1: 2010/05/28(金) 22:20:16.74 ID:QuHLtAAO
新八「『超電磁砲』って書いて『レールガン』って読むらしいですよ」

銀時「え?ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲じゃねーの?」

新八「あるわけねーだろ!そんな卑猥なタイトルの漫画がァァ!」

銀時「ばっかおめー、『銀魂』なんてタイトル付けてる俺たちが言えた立場か?」

銀時「シルバーからゴールドに転生した瞬間アウトだよ、PTAから目ェ付けられるよ?」

新八「いや…もう十分睨まれてますよ、アニメで何回クレーム来たと思ってんですか?」

銀時「まー要するに…俺たちゃ一生ルギア派、ホウオウにはなれないんだな、うん」
てめーらァァァ!!それでも銀魂ついてんのかァァァ!(前編)

5: 2010/05/28(金) 22:30:11.27 ID:QuHLtAAO
神楽「オイお前ら!いきなり私を空気にするとは何事アルか?」

神楽「ここからは新八のセリフは120%カットしてその分私に割り当てるアル」

新八「100%越えてるけど!?出るなってか!僕に画面から消えろって言ってんの!?」

銀時「でだ…結局のところ何なのこの『超電磁砲』って?ついに二次元に目覚めた?」

神楽「アイドルのおっかけに続いて二次元アルか、マジキモいアル」

新八「いや違うからね!?最近は親衛隊にこの漫画にハマる奴が多くてそれで…」

銀時「…そいつらからボッシュートしてきたってワケか?」

新八「はあ…まあそんな感じですね」

6: 2010/05/28(金) 22:35:58.05 ID:QuHLtAAO
銀時「ぱっつぁん…お前さ、分かんだろ?空気読めよ」

新八「な、何がですか…?」

銀時「こういうさ…何か妙なモン持ち込んだら決まって面倒なコトになってんだろ?」

銀時「フラグだよこれ、絶対フラグ立ったよ?厄介事に巻き込まれるフラグ来たよ?」

新八「気にしすぎですよ…たかが漫画一冊でトラブルなんか起こりませんって」

銀時「…俺ァもう嫌な予感しかしねーよ」

神楽「オイ私を空気にすんなヨ、泣くゾ?」

8: 2010/05/28(金) 22:40:01.47 ID:QuHLtAAO
---
同日、夜

銀時「………」

銀時(夜だよ…眠ったら何かヤバいことになりそうで眠れねーよこれ……)

銀時(これお決まりの展開で眠って起きたら漫画の中の不思議の国でしたみてーな…)

銀時「……いやないな、いくら何でもそんな展開はねーって、ベタ過ぎるから」

銀時「くだらねーこと考えてないでとっとと寝るか……」

銀時「………クー…クー…」

10: 2010/05/28(金) 22:47:05.39 ID:QuHLtAAO
---
朝、学園都市

銀時「クー…クー…」

教師「先生…ほら起きてください」

銀時「ん…もう朝か…結局何も起こらな……」

銀時「………」

教師「寝ぼけてないで…赴任一日目からそんなんでどうするんですか」

銀時「……クー…」

教師「なぜこのタイミングで二度寝!?」

銀時「やべーなオイ、まーた寝ぼけちまってるよ…幻覚と幻聴が起きてやがる…」

銀時「ったく…こんなおばちゃんが出てくるなんざロクな夢じゃねーな」

教師「おばちゃんってあなた……緊張は分かりますけど早く授業に行っ…」

銀時「アーアー!お母さーん、ボク何も聞こえないよー?」

教師「………」

12: 2010/05/28(金) 22:49:16.56 ID:QuHLtAAO
教師「…しっかりやってきてくださいね?」

銀時「いや……え?マジで?」

教師「マジです」

銀時「………」

銀時(え?ちょ……え?何なのこれ?話の流れが全然分からないんだけど?)

銀時「あのー…ここはどこで何するところでしたっけか?」

教師「まだ寝ぼけてるんですか…ああ、確かに目が氏んだ魚のような感じになって…」

銀時「質問に答えろ、目から魔貫光殺砲撃つぞ?ピッコロさんの奥義喰らいてーのか?」

教師「こ…ここは学園都市、主として能力開発を行う場です」

銀時「学園都市…?」

14: 2010/05/28(金) 22:56:54.54 ID:QuHLtAAO
---
常盤台中学、教室

ガラガラ

銀時(やるのかよ…マジでやるのかよオイ、無茶ぶりにほどがあんだろうが)

銀時「はーい…じゃあ席についてー」

美琴(あれ?新しい教師…?)

銀時「どーも…何やかんやでこのクラスの授業に出ることになっちまった坂田銀八です」

美琴(何やかんやって何よ…しかも『なっちまった』って……)

銀時「他の教師がどんな教え方かは知りませんが…まあ俺は俺のやり方でやるんで」

生徒A「ねえ…ホントにあれ教師?」ヒソヒソ

生徒B「さあ…悪い人じゃなさそうだけど…やる気が全然ないよね」ヒソヒソ

生徒C「でも何か厳しそうじゃない…?」ヒソヒソ

18: 2010/05/28(金) 23:04:40.42 ID:QuHLtAAO
銀時「はーい…じゃあいきなりですが授業に入ります」

美琴(こんな奴に授業が出来るのかしら…第一何なのよあの木刀…)

銀時「『ハリーポッターと不氏鳥の騎士団・下』の63ページを開いてー」

美琴「は……?」

22: 2010/05/28(金) 23:12:32.45 ID:QuHLtAAO
銀時「はい、ここはハリーとチョウがキスするシーンですが…青春の一ページですね」

銀時「お前のろけてねーでヴォルデモート倒す修行しろ、とか思った奴は卍固めします」

美琴「………」

銀時「はい…じゃー何故チョウはハリーにキスをしたのかを50字以内で答えて下さい」

美琴(こ…国語の授業…?……ていうかそんな小説今持ってないわよ!)

23: 2010/05/28(金) 23:15:46.49 ID:QuHLtAAO
銀時「はいじゃあそこのお前、代表で答えてー」

美琴「げっ…え、えーっと……すいませーん、実は教材を忘れてしまって」

銀時「じゃー廊下に立ってなさい」

美琴「なっ…ろ、廊下って……」

銀時「10分間立ってたら中に入ってきていいからな」

美琴「………」

美琴(あ、あいつ…後で覚えてなさいよ…!)

26: 2010/05/28(金) 23:21:00.16 ID:QuHLtAAO
---
放課後

美琴「あーもう!イライラするわね!」

黒子「わ…私のお姉様を廊下に立たせるなど…その教師…この黒子が必ずや縛り首に…」

美琴「そこまではしなくてもいいけどさ…あんなの教師として有り得ないってことよ!」

佐天「いやー、でもその人ってなかなか凄いんじゃありませんか?」

美琴「へ?」

佐天「だって…レベル5第三位の御坂さんに向かって『廊下に立ってろ』ですよ?」

初春「たしかに…普通の人じゃそんなこと言えませんよね…」

美琴「人事だと思って…とにかく、私はあいつを教師だなんて絶対認めないわ!」

27: 2010/05/28(金) 23:24:59.00 ID:QuHLtAAO
佐天「ねえ御坂さん、それってどんな感じの人なんですか?」

美琴「え?白髪頭の天然パーマで氏んだ魚みたいな目で何故か木刀持ってて…」

美琴「要はやる気のなさそうなダメな大人よ…思い出すだけで腹が立ってくるわ!」

佐天「あの人みたいな感じですか?」

美琴「あーそうそう、ちょうどあんな感じの……」

銀時「ったくめんどくせーことになりやがったな…何とかして帰らねーと……」

銀時「帰ったらあの眼鏡掛けに跳び膝蹴り喰らわしてやる…」

美琴「……ごめん、ちょっと行ってくる」

佐天「え?」

28: 2010/05/28(金) 23:34:03.90 ID:QuHLtAAO
美琴「ちょっと待ちなさい!」

銀時「ん…何だ、さっきのガキじゃねーか」

美琴「ガキじゃないわよ!…さっきはよくもやってくれたわね!」

銀時「…廊下に立たせたくらいでキレるとか最近のガキはカルシウム足りてねーな」

美琴「だから…あたしはガキじゃないって言ってるでしょ!」

銀時「はいはい分かったから…苺牛乳でも飲んで良い子して寝とけ、な?」

ブチッ

美琴「……完っ全に頭に来たわ、あんた…あたしと勝負しなさい!」

銀時「はぁ…?」

32: 2010/05/28(金) 23:42:10.01 ID:QuHLtAAO
銀時「勝負だァ?アホ抜かせ、んな面倒くせーことやってらんねーよ」

美琴「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」

銀時「俺ァお前と違って忙しいの…第一そんなことしたって何の意味もねーだろうが」

美琴「アンタがあたしを子供だって舐めて馬鹿にするからでしょ!」

銀時「別に舐めてねーよ、お前を舐めるくらいならレロレロキャンディー舐めるわ」

美琴「なっ…!?」

33: 2010/05/28(金) 23:47:06.23 ID:QuHLtAAO
銀時「それに…ガキにガキって言って何がワリーってんだ?」

美琴「だからあたしは……」

銀時「自分のことがガキって認められねーウチはまだガキなんだよ」

銀時「自分がガキだって理解して初めて子供は大人への階段登るもんなの」

銀時「大人になりてーならてめーがガキだって早く気付くんだな、よく覚えとけよガキ」

美琴「………」

---

黒子「何やら言い合いをしてますわね…」

初春「御坂さん…結構言われちゃってますね」

佐天(あれ…でも気のせいかな、結構まともな言ってるんじゃ……?)

34: 2010/05/28(金) 23:54:30.50 ID:QuHLtAAO
美琴「ふ…ふっざけんなぁ!」バチバチ

銀時「え…バチバチって……え、電気?なにそれ、エレキテルビリビリ?」

美琴「あんた…もう嫌でも勝負してもらうわよ!」バチバチ

銀時(オイィィィ!!ちょっと待てよ!電撃使えるとかどんなオプション!?)

銀時(超能力云々ってのは聞いてたけども!スプーン曲げレベルじゃねーのかよ!?)

銀時(やべーよこれ地雷だったよ、いつものノリで調子扱きすぎたよ)

35: 2010/05/29(土) 00:03:43.96 ID:8wxS6UAO
銀時「………」

美琴「…何も言わないってことは勝負を受けたってことでいいのかしら?」

銀時(何とかコイツの怒りの火を鎮火させねーと…)

銀時「待て、一旦落ち着こう?うん、一回止めよう?」

美琴「何よ今更…」

銀時「いや…お嬢さんがピカチュウみたいでかわいいなーなんて……」

美琴「………」

銀時「……あれ?」

美琴「……また、あたしをガキだって馬鹿にしてんのかあんたはァァ!」

銀時(逆効果だったァァァ!鎮火するどころか火にガソリンぶっかけちまったァァァ!)

37: 2010/05/29(土) 00:18:22.23 ID:8wxS6UAO
銀時(もうやるしかねーのか…めんどくせーことになっちまったな…)

美琴「安心しなさい…レールガンは使わないであげるわ、氏にたくはないだろうし」

銀時「……え?お前今何て言った?」

美琴「レールガンは使わないであげるって言ったのよ」

銀時(レールガン…どっかで聞いたな、確か新八が…)

新八『超電磁砲って書いてレールガンって読むらしいですよ』

銀時「………」

銀時(レールガン使えるってことは…こ、こいつ主人公じゃねーかァァァ!!)

38: 2010/05/29(土) 00:22:36.89 ID:8wxS6UAO
銀時(やべーよ!これ真正面からやり合ったら絶対氏ぬよ?何か手は……あ)

銀時「わーったよ、勝負すりゃいいんだろ?」

美琴「ようやくその気になったわね…!」

銀時「勝負はあっち向いてホイな」

美琴「アンタ…どんだけあたしをおちょくってるの?」

銀時「あれ?なに逃げんの?粋がってたくせにあっち向いてホイが怖いんだ?」

美琴「あんなのただの運試しじゃない!」

銀時「テメーはあっち向いてホイの奥深さがわかってねーな…まあいいよ、別に逃げても」

美琴「………」

銀時(さすがにこれは無理か……)

美琴「いいわよ…そこまで言うならやってやろうじゃない!」

銀時(食い付いたァァ!?予想外に乗ってきたんだけど!)

39: 2010/05/29(土) 00:32:50.88 ID:8wxS6UAO
佐天「な、なんかあっち向いてホイで勝負するみたいですね……」

黒子(お姉様…だんだんあの殿方のペースに巻き込まれてますの…)

---

銀時「じゃーやっぞ、じゃーんけーん」

銀時・美琴「ポン!」

銀時「よっしゃァァ!」

美琴「ぐっ…でもこれを凌げば良いんでしょ!」

銀時「いくぜ…あっち向いて……」

美琴「………」ゴクッ

銀時「………」

ゴゴゴゴゴゴ!!

美琴(何…この緊張感……これが真のあっち向いてホイなの…?)

黒子(端から見たら実にシュールな光景ですわね……)

40: 2010/05/29(土) 00:35:11.10 ID:8wxS6UAO
銀時「よお…お前『超電磁砲』ってのが使えるって言ったな?」

美琴(話しかけてきた?あたしの注意を逸らすつもり…?)

美琴「…それがどうしたの?」

銀時「そりゃ奇遇だな、ちょうど俺も大砲持ってんだよ」

美琴「え……?」

銀時「男ってのは誰でも股間にバズーカ搭載してんだよ…そいつを今見せて…」

美琴「なっ……ななな何しようとしてんのよアンタは!」サッ

銀時「ホイ」

美琴「………あ」

42: 2010/05/29(土) 00:41:39.17 ID:8wxS6UAO
銀時「はい、じゃあ俺の勝ちな」

美琴「ちょ、ちょっと待ちなさい!こんなの卑怯よ!」

銀時「なーに言ってんだ、お前が勝手にそっぽ向いたんだろうが」

美琴「あんなことされたら誰だって顔背けるに決まってるじゃない!」

銀時「あんなこと?ホワッツ?俺ァ社会の窓が開いてないか確認しただけなんだけど?」

美琴「納得行くわけないでしょそんなの!一歩間違えればセクハラよ!?」

銀時「わーったよ…パフェでも奢ってやるからそれで良いだろ」

44: 2010/05/29(土) 00:45:52.48 ID:8wxS6UAO
美琴「パフェって…そ、そんなのに釣られるとでも…」

佐天「いやーどうもご馳走になります!ねっ、初春?」

初春「は、はあ…そうですね……」

銀時「え…いや誰なの君たち?」

佐天「御坂さんの友達の佐天涙子です!」

初春「う、初春飾利です…」

黒子「ジャッジメントの白井黒子ですの、以後お見知りおきを」

美琴「ちょ…佐天さん……」

佐天「奢ってくれるって言うんだし良いじゃないですか、白井さんもそう思うでしょ!」

黒子「はぁ…まあ……」

銀時「いやあの…正直お前ら全員奢る金なんかないんだけど?」

佐天「じゃー早速行きましょうか!」

銀時「ねえ、金がないって言ってるんだけど?首くくらせる気?何これ新手のいじめ?」

45: 2010/05/29(土) 00:49:36.40 ID:8wxS6UAO
---
同日、喫茶店

佐天「あはは!銀時先生ったらそんな授業したんですか?」

初春「ざ、斬新な授業ですね……」

黒子「それではお姉様が怒るのも無理ありませんわね」

美琴「今回はまあ許すけど…次やったら本気で怒るからね」

銀時「へいへい…」

婚后「あら、皆さんお揃いで」

黒子「げっ…婚后光子」

銀時(まーためんどくさそうなのが来たよオイ……)

46: 2010/05/29(土) 00:53:39.89 ID:8wxS6UAO
婚后「そちらの方…初めて見るお顔ですが…お名前、よろしいかしら?」

銀時「坂田…銀時」

婚后「私…婚后光子と申します、以後お見知りおきを」

黒子(わ、私の自己紹介と言い回しが被りましたの…何か屈辱ですわ)

婚后「あらすみません、今日はこんな所でのんびりしている時間はございませんでした」

婚后「名残惜しいですがお話はまたの機会に……それでは皆さん、ご機嫌よう」

銀時「……ねえ、今の何?お前らの中学ってみんなあんななの?」

黒子「…お忘れになってくださいな」

47: 2010/05/29(土) 00:55:56.07 ID:8wxS6UAO
---
同日、広場

佐天「あーおいしかったぁ!ご馳走様!」

銀時「こちとら大散財だよ…テメーら遠慮なく食いやがって」

佐天「まあまあ銀さん、そう怒らないで」

美琴「銀さん?」

佐天「名前が銀時だから銀さん!銀時先生って何だか呼びにくいし」

美琴「そ、そう……まあ別にいいけどさ」

49: 2010/05/29(土) 00:59:18.24 ID:8wxS6UAO
「銀行強盗だー!!」

美琴・黒子「!」

銀時「……治安ワリーなこの街」

黒子「初春!アンチスキルに連絡を!急いでくださいな!」

初春「は、はい!」

美琴「黒子!」

黒子「お姉様…これはジャッジメントのお仕事ですの」

美琴「分かってるわよ…!」

黒子「では……」

銀時「……オイ、一人で行かせていいのか?あのツインテール」

美琴「黒子はジャッジメントだから…こういうのは慣れっこよ」

50: 2010/05/29(土) 01:02:45.61 ID:8wxS6UAO
強盗A「急げ…もたもたするな!」

黒子「お待ちなさいな…ジャッジメントですの!器物破損、強盗の現行犯で拘束します」

強盗B「オイお嬢ちゃん!そこどけよ、怪我したくなかったらなぁ!」

黒子「はあ…そういう三下のセリフは氏亡フラグというのをご存知ありませんの?」

ブンッ

強盗B「ぐあっ!?」

銀時(実践型の合気術…あのツインテールやるじゃねーかオイ)

52: 2010/05/29(土) 01:06:10.83 ID:8wxS6UAO
初春「ダメです!今この広場から出ちゃ!」

母親「でも!私の子供が……」

銀時「ん?」

美琴「どうしたの?」

母親「子供がいないんです!車の中に忘れ物をしたと…!」

初春「そんな…!」

美琴「…みんなで手分けして探しましょう!」

---

黒子「さて…まだ抵抗しますの?」

強盗A「くそがっ!」

黒子「まだ分かりませんのね…」

ヒュン!

銀時「」

銀時(しゅ、しゅしゅ瞬間移動した!?何アイツ!ヤードラット星人!?)

美琴「ちょっとあんた…黒子の能力に感心してないで早く探しなさいよ」

53: 2010/05/29(土) 01:11:03.91 ID:8wxS6UAO
佐天「うーん…そんな遠くには行ってないと思うんだけど…あれ?あそこに誰か……」

強盗C「何だお前…ちょうどいい、一緒に来い!」

男の子「お兄ちゃん誰なの?」

強盗C「いいから来いって!」

佐天「!」

佐天(私だって…私が助けなきゃ!)

54: 2010/05/29(土) 01:15:48.94 ID:8wxS6UAO
美琴「いないわね…一体どこにいるのかしら」

銀時「広場の中にいるんじゃねーの?かくれんぼしてんだよ多分」

美琴「何でお母さん相手にかくれんぼするのよ!少しは真面目に……」

強盗C「何だお前!」

美琴「え?」

佐天「ダメ!この子に手を出さないで!」

黒子「!」

黒子(しまった…まだ仲間が…!)

強盗C「チッ、このガキはもういい……どけっ!」ガッ

佐天「うあっ…!」

美琴・銀時「!」

56: 2010/05/29(土) 01:17:46.92 ID:8wxS6UAO
黒子「くっ…」

美琴「黒子!…こっからはあたしの個人的な喧嘩だから」

黒子「お…お姉さま……?」

銀時「手ェ出すんじゃねーぞ…!」

美琴「あんたも引っ込んでなさい」

銀時「いやここは俺の見せ場だから、お前が引っ込んでろよ」

美琴「いやあたしのほうが見せ場だから」

銀時「いや俺の見せ場のほうが駅から近い」

黒子「………」

57: 2010/05/29(土) 01:26:03.45 ID:8wxS6UAO
強盗C「くそっ…このまま引き下がれるかよ!車でテメエらまとめて…」

美琴「ちょうどいいわ…見てなさい、これが…超電磁砲よ!」

銀時「あっ!テメッ!俺の見せ場潰しやがって…」

美琴「いいじゃない…こんなに近くで私のレールガンを見られるんだから」

銀時(こういうのに限って実物は大したモンじゃ…)

キィーン…バシュ!

強盗C「なっ…」

ズガーン!!

銀時「」

銀時(ピッコロさんんん!何で女子中学生に魔貫光殺砲教えたんですかァァァ!?)

銀時(つーかさっきの瞬間移動といいここはドラゴンボールの能力者の集まりか!?)

59: 2010/05/29(土) 01:40:15.57 ID:8wxS6UAO
美琴「どう…あたしの超電磁砲は?」

銀時「……ま、まあまあだな、うん」

美琴「…もしかしてビビった?」

銀時「ビビった?え、意味が分からないんだけど?何かビビることなんてあった?」

美琴「……恐かったんだ?」

銀時「恐い?何それ?恐いって感情が俺にはよく分からないんだけど?」

黒子「またあの二人は…本当に凸凹コンビですの」

黒子(それにしても今回の強盗の能力…何か不自然に強力だったような…)

60: 2010/05/29(土) 01:45:04.03 ID:8wxS6UAO
三年Z組ー銀八先生

銀八「はい、ドラゴンボールっぽい超能力に驚いたところで一旦CMに入ります」

銀八「明日になったら続き書くんで出来ればよろしく頼みますわ」

銀八「あんまり長期間グダグダ書くのもアレなんで出来るだけ早く完結する予定です」

銀八「オチを考えてないなんてことはないから安心して…いや考えてるからね?今まさに」

68: 2010/05/29(土) 08:43:27.03 ID:8wxS6UAO
三年Z組ー銀八先生

銀八「はい、>>67からお便りがあったので補足も含めて説明しときます」

銀八「原作じゃ美琴に佐天たちが出会った日に強盗事件が起こってるわけですが…」

銀八「今回は展開上、その強盗事件は美琴たちと知り合ってから起こってます」

銀八「時系列的に狂ってる場面があるかと思いますが、そこには目を瞑って下さい」

銀八「汚いですねー大人は、都合の悪いことは全部他人に丸投げですか」

銀八「つーわけでこっから続きが始まります」

70: 2010/05/29(土) 08:56:41.86 ID:8wxS6UAO
---

母親「ありがとうございました…本当にありがとうございました!」

男の子「お姉ちゃん、ありがとう!」

佐天「そんな…いいって…!」

美琴「頑張ったわね…佐天さん…!」

佐天「御坂さん…」

美琴「お疲れ様、かっこよかったよ!」

佐天「………」

美琴「…佐天さん?」

佐天「……ご、ごめんなさい…今日はちょっと先に帰ります」

美琴「え?う、うん…」

初春「佐天…さん?」

銀時「………?」

71: 2010/05/29(土) 09:00:59.99 ID:8wxS6UAO
---
同日、某公園

佐天「………」

銀時「よう」

佐天「銀さん…」

銀時「ワリーな、一人で考え事してる時に」

佐天「ううん…いいんです、本当に何でもないことですから」

銀時「……なら、別にいいけどよ」

佐天「………」

72: 2010/05/29(土) 09:07:45.41 ID:8wxS6UAO
佐天「……スゴいですよね、御坂さん…」

銀時「……?」

佐天「学園都市最強のレベル5…みんなから尊敬されて…努力家で……」

佐天「あたしなんて能力を使うことさえ出来ない…御坂さんと変わらないのは年だけ……」

銀時(……この街にいる奴全員がドラゴンボールってわけじゃねーんだな)

銀時「気にすることじゃねーよ、お前だっていつかああいうのが出来るようになんだろ?」

銀時(瞬間移動…魔貫光殺砲と来りゃ…気円斬辺りか?)

佐天「…みんなそう言ってくれます、御坂さんも白井さんも初春も……」

佐天「『いつかきっと能力が現れる』…私もずっとそう信じてました」

73: 2010/05/29(土) 09:15:38.16 ID:8wxS6UAO
佐天「でも…最近思うんです、能力が使えるようになるのは才能ある選ばれた人間…」

佐天「私みたいな何の取り柄もなかったら…きっとダメなんです」

銀時「………」

佐天「こんな話…御坂さんや白井さんはもちろん……初春にだってしてません」

佐天「だって…みんな能力が使えるから…私だけみんなと違うから……!」

佐天「きっと私…心の奥では御坂さん達に嫉妬してるんです……友達なのに!」

佐天「私…大嫌いなんです…大切な友達に嫉妬する自分のことが……」

佐天「本当に……最…低…ですよね……」

銀時「………」

74: 2010/05/29(土) 09:23:25.07 ID:8wxS6UAO
銀時「……泣いてんじゃねーよ」

佐天「え…?」

銀時「人ってのは無敵じゃねーんだ…誰だって嫉妬もすりゃつまんねーことで恨みもする」

銀時「ちょっと凄ェダチ公に嫉妬するなんざ良くある話じゃねーか…」

佐天「でも……私はレベル0で…この街じゃ何の価値もなくて……」

銀時「…一つ聞かせてくれや、テメーは何で超能力が欲しいんだ?」

佐天「そ、それは…やっぱり学園都市にいるなら能力が使えなきゃダメだし……」

銀時「んなことねーだろ、能力が使えねーヤツなんざゴマンといるんじゃねーか?」

75: 2010/05/29(土) 09:30:07.14 ID:8wxS6UAO
佐天「確かに…学園都市にもレベル0の人は大勢います…」

佐天「それでも…やっぱりレベル0って言うのは辛いんです」

佐天「私の周りにいるのはみんな凄い人だから…余計に自分が情けなくて……」

佐天「いつもは明るく振る舞ってるけど、このまま能力がずっと現れなかったら…」

佐天「初春が…みんなが…いつか私から離れて行っちゃうんじゃないかって……」

佐天「いつも…怖くて怖くてたまらないんです……!」

76: 2010/05/29(土) 09:33:23.87 ID:8wxS6UAO
銀時「…ワリーな、俺にゃやっぱ理解できねーわ」

佐天「……そうですよね、やっぱり私…」

銀時「勘違いすんな……テメーは一人で考えすぎなんだよ」

佐天「……?」

銀時「テメーらが仲の良いダチ公ってこたァ俺にだって分かる」

銀時「ダチ公の関係ってのは…そう簡単に切れちまうようなもんなのか?」

銀時「もし切れちまうってんなら……そんなもんダチ公とは言わねェ」

佐天「………」

銀時「第一…レベルで人様を値踏みしようなんざくだらねえ」

銀時「そんなつまんねェこといちいち気にしてたらやってらんねェよ」

77: 2010/05/29(土) 09:41:05.47 ID:8wxS6UAO
佐天「……弱いですね、私」

銀時「…弱くなんかねーだろ」

佐天「えっ…?」

銀時「テメーは能力なんか目じゃねえ…人として大切なモンを持ってるじゃねーか」

佐天「大切なもの…?」

銀時「テメーはさっき……あのガキをしっかり守っただろ?」

銀時「強盗にビビらねーで立ち向かうなんざ……普通出来っこねェ」

銀時「テメーの『勇気』ってのは胸張って誇れる…紛れもねえ『強さ』じゃねーか」

佐天「……!」

銀時「そんなつえーお前を見下す奴がいたら…俺がそいつを思いきりぶん殴ってやらァ」

佐天「銀さん……」

79: 2010/05/29(土) 09:59:25.51 ID:8wxS6UAO
佐天「そうだ…私が初春たちを信頼しなきゃ……みんなに失礼だよね…!」

銀時「俺から見りゃテメーら全員上等だよ…良いダチ公じゃねーか」

佐天「うん…私…能力にばっかり気が行ってて他のことが見えてなかった……」

佐天「大切な友達…それに銀さんみたいな大人もいてくれて…凄く恵まれてるんだ」

銀時「オイオイ、お前俺みてーなのとつき合ってたらロクなことにならねーぞ?」

佐天「アハハ……やっぱり銀さんは面白いね!」

81: 2010/05/29(土) 10:57:21.29 ID:8wxS6UAO
佐天「ねえ銀さん…一つだけいいかな?」

銀時「?」

佐天「私、これから頑張ろうと思う…自分から逃げないで努力する!」

銀時「いいことじゃねーか」

佐天「でも…頑張っても何も変わらなかったら……?」

銀時「……?」

佐天「自分の力でどうにもならなかったら……銀さんはどうする?」

銀時「………」

83: 2010/05/29(土) 11:03:58.53 ID:8wxS6UAO
---
遡ること数年前

銀時『しっかりしろ…俺は絶対お前を氏なせねえ!』

攘夷志士『………』

銀時『ハアッ…ハアッ…もうちょいだ…耐えろ…!』

そいつはもうダメだ…捨てちまえよ…

銀時『うるせぇ…』

国は奪われ…仲間を殺され…一体何を護れた?

