238:◆E9ISW1p5PY 2011/10/29(土) 00:39:46.45 ID:veqilnkN0
コメントありがとうございますm(_ _)m
長期間書けないままで申し訳ございませんでした。
その他、ここに投稿させていただいてる小説も、順次完結させていこうと思います。
カプコン モンスターハンター カプコンフィギュアビルダー 本体 クリエイターズモデル 雷狼竜 ジンオウガ 復刻版 約H180×W220×D120mm
第6話をはじめます。

イャンクック 「旧沼地で人間を拾ったんだが」 シリーズ

イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」第一章
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」第二章
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」第三章
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」第四章
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」第五章
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」第六章
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」最終章

イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」第2部【その1】
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」第2部【その2】
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」第2部【その3】
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」第2部【最終話】


イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」外伝~砦ドラゴンと少女~【その1】
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」外伝~砦ドラゴンと少女~【その2】

イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」外伝~砦ドラゴンと少女~【その3】
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」外伝~砦ドラゴンと少女~【その4】
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」外伝~砦ドラゴンと少女~【その5】
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」外伝~砦ドラゴンと少女~【その6】
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」外伝~砦ドラゴンと少女~【最終話】

ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」第1話.~縄張りに侵入するべからず~
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」第2話.~轟竜迎撃戦~
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」第3話.戦慄の進軍
ジンオウガ「ほう……未来を見通せるお守りか……」第4話.今そこにある恐怖
ジンオウガ「ほう……未来を見通せるお守りか……」第5話.フラッシュフラッド

239: 2011/10/29(土) 00:40:19.79 ID:veqilnkN0
6.青と白の挽歌

―樹海、ヤマツカミの住処、外―

オオナズチ 「うーん……し、師匠が……だ、誰も中に入れるなって……」
キリン 「少女ちゃんは大丈夫かしら……」
オオナズチ 「大丈夫……お、俺、見た」
キリン 「(ホッ)よかった……」
テオ・テスカトル (しかし、竜のブレスを跳ね返すとは……人間離れするにも程がある)
         (何も反動がなければいいのだが……)
ティガレックス兄 「そんなことよりもよぉ、少女は一体どうしたんだってよ」
ティカレックス弟 「フツーの人間じゃねぇーとは思ってたが、ひょっとしたら俺らより強いのかもしれねぇぞ」
ティガレックス兄 「マジかよそれ。半端ねぇな世界」

240: 2011/10/29(土) 00:41:11.68 ID:veqilnkN0
テオ・テスカトル 「今はヤマツカミ様が少女の治療に当たっている。お任せする他はないだろう」
         「ナナがラオシャンロンのところにも行っている。ひとまずは安心のはずだ」
ティガレックス兄 「ちょっと俺らにもわかるように説明してくれよ」
ナルガクルガ 「…………古龍の血の発現だ」
ティガレックス兄 「???」
ナルガクルガ 「少女は、今に至るまでに、古龍の血を体に取り込みすぎた」
テオ・テスカトル 「…………」
ナルガクルガ 「先生達と俺は、いつかこうなるのではないかという懸念の話をしていた」
ティガレックス兄 「ケネン? 食えるのかそれ」
ティガレックス弟 「俺らにもわかるように話をしろよ。ヤんのかテメェ」

241: 2011/10/29(土) 00:41:44.51 ID:veqilnkN0
紫ガミザミ 「まぁ落ち着け、馬鹿二匹。わしが分かるように解説してくれよう」
ティガレックス兄 「バカ? バカっつったな! バカって言う奴がバカなんだぜ!!」
ティガレックス弟 「ギャハハハ! バーカバーカ!」
紫ガミザミ 「いいから聞くのじゃ。少女は、目が見えなくなったことがあったな?」
ティガレックス兄 「あーそういえばな。あったようななかったような」
ティガレックス弟 「あったか?」
紫ガミザミ 「あったんじゃよ……それを治すために、テオ先生達、古龍の血を多く飲み続けてきた」
紫ガミザミ 「また、色々な怪我や危機を脱するために、やはり古龍の力を使ってきたのじゃ」
紫ガミザミ 「さて、お主らは今の少女が人間なのか、それとも古龍なのか、どちらか答えることができるかの?」

