1: 2016/09/02(金) 22:46:53.39 ID:ad9MKQyd.net
鞠莉「クルージングに出たら嵐に巻き込まれるなんて……」

ダイヤ「とんだ災難ですわ…本当に、自然の…」

鞠莉「救助は来てくれるわ、船からの連絡が途絶えた事から、きっと察してくれる」

果南「結構アバウトっていうか適当ね…」

鞠莉「とりあえず服を乾かしたいわね…」

ダイヤ「濡れた服で移動するのは体力を消費するし、体温の低下にもつながるそうですし」

果南「服脱いで干しておこうか」

3: 2016/09/02(金) 22:49:50.41 ID:ad9MKQyd.net
ダイヤ「…ふ、服を……ですか」

鞠莉「ちょっと恥ずかしいけど、少しの辛抱よ、ダイヤ」

果南「日も照ってるしね…」ヌギヌギ

ーーー

ダイヤ「……それで、これからどうすれば」

果南「助けがいつ来るかもわかんないからねー、数日間、ここで生活しないといけないかもしれないし…」

鞠莉「水と食料ね」

鞠莉「…漂流したペットボトルや、布なんかはないかしら」

ダイヤ「簡易濾過装置ですわね……」

5: 2016/09/02(金) 22:52:51.89 ID:ad9MKQyd.net
果南「この森の先に、川か何かあればその水で、なんとか飲み水作る事が出来たらいいんだけど…」

鞠莉「そうね…とりあえず、まず第一に飲み水の確保ね」

ダイヤ「…こ、この先に進むんですの?」

果南「そうしないとこのままじゃ干からびちゃうし」

ダイヤ「……」

鞠莉「……ダイヤ、怖い?」

ダイヤ「…そりゃあ」

ダイヤ「……でも、行きますわ。1人でいるより、マシです…」

11: 2016/09/02(金) 22:56:28.18 ID:ad9MKQyd.net
ーーー
森のなか

鞠莉「…ここって、動物かなにかもいるのかな」

果南「どうだろうね。あんまり危ないのはいないで欲しいけど……」

鞠莉「危ないもんね」

ダイヤ「変な虫はいっぱいいますわね……」

果南「あっ! 見て、川!」

鞠莉「結構大きい…」

ダイヤ「蟹とか魚とか、いるんじゃないですの?」

果南「海でとるよりかは、安全そうだしね……探してみよう」

19: 2016/09/02(金) 23:10:58.76 ID:ad9MKQyd.net
ーーー

鞠莉「蟹とったー!!」

果南「やったわ鞠莉!」

ダイヤ「しかも結構大きい…?」

果南「こっちも捕まえた…食べる分には小さい…かな?」

ダイヤ「この状況では、食べられるなら、とっておかないと」

果南「そうね…ごめんね」

鞠莉「でも蟹ばっかりだね 」

果南「私なら海に行ける事はいけるけど……」

果南「素手じゃさすがに、ね」

21: 2016/09/02(金) 23:14:22.02 ID:ad9MKQyd.net
鞠莉「探したらなにか落ちてるかもよ」

果南「まっさか、そんな都合よく…」

ダイヤ「モリが落ちてましたわ!」

果南「あった」

ーーー

果南「…でも私、モリで魚突くなんて、やったことないよ?」

ダイヤ「この中の3人だと、果南にしか頼めませんから…」

果南「んー…とりあえず、行ってくるね」ジャブジャブ

鞠莉「果南」

果南「ん?」

鞠莉「下着つけていくの?」

果南「え」

27: 2016/09/02(金) 23:16:03.36 ID:ad9MKQyd.net
鞠莉「だって乾かしたのに」

果南「えっ、でもさ、その。さすがに裸でっていうのは…」

鞠莉「別に誰もいないんだし、大丈夫よ」

果南「……」

ーーー

果南「流されてしまった…」スッポンポーン

果南「…まあ、仕方ないか……!」

果南「そぉい!」ピョーンッ

37: 2016/09/02(金) 23:20:04.65 ID:ad9MKQyd.net
果南『……』プクブク

果南(綺麗な海……魚も結構…)

果南(とにかく、数を稼がないと、ね……!)

