1: 2011/02/03(木) 22:17:15.31 ID:DLRyZA2p0
スレタイ以下でも以上でもない、みんなで土仕事を勉強していくVIPから発したSSです
基本は上琴、通行止めですがそのほかのキャラも出さなきゃネタが続かない
まだまだ着地点見えないけどもとりあえずやっていこうといういい加減なスレです
2: 2011/02/03(木) 22:21:20.11 ID:DLRyZA2p0
~上条宅~
ピンポーン
上条「はいはいいま開けますよー」
ガチャ
美琴「やっほー」
黒子「お久しぶりですの」
上条「は? ビリビリ…………、と白井?」
美琴「うりゃー!」マメナゲ
バララ…
上条「痛っ! なんだこりゃ、………豆?」
美琴「今日は節分! アンタも豆まいたほうがいいんじゃないの? 少しは不幸も減るかも、なんてね!」
黒子「はぁ……、なにやら楽しそうに出掛けたと思ったら、節分にかこつけて殿方と……」
美琴「ち、違うわよ! 私はただ、コイツの不幸を少しでも減らしてやろうと……!」
上条「御坂………テメエ………」ユラリ
美琴「ふぇ!?」ビクッ
3: 2011/02/03(木) 22:21:59.11 ID:DLRyZA2p0
上条「なんてことしてんだテメエ!!」ダンッ!
美琴「え!? え、なに!?」
上条「豆をばら撒くなんて……! いくらお嬢様でも食べ物を粗末にするにも限度ってもんがあるだろうよ!!」
美琴「え、いや、だって節分……」
上条「言い訳してんじゃねえ!」
美琴「!」ビクッ
上条「いいか、豆とはいえ食べ物を放り捨てるだなんてな」
イン「ポリポリ」オチタマメクッテル
上条「……ウチじゃなかったら全部ゴミになってたとこだぞ、わかってんのか?」
美琴「あ、はい……」
イン「なんかこの豆美味しいんだよ」ポリポリ
上条「……その豆、いくらしたんだ?」
美琴「え? 一袋3千円くらい……」
上条「はああ!?」
美琴「!」ビクッ
上条「3千円!? たかだか数十センチ四方の薄っぺらい袋に入った大豆が!? オマエ世の中バカにしてんのか!?」
美琴「だ、だって、これしか売ってなくt……」
上条「はァ!? んなわけねェだろうがよ! あーあ! これだからお嬢様ってやつはよォ!!」
美琴「だって……ふぇ……」グスッ
黒子「上条さんのぶんも買ってありますのよ」ホイ
上条「あ、あざーっす」ウケトリ
美琴「あ、それ私が……」
上条「はァァ!?」
美琴「ふぇぇ……」グスグス
4: 2011/02/03(木) 22:23:15.01 ID:DLRyZA2p0
イン「ねえねえ、その袋に入ってるのはなにかな?」クンカクンカ
黒子「コレですの? これは恵方巻きですの」
イン「エホーマキ?」
美琴「そう! アンタ達のぶんも買ってきてあげたのよ!」
上条「………いくらした?」
美琴「…………………1本5千円、だったかな」
上条「……」ハァ…
美琴「」ビクッ
イン「」モグモグ
上条「よし決めた」
美琴「へ?」
上条「俺がおまえらに金の尊さについて教えてやる」
黒子「『ら』とはなんですの、ワタクシは遠慮しときますわよ」シュン
美琴「ちょ、ちょっと待って、なにがなんだか……。あ、でも、二人きりなら別に……」
上条「よし善は急げだ、大豆を作りにいくぞ」
美琴「いいかな………、ってはい? 作りに?」
上条「学園都市を離れて農家の暮らしをするんだ。外界と隔絶された場所で、ふたりきりでな」
美琴「ふたりきり………、い、いやそうじゃなくて、って学園都市を出るの? え?」
上条「よし、行くぞ御坂。田舎にはお前の好きな蛙が氏ぬほどたくさんいるぞ、氏ぬほどな」ガシ
美琴「え、ちょ、ちょ…………」ズルズル
こうして二人の農村生活が始まった。
6: 2011/02/03(木) 22:24:07.39 ID:DLRyZA2p0
~どっかの田舎~
上条「さぁ、着いたぞ」
美琴「え、あれ? さっきまで学園都市に……」
上条「ほら、あれが今回俺達が住む家だよ。おお、まん○日本昔話に出てきそうな伝統的な日本家屋だな」
美琴「はぁ……」
上条「今回は恵方巻きの材料を自分で栽培するんだ。普段の食糧は準備されてるから安心しろ」
美琴「あ、うん…」
上条「最初の一カ月分だけな」
美琴「えっ」
上条「えっ」
美琴「そのあとは?」
上条「大丈夫、一か月も経てばいろいろ食糧も確保できるようになってるさ。さ、とりあえず荷物置きに行くぞー」
美琴(な、なんだかよくわかんないけどこれって要するに誰もいないとこで二人きりで生活するってことよね?)
美琴(それならまたとないチャンス! 少なくとも一カ月以上は一緒にいられるみたいだし、農業も出来る美琴さんをアピールね!)
上条「おーい、まだかー?」
美琴「よっしゃぁやってやるわよ! 見てなさい、軟弱な貧乏学生なんかには負けないんだから!」ビシッ
上条「おーおーその意気その意気」
7: 2011/02/03(木) 22:24:51.30 ID:DLRyZA2p0
ガサガサ
美琴「あ、あれ何?」
上条「タヌキだろ」
美琴「タヌキ!? 嘘、こんなとこに!?」
上条「別に田舎じゃ珍しくもないぞ」
美琴「へぇー……、可愛いなー……」
上条「あそこにイタチもいるな」
美琴「イタチ!?」
上条「狐も」
美琴「キツネ!?」
上条「……可愛いと思うのはいいけど、触るのはやめとけよ」
美琴「え、なんで?」
上条「野生生物は感染病の宝庫だからな、たとえ懐いてもあまり接触はしないほうがいいんだ」
美琴「へぇー……」
※有名なエキノコックスをはじめとして、野生動物はいろいろな病原菌やウイルスを持っています。
カイセン症やはたまた狂犬病なども媒介しますので、田舎が初めての人は注意しましょう。
上条「ま、そんな簡単に触れるようなもんじゃないけどな」
美琴「あ、逃げちゃった……」
8: 2011/02/03(木) 22:25:43.64 ID:DLRyZA2p0
…
上条「はい、では本題に入ります」
美琴「いぇっさー!」
上条「まずは材料の中で一番時間のかかるモノを作りにかかろうか」
美琴「一番……。………米?」
上条「そう、米! 農家の基本! 苗を植えて収穫まで約半年かかる米を作ります!」
美琴「いぇっさー! ………………で、田んぼはどこ?」
上条「作るんだよ、今から」
美琴「えっ」
上条「えっ」
美琴「ここに?」
上条「ま、いくら自給自足な生活とはいえ耕運機くらいは使うけどな」
美琴「耕運機?」ナニソレ
上条「俺はワラとか肥料を持ってくるから、御坂は運転の練習でもしててくれ」
美琴「え? え?」
9: 2011/02/03(木) 22:26:48.12 ID:DLRyZA2p0
…
上条「ほい、肥料は撒いておいたから、その上から掘り起こして耕すんだ。運転のしかたはわかったか?」
美琴「だいたいは」ガロロ…
上条「…」
美琴「……なによ?」ブロロロ…
上条「……いや、改めて見てみると女子中学生とトラクターってシュールな画だなぁ、と」
美琴「アンタがやれって言ったんじゃない」ガロローン
※田舎でよく見る小型のトラクターなどを運転するには小型特殊免許が必要です。無免許運転は違法なのでよい子は真似しないでね!
上条「よしいけ御坂! 日本の未来を切り開け!!」
美琴「おっしゃぁ一気に耕すわよ!!」オラオラー!!
ドドド…
上条「…」
上条「…………シュールだなぁ」
美琴「なにこれ、おっそいわね」ブロロ…
上条「ゆっくりでいいんだよ。肥料もだけど、コレ、土ん中にいる虫とかも耕してるんだよなぁ」
美琴「え?」ピタ
上条「それも合わせて良い土壌を作るんだよ。もちろん御坂の好きな蛙も掘り起こして……」
美琴「ふぎゃーーーーーーーーー!!!!!??」
上条「冬眠してる蛙をこう、ぐちゃぐちゃに……」
美琴「」マッシロ
上条「いや、冗談だよ」
美琴「うぅ……そんなキツイ冗談やめてよ……」
上条(……冗談じゃないんだけどな)
10: 2011/02/03(木) 22:27:46.82 ID:DLRyZA2p0
…
美琴「終わったー」フウ
上条「よし、じゃあ春まで待つか」
美琴「そうねー………………………………、はい?」
上条「こんな寒い時期に田植えなんかするわけないだろ」
美琴「えっ えっ」
上条「耕した後は土を寝かせるんだ。ホントは一か月くらいでいいんだけどな」
美琴「え、じゃあこれからどうするの?」
上条「当面は最初に言った一カ月分の食糧で食いつなぐかな。来週からは来月にそなえて収穫の早い野菜とかを植える作業に入るけど」
美琴「来週……」
上条「ま、今日はもう土仕事は終わりでいいだろ。お疲れさん」
美琴(ってことは、ここから夫婦タイム!!)キュピン
上条「じゃ、薪を割るか」
美琴「………………………え?」
上条「言っとくが電化製品なんて無いからな? 白熱電球と水洗トイレ以外は」
美琴「……………嘘」
上条「嘘じゃない。さ、暖かいご飯と風呂のためにも薪を割るぞーさあ割るぞー」
美琴(く……! でも、これが終わったら今度こそ二人きりでゆっくり……!)
上条「それが終わったら家全体の掃除だな、明るいうちにやっとかないと」
美琴「ふぇぇ……」
上条「まぁそれが終わったらゆっくり出来るんだから、頑張ろう、な?」ナデナデ
美琴「……!」パァァ
上条(……可愛いな)
11: 2011/02/03(木) 22:28:35.22 ID:DLRyZA2p0
上条「ほい、では薪を置くのと割るのとで分担しようか。御坂はどっちがいい?」
美琴「割るのってあの斧みたいなやつでパカッとやるんでしょ? ちょっとやってみたいかな」
上条「ふふふ、そう簡単に出来るかな?」
美琴「バカにしないでよ」ブー
上条「よし、じゃあ俺が薪をこの台に置いていくから、この斧を使って割っていってくれ」ホイ
ズシッ
美琴(!? なにこれ、重い……!)
上条「おやあ? やっぱり無理かにゃー?」
美琴「うううっさいわね! 平気よこれくらい!」プルプル
美琴(う、けっこう重い……コイツは普通に持ってたのに……。やっぱり男だもんね、腕力あるんだ……)
美琴(ま、考えてみたら腕力あって当たり前かぁ。実際、喧嘩の腕だけで生き残ってきたのと同じだもんね)
美琴(そのおかげで私も妹達も助かったんだし、あのシスターの子も……、知らない女の子も……、いろんなとこでいろんな女の子を……)
美琴(いろんな、女の子を……)プルプル
12: 2011/02/03(木) 22:29:15.43 ID:DLRyZA2p0
上条「おーい、御坂さーん?」
美琴「うりゃぁぁぁぁあああああ!!!!」ブンッ!
上条「うぎゃぁぁあああああああ!!???」
ドカッ!
美琴「ふぅ」
上条「ちょちょちょっとなにすんですか御坂さん!? もう少しで俺の頭が弾けたスイカになってましたよ!?」
美琴「チッ……」
上条「舌打ちしましたね!? いま、舌打ちしましたね!?」
美琴「手が滑っただけよ、ほら、早くしてよ」
上条「いや今確実に俺の頭部をロックオンしてましたよね!?」
美琴「いくわよー」フリカブリ
上条「薪! 薪のほうを見てください! なんで俺のほう見て振りかぶってんですか!?」
美琴「せーの」
上条「うわぁぁあああああ!!!」ダッ
美琴「あ、この! 逃げんなこの女たらし!!」ダッ
上条「理不尽だ! 理不尽すぎるぅぅうう!!」
美琴「今回は逃がさないんだから! 絶対捕まえて、耕してやるぅ!!」ガロロン!
上条「うわああトラクターで追って来たぁ!! マジ怖ぇぇええええ!!」
ドドド…
………
……
…
13: 2011/02/03(木) 22:29:44.51 ID:DLRyZA2p0
上条(ん……? ここはどこだ……?)
上条(なんか後頭部に柔らかくて温かな感触が……)
ポタッ
上条(?)
美琴「……」グスッ
上条「………みさ、か?」
美琴「アンタ……、馬鹿じゃないの?」
上条「……?」
美琴「確実に1回、いや、5回は氏んでたわよ? たまたま私の狙いが甘かったから無事だったけどさ」
上条「ですよね……」
美琴「ホント馬鹿。能力を使えばよかったじゃない、私くらい軽く黙らせたでしょ」
美琴「本気で心臓止まってたかもしれないのに、なんでっ……笑ってられんのよ……!」
上条「御坂……」
上条「全部お前のせいだろ」
美琴「そうだったかしら」シレッ
上条「まったく、トラクターを電磁誘導でブン投げるなんざ女子中学生のすることかよ」イテテ…
美琴「………えへ」
上条「えへじゃない」ペシ
美琴「それはそうと、アンタが寝てる間にもう薪も割って夕飯も作っちゃったわよ。食べる?」
上条「寝てたんじゃなくて生氏の境をさ迷ってたんだけどな」ドッコイショ
美琴(ふたりきりで夕食なんて、ホントに夫婦みたい……)エヘヘ
上条「聞いてないし……」フコウダ…
14: 2011/02/03(木) 22:31:03.19 ID:DLRyZA2p0
…
美琴「はい、学園都市の第三位、御坂美琴様の手料理よ。心して食べなさい」
上条「おぉ、そう聞くとなんかコレってけっこうすげえシチュエーションだな」
美琴「え、いまさら……?」
上条「いやー、御坂って普段から超能力者ってことを鼻にかけてないからさ。いざそれを意識するとなんか凄いなぁって」
美琴「……」
上条「………御坂?」
美琴「…………やめてよ、アンタにまでそんな目で見られたら、私………」
上条「あ、あぁすまん」
上条(そういえば前にも白井に言われたっけ。対等に話せるのは俺だけとかなんとか)
美琴「…………でも」
上条「ん?」
美琴「誉められてるって思うと……悪くないかも……///」モジモジ
上条「……」
上条(なんだ、けっこう素直なとこもあるんじゃねえか)
上条(当然か、まだ中学生だもんな……)
上条「だがしかし!」
美琴「」ビクッ
上条「たとえ御坂がど偉い人であっても、食い物を粗末にすることだけは許さん!」
美琴「はぁ……、そういえばそんな企画だったわね、これ……」
15: 2011/02/03(木) 22:31:41.93 ID:DLRyZA2p0
上条「あのばら撒かれた豆達の痛み、自身の身体で思い知るまでは何度でも田舎生活です!」
美琴「だからアレは節分で……、で、でも、私はアンタと一緒なら別に何度だって田舎生活も……ゴニョゴニョ」
上条「ん? なんだって?」
美琴「なんでもないわよ! 後片付けもあるんだから、さっさと食べてよ!」
上条「んなこと言って、お前の方が食べてねえじゃねえか」
美琴「う……」
上条「いらないならもらうぞー」ヒョイパク
美琴「あ……」
上条「うん、うまい」
美琴「………///」ボンッ
上条「あ、それと風呂なんだけど」
美琴「風呂? ………もしかしてお風呂もないの?」
上条「いや、あるよ」
美琴「そ、そうよね。よかった……」
上条「五右衛門風呂が」
美琴「…………………え?」ゴエモン?
上条「さすがに今の若者は知らないかー。ま、見てのお楽しみだ」
美琴「若者って……、アンタも十分に若者でしょうが」
上条「あ、いらないならもらうぞー」ヒョイ
美琴「ふにゃーーーー!!」バチバチッ
上条「どわぁぁあ!?」ナゼニ!?
16: 2011/02/03(木) 22:32:55.62 ID:DLRyZA2p0
…
美琴「………」
上条「………」
美琴「………ねぇ」
上条「ん?」
美琴「なに、これ?」
上条「…………風呂だ」
美琴「…………これが、お風呂?」
上条「そう、昔ながらの五右衛門風呂ってやつさ」
美琴「こ、これが……!」
上条「ホントはドラム缶でもよかったんだけどな、あれは火加減が難しいし、下手に淵に触れようもんなら大火傷しちまう上級者向けだからな」
美琴「へぇ……。で、どうやってお湯沸かすの? ボイラーは? もしかして電熱?」
上条「言っただろ、電化製品は照明とトイレ以外はありません。それに、なんのために大量の薪を割ったと思ってんだ」
美琴「……………で、でも! これくらいなら私の能力で沸かせr」
上条「な ん の た め に 薪 を 割 っ た と 思 っ て ん だ ?」
美琴「……………………晩御飯つくるためかな?」アハハー
上条「この後に及んでまだ逃げようとするか……」
美琴「い、いいじゃない! ほら! せっかくレベル5の電撃使いがいるのよ!? 薪の節約にだってなるし……!」
上条「……御坂」キリッ
美琴「う……!」
上条「……諦めろ」
美琴「ふぇぇ……」
17: 2011/02/03(木) 22:33:31.45 ID:DLRyZA2p0
~美琴さん入浴中~
上条「いっとくがど田舎の民家では五右衛門風呂もまだまだ現役なんだぞ?」※ホントです
美琴『ふーん……』
上条「といっても新しいのになると追い炊きもすごく楽なんだけどな。これは新しいのは見た目だけで、中身は古いもんだからこうやって誰かが火加減見とかないといけないんだよ」※いま上条さんは外にいるよ
美琴『そうなんだ……お風呂ってけっこう大変なのね……』
上条「そう! そうなんですよ! あぁ、御坂からそんな言葉を聞けるなんて……」グスッ
美琴『それもだけど、水を使うにも毎回井戸から汲んでこなきゃいけないってのもなかなか辛いわね……』
上条「さすがに台所は上水を引いてるけどな、風呂までは無理だった」
美琴(はぁ……、いろいろ大変だけど、たしかに私、いままで楽しすぎだったかも……)
美琴(あ、そういえば今日はもうすることないし、もう寝るのよね?)
美琴(ど、どうしよう……! 布団はちゃんと二組あるのよね!? もし一組しかなかったら……!)
…
上条『よし、寝るかー』
美琴『あ、あれ? 私の布団は?』
上条『ん? なに言ってんだ。目の前にあるだろ』
美琴『え、目の前って……』
上条『ほら、こいよ御坂』カモーン
美琴『………!!』
上条『おや? もしかして御坂様はなんのとりえもない貧乏学生に異性を感じちゃってるんですか?』ニヤニヤ
美琴『そ、そんなわけないでしょ! 上等じゃない! アンタこそ醜く発情するんじゃないわよ!』
上条(ちょろいw)
美琴『お、お邪魔します……///』ゴソゴソ
ガシッ
美琴『!!?』
上条『あー、御坂はいい匂いだなー』ギュウ
美琴『ちょちょちょっと! アンタなにして……!』
上条『今日は寒いから湯たんぽが欲しいなー。おぉ、こりゃちょうどいい』ギュー
美琴『あわわわわ………!!』
…
美琴「ふにゃー」
上条「え、ちょっと御坂さん風呂場でそれはあばばばばばばばばばばば!!!!」
19: 2011/02/03(木) 22:34:13.35 ID:DLRyZA2p0
~上条さん入浴中~
美琴「ごめんって、ついのぼせちゃって……」テレ
上条『あのなぁ、外にいるとはいえ、水場で電撃って逃げ道ないだろ……』
美琴「あんまりくどくど言ってると電気と追い焚きで茹でちゃうわよー」バチバチ
上条『うわ、あっつ! いま一瞬で2・3度あがったぞ! 頼むからそういうのはやめてください!』
美琴「えへへー」
上条(やばい、なんか今日のビリビリは怖い。さっさと身体洗ってあがるか……)
上条『……ん?』
美琴「……? どうかした?」
上条『…………毛?』
美琴「」ピクッ
上条『茶色ってことは御坂の? ………でも御坂ってストレートじゃなかっt』
美琴「氏ねぇぇぇぇえええええええ!!!!」
上条『うぎゃあらばばばばばばばばばばb!!!!』
バチバチバチ……
………
……
…
20: 2011/02/03(木) 22:34:58.69 ID:DLRyZA2p0
上条(ん……? ここはどこだ……?)
上条(なんかまた後頭部に柔らかくて温かな感触が……)
ポタッ
上条(?)
美琴「……」グスッ
上条「………みさ、か?」
美琴「アンタ……、馬鹿じゃないの?」
上条「御坂………」
上条「そのネタはさっき使ったぞ」
美琴「そうだったっけ」シレッ
上条「はぁ、風呂だけで二度も電撃を浴びせられるとは……先が思いやられる……」
美琴「ごめん……、でも、二回目は自業自得なんだからね!」
上条「二回目? そういやあれはなんn」
美琴「タヌキよタヌキ! 多分ね!」
上条「タヌキの毛を見つけると電撃を食らわされるのか」
美琴「そ、そうよ、私が決めたの、さっき決めた」
上条「そうですか。でも今度からローカルルールを策定したらその時に報告しておいて欲しいです」
美琴「善処します……」
上条「さて、もう十分寝たような気もするが、まだ寝るには早いしテレビでも見るかー」
美琴「え、テレビあるの?」
上条「あぁ、テレビはな。言い忘れてた、というかさっき決まった」
美琴「?」
21: 2011/02/03(木) 22:36:14.77 ID:DLRyZA2p0
…
TV『“素晴らしき色彩の世界”、この後すぐ!』
美琴「……」
上条「……」
美琴「白黒………」
上条「さすがの上条さんもこれにはびっくりです」
美琴「世間じゃデジタル放送への完全切り替えが迫ってるっていうのに……」
上条「色彩の世界って……白黒でなにを見ろと……」
美琴「白黒テレビって、教科書でしか見たことなかったわ……」
上条「ちなみにラジオもあるんだが」
美琴「……なんかあるの?」
上条「クォーツ式のラジオだ、これいつ作られたんだ?」
美琴「ていうかこの家っていったい誰が住んでたの?」
上条「いや、知り合いに紹介してもらったんだけど……」
美琴「知り合い? 信用できるの?」
上条「いざって時は信用できるけど、それ以外の時はむしろ敵みたいなやつだよ。うさんくせえサングラスかけてるし」
美琴「……それって信用できないってことよね?」
上条「……」
上条「ま、大丈夫だろ。いくら腐ったやつでも、知り合いを不幸な目にあわせたりは……」
ブチンッ←電球切れて真っ暗
美琴「………不幸な目には?」
上条「帰ったらブッコロス。三割増しでブッコロス」
22: 2011/02/03(木) 22:36:56.70 ID:DLRyZA2p0
…
上条「よし、そろそろ寝るかー」
美琴(きた……!!)ワクワク
バサッ
美琴「あ、ちゃんと二組あるんだ……」
上条「……? 当たり前だろ? よし、じゃあこの少し小さいほうが御坂でこっちが俺でいいよな」
美琴「そう……そうよね……別に期待してなんか………ブツブツ」ガックリ
上条(やっぱり今日のビリビリはなんか怖いな。さっさと寝るか)
美琴「ブツブツ……………あれ?」
上条「ん? どした?」
美琴「これ………」バサ
上条「うわ、すごい虫食いだな。そりゃ使えねーわ」
美琴「えー……どうすんのよ……」
美琴(ハッ! こ、これはもしかして同じ布団で寝るフラグ……!)
上条「しょうがないな、俺がその布団使うから、御坂はこっちの布団を……」バサ
美琴(……!!)
ガシ
上条「……」
美琴「……」
上条「使いなさい……」グイッ
ガッシリ
美琴「……」
上条「あの、御坂さん? 布団から手を離してもらわないと……」
美琴「………………やだ」ボソッ
上条「はい?」
美琴「だ、だって、こんなボロボロの布団じゃいくらアンタでもちゃんと寝付けないでしょ、だから、その……」
上条「いや、でも布団はこれだけしか……」
美琴「だから……!」
美琴「一緒に…………寝よ………?」ウワメヅカイ
上条「」
23: 2011/02/03(木) 22:38:04.01 ID:DLRyZA2p0
…
土御門『おーいカミやーん!』
上条『あー? なんだよ?』
青ピ『なんだとは失礼やなぁ、今日は今世紀まれにみるお宝を持ってきてやったゆーのに』
上条『お宝? まーた悪趣味なDVDでも持ってきたんだろ? 言っとくけど、万年補習の上条さんにそんな余裕は……』
青ピ『悪趣味とはまた失礼な。よおーく見てみい』
上条『あー?』
“激録!! 女子○学生を田舎に連れ込んで性奴隷に!!”
上条『なんていうかな、お前らとの溝がまた一段と深くなった気がするよ』
青ピ『なに言うてんの! 素晴らしいやん! このパッケージからして既に後光が差すほどの……』
土御門『ま、まさかカミやん……、もう既に女は食い飽きたと……!?』
上条『……は?』
青ピ『な……! もう既に女から………、…………男?』
土御門『お、恐ろしい……。カミやん、さすがに自分の幻想までは消せなかったのかにゃー……』
上条『おい、なんか好き放題言ってるけどな、俺は確実に健全な少年ですよ』
…
上条「土御門ぉぉおおおおおおお!!!」
美琴「……!」ビクッ
上条「あの野郎、ここぞとばかりに……!」
美琴(あ……、嫌がってる、のかな……?)ビクビク
美琴「あ、あの……やっぱり……」
上条「おもしれぇ……受けて立ってやろうじゃねェか……」
美琴「ふぇ……?」
24: 2011/02/03(木) 22:39:04.92 ID:DLRyZA2p0
上条「テメエらが! 俺が性欲に負けて女子中学生に手を出すなんて幻想を抱いてるなら、まずはその幻想を……!」
美琴(よ、よくわかんないけど……、一緒に寝られるのかな?)
上条「ぶっころー。はい、御坂さん、寝ましょうか」バサ
美琴「え、あ、うん」
上条「大丈夫ですよ、今の上条さんは無我の境地にいますから」
美琴「う、うん……」ゴソゴソ
上条「じゃ、明りも消すぞー」
美琴「うん……」
パチ
上条「……」
美琴「……」
上条・美琴((どうしよう……))
25: 2011/02/03(木) 22:40:07.91 ID:DLRyZA2p0
上条(布団は少し大き目だから二人で寝ても多少隙間は空くのですが……)
上条(それでも十分に、御坂から心地いい香りが……! これが女の子の匂いってやつか……!)
上条(いやしかし、それにしても……)
美琴(うぅ……すぐ近くに、すぐ近くにアイツが……!)
美琴(同じ敷き布団、同じ掛け布団っていきなりハードル高すぎ……!)
美琴(でも、それにしても……)
上条・美琴((寒い………))
美琴「ね、ねぇ………」ゴソ
上条「ん、なんだ?」
美琴「………この布団、薄くない?」
上条「そうだな、ちょっと薄いな」
美琴「……」
上条「……」
26: 2011/02/03(木) 22:40:44.04 ID:DLRyZA2p0
美琴「…………ねぇ」
上条「…………なんだ?」
美琴「……ちょっとだけ、そっちに行っていい?」
上条「」
美琴「む、無我の境地にいるとか言ってたから大丈夫よね、うん」ゴソゴソ
ピト
上条「」
美琴「………///」ギュウ
上条「」
美琴「お、おやすみ………///」
上条「」
上条(警告―――、上条当麻の『首輪』第一から第三までの全結界の貫通を確認―――)
上条(108の煩悩と精神の保護の為、侵入者の迎撃を―――)
上条(いや待て待て待て!!! 相手は中学生だぞ、中学生――――!!)
美琴「えへ……」ギュウ
上条「」
27: 2011/02/03(木) 22:41:19.08 ID:DLRyZA2p0
~翌日~
上条「ん……朝か……」
上条「……」
上条(あれ? 俺、きのうはいつ寝たっけ)
上条(それにさっきから胸元に感じる、ちょうどいい温かさは……)
美琴「……」
上条「……」
美琴「……」
上条「……」
美琴「…………………ふにゃー」
上条「ええぇえ朝イチでそれですかあばばばばばばばばばばばばb!!!!」
28: 2011/02/03(木) 22:41:50.17 ID:DLRyZA2p0
…
上条「えー、ひとつお知らせがあります」プスプス
美琴「はい………」シュン
上条「部屋が一つ減りました」
美琴「……………はい?」
上条「外、見てみな」
美琴「そと?」
ガラッ
美琴「うわぁ……!」キラキラ
上条「昨夜から雪が降り始めてたみたいでな、あっという間に雪景色ですよ」
美琴「すごい……!」
上条「ま、雪なんてロシアで見慣れてるかもしれないけど、そのせいでこの古い家はですね」
美琴「どしたの?」
上条「雪の重みで端の部屋が潰れました」オテアゲー
美琴「雪で!?」
上条「雪を舐めちゃいけませんよ。簡単にいえば屋根の上に数千~数万リットルの水が乗っかってるのと同じなんですからね」
美琴「へぇ……」
上条「てことで御坂さん」ホイ
美琴「……?」スコップ?
上条「今日は部屋の修復と、雪下ろしです」
美琴「雪下ろしかぁ……」
上条「ところで御坂」
美琴「ん、なーに?」
上条「昨日の夜あたりからの記憶が無いんだが、俺、昨日は普通に寝たよな?」
美琴「ふぇ!? あ、あぁうん! ふふふ普通に寝てたわよ! うん!」
上条「そうか……、ならいいんだけど………」
29: 2011/02/03(木) 22:42:37.08 ID:DLRyZA2p0
…
美琴『えへへ……///』
上条『御坂』
美琴『ふぁ!?』ドキッ
上条『いい加減にしろよ、おまえ……』
美琴『え、ちょっと………、ひゃあ!?』ビクッ
上条『土御門の野郎………帰ったらブッコロス……』
美琴『あ……! ちょっとそれはまだダメ……!』
ボコッ
上条『』
美琴『………?』
上条『』キゼツ
美琴『あ、あれ? ちょっと、どうしたのよ?』
???『悪いにゃー、お譲ちゃん』
美琴『………!! 誰!?』
???『おっと、そんな警戒しないでくれにゃー。俺はカミやんにこの家を紹介した者なんだぜい』
美琴『………あぁ、アンタが例の知り合いってやつね?』←暗くてよく見えてない
???『そうだにゃー。舞台を用意したのは俺だけど、さすがに最後までいってしまうとこちらとしても罪悪感が拭えなくなるからにゃー。今日はここまでで勘弁してもらえると助かるぜよ』
美琴『ここまでで勘弁って……! べ、別に私はなんとも……!』
???『ま、なんでもいいんだぜい。明日からもカミやんを頼むにゃー』
美琴『え、あ、はい………』
…
美琴「ウン、ナニモナカッタ」
上条「そう念を押されるとなんかなぁ……」
美琴「さーて! 雪下ろしね! ガンバッチャウゾー!!」
上条「……」
上条「……ま、いっか」
30: 2011/02/03(木) 22:43:56.32 ID:DLRyZA2p0
~雪下ろし中~
美琴「ていっ」ザクッ
上条「……」ジー
美琴「よっ」ガバッ
美琴「!?」
美琴(お、重い………!)プルプル
美琴「…………ハッ!」
上条「……」ニヤニヤ
美琴「べ、別にこれくらいどうってこと……」プルプル
美琴(ちょっとだけ、電磁誘導で……)ビリ
上条「おっと、それは反則ですよ御坂さん」ポン←右手
美琴「ふにゃあ!?」ガクン
ベシャッ
上条「ありゃりゃ、大丈夫か?」
美琴「………こんの」バチッ
上条「はいはい、能力使うのはやめときましょうねー」
美琴「……………アンタ、潰れた部屋の様子見に行くんじゃなかったの?」
上条「あぁ、ありゃ無理だわ。木造だし、御坂の能力も通用しないだろうしなー」
美琴「ふーん。で、わざわざ私の邪魔をしに来たの?」
31: 2011/02/03(木) 22:44:33.98 ID:DLRyZA2p0
上条「いやー、御坂って意外と華奢なんだなー」
美琴「華奢って……! ………そりゃ男並みに腕力あるわけないでしょ、別に鍛えてるわけでもないんだし」プイッ
上条「そりゃそうだけどさ、御坂って普段から快活っつーかすごく運動の出来そうなイメージあるからさ」
美琴「間違ってはないけど、それで筋力を期待するのは的外れなんじゃない?」
上条「いやいや、こう見ると御坂も女の子なんだなーと」
美琴「………!」ドキッ
上条「さて、俺も雪下ろしやるかー」
ザクザク
美琴(すごい……あんな重いのをあんなにスムーズに………)
美琴(わわ私、ゆうべはあの腕の中で寝て………///)
美琴(今日も、一緒に寝るのかな……? でもまた襲ってきたらどうしよう……! べ、別に無理に抵抗しなくても……そそそれはマズイかな……でもでも……!!)
上条「………ん? どした?」
美琴「………………ふ」
上条「ふ?」
美琴「ふにゃー」
上条「おおおおおおい!!! 昨日から回数多すぎだろおおあばばばばばbbbb!!!!!」
32: 2011/02/03(木) 22:45:02.60 ID:DLRyZA2p0
…
美琴「………びっくりしたわよ、気付いたらアンタが屋根から落ちて雪に埋まってるだなんて」
上条「………びっくりしましたよ、まさか雪で犬○家をやるはめになるなんて」
※雪かきは非常に重要であり、屋根から落ちた雪が下の歩行者を直撃し、首の骨を折って氏亡するケースも少なくありません。
雪国の人はわかるかもしれませんが、雪かきはTVなどで見るよりもかなり過酷な作業です。
でもしておかないと家が潰される………、難儀なことです。
上条「……だそうだ」
美琴「え?」
上条「雪降しは俺がやっとくから、御坂は風呂でも沸かしといてくれると嬉しいかな」
美琴「うん、わかった」
上条「よし、じゃあ続きやるかなー」スタスタ
美琴「………」
美琴(男は仕事に行って女は家事………なんかホントに夫婦生活してるみたい……)
33: 2011/02/03(木) 23:19:03.73 ID:DLRyZA2p0
~ぶっ飛んで夜~
上条「よし、寝るかー」
美琴「あ……」
上条「……………そういえば布団は一組しかなかったんだったな」
美琴「だ、大丈夫よ、昨日もなんともなかったんだし!」
上条「そうか? おれは記憶がないからどうにも不安なんだが………」
美琴「いいから、さっさと寝るの!」ゴソゴソ
上条「了解シマシタ……」ゴソゴソ
ピトッ
美琴「………えへ」ギュウ
上条「………あの、御坂さん?」
美琴「さ、寒いから……! 仕方なくくっついてんのよ!」
上条「そうですか……」
上条(背中からならともかく、正面から抱きつかれるといろいろと危険な……)
美琴「……」ギュウ
上条「……」
美琴「……」
上条「ウワァァァアアアアアアアアアアア!!!!!!」ガバッ
美琴「えいっ」バチバチ
上条「ウボァァアアアアアアア!!!????」ビビビ
ガクッ
美琴「はぁ……、あの人から渡されたスタンガンもけっこう役に立つもんね。本気で襲われたら勝ち目なんてなかったし……」
美琴「えへへ、とーうま♪」ギュー
上条「」プスプス
34: 2011/02/03(木) 23:19:43.65 ID:DLRyZA2p0
~夜中~
美琴「……」パチ
美琴「ん、トイレ……」ムク
上条「」プシュー
美琴「うぅ……真っ暗でなにも見えない……」
ムギュ
上条「ぶふぇ」
美琴「あ、ごめん……、えっと、たしかトイレはこっち……」
ガタン
美琴「!」ビクッ
シーン…
美琴(………風かしら)
ガタガタッ!!
美琴「!」ビクッ
美琴「だ、誰!?」
シーン…
美琴「………ま、まさかね…………」
ガタンッ
美琴「ひっ!?」
35: 2011/02/03(木) 23:20:40.02 ID:DLRyZA2p0
ガタガタガタンガタガタ……
美琴「う、あ………」
美琴「にゃぁぁあああああああああ!!!」フトンメクリ
上条「うわぁぁああああああああ!?」
美琴「………!! ………!!」ダンダン
上条「………落ち着け御坂、声が出てないぞ」
美琴「……!」バタバタ
上条「あぁ、玄関から物音? 風だろ?」
美琴「………! ……!?」ブンブン
上条「あーわかったわかった、見にいきゃいいんだろ?」ドッコイショ
36: 2011/02/03(木) 23:21:46.16 ID:DLRyZA2p0
シーン…
上条「……」
美琴「……」
上条「………音なんかしねえじゃねえか」
美琴「そんなはずは……」
上条「まさかお前、その歳になってまだ………」
美琴「ち、違うわよ! だいたい私は科学の結晶、学園都市のトップ3よ!? そんな非科学的なこと「ガタンッ!」ひゃあああ!?」
上条「………」
美琴「………」
上条「………あの、御坂さん。俺の腕にしがみつきながらそんなこと言われても説得力がですね……」
美琴「はやく……見てきてよ………」ウルウル
上条「はぁ……どうせ風で扉が鳴ってるだけ………」
ガラッ
一方通行「三下ァ……助けろォ……」
ピシャッ!
