21: 2016/09/04(日) 22:43:10.43 ID:TI2qZIEP.net
にこ「あーん」キラキラ

真姫「キモチワルイ」

希「さすがのウチも引くわー」

花陽「にこちゃん……三年生だよね?」

真姫「可愛いと思ってるのかしら」

希「幼いのは見た目だけにしとき、な?」

花陽「将来心配しちゃうな」

にこ「にこぉ……」クスン

22: 2016/09/04(日) 22:50:43.44 ID:TI2qZIEP.net
花陽「ごちそうさまでした」

にこ「にこのお気に入りのお店、気に入ってくれた?」

希「そうやね、にこっちがいなかったらもっと雰囲気よかったやろなぁ」ポチポチ

真姫「にこちゃんは不協和音ね」ポチポチ

にこ「……そっか……」ジワ




@NOZO_25:泣きそうなう。可愛い

@mktn_2521:たまには素っ気無く突き放すのもアリね

@874_niconi:でも、ほどほどにしてあげてね。かわいそうになってきた

@NOZO_25:不協和音はひどいやん?

@mktn_2521:あんたも大概でしょ

23: 2016/09/04(日) 22:55:34.90 ID:TI2qZIEP.net
にこ「……」トボトボ

にこ「不協和音、か……」

にこ「にこ、みんなに甘えすぎてたのかなぁ」

にこ「もしかして、にこって本当はμ'sにふさわしくないのかなぁ……」ウルウル

にこ「ひっく……ひっく……」


「……矢澤、にこちゃん?」

24: 2016/09/04(日) 23:02:02.49 ID:TI2qZIEP.net
同時刻……

穂乃果「今日はゴーゴーカレーでお昼ごはんにしよっか」

凛「えーっ、凛は風龍でラーメンがいいにゃ!」

穂乃果「じゃあ間をとって、肉の万世に行こうよ」

凛「全然間とってないにゃー!」アハハ

穂乃果「……ん?あれ、にこちゃんじゃない?」

凛「ほんとだ、にこちゃんだ」

穂乃果「あれっ、なんか泣いてない!?」

凛「大変!きっとお財布か何か落としたんだにゃ!」

穂乃果「……ちょっとまった。誰か話しかけるみたい」

凛「!!」

穂乃果「うえええええええ!?」

凛「にゃにゃにゃにゃにゃ!?」

26: 2016/09/04(日) 23:06:31.56 ID:TI2qZIEP.net
翌日……


真姫「ええ!?」

希「にこっちが!?」

花陽「告白されチャッタノォ!?」

穂乃果「うん」

穂乃果「あれはどう見ても告白だよね、凛ちゃん」

凛「ねー。凛もびっくりしちゃったにゃ」

真姫「くっ、詳しく説明しなさい!5W1Hで!」

穂乃果「ごーだぶりゅー?」

真姫「いつ、どこで、誰が、何を、どうして、どのように!!」クワッ

穂乃果「ひ、ひい……」

29: 2016/09/04(日) 23:12:07.54 ID:TI2qZIEP.net
穂乃果「これはね……風が強い、ある日曜の話なんですがね……」

穂乃果「凛ちゃんとね、お昼ご飯を食べに行くことにしたんですよ」

凛「そしたらね……にこにこにー!……ちょっと寒い風が吹いたんですよ……」

穂乃果「……昌平橋のところでにこちゃんを見かけたのですよ、ええ」

穂乃果「でもね、なんかおかしい。なーんかおかしい。じっと俯いて泣いてんだ……」

凛「と、その時ふと見ると、なんと見知らぬ女の子が隣にいるのですよ。ええ」

穂乃果「あ、きたなって思いましたね。これはまずいぞ、ってね」

凛「やだなー、怖いなー、って」

穂乃果「そしたらその女の子がね、白いハンカチさしだして、あとはひたすらじーっと泣き顔をのぞきこんで」

穂乃果「この時、さすがにピーンときましたよ」

凛「にこちゃん、あっち側に連れていかれるな、って……」

31: 2016/09/04(日) 23:15:18.98 ID:TI2qZIEP.net
真姫「話は以上?」

凛「うん」

穂乃果「そろそろ帰っていい?」

希「しかるべき対応は取ったんやろね?」

穂乃果「ほえ?」

真姫「止 め た ん で し ょ う ね ?」

凛「にゃっ!?」ビクッ

穂乃果「いやー、あのタイミングで話しかけたらヤボかなって思って、その」

真姫「止めなかったのね?」

ほのりん「……はい」

真姫「執行人、始めてください」ユビパッチン

希「合点」

穂乃果「うええー!?」

32: 2016/09/04(日) 23:17:24.36 ID:TI2qZIEP.net
希「凛ちゃんはともかく、穂乃果ちゃんのサイズじゃ代替品にもならないけど……仕方ないやね」ユビワシワシ

