霧切「苗木君」

苗木「霧切さん！」

霧切「胃薬持ってないかしら。ちょっと胃腸の調子が…」

苗木「きりきりさん！」

霧切「うう…」

霧切「苗木君」

苗木「霧切さん！」

霧切「この学園にはいないのかしらね。一瞬で虫歯を治療する程の『超高校級の歯科医』が」

苗木「霧切さん、歯医者が嫌いなの？」

霧切「……（頬をおさえる）」

苗木「ひりひりさん！」

霧切「セレスさんの髪型をじっと見ていると頬の痛みが止まらなくなるわ」

霧切「苗木君」

苗木「霧切さん！」

霧切「偶にはこうして二人だけでゆっくりとした時間を過ごすのも悪く無いわね」

苗木「しみじみさん！」

霧切「コーヒーのお代わりをお願い出来るかしら」

霧切「苗木君」

苗木「霧切さん！」

霧切「氏体の状況、被害者が残したメッセージ、現場の状況、これらが示す答えは１つ

霧切「苗木君、ここまで言えばわかるわね？」

苗木「きびきびさん！」

霧切「ハズレよ」

霧切「苗木君」

苗木「霧切さん！」

霧切「私は貴方を信用したから話をしたのに、貴方は私を信用してくれないのね」

苗木「ピキピキさん！」

霧切「ナン・デモ・ナイ！」

霧切「苗木君」

苗木「霧切さん！」

霧切「今でも覚えているわ。初めて推理小説を読み終えた後のあの全身が痺れるような感覚」

苗木「ビリビリさん！」

霧切「初歩的なことよ、ワトソン君」

霧切「苗木君」

苗木「霧切さん」

霧切「……苗木君。貴方、昨夜は遅くまで起きていたでしょう。３時間睡眠って所ね。朝食もとっていない様だし」

苗木「しりすぎさん！」

霧切「こんな菓子パンで良ければ食べなさい。牛乳もあるわ」

霧切「苗木君」

苗木「霧切さん！」

霧切「この痕は未熟な自分への戒め。もうこんな思いをするのは」

苗木「こりごりさん！」

霧切「家族に立候補、してみる？」

霧切「苗木君……」

苗木「霧切さん！？」

霧切「フフ……つい、仕事に熱中しすぎてしまって」

霧切「もうロクに満足な食事も採れていなかったの……そう、今の私は」

苗木「ガリガリさん！」

霧切「早い所、花村先輩と罪木先輩を呼んでくれないかしら」

霧切「苗木君」ﾊﾟｧｧｧ

苗木「霧切さん！」

霧切「花村先輩に頂いたスープを飲んでしまったせいで全身が発光する様になってしまったわ」ﾊﾟｧｧｧ

苗木「きらきらさん！」

霧切「虫が寄って来ないかしら」

霧切「苗木君」

苗木「霧切さん！」

霧切「……少しの間、話しかけないで貰える？

霧切「もう少しで今、手を付けている推理のロジックが……」

苗木「ピリピリさん（小声）」

霧切「ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ」

霧切「苗木君」

苗木「霧切さん！」

霧切「苗木君、ここのお酒、どれも私には強すぎるわ」

苗木「ちびちびさん！」

霧切「コーヒーは？　ない？　オレンジジュース下さい」

霧切「苗木君」

苗木「霧切さん！」

霧切「……少しの間、話しかけないで貰える？」

霧切「今う??こしてるの」

苗木「ブリブリさん！！？」

霧切「ﾌﾞﾘﾌﾞﾘ」

霧切「苗木君」ｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞ

苗木「霧切さん！」

霧切「道路工事のアルバイトで基礎体力作りよ」ｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞ

苗木「ドリドリさん！」

霧切「え？　何？　ちょっ、聞こえない」ｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞ

霧切「ｶｰﾝｶｰﾝｶｰﾝｶｰﾝｶｰﾝｶｰﾝ」