上条「……」
美琴「……」
37: 2011/02/03(木) 23:22:42.24 ID:DLRyZA2p0
上条「……やっぱり風だよ、さて寝るかー」
美琴「そ、そうね、寒いし」
ガタガタ…
「おおォいオマエェ! 人が頭下げてンのを完全無視ですかァ!?」
「うぅ……この寒さはお子様なミサカには辛すぎるって、ミサカはミサカは弱音を吐いてみる……」
上条「……」
上条「………どうする?」
美琴「小さいほうだけ引き入れて、大きいほうは放置かな」
上条「奇遇だな、まったく同意見だ」
ガラッ
一方通行「おィ―――」
上条「確保!」ガシッ
打ち止め「うにゃっ!?」
ピシャッ!
上条「ふぅ……なんとなったな……」
美琴「なんとかなったわね……」
打ち止め「あ、あれ? お姉様?」
38: 2011/02/03(木) 23:23:22.02 ID:DLRyZA2p0
一方通行「うらァァァァァあああ!!!!!」
ドガッシャーー!!
上条「うおおおテメエなに玄関ぶち壊してんだぁぁ!!!!」
一方通行「なンだなンだなンなンですかァ!!? 世界大戦を終結させたヒーローがたった一人の少年に対してこンな冷酷な対応をしちゃうンですかァ!!?」
美琴「うわぁ……」
一方通行「露骨に“うわ、コイツめんどくせえ”って顔してんじゃねえぞオリジナル。なンならいまここd」
打ち止め「なんかややこしいから演算切るね」
一方通行「」
上条「で、なんだってこんなとこにいるんだ? しかも夜中に」
打ち止め「そのことなんだけど……」
…
黄泉川『うわ、また缶コーヒーかよ』
一方通行『あァ? 別にいいだろうがよ、これくらい』
黄泉川『いや、よくないじゃん。子供の成長に悪影響を与えかねないじゃん、アンタにも、あの子にも』
一方通行『は? なにコーヒーくらいで……』
黄泉川『決めた、アンタ達、田舎で健康的な生活を体験してくればいいんじゃん』
一方通行『………はィ?』
…
打ち止め「で、気が付いたら雪の中」
美琴「………」
上条「学園都市はいったいどうなってんだ………」
美琴「で、近くにあったこの家に来たわけね」
打ち止め「うぅ、寒かった………、ってミサカはミサカはガクブルル……」
美琴「お風呂でも入る? 今回は電熱で沸かしてもいいわよね?」
上条「あぁ、今回はな」
打ち止め「お姉様と一緒にお風呂!? こんなとこに来たかいがあったかもって、ミサカはミサカは大興奮!」
美琴(可愛い……)キュン
一方通行「」
上条(あ、一方通行は放置なんだ。御坂遺伝子って意外とドライなんだな)
39: 2011/02/03(木) 23:24:07.98 ID:DLRyZA2p0
~御坂姉妹入浴中~
打ち止め「だからね、あの人も悪気があったわけじゃ……」
美琴「わかってるわよ、でも玄関は明日直してもらうけどねー」
打ち止め「やっぱりお姉様って心が広い! もうミサカはミサカは感謝の気持ちでいっぱいだったり……」
美琴「別にいいのよ気にしなくて。私がそうしたいからしてるだけなんだから」
打ち止め「MNWも感謝の気持ちでいっぱいだよ、ミサカもお姉様とお風呂に入りたーいって!」
「ハッ! こ、ここは!?」
「おー、やっと戻ったか」
「……!? おィ、クソガキはどこだァ!?」
打ち止め「だから、こういう時間がもっとあればなー、ってミサカはミサカは本音をこぼしてみたり……」
美琴「……そうね、私も、もっと妹との時間を……」
「あぁ、打ち止めなら向こうに……」
「あンのガキィ……!」ダッ
「いや、風呂なんだけど………、って聞いてないし」
美琴「アイツといるのと同じくらい、妹達との時間も大切だから……」
打ち止め「お姉様……」
ガラッ
一方通行「おィこらクソガキィ!! オマエなにをしやが………!!」
美琴「………」
打ち止め「………」
一方通行「………」
一方通行「…………………不幸だ」ボソッ
40: 2011/02/03(木) 23:25:11.73 ID:DLRyZA2p0
…
打ち止め「だからね、あの人も悪気があったわけじゃ……」
美琴「わかってるわよ、でも………///」
美琴(まさかアイツより先に一方通行なんかに見られるなんて……)
美琴(いやいや、まだ片想いなのにそんなこと……。でもけっこうショックかも……)
美琴「うぅ………」
打ち止め「お姉様……」
上条「…………おい」
一方通行「……なンだ」
上条「女の子を泣かせといて、謝罪の一つも無しか?」
一方通行「……演算切られてフルパワー10億ボルトの雷撃くらってなお謝らねェといけねえのか?」
上条「それはまぁ、同情するけどさ……。でも、一応謝るのが筋だと思うぜ、俺は」
一方通行「チッ………」
一方通行「おい、超電磁砲」
美琴「…………なによ」グスッ
一方通行「………俺が、悪かったァ。この通りだ」
美琴「…………聞こえない」プイッ
一方通行「く………! この通りだ……!」ドゲザ
美琴「よし、じゃ湯冷めしないうちに寝ましょっか、打ち止め♪」ケロッ
打ち止め「うん! お姉様!」
一方通行「こ、このガキ…………!」プルプル
上条「………諦めろよ一方通行。これが女の強みってやつだ」ポン
41: 2011/02/03(木) 23:26:15.98 ID:DLRyZA2p0
打ち止め「あれ? 布団が一組しかないよ? ってミサカはミサカは疑問に思ったり」
美琴「そうなのよ、もう一組が使えなくてね。じゃあ打ち止めを挟むように3人で寝ればいいわね」
一方通行「おィ、こら」
美琴(ハッ! そうするとアイツに抱きつくことができないじゃない……!)
美琴(どうしよう………)プルプル
打ち止め(お姉様……考えてることが手に取るようにわかっちゃうよ………)
打ち止め「ミサカは4人で賑やかに寝たいなーってミサカはミサカはナイスフォローを入れてみたり!」
美琴「そ、そうね! じゃあ………」
※左から順に一方通行、打ち止め、美琴、上条で寝ることになりました。
美琴「うふふ、打ち止めってちっちゃくって抱き心地いいー♪」ギュー
打ち止め「お姉様も暖かくって気持ちいいよ!」ムギュー
上条「………」
一方通行「………」
~十分後~
美琴「スピー………」ギュー
上条「………」←抱きしめられてる
打ち止め「クカー………」ギュー
一方通行「………」←同上
上条・一方通行「「はぁ…………」」
42: 2011/02/03(木) 23:30:30.89 ID:DLRyZA2p0
~翌朝~
上条「………」パチ
上条「朝か………」
美琴「………」
上条「………」
美琴「………………ふ」
上条「……………!!」バッ
美琴「にゃー」プシュウ…
上条「はぁ…………」
上条「……………ん? 一方通行は……?」イナイ
~台所~
一方通行「無ェ……」
上条「おーい、なにやってんだ?」オキテキタ
一方通行「お茶しかねェじゃねェか……、コーヒーはねェのかよ?」
上条「そりゃこんな日本家屋にコーヒーは似つかわないしな、無いんじゃないか?」
一方通行「………」ソワソワ
上条「…………緑茶にもカフェインは含まれてるぞ?」
一方通行「どこだァ、緑茶ァ………」ガサガサ
上条「……」
美琴「おはよー……、寝るの遅かったのに随分早いわね」
打ち止め「おはよー……ねむいー……」
上条「おー、二人とも起きたか」
一方通行「あったァ………お湯……お湯は………」ハァハァ
美琴「…………沸かそうか?」
一方通行「不本意だが仕方ねェ、出来るだけ早く頼むぜェ」ハァハァ
美琴「うん…………」
43: 2011/02/03(木) 23:31:30.33 ID:DLRyZA2p0
…
一方通行「……」ゴクゴク
一方通行「………渋ィ」
美琴「苦いのよりはマシだと思うんだけど」
上条「はい、ではお知らせです」
打ち止め「はーい!」
上条「だんだんマンネリしてきたので、農作業に戻ります」
美琴「こんなに雪降ってるのに?」
上条「そこはこれ、学園都市特性“垣根印の濃肥料”で解決さ」ドン
美琴「うわ、いきなり現実から離れたわね……」
上条「あんまりグダグダしてると着地点がさらに遠くなるからな。そもそも自給自足の生活をしに来たんだからな」
美琴「それもそうね。で、今日はなにをするの?」
上条「多少の寒さでも栽培できる冬野菜と、冬の山野で収穫出来る食物の回収だな」
108: 2011/02/05(土) 21:44:30.03 ID:03wTYypV0
…
上条「さて、外に出てまいりました」
美琴「寒い………」
打ち止め「雪……、昨日は寒くてそれどころじゃなかったけど、ミサカ達にとっては初めての雪だよ!」キャッホウ!
一方通行「ンだよ……、俺も手伝うのかよ……」
上条「働かざる者食うべからずってな。じゃ、とりあえず畑を作るから雪をどかすぞー」
美琴「雪を? ……けっこう深さあるわよ、なんか道具でも使うの?」
上条「ん」スコップ
美琴「………………冗談よね?」
上条「まぁ、昨日の雪下ろしのこともあるし、ここは男の俺と………」ジー
一方通行「……………あン? 俺かァ?」
上条「力仕事は男って相場は決まってんだ、それともあっちでシャベルに振り回されてる子供にやらせんのか?」
打ち止め「おっとっとー、これはけっこう重いぞーってミサカはミサカはあ~れ~……」フラフラクルクルー
美琴(可愛い………)キュン
一方通行「チッ……仕方ねェ……。貸しな、3分で終わらせてやる」
上条「ちなみに一方通行に関しては能力の使用も許可します」
美琴「えっ!?」ワタシハ!?
109: 2011/02/05(土) 21:46:20.50 ID:03wTYypV0
…
一方通行「おおォォォォォォォ!!!」
ザクザクザク……
美琴「すごい……これが学園都市第一位のチカラ……!!」
打ち止め「シャベルを振り上げてから掬い取った雪を積むまで一切の無駄のない動き……!」
上条「………」
上条「………いや、別に無理してそんなノリしなくていいからな?」
美琴「あ、そう? なんかあまりにイメージの崩壊が激しかったからつい」
打ち止め「アナタ……」グスン
上条「さて、こっちはこっちで準備するぞー。一方通行が雪を退かし終わったら土を作るからな」
打ち止め「耕すの?」
美琴(耕す……、私の出番………!)キュピン
上条「今回はそんなに広くはないから、この手押し式の耕運機を使います」ホイ
美琴「はい! 私がやる!」
上条「はい、ではこの任務は御坂さんに任命します。じゃあ打ち止めは肥料運ぶの手伝ってなー」
打ち止め「はーい!!」
美琴(あ………二人きりになれるチャンスだったのに……)
美琴「うぅ………」
打ち止め(あ、お姉様………)
打ち止め「や、やっぱりミサカが耕すほうやりたいなーって、ミサカはミサカは提案してみたりー…」
上条「いや、さすがに耕運機は危ないからな。打ち止めにはちょっと……」
美琴「ふにゅぅぅ………」シュン
打ち止め「だ、大丈夫だよお姉様! 先はまだまだ長いんだしってミサカはミサカはあうあうあう………」シュン
上条「?」
110: 2011/02/05(土) 21:48:29.70 ID:03wTYypV0
…
~物置~
打ち止め「ねぇねぇ、お姉様のこと、どう思ってるの? ってミサカはミサカはストレートに尋ねてみる」
上条「御坂か? ………そうだな、いままでは理不尽に追いかけられてばっかりだからあんまり意識してなかったけど……」
打ち止め「けど?」
上条「……なんていうか、意外と女の子らしい一面もあるんだなーっつうか、やっぱりまだ中学生で歳相応に幼いとこもあるんだなーとか」
打ち止め「ふむふむ、それはこの生活始めてたった2日で今まで知らなかったお姉様の良い一面を見ることが出来たってことだよね? ってミサカはミサカは念を押してみたり」
上条「あぁ。……とは言っても、今までだって御坂のことは良く思ってたぞ? 初めのうちは自販機に蹴りいれるなんざどこの不良だよとか思ってたけどさ」
上条「…………その、お前らの件に命がけで立ち向かっていく御坂を見てしまったからな。多少乱暴だけど、根は凄く優しいやつなんだって知った。
まだ中学生なのに、レベル5ってプレッシャーを抱え込んでるアイツの支えになれればなーと思ったりも……」
打ち止め「うむむ……、煮え切らないとこは事前報告通りなんだよって、ミサカはミサカはジト目を行使してみる………」
上条「……そのジト目は御坂そっくりだな」
打ち止め「でもでも、これからもお姉様の良いとこいっぱい見つかるはずだよって、ミサカはミサカは世紀の大予言!」
上条「………そうだな、たしかn」
「ふぎゃーーーーーーーーッッ!!!!!!」
打ち止め「………」
上条「………すまん、ちょっと見てくるわ」
打ち止め「お願いしますーって、実はミサカもミサカも心配だったり……」
111: 2011/02/05(土) 21:50:55.99 ID:03wTYypV0
~ちょっと前~
一方通行「よし、終わったぞ」フウ
美琴「…………」シュン…
一方通行「あン? あとの二人はどこ行きやがったァ?」
美琴「………肥料取りに行ったわよ」
一方通行「肥料? あァ、栄養剤みてェなやつかァ」
美琴「はぁ……。しかたない、耕運機の使い方でも練習しとこうかな………」ヨイショ
一方通行「耕運機? 耕すのかァ?」
美琴「そうよ、固い地面にそのまま根が生えると思ってんの?」
一方通行「耕すンだったら、別にそンなモノ使わなくとも十分だろォが」
ザクザクザク……
美琴「あ……」
美琴「私の………私の出番……………」
美琴「ふぇぇ………!」
一方通行「あァ……? な、なンだァ………?」オロ
美琴「私の……出番………ヒック……」
一方通行「お……おィ………」オロオロ
美琴「私の………出番……」
美琴「盗ってんじゃないわよこのクソモヤシーーーーーー!!!!」バチバチバッチン
ドガガ…!
一方通行「あっぶねェ!! いきなりなにしやがンだオマエェ!!」カチッ
美琴「ふぎゃーーーーーーッッ!!!!!」バチバチ
一方通行「あァー!? なンだって学園都市はこンな面倒くせェやつが多いンですかァ!??」
美琴「あーーもう!! アンタに電撃効かないのはわかってるけど腹が立つーーーーー!!!バチバチ
上条「はいはい、不毛な土地で不毛な争いはやめましょうねーっと」ポン
美琴「うぅぅ………!!」プシュウ
上条「まったく……。まだ肥料用意してねえんだから耕したって意味ねえだろ。ほら、今から持ってくるから御坂、頼んだぞー」
美琴「………!」パァァ
上条(……………可愛いな)
打ち止め(お姉様………なんか精神年齢が変わっちゃってるような……、ってミサカはミサカはこっそり見守りつつも一抹の不安を拭い切れなかったり……)
113: 2011/02/05(土) 21:53:56.72 ID:03wTYypV0
…
美琴「うりゃうりゃーーーー!!」ブロロン!
ドドド…
※手押し式耕運機は家庭菜園をする際には非常に便利で手ごろな耕運機です。しかし小さく見えても、ちゃんとしたものを買おうと思うと値段は10万円以上したり……。
5万円くらいからでもありますが、結局本格的な家庭菜園をする人でないとあまり意味なかったりもします。
自分の家庭菜園への情熱と店員さんとよく相談したうえで購入するかどうかを決めましょう。地方によってはレンタル出来たりするところもあるようなので、よく調べましょう。
ちなみに燃料はエンジンの種類によって違いますが、家庭用のガスボンベで動くのもあるんです。便利です。
※大きい石などはあらかじめ取り除いておきましょう。
場合によってはあら大変なことになっちゃいます。
上条「さて、耕してる間に今回植える野菜について説明すんぞー」
打ち止め「はーい!」
一方通行「……植えるのには能力使えそうにねェな」
上条「まずは常に日本の食卓の供となってきた大根だ!」
打ち止め「おぉーー!!」
上条「ちなみに今回、種から作るのは大根だけだ」
打ち止め「おぉーー!?」
上条「あとふたつ、白菜とブロッコリー!!」
打ち止め「おぉーー!!」
上条「この二つは既に苗を買ってきてあります」
美琴「終わったわよー、もう植えるのー?」ブロロ…
上条「いえいえもう一手間ですよー」
美琴「えー?」
上条「苦土石灰と化成肥料、コレ、重要」
美琴「クドセッカイ? 化成肥料はなんとなくわかるけど……」
上条「いわゆる石灰肥料というものでな、苦土ってのは酸化マグネシウムのことなんだ」
美琴「へぇぇ……」
上条「ちなみに化成肥料ってのはその名の通り化学的に作られた肥料で、辞典によると窒素、リン酸、カリウムのどれか2つ以上を含むものを言うんだ」※これ、私も知りませんでした
美琴「………あれ? アンタってホントに落ちこぼれ学生?」
上条「そこを突っ込まれるとこのSS自体が成り立たなくなっちゃうのでスルーします」
美琴「むむぅ……」
114: 2011/02/05(土) 21:56:35.04 ID:03wTYypV0
…
上条「えー、肥料も撒き終わったので、いよいよ野菜を植えたいと思います」
美琴・打ち止め「「いぇっさー!」」
上条「じゃあまず大根だけど、だいたい20cm~30cm間隔で1cm~2cmの穴を空けて、そこに種を何粒か植えるんだ、簡単だろ?」
美琴「随分アバウトな説明ね」
上条「作者も結構いい加減だからな、でもこれでなんとかなってるから大丈夫なんじゃないかな」
打ち止め「不安な人はちゃんと調べたほうがいいってことだねって、ミサカはミサカは画面の向こうの人達に向かってナイスアドバイス!」
上条「白菜とブロッコリーは……、ま、見た目でわかるだろうけどけっこう間隔を空けるな、50~60cmくらい」
美琴「大きくなるもんね、で?」
上条「これは苗からだから、カップ(だっけ)から抜き取って畑に植え替えればいいだけだ。ただし、元の株全体が土に埋まるようにな」
美琴「……つまり、もともと苗に付いてた土も畑の土でちゃんと覆えってこと?」
上条「イェス。ちなみに農薬を使う場合、この時点で苗の根元(株元)に撒いとかないといけないんだが、今回は割愛で」
美琴「よっしゃぁ! バンバン植えちゃうわよ!」キャッホウ!
上条「……ん、一方通行は?」
打ち止め「あの人なら『もう俺はいなくても大丈夫だろォ』とか言って家の中に入ってっちゃったよ?」
上条「カフェインが切れたんだろ。よし、熱いお茶を用意して寝てる一方通行の口に注ぎ込んでやるといい。きっと元気がでるぞ」
打ち止め「うん! じゃあ早速行ってくるね!」テテテ…
打ち止め「お姉様、頑張ってねって、ミサカはミサカはこっそり耳打ちしてみる」ゴニョゴニョ
美琴「ふぁ!? べ、別に二人きりになったからって………あう……」プシュウ…
115: 2011/02/05(土) 21:58:49.87 ID:03wTYypV0
上条「よっしゃ、植えるかー」
美琴「いぇっさー!」
上条「ちなみに白菜とブロッコリーは時期によっては日除けが必要だったりするからな、ここは寒すぎるくらいだからいいけど」
美琴「へぇ……アンタって……」
美琴「その、けっこう頼りになるのね………///」
上条「そう言ってもらえるのは嬉しいな」
美琴(嬉しいって言われちゃった………///)
上条「御坂も、けっこう物怖じせずにいろんなこと出来んじゃねえか。もっと『ワタシ、力仕事嫌いー無理ー』とか言うんじゃねえかと思ってたけど」
美琴「あれ、私ってそんなイメージだった?」
上条「いや、そんなことは無いけど。でも昨今の女の子ってそんなんじゃないのかなーと」
美琴「昨今って……だからアンタも十分若者でしょうが……」
上条「なんていうか、けっこう楽しいよ、うん」
美琴「そう? ま、アンタにとっては得意分野みたいだし」
上条「いや、そうじゃなくてな。たぶん、御坂とだからかな」
美琴「……ふぇ!? あ、あの、それってどういう………!」
上条「よっし終わったー、早いけど昼飯にすっかー」フウ
美琴「あ、あの………!」
「ぐわァァァァーーーーーーーーーーッッ!!!!!!??」
上条「………」
美琴「………」
上条「………打ち止めのやつ、ホントにやるとは思わなかったな……」
美琴「はぁ……、じゃ、お昼ご飯用意するわ。アンタは部屋でゆっくりしてて」
上条「お、じゃあお言葉に甘えて。いやー、なんていうか御坂さん、いつ嫁に行っても大丈夫そうだなー」
美琴「嫁にって………!」
美琴(はぁ………、無知は罪って言うけど、まさにその通りね……)テクテク
上条「?」
133: 2011/02/07(月) 00:19:57.58 ID:Xax4hcgr0
~昼食後~
上条「えー、昼からは山菜を狩りにいく予定でしたが」
美琴「あれ? 行かないの?」ジュンビカンリョウ
打ち止め「ミサカもミサカも準備完了だよーって」ピョンピョン
※打ち止めの今の格好はロシアの時のアレです。
美琴(可愛い………)キュン
上条「いやな、ちょっと肥料をひとつ、忘れててな」
美琴「えー、準備したのにー」ムウ
上条「準備って、もしかしてその格好で行くつもりだったのか?」
※美琴たんの今の格好もロシアの時のアレです。
美琴「………ダメ?」
上条「上はいいが……、下はちゃんと厚手の布地の長ズボンかなんかじゃないと、怪我するぞ?」
美琴「あ、そっか」
上条「ま、先に忘れてた肥料をだな。撒くんだな」
※たとえ冬といえども、登山をする際は長袖・長ズボンは絶対です。
ていうかそれ以外の格好だと寒さで氏ねますがね。やれるもんならやってみrゲフンゲフン
上条「これこれ、“垣根印の脳肥料”」
一方通行「…」ピク
美琴「あれ? なんか字が変わってない?」
上条「気のせいだろ。じゃ、まくぞー、さあ撒くぞー」
トクトク…
上条「さて、どうなるか……」
一方通行(……嫌な予感しかしねェ)
134: 2011/02/07(月) 00:21:25.27 ID:Xax4hcgr0
ポンッ ←芽が出た
上条「お」
グググ… ←成長
上条「……」
ポンポンポン… ←花が咲いた
上条「………」
ポポポポポ… ←種をまき散らしてる
美琴「……」
ニョニョニョ… ←種から増殖
美琴「ちょっと!! 怖い!! これ怖い!!!!」
上条「ななななんですかこれは!!?」
一方通行(…………知ーらね)スタスタ…
美琴「あ、アンタなに逃げてんのよ!? どうにかしなさいよコレ!!」
上条「とりあえずそげぶ!!!」ドーン
ピタ…
美琴「あ……止まった………」ホッ
上条「ふぅ……。とんでもない肥料だな、これ」
打ち止め「取り扱い説明書には、20000倍に薄めてから使ってくださいって書いてあるよって、ミサカはミサカは冷静に真相を突き止めてみたり」
上条「あぁ、薄めて使うのか、………………って20000倍!? 桁が2つ3つ違うんじゃねえか!!?」
美琴「……ホントね、間違いなく20000倍って書いてあるわ……」
上条「さすが学園都市、常識が通用しねぇ………!」ゴクリ…!
美琴「……結局それが言いたかっただけね」ハァ…
上条「ん? 一方通行がいないな。打ち止め、もう一回熱いお茶を注いで……」
一方通行「………アレはオマエの差しがねかァ、三下ァ」
上条「なんだいたのか、んじゃ肥料撒くから手伝えよ」
一方通行「その前に少しくれェ詫びでも入れろっつってんだろォが!!」
上条「あー!? テメエが勝手に休憩してるからだろぉが!!」
ギャーギャー…
美琴「あー……じゃあ私は今のうちに着替えてこよっかなー…」スタスタ
打ち止め「はぁ……ツッコミ役のお姉様がいなくなったら大変なことになっちゃうよって、ミサカはミサカはこれ以上ないほど深く嘆息してみたり……」
136: 2011/02/07(月) 00:23:44.32 ID:Xax4hcgr0
…
上条「はい、では改めて山菜狩りを始めたいと思います」
美琴・打ち止め「「いぇっさー!!」」
一方通行「チッ………」
上条「ちゃんと服は着替えたな、よし、これ持ってけ」ホイ
美琴「………? なにこれ、鈴?」チリーン
上条「熊鈴ってやつだ」
美琴「クマスズ?」
上条「歩くたびに音を発するから、熊とかの野生生物が警戒して近寄らなくなるんだ」
※コレ、かなり重要です。近年、食糧不足の為か熊の行動範囲が拡がってきています。
熊だけでなく、猪などにも効果はありますので、山野に入る時は必ず装備しましょう。
上条「ま、今は冬だし、冬眠してるとは思うが念のためな」
美琴「ふーん……」チリーン
一方通行「…………必要ねェな」
打ち止め「ミサカも、動物撃退出来るくらいの電圧はあるから平気かなー」
美琴「私はレーダーあるし。街中より電磁波やら電波やらも少ないからレーダーの感度もいいし……」ホイ
上条「…………」チリーン…
上条「………たしかに、このメンバーで熊鈴が必要なのって俺ぐらいだよな……」ショボーン
美琴「いや、なんていうか……。別に能力抜きで考えても、このメンツだと多分アンタが襲われることになるんじゃないかな……」アハハー…
上条「えぇ、自分でもそう思いますよ。なんたって学園都市が誇る世界で最も不運な男ですからね……」
美琴「まぁまぁ、それくらい大丈夫よ。熊が来たって私が追い返してあげるから」
上条「うぅ……御坂さん………」
美琴「えへへ………///」
美琴(………あれ? 普通、逆なんじゃ…………?)
打ち止め「アナタも、スイッチ入れるの遅れたらやられちゃうよ? ってミサカはミサカは忠告しておく」
一方通行「…………一応持っとくか」チリーン
138: 2011/02/07(月) 00:25:14.86 ID:Xax4hcgr0
…
上条「えー、ちょっと設定をね、困難にしすぎましてね」
美琴「えっ?」
上条「雪かきをするほどの豪雪で冬の山菜がまともに採れるのかっていうとそうでもないんだな、これが」
美琴「まず地面までが遠いもんね」
上条「だからここ、この家のあるところを山の中腹とすれば、少し下った比較的気温の高いところに行けば山菜があったってなんの不思議もないじゃないか!!」
打ち止め「かなり苦しい言い訳だよねって、ミサカはミサカは二度目のジト目を行使してみる……」ジトメ
美琴「……」ジトメ
上条「………まあなんだ、あんまりゆっくりもしてられないし、山菜については歩きながら説明しよう」
美琴「はいはい………」
…
上条「この辺りまでくると雪もほとんどないな、ここらで採るかー」
美琴「結局ほとんど麓まで降りてきちゃった……」
上条「まずひとつめ、ユキノシタ」
美琴「あっなんか名前は聞いたことある!」
上条「有名だし、名前からもわかるとおり寒さにも強い野草で、この時期でも十分採れる。次にフキノトウ」
美琴「ふきのとう? それって春じゃないの?」
上条「一般には春の山菜として知られてるが、実は地方にもよるがこの時期でも採れるんだ。ちょっと固いけどな」
美琴「へぇー…」
上条「んで、メインはキノコだ。別に上のレスでキノコがどうとか言ってたからじゃないぞ?」
美琴「こんなに寒くてもキノコとれるの?」
上条「キノコはもともと涼しくなってからだからな。逆に夏はイグチと呼ばれる大型のスポンジ質のキノコが多くて、正直採っててあまり楽しくない」
美琴「ふーん……」
打ち止め「ねぇねぇ、じゃああの木にたくさん生えてるのもキノコなの? ってミサカはミサカは指を差してみる」
上条「あれは………、おお!!!」
美琴「え、なになに?」
上条「あれこそ冬キノコの王様、エノキタケですよ!!」
美琴「どこどこ? どこにあんの?」
上条「採ってくるからちょっと待ってなさいよーっと」ガサガサ
139: 2011/02/07(月) 00:27:21.34 ID:Xax4hcgr0
…
上条「ほら、これがエノキタケだ」ジャーン
美琴「…………」
上条「………言いたいことはわかる。『これがエノキタケ? この馬鹿ついに脳まで腐ってしまったんじゃないの?』だろ?」
美琴「そこまでじゃないけど……。でも、どう見てもこれはエノキタケとは言えないわよ」
上条「ふふふ………」
美琴「な、なによ気持ち悪いわね……」
上条「御坂さん、貴方がなんと言おうとこれはエノキタケなのです!!」
※野生のエノキタケは人工栽培のものと違って茶色でしかも傘の大きさも1~3cmと少し大き目です。
というか見た目だけだとまったく違うキノコに見えます。
上条「……ということで、幸先良くエノキタケをゲットしました」
美琴「へー……、野生と栽培でこんなに違うもんなのねー…」
上条「有名なものだとシイタケも全然違うぞ? ただ、アレはよく似た毒キノコがあるから素人にはオススメできないんだけどな」
美琴「うぇー…毒キノコは勘弁だわ……」
上条「ツキヨダケって言ってな。このキノコ、小さい時の見た目が野生のシイタケそっくりでしかも……」
美琴「しかも?」
上条「暗いところで光るんだ」
美琴「えっ、なにそれすごく気になる」
上条「それだけだと幻想的に聞こえるけどな、実は日本で起こるキノコの中毒の半分以上がこのツキヨダケだといわれるくらい厄介な毒キノコなんだ」
美琴「うぇー…やっぱりお近づきになりたくないわね……」
打ち止め「ねぇねぇ、キノコって生で食べられるの?」
上条「もちろん無理だ、雑菌が多すぎる。たとえ食用だとわかってても、まず火を通すのが基本だな。それに……」
ニュッ
上条「こんな具合に小さな虫が住み着いてることもあるからな」
美琴「ふぎゃーーーーーーーーッッ!!!!!??」
140: 2011/02/07(月) 00:28:12.27 ID:Xax4hcgr0
…
上条「ユキノシタとフキノトウに関してはけっこう楽に探せるんだ。こう、道沿いを歩いてると……」
打ち止め「あっ、なんか丸いのが落ちてるよって、ミサカはミサカはまたもや指を差してみる」
上条「おっ、さっそく見つけたな。これがフキノトウだ」
美琴「けっこうあっさり見つかるのね」
上条「暖かくなってこうやって雪から顔を出してるのもあれば、落ち葉や雪に埋まって冬眠状態のもある。どっちにしてもあんまり茂みに入らなくても見つかるな」
美琴「ふーん……」
打ち止め「なんか見るからにムッチリしてて美味しそう!」
上条「ちょっと苦いけどな」
打ち止め「前言撤回、あまり見つけないほうがいいかもって、ミサカはミサカは探索を自粛する……」
美琴「あっ、あったあった」ミッケ
一方通行「なンだ、けっこうあンな」ミッケ
打ち止め「ふみゃーーーーーッ!!!!」
141: 2011/02/07(月) 00:29:49.75 ID:Xax4hcgr0
~家に戻ってきました~
上条「今回はSSの特典でいろいろと収穫出来たけど、普通はこうはいきませんよ? 特にキノコは」
美琴「…? 誰に言ってんの?」
上条「いや別に。けっこう歩いたし飯の前に風呂沸かすかー」
打ち止め「あ、それやりたい! ってミサカはミサカは火遊びへの参加を試みる!」
美琴「そう? じゃ、私と打ち止めは後で一緒に入るからアンタが先に入る?」
上条「いやいや、男達が入った後のお湯なんて嫌だろ? 先に入ってくれ」
美琴「じゃあ火を見るのは後でも出来るから、先に入りましょっか、打ち止め♪」
打ち止め「うん! お姉様!!」
テテテ…
一方通行「………………なァ」
上条「ん?」
一方通行「なンか俺の扱い酷くねェか?」
上条「仕方ねえんじゃねえか? 山菜採りの時なんか後ろから着いてきてるだけだったろ」
一方通行「そンなキャラじゃねェんだよ、わかるだろォが」
上条「……そりゃそうだけどさ、せっかくなんだから御坂との距離を縮める努力でもしたらどうなんだ?」
一方通行「…………」
上条「多少、アイツに思うところはあるんだろ? これからずっとそんなツンケンしたまんまってわけにもいかねえだろうし……」
一方通行「…………チッ……………」
上条「じゃ、俺は風呂沸かしてくっから。…………あ、そうだ」
一方通行「あン?」
上条「そろそろ宅配便が来るだろうから、来たら受け取っといてくれ」
一方通行「はァ……、仕方ねェな、それくらいやってやンよォ」
上条「んじゃ頼んだぞー」スタスタ
一方通行「…………」
一方通行「距離を縮める………か……………」
142: 2011/02/07(月) 00:31:33.67 ID:Xax4hcgr0
ピンポーン…
一方通行「あン? 宅配便か?」
???「こんばんわー、ダッチミサカです」
一方通行「…………………はァ?」
ガラッ
御坂妹「今宵も貴方の心のスキマをお埋めに……………なんだセ口リか、とミサカは露骨に眉をひそめます」
一方通行「それはこっちのセリフだァ、こンなところでなにしてやがる」
御坂妹「なにを、と言われましても。頼まれていた布団という名の夜の道具を届けに来たのですが、とミサカはちょっとだけ工口ティシズムを含んだ表現でお答えします」
一方通行「あァ、ならそれだけ置いてさっさと帰れ」
御坂妹「ミサカとしても仕事が滞るのでそうしたいのはやまやまなのですが……」
一方通行「あン?」
御坂妹「実はここまで来たところで突然バイクのタイヤがパンクしてしまいまして」
一方通行「バイク? あァ、確かに車が入って来れるような道ではねェが……」
御坂妹「XR230という信頼のあるバイクなのですが、この雪の中で修理するのは不可能なので……」
一歩通行「だからなンだってンだァ」
御坂妹「今晩はここに泊まることにします、とミサカは勝手におじゃましまーす」ズカズカ
一歩通行「はァ…………」ガク
御坂妹「ところでお姉様と上位個体も来ていると聞いていたのですが……?」
一歩通行「………奴らなら風呂に入ってンぞ、俺は少し休む……」
御坂妹「なんと! お姉様と二人でお風呂タイムとは上位個体、ミサカ達を差し置いて抜け駆けなど……!」ダッ
一方通行「………」
「(ガラッ!)お姉様! ミサカもご一緒します!」
「え!? なんでアンタがここに……って(ザッパーン…!)わぷっ!!」
一方通行「………」
一歩通行「………茶でも飲むかァ……」スタスタ
143: 2011/02/07(月) 00:34:06.15 ID:Xax4hcgr0
~晩餐後~
上条「うへー、食ったー…」ゴローン
御坂妹「ユキノシタも良かったのですが、フキノトウの天ぷらは素晴らしいですね。ほのかな苦みがなんとも……」ゴローン
上条「だろ! 高級料亭とかでも使われるんだぞ、あれ」
打ち止め「苦いのは……あう………」
美琴「エノキタケもびっくりね。なんていうか市販のモヤシエノキは飽くまで彩のひとつって感じだったけど、野生のエノキタケは料理の主役にもなれるってくらい味わいがあったわ」
上条「ちなみに作者が食べた野生キノコの中で一番美味いと思ったのはヒラタケでした。あとタマゴタケは達成感が優先して味はよくわからなかったです」
美琴「だから誰に言ってんのよ、それ」
御坂妹「……そういえば、思ったよりも広いのですね、とミサカはしっかりとした家に驚愕を顕わにします」
上条「昔から名のある農家だったらしいからなー」
美琴「それにしても、いきなり風呂に飛び込んでくるなんて。アンタはどこぞのツインテールの後輩かっつーの」ハア
御坂妹「いえ、最近『家族風呂』というものに興味を持っていたものでして」
美琴「……にゃ?」
御坂妹「この機会を逃す手はないだろうと思い、飛び込んだ次第です、とミサカは懇切丁寧に解説します」
美琴「………」
上条「………御坂、顔が緩みっぱなしだぞ」
御坂妹「それより先ほどのこの家についての説明に少しばかり引っかかることがあったのですが……」
上条「ん?」
御坂妹「名のある農家“だった”とはどういうことなのでしょうか?」
上条「…………」
美琴「………どうなのよ?」
上条「………実は、一家全員、氏んだんだってさ」
美琴「………」
打ち止め「………」
一方通行「………」
御坂妹「…………マジですか」
上条「マジだ。しかも原因不明らしい」
美琴「………」ハア…
打ち止め「あわわわ………」
一方通行(いったいいつの話だっつーの)
御坂妹「さすがのミサカもこれにはびっくりです。本気で上条当麻という人間の脳の回路が正常なのか心配になりました、とミサカはお姉様達に寄り添いながらジト目を行使します」
御坂三姉妹「「「………」」」ジトメ
上条「俺だって今朝始めて土御門から聞いたんだよ!! しかもアイツ、『プランの変更は無理だにゃー』とか訳わかんねえこと言って電話切りやがるし!!!」
美琴「………………ちょっと」
上条「はい」
美琴「……歯、食いしばりなさい」
上条「…………はい」
144: 2011/02/07(月) 00:36:22.73 ID:Xax4hcgr0
…
御坂妹「では、ミサカが持ってきたこの毛布を足して…………………おや?」
美琴「………」
御坂妹「使える布団が一組しか無いようですが……まさかお姉様………」
美琴「べ、別にそんなに言うほどじゃないわよ!!? その、寒いから少しだけ抱きつく形にはなるけど、でも、仕方ないっていうか………!!」
御坂妹「お姉様………まさかこんなところでお姉様に大幅にリードされるとは思ってもいませんでした、とミサカは安易に二人きりになるのを許した己の愚行を反省します」
美琴「だ、だから……」
上条「そうだなー。たしかに子供みたいに抱きついてきたりはするけど、それ以上のことはないから安心しろよー」
美琴「そそそそれ以上ってどんな………! あう……///」ボフン
御坂妹「とはいえこれで使える布団は二組。一組はあちらの親娘(おやこ)に譲るとして……」
「だから、アナタがフキノトウをたくさん採るからーって……!」
「あーうっせェ……」
御坂妹「やはりこちらの三人で一組の布団を使うようになりますか……!」
上条「な、なんか凄く嫌な予感が………」ジリッ
バサッ…
御坂妹「では、左から順に御坂・ミサカ・上条の順番でよろしいでしょうか?」
上条「えっ、いま2回御坂って」
美琴「だ、ダメ!! それじゃ私が……!」
御坂妹「私が、なんですか?」
美琴「う………!」
御坂妹「そうするとなぜ困るのか、さぁ、大きな声でご説明ください」
美琴「うぅぅ………!」
上条(………俺の意思は無視なんだな。別にいいけど)
御坂妹「それにミサカにとっても、背中にお姉様を、正面にあの方の温もりを感じられるという至高のシチュエーションなのですが……」
美琴「そう言われると………。って、背中ってやっぱりアンタ抱きつく前提なんじゃない!」
御坂妹「策略2割、本音8割です、とミサカはここはまじめに返答します」
美琴「う……けっこう本音の割合高いのね……」
美琴「……………わかったわ、今日は妥協したげる」
上条「おーい、話はついたかー?」
美琴「アンタが右端。さっさと入りなさい」
上条「了解シマシタ」ゴソゴソ
御坂妹「ではお先に……」ゴソゴソ
美琴「はぁ……、じゃ、電気消すわよー」
パチン
145: 2011/02/07(月) 00:38:48.97 ID:Xax4hcgr0
~数十分後~
上条「………」グー…
御坂妹「………」
美琴「………」スー…
御坂妹(………あの実験の最中、いえ、実験が中止された後も)
御坂妹(ミサカ達は生きるあてもなく、ただ生命活動を続けるだけの存在で………)
御坂妹(誰がこんな幸せな“人生”を予想出来たでしょうか………)
御坂妹(それは間違いなく、いまミサカの両隣で寝ているこのお二方のおかげで……)
御坂妹(上条当麻……ミサカ達の直接の恩人であるこの人の温もりもとても魅力的なのですが………)
御坂妹(同じく命をかけてミサカ達を救ってくださった、しかも何の躊躇もなく『家族』として受け入れてくれたお姉様の温もりも非常に魅力的です……)
御坂妹(………)
ギュ
~夜中~
美琴「……」パチ
美琴「ん……トイレ………」ヨイショ
美琴「……………ん?」ナンカヒッカカッテル?