穂乃果「ちょっ、ちょっちょっちょ、理不尽じゃない!?」

凛「かよちん、見てないで助けるにゃー!!」

花陽「凛ちゃん」



花陽「……生まれ変わっても、幼馴染みでいようね」バイバイ

凛「に゛ゃあ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」

穂乃果「ひいいいいいいいい!!!!」

33: 2016/09/04(日) 23:19:38.26 ID:TI2qZIEP.net
第一回・緊急有識者会議


花陽「どうしよう……まさかにこちゃんが告白されちゃうなんて」

希「これはウチらの油断が招いた結果やね」

希「まさか人気の海未ちゃんやえりちを差し置いて、にこっちを選ぶなんてなぁ」

花陽「その慧眼は素晴らしいです!……でも」

希「穂乃果ちゃん達の言うことを信じるなら、幸いまだ返事はしてないらしいけど」

花陽「もしもOKしちゃったら、どうしよう……」

真姫「別にいいんじゃない?どうするかはにこちゃんが決めることだし」カキカキ

花陽「真姫ちゃんはそれでいいの!?」

真姫「正直、どうでもいいわ」カキカキ

希「真姫ちゃん」


希「怖いから、ノートいっぱいに呪詛の言葉を綴るのはやめて」

真姫「!!////」バッ

34: 2016/09/04(日) 23:20:49.13 ID:TI2qZIEP.net
希「ほんま、素直やないんやから」

真姫「う゛ー」

花陽「希ちゃんは動揺してないね」

希「にこっちはアイドル活動には真摯やからね」

希「特定のファンだけえこひいきなんて真似はしないやろ」

花陽「うーん、でもにこちゃんって恋愛に関してはピュアだから」

花陽「案外押されると弱かったりして……」

希「」シロメ

真姫「動揺してるじゃないのよ」

35: 2016/09/04(日) 23:22:09.52 ID:TI2qZIEP.net
希「……ここは一つ、当事者のにこっちに話を聞いてみよか」

花陽「そういえば、にこちゃん部室にいないね」

真姫「さっき屋上で黄昏てたわよ、ほら」

希「隠し撮りっぽい画像やな」

真姫「うっさいわね。後で笑ってやろうと思ったのよ」カミノケクルクル

真姫「かっこつけちゃって、バカみたい」

花陽「真姫ちゃん」

真姫「あによ」

花陽「後でその待ち受け画像、ツイッターに上げてね」

37: 2016/09/04(日) 23:26:35.16 ID:TI2qZIEP.net
屋上にて

にこ「……」ハァ

にこ「……」スマホポチポチ

にこ「~~~~~っ!!」ブンブン

にこ「……////」ニマニマ


希「……」ジーッ

花陽「……」ドキドキ

真姫「ヤッパリキモチワルイ」パシャー

38: 2016/09/04(日) 23:28:17.58 ID:TI2qZIEP.net
ガチャ

にこ「!!」ドキッ

希「にこっちー!何を一人で考え込んでるん?」ワシッ

にこ「……なーんだ、希か」

花陽(希ちゃんのセクハラに動じてない!)

真姫(これは重症ね)

花陽(にこちゃん、よほど悩んでるんだ……)

真姫(というか希、そこ代わりなさいよ)

39: 2016/09/04(日) 23:30:01.43 ID:TI2qZIEP.net
希「聞いたでにこっち、告白されたんやってなぁ」

にこ「……知ってたにこ?」

にこ「言いふらしたのは誰?」

希「穂乃果ちゃん達が、たまたま見てたんやって」

にこ「ふーん」

にこ「あの子達、意外と悪趣味にこね」トオイメ

花陽(今日のにこちゃん、なんだか違う……)

花陽(横顔がアンニュイというか、いつもよりちょっと大人っぽいというか……)

40: 2016/09/04(日) 23:36:39.00 ID:TI2qZIEP.net
真姫「それで、どうする気?」

にこ「どうする、って?」

真姫「決まってるでしょ」

真姫「アイドル活動を選ぶの?それとも何もかも放り出して、その子とゴールインするの?」

希「にこっち、スクールアイドルとはいえ、アイドルはアイドル」

真姫「アイドルと恋愛は両立できないって、わかってるわよね?」

花陽「にこちゃん、相手はどんな子なの?」

花陽「おんなじクラス?隣のクラス?」

にこ「……うっさいわね。あんた達はにこの何なのよ」

にこ「少なくとも、誰かさん達とは違って、とぉっても優しくていい子よ」

まきのぞぱな「!!」

にこ「もうほっといて。これはにこの問題なんだから」プイッ

スタスタスタ……

41: 2016/09/04(日) 23:46:55.85 ID:TI2qZIEP.net
その頃……

絵里「もしもし海未!?大変なのよ!」

絵里「部室の前に、穂乃果と凛の形をした肉塊が転がってるのよぉ!」

絵里「これは抗争よ!μ'sに恨みをもった他校の仕業に違いないわ!」

絵里「とにかく、すぐ来てぇ~~~~~!!!!」

42: 2016/09/04(日) 23:50:14.47 ID:TI2qZIEP.net
その夜……

真姫「あ~~~~もう!」

真姫(何よ、にこちゃんのバカ!)