銀時『うるせぇ!止めろ!!』

お前は誰も護れない…

銀時『……!』

86: 2010/05/29(土) 11:27:37.49 ID:8wxS6UAO
---

銀時「………」

佐天「銀…さん…?」

銀時「……昔、ちょっとした喧嘩があってな…そん時、俺ァ全力で戦った」

銀時「結局…何も護れねぇ…てめーの弱さに後悔することになっちまったけどよ…」

佐天「え……?」

銀時「けどな…まだ負けてねェんだ、今も戦ってんだよ…俺ァ」

佐天「……?」

銀時「人が背負って戦わなきゃならねぇモンに…負けとか終わりなんざありはしねェ」

銀時「本当に人が負けちまうのは…魂が折れちまったときだ」

佐天「…魂?」

89: 2010/05/29(土) 11:46:42.69 ID:8wxS6UAO
銀時「ダメかどうかなんて気にする事じゃねぇ…てめーが諦めない限り負けはねェんだ」

銀時「石にかじり付いてでも諦めねえ人間に…簡単に限界なんざ来やしねェよ」

佐天「……」

銀時「それに…お前には支えてくれる仲間がいるじゃねーか」

銀時「一人で抱えきれなくなったらそいつらに頼りゃいい、もしそれでもダメなら…」

銀時「俺も一緒にてめーの荷物背負ってやるよ」

佐天「……」

90: 2010/05/29(土) 11:48:54.24 ID:8wxS6UAO
銀時「何にしても…本当に大切なモンは自分の魂で決めな、後悔しねーように…」

佐天「うん…ありがと、銀さん」

銀時「…間違っても俺みてーに後悔しか残らねえ生き方はすんじゃねェぞ」

佐天「銀さん…?」

銀時「…さーて、じゃあもう一回クレープでも食って帰るとすっか」

佐天「……そうだね!じゃあ銀さん、今度は私が奢ってあげるよ!」

銀時「え、いいの?食うよ?俺ガンガン食っちゃうよ?フィーバーしちゃうよ?」

佐天「うん!あたしも今日はたくさん食べるよ!」

91: 2010/05/29(土) 12:02:56.55 ID:8wxS6UAO
---
翌日、某所

銀時(つか…俺やべーぞ?一日で早くもこの世界に馴染んできてんだけど?)

銀時「帰る方法も探さねーとな……ん?」

初春「………」

銀時「何やってんだフシギバナ」

初春「あ、銀時先生…というかフシギバナって私のことですか!?」

銀時「あ、ラフレシアのが好きだった?変わった趣味してんなオイ」

初春「いや…何の話をしてるのかよく分からないんですけど」

銀時「わーったよ、じゃあ間を取ってウツボット辺りに……」

初春「間を取ってウツボット!?そこはキレイハナ辺りでも良いんじゃないですか!?」

92: 2010/05/29(土) 12:14:05.78 ID:8wxS6UAO
銀時「で…今はお前だけでいつもの連中はいねーのか?」

初春「はい…ちょっと一人になりたかったので…」

銀時「…そうかい、じゃー俺もさっさと消えるとするかな」

初春「…あの、モンジャ……じゃない、銀時先生」

銀時「今お前モンジャラって言いかけたよね?何それ?俺の頭のこと言ってんの?」

初春「気のせいですよ、それより…ちょっとだけ良いですか?…佐天さんのことで」

96: 2010/05/29(土) 12:38:48.83 ID:8wxS6UAO
---
同日、某公園

初春「この公園で…昨日佐天とお話してましたよね……」

銀時「…聞いてたのか」

初春「すみません…私も佐天さんのことが気になってて…探してたら偶然……」

銀時「謝るこたねェよ、ダチ思いでいいことじゃねーか」

初春「そんなことありません…私、佐天さんのことを何もわかってなかった…」

初春「あんなに悩んでたなんて…あんなに私達のことを気にしてたなんて……」

初春「私は…力になれなかったんです……」

銀時「……」

97: 2010/05/29(土) 12:48:16.60 ID:8wxS6UAO
銀時「……俺から言うことがあるとすりゃ一つだけだな」

初春「?」

銀時「困った時はとりあえず笑っとけ」

初春「先生…こんなときくらいは真剣に……」

銀時「ふざけて言ってるわけじゃねーよ」

初春「?」

銀時「あいつが落ち込んでる時にお前までしけたツラしててみろ」

銀時「マイナスにマイナス掛けるみてーなモンだ」

初春「先生、マイナスにマイナスを掛けたらプラスです」

銀時「………」

99: 2010/05/29(土) 12:58:49.16 ID:8wxS6UAO
銀時「………」

初春「……あの…銀時先生?」

銀時「あいつが落ち込んでる時にお前までしけたツラしててみろ」

銀時「マイナスにマイナスを足すみたいなモンだろーが」

初春(なかった事にしてる!さっきのやり取り丸々上書きして再編集しようとしてる!)

初春「あの…何かすいません、その…どうでもいいこと突っ込んじゃってい…」

銀時「え?何が?突っ込みなんてあったっけ?」

初春(完全に抹消しようとしてる…黒い歴史にして封印しようとしてる…)

100: 2010/05/29(土) 13:04:10.47 ID:8wxS6UAO
初春「でも…言いたいことは分かりました…悲しみ合うだけが友達の役目じゃない」

初春「悲しんでる友達を笑顔にする役目もあるんですよね…」

銀時「あいつは今まさに立ち上がろうとしてんだ…テメーらみんなで支えてやれ」

銀時「そうすりゃ…アイツもテメーらも真っ直ぐ歩いて行けるからよ」

初春「はい…!でも…元気づけるって何をすれば……私に出来ること…」

101: 2010/05/29(土) 13:11:52.34 ID:8wxS6UAO
銀時「何でもいいだろ、お前バンドでもやれよ、可愛い女の子五人組で」

初春「え……バ、バンドって?」

銀時「お前ボーカルなら売れるんじゃね?オリコン一位二位とか独占するんじゃね?」

初春「もう…そんなあり得ないこと言わないでくださいよ!」

銀時「あとはあれだ、あの婚后ってお嬢様をキーボードに置いとけ」

初春「婚后さん…ですか?」

銀時「あの高飛車な性格を抑えて髪の毛と眉毛をたくあんの色にしておくのがミソだな」

初春「高飛車な性格を変えるのはともかく眉毛をたくあんってどんな改変ですか!?」

銀時「いーんだよ、バンドってのはそんぐらいインパクトがあったほうが売れるもんなの」

初春「………」

初春(バンドかぁ…でも私カスタネットしか出来ないし…)

103: 2010/05/29(土) 13:26:20.39 ID:8wxS6UAO
prrrr

初春「あっ、私ですね……もしもし?あ、白井さん!…今は銀時先生と……え?」

初春「はい……分かりました、すぐに向かいます」ピッ

初春「銀時先生、時間大丈夫ですか?用事とかありませんよね?」

銀時「パチンコ行くってのは用事になんの?」

初春「なりませんよ!白井さんが聞きたいことがあるらしいくて…」

銀時「……俺なんか誉められることしたっけか?」

105: 2010/05/29(土) 14:35:04.84 ID:8wxS6UAO
---
同日、ジャッジメント第177支部

銀時「レベルアッパー…?」

黒子「ええ…見かけは音楽ファイルですが聞くだけで能力が飛躍的に上昇しますの」

銀時「へえ、そりゃ便利なこった……で?何でそいつを回収してんだ?」

黒子「…効く薬には必ず副作用があるのがお決まりでしょう?」

銀時「…副作用ってのは?」

黒子「原因は分かりませんが…レベルアッパーを使った者全てが昏睡しておりますの」

銀時「マジか、やべーなその…ダウン・アッパー・ブイ・ストームだっけか?」

黒子「レベルアッパーですの」

106: 2010/05/29(土) 14:46:47.21 ID:8wxS6UAO
銀時「ま…俺ァレベルアッ…ダウン・アッパー・ブイ・ストームなんて知らねーな」

黒子「いや今レベルアッパーって言いかけませんでした?ワザと言い直しましたわね?」

銀時「しかしアレか、ダウン・アッ…じゃねえ、虎鉄先輩は音楽ってのはマジか?」

黒子(ついに原型さえなくなりましたの…というか虎鉄先輩ってどなた?)

黒子「ええ…音楽を聴いて能力が向上するなど聞いたことが…」

109: 2010/05/29(土) 14:56:25.55 ID:8wxS6UAO
銀時「まあウォーズマンもバッファローマン戦で1200万パワーまで出したし?」

黒子「は…?」

銀時「そりゃ100万パワーが1200万パワーになる件は『え?』ってなったよ?」

銀時「それでも立ったままKOされたのは感動したね、さすがウォーズマンって思ったし」

黒子「いや…あの、一体何を?」

銀時「そんであの後のバッファローマンの台詞も格好いいんだよな、うんうん」

黒子「だから知りませんの」

110: 2010/05/29(土) 15:03:44.96 ID:8wxS6UAO
固法「手がかりなしか…そもそも都市伝説でしかなかったものが実在したなんて…」

銀時「オイ、この眼鏡のねーちゃんも何か能力あんの?」ボソボソ

黒子「固法先輩は透視系能力者のレベル3…尊敬出来る方ですの」

銀時(透視系って…何かよく見えるようになるアレか?写輪眼か?)

固法「あなたも悪かったわね、わざわざ来てもらったのに」

銀時「気にすんなってばよサスケェ」

固法「サスケ?…え?私が?」

111: 2010/05/29(土) 15:14:20.00 ID:8wxS6UAO
銀時「ま…冗談はおいといてだ、結構やべーことになってんのか?」

黒子「被害は拡大の一途…はっきり言って良い傾向ではありませんの」

黒子「正直…私には何故そこまでして能力にこだわるか理解できませんわ」

銀時「……」

佐天『それでも…やっぱりレベル0って言うのは辛いんです』

銀時「…俺ァ分からなくもねーけどな」

黒子「?」

初春「私も……」

黒子「初春まで?」

初春(佐天さん……)

---
同日、某所

佐天「手にはいっちゃった…レベルアッパー…」

112: 2010/05/29(土) 15:19:56.52 ID:8wxS6UAO
三年Z組ー銀八先生

銀八「はい、ここで一旦CMでーす、一時間くらいしてからまた再開するんで」

銀八「つーか展開早すぎね?テンポよく行くつもりが大暴走してね?」

銀八「そしてまだオチを考えてないって軽くヤバくね?」

119: 2010/05/29(土) 17:48:19.73 ID:8wxS6UAO
佐天「これ…本当に効き目があるのかな…本当に能力者になれるのかな……?」

佐天「少し…使ってみても…弱い私でも誰かを守れるくらい強く……」

銀時『弱くなんかねーよ』

佐天「!」

銀時『テメーには支えてくれる仲間がいるじゃねーか』

佐天「………」

佐天(やっぱりダメだ…ズルして力を持っても…それは私自身の力じゃないよね)

佐天「データ消去…っと、うーん…やっぱちょっと勿体無かったかな?」

佐天「いやいや!こんなのに振り回されてるようじゃダメじゃんか佐天涙子!」

120: 2010/05/29(土) 17:53:37.87 ID:8wxS6UAO
---

固法「何にしても……専門家の意見が聞きたいところね、情報が少なすぎるわ」

黒子「では私は病院に、何か分かったかもしれませんの」

美琴「あ、じゃあ私も一緒に行くわ」

銀時「じゃあ俺はちょっくらパチンコに、今日は出るかもしれねーから」

美琴「…あんたも来るのよ、一応教師でしょ」

銀時「ですよねー」

122: 2010/05/29(土) 18:03:28.36 ID:8wxS6UAO
---
同日、病院

医師「すみません…まだ何も……正直私たちの手には余りますね」

医師「何度調べても患者の身体には何も異常が見られない…意識だけが失われている」

黒子「そうですか…」

医師「ですから、外部より専門家をお呼びしています」

美琴「専門家…?」

木山「どうも…水穂機構病院院長より招聘を受けて参りました…木山春生です」

銀時「………」

銀時(……こいつァ大物だな)

123: 2010/05/29(土) 18:14:32.96 ID:8wxS6UAO
医師「お疲れ様です」

木山「お話は伺っています…早速ですが患者を見せていただいても?」

医師「はい、こちらへどうぞ」

黒子「あの、診断が終わったら私たちにもお話を聞かせていただけないでしょうか?」

木山「君たちは…?」

黒子「ジャッジメントの白井黒子と申します」

美琴「常盤台中学の御坂美琴です」

銀時「サードチルドレンの坂田銀時で…」

バキッ

銀時「教師やってます坂田銀時です」ダラダラ

美琴「まったく…あんたの脳も一度見てもらったらどうなの?」

銀時「にしてもいきなり殴るってなくね?」

124: 2010/05/29(土) 18:26:12.44 ID:8wxS6UAO
---
数時間後

木山「待たせてしまってすまないね…予定より診断に時間が掛かってしまった」

黒子「私たちは構いませんの、それより…診断結果を教えていただいても……?」

木山「別に構わないがそれにしても…ここは暑すぎないか…?」

黒子「言われてみれば…確かに病院の割には冷房の効きが悪すぎますわね……」

木山「ちょっと待っていてくれ、すぐに脱ぎ終わる」パサッ

美琴「え、ちょ…ちょっと…!」

黒子「なっ…何をいきなり脱いでおりますの!?」

銀時「」

125: 2010/05/29(土) 18:38:43.92 ID:8wxS6UAO
木山「どうした?暑いから服を脱ぐ…何か私は間違ったことをしているのか?」

黒子「人の目というものがありますの!殿方もいるのですよ!?」

木山「……あの白髪の彼なら私には目もくれずに別の看護婦と話しているじゃないか」

黒子「ほ、本当ですわね…てっきり下着を凝視するものとばかり……」

医師「こ…この真夏日に寒気がするんですか?」

銀時「寒いんす、もうガンガン暖房つけちゃってください、南国のハワイ並で」

医師「いやさすがにこの時期に暖房は…」

銀時「もう裸になってリンボーダンス始めたくなるくらいの温度にして欲し…」

美琴「アンタは下着も脱がす気なのかゴラァァァァ!!」

129: 2010/05/29(土) 19:01:18.79 ID:8wxS6UAO
---

木山「さて…私に何が話があるんだったかな?」

銀時「ダウン・アッパー・ブイ・ストームについて話を聞きて…」

美琴「違う!」バキッ!

木山「ダウンアッパーブイストーム…名前から察するに下方から上に…」

黒子「いやあなたも真剣に考える必要はありませんの」

木山「ああ…ドラゴンボールにおける戦闘力のインフレーションついて…だったかな?」

銀時「おっ…お前結構イケる口だな、俺と一杯ひっかけながら議論しねーか?」

黒子「………」

131: 2010/05/29(土) 19:16:55.80 ID:8wxS6UAO
黒子「話を戻して…レベルアッパーと言うものをご存知で?」

木山「すまないが…それも初耳だな」

黒子「招集時に聞かされておりませんの?」

木山「体に異常の見られない意識不明者が続出している…とだけしか聞いていないな」

黒子「聞くだけで能力が向上する音楽ファイルとでも申しましょうか…」

木山「聞くだけで?……ふむ、面白いな…それと今回の昏睡者たちが関係していると?」

美琴「調べてみたら…意識を失っている人はみんなレベルアッパーの使用者なんです」

木山「なるほど…興味深いな、私としても是非調べさせてほしいよ」

132: 2010/05/29(土) 19:32:10.98 ID:8wxS6UAO
---

木山「それじゃあ…何か分かり次第すぐに連絡しよう」

黒子「はい、よろしくお願い致しますわ」

木山「ああ…じゃあまた……」

銀時「………」

美琴「…どうしたのよ、さっきから黙りこくって」

銀時「ん?…いや、なかなかすげー奴がいたもんだと思ってよ」

美琴「確かに変わってるけど…良い人じゃない?」

銀時「ばっかオメー、あの隈見ただろうが」

美琴「それがどうかした?」

銀時「目の下に隈がある奴は総じて大物なんだよ、『我愛羅』とか『L』とか」

美琴「いや…え?」

銀時「アイツ…何か一発デカいことやらかすんじゃねーか?」

美琴「……そんな予想どうせ当たらないわよ」

135: 2010/05/29(土) 19:42:52.87 ID:8wxS6UAO
---
数日後、ジャッジメント第177支部

美琴「全然進展がないわね…」

初春「木山先生からも連絡がありませんしね…」

prrrr

黒子「もしもし……はい…分かりました…すぐに」ピッ

黒子「また生徒が暴れているらしいですの、初春は木山先生に連絡を」

初春「はい!」

銀時「………」

136: 2010/05/29(土) 19:52:15.87 ID:8wxS6UAO
---
同日、某所

ドゴッ!

黒子「うぐっ!」

生徒A「へっ…どうよ、俺の力は!」

黒子「やはり手こずり………」

黒子「…………」

生徒A「どうしたよ、黙りこくって…ビビっちまったか?」

黒子「…後ろ、見た方がよろしいですわよ」

生徒A「へっ、注意を逸らそうってのか?その手には……」

銀時「月牙……」

生徒A「は?ちょ、待っ…」

銀時「天衝!」

バキッ!

生徒A「うげっ…」バタッ

140: 2010/05/29(土) 20:01:34.46 ID:8wxS6UAO
黒子「…何故あなたがここに?」

銀時「散歩だよ、散歩」

黒子「まあまあ……こんな狭い裏路地を散歩だなんて変わったご趣味ですこと」

銀時「手伝ってやったんだしちったァ感謝しろよ」

黒子「お礼は言っておきますが…これはジャッジメントの仕事ですの」

銀時「生徒が怪我しねーように守んのは教師の仕事なんだよ、面倒くせーけど」

黒子「し…しかし……」

銀時「あーもう細けェこたァいいんだよ」

黒子「……何というか、あなた本当に飄々としてますのね」

銀時「そんな褒めんなって」

黒子「褒めたかどうかは微妙なラインですの」

143: 2010/05/29(土) 20:11:54.69 ID:8wxS6UAO
黒子「そう言えば…私、まだあなたの能力を存じていないのですが?」

銀時「能力?」

黒子「常盤台中学で教鞭を執るくらいですから…それなりの能力者なのでしょう?」

銀時「何もねぇ」

黒子「ああ、何も……今なんと?」

銀時「俺はテメーらみたいに魔貫光殺砲も撃てねーし、瞬間移動も出来ねーよ」

銀時「あ…やっぱあった、『糖分摂取』(シュガー・コントローラー)」

黒子「……やはりあなたは来ないほうが…」

148: 2010/05/29(土) 20:20:48.74 ID:8wxS6UAO
---

バキッ

生徒G「うがっ…」バタッ

銀時「…ねえ、これで何人目?全然キリがないんだけど?」

黒子「え、ええ…そうですわね」

黒子(この方…レベル3並の能力者を次々と…ほとんど手傷も負わずに……)

黒子(この方は一体…何にしても、評価を改める必要が……)

銀時「いいよもう面倒くせー、後は他の奴らに丸投げしてパフェでも食って帰ろうぜ」

黒子「…ちょっと見直したと思えばこれですの」

149: 2010/05/29(土) 20:39:44.82 ID:8wxS6UAO
黒子「しかし…何故レベルアッパーを使用した人間は容易に犯罪に走るのでしょう?」

銀時「今も昔もそんなもんだ、でけェ力持った奴は総じて何かやらかすもんよ」

黒子「その力をどうして有効に使えないのか…私は疑問ですわ」

銀時「…俺たちゃ、そんなにつえー生き物じゃねーんだよ」

黒子「?」

銀時「この世に欲のない人間なんざいねェ…誰でも多かれ少なかれ持ってるもんだ」

黒子「まあ…それは確かに……」

銀時「金が欲しいとか甘いモン食いてェとかストレートパーマになりてェとか」

黒子「それはあなただけですの」

151: 2010/05/29(土) 20:49:59.30 ID:8wxS6UAO
銀時「まあアレよ…コイツは俺の勘だけどな……」

銀時「レベルアッパーってのを使った奴ってのは…てめーに自信がねェ奴じゃねーか?」

黒子「自信…?」

銀時「ここじゃ何の能力も使えねェ奴は肩身が狭い思いしてんだろ?」

黒子「そんな…私は能力で他人を判断したりなど絶対に…」

銀時「お前がそうでも本人は気にしちまうもんだ…能力使えねー自分を責めちまうんだよ」

黒子「………」

153: 2010/05/29(土) 21:06:15.98 ID:8wxS6UAO
黒子「…レベルアッパーを使ってしまう方の思いは分かりましたの」

黒子「ですが…なぜせっかく手に入れた力で犯罪を犯すのでしょう?」

銀時「…さっきも言ったけどな、俺ァ何の能力もねえただの一般人だ」

銀時「けど…日常生活を不便だと思ったこたァ一度もねえ、つまりはそういうことだ」

黒子「?……言っている意味が今ひとつ分かりませんの」

銀時「日常生活でドラゴンボールの能力使う機会なんざほとんどねーだろ?」

銀時「瞬間移動は便利そうだけどよ…魔貫光殺砲が役立つことはないんじゃねーか?」

黒子「例えが極端ですが…まあそれもそうですわね」

154: 2010/05/29(土) 21:18:26.90 ID:8wxS6UAO
銀時「ただ…魔貫光殺砲にだって使い道はある、御坂の奴みてーに強盗捕まえたりな」

銀時「けどよ…それはアイツが強盗をする立場になったとしても使えるだろ?」

銀時「いや…むしろそっちのほうが使い道が多いかもしれねェ」

黒子「犯罪行為ならば…能力を大っぴらに使用出来る快楽と共に利益も得られると」

銀時「言いたかねーが…まあそういうことだな」

黒子「そういった方を止めるに……私たちは何をすべきなんですの?」

銀時「……そいつはテメー自身で考えねーとな」

黒子「………」

黒子(私に…出来ること……)

155: 2010/05/29(土) 21:25:48.77 ID:8wxS6UAO
黒子「…私はまだ答えを出せませんの」

銀時「だろうな…俺だってそんなの簡単に分かりゃしねェ」

黒子「ですが…今の私に出来ること、つまりは暴走している生徒を止めること…」

黒子「それに全力を尽くしますわ…!」

銀時「……そうか、頑張れよ」スタスタ

黒子「いやあなた何を普通にサボって逃げようとしてますの」ガシッ

銀時「今そういう空気だったじゃん!完全にフェードアウトして良い流れだったじゃん!」

黒子「……本当に評価していいか迷う方ですわね」

156: 2010/05/29(土) 21:50:39.20 ID:8wxS6UAO
---
数日後

初春「共感覚性…ですか?」

黒子「そうですの!音で五感を刺激し脳を活性化させているなら…」

美琴「演算能力が向上して能力が上がる可能性があるってこと!」

初春「な、なるほど…木山先生に聞いてみます!」

---

木山『なるほど……その可能性は見落としていた、すぐに調査してみよう』

木山『それならばおそらく樹形図の設計者の使用許可も下りるはずだ』

初春「樹形図の設計者ですか!わ、私もご一緒させてもらえませんか?」

木山『ああ…構わないよ…』

銀時「………」

銀時(ねえ…会話が全然分からないだけど?演算能力?樹形図の設計者?何それ?)

158: 2010/05/29(土) 21:56:18.82 ID:8wxS6UAO
---

黒子「初春が帰ってくるまでは暫く待ちですわね……しかし」

銀時「藍染くそ強ーなオイ…まあ夜一さん来たし俺としちゃイヤッホーな感じだけど」

美琴「あ、ジャンプ読んでるの?あとであたしにも貸してね」

銀時「つーかこの藍染様の変身は失敗じゃね?見ろ、パペットマペットだもんよこれ」

美琴「どれどれ……んー…インパクトはある…のかな?」

銀時「こりゃアレだ…フリーザ様最終形態みたいな感じを出そうとして失敗したんだな」

黒子「待つにしても…この緊張感のなさはさすがに問題な気が……」

162: 2010/05/29(土) 22:11:00.35 ID:8wxS6UAO
固法「みんないる!?」

黒子「こ、固法先輩?」

固法「実は重要なことが分かっ……」

銀時「馬鹿かお前!夜一さんが最高に決まってんだろ!」

美琴「私は雛森の方が好きよ!」

固法「たんだけど……何やってるのかしら?」

黒子「あの…どうかお怒りにならずに…」

固法「BLEACHじゃ七緒ちゃんが一番可愛いじゃない!」

黒子「固法先輩!?」

168: 2010/05/29(土) 22:26:58.10 ID:8wxS6UAO
---

固法「まったく…ジャッジメントの支部で何をやっているの!」

黒子(いや固法先輩も乗っていたような…)

美琴「すいません…それで、重要なことって何なんですか?」

固法「レベルアッパー使用者には共通の脳波パターンがあることが判明したわ」

黒子「それは…つまり…?」

固法「他人の脳波パターンで無理やり脳が動かされているとすればどうかしら?」

美琴「そんなことしたら体に負担が掛かって…ま、まさかそれのせいで……?」

黒子「そんな…誰が何のために……先生はどう思われます?」

銀時「Zzz……Zzz……」

黒子「………」

169: 2010/05/29(土) 22:39:47.66 ID:8wxS6UAO
美琴「何でこんな大事な話の時に寝てんのよ!」バキッ!