御坂妹「スー………」ギュウ
美琴「………」コレカ
美琴「…………ふふ」
美琴「ごめんね、トイレに行くからちょっとだけ……」
御坂妹「……離さないでください」
美琴「あ、あれ? 起きてたの?」
御坂妹「………寒いので離さないでください、とミサカは顔をお姉様の薄い胸に押しつけながら嘆願します」
美琴(可愛い………)キュン
美琴「…………でも、トイレには行かせて欲しいなーなんて……」
御坂妹「なんなら御一緒しましょうか?」
美琴「いや、さすがに………」
『………実は、一家全員、氏んだんだってさ』
美琴「…………ごめん、やっぱり着いてきて」
御坂妹「了解です、とミサカはお姉様の背中に寄りかかりながら移動します」
美琴「おーもーいー………」ズルズル
上条「………」グー
上条「…………微笑ましいな、まったく」
田舎生活3日目、終了
173: 2011/02/08(火) 00:13:58.45 ID:02R71MJo0
~4日目朝~
一方通行「………」パチ
一方通行(朝、か………)チラ
上条「スカー………」
一方通行(もうちょい寝るかァ………)ゴソ
一方通行「……………」
一方通行「…………!??」
上条「………」グー
一方通行「……おィ、起きろ」ゲシッ
上条「ぐふぇ……」ムニャムニャ
一方通行「3秒以内に起きなかったらそのウニ頭の棘の向きを逆にしちゃいまァす、3、1……」
上条「よっし目が覚めた。なんだかわかんないけど非常に目が覚めた」ムクッ
一方通行「おはようございまァす氏ね」ドカッ
上条「(ササッ)あっぶね! 寝起き早々なんだよチクショウ!!」
一方通行「それはこっちのセリフだっつうの、なンでオマエが俺の隣で寝てやがる」
上条「それはだな……………」
上条「愛?」
一方通行「氏ね、果てしなく愉快に氏ね」ドカッドカッ
上条「ちょっ! 踵使っての蹴りは危ねぇから! つーか騒いでたら御坂達を起こしちまうだろ!!」
一方通行「あァン?」チラ
御坂三姉妹「「「スー………」」」ムギュー
一方通行「…………」
上条「はぁ……。な、微笑ましいだろ? 三人仲良く丸まってさ」
一方通行「………だが俺の布団に入ってくンのは門違いだろォが」
上条「打ち止めに夜中起こされたんだよ、『ねぇねぇ、ミサカもお姉様達の中に入りたいから場所を交代してくれないかな? ってミサカはミサカは10032号への嫉妬をあらわにする……』ってな」
一方通行「オマエがその口調を再現すっと気持ち悪くてたまンねェなァおィ」ビキキ
上条「じゃあ俺は凍え氏ねってのか!?」
一方通行「なンなら手伝うぜェ」
上条「おいおい流石の上条さんも切れますよ? 俺がいなくてこの山ん中、生きていけんのか?」
一方通行「第一位を舐めてンのかァ? オマエこそ熊や猪にはその右手は通用しねェんだぜェ?」
上条「言ってくれるじゃねえか第一位様よお、いいぜ、屋上に行こうぜ、久々にry」
一方通行「上等じゃねェか、借りに利子つけて返してやンyおbbbbbbbbbb!!!!!」バチバチ
上条「はっ………、しまった! 雷神を起こしゃぁあばばばばばばばばbb!!!!!!」ビビビ
美琴「うるさい…………ムニャ………」スー…
上条・一方「「…………」」プスプス…
174: 2011/02/08(火) 00:17:17.72 ID:02R71MJo0
~起床後~
美琴「はい、出来たわよー」カチャ
上条「おぉ、相変わらず素晴らしい朝食ですな御坂さん!!」
美琴「えへへ……///」
御坂妹(ミサカも次に来るまでに料理をマスターしておかなければ、とミサカは心の中で決意を固めます……!)
一方通行「……」ムスー
打ち止め「ごめんねアナタ、10032号を見てたらミサカも一緒に寝たくてたまらなくなっちゃって……、ってミサカはミサカは朝から不機嫌なアナタのご機嫌をとってみる……」
上条「いや、アレは全面的に俺達が悪かったって。ごめんな、御坂」
美琴「………えーと、寝ぼけてたからあんまりよく覚えてないんだけど」
上条「無粋な争いを力技で解決してくれました」
美琴「ふーん……。あ、そういえばアンタはもう帰っちゃうの?」
御坂妹「まだ別のところにも行かなければならないので、ミサカは簡潔にこたえます」
美琴「そう………。ちょっと、寂しくなるかな」
御坂妹「(ドキッ…)い、いえ、また御用があれば何時でもお呼びくだされば、また届けに……、とミサカは突然のお姉様の発言に胸を射抜かれ言語能力に混乱をきたし……!」ワタワタ
美琴(可愛い………)キュン
上条「そういやバイクのタイヤがパンクしたんだって? 自分で出来るのか?」
御坂妹「御心配なく。オフロードバイクを舐めてはいけませんよ、とミサカは作者の趣味をひけらかしてみます」
一方通行「………後で少し見せてみろ、アイスタイヤか?」
上条(お、食いついた)
美琴(食いついたわね)
御坂妹「いえ、麓のほうは雪が無いので普通のブロックタイヤです」
一方通行「そンなンでよく来たなァおィ」
御坂妹「本来ならTW225などのワイドバルーンタイヤを履く車種のほうが雪道は楽なのですが、想定していたよりも整備されていない道だったので急遽XR230に変更しました」
一方通行「懸命だなァ、アレは本格的なオフロードで走れるモンじゃねェからな」
※ちなみに私はKDX125を経て今は400ccの変態スポーツツアラーに乗っていますが、オフロードバイクの走破力はパネェです。マジです。
上条(………話についていけない)モグモグ
美琴(固法先輩ならわかるのかなぁ………)モグモグ
美琴「………」チラ
打ち止め「…………」プルプル
美琴「打ち止め、好き嫌いはダメよ?」
打ち止め「うぅぅー…」フキノトウ
美琴「全部食べたら後でお菓子作ってあげるから、ね?」
打ち止め「ホント!? なら、ちょっとだけ我慢してみる、うー…」
御坂妹「お姉様、それは今から帰るミサカへの嫌がらせですか、とミサカはお姉様にミサカへの心配りを要求します」
美琴「え、あ、ごめん……」
打ち止め「ふぃー……」クッター
175: 2011/02/08(火) 00:19:19.13 ID:02R71MJo0
~昼食後~
御坂妹「それではタイヤ交換も終わりましたので、業務に戻りたいと思います、とミサカは再訪する気満々で別れを告げます」
一方通行「身長161cmで足がつくンだなァ、XR230」
美琴「それは多分、私が脚長いからねー」エッヘン
※この辺りの会話はバイク乗りしかわからないかもしれませんので捕捉しときます。
オフロードバイクというものはその性質上、シートの高さがかなり高めに設定されています。
250ccクラスよりもわずかに軽量小型のXR230もシート高は805mmあります。(私の乗る400ccスポーツツアラーは780mm)
そのため跨ると足が地面に届かない、ということもしばしば……。
御坂妹「胸以外のスタイルの良さは姉譲りですから、とミサカは唯一納得のいかない場所を凝視しながらエンジンをかけます」キュキュキュ…
美琴「む、胸はこれからよ、これから」ムウ
御坂妹「…………おや?」
美琴「……どしたの?」
御坂妹「エンジンが………、かかりません」キュキュキュ…
一方通行「寒いからじゃねェのかァ?」
御坂妹「それもありますが……でも昨日は簡単に……あ………」キュ…
一方通行「おィ、どうした」
御坂妹「セルが……回らなくなってしまいました………」カチカチ
上条「バッテリーでもあがってたのか?」
御坂妹「いえ、ライトは点灯しているのでバッテリーは無事のはず……んん?」
美琴「?」
御坂妹「能力で電子系統を走査しようと思ったのですが、なぜかうまく能力を使えません……」パチッ
美琴「どうしたのよ、もしかして体調悪いの?」
御坂妹「いえ、すこぶる快調ですが……」
美琴「じゃあ私が……、ってあら? 私もなんかうまくいかない……」パチパチ
打ち止め「MNWもさっきから不調なんだよって、ミサカもミサカも報告しておく」
一方通行「…………頭痛ェ」
176: 2011/02/08(火) 00:20:25.87 ID:02R71MJo0
上条「お、おいおい、なんだ? なにが起こってるんだ?」オロオロ
打ち止め「………あ、治った」
御坂妹「(キュキュ…ブロン……)あ、こちらもちゃんとエンジンがかかりました、とミサカは報告します」
上条「なんだってんだ、いったい……?」
美琴「AIM拡散力場が影響したのかしら……? レベル5が二人と同じ能力者が3人いるからとか……?」
御坂妹「だとしたら学園都市は今頃廃墟でしょう、とミサカはその説をあっさり否定します」
美琴「そうよねぇ………じゃあなんで……」
『………実は、一家全員、氏んだんだってさ』
美琴「………」
ギュ ←上条さんの服の裾を掴m
上条「ん? どうした、御坂?」
美琴「……ねぇ、昨日の話って、ホント?」
上条「昨日?」
美琴「この家、良くない過去があるって……」
上条「あぁ、あれか。いや、土御門から聞いた話だからホントかどうかは……」
御坂妹「なんだか怖くなってきたのでミサカはお先に失礼します、とミサカは逃げるように立ち去ります」ブロロ…
美琴「気をつけるのよー!」
御坂妹「なにかあってもMNWがありますので。お姉様もグッドラックです」
ブロロ…
上条「………気になるなら家を変えてもらうか?」
美琴「………」コク
打ち止め「ふぇぇ……こんなとこ一刻も早く立ち去りたいってミサカはミサカはぁぁ………」ギュー
一方通行「……耳引っ張ンな、痛ェ」
177: 2011/02/08(火) 00:24:36.14 ID:02R71MJo0
prrrrrrr……
pi
土御門『おーカミやん、元気にやってるかにゃー?』
上条「元気ではあるんだけどな、ちょっとした問題があってなー」
土御門『問題? そこまで老朽化は進んでないと思うがにゃー』
上条「いや、家の強度じゃなくてだな。土御門、お前が昨日言ってたのは本当か?」
土御門『昨日?』
上条「この家の一家全員が氏んだ事件があったって話だよ。御坂達が怖がってるし、俺としても居心地悪いぞ」
土御門『…………本当だにゃー』
上条「はぁ……、なら、悪いが別の家を紹介してくれないか? 無理だったらもう学園都市に帰るけど……」
土御門『駄目だ』
上条「はぁ?」
土御門『俺がいいというまでカミやん達にはそこに居てもらう。安心しろ、そんな事件もあったが幽霊なんて出やしないし祟りなんかも起きない』
上条「な……! テメエ、まさかまたなんか……!」
土御門『危険はない、これは保障する。氏んだのは天草式の連中だ、とでも言えばわかるか?』
上条「おい、御坂まで巻き込もうってんなら容赦しねえぞ……」
土御門『そこは昔から聖なる土地として天草式が代々守ってきたところなんだ。悪霊なんていない。むしろ神聖なとこなんだぜい?』
上条「……なんで俺達なんかを送りこんだ?」
土御門『天草式も人手不足でにゃー、カミやんがどっか田舎に借りられる家と土地はないかって言ってたから、こりゃりょうどいいってことで……』
上条「……」
土御門『氏んだ連中もなんか変なことに手を出してたらしいぜい? 言うならば自業自得ってやつだにゃー。それに氏んだのはもう少し奥の山の中でその家ではないからにゃー』
上条「…………しかたねぇ、それぐらいで納得してやるか。危険はないんだな?」
土御門『今のとこはまったく。万が一なにかあってもすぐ迎えに行くからにゃー、テレポーター連れて』
上条「おい、それじゃ俺は逃げられねえじゃねぇか!!」
土御門『ふはははー、さらば!』
ブツッ……ツー…ツー…
上条「………はぁ」
美琴「ど、どうだった?」
上条「そういう事件はあったがこの家は関係ないんだとさ。あと、この辺りは昔から聖なる土地とされてきたらしい。だからなんかあっても決して悪いモンじゃないってさ」
美琴「そう……」ホッ
一方通行「ならなンだァ? さっきのは妖精さんの悪戯とでも思えってェのかァ?」
上条「ま、そんなとこだろ」ハア…
美琴「ロシアでもいろいろ見てきたしもう何が起きても驚かないけど……、神聖な土地なのね……」
上条「すまん、こんなのに付き合わせて」
美琴「別に……、けっこう楽しいし、あ、アンタと一緒だし……///」
上条「え?」
美琴「……………バカ」ボソッ
打ち止め「妖精さん?」ナニソレ
一方通行「要するに、あのサングラスのエセ陰陽師にしてやられたってことだァ。……ったく、せめてコーヒーの差しいれくれェしろってンだ……」スタスタ
打ち止め「?」
178: 2011/02/08(火) 00:27:35.52 ID:02R71MJo0
~山の麓の街中~
ブロロ…
「ここでいい、停めてくれ」
キッ
…バタン
神裂「……随分と速いですね」
土御門「……よっ、ねーちん」
神裂「………どうですか、首尾は?」
土御門「さすがにレベル5、不穏な空気を嗅ぎつけるのも早いみたいだにゃー」
神裂「つまり、既に露見したと?」
土御門「いや、適当な理由つけて誤魔化したといたぜい。聖域であるのには間違いないしにゃー」
神裂「手間をとらせてしまってすみません……、私も動く余裕があれば……」
土御門「……天草式の内乱の鎮静は厄介だな。透波・乱波の流れを汲んだ情報戦もお手のモンだしにゃー…」
神裂「だからこそ、この山だけは守り通さなければ……。“アレ”はそう簡単に世に出していいものではないんです……!」
土御門「イギリス清教からしても学園都市からしても、アレが使われるのは好ましくないからにゃー、今回ばかりは一蓮托生ってやつだぜい」
土御門「………お、戻ってきたぜい」
ブロロ…
土御門「よっ、お届け物はちゃんと配達してくれたかにゃー?」
御坂妹「言われるまでも無く届けてまいりました、とミサカは仕事の完了を報告します」ブロロ…
土御門「助かるにゃー。ところで、向こうでなんか変わったことはなかったかにゃー?」
御坂妹「変わったこと、ですか? 朝起きると一方通行が真っ黒に焦げていたとか……」
土御門「………他には?」
御坂妹「そうですね……。そういえば先程あちらを出発する際、バイクのエンジンがかからずしかも全員が能力を使えなくなるという事態に陥りました」
神裂「……!」
御坂妹「それ自体は数分で改善したのですが、ミサカにとっても気味の悪い体験でした、とミサカは鳥肌を隠しきれません」
土御門「そうか……。すまん、またなにかあったら呼ぶから、温泉でも入ってくつろいでてにゃー」
御坂妹「了解しました、とミサカは内心怪しく思いながらもこの場を後にします」
ブロロ…
神裂「既にそんなことが……」
土御門「内乱中の連中がなにかしでかしたか、カミやんが入ったからか……。いずれにしても、結界はかなり不安定になってるようだな……」
神裂「この際ですから、結界の再構築くらいはしておいたほうがいいかもしれませんね」
土御門「だな。おいステイル、いつまで煙草吸ってんだ、行くぞ」
ステイル「………やれやれ、やっと動くのかい。いつになったら呼ばれるんだと少し不安だったよ……」
土御門「それにしても一方通行が真っ黒焦げって……。なんか楽しそうだにゃー、俺も行きたいにゃー」
神裂「にゃーにゃー言ってる場合じゃないでしょう……」ハア…
179: 2011/02/08(火) 00:30:27.87 ID:02R71MJo0
~ところ戻って山中の家、夜。美琴たん入浴中~
美琴「………ねぇ」チャプ
上条『んー、なんだー?』ユワカシチュウ
美琴「……もしかして今回も、面倒に巻き込まれたの?」
上条『…………えーと、そうといえばそうなんですが、そうでもないといえば……』
美琴「………ビリビリ」ボソッ
上条『巻き込まれました、スミマセン』
美琴「うむ、正直でよろしい」
上条『へへぇ……』
美琴「………でも、なんか嬉しい」
上条『へっ?』
美琴「なんていうか、その、アンタの力になれるのが……」
上条『……』
美琴「アンタ、いつもいろんなことに巻き込まれてるじゃない? なのに私になにも言わずに抱え込んで、氏にかけて」
上条『それはその、無関係なやつを巻き込みたくないというのも……』
美琴「私は学園都市の第三位よ? 解決まで出来るかどうかはわからないけど、でも、少なくとも多少の手助けは出来る」
上条『……』
美琴「今回はアンタが何を言おうとチカラになってやるんだから…!」
上条『ありがとな、御坂。だけど、今回はホント面倒なだけで危険はひとつもないみたいだからさ、そんなに気合い入れなくても大丈夫だぞ?』
美琴「ホントに?」
上条『あぁ、アイツがそう言ってたんだ、間違いない』
美琴「ふーん……」
180: 2011/02/08(火) 00:31:20.79 ID:02R71MJo0
上条『それより、もっと農家のありがたみを勉強しようなー。上条さん、豆の件を許したわけじゃないからなー』
美琴「……………ばか」
上条『へっ?』
美琴「ホント、馬鹿。もう知ーらない」ザバッ
上条『えっ? なんか上条さん、またもや御坂様のお怒りを……?』
美琴「……」
上条『………あがったのか、寒いし俺も中入るかー』スタスタ
美琴「……」カクレテル
上条『はぁ…………、大事な知り合いを、しかも女の子を巻き込めるかってんだ……』ブツブツ
美琴「……」
美琴(いま、『大事な』って……/// でも知り合いどまりかぁ……)
美琴(いやこれからよこれから! やっと私のこと女として見てくれるようになったんだし……!)
ガラッ
打ち止め「あれ? お姉様まだあがってなかったの? もうあがったって聞いたから来たんだけど……」
美琴「打ち止め……? ってことは……」チラ
一方通行「…………」
美琴「…………」
一方通行「………」
一方通行「…………………不幸だ」ボソッ
181: 2011/02/08(火) 00:33:16.13 ID:02R71MJo0
…
バサッ
上条「……」
美琴「……」
上条「……わかってるよ、一緒に寝るんだろ?」
美琴「………えへ」
上条「お前、健康男子の性欲なめてないか? それに好きでもない男と一緒に寝るなんて道徳的にもいろいろと……」
美琴「………だったら、問題ないじゃない」
上条「えっ?」
美琴「おやすみー」ゴソゴソ
上条「お、おい今の……」
美琴「………」
上条「あのー…」
美琴「……寒い」
上条「へ?」
美琴「寒いから、早く入ってきなさいよ」
上条「あ、はい……」
上条(気のせいかな……?)ゴソゴソ
美琴「………」ギュウ
上条「」
上条(ききき気のせいではないのかな……!? 上条さんの脳はなんだかパンク寸前ですよ!?)
美琴「えへ………///」ギュー
上条(いやいや、御坂が俺のことを……? そんなことは天地がひっくりかえってもあり得ないことでしてね……!?)
…
打ち止め「……あ、治ったよ」
一方通行「あァ?」
打ち止め「こっちに来てからずっとMNWが不安定だったんだけど、たったいまピタッてネットワークの揺らぎが消えちゃった、ってミサカはミサカは説明し辛いけど頑張って説明してみる」
一方通行「……俺の能力が不安定だったのもその所為か」
打ち止め「うん、多分そうだと思う。でももう安心だねってミサカはミサカはアナタの胸の中にダーイブ!」ムギュ
一方通行「寄ンな、暑苦しい」
打ち止め「強がっちゃ駄目だよ? こんな寒いのにアナタみたいなモヤシがたったこれだけの布団で暖かいわけがないものって、ミサカはミサカはもっと過激にすり寄ってみたりー♪」
182: 2011/02/08(火) 00:34:40.43 ID:02R71MJo0
一方通行「……湯たンぽ代わりにぐれェはしてやる、だがくっつき過ぎだァ、寝苦しい」
打ち止め「むぅ……、アナタもお姉様並に素直じゃないって、ミサカはミサカは不満をあらわにしてみる……」
「ふにゃー」
「ま、まずい油断してえべべべべべべべべb!!!!!」
打ち止め「………」
一方通行「……俺はあンなに過激じゃねェ」
打ち止め「アナタがあんなことしたら大変なことになっちゃうよ……」
一方通行「…………寒ィ、さっさと寝ろ。寝て大人しくなったら湯たンぽに使ってやる」
打ち止め「寝たよ」
一方通行「…………」ブニ
打ち止め「いはいいはいよってへ、みさははみさははむにゅー……」
一方通行「寝ろ」
打ち止め「ぶー…、もうちょっと積極的にならないのーって……」
ギュ
一方通行「…………寝ろ」
打ち止め「は、はひぃ………///」
田舎生活5日目、終了
6日目は特になにもなく、7日目の朝。
上条「温泉、行きたくね?」
美琴「えっ?」
203: 2011/02/09(水) 00:22:56.91 ID:WLd5Uy5b0
~田舎生活7日目、朝~
美琴「うぅん………」パチ
美琴(朝、か………)チラ
上条「うぅ……」ムググ
美琴「……?」
上条「先生……それだけは勘弁を………」グウ
美琴「……? …………寝言?」
一方通行「あァ!?」
美琴「!」ビクッ
一方通行「だァから“薫るブラック”じゃなくて“薫りのブラック”なンですゥ、この違いが素人にはァ……ムニャムニャ………」
美琴「…………寝言、なの?」
打ち止め「にゃ!!」
美琴「!!?」ビクッ
打ち止め「わかったよぅ……ボスのシ○キーブラックでいいんだね? ってミサカはミサカh……ムニャ……」
美琴(寝言で会話してる……!? 恐ろしい子……!)
美琴「…………」
美琴(わ、私も会話、出来るかな………?)チラ
上条「クカー………」
美琴(寝てる……、よね)
美琴(よし………!)
美琴「ね、ねぇ、と、とうま………?」
上条「…………んぁー?」ムニャムニャ
美琴(返事した……!)ドキドキ
美琴「と、とうまは私のこと、好き………?」
上条「……嫌いでは、ないですねー………」ムニャ
美琴「………て、ことは好きって受け取ってもいいの、かな?」
上条「まあそう言えばそうかも……」
美琴「そっ、そそそそうなんだ……。好き、かぁ………えへへ……///」
上条「……つーか朝っぱらからなにやってんだ、御坂?」ムク
美琴「」
204: 2011/02/09(水) 00:25:07.19 ID:WLd5Uy5b0
上条「珍しく漏電しないと思ったら、今度はなんか好きだの嫌いだの………」
美琴「アンタ……起きて………」プルプル
上条「悲しいかな、防衛本能が働くのか御坂が起きる気配で目が覚めちまうんだ、いやはや……」
美琴「……………ふ」プルプル
上条「………げ」
美琴「ふぎゃーーーーーーーーッッ!!!」
上条「ちょちょちょ御坂さん!? その電圧は流石にあぶn
ガッシャーン……
………
……
…
~朝食後~
御坂妹「というわけでミサカです」
上条「すまんなー、毎度毎度布団頼んでばっかで」プスプス
美琴「……」シュン…
御坂妹「ここに来る口実にもなりますのでそれは別にいいのですが、しかし布団はそんなに短期間で消耗するものではないと思うのですが……」
美琴「うぅ……ごめんなさい……」シュン
上条「いや、もうなんていうか……慣れたっていうか……」ナデナデ
美琴「ふぇぇ……」
御坂妹「………まさかッ!! 布団を一組消費するほどの激しい夜の営みをッ!!?」
上条「本気で言ってんのか、それ?」
御坂妹「もちろん冗談ですが半分本気です。純粋無垢で飴で釣れる子供並にチョロいお姉様と万年発情の猿のような薄い理性しか持ち合わせていなさそうな貴方の組み合わせならば、とミサカはどストレートな表現で解説します」
上条「おい」
御坂妹「そんなアナタにこの名刺を差し上げましょう」スッ
上条「ん? ………“ダッチミサカ臨時支店”?」
御坂妹「欲望を抑えきれない場合は是非、その電話番号にお電話を」
美琴「……」パシッ ←名刺奪取
美琴「……」シュボッ ←能力で焼却
上条「………」
御坂妹「………他に御用はありませんか?」
上条「あるにはあるんだけどなー……、ま、今はいいや」
御坂妹「では、いったん戻ります。また布団がなくなったり身体を持て余したりする時はお呼びください、とミサカは今回はさっさと帰ります」
上条「おー、ありがとなー」
ブロロ…
美琴「…………アンタ、身体、持て余したりしてるわけ?」ジトメ
上条「本気にすんなよ、つーかまた“アンタ”なんだな」
美琴「へっ?」
205: 2011/02/09(水) 00:27:13.49 ID:WLd5Uy5b0
上条「朝は名前で呼んでたからさ、やっと俺を人間として扱ってくれるようになったんだなーと感動してたんだけどなー……」
美琴「はわ!?」
上条「ま、そうですよね……期待なんかしてないですよ……はは………不幸だ」
美琴「あ、アンタが……!」
上条「んー? いいよ、別にそれくらい慣れてますから……」
美琴「そうじゃなくて! あ、アンタがそのほうがいいって言うんだったら、名前で呼んでも……いいのよ……?」
上条「……そりゃ、上条さんだって親のいる人間ですから。名前で呼ばれるほうがいいに決まってますよ?」
美琴「じゃ、じゃあ………///」
上条「……」
美琴「と………」
上条「……」ジー
美琴「と、とう……」
上条「……」ジー
美琴「う、うぅぅ………!」
上条「……」ジー
美琴「………馬」
上条「馬鹿にしてんのか?」
美琴「違うわよ! カミジョウトウマ! はい、これでいいでしょ!!」
上条「うわー…なんていうか今の、文字にしたら絶対全部カタカナ表記だろ」
美琴「そそそんなこと……! ………ない、わよ」シュン
上条「へいへい……」
美琴「……とうま」
上条「……」ドキッ
美琴「………出来るだけ、普段から言えるように努力はするから。今はそれでいいでしょ?」ウワメヅカイ
上条「あ、あぁ………」
上条(なんだこの可愛らしい小動物は……。ていうか怖い、いつビリビリするかわからない怖い)
美琴「えへへ………/// じゃ、畑を見に行きますかー!」タタタ…
上条「お、おう……」
上条(なんかよくわかんねえけど、機嫌良くなったみたいだし、まあいいか……)
一方通行「……三下のやつ、アレわざとやってンのかァ?」コソッ
打ち止め「ねっ? びっくりするくらいの鈍感さでしょ? ってミサカはミサカはため息をつく…」コソッ
一方通行「誰に対してもアレか………、はァ……リア充爆発しろォ」
打ち止め「しかもいきなり下の名前呼ぶってとこに何の疑問も持たないとこも徹底してるよね……」
206: 2011/02/09(水) 00:29:14.65 ID:WLd5Uy5b0
…
美琴「んー、やっぱりそんなすぐに変化はないわよねー…」
上条「そういえば食糧のストックは一カ月分しかないんだよなー…。肥料、足してみるか?」
美琴「肥料ってあの学園都市製の? なんか怖い……」
上条「5ミリくらいなら大丈夫なんじゃないか? 持ってくるわー」スタスタ
美琴「うーん……、あんま信用したくないんだけど……」
打ち止め「お姉様ー!」タタタ…
美琴「あ、打ち止めどこに行ってたのよ?」
打ち止め「それはえーと……。それより、野菜はどーなの? ってミサカはミサカはドキドキワクワク!」
美琴「流石にまだ変化は無いわね、いまアイツが肥料取りにいってるけど…」
打ち止め「……“アイツ”?」
美琴「う……」
打ち止め「せっかく堂々と名前で呼べるようになったのにもったいないよって、ミサカはミサカは素直じゃないお姉様を心配してみたり…」
美琴「な、なんでアンタがそのことを……! でも、その、まだ慣れてなくて……あう……///」
打ち止め(こういうとこはミサカ達から見ても可愛いって思うのに、あの人ときたら……)ハア…
上条「持って来たぞー、んじゃ撒くかー」
美琴「少しよ! ほんの少しだけ!」
上条「わかってるって……」
パシャ…
上条「さて、どうなるかな……」
美琴(嫌な予感しかしない……)
ポポポポポン…
フワフワ~
上条「……」
美琴「……」
打ち止め「…………飛んでっちゃった……」
美琴「…………頭痛くなってきた」
上条「…………」
一方通行(………メルヘンだなァ)
294: 2011/02/11(金) 00:23:26.10 ID:FvajUkZS0
…
上条「はぁ……」グター
美琴「お疲れ様ー、お茶飲む?」
上条「おーサンキュー…」グテー
美琴「………大変だったわね」
上条「まったくですよ、まさかまた野菜を植えなおすことになるとは思わいませんでしたよチクショウ」
美琴「さすが学園都市というか、さすがアンタというか……あ………」
上条「そうか、これも不幸のひとつなんだな………不幸だ」ハァ…
美琴(また“アンタ”って言っちゃった……)ドヨーン…
ガラッ
一方通行「………なンだァ、この部屋だけ妙に湿度が高くねェかァ?」
美琴「……気のせいじゃない?」ドヨーン
上条「……気のせいですよ」ハァ…
一方通行「…………茶、貰うぜェ」
美琴「どーぞ……」
一方通行「………渋ィ」ズズ…
美琴「文句言うな、打ち止めは……?」
一方通行「向こうで寝てらァ」
美琴「そう……私も寝ようかな………」ドヨーン
上条「ぐはー、だりー……」グテー
一方通行「…………」
一方通行「空気が悪すぎンだろ、オマエら風呂にでも入ってこい」
上条「…………風呂?」グテー
一方通行「気分転換でもしろってンだ、こっちまで気分悪くなンだろォが」
美琴「嫌ぁー…沸かすのめんどくさいー……」グテー
一方通行(………付き合いきれねェ)スタスタ…
295: 2011/02/11(金) 00:24:13.81 ID:FvajUkZS0
上条「もっと、こう……、深みのある癒しを………」
上条「……………御坂」ムクッ
美琴「なーにー……?」
上条「温泉、行きたくね?」
美琴「えっ?」
上条「思い出したんだよ。この山は火山でな、麓の町には温泉旅館もたくさんある」
美琴「あ、街に行くの?」
上条「それはダメ」
美琴「ぶー……」
上条「だからさ、温泉探そうぜ。もしかしたら山のどこかに温泉の湧いてるとこがあるかもしれねえぞ?」
美琴「な、なんかえらく都合のいい話だけど……」
上条「気にしたら負けだぜ御坂。よし、御坂妹に連絡だー」ピピピ
美琴「温泉……かぁ………」
296: 2011/02/11(金) 00:25:10.22 ID:FvajUkZS0
…
上条『ついに見つけたぜ、この山の幻の秘湯を……!』
美琴『やったわね、当麻……!』
上条『あぁ…、よし、早速入るぞ、御坂』
美琴『ふぇ!? いまから!?』
上条『当然だろ、ほら早く…』
美琴『で、でも、タオルとか無いから隠せないし……』
上条『……御坂、俺達は想像を絶する困難を切り抜けてこのお湯を探し当てた最高のパートナーだ。そんな俺達の間に、隠し事なんて必要ない』
美琴『当麻……!』キュン
上条『さあ、俺達二人だけのこのお湯で、お前の全てを見せてくれ、御坂……!』
美琴『当麻……///』
…
美琴「えへへ……とうま……だめだよぅ………///」
上条「あのー、御坂さん? なにが駄目なんでせうか?」
美琴「ふぁ!? え、いや、別になにも駄目なんかじゃ……!」ワタワタ
上条「じゃ、じゃあ明日からってことで……」
美琴「は、はい…! よろしくお願いします……!///」
上条「……?」
297: 2011/02/11(金) 00:26:55.21 ID:FvajUkZS0
~8日目、朝~
御坂妹「というわけでミサカです」
上条「あれ? なんかその道のプロが来るんじゃなかたっけか?」
御坂妹「ミサカ自身がここに来たかったのと、『絶対なんか起こるから様子を見ててくれにゃー』と、金髪アロハの雇い人からの指示がありましたので、とミサカはミサカがここにいる理由を説明します」
上条「………キャンセルしようかな」
美琴「………なんか異様に帰りたくなってきたんだけどなんでだろ」
一方通行「奇遇だなァ、俺もだ」
打ち止め(ミサカは事前にMNWで聞いてるけど……、そんなに大変なことかな、ってミサカはミサカは三人の反応が気になったり…)
御坂妹「そろそろ来るはずなんですが……」
バババ…
上条「……?」
美琴「この音……、ヘリ?」
一方通行「………」スッ ←落ちてた石を拾った
打ち止め「………あ! あのヘリコプターかな? ってミサカはミサカは指を差す!!」
バババ…
垣根「はっはァーーーー!!! 俺の手を借りたいってぇのはどこのどいつだぁーーーーッ!!???」
一方通行「…」ヒュッ ←石をベクトル変換
ドカンッ
ヒュルルルル…
ボンッ
打ち止め「………」
上条「…………墜ちたな」
美琴「…………墜ちたわね」
一方通行「オレァ寝る、絶対に邪魔すンじゃねェぞォ」スタスタ
ダダダ…
垣根「テメエェェーーーーーーッ!!!! ここで会ったが百年目ぇぇぇえええ!!!」ダダダ
一方通行「てェェェェェいとくゥゥゥゥンンン!!!! 邪魔すンなっつっただろォォォォ!!!!!!」
ズドーン……ガシャァ………
上条「………」
美琴「………」
打ち止め「………」
美琴「……打ち止め、危ないからこっちに来なさい」
打ち止め「うん……お姉様……」
299: 2011/02/11(金) 00:28:21.21 ID:FvajUkZS0
上条「これ、まともに話進むのか?」
御坂妹「ミサカ達にはどうすることもできません。強いて言うならお姉様ならある程度の手だしは出来るでしょうか、とミサカはお姉様に視線を向けます」
美琴「第二位のほうはともかく、一方通行は反射を組んでるから無理ね。ていうか手出しする気にもならないわ」
御坂妹「ならば……」チラ
打ち止め「……」チラ
上条「…………そうなりますよね」ハア…
…
御坂妹「ということで、こちらがこの度温泉探しの指導をしてくださる垣根ていとくんです」
垣根「よろしk……ん? いま何か変じゃなかったか?」
御坂妹「気のせいでしょう、とミサカは堂々としらを切ります」
一方通行「ハッ、イイじゃねェか、中学生にすら馬鹿にされる第二位様なンて傑作だぜェ」
垣根「それだけ俺は女の子から見てフレンドリーだってことさ。テメエと違って愛想は良くしてっからな」ピキピキ
一方通行「なンだ、愛想だけって自覚はあるンじゃねェか」ビキキ
御坂妹「上位個体、埒があかないので一方通行の演算を切ってください」
打ち止め「いぇっさー、ごめんねアナタ」ピッ
一方通行「」
御坂妹「さて、では話を………。おや、話の当事者達が見当たりませんね……?」
垣根「当事者ってもしかしてあっちで別空間作ってる二人か?」
美琴「とうま、大丈夫?」ヒザマクラ
上条「……なんとか大丈夫です、でも御坂さん、この状態は男としては嬉しいけど少し恥ずかしいというか……」
美琴「怪我人は遠慮しないの、えへへ………」ポワポワ
上条「そ、そうですか………」
垣根「アレはなんだ? 俺へのあてつけか?」
御坂妹「まさか。しかしあの状態においてもお姉様から出ているピンク色のハートに気付かないとは……。上条当麻、おそるべしです、とミサカはもはや嫉妬さえ湧かないほどの現状にうんざりします」
打ち止め(ミサカも膝枕、出来るかな……?)チラ
一方通行「」
打ち止め「んしょ………」ズリズリ
一方通行「」ヒキヅラレ
垣根「……」
御坂妹「……」
垣根「……なんだ? 俺はこれを見せつけられるためにここに来たのか?」
御坂妹「……お姉様」
美琴「なぁにー?」フニャフニャ
御坂妹「ゴキブリがそこに」
美琴「ふぎゃッ!!?」バッ
上条「(ゴッ)あたっ!」
300: 2011/02/11(金) 00:30:32.42 ID:FvajUkZS0
…
御坂妹「ということで、こちらがこの度温泉探しの指導をしてくださる垣根ていとくんです」
垣根「だからさ、なんか変じゃないか?」
美琴「…………クスッ」
垣根「超電磁砲、ふぇみにすとな俺で良かったなぁ、普通だったら八つ裂きにしてんぞ」ビキキ
美琴「アンタ、第二位の未元物質でしょ? ていとくんって………」クスクス
垣根「決めた、こっちにいる間に10回は犯してやる。覚悟しとけよ?」ピキピキ
美琴「やれるもんならやってみなさいよ、言っとくけど怪我じゃ済まないわよ?」バチッ
バチバチ… ←火花の小競り合い
上条「……“こっちにいる間”って、もしかしてここに泊まるのか?」
御坂妹「なんでも『やるからには全力でやるのが俺のモットーだ。温泉作るなら地下まで掘り下げて源泉引っ張ってやる』とのことで、作業に時間がかかるため泊まり込みになったらしいです、とミサカは正直もう帰りたいのをこらえながら説明します」
上条「マジかよ……。学園都市のトップ3が集まるなんてどうなってんだ……?」
御坂妹「なんにせよ、こうなったからには受け入れるしかないでしょう。それにミサカも内心、本格的な温泉作りというのも楽しみにしてます、とミサカはミサカの心の内を吐露します」
上条「ま、そうだな……。おーい、御坂ー」
美琴「ふにゅうぅぅ………!」バチバチ
垣根「ぐるるるる…………!」バチバチ
上条「ほら御坂なにやってんだ、ちょっとこっち来い」グイ
美琴「フシャーーーーッ!!!」
上条「………俺に威嚇してどうする」
美琴「ふしゅ………」
上条「まぁ聞け、これからの生活を考えても、温泉のことにしてもあの人がいないとどうにもならねえんだよ、わかるか?」
美琴「……! お、温泉やめちゃうのはやだ……かも…///」
上条「だろ? だからここは我慢してくれ、な?」
美琴「…………わかったわよ、しかたないわね」
上条「よし、じゃあ仲良くな。ほら、お世話になるんだから改めて挨拶しとけよ」
垣根(はぁ……一方通行はいるわ、女の子はいてもガキだわ、唯一マシな年齢の超電磁砲も……)
美琴「あの……」
垣根「あん?」
美琴「よろしく、お願いします………///」ナミダメウワメヅカイ
垣根(…………………悪かねぇな)
美琴(い、今だけよ今だけ! アイツと温泉に行くチャンスの為なんだから……!)
