517: 2011/02/22(火) 20:57:55.40 ID:/3IQPnrfo

【禁書目録】一方通行「イヤだ」【前編】
【禁書目録】一方通行「イヤだ」【後編】
【禁書目録】一方通行「イヤだ」part2【前編】


ピンポンパンポーン♪

『ただいまより全校集会を行います。生徒の皆さんは体育館に集合してください、とミサカは指示を出します』

麦野「また体育館……」

垣根「もうやだ体育館イヤな思い出しかねえ」

一方通行「オマエ等もォ廊下で余計なモン見つけンなよ?」

御坂「一番何かやらかしそうなのはアンタでしょうが」

垣根「あーマジで行きたくねえ」

麦野「指示に従わなきゃペナルティ喰らうわよ?」

垣根「わかっちゃいるんだが……」

『ていとくん、別に来なくても構いませんよ、とミサカは事も無げに言い放ちます』

垣根「え?」

『その代わり第七位が……』

垣根「よっしゃ行くぞオマエ等!体育館まで競争だぜ!!」

一方通行「うぜェ」
とある魔術の禁書目録 21巻 (デジタル版ガンガンコミックス)
518: 2011/02/22(火) 20:58:23.34 ID:/3IQPnrfo

―廊下


『時に一方通行』

一方通行「なンだよ?」

『先程のあなたの上位個体への愛の告白を録音してみたのですが
校内放送で流してみてもよろしいでしょうか?とミサカは丁寧に尋ねます』

一方通行「うおォォォい!!!何してくれてンだテメェェェ!!!!」

『わかりました、全校集会のときに巨大スクリーンで映像と共に大音量で流しますね』

一方通行「何一つわかっちゃいねェだろォが!!!
白黒撃退に一番尽力した俺がこの扱いってのはどォいうことなンですかァァァ!?」

『そもそもあなたの撒いた種ですし?自業自得でしょう、とミサカは鼻で笑います』

垣根「ドンマイアクセ口リータ」

麦野「負けるなアクセ口リータ」

一方通行「オマエ等マジで氏ね」


デデーン♪

『御坂、アウトー』

御坂「まさかアンタがガチ口リだとは思って無かったわ……」クスクス

一方通行「違うつってンだろォがァァァァ!!!!」


バチーン!!


御坂「うあぁったぁぁぁ!!!」

519: 2011/02/22(火) 20:59:00.92 ID:/3IQPnrfo


垣根「ん?おいあそこ」

一方通行「おい変なモン見つけンなつっただろォが」

麦野「何かこっちガン見してる奴がいるわね」


「……」ジー


一方通行「こっちつーか……超電磁砲のこと見てねェか?」

御坂「げぇ……」

垣根「知り合いか?」

御坂「うん一応……」

麦野「結構イケメンね」

垣根「俺ほどじゃねえがな」

麦野「アンタと違って爽やか系イケメンじゃない」

垣根「あ?どういうことだコラ」

一方通行「オマエは小汚いイケメンだってことだろ」

垣根「ホントにどういうこと!?」

520: 2011/02/22(火) 20:59:39.34 ID:/3IQPnrfo


「……」ジー


御坂「う、まだ見てる……」

麦野「無視よ無視、見られてるだけなら害無いし」

一方通行「だな」


「……」ジー


御坂「……」


「……」フリフリ


垣根「!?」

麦野「真顔で腰振りはじめた……」

一方通行「ぐ……無視だ無視、さっさと行くぞ!」

521: 2011/02/22(火) 21:00:11.65 ID:/3IQPnrfo


「……」ウネウネ


御坂「ウグ……」

垣根「クソ……なんて滑らかな動きだ、只者じゃねえ……ッ」

一方通行「一人噴き出したら連鎖的にやられるぞ、耐えろオマエ等ァ……」


「……」ピタッ


麦野「止まった……?」

垣根「勝ったのか、俺達は」

522: 2011/02/22(火) 21:00:43.33 ID:/3IQPnrfo




「テクパトルぅぅうううううううううう!!」

   \    
   (/o^) 
   ( /  
   / く  








523: 2011/02/22(火) 21:01:13.58 ID:/3IQPnrfo

デデーン♪

『全員、アウトー』

一方通行「意味がわからねェ!!!」

垣根「ちくしょう、いい声してやがる」

御坂「油断したわ……」

麦野「なまじイケメンなのが反って効くわね……」


バチーン!!

一方通行「あァァおォォ!!!」

垣根「があああぁぁ!!」

御坂「うひゃあああ!!!」

麦野「いっだあああぁぁ!!」



「……」ニヤ


一方通行「うわァすっげェいい笑顔してやがる」

垣根「御坂が尻叩かれてるの見て喜んでるんじゃねえか?」

御坂「うえぇ……」

麦野「一発ぶん殴ってこようかにゃーん」パキポキ

524: 2011/02/22(火) 21:01:48.31 ID:/3IQPnrfo


「おいてめぇ、御坂を傷つけやがったな?」

「!?」


御坂「あ、あいつ!?」

垣根「おぉ?ビンタされまくってたウニ頭じゃねえか」


上条「アイツを守れって言ったのはてめぇだったよなぁぁ!?」

「ちょ、待ってください、自分は……」

上条「いいぜ(略)頃す!!」デュクシ

「ぐふあぁぁぁ!!!」


一方通行「何かパンチで顔面の皮剥がれたンですけどォォォ!?」

麦野「気持ち悪ぅぅ!!!」


上条「クソ、このイケメンが!このイケメンが!!そげぶ!!!」デュクシデュクシ

「ぐあああああぁぁぁぁぁ!!!!」


垣根「すげ、デンプシーロールなんて生で見たのはじめてだぜ」

一方通行「アイツただ殴りたいだけじゃねェか?」

525: 2011/02/22(火) 21:02:27.93 ID:/3IQPnrfo

上条「とどめだ!!その幻想をぶち頃す!!!」デュクシ!

「ぐげぇぇぇ!!!」

Fatal K.O

上条「ふぅ、いい汗かいたぜ」

「……上条、お前何やってるじゃん?」

上条「!?」

「この私の前で一度ならず二度までも校内暴力を振るうとはいい度胸じゃん」

上条「よよよよ、黄泉川先生……これには深い訳がございましてですね……」

黄泉川「こっち来ぉい!!!」

上条「ぎゃあああ不幸だぁぁぁぁ……!!」


一方通行「いや、不幸じゃねェだろ……」

垣根「完全に自業自得だよな……」

御坂「……体育館、行かない?」

麦野「そうね……」

526: 2011/02/22(火) 21:03:12.41 ID:/3IQPnrfo

―体育館


一方通行「うォォ、うじゃうじゃ人がいやがるなァ」

御坂「全校集会って私達だけでやるんじゃないのね、て言うかほとんど妹達じゃない……」

垣根「お、アイテムの連中もいるぞ」

麦野「ちょっと浜面殴ってくる」

垣根「脈絡無さ過ぎだろオマエ……俺も行くけど」

一方通行「おいオマエ等、そンなことよりアレ見ろ、アレ」

御坂「え?」

麦野「……何か壇上にごっついおっさんがいるわね」

垣根「嫌な予感しかしねえ」

一方通行「この状況で良い予感がする野郎がいたら見てみてェよ……」

527: 2011/02/22(火) 21:03:44.67 ID:/3IQPnrfo


小萌「皆さん揃ったようなので全校集会を始めるのですよー」


麦野「小さくて気付かなかったけど、今朝の合法口リも壇上にいるわね」

垣根「美女と野獣ならぬ幼女と野獣ってとこか」

御坂「餌と肉食獣って感じね」


小萌「まず最初に残念なお知らせです。ここにいるアックア先生のハンカチが盗難にあいました。
皆さんポケットの中のものを出してください」

アックア「……」ギリギリ


絹旗「浜面、どうせ浜面が超犯人なんでしょう?」

浜面「違うから!あんなおっかない人のハンカチ盗まねえよ!!」

フレンダ「結局、かわいい女の子のハンカチなら盗むってこと?」

絹旗「うわぁ超最低です」

528: 2011/02/22(火) 21:04:13.30 ID:/3IQPnrfo

浜面「待って、盗まない!盗まないから!!」

滝壺「そんな浜面を応援しない」

浜面「滝壺ぉぉぉ!!!」


アックア「私語は慎むのである!!」ブン


浜面「ぶふぇ!!!」バチュン

フレンダ「うわ何か飛んできた」

滝壺「なんだろこれ……水かな?」

絹旗「浜面が超吹っ飛ぶほどの水ですか、どんな能力なんでしょう?」


529: 2011/02/22(火) 21:04:39.40 ID:/3IQPnrfo

一方通行「あのおっさん滅茶苦茶怒ってやがンな……」ガサゴソ

御坂「ハンカチくらいでね……」ゴソゴソ

麦野「つーかそんな簡単に出てくるわけねえだろ」ガサガサ

垣根「全くだ……な……まさか、これは……」

麦野「……ハンカチね」

御坂「垣根さん……」

一方通行「垣根ェ……」

垣根「だと思ったわ!!予想ついてたよクソが!!」


小萌「おやぁ、何やらていとくんが青い布を持ってるみたいなのですよ?」

アックア「貴様であるかぁぁ!!!」


垣根「違ぇぇよ!!!勝手にポケットに入ってたんだよ!!!!」

530: 2011/02/22(火) 21:05:10.62 ID:/3IQPnrfo

小萌「ていとくん、ハンカチ持って壇上まで来るのです!!」

垣根「だぁれが行くかボケ!!!」

アックア「来るのである!!!」

垣根「絶対行かねええぇ!!!!」

一方通行「垣根、行け」

垣根「えっ」

麦野「このままじゃ私達もとばっちり受けるだろ、行け」

垣根「待て、押すな!ちょ、やめろコラ!!」

御坂「ごめんね、ごめんね垣根さん、こうするしかないの……」

垣根「テメエ等ァァァ!!!!」

531: 2011/02/22(火) 21:05:47.88 ID:/3IQPnrfo


アックア「何故貴様がそれを持っているのであるか!?」

垣根「知らねえよクソったれが!!!」

アックア「貴様が盗ったのであるな?」

垣根「だから違えつってんだろ!!話聞けやこのゴリラ!!!」

アックア「貴様が盗ったのであろう!?」

垣根「勝手に入ってたんだよおおお!!!!」

アックア「どうして盗ったのであるか!?」

垣根「知るかボケ!!盗んだのは俺じゃねえ!!!」

アックア「ならばどうして貴様がハンカチを持っているのであるか!?」

垣根「知らねえよ!!知らねェェんだよォォォ!!!」


デデーン♪

『一方通行、御坂、麦野、アウトー』

垣根「笑ってんじゃねえぞテメエ等ァァァァ!!!」

一方通行「オマエ必氏すぎだろ!!」ゲラゲラ

御坂「何で涙目になってんのよ」クスクス

麦野「もういいから認めて楽になれ」ゲラゲラ

532: 2011/02/22(火) 21:06:18.42 ID:/3IQPnrfo

垣根「ふざけんなクソが!!誰か代われ!!!」

アックア「反省の色が見られないようであるな……?」

垣根「だからぁ!!」

アックア「どうやら制裁が必要なようである!!」

垣根「は……制さ、ハァァァ!!?」

アックア「ビンタ一発で勘弁してやるのである」

垣根「待てやコラ、おい!まずは俺の話を……」

アックア「貴様、教師に向かってその口の利き方はなんであるか!?」

垣根「い、今更!?いや、あの、すいません、本当に違うんです!」

アックア「何が違うのであるか!?」

垣根「だからハンカチ盗んだのは俺じゃなくてですね!!」

アックア「まだ言い訳をするつもりであるか!?」ガシッ

垣根「ちょ、やめて!肩掴まないで!!何このおっさん滅茶苦茶力強え!!」


533: 2011/02/22(火) 21:07:03.47 ID:/3IQPnrfo

デデーン♪

『一方通行、御坂、麦野、アウトー』

一方通行「もう抵抗すンなオマエ!!」

御坂「巻き込まないで!汚いわよ!!」

麦野「さっさとビンタ貰っとけクソが!!!」

垣根「ふざけんな他人事だと思いやがって!!!!」


アックア「覚悟を決めるのである!!」

垣根「いやちょっと待っ、ごめんなさいマジで俺じゃないんでぇぇ!!!」

アックア「歯を食いしばるのである!!!」

垣根「ごめんなさいホント違うんですって俺じゃなくていや今回だけはどうか許してください」

アックア「ダメである!」

垣根「いやぁぁぁ!!」


デデーン♪

『一方通行、御坂、麦野、アウトー』

一方通行「マジいい加減にしろよオマエ!!!」

御坂「女の子みたいな悲鳴上げないでよおお!!!」

麦野「粘ってんじゃないわよ!!こっち何発目だと思ってんだ!!」

垣根「イヤこれはヤバイって!!マジでしぬってぇぇ!!!」

534: 2011/02/22(火) 21:07:35.06 ID:/3IQPnrfo


垣根「待って俺身体弱いんです勘弁してください許してください」

アックア「身体が弱いのであるか?」

垣根「そうなんですだからビンタなんて喰らったら最悪氏んで……」

アックア「関係ないのである!!」

垣根「いやちょっと!?あります、ありますってねぇちょっと!!!」

一方通行「そもそも弱くねェだろオマエ」

垣根「黙ってろやぁぁぁ!!!!」

アックア「……」

垣根「……もうダメですか?」

アックア「多分、ダメであるな」

垣根「待ってごめんなさいホントごめんなさい手振り上げないでちょっと待ってやめてマジで違……」

アックア「むぅん!!」ブン


バチャーン!!!

垣根「がう゛ぁ゛ッッ!!」


デデーン♪

『一方通行、御坂、麦野、アウトー』


535: 2011/02/22(火) 21:08:12.64 ID:/3IQPnrfo


小萌「全く、ていとくんも本当に困ったちゃんなのですよー。さてハンカチを……あれ?」

 倒れたままの垣根の手からハンカチを抜き取った小萌だったが、ある事に気付き首を傾げる。

アックア「どうしたのであるか?早くハンカチを返して欲しいのである」

小萌「アックア先生、先生のハンカチって確か青い縞模様でしたよね?」

アックア「そうであるが?それよりもハンカチを……」

 今度はアックアの方が首を傾げ小萌の質問に答えると、
そんな事はどうでもいいと言わんばかりに手を出してハンカチを催促する。
どんだけハンカチ大事なんだお前。

小萌「……ていとくんが持ってたハンカチは無地なのですよ。これ、アックア先生のじゃないのです」

アックア「えっ」

一方通行「えっ」

御坂「えっ」

麦野「えっ」

垣根「」

536: 2011/02/22(火) 21:08:56.07 ID:/3IQPnrfo

 まさかの事態に場の空気が凍りつく。完全に殴られ損の形になった垣根は
「信じられない」という表情でしばし固まっていたが、歯を食いしばり
ビンタでガクガクになった身体をゆっくりと起こすと、番外個体も真っ青の恨みがましい目つきでアックアを睨みつけた。

垣根「……」

アックア「……」

垣根「……おい」

アックア「貴様が紛らわしい真似をするのが悪いのである!!!」ブン


バチャーン!!!

垣根「ぶべぇぇぇ!!?」


デデーン♪

『一方通行、御坂、麦野、アウトー』


 有り得ないほど理不尽な理由で第二撃を喰らい、垣根は再び地に伏す。
これが日本の教師だ!!外人だけど

垣根「」ブクブク

537: 2011/02/22(火) 21:09:35.20 ID:/3IQPnrfo


アックア「うむ、しかしこれで振り出しに戻ってしまったのであるな」

小萌「おかしいですね、誰も持っていないだなんて……」


麦野「悩む前に垣根そろそろ助けてやれよ」

一方通行「さっきまで爆笑してたくせに何言ってンだァ?」

御坂「アンタもね……」

麦野「つーかハンカチ出てくるまで集会終わらないんじゃないでしょうね?」

一方通行「最悪連帯責任とか言い出したりしそォだなァ……」

御坂「うわ、有り得そうで怖い……何とかならないの?」

 垣根を放置したままハンカチのことばかり考えているダメ教師達の姿に、
三人の悪い予感はどんどん膨らんでいく。しかし、実際問題として速やかにこの場を納めなければ
何かしらのとばっちりを喰う事になるのは目に見えている。

 なんとかこの場を切り抜ける方法はないか?白目を剥いている垣根の事は一先ず置き、
彼等がそれについて論じ始めたその時――

「すいません、遅れましたぁぁ!!!」

 ――ヒーローが遅れて現れた。

538: 2011/02/22(火) 21:10:02.46 ID:/3IQPnrfo

小萌「上条ちゃん、どうして遅れたんですか!?ってその顔はどうしたんですかー!?」

上条「あ、はは……ちょっと黄泉川先生に怒られてまして……」

 ぷりぷりと怒りながら遅れてきた上条の元へ向かっていった小萌だが、彼の顔を見て思わず悲鳴を上げる。
そりゃそうだろう。上条の顔は原形を留めないほどパンパンに膨れ上がっていたのだから。

小萌「んもう、本当に上条ちゃんはダメな子ですねー」

上条「返す言葉もございません……」


一方通行「……何でアイツ平気なンだァ?」

麦野「あの腫れ方、氏んでもおかしくないんじゃない?」

御坂「目潰れてるように見えるんだけど、前見えてるのかな……?」

 膨れ上がった顔を意に介さずポリポリと頭を掻く上条を唖然とした表情で見つめる三人。
もっとも、垣根も今現在似たような状況になっているのだが。


小萌「そうだ上条ちゃん、今ちょっと持ち物検査をしてるのですよ。
上条ちゃんもポケットの中の物を出してもらえますか?」

上条「はぁ、持ち物検査ですか。上条さんは健全な男子高校生ですから変な物は持って来ていませんが……あれ?」

539: 2011/02/22(火) 21:10:30.74 ID:/3IQPnrfo

小萌「どうかしましたかー?」

上条「えぇ、ちょっと……このハンカチ誰のだろ?」

 小萌に促され己のポケットを漁っていた上条の手が、青い縞模様のハンカチを引きずり出す。
事情を知らない上条は持ってきた覚えの無いハンカチにただ首を傾げるだけだが、
それを見た壇上の獣が狂ったような咆哮を上げる。

アックア「貴様であるかぁぁぁぁぁ!!!!!」

上条「え?」

小萌「上条ちゃん……信じてたのに……」

上条「えぇ!?」

アックア「アスカロォォォォン!!!!」

上条「ええぇぇぇぇぇ!!!?」

 突如目の前で担任に泣かれ困惑していた上条の元へ、
剣……というにはあまりにも巨大すぎるモノを振りかざした大男が走ってくる。
その姿に彼の思考は混乱を極め、何も考えられないほど真っ白になった。

上条「う、うわあぁぁぁ!!!」

 しかし、いくつもの修羅場を潜り抜けてきた彼はこういう状況に慣れていた。
考えるよりも先に身体が動く。本能のまま、生き残る為の最善の動きがその身体には刻み込まれていた。

540: 2011/02/22(火) 21:12:43.83 ID:/3IQPnrfo

上条「く、来るな!!」

 彼は―

小萌「ふえ?」

アックア「ぬぅ!?」

 ――咄嗟に小萌を人質にした。ただ生き残る為に。

アックア「な、なんと卑劣な男であるか!?」

小萌「か、上条ちゃん……?」

上条「お……俺は何をやってるんだぁぁぁ!!!」

 ようやく思考の追いついた上条は、自分の取った余りにもゲスな行動に驚愕する。
彼の名誉の為に言っておくが、本来の彼はこんなことをする人間ではない。
ただちょっと不幸が重なって思考が停止し、身体が勝手に動いてしまったが為に起きた悲劇である。

小萌「か、上条ちゃん!離してください!!これ以上罪を重ねてはいけません!!」

上条「す、すいません……じゃなくて!罪って何なんですか!?
何で俺いきなり殺されそうになってるんですか!?」

アックア「貴様がハンカチを盗んだからである!!」

上条「ハンカチってこれか?いや待てよ!!ハンカチくらいで殺されそうになってんの俺!?」

541: 2011/02/22(火) 21:14:04.95 ID:/3IQPnrfo

アックア「くらい、とは何であるかぁぁぁぁ!!!?」

上条「いやぁぁぁ不幸だぁぁぁぁ!!」ダッ

小萌「上条ちゃん離してえぇぇ!!」

アックア「待つのである!!!」ダッ

 凄んだアックアの恐ろしさに耐え切れず、小萌を抱えたまま脱兎の如く体育館から逃げ出す上条。
その彼を追って、アックアもまた体育館から姿を消した。
後に残ったのはただ静寂……と白目を剥いたままの垣根。


