2016/08/22(月) 21:55:00.57 ID:ihrVH0ou.net
ルビィちゃんの様子が最近おかしい


気づいたのはつい最近なんだ

19: 2016/08/22(月) 21:58:26.67 ID:ihrVH0ou.net
そのね、以前はいつも、ルビィちゃんは花丸ちゃんとずっと一緒だったでしょ?

でも今は、わざと花丸ちゃんと心なしか距離を取ってるように見えるんだ

花丸ちゃんはと言うと…いつも善子ちゃんと仲良く駄弁ってる

しょっちゅう喧嘩してるように見えるけれど、二人とも凄く楽しそうなのは私にも分かる…

正直、夫婦漫才と言うか…

20: 2016/08/22(月) 21:59:00.48 ID:ihrVH0ou.net
でも今日のルビィちゃんは本当に変だったよ


休憩の後からずっとステップが遅れたり失敗したり…

私や曜ちゃんが声をかけてもしばらくボーッとして気づかないんだ

それにふとした瞬間に見ると目が完全に虚ろになってたし…

そして帰りの時、忘れ物をしたルビィちゃんは花丸ちゃんの付き添いも断って

急かされるように学校へ入っていった

21: 2016/08/22(月) 21:59:37.64 ID:ihrVH0ou.net
「これはおかしいよ」

曜「ん?どうしたの?ルビィちゃんをじっと見て」

「ううん?何でもないよ、あ!そうだ私もちょっと用事があったからみんなは先に帰っててよ!」

22: 2016/08/22(月) 22:00:00.97 ID:ihrVH0ou.net
私は昇降口で慌てて靴を履き替え、階段を登って部室に急行した

外からそ~っと覗くと…

そこには机に突っ伏して一人さめざめ泣いているルビィちゃんがいた

ルビィちゃんの紅色の髪が差し込む夕日のオレンジと合わさって朱色に染まっている

時々「花丸ちゃん…花丸ちゃん…」とか細く声が漏れ聞こえてくる


やっぱりそうなんだ…
悪い予感は的中だよ…

私はそんなルビィちゃんになんて話かければいいか分からず、タイミングが掴めぬまま、入り口で立ち尽くしていた



23: 2016/08/22(月) 22:01:24.56 ID:ihrVH0ou.net




【Side/Ruby】

ルビィ「チカちゃん…どうして…帰ったんじゃないの?」


ドアを開けたら夕日みたいな見慣れたみかん色がルビィの目の前にあった

チカちゃんはいつになく真剣な目でルビィを見つめている

24: 2016/08/22(月) 22:02:18.40 ID:ihrVH0ou.net
千歌「………」


ルビィ「チカちゃん…なんか言ってよ…」

もしかして…ルビィの泣いている所をずっと見てたんじゃ…泣き言も…


ルビィ「ねぇ…なんか…」

その先は言えなかった


千歌「ルビィちゃん…!」ダキッ


言い終わる前に、チカちゃんはルビィを抱きしめてくれたから


千歌「辛かったんだね…一人でずっと…こんな想いで…」

チカちゃんの優しい声がルビィの耳の中に響く…でも…

25: 2016/08/22(月) 22:06:33.81 ID:ihrVH0ou.net
ルビィ「チカちゃん…?聞いたんですか?私の…」

チカちゃんは何も言わずに静かに頷いた
やっぱり聞いていたんだね…でも…

ルビィ「いいんですチカちゃん…
    明日からはいつもの…元気なルビィに戻るから…!」


ルビィはチカちゃんの腕を無理やり振りほどいた
チカちゃんには関係ないよ、だってこれはルビィの問題だから…そう、ルビィ一人だけの…

26: 2016/08/22(月) 22:06:58.35 ID:ihrVH0ou.net
千歌「でもさ、ルビィちゃん、これから毎日こんな事やるの?」


チカちゃんの言葉がルビィの胸に突き刺さる

千歌「こんな気持ちじゃ花丸ちゃんと善子ちゃんと一緒に踊る気分になんてなれないよね
   私もルビィちゃんの立場だったら絶対そうなるよ…」

千歌「ねえ、教えてくれる?何があったか」

ルビィ「…うん」



27: 2016/08/22(月) 22:07:51.12 ID:ihrVH0ou.net



こうしてチカちゃんに洗いざらいルビィの気持ちを吐き出した

花丸ちゃんと善子ちゃんが仲良すぎる事


花丸ちゃんがルビィに気を使ってるのは分かってるけど、ルビィは疎外感を感じてる事


今日二人が…キスしていた事…

ルビィはもう耐えられる自信がない事…

あ、話してたらまた涙が溢れてきたよ…

駄目だなぁ…ルビィ…

28: 2016/08/22(月) 22:08:13.92 ID:ihrVH0ou.net
千歌「そっか…じゃあ私がマルちゃんに頼んであげよっか?」

ルビィ「ダメです!そうしたらますます花丸ちゃんはルビィの事を面倒くさいとか思ったりして…」

千歌「そっか…じゃあやめるよ」

ルビィ「チカちゃんは私をどうしたいんですか?」


チカちゃんはルビィのために提案して、ルビィが嫌だと言ったらそれをすぐ取り下げる
チカちゃんの事が分からないよ…

29: 2016/08/22(月) 22:08:35.64 ID:ihrVH0ou.net
千歌「私はルビィちゃんがいいと思う事をやってあげたいから…
   普通な私にはそれ位が精一杯」


そうだ、チカちゃんはこういう人だった

いつもみんなを引っ張ってるように見えて
スクールアイドルだってイチから立ち上げるちゃう熱意もあったりするのに

実は誰よりも自信が無い、そんな普通星人。それがチカちゃん。
そんなチカちゃんにルビィが頼める事は…


ルビィ「………ルビィは…!Aqoursでいる時に一人、辛い想いをしないようになりたい…!それが今ルビィに一番必要です!」

花丸ちゃんと善子ちゃんがイチャイチャしていると、心が張り裂けそうになってその場から逃げ出したくなる
もう、ルビィの心は、限界だったんだ…!

30: 2016/08/22(月) 22:09:20.71 ID:ihrVH0ou.net
千歌「そっか…」


チカちゃんは胸の中にルビィをもう一度抱き寄せる
チカちゃんの柑橘系の匂いが鼻腔一杯に広がる


千歌「ならさ…私がルビィちゃんの近くにいるよ!」

ルビィ「えっ…?」

千歌「花丸ちゃんの代わりにはなれないけど…私はルビィちゃんといつも一緒に居たい…ルビィちゃんが寂しい想いをしないように」

千歌「ダメかな…?」


そう言ったチカちゃんはルビィと同い年みたいないつもの幼い顔付きとは全然違って…先輩らしくて…

そんな顔されて言われたら…答えは決まってるじゃないですか…


ルビィ「…よろしくお願いします」

こうして、ルビィとチカちゃんのフシギなカンケイが始まった






31: 2016/08/22(月) 22:12:32.32 ID:ihrVH0ou.net







翌朝
<黒澤家>

ルビィ「どうしてチカちゃんがウチに来てるんですか?」

千歌「だってずっと一緒にいるって言ったでしょ?」ハハハ

ダイヤ「二人とも、食事は静かに食べるものですわよ」

朝起きて窓の外を見たら、チカちゃんがいたの!ビックリだよね!