銀時「い、痛ってェなオイ!何しやがんだ!?」

美琴「寝てるあんたが悪いんでしょ!」

固法「………」

黒子「……固法先輩、お気になさらずに続きを…」

---

固法「……説明としてはこんなところかしら」

黒子「AIM拡散力場…そして脳のネットワーク確かにそれならば……」

美琴「莫大な情報を効率的に処理出来る…!」

固法「バンクにアクセスして一致している脳波を検索してみるわ」カタカタ

銀時「………」コックリコックリ

170: 2010/05/29(土) 22:44:32.73 ID:8wxS6UAO
美琴「あんた…船こいでるけどちゃんと聞いてたわよね?」

銀時「え?ああ…めっちゃ聞いてた、高校の校歌を歌うくらいの気持ちで真面目に…」

美琴「それ…真面目なの?」

銀時「クラスに一人くらいいるよな、朝礼の校歌斉唱を真面目に歌ってるヤツ」

銀時「周りが歌わねえ中で特攻していくその度胸はすげぇよな、うん」

美琴「………」

美琴(ダメだ、コイツと話してると真剣な雰囲気がなくなっちゃう……)

171: 2010/05/29(土) 22:52:23.91 ID:8wxS6UAO
固法「見つけた!脳波パターン一致率99%!」

黒子「こ…この人は……!」

美琴「木山春美!」

銀時「……初春の奴がやべェ」

固法「初春さんがどうしたの!?」

美琴「さっき…その木山先生の所に行くって!」

固法「なっ……?」

黒子「……ダメです!電話にも出ませんわ!」

固法「アンチスキルに連絡!木山春美の身柄確保を!ただし人質がいる可能性あり!」

黒子「分かりました!」

銀時「……どうも、また面倒くせェことになったらしいな」

172: 2010/05/29(土) 23:05:58.86 ID:8wxS6UAO
---
同日、某所

初春「………」

木山「すまないね…手枷など付けて車に乗せてしまって」

初春「……あなたの目的は何なんですか?」

木山「……君に言ったところでどうにもならない」

初春「酷いじゃないですか!簡単にレベルが上がるなんて夢を見せておきながら…」

木山「昏睡状態に陥らせてしまうなんて…ということか…?」

初春「………」

175: 2010/05/29(土) 23:16:04.45 ID:8wxS6UAO
木山「……なら、これを君に渡しておこう」

初春「これは……?」

木山「レベルアッパーをアンインストールするワクチンソフトだ」

木山「これを使えば眠っている能力者たちを目覚めさせることが出来る…」

初春「そんな…信用できません!」

木山「手厳しいな…まあ、大切にしたまえ」

初春「………」

初春(わからない…この人の考えてることが……)

177: 2010/05/29(土) 23:21:05.16 ID:8wxS6UAO
---

美琴「私も出るわ!」

固法「一般人の御坂さんが出るのは問題だけど…レベル5のあなたの協力があれば…」

黒子「いけませんわお姉さま!ジャッジメントのお仕事に首を突っ込んでは!」

美琴「ごめん黒子……嫌な予感がするの、今回はどうしても行くわ」

黒子「し、しかし……」

銀時「……わーったよ、なら俺がついてってやっから」

美琴「アンタが…?」

銀時「保護者がいりゃまあ何とかなんだろ、多分」

黒子「そ、そういう問題では……」

銀時「それに…俺ァ教師としてテメーにだけ無理させるわけにゃ行かねーんだよ」

美琴「…たまには私に頼りなさい、力になれるんだから」

黒子「……お姉さま」

銀時「…さーて、じゃあ行くとするか」

178: 2010/05/29(土) 23:27:09.27 ID:8wxS6UAO
---

木山「………ん?」

黄泉川『木山春美だな!ここは完全に封鎖されている、大人しく投降しろ』

木山「アンチスキルか…思っていたよりも早かったな」

初春「どうするんですか?あれだけのアンチスキルを突破することなんか……」

木山「…君は車内にいたほうがいい、怪我をしないようにね」

初春「………?」

木山「面白いものを見せてあげよう……」

179: 2010/05/29(土) 23:34:26.22 ID:8wxS6UAO
---

黒子「着きましたわ!」

美琴「さすが…テレポートだと早いわね」

銀時「で……このめちゃくちゃな状況はどうなってんだ?」

黒子「これは……!」

美琴「アンチスキルが…全滅……?」

木山「……君達も来たのか」

黒子「!」

美琴「あ、アンタ…!」

銀時「…やっぱ隈が出来てる奴ァ総じて大物だなオイ」

180: 2010/05/29(土) 23:41:13.48 ID:8wxS6UAO
美琴「アンタ…これ以上は好き勝手にやらせないわよ!」

木山「…あれだけのアンチスキルにも止められなかった私と戦うつもりなのか?」

黒子「………」

黒子(あのアンチスキルを退けるのは生身では到底不可能……)

黒子(つまり…木山は高位の能力者である可能性が高い…ですが…!)

銀時「止まってくださいって頼んでもどうせ止まらねーだろ?なら……」

美琴「戦るしかないじゃない!」

木山「フ…君たちは面白いな……出来れば戦いたくないんだが…やむを得ないな」

181: 2010/05/29(土) 23:51:29.90 ID:8wxS6UAO
美琴「行くわよ…!」バチバチ

黒子「手加減は出来ませんわね……」

木山「さて…レベル5のレールガンにレベル4のテレポーター、そして…」

銀時「ん?」

木山「……レベル5の天然パーマか」

銀時「何で俺だけそんな感じ!?もっと何かあんだろォォォ!?」

銀時「俺だけめっちゃカッコ悪いじゃん!!めっちゃ恥ずかしいんだけど!?」

木山「いや…その人物をそのまま表現する言葉を用いるべきだと思ってね」

銀時「何で天パー=俺みたいになってんだァァ!しかもレベル5ってお前ェェェ!」

木山「フフ…君は面白いな」

黒子「……」

183: 2010/05/29(土) 23:57:19.26 ID:8wxS6UAO
美琴「あ…遊んでんじゃないわよ!」バチバチ!

黒子「隙アリですわ!」

キィン

美琴「なっ…!」

木山「せっかちだな……会話をする余裕くらい持つべきだと思うが…」

美琴(私の電撃…それに黒子の鉄矢も……防壁で弾かれた?)

黒子(やはり…一筋縄では行きませんわね)

184: 2010/05/30(日) 00:02:12.54 ID:kIOb6UAO
木山「どうした?もう終わりなのか?それとも…次は君か?」

銀時「テメーみたいな奴とかち合うのは好きじゃねーが…そうも言えねェからな」

銀時「…行くぜ」ダッ

木山(真正面から走ってくるとは…芸がないな……)

ボウッ

銀時「オイオイ炎とか……全然遠慮ねェなオイ」

木山「君の髪なら燃えても大して変わらないだろうと考慮して…」

銀時「オイィィィ!俺の頭が焼け野原って言ってんのかテメーはァァァ!」

185: 2010/05/30(日) 00:11:36.59 ID:kIOb6UAO
銀時(っと、ふざけてる場合じゃねェ…何とかしてあの炎かわさねぇとな)

ザッ!

木山「!今のを回避したとは…君の身体能力は非常に優れているらしい…」

銀時「誉めてくれてありがとよ…コイツは返しに取っといてくれや!」

ガッ!キィン!

木山「だが…やはり私までは届かないらしいね」

銀時(ダメか…コイツは簡単にぶち破れるような防壁じゃねェな)

銀時「…さすがはATフィールドだなオイ」

木山(ATフィールド…?)

187: 2010/05/30(日) 00:14:28.86 ID:kIOb6UAO
美琴(電撃は効かない…鉄矢と木刀での物理攻撃も無効化か…なら!)

美琴「これなら…どうかしら!」バチバチ

木山「砂鉄…?……なるほど、磁力で地中の砂鉄を操っているのか…」

美琴「そう…超速振動してるこの砂鉄に触れたら…ただじゃ済まないんだから!」

ザシュ!

木山「工夫は認めるが…それだけではダメだな」

キィン

美琴「なっ…!」

黒子(そんな…お姉様の攻撃がことごとく…)

188: 2010/05/30(日) 00:22:45.30 ID:kIOb6UAO
木山「次はこちらから行かせてもらうよ」グッ

美琴「!?」

美琴(念動力…しまった!)

ドゴガッ!

美琴「ぐっ!」

黒子「お姉さま!」

木山「…どうした?レベル5第三位の力はこの程度なのか?」

美琴「うるさいわね…」

銀時「………」

199: 2010/05/30(日) 22:28:42.20 ID:kIOb6UAO
銀時「やべぇな…ジリ貧になっちまったら俺たちに勝ちはねーぞ」

美琴「そんなこと分かってるわよ……けど、あの防壁を何とかしないとね」

銀時「よし……テメーら、ここはフォーメーションBで行くぞ」

黒子「B……?」

美琴「い、いや知らないわよそんなフォーメーション!」

銀時「いや分かる、ピッコロさんとヤードラット星人なら」

美琴「誰がピッコロさんよ!」

黒子「………!」

200: 2010/05/30(日) 22:42:22.11 ID:kIOb6UAO
銀時「……いくぞ、テメーら!」

木山「何か秘策でもあるのか…?」

銀時「ああ、とっておきを見せてやるぜ…ここからテメーを一気に吹き飛ばす」

美琴(ホラ吹くんじゃないわよ!作戦も何も全然ないじゃない!)

木山(とっておき?彼は無能力者のはず…この距離から私を攻撃することなど…)

銀時「食らいやがれ…月牙……!」

木山「!」

203: 2010/05/30(日) 22:54:30.82 ID:kIOb6UAO
美琴「ちょっ…あんた一体何を…?」

銀時「だからとっておきだよ…この洞爺湖の中にいる仙人と一緒に作った技だ」

木山「……はったりは止めたほうがいい、漫画と現実は違うんだ」

銀時「へっ、はったりかどうか試してみやがれ………」

木山「………?」

木山(何だ…ま、まさか本気で……)

美琴「う、撃つつもりだわ…!」

黒子(今ですの!)

ヒュン

木山(なっ…彼が消え…!)

パッ

木山(テレポート!?…まさか…あのテレポーターが彼を私の所まで飛ばし…!)

木山「しっ、しまっ…」

銀時「天衝!!」

バキッ!

木山「うぐっ!」

206: 2010/05/30(日) 23:05:18.47 ID:kIOb6UAO
銀時(まだだ!ここで一気に畳み掛けてケリ着けるしかねェ!)

木山「くっ…言葉に惑わされたか……」

銀時「ウオオオオッ!」

木山「だがこれだけでは……」

ガシッ

木山「!?」

美琴「捕まえたわ…密着しての電撃なら…防ぎようがないでしょ!」

木山「くっ!?」

銀時「いやちょっと待て、この距離でピップエレキバンしたら俺も感電…」

バチバチバチッ!

木山「うあああああっ!!」バチバチ!

銀時「何で俺までェェェェェ!?」バチバチ!

210: 2010/05/30(日) 23:14:29.04 ID:kIOb6UAO
木山「うっ……」

美琴「はぁ…はぁ……これなら…いくらアンタでももう……」

『先生!』

美琴「……?」

銀時(え?何…今の声……?)

『ねえ先生!あのね……』

美琴(これって…まさか電撃を通じて木山春美の記憶が……?)

銀時(これって…まさか幽霊……いや、ない!ないないない!絶対幻聴だ…)

『木山先生!』

美琴(やっぱりそうだ…記憶が私の側に流れ込んできてる…!)

銀時(き…聞こえねえ聞こえねえ!俺ァ何も聞こえてないからね!)

211: 2010/05/30(日) 23:25:19.33 ID:kIOb6UAO
---

美琴「こんな…こんなことが……?」

木山「見られてしまったか…君たちには知られたくなかったんだが……」

美琴「今の…あんたの記憶よね?どうしてこんなことに…」

木山「それは私が一番知りたいことだよ…何故こんなことに…あの子達があんな目に!」

美琴「じゃあ…あの子ども達を救うためにこんな事件を起こしたってこと……?」

木山「………」

美琴「でも…他にももっとやり方があったはずじゃ……」

木山「君に…君に何が分かる!!」

213: 2010/05/30(日) 23:42:30.16 ID:kIOb6UAO
木山「正当なやり方なら何度も試した!数え切れないほどに試したさ!」

木山「だが……どうしても事態は好転しない、統括理事会が裏で手を引いているんだ!」

美琴「そんな……!」

木山「この方法しか…この方法しか私には残されていなかった…!」

木山「私はあの子達を助けたい…何を犠牲にしても…学園都市全てを敵に回しても…」

木山「私は…私はあの子たちを……!」

銀時「………」

銀時(さっき聞こえてた声も…全部が過去にマジで起こったことだってのか……)

214: 2010/05/30(日) 23:48:05.00 ID:kIOb6UAO
銀時「……嫌いじゃねーよ、テメーみたいな奴は」

木山「……?」

銀時「周り全部を敵にしてでも大切なモンを守ろうとするなんざ…普通は出来ねぇ」

美琴「まさかあんた…この人が正しいって言うつもりなの!?」

銀時「いや、俺ァどっちが正しいだの正義だの言うつもりはねーよ……ただな」

銀時「そいつらが目ェ覚ました時…テメーがいてやれねーでどうすんだ」

木山「……」

木山「確かに…全てが終われば私の身は拘束されるだろう……」

木山「だが…それでも私はあの子達に生きててほしいんだ…!」

木山「君には…分からないだろうな」

銀時「………」

215: 2010/05/30(日) 23:58:05.25 ID:kIOb6UAO
銀時「…分からなくはねェよ」

---

神楽『一人で何もかも勝手に背負いこんで勝手にいっちゃって…』

神楽『それで救われたって私達…何にも嬉しくないネ』

神楽『銀ちゃんがいなくなったら生きてたって何にも楽しくなんかないアル!!』

銀時『……楽しくなんか…なくったっていいだろ』

銀時『それでも俺ァ…てめーらに生きててほしいんだよ』

新八『アンタそれでも坂田銀時かよ!』

---

銀時「……俺もテメーと同じようなこと考えてたんだからな」

木山「……?」

217: 2010/05/31(月) 00:08:01.05 ID:4v.i.wAO
木山「君に私の気持ちが分かるとでも言うつもりなのか…?」

銀時「んなこと言わねェよ…俺ァテメーじゃねェんだからな……」

銀時「テメー自身を理解できんのはテメーだけだ…俺がどうこう言えることじゃねェ」

銀時「けどな…自分らのためにお前が捕まったって知ったら…そいつらはどう思う…」

木山「……」

銀時「…皮肉な話じゃねェか、助けたつもりのガキ達に泣かれちまうなんざよ」

木山「だが…だが私のせいであの子達は…私にあの子達の隣にいる権利なんて……」

219: 2010/05/31(月) 00:18:55.88 ID:4v.i.wAO
銀時「権利ならあるだろ……」

木山「?」

銀時「そいつらが生きたい世界ってのは…自由に笑って泣いてダチと喧嘩して…」

銀時「そんなガキらしい毎日を…『テメーと一緒に』過ごせる世界なんじゃねーのか?」

木山「私…と?」

銀時「さっきテメーの記憶を覗き見しちまったが……」

銀時「テメーが側にいるだけで…みんな笑っていられたじゃねーか」

木山「………」

銀時「もうテメーはあいつらにとっちゃ…いなくちゃならねェ大事なモンなんだよ」

美琴「………」

220: 2010/05/31(月) 00:28:40.00 ID:4v.i.wAO
木山「……君は本当に不思議な男だな」

銀時「不思議でも何でもねェさ、女好きなただの遊び人よ……」

木山「…君にもう少し早く会っていたら、私は…違うやり方も出来たかもしれないな」

銀時「遅くなんかねェさ…テメーに出来ることはまだ残ってんだろ?」

銀時「役に立てるかは分からねーが…俺たちも協力してやるさ、なあテメーら?」

美琴「そんなの…当たり前じゃない…!」

黒子「…私も喜んでお手伝いを」

木山「…ありがとう」

222: 2010/05/31(月) 00:36:17.53 ID:4v.i.wAO
---

黄泉川「じゃあ…木山春生の身柄は預かるじゃん」

銀時「え、月詠?お前月詠?」

黄泉川「月詠?誰かと間違えてるんじゃないか?」

銀時「ですよねー、いや知り合いのバカに声が似てたんで…」

黄泉川「バカってアンタ…おっ、良い木刀持ってるじゃん?」

銀時「え?いいもんもんじゃんじょん?」

黄泉川「何をどう聞き間違えたらそうなるじゃん!?」

234: 2010/05/31(月) 22:17:41.79 ID:4v.i.wAO
銀八「最近何か足のめっちゃ長い蚊みたいな虫よく出るよな」

再開させてください

235: 2010/05/31(月) 22:24:44.27 ID:4v.i.wAO
銀時「で……アイツは結局どうなるんだ?」

黄泉川「……どんな事情があるにせよ、学園都市に与えた被害はデカいじゃん」

黄泉川「どう転んでも拘留は免れないな…」

銀時「テメーが根回しして何とかならねーのか?」

黄泉川「……あたしにはそこまでの権限も力もないじゃん」

銀時「……だろうな」

美琴「………」

236: 2010/05/31(月) 22:30:19.85 ID:4v.i.wAO
テレス「お疲れ様です」

黄泉川「お、MARの隊長直々に手伝いに来てくれるとは嬉しいかぎりじゃん」

テレス「状況が状況ですから……そちらの方は?」

黄泉川「ん、常盤台中学の教師なんだけど……事態の収拾に一役買ってくれてね」

テレス「なるほど……ご協力、感謝します」

銀時「……礼言われるようなこたしてねーよ」

テレス「謙虚ですね…そういう方は嫌いじゃないですよ」

銀時「アンタは…?」

テレス「警備員MAR部隊の隊長のテレスティーナと申します、お見知りおきを」

銀時「………」

238: 2010/05/31(月) 22:46:55.10 ID:4v.i.wAO
---

木山「迷惑をかけてすまなかったね……私はすべきことを見誤っていたらしい」

美琴「もう一度言うけど……今度からは私も力になる、何か出来ることがあれば…」

黒子「私もお姉さまと同じ思いですわ…力になれることがあればいつでも…!」

木山「君たちには感謝している……またいずれ会える日を楽しみにしているよ…」

銀時「……悪かったな、やり合ってる最中とはいえ思いっきり殴っちまってよ」

木山「フフ……君は律儀な男だな、君にも感謝しているよ」

240: 2010/05/31(月) 22:55:03.30 ID:4v.i.wAO
テレス「あなた達……木山春生と何か関係が?」

美琴「関係わけじゃないけど…あの人にも事情があったみたいだし……」

美琴「他人に迷惑をかけないなら…私はあの人に出来る限りの協力していくつもりです」

テレス「そう……」

銀時「………」

241: 2010/05/31(月) 22:56:35.34 ID:4v.i.wAO
テレス「あなた達……木山春生と何か関係が?」

美琴「特別な関係があるわけじゃないけど…あの人にも事情があったみたいだし……」

美琴「他人に迷惑をかけないなら…私はあの人に出来る限りの協力していくつもりです」

テレス「そう……あなた、確かレベル5の第三位…だったわね」

美琴「え、ええ…そうですけど」

テレス「なるほどね…」

銀時「………」

242: 2010/05/31(月) 23:03:01.98 ID:4v.i.wAO
---
同日-夜、某所

美琴「本当に……これで良かったのかな」

黒子「お姉さま…?」

美琴「あの人にあんな過去があったなんて……私、考えもしなかった」

黒子「私は直接彼女の記憶を見たわけではありませんから何とも言いかねますが……」

黒子「少なくとも、彼女なりの大きな目的があっての行動でしたのね……」

美琴「昏睡してた人も木山先生が初春さんに渡してたワクチンソフトで目が覚めたし…」

美琴「子ども達を助けるだけじゃない…レベルアッパーを使った人へも配慮してた…」

美琴「あの人の計画していた通りに事態が進んだら……ひょっとしたら」

黒子「……一番良い結果になっていたかもしれないと?」

美琴「……うん」

銀時「………」

243: 2010/05/31(月) 23:14:52.16 ID:4v.i.wAO
銀時「……今さら揺らいでんじゃねーよ」

美琴「……?」

銀時「それじゃ…俺たちを信じて止まってくれたアイツが報われねェじゃねーか」

美琴「でも…私がしたことって本当に正しかったのかなって考えると……」

黒子「………」

銀時「……戦にしろ喧嘩にしろ片方だけが正しいことなんざめったにねえ」

美琴「……?」

銀時「戦う相手全員が…笑いながら他人を傷付けるような奴とは限らねェってことだ」

美琴「それは……」

銀時「……テメーはまだまだガキだ、アレこれ考えちまうのも仕方ねえ…けどな」

銀時「今、あいつのためにテメーがしてやれることは何だ?」

美琴「私が…木山先生のために?」

244: 2010/05/31(月) 23:21:24.85 ID:4v.i.wAO
銀時「どっちが正しいだとウダウダ後悔すること以外に…やれることは山ほどあんだろ」

美琴「………」

黒子「…お姉さま、今回ばかりはこの殿方の言うとおりですわ」

美琴「そうだよね……私にだって出来ることはたくさんあるはずだよね……!」

銀時「今のお前に出来ることって言えばアレだ、パチンコの回路いじって玉を出やすく…」

美琴「違う!」バキッ

銀時「…元気になったみてーで何よりだ、うん」ダラダラ

黒子「………」

黒子(今の件は演技だったのやら素だったのやら…)

黒子「本当に……愉快な殿方ですこと」

246: 2010/05/31(月) 23:33:58.21 ID:4v.i.wAO
---
某時刻、拘置所

木山「………」

テレス「こんにちは、木山春生さん」

木山「君は……」

テレス「MAR隊長のテレスティーナよ…以後、お見知りおきを」

木山「警備員の特殊部隊隊長が私に用事か…話せることは全て話したつもりだが…」

テレス「あなたに…聞かせてもらいたいことがあってね」

木山「一体何を……」

テレス「『置き去り』…『暴走能力の法則解析用誘爆実験』……」

木山「!?」

テレス「ここまで言えば分かるかしら?」

木山「何故…何故君がそのことを……!」

テレス「私にも独自の情報網があるのよ?馬鹿にされては困るわね」

247: 2010/05/31(月) 23:40:57.98 ID:4v.i.wAO
木山「……聞きたいこととは何だ、私はあの実験については何も…」

テレス「『置き去り』の子供は今どこにいるのかしら?」

木山「……知らない、第一そんなことを知ってどうするつもりだ!」

テレス「決まっているでしょう?保護するのよ」

木山「保護だと…?」

テレス「当然でしょう?それに…私ならその子達に最新鋭の治療をさせてあげられる」

テレス「子供たちを救うためにも……彼らの居場所を教えてくれないかしら?」

木山(何だ…あの子達に対するこの執着は……?)

木山「知らない…!」

テレス「……そう、ならいいわ」

木山「……」

250: 2010/06/01(火) 20:26:15.20 ID:GK71wMAO
銀八「最近のジャンプはやたらと高けーなオイ」

再開させてください

251: 2010/06/01(火) 20:36:28.73 ID:GK71wMAO
---
数日後、常盤台中学ー教室

銀時「はい、前回の授業にクレームがついたので今回は小説は使いません」

美琴(今回の授業はまともそうね……)

銀時「ついでに教科書もプライドも彼との思い出も全部鞄の中に閉まってください」

銀時「特に彼氏と二人でにゃんにゃんした思い出なんかは燃やして灰にしてください」

美琴(あ、やっぱりダメかもしれない……)

銀時「じゃー今から音楽を聴いてもらいます、はい…ミュージック・スタート」ピッ

口笛はなぜ~遠くまで聞こえるの?あの雲はなぜ~私を待ってるの?ピッ

銀時「はい、何故?」

美琴「分かるわけないでしょそんなの!」

252: 2010/06/01(火) 20:44:56.26 ID:GK71wMAO
---
放課後、ジャッジメント第177支部

prrrr

黒子「はい…はい……分かりました、すぐに」

固法「どうしたの?何か問題?」

黒子「匿名の情報なのですが…第10学区のスキルアウトが不審な行動をしていると」

固法「第10学区…?」

黒子「ええ…一応様子だけでも見に行ったほうがよろしいですわね」

固法「一人で大丈夫?あそこは治安も悪いし……」

黒子「様子を見に行くだけですので…ではちょっと行って見てきますの」

固法「え…ええ、お願いね……」

255: 2010/06/01(火) 20:49:57.74 ID:GK71wMAO
---
第10学区

黒子「相変わらず治安が悪い所ですわね……」

スキルアウトA「オイ…あいつ……」ボソボソ

スキルアウトB「マジで来やがった……じゃああの情報は!」ボソボソ

黒子「そこの方々、少しお話を聞かせてもらっても?」

A「何しに来やがった……」

黒子「私はジャッジメントのお仕事で…」

A「てめえら俺たちの居場所を潰すつもりなんだな!?」

黒子「な…何を……?」

B「うるせえ!だったらやられる前にやってやるよ!」

256: 2010/06/01(火) 20:56:24.45 ID:GK71wMAO
黒子「事情は飲み込めませんが…どうやらやる気のようですわね……」

黒子「私と戦えば多少の怪我はすることになりますが…それでもよろしいんですの?」

A「余裕こいてるのも今のうちだ……こっちにはこういうものがあるんだよ!」

キィィン

黒子「!?」

黒子(こ…この音は一体…!?)

A「自由に動けねぇ…だろ!」ドコッ!

黒子「ぐっ……」

黒子(て、テレポートが……演算が上手く行えない……!)