一方通行「よくわかンねェけど、何とか助かったなァ」

御坂「今のうちに教室戻っちゃおうか?」

麦野「一応垣根回収していきましょう」


『おぉっと、そうは行きませんよ!とミサカは三人の企みを阻止します』

542: 2011/02/22(火) 21:14:30.84 ID:/3IQPnrfo

一方通行「あァ?教師いなくなってるし集会終わりだろ」

麦野「これ以上まだ何かあるわけ?」

『おや、お忘れですか?』

御坂「え?」

『ふむ、まぁ見ていればすぐにわかります』

 11111号の言葉と共に、壇上に巨大なスクリーンがゆっくりと降りてくる。
その光景に、一方通行の顔が氏人のように青ざめる。

一方通行「お、おい待て、テメエまさか……ッ!?」

麦野「おやおやぁ?」

『なんです?廊下で確認は取ったじゃないですか、とミサカは震える一方通行を指差して笑います』クスクス

一方通行「馬鹿、やめろ!ふざけンな!!マジでやめろぶっ頃すぞ!?」

御坂「あー、私生で見れなかったから楽しみー」

 スクリーンに、じわりと映像が映り始める。

一方通行「おいやめろ!!やめろおおォォォォォォ!!!!!」

543: 2011/02/22(火) 21:14:57.54 ID:/3IQPnrfo



      ・
      ・
      ・
      ・



 『愛してるぞ!!!(キリッ』


デデーン♪

『御坂、麦野、アウトー』


586: 2011/02/24(木) 06:05:27.61 ID:w60oGbt9o

―食堂


一方通行「……氏にてェ」

垣根「」

 体育館での一波乱の後、一同は夕食の用意がされていると言われ食堂まで足を運んでいた。
聖人パワーのビンタを喰らった垣根は流石にまだ回復できておらずぐったりとしたままで、
大勢の前で口リコンの烙印を押された一方通行もあれからずっと沈んでおり、
時折自殺を仄めかす発言をしたり舌を噛もうとしたりする始末である。

御坂「ちょっと、いい加減正気に戻りなさいよ」

麦野「アンタ達がちゃんと盾にならないと私達に被害が来るだろうが」

一方通行「うるせェンだよ!!好き勝手爆笑しやがって!!
俺がいなかったら超電磁砲はあの時白黒に喰われてたンだぞ!?わかってンのか!!」

御坂「そもそもアンタがいなかったら黒子が再暴走することもなかったでしょうが!」

一方通行「クソ、俺が何したってンだよ……」

麦野「……それ本気で言ってんのか?」

 自分の行いを全く省みようとせず身勝手なことを言い放つ一方通行に、流石の麦野も呆れ果てる。
別に彼は己のやった事を忘れているわけではない。ただ「その程度のこと問題ないだろ」と本気で思っているだけだ。

587: 2011/02/24(木) 06:05:54.75 ID:w60oGbt9o

11111号「はーい皆さんお待ちかね晩御飯ですよー、とミサカはウエイトレスに扮して食事を配膳します」

 一方通行がほんの少し持ち直した丁度その時、11111号が食事を運んでくる。
食欲をそそるスパイシーな香りに誘われ、垣根も目を覚ました。

垣根「ん……飯か……クソ、奥歯がガタガタ言ってやがる」

御坂「あ、カレー……よね?」

一方通行「よォやくマトモなモンが食えるのか……」

麦野「見た目は普通っぽいけど……」

 目の前に置かれたカレーを、彼等は訝しげに見つめる。これまで散々酷い目に会ってきたのだからそれも当然だろう。
しかし誰の物を見ても特におかしな部分はなく、見た目はどこからどう見ても完璧にカレーである。

御坂「大丈夫そう、かな?」

垣根「何度も飯で遊ばれちゃ堪んねえよ」

11111号「それでは皆様ごゆっくりどうぞ、とミサカは頭を下げ退室します」

 11111号が食堂から出て行くのを見届けると、四人はスプーンを手に取りカレーにつき立てる。
特に、昼食がモヤシだけだった一方通行と日の丸弁当だった垣根は、一気にカレーを頬張った。

588: 2011/02/24(木) 06:06:21.83 ID:w60oGbt9o

一方通行「……」ムシャムシャ

垣根「……クッ」クチャクチャ

御坂「フフッ……」モキュモキュ

麦野「……ッッ」モグモグ


デデーン♪

『垣根、御坂、麦野、アウトー』

垣根「ハヤシライス……ッ!!」

麦野「クソ、こんなので……」

御坂「カレーの匂いがするハヤシライスってなんなのよ!?」


バチーン!!


垣根「だぁぁクソ!!!!」

御坂「あうあぁ!!」

麦野「あぁぁいったぁぁぁぁ!!!」

589: 2011/02/24(木) 06:07:00.57 ID:w60oGbt9o


一方通行「味は普通にうめェのがせめてもの救いだなァ」

垣根「まあ日の丸よりは遥かにマシだな」

御坂「でも変な気分よね、見た目も匂いもカレーなのに味はハヤシライスって……」

麦野「これも学園都市の技術力の賜物ってか?技術の無駄遣いにも程があるだろ……」

 文句を言いながらも、彼等は淡々と食事を勧める。他にトラップらしいトラップも見当たらず、
珍しくのんびりとした時間が過ぎていった。


垣根「……ん?」

 しかし、そんな平穏な時間に水を差す男が一人。

一方通行「おい、また妙なモン見つけたンじゃねェだろォな……」

垣根「いや、妙なモンっつーか、対面に座ってる婆さんどっかで見た覚えがあるんだよ」

一方通行「あァ?」

 全く意識していなかったが、彼等の対面の席で、一人の初老の女性がうどんを啜っていた。
どことなく上品な空気をまとっているその女性を、垣根はどこかで見た覚えがあると言っている。

590: 2011/02/24(木) 06:07:28.16 ID:w60oGbt9o

麦野「……あぁ、私もどっかで見たことある気がする」

一方通行「言われてみると確かに……」

御坂「え、私は全然覚えないけど」

垣根「んー……?あ、思い出した!アイツ理事会の親船だ!!」

一方通行「あァそォか、資料で見たンだ」

麦野「そうそう、暗部に回ってきた資料に……って何でそんな大物がいるわけ!?」

 そう、彼等の目の前でうどんを食している彼女こそ、
かつては「平和的な侵略者」とまで呼ばれた交渉術の達人、統括理事会一の働き者、親船最中その人である。
そんな人物がたった一人でうどんを啜っているというシュールな光景に、彼等はしばし呆然とする。

一方通行「……でもまァ、最初にアレイスター出てきたくらいだし今更大物が出てきても驚きも笑いもしねェよ」

垣根「確かに、な」

麦野「うどん食ってるだけだしね」

御坂「うん、まぁ……そんな大物が学食でうどん食べてるって言うのはそれはそれで凄い光景だと思うけど……」

 呆れながらも、特に笑う要素もなく四人は食事を続ける。
誰も笑わなかったことに親船がちょっと残念そうな顔をしていたのはここだけの秘密だ。
だが、この『笑ってはいけない学園都市』においてそんな平和な時間が長続きするはずもない。

591: 2011/02/24(木) 06:08:26.40 ID:w60oGbt9o


「うわぁぁぁぁぁぁ!!!!」

「「!?」」

 叫び声と共に、食堂にツンツン頭の少年が駆け込んでくる。お馴染みの不幸少年、上条当麻である。
そしてそんな彼を追って、筋骨隆々のごっついおっさんもまた食堂に飛び込んできた。

アックア「上条当麻ぁ!!いい加減に観念するのである!!!」

上条「待て!待って!!ハンカチごときで何でそんなやる気満々なんですか!?しかも盗んだの俺じゃないよ!?」

アックア「ごとき、とは何であるかぁぁぁぁ!!!!」

上条「ひいいいいい!!!」

 全校集会の時から今までずっと逃げ回っていたであろう汗だくの上条は、ここに至り遂に捕獲されることとなる。
垣根の時の数倍険しい顔をしているアックアは、問答無用にその腕を大きく振りかぶった。

アックア「歯を喰いしばるのである!!!」

上条「いやあああああぁぁぁ!!!!」

アックア「ぬぅん!!!」ブン


バチャーン!!!

上条「不ごう゛だぶぁ!!!!」

 渾身のビンタを受けた上条はその場でクルクルと回転し、頭から地面に崩れ落ちた。
そんな彼を満足そうに見つめると、アックアはようやくハンカチを取り戻し軽快なステップで食堂を後にする。

上条「」シーン

592: 2011/02/24(木) 06:09:03.07 ID:w60oGbt9o

デデーン♪

『全員、アウトー』

一方通行「まだ追われてたのかよ!?」

垣根「わざわざこっちに来るんじゃねえよ!!!」

御坂「ハンカチ回収した後の上機嫌っぷりが……」

麦野「つーかアレ氏んだろ……首が有り得ない捩れ方してたわよ……」


バチーン!!


一方通行「ぐおォォォ!!!」

垣根「あっぐぁぁ!!!」

御坂「んあぁぁ!!!」

麦野「いったぁぁ!!!!」

593: 2011/02/24(木) 06:09:44.06 ID:w60oGbt9o


「とうまー!」


 四人が尻をシバかれ悶絶している横で、真っ白いシスター服に身を包んだ少女が
舌足らずな声を上げながらピクリとも動かない上条に駆け寄った。上条家の居候、インデックスさんである。

麦野「今度は何?」

垣根「何か白いチビが出てきたぞ……」

一方通行「どっかで見たなァあの白いの……」

御坂「アンタに白いとか言われたくないでしょうけどね」


イン「とうまー起きてよとうまー」


 うつ伏せに倒れたままの上条を、インデックスはゆさゆさと揺すり起こそうとする。
その光景は、氏を理解できない子猫が氏んだ親猫に寄り添う様にも似ており、見る物の涙を誘った。

594: 2011/02/24(木) 06:10:15.05 ID:w60oGbt9o

垣根「飯が不味くなるから他所でやってもらえねえかな」

麦野「静かに食べたいわよね」

一方通行「飲み物欲しくなってきた」

 が、彼等は基本的に鬼畜なのでそんなもの全く気にしない。

御坂「あのちっこいの名前なんだったかしら……い、イン……?」

 もし御坂が平常の状態であったならば、同じように上条に駆け寄っていたであろうが
この数時間で彼女の心は荒みまくっていた。結果、彼女もまた目の前の光景に特に感想を持たずごく普通に食事を再開した。


イン「とうま……?」

上条「」


一方通行「……」ムシャムシャ

595: 2011/02/24(木) 06:10:56.16 ID:w60oGbt9o



<(^o^)> とうまとうまー  
 ( )
  \\

..三    <(^o^)> とうまー
 三    ( )
三    //

.    <(^o^)>   三  ねーとうまー
     ( )    三
      \\   三



垣根「ゴフッ!?」

御坂「グウッッ」

麦野「ブファ!」

一方通行「ブー!!」

 上条に全く反応が無いのを見て取ると、インデックスは突如頭を抱え高速で左右に反復移動しはじめる。
余りにも異常な光景に耐え切れず、四人は一斉に吹き出した。

596: 2011/02/24(木) 06:11:21.53 ID:w60oGbt9o

※既に全員笑いましたが引き続きインデックスさんの華麗な舞をご覧ください。
no title

597: 2011/02/24(木) 06:11:48.13 ID:w60oGbt9o
no title

599: 2011/02/24(木) 06:12:48.02 ID:w60oGbt9o


デデーン♪

『全員、アウトー』

一方通行「耐えれるわけねェだろこンなモン!!!」

御坂「何あの動き!理解できないんだけど!?」

麦野「速過ぎて途中から残像出てたわよ……」

垣根「そ、その動きはトキ!?」


バチーン!!



 その後インデックスは何をやっても上条がピクリとも動かないのを理解すると
彼の懐からそっと財布を抜き去っていった。勿論彼を放置したままで。

一方通行「流石にひでェ」

麦野「いくらなんでも……」

垣根「似たようなこと浜面にやってただろオマエ」

御坂(……今度何か奢ってあげようかな)

600: 2011/02/24(木) 06:13:17.53 ID:w60oGbt9o


 何はともあれ危機は去った、そう判断して食事を再開しようとする彼等だったがその認識はまだまだ甘い。
彼等が椅子に座るよりも先に、どこからともなく場違いに明るい音楽が流れてきた。

―BGM Madonna - Material Girl


一方通行「……マドンナか?」

垣根「Material Girlじゃねえか、懐かしいな」

麦野「何で洋楽詳しいわけ?ぶっちゃけ気持ち悪いんだけど」


Some boys kiss me, some boys hug me I think they're O.K.♪

「……」ガラッ

御坂「!?」

 BGMに合わせ、一人の女性がノリノリで食堂に入ってくる。
セミロング程度の長さの茶髪を持つその女性は、リズムを取りながら四人の前まで来ると
艶かしく身体を揺らし、無言のまま挑発するように踊り始めた。

601: 2011/02/24(木) 06:13:53.95 ID:w60oGbt9o

They can beg and they can plead But they can't see the light, that's right ♪

麦野「何、何?」

垣根「……ゴクリ」

「……」クネクネ

 時折舌を出し、まるで誘うかのように踊る彼女に、不覚にも垣根は反応してしまう。

「……」ニコッ

御坂「……」プルプル

一方通行「……」


You know that we are living in a material world And I am a material girl♪

 踊りが一段落すると、女性は笑顔で手を振りながら食堂から退室する。
一方通行、垣根、麦野の三人は訳がわからないという顔でそれを見送り、
御坂だけは何故か顔を真っ青にして震えている。

一方通行「……結局何だったンだァ?笑う要素もねェし」

垣根「意味がわからねえ」

麦野「生唾飲んでた野郎が何言ってんの」

602: 2011/02/24(木) 06:14:20.69 ID:w60oGbt9o

御坂「………」

麦野「どうしたの美琴、顔色悪いわよ?」

垣根「……そういやあの女、御坂に似てなかったか?」

御坂「……!!」

一方通行「あァ、そういやァ似てたなァ」

御坂「……そうよ」

麦野「美琴?」

御坂「そうよ!アレが私の母親よちくしょう!!!」


デデーン♪

『一方通行、垣根、麦野、アウトー』

御坂「笑いたければ笑えばいいじゃない!!あの人何やってんのよもう!!!」


バチーン!!


一方通行「ぎあァァ!!」

垣根「ぬうぅぅ!!!」

麦野「ぐあぁぁああ!!!!」

603: 2011/02/24(木) 06:14:50.79 ID:w60oGbt9o


御坂「……」グスン

麦野「あー……ごめんね?」

垣根「……楽しそうなお母さんじゃねえか」

御坂「フォローになってないわよ!」

麦野「ま、まぁまぁ美琴、私達母親に会えないから素直に羨ましいわよ」

御坂「あ……」

垣根「そ、そうだぞ御坂、いやーあんな美人の母親俺も欲しかったなー」

御坂(そっか、皆暗部だから母親と……それなのに私ったら……)


一方通行「いや、あンな親ならいらねェだろ」

御坂「ちくしょおおおおおお!!!!」

604: 2011/02/24(木) 06:15:18.08 ID:w60oGbt9o


デデーン♪

『垣根、麦野、アウトー』

御坂「結局二人とも笑ってるじゃないのおおおお!!!!」

垣根「一方通行ァァァァァァ!!!!」

麦野「余計なこと言っんじゃないわよおおお!!!!」

一方通行「いやいや、正直木原くンの方がマシなレベル」


バチーン!!


垣根「ぐおあぁぁ!!!」

麦野「っつああぁぁ!!!」


605: 2011/02/24(木) 06:15:45.64 ID:w60oGbt9o


―BGM Madonna - Material Girl


「「!?」」

 再び鳴り始めた音楽に、四人は顔を見合わせ驚愕する。

Some boys kiss me, some boys hug me I think they're O.K.♪

一方通行「また来ンのか!?」

御坂「……」

 歌詞が聞こえてくると同時、彼等は一斉に入口の方を振り向く。
しかし予想とは裏腹にそこには誰の姿もなく、また誰かが入ってくる気配も無い。

垣根「……フェイクか?」

麦野「油断はできないけどね……」

606: 2011/02/24(木) 06:16:23.69 ID:w60oGbt9o

 安堵しつつ正面に向き直る四人だったが、彼等はそこで恐るべき光景を目の当たりにし、
向き直ったことをすぐさま後悔することとなる。
彼等の視線の先、対面の席で――


They can beg and they can plead But they can't see the light, that's right ♪

「……!!……!!」ブンブン


 ――先程までうどんを啜っていた親船最中が情熱的な腰捌きで踊り狂っていた。


デデーン♪

『全員、アウトー』

一方通行「オマエが踊ンのかァァァァァ!!!!」

垣根「クソ、クソ、有り得ねえだろこんなモン!!!」

御坂「あの歳であんな動きして大丈夫なの!?」

麦野「さっきの踊りが控え目だったのはこっちを際立たせる為の伏線ってこと……」

607: 2011/02/24(木) 06:16:49.65 ID:w60oGbt9o


Living in a material world And I am a material girl
You know that we are living in a material world And I am a material girl♪

「………!!」ウネウネ

一方通行「まだ踊ンのかよ……」

垣根「えらく力入った踊りしてんな……」

「………」フリフリ

御坂「もうやめて……」

「……(グキィ)…ッッ!!」

麦野「!?」

 軽快に腰を振っていた親船から、何かが折れるような、砕けるような鈍い音が響いてくる。
しばしプルプルと震えながらも耐えていた彼女だったがその顔は段々と苦痛に歪み、ゆっくりとその場に沈んで行った。

608: 2011/02/24(木) 06:17:17.83 ID:w60oGbt9o


デデーン♪

『全員、アウトー』

一方通行「ババアァァァァァァ!!!」

垣根「無理するから!!いい歳してそんな情熱的に踊るから!!!」

御坂「ぎ、ぎっくり腰……?」

麦野「そんな生易しいもの?あの音、最悪骨が砕けてるんじゃない?」


バチーン!!


一方通行「なァァァ!!!」

垣根「がおぉぉぉ!!」

御坂「いやぁぁ!!」

麦野「いって!!!!」


 その後、痛みに悶えていた親船は裏方の妹達によって担架で運ばれて行く事となる。
学園都市のお偉いさんが退場するのは、アレイスターから数えてこれで二人目だ。
今後の都市の運営に支障が出なければ良いのだが。

609: 2011/02/24(木) 06:17:47.02 ID:w60oGbt9o



一方通行「……ごちそうさン」

御坂「結局、全然味わう暇もなかったわね……」

 繰り返し叩かれていた事で既に冷め切っていたカレー(仮)を、彼等はなんとか平らげると
タイミングを見計らったかのように11111号が再び食堂に現れた。

11111号「お疲れ様です、食後にコーヒーはいかがですか?とミサカはサーバー片手に尋ねます」

一方通行「あァ、濃いの頼むわ……」

11111号「はいどうぞ、とミサカは特製コーヒーをカップに注ぎます」

 普段の一方通行ならば、11111号の持ってきた飲み物を口にすることなど決してなかっただろう。
しかし彼は今心身ともに疲弊しきっており、判断力が著しく低下していた。
加えて元々カフェイン中毒の気がある彼が朝からコーヒーを飲んでいないこともそれに拍車をかける。


610: 2011/02/24(木) 06:18:14.06 ID:w60oGbt9o

一方通行「……」ズズッ

麦野「あ、私も一杯もらおうかにゃーん」

一方通行「ぶふぁぁ!!!」

垣根「何事!?」

 一口コーヒーを口に含んだ途端、一方通行は盛大に噴き出しゴホゴホとむせ返る。
その光景を、11111号はなんとも愉快そうな無表情で見つめている。

一方通行「く、クソ、これ……」ゲホゲホ

御坂「ど、どうしたのよ?」

一方通行「……醤油だ」


デデーン♪

『垣根、御坂、麦野、アウトー』




641: 2011/02/27(日) 13:07:42.48 ID:m1Obl3L2o

―教室


 食後、自由時間を与えられた四人は特にやることもなかったので、身体を休める為に教室でダラダラと過ごしていた。
ここまで心身ともに痛めつけられてきた彼等がようやく手にすることが出来た安息の時間である。

 しかし四人が今の時間をただのんびりと過ごしているだけなのか、と聞かれればそういうわけではない。
表面上は平和な時間を噛み締めているように見える彼等だが、その実、裏では一時も休まず頭を働かせていた。

 この企画、基本的には本家『絶対に笑ってはいけないシリーズ』と同じルールなのだが、
たった一つだけ、しかしとても重大な違いがある。
それは最初に説明された「一番多く尻をシバかれた人間が最期に罰ゲームを受ける」というものだ。
このルールがあるが為に、メンバー同士が争わざるを得ない状況が作り出されてしまっている。

垣根「しかしようやくこのクソったれな企画も終盤って感じだな」

麦野「ホント、さっさと終わらないかしら……」

 和やかに会話する裏で、彼等は全力で考える。

一方通行「つーか夜はちゃンと寝れるのかァ?」

御坂「真夜中に何か仕掛けてこられたらもうそれ拷問の域よね」

 他のメンバーを出し抜き、陥れ、己の安全を確保する方法を。


642: 2011/02/27(日) 13:08:08.72 ID:m1Obl3L2o


一方通行(ここにきて不自然に用意された自由時間……身体を休める為、なンてはずがねェ)

垣根(今までケツをシバかれてる回数にはそれ程差はねえはず、となると今のこの時間は……)

御坂(私達の性格を把握した上で、協力しあうなんて有り得ない、と判断されてのもの……つまり)

麦野(自由時間とは名ばかり、これは私達に頃し合いをさせるために作られた時間……ッ)

一方通行(面白ェ、クソったれな意図に乗せられてやる)

垣根(ここで他の奴等を笑わせまくれば最終的に自分が罰ゲームを受ける可能性はぐっと低くなるわけだ)

御坂(平和的に……とは到底いかないわよね、この面子じゃ。気乗りはしないけど自分の身を守る為には仕方ないか)

麦野(でもどう仕掛ける?迂闊に動けば逆に他の連中から集中砲火を浴びる可能性があるし……何か切欠は……)

『そうそう、大事な事を伝え忘れていました』

麦野「!」

『皆さんが自由時間中に退屈しないよう、机の中に暇を潰す為の道具を用意させていただきました
とミサカは万全の体制に胸を張ります。それでは一時の安息の時間をお楽しみください』

一方通行(……牽制し合う時間なンざつまンねェからさっさと頃しあえってことか。相変わらずいい性格してやがる)

643: 2011/02/27(日) 13:08:39.47 ID:m1Obl3L2o

垣根「フン、気が利くじゃねえか」ゴソゴソ

御坂「そうね、折角だから遠慮なく使わせてもらうわ」ガサガサ

麦野「ねぇ、提案があるんだけど」

一方通行「なンだよ?」

麦野「どうせなら一人ずつ道具を出していかない?その方が長時間暇を潰せるでしょ?」

垣根「フン、なるほどどうあってもここで決着を付けてえみたいだな」

麦野「決着?さあ、なんのことだかね」

御坂「うん、でもいいんじゃない?一片に出したら全員一斉にアウトになるだけだろうし」

一方通行「全員、自分の武器を最高の状態で披露したいだろォしなァ」

麦野「……決まりね、誰から行く?」

一方通行「こンなモンで駆け引きすンのもめンどくせェ、序列の上からか下からでいいだろ」

御坂「さり気なく自分がトップバッターかオチになろうとしてない?いいけどさ」

垣根「ジャンケンしたりクジで決めるっつーのもダルいし、別に構わないんじゃねえか?」

645: 2011/02/27(日) 13:09:04.71 ID:m1Obl3L2o

麦野「それじゃ最初は第一位様に譲ってあげるわ、感謝しなさい」

一方通行「そいつァどォも。ありがたくて涙が出るぜ」ゴソゴソ

『(大人しくしてりゃいいのに、こいつら疲労でいい感じにぶっ壊れてきてんなぁ、とミサカは笑いを噛み頃します)』

一方通行「何か言ったかァ?」

『いえ何も、とミサカは首を縦に振ります』

一方通行「どっちだよ!?」

デデーン♪

『御坂、アウトー』

一方通行「あァ……?」

垣根「……どうした御坂?」

御坂「こんなんで笑っちゃうなんて……」

麦野「きっと疲れてるのね……」


バチーン!!