急いで着替えて、チカちゃんを外に迎えに行くと

それを見たお母さんが「ルビィのお友達?早いわねぇ…あっそうだ朝食ご相伴になっていいんですよ」なんて言うから

チカちゃんは朝ごはん食べて来たはずなのに、こうして黒澤家の食卓に同席してるんです

32: 2016/08/22(月) 22:15:59.12 ID:ihrVH0ou.net
ダイヤ「時に、チカさん」

千歌「はいっ!何ですかっ?ダイヤさん」

ダイヤ「何でこんなに早くに我が家に、それもルビィを迎えに来たのですか?いきなりでしょう」

千歌「それは…その…(チラッ)」


チカちゃんがルビィを横目で見る そうだよね、言いづらいよね


ルビィ「ルビィがチカちゃんと一緒に登校したいって言ったの!だからチカちゃんわざわざ朝早くに…!」


お姉ちゃんは目を少し白黒させて…
ダイヤ「まぁそうでしたか!学年が違う者同士、親睦を深めるのは非常によろしい事ですわ、それに…」

千歌「それに…?」

ダイヤ「ルビィとチカさんとこう朝食を囲んでいると、まるで妹が増えたみたいで微笑ましいですわ」

千歌「私、末っ子だからお姉ちゃんになるの夢だったんです!」

ダイヤ「あら?ルビィとチカさんは同い年に見えますわよ?」

千歌「そんなに幼く見えるのかなぁ…私…」シュン

ルビィ「ううん、違うよお姉ちゃん、チカさんはね、時々凄く大人っぽい顔を見せるから幼くないよ?」

千歌「ルビィちゃん…?」

ルビィ「でも、μ'sの知識ではルビィの方がずっとずーっと先輩だけどねっ!」ニヘヘッ

ダイヤ「そうですわ!チカさんはこれからリーダーとしてμ's知識をもっと吸い込まなければならないんです!聞いてますか?チカさん!}

千歌「聞いてるよ―」グヘー

33: 2016/08/22(月) 22:18:44.03 ID:ihrVH0ou.net
朝食が終わってルビィとチカちゃんはすぐに行く準備をします


ダイヤ「あら?二人はもう行くんですか?」

ルビィ「うん、一杯練習したいから…」

ダイヤ「そうですか…」

ルビィ「ビィ…」

千歌「ルビィちゃんと私はたくさん練習したいんですよ!ねぇ!?」

ルビィ「うん!そうだよ!}
お姉ちゃんに訝しがられなければいいけど…


ダイヤ「そうですか!頑張って練習なさい!やる気があるのは良い事ですわ!」


昨日までは学校までの緩くて長い坂道が辛かった

マルちゃんと善子ちゃんの事が頭の中をずっと行ったり来たりしていたから…

今日からはこの緩やかな長い坂道も、チカちゃんと一緒いると思うとスキップに変わります

改めて隣に並んで歩いてくれる人がいる事の大切さ、チカちゃんの大切さに気づいたのかな…

34: 2016/08/22(月) 22:20:28.54 ID:ihrVH0ou.net

<教室>

まだ運動部は朝練の最中で、人が少ない教室

しばらくぼ~っとしていたら、いつもの時間に花丸ちゃんが登校して来た


花丸「ルビィちゃん」
花丸ちゃんが早足でルビィの所に来た 

ルビィ「どうしたの?」

花丸「今日は何でバス停の所に居なかったズラか?」
花丸ちゃんは、まだ眠そうにしている表情からは想像できない尖った声でルビィに語りかける

35: 2016/08/22(月) 22:21:26.78 ID:ihrVH0ou.net
ルビィ「チカちゃんと一緒に早くに登校して練習したんだ…」

花丸「そうズラか」


そう言うと花丸ちゃんは興味を無くしたのか鞄から分厚い本を取り出して読み始めし、それ以上詮索はして来なかった

善子ちゃんはそれからしばらくしてやって来た

いつも通り、いの一番花丸ちゃんにちょっかい出して、花丸ちゃんが楽しそうに応える…

昨日までだったらここで胸がチクっとしたんだろうけど

今のルビィにはチカちゃんがいるから寂しくないよ…今はまだちょっと寂しいけど…

36: 2016/08/22(月) 22:23:20.56 ID:ihrVH0ou.net



放課後・練習後


花丸「えっ!?チカちゃんもマル達と一緒に帰るズラ!?」

千歌「うん!」

梨子「でもチカちゃん、それ遠回りだよね」

千歌「チカがしたいだけだから気にしないでっゴメン」

千歌「それと悪いけど、これからしばらく私、ルビィちゃんと一緒に帰るんだ!ねっ?ルビィちゃん」

ルビィ「はいっ♪チカちゃんとの約束です♪」

ルビィ「ルビィもチカちゃんと一緒なら凄く嬉しいです…」


これからは毎日行きも帰りもいつでもチカちゃんが一緒に居てくれる事になったんです!