真姫(好意を寄せてくれる人なら、誰でもいいっていうの!?)

真姫(イライラする!面白くない!)

真姫「……」ハァ

真姫(……それは、私だって悪かったわよ)

真姫(でも、ちょっと意地悪しちゃっただけじゃない)

真姫(簡単に素直になれる方法があるなら、教えてほしいくらいよ)

真姫(……ピアノでも弾こうかしら)


ジャーンジャーンジャジャジャジャデューンデューン

真姫ママ「真姫ちゃん!近所迷惑だからやめなさい!」

43: 2016/09/05(月) 00:01:27.37 ID:l4o28wtq.net
神田明神にて

希「やれやれ。こんな時に神頼みなんて」

希「我ながらムシのいい話やなぁ。自分でまいた種なのに」

希(……教会に通ってる人が羨ましいなぁ)

希(悔い改める機会がちゃんと与えられるんやから)

希(神様。ちょっと畑違いかもしれませんが、ウチの懺悔、聞いてください)

チャリーンパンパン

希「天にまします我らの父よ、私達の過ちをお許しください。私達も人の過ちを許します」

希「にこっちを誘惑に陥らせず、悪からお救いください」

希「アーメン」

ことり「双子ちゃんの妹おくれー」ナムナム

44: 2016/09/05(月) 00:06:16.13 ID:l4o28wtq.net
花陽「……」ハァ

花陽(にこちゃんも恋を知ったら、あんな表情になるんだ……)

花陽(可愛くて、年の差を感じさせなかったのに)

花陽(私……なんであんなこと言っちゃったのかな)

花陽(他の誰かのものになっちゃうの、にこちゃん?)

花陽(本人がそれで幸せなら、応援してあげるべきだよね)

花陽(何か言う権利なんて、私にはないよね)

花陽(……でも)

花陽(やっぱり、ちょっと嫌だなぁ)

花陽(ごめんね、にこちゃん)

花陽(今日の花陽は、とっても嫌な子です)