黒子「ジ…ジャッジメントの支部に連絡を……」

B「もう少し聞きてえこともあるしな…今は眠ってな!」ドコッ

黒子「あ…ぐ……」バタッ

257: 2010/06/01(火) 21:11:24.96 ID:GK71wMAO
prrrr

初春「あっ、白井さんからです……もしもし?」

『………』

初春「白井さん…?」

『もう少………今は眠っ…な!』

『あ…ぐ……』バタッ

初春「白井さん?何かあったんですか!?」

ピッ

美琴「どうしたの!?」

初春「白井さんに何かあったみたいです!」

美琴「そんな…黒子はレベル4なのよ!?」

固法「……!」

258: 2010/06/01(火) 21:29:24.75 ID:GK71wMAO
固法「やっぱり…一人で行かせるんじゃなかったわ!」

美琴「固法先輩…黒子はどこに行ったんですか!」

固法「第10学区…治安が特に悪いスキルアウトの溜まり場よ」

美琴「でも…能力の使えないスキルアウトが何人いたって黒子に勝てるとは…」

初春「御坂さん!迷ってる間があったら行きましょう!」

美琴「……そうね…!」

固法「ま、待ちなさいあなた達!今すぐに行くのは危険よ!」

美琴「でも…こうしている間にも黒子が危ないかもしれないんです!」

初春「それに…私だってジャッジメントの一員です!」

固法「ダメよ二人とも!待ちなさい!」

259: 2010/06/01(火) 21:42:02.39 ID:GK71wMAO
---
同日、第10学区

蛇谷「もう一度聞くぜ……てめえら、この学区のスキルアウトを一掃する気だな?」

黒子「ですから!何度も申し上げているようにそのような話は知りませんの!」

黒子「この学区の治安が悪いことは承知しています、ですがそんな話はまったく……」

蛇谷「ふざけるな!とぼけるんじゃねえ!」

美琴「ふざけるな?…それはこっちのセリフよ!」

初春「白井さん!大丈夫ですか?」

260: 2010/06/01(火) 21:51:30.58 ID:GK71wMAO
蛇谷「何だてめえら……?」

美琴「私の友達に…よくも手ェ出してくれたわね……!」

黒子「いけませんお姉さま!何か妙な道具……」

スキルアウトA「黙ってろ!」

美琴「黒子!あ、あんたらァァ!」バチバチ

蛇谷「」

キィィン

美琴「な…何よ…この音…!」

初春「こ…これは…?」

蛇谷「これはキャパシティ・ダウンって言ってな……演算能力を大きく下げるんだよ」

美琴(そうか…黒子もこれで……!)

261: 2010/06/01(火) 22:02:53.74 ID:GK71wMAO
美琴「こんな音に頼らなきゃ喧嘩も出来ないなんて…とんだ腰抜けね……!」バチッ

スキルアウトA「こ、こいつ…まだ能力が!?」

美琴(全然力が出ない……けど、黒子を助けて逃げるくらいは…!)

スキルアウトB「動くんじゃねえ!」

初春「うっ……」

美琴「初春さん!」

B「妙な動きしやがったら……コイツがどうなっても知らねえぞ!」

美琴「あんた達……どこまで卑怯なのよ!」

ガッ

美琴「ぐっ……」

A「手こずらせやがって…!」

262: 2010/06/01(火) 22:09:33.92 ID:GK71wMAO
黒子「お姉さま!!」

蛇谷「…これではっきりしたな、お前らが俺たちを潰すつもりだってことがよ」

黒子「な…何を根拠にそんな……」

蛇谷「たかだかスキルアウトの討伐にレベル5が出てくるわけねえだろ!」

蛇谷「しかもこいつはジャッジメントでもねえ…明らかにおかしいだろ!」

黒子「そんな…誤解にも程がありますの!元々お姉さまは正義感が……」

蛇谷「黙れ!」ドゴッ

黒子「うぐ……!」

佐天「……!」

263: 2010/06/01(火) 22:16:22.80 ID:GK71wMAO
佐天(ど、どうしよう…街で初春たちを見かけたからこっそりついて来たら……)

佐天(こんな…こんなことになっちゃうなんて……!)

佐天「みんなを助けなきゃ……でも」

佐天(私なんかが…力になれるわけ……レベル0の私が…)

佐天(今ならまだ見つかってないし逃げられる…まだ……)

佐天「ハハ……やっぱりダメだ、あたしったら」

264: 2010/06/01(火) 22:27:28.60 ID:GK71wMAO
---

蛇谷「さて…スキルアウトの一掃計画についてもう少し話を……」

佐天「み、御坂さん達を放してください!」

蛇谷「…何だお前?」

佐天(震えるぐらい怖いのに…こんな人たちに勝てる訳ないのに……)

佐天「銀さんのせいで…体が勝手に動いちゃったじゃんか…」

265: 2010/06/01(火) 22:37:10.51 ID:GK71wMAO
---
同時刻、ジャッジメント第177支部

ガチャ

銀時「よう、御坂の奴いるか?」

固法「あ、あなた…」

銀時「やっちゃったなーオイ…給料を脅しに使われるとは思わなかったもんなー」

銀時「しかも生徒から俺の授業が良いか悪いか意見を集めるとか言い出すんだもんなー」

銀時「しゃーねーからアイツに頼んでクラスの奴らに根回しさせ……」

固法「それどころじゃないの!」

銀時「……?」

266: 2010/06/01(火) 22:48:09.96 ID:GK71wMAO
---

銀時「……で、助けに行ったきり連絡が取れねーってわけか?」

固法「私の責任だわ……私が止めなきゃいけなかったのに…」

固法「こんな事態なのにアンチスキルも動かない…何がどうなっているのか私には……」

銀時「………」

銀時「……ワリーな、何か急に散歩したくなった」

固法「え……?」

267: 2010/06/01(火) 22:49:13.42 ID:GK71wMAO
銀時「ちょっくら出てくるわ……第10学区だったか?」

固法「あ…あなた一人で行くつもりですか!?ダメです!」

銀時「……一応あいつらは俺の生徒でな、俺が動かないわけにゃいかねーだろ」

固法「わ…私も一緒に……!」

銀時「ばっか、オメーにゃ大切な仕事があんだろうが」

固法「こんな時に仕事なんて……」

銀時「…帰ってきた時の茶と菓子の用意しとけ、菓子は出来るだけ甘いモンでな」

固法「……!」

268: 2010/06/01(火) 22:50:36.13 ID:GK71wMAO
---

美琴「さ…佐天さん!」

初春「ど、どうしてここに……?」

黒子「だ、ダメですの佐天さん!あなたでは……!」

佐天「分かってる…私はレベル0だもん……役に立てないことくらい分かるよ」

黒子「だ…だったら早く逃げ……!」

佐天「それでも!私は友達を見捨てることなんて出来ない!」

初春「さ、佐天…さん……」グスッ

270: 2010/06/01(火) 22:52:32.37 ID:GK71wMAO
蛇谷「友達?この能力者共が友達だ?…そんなモン嘘に決まってんだろ」

美琴「な、何言ってんのよアンタ!」

蛇谷「表じゃ友達面してても…コイツら腹の底じゃレベル0のお前を笑ってんだぞ?」

美琴「そんなことない!佐天さんは私たちの大切な友達よ!」

蛇谷「能力者ってのはみんなそうだ…コイツらもいつかはお前を裏切んだぞ?」

佐天「………」

佐天「……違う」

蛇谷「あ?」

佐天「みんなは…私の大切な……」

銀時『本当に大切なモンは自分の魂で決めな…後悔しねーように…』

佐天「私はみんなを…大切な友達を信じる!」

美琴「佐天さん…」

蛇谷「………」

271: 2010/06/01(火) 23:02:12.64 ID:GK71wMAO
スキルアウトA「ムカつくんだよお前!」ガッ

佐天「痛っ……」

スキルアウトB「俺たちと同じ無能力者のくせに生意気言ってんじゃねえぞ!」

佐天「うあっ……ケホッ…ケホッ…!」

初春「佐天さん!」

美琴「いい加減にしろアンタァァァ!!」

A「そうだ…ちょうど良い、コイツらの前で公開虐待といくか…なあ?」

B「レベル0のくせに能力者と仲間になった馬鹿の末路ってわけだ」

初春「い、いやァァァ!佐天さんに乱暴しないでください!!」

黒子「佐天さん!」

佐天「………」

272: 2010/06/01(火) 23:04:29.18 ID:GK71wMAO
佐天(私ったらやっぱりダメだ…ダメだったよ…銀さん……)

ドゴガッ!!

佐天「!?」

蛇谷「そ、倉庫の壁が…な、何があった!?」

見張り「大変です蛇谷さん!何かヤバい奴が…ぐあっ!」

蛇谷「なっ……だ、誰だテメーは!?」

銀時「どうもお世話になってます清掃員でーす、ゴミ掃除に来ましたー」

佐天「ぎ、銀さん!」

初春「先生!」

蛇谷「先生…?」

275: 2010/06/01(火) 23:11:56.78 ID:GK71wMAO
銀時「何だよオイ…掃除に来てみりゃずいぶん楽しそうな飲み会やってんじゃねーか」

蛇谷「テメエ……コイツらの仲間か?」

銀時「……テメーの敵であるこた間違いねーな」

蛇谷「てめえもジャッジメントに言われて俺たちを潰しにきたのか?」

蛇谷「それとも…そこの弱いくせに粋がる馬鹿と同じように仲間を助けに来たのか?」

佐天「………」

銀時「………」

276: 2010/06/01(火) 23:14:08.78 ID:GK71wMAO
銀時「参ったね……俺ァどうもテメーらぶっ飛ばさなきゃならねェらしい」

蛇谷「粋がってるのも今だけだ……キャパシティダウンを使え」

B「はい!」

キィィン

蛇谷「これでてめえも動け…」

銀時「……この音に何か仕掛けでもあんのか?」

蛇谷「な、何で……テメーまさか無能力者か?」

銀時「…俺ァトンデモ能力とは縁がねーよ」

蛇谷「はっ…ならビビることねえ、数で押し切っちまえばこっちのもんだ」

銀時「………」

277: 2010/06/01(火) 23:16:49.72 ID:GK71wMAO
銀時「……テメーら、ちっとだけ目ェ瞑ってな」

佐天「め、目を……?」

美琴「ど、どうしてよ…?」

銀時「もうじきに夕立が来っからな…傘持ってねえテメーらにゃ見せたかねーんだよ」

美琴「な…何言って……?」

蛇谷「……どういうつもりだ?」

銀時「こっからは18歳未満にゃ刺激が強過ぎるからな、規制だよ規制」

蛇谷「……?」

279: 2010/06/01(火) 23:22:23.13 ID:GK71wMAO
A「オイお前…あんまりナメた口利いてると……」

バキッ!

A「あがっ…!」

蛇谷「なっ……?」

銀時「正直な話…俺ァテメーらがどこで溜まってようと構いやしねェ…けどな」

蛇谷「………」ゾクッ

銀時「俺の国、その領域に踏み込んだら…容赦なく叩き斬るぜ……!」

蛇谷「ぜ、全員!一斉にかかれ!」

銀時「ウオオオオォォ!!」

281: 2010/06/01(火) 23:29:48.56 ID:GK71wMAO
スキルアウトB「なっ…何だこいつは!?」

バキッ!!

C「かっ、囲め!押し込んで動きを止めろ!!」

銀時「ウオアアアアァァ!!」

ドゴガッ!

C「ぐああっ!?」

佐天「す、凄い……」

美琴「アイツが強いのは知ってたけど…そ、それにしたってこんな…?」

初春「しかも…何の能力も使わないで……」

黒子(こ…ここまでの力があったなんて……)

283: 2010/06/01(火) 23:40:37.55 ID:GK71wMAO
---

蛇谷「……嘘だろ?」

銀時「残るはテメーだけだな……サシの勝負といこうじゃねーか」

蛇谷「く、来るな!お前はそんなに俺たちスキルアウトが憎いのかよ!」

銀時「………」

蛇谷「俺たちはただこの場を守りたいだけだ、ここが俺たちの居場所なんだ!」

銀時「そういうこっちゃねーんだよ……こっちも約束があってな」

蛇谷「約束……?」

284: 2010/06/01(火) 23:44:22.59 ID:GK71wMAO
銀時「俺ァテメーがアイツに言った言葉……聞き逃すわけにゃいかねーんだよ」

蛇谷「な…何を……?」

蛇谷『そこの弱いくせに粋がる馬鹿』

銀時「俺の前で…アイツが弱いなんざ誰一人として言わせねぇ!!」バキッ

蛇谷「ぐあっ!」

佐天「ぎ…銀さん……」

銀時『そんなつえーお前を見下す奴がいたら…俺がそいつを思い切りぶん殴ってやらァ』

佐天(あの時の言葉…ちゃんと覚えてて……!)

313: 2010/06/02(水) 22:11:44.18 ID:esH8DQAO
---

銀時「まったく手間掛けさせやがって……俺ァヤンクミでも鬼塚でもねーぞ?」

美琴「ご、ごめん……」

初春「ごめんなさい…」

黒子「元を言えば私が不覚をとったことが原因ですの……」

佐天「ごめん銀さん…それと……ありがとう」

銀時「…ま、大した怪我もねーし良かったじゃねーか」

315: 2010/06/02(水) 22:21:21.26 ID:esH8DQAO
蛇谷「……」

銀時「そういやテメー……潰すとかどうとか言ってたけどよ、あれは何の話だ?」

蛇谷「情報が入った…ジャッジメントとアンチスキルが手を組んで俺たちを潰す気だと…」

銀時「……んな情報いつ、どこから入ったってんだ?」

蛇谷「木山春生…そんな名前の女からごく最近伝えられた……」

銀時「!」

美琴「き…木山先生……?」

317: 2010/06/02(水) 22:28:01.90 ID:esH8DQAO
蛇谷「大脳生理学専門の医師でジャッジメントとも関わりがあるらしかった…」

蛇谷「そいつからの情報なら可能性はあると警戒していた…」

銀時「……で、そんなときにジャッジメントが来ちまったと」

蛇谷「治安が悪いことで知られているこの地区にジャッジメントはめったに来ない…」

蛇谷「なのに…このタイミングで本当にジャッジメントが来るとなると…」

銀時「マジな情報だと思っちまった…ってか?」

蛇谷「……ああ」

銀時「…心配すんな、少なくとも俺ァテメーらを潰そうとなんざ思わねえ」

銀時「ただ…二度とコイツらに手ェ出すんじゃねーぞ」

蛇谷「………」

318: 2010/06/02(水) 22:39:08.87 ID:esH8DQAO
---
ジャッジメント第177支部

銀時「よう…今帰った」

固法「し、白井さん!それにみんなも……!」

黒子「あの…ご心配をお掛けして本当に……」

初春「すいませんでした…先輩の指示も聞かずに勝手に飛び出してしまって……」

固法「ううん…あなた達が無事に戻ってきてくれれば……それでいいわ」

固法「軽いお菓子くらいなら用意してあるから…みんなで食べ……」

銀時「」モグモグ

319: 2010/06/02(水) 22:46:18.96 ID:esH8DQAO
佐天「あっ、銀さんずるい!一人でお菓子食べてる!」

銀時「違うんだよ、この大福が俺の口に吸い込まれるようにだな……」

美琴「あんたが食べてるんでしょ!勝手に口へ入ってきたみたいに言うんじゃないわよ!」

銀時「堅いこと言うなって、柔らかくなれよ、大福だけに」

美琴「あんたやっぱりあたしをおちょくってんのかァァァ!!」

固法「………」

初春「結構感動的な場面だったのに……」

黒子「一気にお祭り騒ぎになってしまいましたわね…」

固法「……フフ、これでいいのよ」

黒子「?」

320: 2010/06/02(水) 22:53:26.50 ID:esH8DQAO
固法「泣くよりは…ああやって馬鹿やって笑ってたほうが楽しいもの」

固法「……不思議な人ね、彼は本当に」

黒子「固法先輩……」

銀時「フハハハハ!お前を大福の白い粉で漂白して蝋人形にやろうか!」

美琴「アンタこそアタシの電撃で真っ黒にしてやろうかしら?」

銀時「面白いじゃねーかオイ、じゃあ……」

銀時・美琴「レッツ・パーリィィ!!」

黒子「……にしてもあれはさすがに馬鹿をやりすぎでは?」

固法「もう…あなた達!あんまりやり過ぎると私の卍解が火を噴くわよ!」

黒子「固法先輩ィィ!?」

321: 2010/06/02(水) 23:06:23.68 ID:esH8DQAO
---

美琴「私…一体何やってたのかしら……」

銀時「その場のノリって何でも出来ちまうからこえーよな、うん」

黒子「……」

初春「そうだ…固法先輩、ちょっと調べたいことが…」

固法「何かしら?」

初春「木山春生の身柄がどうなっているか知りたいんです」

銀時「……」

固法「木山春生?あれだけの事件を起こした直後よ?拘留中に決まってるじゃない」

初春「そうなんですけど…一応念のために……」

固法「そう?別に構わないけど…」

322: 2010/06/02(水) 23:15:00.83 ID:esH8DQAO
---

美琴「木山先生が釈放されてる!?」

固法「あ、あり得ないわ!レベルアッパー事件を起こしてまだ間もないのよ!?」

佐天「木山春生って誰なんですか?」

初春「あ、佐天さんは知らないんでしたっけ…あとでちゃんと説明しますから」

美琴「待ってよ…じゃあ木山先生がスキルアウトにガセ情報を流したってこと?」

黒子「な、何のためにそんな……」

銀時「………」

銀時(まためんどくせーことになってきたらしいなオイ……)

323: 2010/06/02(水) 23:24:45.58 ID:esH8DQAO
prrrr

固法「はい、ジャッジメント第177支部……御坂さん?失礼ですがどなたですか…」

固法「はい…はい…分かりました……御坂さん、替わって」

美琴「誰からですか?」

固法「さあ…あなたに用があるらしいんだけど…話せば分かるって」

美琴「はあ……もしもし替わりましたけど?」

テレス『こんにちは御坂さん、お久しぶり…と言うほどでもないかしら?』

美琴「あなた…確かこの前の……」

テレス『テレスティーナよ……これから時間、大丈夫かしら?』

美琴「え…ええ、別に構いませんけど……何か用事ですか?」

テレス『二人きりで少しお話がしたくてね…』

美琴「……?」

324: 2010/06/02(水) 23:30:51.33 ID:esH8DQAO
---

美琴「ごめんみんな、私ちょっと行かなきゃいけないから」


銀時「誰からだ?」

美琴「この前のMARの人……私に話したいことがあるんだって」

銀時「……お前一人か」

美琴「うん、必ず一人で来てくれって釘を刺されたし」

銀時「………」

黒子「お姉さま、門限の時刻も近いんですの…長くなるお話でしたら別の機会に…」

美琴「うーん…でも行くって言っちゃったし……大丈夫、大したことない話でしょ」

美琴「それよりも木山先生についてはもう少し詳しく調べておいてよ?」

初春「分かりました」

325: 2010/06/02(水) 23:38:12.63 ID:esH8DQAO
---
同日、某所

テレス「ありがとう、よく来てくれたわね…」

美琴「お話ってなんですか?」

テレス「木山春生について…あなたに聞いてもらいたいことがあってね」

美琴「木山先生……?」

テレス「あなた…彼女が保釈されていることは知っているかしら?」

美琴「……ついさっき知りました」

テレス「そう…なら話は早いわね」

327: 2010/06/02(水) 23:51:19.57 ID:esH8DQAO
美琴「あの……いくら何でも解放されるのが早すぎると思うんですけど?」

テレス「各方面に色々と繋がりがある人が彼女の保証人になってね…そのせいよ」

美琴「でも…それにしたって……」

テレス「保証人云々はあまり重要じゃないの…問題は釈放された木山春生」

美琴「何か…問題があったんですか?」

テレス「彼女が妙な行動を起こしていると報告が入ってね…」

美琴「まさか……」

テレス「スキルアウトに嘘の情報を流していたのよ…知っていたかしら?」

美琴「そんな話は聞きましたけど…私にはどうしても信じられなくて…」

テレス「私の方でも裏は取った…事実よ」

美琴「……!」

328: 2010/06/02(水) 23:57:16.66 ID:esH8DQAO
美琴「でも…一体何のためにそんな……?」

テレス「ごめんなさい……そこまでは掴めていないの」

美琴「スキルアウトに嘘なんか教えたって何のメリットもないし……」

テレス「……私の個人的な予想だけど、聞いてくれるかしら?」

美琴「…聞かせてください」

---

テレス「じゃあまたね…さっきの話、信じる信じないはあなた次第よ」

美琴「………」

prrrr

美琴(また…電話…?)

329: 2010/06/03(木) 00:03:26.56 ID:lLpwLUAO
---
翌日、常盤台中学

銀時「はい…何か上がうるさいんで今日は少し真面目に授業します」

銀時「いいかお前らー『新』という字は後ろに付く数字でかっこよくも悪くもなる」

銀時「『新一』なら謎は全て解けた、真実はいつも一つ!になりますが…」

銀時「『新八』ならもう最悪ですね、何が最悪かって…うわ、もう例えるのも最悪です」

銀時「つーわけで選択問題で迷ったら無難に②か③を選びましょう」

生徒「先生、そこは①じゃないんですか」

銀時「確かに①は格好いいですが基本的にバーローなのでダメですね」

美琴「………」

330: 2010/06/03(木) 00:05:56.61 ID:lLpwLUAO
---
同日、放課後

美琴「………」

銀時「何をぼけっとしてやがんだお前…ハンターハンター休載がそんなにショックか?」

美琴「……ちょっと考えてることがあってね」

銀時「……木山春生のことか?」

美琴「………」

美琴「昨日の夜」

銀時「ん?」

美琴「みんなと別れてから…私はあのテレスティーナって人と話をした」

美琴「その後に……」

銀時「…その後に?」

美琴「……ううん、やっぱり何でもない」

銀時「………」

331: 2010/06/03(木) 00:13:58.83 ID:lLpwLUAO
ちょっとしか進みませんでしたが今日はここで止めさせてください…
今週中には必ず終わらせますから

銀八「>>326、違うからね…気が付いてなかったわけじゃ決してないからね?」

346: 2010/06/03(木) 21:00:55.46 ID:lLpwLUAO
銀八「思ったんだけどさ、人類全員が天パになればそもそも天パって概念が消えるよな
これもう人類天パ計画を推進するしかなくね?」

再開します

348: 2010/06/03(木) 21:05:59.92 ID:lLpwLUAO
---
夜、病院

美琴「………」

木山「思っていたより…早い再会となったな、嬉しい限りだ」

美琴「………」

木山「すまないね、昨日は夜遅くに電話をしてしまって…」

美琴「……私に頼みたいことって?」

木山「いきなり本題だな……まあいい、率直に言うが君の力を貸してくれないか?」

美琴「私の力…?」

349: 2010/06/03(木) 21:12:26.69 ID:lLpwLUAO
木山「君は……テレスティーナという女を知っているか?」

美琴「!」

木山「……その反応では知っているようだな」

美琴「あの人が……何か?」

木山「……彼女から『置き去り』の子供たちを守ってもらいたい」

美琴「ま…守るって……第一子供たちの居場所なんか…」

木山「……ついてきてくれたまえ、こっちだ」

銀時「はいはい、こっちね」

美琴「いや待ちなさいよアンタ」ガシッ

350: 2010/06/03(木) 21:30:18.20 ID:lLpwLUAO
木山「…君も一緒に来ていたのか?目立たないよう個別に連絡を取るつもりだったが…」

美琴「何でアンタがいるのよ、私は一人でこっそりここに来たんだけど?」

銀時「その…アレだ、ルーラの呪文使ったら何かここにいてだな……」

美琴「……つけてきたのね?」

銀時「……ピカチュー」(銀時裏声)

美琴「ごまかすんじゃない!」バキッ

木山「まあいいさ…二人とも一緒に来るといい」

銀時「ピカチュウみてーな力持ってる奴に殴られるピカチュウってどんな絵面?」

美琴「アンタはピカチュウじゃないでしょ!」

351: 2010/06/03(木) 21:37:18.28 ID:lLpwLUAO
---

木山「ここだ…」

美琴「こ…これって……?」

木山「『置き去り』の…私の大切な教え子たちだ……」

美琴「何で…何でこの子達がここの病院に……?」

冥土帰し「僕が集めたんだよ」

銀時「じ、人面ガエル!?」

冥土帰し「ははは、せめてカエル人間と呼んでほしかったね……」

銀時「……うん、何かゴメン、とりあえずゴメン」

冥土帰し「…何故か子供からのウケはやたらと良くてね」

銀時「……分かった、じゃー俺ァアンタのことを敬意を込めて軍曹って呼ぶわ」

美琴「………」

352: 2010/06/03(木) 21:48:33.75 ID:lLpwLUAO
美琴「話を戻すけど…何でこの子達はここにいるの?」

冥土帰し「この子たちが実験で犠牲になったことは僕も知っていてね…」

冥土帰し「医師として……この子達をなんとか目覚めさせたいと思ったんだよ」

冥土帰し「僕は学園都市じゃ顔が効くからね…全員を集めるのはそう難しくなかった」

木山「先生には本当に感謝している…私の保釈にも協力してくれたんだからね」

木山「おかげで治療の目処も立ってきている……だが気になることが一つあってね」

銀時「ああ、それがテレサ…」

木山「いやテレスだ」

353: 2010/06/03(木) 21:52:27.20 ID:lLpwLUAO
美琴「…テレスティーナさんが何かあったの?」

木山「彼女はどういうわけかこの子達を探している…嫌な予感がしてね」

木山「どうあってもこの子達を探し出したい…そんな執念に近いものを私は感じた」

木山「私の保釈がこれほどまでに滞りなく済んだのも…もしかしたら……」

美琴「……あの人が裏で手を回したってこと?」

木山「……可能性は大きいだろうな」

木山「おそらく…彼女は私を泳がせてこの子達の居場所を突き止めるつもりだろう」

美琴「………」

354: 2010/06/03(木) 22:09:37.26 ID:lLpwLUAO
美琴「私……昨日テレスティーナさんと二人きりで話をした」

木山「彼女と……?」

美琴「その話を聞いて私……色々なことであなたのことを疑っていたの」

木山「わ、私のことを…疑う…?」

美琴「でも今の話を聞いたら…もうどうすればいいか…どっちを信じればいいのか…!」

木山「……?」

銀時「オイ…お前一体……」

テレス「そこまでよ」

木山「!?」

355: 2010/06/03(木) 22:16:06.74 ID:lLpwLUAO
木山「なっ…何故ここに……!」

テレス「ごめんなさい御坂さん、あなたの後をつけさせてもらったわ」

美琴「!」

銀時「何だよオイ、ストーカーですかコノヤロー」

冥土帰し(いや君もこっそり後をつけてきたんじゃ……)