確かに昨日、一緒に居てあげる!って言ってはくれたんだけど…どうしてそこまでルビィのために尽くしてくれるんだろう…

チカちゃんて結構約束は果たすタイプみたいです

花丸「マルは全然構わないズラ」

千歌「やったー!決まりだね!」ワーイ
チカちゃんはそれを聞き、両手を上げて喜んだ

フフッ♪そういう姿を見せるから、たまに同級生みたいって言われるんだよっ♪

37: 2016/08/22(月) 22:24:45.80 ID:ihrVH0ou.net
<バスの中>


ルビィ「チカちゃん…」

千歌「なぁに?ルビィちゃん」

ルビィ「どうしてルビィの手を握ってるの?」

千歌「ルビィちゃんの人肌が恋しかったからかな…」


チカちゃんは座りながらルビィの手を握ってきました

38: 2016/08/22(月) 22:25:46.85 ID:ihrVH0ou.net
千歌「ルビィちゃんのお手手、小さくて暖かくて好きだよ…」

さっきの練習の時もチカちゃんと組んで散々手を触れ合ったのに

ルビィ「ダメだよ…花丸ちゃんに気づかれちゃうよ…」

ルビィとチカちゃんの前の席には花丸ちゃんが座っている


花丸ちゃん、気付いたらどう思うかな…?嫉妬…?はしないよね


千歌「気づかれても大丈夫だよ、私とルビィちゃんの仲が良いだけだから」

ルビィとチカちゃんが…そうだよね、花丸ちゃんはルビィの前で善子ちゃんと仲良くやってるものね

ルビィ「うん…そうだね…」ポスッ


ルビィはチカちゃんの肩に頭をもたれかける 柔らかい


ルビィ「お言葉に甘えてルビィ、チカちゃんの寄りかかっちゃうよよ…」


そう呟くと、ルビィの頭をチカちゃんは愛おしそうに撫でてくれた


千歌「マジエンジェーー…ルビィちゃん…」ホァァァァァァ

ルビィ「フミュゥ…///」


はぅっ…///マジエンジェーってチカちゃん…///

39: 2016/08/22(月) 22:26:52.46 ID:ihrVH0ou.net
ブー


どんなに甘い飴よりもみかんよりもあま~い雰囲気に浸っていた所を

バスの間抜けなブザー音で現実に引き戻される


花丸「じゃあマルはここで」


マルちゃんはバスを降りて行った

千歌「うん!また明日ね!マルちゃん!」

ルビィ「また明日…!」

40: 2016/08/22(月) 22:28:01.10 ID:ihrVH0ou.net



ルビィ「チカちゃん、今日は本当にありがとう!」
黒澤家の前でチカちゃんにお礼を言う

ルビィ「ルビィが寂しいから…チカちゃんに負担をかけちゃって申し訳ないかなぁ…」
いつもならチカちゃんはとっくにチカちゃんの家に着いている時間だ、


千歌「ううん、全然負担じゃないよ、それに私がルビィちゃんと一緒にいたいだけだから」

千歌「それに、ルビィちゃんの方からもっと寄りかかって欲しいかな…」

そう言ってチカちゃんはルビィの前に手を差し出した


ルビィ「ありがとう…チカちゃん!」

ルビィはチカちゃんの差し出した手に指を絡めました、暖かい…

とっても暖かくて、昨日までドス黒くなっていたルビィの心は
今は嘘のようにとても晴れやかです!

55: 2016/08/23(火) 20:04:03.05 ID:CdqfiP/7.net
1週間後・放課後
<部室>

善子「ズラ丸!占ってあげるわ!」

花丸「本を読むのに忙しいズラ、邪魔するなズラ」

善子「そんな事言わないでさ~!ほら、手を出して!」


そんな事言って手を握り合う二人

善子ちゃんは花丸ちゃんの手を愛おしそうに撫でてるし、花丸ちゃんもまんざらでもない顔だ

そのうち、この線はヨハネと前世から続く縁なのよ!とか言い出すんだろうな…

以前だったらここで眼の奥が痛くなったんだろうけど…

56: 2016/08/23(火) 20:05:38.21 ID:CdqfiP/7.net
千歌「ルビィちゃんは本当に孤独なHeavenが好きだよね~毎日聞いてない?」

ルビィ「そうです!あんなにぽわぽわした花陽さんから想像つかないシリアスな声色で…本当たまらないです!」


部室にてチカちゃんと一緒にPCでμ's談義

どっちかと言うとルビィがチカちゃんに講義しているみたいなものだけどね

ルビィはね、μ'sの事なら何時間でも話し続けられるんだ!

57: 2016/08/23(火) 20:08:36.26 ID:CdqfiP/7.net
ここまで熱心に聞いてくれる子はチカちゃんが始めてだよ!だからついつい熱が篭る…

この前チカちゃんがお泊りした時なんて、時間を忘れて深夜まで講義していたら、

いつまで起きているのですの"ってお姉ちゃんが怒鳴りこんで来たりね

結局お姉ちゃんも意気揚々と輪に加わって来たから、朝まで寝ずに、翌日はとっても眠くて大変だったんだよ?

お姉ちゃんなんてルビィよりずっとμ'sに詳しいから、逆にルビィが教わる立場になります

58: 2016/08/23(火) 20:10:35.75 ID:CdqfiP/7.net
【Side/Chika】

ルビィちゃん…近くで見るとやっぱり可愛いよぉ…遠くから見ても可愛いけどね!

睫毛なんて私よりずっと長いし、ルビィ色の髪、ちょっと舌ったらずな喋り方、それに素直な性格

全てが可愛いよぉ…♥

こうして二人で一緒にイヤホンを使うだけでも嬉しいんだ…

可愛いの化身、可愛いを凝縮した宝石みたいだよ…

こっそりキスしたらバレないかな…

59: 2016/08/23(火) 20:12:16.16 ID:CdqfiP/7.net
ダメダメ…!そんな事を好き合ってる人同士だけじゃないと…

ん……?私はルビィちゃんが大好きだ、うん当然

ルビィちゃんは…?

でもこうやって肩を寄せあって一緒のイヤホンを使うなんて事してるから

好きだよね…?ルビィちゃん…?


ちょっとだけだからいいよね…ちょっとだけ…



62: 2016/08/23(火) 21:16:20.04 ID:CdqfiP/7.net
【Side/Ruby】


チュッ…


ルビィの髪に突然やわかい感触を感じて横を見たら…

チカちゃんが舌をだ出してテヘヘって顔した後

「ごめん、つい…ルビィちゃんがマジエンジェ―!って位可愛くて…///」って耳元でナイショに囁かれた


周りを見渡してみると…良かった…誰も見ていないみたい…

花丸ちゃんと善子ちゃんは相変わらずだし…曜さんはPC、梨子さんはノートを熱心に見ている

それに可愛いって…///可愛いからキスするものなの…///

それなら…ルビィだって♪

ルビィ「チカちゃんチカちゃん」

チカちゃんの耳元で囁いた

千歌「なぁに?ルビィちゃん」

63: 2016/08/23(火) 21:19:17.81 ID:CdqfiP/7.net
チュッ




ルビィ「お返しですっ♪」
チカちゃんの髪に口づけのお返しっ♪


千歌「な、な、な…///」カァァ


チカちゃんったら、顔がルビィ色になっちゃって、か~わいい!結構ウブだったんですね♪

チカちゃんはルビィにキスされた髪の部分を、蕩けた表情で愛おしそうに撫でる

あっ、それ、かなり嬉しいかも…

ルビィだってたまには攻めるんだよ?チカちゃん、油断しないでね♪


チラッ


瞬間、視線を感じて周りを見たけど、部室内の誰も見てなかった 気のせいだよね…

もし、今のを花丸ちゃんが見てたらどう思ったんだろう…

64: 2016/08/23(火) 21:22:08.84 ID:CdqfiP/7.net
【Side/Chika】

<松浦家の店>


今日は果南ちゃん・曜ちゃん・梨子ちゃんの3人に果南ちゃんのお店にお呼ばれされました

そういえば、最近、みんなとあまり遊ぶ機会がめっきり減ってたね
でも、私を取り囲む3人は厳しい表情をしているから、遊ぶために呼んだわけではなさそうだね…


曜「チカちゃん…ルビィちゃんと一体どうしたいの?何が目的なの?」

梨子「最近さすがにルビィちゃんに対する接し方が度が過ぎてるよね?完全に過剰ってレベルで…」


さすがに二人にも分かっちゃってるか…私のルビィちゃんに対してほとばしる愛情がダダ漏れかぁ…まいったな
まぁ話しちゃってもいいか いつか言うものだと思っていたし




千歌「私ね…好きなんだルビィちゃんの事…」

65: 2016/08/23(火) 21:24:32.54 ID:CdqfiP/7.net
果南「そりゃぁね~誰が見ても分かるよ…チカ、ルビィちゃんの事を後輩じゃなくて本当の妹のように…」