花陽ママ「花陽ちゃん?ご飯よー?」

花陽ママ「あの子が晩御飯に遅れてくるなんて、珍しいわね」

45: 2016/09/05(月) 00:07:30.24 ID:l4o28wtq.net
数日後……


穂乃果「いやー、今日もパンがうまい!」

凛「穂乃果ちゃんのランチョパック、おいしそうだにゃー」

穂乃果「一口食べる?あーんして」

凛「あー」

穂乃果「むふふ、凛ちゃんはかわいいなぁ!よしよし」

凛「くすぐったいにゃー」キャイキャイ

海未「……こほん」

46: 2016/09/05(月) 00:08:43.63 ID:l4o28wtq.net
海未「凛……あなたはなぜ二年生の教室に?」

凛「だって、最近の一年の教室は湿っぽくてしょうがないにゃ」

凛「かよちんは露骨に食欲が減退してるし、真姫ちゃんは真姫ちゃんでずーっと不機嫌だし」

凛「これ以上とばっちりを食うのはごめんだにゃ」

穂乃果「それってやっぱり、例のにこちゃん騒動のせい?」

凛「うん」

海未「やれやれ……近々しっかりと話し合いをした方がよさそうですね」

ことり「鶏のからあげおいしい」

「園田さーん」

47: 2016/09/05(月) 00:09:33.48 ID:l4o28wtq.net
海未「はい、私に何か?」

クラスメイト「にこにー先輩がお呼びだよ」

にこ「……」チョイチョイ

凛「噂をすればなんとやら、だにゃー」

海未「……ごちそうさまです」

海未「ちょっとお先に失礼しますね」ガタッ

穂乃果「行ってらっしゃーい」

ことり「うずらの卵おいしい」

48: 2016/09/05(月) 00:11:42.93 ID:l4o28wtq.net
にこ「ランチタイムなのに、ごめんね」

海未「かまいませんよ、滅多にないことですから」

海未「それで、どのようなご用ですか?」

にこ「……だいたいのところは、穂乃果から聞いてるにこ?」

海未「告白の件ですか?」

にこ「……」コク

54: 2016/09/05(月) 01:08:18.88 ID:CVEOXmAr.net
にこ「どうしたらいいのか、わかんなくなっちゃって」

にこ「そりゃ、ファンの多さは自覚してたけどね」

にこ「だけど、こんなストレートなアプローチする子って初めてだから」

にこ「親衛隊がついてる海未なら、うまい返事の仕方を知ってると思って」

海未「うまい返事、とは?」

海未「にこはその子のことを、どうしたいのですか?」

にこ「それは……」

海未「決めかねているのですね」

にこ「……」コク

海未「ふむ」

59: 2016/09/05(月) 01:18:30.53 ID:CVEOXmAr.net
海未「決めるのは私ではなく、にこ、あなたです」

海未「ですがとりあえず、これだけは言っておきましょう。曖昧な返事は身を滅ぼします」

海未「たとえば、こういう返事は避けましょう――喜んで、善き先輩としてお付き合いさせていただきます」

海未「私も一度、失敗したことがありまして」

海未「ああいうのを修羅場と言うのでしょうね。あとで道場に皆さんが殺到して、大変なことになりました」

海未「あんな思いは二度としたくないので、それ以来ラブレターにお返事は書いていません……」ブルッ

にこ「怖い海未をそこまで怖がらせるなんて、よっぽどにこね」

海未「……怖いですか、私?」

にこ「時々ね」


※Sidコミック3巻参照

63: 2016/09/05(月) 01:25:30.76 ID:CVEOXmAr.net
海未「ま、まあいいです」

海未「ともかく、OKするならSAY YES、お断りするならすごくこまるんだ、ですよ」

にこ「なんでそこでチャゲアスが出てくるのよ」

海未「私から言えるのは、以上ですね」

にこ「むー、もっと実践的なアドバイスを期待してたのに」

海未「ご期待に添えず、申し訳ないです」

にこ「……でも、ありがとね」

にこ「返事は曖昧にせず、はっきりと。覚えとくにこ」

海未「知恵は多い方が良いでしょう。絵里にも意見を求めてみては?」

にこ「そうするにこ。……じゃ」

海未「にこ」

にこ「んー?」

海未「あなたがその女の子のことを真剣に考えているのが、伝わってきましたよ」

海未「意外と思慮深い方ですね、あなたは」

にこ「一言余計にこ!」

海未「ふふ。……ところで」

海未「盗み聞きとは感心しませんね、陰の三人」

にこ「!?」


「「「!!」」」サッ

65: 2016/09/05(月) 01:27:19.56 ID:CVEOXmAr.net
バタバタバタ……

希「鋭いなぁ、さすが海未ちゃんやね」

真姫「言ってる場合!?早く逃げないと!」

希「合点合点。……それにしても、ちょっと予想外やなぁ」

希「恋愛相談なんて無理です////……ってヘタれるのを期待してたのに」

真姫「ともかく、次はエリーね」

希「せやね。先回りして、釘をささなアカン」

真姫「余計なことを吹き込まないように、ってね」

花陽「ま、待ってぇ!二人とも待ってぇ!!」

74: 2016/09/05(月) 07:30:56.32 ID:yPtpeny0.net
絵里「スクールアイドルが不純異性交友?認められないわぁ」

にこ「だ~か~ら、告白したのは同性にこよ」

絵里「同じことよ。生徒会長として断固認めるわけにはいきません」チラッ

希「……」っカンペ

真姫「……」ギロッ

花陽「……」ジー


絵里(こ、怖い……)

75: 2016/09/05(月) 07:32:37.53 ID:yPtpeny0.net
絵里「あなたがもしその女の子とイチャイチャしちゃっちゃ……したならば」

絵里「えーっと、生徒会の総力を上げて潰させていただきます」

絵里「にこ、あなたを留年や退学に追い込むなんて造作もない……んですって」

にこ「なっ……横暴すぎるにこ!」

絵里「私も大切な仲間を一人失うようなことはしたくないわ」

絵里「さぁ、わかったらその子のことは諦めて、豊満なバストが自慢のスピリチュアルな元副会長に……あ、あら?ちょっと、読めないじゃない!」


チョットナニヨ、コノカンペ!?

ノゾミチャンズルイ‼

ハヤイモノガチヤン?