苗木「霧切さん！」

霧切「ｶｰﾝｶｰﾝｶｰﾝｶｰﾝｶｰﾝｶｰﾝ」

苗木「ふみきりさん！」

霧切「ｶｰﾝｶｰﾝｶｰﾝｶｰﾝｶｰﾝｶｰﾝ」

霧切「苗木君」

苗木「霧切さん！」

霧切「押すべき時には一気に問い詰め、退くべき時には沈黙に徹する」

苗木「メリハリさん！」

霧切「それが交渉術よ」

霧切「苗木君」

苗木「霧切さん！」

霧切「好きなアーティスト？　そうね……び、B'zとか」

苗木「ギリギリさん！」

霧切「それでも前に行くしかないんだから」

霧切「苗木君」

苗木「霧切さん！」

霧切「モノクマフラワーの手入れは手間がかかるわね」

苗木「えだぎりさん！」

霧切「あ…切りすぎちゃった…」ｼｮﾎﾞﾝ

霧切「苗木君」

苗木「霧切さん！」

霧切「……少し疲れたわ」

苗木「へきえきさん！」

霧切「元気そうね」

霧切「苗木君」

苗木「霧切さん！」

霧切「私のノートに『超高校級の夫婦』との一文が書かれているわ。はぁ……」

苗木「けしけしさん！」

霧切「この筆跡は……逃げても無駄よ、葉隠君」

霧切「苗木君」ﾑｯｷｰﾝ

苗木「霧切さん！？」

霧切「大神さんが淹れてくれたプロテインコーヒーを飲んでみたのだけれど」ﾑｯｷｰﾝ

苗木「ムキムキさん！」

霧切「寧ろ探偵としての活動が捗る様になったわ」

霧切「苗木君」

苗木「霧切さん！」

霧切「わ、わたし、オムライスが食べられないのよ」

苗木「なんで？　美味しいよ」

霧切「だって卵割ったらヒヨコが氏んじゃうじゃないの。まだ生まれてないのにピヨピヨとすら鳴けないのよ（棒）」

苗木「ブリブリさん！？」

霧切「（江ノ島さん……やっぱりこの方法は間違っているんじゃないかしら）」

霧切「苗木君」

苗木「霧切さん！」

霧切「桑田くんからベースギターを、大和田くんからベスパを頂いたわ」

苗木「フリクリさん！」

霧切「高価な物なのかしら」

霧切「苗木君」

苗木「霧切さん！」

霧切「お祖父様からの仕送りも残り僅かね……月末までは切り詰めて生活するわ」

苗木「やりくりさん！」

霧切「３食カップラーメンね」

霧切「苗木君」

苗木「霧切さん！」

霧切「醤油か塩か……どちらも捨てがたいわね」

苗木「吟味吟味さん！」

霧切「みそバターですって…！」

霧切「苗木君」

苗木「霧切さん！」

霧切「ご注文のお品は以上でお揃いかしら」

苗木「デリバリさん！」

霧切「またのご利用をお待ちしているわ」

霧切「苗木君」

苗木「霧切さん！」

霧切「なに？苗木君」

苗木「霧切さんかわいいよ霧切さん！」

霧切「……///」

苗木「照れ照れさん！」

霧切「…バカ///」

霧切「苗木君」

苗木「霧切さん！」

霧切「あっ、い、今は近寄らないで頂戴……」

霧切「仕事から帰ったばかりで、ロクにシャワーも浴びていないの……髪も」

苗木「ぱりぱりさん！」

霧切「触るのをやめなさい」

霧切「苗木君」

苗木「霧切さん！」

霧切「背中が煤けているわよ」

苗木「だいうちさん！」ｽｯ

霧切「ロン」

霧切「苗木君」ﾎﾞﾝﾊﾞﾍｯ

苗木「霧切さん！」

霧切「化学の授業で朝比奈さんが起こした爆発に私も巻き込まれてしまったわ」

苗木「ちりちりさん！」

霧切「次のレスには直っているわ」

霧切「苗木君」

苗木「霧切さん！」

霧切「こうやってスカートをたくし上げると」

苗木「ギリギリさん！」

霧切「この先見たい？」

霧切「苗木君」

苗木「霧切さん！」

霧切「今実験中なの。これを入れれば・・・あ｣ﾄﾞｶｰﾝ

苗木「チリチリさん！」

霧切「髪が・・・」

霧切「苗木君」

苗木「霧切さん！」

霧切「図書室に置いてあった漫画を読んでいるの。特に興味深いわ、この……」

苗木「ギギギギさん！」