301: 2011/02/11(金) 00:31:53.10 ID:FvajUkZS0
垣根「よし、じゃあ早速温泉探しに移動するかー、お譲さん」グイッ
美琴「え、あの………」
パシ
上条「………」
美琴「え……とうま………?」
上条「……あ、あれ? 俺、いまなにして……?」
垣根「………ほー、そうか、自分以外の男には触らせねぇってか。いいぜ、今回のエスコート役は譲ってやるよ」
上条(……あれ? 無意識のうちに……。ま、いっか)
垣根「んじゃ、暗くなる前に帰らないといけねえからもう行くぞー」
上条「あ、ちょっと」
垣根「なんだァ? 惚気は後に……」
上条「いや、ちょっと見てもらいたいものがあるんで」
美琴(………なんだったんだろ、いまの……)
…
垣根「…………なぁ」
上条「はい」
垣根「オレは野菜を見にここに来たわけじゃねぇ」
上条「はい」
垣根「オマエらはオレになにを期待してるんだ? 便利屋かオレは?」
上条「いえ、しばらくここで暮らすんだったら垣根サンにも関係してくることなんで」
垣根「は?」
上条「この家、食糧はあと3週間分しか無いんですよ。しかも元々2人分の予定だったんであと3週間も持たないかもしれませんねー」
垣根「……つまり、自分も食うもんなんだからなんとかしろと?」
上条「………わかりやすく言えば」
垣根「チッ………、仕方ねぇ、なんとかしてやる」
美琴「………私は食べたくないかも」
打ち止め「……ミサカも遠慮したいかな」
一方通行「………オレァ絶対に食わねェ」
302: 2011/02/11(金) 00:34:00.62 ID:FvajUkZS0
垣根「よし、じゃあ今回のプランを説明する」
美琴・打ち止め「「いぇっさー!!」」
垣根「(……可愛いじゃねえか)温泉探しとは言っても、オレは中途半端なことはしない主義だ、言いたいことがわかるか?」
上条「俺としては、どっかで湧いてる温泉探してそこに穴掘って…くらいのを予定してたんですが……」
垣根「甘い! 俺が来たからには、商売が可能なほどの環境にしてやる! ただし!」
美琴「ただし?」
垣根「………経営権はオレにくれ」
打ち止め「うわぁ………」
垣根「スクールもね、経営難なんですよ。そこんとこお願いします、いやホントに」
一方通行「……………きめェ」
垣根「よっしゃ話はとりあえず終わりだ。んでテメエはもう呼んでやらねぇ」
一方通行「あァ? 小学生かオマエは。わざわざこンなとこまで営業ご苦労さまですゥ(笑)」
垣根「いいのかそんなこと言っててよォ、テメエこそあの口リと一緒に温泉入る気満々だったんじゃねえのかァ?」
一方通行「残念だったなァ、風呂は既に経験済みだァ」
美琴「ちょっと待ちなさい、それどういうこと?」
一方通行「あ」
美琴「………打ち止め♪ 今日からお風呂は毎日私と一緒に入るのよー?」
打ち止め「うん、お姉様♪」
一方通行「」
一方通行「………もう、いい、好きにやってくれェ…………」
垣根「いや、その…………、なんかゴメン」
~山の中~
垣根「んで、温泉といったら川沿いだと思うだろ?」
上条「あーなんかわかる気がします」
垣根「だろ? よしよし、良かった、まともに話が出来るやつがいて……」
上条「はは……」
美琴「ツワブキ、ユキノシタ、フキノトウ………、あと春の七草ももうあるのかな……?」
上条「お、御坂、自分で調べたのか?」
美琴「うん、でも、どうしてもタンパク質が取れないのよね……」
上条「そうだな……、これが本州の太平洋側とか、瀬戸内海沿岸だったらな。気候が温暖だから冬でもいろいろあるんだけどなー…」
美琴「はぁ……早く暖かくならないかな……」
垣根「……」
打ち止め「だから、寝るときは一緒なんだからいいじゃない、ってミサカはミサカは不機嫌なアナタを説得してみる!」
一方通行「うっせェ……黙ってろ……」
打ち止め「もー! ホントにアナタってお姉様並に素直じゃないって、ミサカはミサカはツンデレの自覚のないアナタにイライラするーー!!」
垣根「……」
垣根「……あれ? オレってかなり寂しくね?」
322: 2011/02/11(金) 14:59:44.98 ID:FvajUkZS0
~その頃、麓の街中を走るとあるバスの中~
ブロロ…
佐天「いやー、まさかこんなイイとこにタダで来れるなんて、私達もツイてるねー」
初春「ですねー、でもまさか学校の先生から温泉旅行を紹介されるなんて思ってもいませんでした~」
佐天「それも日頃の行いが良かったからだねっ!」
初春「そうですね~、でも………」チラ
黒子「…………」ブスー
佐天「………あの、白井さん…」
黒子「………なんですの?」
佐天「…………いえ、ナンデモナイデス…」
初春「御坂さん、急に長期野外研修とやらに行っちゃいましたもんねー。白井さんに愛想が尽きちゃったんでしょうかー…」
黒子「ウイハル」
初春「はい?」
黒子「覚えときなさい」
初春「はい」
黒子「………」
佐天「あは、はは………」
「次はー、○○旅館前ー、○○旅館前ー。お降りのかたはry」
初春「あ、あれですよ! 私達が泊まるの!」
佐天「どれどれー? ……うわ、でっか!! だだ大丈夫なのかな、あんな高級そうなとこ……!」
黒子「……? 平均的なところじゃないですの、別にそんなに畏まらなくとも……」
佐天「そりゃ、常盤台の人から見たらそうかもしれませんけど……」
小萌「あれ? もしかしてアナタ達も学園都市主導の温泉旅行ですか?」ヒョコ
佐天「へ? あ、はい、そうですけど……」
ブロロ…
佐天「いやー、まさかこんなイイとこにタダで来れるなんて、私達もツイてるねー」
初春「ですねー、でもまさか学校の先生から温泉旅行を紹介されるなんて思ってもいませんでした~」
佐天「それも日頃の行いが良かったからだねっ!」
初春「そうですね~、でも………」チラ
黒子「…………」ブスー
佐天「………あの、白井さん…」
黒子「………なんですの?」
佐天「…………いえ、ナンデモナイデス…」
初春「御坂さん、急に長期野外研修とやらに行っちゃいましたもんねー。白井さんに愛想が尽きちゃったんでしょうかー…」
黒子「ウイハル」
初春「はい?」
黒子「覚えときなさい」
初春「はい」
黒子「………」
佐天「あは、はは………」
「次はー、○○旅館前ー、○○旅館前ー。お降りのかたはry」
初春「あ、あれですよ! 私達が泊まるの!」
佐天「どれどれー? ……うわ、でっか!! だだ大丈夫なのかな、あんな高級そうなとこ……!」
黒子「……? 平均的なところじゃないですの、別にそんなに畏まらなくとも……」
佐天「そりゃ、常盤台の人から見たらそうかもしれませんけど……」
小萌「あれ? もしかしてアナタ達も学園都市主導の温泉旅行ですか?」ヒョコ
佐天「へ? あ、はい、そうですけど……」
323: 2011/02/11(金) 15:01:12.61 ID:FvajUkZS0
小萌「おぉー! 柵川中学に常盤台中学も参加してるのですねー、これは楽しみですー!」
青髪「おぉー! 正統派黒髪ロングに希少なお花畑っ娘、さらにツインテールのお嬢様ときましたか! これはこの旅行、素晴らしいものになる予感(バシッ)ぶぺっ!?」
吹寄「黙れ、我が学校の恥」
姫g「正統派黒髪ロングなら。ここにもいるのだけれど。」
佐天(……なんか濃いメンツだなぁ)
小萌「そちらは見たところ学生さんだけみたいですね? なにかあったらこの月詠小萌にご相談あれなのです!」ドーン
初春「ふぇ? そちらも学生さんだけなんじゃ……?」
小萌「わ、私はこう見えても立派な教師なのですよー!?」
佐天(………濃いメンツだなぁ)
「○○旅館前ー、○○旅館前でーす」
プシュー…
ゾロゾロ…
佐天「ふわー…、近くで見るとやっぱり凄い旅館だねー…」
初春「な、なんだか場違いな気も……」
黒子「なにを呆けておりますの、早くチェックインしますわよ」スタスタ
佐天「お、おぉ…さすがお嬢様、なんだかカッコイイ……!」
初春「ま、待ってくださいよぅー……!」
土御門「よーう皆さん、元気してたかにゃー?」
吹寄「……何日も体調不良で休んでいたくせに、こういう時だけはしっかり合流するんだな?」
土御門「そりゃーこんなイベント逃すなんて男じゃないぜよ」
小萌「じゃー全員集まったみたいですし受付しますよー」テクテク
姫g「なぜ。なぜ名前が途中までしか表示されn...
324: 2011/02/11(金) 15:02:45.97 ID:FvajUkZS0
…
???「………?」キョロキョロ
初春「あ、白井さん、あれ……」
佐天「外国の人かな? なんか迷ってるみたいだけど……」
黒子「………しかたありませんわね、学外とはいえ、人助けは風紀委員の仕事ですの」テクテク
黒子「もしもし? どうかなさいましたの?」
???「………第一の解答ですが、此処はどこですか?」
黒子「………はぁ? 此処は、と言われましても……、○○旅館のロビーとしか……」
???「第一の質問ですが、この“大欲情”というところに行くにはどうすればよいのですか?」
黒子「あぁ、大浴場でしたらそこのエレベーターに乗って、21階まで……」
???「第二の質問ですが、えれべーたーとはなんですか?」
黒子「………」
初春「ふわー、白井さん、外国の人とも話せるんですねー…」
佐天「いや、どう聞いてもあれは日本語だと思うんだけど……」
???「あのー、ちょっといいですか?」
佐天「あ、はい……、って、また外国人!!?」
初春「おおおおお落ち着いてください、佐天さん! これはににに日本語です!」
佐天「いや、私は落ち着いてるけど」ケロッ
???「あ、もしかして同い年くらいかな? ちょっと聞きたいんですけど、この“げーせん”って、どんな施設なんですかー?」
佐天「げーせん? あぁ、ゲームセンターの略で、いろんなゲームが置いてあるところ……かな?」
???「へぇー…、ありがとうございましたー」フリフリ
佐天「………? あれ、尻尾……? まさかね」
初春「あわわわわわ、ガイコクジンガイコクジン……」
佐天「おーい初春ー、戻ってこーい」
黒子「……はぁ、ややこしいのに声をかけてしまいましたの……」
佐天「お疲れ様です白井さん、いやー、なんか外国の人多いですね」
黒子「……そうですわね、やたらと外国人が多いようですけれど……、なにかイベントでもあるんですの?」
初春「しかもなんだか………」
「ふわー、建宮さんどこ行っちゃったんですかぁー?」タタタ…
初春「……なんだか、学園都市の学生以外の少年少女も多いような……」
黒子「……そこまで有名な旅館でしたかしら……」
佐天「うむむむ……! これは楽しくなる予感……!」
325: 2011/02/11(金) 15:04:30.04 ID:FvajUkZS0
…
~その頃、○○旅館3510号室~
19123号「4です」ペシッ
10052号「5です」ペンッ
14410号「……ダウトです」
10052号「くッ……」ワシャワシャ…
19123号「……いまさらですが、MNWで感覚共有しているミサカ達にこのゲームはいささか不都合なことが多すぎるのでは、とミサカ19123号は冷静に現状を見直してみます」
10052号「ならば全員MNWを切った状態で再開してみたらどうでしょう、とミサカ10052号は提案します」
14410号「では、MNWの接続を切った状態で再開しましょう、2です」ペシッ
10052号「3です」ペンッ
14410号「5です」スッ
19123号「……ダウトです」
14410号「くッ……」ワシャワシャ…
19123号「結局、MNWを切ったところで生体電気の変化でわかっちゃうわけよ、とミサカ19123号はどこぞの口癖を借りて説明してみます」
10052号「しかし先程の卓球でも延々とラリーが続いて双方無得点で終わってしまったではないですか、とミサカ10052号は他の暇つぶしが困難であることを示唆します」
14410号「暇ですね……」
19123号「暇です………」
ガラッ
10032号「……お前ら仕事を一人に押しつけて贅沢なこと言ってんじゃねーよ、とミサカ10032号は怒りを顕わにしながら入室します」スタスタ
14410号「お疲れ様です、とミサカ14410号はそんなこと知ったこっちゃねーよと心の中で呟いてみます」
10052号「そもそも10032号がいろいろ抜け駆けしてお姉様やあの方とキャッキャウフフしていたのが悪いのです、とミサカ10052号はいまだ嫉妬で渦巻く心中を曝します」
19123号「そういえば、10032号は今日一日中向こうにいる予定だったのでは? とミサカ19123号はミサカ10032号に問いかけます」
10032号「人手がいるので、ここにいる全員で出直すことになりました、とミサカ10032号は仕事の報告をします」
14410号「ようやくミサカ達の出番ですか、とミサカ14410号は重い腰をあげます」ヨッコイショ
10032号「あ、今は部屋から出ないでください、とミサカ10032号はミサカ14410号に注意を喚起します」
14410号「なぜですか? とミサカ14410号はミサカ10032号に問いかけます」
10032号「………部屋の外に、危険人物がいます」
『………お姉様の匂いがしますの』スンスン
『もう、白井さん、他のお客さんの迷惑ですよー』
『間違いありませんの、この部屋からお姉様の匂いがしますの』スンスンスーン
『白井さーん、先行きますよー』
『お姉様……あぁお姉様……お姉様………』ジュルル
14410号「………なるほど、これは危険です、とミサカ14410号は襲い来る寒気に身を震わせます」
10032号「危険人物が去ったら行動を開始します、準備していてください、とミサカ10032号はミサカ達に通達します」
10052号「了解しました、とミサカ10052号はゴーグルを装着しなおします」スチャ
『お姉様の匂いがしますのーーーー!!!!』
妹達「「「………」」」
326: 2011/02/11(金) 15:06:32.80 ID:FvajUkZS0
…
神裂「……すべてこの旅館に集めたのは、なにか考えがあってのことですか?」
土御門「あぁ、こうやってればお互いに睨みを利かせて下手に動かないだろうし、誰か動いた時に把握しやすい」
ステイル「なるほど、どうせ集まるなら一点にということか」
イン「でも、天草式十字凄教も含めて温厚な人達を派遣してきてるみたいだし、思ってたよりも何も起きないかも」
土御門「そうだにゃー、おそらくアレを手に入れようとかじゃなく、他の奴らに手に入れさせないために監視しに来た、といったところかにゃー……」
ステイル「それで? なんだってこんな高級旅館にしたんだい?」
土御門「そりゃーオマエ、どうせなら高級なとこに泊まりたいだろ? 確かに大型の旅館でないと入りきらないというのもあるが」
神裂「つまり、自分も良い思いをしたいと」
土御門「当然だにゃー、どうせ金出してんのは統括理事会だし、これくらいしても罰は当たらないにゃー」
イン「高級懐石……楽しみなんだよ……!」ジュルリ
神裂「……はぁ、なんだか焦ってるのは自分だけのような気がしてきます……」
ステイル「それだけ今は危険もなく大丈夫だってことだろう。あの子が楽しんでいるなら、それでいい」
神裂「………そうですね。では、私もせっかくですし温泉でも楽しんできましょうか」
土御門「……温泉なら、22階がオススメぜよ。21階の大浴場は混むからにゃー」
神裂「ありがとうございます、では………」スタスタ
土御門「良いお湯をー……」ヒラヒラ
prrrrr……pi
土御門「こちらT、カモが混浴場に向かった、大至急準備されたし、どうぞ」
青髪『こちらA、了解した、すぐさま作戦を開始する』
pi
土御門「よし、じゃあ俺も温泉に行ってくるにゃー」スチャ
ステイル「あぁ、……………温泉にカメラを持っていくのかい?」
土御門「ちょっとにゃー、野暮用があってにゃー」
イン(…………男って最低かも)
327: 2011/02/11(金) 15:07:59.57 ID:FvajUkZS0
~ところ戻って山の中~
垣根「んー…反応しねぇな……」テクテク
上条「ん? それ、なに持ってんですか?」
垣根「これか? これはな、硫黄メーターだ。これで源泉を探してんだが……、全然反応がねぇんだよなぁ」
美琴「………」
上条「………あの、それって電動ですか?」
垣根「ん、当然だろ? 硫黄だけで針を動かせるかって………あ」キガツイタ
美琴「………あ、はは」デンジハ
垣根「………そうか、つまり俺は数時間に及んで無駄なことをしていたわけだな?」
美琴「ご、ごめんなさい……!」ウルウル
垣根「……いや、お譲さんは悪かねぇ、気がつかなかったオレの所為だから、そうしょげるなって」ナデナデ
美琴「あ、はい……」エヘヘ
上条「……」イラッ
垣根「ん? なんだ、嫉妬してんのか? ほーれ」ナデナデ
美琴「ちょ、ちょっとアンタ……///」ナデラレ
上条「……」
上条「おい、御坂が嫌がってんだろ、離せよ」パシ
垣根「おっと、怖いねー、男の嫉妬は」
美琴(え……嫉妬………?)
上条「嫉妬じゃねえよ、アンタは暗部の人間なんだろ? 俺はアンタを完全に信用してるわけじゃないんだからな?」
垣根「ハッ、それが懸命だな、暗部の人間なんて信用するもんじゃねぇ。よくわかってんじゃねぇか」
上条「………」
美琴(え? なに、なんなのこの空気………?)
垣根「さて、硫黄メーターも役に立たねえし、当初の予定通り川沿いに穴掘って無理矢理お湯を引っ張るかー。じゃ、こっからは力仕事だ、男どもはちゃんと手伝えよー」
上条「………了解シマシタ」
一方通行「………なンでオレが言いなりに……チッ……」
美琴「……」
打ち止め「……ねえ、お姉様」
美琴「ん、なに?」
打ち止め「……お姉様も、けっこう鈍感だよね?」
美琴「へ?」
328: 2011/02/11(金) 15:08:55.14 ID:FvajUkZS0
…
バババ…
10032号「オーライ………オーライ………、ストップです、とミサカ10032号は14410号に合図します」
14410号「了解しました、とミサカ14410号はクレーンを止めます」ガガ…
10052号「固定完了です、ワイヤーを切り離してください、とミサカ10052号は19123号に指示を送ります」
19123号「ワイヤーの切り離しも完了です、とミサカ19123号は作業が完了した旨を伝達します」
ガガガ…
美琴「ふわー…、またすごいもん持ってきたわねー…」
垣根「だろ? ホンモノのボーリングマシンだ、これで地下にある源泉を引っ張りだす」
美琴「これ、どっから支出してんの?」
垣根「全部統括理事会が負担してくれてるんだ、お墨付きってやつさ」
打ち止め「すごい……! ヘリコプターが自分よりも大きいのを運んでるよ、ってミサカはミサカは驚きを隠せなかったり…!」
垣根「あぁ、あれはスカイクレーンっつってな。重量のある物資を運ぶのに特化したヘリなんだぜ口リっ娘ちゃん」
一方通行「………うぜェ」
垣根「口の悪い第一位様にはちょっとばかり仕事してもらうぜぇ」
一方通行「あン?」
垣根「ボーリングマシンの組み立てだよ、テメエの能力なら楽勝だろうが」
一方通行「あァ? なンでオレが……」
美琴・打止「「………」」ワクワク
一方通行「………言っとくがな、これは自分の為にやンだからな、勘違いすンじゃねェぞ」スタスタ…
垣根「………ツンデレ此処に極まれり、だな」
打ち止め「………だね」
美琴(当麻……まだ機嫌悪いのかな……?)
上条「……」ムスー
329: 2011/02/11(金) 15:09:41.38 ID:FvajUkZS0
予告もなく投下して去って行く
これもある種のヒットエンドラン
これもある種のヒットエンドラン
331: 2011/02/11(金) 15:15:14.98 ID:FvajUkZS0
>>330
ウワァァァァァ!!!
ウワァァァァァ!!!
349: 2011/02/12(土) 00:16:50.84 ID:6BDyOGRr0
~その夜、食事中~
打ち止め「ごちそうさまー! じゃお姉様、先にお風呂行ってるね! ってミサカはミサカは猛ダッシュ!」テテテー
美琴「こーら、危ないから走らないのよー!」
打ち止め「はーい!」タタタ
美琴「………」チラ
上条「………」モグモグ
カチカチ… ←時計の音
上条「………」モグモグ
美琴「………ね、ねぇ、とうま」
上条「ん? なんだ?」
美琴「なんか、あったの? 今日ずっと不安そうにしてたけど……?」
上条「……なんでもねぇよ、別に」
美琴「でも……」
上条「……ホントに大丈夫だよ、心配してくれてありがとうな、御坂」ナデナデ
美琴(やっと笑った……)
美琴「べ、別に心配っていうか、アンタがいなくなったら菜園の知恵持ってる奴がいなくなるから困るだけで……///」
上条「はいはい」ナデナデ
美琴「ふにゃ……///」
垣根「………」ポカーン
一方通行「………どォだ、この家の居心地の悪さは?」
垣根「いや最高だねぇ、思わず42.195km走ってきたくなるくらい最ッ高だねェ」
350: 2011/02/12(土) 00:17:55.70 ID:6BDyOGRr0
一方通行「…………リア充爆発しろォ」
垣根「オレから見たらテメエも十分過ぎるほどリア充だけどなぁ」
一方通行「あァ? こンなメインにもギャグキャラにもなり切れてねェ半端なポジション欲しィンだったらくれてやる」
垣根「そうかー、さすが第一位、どんだけ優遇されても気は抜かねえってか、もげろ」
一方通行「いや一度ボコボコにされておきながらまだ人気のある第二位様が羨ましいぜェ、爆ぜろ」
バチバチ…
上条「………あいつらなにしてんだ?」
美琴「さぁ? でもこれ以上家が壊れるのは良くないし、仲裁してきますかー…」テクテク
上条「お、おい大丈夫か?」
美琴「へーきへーき、アンタこそとばっちり食らわないようにねー」
上条「へ? とばっちり?」
美琴「ふたりともー」
「さっさと飯食えやゴルァァァァアァアアーーーッ!!!!!」ピシャーン
「「ぐわァァァアアァアアア!!!!????」」ビビビ
上条「………」モグモグ
上条(あぁ……、いったいいつになったらこの家には秩序が出来るんだろう……)
打ち止め「あうー……」フラフラ
上条「ん、どした?」
打ち止め「のぼせたー……むきゅー……」フラフラー
351: 2011/02/12(土) 00:20:09.58 ID:6BDyOGRr0
~その頃、山の麓の道路上~
車「」プシュー…
浜面「……」
麦野「……」
絹旗「……」
フレンダ「……」
浜面「………さて、どうすっかな」
麦野「………寒い」
絹旗「……超寒いです、浜面、早くどうにかしてください」
フレンダ「うぅ……この寒さはお肌にとって天敵なわけよぉ…」ガクブル
浜面「はぁ……もうチェックインの時間とっくに過ぎちまってるよな………、あぁ、不幸だ」
絹旗「……あれ? 誰か超足りないような……?」
麦野「……滝壺ならあっち」
滝壺「車から出てる火、あったかい……」ヌクヌク
浜面「ぬわーーーーッ!! それに近づいちゃいけませんーーーっ!!!!」ダダダ
絹旗「はぁ……浜面、超うるさいです……」
麦野「うっせぇぞ浜面ァ、早くどうにかしろっての」
浜面「いったい誰のせいでこうなったと思ってるんですかァァァーーーー!!!!!??」
~少し前、H氏の運転する車中にて~
ブロロ…
麦野「やっはー、温泉旅行よ温泉旅行! 上の連中もたまには気の利いたコトしてくれんじゃない♪」
フレンダ「やっほい麦野と温泉なんて気が利いてるぅ♪」
麦野「一緒に入ろうとしやがったらコロスー♪」ニコッ
フレンダ「は、はひぃ………」ガクガク
絹旗「どうしましたフレンダ、なにか超嫌なことでも思い出しましたか?」
フレンダ「マップタツハ……マップタツダケハ、カンベンシテクダサイ……」ガクガク
絹旗「?」
352: 2011/02/12(土) 00:21:56.74 ID:6BDyOGRr0
浜面「しかしすげぇなー、これ、テレビにも出てくる超高級旅館だぜ?」パンフレット
麦野「アンタにゃ不釣り合いかもしれないけど、ま、要するに私たちの日頃の行いが良かったからよ。黙って運転しとけヴォケ」
浜面「はぁ……こんな時まで運転手か……。まぁ旅館に便乗できるのは得だけど……」
滝壺「がんばって、わたしはそんなはまづらも応援してる………とおもう」
浜面「あ、あれ? ついにオレ完全孤立ですか?」
麦野「可哀想に、ようやくバカヅラの魔の手から解放されたのね……」ギュー
滝壺「むぎの、くるしいよ……」ムギュギュ
浜面「はいはい、んで絹旗はなにやってんだ?」
絹旗「……このカーナビは映画も超見ることが出来るんですね、これは超盲点でした」ピッピッ
浜面「おいおい、全画面表示にされたら旅館までの道がわからなくなるだろ」ピッ
絹旗「んなっ!!? なに超勝手に切り替えてるんですか!」ピッ
浜面「いや、道がわからないと困るだろ! それでなくとも受付時間ギリギリなのに!」ピッ
麦野「うっせぇぞ浜面ァ、黙って運転してろヴォケ」
絹旗「ぐぬぬ……! 超崇高な映画鑑賞を妨げるとは……超許せません!」バッ
浜面「ん? なにが…………………っておおおい!!! なに車の中でスカートめくってんだァァ!!!???」
絹旗「見ましたね!? 超見ましたね!? 超純情な乙女のパンツを覗いた浜面には超相応な罰が必要です!!」
浜面「助手席でそんなことされたら必然的に視界に……! ていうか、ほら、運転中! いまオレは運転中!!!」
麦野「浜面ァ、うっせぇっつってんだろ、風通し良くなりたいのかァ?」バチッ
浜面「ひぃ!? ちょっと待て! それは洒落にならないマジで!」
滝壺「はまづら、女の子のパンツ見るのはよくないよ…」
浜面「なんという四面楚歌!! 頼むから運転手を煽るのはヤメテ!!!」
絹旗「あ、また見ましたね!? もう氏刑です! 超氏刑です!」
浜面「不可抗力だーーーーッッ!!」
麦野「うっせェっつってんだろバカヅラァァーーーーーッッ!!!!」シュボッ
ズドーン…
353: 2011/02/12(土) 00:23:12.82 ID:6BDyOGRr0
~現在~
絹旗「………超浜面のせいですね」
麦野「9:1で浜面のせいね、残りの1はフレンダ」
フレンダ「えっ」
浜面「はぁ……どうするんだ、まだだいぶ距離あるってのに……」
滝壺「あ、はまづら、あれ………」
バババ…
浜面「あ、ヘリだ」
麦野「よし」バチッ
浜面「ちょっと麦野サン?」
麦野「決まってんでしょ、ちょこっと撃って、私達に気付いてもらわなきゃ」
滝壺「ちょこっと……」
浜面(もう、知ーらない)
…
バババ…
結標「……で、感動の対面ってわけね」
麦野「ちゃんと当たらないように加減したんだからいいでしょ。しかし偶然通りがかったヘリがまさか学園都市暗部のモノだったなんてねぇ」
海原「一瞬、敵襲かと思いましたよまったく」
浜面「ですよね……スミマセンデシタ…」
絹旗「なに超代表者よろしく謝ってんですか超浜面のくせに」
フレンダ「結局、浜面はどこに行っても頭下げてばっかりなのよねー」
浜面「誰のせいだ、誰の………!」グギギ
滝壺「はまづら、おさえておさえて」
海原「しかし、すこし冷たくはありませんか?」
結標「そうね、運転手は大事にするもんよ。けっこう高くつくんだから」
麦野「たしかにそうだわ、買い換える金ももったいないし」
絹旗「もしかしたら超安くてもっと良い物件があるかもしれませんけどね」
フレンダ「お情けで雇ってるんだから、多少の事故はご愛敬ってわけよ」
浜面「滝壺サン、わたしゃさっきから悔し涙が止まらんのです……!」ダバー
滝壺「はまづら、きたない」フキフキ
356: 2011/02/12(土) 00:25:22.90 ID:6BDyOGRr0
~○○旅館屋上、ヘリポート~
バババ…
土御門「よーうお疲れさん、空の旅はどうだったかにゃー?」
結標「まずまずね、途中で変なの拾ったけど」
麦野「はろはろー」ヒラヒラ
土御門「………」
浜面「おー土御門、まぁすぐに消えますんで気にしないでくr(ジュッ)熱ー!?」
麦野「勝手に逃げようとしてんじゃねぇよ浜面ァ。んで土御門、こりゃいったいどーゆーこと?」
土御門「はぁ……どうしていつも予定通りにいかないのかにゃー…」
麦野「溜息ついてんじゃねぇよ。同じ場所に学園都市の暗部組織が二つ。もうこれがただの慰安旅行じゃねえことはわかってんだよ」
絹旗「ですね、偶然にしては超出来過ぎています」
土御門「はいはい、たしかにこれはただの温泉旅行じゃあないぜよ」
土御門「………ついさっきまではな」
麦野「は?」
土御門「騒動になった時の鎮圧能力として呼び寄せたんだがにゃー、各組織が派遣してきたメンツでわかった、奴らは事を荒立てる気はまったくない」
フレンダ「……つまりどういうことなわけ?」
土御門「………つまり」
土御門「ただの温泉旅行になりましたー♪」
麦野「よっしゃアンタは足を持って、このバカこっから叩き落とすわよ」
結標「おーけー、せーの……」
土御門「ちょちょちょっと待つにゃー!! オレは能力も持たない一般人ぜよ!??」ニャー!