ーーー

鞠莉「それじゃあ私達は火を確保しないとね」

ダイヤ「できるんですの?」

鞠莉「やらないと、ご飯食べられないしね」

鞠莉「この木と木を、擦り続けて火種を作ることから始めなきゃ」

41: 2016/09/02(金) 23:23:37.02 ID:ad9MKQyd.net
ギリギリガリガリガリ……

ダイヤ「……だ、だめですわ…つかない……」

鞠莉「木が湿りすぎてたのかもしれない…今度はからっからに乾いてそうなのにしよう」

ダイヤ「これとか…これですわね。今度こそは…」

ギリギリガリガリガリ……

ーー

ダイヤ「……!」

プスプス……

鞠莉「煙が……!」

ダイヤ「あ、あと少し……!」

47: 2016/09/02(金) 23:26:59.21 ID:ad9MKQyd.net
鞠莉「もういいかな……! よし、じゃあこの藁っぽいのに……!」ポイッ

ダイヤ「ど、どうするんですの?!」

鞠莉「えっと、えっと、ぶんまわすの!」

ダイヤ「こう!?」ブンブン

ボッ!

ダイヤ「あっつ!?」

鞠莉「火がついたー!」

ダイヤ「やっ、やりましたわー!」

ーーー

52: 2016/09/02(金) 23:33:31.10 ID:ad9MKQyd.net
パチッ、バチッバチッ…

ダイヤ「…果南、なかなか戻ってきませんわね…」

鞠莉「もう暗くなってきちゃう……ん?」

果南「……」ジャブジャブ…

ダイヤ「あっ……帰ってきた!」

果南「いや〜、大漁大漁!」

鞠莉「わっ、すごい! こんなに……!」

ダイヤ「1、2、3……8匹も…!」

果南「頑張ったよ〜」

55: 2016/09/02(金) 23:36:28.04 ID:ad9MKQyd.net
果南「って、火だー!」

果南「あったか〜い…結構冷えちゃって……」

鞠莉「はい、お水」

果南「あれっ、もう作れたの?」

鞠莉「一番働いてくれた果南に、最初に飲ませてあげないと」

ダイヤ「そうですわ」

果南「そんな…気にしなくていいのに……。でも、ありがたく…」

ーーー

果南「それじゃあ、さっそくこれらをどうにかして調理しないといけないわけだけど」

57: 2016/09/02(金) 23:40:20.96 ID:ad9MKQyd.net
ダイヤ「でも包丁も調味料もあるわけではない…」

鞠莉「もうそのまま焼いちゃうしかないんじゃない?」

果南「だよね」

ーーー

パチッ、バチッバチッ……

ダイヤ「不格好ですけど、木で串をつくって、丸焼きに…」

果南「これはこれで美味しそうじゃない?」

鞠莉「キャンプみたいで楽しいわ!」

果南「厳しいキャンプになっちゃいそうだね……そろそろいいかな」

59: 2016/09/02(金) 23:50:28.11 ID:ad9MKQyd.net
鞠莉「ふぅー、ふぅー…」

ダイヤ「…なんていうか、なかなかに野性味に溢れすぎていると言うか」

果南「仕方ないよ、いただきまーす!」

果南「あむっ……」バリムシャァ

ダイヤ「……」

3人「かった」

ダイヤ「鱗が…」

果南「……」

鞠莉「これは美味しいとは言えないかなぁ……」

果南「やっぱり多少の下ごしらえは必要なのかな……」

61: 2016/09/02(金) 23:54:13.07 ID:ad9MKQyd.net
鞠莉「ナイフでも落ちてないかしら…」

ダイヤ「…今はもうくらいですから、探すのは明日にしましょう」

ダイヤ「それに、蟹なら、美味しくいただけるのでは」

果南「確かに」

鞠莉「蟹だけに?」

果南「え?」

鞠莉「え」

ダイヤ「はいじゃあ蟹も焼いてみましょう!!」

ーーー

果南「あっ、蟹は美味しい……」

鞠莉「でももう少し味が欲しいのは確かね……」

ダイヤ「今は食べられればなんでもいいですわ……」

ーーー

80: 2016/09/03(土) 19:02:23.42 ID:gZlDaqSj.net
果南「もう暗いね…」

鞠莉「いま何時くらいなのかしら」

ダイヤ「…それにしても」

ダイヤ「星が、綺麗ですわね…」

果南「そうだね…これだけは、ちょっと嬉しいかも」

鞠莉「余計な明かりがないから、より輝いて見える」

81: 2016/09/03(土) 19:20:43.72 ID:gZlDaqSj.net
鞠莉「とにかく、明日も何があるかわからないんだし、気を引き締めていきましょう」