木山「何の用でここまで来た!」

テレス「決まっているでしょう?その子達を保護するのよ」

テレス「その子達のことを思うなら…引き渡してくれるわよね?」

木山「……断ると言ったら?」

テレス「残念だけど令状もあるの、拒否は出来ないわ」

冥土帰し「……令状は本物のようだね」

木山「……!」

356: 2010/06/03(木) 22:22:29.28 ID:lLpwLUAO
銀時「……よう、一つ聞かせてくれや」

テレス「何かしら?」

銀時「テメー…御坂に何を吹き込みやがった?」

テレス「吹き込んだなんて心外ね…私はただ自分の意見を伝えただけよ?」

銀時「……?」

357: 2010/06/03(木) 22:23:54.90 ID:lLpwLUAO
---
昨晩、某所

テレス「スキルアウトに偽情報を流した目的……それはおそらく、ある実験のためよ」

美琴「実験って…スキルアウトを使ってですか?」

テレス「ええ、しかも…スキルアウトにしか出来ない実験ね…」

美琴「……?」

テレス「キャパシティ・ダウン…と言うものは知ってるかしら?」

美琴「それって……まさかあの演算を阻害する妙な音のことですか?」

テレス「……それ、誰が作ったんだと思う?」

美琴「そんなの全然検討が……ま、まさか…!」

テレス「木山春生…」

358: 2010/06/03(木) 22:30:29.20 ID:lLpwLUAO
美琴「何の根拠があってそんなこと……」

テレス「確かに根拠はないわ……でも考えてみて」

テレス「あなた……能力者の演算を妨害する装置なんて簡単に作れると思う?」

美琴「……思いません」

テレス「演算能力…それを聴覚だけで妨害する装置を作れる人間なんてごく一部よ」

テレス「それに…木山春生は音で能力を上げるレベルアッパーを作ったこともあるわ」

テレス「彼女なら音で能力レベルを下げることだって不可能じゃないはずよ…」

美琴「……!」

359: 2010/06/03(木) 22:37:00.31 ID:lLpwLUAO
美琴「でも…そんなものをスキルアウトに流したとして何の意味が…」

テレス「彼らと能力者を戦わせて…装置が上手く作動するか試したんでしょうね」

美琴「何のためにそんなことを!能力者のレベルを下げるなんて……」

テレス「あなたのせいよ…」

美琴「え…?」

テレス「あなたはレベルアッパー事件の際、木山春生を止めたでしょう?」

テレス「計画を邪魔された彼女は高位の能力者を無力化出来る装置を作った…」

テレス「そして…あわよくばスキルアウトにあなた達を討たせようとした……」

テレス「こう考えれば…全ての辻褄が合うと思わない?」

360: 2010/06/03(木) 22:43:54.36 ID:lLpwLUAO
美琴「でも…私はあの人と約束を…子供たちを助けるのに協力するって……!」

テレス「彼女は…その子たちを助けることにしか目を向けていないの……」

テレス「でも…そんな心理に捕らわれてしまっている彼女も言わば被害者の一人…」

テレス「私は……彼女のためにも子供たちを保護したいのよ」

美琴「………」

361: 2010/06/03(木) 22:59:55.43 ID:lLpwLUAO
---

木山「き…貴様……何故そんなデタラメを恥もなく口にすることが出来るんだ…!」

木原「繰り返すけど…私はただ自分の考えを伝えただけ、受け取り方は聞き手次第よ」

美琴「………」

木山「彼女の話は間違っている!私はスキルアウトを使った実験など…」

木山「まして…キャパシティダウンなど作っていない!」

テレス「……これ以上の問題は無駄ね、子供たちは回収するわ…いいわね、御坂さん?」

美琴「……子供たちに絶対危害を加えないって約束…してくれるなら」

木山「……!」

テレス「…保護しろ」

364: 2010/06/03(木) 23:07:58.46 ID:lLpwLUAO
銀時「……待てよ」

テレス「何かしら?」

銀時「経験上…裏でコソコソ動き回るテメーみたいな奴は一番信用ならねェんだよ」

銀時「それに…ガキ連れて行くだけの割にはずいぶん武装した奴らが多いじゃねーか」

銀時「フル装備で武装してるヤローに大切なモンなんざ渡せるか…」

銀時「それに…俺ァ個人的にテメーみたいな野郎は気に食わねェ……!」

テレス「……残念だわ、あなたの理解は得られなかったみたいね」

テレス「でも……あなたの意志なんて関係ないわ、これは命令で確定事項よ?」

銀時「知ったこっちゃねーよ…俺ァどこでもてめーのルールで生きてんだ」

368: 2010/06/03(木) 23:19:26.60 ID:lLpwLUAO
テレス「フ…面白いこと言うのね、でも止めた方がいいわ」

テレス「こんな所で暴れちゃ…子供たちも巻き添えで怪我しちゃうかもしれないしね?」

銀時「………」

木山「頼む…あと少し待ってくれ…あと少しでワクチンソフトが完成するんだ……!」

テレス「無理よ……運び出せ」

部下「了解」

369: 2010/06/03(木) 23:26:06.50 ID:lLpwLUAO
---

木山「………」

銀時「……ワリーな、まさか子供らを逆に人質にされるとは思わなくてよ」

木山「……君が気に病むことはない、あそこまで言ってくれてむしろ感謝したいくらいだ」

銀時「……」

木山「だがあと一歩…いつも私はあと一歩で何かに阻まれる……」

木山「これが…私の運命だと言うのか……!」

銀時「まだだ……」

木山「……?」

銀時「乗り掛かった船だ…俺ァ今さら見捨てたりはしねーよ」

木山「………」

372: 2010/06/03(木) 23:31:38.02 ID:lLpwLUAO
木山「だが…もうあの子たちは……」

銀時「……治療する目処が立ったとか言ってたけどよ、そいつぁどんなもんなんだ?」

木山「ワクチンソフトはほぼ完成している…あとは『ファーストサンプル』だけだ」

銀時「『ファーストサンプル』…?」

木山「あの子達が犠牲となった実験の核となる物質だ…それが手に入り解析出来れば…」

木山「あの子たちは…あの子たちは……!」

銀時「……何にしても、やられっぱなしってのは面白くねェよな」

木山「……?」

銀時「次は…こっちからアイツらんとこ乗り込んでやらァ」

木山「!?」

379: 2010/06/04(金) 04:12:34.01 ID:AZ0dG2AO
三年Z組ー銀八先生

銀八「………」

美琴「先生、何読んでるんですか?」

銀八「これアレだよ、長谷川さんがいい働きしてるヤツ、無職なのに」

美琴「は…?」

銀八「いやーシンジさんかっけーっな、洞爺湖持って無双した時は震えたね、マジで」

銀八「ギャグも面白いしセリフうめーし…やべーよこれ、完成度高けーなオイ」

美琴「ちょ、あの……何か分かんないけど結構ギリギリの話してない?」

銀八「これアレかな、俺も乗れんのかね、エヴァ」

美琴「アンタ何の話してんの!?よその話持ち出すってそれ完全にアウトでしょ!」

銀八「我々スタッフは万事屋ファミリーのシンジ君を応援しています」

美琴「ねえお願いだから誰かアイツ黙らせて!?ホントに怒られるから!」

394: 2010/06/04(金) 23:17:23.03 ID:AZ0dG2AO
>>393
銀八「メガドライブって名作多かったらしいけどもはや希少種だよな
ちゃぶ台ひっくり返すお父さんくらい絶滅危惧種じゃね?」

明日、明後日に繋げる程度ですが少しだけ進みます

395: 2010/06/04(金) 23:22:59.77 ID:AZ0dG2AO
銀時「テメーにゃ面倒掛けねーよ…何なら俺一人で行ってやる……」

木山「ダメだ…MARに単身で乗り込むなんて正気の沙汰じゃない!」

銀時「……何か他に方法があんのか?」

木山「……明日、私は今までの研究データを持って彼女のところに行くつもりだ」

木山「もし…彼女が本当にあの子たちを救おうとしているのならきっと役に立つ…」

銀時「……なら、そん時は俺も一緒に行かせてもらうぜ」

397: 2010/06/04(金) 23:25:45.69 ID:AZ0dG2AO
木山「……あの子はどうするつもりなんだ?」

銀時「御坂の奴は…来ねーほうが良いだろうな、今のアイツは心が揺れちまってる」

銀時「テメーとあの女…どっちが正しいのか判断が付かねーで迷ってんだ」

木山「………」

銀時「否定しちゃいるがアイツはまだまだガキだ……他人を疑うことを知らねぇ」

銀時「少なくともテレサの奴は本気で子供らを救う気がある…とか考えたんだろ」

木山「いやテレスだ」

銀時「そうだったのか」

木山「また間違えたな」

銀時「全く気が付かなかった」

398: 2010/06/04(金) 23:29:19.76 ID:AZ0dG2AO
木山「それで……君はどうなんだ?」

銀時「?」

木山「君は…あの話を聞いてもほとんど揺らがす私の側に付いてくれたが……」

木山「あの女の話が正しい…そうは思わなかったのか?」

銀時「…俺ァ他人の言うことを簡単に信じられるほどお人好しじゃねーよ」

木山「それだけで…何の根拠もなく私のことを信じたのか……?」

銀時「根拠なんざなくたって構いやしねェ……それに、根拠ならあるじゃねーか」

木山「…?」

銀時「…てめーの魂だよ」

400: 2010/06/05(土) 11:08:46.27 ID:WbYROsAO
寝落ちしてしまいました…申し訳ないです

402: 2010/06/05(土) 11:21:26.66 ID:WbYROsAO
木山「……フ」

銀時「笑ってくれるなよオイ、俺ァふざけていったわけじゃねーぞ?」

木山「いや…非科学的だが……そういうのは嫌いではないよ」

銀時「…そーかい、そいつは何よりだ」

木山「彼女を連れていけないとなると…明日は私と君、二人だけか?」

銀時「いや…三人だ」

木山「?」

銀時「俺と御坂以外にもう一人…テメーに協力するってヤツがいただろ?」

木山「……ああ、彼女か」

403: 2010/06/05(土) 11:27:15.56 ID:WbYROsAO
---
翌日、MAR拠地

テレス「あら…それでわざわざデータを持ってきてくれたの?」

木山「……」

白井「あの…『置き去り』の子供たちに会わせていただけません?」

テレス「それは無理ね…あの子達はもっと大きな施設に移すことになったの…」

木山「なっ…!」

銀時「…ずいぶんと手厚く扱うじゃねーか、そんなにあの子供らが大事なのか?」

テレス「あら、患者を大切に扱うのは当然のことでしょう?」

銀時「………」

部下A「木原所長、そろそろお時間です」

テレス「…すぐに行く」

404: 2010/06/05(土) 11:37:15.16 ID:WbYROsAO
木山「木原…?」

テレス「知らなかった?私のミドルネームは木原……」

テレス「テレスティーナ・木原・ライフライン…それが私の本名よ?」

木山「!?」

黒子(木原……?)

木山「……き、貴様ァァァ!!」

テレス「フフッ…」

ガッ!

木山「うぐっ…あ…」

黒子「き、木山先生!」

テレス「残念ね……あなたたちにはもう出て行ってもらうわよ」

銀時「…ちょっと待てや、クリスチーネ・剛田・ジャイ子」

406: 2010/06/05(土) 11:50:27.59 ID:WbYROsAO
テレス「あら…ずいぶんと口が悪いのね」

銀時「端からテメーが気に食わなかったけどよ…ようやく尻尾出しやがったな」

テレス「…それで、一体何をするつもりなのかしら?」

銀時「俺たちが探してるガキたちはここにいんだろ?だったら話は早いじゃねーか」

テレス「フフ…無理やりにでも連れて行くつもり?そんなことが出来るとでも?」

銀時「やってみなきゃ分からねェだろ…」

テレス「私が一声でもあげれば…たちまちあなたは武装兵たちに包囲されるのよ?」

銀時「願ったり叶ったりだよ、俺にしてもテメーら総出で来てくれたほうが好都合だ」

銀時「このふざけた実験が二度と出来ねェように…テメーらまとめて潰してやらァ」

407: 2010/06/05(土) 12:00:01.52 ID:WbYROsAO
テレス「あなたって本当にユニークなのね……でも残念」

ズラッ

銀時「!」

テレス「あなた達は最初から囲まれていたのよ……既に私たちの手の中…」

木山「……!」

銀時「…俺がテメーに戦いふっかけることまで予想してたってわけかオイ」

テレス「ずいぶんと余裕ね……このだけの兵から逃げられるとでも?」

銀時「持っててよかったですのーと」

黒子「誰がデスノートですの!」

ヒュン

テレス「テレポート……なるほどね、あのジャッジメントの子か」

408: 2010/06/05(土) 12:16:03.37 ID:WbYROsAO
---
某所

銀時「いやーなかなかヤバかったなオイ」

黒子「あんな挑発までして無茶しすぎですの!万が一のことがあったら…」

銀時「まままま、とりあえず三人とも助かったわけだし?」

黒子「いやそういう問題では……」

銀時「それよか…ヤローの正体をようやく掴んでやった……」

銀時「これで俺も大っぴらに動けるってもんよ」

黒子「今までも十分大胆に動いてらしたではありませんの……」

銀時「あ、ワリー…テメーら先に戻ってろ」

黒子「あなたは?」

銀時「寄り道しなきゃならなくてな、大した時間は掛からねェよ」

銀時「それと…事の成り行きの説明はテメーからしてやっといてくれや」

黒子「……分かりましたの」

410: 2010/06/05(土) 12:35:18.30 ID:WbYROsAO
---
同日、ジャッジメント第177支部

黒子「……というわけですの」

初春「じゃあ…木山先生の子供達は…!」

黒子「……残念ながら取り返せませんでしたわ」

美琴「黒子……もう一度だけ確認させて」

黒子「?」

美琴「テレスティーナは……『敵』だったのね?」

黒子「……ええ」

美琴「……!」

411: 2010/06/05(土) 12:54:36.81 ID:WbYROsAO
---
同日、某所

銀時「すいまっせーん、あのー黄泉帰りさんってここにいませんかー?」

黄泉川「黄泉帰りって……」

鉄装「呼ばれてますよ、黄泉帰りさん」

黄泉川「あんたも悪ノリするんじゃない!」ゴンッ

鉄装「痛っ!ぶ、ぶたなくたっていいじゃないですかー…」

黄泉川「はぁ……で、何の用じゃん?」

銀時「……ちっとばっか話でもしようや」

黄泉川「……?」

413: 2010/06/05(土) 13:09:44.29 ID:WbYROsAO
---
同日、ジャッジメント第177支部

佐天「そういえば……銀時先生はどうしたんですか?」

黒子「さあ…少し寄り道をすると…この事態に一体何を……」

銀時「ようテメーら、遅くなっちまったな」

初春「先生!今までどこにいたんですか?」

銀時「気にすんな、ちょっとした野暮用で………」

銀時「……オイ、御坂のヤツはいねーのか?」

黒子「お…お姉さま……?」

初春「あれ…そ、そう言えば……」

固法「て、テレスティーナについて調べたりしてたから気付かなかったけど…」

佐天「ま、まさか…責任を感じて一人で…?」

銀時「…あの馬鹿!!」

初春「あっ、銀時先生どこに!」

414: 2010/06/05(土) 13:23:29.33 ID:WbYROsAO
---
同日、某所

美琴「………」

テレス「来ると思ってたわよ御坂さん」

美琴「準備万端ってわけ…そんな駆動鎧なんか身に付けちゃって……」

テレス「………」

美琴「一体何が目的なの…木山先生の子供達を集めて…何をしようとしてるの!」

テレス「ク…アハハハハ!」

美琴「!」

テレス「そんなことわざわざ教える奴がいると思ってんのかよ、バァーカ」

美琴「力づくでも聞かせてもらうわよ!!」バチバチ

テレス「フン……」

キィィン

美琴「!?」

美琴(こ、この音…まさか……!)

美琴「き、キャパシティダウン……!」

416: 2010/06/05(土) 13:37:53.75 ID:WbYROsAO
---
同日、某所

銀時「はぁ…はぁ…」

婚后(あら?あそこを走っていらっしゃるのは……)

婚后「ちょっとあなた、何をそんなに急いでいらっしゃるのかしら?」

銀時「ワリーが急いでんだ!お前と放課後ティータイムやってる時間なんざねえ!」

婚后「だから!何をそんなに急いでいるのかと聞いているんですのよ!」

銀時「あれだ、ピカチュウがやべえんだよ…!」

婚后「み、御坂さんが!?」

銀時(あれ?ピカチュウで通じた?)

婚后「事情はよくわかりませんが…私も行きますわ、大切な友人の危機でしたら!」

419: 2010/06/05(土) 13:52:17.50 ID:WbYROsAO
---

美琴「はぁ…はぁ…」

テレス「あんたが馬鹿正直で正義感が強かったおかげで計画通りに進んだわ…」グッ

美琴「うっ…うあ……」

美琴(い、息が……)

テレス「私はあなたを利用して『置き去り』を見つけようと考えた…でも……」

テレス「木山春生にあなたが協力されると厄介…あなたに嘘を吹き込んだのよ」

テレス「そしてあなたは木山春生に対して疑惑を抱いた…私の思い通りにねぇ」

テレス「今だから教えてあげる…キャパシティダウンを作ったのもそれを流したのも…」

テレス「ぜーんぶ私よ……アハハハハハ!」

美琴「うっ……ぐ…………」

テレス「フン……オイ、面白ェサンプルが手に入った、誰か運んどけ」

420: 2010/06/05(土) 14:01:52.96 ID:WbYROsAO
---

美琴「………」

隊員A「こいつか?」

隊員B「ああ、早く運んどこう」

銀時「…ちょっと待てやモビルスーツ」

婚后「その方を私、婚后光子の友人と知っての振る舞いでして?」

隊員A「なっ…何だお前ら!?」

婚后「私は婚后光子、御坂さんの同級生ですわ」

銀時「マサラタウン出身のサトシだ」

422: 2010/06/05(土) 14:07:10.13 ID:WbYROsAO
---
病院

美琴「んっ……?」

佐天「あっ!み、御坂さん!大丈夫ですか?」

美琴「私…どうして…」

黒子「あの殿方と婚后光子が気を失ったお姉さまを…」

美琴「そう…あの二人が……今どこにいるの?」

黒子「婚后光子は廊下で自分の活躍ぶりをひけらかしておりましたが…」

佐天「銀さん…御坂さんを病院に運んできたらすぐにどこかに行っちゃったらしくて…」

426: 2010/06/05(土) 15:04:16.59 ID:WbYROsAO
美琴「まさか…アイツ一人で乗り込んだんじゃないでしょうね…!」

黒子「ま、まさか……」

美琴「ううん、アイツならやりかねない!」

銀時「誰が馬鹿だこのウスラバカ」

美琴「あ…アンタ…!」

銀時「一人で突っ込んで行きやがって…猪かテメーは」

黒子(あなたもあまり人のことは言えない気が……)

初春「テレスティーナ・木原について…色々と分かったことがあるんです」

木山「……良い機会だ、私からも詳しく説明しておこう」

427: 2010/06/05(土) 15:07:39.40 ID:WbYROsAO
---

黒子「能力体結晶の投与実験……?」

木山「……ああ」

銀時「で、その実験やらかした奴の孫があのヤローってわけか……」

木山「まずい……あの子たちが危険だ!」

美琴「……私のせいよ」

銀時「………」

美琴「私がアイツの話を信じちゃったから…木山先生のことを疑ったから……!」

美琴「……私がやらなきゃいけない、必ず子供達は助ける」

黒子「お、お姉さま!」

美琴「どいて黒子…今回のことは全部私に責任がある!」

銀時「………」

428: 2010/06/05(土) 15:15:51.68 ID:WbYROsAO
銀時「お前…今どこにいるんだ?」

美琴「え……?」

佐天「御坂さん…あなたの目には今、何が見えていますか?」

美琴「それは…佐天さんと……」

銀時「嘘だな」

美琴「……?」

銀時「テメーの目には何も映ってなんかねーよ…」

美琴「………!」

429: 2010/06/05(土) 15:35:02.56 ID:WbYROsAO
銀時「誰もテメーのことを責めてなんかいねェ…一人で抱え込んでんじゃねーよ」

美琴「でも…私が……」

銀時「お前…ガキが一人で何でも出来ると思ってんのか?」

美琴「………」

黒子「お姉さま…私たちはいつだって側におりますの、ですから……」

初春「辛いときや苦しいとき……きっと力になれます!」

佐天「それが…友達じゃないですか」

美琴「……!」

431: 2010/06/05(土) 15:56:58.89 ID:WbYROsAO
銀時「道に迷ったなら戻りゃいい…間違ったんならやり直しゃいい……」

銀時「テメーはテメーなんだからな……いつまでも逃げてるんじゃねーよ」

美琴「……」

銀時「もし…テメーが自分の中に閉じこもって出てこられねぇなら……」

銀時「俺たちが…そこから引きずり出して真っ直ぐ前見て歩けるようにしてやらァ」

美琴「……ごめんみんな…本当に…ごめん…!」

佐天「御坂さん…」

美琴「木山先生も…私、なんて謝ったらいいか……!」

木山「……君が心を痛めることはないさ」

銀時「……さーてこっからだ…行くぜテメーら、ヤローを潰しにな…!」

441: 2010/06/05(土) 17:58:29.87 ID:WbYROsAO
再開します

---
某所

テレス「ブラウンマーブル、そっちの手はずは整ってるか?」

『こちらブラウンマーブル、準備完了しています』

テレス「イ工口ーマーブル、そっちに動きはあったか?」

『イ工口ーマーブルより伝令、敵は青い車とバイクに乗って動き始めました』

テレス「く…ククク……茶番は終わりだ…」

442: 2010/06/05(土) 18:03:37.62 ID:WbYROsAO
---
高速道路

木山「こっちの道で合ってるのか?」

初春「テレスティーナはこっちへ向かっていました、間違いありません!」

佐天「そう言えば…アンチスキルとかは動いてくれないのかな?」

初春「何度も連絡を取ったんですが…一度も繋がらないんです」

佐天「……私たちだけでやるしかないんだね」

木山「…少し飛ばす、しっかり捕まっているんだ」

443: 2010/06/05(土) 18:09:42.15 ID:WbYROsAO
銀時「テメーらも捕まってろ、俺ァバイク事故に関しちゃ誰にも負けねェ自信がある」

黒子「それ、全然自慢になりませんの……例えばどんな事故を?」

銀時「忍者はねたりバイクが爆発して地上30メートルから川に落下したり…」

黒子「いやそれはもはや事故というレベルの限界を越えてません!?」

銀時「レベルの限界を超える…あれ、じゃあ俺がレベル6なんじゃね?」

黒子「いやもういいですの、あなたしばらく黙っててくださいな」

美琴「………」

木山(何なんだ、この緊張感のなさは……)

444: 2010/06/05(土) 18:20:38.25 ID:WbYROsAO
木山「……ん?あ、あれは……?」

駆動兵A「来たぞ!」

木山「待ち伏せ…動きを読まれていたのか……!」

銀時「オイオイ…ずいぶんと豪華なお出迎えじゃねーか、何人いんだよこれ?」

黒子「少なくとも…両手の指だけでは全然足りませんわね」

美琴「マズい…これ全部相手にしてる時間なんか……」

445: 2010/06/05(土) 18:24:24.09 ID:WbYROsAO
黄泉川「お前ら!下がってるじゃん!」

美琴「え……?」

初春「よ、黄泉川先生!?」

黄泉川「A部隊!突破口を開くぞ!あたしに続け!!」

鉄装「了解です!」

美琴「何で…アンチスキルとは連絡が取れなかったんじゃ…?」

黄泉川「……誰かさんに二回も言い負かされて…黙ってるわけにいかないじゃん?」

佐天「誰かさん…?」

447: 2010/06/05(土) 18:30:58.12 ID:WbYROsAO
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遡ること…>>411

銀時「……つーわけだ」

黄泉川「木原が…やっぱりか……」

銀時「知ってたのか?」

黄泉川「確信は持てなかったが…奴の組織が怪しいってことは掴んでたじゃん」

銀時「そいつはラッキーだったな…じゃあ手ェ貸し……」

黄泉川「そういうわけにもいかないんだよ…ウチらにも限界があるじゃん」

黄泉川「確たる証拠と上の許可が降りない限り…動くことは出来ない」

銀時「いいじゃねーか少しくらい…事件は会議室で起きてるんじゃねーんだぞ?」

黄泉川「それは……」

銀時「ま…テメーも立場があんだろうしよ、あんまり無茶は言わねーけどな……」

銀時「テメーらが一番守らなきゃならねーモンは何か…もう一度考えてくれや」

黄泉川「………」

448: 2010/06/05(土) 18:35:39.24 ID:WbYROsAO
---

佐天「そんなことが…」

黒子「あの時の寄り道とはこの……!」

黄泉川「これが一度目…そして二度目はついさっきさ……」

初春「まさか…御坂さんを病院に運んだ後に…?」

黄泉川「二度目は『テメーらが動かねェなら…俺ァ一人でもアイツら守る』…」

黄泉川「そう啖呵を切られてね…そこまで言われて黙ってるあたしじゃないじゃん!」

初春「じゃあ…全然アンチスキルと連絡が付かなかったのは……?」

黄泉川「多分…上から何か言われたら面倒だから連絡回線を全部ぶった切ったせいじゃん」

初春「そ…そこまでして……」

449: 2010/06/05(土) 18:41:37.76 ID:WbYROsAO
黄泉川「とにかく!ここはあたしらに任せて早く子供たちを助けに行くじゃん!」

銀時「……お前、立場とか問題ねーのか?」

黄泉川「あたしは立場とあんたらの命を天秤に掛けるような人でなしじゃないじゃん」

銀時「……やるじゃねーかオイ」

黄泉川「その代わり…今度一杯奢りなよ、上手い屋台があるからさ」

銀時「ああ…酒ならいくらでも付き合うぜ…」

木山「……行こう」

452: 2010/06/05(土) 18:57:59.33 ID:WbYROsAO
---
第23学区、研究所入口

駆動兵「来たぞ!ここは通すな!」

美琴「こ、ここにまでこんな……!」

銀時「次から次にワラワラ湧いて来やがって……白アリかよコイツら」

美琴「くっ……」バチバチ

銀時「よせ……ここは俺がやってやる、テメーは力温存しとけ」

美琴「バカ…あんた一人じゃ無理よ…駆動鎧なしのスキルアウトとは違うんだから」

銀時「………」

454: 2010/06/05(土) 19:01:24.02 ID:WbYROsAO
黒子「心配は要りませんわ…」

美琴「黒子?」

黒子「私がこの殿方と共に…それでよろしいでしょう?」

美琴「いや、でも……」

銀時「あーもうごちゃごちゃ言ってねーで早く行け!」

黒子「こうしている間の時間さえ惜しむべきですの……さあ、お姉さま」

美琴「……分かったわ」

457: 2010/06/05(土) 19:13:59.04 ID:WbYROsAO
駆動兵B「止めろ!一人もここを通すな!」

銀時「やるぜ…白井……!」

黒子「ええ…行きますわよ……!」

銀時「ウラアアァァ!」

バキッ!!

駆動兵B「ぐあっ!」

駆動兵C「さ、最新式の駆動鎧を一撃で……!」

銀時「ウオオアアアァァ!!」

バキッ、ドゴガッ!!