海原「では、自由行動ですね? 自分は御坂さんのところにでも行きますかね、幸い近くのようですし…」スタスタ
フレンダ「よし! そうと決まれば温泉温泉ー♪」スタター
絹旗「あ、フレンダ超待つです!」テテテー…
麦野「……」
結標「……」
土御門「………」
麦野「……はぁ、まぁいいか、せっかくだし贅沢して帰ろ」クルッ スタスタ…
結標「そうね、財布は理事持ちだし」スタスタ…
土御門「うぅ……カミやんがいないと不幸がオレに回ってくるぜよ……」シクシク
浜面「あきらめろ土御門、どんだけアニメでクールなイメージを培ったとしても、最終的には俺達は同種なんだ……」
土御門「なんだかホントにそんな気がしてきたぜい…」グヌヌ
357: 2011/02/12(土) 00:27:08.23 ID:6BDyOGRr0
~ところ変わって山の中~
バサッ…
上条「あ、今回はちゃんと布団持参なんだな」
垣根「は? 当たり前だろ」
上条「その当たり前がどれだけ嬉しいことか……」
「ミサカもミサカも布団にダーイブ♪」ズドッ
「ごぷァ!?」
「鍛え方が足りないぞ? ってミサカはミサカはもっかいダーイブ♪」
「こ、このクソガキ……(ドスッ)ぐぽァ!!!」
垣根「…………もげろ」
美琴「ホント仲良いわねー、羨ましい……」
垣根「おっしじゃあお嬢ちゃんは俺と寝るか?」
美琴「はぁ? なんでアンタなんかと……」
垣根「ほー、そんなにその幻想頃しと寝たいのか、ならしかたない」
美琴「ふぁ!? べ、別にそんなわけじゃ……!」
垣根「んじゃ大丈夫だよなーっと」グイッ
美琴「ふわっ!?」バサッ
垣根「ほら、これがオトナの男の身体ってやつだ、よく味わえよー」ギュー
美琴「はわわわわわ………!///」
上条「………」
上条(………なんだよ、赤くなっちまって)
美琴「と、とうま……!」
上条「いいじゃねえか、ご厚意に甘えさせてもらえよ」
美琴「え……?」
上条「あー…、久しぶりに広い布団で寝られるー…」ゴソゴソ
美琴「あ……」
美琴「…………ふぇ」グス
垣根「あー………なんか、すまん」ギュウ
美琴「……そう思ってるんなら離しなさいよ」
垣根「いや、オレはな、女の子に触ってないと禁断症状が出るんだよ」ギュウ
美琴「………もう、好きにしなさい……」グス
垣根「………」
垣根(……………悪かねぇ)ギュウ
380: 2011/02/12(土) 01:45:02.92 ID:6BDyOGRr0
~夜中~
美琴「………」
垣根「………」グー
美琴「…………寝れない……」
美琴(当麻は、私が誰と寝てもいいのかな? いや、まだそんな関係じゃないんだから別に気にならないわよね……)
美琴(……でも、少しくらい引き留めてくれたっていいじゃない、こんな素性のよくわからない男と寝させるなんて……)
美琴(………はぁ、なんか腹立ってきた)
ガタッ
美琴「!」ビクッ
シーン…
美琴「風……?」
ガタガタッ!
美琴「!」ビクビクッ
美琴「な、なによ、またこのパターン……?」
『………実は、一家全員、氏んだんだってさ』
美琴(ま、まさかね………)
ガタンッ!
美琴「…………」
美琴(……やって、やろうじゃない)ムクッ
ガタン…
美琴(魔術だかなんだか知らないけど……)
ガタ…
美琴(亡霊だかなんだかわかんないけど……)
ガタ…
美琴(アンタが、私と当麻の暮らしを脅かそうってんなら………!)
美琴(まずはその幻想を――――!!!)
ガラッ!
海原「さ、寒い……氏ぬ………」ガクガク
美琴「…………」
美琴「………………は?」
381: 2011/02/12(土) 01:45:59.39 ID:6BDyOGRr0
~居間~
海原「はぁ、助かりました。さすが御坂さんはお優しい」
美琴「いや、優しいとか言うよりこんな時間にこんなとこにいるアンタが怖いわ」
海原「いえ少しばかり散歩をしていたのですが」
美琴「へぇ」
海原「嘘です」
美琴「ホントだったらそのほうが怖いわよ」
海原「………その口調、どうやら自分が本物でないと知っておられるようですね?」
美琴「なんだか知らないけど、さっきから電磁波のレーダーに引っかからないし、雰囲気自体が既に本物とは全然違うわ」
海原「そうですか……」
美琴「……んで、なにしに来たのよ? まさかまた……」
海原「警戒しないでください、そんなことはあり得ません」
美琴「じゃあなんで……」
海原「あなたが此処にいると、聞いたので」
美琴「!」
美琴「……そういえば、アンタって私のこと……」
海原「えぇ、好きですよ」
美琴「……ずいぶん簡単に言っちゃうのね」
海原「簡単、ではないですが。それだけ迷いがないということにしてもらえますか?」
美琴「そう思っとく、でも……」
海原「わかっています、貴方には既に心に決めた相手がいるのも」
美琴「………ごめん」
海原「謝られるといささか困りますね、こちらのほうが御坂さんを困らせてしまっているというのに……」
美琴「………うん」
海原「………やはり、貴方はお優しい」
美琴「……ありがとう」
海原「……どういたしまして」
382: 2011/02/12(土) 01:46:58.68 ID:6BDyOGRr0
~寝室~
海原「さて、自分は不本意ですがこちらの布団に入るとしましょう」ゴソゴソ
垣根「……」グー…
海原「どうせどっちに入っても野郎であることにかわりはありませんしね、ちくしょう」
美琴「あはは………じゃあ私も寝ようかな…」
海原「おやすみなさい、御坂さん」
美琴「うん………」チラ
上条「………」
美琴(やっぱり、こっちのほうが……)ゴソゴソ
ギュ
美琴「!!? アンタ、起きて……!?」ダキツカレ
上条「…………起きてない」ギュウ
美琴「は、はぁ……?」
上条「…………寝てないから、いま起きたわけじゃない」
美琴「…………へ?」
上条「…………寝ろ」ギュウ
美琴「は、はぃ………///」ムギュギュ
海原(く……! 上条当麻……! なんとうらやまけしからん………ッ!)
垣根「………お嬢ちゃーん………ムニャムニャ……」ギュウ
海原「」ゾワワ
403: 2011/02/13(日) 00:20:02.02 ID:o4CPvhPf0
~行間、それぞれの苦悩~
404: 2011/02/13(日) 00:22:14.66 ID:o4CPvhPf0
~9日目、朝~
パシャ
美琴「ん……?」パチ
美琴(………シャッター音……?)ムク
垣根「お嬢ちゃーん………ムニャムニャ……」ギュムー
海原「うぅぅ…………」ウナサレテル
一方通行「カカカ…………」パシャ
美琴「………なにしてんの?」
一方通行「おォ、起きたか超電磁砲、ちょうどイイ」
美琴「……なにが?」
一方通行「オマエたしかハッキングも出来ンだよなァ、学園都市暗部の構成員がプライベートで使ってる携帯電話のアドレスとか調べられるかァ?」
美琴「んー、出来ないことはないけど……」
一方通行「なンか問題でもあンのか?」
美琴「大アリよ。守護神ともいえる厳重な壁をこんな携帯端末で乗り越えられるかしら……?」ピピッ
一方通行「なンだ経験済みかァ? つーかそんな端末、必要なのかァ?」
美琴「乱数変換とかのデバイスとして端末を経由してんのよ。でもその分、ハッキングの速さもCPUの性能に制限されちゃうけどね」
一方通行「仮にもレベル5の頭脳持ってンだ、その辺の変換も自分でやったほうが速ェだろ」
美琴「嫌よめんどくさい、それに仮にってなによ。私は立派にレベル5よ、アンタ達の能力が反則すぎるだけ」ピピピ
一方通行「……努力でレベル5になった奴の言葉とは思えねェ発言だな」
美琴「勝手に言ってなさい。……あ、あれ? 普通に入れちゃった、どれがいるの?」ピピッ
一方通行「能力名“心理定規”だったか……、レベル4だ」
美琴「えーと……、あ、これかな?」ピッ
一方通行「あァ、多分そいつだ、礼を言うぜェ超電磁砲」カカカ
美琴「………いったいなんに使うのよ、そんなの」
一方通行「なァに、男どもが抱きあってる写真を送りつけてやるだけだァ、クケケ……」ピピピ
美琴「………アンタって思ってたよりも陰険なのね」
一方通行「ン、なんだァ? もしかしてオマエ、男同士に興味があるクチかァ?」
美琴「な、ないにきまってんでしょ!? 私は自分のことで精一杯よ!」
上条「スースー……」チラッ
美琴「アンタも寝たふりしてんじゃなーい!! 寝息を口で言うなーーーッ!!!」ピシャーン
上条「うぉぉすいませんっしたァーーーーーッ!!!」パキーン
打ち止め「お、お姉様ってふ、ふじょ、腐女s……」
美琴「違うゥゥーー!! お願いだからアンタだけは味方でいてーーッ!!!」エーン
垣根「ゲヘヘ……」ギュムム
海原「うぐぅぅ……」ウナサレ
一方通行「カカカ………」メール ソウシンチュウ
405: 2011/02/13(日) 00:24:34.18 ID:o4CPvhPf0
~同じ頃、○○旅館21階、大浴場~
チャプ…
初春「ふわぁー…極楽ですー……」チャプチャプ
佐天「いやー、こんな広いとこで朝風呂なんて贅沢だねぇー……」チャプチャプ
黒子「間違いありませんの、お姉様は絶対にあの部屋に……」ブツブツ
初春「白井さん、まだ諦めてないんですねー…」
佐天「でも、白井さんが御坂さんの匂いを間違えるはずはないし……。もしかして、ホントに御坂さんもこの旅館に来てたりして!」
初春「えぇー…、そんなことはないと思いますけど……。白井さん、けっこういい加減ですし」
黒子「ウイハル」
初春「はい?」
黒子「覚えときなさい」
初春「はい」
佐天「あはは……」ダメダコリャ
黒子「はぁ……それにしてもこのようなところ、お姉様がいれば完璧な楽園でしたのに……」ハア…
初春「そうですねー…、御坂さんも一緒だったらもっと楽しかったんですけど…」
佐天「長期野外研修かぁ……。半年以上も“外”にいるなんて御坂さんも大変だなぁ…」
黒子「今回お姉様は『常盤台のエース』としてではなく、『学園都市の第三位、御坂美琴』として野外研修に参加してますの。後輩として誇らしいことなれど、やはり寂しいですわね……」ブクブク
佐天「第三位かぁ……普段そんなの気にしないから、改めて聞くとすごいなぁ…」
???「おぉーーっと! 聞き覚えのある名前を感知しましたよっ!?」
ザバーン!
黒子「ぷわっ!? な、なんですの!?」
レッサー「突然ですがレッサーです! もしかしてミコトのお友達なのですか!? ですか!?」
佐天「あ、あなたは昨日の外人さん……!」
黒子「はて、レッサー……? どこかで聞いたような……」
初春「え、あの、あのアナタはいったい……?」
レッサー「私ですか? よくぞ聞いてくれました、学園都市の第三位、御坂美琴とは極寒の地で熱ーい夜を……」
黒子「あー! 思い出しました! アナタ、ロシアでお姉様に不埒な真似を行ったとかいうセクハラ女ですの!!!」
佐天「いやアンタがそれを言うんかい」
レッサー「不埒じゃありませんよー、合意のうえです!」
黒子「な、ななななな………!」
406: 2011/02/13(日) 00:26:52.48 ID:o4CPvhPf0
レッサー「むふー、上条当麻といい美琴といいそこのお二人といい、日本人は可愛い人ばかりでうらやましー♪」
黒子「何気に私が除外されてるのが気にいりませんの! キィーーーッ!!!」
レッサー「でもやっぱり日本人て“ひんにゅー”が多いんですかね…?」サワサワ
初春「ひゃうん!?」ビクッ
麦野「……あんだよオマエら全員、超電磁砲のオトモダチかぁ?」
佐天「え、あ、はい………(誰……?)」
黒子(長髪巨O美人……! まさかこの方もお姉様と何らかの関係を…!?)
麦野「はぁ……なんでこんなとこまで来てアイツの名前聞かねえといけないんだか……」ブツブツ
佐天「あの、アナタは……?」
麦野「んー? ……あぁ強いて言うなら、そうね、私もアイツとは“熱ーい夜”を過ごしたってとこかな?」
黒子「なななな……!」ガクガク
レッサー「おっと聞き捨てなりませんね、先に美琴が痴態を曝したのはわたくしレッサーですよ」モミモミ
初春「あ、レッサーさん、揉まないでぇ……!」ビクビク
麦野「こちとら過ごしたくて過ごしたわけじゃないっての、アイツから挑んできたんだし」
黒子(お姉様から!? お姉様からこの方に…!? ……あらやだ素敵)ボタボタ
佐天「白井さん!? 鼻血! 鼻血が出てますって!!」
黒子「お姉様ぁーー!!! それでも黒子はお姉様にィーーーッ!!!」
麦野「うっせ………」
レッサー「にししー、これもなかなか癖になりそうです♪」サワサワ
初春「ひええ……!」ビクン
滝壺(………楽しそう)
絹旗「滝壺さんはあっちに行っちゃだめですよ、超汚れちゃいます」
滝壺「わかった、ここにいる」
フレンダ「はぁ……せっかく麦野とお風呂に入れたのに……」チャプチャプ
絹旗「半径5メートル以内に近づくと超殺されちゃいますよ」
フレンダ「はうぅ、むぎのー…」チャプチャプ
五和(な、なんか上条さんの名前が聞こえたような……気のせいでしょうか……?)チャプ
407: 2011/02/13(日) 00:28:05.44 ID:o4CPvhPf0
ガラッ
10032号「ですから、お姉様に出し抜かれる前にミサカ達で既成事実を…」
19123号「いえ、あまり強引な手に出るとお姉様も触発されて積極的な手に出かねません、とミサカ19123号は反論します」
14410号「そうですね、ただでさえ上条当麻がお姉様のことを気にし始めているという情報を上位個体から知らされているのですから……」
10052号「…………あ」
黒子「あ」
レッサー「あ」
黒子「お、おね、おねえさまま………」プルプル
10032号「油断していました、とミサカ10032号はさすがに朝風呂に来てはいないだろうとタカをくくっていた自分の愚かさを省みます…!」ジリ…
10052号「同上です、とミサカ10052号は14410号を盾にしながら少しずつ後退を開始します」ジリ…
14410号「え、ちょっと、ミサカは、あの……」
黒子「お姉様ぁぁぁあぁああぁああああ!!!!!」ザッパーン!
レッサー「みっことーーーーーーっっ!!!」ザッパーン!
14410号「ぎゃあああああああ!!! あ!? 扉が、扉が開きません!!」グイグイ
10032号『14410号、ミサカ達のために散ってください……!』オサエテル
10052号『大丈夫です、骨は拾ってあげます……!』オサエテル
19123号『14410号ェ……』
14410号「そ、そんな…! とミサカはミサカの危機を……!」
ギャアアアアア……
滝壺(………楽しそう)
絹旗「滝壺さんは見ちゃだめです、滝壺さんには超早すぎます」メカクシ
滝壺「……うん、わかったよ」
絹旗「……あれ? フレンダは……?」
フレンダ「ぐへへ……潜水しながら行くわけよ……!」スイー
絹旗(自ら氏亡フラグを立てに行くとは……)
滝壺「………ふれんだ、かっこいい」
絹旗「えっ」
408: 2011/02/13(日) 00:30:36.87 ID:o4CPvhPf0
14410号「ミサカは! ミサカはお姉様ではなくミサカであり……ひゃうん!」ビクッ
黒子「お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様………」ペロペロ
レッサー「あああんみことぉ………」サワサワ
14410号(なぜ…! なぜお姉様の周りには変態さんが多いのですか……!?)ビクビク
麦野(なんだ? もしかしてアレが“シスターズ”ってやつか?)
佐天「やっぱり御坂さんも来てたんですね! なんか様子が変だけど……」
麦野「ありゃ超電磁砲じゃないわよ」
佐天「へっ?」
初春「はうぅ……ようやく解放されました……」
ザバッ
フレンダ「ぷはっ! 温泉が目に染みてなにも見えないのよ……!」
佐天「うわっ!? また外国人!?」
フレンダ「あ、どーもー外国人デスー」Hey!
佐天「あ、ども……」
フレンダ「さーて、麦野はどこに……」
麦野「……」
フレンダ「……」
麦野「……」
フレンダ「…………テヘペロ♪」ouch!
麦野「………」バチッ
フレンダ「………むぎの、ここお風呂だから、ねっ、ココオ風呂ダカラ……」ガクガク
ギャアアアアア…
五和(な、なんだかとんでもないとこに来ちゃったんじゃ……)チャプチャプ
409: 2011/02/13(日) 00:32:37.07 ID:o4CPvhPf0
そんな妄想をしてた
次は一気に13日目からのスタートにして早く農業に戻るようにします、はい
次は一気に13日目からのスタートにして早く農業に戻るようにします、はい
446: 2011/02/16(水) 00:50:21.90 ID:KMxDuTv10
~11日目、麓の街の商店街~
美琴「牛肉、豚肉、鶏肉、亀肉………」テクテク
美琴(……………亀肉? スッポンとかその辺かしら……?)
美琴「あ、タラの芽売ってる、おいしそう……」
御坂妹「ほう、これがタラの芽というやつですか。しかしタラの芽は春の山菜では?」
美琴「そうね、この辺りは暖かいからもう出てるのかも」
御坂妹「タラの芽……タラの芽……この語感は癖になってしまいそうです……タラノメ……タラノメ……」
美琴「………怖いから耳元で囁かないでよ、それにこんなとこで油売ってる暇はないんだから」スタスタ
御坂妹「おっとそうでした、今日は肉類を買いに来たのでしたね、とミサカは今朝の出来ごとを思い浮かべながら復唱します」
美琴「そう、今朝のね……」
~少し遡って朝~
上条「おーい御坂、ちょっと頼みごとがあんだけど」
美琴「んー? どしたの?」
上条「街に行って肉類を買いためてきて欲しいんだ」
美琴「え? もう無くなったの?」
上条「いや、ちょっといろいろと事情がありまして……」
垣根「そこの馬鹿が口リと風呂に入れなかった腹いせに買い溜めてあった肉を全部食いやがったんだ」
一方通行「」ブラーン… ツルサレテル
美琴「ふーん……でも街に行ってもいいの? このSSじゃあまりゲフンゲフン、もっとサバイバル的な企画じゃなかったっけ?」
上条「流石に米と肉類は市販のもので済ませなきゃなー。おまえ、子供のいる猪とか狩れるか?」
美琴「いやよ、かわいそう」
上条「そういうこった、てことで頼む」
447: 2011/02/16(水) 00:51:53.21 ID:KMxDuTv10
垣根「んじゃ男は全員作業に駆り出すぞー、さっさと働けーい」スタスタ
上条「あ、もちろん肉類以外は買うなよ? このSSの存在意義がゲフンゲフン、最低限の自給自足が今回のテーマなんだからな?」
美琴「りょーかい、んじゃ行くか妹ー」
御坂妹「お任せください、とミサカはバイクのヘルメットを差しだします」スッ
美琴「………バイクで行くの? 二人乗り?」
御坂妹「もちろんです、一応言っておきますがオフロードバイクでのタンデムは地獄ですよ、とミサカは忠告しておきます」
※したことありますか? オフロードバイクでの二人乗り。
アレ、地獄です。拷問です。
美琴「………しかたないわね」
打ち止め「ミサカはミサカはあの人と一緒にお留守番だね!」
美琴「うん、でも今のアイツはなにするかわからないから、これ持っときなさい」つスタンガン
打ち止め「うん! お姉様達も気をつけてね!」ッテミサカハミサカハー
一方通行「………なァ、なンでオレはこンな役回りなンだろォな?」ブラーン…
垣根「さぁ? 口調がめんどくさいからじゃね?」
~現在~
美琴「一方通行が肉食だったなんて知らなかったー、あんなにモヤシなのに」
御坂妹「お世辞にも良いとはいえない食生活を送っていたからでしょう、とミサカは推測します」
美琴「コーヒー好きだしねー…。インスタントコーヒーでも買って帰ってあげようかな」
御坂妹「その必要はありません、ケケケ、とミサカは小悪魔的な微笑を浮かべてみます」
美琴「……アンタもけっこう陰険なのね」
御坂妹「誉め言葉として受け取っておきましょう」
美琴「それにしてもなんかやたら赤い物が多いわね、この街って」
御坂妹「そうですね…、看板や飾りなど赤い物が極めて多いです」
美琴「………しかもよく見たらなんか書いてあr……」
“Happy Valentine!”
美琴「」
御坂妹「………? お姉様? どうしました?」
美琴「」
御坂妹「お姉様? このチョコがどうかしたのですか?」
美琴「」
御坂妹「ど、どうしましょう……お姉様がおかしな挙動をすることは今までも多々ありましたが今回はまるで原因がわかりません……!」
美琴「わ………」
御坂妹「わ?」
美琴「忘れてた………」
御坂妹「……?」
449: 2011/02/16(水) 00:53:58.60 ID:KMxDuTv10
…
御坂妹「ほう、つまり“ばれんたいん”とは、女性が好きな異性にチョコレートを介して好意を伝える日なのですね?」
美琴「うん、最近は好きな人に限らずに日頃お世話になってる人とか親友とか、はたまた自分にとかもあるみたいだけどね」
御坂妹「ほほう、これはいい情報を手に入れました、とミサカは情報をMNWにて大々的に流します」
美琴「肉類以外は買っちゃダメって言われたけど、これくらいならいいわよね。特別、なんだし……///」
御坂妹「ではミサカも便乗してみましょうか、とミサカはチョコ売り場の物色を始めます」キョロキョロ
美琴「え、アンタもってことはやっぱり……」
御坂妹「もちろん“あの人”へのチョコです、とミサカは言及される前に逃げ出します」スタター
美琴「あっ! ちょっと待ちなさーい!」タタタ…
「見て見てー、アレ双子かな? かわいー」
「ホントだ、そっくりー」
初春「双子……?」キョロキョロ
佐天「あっ、このチョコ美味しそう! ねぇねぇ初春、買ってー?」
初春「え? 女の子同士なのにですか?」
佐天「もうっ、初春は古いなー。友チョコってやつだよ友チョコー」
初春「友チョコ……ですか……」
佐天「ひどいよ初春、私のことなんてもうどうでもよかったんだね………」ヨヨヨ…
初春「か、買います、買いますから……!」ワタタ
佐天「ありがとー初春ー! それでこそ私の親友だよーっ!」ダキツキ
初春「なんだか釈然としないような……」ダキツカレ
黒子「…………はっ!!」ピーン
佐天「……? どうしたんですか白井さん?」
黒子「お姉様の気配……!」
初春「またですか? もう、どうせまた妹さんですよー」
黒子「違いますの、これは間違いなくお姉様……!」クンカクンカ
佐天「あ、白井さーん、どこ行くんですかー…?」
御坂妹「こうしてみると、チョコだけでもかなりの種類があるのですね……」キョロキョロ
美琴「……それでなんでアンタが渡すチョコの代金を私が払わなきゃいけないわけ…?」
御坂妹「それはミサカが財布を持っていないからです、とミサカは即答します」
美琴「まさか買ってもらったチョコで男の気を引こうとか言うんじゃないでしょうね?」
御坂妹「要は気持ちです、とミサカは金を返す気はさらさらないことを暗に示します」ドーン
美琴「自信満々に言ってんじゃないわよ……」ハア…
450: 2011/02/16(水) 00:56:24.09 ID:KMxDuTv10
~チョコ選び中~
御坂妹「ではミサカはこの“チョコひよこ饅頭”にします」
美琴「それってアンタが食べたいだけなんじゃ………、まぁいいや、アンタはそれでいいのね? じゃあ私はっと……」キョロキョロ
御坂妹「………既に目移りしているのがハート型のみですか、ド本命であることを隠しもしないのですね」
美琴「ふぇ!? い、いや、別にハート型だからどうとか……!」ワタワタ
御坂妹(まずいですね、ただでさえ大幅にリードしているお姉様が直球勝負に出たらどうなるか……)キョロキョロ
御坂妹「………あ、お姉様、あちらにゲコ太のチョコがありますよ、あちらにしたらどうでしょう?」
美琴「えっ!? どこどこ!?」
御坂妹「ほら、これです、このキューピッド仕様のゲコ太………(ハッ!)」
御坂妹(しまったァァァーーーーッッ!!!)ガーン
美琴「わぁ……! これこれ、これにするわ! 見つけてくれてありがとう妹ーー!!!」ヤッホーイ
御坂妹(さらに状況を悪くしてしまいました……墓穴を掘るとはこのことですね………)ガクッ
美琴「ん? どしたの?」
御坂妹「なんでもありません……。それを、渡すのですか?」
美琴「こ、これはアレよ。自分が食べたいから買ったのよ。渡したあと私も一緒に食べるんだから……えへへ……///」
御坂妹(たった一つのセリフの中でツンデレを構成するとは……さすがお姉様です……)
黒子「お姉様? そのチョコは誰に渡しますの?」
美琴「んー? 内緒ー、えへへー…………へ?」ピタッ
黒子「そうですの……、店員さん、ここのチョコ全部くださいな」
店員「まいどー」
美琴「ええええ黒子ぉぉ!?? ちょちょちょっと待って! 全部買われたら私が買えないじゃない!!!」
黒子「それでいいんですのぉぉぉ!!!! 店員さん! 早くするんですの!」
美琴「そうはいくかぁ!(ササッ)店員さん、お釣りはいりませんから! では!」スタター
店員「は、はい……(300円のチョコに万札……?)」
451: 2011/02/16(水) 00:58:10.74 ID:KMxDuTv10
黒子「はっ!? 逃げられましたの! レッサーさん、頼みますわよ!」
レッサー「りょーかい! レッサー・スペシャル仕様の『鋼の手袋』はさらなる進化を遂げているんですよーーっ!!!」ジャキーン
※いちおう補足。
レッサー仕様の鋼の手袋は先から出るレーザー光に触れた物を掴んだり振り回したり出来る機能を引き継いでいます。
あれからまた改造を施したってことで…。
美琴「はぁぁ!?? レッサー!!? なんでアンタまで此処にいんのよぉぉ!!!!」タタタ…
レッサー「愛のチカラってやつですよ!! いっきますよー……!」スチャ
美琴「ちょっとその変な槍まで持って来てたの!? もう嫌ぁぁーーーっ!!!」タタタ…
土御門「おっ、誰かと思ったら超電磁砲のお嬢様じゃないかにゃー」ヒョコッ
美琴「あ、アンタは舞夏の兄貴! ……もう誰でもいいから助けてぇ!!」
土御門「にゃ?」
ササッ ←美琴が土御門を盾にする音
レッサー「ていっ!!!」ズキューン
土御門「あ」
レッサー「………あ、あれ? 違う人を捕まえちゃいましたぁぁ……!」ブンブン
ベキッ…ドカッ…
土御門「ぐぺっ……ごはっ……」フリマワサレテル
レッサー「あわわわわ……!」ブンブン
美琴「ちょっ、ちょっと落ち着いて……!」
ギャーギャー……
初春「……」
佐天「……」
初春「………白井さんを追いかけてきてみたら……」
佐天「なんなの、このカオス………」
御坂妹「あ、ミサカのチョコの代金もその万札からお願いします」
店員「まいどー」
452: 2011/02/16(水) 01:00:32.99 ID:KMxDuTv10
…
土御門「近くで魔力が使われたから見に来たんだがにゃー……」ボロボロ
レッサー「すみませんでした……」セイザ
黒子「マリョク? なんのことですの?」
美琴「あー…それはいいとして、なんで皆ここにいるの?」
初春「学園都市主導の温泉旅行なんですぅ」
佐天「抽選で当たった生徒だけが行けるんですよー」エッヘン
美琴「へぇ……学園都市がそんなことを……。でもレッサーはなんでここに?」
レッサー「(ドキッ)え、いやあの、それは………………ミコトに会いに!!」ビシッ
美琴「本当は?」
レッサー「上からの命令です……」
美琴「素直でよろしい」
土御門「それよか超電磁砲のお嬢ちゃんはなんでこんなとこにいるのかにゃー? 同棲生活に飽きちゃったのかにゃー?」
美琴「どどど同棲って……! いや、でも確かにそうかもしれないけど……!」ワタタ
レッサー「ドウセイ!? 情報によれば他にも男女がいるんじゃなかったんですか!?」
初春「み、御坂さんいつの間に同棲って……!」
佐天「なるほど! 長期野外研修ってのは建前で、ホントは二人っきりで同棲生活を楽しんでたんですね!」
美琴「ち、違うって! なんていうか、その、ノリで! そう、ノリでそうなっちゃったのよ!」
黒子「お姉様……」ユラリ
美琴「……はっ!」ビクッ
黒子「まさか……まさかとは思いますけども……」ユラリ
美琴「ちょ、ちょっと黒子、怖い………」
黒子「その同棲の相手というのは………あの類人猿ではありませんの………?」
美琴「それは……えっと…………」アセアセ
一同「「「…………!」」」ゴクリ…
美琴「…………………えへ」
黒子「あんんの猿がァァァァーーーーーーッッ!!!!」
初春「し、白井さん落ち着いてください…!」オサエツケ
佐天「これ以上売り場を壊したら訴えられますって!!」オサエツケ
黒子「幾度となくお姉様をたぶらかし挙句の果てには同棲にまで持ち込むとはァァァ! キィィーーーッ!!!」
美琴「同棲……そっかぁ、同棲かぁ……えへへ………///」
レッサー(これは……! 思っていた以上に面白いことになってるようななっていないような……!)
レッサー「ああんでも乙女な美琴も可愛いーーーっ」ダキッ
美琴「ふにゃあっ!?」ビクン
453: 2011/02/16(水) 01:02:07.59 ID:KMxDuTv10
土御門「そういや温泉のほうはどうなったのかにゃー? 完成したらオレも便乗しようと思ってたんだがにゃー…?」
美琴「温泉…? なんで知ってんの?」ゲシッ
レッサー「あうっ」ボテッ
土御門「あの家を紹介したのはオレだぜい? 知らないことなんかないんだにゃー」
美琴「はいはい、アンタが暗部の顔役だってことはもうだいたい検討ついてんだから……、温泉なら今日中には完成するって言ってたわよ」
土御門「ほほう………」ニヤリ
美琴(うわ、嫌な笑顔………)
美琴「あ、そうだ、妹ー」
御坂妹「どうかしましたか?」ヒョコ
美琴「これ、先に渡しとくね」
ポン
御坂妹「………………チョコ?」
美琴「言ったでしょ、最近じゃ好きな男以外にも渡すんだって」
御坂妹「…………あ、あの」
美琴「んー?」
御坂妹「ミサカは………、ミサカは、お姉様のお世話になってばかりでしたし、それに……」
美琴「それに?」
御坂妹「ミサカ達の実験を止めるために戦い、体中に怪我を負っていたと麦野沈利さんから聞きました……」
美琴「………だから自分達にはチョコを貰える資格がないって?」
御坂妹「…………」コク
美琴「……いまさら何を言ってんのよ。それにそんなことは関係ないの」
御坂妹「関係、ない……?」
美琴「私はアンタ達が笑ってればそれで幸せなの、家族ってそういうものなのよ」
御坂妹「家族……」
美琴「それとも、アンタは私からチョコを貰って嬉しくないって言うの?」
御坂妹「い、いえ! とても嬉しいです! とても……!」ギュッ
美琴「………そんなに握り込んでたら溶けるわよ」
御坂妹「………お姉様は自分の好意に鈍感なだけでなく、人からの好意にも鈍感なのですね……」
美琴「へ?」
土御門「よし決めた」
美琴「うわ、まだいたのアンタ」
土御門「今夜のお湯はそっちのを使わせてもらうぜい」
美琴「……………」
美琴「…………はい?」
465: 2011/02/16(水) 01:42:07.69 ID:KMxDuTv10
おお、けっこう人いるんですね、すぐにレスがくるのは非常に嬉しいです
では別でいきますね
>>462
画像検索するとオフロードバイクがどんな形をしてるか確認できますが
具体的に言うと、尻が二つに割れます。二人乗りで不整地走ろうものなら盛大にずっこけるか痔になります
よくオフロードバイクを「三角木馬」ということがありますがまさにその通りです
そもそも本格的にオフロードを走る時はシートの座り心地とかはほとんど関係ないんですよ、腰を浮かしてる時間のが長いですから
ただ最近はシティユースのオフロードバイクも多いので、90年代よりは幾分はマシになってるかと
では別でいきますね
>>462
画像検索するとオフロードバイクがどんな形をしてるか確認できますが
具体的に言うと、尻が二つに割れます。二人乗りで不整地走ろうものなら盛大にずっこけるか痔になります
よくオフロードバイクを「三角木馬」ということがありますがまさにその通りです
そもそも本格的にオフロードを走る時はシートの座り心地とかはほとんど関係ないんですよ、腰を浮かしてる時間のが長いですから
ただ最近はシティユースのオフロードバイクも多いので、90年代よりは幾分はマシになってるかと
466: 2011/02/16(水) 01:49:14.20 ID:KMxDuTv10
~ある日の食卓~
一方通行「…………肉がねェ」
美琴「今日は豆腐ハンバーグがメインだからねー、肉類は貴重なんだから節約しなきゃ」
上条「うんうん、御坂さんも節約の精神というものを少しずつわかってきているようですなぁ」ナデナデ
美琴「えへへ………///」
垣根「へぇ、お嬢様とばかり思ってたが結構いろいろ出来んだなぁ」モグモグ
打ち止め「アナタ、食べないの? 美味しいよ?」モグモグ
一方通行「………肉がねェ」
上条「………」モグモグ
美琴「………」ムグムグ
垣根(………早く氏なねえかな、コイツ)モグモグ
打ち止め「……そんなにお肉が食べたいの? ってミサカはミサカは尋ねてみたり…」
一方通行「肉のねェ飯なンてなァ、肉の入ってねェ肉まンと同じなンだよ」
垣根「それそのまんまじゃねぇか、例えになってないぞ」
美琴「…………クスッ」
一方通行「よし表に出ろ超電磁砲、すり潰してやる」ガタッ
美琴「きゃー、こわーい」ダキツキ
垣根「………お?」ダキツカレ
上条「………」ムッ
一方通行「……何の真似だァ」ビキビキ
垣根「おいおい、女の子に手ぇ出そうとするなんて紳士の風上にも置けねえなぁ」ガタッ
一方通行「紳士だァ? 対極にいるようなオマエがどの口で言いやがる、もげろ」
垣根「そうだなぁ、肉が食えなくて八つ当たりするような奴に言われたかねえなぁ、爆ぜろ」
バチバチ…
上条「………」モグモグ
美琴「あ、醤油とってー」
上条「……はいよ」
打ち止め「ねぇねぇ、やっぱりお肉って貴重なの?」ッテミサカハミサカハー
上条「そうだなぁ……鹿やら猪やらの肉は食べられるらしいけど………」
一方通行「それだァ!!!」
上条「…………へ?」
美琴(あーあ、言わなきゃいいのに……)ムグムグ
467: 2011/02/16(水) 01:50:25.10 ID:KMxDuTv10
~後日、山中にて~
一方通行「狙うは猪だァ、それも出来るだけ巨大な奴をなァ……」
美琴「猪ってこの寒さでもいるの?」
上条「猪は冬眠しないからな、うー寒っ」ブルブル
美琴「えっ猪って冬眠しないんだ」
上条「そう、だから農作物とかは気をつけとかないとなー、食われちまうからなー」
一方通行「よォし超電磁砲、オマエのレーダーとやらで猪を探しだしてくれェ」
美琴「えー? しかたないわねー…、じゃ、打ち止めはちょっと離れててね。電磁波を高出力で出すから」
打ち止め「いぇっさー!」テテテ…
ビビビ…
美琴「んー……」
垣根「どうだ? わかるか?」
美琴「もうちょっと待ってー…」ビビビ
一方通行「iuyfgtdghkj………」
上条「……これどうなってんだ?」
垣根「高出力の電磁波で演算が不安定になってんだろ、ざまあみろっつーの」
美琴「………あ、200メートルくらい北のほうになんかいる、けっこう大きいわ」
垣根「おーし行くかー」ザクザク…
美琴「……ん? でも他にもたくさん小さいのが……これって………」
一方通行「ここは譲れねェ」ザッ
垣根「いいやオレの見せどころだね」ザッ
一方通行「おもしれェ、どっちが先に仕留めるか勝負だァ」
垣根「へっ後で吠え面かくなよ口リコンが」
一方通行「………」
垣根「………」
一方・垣根「「おおォォォォォ!!!!!」」ザッ!