千歌「ううん、そういう好きじゃないの!」


千歌「LOVEなの、ルビィちゃんの事が…!私の心はルビィちゃんで埋め尽くされてるのっッッッ…!」


曜「・・」
梨子「…」
果南「…」



そりゃみんなLikeだと思うよね、普通…でも私は普通じゃなくなったよ、恋愛に関してだけね

果南ちゃんは静かに眼をつぶり、腕を組んで何やら考えだしたようだ
曜ちゃんと梨子ちゃんは眼を見開き、私を強い眼力で睨む…"信じられない"というような顔で


十数秒誰も言葉を発さず無言の状況が続いた

66: 2016/08/23(火) 21:32:52.69 ID:CdqfiP/7.net
梨子「えっ…?」


沈黙を破ったのは梨子ちゃんだ
それに引きづられるように曜ちゃんも言葉を重ねる


曜「さすがにそれは~うんちょっと…ね…ハハッ…」

曜「妹みたいで好きってのなら分かるけれど、恋愛的なってのは…同性なのに」

梨子「いい?チカちゃん!こういうのはね、思春期特有の気の迷いなのよ?だから勘違いしないように!約束だよ!」

曜「私はチカちゃんの事が好きだよ?でもね、それは幼馴染・親友としての好きだよ?身体を重ね合うになりたいなんて考えた事もないよ?」


2人は言葉を捲し立てる

68: 2016/08/23(火) 21:37:26.24 ID:CdqfiP/7.net
間違いだ、気の迷いだ、おかしい事だ、そういうのが普通の反応…2人の反応はとても良心的な反応だと思う
間違った道へ行ってしまった私を正しい道へ修正しようと…
悪い人だったら気持ち悪いと一刀両断、永久に縁を切られてしまうだろう、その上面白おかしく脚色して周りの人に吹聴したり…

私はとても良い友達を持った!心底そう思う…

でもね、私にも絶対に譲れない所はあるよ!


千歌「そんな…私は肉体関係とかそういうんじゃなくて、ルビィちゃんの事を心の底から愛したいって…」

千歌「それに…だって…ルビィちゃんを守れなかったら…ルビィちゃん壊れちゃいそうだから…!」



私もルビィちゃんに出会うまでは女の子同士なんて考えた事も無かった…そこに自分が立っている事なんて想像も…

渋谷で同性婚が認められたニュースを聞いた時も、遠い遠い別の国の事のように思ってたのにな…今ではすっかり…

69: 2016/08/23(火) 21:39:36.18 ID:CdqfiP/7.net
曜「チカちゃん…」

果南「チカの言いたい事は分かった」


これまで沈黙していた果南ちゃんが重い口を開いた


果南「チカのやってる事はとても大切な事だと思うよ、誰かのために全力を尽くしたいってのは曜も梨子ちゃんも分かるんじゃないかな?」

曜「…うん」

梨子「それはそうですけど…」

果南「私達はただ経過を見守ってればいいじゃないかな?私はそう思うよ」



果南ちゃんはとても優しい口調で私達3人の顔を順番に見ながら微笑んみを浮かべて語りかけた


ありがとう…果南ちゃん…

70: 2016/08/23(火) 21:42:35.54 ID:CdqfiP/7.net
それから1ヶ月近く経って…


【Side/Ruby】
<教室>

花丸「ま~た善子ちゃんはすぐに影響されるズラ…」

善子「フフフ…あんな映画見たら色々試したくて乙女の器が疼くのよ!やられなさいよズラ丸ぅ…」


ルビィ「何の話~?」

善子「あぁ…この間ズラ丸と一緒に○○△△って恋愛映画見に行ったんだけど…」

ルビィ「あ、それ…この間ルビィが見たいって言ってた…」


何気なしにルビィが呟くと、花丸ちゃんの顔色が変わり、焦燥の表情を浮かべました


花丸「ち、違うズラ…善子ちゃんが朝いきなり映画見に行くわよ!って電話してきたから…」


ふ~ん…ルビィが見たかった映画、善子ちゃんと2人で見たんだね…言葉をそんなに濁して…

71: 2016/08/23(火) 21:43:11.46 ID:CdqfiP/7.net
ルビィ「うぅん?別に気にしてないよ!今度の週末、チカちゃんと"2人っきり"で観に行くんだ!}

花丸「ち、チカちゃんと一緒にズラか?」

ルビィ「うん!映画を見て、ショッピングして、その後は…一緒にお泊りなの!」テレッテレッ

善子「へぇっ!ルビィったら春爛漫!って感じね~!くぅ~…このっこのっ!やるじゃないのぉ!」



善子ちゃんは冷やかしながらルビィの肩をポンポンと叩く
こういうノリのいい所…お互いの恋愛を言い合える友達関係っていいよね!ルビィは好きです!

72: 2016/08/23(火) 21:48:20.65 ID:CdqfiP/7.net
ルビィ「もぅ~…善子ちゃんったらっ♪」

花丸「そうズラか…」

ルビィ「どうしたの?花丸ちゃん」

花丸「チカちゃんとお泊りするのは始めてないズラ?」

ルビィ「ううん、しょっちゅう!日常的に泊まってるよ!チカちゃんがルビィの家に泊まるばっかだけど…」



善子「へぇっ…!千歌さんが日常的に泊まってるのぉ!?」


善子「知ってる?ルビイ…それって………通い妻って言うのよぉ!!!」ドーンッ

74: 2016/08/23(火) 21:51:24.22 ID:CdqfiP/7.net
ルビィ「そんな///通い妻だたんて…」

善子「まぁ、私的にはルビィの方が通い妻は似合うと思うけど…?」

花丸「………」


善子「ズラ丸はどう思う?」

花丸「………」

善子「ズ~ラまるっ!どうしたのよぉ~…?さっきから黙って~」


花丸「………!!なっ、なんでも無いズラ!ルビィちゃん、楽しんでくるといいズラ!」


ルビィ「うんっ!変な花丸ちゃん…」

75: 2016/08/23(火) 21:53:38.58 ID:CdqfiP/7.net
本当に変だよ花丸ちゃん…?善子ちゃんも変だって言ってるよ…?

そもそもの話、花丸ちゃん…って…
ルビィの中の花丸ちゃんって何だっけ…頭の中の記憶を辿る


あぁそうか…もう、ルビィ…


花丸ちゃんの事が好きだって感覚をもう忘れたんだ


でも、好きとだと意識していた時期は確実に存在していた。これは言えるよ。
それは、善子ちゃんが花丸ちゃんと親しくなった頃、ルビィの心の中で疼いたチクチクから好きだと認識して…

でもね?昔は善子ちゃんに対して抱いていた、嫉妬の感情なんてものは、今は何一つないし
花丸ちゃんと善子ちゃんは良き友達、良きメンバーだと思ってる

これは、ほんの1ヶ月程前、孤独感に押し潰されかけていた頃のルビィから見たら
今のルビィは完全に別人なんだろうな…



あの日あの時を境に、ルビィの感覚は180度変わった…それを今、改めて噛み締めているビィ…!