242: 2011/10/29(土) 00:42:21.07 ID:veqilnkN0
ティガレックス兄 「どっちかって……なぁ?」
ティガレックス弟 「ンなこと聞かれてもなぁ。少女は少女だろ」
紫ガミザミ 「まぁ、確かにそうなのじゃが、人間が、少女のような力を持っているものだと、お主らは本当にそう思うのか?」
ティガレックス兄 「う……ウゥーン……」
ティガレックス弟 「…………」
紫ガミザミ 「わしは……いや、わしらは、少女は『もう』人間ではなくなってしまっているのではないか、と考えておる」
キリン 「そんな……! モンスターに?」
紫ガミザミ 「そうじゃ。現に、少女からは人間特有の臭いが、最近では全くせんではないか」
キリン 「!!!」
ナルガクルガ 「……喋りすぎだ」

243: 2011/10/29(土) 00:42:49.56 ID:veqilnkN0
紫ガミザミ 「じゃが…………」
ナルガクルガ 「分かったか、馬鹿二匹。問題はそこだ」
ティガレックス兄 「で、でもよ。少女が血の飲みすぎでモンスターになっちまったからって、何が問題なんだよ」
ティガレックス弟 「だよな。今までどおり、俺達と暮らせばいいだけだろ」
テオ・テスカトル 「そうはいかぬ」
ティガレックス兄 「何でだよ先生」
ティガレックス弟 「少女は何も悪いことしてねぇぜ。むしろ俺達の鱗を磨いてくれたりしてるいい奴だ」
         「第一、元々は人間の方があいつを捨てたんだろう?」
         「いーじゃん。モンスターになったって」
         「そのほうが絶対楽しいぜ」
ティガレックス兄 「そーだそーだ」

244: 2011/10/29(土) 00:43:17.91 ID:veqilnkN0
テオ・テスカトル 「…………」
         「お前達の言うことも一理はある」
         「だが、少女はいずれ人間の里に戻さねばならぬ」
ティガレックス兄 「だから何でだよ!」
ティガレックス弟 「俺達にはさっぱりわかんねーぜ!」
テオ・テスカトル 「分からぬか? 少女は人間であり、モンスターにはなれない。それは人間としてあの子が生まれた時に決まっていることだ」
         「第一、お前達は、あの子が大人になって、普通に恋をして、モンスターと結ばれて、子をつくれると思うのか?」
ティガレックス兄 「子供ォ!? 冗談だろ?」
ティガレックス弟 「…………」
ティガレックス兄 「む、無理なもんは無理だけどさァ……でも、それで俺達が仲間はずれにしちゃ、少女はどこに行けばいいってんだよ」
ティガレックス弟 「……だよ。そん時はそん時でさ。俺は少女ともっと遊びたいぜ。先生達の話は難しすぎてよくわからねぇ」
テオ・テスカトル 「…………」

245: 2011/10/29(土) 00:43:53.43 ID:veqilnkN0
オオナズチ 「ちょ……ちょっといいかい?」
キリン 「どうしたの、オオナズチ君?」
オオナズチ 「お……俺達のせい、かな……少女……変わったの……?」
      「だったら……悪いこと、した。怒られるのは、俺達……だな」
キリン 「あなたは何も悪いことをしてないわ。自分を責めちゃ駄目よ」
オオナズチ 「う、うーん……」
テオ・テスカトル 「そうだ。君は何も悪くない。誰も、悪い者なんていないんだ。だから、そこが問題なのだよ」
オオナズチ 「…………」
ナルガクルガ 「……!」
イャンクック (バサッ! バサッ!)
イャンガルルガ (バサッ! バサッ!)

246: 2011/10/29(土) 00:44:25.38 ID:veqilnkN0
ナルガクルガ 「来たか……」
イャンクック 「ナルガ! 少女はどこだ!?」
ナルガクルガ 「落ち着け。無事だ。今、ヤマツカミ様がお一人で治療に当たられている」
イャンガルルガ (ガッ!)
ナルガクルガ 「!!」
イャンガルルガ 「てめぇ……」
        「てめぇがついていながら、どうしてあいつに力を使わせた!!!」
        「この役立たずめ!」
ナルガクルガ 「随分と大きな口を叩くようになったな。小坊主」
イャンガルルガ 「ンだとォ!?」
ナルガクルガ (シュンッ!)
 >ドゴォ!