458: 2010/06/05(土) 19:22:08.17 ID:WbYROsAO
駆動兵C「ち、調子に乗るな!」

ドドドン!!

銀時「!」

キキィン!

駆動兵D「……だ、弾丸を木刀で防いだ…?」

駆動兵C「ひ、怯むな!一斉に射撃しろ!」

黒子「!」

ダダダダンッ!

駆動兵C「やったか……?」

黒子「残念でしたわね…!」

駆動兵C「なっ……!」

銀時「ウチのですのーと舐めるんじゃねーよ!」

ドゴッ!

駆動兵C「ぐはっ!」

460: 2010/06/05(土) 19:31:02.87 ID:WbYROsAO
駆動兵D「くっ……」

銀時「はっ…まだまだいやがるな……」

黒子「これは一筋縄では行きませんわね……」

銀時「白井!俺より先にばてるんじゃねーぞ?」

黒子「あらあら、そちらこそ…私の足を引っ張らぬように…」

銀時・黒子「俺(私)の背中…テメー(あなた)に預けたぜ(ますわ)!」

銀時・黒子「ハアアアアァァ!!」

481: 2010/06/05(土) 21:55:37.22 ID:WbYROsAO
---
研究所、中央管制室

木山「どうだ…見つかりそうか?」

初春「待っててください……見つけました!一カ所だけ消費電力が大きい……」

初春「おそらくここの最下層ブロックに子供たちはいます!」

木山「急がなければ…子供たちが!」

佐天「白井さんと銀さん……大丈夫かな?」

美琴「あの二人なら大丈夫……信じましょう」

482: 2010/06/05(土) 21:58:16.74 ID:WbYROsAO
---
最下層フロア、手前

初春「この次です!急ぎましょう!」

美琴「……妙ね、中には待ち伏せが一人もいないなんて」

美琴「そりゃそんなに多くはいないと思ってたけど…見回りくらいはいたって……」

佐天「たしかに変ですよね、何か罠があるんじゃ……」

テレス「何の心配をしてんだぁ?」

美琴「!」

483: 2010/06/05(土) 22:08:40.67 ID:WbYROsAO
---
研究所、入口

駆動兵「………」

黒子「はぁ…はぁ……こ、これほどキツいお仕事も初めての経験でしたわね……」

銀時「………」

黒子「……どうかなさったので?」

銀時「いや…あの…さっき何回もテレポートしたじゃん?お前と一緒に」

黒子「ええ……連続してのテレポートも何度かありましたわね」

銀時「そのせいあれだ…何か浮遊感みてーなのが……そんであんだけ動いたら……」

黒子「動いたら……?」

銀時「き、気持ち悪っ…うっ……」

黒子「………」

486: 2010/06/05(土) 22:38:17.45 ID:WbYROsAO
黒子「全くあなたは…本当に……」バタッ

銀時「お、オイどうした!?」

黒子「生命エネルギーを使い果たして…私もあと数分の命ですわね……」

銀時「お…オイ!何とかならねぇのか!い、医者ァァァ!」

黒子「嘘ですの」

銀時「謝れェェェ!全身全霊込めて心配した俺に謝れェェェ!!」

488: 2010/06/05(土) 22:45:34.89 ID:WbYROsAO
黒子「ですが…少々疲れてしまったようですわ」

銀時「………」

黒子「まさかあなたより先にばててしまうとは…私もまだまだですわね」

銀時「へっ……そのひねくれた口が聞けるなら上等だよ、ほら肩貸してやるから」

黒子「肩車ですの?」

銀時「いや逆にその選択肢がお前にあるの?肩車とか俺が恥ずかしいんだけど」

黒子「ですわね」

490: 2010/06/05(土) 22:56:20.46 ID:WbYROsAO
---
研究所、内部

テレス「よくここまで来たじゃねえか、ご苦労さぁん!」

美琴「今度は逃がさないわ……必ず子供たちは返してもらうんだから!」

テレス「……オイお前ら、出てこい」

ズラッ

美琴「今までで一番多い駆動兵……!」

テレス「ハナからテメエらはまとめてここでぶっ頃す予定だったんだよ」

美琴「やれるもんならやって……!」バチバチ

美琴(待って…『最初からここで』私たちを……?)

美琴「ま、まさか……」

キィィン!

美琴「ぐっ……」

初春「うあっ……」

木山「ど、どうしたんだ君たち!」

佐天「まさか…この音が……?」

491: 2010/06/05(土) 23:05:39.72 ID:WbYROsAO
テレス「テメエらのことだ…『研究所の中にいる兵は少人数』とでも思ったんだろ?」

テレス「大切な研究所が壊れちまったら実験どころじゃねえ…ってなぁ!」

美琴「くっ……」

テレス「だから『研究所の中にまでキャパシティ・ダウンが仕掛けられてる』なんざ…」

テレス「馬鹿なテメエらは考えもしなかったんだろ!」バキッ!

美琴「うあっ……!」

木山「や、止めろォ!」

テレス「貧弱な科学者があたしに楯突くんじゃねえよ」ドゴッ

木山「あ……ぐ……!」

492: 2010/06/05(土) 23:13:48.90 ID:WbYROsAO
テレス「フン…このままテメエらがなぶり殺されんのを見るのも面白ぇな……」

テレス「オイお前ら…やれ……」

美琴「!」

木山「や、止めろ……」

銀時「あのーすいまっせーん!俺ァそういうプレイは嫌いなんですけどー」

木山「!?」

銀時「店長よぉ…女が笑って酌してくれなくなるようなことしちゃいけねーだろ?」

493: 2010/06/05(土) 23:26:26.84 ID:WbYROsAO
テレス「何だ…来てやがったのか、てっきり入口の奴らに殺されてたと思ってたよ」

銀時「一緒に歩いてた白井の奴が動けなくなったと思ったら…まーたこの音かよ」

銀時「喧嘩っつーのは小細工なしのサシでやんのが基本じゃねーのか?」

テレス「ならどうするよ…建物中のスピーカーをぶっ壊すか?」

銀時「………」

初春「き、聞いてください先生…これだけ性能のいい音を出せる装置は巨大です!

初春「それなら…それを制御出来るシステムを置ける場所も限られています!」

初春「この建物内でそれが出来るとするなら…さっき私たちがいた中央管制室!」

テレス「!」

494: 2010/06/05(土) 23:38:43.85 ID:WbYROsAO
テレス「やるじゃないのお嬢ちゃん、お利口ねえ」

銀時「フシギバナ…もといフッシーをバカにされちゃ困るぜ……」

初春(いやフッシーって…フシギバナのニックネーム?)

テレス「けど…どうやってそこまで行くってんだ?ああ?」

テレス「能力者はもちろん…さっき殴られた木山春生も動けねえ」

テレス「動けるのはテメーだけだ…もちろんテメーが止めに管制室に戻りゃ…」

テレス「それまでに…コイツらは全員ぶっ殺されてる……!」

銀時「!」

銀時(コイツ…気付いてねーのか……?)

佐天「………」

496: 2010/06/05(土) 23:50:51.42 ID:WbYROsAO
銀時「……簡単な方法があるじゃねーか」

テレス「あぁ?」

銀時「要するに…俺がテメーら皆頃しにしてからその装置をぶっ壊しゃいいんだろ?」

テレス「皆頃しだ?テメー一人でか!アハハハハハ!面白え冗談言うじゃねーの」

銀時「テメーこそ冗談はその顔だけにしとけ…何その顔芸、夜神月くん気取り?」

テレス「……よっぽどぶっ殺されたいらしいな、テメエ」

佐天(今だ…敵が銀さんに注目してる間に……!)

497: 2010/06/05(土) 23:59:34.55 ID:WbYROsAO
銀時(よし、行ったみてーだな…こっからは俺の勝負だ)

銀時「御託はいい…やるのかやらねーのか、はっきりしやがれ……!」

テレス「バカもそこまで来るとムカつくんだよ……今すぐに目の前から消してやる」

銀時「テメーの言うバカの底力がどんなもんか…試してみるか?」

テレス「…動けるのは無能力者一人だけだ、数で押し潰せ!」

部下「了解!」

銀時「………」

498: 2010/06/06(日) 00:04:58.52 ID:Krt0NwAO
部下A「無能力者でパワードスーツ着た俺たちに挑むなんて…氏にたがりの馬鹿…」

バキッ!!

部下A「ぐあっ!」

銀時「よく聞け…もしテメーらがコイツらを…俺の魂を傷つけようってんなら…」

銀時「俺の刀は…鎧だろうとなんだろうと一太刀で斬るぜ…!」

部下「……」ゾクッ

テレス「ビビってんじゃねえよ!相手はたかが無能力者一匹だ!!」

部下「り、了解!」

銀時「ウオオオオオォォ!!」


---その男

---銀色の髪を返り血の雨に濡らし

---悉く敵を薙ぎ倒すその姿はまさしく

---夜叉

507: 2010/06/06(日) 14:38:12.81 ID:Krt0NwAO
---

銀時「はぁ…はぁ…」

テレス「……て、テメエ…本当に人間か?」

銀時「あとは…テメーだけだ……エヴァ初号機みてーな鎧つけやがって…」

銀時「そんなモン俺が乗りたいわ、使徒とは戦いたくねーけどよ……」

テレス「な、舐めやがって……」

銀時「お山の大将よ…次は…テメーが出て来やがれ…ケリつけようじゃねーか……!」

テレス「………」

509: 2010/06/06(日) 14:51:02.53 ID:Krt0NwAO
駆動兵「く…そ……がぁ!」

美琴「あ…危ない!まだ気を失ってない奴が!」

銀時「!」

ドンッ!

銀時「ぐっ!……ルオアアアァァ!!」

バキッ

駆動兵「がっ…!」

銀時「ちっ…足やられちまった……こいつァちっとやべーな……」

テレス「く……アハハハハハ!形勢逆転じゃねえか!」

銀時「何言ってやがる…俺ァまだ負けてねェぞ…」

テレス「立つのもやっとなくせに強がってんじゃねえ…よ!」バキッ

銀時「ぐあっ!」

510: 2010/06/06(日) 15:06:58.76 ID:Krt0NwAO
テレス「もうテメエの刀じゃ誰も守れねぇ、もう刃向かえる刀なんかねぇんだよ!」グッ

銀時「刀ならあるじゃねーか…テメーにゃ見えねえ…とっておきの刀がな……!」

テレス「あぁ?何言ってんだ?」グッ

銀時「がっ…あああ……!」

美琴(あ、あれじゃ息が…このままじゃアイツ本当に……!)

テレス「いくら粋がったって…テメエみてえなクズじゃ誰も守れやしねえよ!」

佐天『そんなことない!!』

511: 2010/06/06(日) 15:22:48.80 ID:Krt0NwAO
テレス「こ、この声……まさか中央管制室から!?まさか…何で動ける!」

銀時「言ったろうが…刀はもう一本あるってよ」

佐天『銀さんは…いつも私たちを守ってくれてた!みんなを…支えてくれてた!』

美琴「佐天さん……!」

佐天『そんな銀さんを…みんなとの思い出を……バカにするなぁ!!』

バギッ!!

512: 2010/06/06(日) 15:42:42.70 ID:Krt0NwAO
テレス「お、音が止まっ……」

ヒュン

黒子「私たちの大切な先生……返していただきますわよ!」

テレス「テメエ!テレポーターの……」

ヒュン

テレス「ちっ!この……!」

美琴「待ちなさい!こっからは私が相手してやるわよ……!」

テレス「レールガン……!」

美琴「アンタ……もう謝ったって絶対に許さないんだから!!」バチバチ

513: 2010/06/06(日) 15:53:37.91 ID:Krt0NwAO
黒子「はぁ…はぁ…せ、先生!しっかりしてくださいな!」

銀時「へっ…テメーらやるじゃねーか……やっぱ…お前らやれば出来る子だな……」

初春「そ、そんなこと言ってる場合じゃないです!撃たれた傷の手当てをしないと!」

木山「弾は貫通しているが……このままでは出血が……!」

銀時「心配すんな…こんなモンベホマ掛けりゃ一発で……」

黒子「いやあなたベホマなんか使えますの?是非見てみたいですわね」

銀時「……やべ、MP足らねえわ」

木山「………」

銀時「何その目!マジだからね!調子が良い時はマヒャドとかガンガン使えるからね!」

515: 2010/06/06(日) 16:06:37.59 ID:Krt0NwAO
テレス「もういいわかったよ……テメーらまとめてぶっ頃してやる!」

美琴「…行くわよ!」

バチバチ!!

テレス「……どうしたぁ、レベル5の力はこんなモンか!」

美琴(電撃が…弾かれた……?)

美琴「……アンタのその鎧、ずいぶんと電撃に対する耐性が強いのね」

テレス「テメーとやり合うことも計算に入れて…対策は万全にしてあっからなあ!」

美琴「じゃあ…これなら……どうかしら!」

キィーン

テレス(レールガン…!)

バシュ!!

520: 2010/06/06(日) 16:17:41.74 ID:Krt0NwAO
美琴(直撃した…これなら……)

テレス「……効かねえっつってんだろ!」

美琴「……!」

黒子「そんな…お姉さまの超電磁砲でも……!」

テレス「キャハハハハ!バンクに登録されたテメエの能力は全部知ってんだよ!」

テレス「この駆動鎧はテメエの能力に対して対策してある特別製だ…アハハハハァ!」

美琴「くっ……!」

526: 2010/06/06(日) 16:30:38.81 ID:Krt0NwAO
初春「そんな…み、御坂さんが押されてるなんて……!」

黒子「私も手を貸したいところですが…能力もロクに使えない今の状態では……」

木山「私たちは彼女に…何もしれやれないのか……!」

銀時「……歌を贈ろう」

黒子「は?」

銀時「傷付いてたぁおれそうな時にぃは~!遠ぉい日の記憶この胸に抱きしめてぇぇ!」

初春「SHOW ME THE WAY~!」

銀時「叫び返せハッ…」

黒子「こんなときにまであなたは一体何をやってますの!」ゲシッ!ゲシッ!

銀時「痛ェ!いやちげーよ、燃えるBGMがあったほうが力出やすいかと思ってだな…」

黒子「もうあなたが燃えて灰になればよろしいでしょう!!」

美琴「………」

テレス「………」

529: 2010/06/06(日) 16:42:42.49 ID:Krt0NwAO
美琴「…まったく、アイツは本当に……バカなんだから!」

テレス「何だテメエ…まだ諦めてなかったのか……?」

美琴「アイツが言ってたでしょ…傷付いて倒れそうな時には遠い日の記憶を思い出せって」

美琴「今までみんなと過ごしてきたこの学園都市は…私の…私だけの……」

美琴「最高の居場所なんだから!」

テレス「!」

530: 2010/06/06(日) 16:55:06.22 ID:Krt0NwAO
美琴「ねえ…確かアンタ、バンクのデータを元にしてその鎧を作ったんでしょ?」

テレス「……?」

美琴「ならバンクにはない…本物の『超電磁砲』を見せてあげるわ……!」

テレス「何が本物のレールガンだ!そんなはったりはいらねえんだよ!」

黒子「ま、まさか…い、いけませんわお姉さま!」

銀時「何だ…ヤローは何を狙ってやがる……?」

531: 2010/06/06(日) 17:02:33.89 ID:Krt0NwAO
黒子「能力測定の際…お姉さまは自分の能力を抑えられておりますの」

黒子「本気で超電磁砲を撃てば計測器が壊れてしまいますから……」

黒子「なおかつ…エネルギーを込めれば込めるほど攻撃の射程は短くなりますの」

初春「媒体になるコインが溶けちゃうから…ですね?」

黒子「ええ…広い屋外で使用することを考えると……せいぜい射程は50mまで」

木山「そうか…ここは狭い屋内……射程が短くなるだけ威力も込められる」

黒子「ええ…ですが、それだけ高エネルギーの超電磁砲を至近距離から撃てば……!」

銀時「御坂のヤローも…危ねえってことかよ…!」

黒子「………」

537: 2010/06/06(日) 18:16:39.35 ID:Krt0NwAO
再開させてください

538: 2010/06/06(日) 18:18:27.95 ID:Krt0NwAO
テレス「テメエが何企んでるかは知らねえが……コイツで吹っ飛ばしてやるよ!」

美琴「!」

テレス「コイツはバンクにあるテメエのデータを解析して作った疑似『超電磁砲』だ…」

テレス「テメエの『超電磁砲』よりも強力になぁ!!」

美琴「……へぇ、じゃあ勝負しようじゃない?」

テレス「あぁ?」

美琴「アンタの『超電磁砲』と私の『超電磁砲』……どっちが上なのかを!」ダッ

黒子(走って距離を詰めた…ということはやはりお姉さまは……!)

テレス「キャハハハハァ!面白ェ、やってやろうじゃねーの!」

美琴「喰らいなさい…これが…私の……」

キィィィン

テレス「テメエらまとめて吹っ飛べぇ!!」

美琴「全力よ!」

ズガーン!!

540: 2010/06/06(日) 18:27:41.41 ID:Krt0NwAO
テレス「ぐっ…」バタッ

美琴「はぁ…はぁ…あぐっ…!」

黒子「お…お姉さま!」

美琴「何とか…なったみたいね……おかげで体中が痛いけど……イタタ!」

黒子「こんな無茶をなさって…黒子は寿命が縮まりましたの」

美琴「ハハハ…ごめんね黒子」

木山「凄いな…あれが君の全力か……」

初春「子ども達のいる最下層フロアの一つ手前で良かったですね……」

美琴「うん…巻き添えになっちゃってたかもしれなかったからね……」

銀時「……よくやったじゃねーか」

美琴「……あんたもね」

541: 2010/06/06(日) 18:31:21.26 ID:Krt0NwAO
佐天「す、凄い音がしたけどみんな大丈夫!?」

初春「佐天さん!」

木山「ああ…全員無事だよ、無傷とはいかなかったがね……」

佐天「そう……よ、良かった…みんな…無事で……!」

美琴「佐天さん…ありがとうね!」

銀時「ある意味じゃ…テメーが一番の功労者だな」

佐天「そんな…そんなことないって……みんな頑張ったからですよ!」

美琴「フフ…じゃあそういうことにしとこっか」

542: 2010/06/06(日) 18:39:05.62 ID:Krt0NwAO
---
最下層フロア

木山「見つけた…『ファーストサンプル』だ…!」

初春「子ども達も…全員ここにいます!」

木山「これで…この子たちを目覚めさせるプログラムは完成する……!」

銀時「…ちっとばっか遅い目覚ましになったけどよ、ここらで一発起こしてやろうや」

木山「ああ…解除プログラム…始動!」

543: 2010/06/06(日) 18:50:04.65 ID:Krt0NwAO
枝先「………」

枝先「……先…生?」

木山「!」

枝先「目のしたに…隈、出来てるよ…?」

木山「色々と…い…忙しくてね……」

枝先「泣かないでよ…先生……」

美琴「良かった…みんな……ちゃんと目を覚ました……!」

初春「グスッ…よ、良かったです……」

黒子「ええ…本当に…」

佐天「じゃ…ひとまず、ハッピーエンド…ってことで!」

544: 2010/06/06(日) 19:01:07.19 ID:Krt0NwAO
テレス「……何がハッピーエンドだぁ?あぁ!?」

銀時「!」

美琴「あ、アンタ…まだ……!」

テレス「あーっハはハハハァ!テメエらだけハッピーエンドで終わらせるかよぉ!」

テレス「もうガキどもなんてどうでもいい、研究所ごと…まとめてぶっ潰してやる!!」

美琴「くっ……」

美琴(あたしも黒子も…もうアイツと戦うだけの力は…!)

銀時「………」

545: 2010/06/06(日) 19:10:09.23 ID:Krt0NwAO
銀時「…行けテメーら、コイツは俺が止める」

美琴「ば、馬鹿言ってんじゃないわよ…今のアンタ一人じゃ…」

銀時「全力出し尽くしたテメーに何か出来んのか?…言いたかねーが足手まといだ」

美琴「で…でも…!」

銀時「もう充分テメーはやったろうが…こっからは俺がやってやる…!」

佐天「だ、ダメだよ銀さん!一緒に逃げようよ!」

銀時「逃げるにしてもコイツを止めなきゃ逃げ切れねェ…下手すりゃ全員氏ぬぞ」

佐天「ぎ、銀さん……」

銀時「ワリーな佐天…俺ァもう誰かが目の前で氏ぬのは見たかねーんだ…」

銀時「こんなくだらねェことで…テメーら氏なせたかねーんだよ」

黒子「!」

美琴「あんた…まさか…!」

546: 2010/06/06(日) 19:18:12.79 ID:Krt0NwAO
黒子「……行きましょう、お姉さま」

美琴「ダメ…アイツ絶対に氏ぬ気よ!ほっとけるわけ……」

黒子「あの殿方が!…命を賭してまで私たちを救おうとしているのです!」

黒子「それに…悔しいですが今の私たちでは…邪魔になるだけです……!」

美琴「……!」

銀時「ま、俺なら心配ねェよ…テメーらと違って力が有り余ってっからな……」

美琴「………」

美琴(強がってるけど…アイツだって相当無理してるじゃない…!)

美琴(駆動兵との連続した戦い…撃たれた左足……)

美琴(普通はダメージと疲労で動くことだって…ましてやアイツは何の能力も…)

547: 2010/06/06(日) 19:28:09.26 ID:Krt0NwAO
銀時「オラ…モタモタすんじゃねーよ、40秒で支度してとっとと逃げろ」

美琴(会って日も浅い私たちのためにアイツは…アイツは……!)

美琴「……一つだけ約束して」

銀時「?」

美琴「私たちが最初に行った喫茶店…必ず全員でもう一回行くんだからね」

銀時「……テメーらの奢りで頼むぜ」

美琴「……うん」

548: 2010/06/06(日) 20:06:59.51 ID:Krt0NwAO
テレス「ゴチャゴチャ言ってんじゃねえよ!」

銀時「!」

キィン!

銀時「退路は俺が護る!行けェェェ!テメーらァァァ!!」

佐天「ぎ、銀さん…!」

初春「せ、先生…!」

黒子「行きますわ…!」

テレス「逃がすとでも思ってんのかよぉ!」

銀時「テメーの相手は…この俺だァァァ!!」

549: 2010/06/06(日) 20:26:33.82 ID:Krt0NwAO
---

テレス「ちっ…逃がしたかまあいい、まず最初はテメエをぶっ頃してやるよ!」

テレス「テメエの氏体を見せられたガキ共の顔を想像すると頃しがいがあるなぁ!」

銀時「……」

銀時「…やり過ぎたな」

テレス「あぁ?」

銀時「テメーは少しやり過ぎたって言ってんだよ……」

テレス「だから何だってんだ、ごめんねって謝ってほしいのか?あぁ!?」

銀時「いや…別に詫びろとは言わねェ…ただ……」

テレス「!」ゾクッ

銀時「テメー…五体満足でお天道さんの光浴びられると思うんじゃねェぞ…!」

テレス(なんだ…今の寒気は……?)

550: 2010/06/06(日) 20:42:46.07 ID:Krt0NwAO
テレス「重傷でボロボロのくせに調子に乗ってんじゃねえぞ!」

銀時「ぐっ…!」

銀時(くそっ…足の踏ん張りが効かねェ!)

テレス「足が痛むかぁ?…とっとと氏ね!」

銀時「!」

キィン!

テレス「テメエ…その傷でまだ攻撃を止められんのか……!」

テレス「テメエは体力的にも筋力的にもとっくに限界のはずだ…なのに何で……」

銀時「て…テメーと俺じゃ…背負ってるモンの重さが違ェんだよ……!」

551: 2010/06/06(日) 21:01:59.68 ID:Krt0NwAO
テレス「背負うモンだと?会って日の浅えあのガキ共のことを言ってるんか?」

銀時「…おかしな話だなオイ、俺ァもう何も背負うつもりなんざなかった……」

銀時「なのに…俺の家族みてーになったアホガキが二人…ババアが一人…」

銀時「常識なんざ欠片もねえロンゲのバカ…他にいる大勢の奴ら…そいつらと同じく…」

銀時「バカ生徒のアイツらとも…いつの間にか背負い合う間柄になっちまったらしい」

テレス「テメエ…何の話を……」

552: 2010/06/06(日) 21:12:11.62 ID:Krt0NwAO
銀時「俺がアイツら背負うってのはつまり…『護る』ってことだ……」

銀時「アイツらはもう俺の既知のヤツらと何も変わらねー…俺の大切なモンだ」

銀時「今も昔と同じよ…俺の『護る』モンは何一つ…変わっちゃいねぇ!」

銀時「『護る』ために振り下ろす刀の強さ…今テメーに教えてやる……!」

テレス「ほざいてんじゃねえよこのクソ野郎がァァ!」

銀時「ウオオオオォォォ!!」

553: 2010/06/06(日) 21:25:41.05 ID:Krt0NwAO
ドゴォン!

テレス「ぐっ……!?」

テレス(駆動鎧ごしにここまでの衝撃…こ、コイツ…本当に人間か……?)

テレス「て、テメエみたいな無能力者が……」

ガキィン、キィン!

テレス「このあたしに……」

銀時「ウオアアアアァァ!!」

ガキィン!!

テレス(こ、こいつはもう人間じゃねぇ…お…夜叉だ……!)

銀時「喰らい…やがれェェェ!」

ドゴガッ!!

テレス「そ、装甲が……!」

銀時「これで……シメーだァァァ!!」

バキッ!!

テレス「うぐああぁぁ!!」

555: 2010/06/06(日) 21:45:16.87 ID:Krt0NwAO
テレス「………」

銀時「はぁ…はぁ……」

ゴゴゴ

銀時「ん…何だ……?」

テレス「自爆スイッチだ……もうすぐこの研究所全体が崩壊する」

銀時「なっ……?」

テレス「この駆動鎧が破壊されて機能を停止すると同時にスイッチが入る仕掛けだ…」

銀時「さ…最後の最後まで混ぜっ返してくれやがって……」

560: 2010/06/06(日) 21:55:08.31 ID:Krt0NwAO
テレス「行けよ…あたしはもう疲れた…ここでいっそ氏んだほうが後腐れ……」

銀時「馬鹿言ってんじゃねーよ…立ちやがれテメー!」

テレス「!」

銀時「散々やりたい放題やりやがって最後はドッカーン?ふざけてんのかテメー!」

銀時「こんな勝手に氏ぬことなんざ俺が絶対に許さねえ!!」

ガッ!