468: 2011/02/16(水) 01:53:34.80 ID:KMxDuTv10
美琴「だめぇぇぇーーーーーーーッッ!!!!!」ピシャーン
一方・垣根「「ぐおォォォォォォ!!???」」ビビビ
美琴「はぁ……はぁ……間に合った……」
打ち止め「あっ、茂みからなにか出てくるよ!」
ガサガサ…
ヒョコ
上条「お、ウリボーじゃないか」
打ち止め「わぁ! ちっちゃくってかわいー!」
上条「そうか、これがいるのがわかったからあの二人を止めたのか」
美琴「うん……間に合ってよかったわよ」フウ
上条「うん、間に合ってよかった、でもな」
美琴「………え、なに?」
ガサガサ…
猪「…」ヌッ
打ち止め「……」
美琴「……」デカイ…
上条「子持ちの猪はですねー、とっても……」
猪「……」ズシ…
上条「凶暴なのですよー…」
猪「ガァァアアアーーーーーッッ!!!!」※鳴き声はイメージです
美琴、打止「「ぎゃあああぁぁーーーーっ!!!!!」」
上条「不幸だ………」
美琴「なに突っ立ってんのよ! 早く逃げるわよ!!」グイッ
打ち止め「お姉様! お姉様の能力で! びりびりーって!!!」
美琴「ダメーッ! 怪我させちゃったら子供が、ウリボーがぁぁ!!!」
上条「…………」
上条「不幸だ………」
ギャー、カマレター! トウマニナニシテンノヨー!
ウワッ!? デンゲキガキカナイ…!?
オネエサマ、モットツヨクヤンナキャ…!
ダメヨー! コレイジョウツヨクシタラ、ケガシチャウー!
一方通行「………」プスプス…
垣根「………」プスプス…
一方通行「…………なァ」
垣根「…………なんだ?」
一方通行「メインキャラの座、いらねェか?」
垣根「…………欲しくねぇ」
それ以来、肉類は出来るだけ食事に入れるようにしたとか。
終
一方・垣根「「ぐおォォォォォォ!!???」」ビビビ
美琴「はぁ……はぁ……間に合った……」
打ち止め「あっ、茂みからなにか出てくるよ!」
ガサガサ…
ヒョコ
上条「お、ウリボーじゃないか」
打ち止め「わぁ! ちっちゃくってかわいー!」
上条「そうか、これがいるのがわかったからあの二人を止めたのか」
美琴「うん……間に合ってよかったわよ」フウ
上条「うん、間に合ってよかった、でもな」
美琴「………え、なに?」
ガサガサ…
猪「…」ヌッ
打ち止め「……」
美琴「……」デカイ…
上条「子持ちの猪はですねー、とっても……」
猪「……」ズシ…
上条「凶暴なのですよー…」
猪「ガァァアアアーーーーーッッ!!!!」※鳴き声はイメージです
美琴、打止「「ぎゃあああぁぁーーーーっ!!!!!」」
上条「不幸だ………」
美琴「なに突っ立ってんのよ! 早く逃げるわよ!!」グイッ
打ち止め「お姉様! お姉様の能力で! びりびりーって!!!」
美琴「ダメーッ! 怪我させちゃったら子供が、ウリボーがぁぁ!!!」
上条「…………」
上条「不幸だ………」
ギャー、カマレター! トウマニナニシテンノヨー!
ウワッ!? デンゲキガキカナイ…!?
オネエサマ、モットツヨクヤンナキャ…!
ダメヨー! コレイジョウツヨクシタラ、ケガシチャウー!
一方通行「………」プスプス…
垣根「………」プスプス…
一方通行「…………なァ」
垣根「…………なんだ?」
一方通行「メインキャラの座、いらねェか?」
垣根「…………欲しくねぇ」
それ以来、肉類は出来るだけ食事に入れるようにしたとか。
終
518: 2011/02/19(土) 00:33:44.69 ID:v/TJ077w0
~○○旅館、ロビー~
prrrrrrr……
pi
上条『もしもしー?』
美琴「あ、もしもし当麻? なんかちょっとめんどくさいことになったんだけど……」
上条『んー? 土御門にでも会ったか?』
美琴「うん」
上条『え、マジ?』
美琴「うん……。それでね、温泉はもう出来たんでしょ?」
上条『あ、あぁ、最終的にやっつけな感じになったけどな』
美琴「いま麓の○○旅館ってとこにいるんだけど、そこの浴場が壊れちゃったらしくて」
上条『はぁ? ○○旅館ってーとかなりでかい旅館なんだろ?』
レッサー「誰と電話してるんですか? もしかして上条当麻!? あとで代わってください!!」
美琴「あ、うん、後でね」
土御門「ちょっと代わるにゃー」ヒョイ
美琴「あ、ちょっと……」
土御門「もしもしカミやんかにゃー?」
上条『あ? 土御門か?』
土御門「そうだぜい、ひさしぶりだにゃー」
上条『氏ね』
土御門「温泉の件なんだがにゃー」
上条『ブッコロス』
土御門「……」
上条『サングラスもぎ取んぞこのクソ野郎、FxxkFxxk』
土御門「あいにくだがサングラスは取り外し可能なんだぜい、温泉の件だがにゃー」
上条『よしこい、テメエ専用の温泉用意しとくからな。90℃の源泉そのまんまのお湯だ、豪華だろ?』
土御門「いやまだ鍋の具になる気はないにゃー、それに行くのはオレだけじゃないんだぜい?」
上条『あ? 神裂とかもか? 別にそれくらいならどうってこと……』
土御門「いや、○○旅館に来てる馴染みの連中全員だにゃー」
上条『………テメエ今俺達がどういう生活してるかわかってるよな?』
519: 2011/02/19(土) 00:36:34.03 ID:v/TJ077w0
土御門「わかってんだぜい、いたいけな女の子とくんずほぐれつぅぶぶぶぶぶぶぶぶ」ビビビ
上条『………?』
美琴「……もしもし? そういうことなの。大丈夫かな?」
上条『はぁ……でも……』
美琴「私も、久しぶりにみんなとゆっくり話したいってのもあるんだけど……」
上条『そうか………、ならしかたないな、他の3人には俺から言っとくよ』
美琴「うん……ありがと」
pi
レッサー「あれ? 上条当麻じゃないんですか?」
美琴「……あ、ごめん。ごたごたしてたから忘れてた……」
レッサー「大丈夫です、あとでしっかりイチャイチャしてやりますから!」
美琴「う……」ソレハヤダ
麦野「それで? どうなったの?」ヒョコ
美琴「なんとかするって」
麦野「はーよかったー。たとえ一日とはいえ風呂に入れないなんて美容に悪いことこのうえないわぁ」
美琴「よく言うわよ、浴場壊した張本人なのに」
麦野「不可抗力よ、アンタもわかるでしょ? 変態な仲間を持った者同士」
フレンダ「それでも仲間と認めてくれてる麦野の愛は世界一! なわけよ……」ウットリ
黒子「私は仲間ではありませんわよ、既に一線を越えた恋人同士……」ウットリ
美琴「……」
麦野「……」
美琴「……なんだろ、いきなり親近感湧いてきたわ」
麦野「……私も、考えてみりゃアンタとの付き合いって仕事上だけだし」
美琴「だけって言うには過激すぎる出会いだったけどね……」
土御門「しかしオレが頼んでも渋るばかりだったカミやんが、超電磁砲のお嬢ちゃんのおねだりには簡単に折れるのかにゃー…。
これはなかなか面白い方向に転がってそうだぜい」
美琴「私を含めて女の子に甘いだけよ、アイツは」
美琴(そう……別に特別ってわけじゃないのよ……アイツに限って……)
イン「そうかな……?」
美琴「うわっ、インデックス!? アンタも来てたの!?」
イン「これでも私は原作のメインヒロインなんだよ! これくらいの配慮はあっていいかも!」プンプン
美琴「あ、そう……」
イン「確かにとうまは女の子には甘いかも。だけどそれは初対面とかあまり馴染みのない女の子に対してであって、
私や短髪みたいに打ち解けた間柄の女の子に対してはちゃんと自分の意思を言ってるもん」
土御門「……たしかにそうだにゃー、神裂達に対してもある程度は自分の意見を言う男だからにゃー」
レッサー「行動力もありますしねー、もしかしてもう美琴に……」
美琴「そ、そうなの?」
レッサー「はぁ……上条当麻を寝取られるのもアレですけど、照れてる美琴も可愛いですし……複雑です……」
美琴「アンタにどうコメントしていいかわからない私のほうが複雑な気分よ……」
520: 2011/02/19(土) 00:38:03.52 ID:v/TJ077w0
~その頃、麓の街中~
浜面「………」ドキドキ
滝壺「………はまづら」
浜面「は、はい! なんでしょう!?」
滝壺「はまづら、さっきから落ち着かない」ドシタノ?
浜面「い、いや、なんでも……」ドキドキ
絹旗「………」
絹旗(……間違いなくバレンタインということを意識しているようですね、しかし目の前でチョコなど渡されるなんて超不愉快ですし……。ここは出来るだけ気を逸らせておきましょうか)
絹旗「あ、あそこに足湯がありますよ」
滝壺「足湯……」ワクワク
浜面「あ、あぁ、少し休むかー…」フウ
絹旗(……麦野達と旅館にいたほうが超よかったですかね……)
~足湯~
サーシャ「………」チャプチャプ
絹旗「………?」
浜面(…………誰?)
滝壺(……………すごい格好……)ボーッ
サーシャ「…………第一の質問ですが」チャプ
浜面「えっ、オレ!?」バシャ
サーシャ「これは何ですか?」
浜面「…………へ?」
サーシャ「………」ジーッ
浜面「…………もしかして、足湯を知らないのか?」
サーシャ「………第二の質問ですが」
浜面「問答無用でオレですか!?」
サーシャ「“アシユ”とはなんですか?」
浜面「………はい?」
絹旗(……わざとやってるようには見えませんね、超めんどくさいです……)
滝壺(外国の人……?)ボーッ
浜面「あー…、いま俺達がしてるように、足だけ浸からせる温泉………かな?」
サーシャ「おんせん………」チャプチャプ
521: 2011/02/19(土) 00:39:48.40 ID:v/TJ077w0
浜面「……な、なぁ、その服って……、もしかしてコスプレイヤーさん?」
サーシャ「……第一の解答ですが、強いて言うならば上司の趣味です」
浜面「素晴らしい上司だ」
滝壺「はまづら、あうとー」デデーン
浜面「し、しまった!? つい本音が!!!」
絹旗「うわぁ……超浜面です………」
浜面「お願いだから人の名前を変態の代名詞として使わないでください!!!」
サーシャ「……」チャプチャプ
サーシャ「………第三の質問ですが」
浜面「ちょっと待った! これ以上答えてるとどんどん墓穴を掘っていってしまう気がする!!」
サーシャ「あなた達は“かっぷる”ですか?」
浜面「………えっ」
サーシャ「つまり二股……」
浜面「頼むから他の連中に余計なことは言わないでくださいよ、些細な誤解が氏に繋がって……」
絹旗「まさか私も手篭めにする気だったんですか、超浜面です」
滝壺「はまづら、ふたまたってどういうことかな?」
浜面「ほらみろ、ていうか俺の名前を変態の代名詞として使わないでくださいって」
サーシャ「……第四の質問ですが」
浜面「もうやめてください本当にお願いします!!!」ドゲザ
サーシャ「此処はどこですか?」
浜面「…………へ?」
サーシャ「迷子になりました」
522: 2011/02/19(土) 00:41:56.64 ID:v/TJ077w0
~ところ変わってとある山の家~
打ち止め「むむむむむー………」ソワソワ
上条「ん? どした?」
打ち止め「MNWからとっても重要な情報が回ってきたんだけど……」
上条「重要? 御坂達になんかあったのか!?」
打ち止め「ううん、そういうことじゃないんだけど、ミサカにはどうしようもないっていうか……うぇぇ……」
上条「お、おいおい……」
打ち止め「そうだ! お姉様に頼んでミサカの分も代わりに買ってきてもらおう!!」ピーン
上条「買ってきてもらう……? 御坂に……?」ハテナ
一方通行「………」ジー
垣根「………期待してんのか」
一方通行「……悪ィかよ」
垣根「羨ましいぜ、いまだ暗部の犬でそんな晴れ事に参加出来ねぇ俺からしたらよ」
一方通行「……なンだ、明るい世界が恋しいか?」
垣根「未練はねぇ、憧れもねぇ、俺は今が気にいってる。だがな、言っとくがオマエも……」
一方通行「わかってらァ、一度暗部に関わった奴ァ、一生そのままだ。完全に表舞台に帰ってくることは出来ねェ」
垣根「能力の高いやつほど闇に利用されるからな、第三位は例外だが」
一方通行「……そォだな、アイツは……あのままでいいンだよ」
垣根「それでも、あのチビッ子と生きていくってか?」
一方通行「ていとくンよォ、俺は知ったンだよ、チカラの使い道ってやつをよォ」
垣根「あっそ、次ていとくん言ったらコロス」
一方通行「実際にそれを見せてくれたのァ、あのクソみてェな三下と超電磁砲だった」
垣根「ほぉ……?」
一方通行「学園都市最高位の超能力者が関わってる実験をぶっ潰そうなンざ、普通は思わねェ。まして超電磁砲に至っては俺との実力の違いを身をもって体験した後だってェのによォ。それでも……、それでもアイツは俺の前に立ち塞がりやがった」
垣根「………悪く言やァ愚直ってやつか、アイツらしいぜ」
一方通行「幻想頃しの三下に至っては多分あれァただの馬鹿だ、俺の実力知らねェで勝手に人助けに来やがったンだろ」
垣根「そんな馬鹿に負けたんだろ、テメエは」
一方通行「そんな馬鹿共だがよォ、オレもその馬鹿共の真似をしてみたンだよ。……そしたらこのザマだ」
垣根「馬鹿の真似、か。違えねぇ、俺から見てもテメエは立派に馬鹿だよ」
一方通行「……案外いいモンだぜェ? 自分の命が、他の命に支えられてる感覚ってのはよォ」
垣根「耳が痛いな、オレにゃ一生理解出来そうにねぇし、理解したくもねぇ」
一方通行「………その辺りが俺とオマエの違いだろォな」
垣根「良かったぜ、俺は馬鹿じゃなくて」
523: 2011/02/19(土) 00:43:54.51 ID:v/TJ077w0
垣根「だが口リから本気でチョコもらいたいってオマエ……堕ちたな……人生の暗部に……」
一方通行「ちょ、せっかくイイ話だったのにナニいきなり人を口リコン扱いしてンですかァ!?」
垣根「いや……もう立派に口リコンだよ、ごめんな、俺は邪魔しないから、頑張れよ……」ポン
一方通行「斜め下を向きながら肩を叩くってオマエ、完全に終わった人間にすることですよねェ!?」
垣根「うん……まぁ……暗部以前に警備員に捕まらないようにな……」
一方通行「マジメな話を振った俺がバカだったみてェだなァ、やっぱりオマエとは一生相容れねェ関係みてェだ」ビキビキ
垣根「口リコンと相容れる関係なんてゴメンだな」ピキキ
バチバチ…
上条「おーい御坂ー…早く帰ってきてくれー……」
打ち止め(さ、さすがにチ○ルチョコだけじゃマズそうかも……ってミサカはミサカは予想以上に期待してたアナタのことが少しかわいそうに思えてきたり…)
~ところ戻って○○旅館~
美琴「えーと、31階の3510号室と………」テクテク
美琴(学園都市でもないのにやたらでかいのね、この旅館……)
「それじゃ、いっしょに温泉行っといでなー」
「はい! いってきます!」
美琴「あ」
五和「あ」
美琴「えーと……あん時の……」
五和「五和です、その件はお世話になりました」
美琴「はぁ……もしかして五和さんもこの旅館に?」
五和「はい、今日の“温泉”もご一緒しますよ?」ニコッ
香焼(な、なんか笑顔が黒いすよ……)コソッ
建宮(うーむ……今度はどんな服を持って行かせるべきか……)マヨウノヨナ…
美琴「そう……でも今回はかなりの人数がいるから、私も当麻にはあまり近づけないかも……」
五和「そ、そうなんですか……なんだぁ……」
美琴「まっ、私も温泉造りには関わってるから、それだけでも楽しんでくれればいいかなー、なんて」
五和(おしぼりがダメなら、今回は手拭いを……)
美琴「あ、それと3510号室ってこの階でしたっけ?」
524: 2011/02/19(土) 00:45:32.42 ID:v/TJ077w0
~3510号室前~
美琴「そっか……いろんな人来てるんだなぁ……」
美琴(ちゃんと渡せるかな……チョコ……)
『ですから、このチョコはこのミサカ、ミサカ10032号がお姉様から貰った物で……』
『いえ、ミサカに渡された物はミサカ全員で共有すべきなのです、とミサカ10052号は10032号を壁際へ追い詰めます』
『ミサカの物はミサカの物、御坂の物はミサカの物』
ドタドタ…
美琴(あ、この部屋だ……、なんか騒がしいわね…)
ガラッ
美琴「おっすー…」
19123号「あ…」←押し倒してる
14410号「あ…」←押し倒してる
10032号「お、お姉様……」←押し倒されてる
10052号「…」←10032号の手からチョコを奪おうとしてる
美琴「………」
美琴「お邪魔しましたー…」スッ
10032号「待ってください! お姉様は妹の危機を見て見ぬフリするのですか!? とミサカは…!」
19123号「往生際が悪いですよ、とミサカ19123号はチョコを奪い取ります」サッ
10032号「あぁ……!」
美琴「ん? チョコ?」
10052号「10032号がお姉様から貰ったチョコを一人占めしようとしているのです」
美琴「あ……あぁ、あれは……」
10032号「チョコぉ……お姉様のチョコぉ……」ウルウル
美琴(なにこれ可愛い)キュン
美琴「あー…チョコならアンタ達にも買ってあるから、それは10032号にあげたものだし……」
19123号「本当ですか!? はやく、はやくミサカにも……!」
14410号「いいえ先にミサカに……!」
10052号「ミサカは落ち着いて待っておきます……」セイザ デモキタイノメ
10032号「誰が先に貰おうと、このミサカが一番に貰ったのは揺ぎ無い事実です…!」
美琴「こ、これって……」
美琴(もしかして全員に買うフラグ……!?)
525: 2011/02/19(土) 00:47:45.93 ID:v/TJ077w0
~夜、ていとクン温泉~
一方通行「おィ、ちょっと待て」
垣根「ん? なんだ?」
一方通行「なンだこのふざけた名前はァ?」
垣根「素晴らしいじゃねぇか、ちょっぴりお茶目なとこが特に」
一方通行「オマエとうとう捨て身のネタ張るようになったな…」
垣根「なんとでもいえ、作者がだんだん俺の存在が鬱陶しくなってきたみたいでな、これくらいは許容範囲だってな」
上条「あー…どうでもいいけどヘリが来たぞー」
垣根「どうでもいいって、俺の存在どうでもいいって」
上条「泣くなよ」
垣根「泣いてねぇ」
一方通行「泣くなよ」
垣根「氏ね」
上条「どうでもいいけどヘリが着陸し終わったぞー」
垣根「ようこそどうでもいい存在のていとクン温泉へ!」ビシッ
上条「どうでもいいけどあんまりギャグに持っていくなよ? 修正するの面倒なんだ」
打ち止め「ちなみに本当は垣根にすると実在の温泉施設と被っちゃいそうだからだよって、ミサカはミサカは補足しておく!」
ゾロゾロ…
美琴「どうでもいい温泉に連れて来たわ」テクテク
垣根「心が! 心が痛い!」ビクンビクン
上条「だからギャグに持ってくなって」
垣根「ようこそていとクン温泉へ!」ビシッ
結標「うっわださっ」スタスタ
麦野「ていとクン(失笑)」スタスタ
初春「割とどうでもいい」スタスタ
五和「…………クスッ」スタスタ
レッサー「生きてればいいことありますよ、うん」スタスタ
海原「氏ねばいいのに」スタスタ
垣根「ねば……ぎぶあっぷ………」ビクンビクン
上条「くるってる」
美琴「ねぇ、ホントに入り切るの? こんな人数」
垣根「大丈夫だ、オレの温泉に常識は通用しねぇ!!!」
美琴「……いや、そこは常識に収めようよ」
526: 2011/02/19(土) 00:49:36.61 ID:v/TJ077w0
垣根「常識なんてな、オレを際立たせるためだけに存在してるんだよ。いわば陰と陽ってヤツだ」キラリン
美琴「……なんかアンタのことだから温泉にも変なモン混ぜてそうね」
垣根「…………」
美琴「……ちょっと本当なの!? やめてよ気持ち悪い!!!」
垣根「はい、女子中学生から素で“キモチワルイ”発言いただきました」
上条「…………お湯、張り替えてくるわ」スタスタ
一方通行「待っててやるから頭冷やしてこい」スタスタ
打ち止め「気付いてよかった……ってミサカはミサカは……はぁ……」スタスタ
垣根「ここまで想定の範囲内です」ポツーン
美琴「ね、ねぇ、アンタ本当に大丈夫? なんか変なモノでも食べたんじゃ……?」
垣根「……………オマエは優しいな」
美琴「へっ?」
垣根「………こんな俺にも、まるで太陽みたいな…」
美琴「ちょ、ちょっと待って、そんないきなり……」
垣根「そういやこっちにいる間に10回は犯すって言ったよな?」
美琴「はい?」
垣根「いまから犯すわ」ドーン
美琴「は? ちょっと……、こ、来ないでよ!!!」バチバチィ
垣根「効かねぇ」パシ
美琴「や、やだ……!」
ボコッ
心理定規「はいはい、番頭さんは職務を全うしましょうねー」ズルズル
垣根「」ズルズル ヒキヅラレ
美琴「…………な、なんなの、いったい……?」
青髪「男のロマンやで」ヒョコ
美琴「うわ! びっくりした!」
527: 2011/02/19(土) 00:51:48.38 ID:v/TJ077w0
土御門「お嬢ちゃん、カミやんだけでなく第二位まで手篭めにするとは……恐ろしい子……!」
美琴「はぁ? あれは完全に正気失ってるでしょ…」
青髪「お嬢さんもこの温泉造るのに関わっとるんやろ? なんか秘密の覗き穴とかないの? 教えてーな」ハアハア
土御門「見取り図でもオーケーだぜい、この際簡略図でも可」
青髪「なんかあるんやろ? カミやんが関わってる温泉でなにも無いわけないんや!」グッ
土御門「そう! カミやんはここぞという時には必ずやってくれる男なんだにゃー!」グッ
吹寄「ここぞという時に必ずやってくれるとは流石のデルタフォース」
青髪「……」
土御門「……」
小萌「お馬鹿ちゃん二人には春休みの課題3割増しのプレゼントですー」
土御門「2月の時点ですでに氏刑宣告!?」
青髪「それでもカミやんなら……! カミやんならなにかやってくれているはず……!」
小萌「二人だけだと可哀想なので上条ちゃんにも課題をプレゼントしておきますー」
美琴「酷っ!!」
姫神「次回。いよいよ貧Ovs巨Oが幕を開ける。」
美琴「あ、えと、誰だっけ…」
姫神「名前が全表示された。それだけで。私は満足。」テクテク
美琴「……?」
529: 2011/02/19(土) 00:52:42.54 ID:v/TJ077w0
~脱衣所、女湯~
神裂「ふぅ……こんな風情のある温泉は初めてです」
麦野「へぇ、見た目からして一番日本っぽい感じなのに、以外ね」
滝壺「日本……ろてんぶろ……」
結標「たしかにこんな山奥で露天風呂ってのはいいわね、長らく経験なかったわ」
五和「露天なんですね、楽しみです」
吹寄「あのバカ達がなにもしないわけがない……ブツブツ」
佐天「あの馬鹿って青髪さんとサングラスさんですか? たしかに一癖ありそうな人達でしたね…」
美琴「……」
打ち止め「……」
妹達「「「「……」」」」
イン「……」
初春「……」
黒子「……」
絹旗「……」
フレンダ「……」
姫神「……」
サーシャ「……」
レッサー(…あれ? 私もこっち?)
小萌(私もこっちですよね……)
美琴「………大丈夫、数では勝ってるわ!」グッ
10032号「つまり巨O is まいのりてぃ、ということですね、とミサカ10032号は小さくガッツポーズをとります」グッ
イン「そ、それに私たちのほうが年齢的にもだいぶ下なんだよ、私達はこれから、なんだよ!」
打ち止め「ミ、ミサカもミサカもまだまだこれからだし…!」
初春(佐天さんも向こうなんだ……)
黒子「ですわね、まだまだこれからですの(小さいお姉様ハアハア…!)」
絹旗「幼女路線で売ってる私には超関係ないことです、………多分」
フレンダ「麦野ぉ……」ハアハア
姫神「私は。特に大きくもないとは言われたけど。小さくはないはず。」
小萌「うぅぅ……! なにも言えないですぅ……!」
サーシャ「第一の質問ですが、これはなんの集会ですか?」
レッサー「持たざる者達の集会ですよ……、多分」
心理定規(作者の知識不足で私はどっちつかず……)
530: 2011/02/19(土) 00:54:41.69 ID:v/TJ077w0
~脱衣所、男湯~
上条「ふむふむ……」
浜面「な、なんという天啓……!」
垣根「なっ、いいだろ? さすがにカメラは付けられなかったが、盗聴器くらいはいいだろと思ってな」
青髪「ナイスやで兄さん!!! これはもう永久保存版やなぁ…!」ハアハア
土御門「舞夏を連れてこなくてよかったぜい……」
海原「御坂さんはやはり小さいのですね……一時期大きくなっていたような気もしていたのですが…」
上条「あぁ、あれパッドらしいぞ」
海原「なんと……!」
一方通行「ぺったんンこのなにが悪いってンだァ……!」
土御門「だよなァ、貧O妹系最強だぜい」
ステイル「なんだか僕は場違いな気がするんだが……」
青髪「そんなこと言わずに兄さんもよーく聞いてみたらってー♪」キャホホイ
上条(なんだろう……もう既に嫌な予感しかしない……!)
606: 2011/02/22(火) 01:00:51.21 ID:Q1Be2wDj0
~女湯、美琴+魔術連中~
美琴「ふー…こんな広いお風呂入るの久しぶりー…」チャプチャプ
イン「生き返るんだよー…」
神裂「あれ? あの家には風呂は付いていませんでしたか?」
美琴「あ、いえ五右衛門風呂が一応………って、私があの家にいること知ってるんですか!?」バシャ
神裂「えぇと……私も土御門の知り合い、といえばわかるでしょうか?」
美琴「あ……はい、でも随分と雰囲気が違うというかなんというか……」
神裂「土御門はああいう性分なんですよ。ただ、いざとなるとなかなか心強い男ですよ?」
美琴「へー……」
イン「まぁ普段は信用しないほうがいいかも、今日も一緒にいた青髪の人ととうまとで三馬鹿って言われてるんだって」
レッサー「加えて変態さんですしねー」
五和「あなたがそれを言うんですか……」
サーシャ「へんたい……」チャプチャプ
美琴「あれ? 皆さん舞夏の…じゃなかった、土御門さんを知ってるってことは、いまこの辺にいる人ってみんな“マジュツシ”さんなんですか?」
一同「「「…………」」」
シーン…
美琴「……あ、あれ? もしかして私、いけないこと聞いちゃいました……?」オロロ
神裂「………ずっと表舞台にいた貴方が魔術と接点を持っているとは知りませんでした」
五和「イレギュラーな因子が増えるのは良くありませんね……現時点でどこまで知ってるんですか?」
サーシャ「……科学側に割り込まれるのは芳しくない」
美琴「え、あの、そんなにマズイことなの……?」オロオロ
神裂「どこまで知っているんですか、早く言ってください」キッ
美琴「あわわ……!」オロロ
レッサー「落ち着いてください美琴、いま知っていることを順を追って話してくれれば大丈夫ですから…」
美琴「あ、アンタまでマジモードなの? わかった、話すわよ…」
607: 2011/02/22(火) 01:02:40.19 ID:Q1Be2wDj0
美琴「えっと、去年の夏休み前くらいからアイツ……当麻から魔術がどうのっていう話は何度か聞いてたんだけど、その時はまったく信じてなくて…。
それから当麻を追いかけてロシアに行った時、なんだっけ、“ベツレヘムの星”っていうの? アレを見てからは流石に信じざるを得なくなったというか…」
サーシャ「第一の質問ですが、魔術を知らない貴方がなぜ“ベツレヘムの星”という呼称を知っているのですか?」
美琴「学園都市に帰ってから当麻を問い詰めたのよ、さすがにそんなに詳しくは教えてもらえなかったけど、
世界に科学と魔術っていう大きい二つの派閥があることくらいは……」
神裂「そうですか………、それで?」
美琴「へ? それで、って?」
レッサー「今回のことに関してはどこまで知ってるんですか?」
美琴「へ……今回のこと?」
神裂「とぼけないでください、貴方と上条当麻があの家で暮らしてる理由でもあるあの件についてですよ」
美琴「えっ、ちょっと待ってください、これってただの農業研修じゃなかったんですか!?」
神裂「えっ」
レッサー「えっ」
美琴「私だって当麻に無理矢理連れて来られて……!」
一同「「「…………」」」
神裂(……どう見ます?)コソッ
イン(嘘をついてるようには見えないんだよ、それに短髪はこんな状況で嘘をつけるほど器用な性格はしてないかも)
レッサー(つまり我々は変に疑ってしまったせいで余計なことを美琴に教えちゃったみたいですぅ…)
神裂(く……! 土御門から誰にどこまで教えているのか詳しく聞いてくるべきでした……!)
神裂「さ、さぁ! 向こうに打たせ湯があるみたいですよ! 行きましょう!」ザバッ
レッサー「お、おぉーー!!!」アセアセ
イン「わ、私も最近、肩が頭痛で痛いから打たせ湯を浴びてくるんだよ!」ソソクサー
五和「サーシャさんも行きましょう!」アセアセ
サーシャ「第一の回答ですが、私は貴方達と違って肩こりになるほどの胸は―――」
レッサー「そんなこと言わずに行きますよっ!」グイッ
サーシャ「あ……」バシャ
ダイニノカイトウデスガ、ウタセユトハ…
ソンナコトイイカライキマスヨッテ…!
美琴「………」ポツーン…
美琴「…………なによ」
美琴「………『面倒に巻き込まれた』って、どうみたって面倒ってレベルじゃなさそうじゃない………」ブクブク
美琴(それとも、アイツもあんまり詳しくは教えてもらってないってこと……? ホントに呑気に田舎生活してて大丈夫なの……?)
608: 2011/02/22(火) 01:04:34.83 ID:Q1Be2wDj0
~女湯、超電磁砲組+アイテム~
黒子「………ハッ!」
佐天「…? どうしたんですか白井さん?」
黒子「お姉様にたかっていた虫どもがいなくなりましたの! お姉様のお肌を堪能するチャンスですわ…!」スイー
佐天「あ……行っちゃった……」
オネエサマー、オセナカナガシマスワー
エ? イイワヨ、ジブンデヤルカラ
ソンナコトイワズニ、クロコニミモココロモユダネテクダサイマセ、サア! サア!
メキャッ
ア゛ア゛ア゛……!
佐天「おぉ……水中四の字固め……」
麦野「そういや前から思ってたんだけどさー」
初春「はい?」
麦野「温泉入る時もその花付けたままなのね」
初春「なんのことですか?」
麦野「……は? その頭の花よ」
初春「なんのことですか?」
麦野「……、だからこの頭の……」スッ
ガシッ
初春「……」ギリギリ
麦野「……」
初春「なんの、ことですか?」ギリギリ
麦野「……」
佐天「ちょ、ちょっと初春……」
フレンダ「むーぎのっ、背中流したげるー♪」スイー
麦野「…………フレンダ」
フレンダ(は、反応してくれた…! てっきりまたシカトされるかと…!)
麦野「……今だけサンドバッグになりなさい、なんかストレス溜まった」コキコキ
フレンダ「………」
610: 2011/02/22(火) 01:08:30.12 ID:Q1Be2wDj0
フレンダ「それは夜に性欲を叩きつける、という意味で?」
麦野「いや、行き場のない怒りを叩きつける、という意味で」
フレンダ「……」
麦野「……」
フレンダ「………それでも! 麦野の愛のムチなら私はドM属性にだってなってみせるわけよ!」
麦野「そりゃよかった、氏んだらごめんね?」
フレンダ「や、やっぱちょっと待って……」
イヤァァァ…!
佐天「おぉ……水中パールドライバー……」
美琴「どうやってんのよ、それ」
佐天「あ、御坂さん。……あれ? 白井さんは…?」
美琴「あっちに浮いてるわ。はー……やっぱり佐天さんとが一番安心するわー…」チャプチャプ
佐天「……あれ? ひょっとして私、口説かれてます?」
美琴「ふぇ? ……いや、違う違う! その、佐天さんは常識人だなーってことよ!」
佐天「常識人、ですか……。このメンツだとなんかありがたみないですね…」
美琴「あはは、たしかに………」
チャプチャプ…
美琴「…………ねぇ、佐天さん」
佐天「はい、なんでしょう?」
美琴「……私って、やっぱり頼りない、かな?」
佐天「………はい? なに言ってんですか、私達がどれだけ御坂さんに助けてもらったかわからないくらいですよ」
美琴「そう、かな……。なんかまた私、何も知らされてなかったみたいでさ。それによく考えたらさ、私が助けてもらった回数のほうが多いんじゃないかな……?」
佐天「そんなことないですって! 幻想御手(レベルアッパー)の時だって、乱雑開放(ポルターガイスト)の時だって、御坂さんがいなかったらどうなっていたか…!」
美琴「………それだって、婚后さんや佐天さん達が突っ走ってた私を助けてくれたからで……」
佐天「確かに御坂さんは一人で突っ走っちゃうことはよくありますけど……、でも、だからって御坂さんが頼りないなんてことにはなりませんよ」
美琴「でも……」
佐天「あーーーもう!!! いいですか御坂さん!!!」ザバッ
美琴「は、はい!」
佐天「御坂さんはたしかにレベル5という力の持ち主です、だから周りの人を護らないといけないっていう義務感があるのかもしれないけど!」
美琴「義務感ってわけじゃ……」
佐天「無意識に感じちゃってるんですよ。ですが、確かに御坂さんはレベル5ですけど……!」
美琴「だけど……?」
佐天「それ以前に私たちは友達でしょう?」
612: 2011/02/22(火) 01:10:15.54 ID:Q1Be2wDj0
美琴「……」
佐天「友達は助けあうのが当たり前なんですよ? 忘れてませんか?」
美琴「…………佐天さん」
佐天「なんですか?」ニコ
美琴「…………ごめん、泣きそう」
佐天「………しょうがないなぁ」
…
黒子「」プカー
イン「ねぇ、短髪泣いてるよ? そばに行かなくていいの?」
黒子「」プカー
イン「ねぇ」
黒子「……聞こえていますの、どうせいま私が行けば強がって泣くのを止めてしまうに決まっていますわ」プカー
イン「そうなの?」
黒子「そうですの、お姉様は定期的に弱気になってしまうんですの。いま行けばせっかく気持ちよく泣いているのを邪魔してしまいますのー」プカー
イン「ふーん……」
黒子(しかし佐天涙子…! 一時とはいえお姉様を独占するなど、行き過ぎた真似は身を滅ぼすことになりましてよ……?)
イン「あ゛あ゛あ゛ー…気持ちいいんだよー……」バシャバシャ
黒子「………なんですの? ソレ」
イン「打たせ湯なんだよ、こんなに気持ちいいと10万3000冊のうち2・3冊は飛んでっちゃいそうかもー……」バシャバシャ
神裂「それは割と冗談にならないのでやめてください」ヒョイ
イン「温泉くらい好きにさせてくれてもいいかも!」プンプン
黒子「……アナタもお姉様とは旧知の間柄ですの?」
神裂「いえ、何度か顔を合わせたことはあるかもしれませんが、名前までは知らない程度です。
ただ御坂美琴は学園都市ではかなりの有名人なので、私は一方的に知っていましたが」
黒子「そうですの………」
黒子(麦野さんと知り合いと聞いて、麦野×御坂というジャンルにも手を出してしまいそうになりましたが……。
この神裂さんとお姉様という組み合わせもなかなかよろしいモノですわね……。もちろん、最終的にお姉様をモノにするのは私なれど………)
黒子「げへへ………」ジュルリ
イン「な、なんかこの人怖いんだよ……」
神裂「察しなさい、世の中には触れてはいけないこともあるんですよ」
613: 2011/02/22(火) 01:12:57.08 ID:Q1Be2wDj0
~男湯~
垣根「全員、準備は出来たかーー!!?」
一同「「おぉーーーっ!!!」」
垣根「女の子の裸見たいかーーー!!?」
一同「「おぉーーーっ!!!」」
ステイル「………なんだい、あの茶番は」
上条「知らねえよ……とりあえず巻き込まれないようにしとくのが一番さ」
垣根「当然だが、オレの温泉に常識は通用しねぇ。そしてこれも当然だが、此処には覗き穴が存在する」
一同「「おぉーー!!」」
上条(当然じゃねぇよ……)
垣根「見ての通り女湯と男湯の仕切りは薄い木の板1枚で出来ている。そんなんじゃさっきの掛け声も聞こえちゃうんじゃないの? なんて疑問は後回しだ!」
上条(いや、後回しにすんなよ……)
垣根「そして自然に言い訳出来るよう、覗き穴はその木の“うろ”を使って作った。これならば見た目にもわかりにくい」
一方通行「おォ、ていとクンもたまにはやるじゃねェか」
上条(いや、わかるだろ……、ていうかなんで一方通行までそっち側なんだ…?)