247: 2011/10/29(土) 00:44:55.72 ID:veqilnkN0
イャンガルルガ 「ガッ!」
ナルガクルガ 「十年早い。出直して来い」
イャンガルルガ 「チィ……クソ!!!」
テオ・テスカトル 「やめないか。ヤマツカミ様の御ン前だぞ」
イャンクック 「テオ殿。しかし本当に大丈夫なのか? 話では、無理に不思議な力を使って倒れたとか……」
テオ・テスカトル 「ヤマツカミ様が問題ないと申されていた。大丈夫だ。命に別状はない」
イャンクック 「そうか……(ホッ)」
       「大丈夫か、ガルルガ君(グイッ)」
イャンガルルガ 「フン! 触るな!!」
小鉄 「はぁ……はぁ……お前ら、オイラを置いていくんじゃないニャ!!」
迅雷 「はぁ……! はぁ……!!(ドドドドドドド)」

248: 2011/10/29(土) 00:45:30.91 ID:veqilnkN0
テオ・テスカトル 「小鉄に迅雷か……しかし猫がモンスターに乗るとは……」
ナルガクルガ 「ついてきたのか。この聖域に猫を入れる始末か……」
イャンクック 「す、すまない。気が動転してしまって、気付かなかった……」
小鉄 「や、やっと追いついたニャ!」
迅雷 「ゼハー……ゼハー……」
紫ガミザミ 「変な猫じゃな。何しに来たのだ?」
小鉄 「オイラ達に隠れて、みんなで美味いものでも食べようったってそうはいかんニャ!」
   「……? 『変な猫』? 猫軽視の発言は許せんニャ! 変な蟹!!」
迅雷 「あ……兄貴。来たのはいいけど……どこ、ここ……?」
小鉄 「オイラが知るはずはないニャ(フンス)」

249: 2011/10/29(土) 00:45:56.77 ID:veqilnkN0
テオ・テスカトル 「……ム?」
 >キラリ
テオ・テスカトル 「小鉄、お前が胸に下げている、そのお守りは……」
小鉄 「コレかニャ? いいだろーだニャ。これはすっげぇ大切なものなんだニャ!」
   「借り物だけどニャ!」
テオ・テスカトル 「…………」
小鉄 「それよりみんなで何してるニャ。オイラ達をハブろうったってそうはいかんニャ!」
ティガレックス兄 「とんでもねぇ猫だな……」
ティガレックス弟 「ちょっと親近感を覚えてきたぜ」
迅雷 「はぁ……疲れた……」
テオ・テスカトル 「……子供のモンスターを長距離走らせるとは。小鉄、お前は少し状況を鑑みた方がいいな」
小鉄 「ニャ!? 何か文句があるのかニャ!」

250: 2011/10/29(土) 00:46:28.19 ID:veqilnkN0
テオ・テスカトル 「迅雷はお前の道具ではないぞ。走れば当然疲れる。無理をさせすぎたな」
迅雷 (ぐったり)
紫ガミザミ 「はぁ。これで戦うとかほざいておったのか。先が思いやられるな」
小鉄 「何だとゥだニャ! おいら一人でもこのビッグブーメランがあれば……」
オオナズチ (ズィッ)
小鉄 「だニャ!!?(ビクッ)」
オオナズチ 「…………だ、駄目だ。人間、臭すぎる…………」
小鉄 「人間臭いのの何が悪いニャ!」
オオナズチ 「こ、ここ……モンスターにとって……聖なる場所……人間は……駄目だ、駄目なんだな」
小鉄 「でもあの少女とかいう人間のにおいが奥からするニャ」
小鉄 「(トテトテトテ)ここから中が覗けそうだニャ」

251: 2011/10/29(土) 00:47:00.59 ID:veqilnkN0
テオ・テスカトル 「おい小鉄!!」
小鉄 「中に何を隠してるニャ~」
   「!!」
   「で……」
   「でっかいタコがいるニャ!!!!!!」
ナルガクルガ (ぐいっ)
小鉄 「何をするニャ! 頭を離すニャ!!」
ナルガクルガ 「……本当だ。人間臭すぎてどうしようもないな」
小鉄 「だからそれの何が悪いニャ!」
ナルガクルガ 「このまま噛み砕いてもいいんだぞ、猫」
小鉄 「…………」
   「さて、ちょっと落ち着こうかニャ」