76: 2016/08/23(火) 21:54:34.39 ID:CdqfiP/7.net
土曜日夜
<黒澤家>

ダイヤ「ルビィ、今日は早く床に就きなさい」

ダイヤ「明日はチカさんとデートでしょう?"やんやん遅れそうですぅ"…なんてやっていいのは曲の中だけですわよ?」


お姉ちゃんは気を利かせてくれてルビィに忠告してくれた
わりとその歌詞のシチュエーション、好きだけれど…普通に考えてみればアレだよね…うん…


お風呂にゆっくり浸かって、歯を磨いて机に向かう

明日のデートで使えそうな、気の利いた台詞をしばらく探してみる…見つからない…ビィィ…

ルビィ、そういうガラじゃないや…

飾らない言葉、それが一番だよね♪お姉ちゃんの言う通り、早く寝なくちゃ

77: 2016/08/23(火) 21:59:42.55 ID:CdqfiP/7.net
早々にベッドに寝転がる


ベッドの上で今日の事を噛みしめてみよう

今日もチカちゃんといっぱい喋って、いっぱい笑って、いっぱい触れ合った。

そういえば…チカちゃんと初めて出逢った時は、チカちゃんに触れられただけで大声で叫んじゃったっけ

あの時の事、謝ってなかったなぁ…今度謝ってみようかなぁ…

あれが春の事。気が付くと夏になってた

今では四六時中、チカちゃんと触れ合ってるだなんて、本当人間って変わるものなんだなぁ…


色々と想いを巡らせていると次第に瞼が重くなり、視界が闇で塗りつぶされる

79: 2016/08/23(火) 22:07:42.53 ID:CdqfiP/7.net
<沼津駅>


千歌「ルビィちゃん!待った?」

ルビィ「ううん!全然待ってないよ!」

チカちゃんはボーダーのトップスとショートパンツ、いつもより大人っぽいかなぁ
私はというと、ノースリーブと大きなリボンが付いた薄いピンクのひざ上のフレアスカート

千歌「うわぁ…ルビィちゃん…まるでお姫様みたい…攫いたい…」ハァハァ

もうチカちゃんったら…怪獣さん…
チカちゃん…ルビィもね…こんなカッコイイチカちゃんに誘われたら簡単に連れ去られたいかな…
だからもっと熱い目でルビィを見て欲しいの…

千歌「よーし!じゃあ行こうか!ルビィちゃん」ガッシリ

80: 2016/08/23(火) 22:08:45.92 ID:CdqfiP/7.net
あっ、チカちゃんに腕組まれちゃった…いっぱい人いるのに…
まっ、いっか♪チカちゃん気にしてないみたい♪

本当に彼氏彼女さんだと思われたら嬉しい…かなっ…


映画館に入って、恋愛映画のチケットを買って、前の方の席に座ります
カップルシートです…キャッ♪

私が顔を真赤にしてチカちゃんの袖を引っ張ると
チカちゃんは「いいよ!いいよ!私が全部出すから!」ってお金を出してくれました


あの…お金の問題じゃないんだけど

81: 2016/08/23(火) 22:10:03.54 ID:CdqfiP/7.net
映画が始まります…

親友の女の子に絶賛片思い中の女の子がヒロイン

でもその親友は別の女の子と恋人同士

そんな片思いの女の子に対してずっと想いを寄せている女の先輩が主人公

そして片思いの女の子はいつしか先輩に惹かれていき…ってお話

話が進むにつれて、チカちゃんがルビィの手を強く握ってきます

チカちゃんは真剣な目でスクリーンを見つめています こんな真剣な目のチカちゃん、中々見れるものじゃないや


そして先輩は主人公に壁ドンをしました "ねぇ…私のモノになりなよ…"

ドキッとルビィの心は跳ねました これがルビィとチカちゃんだったら…って妄想です♪

82: 2016/08/23(火) 22:10:37.25 ID:CdqfiP/7.net
でもチカちゃんこんなにカッコイイかなぁ…

でも、今日のチカちゃん、可愛いというより凛々しいよね…本当に…

色々妄想している間に映画はどんどん進んで行き、山あり谷あり

ついに女の子と先輩は結ばれます…舌を絡める…ディープキスのラストシーン…


エンドクレジットが流れ始めるとチカちゃんは急にルビィの手を引いて劇場から連れ出した
暗闇から急に夏の太陽が燦々と照りつける外に出たから思わず目を細めます

84: 2016/08/23(火) 22:11:29.22 ID:CdqfiP/7.net
ルビィ「チカちゃん…急にどうしたの?」

千歌「…ルビィちゃん」


チカちゃんはルビィの目をじっと見つめてから口を開きました


千歌「この映画、ルビィちゃんが見たかったんだよね?」

ルビィ「はい、そうですよ?」

千歌「あのヒロインの子がルビィちゃん、先輩が私って事?
   つまりルビィちゃんと私に重ね合わせて…って事かな?」

85: 2016/08/23(火) 22:12:21.88 ID:CdqfiP/7.net
な~んだそんな事。そうに決まってるじゃないですか
ルビィとチカちゃんにピッタシはまってる映画だったから
こうして今日デートしてるんですよ♪


千歌「つまりさ…ルビィちゃんはこうしたいって事だよね…」ズイッ


チカちゃんは顔を私の顔へ一気に近づける
近いよ…チカちゃんの吐息の匂いまでよく分かる…


千歌「私ね…あの映画見ながら、同じ事をルビィちゃんにしたい、ってずっと思ってたんだ…」スタスタ


ルビィはチカちゃんに壁際まで追い詰められちゃった
でもルビィも同じ事期待したから…抵抗なんてするつもりなんてないよ?

86: 2016/08/23(火) 22:12:57.28 ID:CdqfiP/7.net
千歌「ねぇ…ルビィちゃん…私のモノにならない…?」ドンッ


チカちゃんは悪い顔をしてルビィの事を壁ドンする、カッコイイ…


普段の可愛い天真爛漫なチカちゃんから、こんな凛々しくてカッコ良くて悪い顔のチカちゃんのギャップ

こーんな顔されたら…ルビィじゃなくても女の子なら大抵ときめいちゃうんだろうなって思ったりして…

普段ならいっぱい胸がときめく瞬間なんだろうけれど…

87: 2016/08/23(火) 22:13:29.58 ID:CdqfiP/7.net
やっぱりルビィが欲しいのは、映画の演技を真似たのじゃなくて…


ルビィ「嫌です」


千歌「あれっ…?」ズコー

千歌「何でさーっ!ルビィちゃん!結構私、演技派なつもりなんだよー?」プンプン

チカちゃんはちょっとおどけてみせる




ルビィ「今のチカちゃんはおフザケのチカちゃんです」

ルビィ「ルビィはフザケたチカちゃんに告白されても全然嬉しくない」

ルビィ「遊び半分の壁ドンで悪い顔したチカちゃんじゃなくて」

ルビィ「普通なチカちゃんに言われたいかな、ルビィは」

88: 2016/08/23(火) 22:13:57.55 ID:CdqfiP/7.net
【Side/Chika】


ルビィちゃんは静かに、そして朴訥した喋りで私の心に訴えかける

あーもう私落ち着け私!

何ふざけてるんだ私!ルビィちゃんの想いを受け取って返さなきゃ!

ルビィちゃんの目から視線を逸らすな私!

思わず気恥ずかしさから目逸らしてしまいそうな私を脳内で鼓舞する

ひとまずルビィちゃんを抱きしめてみたはいいものの、緊張からか腕がプルプルと震える

ルビィちゃんを抱きしめるなんて何度もしたはずなのに、なん腕が震えちゃうんだ~!