果南「寝ようか」

ダイヤ「はい…」

ーーー

ギラギラギラギラ

鞠莉「あつい……」

果南「日差し強いなぁ…こんなのどうしろっていうの」

ダイヤ「なにか日除けになるものがあればいいのに…」

ダイヤ「これなら森の中にいた方が涼しいんじゃ」

鞠莉「そうね。食べ物も探さないといけないし、いきましょうか」

果南「あと飲み水」

ーーー

ダイヤ「ここは何もなさそうですわね…」

鞠莉「キノコあるけどだめかのかな」

果南「そんな紫色のいかにもなキノコ食べたくないよ……」

82: 2016/09/03(土) 19:54:12.86 ID:gZlDaqSj.net
鞠莉「あ、見てみて! これって確か…」

鞠莉「このキノコは食べられるわ!」

果南「そうなの?」

鞠莉「焼けばしっかり、ね」

ダイヤ「持っていけるだけ持っていくことにしますか」

ダイヤ「それにしても、よく知っていましたわね」

鞠莉「小さい頃に何かの本で見た気がするの」

果南「なんか急に不安になってきた……」

88: 2016/09/03(土) 21:52:00.51 ID:gZlDaqSj.net
鞠莉「とにかく焼けば食べられるわ」

果南「……それはいいけど」

ダイヤ「あついですわ…」

果南「プール行きたい…」

鞠莉「この際川でも……川、でも…」


3人「あ」

89: 2016/09/03(土) 22:02:46.12 ID:gZlDaqSj.net
ーーー

鞠莉「水着じゃないけど、何もなによりはいいよね」

果南「そうだね、でも気持ちいい〜」

ダイヤ「よく見れば綺麗な水だし、水浴びにもぴったりですわ…」

鞠莉「ついでにこのまま魚とか蟹探しちゃおうよ」

果南「エビとかもいないかな」

90: 2016/09/03(土) 22:09:18.42 ID:gZlDaqSj.net
ーーー

ダイヤ「果南、そっちに1匹大きめのエビが!」

果南「わかってるわかってる!」

果南「獲ったー!」

鞠莉「こっちも蟹!」

ダイヤ「大漁ですわー!」

ーーー

果南「いや〜、なんか普通に遊んじゃったね」

鞠莉「しょげてるより、いっそ楽しんじゃった方がいいのかもしれないわね」

ダイヤ「私も、火のつけ方も少し慣れましたわ」

果南「あ、そうそう、私」

91: 2016/09/03(土) 22:21:49.72 ID:gZlDaqSj.net
ーーー

果南「これこれ。草に袋かぶせておくと、袋に水が貯まるんだ」

ダイヤ「正真正銘の真水ですわね」

果南「でも全然量ないね」

鞠莉「まあしかたないわ。果南が飲みなよ」

ーーー

果南「よーし、じゃあ魚とってこようかな!」

鞠莉「果南ちょっと楽しいんでしょ」

果南「ちょっとね」

92: 2016/09/03(土) 22:31:14.34 ID:gZlDaqSj.net
ダイヤ「気をつけて」

果南「わかってるよー、まあ、待ってて」

ーーー

鞠莉「よし、私たちも待ってるだけじゃ悪いし、何かしてよう」

ダイヤ「とすると、何をすれば…」

鞠莉「インテリア作ってみましょう!」

93: 2016/09/03(土) 22:37:32.09 ID:gZlDaqSj.net
ーーー

ダイヤ「素人なりに、作ってみましたけど、それなりに形にはなっていますわよね?」

鞠莉「椅子!」

ダイヤ「後は火を起こして、果南が戻ってくるのをまつだけですわね」

ーーー

果南『たこっー!』

94: 2016/09/03(土) 22:43:59.37 ID:gZlDaqSj.net