御坂「いぃったあぁぁ!!!」

646: 2011/02/27(日) 13:09:46.48 ID:m1Obl3L2o

一方通行「あァっと……これかァ?」ゴソゴソ

麦野「……箱が出てきたわね」

垣根「何だその箱?」

御坂「ビックリ箱とかじゃないでしょうね」

麦野「開ければわかるでしょ」

一方通行「……開けた瞬間『ボン!』何てことにならねェだろォな」

垣根「じゃあテメエの番はそれで終わりにしとくか?」

一方通行「冗談抜かせ、開けてやるよ」パカッ

御坂「どう?」

一方通行「……セ口リスティックが敷き詰められてる」

垣根「またかよ!?」

麦野「セ口リ推してくるわね……」

647: 2011/02/27(日) 13:10:12.34 ID:m1Obl3L2o

一方通行「晩飯後だってのに………あ、」

御坂「ん?」

一方通行「……デザートかこれ」


デデーン♪

『御坂、麦野、アウトー』

御坂「どうしてそう余計な一言を付け加えるわけ!?」

麦野「どんなデザートだ!」

一方通行「……シャリシャリ」

垣根「食うな!!」


デデーン♪

『垣根、アウトー』

垣根「笑ってねえよ!!!」

一方通行「いやいや笑っただろオマエ」モグモグ

垣根「食いながら喋るんじゃねえ!!!」


バチーン!!


垣根「おう゛ああぁ!!」

御坂「うあったぁぁぁ!!!」

麦野「うぎああ!!!」

648: 2011/02/27(日) 13:10:53.89 ID:m1Obl3L2o


一方通行「……」シャクシャク

垣根「……」

一方通行「……」ムシャムシャ

御坂「……」

一方通行「……マッズ」モグモグ


デデーン♪

『垣根、御坂、アウトー』

垣根「不味いなら食うなよ!!!」

御坂「馬鹿なの?ねえアンタ馬鹿なの!?」

一方通行「うるせェなァ……おい第四位」ムグムグ

麦野「あぁ?」

一方通行「食うか?」スッ

麦野「ブフッ」


デデーン♪

『麦野、アウトー』

麦野「ふっざけんなクソが!!食うわけねえだろ!!!」

一方通行「そォか、残念だ」シャクシャク


バチーン!!

649: 2011/02/27(日) 13:11:32.28 ID:m1Obl3L2o

―――――――――――――――

―――――――――

――――



一方通行「あァ食った食った」

『まさか喰らい尽くすとは……とミサカは一発ギャグの予定だったセ口リを食べ尽くした一方通行に驚愕します』

垣根「さて、次は俺の番だな……」ゴソゴソ

御坂「……今更だけどさ、私達勢いに任せてすっごいバカなことやってない?」

麦野「今更引けないわよ……このままじゃ第一位だけ特じゃない」

一方通行「泥沼だなァ」

垣根「テメエが言うのかよ……と、こいつは……」

麦野「!?」


一方通行「押しボタン、だとォ……」

御坂「ま、まさかそれ押すとまた……ッ」

垣根「フ……ハハハハ!どうやらこの場を支配するのは俺らしいな!!……あっ」

650: 2011/02/27(日) 13:11:59.03 ID:m1Obl3L2o


デデーン♪

『垣根、アウトー』

垣根「しまったあああああ!!!」

御坂「ちょっと前にも似たようなことやってたわよね……」

一方通行「信じられるでしょォか?これが学園都市の第二位です」

麦野「こいつより序列が下の自分をブチ頃したくなってきたわ」


バチーン!!


垣根「んぎいぃぃ!!!」


一方通行「前からつっこもうと思ってたけどオマエの叫び声気持ち悪ィよな」


651: 2011/02/27(日) 13:12:33.97 ID:m1Obl3L2o

垣根「うるせえよ!!とにかくこの最強の兵器(ボタン)は俺の手の中にある!!
テメエ等氏にたくなけりゃ(※ボタンを押されたくなければ)これ以上俺を笑わせようとするんじゃねえ!!」

御坂「要求しょぼ過ぎない!?」

麦野「相変わらず小さい男ねアンタ」

一方通行「見た目からしてチンピラだからなァ……
つーかそのボタンがどォいう効果かもわかってねェのによくそンな強気になれるな」

垣根「フン、いいぜ……確認の意味も込めて一押ししてやる!氏んで後悔しやがれ!!」ポチッ


デデーン♪

『垣根、アウトー』

垣根「えっ」

一方通行「オッフ」

御坂「ングッ」

麦野「カハッ」


デデーン♪

『一方通行、御坂、麦野、アウトー』

652: 2011/02/27(日) 13:13:06.18 ID:m1Obl3L2o

垣根「なにこれイジメ?イジメなのか?」

一方通行「お約束ってヤツだろ」ゲラゲラ

御坂「垣根さんは期待を裏切らないわね」クスクス

麦野「よかったわね、全員巻き込めたじゃない」アヒャヒャヒャ

垣根「よくねえよ!!何だこの自爆スイッチ!?」


バチーン!!


一方通行「ぐへァ!!」

垣根「はいぃぃぃ!!!」

御坂「いやっぁあぁぁ!!」

麦野「いひゃ!!!」


653: 2011/02/27(日) 13:13:32.15 ID:m1Obl3L2o


垣根「……俺ちょっと冷遇され過ぎじゃねえ?」

一方通行「まァほら、アレだ……自爆スイッチ似合ってンぞ、ウイングガンダムっぽくて」

垣根「能力か?能力で羽が生えるからウイングガンダム呼ばわりしてんのか?」

麦野「ゼロカスはかっこいいのに垣根ときたら……」

垣根「うるせえよこの腐女子が!五飛に謝れ!!」

一方通行「ごひさンは関係ねェだろ」

御坂「……」ソー

垣根「『ごひ』って呼ぶんじゃねえよ、あの人だって頑張って……ん?あれ、御坂何やってんの?」

御坂「えい」ポチッ

654: 2011/02/27(日) 13:13:58.47 ID:m1Obl3L2o

デデーン♪

『垣根、アウトー』

垣根「うおおぉ何やってんだこのガキはぁぁぁ!!?」

御坂「私、中二だからわかんない」


デデーン♪

『一方通行、アウトー』

一方通行「そォいう危ないネタ持ってくるのマジでやめろ!!」

麦野「いい仕事したわね美琴」

御坂「えへへ」


バチーン!!


一方通行「ぎいィィあァァァ!!!」

垣根「ギャアァァァァ!!!」

655: 2011/02/27(日) 13:14:39.22 ID:m1Obl3L2o

垣根「……もういいだろ?次行けよ次……」

麦野「ボタン見つけた時の調子の乗りっぷりが嘘みたいね」

御坂「そんなに肩落とさなくても……元気出して?」

一方通行「白々しいなァこのガキ……間違いなく妹達のオリジナルだこれ」


御坂「次私の番よね?何があるのかな」ガサガサ

垣根「自爆しろ、自爆しろ……」ブツブツ

一方通行「ホントちっちェえなァオマエ……」

御坂「ん……あ、あれ?」ガサガサ

麦野「どうかした?」

御坂「……何も入ってない」


一方通行「フゥッ」

麦野「ッハ」

656: 2011/02/27(日) 13:15:12.23 ID:m1Obl3L2o


デデーン♪

『一方通行、麦野、アウトー』

一方通行「クッソ、こォいう不意打ち系ダメだ……」

麦野「段々笑いの判定基準厳しくなってきてない?」


バチーン!!


一方通行「あがあァァァ!!!」

麦野「いぃったァ!!!」


御坂「えー、何か私だけ不公平じゃない?」

垣根「俺の前でそれを言うか」

657: 2011/02/27(日) 13:15:47.16 ID:m1Obl3L2o

麦野「垣根は垣根だからでしょ?」

垣根「なあ、俺って結構かっこいい系の二枚目キャラのはずだよな?」

一方通行「俺に同意求めてンじゃねェよボケ」


麦野「美琴は残念だけど、私の番でいいわよね?」

御坂「うん……後で垣根さんのボタン押して我慢しとくわ」

一方通行「いいオチを期待してるぜェ?」

垣根「え、何かさり気なく御坂がひでえ事言わなかったか?」

麦野「気のせいでしょ」ゴソゴソ


658: 2011/02/27(日) 13:16:18.15 ID:m1Obl3L2o


麦野「ん……おやおやぁ?」

 机を漁っていた麦野の目が嗜虐的に輝く。
その様に薄ら寒いモノを覚えた垣根は額に滲んだ汗をそっと拭い、麦野がブツを公開するのを待った。
見ると、一方通行と御坂も何かを感じ取ったのか、どことなく緊張した面持ちをしている。

垣根(何が出てくる……?)

麦野「喜びなさい、面白いものが出てきたわよ」

 今にも笑い出しそうな麦野が、手に持った物をポンと机の上に投げ出す。
それは何のラベルも無い、まっさらなケースに入った一枚のDVD-ROMだった。

御坂「うげっ」

一方通行「……マジか」

 彼等の顔が一斉に歪む。今朝方DVD学習でえらい目に合っているのだからそれも当然だろう。

659: 2011/02/27(日) 13:16:44.59 ID:m1Obl3L2o

垣根「これは止めとこうぜ、絶対地雷だろ……」

麦野「今更地雷の一つ二つ踏むのが怖いわけ?」

 弱気な発言をしながらDVDを手に取ろうとした垣根の手を麦野がピシャリとはたく。
どうやら彼女だけはDVDを再生する気満々のようだ。
或いはそれは『後には引けない』と虚勢を張っているだけなのかもしれないが。

御坂「ほ、本当に見るの?」

麦野「退かぬ!媚びぬ!省みぬ!って昔の偉い人も言ってたじゃない?」

一方通行「そのセリフの直後にぶっ殺されたけどなァ」

 喋りながら、麦野は二限目にも使ったDVDプレーヤーにROMをセットする。
その様子を「あーあ」と頭を抱えながら眺める垣根、不安気に見つめる御坂、そしてちょっと楽しそうにしている一方通行。
 カチャカチャと読み取り音が響き、テレビにゆっくりと文字が浮かび上がってくる。

660: 2011/02/27(日) 13:17:14.11 ID:m1Obl3L2o






      ―実録!一方通行による口説き文句100選!!―







661: 2011/02/27(日) 13:17:40.25 ID:m1Obl3L2o

一方通行「!?」ガタン

 テレビに映ったとんでもない文字に、一方通行が飛び跳ねるように椅子から立ち上がる。

垣根「100選てオマエ……」

御坂「どんだけ口説いてんのよ……」

一方通行「ふざけンな!消せ!すぐ消せ!!」

 叫び声を上げ、慌てふためきながら一方通行はDVDプレーヤーに駆け寄る。
そのまま迷わず拳を振り下ろそうとする彼だったが、それは寸での所で麦野により阻止された。

麦野「はいはい、ちょっと大人しくしてましょうね?」

一方通行「離せェェェ!!!それが再生されて笑っちまったら不利になるのはテメエ等だぞ!?
それでいいのか!?すぐにそいつを止めろォォ!!!」

 必氏の形相でDVDを停止させようとするが、誰も彼に手を貸そうとはしない。
他の三人は例え尻をシバかれることになろうとも、滅多に見られない一方通行の痴態を堪能することに決めたのだ。

662: 2011/02/27(日) 13:18:19.31 ID:m1Obl3L2o

一方通行「うおァァァァァ!!!!」

 一方通行の悲痛な叫びも虚しく、画面にぼんやりと映像が表示されはじめる。
映ったのは白井に抱えられた打ち止め、そしてそれと対峙しているレベル5の四人の姿。
そのシーンには、見覚えがある。

一方通行「よせェェェェ!!!」

 アップになった画面上の自分に声を振り絞る。無論届くはずも無い。その映像は過去の自分なのだから。



          「打ち止めァァ!!愛してるぞォォ!!!」



デデーン♪

『垣根、御坂、麦野、アウトー』

垣根「微妙に編集されてるよオイ!」ゲラゲラ

御坂「清々しいまでの口リコンっぷりよね」ケラケラ

麦野「何度聞いてもいいわねこれ」ヒャヒャヒャ

一方通行「おおォォォ……」



663: 2011/02/27(日) 13:19:02.66 ID:m1Obl3L2o

 笑い声を上げる三人とは対照的に、一方通行は唸り声を上げながら蹲る。
この時、彼は三人の隙をつき素早くDVDを停止させるべきだった。
しかし彼は多大な精神ダメージを受け失念していた。

今の映像だけで終わりではないということを……

これは、100選というタイトルだったということを。

一方通行「!?」

 正気に戻った彼が目にしたのは、番外個体と向かい合って頭を抱えている自分の姿。
その場面にも、彼は覚えがあった。

一方通行「や、やめろ……やめてくれェ!!」


   「番外個体……オマエにならキスしてもいいかな、なンてちょっと思っただけだ(キリッ」


垣根「ブファ!!」

御坂「グブッ」

麦野「ッッ!!」

一方通行「ああァァァァ……」

664: 2011/02/27(日) 13:20:13.46 ID:m1Obl3L2o


 そこからは地獄だった。

11111号に「大好きだ」などとのたまう自分。

00001号を撫でながら「告白したいくらいだ」などとほざく自分。

布束砥信に対して「ちょっとだけ!ちょっとだけ!」と拝み倒している自分。

11111号の服を能力を使って引っぺがしている自分。

ツンツン頭の少年の股間を鷲掴みにし何事か叫び声を上げている自分。


 途中、明らかに口説き文句とは無関係のモノが意図的な編集をなされた上で含まれていたが、
もはや一方通行にそれらを訂正する気力もなく、場面が切り替わるごとに麦野は手を叩き爆笑し、
御坂は頭を抱えながらくぐもった笑い声を発している。
垣根は最初こそ麦野と同じく爆笑していたが、途中からは「こういうやり方もありか」などと冷静に分析しはじめていた。

 ぐったりとしている一方通行の前で今は、検体番号も覚えていないモブ妹達の手を取り、
耳元で「オマエが必要だ」と囁いている彼自身の姿が映っている。シロッコかこいつは。

 イヤガラセに利用する為、自分の危機を振り払う為、散々妹達をコマしてきた彼だったが
まさかこんな所で手痛いしっぺ返しを受けるハメになるとは欠片も思っていなかっただろう。


カキネ、ミサカ、ムギノ、アウトー

一方通行(サボテンが花をつけている……)

 彼は他のメンバーのアウト通告を聞きながら虚空を見つめ、現実逃避をしつつその場に崩れ落ちた。

665: 2011/02/27(日) 13:20:52.02 ID:m1Obl3L2o

―――――――――――――――

―――――――――

――――



 数分後、そこにはようやく再生を終えたDVDを前に真っ白に燃え尽きている一方通行と、
何度も尻をシバかれながらもツヤツヤとした顔をしている三人の姿があった。

御坂「あー、こんなに笑ったの久しぶり」

麦野「笑いすぎて途中からあんまりアウト取られなかったし、ラッキーだったわね」

垣根「つーかこんだけ口説き落としといて何で童Oなのオマエ?」

一方通行「……」

11111号「堪能していただけましたでしょうか?とミサカは手を叩きながら教室に入ります」

 無表情のままケラケラと笑いながら、11111号が教室に入ってくる。自由時間は終わりということだろう。

麦野「良かったわ。このDVDダビングしてもらえない?」

11111号「流石にそいつは聞けない相談ですね、とミサカは首を横に振ります
こういうのは一個だけあるから効果的なんですよ。 さて、と」

666: 2011/02/27(日) 13:21:23.66 ID:m1Obl3L2o

 DVDを回収すると、11111号は未だに無言のままの一方通行の方に向き直る。
真っ白になっている彼をしばしうっとりとした表情で見つめたあと、彼女はニタニタと笑いながら口を開いた。

11111号「よかったですね一方通行、これであなたが罰ゲームになる可能性は限りなく低くなりましたよ。
ねぇどんな気持ち?今どんな気持ち?とミサカは一層白くなった一方通行にインタビューをしてみます」

一方通行「……」

11111号「おや、一方通行?」

 氏者に鞭打つような真似をしようとした11111号だったが、当の一方通行は項垂れたまま
うんともすんとも言わない。ブチギレて暴れまわるくらいを想定していた彼女は
肩透かしを喰らった気分で「チッ」と小さく舌打ちをした。

一方通行「……」

11111号「……ほんとにどうしました?」スッ

 あまりにも動きが無い一方通行を流石に不審に思い、11111号はそっと彼の手を取る。
と、途端に彼女の顔が驚愕に歪み、だらだらと冷や汗が流れ落ちる。

667: 2011/02/27(日) 13:21:55.99 ID:m1Obl3L2o

御坂「どうしたの?」

11111号「……一方通行はいつからこの状態でした?」

 御坂の質問には答えず、11111号は慌てた様子で周囲に伺う。

垣根「あ?あー……DVDの中盤くらいから、だったか?」

11111号「結構前ですよね……うわ、やべえ……とミサカは顔を青くします」

麦野「はぁ?何かあったわけ?」


11111号「……脈が無いです、とミサカは事実を淡々と述べます」


「「!!?」」




※楽しい豆知識・・・人間の脳は呼吸停止後2分以内に心肺蘇生が開始された場合の救命率は90%以上ですが、
            4分では50%、5分では25%程度まで下がります。救命活動はお早めにね☆

668: 2011/02/27(日) 13:23:42.08 ID:m1Obl3L2o
本日分終了

一方さんがだいぶ無双してたんでここらでバランス取りを(精神的ダメージな意味で)
次の投下は早くできるといいなー

692: 2011/02/28(月) 19:13:50.40 ID:lUtMu5Iko

―保健室


一方通行「ぐ……ここは……?」

11111号「保健室ですよ、とミサカは親切に答えます」

御坂「あーよかった、あのまま氏なれたら流石に寝覚めが悪いわよね」

垣根「マジで焦ったぜ」

麦野「腕の良い医者が待機しててくれて助かったわ」

「――僕を誰だと思っている?(キリッ」


一方通行「あァ……?なンで俺はこンなところで寝てたンだ?」

11111号「おぉ?これはひょっとして都合よく何も覚えていないというパターンでは……」

垣根「最後に何やってたか覚えてねえのか?」

一方通行「えっとォ……確かレベル6になる方法が見つかったとかで天井に呼び出されてェ……」

麦野「忘れすぎだろ!?」

一方通行「ハッ、誰だオマエ等!?」

御坂「遅いわよ!!」

693: 2011/02/28(月) 19:14:28.35 ID:lUtMu5Iko

11111号「ほ、本当に覚えていないのですか一方通行?とミサカは目に涙を溜めて縋り付きます」

一方通行「あァ?」

11111号「このミサカと交わしたあんな事やこんな事も全て忘れてしまったというのですか?」

一方通行「おい」

11111号「ミサカの身体をあなた無しでは生きられないように調教しておいて今更忘れただなんて……」

一方通行「おい」

11111号「これは許せません、傷つきました。慰謝料として八兆円要求します、とミサカは請求書を差し出します」

一方通行「やってねェだろォがこのクソボケ!単価18万円が調子に乗ってンじゃねェ!!!」

11111号「何だ覚えてるじゃねえか、とミサカは舌打ちをします」チッ

麦野「あ?普通に覚えてんのか?」

一方通行「覚えてるに決まってンだろクソったれ、ショック受けたくらいで都合良く記憶が飛ンで堪るか」

御坂「何で忘れた振りなんてしたのよ……」

一方通行「有耶無耶にこの企画終わらせれねェかなァ、って思ったンだがなァ……
このバカのあまりのウザさについつっこみ入れちまったンだよクソ」

694: 2011/02/28(月) 19:14:55.22 ID:lUtMu5Iko

11111号「フフン、まだまだ忍耐が足りませんね、とミサカは鼻で笑います」

一方通行「うぜェ、マジでうぜェ、氏ね」

麦野「……一応確認な、私のことわかるか?」

一方通行「第四……いや、むぎのン」


デデーン♪

『垣根、御坂、アウトー』

垣根「わざわざ言い直してまでむぎのんはやめろ!!」

御坂「麦野さん、こうなるのわかってて訊いたでしょ……?」

麦野「さあねー」


バチーン!!