肝心な時に私の奥手さを実感…

89: 2016/08/23(火) 22:14:39.73 ID:CdqfiP/7.net
千歌「じゃあ、言うよ…?」


ルビィ「うん、来て…」


千歌「私ね、最初はルビィちゃんの事を可愛い妹みたいな存在だと思ってた…」


ルビィ「うん…うん…」

90: 2016/08/23(火) 22:15:15.63 ID:CdqfiP/7.net
千歌「でも気づけばね、心の中は貴女でいっぱいになって…もうやんなっちゃう位、好きで、好きで、気になる存在になって…」


千歌「でも、女の子にこんな気持ち抱くなんておかしいから…普通じゃないから…気持ち悪いだろうから…
   この気持ちはビリビリに破って紙吹雪にして窓から飛ばしたはずだった…」


千歌「今じゃあルビィちゃんを純粋な目で見ることはできません!!
   私高海千歌は、ルビィちゃんのトクベツな人になりたいのぉっッッッッッ!!!!!」






チカちゃんの慟哭が空気を震わせる
街を行き交う人達もルビィ達の事をチラチラ見ている、でもそんなのどうでも良かった

91: 2016/08/23(火) 22:18:27.05 ID:CdqfiP/7.net
【Side/Ruby】


ルビィ「ルビィも―――」

ルビィ「(スゥゥ)ルビィもね、チカちゃんの事がだいだいだ~~~い好きですっ!!!」

ルビィ「それにね、チカちゃんは女の子同士は普通じゃないって言うけれど、それならルビィも普通じゃないよ?」

ルビィ「初めてチカちゃんにスクールアイドルに誘ってくれた時からずっと、チカちゃんはルビィのトクベツだったのかも…」

ルビィ「だからね、ルビィをチカちゃんの本当にトクベツに、して…?」

92: 2016/08/23(火) 22:19:05.58 ID:CdqfiP/7.net
チカちゃんは嗚咽し、ボロボロと涙をこぼしながら「うん…うん…」と漏らすだけだった
そんなチカちゃんの背中をポンポンと叩き、チカちゃんのみかん色の髪をルビィは優しく撫でる

肝心な時に涙脆いよね…チカちゃんは…♥

ルビィがチカちゃんに支えられるだけじゃない…ルビィもチカちゃんを支えたい!
そんな理想の2人になれそうな気がして、シリアスど真ん中にいるはずのルビィは、今一人ニヤニヤしています



ルビィ「ねぇ…チカちゃん…ちょっとやって欲しい事が…」

しばらくしてチカちゃんが落ち着いた所でルビィは話を切り出す


千歌「なぁに?私、ルビィちゃんのためなら何でもやるよ!」フンス

またすぐ調子良くなるんだから…でも本当にできるかなぁ~…?

93: 2016/08/23(火) 22:20:00.60 ID:CdqfiP/7.net
ルビィ「キス…して…」


ルビィはチカちゃんの顔に唇を突き出す

千歌「いいよ?いいよ?いくらでも…」


ルビィ「ただのキスじゃないよ…?恋人同士がする…赤ちゃんができちゃうぐらい…!深いキス…だよ?」



千歌「……………(ボッ)」

94: 2016/08/23(火) 22:20:37.99 ID:CdqfiP/7.net
ほ~ら、やっぱり♪チカちゃんはそうだよね


千歌「えぇぇぇぇ~本当にやらなきゃ…ダメ?」

ルビィ「ダメです♪だって映画でも最後ディープキスしてハッピーエンドだったでしょ?」

千歌「それはそうだけど…」チラッ

ルビィ「じゃああれですか?チカちゃんのさっきの一世一代の告白は大嘘だった事ですか~?」

千歌「え"」

ルビィ「ルビィ、悲しいです…やっと晴れてチカちゃんと恋人同士になれたと思ったのに…シクシクシク…」



ちょっとチカちゃんをからかっちゃいます…フフっ♪あたふたチカちゃんも可愛いです♪

95: 2016/08/23(火) 22:21:06.46 ID:CdqfiP/7.net
千歌「そんな事ないよ!」ドンッ

チカちゃんはちょっと抑揚のない声でルビィの事を壁に押し付けます

ルビィ「~~~~!!!ちょっとチカちゃん…?」


ゆっくり顔を上げてチカちゃんの顔を確認するとそこには…目が爛々としたチカちゃんがいました
ちょっとからかいすぎちゃったかな…


千歌「大丈夫、私ルビィちゃんの事を世界一愛してるから…!いくらでもできるよ!」ズンズン


チカちゃんは全身をルビィの身体に密着させてきます、足先もお腹もゴツンゴツンとぶつかってきます

ちょっとチカちゃんをからかいすぎちゃったかな…と後悔した時は後の祭り
それはもう、深いふか~いキスを実に数分間に渡ってひたすら受け続けました
途中、少しはルビィも攻めに周ろうとしたけれど、今のチカちゃんには全く効かないよぉ…これが究極体のチカちゃんなのぉ!?

96: 2016/08/23(火) 22:22:05.62 ID:CdqfiP/7.net
キスの後、チカちゃんは正気に戻ったみたいで、何度も何度も謝られました  


それならもう一度しようってルビィが提案すると

二人、お互い大切に思いやる事を第一に考えたキスをしました

舌を絡め、お互いの唾液を交換する…

好きな人に汚いものなんてない、そういう行為ってそういうのを神様に証明するためにやるんじゃないかな?


少なくともルビィ達はそれらをやり遂げました 

見ていたのは神様じゃなくて、大勢の沼津の人達だったけれど…



ちょっと思ったけど、これもし撮られてたらAqoursのスキャンダルにならないかなぁ?Aqoursも静岡ではそこそこ有名になったし…

ま、いいやその時はその時で…晴れて世間の公認ですっ♪

113: 2016/08/24(水) 21:40:47.88 ID:bKLZEIlG.net
月曜日
<朝の通学路>


エーホントー…

クスクス…カワイイワネ…

デモサ、オンナノコドウシガ…


案の定、昨日の行為はバッチリ写真で撮られてTwitterやLINEで拡散され、ネットニュースにもなったみたいです…

っていうのはちょっと怒ってるお姉ちゃんから今朝聞いただけなんだけど…今はまだ直接見てはいません

でも、チカちゃんは気にしていない様子でルビィと腕を組んで歩いています


スキャンダラスな二人が堂々と朝の通学路を歩いて登校!周りの視線を釘付け!

あっそういえば…絵里ちゃんと穂乃果ちゃんも昔二人のデートを撮られて週刊誌に載った事があったっけ…

憧れのμ'sに近づけたみたいでかな~り嬉しいかも♪と思うルビィはちょっとヘンな子です♪


チカちゃんもそう思ってるかな?多分…いや絶対そうだよね、μ's大好きだもん…チカちゃんもヘンな子ヘンな子…♪

114: 2016/08/24(水) 21:41:20.61 ID:bKLZEIlG.net
1年の教室の入口で、チカちゃんと別れ際に

"じゃあね"と放課後までのしばしのお別れのキスをしました!

唇の残った感触がルビィの本日の授業中の動力源!

キスした時、キャー!って黄色い悲鳴が聞こえたんだけど…やっぱり女子校だからそういうの好きな人多いのかなぁ?