252: 2011/10/29(土) 00:47:29.08 ID:veqilnkN0
テオ・テスカトル 「小鉄は、ここに入る前に川で少しでも人間の臭いを落として来い」
小鉄 「ふむぅ。仕方ないニャ」
   「で、あのでかいタコは何だニャ」
オオナズチ 「タコ……?」
キリン 「タコって何かしら」
テオ・テスカトル 「ヤマツカミ様に無礼は許さん。このあたり一帯を統べる神だ」
小鉄 「ふぅ~ん。神様って意外にフツーにその辺にいるもんなんだニャ」
ティガレックス兄 「違ェねぇ。ガハハ!」
ティガレックス弟 「まぁ、言われてみれば確かにな」

253: 2011/10/29(土) 00:47:56.86 ID:veqilnkN0
小鉄 「そうと決まったら行くニャ、迅雷。ハチミツでも見つけて食べれば、元気になるニャ」
迅雷 「疲れたよ兄貴……」
小鉄 「もうちょい頑張れニャ」
   「……そうそう。でかい古龍」
テオ・テスカトル 「テオだ」
小鉄 「テオ、オイラのご主人達を知らんかニャ? 来てないのかニャ?」
イャンガルルガ 「呼び捨てかよ……」
テオ・テスカトル 「人間達なら、人里に一旦降りたぞ」
         「あの人間はお前よりも気遣いが上手いようだな」
小鉄 (ムッ)
テオ・テスカトル 「言っておくが、迅雷を連れて村に降りるような真似はするな」
小鉄 「そんなことくらい分かってるニャ。行くニャ迅雷」
迅雷 「ふぁ~い……(ズン、ズン)」

254: 2011/10/29(土) 00:48:26.91 ID:veqilnkN0
―樹海、ヤマツカミの住処、中―

ヤマツカミ 「…………」
      「少女よ……目を覚ますのじゃ……」
少女 「…………」
ヤマツカミ (駄目か……この子の中の、古龍の血と人間の血がせめぎ合って戦っている……)
      (それに、別の龍の力も感じる……)
      (この子の存在としての『定義』自体が曖昧になってしまっている……)
      (このまま古龍として迎え入れるべきか……)
      (人間に戻す努力をすべきか……)

255: 2011/10/29(土) 00:48:55.64 ID:veqilnkN0
―ポッケ村、夜―

ハンマー 「久しぶりだな……ここに来るのも」
太刀 「本当久しぶりよね! でも良かったの? モンスター達に少女ちゃんを任せちゃって」
ハンマー 「樹海の奥には、別の古龍がいるらしい。少女が前に言っていた」
     「山を掴めるほどの、巨大なモンスターだ」
弓 「山を……掴める……?」
ハンマー 「俺達人間が入り込んでいい場所と、悪い場所というところがあると、俺は冒険家として考える」
     「だから、任せていいと思うんだ」
     「それに炎帝は、下手な人間よりはよほど深い愛を持っている」
     「共に戦ったから、それが分かるんだ」

256: 2011/10/29(土) 00:49:27.84 ID:veqilnkN0
ネコート 「ハンマーか……戻ったのかい」
ハンマー 「ネコートさん! お久しぶりです!!」
ネコート 「見ない顔が混じってるね」
弓 「何? この猫」
ハンマー 「馬鹿、この村を裏から支えているお方だ」
弓 「村長さん……ですか?」
ネコート 「そのようなものだ」
弓 「ユクモ村から来ました、弓といいます。ハンマー達とは、奇妙な縁で……」
ネコート 「まぁ、立ち話も何だ、私の家に来るがいい(スタスタ)」

257: 2011/10/29(土) 00:49:57.31 ID:veqilnkN0
―ネコートの家―

ネコート 「少し人間には手狭かもしれんがな」
ハンマー 「お邪魔します」
ネコート 「好きにくつろぐがいい。お前達が来ることは、占いで既に知っておった」
太刀 「いつもながら、ネコートさんの家の中、理解不能だわー。変なものがいっぱい」
弓 「水晶玉……? そんなベタな……」
ネコート 「ベタな方法ほど一番役に立つものさ。座りなさい」
     「今、ツチハチノコの地酒でも出そう」
     「酒は飲めるかい?」
弓 「ええ」