垣根「ぬううぅぅ!!!」

御坂「あうったあああ!!」

695: 2011/02/28(月) 19:15:26.01 ID:lUtMu5Iko


垣根「あぁクソ、いい加減ケツ腫れすぎてズボン脱げねえんじゃねえかこれ……」

御坂「……ところで私のこともわかるわよね?」

一方通行「超電磁砲だろ?何言ってンだオマエ」

御坂「少しはボケなさいよ!!」

11111号「二番煎じなちゃちい仕返しをしようとするお姉様が大好きです、とミサカは棒読みでお姉様を応援します」

御坂「……アンタ本当に私のクローン?」

垣根「そっくりじゃねえか。ところで一方通行、俺はわかるか?」

一方通行「誰だっけオマエ」

垣根「だと思ったよチクショウ!!そういう冗談は悲しくなるからやめろ!!」


一方通行「ンー……ン?あれ、えっとォ……?」

垣根「冗談じゃない!?」


696: 2011/02/28(月) 19:15:53.23 ID:lUtMu5Iko

デデーン♪

『御坂、麦野、アウトー』

御坂「ドンマイ垣根さん」プクク

麦野「お約束よねホント」クスクス

垣根「いらねえよこんなお約束!!」

一方通行「冗談だ冗談、えェっと、垣根?くン?」

垣根「何で疑問系で君付け!?本当に覚えてんのかオマエ!?」


バチーン!!


御坂「いっひぃぃ!!!」

麦野「うに゛ゃァァァ!!!」


11111号「しかし全て覚えてる割には元気ですね
てっきりDVDの事で萎びたモヤシみたいになるかと思っていたのですが
とミサカは一方通行の強靭さに驚愕します」

697: 2011/02/28(月) 19:16:19.30 ID:lUtMu5Iko

一方通行「あァー、冷静に考えたら俺が妹達口説いてる場面公開されたからって別に痛手でもなンでもねェし」

御坂「えっ」

一方通行「むしろあンだけ口先だけで妹達をどォこォ出来るってステータスだろ
これからも必要とあればいくらでも口説いてやらァ」

11111号「うわぁお、とんでもない開き直り方しやがったよこの外道モヤシ……
とミサカは一皮剥けた一方通行に頭を抱えます」

麦野「こう、羞恥心とかないわけ?あれだけ恥ずかしいシーン見られといて……」

一方通行「恥ずかしいなンて言うなよ、映ってた妹達に失礼だろォが」

11111号「やだ、かっこいい……」

垣根「……でもウニ頭の股間掴んだり目付き悪い女拝み倒したりもしてたよな?」

一方通行「あ、その辺は忘れてください、編集なンで」

垣根「えっ」


698: 2011/02/28(月) 19:17:05.94 ID:lUtMu5Iko

11111号「さて一方通行も目覚めた事ですし、お風呂の準備が出来ていますよ
とミサカは皆さんに入浴を勧めます」

一方通行「風呂!?」

垣根「学校に風呂あんの!?」

11111号「えぇ、昨日作り始めてさっきようやく完成しました、とミサカは出来たてのお風呂をアピールします」

御坂「ほぼ一日で作ったの!?」

麦野「突貫工事にも程があるでしょ!?」

一方通行「怖ェよそンな風呂……」

11111号「まぁいいからいいから、とミサカは皆さんに水着を差し出します」

垣根「水着ぃ?」

11111号「はい、混浴の大浴場ですから」

御坂「えぇー、混浴……」

麦野「男と女で時間ズラすって無理なの?」

699: 2011/02/28(月) 19:17:33.76 ID:lUtMu5Iko

11111号「結構スケジュール詰まってるんで……それに」

一方通行「それに?」

11111号「尻をシバかれるときに生でやられるよりは水着でも無いよりはマシでしょう?
とミサカは心優しい配慮を見せます」

垣根「風呂でもシバく気かよ!?」

御坂「お風呂の最中は休憩ってくらいの配慮が欲しかったわ……」

11111号「甘ったれんな!!とミサカはレベル5勢を叱咤します」

麦野「何なのよコイツ……」

11111号「まぁまぁ、見られても恥ずかしくないモノを用意しておりますので
まずは一方通行どうぞ、とミサカは水着を手渡します」

一方通行「ン……確かに普通のサーフトランクスだなァ」

11111号「続いてていとくん、どうぞ」


垣根「何で俺の水着ブーメランタイプなの?」

一方通行「グフッ」

麦野「ゲハッ」

700: 2011/02/28(月) 19:18:03.94 ID:lUtMu5Iko

デデーン♪

『一方通行、麦野、アウトー』

垣根「イヤイヤ笑い事じゃねえぞ?これ履いてても生ケツ叩かれるのと変わらねえだろ……」

麦野「本当に汚れ役が似合うわね」ケラケラ

一方通行「ク……ぐふ、クククク……」

御坂「ツボに入りすぎでしょアンタ……」

11111号「お姉様は受けませんでしたか、残念です
とミサカは渾身のギャグがスルーされてしょんぼりします」

御坂「うん、面白かったんだけど想像したらちょっと気持ち悪くなっちゃって」

垣根「御坂の黒さで俺の心がやばい」


バチーン!!



701: 2011/02/28(月) 19:18:29.62 ID:lUtMu5Iko

11111号「はい、むぎのんにはこれです」

麦野「セパレーツ、ね……ちょっと華が無いけどコイツ等に肌晒したくないしこんなもんか」

11111号「最後にお姉様にはこちらを……よっこいしょ」


御坂「……あのさ、カエルの着ぐるみにしか見えないんだけど」

11111号「え、そうですけど?」

御坂「水着じゃないじゃない!!!」

11111号「……そうですけど?」

御坂「そんな「何が悪いの?」みたいな顔しないでよ……私がおかしいみたいじゃない……」

11111号「さて、それじゃ皆さんに水着が行き渡ったところで」

御坂「え、待って私ほんとにこの着ぐるみなの!?」

11111号「更衣室に移動しましょうか、とミサカは先導します」

御坂「ちょ、無視しないで!話聞きなさいよ!!!」

一方通行「超電磁砲、うるせェ」

垣根「もう少しおしとやかに出来ねえのか?」

御坂「私が悪いの!?」

702: 2011/02/28(月) 19:19:05.55 ID:lUtMu5Iko

―――――――――――――――

―――――――――

――――


―男子更衣室


一方通行「……」

垣根「……」

一方通行「……垣根くゥン、ちょっと俺の視界に入らないでもらえますゥ?」

垣根「うるせえ!俺だって好きでこんな格好してるわけじゃねえんだよ!!」

一方通行「喋ンな、呼吸すンな、俺に知覚されるよォな真似すンな」

垣根「理不尽にも程がある!?」

一方通行「いやホント、その格好最悪なンでェ……」

垣根「……」イラッ

703: 2011/02/28(月) 19:19:31.79 ID:lUtMu5Iko

『着替え終わったんならさっさと出てきてくださいね、とミサカは時間があまり無いことをアピールします』

一方通行「ン、行くかァ……おい垣根、どけよ」

垣根「……」

一方通行「どけって……」

垣根「テメエが笑うまでここから先には行かせねえ!!」

一方通行「あァ!?何言ってンだオマエ!」

垣根「ディーフェンス!ディーフェンス!」ダバダバ

一方通行「ちょ、やめろ!!その格好でバタバタ動くな!!!」

垣根「ディーフェンス!ディーフェンス!!」バタバタ

一方通行「か、垣根、マジで、やめ……」ピクピク

垣根「ディーフェンス!ディーフェクフッ……クク……クククク」

一方通行「グッ……オマエホント……ク、カハッ……ヒヒヒ」


デデーン♪

『一方通行、垣根、アウトー』

垣根「ざまぁみろ!一矢報いてやったぜ!」ゲラゲラ

一方通行「自爆してまで笑わせようとすンじゃねェよクソがァ!!」

704: 2011/02/28(月) 19:19:59.92 ID:lUtMu5Iko


バチーン!!


一方通行「づあああァァ!!!」

垣根「なあァァがあ゛あああああぁぁぁ!!!!!」


一方通行「いってェ……クソ、水着だとマジいてェ……」

垣根「………」

一方通行「なァに落ち込ンでンだテメエは、そンな痛かったかァ?」

垣根「ケツ叩きに来たクローンに汚物を見るような目で見られた……」

一方通行「グブッ」


デデーン♪

『一方通行、アウトー』


705: 2011/02/28(月) 19:20:29.12 ID:lUtMu5Iko

―女子更衣室


『一方通行、アウトー』

麦野「やらかしてるわねアイツ等」

御坂「ねぇちょっと麦野さん」

麦野「どうしたの?」

御坂「背中のファスナー閉めてもらえない?」

麦野「あ、本当に着ぐるみ着るのね」カチャカチャジー

御坂「ん、ありがと。 あとはこの頭を被って……」カポッ

麦野「……ッッ」プルプル

御坂「……あっつ」

麦野「グフッ」


デデーン♪

『麦野、アウトー』

麦野「み、美琴……ちょっと私の視界から出ててもらえる?」

御坂「あ、ごめんなさい」

706: 2011/02/28(月) 19:20:55.99 ID:lUtMu5Iko


バチーン!!


麦野「うぎいぃぃ!!」


御坂「うああ、痛そう……」

麦野「水着だと辛いわねホント……ていうかわざわざ頭被らなくていいでしょ」

御坂「大丈夫ケロ?」

麦野「!?」

御坂「ケロケロ?」

麦野「美、美琴……?」

御坂「ケロッピー!」

麦野「美琴……ふざけてんならすぐにやめ……」

御坂「ピカチュー!!」


デデーン♪

『麦野、アウトー』

麦野「第三位いィィィ!!!!テメエえぐられてえのかァァ!?」

御坂「パリイ!!」


バチーン!!



707: 2011/02/28(月) 19:21:32.52 ID:lUtMu5Iko


一方通行「おっせェなァ女ども」

11111号「女性の着替えには時間がかかるのですよ
とミサカは物を知らない一方通行に優しくレクチャーします」

垣根「ところで俺この格好で待ちぼうけってかなり辛えんだけど羽織る物とかねえの?」

一方通行「俺の視界に入るな」

垣根「ひでえ」

11111号「おや、着替え終わったようですね、出てきますよ
とミサカは更衣室内部の様子を確認します」


ドア<ガチャリ


御坂「お待たsゴフゥ」

麦野「いきなり噴き出してどうしtドゥフ」


デデーン♪

『御坂、麦野、アウトー』

垣根「俺の姿確認した瞬間噴き出すのやめてくれねえ?地味に傷つくんだけど」

御坂「その格好は反則でしょ……」

麦野「ちょっと隅のほうで氏んでろよバ垣根……」

708: 2011/02/28(月) 19:21:59.61 ID:lUtMu5Iko


バチーン


麦野「痛゛あぁァ!!!」

御坂「いったー……くない!!」


垣根「そりゃ着ぐるみの上から竹刀でぶっ叩かれてもなぁ」

御坂「着ぐるみって凄い!」

一方通行「おい11111号、いいのかァそンなンで?」

11111号「ふむ……」

御坂「え、ちょっと待ってよ何悩んでるの!?」

11111号「おーい鉄バット用意しろー、とミサカは裏方の妹達に声をかけます」

御坂「鉄バット!?」

一方通行「ほォ、そいつァいいなァ」

麦野「あらぁ残念だったわねぇ美琴ちゃぁん」

御坂「麦野さんさっきのこと根に持ってる!?」

709: 2011/02/28(月) 19:22:47.58 ID:lUtMu5Iko

11111号「さぁお姉様、リテイクですよ、とミサカはにこやかに微笑みます」

御坂「り、リテイクって何よ!?せっかく着ぐるみなら痛くないと思ってたのに……こんなの詐欺よ!!」


「いいぜ御坂……テメエが着ぐるみ越しに殴られても痛くないと思ってんなら……」ザッ


御坂「!?」

11111号「おや?」


上条「まずはそのふざけた幻想をぶち頃す!!!」ババーン!


御坂「何でアンタが出てきてんのよおおお!!!」

11111号「ふむ、えーっと裏方の妹達によると……」


「鉄バット重かったから近くにいた男の人に代わってもらいました、ミサカ箸より重たい物持てないしー☆」


11111号「だそうです、とミサカは爆笑します」

710: 2011/02/28(月) 19:23:22.96 ID:lUtMu5Iko

御坂「重火器ぶん回せる設定でしょうが!!何で揃いも揃ってそんなに性格悪いのよアンタ達!?」

11111号「元が元ですから、とミサカは皮肉を言いつつ笑います」

麦野「可愛いふりしてかなり黒いわよね」

垣根「今回の企画で本性が出てきたっつーか……」

御坂「ここまで酷くないわよ!!」

一方通行「「ここまで」って事は少しは自覚があるンだなァ」

御坂「うるさい!!」

上条「御坂……覚悟は決まったか?」

御坂「ちょっとやめてよ!バットこっちに向けないで!!」

上条「……大丈夫だ御坂、俺を信じろ」ボソボソ

御坂「え?」

上条「上条さんが女の子を本気で殴るわけないだろ?ふりだけで終わらせるって」ボソボソ

御坂「あ、アンタ……」

711: 2011/02/28(月) 19:23:52.35 ID:lUtMu5Iko

上条「何度も尻叩かれてるんだろ?大丈夫だ、俺の目が黒い内はもうそんなことさせねぇ」ボソボソ

御坂「………わかった、信じる」


上条「サンキュ、じゃあ後ろ向いてくれ」

御坂「信じてるからね?痛くしないでよ……?」


上条「いいぜ御坂……てめえが本当に痛くしないと思ってんなら」

御坂「えっ?」

上条「まずはそのふざけた幻想を――」ググッ

御坂「あああああすっごいデジャブ!?待って!待ってえええ!!!」

上条「ぶち頃す!!!!」ブゥン


カキーン!!!


御坂「あ゛あ゛あぁ゛ぁぁぁぁぁ!!!!!」


デデーン♪

『一方通行、垣根、麦野、アウトー』


752: 2011/03/03(木) 21:29:54.04 ID:dLLjVQAio

 調子に乗りすぎた上条にお灸をすえた後、四人は11111号に先導され風呂場を目指して移動していた。

※能力制限が一時的に解除されました。



御坂「うぅ、まだお尻痛い……」

麦野「美琴、大丈夫?」

 予想以上のダメージに足を引き摺る御坂に麦野が肩を貸す。
水着の女性に運ばれるカエルの着ぐるみという何ともシュールな光景がそこにあった。

垣根「つーか御坂、オマエ頭の被り物は脱げよ」

一方通行「そンなモン被ってまで笑い取りてェのか?汚ェ真似しやがる」

 何故か未だにカエルの頭を被っている御坂に男性陣も呆れ顔である。
しかし当の御坂は「ゲコ太を侮辱する気!?」と逆に二人を睨みつける始末だ。

垣根「そもそも、それゲコ太じゃねえだろ、ただのカエルだ」

御坂「うるさいわね、カエルはみんなゲコ太の兄弟なのよ」

11111号「穴的な意味で」

一方通行「何言ってンだオマエ」

麦野「ウック」

753: 2011/03/03(木) 21:30:20.01 ID:dLLjVQAio


デデーン♪

『麦野、アウトー』

垣根「何笑ってんだよ……」

麦野「全カエルがゲコ太の穴兄弟とか言われたら笑うでしょ……」

一方通行「オマエのツボがわかンねェ」


バチーン!!


麦野「あいッッッ!!!」



垣根「麦野、大丈夫か?」

麦野「大丈夫だから私の視界に入るんじゃねえ」チッ

 水着に着替えてから既に四回も尻をシバかれている麦野に優しく声をかける垣根だったが
彼の純粋な善意は舌打ちと睨みという余りにも酷い対応で一蹴されてしまう。
これには紳士でフェミニストを自称している彼もプッツンだ。

垣根(もう絶対こいつに優しい言葉なんてかけてやらねえ……
いや、むしろこいつを笑わせることに一切躊躇しねえ!)

754: 2011/03/03(木) 21:30:46.78 ID:dLLjVQAio

 人知れず怒りの炎を燃やし、麦野を笑わせることを誓った垣根は―

垣根「……」フリフリ

麦野「!?」

 とりあえず無言で腰を振ってみた。勿論ブーメランパンツのままで、だ。

麦野「……おい垣根、何の真似だ?」

 麦野が顔を引きつらせながら訊いて来るがそれをスルーする。

垣根「……」クネクネ

御坂「か、垣根さん何を?」プルプル

 御坂が口元を手で覆いながら奇異の目を向けるが気にも留めない。

垣根「……」ブンブン

一方通行「クッ……ブチ殺されてェのかテメエ!?」

 一方通行が半分笑いながら怒りの表情をぶつけてくるがこれも無視。

麦野「……」

垣根「……」

垣根「……」ブンブンブン!

麦野「加速した!?」

755: 2011/03/03(木) 21:31:13.48 ID:dLLjVQAio


デデーン♪

『一方通行、御坂、アウトー』

一方通行「かァァきィねェェくゥゥゥゥン!!!!」

御坂「何なのよ!?ホント何なのよ!!!」

垣根「悪い、麦野狙ってたんだが……」

麦野「笑うよりも先に引いたわ」


バチーン!!


一方通行「ぐううゥゥ!!!」


カキーン!!


御坂「あいったあああ!!」


垣根「かわいそうに……クソ、オマエが笑わねえからだぞ麦野」

麦野「意味わかんねえ、氏ね」

756: 2011/03/03(木) 21:31:51.88 ID:dLLjVQAio

御坂「ていうかやっぱり妹達も普通にバット持ってきてるじゃない!何が「箸より重い物持てない」よ!!」

11111号「過去を振り返るよりも今を生きましょうお姉様、とミサカはお姉様を元気付けます」

 涙目で抗議する御坂に、11111号は小馬鹿にするような笑みを浮かべつつ親指を立てる。
クローン元への敬意など皆無である。


一方通行「つーかあれだ、垣根の格好はやっぱ卑怯だろ……
普通に歩いてるだけでも笑い取れるじゃねェか」

垣根「あぁ?んじゃ交換すっか?」

一方通行「え、いや何その案?氏ねよ」

垣根「ちょっとオマエ理不尽にも程があるだろ。俺の扱いもうちょっと考えろよ」

麦野「まぁ垣根だし」

御坂「垣根さんだしね」

垣根「俺が垣根な事は何の免罪符にもならねえよ!!」

757: 2011/03/03(木) 21:32:28.12 ID:dLLjVQAio


「あ、ねえちょっとそこのあなた達」


 いつも通りの和やかな会話は背後から唐突にかけられた声により中断されることとなる。

11111号「おや?」

麦野「あ?」

 振り返ってみると、そこには下半身にミニスカート、上半身はサラシを巻き
そこにブレザーを羽織っているだけ、という露出狂じみた格好をした女性の姿があった。

御坂「うわ、何この人」

一方通行(ン、コイツどっかで……)

垣根「露出狂ってやつか?顔は悪くねえってのに勿体ねえな」

「イヤイヤイヤ!あなた達に露出狂なんて言われたくないから!!」

 現在の自分の格好を棚上げして怪訝な目をする垣根に、女性は全力でつっこみを入れる。
そりゃブーメランパンツ一丁の男に露出狂呼ばわりされたくはないだろう。

麦野「こっちがこういう格好してるのは理由があんだよ。で、アンタ何者?何の用?」

「理由って……まぁいいか。私は結標、結標淡希よ。ちょっと探し物をしてるんだけど……」


758: 2011/03/03(木) 21:33:17.30 ID:dLLjVQAio

 露出狂じみた格好をした女性―結標が語るところによると、どうやら彼女は人を探しているらしい。
その探している人物の特徴というのが
2mの長身に赤い髪、黒いローブを着たヘビースモーカーの14歳の少年ということなのだが

御坂「いないわよそんな14歳!!」

垣根「そんな面白えヤツ見かけたらこっちから話題に出してるわ」

結標「そうよね、いるはずないと思うわよね!?それ程冒涜的なのよ!!
だからどうしても捕まえて粛清しないと……」

一方通行(……ちょっと前にどっかで見たことある気がすンなァ、そンな残念ショタ)

麦野「冒涜?粛清?随分物騒ね」

 結標から聞こえてきた血生臭い言葉に麦野は目を輝かせる。血が騒ぐのだろう。

11111号「……照合が取れました。どうやら五時間目に教師役のステイル君を襲ったのはその女のようです
とミサカは授業を妨害した露出狂ショタコンを睨みつけます」

結標「しょ、ショタコンじゃないわよ!!ただちょっと小さい子が好きなだけで……」

 11111号にショタコン呼ばわりされ慌てて否定し言い訳をする結標だったが、
そういう「小さい子が好き」というのをショタコンと呼ぶのだがわかっているのだろうか?