でも世の中にはそういうのをキモい!って言う人も存在するわけだし…ここが女子校で良かったと思う瞬間です♪



今日は遅刻ギリギリに到着して、ルビィが入ってきてからすぐ先生も入って来て出席取り始めたもんだから

善子ちゃんなんかずっと1時間目はそわそわして落ち着かない様子で、たまにチラッとルビィの事を見るのがすぐに分かりました

慌てない慌てない…休み時間にいくらでも話してあげるよ善子ちゃん♪

花丸ちゃんとの参考にしてねっ!応援してるよっ♪

まぁそんなこんなで長い1時間目、先生が教室を出た瞬間、すぐに善子ちゃんは飛んできました

115: 2016/08/24(水) 21:41:57.12 ID:bKLZEIlG.net
善子「ルビィィィィィィ!」ダッ

善子ちゃんは叫びながら表情で走ってきます、狭いのに危ないよ

善子「アデッ!」ドテーン

あっ、転んだ、狭い教室で走るから…


善子「イテテ…」スリスリ

善子「ルビィ!あなた…あなた…」ガシッ

善子ちゃんは震えながら両手でルビィの肩を掴む

善子「あなた凄くダイタンじゃないのよっ!私、感動しちゃったわ!」キラキラ

目をキラキラにさせた善子ちゃんはとても興奮した声で喋ります


善子「もぅ…見てよ…」チラッ



善子ちゃんはスマホを取り出し、画面をルビィに見せる

そこには…全画面表示されたルビィとチカちゃんのキスショットが!あっ、チカちゃんは後ろ姿だ

116: 2016/08/24(水) 21:42:27.57 ID:bKLZEIlG.net
善子「もう大評判じゃないのよ!ネットでも絵に書いたみたいな可愛い女の子同士キスシーンがこの世に実在したなんて…って
   あんた達もう、日本中の有名人なのよ!いい意味で!」

ルビィ「そんなぁ……///あ、これチカちゃん後ろ姿だけだね」

善子「そうなのよ…撮られたのはこの1枚だけで…別の角度からも見てみたいわ~…」

ルビィ「でも多分、このキスの時は、チカちゃん凄い顔してたから映らなくて良かったと思うよ」

善子「う~ん…そんな事言われたらますます気になっちゃうじゃない…まぁいいわ、後でチカさんにも聞きに行くから」



「ねぇ、黒澤さん、高海先輩ってキスする時どうなの?」「2人ってどの位まで進んでる?」

気づけばルビィと善子ちゃんの周りにはクラスメイトの輪ができていました

困ったなぁ…そんなに一々詳しく言うのはチカちゃんの名誉にも関わるし…

ウンウン唸りながら悩む

117: 2016/08/24(水) 21:43:28.98 ID:bKLZEIlG.net
「ちょっとルビィちゃん、いいズラか?」



その時現れた救世主は花丸ちゃんだった


ルビィ「花丸ちゃん!いいよ!ゴメンねみんなちょっとね!}

ありがとう花丸ちゃん!どうしようかルビィちょっと困ってたんだ!
ルビィは廊下の隅にまで花丸ちゃんに腕を引っ張られて行きました

連れて行かれる最中、一言も言葉を発する事が無かった花丸ちゃんはそこでようやく口を開きました


花丸「ルビィちゃん…教えて欲しいズラ…」

ルビィ「何を?」


花丸ちゃんも多分知りたいんだろうなぁ…ここには人がいないし色々教えちゃってもいいよね…♪

118: 2016/08/24(水) 21:49:52.55 ID:bKLZEIlG.net
花丸「ルビィちゃんとチカちゃんは…本当に…愛し合っているズラかっッッッ!」

花丸ちゃんは急に声の音量を上げる、その声色は少し怒声にも聞こえる程で…どうしたのかなぁ花丸ちゃん

ルビィ「うん、そうだよ…ルビィとチカちゃんは昨日、正真正銘の恋人関係になったんだ…」

花丸「そう…ズラか…」


 


 


花丸「もしかしたらオラも…ルビィちゃんの事が好きだったのかもしれないズラ…」


 


 

えっ…? 何それ…?

119: 2016/08/24(水) 21:51:32.73 ID:bKLZEIlG.net
花丸「最近ルビィちゃんがチカちゃんとどんどん仲良くなっていくのを見る度に、心が揺れ動くのを感じたズラ…」

花丸「だから多分、チカちゃんと親密すぎるルビィちゃんを見て、ちょっと嫌だな…って思って…:

花丸「だから、これはオラはルビィちゃんの事が好きだったって証だと思うズラ…友達としての好きか、恋人になりたい好きかは分からないけど…」


ルビィ「遅いよ…そんな事言われてもルビィには花丸ちゃんにはそんな気持ち抱けない…!絶対に」


花丸「それは分かっているズラ、ルビィちゃんのチカちゃんに対する気持ちが本気だって事」

ルビィ「でもさ、花丸ちゃん、善子ちゃんの事が好きなんでしょう?善子ちゃんを悲しませちゃいけないよ…?」


花丸「………善子ちゃんの事も好きズラ…!でも、ルビィちゃんに対する気持ちに決着を付けないまま解決しないのは凄くモヤモヤするズラ…!ごめん…ゴメンズラ…!」

そう言うと花丸ちゃんは深く深く、ルビィに頭を下げてきました



ルビィ「花丸ちゃん…」

花丸「だから!オラはしっかり綺麗にルビィちゃんを諦めたい!!!」

花丸「今はまだ言葉がまとまらないズラ…だから放課後、屋上へ来て欲しい…話はそれだけズラ」


 

そう言うと花丸ちゃんは去って行き、残されたのは呆然としたルビィだけでした

120: 2016/08/24(水) 21:52:06.04 ID:bKLZEIlG.net



千歌「そう…分かった…」


ルビィ「ごめんね、チカちゃん…大丈夫だよ…」


千歌「分かってるよ…ほら、花丸ちゃんが待ってるよ」

122: 2016/08/24(水) 22:03:52.87 ID:bKLZEIlG.net
<屋上>


ガチャッ…


花丸「来たズラか…」


花丸ちゃんは後ろを向いて佇んでいた


ルビィ「花丸ちゃん…話は分かってるよ」

花丸「うん…だから勿体ぶらずにすぐに言うズラ!…オラはルビィちゃんの事…」クルッ
そう言いながら花丸ちゃんは振り向く…


 


 


ダメエぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!

123: 2016/08/24(水) 22:04:48.47 ID:bKLZEIlG.net
高い声が闇を切り裂く
そこには息を切らした善子ちゃんの姿が


 


 
善子「ダメ!駄目なの…いっぱい泣いて考えたけれど…やっぱり私はズラ丸がいないと駄目なのぉぉぉっっっッッッ!!!」

124: 2016/08/24(水) 22:06:42.99 ID:bKLZEIlG.net
花丸「善子ちゃん…?」


ルビィ「ほら、善子ちゃんが呼んでるよ?」

花丸「でも、マル………」


ルビィ「ごめんなさいっ!」ペコッ


 

ルビィ「ルビィ…ルビィね…、チカちゃんの事が好き…大好きなのっっっッッッ」


 
花丸「………」


 
ルビィ「だからね、ルビィは花丸ちゃんの告白は受け入れる事ができないの…」

ルビィ「本当に…ごめん…!」

花丸「ルビィちゃん…」

125: 2016/08/24(水) 22:10:23.15 ID:bKLZEIlG.net
花丸「いいズラ…マルはその言葉が聞きたかったズラ…」フフッ

花丸「それに、もし万が一にも…まぁ絶対無い事だろうけど………
    ルビィちゃんの心が動いて、チカちゃんを捨ててオラを取る!とか言い出したその日には………」

花丸「ルビィちゃんを引っ張ってチカちゃんの所に連れて行って、ルビィちゃんをチカちゃんの身体に縄で括りつける所だったズラ」

そう言いながら、花丸ちゃんは煌めくようなの笑顔を見せました
ありがとう…ありがとう…花丸ちゃん…!