浜面「でもよ、向こうに気付かれたらなんらかの対策をされる可能性があるんじゃないか……?」
垣根「だから出来るだけわかりにくくするために、向こう側には飾りと見せかけた草木を置いてあるんだよ。これで万に一つもばれねェ」
一方通行「あァ? それじゃこっちからも見えねェじゃねェか」
垣根「…………」
青髪「えっ、ひょっとして兄さん、なんも考えてなかったの?」
土御門「そんなわけないにゃー、ここまで手が込んでんだ、なんか策があるんだろ?」
垣根「…………」
垣根「てへっ☆」
一方通行「よし、オマエは頭を押さえろ。窒息して氏ぬまで離すンじゃねェぞ」
海原「了解しました、抵抗されると面倒なので多少骨を折っておいてもいいですか?」
垣根「待て!!! 開業初日に水氏体が揚がる温泉なんて縁起悪いにも程があrゴボボ………!!!」バシャバシャ
土御門「この後に及んで縁起を担ごうなんてなかなか胆のすわった男だにゃー」
青髪「同志やと思うてたんやけどなぁ……アーメン……」
垣根「て、テメエら!!! ナチュラルに人を溺氏させゴボボ……!!!」バシャバシャ
一方通行「以外としぶてェなァ」オサエツケ
海原「曇っていてトラウィryの槍を使えないのが残念です……」オサエツケ
垣根「ガボボ……!!!」ゴボゴボ
上条「なっ? あいつらと関わるとロクなことになんねぇんだよ」
ステイル「なるほど、あらためて自分が糞真面目なんだと確認できたよ」
614: 2011/02/22(火) 01:14:39.44 ID:Q1Be2wDj0
一方通行「………氏ンだか?」
垣根「」プカー
海原「ふぅ、これで御坂さんにちょっかいを出す害虫を駆除出来ましたね」
青髪「兄さんけっこう腹黒いんやなぁ」
土御門「人体をバラバラにするような霊装使うやつだからにゃー、いまさらだぜい」
海原「個人的に最悪な夜を過ごした恨みもあるので」トリハダ
土御門「………同情するぜい」
一方通行「………」
一方通行「……いや、まだ可能性はある」スッ
青髪「お? 白髪の兄さん、見かけによらずチャレンジャーやなぁ。でも、穴の向こうは草木の茂みやで?」
一方通行「…………」ジー…
浜面「どうだ? やっぱ見えないか?」
一方通行「………いや、見える、見えるぜェ…!」ジー
浜面「マジか!! どんな感じだ!?」
一方通行「だが……草木が邪魔で一人しか見えねェ……。あれは………超電磁砲かァ?」
海原「御坂さんですか、退いてください、どうせアナタは興味ないんでしょう? さぁ早く」グイグイ
一方通行「いや……これはこれで………」ジー
海原「退けっつってんだろ、バラすぞこの白モヤシ」ビキキ
土御門「落ち着け、順番からするとオレが次なんだからにゃー」
青髪「そやで、ちなみにその次は僕やけどな?」
浜面「おいおいいつの間に順番が決まったんだ? じゃあその次はオレな」
海原「そうですか、ちょうど雲も晴れてきたし皆さん氏んでください」スチャ
ウワァァァ…! トノガゴランシンダァァ…!
上条「はぁ……こんなに平和に温泉に浸かってられるなんて、今日は幸せだ……」チャプチャプ
ステイル「この状況を平和と言える君の(シュボッ)心情が可哀想に(シュボッ)ていうかさっきから飛んできてる(シュボッ)流れ弾の処理くらいはしてもらえないかな?(シュボボッ)」
上条「あぁ、なら俺の陰に隠れて―――」
『きゃぁぁぁあぁぁぁあああああああ!!!!!』
上条「……!? なんだ!?」
ステイル「今のは……女湯のほうから……!!?」
上条「くっ……!!!」ザバッ
ステイル「お、おい、どこに行くんだ!?」
615: 2011/02/22(火) 01:16:30.19 ID:Q1Be2wDj0
~ちょっと前、女湯~
美琴「………グスッ」
佐天「……落ち着きました?」
美琴「うん………、ありがとう、佐天さん」
佐天「いえいえ、御坂さんもあまり強がらないで、私達を頼ってくださいね? 私達はいつだってそばにいるんですから」
美琴「うん……」グスッ
佐天「それじゃ、せっかくだしお背中流しますよ。先に行っときますね」ザバッ
美琴「うん……、すぐ行く」
チャプ…
美琴「はぁ……佐天さんに泣き顔見られたのは初めてかなぁ………」
美琴(でも……なんかすっきりしたし、また皆との距離を縮められた気がするし、よかった、かな……)
『だァから改心したンですゥ! 中学生も口リに入りますゥ! なぜなら打ち止めもあと数年で中学生だからなァ!』
『なるほど、しかしたいして好意も持っていないアナタが御坂さんの※自主規制を見るなどおこがましいにも程があります』
『なら純粋に好意を持ってる僕やったら見てもええんやな? なら早速(シュボッ)ひぃぃ!?』
『お、落ち着くんだにゃー! とりあえずその槍から手を離せ!』
美琴(………なんか向こうが騒がしいわね……)チャプ
美琴「……ん? あれは……」スイー
『では、自分が先に見たんでようござんすね?』
『あ、あァ……勝手にしろォ……』
美琴「穴……? そっか、誰かが木の“うろ”に気付かずにそのまま板に加工しちゃったのね…」
美琴(この向こうは男湯……? ……てことは、裸の当麻がいるってこと……!?)
美琴「……」キョロキョロ
美琴「……」ウン、ダレモイナイ
美琴「ちょっとだけ、ちょっとだけなら………」ソーッ
海原『ハァハァ……』←血走った眼
美琴「きゃぁぁぁあぁぁぁあああああああ!!!!!」
一同「「……!??」」
616: 2011/02/22(火) 01:17:40.52 ID:Q1Be2wDj0
ドタドタドタ……
ガラッ!
美琴「ぁ……」
上条「どうした!! なにがあった!!?」
美琴「め、目玉がここから……!」
上条「目玉!? いったい……」
クイクイ
上条「なんだ!?」
イン「ねぇとうま、ちょっといいかな?」
上条「あぁ!? いまそれどころじゃ……!」
吹寄「上条当麻、ちょっといいか?」
上条「だからそれどころじゃ………!」
神裂「上条当麻、私からもひとつ、言いたいことがあります」
上条「………あ」
神裂「悪いことは言いません、今すぐ今生の罪を懺悔してください」シャキン
ナナセン…!
ギャアアア…!
………
……
…
617: 2011/02/22(火) 01:20:51.07 ID:Q1Be2wDj0
~休憩室~
上条「う……」パチ
美琴「あ、気がついた?」
上条「あぁ……」
美琴「大丈夫?」
上条「あぁ………?」
美琴「どしたの? まだどっか痛む?」
上条「……………あのさ」
美琴「なーに?」
上条「……もしかして、人に膝枕すんの好きなのか?」
美琴「………アンタにだけよ」
上条「そうか…………」
美琴(聞き流しやがった、コイツ)
美琴「まーったく、全裸で女湯に飛び込んでくるなんて普通だったら逮捕モンよ、そんで実刑」
上条「逮捕も裁判もすっ飛ばして実刑を受けた上条さんはどうなんでしょう?」
美琴「生きてるだけマシと思いなさいよ」
上条「そりゃそうだけどさ……、そもそもオマエが尋常じゃない悲鳴をあげるから……」
美琴「う……、だ、だからこうやっていま責任もって介抱してやってんじゃない」
上条「これがレッサーやら白井とかだったら別に珍しくもないけどさ、御坂が悲鳴あげるなんて滅多にないし……」
美琴「……心配してくれたの?」
上条「……当たり前だろ」
美琴「そっか………ありがと………えへへ……」
上条(………なんか最近の御坂は素直だな……)
美琴「……」ナデナデ
上条「……!?」
美琴「えへ……」ナデナデ←上条の頭で遊んでる
上条「………あのさ、御坂」
美琴「んー?」
上条「……お前ってさ、俺のこと……」
美琴「あっ、インデックス」
上条「へ?」
イン「……」
美琴「もうあがったの? ゆっくりしてていいのに」
イン「……話が、あるんだよ」
美琴「話?」
619: 2011/02/22(火) 01:23:24.78 ID:Q1Be2wDj0
イン「うん、とうまに………」
上条「俺にか? なんだ?」
イン「………」
美琴「………じゃ、私はちょっと飲み物取ってくるから」タタタ…
上条「お、おい御坂……」
イン「とうま」
上条「あぁ、そういや話ってなんだ?」
イン「大事な話なんだよ、よく聞いてね?」
上条「え、あ、あぁ………」
…
美琴「垣根…はいないか……。飲み物勝手に取っていっちゃっていいのかな…?」
美琴(インデックス……アイツに話ってなんだろ……すごく真剣な顔してたけど……)
美琴(も、もしかして告白!? だったら、こんなことしてる場合じゃ……!)
美琴(…………)
美琴(はぁ……やっぱ最悪だ、私。選ぶのはアイツ自身であって私じゃない。人が頑張って想いを伝えようとしてるのを邪魔したところで、別にアイツが私を選んでくれるわけじゃないのに)
美琴(………やっぱり、アイツはあの子のことが好きなのかな……)
美琴「はぁ………」
イン「……」テクテク
美琴「あ、インデックス、話は終わったの?」
イン「………うん」
美琴「そう……」
イン「…………あのね、たんぱ……うぅん、みこと」
美琴「……なに?」
イン「ごめん……ホントはみことにも言わなくちゃいけないことだったんだけど……」
美琴「私にも……?」
美琴(あれ? じゃあ告白とかじゃないのかな……?)
イン「だから、後でとうまから聞いて?」
美琴「う、うん……」
イン「………ねぇ、みこと」
美琴「ん?」
イン「晩御飯ってちゃんと出るのかな?」
美琴「………………は?」
イン「もう旅館に戻るまで待つなんて出来ないんだよ! 飲み物持ってるってことは食べ物もあるんだよね!? ねっ!?」キラキラ
美琴「あはは……、後で持ってくるから、ちょっと待ってて」
イン「さすがみこと!! 話が早いんだよ!!!」
美琴「はぁ……結局こうなんのね………」
695: 2011/02/28(月) 00:10:53.59 ID:avtmhs7r0
…
イン「とうまと会えなくなったのは寂しいけど、食生活に関しては前よりも安定してるんだよ!」モグモグ
上条「はは……(すまん、ステイル……)」
美琴「……」
美琴(当たり前のように隣に座って……やっぱりインデックスのほうが好きなのかな………)シュン
イン「……? どしたの、みこと?」
美琴「ううん、別に……」
上条「そういえば、アイツは大丈夫なのか?」
美琴「アイツ?」
上条「そこに転がってるホストだよ」
垣根「」ピクピク
美琴「あぁ、アイツね……」
上条「流石にやり過ぎたかな……? なんか痙攣してる気が……」
イン「おかわり」スッ
美琴「あ、ごめん、それで最後なの」
上条「………あのなぁ、ちょっとは遠慮ってモンをだなぁ……」
イン「外聞なんか気にしたって文字通り腹の足しにもならないんだよ!」
上条「開き直りやがったなコノヤロウ」
美琴「………」
美琴(はぁ……この二人のイチャツキを見てるのも辛いし、ホスト崩れの面倒でもみてあげるかぁ……)スタスタ
ソレデモインデックスハアキラメナインダヨー!
ミズデモノンデ、ハラフクラマセトケ…
美琴「おーい、起きてるー?」ペシペシ
垣根「」
美琴「おーい……」ペシペシ
垣根「」
美琴「はぁ……こりゃかなり酷くやられたみたいね………」
696: 2011/02/28(月) 00:11:58.01 ID:avtmhs7r0
垣根「」
美琴「かろうじて心臓は動いてるみたいね、でも心配だから多少手荒かもしれないけど電気ショックを……」バチッ
垣根「おい」
美琴「あら? 起きてたの?」
垣根「起きてたの?じゃねぇ、テメエいま何しようとしてやがった」
美琴「なにって、フルパワーで電気ショックでも、なんて」エヘヘ
垣根「それ完全に息の根停めにかかってんだろ、10億ボルトの心肺蘇生なんて聞いたことねぇよ」
美琴「10億ボルトだなんて」
垣根「違うのか?」
美琴「フルパワーって言ったじゃない。飽くまで『自在に操れる』のが10億ボルトまでであって、コントロールは効かなくなるかもしれないけど
10億ボルト以上の電圧も出るわよ、たぶん」ケロッ
垣根「オーケーお嬢ちゃん、そこに座りな。俺が命の尊さについてみっちりレクチャーしてやる」
美琴「はいはい、暗部のアンタが言ったって説得力ないって」
垣根「たったいま殺人を実行に移そうとしてたテメエが言うか?」
美琴「殺人だなんて」
垣根「違うのか?」
美琴「ただの八つ当たりよ」
垣根「最悪じゃねぇか」
美琴「冗談よ、水でも飲む?」スッ
垣根「あぁ……ありがてぇ………」ウケトリ
美琴「しかし手酷くやられたわねぇ……」
垣根「まったくだ、栄えある学園都市の第二位様が辺境の温泉で溺氏なんて無様過ぎんぜ」
美琴「アンタ達いったいなにしてんのよ……」ハア…
垣根「なんていうかな、男としての夢を捨て切れなかったのさ」
美琴「はぁ…?」
イン「それでね、小萌の家で……」
上条「………」ジー
イン「……とうま? どうしたの?」
上条「………」ジー
イン(む、無視!? しかも視線の先には……、みこと!?)
上条「チッ……」
イン「と、とうま?」
上条「お、おぉすまん、なんの話だったっけ?」
イン「う、うん……、小萌の家にも行ったんだけど……」
698: 2011/02/28(月) 00:13:56.70 ID:avtmhs7r0
…
美琴「はー…、どっかに当麻落ちてないかなー…」
垣根「お前も開き直ってんな、正直隣でそんなこと言われたら傷つくぜ」
美琴「なんていうかアンタと一方通行に対しては言いたいことバシバシ言えちゃうのよね」ナンデダロ?
垣根「アイツと同列ってのは気に入らねえが、なんでも話せるってのは良いことだな」
美琴「どうも」
垣根「それよりさ、ほら」チョイチョイ
美琴「んー?」
垣根「おれ、怪我人」
美琴「だから?」
垣根「膝枕、俺にはしてくれねぇのか?」
美琴「もっかい氏んでみる?」バチッ
垣根「三途の川の往復はもうこりごりだ、それに膝枕したら面白いモノが見れるかもしれねぇぞ?」
美琴「はぁ? なに言って……」
垣根「騙されたと思ってやってみろって、オマエにとっても悪いようにはならねぇって」
美琴「………」
美琴「………5秒だけよ」
垣根「ひゃっほう! さすが第三位、心の広さでは第二位だな!」
美琴「第一位は誰なのよ?」
垣根「もちろん俺様だよ」
美琴「やっぱり電気ショックしとこうか?」パチッ
垣根「冗談だよ、さ、善は急げだ早く早く」ウキウキ
美琴「………こんなに不本意なのは初めてだわ……」
オー、コレハキモチイイナー…
モウ5ビョウタッタワヨ、ドキナサイヨ
ンー、アトゴフン…
ゴフン!? スコシハエンリョシロ!
上条「………!!」ガタッ!
イン「とうま?」
上条「………」スタスタ
イン(ど、どうしよう……、なんかいけないことでも話しちゃったかな…?)オロオロ
上条「………」
美琴「あ、とうま……」
上条「おい、テメエ」
垣根「ん? なんだ?」
上条「御坂から離れろ」
垣根「んー? いまお楽しみ中なんだよ、少しは気を使えよガキがよォ」
上条「……離れろっつってんだよ!!!」ダンッ!
美琴「……!!」ビクッ
699: 2011/02/28(月) 00:15:13.10 ID:avtmhs7r0
美琴「と、とうま……?」オロロ
上条「言っただろ、まだテメエのことを信用したわけじゃねぇんだよ」
垣根「まだそんなこと言ってんのか? 男の嫉妬は見苦しいぜ?」
美琴「え、嫉妬……?」
上条「………うるせぇ、さっさと離れろ。第二位だかなんだか知らねえが、力ずくでも負ける気はねぇぞ」ギリッ
垣根「おー怖い怖い、じゃあ惜しいけど離れるとするかー」ムク
上条「………」イライラ
上条「………御坂、ちょっと来い」グイッ
美琴「えっ? ちょ、ちょっと……!」
上条「いいから来い!!!」グイッ
美琴「は、はい……!」
イン「……」ポツーン…
垣根「……」ポツーン…
イン「………ねぇ」
垣根「なんだ?」
イン「もしかして、わざと膝枕させたの?」
垣根「当然だろ、俺はJCの太ももを堪能出来て、お嬢ちゃんは男と二人きりになれる、どっちも損はねぇ」
イン「なんか人間不信になりそうなんだよ……」
垣根「人間不信か、あいにくだがそれが世の中ってやつさ」
心理定規「JCの太ももはどうだった?」
垣根「いやーやっぱり綺麗で程良い弾力がさーてそろそろ皆上がるだろうし飲み物の準備でもしとくかー」スタスタ
心理定規「番頭さん♪」ガシッ
垣根「………はい」
心理定規「女の嫉妬のほうが怖いのよ?」ニッコリ
垣根「………」ダラダラ
イン「ねぇ、おかわり」
700: 2011/02/28(月) 00:16:39.03 ID:avtmhs7r0
~その頃、女湯~
レッサー「なるほどー…美琴もいろいろ活躍してるんですねー」パシャパシャ
初春「えぇ、幻想御手の時なんてもう凄くカッコよかったんですから! 暴れまわる幻想猛獣をズバーンドカーンで、最後は超電磁砲でバシーっと!!!」
佐天「ほぇぇ……私はそん時の記憶ないからなぁ……二重の意味で損したぁ………」
神裂「幻想猛獣、とは?」
初春「1万人の能力者の力場の塊で、1万人分の能力を使うわけですからそりゃもう凄かったですよ」
レッサー「つまり雑多な能力者1万人が集まっても、レベル5には勝てないってことですかぁ。
そう考えるとレベル5が科学の頂点ってのも頷けます……」
佐天「でも御坂さんはそのチカラを自慢したりしないし、それに結構おっちょこちょいなとこもあるからなんていうか、放っとけないんですよねぇ」
初春「たしかに…(チョイチョイ)ん? なんですか、白井さん?」
黒子「石鹸ですの」つ石鹸
初春「……? はぁ、石鹸、ですね……?」
黒子「クケケ……」カタカタ
佐天「……」
初春「……」
神裂「ロシアにおいてはロシア軍と真っ向からぶつかってそれを退けたらしいですし、やはり幼くともレベル5、ということなのですね……」
レッサー「ベツレヘムの星への核ミサイル攻撃を防いでくれたんでしたっけ? まさか、同じ頃にすぐ近くで美琴も戦ってるとは知りませんでしたよー」
初春「ふぇぇ……、御坂さん、また私達の知らないとこで凄いこと……!」
佐天「軍隊と1人で戦うって、もう想像さえ出来ないよ……」
初春「いやー、やっぱりそんな人と友達って素晴らし(チョイチョイ)…? なんですか白井さん?」
黒子「桶ですの」つ桶
初春「はぁ…、桶、ですね」
黒子「クケケ……」カタカタ
佐天「……」
初春「……」
佐天(ね、ねぇ、白井さんどうしたの?)ヒソヒソ
レッサー(な、なんか顔が揺れてるような……)ヒソヒソ
黒子「カカカキキ……クカキコカカカ……」カタカタ
佐天(怖い! 怖いよなんとかしてよ初春!)ヒソヒソ
初春「さっき御坂さん、裸の上条さんを真っ赤になりながら介抱してましたもんねー」
黒子「」ピクッ
佐天(ちょ! 初春、ストップ! ストーップ!!!)
701: 2011/02/28(月) 00:18:06.13 ID:avtmhs7r0
初春「あれが乙女な恋ってやつなんですねー…、可愛かったなぁ……」
黒子「」ピクピクッ
佐天(ストップって! それ以上は……!)
初春「白井さんなんて眼中にないって感じでしたしねー」
佐天「あ」
初春「御坂さんも御坂さんd(ガシッ)モガッ…」
佐天「あはは……、なに言ってんのかな初春ぅー?」アセアセ
黒子「」プルプル
佐天「………」
佐天(遅かったか……)
黒子「キェェエーーーーーーーーーーッッッ!!!!!!」
ザッパーン…
~その頃、ていとクン温泉裏口~
上条「……」スタスタ
美琴「ちょ、ちょっと……! 歩くの速い……! 手が痛いって…!」
上条「あ……すまん………」パッ
美琴「はぁ……いったいなんなのよ、いきなり怒りだしたり、終わったかと思ったら今度は人の腕引っ張って……」
上条「………御坂」
美琴「……なによ」
上条「アイツは……垣根は、暗部の人間なんだぞ? いくらなんでも無防備過ぎるんだよ、オマエは」
美琴「はぁ? なんでいまさらそんなこと……」
上条「暗部にあんだけ酷いことされて! まだわからねぇのかよ!!!」ダンッ
美琴「……っ!」ビクッ
上条「………あんまり……アイツに近づくんじゃねぇよ……」
美琴「………あ、あの……」
上条「……なんだよ」
美琴「さっきも垣根が言ってた………、その、嫉妬って……」
上条「………」
702: 2011/02/28(月) 00:19:14.37 ID:avtmhs7r0
上条「………そうだよ」
美琴「へっ?」
上条「俺は嫌だね、あんな奴が、御坂に俺と同等に扱われてるなんて」
美琴(……? それって嫉妬、なのかな…?)
上条「……それとも御坂は誰とでも同じ布団で寝んのか? 誰にでも膝枕してんのか?」
美琴「そ、そんなことない!!! アレは……ちょっとした理由があって……! 誰にだってしてるわけじゃないわよ!」
上条「だったら……!!」
美琴「だったら……?」
上条「だったら……………」
~1時間後、男湯にて~
上条「………」チャプチャプ
美琴「………」チャプチャプ
シーン…
上条「……」
美琴「……」
上条(あるぇぇーーーー!?? なんで上条さんは今、女子中学生と二人きりで温泉になど浸かっているんでせうか!??)
美琴(えぇぇぇ!!?? なんでいつの間にか二人きりで温泉になんか浸かってるのぉぉぉ!??)
上条(落ち着け、ここは整数を数えて冷静に……1…2…3……ってこれじゃ意味ねぇぇーーッ!!!)ガァァ
美琴(お、落ち着くのよ、深呼吸……ひっひっふー、ひっひっふー……ってこれじゃ安産しちゃうぅぅーーッ!!!)ガァァ
上条「………」チャプチャプ
美琴「………」チャプチャプ
上条・美琴((どうしてこうなった………))
703: 2011/02/28(月) 00:20:21.91 ID:avtmhs7r0
~1時間前~
上条「だったら……!」
美琴「……」ドキドキ
ガヤガヤ…
上条「……」
美琴「……」
上条「………みんな上がったみたいだな……」
美琴「そうね……」
上条「………すまん、カッとなっちまった……」
美琴「い、いいわよ別に、それより戻らなきゃ……」
上条「そうだな……」
…
レッサー「ふー、いいお湯でしたー」ホカホカ
神裂「思っていたよりもしっかりした温泉で良かったですね」ホカホカ
上条「おー、もう皆あがったのか、……あれ? 男湯の奴らは?」
レッサー「あっちもそろそろあがってくるんじゃなんですか? 私達はちょっと事情があってあがってきたわけですから」
上条「事情……?」
初春「いいお湯でしたー」ホカホカ
佐天「はぁ……なんか落ち着かなかった……」ガックリ
美琴「あれ? 黒子は?」
佐天「あー…、白井さんはちょっと……いろいろあってまだ……」
美琴「……? そういえば、もう皆帰っちゃうの?」
初春「そうですね……、お風呂を借りに来ただけですから……」
美琴「そっか……」シュン
704: 2011/02/28(月) 00:21:04.37 ID:avtmhs7r0
佐天「だ、大丈夫ですよ! また来ますから!」
初春「そうです! 今度は固法先輩達も誘って来ますから!」
美琴「うん、ありがと…」
黒子「おねえさまー」トテテ
美琴「あ、黒子」
黒子「石鹸ですのー」
美琴「え? あぁ、石鹸ね、………………石鹸!? なんでこんなとこに持って来てんの!??」
黒子「ぶるぁッ!!!」ビュッ!
ゴッ
上条「ぐはぁっ!!!」
バタッ
美琴「ちょ、ちょっと黒子なにしてんのよ!!」
黒子「クケケケケケケケケケケケ」カタカタ
美琴「ひぃっ!?」ビクッ
黒子「ジャッジメントですの! ジャッジメントですのぉぉーーーッッ!!!」スタター
美琴「黒子!? どこ行くのよ、黒子ーーー!!!」
初春「……」
佐天「……」
美琴「ふぇぇ、黒子が壊れちゃったよぅ……」
初春(原因は御坂さんなんですけどね……)
佐天(やっぱり御坂さんもあの上条さん並に鈍感なんだなぁ……)ハア…
707: 2011/02/28(月) 00:22:45.32 ID:avtmhs7r0
…
バババ…
佐天「それじゃ、また来ますねー!」
初春「電話くらいはくださいよー! 私達も寂しいんですから!」
黒子「お姉様!!! おねえさまあああああああ!!!!!」ジタバタ
佐天「ちょ、ちょっと白井さん! ヘリの中で暴れないでください!」
美琴「あはは……」
上条「また来いよー…」
バババ…
美琴「……」
上条「……」
美琴「みんな……帰っちゃったね……」
上条「あぁ…」
美琴「私達も帰らなきゃ…」
上条「あぁ、それなんだけどさ」
美琴「?」
上条「俺、結局ほとんど風呂に入れなかったからさ、もう一度ちゃんと入ってこようと思ってんだ」
美琴「あ、そうなの? それじゃ私もあんまり入れなかったから、一人で入ってこようかな」
上条「おー、んじゃ一方通行達には先に帰っといてもらっとくか」
美琴「そうね。おーい、垣根ー」
垣根「呼んだか?」テクテク
美琴「さっきゆっくりし損ねたからさ、今から温泉入りたいんだけど、いいかな?」
垣根「あぁ、別に構わねぇぞ」
上条「そうか、じゃあ行くかー」スタスタ
垣根「あ? もしかして2人ともか?」
上条「そうだけど、なんか問題でも?」ピタ
垣根「あー…、その、実は女湯がな、壊れちまったんだ」
美琴「えぇ!??」
垣根「まったく営業初日からとんでもない客連れてきてくれたな……。ともかく、今は男湯しか使えないから、入るんだったら交互になー。
別に一緒に入っても構わねぇけどなー」ニヤニヤ
美琴「ばっ……!!! そんなこと……!!」
垣根「はいはい、まぁその辺は勝手にしろよ」スタスタ
美琴「うぅぅ……!」
708: 2011/02/28(月) 00:24:25.20 ID:avtmhs7r0
上条「……」
美琴「うぅ……」
上条「……どうする? 俺は別に後でもいいけど……」
美琴「………」
上条「おーい…」
美琴「……………入る」
上条「そうか、じゃあ俺は休憩室にいるから、あがったら言ってくれー」スタスタ
美琴「………一緒に、入る」
上条「…………………はい?」
美琴「……湯浴み着あるから大丈夫、それにさっきインデックスと話してたこと、聞きたい…」
上条「………御坂……」
美琴「……だめ?」
上条「………それ、他の男に言うなよ、食われるぞ?」
美琴「く、食われるって………」
上条「じゃあ行くか、くれぐれも過激なことはしないでくれよ」スタスタ
美琴「うん…」
デモ、アンタニダッタラクワレテモ…ブツブツ……
ンー? ナンカイッタカー?
ナ、ナンデモナイ!
垣根「……………」コソッ
垣根「あるぇーーー!?? 茶化すつもりで言ったのになんでマジで一緒に入ることになってるわけぇ!??」
一方通行「思ってたよりも進ンでたみてェだなァ……煽りは逆効果だったってェわけだ」ヒョコ
打ち止め「あの堅物が男女でお風呂に入ることを許すなんて……」ヒョコ
垣根「なぁ、オレ、自分の立ち位置がいまいちがよくわからなくなってきたんだが」
一方通行「口調に癖がなくて扱いやすいギャグキャラだろォ?」
垣根「………」チラ
一方通行「……なンだ」
垣根「………テメエだな? オレが気持ち悪い男と抱き合ってる写真をアイツに送りやがったのは?」
一方通行「なンのことだかわかンねェなァ」シレッ
垣根「決めた、オレ、児ポ法推進派に加わるわ。んでもってテメエを法的に抹頃してやる」ビキビキ
一方通行「なら俺は公務員にでもなって鳥インフルエンザにかかってそうな金髪モフモフでも駆逐してやっかなァ」ピキキ
バチバチ…
打ち止め「……お姉様出来るだけ早くあがってねー…」
709: 2011/02/28(月) 00:25:50.57 ID:avtmhs7r0
~そして現在、男湯~
美琴「まさか女湯壊したのが黒子だったなんて……」
上条「はは……」
美琴「まったく、久しぶりに会えたのは嬉しいけど、興奮し過ぎよ…」チャプ
上条「……! 待て御坂! それ以上動くな!!!」
美琴「へっ!? は、はい……」チャプ
上条「はぁ……すまん、大声出して……」
美琴「どうしたの…?」
上条「いや、いくら湯浴み着とはいえ、動くとな、その、裾の際どいラインが……」
美琴「……」
上条「しかたないだろ! 男ってのはな! 頭ではわかってても無意識のうちに目がいっちまうんだよ!」プイッ
美琴「…………ねぇ、とうま」
上条「ん?」
美琴「チラッ☆」スソメクリ
上条「ぶふぅッッ!!!!」バシャ
美琴「あはは、おもしろーい」ケラケラ
上条「テメエ……男子高校生の純情な心を弄びやがって……」プルプル
美琴「んー? 上条さんは女子中学生の太もも見て興奮しちゃう口リコンなんですかー?」
上条「もういい、あがる」ザバッ
美琴「あはは、ごめんって、怒らないで」
上条「まったく……」ザブ
チャプ…
美琴「………ねぇ、とうま」
上条「ん、なんだ?」
美琴「さっきの話……」
上条「あぁ……そうだったな……」
上条「まず、あの家を借りる時に土御門に紹介してもらったってのは言ったよな?」
美琴「うん」
上条「今日、神裂ってやつが来てたのも知ってるよな?」
美琴「あぁ、あの人ね」プイッ
上条「………」
美琴「……続けてよ」
上条「なんでいきなり不機嫌になるんでせうか?」
美琴「………うっさい早く続けろウニ頭!!!」バシャッ
上条「う、ウニ頭……」ガーン
710: 2011/02/28(月) 00:28:58.70 ID:avtmhs7r0
上条「……んで、その神裂ってのはもともとは日本の十字教、天草式十字凄教ってとこの教皇だったんだ」
美琴「ふーん…」
上条「この山にはその天草式に伝わるとんでもない霊装が封印されてるらしくてな、それの番人をしてた奴らが住んでたのが、あの家らしい」
美琴「え? じゃあその番人さんは今どこにいるの?」
上条「言ったろ、氏んだ奴がいるって」
美琴「げ…」
上条「どうやらそいつらは教えに反して封印を解こうとしたらしい」
美琴「そんで失敗して氏んじゃったとか? どんだけ凄い霊装なのよ……」
上条「いや、奴らは殺されたらしい。天草式と対立してた別の宗教組織にな」
美琴「殺された?」
上条「大方、その霊装を使われないように見張ってたんだろうよ。それで今まで均衡を保ってきた関係が一気に崩壊。
対立は深刻化して、天草式では内乱が起き始める始末」
美琴「うわぁ……まさに泥沼って感じね……」
上条「天草式は手一杯で、此処の人員すら割けない。そこに田舎の一軒家を探してた俺達が現れた」
美琴「………なんとなくわかってきたわ……」ハア…
上条「神裂から事情を聞いてた土御門は迷うことなくあの家を俺に紹介しやがった、ってわけだ」
美琴「……でもさ、魔術と科学って仲良くはないんでしょ? 私なんかが来て大丈夫だったの?」
上条「そこなんだけどな……」
美琴「うん……」
上条「代役をたてるにしても、十字教と他宗派の争いだから、魔術関係の連中は好ましくない」
美琴「でしょうね」
上条「科学側の人間も出来るだけ避けたかったらしいんだが、御坂なら、ってことになったらしい」
美琴「……? なんで? 第三位っていう高位にいる私は警戒されるのが普通でしょ?」
上条「御坂は暗部との関わりが無いからだってさ。加えて魔術のことも全然知らないみたいだから大丈夫だろうと」
美琴「あぁ、そういうこと……」
上条「俺も“中立”だし、神の右席を破るほどの幻想頃しと、学園都市第三位の実力を誇る御坂美琴。
各魔術結社もこれなら大丈夫だろう、ってことで俺達が選ばれたんだ」
美琴「あ、だから私が魔術のことを知ってるって言った時、みんなが険悪な感じになってたのね……」
上条「だから、さ」
美琴「?」
711: 2011/02/28(月) 00:30:47.00 ID:avtmhs7r0
上条「一番最初、1週間くらい前に土御門からアレが魔術関連の家だって聞いた時は、どんな手を使ってでも、
せめて御坂と打ち止めだけでも学園都市に帰らせようって思ってたんだ」
美琴「………」
上条「その、巻き込みたくなかったからさ。魔術なんてモンに」
美琴「……でも、その話を聞く限り私達が学園都市に帰るなんて、もう許してくれそうにないわね……」
上条「………すまん」
美琴「いいわよ、皆のためだもん。私達に出来ること、やりきってやりましょっ」
上条「……そうだな」
美琴「……正直、ちょっと嬉しいの」
上条「へ?」
美琴「アンタが大変な時、私はいつも近くにいられなかったから……。でも今回は、アンタの力になることが出来る。それが嬉しい」
上条「御坂……」
美琴「ほら、あんまり辛気臭い顔しないの! せっかく美少女と温泉に入ってんのよ? もっと喜びなさいって!」
上条「………あぁ、そうだな、幸せ者だな、俺」
美琴「そうよ!」
上条「……そういえばさ」
美琴「んー?」
上条「今日って2月14日なんだよなー…」
美琴「!」ビクッ
上条「下界じゃバレンタインまっただ中なんだろうなー…。ま、上条さんにはどうせ関係ないことですけど……」
美琴「あ、あの!」
上条「なんだ?」
美琴「……その、買ってあるわよ」ボソ
上条「……えっ?」
美琴「アンタの分のチョコ、買ってあるって言ってんの!」
上条「………………マジ?」
美琴「まったく、感謝しなさいよね。妹達がチョコ欲しがって大変だったんだから」
上条「妹達って…………まさか9968人全員に買ったのか!?」
美琴「そうしたかったけど、さすがにきつかったから同じ街とか同じ施設にいる妹達には1つのチョコを分けてもらうことで我慢してもらったわ……」
上条「……ちなみに、総額おいくら?」
美琴「にひゃく……」
上条「…………えん?」
美琴「さんじゅう………まんえん……」
上条「」
美琴「あ、あれ? とうま?」
上条「」
美琴「おーい」
上条「……はっ! いかん、あまりに非現実的な数字を聞いたから脳が演算を拒否しやがったぜ……!」
712: 2011/02/28(月) 00:31:54.12 ID:avtmhs7r0
美琴「これは無駄遣いじゃないからね、いいでしょ?」
上条「あぁ……。で、御坂」
美琴「なによ」
上条「他に無駄遣い、してないか?」
美琴「……」ビクッ
上条「………してないか?」
美琴「…………えへ」
上条「正直に話しなさい」
美琴「うぅ……」
美琴「チョコ選んでるときにゲコ太チョコ見つけて、しかもそれ、限定ゲコ太キーホルダー(全10種)付きだったのよ」
上条「で、十個買ったわけか?」
美琴「えーと……」
上条「みさかさん?」
美琴「……その、入ってるのはランダムで、買わなきゃ中身わからないようになってて……」
上条「………それで?」
美琴「…………40個買っちゃいました……」
上条「……みさか」
美琴「…」ビクッ
上条「他には?」
美琴「……ケロヨンのストラップのガチャガチャが置いてあって……」
上条「で?」
美琴「ふたつほど空にしました……。目的のモノは三つめを半分にしたとこで手に入れました……」
上条「…………」
美琴「ご、ごめんなさい……」
上条「御坂、此処に来た目的は?」
美琴「………私の、金銭感覚の矯正です……」
上条「街に行く時、無駄なモノは買うなって、言ったよな?」
美琴「…………でも」
上条「言 っ た よ な ?」
美琴「ふぇぇ……!」
713: 2011/02/28(月) 00:33:58.47 ID:avtmhs7r0
上条「……さっきは巻き込みたくないから学園都市に帰そうとしてたなんて言ったけど」
美琴「ふぇ?」
上条「多少の危険はあっても、これは時間をかけてちゃーーーーんと教育しなきゃダメみたいですね?」
美琴「で、でも! チョコはいいでしょ!?」
上条「えぇ、チョコを買ってくれたことには感謝してますよ? でもそれとこれとは話が別(バシャッ)ぷわっ!??」
美琴「とうまのバーーーカ!!! どケチ!! ウニ頭!!!」バシャバシャ
上条「なっ……! てめっ! いくら御坂といえどそれは禁句だぞ!!!」バシャッ
美琴「きゃっ……! なんで男のアンタがか弱い女の子に本気で水ぶっかけてんのよ!!!」バシャバシャ
上条「か弱いって自分で言うか!?? ロシア軍潰したやつのどこがか弱いってんだよ!!!」バシャバシャ
美琴「あ、傷ついた! 今の発言は私だけじゃなく魔術方面の女の子も全員敵に回したわよ!!!」バシャバシャ
上条「んだと!? いい加減に―――――」
一方通行「どォるるるるァァァァーーーーーーッッッ!!!!!!」
ドガッシャーン…!