果南『あれ獲ったら二人とも喜ぶよね……よおし』

果南『ふんっ…』ガシッ

果南『うわっ、絡み付いてきたっ……!』

97: 2016/09/03(土) 23:48:57.04 ID:gZlDaqSj.net
果南『結構でっかいし……危ないかな…いや、いける!』

果南『おおりゃあああああ!!』

ーーー

果南「……ただいまー!」

鞠莉「おかえ……うわっ、なにそれ!」

ダイヤ「タコ?」

果南「すごいでしょ、こんなに大きいのは」

99: 2016/09/04(日) 00:04:08.78 ID:wVTjJTN3.net
鞠莉「それじゃ、このタコさんを……」

ウニャウニャッ!

鞠莉「ひゃっ!?」

果南「わっ、まだ生きてるよ!」

鞠莉「やぁっ、胸に吸盤が……!」

ダイヤ「なんて助平なタコ……!」

鞠莉「そんな事行ってないでとるの手伝ってよー!」

果南「気をつけて急に引っ張ったら痛いよ… 」

鞠莉「ゆっくり、ゆっくりね…肌にくっついてる所もあるから……」

100: 2016/09/04(日) 00:11:14.55 ID:wVTjJTN3.net
鞠莉「いたたたたっ、たいっ!?」

ダイヤ「ご、ごめんなさいっ、でもなかなかとれなくて…」

果南「鞠莉のここが無駄に大きいからタコも張り付いてるのよ…!」

鞠莉「好きで大きくしてるわけじゃないから!」

ーーー

果南「なんとか離れたね」ウニウニ

鞠莉「もう〜…せめて美味しく食べてやるわ」

ダイヤ「タコも丸焼きですの?」

果南「タコなら大丈夫だよ、これだけ大きいと焼くのに時間かかりそうだけど」

106: 2016/09/04(日) 07:55:22.03 ID:wVTjJTN3.net
パチッ、バチッバチッ…

3人『おおっ〜』

ダイヤ「くるんっとして赤くなって美味しそう…!」

果南「これなら期待できそうだね…」

果南「…そういえば、これって」

鞠莉「椅子よ! なんかそのへんの木板を紐で縛って作ってみたの、ダイヤと」

果南「すごいね、これでお尻が痛くないや」

ダイヤ「ふふ。…なんだか、ここでの生活もそんなに悪くないですわね…」

107: 2016/09/04(日) 08:29:35.62 ID:wVTjJTN3.net
果南「案外どうにかなっちゃってるもんね 」

鞠莉「ここから帰れたら、遊びに来てもいいかもね」

ダイヤ「もうタコもいい具合では」

鞠莉「そうね、じゃあいただきまーす!」

ーーー

ブルルルルルッ…

『いた! あそこの島だ…!』

鞠莉「あっ、あれは…!」

ダイヤ「小原家のヘリ……!」

108: 2016/09/04(日) 08:58:20.87 ID:wVTjJTN3.net
『遅れてしまい申し訳ありません、ですがもう…』

鞠莉「それなんだけどね?」

『はい?』

鞠莉「お水と携帯電話ある?」

『え、ええ、まあ、はい』

鞠莉「だったらそれかして!」

鞠莉「私達、もう少しここで生活するわ!」

『はい……はい!?』

果南「やばくなったら連絡しますから!」

ダイヤ「火の起こし方が板に付いてきたところなんですの!」

『で、ですが!?』


鞠莉「さあ、いくわよー!」

3人『おっー!』


おわ

109: 2016/09/04(日) 08:58:33.59 ID:wVTjJTN3.net

110: 2016/09/04(日) 09:10:19.20 ID:fo1AeZ9F.net

引用: 果南「無人島に漂流した……」