 


ルビィ「花丸ちゃん…ありがとう!これからずーーーーっと友達だよぉぉぉぉぉぉぉ!!」


花丸「オラも…ルビィちゃんの事、最高の友達だと思ってるズラァ!!!」ニコッ


そして、ルビィは花丸ちゃんに最高のスマイルを送り、後方の善子ちゃんを促します



 


花丸「これでいい…これで…さて、善子ちゃん、いくらでも話を聞いてあげるズラ」


 

善子「(スゥ…)私は―――!」

126: 2016/08/24(水) 22:13:00.15 ID:bKLZEIlG.net
千歌「…善子ちゃんはどうしたの?」

ルビィ「なんか…花丸ちゃんが屋上でルビィちゃんに告白すると勘違いして、飛んで来たみたい…」

ルビィ「でも結局、あの二人も正式にお付き合いする事になってとても良かったぁ♪」


千歌「そうだよね!昨日今日でAqourに二組もカップル誕生とは…ほんとに嬉しいよ!だけど…」


ルビィ「…だけど?」


 
千歌「たま~に不安になる事があるんだ…」


 
千歌「私なんかでルビィちゃんを支えられるか、ちゃんとした彼女さんになれるのか、それだけが心配なんだ」



な~んだそんな事…大丈夫…チカちゃんの脆さなんてとっくに理解してるんだから!

ルビィ「大丈夫だよ…」


 


 
ポスッ

ルビィは強引にチカちゃんの手を引っ張り腰に手を回しました

127: 2016/08/24(水) 22:14:30.12 ID:bKLZEIlG.net
ルビィ「チカちゃんがルビィを支えてくれるように、ルビィもチカちゃんの事をしっかり支えるよ…?それがコイビトって関係なんじゃないかなぁ?」


ルビィ「それに、ちゃんとした彼女さんになんてなれなくてもいいんだよ…、だって私達…普通なんだから!」

千歌「普通…?でもさ…昨日は普通じゃないトクベツって言ったじゃん!」

ルビィ「トクベツな事が日常になるなら…それって普通なんじゃないかなぁ…」

千歌「――――――!!…ふふっ、そういう考え方もあるよね………私達、普通カップルだぁっ…」

ルビィ「そうです!さしずめ私は普通怪獣ルビチー!って感じです♪」

ルビィ「普通にお喋りして、普通に遊んで、普通にアイドルして、普通にお泊りして、」


 

ルビィ「普通に…えOちな…事とかして…」


 
最後の方はちょっと恥ずかしくて声が小さくなっちゃったかな。

128: 2016/08/24(水) 22:17:02.02 ID:bKLZEIlG.net
千歌「うんうん、微笑ましいですなぁ~そんなルビィちゃんも好きだよ♥」

ルビィ「もぅ~…茶化さないでっ」

千歌「ごめんごめん…マジエンジェールビィちゃん♥」テヘヘ

もぅ~チカちゃんったらすぐそうやって誤魔化すんだからぁ…


 
ルビィ「じゃあ!!!」


千歌「はいっ!?」ビクッ


 
ルビィ「じゃあ、する?その、普通の恋人みたいに愛…を、重ねる?///♥」


 

千歌「ちょっ…え///?その…うぅ…ハイ…でも…///したい…かな?///いや、したい!私はしたいよ!ルビィちゃんと!!!」


 
ルビィ「本当に恋人になった記念に…初夜っていうのかな…?これ…?」

千歌「ハィ…ソウダネ…///」

129: 2016/08/24(水) 22:17:39.61 ID:bKLZEIlG.net
チカちゃん、本当にウブだよね…今まで散々キスはしたけれど…


えOちな事をしないのは硬派だからだと思ったけれど…


単に奥手でヘタレだったんだね!


スクールアイドルの勧誘なんてのは恥ずかしげもなくできるのに、


好きな子に手を出すのは躊躇するなんて…か~わいい♪チカちゃん♥

131: 2016/08/24(水) 22:19:51.25 ID:bKLZEIlG.net
今日は正式にお父さんとお母さんにチカちゃんを紹介します。恋人として。

チカちゃんは「ルビィちゃんのママに気に入られるかな…」「こんな服でいいかな…」なんてちょっと心配してたけれど

「大丈夫!チカちゃんの未来がここにあるから!」って励ましておいたよ

まぁ結局の所、パパとママはとっくの昔からルビィと付き合ってたと勘違いしていたみたいで…

恋人になったのは今日なのか!って眼を白黒させて驚いていたんだけれどね。

これからは広いルビィの部屋を、チカちゃんと2人一緒に埋められるって思ったけれど…

"さすがにたまには家に帰りなさい"って事で週末だけはチカちゃんは実家に帰る事になったんだ

お姉ちゃんは「ウルサイのが一人増えて頭痛がしますわ」なんて言っているけれど、

じゃあなんで最近やたら機嫌がいいのかなぁ…本当は嬉しいくせに♪

チカちゃんと本当に家族になれるのは何年後になるのかは分からないけれど、

これからは本当にずっと一緒だよ!今は恋人としてだけど…ね♪

132: 2016/08/24(水) 22:20:59.00 ID:bKLZEIlG.net
――――
―――
――


チカちゃんが手を差し伸べるてくれる前は一人ぼっちだった

ううん、花丸ちゃんと善子ちゃんはそんなつもりは全く無いっているのは分かってる

それでもルビィには二人との間に透明な壁を感じていた


ひとりぼっちじゃないと夜に一人涙で枕を濡らしたいたあの頃

でもね、それは結局自分の孤独をますます浮き彫りにしていっただけだったんだ

みんな一緒での帰り道 いつもと同じはずなのにこれから毎日続くことだと思ったら涙が込み上げてきた

喧騒から離れた部室で、ルビィは汚れた心を必氏に洗っていた 落ちるはずもないのに

133: 2016/08/24(水) 22:22:19.17 ID:bKLZEIlG.net
ねぇチカちゃん…あの日突然チカちゃんがルビィの前に降り立ってくれたおかげで闇が晴れたんだよ?


"大丈夫だよ…一緒にいてあげる…"って、ルビィに寄り添ってくれて


チカちゃんはルビィの事をマジエンジェ―とかよく言ってくれるけどね


ルビィはあの時、チカちゃんの背中に天使の羽を見たんだよ?


 


 
ルビィとチカちゃん、4つの羽で飛ぶ私達はもう重力から解放されて何もかも超えて行けるんだ…


 


 
おわり

134: 2016/08/24(水) 22:22:41.42 ID:bKLZEIlG.net
終わり
ちかるび流行って欲しい

引用: 千歌「支えてあげる」 ルビィ「支え合う、でしょ?チカちゃん」