1: 2016/08/29(月) 21:24:42.76 ID:Ouz6jNfD.net
曜「……」

12: 2016/08/29(月) 21:32:05.95 ID:Ouz6jNfD.net
曜「季節の変わり目なのにそんな薄着してるからだよ」

千歌「ちょっと前までは暑かったのになぁ」

曜「良かったらこれ着て?」

千歌「わあ、曜ちゃんのパーカー。いいの?」

曜「私は水泳やってるからね、脱いでちょうどいいくらい」

千歌「ありがとー。あったかーい」

千歌「それにこれ、曜ちゃんの匂いがする」

千歌「ふふ……」


曜「……」

29: 2016/08/29(月) 21:47:24.80 ID:Ouz6jNfD.net
曜「恥ずかしいから嗅ぐの禁止」

千歌「えー。これすごく良い匂いするのに」

曜「気のせいだって。消毒液の匂いしかしないよ」

千歌「それも含めて曜ちゃんの匂いだよ?」

千歌「ちかのだーいすきな、曜ちゃんの匂い」



曜「……」

37: 2016/08/29(月) 21:57:46.85 ID:Ouz6jNfD.net
千歌「あったかいし良い匂いだし、すごく落ち着く」

曜「私は落ち着かないけどね……」

千歌「?」

曜「なんでもないよ。ほら、早く宿題やっちゃおう」

千歌「ええー、ちょっと休憩しようよ。甘いものが食べたいー」

曜「甘いもの……みかんとか?」

千歌「みかんも良いけど……今日はこれです!」

曜「チョコ? さっき持って来てたのそれだったんだね」

千歌「沼津で買った限定チョコトリュフだよー」

曜「美味しそうだね」

千歌「手汚れちゃうから食べさせてあげるね、パーカーのお礼」

曜「へ?」

千歌「はい、あーん」



曜「……」

54: 2016/08/29(月) 22:07:57.20 ID:Ouz6jNfD.net
曜「い、いいよ。自分で食べれるから」

千歌「えー、なんでそんなこと言うの」

千歌「これくらいいつもやってるよね?」

曜「えっと、今はそういう気分じゃないっていうか」

千歌「ほら、はやくはやく」

曜「ち、千歌ちゃん」

千歌「あーん」

曜「……あむ」

千歌「どう? おいしい?」

曜「……うん、おいしい」

千歌「そっか、良かった」

千歌「実はこれね、曜ちゃんのために並んで買って来たんだよ」

曜「へ?」

千歌「ほら、ここ見て。雑誌に載ってたあのお店のチョコトリュフなんだよ。曜ちゃん食べたいって言ってたよね」



曜「……」

66: 2016/08/29(月) 22:19:28.97 ID:Ouz6jNfD.net
曜「すごいね、よく覚えてたね」

曜「あんな独り言……」

千歌「曜ちゃんあまり甘いもの食べないから、珍しいなって思って」

曜「ありがとう千歌ちゃん。すごく嬉しい」

千歌「ふふ、どういたしまして」

曜「ねえ、なにかお礼させてよ。貰ってばっかりじゃやだよ」

千歌「お礼なんていらないよ。このパーカーでおあいこ」

曜「でも」

千歌「ちかはね、曜ちゃんのこういう何気ない優しさが大好きなんだよ」

千歌「いつも私のこと見ていてくれて、気遣ってくれて」

千歌「チョコトリュフが日頃の感謝の気持ち、みたいなもので、曜ちゃんに対するお礼だから」

千歌「曜ちゃんからのお礼はいらないんだよ?」

千歌「それでも曜ちゃんの気が収まらないなら……これからも私の一番の友達でいて欲しい、かな。えへへ」



曜「……」

85: 2016/08/29(月) 22:31:15.43 ID:Ouz6jNfD.net
千歌「チョコ、まだまだあるからいっぱい食べてね」

曜「……一つ、食べさせてくれる?」

千歌「いいよー。はい、あーん」

曜「ううん、違う。そうじゃない」

千歌「え?」

曜「こっちがいいな……」

千歌「……へ?」

曜「チョコってね、口の中で溶けた時が……一番甘くなるらしいんだ……」

曜「千歌ちゃんにも、甘いの、味わって欲しい……」

千歌「よ、よう、ひゃん……?」

曜「だから……」



曜「一緒に食べよ……?」

91: 2016/08/29(月) 22:35:40.82 ID:Ouz6jNfD.net
残りのチョコは全部千歌ちゃんと一緒に食べましたとさ

めでたしめでたし


おわり

引用: 千歌「ひちゅっ」曜「え、今の可愛いのなに」千歌「くしゃみだけど……」