759: 2011/03/03(木) 21:33:48.52 ID:dLLjVQAio

垣根「つまり2mの14歳なんてショタとして認められないから見つけて粛清しようとしてんのか」

御坂「超重度のショタコンじゃない……」

結標「うるさいわねこのカエル!あなただって自分の心の支えを汚されたらわかるわよ!!」

御坂「……ッ!」

 心の支え そう聞いて御坂が思い浮かべたのはやはりゲコ太のぬいぐるみであった。
家に帰れば毎日暖かく迎えてくれ、よき話し相手にもなり、寝る時は優しく包み込んでくれる……
そんな超巨大ゲコ太ぬいぐるみこそまさしく彼女の心の支えと言えよう。

ウニ頭?爆発しろ

 しかしそんな彼女の心の支えは一度、この上ないという程に汚されている。他ならぬ一方通行の手によって。
彼女は今更ながら思い出す。今視界の隅で呆れ顔をしている真っ白い人間こそ、
この世で最も憎むべき自分の怨敵であるということを。

御坂「一方通行ァァァ!!!アンタあの時はよくもおおお!!!」

一方通行「な、なンだァ!?」

御坂「私のゲコ太によくもおおお!!!」

 突如カエルの着ぐるみに詰め寄られ、一方通行は目を丸くする。
かつてゲコ太のぬいぐるみにやった悪行など彼はすっかり忘れていた。

760: 2011/03/03(木) 21:34:56.37 ID:dLLjVQAio

一方通行「いやちょっと何の事かわからないンですけどォ?」

御坂「しらばっくれてんじゃないわよ!!」


結標「!?……あ、あなた!!」

 ブチ切れている御坂を押しどけ、結標が声を上げながら二人の間に割って入る。
彼女はそのまま一方通行の肩を、掴み彼の全身を嘗め回すように見つめた。

一方通行「何ですかァ?ちょっと目ェ怖いンですけどォ」

結標「……サラサラの髪、華奢な体つき、病的な程の色白具合、中世的な顔つき………」

一方通行「あ?」

結標「いいわ!ちょっと旬を過ぎてるけど、あなた最高にショタの素質があるわよ!!」

一方通行「」

 どうやら一方通行の年齢に比べ幼い身体つきがショタコンのセンサーに引っ掛かったらしい。
それにしても「旬を過ぎている」とは酷い暴言である。
女性に向かってそんなことを言うと包丁が出てくるレベルなので真似しないように。

結標「こ、これからお姉さんと一緒にお茶でも……」ハァハァハァ

一方通行「近い近い近い!!息荒くて怖ェよ!!!おいィ!誰か助けろォォ!!」

 唇が接触しそうなほど顔面を近づけて話す結標に一方通行はジリジリと後退するが、
所詮は狭い廊下での出来事なのですぐに追い詰められてしまう。
これほどまでに怯えた顔をする一方通行を見ることなど中々出来ないだろう。
11111号は助けるどころかそっと手持ちのハンディカメラを回し始めた。

761: 2011/03/03(木) 21:35:27.21 ID:dLLjVQAio

結標「そ、そうだ!飴食べない?お姉さん、たくさん持ってるから!」ゴソゴソ

一方通行「うわァポケットから山のようにキャンディー出てきたよ!!」


デデーン♪

『垣根、麦野、アウトー』

一方通行「笑い事じゃねェぞクソがァァァ!!!」

垣根「ポケットから、ポケットから有り得ない量の飴が……」プルプル

麦野「飴でショタを釣るっていう思考が完全に犯罪者じゃねえか」クククク


バチーン!!




762: 2011/03/03(木) 21:36:41.21 ID:dLLjVQAio


御坂「ちょっとこの変態、どきなさいよ!一方通行には色々言いたいことがあるんだから!!」

 一方通行に詰め寄る結標に、御坂は鬼の形相(つってもフルフェイスのカエルだけど)で掴みかかる。
しかし思惑とは裏腹に、今の彼女は一方通行の目には救世主のように映っているだろう。


結標「本当にうるさいカエルね!私は変態じゃないわ、仮に変態だとしても変態という名の淑女よ!!」

御坂「うっさいわこの変態!!警備員に通報されたくなかったらさっさと消えなさいよ!!!」

結標「ちょっと!こんなことで一々警備員を呼ばれたら私はどこでショタを捕まえればいいのよ!?」

御坂「知らないわよ!って言うか捕まえるな!!……あぁもう!熱くなってきた!!!」カポッ

結標「……ッッ!!」

 ヒートアップし着ぐるみ内に熱が篭ってきたのか、御坂はカエルの頭をガバッと脱ぎ捨てると、
十数分ぶりにその端正な顔を外界に晒した。ゲコ太への侮辱がどうのこうの言ってたのはどうしたのだろうか。
何にせよ、晒された御坂の顔を見て結標の表情が何かに驚いたように固まる。
その後彼女は値踏みするようにマジマジと御坂の顔を見回すと、一方通行から離れそっと彼女の肩に手をかけた。

763: 2011/03/03(木) 21:37:34.18 ID:dLLjVQAio

結標「意志の強そうな目、短めの明るい茶髪、女の子にしては高めの身長、無理に背伸びしているような顔つき……」

御坂「へ?」

結標「あなた、いいわね」ニタァ

御坂「ちょっとおおおお!!!わ、私は女よ!!!?」

 節操のない事を言い出す結標にどん引きしながら距離を取ろうとする御坂だが、
ガッシリと肩を掴まれているため、それに加え厚手の着ぐるみを着ているため、思うように動けない。
一方通行は「助かった」という表情で安堵しながらさっさと逃げ出してしまった。

結標「大丈夫、あなたみたいに少年のような男前の女の子なら私いける口だから」ハァハァハァ

御坂「イヤァァァ!!!何一つ大丈夫じゃないわよおおお!!!」


デデーン♪

『一方通行、垣根、アウトー』

御坂「わ、笑ってないで助けてよ!!」

一方通行「ク……予想以上にハイレベルな変態だったぜ……」

垣根「すまん御坂、これは耐えられねえ」


バチーン!!


764: 2011/03/03(木) 21:38:01.63 ID:dLLjVQAio


麦野「あぁちょっと、アンタ」

「はい、何でしょう?とミサカはむぎのんの声に応じます」

 一方通行と垣根の尻をシバき帰還しようとする妹達に、麦野は声をかけ引きとめる。
裏方役でこれまで一切セリフがなかったその妹達はちょっと感動した様子でそれに応えた。

麦野「ちょっとその手のモノを借りてもいいかしら?」

「手のモノ……この竹刀ですか?とミサカは尋ねます」

麦野「そう、それよ。悪いようにはしないからさ」

「ふむ……しかし……」

麦野「あ、無理なら別に構わないわ。その時は素手でヤるだけだし」

「いえ、どうぞお使いください。面白そうですし、とミサカは竹刀をむぎのんに手渡します」

麦野「ん、ありがと」

 名も無い妹達から竹刀を受け取り、麦野は満足気にそれをブンブンと試し振りすると
「これならいけそうね」と悪意に満ちた表情へと変貌した。
笑ってはいけない、というルールが無ければニタリと笑っているところだろう。

765: 2011/03/03(木) 21:38:44.48 ID:dLLjVQAio

麦野「さて、と」

 彼女は向き直ると、御坂に飴ちゃんを渡そうとしている結標の背後にそっと近寄り――

麦野「おらァ!!!」ブン

結標「あふぁ!!」ドパーン!

 彼女の首筋に一切の躊躇無く、全力で竹刀を叩き付けた。結標は短い悲鳴を上げながらその場に倒れ伏し、
叩きつけられた竹刀は衝撃に耐え切れずに爆ぜ、パラパラと残骸をその場に散らす。
どれ程の力がかかればこれほど見事に竹刀が砕け散るのだろうか。

「み、ミサカの愛刀が……」

麦野「ごめーん壊しちゃった」

御坂「む、麦野さん……」

麦野「礼はいらないわよ?いい加減冷えてきたから早くお風呂に入りたかっただけだし」

11111号「なんという男前……ここから濃厚なレOスレに……」

麦野「なるかボケ、それよりこの変態どうすんのよ?」

結標「」ビクンビクン

 11111号の妄言を切り捨て、泡を吹いて痙攣している結標を足先でちょんちょんと突付く。
むぎのんマジ天使

766: 2011/03/03(木) 21:39:19.63 ID:dLLjVQAio

11111号「白井黒子と同じように縛って監禁しておきますよ、これ以上邪魔されたくもありませんし
とミサカは裏方の妹達にロープを持ってくるように指示します」

一方通行「今回ばかりは第四位に感謝だなァ」

垣根「俺は実害全くなかったし、もうちょっと暴れてくれてもよかったんだがなぁ
っと、ほら御坂、これ忘れんなよ」

御坂「あ、ありがとう」カポ

 脱ぎ捨てたカエル頭を垣根から手渡され、御坂はもう一度それを頭に被る。
同時に11111号も結標を縛り終わったようで、彼女達は再び風呂場を目指して移動しはじめた。


767: 2011/03/03(木) 21:39:46.24 ID:dLLjVQAio

―――――――――――――――

―――――――――

――――

―風呂


11111号「はい皆さん到着しましたよー、とミサカは案内を終了します」

一方通行「到着ってオマエこれ……」

垣根「プールじゃねえか」

11111号「プールを改造したお風呂です。こんな巨大な湯船滅多にありませんよ、とミサカは胸を張ります」

麦野「温水プールみたいなもんだと思えばいいのかねぇ?」

11111号「まぁそういう認識でも間違いではありませんね
設定温度は40度ですから温水プールより随分高めですが、とミサカは補足します」

御坂「……私着ぐるみのまま温水プールに入るわけ?」

一方通行「つーかプールが風呂代わりなら最初からこっちにある更衣室使わせろよ」

11111号「あー、ここの更衣室は今ボイラー室になっているのですよ、とミサカは説明します」

768: 2011/03/03(木) 21:40:38.83 ID:dLLjVQAio

垣根「ボイラー室なぁ……」チラッ


―ボイラー室内部

「く、くそ、何故僕がこんなことを……」

「教師役を果たせなかったんだからこの位は働いてくださいよ、とミサカは赤毛のデカブツを叱咤します」

「仕方が無いだろう!?突然ショタコン女に襲われて逃げるので手一杯だったんだ!」

「言い訳なんて男らしくありませんね、とミサカは見かけによらず女々しい赤毛を罵ります
ほらほらもっと集中しないとお湯の温度を一定に保てませんよ」

「くそおおおお!!!」



デデーン♪

『垣根、アウトー』

御坂「どうしたの垣根さん?」

一方通行「ボイラー室に何かあったのかァ?」

垣根「能力者がすっげえ頑張ってお湯沸かしてた……」

11111号「いやぁちゃんとした設備を整える時間がなかったもので」

769: 2011/03/03(木) 21:41:07.02 ID:dLLjVQAio


バチーン!!


垣根「ぐおあぁぁぁ!!!」



一方通行(やっべェ……もう垣根がシバかれてるの見てるだけで笑いそうになっちまう)プルプル

垣根「クソが……これやっぱ生ケツシバかれてるのと変わりねえだろ……」

11111号「oh……ていとくん、ちょっと自分の姿を確認してみてください」

麦野「ゴフッ!?」

一方通行「ブアッ!!」

垣根「あ?……うお!?」

770: 2011/03/03(木) 21:41:40.60 ID:dLLjVQAio


デデーン♪

『一方通行、麦野、アウトー』

11111号「その誰も得しないポ口リはないわぁ……とミサカはドン引きします」

一方通行「去勢されてェのかクソ野郎がァァァァ!!!」

垣根「うるっせえ!!こんなもん履かされてケツぶっ叩かれたらそりゃポ口リもするわ!!」

麦野「粗末なモン見せやがって……」

垣根「テメエ俺の未元物質が粗末だと!?」


バチーン!!


一方通行「ぐぎあァァァ!!!」

麦野「いっづあああぁ!!!」


771: 2011/03/03(木) 21:42:21.64 ID:dLLjVQAio

御坂「何?何かあったの?」

11111号「お姉様は知らなくていいんですよ、とミサカは半笑いでお姉様の肩に手を置きます」

麦野「おい垣根、美琴にその薄汚えモン見せやがったら本気でねじ切るからな?」

垣根「うぐ……」キュッ

一方通行「……まあ、そろそろ風呂入るか。この格好いい加減辛えしな」チャプン

垣根「ぐあぁ、ケツに沁みる……」

麦野「ふーん、水温は確かにいい感じね」

御坂「うわ、着ぐるみが水吸って……ちょ、足つかない!!ああぁぁぁ……」ゴボゴボ

一方通行「しかし深ェなオイ」

11111号「元はプールですし。中心部は水深二メートル近くありますよ、とミサカは解説します」

垣根「立ち泳ぎしながら風呂入るのは初めてだぜ……」

御坂「ブクブクブク……」

773: 2011/03/03(木) 21:43:11.52 ID:dLLjVQAio

一方通行「おい疲れ取れる気がしねェンだけど」

11111号「え、休めるとでも思っていたのですか?とミサカは首を傾げます」


麦野「流石の私もコイツの外道っぷりには引くわ……ん?」グニ

垣根「どうかしたか?」

麦野「いや、プールの底に何か柔らかいモノが……なんだ?」グニグニ

一方通行「引き上げて確認してみりゃいいだろォが」

垣根「やめとけ、絶対罠だろ」

麦野「でも気になるしねぇ、よいしょっと」ザバァ!


アレイスター「」チーン


麦野「!?」

一方通行「ガッ」

垣根「ブッ」


デデーン♪

『一方通行、垣根、麦野、アウトー』

一方通行「沈ンでンのが人間ってとこまでは予想してたンだが……」

垣根「まさかアレイスターとはな……精々浜面くらいだと思ってたよ」

麦野「いつから沈んでたんだこいつ……?」


 バチーン!!


774: 2011/03/03(木) 21:43:47.10 ID:dLLjVQAio



一方通行「……あれ、生きてンのか?」

垣根「元から良くわかんねえ液体の詰まったビーカーに入ってたくらいだし大丈夫なんじゃねえの?」

麦野「氏んでたら氏んでたで別に構わねえだろあれ」

 再び担架で運ばれていくアレイスターを三人は目を細めて見送る。
普通の人間なら間違いなく氏んでいるだろうが、まあ普通じゃないし大丈夫だろう。

11111号「ところでお三方、気付いておりますか?とミサカは尋ねます」

 アレイスターの運ばれていった方角を呆然と見つめていた彼等に、11111号が声をかける。

一方通行「あァ?」

垣根「まだ何かあんのかよ」

11111号「ふむ、その様子だとどうやら気付いていないようですね、とミサカは額に手を当てます」

麦野「だから何によ?」

 「あちゃー」と言いながら、11111号はぺしゃりと己の額を軽く叩く。
その心底他人を小馬鹿にしたジェスチャーに、麦野はイラ立ちながら彼女を睨みつけた。

775: 2011/03/03(木) 21:44:20.98 ID:dLLjVQAio

11111号「えっとですね、さっきからお姉様が沈んだままなんですが、
とミサカはプールの中央部に沈んでいる緑色の着ぐるみに黙祷を捧げます」

麦野「……あああ!!!美、美琴ぉぉ!!」

 指摘され、ようやく美琴が沈みっぱなしなのに気付いた麦野は、彼女を救助すべく慌ててプールに飛び込む。
しかし救助に走ったのは麦野ただ一人だけで、一方通行はその様子を指差して笑い、
垣根は俯き、必氏の形相で笑いを堪えていた。


デデーン♪

『一方通行、アウトー』

11111号「この状況で笑うオマエの外道っぷりが凄いわ、とミサカは外道モヤシに戦慄します」

一方通行「河童の川流れってのはこォいうことを言うンだろォなァ」ゲラゲラ

垣根「いや、それは違うだろ……」


バチーン!!



776: 2011/03/03(木) 21:44:54.53 ID:dLLjVQAio

麦野「いいからテメエ等助けるの手伝え!!!」

一方通行「えェー、俺非力なンでェ……」

垣根「すまん、今そっち見たら笑っちまうから無理だ!」

麦野「氏ねよテメエ等!!おいクローン!アンタ手伝いなさい!!」

11111号「え、ミサカ水着着てないし……とミサカは濡れるのがイヤなので拒否します」

麦野「テメエのクローン元だろうがあああ!!!」

 誰一人手伝おうとしない(それもろくな理由も無く)状況に麦野は声を荒げる。
流石の彼女も自分も足が付かないほどの水深で、水を吸った着ぐるみを中の人ごと引き上げるのは難しいようだ。

麦野(く、思ったより持ち上がらない……このままじゃ本当に……)

 必氏に力を込めるも、どうやっても呼吸を確保できる位置までは持ち上がらない。
裏方の妹達もおろおろするばかりで手伝おうとせず、このままでは御坂の命は絶望的だろう。

麦野(どうすれば……いや、ていうか冗談抜きに氏ぬわよこれ)

 このまま御坂は若くして散ってしまうのか?打つ手がなく、麦野すら諦めかけたその時、
突如プールの水位が凄まじい勢いで下がり始めた。

777: 2011/03/03(木) 21:45:24.73 ID:dLLjVQAio

11111号「おや?」

一方通行「栓でも抜けたかァ?」

垣根「……!!!お、おい、あれ!!」

一方通行「あァ?……グファ!!」


デデーン♪

『一方通行、垣根、アウトー』


麦野「はぁぁ!?テメエ等まだ笑ってやがんのか!!」

一方通行「あれ見ろあれェ!!こればっかりは仕方ねェよ!!」

麦野「あぁ?」クルッ


 爆笑する一方通行と垣根の視線の先に麦野が顔を向けると―


白井「うっひょおおお!!!お姉様の出汁が出てますのおおお!!!」ゴキュゴキュゴキュ


 凄まじい勢いでプールの水を吸い込んでいく変態淑女がそこにいた。


778: 2011/03/03(木) 21:45:54.84 ID:dLLjVQAio

デデーン♪

『麦野、アウトー』

麦野「ッフ……ごめん、これは笑うわ」クククク

垣根「だろ?」ゲラゲラ

一方通行「そもそも閉じ込められてたはずじゃねェのかよ!」


バチーン!!


一方通行「おごォ!!」

垣根「ぬっふぁ!!!!」

麦野「んぎぃあ!!!」

779: 2011/03/03(木) 21:46:39.14 ID:dLLjVQAio


垣根「つーかアイツの身体どうなってんの?」

一方通行「空間移動能力者だから水分どっかに飛ばしてンじゃねェか?」

麦野「それで美琴の成分だけを効率的に摂取ってか?発想が狂ってるわ……」

11111号「とにかくお姉様が何とか助かりそうで何よりです
とミサカは今回ばかりは白井黒子に感謝します」

麦野「アンタが手伝ってりゃもっと早かったんだけどね?」

11111号「……しかし、お湯なくなってしまいましたね
とミサカは再び予定が崩れてしまったことに頭を痛めます」

垣根「おい俺こんな格好までしたのにほとんど湯に浸かれねえってのはどういうことだ」

一方通行「散々周りを爆撃したンだからそれだけで十分だろォが」

11111号「仕方がありません、次のプログラムまで教室で時間を潰してもらいましょうか
とミサカは計画の再構築に頭を捻ります」

麦野「はぁ、それじゃもう着替えていいわけね?」

11111号「はい。お姉様はとりあえず裏方の妹達に運ばせておきますので
皆さんは先に着替えて教室で待機していてください、とミサカは指示を出します」

一方通行「あっさり終わっちまったなァ、風呂……」

827: 2011/03/05(土) 20:00:11.10 ID:2Pe5zB1lo

―教室


一方通行「よォやく本当に休憩できる時間かァ」

 ぐっと伸びをしながら、一方通行が気だるげに呟く。
前の自由時間も皆で協力すれば休憩できたはずなのだが、そんな事は綺麗サッパリ頭から抜け落ちているようだ。

垣根「そうだな……ってオマエやっぱりアホ毛直ってねえのか」

 一方通行の頭上でピョコピョコと自己主張をする髪の束を確認し、
垣根は顔を引き攣らせながら指摘する。ずいぶん久しぶりに話題に上ったアホ毛さんである。

一方通行「ン?あァ、そう言や直ってねェな……」

麦野「能力制限解除された時に直しとけよ」

 サワサワと自分の頭上を手で確認し、「あーあ」と呟く一方通行に麦野が当然のつっこみを行う。
木原数多との一件に、先程の風呂前の件、その時に直そうと思えばいつでも直せたはずだ。

一方通行「違和感無くて気付かなかったンだよ……今まで完全に忘れてたわ(作者が)」

麦野「……確かに、妙に似合っちゃいるけど」

一方通行「おいこら掴むンじゃねェ」

828: 2011/03/05(土) 20:00:44.42 ID:2Pe5zB1lo

 一方通行の作るベクトルアホ毛とは違い、今現在彼の頭上にあるアホ毛は
元々の長さの髪をそのまま立たせて熱で固定しただけのモノである。違和感が少ないのはその為だろう。

ピョンピョンとはずむアホ毛を麦野が思わず握り締めると、一方通行は舌打ちをしながら彼女を睨みつけた。

麦野「離してほしい?」

一方通行「つーか何でナチュラルに握ってンだよ、意味わかンねェ」

垣根「あ、俺も握ってみていいか?」

一方通行「きめェ」

麦野「テメエは自分の粗末なモンでも握ってろ」

垣根「ひどくねえ?」

一方通行「しかし折角アホ毛があンだからどォにか利用してェなァ」

 数本の髪の毛を犠牲にしつつ、何とか麦野の拘束から逃れた一方通行はささっとアホ毛を整えながら呟く。
垣根はイヤな予感に眉間に皺を寄せつつ、首を傾げた。

垣根「何に利用する気だ」

一方通行「決まってンだろ、オマエ等笑わせる為にだ」

 事も無げに放たれた悪意に満ちた言葉に、垣根と麦野は思いきり顔を顰める。
この状況で、コイツはまだ身内同士で争いを起こすつもりらしい。

829: 2011/03/05(土) 20:01:14.39 ID:2Pe5zB1lo

垣根「もうそういうのいいだろ……」

麦野「今更アンタのアホ毛をどうされようが、違和感無さ過ぎて笑えねえよ」

一方通行「さァて、どォかな……ッ!」

垣根「!?」

 突如、一方通行はガクンガクンと頭を勢い良く前後に振り始める。
反動でアホ毛も派手に跳ね、彼が頭を振り下ろす度にペチンペチンとその顔面に叩きつけられた。
自分で自分の顔面にアホ毛を、まるで鞭のように打ちつけ続けるという
シュール極まりない光景がそこで繰り広げられていた。

一方通行「……!!」ガクンガクン

垣根「く……」

麦野「やるわね第一位……でもその程度じゃ……」

一方通行「……ッ!いってェ!!!」


830: 2011/03/05(土) 20:01:45.66 ID:2Pe5zB1lo

垣根「あぁ?」

一方通行「アホ毛が目に刺さった……」

垣根「ゴハッ」

麦野「グフッ」


デデーン♪

『垣根、麦野、アウトー』

麦野「下らねえことを……ッ!」

垣根「一方通行、オマエ顔面すげえ蚯蚓腫れになってんぞ……どんだけ肌弱ぇんだよ」

一方通行「マジか?……げェホントだ、触るとチクチクしやがる」


バチーン!!