にこ「もう、さっきからどこ見て話してるにこ!」

にこ「にこは真剣に相談してるのに!」

絵里「ご、ごめんなさい……」


絵里(うぅ、本当にごめんねにこ)

絵里(決して本心じゃないのよ……)

76: 2016/09/05(月) 07:38:27.58 ID:yPtpeny0.net
絵里「こ、これでいいのよね」

希「上出来や、えりち」

真姫「どこがよ……棒読みだし途中噛んでるし」

花陽「あんまりこっち見るから、バレないかヒヤヒヤしました……」

絵里「もう!だいたい、あなた達がつまらない意地悪するからこうなったんじゃないの?」

絵里「ひとの恋路を邪魔する前に、やるべきことがあるんじゃないかしら?」

真姫「ううう……」

希「……返す言葉もございません」

花陽「そうだよね……」シュン

84: 2016/09/05(月) 20:26:31.23 ID:gCHYg125.net
ある日曜……


ガチャ

にこ「……」トコトコ


希「●REC」

希「……」ポチポチ


@NOZO_25:家出たなう。これから後を追う

@mktn_2521:了解。不審な行動は随時報告して。

@NOZO_25:ちなみにこれが一番撮りにこっち(画像付き)

 (@mktn_2521がお気に入りに登録しました)

 (@874_niconiがお気に入りに登録しました)

@874_niconi:乙です。

85: 2016/09/05(月) 20:27:37.00 ID:gCHYg125.net
@NOZO_25:駅向かってるなう

@mktn_2521:2分で合流する。

@874_niconi:今向かってます。

@mktn_2521:泥棒猫は?

@NOZO_25:それらしい女の子は、まだ現れないみたい

@NOZO_25:たまにこっち見てる。ヤバい隠れる

@mktn_2521:たまにこちゃんって何よ?