258: 2011/10/29(土) 00:50:50.98 ID:veqilnkN0
ハンマー 「……………………というわけで、ここにいるモンスター達も戸惑っているようでした」
     「ネコートさんに何か心当たりがないかと思い、立ち寄ったわけです」
ネコート 「ふむ……」
     「古龍についての知識は浅いが、聞いたことはある」
ハンマー 「と、申しますと?」
ネコート 「氏なす力を持つ古龍が存在する。それは知っているな?」
ハンマー 「氏を司るモンスターですね。少女から聞きました」
ネコート 「逆に、氏した者を蘇らせることが出来る古龍が存在している、ということまでは知っている」
弓 「…………!!」

259: 2011/10/29(土) 00:51:18.72 ID:veqilnkN0
ネコート 「ユクモ村からここまで、お主たちを追ってきたと考えた方がいいだろう」
ハンマー 「しかし……目をつけられるようなことはしていないつもりですが……」
ネコート 「ここには来ていない、ユクモ地方の者がいるではないか。占いではそう出ていた」
ハンマー 「……小鉄と迅雷か!!」
弓 「どういうこと!? その古龍は、どうしてあのジンオウガと小鉄を狙うの!?」
ハンマー 「分からない……でも、俺は小鉄が見たこともないお守りを持っていたのを知っている」
     「もしかしたら迅雷……あのジンオウガというモンスターにも、何か秘密があるのかも……」
弓 「……こうしてはいられないわ! 早くあの子達を助けに行かないと!!」
ネコート 「落ち着け、娘」

260: 2011/10/29(土) 00:51:46.84 ID:veqilnkN0
ネコート 「お前が行ったとて、何かが変わるわけでもない。かえってモンスターの秩序を乱し、状況を悪化させるだけだ」
弓 「でも……!!」
ネコート 「……気になるのは、少女……ハンマーが言っている、かつて我らが捨てたという女の子のことだ」
ハンマー 「…………」
ネコート 「モンスターの攻撃を生身で防ぐとは、人間離れしすぎている」
     「もはや人間には戻れないと見た方がいいだろう」
ハンマー 「では……」
ネコート 「ああ。その子はもはや人間ではない。モンスターだ」
太刀 「そんな……」
ネコート 「モンスターはモンスターと暮らす方が幸せだと、私は思う。無理に連れ戻そうとするな」

261: 2011/10/29(土) 00:52:14.68 ID:veqilnkN0
ハンマー 「…………」
ネコート 「お前の気持ちは分かる。だが、モンスターの言葉を介し、砦蟹を消し去り、龍の攻撃を生身で防ぐ人間がどこにいる?」
ハンマー 「ですが、ネコートさん」
     「少女は、やはり人間ではないかと思うのです」
ネコート 「ほう。その根拠は?」
ハンマー 「同じ心を持っている。同じ形をしている。俺たちと」
     「仲間です」
ネコート 「形にこだわっていては、駄目だ」
     「姿かたちなど、何の意味も成さん。古龍の世界ではな」
     「そこから解き放たれたものが古龍なのだからな」
ハンマー 「……そうなのですか……」

262: 2011/10/29(土) 00:52:44.25 ID:veqilnkN0
ネコート 「まぁ、邪悪な気配は今は消えている。少し休むがいいだろう」
ハンマー 「…………分かりました」
太刀 「少女ちゃん、人間には戻れないのかぁ……」
   「そう考えると、何か複雑。モンスターと恋するのかな……」
ハンマー 「…………」
弓 「……ネコートさんは、その邪悪な古龍は、小鉄の何を狙っていると思うの?」
ネコート 「分からん。命か、はたまた所持しているものか」
     「もう一度そいつに会ったら、ここに連れてくるといい」
     (……しかし、ただの猫を古龍が相手するとは考えにくい)
     (もう一体のモンスターの方にも、何かあるのかもしれぬ)

275: 2011/11/17(木) 23:00:58.79 ID:c0ewPbEI0
―ラオシャンロンの住処―

ナナ・テスカトリ 「そんな……そんなことが……」
ラオシャンロン 「そうです。古龍の血を取り入れる前に、少女は既に人間とは別のものだったのだと思います」
ナナ・テスカトリ 「ですが、前のあの子からは人間の臭いがしていました」
ラオシャンロン 「…………そこまでは分かりませんが…………」
        「私達ではない別の古龍の力を感じます。シェンガオレンを消し去ったあの力も、その古龍のものでしょう」
        「それが何なのかまでは、私でも推し量ることは出来ません」
        「ただ、私は、だからこそ少女をモンスターの中に置いておくことを許容しました」
ナナ・テスカトリ 「少女は人間ではなく、もうモンスターだと、そう仰るのですか?」
ラオシャンロン 「そうです。おそらくは、ヤマツカミ殿もそう言うでしょう」