垣根「テメエェェェェ!!! 冷蔵庫の気持ちその身をもって思い知れェェェェ!!!!」ズガーン…!
ガシャーン…ズガガ……
上条「……」
美琴「……」
上条「…………栓が抜けちまった……」
美琴「…………へくちっ」クシュン
上条「………」
714: 2011/02/28(月) 00:36:30.58 ID:avtmhs7r0
美琴「……あのバカ二人……帰ったらゼロ距離で超電磁砲食らわせてやるぅ…………へくちっ」クシュン
上条「……御坂」
美琴「……なによ、まだやろうっての?」
上条「いや、もういいよ……。それより風邪ひくから早くあがろうか」
美琴「う、うん……」
テェェェェイトクゥゥゥン! ソレジャオレハタオセナイゼェェ…!
テイトクンイッタナ!? コロス! マジコロス!!
上条「……」
美琴「……」
上条「……なぁ、御坂」
美琴「なーに?」
上条「今年もよろしくな」
美琴「うん…………」
…………ッテ、イマサラ!?
キュウレキデハマダマダ『新春』デスヨ…!
打ち止め「ってことで温泉編は終わりだよっ。次回からは一気に日にちを進めるから、ってミサカはミサカは報告しておく!」
田舎生活11日目、完。
715: 2011/02/28(月) 00:38:08.28 ID:avtmhs7r0
ちょっと休憩してから小ネタ程度に26日目を投下します
725: 2011/02/28(月) 00:54:46.05 ID:avtmhs7r0
>>721
つまり何巻だったか忘れたが原作の表紙裏絵のゲフンゲフン
つまり何巻だったか忘れたが原作の表紙裏絵のゲフンゲフン
726: 2011/02/28(月) 00:55:59.14 ID:avtmhs7r0
~3月1日、朝~
上条「……」パチ
上条「朝か………」チラ
美琴「……」スー
上条「………」
美琴「……」スー
上条(髪、柔らけぇ……)モフモフ
美琴「ふにゃ!!!」
上条「!?」ビクッ
美琴「……えへへ……ムニャムニャ……」
上条「え、寝言……?」
美琴「あー…緑色……可愛いよぉ……」ムニャ
上条(夢の中までゲコ太色か……)
美琴「ピッコロぉ……」ムニャ
上条「蛙じゃないんかい」
美琴「ムニャ…? あ、とうま、おはよー…」
上条「なぁ、ピッコロか? 可愛いのか、ピッコロ?」
美琴「え…? なに、朝から……、ていうかピッコロってなに…?」ネムー
上条「頼む、教えてくれ、怖いから」
美琴「な、なんかとうま、変……怖い……」
ダアアアーーーッッ! ストレスガタマルーーーッ!
ド、ドウシタノヨ、トウマ…!
一方通行「なァ、ピッコロってなンだ?」
打ち止め「強いていうならアナタよりも強いかもしれない異星人だよ?」
一方通行「イセイジン?」
打ち止め「これ以上は聞かないでね?」
一方通行「はぁ……?」
727: 2011/02/28(月) 00:58:01.90 ID:avtmhs7r0
…
上条「さて、朝食を摂り終えたのでお知らせです」
美琴「ん、なに? なんかあんの?」
上条「今日は田んぼに、水を張ろうと思います」
打ち止め「おぉー! 学園都市で育ったミサカは初めて田んぼってものを見ることが出来るよ!」
美琴「あ、水ねー、もう張るんだ?」
上条「御坂さん」ズイッ
美琴「な、なに?」ドキッ
上条「御坂の好きな両生類…………なんて言ったっけ?」
美琴「はぁ…? 蛙がどうかし…………ハッ!!!」
上条「そう!!! 田んぼといえばオタマジャクシ!! オタマジャクシといえば蛙!!!
田んぼを作るということはすなわち、蛙の繁殖に寄与するということでもあるのです!!!」
美琴「そうだった……!! わ、私水を入れてくる!!!」バビュン!
上条「………いや、まぁどうせ水の入れかたなんてわからないだろうし……」
トウマー! ハヤクー!
上条「はいはいっと……」スタスタ
一方通行「………なァ」
打ち止め「なーに?」
一方通行「垣根の野郎はどこ行きやがったンだァ?」
打ち止め「あの人ならもう温泉で商売に精を出してるよ、ってミサカはミサカは正直邪魔だった人がいなくなったのを内心喜んでたり…」
一方通行「そォかァ……、弄るヤツがいねェのも意外とつまらねェなァ」
打ち止め「それでまた色んなもの壊してたらさらに借金増えちゃうよ……」
728: 2011/02/28(月) 00:59:20.18 ID:avtmhs7r0
…
美琴「ねぇ! 早く! 早く水を入れて!!!」ワクワク
上条「はいはい、そこの水路に木の板が挟んであるだろ?」
美琴「うん」
上条「それを外してみろ」
美琴「よしきた!!」フンス
ザザザ…
美琴「おー…水が流れ込んでいく……」
上条「ある程度入ったらまた挟んでおけば……」
美琴「おけば?」
上条「終わり」
美琴「終わり?」
上条「終わり、4月になったら田植えをします」
美琴「あ、あれ? 蛙は?」
上条「いや……、これから冬眠から覚めた蛙が集まってきて卵産んだりするから、今日は……」
美琴「今日は?」ジー
上条「………まぁ、もうだいぶ暖かくなったし、夜にはけっこう集まってきてるんじゃないかなー…」
美琴「夜ね! よーし待ってなさいよリアルのゲコ太ぁ!!!」
上条「はは……」
上条「……………リアルのゲコ太?」
美琴「リアルゲコ太がお医者さんで、リアルのゲコ太が蛙」
上条「???」
美琴「まぁ蛙に興味のないアンタには一生理解できないわよ」フフン
上条「理解出来たらそれはそれで怖いな……」
729: 2011/02/28(月) 01:00:54.50 ID:avtmhs7r0
~夜、田んぼ周辺~
美琴「うふふふふ、ゲコ太ぁ……」
打ち止め「お姉様……暗い田んぼで一人で……なんか怖い……」
一方通行「つーか結局蛙も電磁波で逃げてンじゃねェのかァ?」
上条「はぁ……」
…
美琴「とうまー…」グスッ
上条「お、おぉ、どうだった?」
美琴「蛙がぁ……逃げてくのぉ……」ヒック
上条「あー…」
美琴「…………一緒に来て」グスッ
上条「へ?」
美琴「アンタの右手なら私の電磁波消せるはずでしょ、一緒に来て」グイッ
上条「お、おい、もう夜遅い……」ズルズル
美琴「いいから来るの!!!」
上条「は、はい!」
その日、結局日付が変わるまで夜の田んぼで蛙探しをさせられたそうな。
田舎生活26日目、終了…。
800: 2011/03/06(日) 23:44:33.15 ID:aHDtm+U20
~3月3日、朝~
上条「ん……」メガサメタ
上条「…………」
上条「…………ん?」キョロキョロ
上条「あれ? 御坂は……?」
~居間~
上条「おはよーさん、今日は早かったなー」
美琴「あ、おはよー」
上条「どうしたんだ? いつもは俺が起きるまで布団から出ようともしないくせに」
美琴「そ、それは……アンタの体温が心地いいというか、その……」ブツブツ
上条「ん?」
美琴「今日は用事があるの! だから嫌でも早く起きなきゃいけなかったのよ!」
上条「用事……? こんなとこでか?」
美琴「荷物が届くのよ」
上条「荷物? なんか必要なモンあったっけか?」
美琴「私にだけ必要なモノよ、強いて言うなら私と打ち止めにだけ」
上条「姉妹で必要なもの? なんだそりゃ」
美琴「女の子に必要なものなのよ」
上条「はぁ……?」
ブロロロ…
美琴「あっ、来た!」
上条(なんかあったっけ……?)
801: 2011/03/06(日) 23:46:20.96 ID:aHDtm+U20
…
浜面「おーっす」ブロロロ…
上条「あれ? 御坂妹じゃないのか?」
浜面「荷物がデカイから俺が運転することになったんだ」ブロロ…
御坂妹「ミサカもちゃんと来てますよ」ヒョコッ
上条「そうかー、しかし車じゃないと持ってこれないなんて、いったい何を頼んだんだ?」
美琴「雛人形よ」
上条「………へ?」
美琴「雛人形、今日は3月3日、雛祭り」
上条「………あっ、そうか」
美琴「常盤台の寮じゃ雛祭りなんか出来なかったから、実はけっこう楽しみだったのよねー♪」ルンルン
御坂妹「そうですか、それでまたこんな 立 派 な 雛 人 形 を購入しt(ガシッ)むぐっ……」モガガ
美琴「あははー……私がどんな雛人形を買ったってー?」アセアセ
上条「………」
御坂妹「ぷはっ……、どんな、と聞かれましても、カエル医者もびっくりな値段の高級雛人g(ガシッ)むぐぅ……!」モガガ
美琴「高級? あぁ、たしかにこの車はそれなりに高級そうねー。そうよね、オフロードバイクじゃなきゃ通れないほどの道だもの。
車だとよほどしっかりしたのじゃないと来れないわよねー、あははー……」チラ
上条「………御坂」
美琴「…」ビクッ
上条「………御坂、とりあえずこっちを向け」
美琴「…………」
上条「……いくらしたんだ?」
美琴「……あの、これは」
上条「い く ら し た ん だ ?」
美琴「………」
上条「………御坂」
美琴「………」
美琴「…………ふぇ」グス
上条「……あ、あれ?」
美琴「ずっと寮で出来なかったから楽しみだったんだもん……これくらいいいじゃないのよ……」グスッ
上条「いや、そこまで言うつもりじゃ……」
美琴「とうまの馬鹿! どケチ!!!」
タタタ…
上条「お、おい、御坂……!」
御坂妹「…………甲斐情無しもここまでくると犯罪級ですね、とミサカは溜息を……はぁ……」
浜面「黙って見てたけど、そりゃないぜ……」
上条「え、や、やっぱり俺のせいなのか?」オロオロ
802: 2011/03/06(日) 23:47:50.87 ID:aHDtm+U20
御坂妹「やはり貴方はもう少し乙女心を知るべきです」
上条「ど、どうしよう、今から追いかけて…」
御坂妹「いえ、そんなに遠くへは行ってないので大丈夫でしょう」
上条「わかるのか?」
御坂妹「これだけ電磁波の少ない田舎だと、ミサカでもお姉様のAIM拡散力場を捕捉することは可能です」
上条「でも…」
御坂妹「いいから荷降ろし手伝いやがれこのヘタレ」キッ
上条「はい」
浜面「荷物はトランクの中だ、重いからもう一人くらい男手が欲しいけど……」
ガラッ
一方通行「なンか騒がしいから起きてきてみりゃァ、まァた大層なモン持ってきてンなァ」ヒョコ
上条「ちょうどよかった、手伝ってくれ」
一方通行「あァン?」
上条「この箱を居間まで持ってってくれればいい、後でコーヒーでも淹れてやっからさ」
一方通行「仕方ねェ…暇潰しにやってやんよォ…」ヨッコラセ
スタスタ…
浜面「すげぇ……あんな重いのを片手で……!」
上条「さすが第一位って感じだよなー、まぁアレがなきゃただの口リコいやなんでもない」
美琴「ふぇぇ……」テクテク
上条「あ、御坂……」
美琴「ツワブキ……いっばい採れだぁ……」グスグス
上条「あ、あぁ……、良かったな……」ナデナデ
美琴「ふぇ……」
上条「ごめんな、楽しみだったんだよな、雛祭り」ナデナデ
美琴「うん……」グスッ
上条「荷物は一方通行が運んでくれたから、後で飾り付けしような」ナデナデ
美琴「うん……」
浜面「」ポカーン
御坂妹「どうです? 他人の目の前でもコレですよ、まったく見せつけられるミサカ達はたまったモンじゃありません」
浜面「あぁ……、なんていうか、見習おうって思うよ」
御坂妹「そういえばアナタも既にお相手がいるんでしたか、消えろリア充」ゲシッ
浜面「痛っ! ちくしょう、やっぱり俺はどこにいてもこの扱いなのかよ!」
御坂妹「まっすぐ行ってぶっ飛ばす、右ストレートでぶっ飛ばす……ブツブツ…」ゲシッゲシッ
浜面「おーい、いちゃつくのはいいけど早くコイツをどうにかしてくれー、けっこう痛い」
803: 2011/03/06(日) 23:50:20.29 ID:aHDtm+U20
上条「あぁ、荷物はそれだけか?」
美琴「あ、あと他にも…」
御坂妹「お茶うけのお菓子も持って来てくれと頼まれていたので、ひよこ饅頭を買ってきたのですが……」
上条「ですが?」
御坂妹「道中お腹が空いたので食べてしまいました」ケプッ
上条「おい」
御坂妹「代わりと言ってはなんですが、これを」スッ
上条「ん? これは……」
ピヨピヨ…
上条「……」
美琴「……」
上条「………ひよこ?」
御坂妹「“たまご”です」
上条「いや、黄色くて小さいモフモフしたこれはどう見ても」
御坂妹「“たまご”です」
上条「あぁ、“たまご”ね……」
美琴「………」プルプル
御坂妹「……お姉様?」
美琴「…………か」
御坂妹「か?」
美琴「可愛い……」ポワワーン
…
上条「……で、なんでヒヨコなんて拾ったんだ? 猫とは違ってその辺に捨てられてるなんてことはないだろうし」
御坂妹「件のカエル医者から引き取ったのです、とミサカは簡潔に説明します」
上条「冥土返しから?」
御坂妹「なんでも研究で実験に使われたヒヨコらしく、このままだと処分されてしまうとのことなので……」
上条「あぁ、だから引き取ったと」
御坂妹「ミサカと同じ境遇なので、放っておけませんでした」
上条「………なるほどね」
御坂妹「別に雛祭りだからといって雛を連れてきたわけではありませんよ、とミサカは釘を刺しておきます」
上条「いや、それはわかってるけど、それよりアレ……」
804: 2011/03/06(日) 23:52:49.67 ID:aHDtm+U20
美琴「えへへ……」モフモフ
たまご「ピピピ…」
御坂妹「……“いぬ”と同じく、電磁波を嫌わないのでおそらく大丈夫でしょう」
上条「それで? あのヒヨコ、どうする気なんだ?」
御坂妹「ですから、ひよこ饅頭の代わりにと」
上条「……つまり、俺達に押しつけようと?」
御坂妹「世話だけ任せて、会いたくなったら来てモフモフして帰ろうなどとは思っていません」
上条「本当か?」
御坂妹「嘘です」
上条「………」
美琴「ねぇ、この子、飼うの? ね、いいでしょ? いいわよね?」ワクワク
御坂妹「お姉様もこう言っていることですし、“たまご”をよろしくお願いします、とミサカは嫌々頭を下げます」
上条「……仕方ないな。けどな、ヒヨコを飼うのだってけっこう手間かかるぞ?」
美琴「たとえば?」
上条「たとえば、ある程度大きくなるまでは熱電球とかで暖かくしてやらないといけないし……」
ガラッ
一方通行「よォ、荷物は運ンでおいたぜェ。さっさとコーヒーでも…………ン?」
美琴「ほら見て、可愛いでしょ?」
ピヨピヨ…
一方通行「……ひよこォ?」
美琴「そ、さすがのアンタでもこれは可愛いと思うでしょ?」
一方通行「あァ、育てンのか?」
美琴「うん、名前は“たまご”らしいわ」
一方通行「あァ、美味そォだな」
美琴「」
御坂妹「」
上条「」
一方通行「あン? 育てて食うンだろ?」
美琴「こ……、この人でなし! この子に近づかないで!!」バッ
一方通行「は、はァ?」
御坂妹「たとえ実験用だとしてもミサカは、ミサカはこのヒヨコの命を……!」バチバチ
一方通行「なンだよォ、違うのかよォ……」オロロ
上条「うん、これはオマエが悪い」キッパリ
一方通行「なンかいつもに増して理不尽じゃないですかァ!? いったいなンなンですかァ!?」
御坂妹「さぁお姉様、ここはミサカが食いとめますので、早くたまごを家の中に……!」
美琴「う、うん……!」タタタ…
805: 2011/03/06(日) 23:57:17.11 ID:aHDtm+U20
一方通行「………で?」
上条「ん?」
一方通行「なンなンですかァ? この茶番は?」
上条「通過儀礼みたいなモンだろ、コーヒー淹れてやっから、俺らも家に戻るかー」スタスタ
一方通行「納得いかねェ……」ブツブツ
浜面「えーと…、俺はもう帰っていいんですかねー…」
上条「いいんじゃねえの?」
浜面「助かるぜ、これ以上ここにいたら感覚狂っちまうよ…」スタスタ
上条「……」
一方通行「……アイツ、もう手遅れなことに気付いてねェとはなァ」
上条「……既に物事を測る基準が“生きる”か“氏ぬ”かだもんな」
一方通行「いや、正直よくやってると思うぜェ、アイツはよォ……」シンミリ
…
ガサガサ…
美琴「最近は雛人形も簡略化したものが多いんだけど、今回はせっかくだし、ちゃんと全部そろってるのを買ったのよ」
上条「なるほどー、しっかし高級なだけあってよく出来てるなー」
美琴「やっぱりメインはお内裏様とお雛様よねー…」ウットリ
上条「この着てる服がいい感じだよな。平安時代の服なんだっけか? 御坂に似合いそうだ」
美琴「え!? そそそそそ、そう!?///」
上条「あぁ、昔から言うだろ? 着物は胸が小さいほうが似合「天誅!」(バキイッ!)ぐばぁっ!!!」
一方通行「ハッ、馬鹿だなァ、貧O揃いのこの家でそンなこといあばばばばばばばば」ビビビ
ドシャッ
美琴「ふぅ」
御坂妹「初めて3人同時に電撃を出しましたね」
打ち止め「でもでも、ミサカはまだこれからだもん!」
御坂妹「甘いですね、御坂遺伝子で成功を納めているのは母たる御坂美鈴と番外個体のみです」
美琴「あんまり言わないで……、気にしてるんだから…」シュン
打ち止め「うぅぅ……!」
御坂妹「男達が役に立たなくなってしまったので、ミサカ達で飾り付けしましょうか」ガサガサ
美琴「そうね、もともと女の子の祭りなんだし」
打ち止め「ねえねえ、この2つがお内裏様とお雛様?」
美琴「そうよー、綺麗でしょ?」
打ち止め「うん! この二人ってやっぱり夫婦なんだよね? ってミサカはミサカは興味深々に聞いてみたり」
美琴「うん、むかーしのね、平安時代の夫婦なのよ」
打ち止め「平安時代……どんな時代なの?」
806: 2011/03/07(月) 00:01:02.00 ID:x4YO3ptF0
美琴「平安時代ってのはねー、女の人が人前に姿をさらすのは、今で言えば素っ裸を見られるのと同じくらい恥ずかしいことだったんだって」
打ち止め「えぇ!? それじゃどうやって恋とかするの!?」
美琴「だからね……」ポワンポワン
…
上条『おぉ、夕顔が咲いてる、綺麗だ』テクテク
上条『………む!? あれは……!?』
キャッキャ…
上条『御簾が上がって……中の女性達が丸見えじゃないか!』
上条『よし、忍び込もう』キュピーン
その夜…。
美琴『スー……』ムニャムニャ
ガサガサ…
美琴『むにゃ……誰……?』
上条『こんばんわー、貴方の心を盗みに来ました』ヒョコ
美琴『え……!? な、なんで男の人が……!?』
上条『騒がないでください、私が用があるのは貴女だけなので…』
美琴『か、カッコイイ……!』ズキューン
上条『昼間、失礼ながら庭先から貴女のお姿を拝見させていただきまして……ごちそうさまです』
美琴『え…? ど、どういたしまして……?』
上条『早速ですが、貴女に惚れ申したのでそのお身体、いただき申すなりー』ガバッ
美琴『あ…! やんっ……///』トサ
…
美琴「えへへ……」ポワポワ
打ち止め「お、お姉様……?」
御坂妹「……ダメですね、完全に別世界に飛んでいるようです」
打ち止め「昔の人って出会ったらすぐに(バキューン!)してたの?」
御坂妹「いえ、上のはかなり特殊な一例なので。しかも作者がうろ覚えの源氏物語なんか再現するから
いろいろカオスってますね」
美琴「あえ?」モドッテキタ
御坂妹「相手が光源氏では浮気しまくりではないですか? らしいですけども」
美琴「そ、そうね……、それに夕顔の君ってたしか氏ぬんだっけ?」
御坂妹「氏ぬのは光源氏の正妻でしょう? 名前は忘れましたが」
美琴「え、そうだったっけ?」
御坂妹「それに光源氏が夕顔の君を美味しく頂いたのはある程度手紙のやり取りをした後だった気がしますが」
美琴「ま、まぁ、こんな具合に昔の恋ってのもいろいろ大変だったのよ、多分」
打ち止め「ふーん……」
807: 2011/03/07(月) 00:03:42.48 ID:x4YO3ptF0
御坂妹「しかし口リを育てているという点ではむしろ一方通行のほうが光源氏に近い気がします」
美琴「そう? イメージ的には頭中将?って感じだけど」
御坂妹「幼い紫上を引き取って自分好みに教育するなど、筋金入りの口リコンはやはりそこに転がっているモヤシが適役だと思うのですが……」
美琴「つまり浮気性な当麻と口リコンの一方通行を混ぜ合わせた感じね、うわ最悪だわ」
一方通行「オマエら……人が大人しく倒れてりゃ好き放題言いやがって……!」ムク
打ち止め「かっと」ピッ
一方通行「」
美琴「そういえば、とうまも雛祭りは知ってたのね」
上条「知ってますよ、流石に………」イテテ…
美琴「あ、起きてたの?」
上条「織姫と彦星だろ?」
美琴「やっぱもう少し寝といて」バチバチッ
上条「」
御坂妹「それはそうと、高級なモノだと思うと手で触るのが恐ろしく思ってしまいます…」
美琴「どうなんだろ? やっぱり手汗とかつかないように手袋しといたほうがいいのかな?
でもあんま気にしなくていいわよ、どうせ今日中には仕舞うんだから」
御坂妹「えっ」
打ち止め「えっ」
美琴「ホントはね、三が日が終わってからすぐに飾って、3月3日に片づけるんだけど……。
今回は温泉とかで忙しかったから忘れてたのよね」
御坂妹「片づけなかったらどうなるんですか?」
美琴「お嫁に行けなくなっちゃうとか?」
御坂妹「う…」
打ち止め「そ、それは大問題かも、ってミサカはミサカはガクブルル……」
808: 2011/03/07(月) 00:05:02.73 ID:x4YO3ptF0
美琴「だからさっさと飾ってお茶でもしましょ」
御坂妹「そうですね、では……」スッ
美琴「あ、ちょっと待って、お内裏様は向かって右側でしょ?」
御坂妹「いえ、向かって右のはずです」
美琴「違うわよ、右側だって」
御坂妹「いえ、ミサカの知識はイコール学習装置の知識。学習装置の情報が間違っているとは思えませんが?」
美琴「そ、そんな……!」
※西京、小京都とも言われる私の地元では、男雛を向かって右側に置くいわゆる古式という配置が多々見られます。
とはいえ最近の雛人形はたいていは向かって左側でしょう、たぶん。
美琴「違うもん……右側なんだもん……」
御坂妹「説明書にも向かって左側と書いてありますし、さっさと飾ってしまいましょう」テキパキ
美琴「ふぇぇ……」
打ち止め「ミサカはミサカは説明書に載ってるちらし寿司っていうのが食べたいかなー」
美琴「うん…作ったげる……」
打ち止め「お、お姉様……最近精神年齢がミサカよりも幼くなってるような気がするんだけど大丈夫…?」
美琴「ふぇぇ…!」
打ち止め「お姉様?」ドシタノ?
美琴「野菜がないぃ……」グスッ
打ち止め「え…」
美琴「とうまー」ユサユサ
上条「ん……」パチ
美琴「野菜がないのぉ……」グスッ
上条「え!? なんで泣いてんの!?」
美琴「ふにゅ……」
上条「あー、わかったわかった、んじゃ垣根に頼んどいた野菜でも見に行くか?」ナデナデ
美琴「……えへ」
御坂妹(見てないフリ、見てないフリ……!)テキパキ
続く
809: 2011/03/07(月) 00:06:59.41 ID:x4YO3ptF0
書いてて本当に源氏物語がどんなもんだったかゴチャゴチャになってわからなくなっちゃいました
かなり時間あけたのにこんだけですいませんすいません
後編に続く
かなり時間あけたのにこんだけですいませんすいません
後編に続く
983: 2011/03/26(土) 01:37:38.08 ID:3ohy7Wjn0
本編とは関係ない小ネタ
※想像力豊かな人は読まないことをお勧めします
~とある夜、寝室~
上条「せっかく雰囲気のある家にいるんだ、少し怪談でも楽しもうじゃないか」
上条「大半は作者のトラウマなんだが、心して聞いてくれ」
一同「「「ゴクッ……」」」
上条「小さい頃、あれは小学校低学年の時だったか……。その時、妙に流行っていたのが“ジグモ”の巣を採集することだった」
美琴「ジグモ……?」
上条「漢字で書くと地蜘蛛な。地蜘蛛はかなり長生きするらしく飼育する人もいるみたいだが、所詮は小学生。
別に飼うつもりもないのに捕獲してたわけだ、蜘蛛にとっちゃいい迷惑だったろうな」
美琴「それで?」
上条「その少年はいつものように見つけた地蜘蛛の巣に手をかけた………、その時!」
一同「「「ゴクッ……」」」
上条「手違いで少し破れてしまった巣の中から特大の地蜘蛛が出てきて、
あろうことか 指 を 伝 っ て 袖 の 中 に 入 っ て き た !」
美琴「ひっ……!」
上条「当時、長袖を着ていた少年は必氏に出そうともがくが、下手をすると袖の中に入った蜘蛛を潰してしまうかもしれない!
混乱している間に蜘蛛は容赦なく袖の中を進み、ついには襟元から出てきて……!」
打ち止め「うぁぁ……」ガクブル
上条「なんと今度は 髪 の 中 にまで入ってきた!」
一方通行「げェ……」ゾワワ
上条「既に少年に成すすべもなく、ただただ泣きながら頭を振り続けるだけ……!」
美琴「やめて……やめてよぅ………」ヒック
上条「しばらくして、蜘蛛はポトリと地面に落ち、悠々と草むらの中に消えていった……。
時間にすれば恐らく5分足らずの出来ごとだったんだろうが、それは少年に深い深い心の傷を負わせるには十分な時間だった……」
美琴「もう嫌……グス……」
上条「だが蜘蛛が負わせた傷はそれだけではない……!」
美琴「……!!! 嫌! もうやめて!!」
984: 2011/03/26(土) 01:40:02.23 ID:3ohy7Wjn0
上条「あれはいつだったか……何処だったかも忘れてしまったが、とにかく、屋外でなにかを探していてガサガサと物をどけていた時だった……!」
美琴「……!」ミミフサイデル
上条「なにかの弾みで蜘蛛の卵を傷つけてしまったんだろう………なんと、どこからともなく 大 量 の 蜘 蛛 の 子 が !」
美琴「嫌! なにも聞こえない!!」プルプル
上条「必氏に逃げようとするが、足元に散在する障害物が邪魔で思うように動けない! そうしてる間にも蜘蛛の子達は少年の足を登って……!」
打ち止め「ひぃぃ……!」
一方通行「ダメだ打ち止め! 聞くんじゃねェ、傷になる!」
打ち止め「あわわわ……!」
上条「同様のことをカマキリの卵でも体験した」
一方通行「田舎住みならではの恐怖体験だなァ……」
美琴「も、もう終わった……?」オソルオソル
上条「あぁ、蜘蛛の子とかカマキリの卵とか」
美琴「嫌ァァァ!!!」マタミミフサグ
一方通行「そォ言えばオレも田舎に住ンでる知り合いから聞いた話がある」
上条「オマエ学園都市以外で知り合いなんていたんだな」
一方通行「まァな、ソイツは夜、寝る前に淹れたコーヒー(ブラック)を飲みかけのままテーブルに放置して寝てしまったらしい」
上条「それで?」
一方通行「ンで、夜中、トイレに起きたソイツは喉が渇いていたらしく、放置していたコーヒーを一気に口の中へ流し込ンだ」
上条「ふむふむ」
一方通行「だが、なにかが口の中で蠢いた」
上条「おい……」
985: 2011/03/26(土) 01:42:55.52 ID:3ohy7Wjn0
一方通行「なぜだか、条件反射でソレを少し噛ンでしまった。同時に口の中で激しく動き回る無数の細長い物体……」
上条「やめろ……やめ……」
一方通行「気持ち悪くなって洗面台に吐き出してみると、そこには 黒 々 と 光 る ゴ キ ブ リ の 姿 が !」
上条「ぐあああああああ!!!」
一方通行「そのGは一瞬で消えていったが、ソイツはその後20分以上うがいをし続けたらしい……」
上条「あぁ……今度から気をつけよう………」
美琴「も、もう終わり…?」オソルオソル
上条「あぁ、放置したブラックコーヒーとかゴキブリとか」
美琴「あぁぁ……!」ガクガク
上条「お?」
美琴「むきゅう……」バターン
上条「ありゃ、倒れちまった。あれだけでわかるもんなのか?」
一方通行「やめてやれよ、レベル5ってのァ想像力が人並み外れてンだよ」
上条「仕方ないな、もう寝るか……」ヒョイ ミコトダキカカエ
美琴「ふにゅう……」キュウ
打ち止め「うぅぅ……! これはPTSDだよぅ……」プルプル
一方通行「俺達も寝ンぞ。安心しろ、ゴキブリはオマエらの電磁波で近寄っては来ねェ」
打ち止め「ほ、ほんと……?」
一方通行「…………………多分な」
打ち止め「ひぃぃ………!」
987: 2011/03/26(土) 01:44:54.61 ID:3ohy7Wjn0
…
美琴「………ハッ!!」パチ
上条「おぉ気付いたか、大丈夫か?」
美琴「う、うん……」
上条「ごめんな、トラウマになるようなこと言っちまって……」
美琴「まったくよ……鳥肌が治まらないわ……」ブルブル
上条「ごめんって」
美琴「ば、罰として………///」
上条「ん?」
ギュウ
美琴「罰として今日はずっとくっ付いとくわよ、こここれくらい乙女を怖がらせたんだかららららら」
上条「今日はって……ほとんど毎日朝には抱きついてんじゃねぇか……」
美琴「うううっさい! アレは寝相よ! 今日は自発的なの!」
上条「はいはい………」
ギュウ
美琴「…………えへ」
上条「…………」
上条(こないだ居間でオオムカデ見たのは黙っとこう………)
988: 2011/03/26(土) 01:48:52.68 ID:3ohy7Wjn0
なんか書いてて自分でも気持ち悪くなっちゃったんだぜ
こんな時間にこんなのを読んでしまった人は間違いなく夢見悪くなることを保証するよ!
ちなみにゴキブリ食ったのは自分じゃありません、知り合いです
あと、もう流石に入りきらないのでもうこのスレは埋めてもらっても構いません
後日、書きためが完了したら同タイトルでスレ立てしますので
こんな時間にこんなのを読んでしまった人は間違いなく夢見悪くなることを保証するよ!
ちなみにゴキブリ食ったのは自分じゃありません、知り合いです
あと、もう流石に入りきらないのでもうこのスレは埋めてもらっても構いません
後日、書きためが完了したら同タイトルでスレ立てしますので
996: 2011/03/26(土) 02:33:50.01 ID:3ohy7Wjn0
~とある昼下がり~
美琴「ねぇ、アンタ最近バイクに乗ってここに来るじゃない?」
御坂妹「それがどうかしましたか?」
美琴「私も乗ってみたいなーなんて……」ダメ?
御坂妹「それは構いませんが……」
美琴「なんか問題でもあるの?」
御坂妹「いえ、なんでもないです」
美琴「じゃあ早速行きましょ!」タタタ…
御坂妹「あ、はい…」
ガラッ
上条「………あ? 御坂は?」
御坂妹「バイクに乗りたいというので、今から外に出るところです」
上条「バイク? 危なくないか?」
御坂妹「言っても無駄でしょう……、とミサカは強気なお姉様に嘆息します…」
上条「なんか気になるからオレも一緒に行くよ」
…
美琴「お、おぉー…、意外と細いのね…」マタガッテル
御坂妹「オフロードバイクは細身ですが、その他のバイクはそうとも限りません」
美琴「そうなんだー」
御坂妹「アクセル、ブレーキ、シフトワークは先程お教えした通りです、くれぐれも慎重に……」
美琴「あ」ブロロン
御坂妹「え?」
ブロロロロロ…!!!
美琴「きゃあああああーーー!??」
上条「おおおおおおーーー!??」
御坂妹「お姉様! ブレーキを!!」
美琴「ぶ、ぶれーき!??」ギュッ
御坂妹「あぁ! そんなに強くかけたら……!」
998: 2011/03/26(土) 02:36:42.16 ID:3ohy7Wjn0
ギャギャギャギャ……!
美琴「ひぃぃぃぃ!!!」
上条「おお、すげえドリフト!!!」
御坂妹「もうどうにでもなーれ」
美琴「止まんないよぉぉぉ……!」ズガガガ…!
上条「うわ! こっち来た!」
上条「……よしこい! 俺が受け止めてやる!!」バッ
美琴「うあああんとうまぁーーーー!!」
上条「うなれ俺の右手ぇぇええええ!!!!」
ドガッシャーン…
御坂妹「………」
御坂妹「いや、そこはせめて両手で受け止めろよ、とミサカは無茶ノリし過ぎなウニ頭にツッコミをいれてみます」
上条「ですよねー…」ボロッ…
御坂妹「おお生きてましたか、お姉様は?」
上条「気を失ってるけど、怪我はないよ……」
美琴「」キュウ
御坂妹「流石ですね」
上条「バイクはめちゃくちゃだけどな……」チラ
御坂妹「それはお姉様に出してもらいましょう、前よりも高いのをおねだりします」
上条「ちゃっかりしてんな」
御坂妹「しかしこれでは帰れませんのでしばらくこちらに滞在しますのでよろしくお願いします」ペコ
上条「あぁ……」
上条(受け止めた瞬間にいろんなトコを揉んでしまったのは秘密だ……)
――――――
てことで次の常駐キャラは御坂妹だよってことで
それでは次スレでお会いしましょう
999: 2011/03/26(土) 03:18:22.86 ID:XGWw6gNv0
Gの話は思わず悲鳴を少しあげてしまった………。Gこわいよう
次スレ待ってます
次スレ待ってます
1000: 2011/03/26(土) 03:22:15.45 ID:I9DQOA4wo
>>1000なら平和な日常
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