86: 2016/09/05(月) 20:28:43.30 ID:gCHYg125.net
にこ「……」スマホポチポチ


希「……」ジーッ

真姫「ちょっと!」

希「おっ、おはよーさん」

真姫「たまにこちゃんって何なのよ!」

花陽「真姫ちゃん、あのね」

花陽「ごにょごにょごにょ」

真姫「ヴェッ////」ボッ

真姫「もう!変な想像しちゃったじゃない!//」

希「しっ!女の子が声かけるよ!」

まきぱな「!!」

87: 2016/09/05(月) 20:32:04.84 ID:gCHYg125.net
「お、おはようございます!」

にこ「あら、おはよう」

「ごめんなさい、お待たせしちゃって」

にこ「別に。私も今来たばかりだから」

にこ「というか、そんなにかしこまらなくていいから」

にこ「普通にタメ語で話しなさいよ」

「は、はい!」

にこ「じゃ、行きましょ」

にこ「喫茶店でいいわよね」



真姫「……あれが件の泥棒猫?」

希「全然おっOい膨らんでへんなぁ」

花陽「丸玉付きのヘアゴム、久しぶりに見ました」

真姫「中学生……いや、小学生かしら?」

希「事案やね。背はにこっちの方が下やけど」

真姫「私には同い年の女の子同士にしか見えないわ」

希「というかにこっち、キャラ変わってへん?」

花陽「営業用、でしょうか……」

88: 2016/09/05(月) 20:33:03.27 ID:gCHYg125.net
希「ともかく、追いかけるんよ」

花陽「希ちゃんはその前に」

真姫「そのおかしなサングラスを外しなさいよ」

希「真姫ちゃんこそ、そんな帽子じゃ変装にもなってへんよ」

花陽「わ、私のウィッグ……どうかな?」

希「におてるにおてる」

真姫「ああ、もう!見失うわよ!」

89: 2016/09/05(月) 20:34:12.31 ID:gCHYg125.net
「……」ソワソワ

にこ「どうしたの?」

「あ、ごめんなさい!」

「私、喫茶店なんてマm……母とドトールくらいしか行ったことなくて」

にこ「なるほどね」

にこ「いい雰囲気のお店でしょ?」

にこ「私、レトロな喫茶店が大好きなのよ……ん?」

「どうしたんですか?」

にこ「あそこにいるの、もしかして花陽?」

にこ「……まさかね。髪が長すぎるわよね」


花陽「わ、わわっ」

真姫「花陽、早く隠れなさい!」ヒソヒソ

希「バレるから!」ヒソヒソ

90: 2016/09/05(月) 20:36:06.50 ID:gCHYg125.net
マスター「ご注文をどうぞ」

にこ「とりあえずブレンドで。あんたは?」

「わ、私は……これを//」

にこ「あと、こちらを」

マスター「はい、ありがとうございます」



真姫「う゛ー」イライラ

希「真姫ちゃん、落ち着き」

真姫「こんなことなら、パパの病院からトリプタミンでもくすねてくればよかったわ」

希「とりぷたみん?」

真姫「常人が服用すれば、30分で錯乱状態に陥るわ。そして96時間は絶対に眠れなくなる」

真姫「泥棒猫の行き着く先は、精神病院かしらね?」クスクス

花陽「ひ、ひぃい……」

91: 2016/09/05(月) 20:37:19.89 ID:gCHYg125.net
希「真姫ちゃん、アカンて」

真姫「何も無理やり飲ませるとは言ってないわ」

真姫「飲み物の上で、手が滑るかもしれないけど」

希「あんな小さな子を、廃人にするん?」

真姫「う……」

希「まあ、ここはウチにまかしとき」


希「こんなこともあろうかと、英国直送の許されざる呪文をマスターしてきたんよ」ニシシ

花陽「ダレカタスケテェ……」ナミダメ



「そっ、それで!」

真姫「しっ!黙って!」

97: 2016/09/05(月) 20:42:28.86 ID:gCHYg125.net
「この間言ったこと、もう一度繰り返します」

「にこちゃん、私はあなたのことをずっと見ていました」

「ステージの上のあなたに、ずっと憧れていました!」

「こんな私じゃ不釣り合いかもしれない……でも!」

「私、逃げたりごまかしたりしたくない!弱くてずるい自分に負けたくない!」



花陽「うっ」

希「ゴフッ」

真姫「ぐっ……」

104: 2016/09/05(月) 20:44:25.00 ID:gCHYg125.net
希「あ、あれー?なんでやろ。今ものすごいダメージが……」

花陽「真っ直ぐで正直で……眩しいです」

希「それに比べて、ウチらは……」

花陽「意地悪したり、よくないこと企んだり……」

希「もうアカン、立ち直れへん」

希「ウチらの負けや。完全敗北や……」

花陽「穴があったら入りたい、です……」

真姫「スナオッテ……ナンナノヨ……」ブツブツ

109: 2016/09/05(月) 22:34:39.57 ID:ZLy4mPb4.net
規制に巻き込まれたにこ
PC苦手だけど頑張るにこ

111: 2016/09/05(月) 22:39:19.26 ID:ZLy4mPb4.net
「私、自分に嘘はつきたくないです!」

「にこちゃん、大好きです!つきあってください!」


花陽「あ……好きって言っちゃったね」

希「もう、どうにでもなればええ……」

真姫「……イミワカンナイ……」

にこ「ありがとうね」

にこ「でも、ごめん」

にこ「にこはあなたのものに、なるわけにはいかないの」

115: 2016/09/05(月) 22:43:47.70 ID:ZLy4mPb4.net
希「お?」

真姫「!」

花陽「……?」


「……そ、そうですよね。こんな私じゃやっぱり釣り合わな」

にこ「そういう意味じゃないの」

にこ「あなたに告白されて、にこはとっても嬉しい」

「じ、じゃあどうして!」

にこ「にこはアイドルだから」

にこ「もしもにこが、あなただけのものになっちゃったら」

にこ「あなたが好きだと言ってくれたにこは、どこにもいなくなっちゃうの」

119: 2016/09/05(月) 22:47:01.48 ID:ZLy4mPb4.net
「……私、愛せるもん」

「アイドルじゃなくなったにこちゃんだって、好きでいられるもん」

にこ「なら、ステージの上の私に憧れていたって言葉」

にこ「あれはウソだったの?」

「そ、それは……」

にこ「ごめんね」

「っ……」ジワッ

122: 2016/09/05(月) 22:50:53.29 ID:ZLy4mPb4.net
「……なんとなく、予想してたんです。こういう結果になるだろうなって」

「あはは!私、バカだったなぁ。ハナから勝ち目なんてなかったのに!」

「本当に……本当にバカだ……」ボロボロ

「うぁあああああん……」

にこ「……」ナデナデ



希「……出よか」

真姫「……そうね」

花陽「……」

126: 2016/09/05(月) 22:54:39.63 ID:ZLy4mPb4.net
カランカラン

花陽「首はつながったね……でも」

希「身につまされる、って言うんやろか」

真姫「笑えないわね……」

希「花陽ちゃん、なんか食べに行く?」

花陽「おにぎりすら喉を通らない気分です……」

真姫「とりあえず、素直になる努力しないと……」


絵里「どうやら、大丈夫だったみたいね」

130: 2016/09/05(月) 22:59:09.93 ID:ZLy4mPb4.net
希「え、えりち!?」

凛「まずはそのへんてこな変装をとるにゃ」

真姫「り、凛!?なんでここにいるのよ!?」

海未「あなた達が早まったことをしそうになったら、突入するつもりだったのですよ」

絵里「たとえば飲み物に一服盛ったり、スピリチュアルパワーを悪用したり……ね?」

真姫「そ、そんなことするわけないデッショー」

希「せやせや」

穂乃果「じーっ」

135: 2016/09/05(月) 23:05:18.33 ID:ZLy4mPb4.net
絵里「まあ、本当のこと言っちゃうと、私達もちょっと心配だったのよね」