276: 2011/11/17(木) 23:01:47.02 ID:c0ewPbEI0
ナナ・テスカトリ 「何てこと……わたくしたちは、少女を人間の里に戻さなければいけないというのに……」
ラオシャンロン 「ナナ殿、それは間違っている」
ナナ・テスカトリ 「……?」
ラオシャンロン 「戻す、戻さないではなく、少女がそれを選択すべきなのです」
ナナ・テスカトリ 「…………」
ラオシャンロン 「私達が決めるのではない。少女が自分の意思で、戻るのか、戻らずに留まるのか、それを決めなければ何の意味もない」
ナナ・テスカトリ 「お言葉を返すようですが……それは詭弁では……」
ラオシャンロン 「確かにそうとれるかもしれません。しかし、真実の前にあるべきなのは心です。そして心とは我々をつくる中核となるものです」
ナナ・テスカトリ 「中核……」

277: 2011/11/17(木) 23:02:16.66 ID:c0ewPbEI0
ラオシャンロン 「心がそれを選択するまで、私達は待つべきではないかと思うのです」
ナナ・テスカトリ 「ではもし、少女がここに留まることを選んでしまったら……あの子の幸せは、どこに行くというのでしょう?」
ラオシャンロン 「幸せか、不幸せかということを決めるのは、主観的なものであって客観的なものではありません」
ナナ・テスカトリ 「……それは……そうですが……」
ラオシャンロン 「やはりそれも、少女が選択せねばならないことなのでしょう」
        「アゴ美とキバ代にも相談してみましょう」
        「少し、お時間をいただけませんか? それと、少女が目覚めたら、ここに連れてきてください」
ナナ・テスカトリ 「……わかりました。お時間をとらせました」
ラオシャンロン 「いいえ。あなたも、どうか気負わずに……」

278: 2011/11/17(木) 23:03:01.64 ID:c0ewPbEI0
―ユクモ地方、孤島―

ドボルベルク翁 「ふむ……そうなのか……」
ドボルベルク嫗 「うぅむ……」
ドボルベルク翁 「ラヴィエンテ様の仰ることに嘘はない。ならば、かの話は本当だと信じるしかない……」
ドボルベルク嫗 「新しい古龍の誕生と、その鍵を担う者を排除するために……奴が動き出したと……?」
ドボルベルク翁 「ああ……恐ろしい話じゃ……」
ドボルベルク嫗 「すぐに皆にも知らせねばならぬ」
ドボルベルク翁 「うむ」

279: 2011/11/17(木) 23:03:27.63 ID:c0ewPbEI0
ドボルベルク翁 「ぬ」
ドボルベルク嫗 「ぬ」
 >ザザザッ!!
ナルガクルガA 「さすがね。あたし達の気配を感じ取るとはね」
ナルガクルガB 「油断のならないジジババねぇ」
ナルガクルガC 「でも、アタシ達前よりも少し近づけるようになったんじゃない?」
ドボルベルク嫗 「やはりオカマ三兄弟かえ……」
ドボルベルク翁 「たわけ共め……貴様らの気配など、孤島に入る前から感じ取っておったわ」

280: 2011/11/17(木) 23:04:03.32 ID:c0ewPbEI0
ナルガクルガA 「キィ! その見下したような態度が気に食わないわ、クソジジィ!」
ナルガクルガB 「やぁよ、お姉ちゃん怒っちゃダーメ。ジジィは放っておいてももうじき寿命がくるもの」
ナルガクルガC 「未来ある若者であるアタシ達とは違うのよ?」
ナルガクルガA 「そうだったわ……アタシ反省」
ドボルベルク翁 「で、何用じゃ?」
ドボルベルク嫗 「貴様らと話すことなど何もないじゃ」
ナルガクルガA 「何よ! 折角ウラガンキンちゃんに頼まれてここまできてあげたっていうのに!」