テレス「なっ…何を!」

銀時「まさか…テメーのことも背負うことになるたァ思わなかったぜ……」

562: 2010/06/06(日) 22:00:47.92 ID:Krt0NwAO
---
研究所、外

美琴「な、何よこれ…建物全体が崩れて……!」

木山「マズい…彼はまだ中に……!」

黒子「私が行ってまいります!あの殿方は私が……!」

美琴「ダメよ!あんたもまだロクに動けないんだから!」

黒子「ですがこのままでは!!」

初春「せ、先生……!」

佐天「………」

銀時『テメーらァァ!聞こえてっかー!?俺ァもうちょいで入口に着く!』

銀時『入口塞がったりしてねーよなァ!?』

初春「せ、先生!」

木山「急ぎたまえ!入口はもういつ崩れてもおかしくない!」

銀時「急げってこの足で無茶言いやがるぜ全く……」

563: 2010/06/06(日) 22:17:18.85 ID:Krt0NwAO
---

美琴「見えたわ!早く外に!」

銀時「慌てんな…全くやれや……」

ガラガラ!

銀時「なっ!?」

美琴「瓦礫が!よ、避けて!」

銀時「ちっ……うぐっ!?」

銀時(足が…こんな時に……!!)

ガラガラ!

黒子「あ…あそこが崩れたらあの方が下敷きに……!」

佐天「銀さん!」

ガラガラ!

銀時「ってオイ、コレやべ……動け、動けェェェェェ!!」

佐天「ダメだよ銀さん…氏なないでェェェ!!」

ビュウ!

銀時「!」

ガラガラガラ

初春「せ、先生ェェ!」

564: 2010/06/06(日) 22:28:12.88 ID:Krt0NwAO
---

美琴「そんな…声が聞こえて姿が見えてたのに……!」

初春「うっ…うう…せ、先生……」

黒子「泣いてる場合ではありませんの!瓦礫の中から早く救出しなければ……」

木山「だが…あれだけの瓦礫に潰されずに生きているということは……」

黒子「そんな……!」

佐天「嘘…嘘だよそんなの……!」

565: 2010/06/06(日) 22:30:11.30 ID:Krt0NwAO
ガラッ

美琴「あれ?今…瓦礫が……?」

ガラガラッ!

銀時「……よう」

美琴「あ、アンタ……」

初春「先生……?」

銀時「いや幽霊じゃねーよ、シルフスコープ着けてなくても見えんだろ?」

美琴「いやでも…あれだけの瓦礫に埋められて生きてるなんて……」

銀時「いや……何か変な風が吹いてきてよ、俺の周りにだけ瓦礫が落ちてこなかった」

黒子「風……?」

銀時「あれは自然に起こる風じゃねーな……助かったわ佐天」

佐天「?」

銀時「いやー佐天、お前やっぱやれば出来る子だわ、うんうん」

佐天「え……わ、私?」

569: 2010/06/06(日) 22:35:11.16 ID:Krt0NwAO
美琴「さ、佐天さんが能力を……?」

佐天「や…ヤダな銀さん、私が能力を使えないって知ってるくせに」

銀時「……御坂、一人に2つ以上の能力が使えるようになることなんてあんのか?」

美琴「いや…それは理論上あり得ないけど……」

銀時「御坂が電気、白井がですのーと…じゃねぇテレポート、初春は……」

初春「?」

銀時「初春は……こ、光合成」

初春「何で私だけ光合成なんですか!?違いますからね!?」

571: 2010/06/06(日) 22:43:44.07 ID:Krt0NwAO
木山「私は能力開発は受けていない…『置き去り』の子が能力を使ったとも考えにくい」

銀時「つーことはだ…俺の助けたあの風、一体誰が起こしたと思うよワトソン君」

佐天「わ、私が…能力を……?」

初春「や…やったじゃないですか佐天さん!凄いですよ!」

佐天「し、正直全然実感が湧かないけど…や、やったー…なのかな?」

初春「もっと喜びましょうよ佐天さん!」

佐天「いやだから実感が湧かないんだって……」

572: 2010/06/06(日) 22:47:57.38 ID:Krt0NwAO
黒子「まさかあのタイミングで能力が発現するとは…しかも瓦礫を吹き飛ばす程の…」

美琴「奇跡……いや、必然なんじゃないかな?」

黒子「?」

美琴「佐天さん…強盗事件の日以来、すごく頑張ってたもん」

美琴「レベルアッパーにだって手を出さずに…真面目にずっと……」

美琴「多分その支えになってたのが……」

黒子「あの殿方だった……と?」

美琴「あーあ……これじゃ私も負けてらんないなー!」

黒子「……ですわね」

575: 2010/06/06(日) 23:00:27.68 ID:Krt0NwAO
---
翌日、常盤台中学

美琴「今日はアイツの国語、どんな授業をしでかすのかしらね……」

生徒「あら御坂さん、国語の時間に何かあるんですか?」

美琴「ほら、小説読ませたり歌流したりさ…正直あれもう悪ふざけよ」

美琴「どうせ今日もまたトンデモ授業するんでしょうね…」

生徒「……そんな先生、常盤台にいましたか?」

美琴「……?」

581: 2010/06/06(日) 23:09:22.77 ID:Krt0NwAO
---

美琴「黒子!」

黒子「お姉さま?」

美琴「アンタ!坂田銀時って覚えてるわよね!?」

黒子「え、ええ…というより何を今更……」

美琴「良かった…アンタはちゃんと覚えてるのね……」

黒子「お姉さま……?」

---

黒子「そんな…クラスの方が誰一人として覚えていらっしゃらない!?」

美琴「そうなのよ!さっき職員室でも聞いてみたけど『そんな教師はいない』って…」

黒子「う、初春たちに連絡をしてみますの!」

583: 2010/06/06(日) 23:18:42.93 ID:Krt0NwAO
---
某所

佐天「そんなことって…何かの間違いじゃないんですか?」

初春「常盤台の人たちのドッキリとか……」

美琴「いや…それは多分……ううん、絶対にないわね」

黒子「とにかく…あの殿方を探しましょう!」

佐天「授業に出てる場合じゃないですね…!」

木山「私も力を貸そう、彼にはまだ十分な礼さえ言えてないからな」

美琴「木山先生!」

初春「さっき私が呼んだんです、人手は多いほうがいいと思って……」

584: 2010/06/06(日) 23:29:38.82 ID:Krt0NwAO
---

佐天「ど、どこにもいない…銀さん…一体どこに……!」

木山「学園都市は人を捜すには広すぎる…彼が行きそうな場所は分からないのか?」

佐天「うーん……」

黒子「あの殿方の行きそうな場所といえば…甘いものがあって…お酒が飲めて…」

美琴「………」

美琴『一つだけ約束して』

美琴「……まさか!」

585: 2010/06/06(日) 23:33:45.01 ID:Krt0NwAO
---
喫茶店

美琴「………!」

銀時「……よぉ、遅かったじゃねーか?先に食っちまってるぜ?」

美琴「馬鹿!それどころじゃないわよ!」

黒子「私たち以外の方たちからあなたに関する記憶が…」

銀時「……そういうオチになってんのか」

佐天「オチって……?」

初春「一体何の……」

銀時「要するに…マサラタウンにサヨナラバイバイする時が来ちまったんだよ」

美琴「サヨナラって…あ、アンタ何言って…?」

銀時「……俺とテメーらここでお別れだ」

美琴「!」

586: 2010/06/06(日) 23:38:48.16 ID:Krt0NwAO
美琴「な…何よそれ……笑えない冗談は止めなさいよ!」

黒子「いつもよりもタチが悪い冗談ですわね…もう少し場を和ませるものにしてくださいな」

銀時「………」

初春「せ…先生……!」

佐天「ほ、本当なんですか…お別れって……」

銀時「……ワリーな」

佐天「……!」

587: 2010/06/06(日) 23:46:16.93 ID:Krt0NwAO
美琴「な、何謝ってるの?意味が分からないわ…」

木山「……何故ここを離れる?ワケを聞かせてくれないか?」

銀時「ワケもなんも…俺ァ元々ここにいちゃならねェんだ……」

木山「……?」

銀時「詳しくはよくわからねェけどよ…俺とテメーらは住んでる世界が違うみてーでな」

銀時「こっちがハッピーエンドになりゃ…そん時に俺ァ消えなきゃならねえらしい」

木山「……?」

銀時「ま…要するにアレよ、俺ァもうお役御免ってわけだ」

588: 2010/06/06(日) 23:50:26.15 ID:Krt0NwAO
美琴「訳分からないこと言わないでよ!そんなことで納得出来るわけ……」

銀時「……もう時間がねェ」

木山「君……す、透けてきていないか!?」

黒子「なっ……!」

銀時「まーあれだ、今は政治も半透明な時代だし半透明な人間がいたっておかしくは…」

美琴「ふざけてる場合じゃないわよ!アンタ…これ!」

銀時「……じゃあ恒例のアレ、やるとすっか」

美琴「あれ……?」

銀時「よーしテメーらァァ!今から出席を取るぞォ!」

591: 2010/06/07(月) 00:01:11.54 ID:OKoqpMAO
美琴「そ…そんなことしてる場合じゃ……!」

銀時「こんな時だからこそだよ……じゃー行くぞ、初春飾利ー」

初春「は、はい…!」

銀時「いつもご苦労さんだったな…お前がコイツらの頭にいりゃ当分は大丈夫だろ」

初春「先生…ありがとうこざいます!」

銀時「あと……何なのその花、眠りごなとか出んの?花びらの舞とか使えんの?」

初春「ひ、秘密です!黙秘します!」

銀時(つーことは頑張れば使えんのか…?)

592: 2010/06/07(月) 00:10:15.78 ID:OKoqpMAO
銀時「じゃあ次ー佐天涙子ー!」

佐天「う、うん……」

銀時「あそこで能力発動とは恐れ入ったわ、助けてもらって感謝してるぜ」

佐天「あの時は無我夢中で…何が何なのか全然分かってなかったけどね」

佐天「でも…ほら、ちょっとくらいなら能力を自由に使えるようになったよ!」

銀時「葉っぱがクルクル回ってんな…公園掃除に役立ちそうだなオイ」

佐天「アハハ…もうちょっとうまく使いこなせてからね……先生、ありがとう!」

593: 2010/06/07(月) 00:13:13.38 ID:OKoqpMAO
銀時「じゃー次、白井黒子ー」

黒子「はいですの…」

銀時「よくよく考えたらテメーと二人組で行動することは結構多かったな……」

黒子「いちいちあなたの行動に突っ込みを入れる私の身にもなってくださいな」

銀時「ぱっつぁん的ポジションでよくやってくれたじゃねーかオイ」

黒子「いやぱっつぁんって誰ですの」

銀時「まあメガネは置いといて…戦いん時も世話になったな…」

黒子「私の方こそ…感謝してますの、銀時先生!」

594: 2010/06/07(月) 00:25:11.47 ID:OKoqpMAO
銀時「次は…御坂美琴ー!」

美琴「……うん」

銀時「ま……何だ、迷いもしたがテメーは一本心が通ってるよ」

銀時「そいつを大切にしろ…あと、ダチ公のことはもっと頼れ」

銀時「全員…テメーの味方なんだからよ」

美琴「………せい」

銀時「……?」

美琴「銀時『先生』…」

銀時「…初めてじゃねーか?テメーが俺を先生って呼ぶのもよ……」

美琴「銀時先生…ありがとう……!」

595: 2010/06/07(月) 00:37:38.55 ID:OKoqpMAO
銀時「あと……どうすっかな」

木山「何だ…私には何も言ってくれないのか?」

銀時「いやアンタ生徒じゃないし!むしろ先生の立場だろ」

木山「フフ…違いない」

銀時「そういや…子供らは元気でやってんのか?」

木山「ああ…今は療養中で入院しているが……近いうちに退院できるだろうな」

銀時「そうかい……良かったじゃねーか」

木山「あの子たちを助けられたのも…君のおかげだ、ありがとう」

596: 2010/06/07(月) 00:39:21.50 ID:OKoqpMAO
銀時「ま…こんな所だろうな、とりあえずはよ」

銀時「あ、いいもんもんじゃんじょんに奢れなくてワリーって言っといてくれ」

黒子(い、いいもん…どなたですの?)

美琴「あんた…本当にいっちゃうの…?何とかしてここに残れない?」

銀時「ま…無理だろうな、レベル一のスライムがダークドレアムを倒すくらい無理」

美琴「でも…私たちあんたに何もしてない……あんたは私たちのためにあれだけ……」

銀時「いや…俺ァ大切なモンをもう受け取ったよ」

601: 2010/06/07(月) 00:51:03.06 ID:OKoqpMAO
黒子「大切なもの…?」

銀時「俺が探してたモンはもう見つかったよ、テメーらのおかげさんでな……」

美琴「私たちが…アンタの探し物を?そんなの知らな……」

銀時「俺の目の前にあるじゃねーか、あったけェ…大切なモンが…たくさんな」

美琴「……!」

602: 2010/06/07(月) 00:53:19.04 ID:OKoqpMAO
佐天「でも……ひどいよこんなの…私たちせっかく…せっかく銀さんと…」

銀時「……」

銀時「心配すんな…俺ァ氏にやしねェ…二度と会えねェわけじゃねーんだ」

初春「先生……」

銀時「それに…俺たちはもう繋がってるじゃねーか…離れたってそれは切れやしねェよ」

佐天「え……?」

銀時「てめーの魂でな……」

603: 2010/06/07(月) 01:01:24.64 ID:OKoqpMAO
銀時「じゃ…世話んなったな…あ、サスケェと金剛君にもよろしく頼むわ」

黒子(サスケェが固法先輩で…金剛君が婚后光子…ですわね…?)

銀時「ゴタゴタしてることも多かったけどよ…嫌いじゃなかったぜ、テメーらといるのは」

初春「私たちも…同じ気持ちです!」

佐天「銀さんと一緒にいた時間…絶対に忘れないから!」

木山「本当に感謝してもしきれないな…他人との別れを惜しいと思うのは初めてだよ」

黒子「いつか…また必ず来てくださいな、私たちいつでも歓迎しますわ」

美琴「約束よ、また…絶対に会うんだからね!」

銀時「ああ…約束だ……!」

604: 2010/06/07(月) 01:08:21.48 ID:OKoqpMAO
---

銀時「………」

新八「銀さん…どんだけ寝相が悪かったらトイレの前まで転がってくるんですか?」

銀時「ぱっつぁんよぉ…ちょっと顔貸せ……」

新八「な、何ですか?」

銀時「ホワッチャアアアアァァ!!」

新八「!?」ビクッ

銀時「……って殴るとこつもりだったけどよ…ま、止めといてやらァ」

新八「いや、僕何かしましたっけ?」

銀時「したよ、鼻から息吸って酸素吸収してんじゃん」

新八「息吸うなってか!それって遠回しに氏ねって言ってんだろォォォ!」

605: 2010/06/07(月) 01:16:12.59 ID:OKoqpMAO
---

美琴「アイツ……元気でやってるかな?」

黒子「さぁ…あの殿方のことですからねぇ、また馬鹿なことをしているのでは?」

美琴「確かに…ところで黒子、あんた別れの時泣いてなかった?」

黒子「な…何をおっしゃるやらお姉さまったら、黒子はまったくそのような…」

美琴「……惚れた?」

黒子「」

美琴「いやー良い事よ!アンタもちゃんと異性を意識することが…」

黒子「お姉さま…」

美琴「……あれ?」

黒子「お姉さまが黒子を言葉責めなさるなんて…ああ、何という幸福!」

美琴「ば、馬鹿!違うって!」

黒子「お姉さまー!」

美琴「くっつくなって言ってんでしょうが!」

ゴンッ

606: 2010/06/07(月) 01:21:49.84 ID:OKoqpMAO
---
拘置場

テレス「フ…最後まで食えない男だったな、敵である私を助けるとは」

テレス「背負うものを持った人間の強さ……か」

テレス「私にも…いつか……守りたいと思える物が……」

---

黄泉川「ったくアイツったら奢れっていう約束すっぽかしやがって!」

鉄装「まあまあ、怒らないでください黄泉ガエルさん」

黄泉川「そんなこというのはどの口じゃん!」

鉄装「い、いふぁい!冗談れふ!引っ張らないでくだふぁい!」

608: 2010/06/07(月) 01:26:46.46 ID:OKoqpMAO
---
病院

佐天「初春、枝先さんに何か用事があるの?」

初春「お友達になったんですけど…そろそろ退院するらしいから誘ってみようかと」

佐天「誘うって……何にさ?」

初春「えへへ…」

---

初春「枝先さん!」

枝先「初春さん!また来てくれたんだね!」

初春「うん、枝先さんもそろそろ退院できるだよね!」

枝先「うん!」

初春「それで…退院してからでいいんだけど……」

枝先「?」

初春「一緒にバンド!やってみませんか?」

fin

610: 2010/06/07(月) 01:31:44.92 ID:OKoqpMAO
三年Z組ー銀八先生!

銀八「はい、皆さんどーもお疲れさんでしたー」

銀八「いやーすいまっせーん、何だかんだでこんな時間になっちまいましたわ」

銀八「蛇足的な補足説明をしときたいとこなんですが…今はちょっと無理ですね」

銀八「じゃーひとまず、ここまで読んでくれた人に対して感謝の意を表しときます」

本当にありがとうございました、時間を取らせてすみません

611: 2010/06/07(月) 01:34:49.69 ID:IHSTMMAO
取りあえず乙なんだよ!

612: 2010/06/07(月) 01:47:31.24 ID:ZhZzPmY0
最後、銀さんけいおんフラグ?

乙、面白かった

633: 2010/06/07(月) 20:50:42.13 ID:OKoqpMAO
三年Z組ー銀八先生!

銀八「じゃー枠が余ったんで蛇足的補足やっときます、鬱陶しけりゃスルーしてください」

銀八「今回のは設定上では禁書とは関係がありません、分かりにくくなるんで」

銀八「それと今回はちょっと色々実験的なことをして書いてたんで出来は悪いです」

銀八「書きためもオチも考えないでフラフラ書くとこういう事態になるんだな、うん」

銀八「あと…まさかフッシーを知ってる奴がこんなに多いとは思わなかったわ」

635: 2010/06/07(月) 21:13:02.95 ID:OKoqpMAO
銀八「あと…春上さんは展開上の都合でスパッと消しました、存在を」

銀八「あと銀さん牛乳は苺牛乳派だから武蔵野牛乳とか言うやつも消しました」

銀八「……あ、武蔵野牛乳VS苺牛乳で口論する展開があっても面白かったかもな」

銀八「それ以外の奴は大体見せ場作れた…ような気がする、多分」

銀八「あ、金剛くんだけはゴメン、どうしても絡ませられなかったわ…キャラ濃くて」

636: 2010/06/07(月) 21:25:22.47 ID:OKoqpMAO
銀八「で…こっからは直接この作品にゃ関係ない話になるんだけど……」

銀八「何だかんだ銀さん結構色々な所に吹っ飛ばされてるわけですが…」

銀八「ぼちぼち絡ませることが出来そうなネタもなくなってきてんなオイ」

銀八「誰か言ってたけどもうウルルン再来訪路線で行ってみるか…?」

銀八「いやーでもよー…悩みどこだなコレ、つか次回があるかすら未定だし」

640: 2010/06/07(月) 21:44:12.57 ID:OKoqpMAO
銀八「そういや…『次はけいおんか』、みてーなことどっかで言われたような…」

銀八「あれと組み合わせって絶対ヤバいよなー…つーか需要あんのか微妙じゃね?」

銀八「試しに1カットくらいやってみるか…前後の流れは適当に補完して下さい」

銀八「じゃ、こんな感じで」

642: 2010/06/07(月) 21:45:43.87 ID:OKoqpMAO
律「ヅラっちは?何か楽器出来んの?」

桂「ヅラっちじゃない桂だ、ラップならば得意分野だが…」

澪「ラップかー…歌の途中に挟んでみるのも面白いかもな!」

桂「………」チラッ

銀時「ん?」

桂「………フ」

銀時「オメーは何で今ちょっと得意気になってこっち見たんだ腹立つなァァ!」

桂「フハハハハ!見苦しいぞ銀時!やはり貴様などより俺のほうが出来る子のようだな!」

銀時「ラップなんざ誰だって出来ますー!『ポケモンいえるかな』もラップだしー!」

銀時「テメーなんかよりイラストも描けるイマクニのほうがずっと凄いしー!」

梓「………」

650: 2010/06/07(月) 22:06:29.65 ID:OKoqpMAO
銀時「こんな感じか?」

新八「銀さん、もう似たような作品が既にあるらしいですよ」

銀時「先に言えやこのダメガネがァァ!ちょっと展開考えちゃったじゃねーか!!」

新八「ちょっと僕に言わないでくださいよ!?僕だって今知ったんですからね?」

銀時「へえ…ヅラの奴がけいおんになぁ……やべ、超見てみてーわ」

銀時「あ、関係ないけど今俺らってシンジ君を万事屋ファミリーにして新東京に……」

新八「ちょっとォォ!それ全然違うからね!?僕らが口に出しちゃダメですよ!?」

655: 2010/06/07(月) 22:18:16.32 ID:OKoqpMAO
銀時「で…どうすんだよこのグダグダ感」

新八「いや僕に振られても困るんですけど……じゃあここらで締めたらどうですか?」

銀時「そうすっか、何事も引き際が肝心だしな…」

新八「ていうかいつの間に『銀八』から『銀時』になったんですか?」

銀時「んなこたァどーでもいいんだよ、気にしたら負けだ」

銀時「つーわけで…時間とらせて悪かったなテメーら、参考になったわ」

銀時「また会う機会がありゃそん時はよろしく頼むわ」


参考になる意見をありがとうございました

658: 2010/06/07(月) 22:22:08.04 ID:7KIquoAO
遅ればせながら>>1乙

とある天パの鈍色銀魂(サムライソード)

とか思い浮かんだ

721: 2010/06/13(日) 18:05:15.35 ID:B.nik.AO
展開上諦めた小ネタ、シリアスが好きな方はスルーしてください

723: 2010/06/13(日) 18:06:35.51 ID:B.nik.AO
銀時「あー…くっそ、体中が痛くてしょうがねーな……やれやれだよまったく」

銀時「腹立つから経費使って何かシュワシュワ泡がでるあの入浴剤でも買ってやろうか」

上条「あの…すいません、ちょっとお願いがあるんですけど良いですかね……?」

銀時「えーっと……ああ、斉藤さん?斉藤さんじゃねーか」

上条「いや上条当麻です、あの…初対面の方にこんなこと頼むのもアレなんですけど……」

上条「お金…貸してもらえませんかね……?」

銀時「はあ?」

724: 2010/06/13(日) 18:12:25.34 ID:B.nik.AO
銀時「何それ、新手のたかり?物腰低くしといて上手く金をせびろうとしてんの?」

銀時「それに…ワリーが俺ァ知らねー奴に金貸せるほど金モッチーじゃねーんだわ」スタスタ

上条「いや…本当に困ってて…悪魔が…白い悪魔が……」

銀時「白い悪魔?…ま、まさかそいつは連邦軍の」

上条「ただのシスターなんですけど…」

銀時「帰れ」スタスタ

上条「いや冗談じゃないんですって!本当なんですよ!」

725: 2010/06/13(日) 18:20:01.67 ID:B.nik.AO
銀時「……で、胃袋がブラックホールなガキが食い過ぎて金がヤバいってか?」

上条「まあ…大体そんな感じですね」

銀時「バカかテメー…そういうガキと行けんのは食い放題のバイキングだけだろ」

上条「…いつもモヤシいためだからたまにはと思ったのが失敗でした」

銀時「俺も食いまくるガキが身内にいっから力になってやりてーが…こればっかはな…」

上条「首をくくる覚悟で謝るしかないですかね…」

銀時「まー待て、諦めたらそこで試合終了だよ当麻くんよ」

上条「これ以上はどうにも…こんなときに限って携帯は壊れてやがるし…不幸だ……」

銀時「だーから諦めんなって範馬くん」

上条「いえ、当麻です」

726: 2010/06/13(日) 18:27:04.87 ID:B.nik.AO
銀時「ちょっと待っとけ…アイツらに連絡してから適当なの見つくろってくっから」

上条「は……?」

---

上条「見つくろってくるって…一体何する気なんだ?あの人」

銀時「いやーワリーワリー、遅れたわ」

上条「あの…どこに行って……」

一方通行「何なンですかァ?いきなりワケのわからねェ所に連れて来やがって……」

上条「……すいません、そちらの方はどなたでせう?」

銀時「モヤシいためが好きって言ってたからその辺歩いてた細いもやしっ子をだな…」

上条「いや頼んでませんけど」

728: 2010/06/13(日) 18:58:35.65 ID:B.nik.AO
一方通行「無理やり引っ張って来やがったと思えばいきなりもやしとかよォ……」

一方通行「ぶっ殺されたいンですかテメェらは?」

銀時「止めとけ、お前さんみたいなもやしっ子は喧嘩なんかするもんじゃねーよ」

一方通行「……オッケェ、じゃあまずはテメェから…」

佐天「あっ、いたいた!銀さーん!」

黒子「まったく…いきなり呼び出すなんてデリカシーのかけらもありませんのね」

初春「そう言ってる割には白井さん、ずいぶん可愛い服を着てきましたね」

黒子「な・に・が・言いたいんですの?私があの殿方を意識しているとでも?」

729: 2010/06/13(日) 19:13:07.83 ID:B.nik.AO
美琴「ほら、二人とも喧嘩しないで…って……」

上条「び……ビリビリ!何でお前が!?」

美琴「あっ…アンタこそ何で…っていうか……」

一方通行「なンだ…『超電磁砲』じゃねェか」

美琴「アンタ……一体なにやってんのよ」バチバチ

一方通行「やンのかァ?いいねいいね…こっちもちょうどイライラしてたとこでなァ」

銀時「いや喧嘩してんじゃねーよ…じゃあテメーら行くぞ」

上条「ど…どこへ?」

銀時「テメーが金払わなきゃならねェ店だよ」

上条「……?」

730: 2010/06/13(日) 20:08:02.17 ID:B.nik.AO
---
ファミレス

銀時「えー皆さん、今日はお集まりいただきましてーお疲れさんです」

佐天「あの…銀さん…一体何を?」

銀時「じゃー今から男4女5の合コンパーティーやりまーす」

黒子「は…ご、合コン……?」

上条「それに男が4って…俺と銀さんにこちらの…名前何でしたっけ」

一方通行「………一方通行」

上条「すいませんわざわざ…で、男は俺と銀さんと一方通行さんの三人だけで……」

ステイル「僕もいるよ」

神裂「………」

上条「……どっから湧いた?」

銀時「つーわけで…4対5で合コンだ」

731: 2010/06/13(日) 20:22:36.09 ID:B.nik.AO
上条『銀さん、話がおかしい…何でお金貸してからこんな流れになったんでせう?』

銀時『合コンで使った金と一緒にテメーが払わなきゃならねェ代金を精算する作戦だ』

銀時『どさくさに紛れて誰かにまとめて払わせちまえばこっちの勝ちモンよ』

上条『だ、大丈夫なんですか?』

銀時『いいか…ただし絶対に幹事だけはやるんじゃねーぞ』

上条『は…はぁ、分かりました……けどファミレスで合コンでどうなんだ?』

736: 2010/06/13(日) 20:43:12.10 ID:B.nik.AO
銀時(幹事になっちまったら立ち回りが色々と面倒だからな…)

銀時(加えて…合コンにおいて女子が金を建て替えることは少ないと言っていい)

銀時(だが…俺とあのツンツン頭が金を払うことだけは避けなきゃならねェ)

銀時(ズバリ…金を払わせるべきターゲットは……)

ステイル「すまない、灰皿頂けないかな?」

一方通行「チッ……なーンでこンな面倒くせェことになってンだァ?」

銀時(コイツらだ!!)