絵里「にこが誰かとゴールインしちゃったら、アイドル研究部もひっそりしちゃうじゃない?」

凛「いじり甲斐のあるにこちゃんがいないと面白くないにゃー!」

海未「あのようなアドバイスはしましたが……私も実は非常にほっとしています」

穂乃果「にこちゃんは、誰にも取られたくない」

穂乃果「みんな、真紀ちゃん達と気持ちはおんなじなんだよ!」

真姫「穂乃果……」

ことり「クレープおいしい」

138: 2016/09/05(月) 23:16:41.61 ID:ZLy4mPb4.net
カランカラン

海未「しっ!にこがお店から出てきますよ」

絵里「みんな、隠れて隠れて!」



にこ「……ホントにいいの?家まで送らなくて」

「うん、いいの。送ってもらったりしたら、もっと辛くなっちゃうから……」グスッ

にこ「ごめんね……」

「ううん、謝らないで!さっきは楽しかったんだから!」グシグシ

「またいつか、パフェおごってね!」ニコッ

にこ「もう、調子に乗らないの!」

「今日はありがとうね!バイバイ!」

タタタタタ……

にこ「……はぁ」

グゥー

穂乃果「わっ、やばっ」

海未「ほ、穂乃果!!」

にこ「!?」

142: 2016/09/05(月) 23:21:10.84 ID:ZLy4mPb4.net
海未「もう、どうしてあなたはこんなタイミングでお腹を鳴らしたりするんですか!」