831: 2011/03/05(土) 20:02:21.36 ID:2Pe5zB1lo



御坂「ただいま……」ガラッ


垣根「お、もう大丈夫なのか?」

御坂「なんとか動ける程度にはね……だいぶ水飲んだからまだ気持ち悪いけど」

麦野「しばらく椅子に座って寝てたら?次のプログラムまで時間あるみたいだし」

御坂「うん、そうさせて……」

『そうはいきませんよ、とミサカはサボろうとしているお姉様を阻止します』

御坂「ええぇ……」

一方通行「あァ?いいから休ませてやれよ、俺を」

『オマエをかよ、とミサカはつっこみを入れます』

垣根「チッ、なんだよ教室で時間潰してていいんじゃなかったのか?」

『そのつもりだったのですが、先程面白いモノが手に入ったのでこれを使おうかと』

麦野「面白いモノ、ねぇ……」

832: 2011/03/05(土) 20:02:53.07 ID:2Pe5zB1lo

御坂「疲れてるんだから軽めのモノにしといてよ……?」

『ご心配には及びません、ちょっと音声テープを校内放送で流すだけですから
そのままダラダラと聞いてください、とミサカは疲れてきっている四人を励まします』

一方通行「全く励まされた気がしねェ」

垣根「疲れきってるってわかってんなら休ませろよマジで」

『そんな甘ったれた根性だから万年二番手なんだよ、とミサカはヘタレなていとくんを叱咤します』

垣根「いや第二位って相当凄いんだぞ?学園都市230万のナンバー2だぞ?」

『でも所詮モヤシの下ですし、とミサカは嘲笑しながら音声テープのスイッチを入れます
ポチっとな』

一方通行「オマエ超能力者のこと舐め腐ってンだろ」

833: 2011/03/05(土) 20:03:57.57 ID:2Pe5zB1lo

 11111号の物言いに一方通行が声を荒げる中、
校内放送のスピーカーからはカチャカチャとテープを読み取る音が響く。
今度は一体何が出てくるのか、と身構える四人に、聞き馴染みの深い声が聞こえてきた。


<さぁて、そろそろはじめようかねぇ


御坂「あれ?」

垣根「ん?この声……」


麦野「……私の声か?」


<あっははははは!!どこから吹き飛ばして欲しい!?手?足?それとも最初から頭いっとく!?


一方通行「うわァ」

 スピーカーから響いてくる声は紛れも無く、麦野沈利本人の声であった。
それも戦闘中のテンションの。


<逃げろ!逃げろ!!獲物の豚野郎!!少しでも長くこの私を楽しませろ!!


御坂「こわっ!」

834: 2011/03/05(土) 20:04:36.29 ID:2Pe5zB1lo

一方通行「仕事中はテンション上がるたァ聞いてたが、こいつは……」

麦野「こうやって客観的に聞くとちょっと恥ずかしいわね」

垣根「恥ずかしいの前にもっとこう、なぁ……」


<泣け!吼えろ!!呻け!!叫べぇ!!もっと命乞いをしてみせろォォ!!!


垣根「テンション上がりすぎだろ、メーター振り切ってるぞこれ」

一方通行「仕事はもっとクールにやるもンだろォが」

麦野「それ笑う所か?」


<ぎゃははははは!!あははははははははは!!!!……あ?


御坂「あ?」

一方通行「何だァ?」



<はまづらあああああああああああ!!!!!



835: 2011/03/05(土) 20:05:04.17 ID:2Pe5zB1lo


デデーン♪

『垣根、麦野、アウトー』

垣根「浜面何やった!?」

御坂「何で自分の声で笑ってんのよ……」

麦野「クソ、浜面の野郎……」

一方通行「浜面くンは関係ねェだろ」


バチーン!!


垣根「う゛あ゛ぁぁ!!」

麦野「いぃっだああぁ!!!」



836: 2011/03/05(土) 20:05:31.90 ID:2Pe5zB1lo


<……コホン


一方通行「ン、少しは落ち着いたか?」


<アンタは誰に歯向かってんだ?……おらぁ!!答えてよぉ!?


垣根「全然変わってねえな」

一方通行「オマエ戦闘中常にこんなテンションで疲れねェのか?」

麦野「自分でもあんまり覚えてないからわからないわ」

御坂「それはそれで怖いんだけど……」


<あっははははは!!答えられるわけ無いかぁ!!!きゃはは!終わりだよぉ!!……あ


御坂「また……」

一方通行「……」


<はぁまづらあああああああああああああ!!!!!!



837: 2011/03/05(土) 20:05:58.53 ID:2Pe5zB1lo


デデーン♪

『一方通行、垣根、アウトー』

垣根「だから浜面は何をやったんだよ!?」

一方通行「来るってわかってたンだがなァ……」

御坂「一回目よりも力入ってたわね」

麦野「あれー?浜面がこんなにミス犯してたらとっくに頃してると思うんだけど……」


バチーン!!


一方通行「ぐおおォ!!!」

垣根「くぎゅうぅぅ!!!」


麦野「垣根の叫び声きめえ」

垣根「うるせえよ、「にゃあ」なんて叫んでるテメエよりゃマシだろ!」

御坂「……正直、五十歩百歩よね」

838: 2011/03/05(土) 20:06:45.90 ID:2Pe5zB1lo


<逃げんな売女ァ!!弾が尽きた途端にケツ振りやがって!!!


御坂「……なんだろう、今の凄くイラっときたんだけど」

垣根「そうか?別に今までのと変わらねえだろ」


<パリイ!パリイ!パリイ!ってかァ? 笑わせんじゃねえぞクソガキ!!


御坂「……やっぱり何かイラっとくるんだけど」

一方通行「つーか何だよパリイって……第四位、オマエゲーム脳だったのか?」

麦野「うるせえんだよ!ちょっとまた恥ずかしくなってきてんだから黙ってろ!!」

垣根「だから恥ずかしがる前にもっとあるだろ……」

839: 2011/03/05(土) 20:07:13.19 ID:2Pe5zB1lo


<……あ?あああ!!!やっば!!あああああ!!!!


垣根「おお?何かミスった?」

一方通行「……多分アレが来る」

御坂「来るわね」


<はまづr……あ?あぁなんだそれならよし


デデーン♪

『全員、アウトー』

垣根「いいのかよ!!」

一方通行「そこは叫ンどけよ!!」

御坂「えぇー……」

麦野「……自分でも何やってるかサッパリわかんないんだけど」


バチーン!!



840: 2011/03/05(土) 20:08:02.66 ID:2Pe5zB1lo

―――――――――――――――

―――――――――

――――



『はい、これで終わりです。如何でしたか?とミサカはすかさず感想を求めます』

一方通行「感想っつわれてもだな……」

垣根「何だこれ、としか言いようがねえ」

麦野「いつ録音したんだよこんなもん」

御坂「そもそも何やってんのこれ?」


『何やってって……聞いての通り、【むぎのんがゲームやりながら独り言呟いてる】だけですが』


デデーン♪

『一方通行、垣根、御坂、アウトー』

垣根「独り言!?ゲームやってるだけ!?」

麦野「私こんなに独り言言ってたの!?」

一方通行「自覚無しかよ!!つーか呟くってレベルじゃねェだろこれ!!」

御坂「シャウトしてたわよね……」

841: 2011/03/05(土) 20:08:45.92 ID:2Pe5zB1lo


バチーン!!


一方通行「ぬがァァァ!!!」

垣根「ごおぉああああ!!」

御坂「うぅあぁぁぁ!!!」


麦野「そっか、隣人がやけに頻繁に変わると思ったらこれが原因か……」

『むぎのんは夜中にゲームやることが多いですからねぇ、とミサカは頷きます』

一方通行「深夜に隣からこンな声聞こえてきたら俺でも引越しするわ」

御坂「下手なホラー映画より怖いわよ……」

842: 2011/03/05(土) 20:09:14.56 ID:2Pe5zB1lo

垣根「……待てよ、独り言ってことは一人でゲームしてんだよな?これ」

『はい、そうですね、とミサカは肯定します』

垣根「浜面全く関係ねえじゃねえか!!!」

一方通行「クハッ」

御坂「ブッ」


デデーン♪

『一方通行、御坂、アウトー』

一方通行「テメエ、余計な事を……」

御坂「そんな無駄なつっこみしないでいいわよ!!」

垣根「いや、だってこれ!」


バチーン!!


一方通行「ぐげェ!!!」

御坂「うきいぃぃ!!」


843: 2011/03/05(土) 20:09:53.30 ID:2Pe5zB1lo


『ゲームやってる時にミスるととりあえず浜面仕上のせいにする癖があるようですね
とミサカは不憫なパシリに十字を切ります』

垣根「そうやって本人の知らないところで浜面の評価はどんどん下がっていくわけか」

麦野「浜面はどうでもいいとして、恥ずかしくて氏にそうなんだけど……」

垣根「……まぁそんなに気にすんなよ、ゲームやっててテンション上がることくらい誰でもあるだろ」

一方通行「ここまで上がることはまずねェだろ」

垣根「シィ!黙ってろ!!……俺もFPSとか格ゲーやってるとつい声が漏れちまったりするしな」

御坂「そうよ、私も映画見ながら声出しちゃうことあるし、そんなに恥ずかしがる事じゃないって」

麦野「アンタ達……」


『ちなみにこの時むぎのんがやってたゲームはポケモンです、とミサカは補足します』


844: 2011/03/05(土) 20:10:23.07 ID:2Pe5zB1lo


デデーン♪

『垣根、御坂、アウトー』

垣根「どんなテンションでポケモンやってんだ!!」

麦野「あぁ!?ポケモン馬鹿にする気!?」

御坂「そういう意味じゃないわよ……」

一方通行「人生楽しそうだなァ第四位」

『あなたが言いますか……とミサカは呆れ顔をします』


バチーン!!


垣根「がおおぉぉ!!!」

御坂「うあいったぁぁ!!!」


『更に追加情報ですが、むぎのんには結構かわいい所があってですね、』

垣根「ねえよ」

一方通行「ねェな」

麦野「ブチコロスぞ」

845: 2011/03/05(土) 20:11:01.01 ID:2Pe5zB1lo

『……彼女、捕まえたポケモンに知り合いの名前をつけたりしているようですよ
とミサカは微笑ましい情報を皆さんに伝達します』

麦野「あああぁぁ!!!」

一方通行「……」

垣根「……」

御坂「……」

麦野「………せめて笑えよ」

一方通行「微妙すぎて何て言ったらいいかわかンねェ」

御坂「えっと……どんまい?」


『ふむ、フリーザーには「かきね」と名付けているようですね
とミサカは笑いを堪えながら資料を確認します』

垣根「……」

麦野「……」

垣根「……冷凍庫だからか?フリーザーの和訳が冷凍庫だから俺の名前使ったのか?
俺が帝凍庫事件でどれだけ悩んでたか知りながらテメエはそんなダジャレで笑ってたのか?」


846: 2011/03/05(土) 20:11:32.82 ID:2Pe5zB1lo


デデーン♪

『一方通行、アウトー』

垣根「笑ってんじゃねえぞ!!元はと言えばテメエのせいだクソが!!!」

一方通行「そう怒鳴るンじゃねェよフリーザー」


バチーン!!


一方通行「ぐごあァァァ!!!」


『最初は強ポケだったのに新作が出るたびに転落していくんですよね
まさにていとくんの人生ではありませんか、とミサカは諸行無常を噛み締めます』

垣根「転落してねえよ!!ずっと第二位だよ俺は!!!」

麦野「……何か悪いわね、冗談でこんな名前付けちゃって」

垣根「このタイミングで優しくなるなよ!俺が惨めじゃねえか!!」


847: 2011/03/05(土) 20:12:21.83 ID:2Pe5zB1lo

『他にもゼニガメに「きぬはた」、サワムラーに「ふれんだ」と名付けているようです
とミサカは資料を読み進めます』

垣根「絹旗がゼニガメなのはいいとして、何でサワムラーなんだよフレンダ……」

麦野「脚線美が自慢って言うから……」

垣根(何か悪意感じるな……あぁそうか、こいつ脚ふtッ!?)ゾクゥ

麦野「おい垣根、オマエ今何つった?」

垣根「ま、待て、何も言ってねえぞ」

麦野「……チッ」

御坂「ねえ、私の名前もあるの?」

『少々お待ちください。えーっと……あ、ありましたね、しかしこれは……』

麦野「あっ」

御坂「?」


『……お姉様、「コイル」です、とミサカは残念な結果をお伝えします』



848: 2011/03/05(土) 20:12:49.85 ID:2Pe5zB1lo

御坂「えええええ!!?そこは普通にピカチュウでいいじゃない!!
ちょっと、どういうことよ麦野さん!!」

麦野「えっとほら、あれよ……ピカチュウ捕まらなくてね?
でも美琴をどうしてもパーティーに入れたかったから仕方なくコイルにね?」

御坂「うぅぅ……ちょっと納得いかないけどそういうことなら……」

『資料によるとピカチュウ三匹いますけどね、とミサカは暴露してみます』

麦野「おいこらバラしてんじゃねえぞクローン!!!」

御坂「……どうして私をコイルにしたのか、納得の行く説明をしてもらえる?」

麦野「えっと、ね……えーっと………」

御坂「何なのよ!?電気使ってかわいいんだから素直に考えたらピカチュウでしょ!!
どうしてわざわざコイルに名付けるわけ!?」

一方通行「自分でかわいいとか言いやがったよコイツ」


849: 2011/03/05(土) 20:13:23.52 ID:2Pe5zB1lo

御坂「さあ!私のどこが!コイルに見えるのか言ってみなさいよ!!」

麦野「うるせえェェんだよガキがァ!!なぁぁにがピカチュウだ!!!」

御坂「な!?」

垣根「逆切れしやがった」

麦野「磁力で作った剣ブン回したり超電磁砲ところ構わずぶっ放すようなヤツが
マスコットキャラのピカチュウ気取りぃ!?調子に乗ってんじゃないわよ!!」

一方通行「コイルガンなンてレールガンに似た武器もあるくれェだし、
コイルってのもあながち的外れでもねェよな実際」

御坂「フン!じゃあ暴れまわりながらビーム乱射する麦野さんはギャラドスね!!
お似合いよ、今度ギャラドスに麦野さんの名前付けてあげるわ!!」

麦野「第三位ィィィ!!テメエ言わせて置けばぁぁ!!」

垣根「落ち着けギャラドス!!水/飛行タイプのオマエじゃ雷タイプのコイルには分が悪いぞ!」

麦野「誰がギャラドスだコラァ!!!」

御坂「だぁれがコイルよ誰が!!」


850: 2011/03/05(土) 20:14:00.36 ID:2Pe5zB1lo

一方通行「ギャラドスは置いといて、コイルは別にそンなに悪かァねェだろ」

御坂「えー……」

一方通行「丸っこくて見ようによっちゃ愛嬌があるじゃねェか
ピカチュウみてェにいかにも狙ったよォな造形してるよりも好感持てるぜ?」

御坂「そ、そうかな?」

一方通行「人気投票でも上位だし、ステータス的にもピカチュウよりずっと使えンだろ。それに……」

御坂「それに?」

一方通行「オマエなら妹達と三人揃えばレアコイルになれるしな」

851: 2011/03/05(土) 20:14:26.98 ID:2Pe5zB1lo


デデーン♪

『垣根、麦野、アウトー』

御坂「ちくしょおおおおお!!!!」

垣根「散々持ち上げて最後にはきっちりオチをつけてくるんだな」ケラケラ

麦野「流石ね、第一位……」クククク

御坂「冷凍庫とギャラドスが笑ってんじゃないわよ!!!」

垣根「せめてフリーザーって呼べよ!」

一方通行「おい11111号、モンスターボール持って来い。五月蝿くて仕方ねェ」

『ねえよ、んなもん』


バチーン!!

875: 2011/03/08(火) 01:03:32.92 ID:dHVGjW1Wo


『さて、夜も更けて来ましたね、とミサカは時計を確認します』

垣根「そろそろ寝かせてもらえるのか?」

『まさか。玄関に集合してください、次の企画がはじまります、とミサカは指示を出します』

一方通行「やっぱりまだ何か用意してやがったか……」

御坂「今更だけど、これもうある種の拷問よね」

麦野「今度は何やらされるか知らないけど、さっさと行ってさっさと終わらせましょ」

垣根「だな。もたもたしてたら第七位が介入してきそうだしよ」

『これが終わったら就寝時間ですよ、がんばりましょう、とミサカは皆さんを勇気付けます』

一方通行「ン、ついにラストか」

御坂「ちょっとだけやる気が出てきたわね」

麦野「長かったわ全く……」

垣根「で、最後は何させる気だ?」

『それは玄関に着いてからのお楽しみということで。急いでくださいね、とミサカは急かします』

一方通行「チ、それじゃ行くとすっか」


877: 2011/03/08(火) 01:03:57.86 ID:dHVGjW1Wo

―廊下


御坂「こんな夜遅くまで学校にいるって不思議な気分……」

垣根「俺は学校にいること自体が不思議な気分だよ」

一方通行「右に同じだ。そもそも学校なンざ来たの初めてかもしれねェ」

麦野「しっかし不気味なもんねぇ夜中の校舎ってのは」

御坂「薄暗い廊下の照明に、明かりのついてない教室……学校に怪談話が多いのも頷けるわね」


垣根「……おい、何か声が聞こえねえか?」

麦野「あぁ?」


……ハル…ウ…

サ……ン…サ…


一方通行「……聞こえるなァ」


878: 2011/03/08(火) 01:04:24.24 ID:dHVGjW1Wo

御坂「うえぇ、何よこの不気味な声……」

麦野「学校の怪談らしく幽霊でもいるんじゃないの?」

垣根「科学の街でなぁに非科学的な事言ってやがんだ」

一方通行「大方、また下らねェ仕掛けだろォよ……こっちの方から聞こえてきてンな」


…イハ……ウイハ……

サテ……テンサ……


垣根「この教室からか」

麦野「明かりも付けずに何やってんだかね」

御坂「な、中確認するつもりなの?」

一方通行「怖いンですかァ?学園都市の第三位ともあろうお方がァ」

御坂「ち、違うわよ!ただ早く玄関行かないと何されるかわかったもんじゃないから……ッ」

879: 2011/03/08(火) 01:04:58.33 ID:dHVGjW1Wo

麦野「そうね、だからさっさと確認しちゃいましょうか……おい垣根」

御坂「あ、や、やっぱりそうなるのね……」

垣根「へーへ、それじゃ開けるぞ」ガラッ


ウイハル、ウイハルー!!

サテンサン、サテンサン!!