737: 2010/06/13(日) 21:03:29.32 ID:B.nik.AO
銀時「………」

上条「………」

その他「………」

上条(お、重い…空気!空気が重い!)

銀時(つーか当たり前か、御坂たちにゃ何も知らせねーで連れて来ちまったからな…)

ステイル「どうしたんだいみんな、何も頼まないのか?」

銀時「!」

銀時(第一歩を切り込んでいくとはやるじゃねーかバーコード!)

739: 2010/06/13(日) 21:36:28.01 ID:B.nik.AO
黒子「そうですわね…状況は分かりませんが……お姉さまたちは何をお召し上がりに?」

銀時(流れは傾いた、このまま一気に……)

ステイル「じゃあ僕はこのお子さまランチを」

銀時「」

佐天「え……お、お子さまランチですか?」

ステイル「好きなんだよ、君もどうかな?」

佐天「い、いや…私は……」

一同「………」

銀時(テメーは何で真っ先に切り込んでおいて地雷爆発させてんだァァァ!)

銀時(戦いを仕掛けた挙げ句に爆氏して仲間の士気を下げたヤムチャと同じじゃねーか!)

743: 2010/06/13(日) 21:54:03.75 ID:B.nik.AO
銀時(ダメだ…ここは俺が行くしかねェ!)

銀時「俺ァ軽いモンにしとくかな…お姉さーん、このチョコクリームパフェ一つ」

佐天「あ、じゃあ私はストロベリーパフェで!」

初春「私はこの季節限定のレモン風味ショートケーキをお願いしていいですか?」

銀時「いっとけいっとけ、甘いモンならガンガンいっとけ」

佐天「さっすが銀さん!太っ腹だね!」

上条(すげえこの人…女の子が好きそうな甘い物を頼むことで場の空気を良くした…)

銀時(ただこれが出来んのは最初の一発だけだ…あとはお前が何とかしろ!)

744: 2010/06/13(日) 22:06:56.34 ID:B.nik.AO
美琴「…私も何か食べようかしら、黒子はなにが食べたい?」

黒子「私はお姉さまが決めてからで結構ですわ」

美琴「じゃあ…私はこのデラックスサンデーにしようかしら」

上条「じゃあ俺もお前と同じのにしようかな」

美琴「な…何でアンタが私と同じのを……」

上条「だってお前が選ぶ物だったらおいしいに決まってるだろ?」

美琴「なっ…ば、バカ……!」

上条「お前くらいの奴だといつも良いもん食べてんだろうな…上条さんは羨ましいですよ」

美琴「じゃあ…こ、今度私が何か作りにいってあげようか?」

上条「本当か!御坂…いや美琴先生!是非とも頼みます!」

美琴「み、美琴先生って……」

美琴(そ…そんなに嬉しいんだ……良かった)

745: 2010/06/13(日) 22:12:27.76 ID:B.nik.AO
銀時(やるじゃねーかオイ、何か無意識っぽいのが腹立つけど場の空気が……)

黒子「あ…あの類人猿……」

銀時(し、しまった!ですのーとの御坂に対するストーカー気質を忘れてたァァ!)

一方通行「はッ、サンデーとかクッソ甘ェモン頼みやがって……」

美琴「何か文句でもあるのかしら?」

一方通行「見るだけで胃がもたれそうなンだよ」

美琴「………」イラッ

佐天「あ…あはは……まあまあ……」

銀時(何でだァァ!悉く空気をぶち壊していきやがるんだこの馬鹿どもがァァ!)

747: 2010/06/13(日) 22:27:01.37 ID:B.nik.AO
銀時「つ、つーかアレだなー!そっちの人全然喋ってねーな!」

神裂「す…すみません、成り行きで加わってしまったので勝手が分からず……」

銀時・上条「!」

銀時(チャンスだ…この慣れていない奴を上手く使えれば……)

上条(場の空気が少しは穏やかになる!)

上条「神裂はあんまりこういう席には慣れてないのか?」

神裂「ええ…噂には聞いていたのですが……」

上条「そういや神裂っていくつだったっけ?」

神裂「……当ててみてください?」

750: 2010/06/13(日) 22:44:27.04 ID:B.nik.AO
銀時『上条…間違っても年上に見るんじゃねーぞ、予想年齢-5歳で言っとけ』

上条『ですよね……顔立ち、服のセンス、総合的に考えて…そこから-5歳だと……』

上条「そうだな…25歳くらいじゃ」

神裂「氏んでください、上条当麻」

上条「いや何で!?」

銀時『何やってんだテメーはァァ!若く見ろって言っただろうがァァァ!』

上条『見たんですって!結構リアルに予想してそこから5歳若くしましたよ!』

753: 2010/06/13(日) 22:59:05.87 ID:B.nik.AO
神裂「一瞬ですべてを消し飛ばします…『唯閃』を使って……」

銀時「待て、待って!?一旦落ち着こう、な?まだ俺のターンが残ってるしな?」

神裂「…そうですね、ではあなたに問います、私はいくつに見えますか?」

銀時「多分二十歳は越えてる……」

神裂「唯…」チャキ

銀時「はずがないだろうがこの馬鹿!」バシッ

上条「痛っ!」

一方通行(二十歳いってねェのか…俺は22くれェで予想してたンだけどよォ……)

756: 2010/06/13(日) 23:09:08.58 ID:B.nik.AO
銀時(待て待て待て…いやこれで十代とか何の冗談!?)

銀時(いや考えろ…流石に中学生じゃねーはずだ……多分)

銀時(なら高校生か…いや高校生って感じでもねー気が……)

神裂「……どうしたのですか?答えられないのですか?」

銀時「か、かんざきさんはじゅうはっさいくらいかなー」

神裂「………」

759: 2010/06/13(日) 23:21:25.18 ID:B.nik.AO
神裂「……フン、まあいいでしょう」

銀時(の…乗り切った…ここまで神経使うたァ思わなかったぜ……!)

上条「お…お前マジで十代だったの」

銀時「ホワッチャアアアァァァ!!」バキッ

上条「ぐふっ……」バタッ

神裂「今…上条当麻が何か妙なことを言い掛けませんでしたか?」

銀時「気のせいです、もう全てが気のせいです」

佐天(木山先生と同期くらいかなと思ってた……)

初春(私は黄泉川先生くらいかなと……)

761: 2010/06/13(日) 23:31:05.67 ID:B.nik.AO
店員「お待たせ致しました、ご注文の品です」

銀時「し…じゃーとりあえずみんなで乾杯でもすっか、な?」

佐天「い、良いですね!親交をより深めるためにも…ね、白井さん」

黒子「まあ…そうですわね……」

美琴「そうね…形としてはやっておきましょうか」

一方通行「チッ…このブラック飲み終わったら俺は帰るからな」

762: 2010/06/13(日) 23:33:55.57 ID:B.nik.AO
銀時「まままま、とりあえず…かーんぱー」

ステイル「すまない、お子さまランチのライス部分にに旗が立っていないのだが!」

銀時「」

店員「え…いや…そういう仕様なのですが…」

ステイル「何だって…旗の付いてないお子さまランチなんて……」

上条「か…かんぱ……」

美琴「いや…もういいわよ……」

銀時(ねえ、もういいかな?あの子東京湾に放り込んじゃって良いかな?)

銀時(魚の餌になったほうが世のため人のため魚のためになんじゃねーの?)

765: 2010/06/13(日) 23:43:59.74 ID:B.nik.AO
三年Z組ー銀八先生!

銀八「つーわけでバーコードがバカやった辺りで今日は止めます」

銀八「何かホントすいませんね、終わってるモンにいちいち小ネタとか付け加えて」

銀八「本筋のストーリーが絡まないどこまで馬鹿がやれるか試してみたくなってですね…」

銀八「難しいしクオリティ低いし嫌になるねオイ」

銀八「ま…生ぬるい目で見て流してくれりゃそんで満足です」

銀八「あと、次回作についてのたくさんの意見本当にありがとさんでした」

銀八「先生も思いつかない発想が一杯で感心しちゃったなー、うん」


色々な意見、ありがたかったです、本当にありがとうございます

776: 2010/06/14(月) 22:12:58.43 ID:bjgkDEAO
銀八「梅雨だよオイ…梅雨って何か名前からして湿っててテンション下がるよな」

777: 2010/06/14(月) 22:16:43.06 ID:bjgkDEAO
一同「………」

上条『銀さんヤバいです、明らかに空気がおかしいです』

銀時『焦るな…これ以上場が白けることはねェ、あとは上がってくだけだ』

上条『しかし…何だアイツは……明らかに狙い澄ましたかのようなタイミングで…』

銀時『だって仕方ないだろ、ステイルだもん』

上条『いや…よく分かりませんけど』

銀時『じゃあハンターハンターが休載になったらお前は何故か疑問に思うか?』

銀時『だって冨樫だし、で済ませるだろ?つまりはそういうわけだ』

上条『……よく分かりました』

778: 2010/06/14(月) 22:30:06.94 ID:bjgkDEAO
銀時(しかしこれ以下の状況はねェとは言っても何て切り出しゃいいんだ…)

一方通行「よォ…テメェさっきから鬱陶しいンだよ…」

銀時(お、オメーは黙ってろよォォ!)

ステイル「僕のことかな?」

一方通行「ただでさえムカついてンだよ…これ以上俺をイラつかせンな」

ステイル「気分を害したならすまなかったね…しかし君もまだまだ子供だな……」

一方通行「喧嘩売ってンですかテメェはァ!?」

ステイル「フ…喧嘩か、止めておいたほうがいい…氏人が出るよ」

上条『銀さん、この状況が最下層という幻想をこの二人にぶち壊されました』

銀時『……こういうケースもあるというリアリズムだな、うん』

782: 2010/06/14(月) 22:55:53.54 ID:bjgkDEAO
佐天「あ、あの!ゲームでもやりませんか?」

美琴「ゲーム…?」

佐天「あるじゃないですか、何かこう…王様ゲームみたいな!」

上条「そ、そうだよなー!せっかくだしやってみないか?」

美琴「私は別にいいけど……」

黒子「いけませんわお姉さま、そのような低俗極まりない……」

銀時「白井、耳貸せ」

黒子「?」

銀時『王様の命令は年上だろうが何だろうが絶対だ…どんな命令にも逆らえねェ』

黒子『それが一体何の……』

銀時『上手くすりゃ御坂の奴とあんなことやこんなことまでだな……』

黒子「やりますわよお姉さま」

銀時(単純って素晴らしいスキルだなオイ)

784: 2010/06/14(月) 23:07:25.82 ID:bjgkDEAO
一方通行「チッ…俺にそンなくだらねェことやってる時間はねェんだよ…」

銀時(やべェ!コイツが帰っちまったら元も子もなくなっちまうじゃねーか!)

一方通行「クソ、とンだ時間過ごしちまったなァ…俺ァもう帰……」

ステイル「逃げるのかい?」

一方通行「……はァ?」

ステイル「まあ…勝つ自信がなく逃げたいのなら逃げればいいさ、止めはしないよ」

一方通行「話聞いてなかったンですかァ?俺はただ面倒くせェから……」

ステイル「フ…臆病者の常套句だな、肝試しを怖がる中学生男子のような言い訳だ」

一方通行「……」イラッ

ステイル「君は家に帰り一人ぼっちでマインスイーパーにでも勤しんでいればいい」

一方通行「………」ブチッ

787: 2010/06/14(月) 23:24:34.95 ID:bjgkDEAO
一方通行「オイ白髪頭」

銀時「え?俺のこと?」

一方通行「オマエ以外誰がいるってンだ」

銀時「いやお前鏡見てこいよ、服は真っ黒頭は真っ白な名探偵がそこにいるから」

一方通行「どォでもいい…それより、勝者の命令は絶対なンだったか?」

銀時「まあ…基本的にゃそうじゃね?」

一方通行「そォか…なに言っても逆らえねェんだな……面白ェ、俺もやってやるよ」

一方通行(あンのクソバーコードに思い切りぶちかましてやる……!)

銀時「……いいのかこの流れ?」

788: 2010/06/15(火) 00:08:53.98 ID:KVWPisAO
初春「じゃ、じゃあやりましょうか!」

佐天「うん、じゃあみんな引いてー!」

銀時(3番か…誰が王様引いたんだ?)

神裂「あの…わ、私が王様…みたいなのですが……?」

銀時(アイツかよ、ノーマークだったな……)

佐天「神裂さん!番号を指定してから何か好きな命令を言っちゃってください!」

神裂「は、はぁ…それでは3番の方が……」

銀時(げっ…俺かよ……まあ一発目だしそんなヤバいのは来るわけ…)

神裂「この食事代を支払ってください」

銀時「何でだァァァァァ!?」

795: 2010/06/15(火) 20:52:03.75 ID:KVWPisAO
銀八「どーすっかなー…ここで締めても形にゃなるんだけどよ…もうちょい引っ張るか」

銀八「ストーリー絡ませねーで馬鹿やんのがこんな難しいとは思わなかったわ、うん」

798: 2010/06/15(火) 20:59:19.97 ID:KVWPisAO
神裂「な、何か問題が……?」

銀時「ちょ…金が絡むのはやめね?うん、そういうのって良くないよ」

美琴「そんなに高くないんだから別に良いんじゃない?」

銀時「テメーみたいな輩には庶民の苦しみが分からねーんだよ」

銀時「官僚から転落してダンボールを我が家と呼ぶようになった奴もいる世の中だからね?」

美琴「それ…波瀾万丈な人生にも程があるわよ」

799: 2010/06/15(火) 21:17:09.11 ID:KVWPisAO
銀時「オイ上条、お前からも何か言ってやれ」

上条「そうだぞ…銀さんが全部払うなんて……」

上条「………あれ?『銀さんが』全部?」

上条「…………」

銀時「ん?どうしたよ」

上条「………銀さん」

上条「払いましょうよ、全部」

銀時「………」

銀時(う、裏切ったァァァ!?ねえ!このクソヤロー裏切ったんだけどォォォォ!!)

803: 2010/06/15(火) 21:36:51.39 ID:KVWPisAO
銀時『上条ォォォ!いやおま…どういうつもりだ!?』

上条『すいません銀さん!あとで必ず!必ず返しますから!!』

銀時『ふざけんなお前ェェ!何しれっと全てを俺に押し付けてんだァァァ!』

上条『ホントに今月ヤバいんです!金に困ってるとかいうレベルじゃないんです!』

銀時『テメーの家の財政事情なんざ知るかァァァァ!』

804: 2010/06/15(火) 21:46:11.61 ID:KVWPisAO
佐天「何ですか二人とも…コソコソ内緒話なんかしちゃって……次、やりますよ?」

神裂「じゃあ皆さん、お好きなものを引いてください」

銀時『やべェ!ここで次に移られたら俺が金を払うってことで話が成立しちまう!』

銀時「ち、ちょっと待…まだ引くんじゃ…」

ステイル「じゃあ僕はこれにしよう」

銀時(バーコードォォォォ!!)

806: 2010/06/15(火) 22:01:36.28 ID:KVWPisAO
銀時(やべェよ…結局俺が金払うってことになっちまったよ……)

銀時「………」

美琴「ちょっと…早くアンタも引きなさいよ」

銀時「……んじゃこれでいいよ」

美琴「な、何かもう燃え尽きた感があるわね……」

銀時(今回は五番か……)

神裂「ま、また私が王様なのですが……」

808: 2010/06/15(火) 22:12:48.00 ID:KVWPisAO
佐天「へぇ、神裂さん運がいいねー」

神裂「いえ…幸運に恵まれているというのもあまり嬉しいことではないのです……」

黒子「では指示を…」

神裂「先ほどの状況を見る限り厳しいのは止めたほうが良さそうですね…」

佐天「あ、じゃあ神裂さん……」ゴニョゴニョ

神裂「そ、それは…良いのですか……?」

佐天「これは全然大丈夫ですよ」

銀時(あいつ…何を吹き込んだ?)

809: 2010/06/15(火) 22:30:34.78 ID:KVWPisAO
神裂「では四番の方が…そうですね、では七番の方と食べ比べをしてください」

銀時「食べ比べ?」

神裂「こ、これは普通だと言っていたので…ただし箸やスプーンは交換せずに」

銀時「まあ…まともっちゃまともだけどよ、誰だ四番は?」

ステイル「四番は僕だね…」

銀時(あ、ヤバい)

美琴「七番は?」

一方通行「帰る」

銀時(お、オメーが七番かよォォォォ!!)

神裂(わ、私はまた何か間違えたことを…?)

810: 2010/06/15(火) 22:48:44.95 ID:KVWPisAO
違えたことを…?)

ステイル「君が七番か…仕方ない、さあ食べてみるといい」

一方通行「お子様ランチ食わせられるとかどンな精神拷問ですかァ?」

ステイル「何…君はお子様ランチの何が気に入らない?」

一方通行「明らかにガキくせェだろォが」

ステイル「君は何も分かっていないな…ハンバーグ、スパゲティ、オムライス……」

ステイル「これら全てを網羅しているメニューが他にあるとでも言うのかい?」

ステイル「つまり…お子様ランチはパーフェクトな料理というわけだよ」

一方通行「………」

銀時(うぜェ…コイツ超うぜェ……)

美琴(お子様ランチ…良いかもしれない……)

822: 2010/06/16(水) 22:00:51.67 ID:KaJcRsAO
ステイル「まあいい…とりあえず僕は君のブラックとやらを頂こうか」

一方通行「お子様ランチ食ってるよォなヤツはブラックは飲めねェよ」

一方通行「とっとと帰ってママのミルクでもすすってやがれ」

ステイル「フ…僕を甘く見ないほうがいいよ……コーヒーくらいは飲むさ」ゴクッ

一方通行「勝手に飲んでんじゃねェェ!」

ステイル「……」

824: 2010/06/16(水) 22:05:30.54 ID:KaJcRsAO
ステイル「………」

銀時「オイお前…固まってっけど大丈夫か?コントローラー挿し間違えたか?」

ステイル「君は一方通行とか言ったね…これがコーヒーだと思っているのかい?」

一方通行「……?」

ステイル「かわいそうに…ただの泥水をコーヒーと勘違いしているとは…」

一方通行「はァ?」

ステイル「ここも酷い店だな…ただの泥水をコーヒーと偽って客に出すとは……」

一方通行「………」

銀時(あれ完全に飲めなかったよね?無理して飲んで確実に自爆したよね?)

827: 2010/06/16(水) 22:16:29.03 ID:KaJcRsAO
ステイル「さて…これは君に返すとしよう」

一方通行「……テメェが口付けたコーヒーなンざ欲しくもねェよ」

一方通行「クッソ…面倒くせェ、また同じの注文すンのかよ……」

ステイル「なっ…君はそんなに泥水が好きなのか……?」

一方通行「コーヒーだバカ」

ステイル「さっきのは甘くなかったじゃないか!液体の石炭を飲んだのかと思ったよ!」

一方通行「だァからブラックだっつってンだろ!甘くねェのが好きなンだよ!」

ステイル「甘くないコーヒー…?そんな物がこの世に存在するのか…?」

一方通行「お前の存在がこの世から消えろ」

銀時(ねえ…コイツら実は結構仲良いんじゃねーの?)

830: 2010/06/16(水) 22:28:11.90 ID:KaJcRsAO
佐天「じゃあ…次の回に行こうか?」

神裂「では皆さん、どうぞ」

銀時(今回は三番か……)

佐天「あ!私が王様じゃない!じゃあ初春が……」

初春「ば、番号で言ってくださいよ!」

佐天「あはは、冗談冗談!じゃあ七番の人が…」

黒子「わ、私…?」

銀時(あいつか…じゃあ今回、俺ァ関係……)

佐天「三番の人とポッキーゲーム!」

銀時「何でだァァァァァ!?」

831: 2010/06/16(水) 22:31:51.90 ID:KaJcRsAO
佐天「あれ…?」

銀時「あれ?じゃねーよ!一人をふんだり蹴ったりで楽しいかテメーらァァァ!?」

初春「そ、それにそういうのってさすがに止めといたほうが……」

佐天「大丈夫だって!たかがゲームなんだからさ」

銀時「万が一があったらどうすんだテメー!色んな意味で傷つくわ!」

銀時「白井!テメーも嫌だってスパッと断ってやれ!王にクーデター起こして…」

黒子「あなたが…三番ですの?」

銀時「ん?それが何かあったか?」

黒子「………」

黒子「……やりますの」

銀時「」

銀時(白井ィィィィィィ!?)

833: 2010/06/16(水) 22:41:24.45 ID:KaJcRsAO
美琴「あ、アンタ本気?万が一…その…き、キスしちゃったら……」

黒子「万に一つも起こりませんわ、それに…万が一の時はしっかり責任を取らせますわ」

銀時「お前ら話聞いてる!?止めようって言ってんだろ!」

ステイル「ポッキーゲーム…知らない遊びだな、是非見てみたいね」

美琴「もう…知らないわよ?」

銀時「俺の話を聞けェェェ!ねえ、誰か拾って!?会話のキャッチボールしようって!」

初春「じゃあ…始めましょうか」

銀時(キャプテンキッドォォ!聞こえるのか!?僕の声、君に届けェェェェ!)

835: 2010/06/16(水) 22:54:41.28 ID:KaJcRsAO
---

佐天「セットオーケーっと…じゃあ…始めちゃってください!」

銀時「………」

黒子「………」

美琴「…どっちも動かないわね」

銀時(無責任なこと言うなァァ!動けるわけねーだろォォ!)

黒子「……」サクッ

美琴「あれ?黒子がちょっと食べ始めた……?」

銀時「」

銀時(止めろォォ!待てお前!早まるなァァァ!)

836: 2010/06/16(水) 23:01:10.16 ID:KaJcRsAO
ステイル「な、何をやっているんだ君たちは!?」

佐天「え?」

ステイル「こんな食べ方をしていたら最後には相手の唇に噛みついてしまう!危険だ!」

美琴「ちょ…え……?」

ステイル「どくんだ!彼らの命を救うにはこれしかない!」

ステイル「北斗!岩山両斬波ァァ!ホワッタアアァァァァ!」

パキッ

初春「振り下ろされた手刀でポッキーが…二人の真ん中で……」

銀時(キレイに割れた!?)

860: 2010/06/17(木) 21:00:54.26 ID:C11.KsAO
ステイル「良かった…二人共無事だったか……」

一同「………」

ステイル「……どうしたんだい?何故そんな目で僕を見るのかな?」

銀時「なんつーか…うん、ハンパねーなって思ってよ」

ステイル「……?」

黒子「………多くは言いませんの、ただ…」

ステイル「どうしたんだい?」

黒子「消えてくださいな」パァン!

ステイル「!?」

一同「……ッ!?」

美琴(素手で殴って…え……吹き飛んだ?)

861: 2010/06/17(木) 21:08:18.31 ID:C11.KsAO
その時の様子を教師である坂田銀時氏は後にこう語る

銀時「こう……腕を振りかぶったんですよ、白井の奴が」

銀時「その時…俺ァアイツが何をやらかすつもりなのか全く分かりませんでしたね……」

銀時「アイツがやったのは何のことはない…ただの平手打ちですよ、ただの…ね……」

銀時「でもその平手打ちが当たった瞬間ね…視界から消えたんですよ、叩かれた男が」

銀時「彼はすぐに見つかりました…ファミレスの窓を破って十メートル離れた所に」

銀時「信じられないでしょ?中学生の女が平手打ちで男をそこまで飛ばしたなんて…」

銀時「でもね…見ちゃったんですよ、この目で確かに……その時俺ァこう思いましたね」

銀時「窓ガラスの弁償代…どうしよう…ってね……」

863: 2010/06/17(木) 21:31:21.21 ID:C11.KsAO
ステイル「………」チーン

佐天「え…えーっと……?」

一方通行(あのツインテール…やるじゃねェか……)

初春「これ…大丈夫なんですかね……?」

神裂「ステイルはああ見えて頑丈です、氏にはしませんよ…多分」

上条「いやそういう問題では……」

黒子「……はっ、私は一体何を…?」

美琴「あんた…覚えてないの?」

銀時「気にすんな、ちょっと空気を綺麗にしただけだから」

黒子「………?」

864: 2010/06/17(木) 21:39:24.84 ID:C11.KsAO
佐天「じゃ…じゃあもう一回やりましょうか!」

銀時「!?」

銀時『オイィィィィ!お前この空気でもう一回やる気か!?』

佐天『だ、だって!こんな沈んだ空気のまま終わったらマズいと思って!』

銀時『俺ァもう知らねーからな!?どうなっても知らないからね!?』

佐天「じ、じゃーみんな!一本ずつ引いてね!」

銀時(今回は…一番かよ、結局最後まで王様引けなかったなオイ)

上条(俺は四番…か……)

865: 2010/06/17(木) 21:49:47.21 ID:C11.KsAO
神裂「あの…三度目なのですが……」

初春「何がですか?」

神裂「その…王様です」

佐天「スゴいなー…本当に運がいいんですね……じゃあ最後に何か命令をどうぞ!」

神裂「さ、最後ですか…何を言えば……で、では四番の方が……」

上条(俺か……)

銀時(いいよもう…どーせこの世にゃ神も仏もいや……)

神裂「今まで出た命令を全て引き受けてください」

上条「何でだァァァァァ!?」

868: 2010/06/17(木) 22:05:05.89 ID:C11.KsAO
---
深夜、某所

上条「最悪だった…食事代払えなくて一方通行に借金までしちまって……」

上条「窓ガラスも弁償しなきゃならないなんて…はあ、何てこった…」

上条「やっぱり銀さんに全部押し付けようとした罰が下ったんですかね…」

禁書「あ!とうま!」

上条「インデックス!お前家に帰ってたんじゃなかったのか?」

禁書「とうまがあんまり遅いからずっと探してたんだよ!」

上条「悪かったな…」

禁書「それで…その……探してたらお腹すいちゃって……」

上条「インデックスさん…嫌な予感しかしないんですが」

禁書「あそこのファミレスのメニュー…制覇しちゃった」

上条「不幸だァァァァ!!」

完ッッ…?

878: 2010/06/30(水) 02:22:39.34 ID:oZQNvoAO
このスレはこれで終了?

引用: 銀時「とある科学の……ネオアームス(ry」新八「違います」