霧切「麦のように生きるのよ」

霧切「苗木君」

苗木「霧切さん！」

霧切「これ、おいしいわね」ｸﾁｬｸﾁｬ

苗木「クチャクチャさん……」

霧切「ｸﾁｬｸﾁｬ」

霧切「苗木君」

苗木「霧切さん！」

霧切「あら、その手に持っているパンフレット」

霧切「苺、摘み放題、ですって……？」

苗木「もぎもぎさん！」

霧切「今すぐ現地に向かうわ苗木君、生活がかかっているのよ！」

霧切「苗木君」

苗木「霧切さん！」

霧切「超高校級のマネージャーにツボ押しを習ったわ」

苗木「グリグリさん！」

霧切「頭皮にもツボがあるみたいだし――苗木君の忙しないアンテナの根元をほぐしてあげる」

霧切「苗木きゅ」

苗木「霧切さん！？」

霧切「……にゃえ木く」

苗木「かみかみさん！」

霧切「（口内炎にならないか心配だわ）」

霧切「苗木君」

苗木「霧切さん！」

霧切「ここまで言えばわかるわね苗木君？　……ちょっと、貴方、何度同じ所を間違えているの」

苗木「カリカリさん……」

霧切「試験まであと一週間よ」

霧切「苗木君」

苗木「霧切さん！」

霧切「突然の雨だったわね」

苗木「おかげで服がびしょ濡れだよ」

霧切「なんで私を見つめているのかしら」

苗木「スケスケさん！」

霧切「…バカ///」

霧切「苗木君」

苗木「霧切さん！」

霧切「自分を見失っては駄目よ。常に自分は自分であり続けなさい」

苗木「keep it realさん！」

霧切「私は私が探偵である事を忘れたりはしないわ」ｷﾘｷﾞﾘｯ

霧切「苗木君」

苗木「霧切さん！」

霧切「教室のこんな所にまで……くっ、なかなかしつこいわね、この」

苗木「カビカビさん！」

霧切「真面目に掃除をしなさい」

霧切「苗木君」

苗木「霧切さん！」

霧切「ここは私がお会計するわ。さて、マジックテープの財布を……」

苗木「バリバリさん！」

霧切「支払いなら任せろ～♪」

ﾊﾞﾘﾊﾞﾘーｨ！

苗木「やめて！」

霧切「苗木君」

苗木「霧切さん！」

霧切「それは違う……と思うわよね？」

苗木「マネマネさん！」

霧切「パクりをたくさん用意して混ぜ合わせればオリジナルって山田君が言ってたわ」

霧切「苗木君」

苗木「霧切さん！」

霧切「あら、卵かけご飯ね。私も最近はよく」

霧切「……ちょっと待ちなさい苗木君。あなたまさか白身ごと」

苗木「黄身黄身さん！」ｸﾞｯﾁｬｸﾞｯﾁｬ

霧切「しょ、正気なの！？」

霧切「苗木君」

苗木「霧切さん！」

霧切「あの時のことは本当に申し訳なかったと思っているの……
　　　なので私の命で償うことにしたわ……南無三！」ｸﾞｻ

苗木「ハラキリさん！」

霧切「……実は刃が縮むオモチャよ。驚いた？」

苗木「ドッキリさん！」

霧切「苗木君」

苗木「霧切さん！

霧切「本棚が一杯になったから新しく作っているのよ」

苗木「くぎうちさん！」

霧切「借り受けたものの、やっぱりこのジャスティスハンマーはちょっと大きすぎるわ山田君」

霧切「苗木君」

苗木「霧切さん！」

霧切「スキーは楽しんでいるかしら。私はこっちの方が性にあっているわ」

苗木「ソリソリさん！」

霧切「……（無表情）」ｽｩｰｯ

霧切「苗木君」

苗木「霧切さん！」

霧切「」ｽﾞﾊﾞｧ

苗木「辻斬りさん！」

霧切「苗木君」

苗木「霧切さん！」

霧切「レッツダンシング」

苗木「ブギウギさん！」

霧切「足が逆よ」

霧切「苗木君」

苗木「霧切さん！」

霧切「お金がないから海で自給自足よ」

苗木「つりつりさん！」

霧切「目指すはマグロの一本釣りよ」

霧切「苗木君」

苗木「霧切さん！」

霧切「貴方は老後の自分を想像した事がある？」

苗木「老い老いさん！」

霧切「安楽椅子探偵っていうのも悪く無いわね」