垣根「……」ピシャッ

一方通行「……」

麦野「……進んでんのね、最近のガキんちょは」

御坂「何やってんのよ……何やってんのよあの二人まで……」

垣根「……またオマエの知り合いか」

御坂「……友達、「だった」わ……今までは」


880: 2011/03/08(火) 01:05:38.70 ID:dHVGjW1Wo


一方通行「えぐい真似してやがったなァ」

麦野「心中察するわ……」

御坂「これも心理掌握の仕業なの……?もうやだ、人間関係清算して学園都市出たい……」

一方通行「学園都市出たとしても待ってンのは『あの』母親だぞ?」

御坂「あの、なんて言うな!!!」


デデーン♪

『垣根、麦野、アウトー』

御坂「笑うなああああ!!!!」

垣根「すまん、すまん御坂……」

麦野「食堂での出来事がフラッシュバックして……」


バチーン!!


垣根「ぐはぁぁ!!!」

麦野「あいったあああ!!!!」


881: 2011/03/08(火) 01:06:05.94 ID:dHVGjW1Wo

―――――――――――――――

―――――――――

――――


―玄関


11111号「随分遅かったですね、とミサカは首を傾げます」

一方通行「白々しいンだよボケが」

垣根「いいから企画内容話せよ。さっさと終わらせようぜ」

11111号「早漏はモテませんよ?とミサカは見た目ほどモテない第二位を嘲笑います」プゲラ

一方通行「そンなだから寝取られるンだよテメエは」

垣根「オマエ等どうしてそう俺を傷つける事に特化してんの?」

麦野「ま、早漏の垣根は置いといて」

垣根「早漏じゃねえよ!!」

882: 2011/03/08(火) 01:06:33.74 ID:dHVGjW1Wo

御坂「サクサク行きましょうよ、アンタ達も疲れてるでしょ?」

11111号「少々焦らすのも乙女の嗜みですよお姉様、とミサカは妖艶な笑みを浮かべます」

一方通行「いつも通り悪意だらけの無表情じゃねェか」

麦野「美琴と同じ顔のはずなのにすっごく殴りたくなるわコイツ」

11111号「穏やかではありませんねぇ。……まぁそろそろ説明をしましょうか
とミサカは人差し指を立てます
薄々感付いてはいるでしょうが、夜の学校でやる事と言えば一つでしょう?」

御坂「うえ、まさか……」

垣根「枕投げか!?」

11111号「その発想はなかったわ……とミサカはていとくんの発想に脱帽します」

麦野「何でそんなに目ぇ輝かせてんだよ……」

一方通行「やりてェのか、枕投げ……」

垣根「何だ違うのかよ」


883: 2011/03/08(火) 01:07:09.73 ID:dHVGjW1Wo

11111号「……気を取り直して、今からやるのは肝試しです。
題して『驚いてはいけない学園都市』。ルールは以下の通りです、とミサカは提示します」


・二組に別れ校舎内を散策、指定された教室に行き、そこに置いてある証を取ってくること
・驚いてはいけない
・怖がってはいけない
・笑ってはいけない
・ペナルティは基本通り尻に竹刀で一撃


11111号「以上です。ちなみに驚いたかどうかは心拍数を測定して判断しますので
ポーカーフェイスで驚いていない振りをしても無駄ですからね、とミサカは釘を刺します」

御坂「や、やっぱりこういう企画なんだ」

麦野「あらぁ、美琴ちゃんは怖いのかしら?」

御坂「怖くない、怖くない、怖くない、コワクナイコワクナイコワクナイ……」ブツブツ

垣根「オマエが怖いわ!!」

一方通行「自己暗示か?つーか鬼ごっこと違って笑うのもダメなんだなァ」

884: 2011/03/08(火) 01:07:35.38 ID:dHVGjW1Wo

11111号「鬼ごっこの時ほど長時間でもありませんし監視も楽ですからね。
さて、とりあえずこれを装着してください、とミサカは心拍数の測定器を差し出します」

一方通行「ン」

垣根「耳に取り付けるタイプか」

御坂「怖くない怖くない……」

麦野「いつまで言ってんの……」


11111号「うわぁお姉様既に心拍数たっけぇ……とミサカは愕然とします
それに比べて一方通行、アナタは……」

一方通行「あァ?」

11111号「低すぎます。生きているのかどうか疑わしいレベルです」

垣根「オッフ」


デデーン♪

『垣根、アウトー』

垣根「氏化粧施したみてえに白いと思ったら本当に氏んでたんだなオマエ」ゲラゲラ

一方通行「愉快なオブジェにされてェのかテメエは」

御坂「え、じゃ、じゃあこいつ幽霊なの!?」

麦野「落ち着いて美琴、頭おかしくなってきてるわよ」


バチーン!!


垣根「ってええぇ!!!」

885: 2011/03/08(火) 01:08:04.75 ID:dHVGjW1Wo


11111号「お姉様、もう少し落ち着いて頂かないと毎秒アウトになりますよ
とミサカはお姉様の肩に手をかけます」

一方通行「どっちがオリジナルだか分かったモンじゃねェなァ」

麦野「美琴、深呼吸深呼吸」

御坂「スーハースーハー……大丈夫、ちょっとは落ち着いたわ」


11111号「それでは組分けをしましょうか、とミサカはクジを取り出します
AかBの文字が書かれているので引いたら申告してください」


一方通行「ン……Bだ」

垣根「よっしゃAだ」

御坂「私もAね」

麦野「同じくAよ」

一方通行「ちょっと待て」

887: 2011/03/08(火) 01:08:32.99 ID:dHVGjW1Wo

11111号「ふむ、それでは」

Aグループ:垣根、御坂、麦野
Bグループ:一方通行

11111号「ということで決定ですね、とミサカはクジを回収しながらにっこりと笑います」

一方通行「おい、何かおかしいと思わねェか?」

垣根「一方通行と同じ組じゃなくてよかったぜ」

御坂「三人なら心強いわ、二人ともよろしくね」

麦野「えぇ、さっさと終わらせましょう」

一方通行「おい」

垣根「で、俺等は何処の教室に行って何を取って来ればいいんだ?」

888: 2011/03/08(火) 01:09:00.69 ID:dHVGjW1Wo

11111号「Bグループは美術室に向かってください。Aグループは音楽室へ、とミサカは指示を出します」

一方通行「おい」

御坂「もう出発していいの?」

11111号「はい構いませんよ、どうぞ出発なさって下さい、とミサカは頷きます」

麦野「それじゃ行きましょうか。……おい第一位、そっちもさっさと終わらせろよ?」

11111号「行ってらっしゃい、とミサカは手を振りながら見送ります」

一方通行「おい」

11111号「一方通行も出発して構いませんよ?それではミサカは監視作業に入るのでこれで
とミサカは持ち場に戻るべくこの場を後にします」

一方通行「おい」



一方通行「……おい」ポツン


889: 2011/03/08(火) 01:09:29.16 ID:dHVGjW1Wo

―――――――――――――――

―――――――――

――――


―Bグループサイド


垣根「しかし、一方通行と別れられたのは運が良かったな」

御坂「同じ組だったら絶対に暗闇に乗じて何かやってきてたわよね」

麦野「第一位抜きにしても、多分色々仕掛けはあるだろうから慎重に行きましょ」

 Bグループ、三人編成の彼等は雑談しながらも周囲に意識を張り巡らせ、慎重に歩を進める。
美術室に行って証を取ってくるだけ、ということらしいが素直にそうさせて貰えるとは到底思えない。
麦野の言う通り、様々な仕掛けがあちらこちらに設置されていると考えていいだろう。

 心拍数を上げない為に、常に平常心で入る為にも、彼等は仕掛けが無いかを確認しつつ
一歩一歩、本当にゆっくりと美術室を目指して移動していた。


890: 2011/03/08(火) 01:10:10.98 ID:dHVGjW1Wo

垣根「妙だな……」

 しかしそんな三人の予想とは裏腹に、彼等は何の妨害も受けることなく、
極めて順調に美術室のすぐ側まで到着する。
本当に何の仕掛けも無く、ただ夜の校舎を散歩しただけ、というような形となり
ここまで誰一人、ただの一度もアウトになっていない。
喜ばしい事なのだが、これでは流石に拍子抜けだ、と三人は首を傾げた。

麦野「確かに妙ね……もうそこの角曲がったら美術室でしょ?」

御坂「ひょっとして、この反動で美術室の中にこれでもかってくらい仕掛けがあるんじゃ……」

 不吉な予想をし、御坂の表情が曇る。彼女の言うことも一理あるが、
教室内に仕掛けを多数用意しているとしても、廊下に仕掛けを全く用意しない理由にはならない。
何の異常もない事に反って不気味さを感じながら、三人は最後の角を曲がる。

垣根「ッッ!?」

麦野「これは……ッッ」

御坂「ひ、ひどい……」

 角を曲がり、美術室の前に出た三人は、目の前の光景に言葉を失う。
そこには、無数の妹達が重なるように倒れ伏していた。

891: 2011/03/08(火) 01:10:40.32 ID:dHVGjW1Wo

御坂「ど、どういうことよこれ?」

麦野「知らないわよ……何かの罠?」

垣根「違うみたいだぞ、コイツ等マジで気を失ってるらしい……それに見てみろ」

御坂「ん?」

 倒れている内の一人を調べていた垣根が、彼女の手に握られたモノを奪い取り
御坂と麦野の前に放り投げる。彼が提示した、妹達の一人が持っていたモノ、それは―

麦野「……笑い袋?」


※笑い袋……握ると不気味な笑い声を上げる小さな巾着袋のおもちゃ

892: 2011/03/08(火) 01:11:16.91 ID:dHVGjW1Wo

垣根「それだけじゃねえ、他の連中の持ってるモノも確認してみな」

御坂「クラッカーに、花火、煙玉……それに紐のついたコンニャク?」

麦野「どう見ても、他人を驚かせる為のラインナップね」

垣根「そうだな、つまりここで転がってるコイツ等は本来俺達を脅かす役だったんだろう」

御坂「それが……どうしてこんなところに……?」

垣根「そいつはわかんねえが、ただ寝てるだけってことはねえだろうな」

麦野「外傷はないわね……一体何が……ッ!?」

 妹達を調べていた三人に、強烈な悪寒が走る。
背筋が凍りつくような感覚……暗部に身を置いている垣根と麦野ですら
これほどのプレッシャーを感じることは滅多にないだろう。
どこかに、いる。妹達をこうした元凶が、どこかに……

垣根「ク、どこだ!?」

 前後、左右、見渡すが何処にもそれらしいモノは見当たらない。
しかし、感じる。その元凶は極めて近くにいると、本能が告げている。

893: 2011/03/08(火) 01:11:46.21 ID:dHVGjW1Wo

麦野「どこに……ッ!!!」

御坂「!?」

 ほぼ同時に、視線を上に上げた御坂と麦野がソレを発見した。
ソレは、天井に張り付き、ネコ科動物のそれのようにギョ口リと目を剥きこちらを窺っていた。
ソレは三人が気付いたことを察すると、ニタリと歪な笑みを浮かべ、咆哮を上げる。


「ジャッジメントですのおおおおお!!!!!!」


天井に張り付きながら、ダラダラと涎を垂らしながら、白井黒子はそこにいた。

垣根「ぎゃああああ!!!」

御坂「イヤアアアアアア!!!」

麦野「うええええ!?」

デデーン♪

『垣根、御坂、麦野、アウトー』

麦野「アウト取ってる場合か!?」

垣根「何でいるんだよコイツ!?」

白井「お姉様あああああああ!!!!」

御坂「ひいいいいいい!!!」

894: 2011/03/08(火) 01:12:18.48 ID:dHVGjW1Wo

 スタリ、と天井から降りると、白井は倒れている妹達の中心に立ち満面の笑みを浮かべる。
間違いなく、妹達をこうした犯人は彼女だろう。

白井「ふひひひひひ、ようこそ白井黒子の凍てつく劇場へ!ですの!!」

御坂「い、意味わからないこと言ってんじゃないわよ!!これはアンタの仕業ね!?」

白井「そう……後は本物のお姉様さえいればわたくしの楽園は完成ですの!!」

御坂「ふざけんな!!」

麦野「やらせると思ってんの?この変態ツインテが」

垣根「女の子にはあんまり手荒な真似したくねえんだがな」

『がんばってください、白井黒子がいる限りお仕置き係の妹達も派遣できませんので
とミサカは三人を応援します。能力は開放してやんねーけど』

 臨戦態勢に入る彼等に、11111号はやる気をそぎ落とすような応援をする。
しかし彼女も計画を狂わされたことにかなり憤慨しているらしく
チッ、と舌打ちをする音がスピーカーから漏れた。

895: 2011/03/08(火) 01:12:54.42 ID:dHVGjW1Wo


白井「くけけけけけ、能力を使えないアナタ達に勝ち目はありませんの!
素直にお姉様を渡して下されば痛い目は見ずに……」

 勝ち誇った顔で笑う白井に言葉は、しかし最後まで続くことはなかった。
彼女が喋り終わるよりも早く、対峙していた三人の隙間を抜け、
一つの影が疾風の如き素早さで白井に接近し、その拳を彼女の顔面に突き立てた。

白井「ぐぼぁ!!!」

 喋っている最中に思いきり人中をブン殴られた白井は盛大に血を噴き出しながら
そのまま後方にバタリと倒れる。

「ハァ、ハァ……白井ぃ……」

御坂「あ、アンタは!!」

 白井を殴り倒し、悲しそうな瞳で彼女を見下ろす彼こそは
親しい女性の危機には必ず駆けつける漢、上条当麻である。

上条「すまない御坂、回復に時間がかかってお前の妹を守ってやれなかった……」

御坂「た、助けてくれたの……?」

上条「当たり前だろ……お前を絶対に守ってみせるって、俺は誓ったんだ!(故・アステカに)」

御坂「」キュン

896: 2011/03/08(火) 01:13:23.20 ID:dHVGjW1Wo

麦野「おい騙されるな美琴、こいつがアンタの尻に鉄バットの一撃ぶち込んだの忘れたの?」

垣根「ダメだ麦野、聞こえてねえ……ん?」

 視界の隅で、白井がもぞもぞと動いている。それに気付いた垣根は他の三人に警戒を呼びかけ、
間合いを計りながら彼女を注視した。

垣根「あんだけ激しくぶっ倒れてまだ動くのかよ」

麦野「大した生命力ね、変態ってのは」

御坂「黒子……」

上条「御坂、下がっててくれ!」

白井「うぅ……わ、わたくしは……」

 白井が弱々しく半身を起こす。その瞳には、久しく消えていた理性の光が宿っていた。

白井「そう……また、ですのね……わたくしはまた過ちを……」

御坂「く、黒子!!そっか、こいつに殴られたから元に……」

白井「お、お姉様、わたくしは……!?」

上条「その幻想をぶち頃す!!!」

白井「ぶはぁ!!!!」

 御坂に語りかけようと手を伸ばした白井を、上条が再び殴り倒す。
白井はこれまた派手に吹っ飛び、美術室のドアにぶち当たった。

897: 2011/03/08(火) 01:13:55.39 ID:dHVGjW1Wo

御坂「アンタ何やってんのおおおおお!!!」

麦野「派手にふっ飛んだわねぇ」

垣根「いい右してやがる」

上条「御坂!白井は操られてるんだ!!だから、俺の右手で元に戻してやらねえと……ッ」

御坂「いや戻ってた!今戻ってたから!!!」


白井「お、おねえひゃま……」

御坂「あぁ!よ、よかった無事だったのね!」

垣根「お、すげえまだ動くのか」

麦野「大した物ね、ここまで来るとちょっと尊敬するわ」

上条「その幻想をぶち頃す!!!!」ブン

白井「ぎょぶる!!!」バキィ!

御坂「ホントに何やってんのおおおおおお!!!!」

上条「俺だって本当は……殴りたくなんかねぇんだよ!!」

御坂「なに涙ながらに語ってんの!?殴る必要全然なかったわよね今!?」

898: 2011/03/08(火) 01:14:27.88 ID:dHVGjW1Wo



上条「ハァ、ハァ……終わったか?」

 あれから何度か白井が立ち上がり御坂と会話しようとしたが、上条はその度に彼女を殴り飛ばした。
白井が美術室のドアを突き破り動かなくなったのを確認すると、彼はようやく構えを解く。
彼等の元から美術室まで、血の斑道が出来ていた。

御坂「く、黒子……」

垣根「ひっでえ、暗部でも中々ここまではやらねえぞ」

麦野「私でも躊躇するレベルだよこれ」

上条「御坂……絶対に守ってやるからな……白井も、絶対に元に戻してみせるから……」

御坂「ああうん、なんかもう、どうでもいいわ……」

上条「自棄になるな!希望を捨てるんじゃねえ!!白井は、絶対に元に戻る!!
お前が信じてやらずに誰が信じるんだよ!!!」

御坂「………」

麦野「元に、戻んのか?あれ」

垣根「殴られすぎておかしくなってるだろ」

899: 2011/03/08(火) 01:14:53.92 ID:dHVGjW1Wo

『……皆さん、後は我々に任せて美術室の探索に移って結構ですよ
とミサカは三人を誘導します』

御坂「え、でも……」

『大丈夫です、白井黒子も倒れている妹達もすぐに保健室に運びますから……
それと上条当麻、アナタは少々やり過ぎです、とミサカはウニ頭にレッドカードを突きつけます』

上条「へ?」

『三人とも、もう一度言います。すぐに美術室の探索に取り掛かってください。
でないと、巻き込まれますよ?とミサカは意味深なことを言います』

御坂「巻き込まれ……!!」

麦野「まさか……」

垣根「アイツか!!」

上条「?」

 何が起こるか想像がついた三人は慌てて美術室の中へ消える。
ほぼ同時に裏方の妹達が現れ手際よく白井と倒れていた妹達を回収し、
あっという間にその場から撤収した。
その場には、ただ一人上条当麻だけが取り残される形となる。

901: 2011/03/08(火) 01:15:17.57 ID:dHVGjW1Wo

上条「な、なんだ?」

 あっという間の撤収劇に気を取られ、彼はその場を動けないでいた。
そんな彼の前に、一人の男が腕組をしたままの姿勢で天井をぶち破って現れた。

「やいこのウニ頭!!無抵抗の女の子を何度も殴り飛ばすたぁ、とんでもねえ根性無しだな!!」

上条「えっと、どちら様でせうか?」

「テメエの曲がりきった根性……俺が叩きなおしてやるぜえええ!!!!」

上条「え、え?」

「すごい――」ググ

上条「あの、ちょっと、え、これやばくない?」

「パーンチ!!!!」

上条「ふ、不幸だあああああああああ!!!!!」

 衝撃波に飲み込まれ、上条当麻は断末魔を上げながらこの世界から姿を消した。

944: 2011/03/10(木) 20:16:14.84 ID:Vt07mZDBo

―Bグループサイド


一方通行「信じらンねェ……本当に俺一人残して全員消えちまいやがった」

 クジ引きで一人Bのクジを引き当てた一方通行は、ブツブツと文句を言いながら
本当に一人で音楽室へと向かっていた。

一方通行「おい11111号、なァンで俺が一人なンだよ?頭おかしいだろあのクジ引き」

『……』

一方通行「無反応と来た。雰囲気出しってか?うざってェ」

 監視カメラに向かって悪態をつくが、こちらを窺っているであろう11111号からは何の反応もない。
恐らく肝試しらしい雰囲気を出す為に余計な事を言わないようにしているのだろうが、
何にせよ無視された形になり、一方通行は益々苛立ちを募らせる。
とは言え彼は別に一人でいることが寂しい、怖ろしい、というわけでは、勿論無い。

一方通行(クソ、同じグループになった野郎を散々ビビらせてやる予定だったってのによォ)

 とまぁこう言うわけである。そんなわけで、どこまでも傲慢で自己中心的な彼は、
ささやかな計画を阻止されたことに酷く腹を立てていた。

945: 2011/03/10(木) 20:17:05.98 ID:Vt07mZDBo

 普段から凶相の一方通行の表情は、ここまでのストレスと疲労で更にえらいことになっており、
病的なまでの色白さも相まって、彼が夜の校舎を一人で徘徊している姿は相当恐ろしい物になっている。
彼を脅かすために待機していた妹達がその姿にビビって動けなくなっている程だ。
そんなわけで、彼もまた極めて順調に目的地に向かって歩を進めていた。

 しかし、ストレートで目的地前まで辿りついたAグループとは違い、彼の快進撃はそう長くは続かなかった。

一方通行(……なンだ?)

 二階へと続く階段の前で、不意に何かよくないモノの気配を感じた一方通行は足を止める。
キョロキョロと辺りを見回してみるが何もいない。では気のせいか、と言うとそういうわけでもなさそうで
階段に近付くにつれ、正体不明の悪寒はどんどんと広がっていった。
トクン、と自分の心臓が少しだけ跳ね上がるのを感じた彼は、目を細め舌打ちをする。

一方通行(ハッ、馬鹿馬鹿しい、何を恐れてンだ俺は……
大方、階段に何か仕掛けてあるンだろォがそンなもン気にしてられねェ
階段登らなきゃ目的地に着かねェンだ、さっさと行ってこンな企画終わらせてやンよ)

 そう考えるのだが、どうしても一歩が踏み出せない。
しかし『恐れている』というのは少々違う。『この先に進むな』と脳が告げているのだ。
数々の修羅場を潜ってきた彼の本能が、身体が、階段を登ることを拒否していた。

946: 2011/03/10(木) 20:17:59.49 ID:Vt07mZDBo

一方通行「……クソがッ!俺の身体が俺の意思に逆らってンじゃねェよ!」

 凍りついたように動かない己の脚を、思いきり殴りつける。
本能を意志の力で無理矢理ねじ伏せ、彼は今度こそ一歩を踏み出そうとした――

のだが、自分で殴りつけた脚のダメージが思いのほか大きく、彼はしばらくその場で悶絶することとなった。
もやしっ子、ここに極まれり。

一方通行「く、クソ……意外とハードパンチャーだったンだなァ俺は……」

 もやしなだけである。
とにかく、彼はようやく階段に足をかける事に成功したのだ。

一方通行(……そォいやァ、学校の階段には怪談話が付き物だったよなァ)

 別に寒いダジャレを言いたいわけではない。足を引き摺るように階段を登りながら
なんとなくそういう話を思い出しただけだ。

一方通行(夜中になると階段の段数が増える、とかそォいう類の話が多いンだったか?
ぶっちゃけ階段の段数増えても怖くもなンともねェよなァ、不思議ではあるけどよ)

947: 2011/03/10(木) 20:18:34.77 ID:Vt07mZDBo

 そういえば何とはなしに今朝数えた時は確か14段だったな、と彼は思い出す。

一方通行(今は8段目だからあと6段か)

 なんとなく、これといった目的など全く持たずに、彼は階段の段数を数える。

一方通行(……12、13、14、15(グニ)……ッッ!?)