穂乃果「だって、ことりちゃんのクレープおいしそうなんだもん!」

絵里「に、にこ。怒らないでね?これは違うのよ」

凛「何がどう違うのかにゃ」

にこ「……みんな」



にこ「にこをのけ者にして、遊んでたにこね」

絵里「あら?」

海未「何やら雲行きが、おかしな方向に……」

150: 2016/09/05(月) 23:29:38.52 ID:ZLy4mPb4.net
にこ「そりゃそうよね、にこはμ'sの不協和音にこ……」

にこ「ご、ごめんにこ!空気も読まずに顔見せちゃって!あ、あはは……」

にこ「じゃあね……」

穂乃果「ま、待ってにこちゃん。それはちが……ぐえっ」

にこ「~~~~~~っ!!」ダッ

穂乃果「ぅ絵里ちゃん!どうして邪魔するの!」

穂乃果「早くにこちゃんの誤解をとかないと!」

絵里「もちろんよ。でもそれは穂乃果の役目じゃない」

絵里「わかってるわよね、三人とも」

まきのぞぱな「!!」

絵里「素直にね」

156: 2016/09/05(月) 23:35:15.59 ID:ZLy4mPb4.net
にこ「うっく、うっく……」グスグス

コケッ

にこ「にごっ……」ビッターン

にこ「うぅ……転ぶし女の子には泣かれるし仲間外れにされるし……」

にこ「なんでにこばっかりこんな目に合うにこぉ……」

にこ「脚痛い……」サスサス


真姫「にこちゃん!!」ゼェゼェ

157: 2016/09/05(月) 23:40:57.62 ID:ZLy4mPb4.net
にこ「真姫ちゃん……」

真姫「にこちゃん、怪我してる……」

にこ「別にどうってことないにこ」

にこ「じゃあね……」

真姫「ま、待って!!」

にこ「離すにこ!離してよぉ!離せぇ!」

にこ「もうほっといて!どうせにこは不協和音にこ!」

希「それはちゃう!」

花陽「私達、本当はにこちゃんのことを大事に想ってるの!」

158: 2016/09/05(月) 23:48:27.30 ID:ZLy4mPb4.net
にこ「希、花陽……」

花陽「この間はごめんね、本当にごめんね」ナデナデ

希「ほんのからかいのつもりやったんよ……それでついあんな心にもないことを」ギュウ

真姫「私、これからちゃんと素直になるよう努力する!」ヒシッ

真姫「だから……もう自分を不協和音だなんて言わないで!」

にこ「……ほんとに」

にこ「ほんとに……にこはみんなと一緒にいていいの?」ウルウル

希「当然やん!」

花陽「もちろんだよ!」

真姫「当り前デッショー!」

にこ「……ふぇええええん……」



真姫「ん?にこちゃん」

真姫「ほっぺたにチョコがついてるわよ?」

161: 2016/09/05(月) 23:50:49.63 ID:WLqdW8SY.net
にこ「ああ、これ?」グシグシ

にこ「さっきある女の子に、パフェ奢ってあげたんだけど」

にこ「その女の子が、“あーん”してくれたのよ」

にこ「びっくりしちゃった。あの状況であんなことしてくれるなんて、思わなかったから」

にこ「最近の女の子って、ほんっとにしたたかね。こころやここあも、ああ育つのかしら」

にこ「あーあ、優しい上に気丈で、とってもいい子だったのに……」

にこ「……って、何でもない何でもない!こっちの話にこ!」

にこ「……あれ、どうしたにこ?」

希「」

花陽「」

真姫「」



海未「……やれやれ」

絵里「ハッピーエンドね」

162: 2016/09/05(月) 23:52:33.53 ID:WLqdW8SY.net
後日……

希「にこっちー、うちがパフェおごったるよ」

花陽「にこちゃん、今日はちゃんと“あーん”してあげるね」

真姫「にこちゃん、私がいくらでも食べさせてあげるわよ」

にこ「もうっ!そんなにたくさん食べられるわけないにこ!」

希「わかってるわかってる。だから……」

花陽「私達、じっくりと相談して」

真姫「この三人から、一人だけ選んでもらうことに決めたのよ」

にこ「にごぉ……」

163: 2016/09/05(月) 23:56:18.87 ID:WLqdW8SY.net
希「にこっち、気持ちはわかってるよ。今すぐうちと食べたいんやろ?」

真姫「何言ってるのよ、にこちゃんは私と食べたいに決まってるデッショー」

花陽「にこちゃん、私だけを見て!」

にこ「もぉー」



にこ「じゃあ、にこがおつかいをお願いするから」

にこ「一番早く持って来れた子に“あーん”してもらうことにするにこ」

まきのぞぱな「!!!!」

164: 2016/09/05(月) 23:57:45.97 ID:WLqdW8SY.net
花陽「アイドルグッズなら、まかせておいて!」

真姫「お金?別荘?なんでも言ってみて」

希「ウチのスピリチュアルパワーで、なんでも手に入れたる!」

にこ「じゃあ、はい。おつかいメモ」ピラッ


花陽「……火鼠の皮衣?」

希「……燕の子安貝?」

真姫「……龍の頸の玉?」

165: 2016/09/05(月) 23:58:41.69 ID:WLqdW8SY.net
にこ「あれれー?もしかして出来ないにこ?」クスクス

真姫「そ、そんなわけないでしょ!真姫ちゃんには不可能なんてないのよ!」ガタッ

希「にこっちのためなら、たとえ火の中水の中、あの子のスカートの中や!」ガタッ

花陽「にこちゃんのためならエンヤコラ、です!」ガタッ


真姫「……もしもし、パパ?至急中国行きの便をチャーターして!」

花陽「火鼠の皮衣でつくった衣装をことりちゃんに作ってもらって、それをにこちゃんに着せて……はわわ//」

希「最近は燕も減ったからなぁ。まずは軒先のある建物から探そか」

ガチャバタン





にこ「そろそろ出てきていいにこよ、ことり」

ことり「……」ニコニコ

166: 2016/09/05(月) 23:59:20.13 ID:WLqdW8SY.net
ことり「竹取作戦、うまくいったみたいだね」

にこ「無茶苦茶なお願いをして追い払うなんて……さすがことり、にこ!」

にこ「まったく、あの三人から一人だけ選ぶなんて、出来るわけないにこ」

にこ「……にこはみんなのものなんだから」

167: 2016/09/06(火) 00:02:07.03 ID:/O7d7Hk1.net
にこ「それで、報酬は何がいいにこ?」

ことり「ジャンボパフェ」

にこ「……にこ?」

ことり「一度食べてみたいんだけど、一人で注文するのは恥ずかしくて」

ことり「ボリュームもすごいし、にこちゃんに協力してほしいの」

にこ「ことり、話聞いてたにこ?」

にこ「誰か一人だけ選ぶなんて、にこにはできなくて」

ことり「あれれ恩人だよね?」

にこ「ぐぎぎ……わかったにこ、今回だけにこ」ハァ

にこ「あの三人には、絶対の絶対にナイショにこよ?」

ことり「♪」


(・8・)  やっぱり……

(^8^) “ことにこ”なんだよちゅんなぁ



おしまい

168: 2016/09/06(火) 00:12:22.11 ID:/O7d7Hk1.net
このSSのために、Sidコミックを再読しました。
風邪引いたにこちゃんのためにみんながお見舞いにやってくる話は、何故だかこっちまで涙出そうになりますね。

ちなみに、文中に出てくるトリプタミンなる薬剤の説明は、村上龍の小説「愛と幻想のファシズム」からそのまま拝借しました。

169: 2016/09/06(火) 00:28:08.51 ID:jbHntyp7.net
荒らしがいた中で
終わらしてくれてありがとうございございます
乙です

170: 2016/09/06(火) 01:20:26.12 ID:h7qhwHv4.net
まさかのことにこ〆

引用: にこ「パフェを頼んだにこ!誰か私に“あーん”して食べさせてほしいにこ~」まきのぞぱな「!!」