霧切「苗木君」

舞園「あ、霧切さん」

霧切「……どうやらお邪魔だったみたいね。失礼するわ」

苗木「すごすごさん！」

霧切「……馬鹿」

霧切「……」

霧切「（分かってた事じゃない）」

霧切「（彼にとって私は大勢の中の1人）」

霧切「さっさと帰りましょう」

霧切「あっ」



霧切「……鞄を持ってくるのを忘れてしまったわ」

霧切「だーるまさんがこ――」

苗木「霧切さん！」

霧切「――ろんだ！(ﾁﾗｯ)　……だーるまさんがーこーろんだ(ﾁﾗｯ)」

苗木「チラチラさん！」

霧切「……体を止めるのは上手いのだから　もう少し口数を減らしてくれると助かるわ」

霧切「苗木君」

苗木「霧切さん！」

霧切「あなた貯金してるそうね、私宵越しの金は持たないの。養いなさい」

苗木「キリギリスさん！」

霧切「いいえ、私は女王蟻よかわいがってあげるから私の為に働きなさい」

苗木「はい！」

霧切「こんな初歩的なミス、普段は絶対にしないのに」

霧切「取ってこなくては」

霧切「あの二人がいる教室に戻って」

霧切「……」

霧切「後は鞄を取って１人で帰宅するだけなのだから」

霧切「それだけよ」

霧切「苗木君」

苗木「霧切さん！」

霧切「これ、破りにくいのよね」ﾋﾟﾘﾋﾟﾘ

苗木「キリトリせん！」

霧切「……あっ……、急に大声なんて出すからズレたじゃない……」

教室前

霧切「……」

霧切「よし」ｶﾞﾗｯ

霧切「ちょっといいかしら二人共、私、忘れ物を──」

苗木「霧切さん！」

霧切「苗木君？　舞園さんは」

苗木「舞園さん？　もう帰っちゃったけれど」

霧切「……そう。じゃあ、私は鞄を取りに来ただけだから、これで」

苗木「待って、霧切さん。ボク、渡したい物があるんだ」

霧切「渡したい物？」

苗木「誕生日おめでとう、霧切さん」

霧切「……」

霧切「イン・ビトロ・ローズ」

苗木「結構探しまわって、さ、みんなにも協力してもらったりして」

霧切「あ、ありがとう。その……」

霧切「……大切にするわ」

苗木「ここまで喜んでくれると、こっちまで嬉しくなってきちゃうな。はは」

霧切「あれ、でも私の誕生日って３日前──」

苗木「しょ、しょうがないじゃないか！　霧切さん、出張で気が付いたらいなくなっちゃうし！」　

苗木「電話にも、メールにも反応が無いし、学園長が教えてくれなかったら、ボク……」

霧切「苗木君……」

苗木「心配だったんだ」

霧切「ごめんなさい」

苗木「……」

霧切「（彼のこんな顔を見るのは初めてね）」

霧切「ふふっ」

苗木「き、霧切さん？」

霧切「いえ、何でも──」



桑田「おい！　押すなって、オイコラブーデー！」

山田「あの霧切響子殿をここまで…！　苗木誠、恐るべし！」

朝比奈「もっと頭下げてよー！　見えない見えない！」

江ノ島「あいつって名前の割に肉食系？」

葉隠「行け！　苗木っち！　後は押し倒すだけだべ！」

霧切「……はぁ」

霧切「貴方たち、ここのドアの前で何を」ｶﾞﾗｯ

桑田「うおっ！？」

ﾋｭｰﾝ

山田「勢い余って桑田怜恩殿がズッコケた拍子に机の上に置いてあった食べ残しのカップラーメンが宙を！？」

葉隠「もったいねえべ！」

朝比奈「誰よこんな所でカップラーメンなんか食べた奴！」

江ノ島「うぷぷぷ」

ﾊﾞｯｼｬｱｱｱｱﾝ

霧切「……」

苗木「きりぎりさん！？」

～おわり～

あとは好きにつかってください

おつかれさん！

幕切れさん！

>>1乙
おれもこれで幕切りさん！


霧切「苗木君」

苗木「霧切さん！」

霧切「また苗木君……ね、ねぇ苗木君
　　　苗木君は私のどんな所に興味があって、こんなにも構ってくれるの？」

苗木「しりしりさん！」

霧切「」


おしまい
　り