821: 2012/12/11(火) 22:56:35.34 ID:s/BLVtDj0


シリーズ:モバP「冬の過ごし方」


前回:【モバマス】柚「寒い日の過ごし方」


最初から:【モバマス】愛梨「冬の過ごし方」



 卯月・自室

コンコン

P「卯月ー、起きてるかー?」

卯月「プロデューサーさんですか? 開いてますからどうぞ」

P「お邪魔します、よ、っと」ガチャ

卯月「ど、どうぞ入ってください、今何か飲み物を……」コホコホ

P「あー、いいから寝てろって。というか、お見舞いに来たほうが飲み物振舞われてどうする」

卯月「す、すみません……」

P「スポーツドリンクと紙コップなら買ってきたから。今飲むか?」

卯月「それじゃあ、お願いします……。ありがとうございます」


島村卯月(17) Cu 趣味:友達と長電話 エヘ顔ダブルピース
アイドルマスター シンデレラガールズ シンデレラガールズ劇場(8) (電撃コミックスEX)

822: 2012/12/11(火) 23:00:14.37 ID:s/BLVtDj0
P「いつも元気な卯月が風邪引くなんてなあ……。1周年のライブだからって、頑張りすぎちゃったか?」

卯月「そうかもしれません……。うう、島村卯月、一生の不覚、です!」

P「はは。でもあれじゃないか? 卯月って、インフルエンザとかも真っ先にかかるタイプじゃないのか?」

卯月「え。ど、どうして分かるんですか……!?」

P「だって、ほら。その方が卯月らしいし。流行に乗り遅れない、っていうかさ」

卯月「プロデューサーさん! それ、私がフツーの子だって馬鹿にしてますよねっ!?」

P「してないしてない」ニヤニヤ

卯月「その笑顔は絶対してまーすー!」

824: 2012/12/11(火) 23:04:45.80 ID:s/BLVtDj0
P「しかしまあ、風邪引いてるのにひとりぼっちだと大変だな」

卯月「そうですね、うちは両親とも共働きですから。みんなは仕事中でメールや電話も返ってこないし、ちょっと寂しいです」

P「ま、そうでもないと俺が部屋に上がらせてなんてもらえなかっただろうけどな。これに懲りたら風邪なんて引かないようにしろってこった」

卯月「でも、悪いことばかりじゃないんですよ?」

P「? どういうことだ?」

卯月「だってほら、こうしてプロデューサーさんと2人っきりになれましたから♪」

P「馬鹿なこと言うな」ハァ

卯月「プロデューサーさん、襲っちゃっても、いいんですよ?」ニコニコ

P「あいにく、病人に手を出す趣味はないんだ」

卯月「じゃあ、病人じゃなかったらいいんですね! やりました!」

P「揚げ足を取るんじゃあない」ピシ

卯月「あいたぁ……。でこぴんって、ひどいですよぉ……」

825: 2012/12/11(火) 23:09:43.46 ID:qgRELkxg0
P「ま、元気そうだし俺はそろそろ帰るよ。俺が買ってきた袋の中に入ってるから、桃缶とドリンク飲んで大人しく寝てろ」

卯月「分かりました! 頑張って早く治しますね!」

P「頑張ったら治るもんなのか……?」

卯月「えへへ、分かりません!」

P「ま、いいか。じゃあ」

卯月「あ、あのっ」

P「?」

卯月「寝るまででいいので、手を握ってもらえませんか?」

P「は?」

卯月「また1人になると思うと、ちょっと心細くって……。だめ、ですか?」

P「……ま、そのくらいならいいか。どうせ時間もあるしな」

卯月「やったあ! えへへ」

826: 2012/12/11(火) 23:12:26.32 ID:qgRELkxg0
P「よっと。こんなんでいいのか?」

卯月「はい! わあ、プロデューサーさんの手だぁ……」ニギニギ

P「そんな大げさな……」

卯月「大げさなんかじゃないですよっ! 事務所でだってみんなが狙ってるんですよ、プロデューサーさんの手!」

P「んな馬鹿な。……と思ったけど、もしかして最近、事務所で手相が流行ってるのって」

卯月「はい! ある人の計らいです!」

P「試しにマニキュア塗らせてー、なんて声がよくかかるのも」

卯月「はい! ある人の計らいです!」

P「年少組がハイタッチをよくしてくるのも」

卯月「はい! ある人の計らいです!」にぱっ

P「おいおい……どうなってるんだうちの事務所は……」

卯月「だから今日は、私が独り占めなんですよ!」

P「まあ、このくらいならいいけどさ……気の済むようにしてくれ」

卯月「いいんですか? じゃあ、お言葉に甘えまして、えい」グイ

P「は、ちょ、え?」ぱたむ

830: 2012/12/11(火) 23:16:52.34 ID:qgRELkxg0
卯月「えへへー、独り占めですよー♪ あったかいです!」スリスリ

P(後ろに引き倒されて、布団に引きずりこまれた……!?)

P「おい、ちょっと待て卯月、これは……」

卯月「あ、プロデューサーさんも寒いですよね! ごめんなさい!」バサァ

P「こ、こら! 上から布団をかけるな!」

卯月「これであったかくなりましたか? どうですか?」スリスリ

P(布団に残った卯月の温もり、ほんのり残ってる卯月の汗の匂い、後ろから直接抱きついてきてる卯月の体温……。これ、いろいろとやばい!)

P「お、おいこら卯月! こんなところ家族の人にでも見られたらどうする気だっ……!」

卯月「え、邪魔者なら今日はしばらく帰ってきませんよ?」

P「自分の親のことを邪魔者って言ったか今!?」

833: 2012/12/11(火) 23:21:44.29 ID:qgRELkxg0
卯月「さあさあ、襲いたくなっちゃいましたか?♪」

P「こ、こら卯月! シャレになってないぞ!」

卯月「せっかくの独り占めの機会ですから! 頑張っちゃうのは当たり前です!」サワサワ

P「だから、俺には、病人を襲う趣味は無いっての!」

ピタ

卯月「……」

P(やっと諦めてくれたか……助かった)

卯月「……そういえば、さっきそう言ってましたもんね!」

P「そうそう、だから早く離してくれよ……」

卯月「けど」

P「?」




卯月「『病人に襲われる』趣味はあるかもしれないですよね?」ニコッ

P「!!?」

835: 2012/12/11(火) 23:26:50.56 ID:qgRELkxg0
~事務所~

P「ひっくしゅ」

ちひろ「あらやだ。プロデューサーさん、風邪ですか?」

P「みたい、だなぁ。……はぁ」ズズ

ちひろ「アイドルのみんなにはうつさないでくださいよ?」

P「善処します……うう、ティッシュティッシュ」

ガチャ

卯月「おっはようございまーす! 島村卯月、今日も一日頑張ります!」

ちひろ「あら、卯月ちゃん、おはよう。風邪はもういいの?」

卯月「はい、もうバッチリです! あれ、プロデューサーさん?」

P「おお卯月、おはよう。……」グズ

卯月「もしかして、風邪ですか? それはいけません!」




卯月「私が看病して、あたためてあげますね!」グッ

おわり



次回:
【モバマス】蘭子「無限に続く銀の闇!」



引用: モバP「寒い日の過ごし方」