一方通行(15段目ッ!!……つーかなンかグニっとしたぞ!?)

 妙な感触の15段目を踏み込み、彼の心臓は再び跳ね上がる。今度は先程よりももう少し大きく。
認めよう、彼は階段の段数が増えるという未知の現象と足の裏に伝わってきた
不気味な柔らかさに、完全にビビっていた。

冷や汗をかきながら、何が起きたのか確認しようと、恐る恐る視線を下に向ける。
視線を下ろした先、彼の足の下で



「ふふ……うふふふふ……私今、アルビノショタに足蹴にされてるわ……」ハァハァハァ

露出狂染みた格好の、歪みねぇショタコンがイカれた笑みを浮かべていた。



一方通行「ッッッぎゃあァァァァァァァァ!!!!」

 目を見開き、一方通行は生まれて初めて、心の底から恐怖の叫びを上げた。

948: 2011/03/10(木) 20:19:01.70 ID:Vt07mZDBo


デデーン♪

『一方通行、アウトー』

一方通行「アウト取ってる場合かァァァァ!!!何とかしろこれェェェ!!!!」

結標「ショタの足!ショタのあんよ!!」ジュルルルル

一方通行「掴むな!涎垂らすな!!離せェェェェェ!!!!」


デデーン♪

『一方通行、アウトー』

一方通行「うるせェェ!!!さっさと助けろボケがァァァァ!!!」

 大声で助けを求めながらも、彼は掴まれていない方の脚でショタコンを思いきり踏む。
踏む、踏む、踏む。一切の躊躇無く全力で踏む。
しかしそれでも結標は彼を放そうとしない。というかむしろ踏まれて嬉しそうである。
彼女の鼻から血が噴き出しているの、顔面を踏みつけられたからか、或いはそれ以外の理由か……

949: 2011/03/10(木) 20:19:30.80 ID:Vt07mZDBo


結標「ハムッ ハフハフ、ハフッ!!」

一方通行「ぐああァァァァ足を咥えるなァァァァァ!!!!!」

 掴んでいた足を上履きごと咥え、ハムハムと甘噛みする。
もはやショタコンどうのこうのではない。もっとおぞましい何かだ。

一方通行「おおおおォォォォォ!!!!!」

 我を忘れひたすら結標を踏み続けていた一方通行は偶然、本当に偶然に、踵で結標の顎を踏み抜くことに成功した。
顎先を掠めるように通過した彼の踵は、それ故に結標の脳を激しく揺さぶることとなる。
如何な変態と言えど、例えどのような苦痛をも快楽に変えてしまうようなドMであろうとも、
脳を揺さぶられ意識を断たれてまで動き続けることは流石に出来ない。

 一方通行の偶然の一撃により、結標の意識は暗い泥沼へと沈んでいった。
しかし冷静さを欠いている彼はそんな事お構い無しに、未だ恍惚の表情を浮かべたままの結標を
延々と踏み続けていた。



950: 2011/03/10(木) 20:19:57.86 ID:Vt07mZDBo

―――――――――――――――

―――――――――

――――


―Aグループサイド


垣根「で、証ってのはどんななんだ?」

御坂「さぁ……」

 美術室の中に滑り込んだ彼等は、外から聞こえてくるウニ頭の断末魔など意に介さず
証を探す作業を開始していた。

 提示されたルールでは「置いてある証を取ってくる」とのことだったので
これ見よがしにわかりやすく置いてあるのかと思っていたが、どうやらそうではないらしい。
ざっと教室内を見回しただけではそれらしいモノは発見できず、恐らくどこかに隠されているのだろう。

麦野「めんどくさいったら無いわね、机の中とか一々調べなきゃいけないわけ?」

垣根「多分色々トラップが仕掛けられてんだろうなぁ」

 ハァ、と溜息を吐き額に手を当てる。とはいえ、例え虎の尾を踏むことになろうと
教室中を調べざるを得ないのが現状だ。証を見つけなければ、この馬鹿げた企画は終わらないのだから。

951: 2011/03/10(木) 20:20:25.05 ID:Vt07mZDBo

御坂「あんまり長居したくないし、さっさと見つけちゃいましょ」

垣根「だな。手分けして探すぞ、罠にかかった時の被害を分散させる意味も含めてな。
俺と麦野で机の中見て回るから、御坂は棚の中を探してみてくれ」

御坂「わかったわ」

麦野「勝手に決めやがって……ま、いいけどさ」

 それぞれ自分の持ち場を決め、彼等は各々探索を始める。
美術室はそれほど広くなく、隠す場所も精々机か棚くらいなものなので、
三人で探せばすぐに見つかるだろう。

垣根「ん、こいつは……ッッ………麦野、ちょっといいか?」

 さっそく何かを見つけた垣根が肩ひくつかせながら麦野を呼び寄せる。
彼の手には、机の中から取り出した紙切れのようなものが握られていた。

麦野「何、もう見つかったわけ?」

垣根「あ、あぁ……こいつを見ろ」

麦野「はぁ?何よこrグファ」

 垣根から受け取った物を確認した瞬間、麦野は盛大に噴き出す。
彼女が手渡された紙切れ、それは証などではなかった。そう、それは――

952: 2011/03/10(木) 20:20:52.37 ID:Vt07mZDBo

麦野「また浜面の写真かあああ!!!」

垣根「しかも今度は全裸だぜ……」


デデーン♪

『垣根、麦野、アウトー』

麦野「被害を分散させるんじゃなかったのかよ!!わざわざ呼びつけてまで巻き込みやがってええ!!!」

垣根「うるせえ!!俺だけ被害を被るなんざ認められるかよ!!!」


バチーン!!


垣根「がああぁぁ!!」

麦野「うぁったああ!!!」


953: 2011/03/10(木) 20:21:31.00 ID:Vt07mZDBo

御坂「ちょっともう、何やってんのよ……」

 不毛な争いをしている(というか垣根が一方的に巻き込んだだけだが)二人を
御坂は呆れ顔で見つめる。あんな風にはなりたくないものね、としみじみ思う腹黒中二であった。

御坂「全くもう……ん?」

 言い争いを始めた二人から視線を外し、何気なく教室を見渡していると、
壁にかけられた一枚の絵画が目に留まった。
何の変哲も無い人物画なのだが、どうにも不自然な違和感を感じる。

御坂(なんだろ……最初からこんなんだったっけ?ていうか何処かで見たことあるような……)

 首を傾げながら、御坂は極めて目付きの悪い女性の描かれたその絵に近寄る。

御坂(やっぱりどこかで……)

麦野「美琴、その絵がどうかしたの?」

 絵を見つめている彼女の背中に、麦野が声をかける。
御坂が振り向いてみると、いつの間にやら麦野はすぐ側まで近寄ってきており
その後方で垣根がうつ伏せに転がっていた。

御坂「あ、麦野さん…この絵のモデルさ、何処かで見たことある気がして……」

麦野「ふーん……私は見覚えないなぁ」

 再び絵の方に視線を戻し、考え込む。垣根のことなどガン無視である。

954: 2011/03/10(木) 20:22:05.83 ID:Vt07mZDBo



御坂「んー………ッ!?」

麦野「!……この絵、今、目が動かなかった?」

御坂「ききき、気のせいでしょ……わ、私はそんなの……」


「いや、そもそも絵じゃないんだが……」


麦野「!?」

御坂「絵が喋ったあああああ!!!!!」


デデーン♪

『御坂、アウトー』

御坂「そ、そんな事より絵が!絵が喋ってるわよ!?」

「いやだから、絵じゃなくて」

御坂「いやあああああ!!!」

「………」

麦野「何か、落ち着きの無い子でごめんなさいね?」

「いや、いいんだ……騒がしいのは知ってたし」


バチーン!!


御坂「あ゛あああぁぁ!!!」

955: 2011/03/10(木) 20:22:38.02 ID:Vt07mZDBo


麦野「ほら、よく見な美琴、これは絵じゃないわ」

御坂「へ……?」

「あぁ、隣の部屋から顔を出しているだけだよ」

御坂「ほ、ほんとだ……良く見たらちゃんと凹凸がある……って、木山先生!?」

木山「久しぶりだね」

御坂「ど、何処かで見たことあると思ったら……」

麦野「……まぁた知り合い?美琴、ちょっと人付き合い考えた方がいいわよ」

木山「面と向かって失礼なことを言うお嬢さんだな……」

麦野「(お、お嬢さん……)前言は撤回するわ。美琴、この素晴らしい人を私にも紹介してくれない?」

御坂「突然何言ってんの!?いやいやそれよりも!木山先生ここで何を!?」

木山「何って、さっきも言ったじゃないか……見ての通り隣の部屋から顔だけ出して絵の振りをしているのだが」

御坂「本当に何してんの!?」

956: 2011/03/10(木) 20:23:09.32 ID:Vt07mZDBo

木山「………何をしているんだろうな、私は」

御坂「えっ」

木山「あの子達が助かった後、二度と同じようなことが起こらないようにと
学園都市の闇と必氏に戦っていたつもりが、気付けばこんな所でこうしている……」

御坂「何がどうしてそうなったのよ……」

木山「丸一日絵画のフリなどして……私は一体何がしたいのだろう……」

御坂「しかも丸一日!?」

木山「あぁ、今日は朝から不休で働いているよ」

御坂「働いてるって言えるの!?」

木山「君は相変わらず細かいことを気にするなぁ」

御坂「もうつっこみ疲れたわよ……一瞬見せた悲壮感はなんだったの……?」

木山「女の子が「つっこむ」なんていう卑猥な言葉を使うのは関心しないな」

御坂「うるさぁぁぁい!!!」

957: 2011/03/10(木) 20:23:48.71 ID:Vt07mZDBo


垣根「いてて……クソ、手加減無しでやりやがったな麦野……」

麦野「チッ、なんだ起きたのかバ垣根」

垣根「俺が悪いのは認めてやるが、そこまで露骨に顔顰めるこたねえだろ……で、オマエ等何してんだ?」

御坂「うん、ちょっとね……」

垣根「あん?何だ、絵ぇ見てるのか?」


木山「やぁ、はじめまして」


垣根「絵が喋ったああああああ!!!!」

御坂「ブフッ」

麦野「カハッ」


958: 2011/03/10(木) 20:24:14.90 ID:Vt07mZDBo


デデーン♪

『垣根、御坂、麦野、アウトー』

垣根「何笑ってんだオマエ等!絵が喋ってんだぞ!?」

麦野「全く同じ反応をさっき見たわ……」

御坂「事情知ってると笑えるわね」クスクス


バチーン!!


垣根「ぐあッ!!!」

御坂「うきゃあああ!!!」

麦野「いってえ!!!」

959: 2011/03/10(木) 20:24:44.41 ID:Vt07mZDBo


垣根「しかし喋る絵とはな……これも学園都市の技術力か?」

木山「いや、私は絵ではなく人間でだね?」

垣根「しかも自分のことを『絵じゃない』と言いやがる。哲学の域だなこいつぁ……」

御坂「垣根さんわざとやってない?」

木山「……彼は人の話を聞かない子なのか?」

麦野「常識が通用しないのよ」


垣根「おい絵、オマエ名前あるのか?」

木山「ん?あぁ、木山春生という名だが……」

垣根「そうか。じゃあ木山、オマエがいくら自分のことを人間だと言い張ろうが、
残念だがオマエは絵でしかねえんだ」

木山「……そうまではっきり言われると、なんだか自分が人間だという自信がなくなってきてしまったよ」

御坂「何で!?」

960: 2011/03/10(木) 20:25:11.19 ID:Vt07mZDBo

垣根「いいか、どんだけ高性能なAI積んでようが、絵が人間の真似してもいい事なんて絶対にねぇ
自分が絵だってことを自覚して、絵なりの幸せを見つけるんだ」

麦野「何言ってんだオマエ」

木山「絵なりの幸せか……」

御坂「考え始めちゃってる!?」

垣根「ところで木山、聞きたいことがあるんだが」

木山「なにかな?」

垣根「俺達はここで探しモノをしてるんだが、ずっと絵をやってたオマエなら何か知ってるんじゃねえか?」

木山「ふむ、どんな物を探しているんだ?」

垣根「証、としか言われてねえからはっきりとはわからねえが、多分御坂そっくりのヤツが隠してたはずだ」

961: 2011/03/10(木) 20:25:40.29 ID:Vt07mZDBo

木山「それならあっちの、彫像が並んでいる辺りを探してみるといい。
少し前にあそこで作業をしている子がいたから、多分そこだろう」

垣根「サンキュー、オマエいい絵になるぜ、俺が保障してやる」

木山「ふふ、ありがとう」

麦野「もう意味がわかんねえ……」

御坂「垣根さんは本気で言ってるのかボケてるのか判別に苦しむわね……」

麦野「本気でボケてんだろ……」

垣根「おい二人とも行くぞ、さっさと見つけてさっさと戻ろうぜ」

御坂「あぁうん……じゃあ木山先生、私達これで……」

木山「あぁ、元気でな。私もいい絵になれるよう努力をするよ」

麦野「それでいいのかアンタの人生……」


962: 2011/03/10(木) 20:26:15.25 ID:Vt07mZDBo


垣根「で、こっちまで来たのはいいが」

御坂「こ、こうしてズラっと彫像が並んでるの見ると不気味よね」

麦野「また喋るヤツがいるかもねぇ」

垣根「しかし随分いい出来だな、一体誰が作ったんだ?」

御坂「ホントにね、今にも動き出しそう」

麦野「うわぁ、この彫像なんて浜面にしか見え……」

浜面「ヘックシュ」

垣根「……」

麦野「……」

浜面「……」ズズ


麦野「ねぇ、私この浜面似の彫像の中に証が隠されてるような気がするんだけど」

浜面「!?」ビクッ

963: 2011/03/10(木) 20:26:42.16 ID:Vt07mZDBo

垣根「あー……壊してみればいいんじゃねえか?」

浜面「え、ちょ!?」

麦野「ふーん喋る彫像かぁ、珍しいわねぇ」

浜面「いや待って!気付いてるよね!?」

麦野「美琴、そこにある彫刻刀とってもらえる?」

浜面「彫刻刀!?何する気!?」

御坂「これ?」

麦野「ありがと。さて彫像さん、浜面にそっくりでかわいそうだから少し整形してあげるわ」


浜面「イヤァァァァァァァ!!!!」

ザッシュザッシュ
ザクッ


垣根「……うわぁ」

御坂「うぇっ」


ゾリゾリゾリ
ザザザッ


御坂「……あ、証ってこれかな?」

垣根「お、確かに『証』って書いてあんな、それじゃ戻るか」

御坂「麦野さんどうしよう?すっごい活き活きしてるけど……」

垣根「……腹が減ったら戻ってくるだろ、先行こうぜ」

964: 2011/03/10(木) 20:27:24.17 ID:Vt07mZDBo

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――――


―Bグループサイド


一方通行「だァァクソ!証ってなァ何処に隠してあンだよ!?おい11111号、ヒントくらいよこしやがれ!!」

『お静かに。ミサカは今先程のあなたの醜態を収めた映像を編集するのに忙しいのです
とミサカは一方通行の問いかけに舌打ちして答えます』チッ

一方通行「オマエそれ公開しやがったらマジで脳味噌八分割にすっからな」

 裏方の妹達に取り押さえられるまで、延々結標を踏み続けていた一方通行は
ようやく目的地である音楽室に辿りつき、証の探索を開始していた。

 余談だが、ショタコンに襲われた際に散々醜態を晒した上に
怖がったという理由で尻を三度もシバかれた彼は今、非常に機嫌が悪い。

彼を驚かすために隠れてピアノを弾いていた妹達を「ヘタクソ」と一喝し、
彼女に変わってその場でヴェルディのレクイエム~怒りの日をピアノで弾き始める始末である。
ようするに、何かもうよくわからないテンションになっていた。

965: 2011/03/10(木) 20:28:01.09 ID:Vt07mZDBo

一方通行「あァァクソ!………あァ?」

 机をなぎ倒し、荒っぽく探索を続けていた彼はあるモノを見つけた。
壁に飾られている多数の有名音楽家の肖像画に混じって、よく見知った、
えげつないギョロ目をした少女が肖像画の振りをしながらこちらを睨みつけている。

一方通行「……」

「……」

一方通行「……なァにやってンですかァ布束さァン?」

布束「……」

一方通行「数少ないマトモなヒトだと思ってたンですけどォ……」

 額に手を当てながら、一方通行はギョロ目の少女―布束砥信―に近付いていく。
この世界における数少ない常識人(格好以外)だと思っていた少女の残念な登場に彼は結構真剣に落ち込んでいた。

一方通行「そンな、壁から顔だけ出して何やってンだよ……」

966: 2011/03/10(木) 20:28:27.24 ID:Vt07mZDBo

布束「……」

一方通行「布束さァン?」


布束「寿命中断(クリティカル)!!」クワッ


一方通行「うォ!?」ビクッ


デデーン♪

『一方通行、アウトー』

一方通行「判定シビア過ぎンだろ!いきなり大声出されたら誰でも一瞬ビビるわ!!」

『加えて布束砥信の目付きですからねぇ、実に恐ろしい、とミサカは身震いします』


バチーン!!


一方通行「かァァァ!!!」

967: 2011/03/10(木) 20:28:57.96 ID:Vt07mZDBo


一方通行「……おい布束ァ、証とやらが何処に隠してあるか知らねェか?」

布束「……」

 顰め面でシバかれた尻をさすりながら、一方通行は布束に尋ねる。
しかし彼女は無言でジッと彼を見つめるだけだ。

一方通行「だンまりかよ。つーかその目怖ェからこっち見るのやめて貰えねェか?」


布束「寿命中断(クリティカル)!!」クワッ


一方通行「うるせェ黙れ!!この残念ゴス口リが!!!」


布束「寿命中断(クリティカル)!!寿命中断(クリティカル)!!!」クワッ


一方通行「うるせェェェェェ!!!」

 一方通行の一言が癪に障ったらしく、布束はますますその目を見開き寿命中断の大合唱をする。
そのあまりの騒音に、彼は片耳を塞ぎつつ、隣のベートーヴェンの肖像画を壁から剥ぐと
そっとそれを布束の顔に貼り付けた。

968: 2011/03/10(木) 20:29:24.08 ID:Vt07mZDBo

布束「モゴモゴ」

一方通行「ったく、ちったァ静かにしやがれってンだ……意外と髪型似てて違和感ねェなこれ」

布束「モゴモゴ……」


一方通行「机は全部ひっくり返したし、後は……楽器のケースとか怪しいな」

 独り言で思考を整理しつつ、彼は近場にあったバイオリンケースに手を伸ばすと、
開閉金具に手をかける。勿論、素直にバイオリンが入っているなどとは思っていない。


一方通行「さァて、鬼が出るか蛇が出るか……」ガチャ


no title

969: 2011/03/10(木) 20:29:54.05 ID:Vt07mZDBo

一方通行「ぐゥ……まァ、想像通りだ………そう何度も笑わされて……あ?」

 笑いを噛み頃しながら、バイオリンケースから顔を出した帝凍庫クンを掴み、
ケースから引きずり出そうとした一方通行の表情が凍りつく。

彼が腕に力を込めると、ケースから、数珠繋ぎになった帝凍庫クンの群れがズルリと滑り出したのだ。

970: 2011/03/10(木) 20:30:19.85 ID:Vt07mZDBo
no title

971: 2011/03/10(木) 20:30:46.72 ID:Vt07mZDBo


デデーン♪

『一方通行、アウトー』

一方通行「何処で量産しやがったァァァァ!!!」

『安心の学園都市製です、とミサカは解説します
ちなみにそれが証なので頑張って持って帰って来てくださいね』

一方通行「ふざけンなァァ!!」


バチーン!!


一方通行「づあァァァァ!!!!」


972: 2011/03/10(木) 20:31:34.89 ID:Vt07mZDBo
本日分終了
しかし想像以上に長くなったなぁ、まさか1スレで終わらぬとは・・・
あとで次スレ建てるとするか

984: 2011/03/10(木) 21:15:00.54 ID:Vt07mZDBo

何か意外と早くこっちが埋まりそうだったから次スレ建てて来たわ

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1299759097/

投下はちょい先になりそうだけど、いいよね?ね?

引用: 一方通行「イヤだ」part2