281: 2011/11/17(木) 23:04:32.32 ID:c0ewPbEI0
ドボルベルク翁 「ほう。あの若造が……」
ドボルベルク嫗 「自分で来んかい」
ナルガクルガA 「ムキィ! どこまでも癪に障るジジババね!」
ナルガクルガB 「自慢の瘤を叩き割ってもいいのよ! ウラガンキンちゃんを馬鹿にするとタダじゃ置かないわ!」
ナルガクルガC 「フゥ……待ってお姉ちゃん達。ジジババの腐りかけた脳みそでも分かるように説明してあげるわ……」
ドボルベルク翁 「能書きは良い。はよう言え」
ドボルベルク嫗 「んじゃ」

282: 2011/11/17(木) 23:05:00.76 ID:c0ewPbEI0
ナルガクルガC 「……………………というわけで、ウラガンキンちゃんは今、火山を離れられないのよ」
ドボルベルク翁 「………………」
ドボルベルク嫗 「どうするえ、じいさんや」
ドボルベルク翁 「やはり、何事か起きているという予感は的中したようじゃな……」
ナルガクルガA 「何なのよ、何自分達だけで納得してるの?」
ナルガクルガB 「アタシ達にも分かるように説明しなさいよ!」
ナルガクルガC 「折角分かりやすく説明してあげたっていうのに、説明損じゃない!」

283: 2011/11/17(木) 23:05:31.96 ID:c0ewPbEI0
ドボルベルク翁 「ええいかしましい! 同時に喋るんじゃない!!」
ドボルベルク嫗 「……未来を見通せるお守りかえ。そんなものが存在していたとはな……」
ドボルベルク翁 「うむ……もしそんな力を、モンスターが手に入れたとしたら、それはもはやモンスターではあらぬ」
        「古龍じゃ」
ナルガクルガC 「どういうことよ?」
ドボルベルク翁 「わしらのほうでも、邪悪な気配を感じ取っておった。先ほどラヴィエンテ様と対話もいたしたところじゃ」
ドボルベルク嫗 「ラヴィエンテ様は言っておった。新たな古龍が『二匹』誕生するとな」
ナルガクルガA 「二匹……?」
ナルガクルガB 「さっぱり意味が分からないわ!」

284: 2011/11/17(木) 23:06:07.13 ID:c0ewPbEI0
ドボルベルク翁 「結論から言おうぞ……氏したジンオウガの子供は生きておるじゃ」
ドボルベルク嫗 「おそらく、その子供が、お守りを持っておる」
ナルガクルガA 「なぁんですってぇ! どこにいるのよ!?」
ドボルベルク翁 「深海の主が動いた。わしらの力の及ばぬ場所に運び去りよった」
ナルガクルガB 「力の及ばない場所って……どこ? 海の向こう?」
ナルガクルガC 「そうなるわね……クソジジババの力だけは本物ですもの……」
ドボルベルク翁 「そして、邪悪な古龍が、その二匹の古龍の誕生を阻止せんと動いておる」
        「このままでは、その新たなる古龍が危ないじゃ」
        「急ぎ、古龍の力の覚醒を守らねばならぬ」

285: 2011/11/17(木) 23:07:17.72 ID:c0ewPbEI0
ナルガクルガA 「でも……居場所が分からないんじゃどうにもならないじゃない」
ナルガクルガB 「そうよそうよ」
ナルガクルガC 「海の向こうまで追っていくって言っても、場所も分からないんじゃ、飛びようがないわ」
ドボルベルク翁 「安心せよ。わしらの力の及ばぬ場所でも、ラヴィエンテ様は感知することができなさる」
ドボルベルク嫗 「その話をしておった。察せよ馬鹿共」
ナルガクルガA 「ムッキィ! 何よその態度!」
ドボルベルク翁 「ここから太陽の沈む方角にある地方じゃ」
        「そこに、深海の主は古龍……いや、『古龍の卵』を運び去った」

286: 2011/11/17(木) 23:07:46.85 ID:c0ewPbEI0
ナルガクルガC 「お待ちなさいな……ジジババ達、さっき、二匹の古龍の誕生とか言ってたわよね?」
ドボルベルク翁 「…………」
ドボルベルク嫗 「…………」
ナルガクルガC 「もう一匹は何? 一匹がジンオウガの子供じゃ、もう一匹足りないわ」
ドボルベルク翁 「分からぬ」
ドボルベルク嫗 「ラヴィエンテ様にも力が及ばぬ場所にいる古龍らしいじゃ。我らは、全モンスターの力をかけて、守らねばならぬ」
ナルガクルガB 「守るって……そんな得体のしれないものを?」
ナルガクルガA 「でもウラガンキンちゃんとの約束よねぇ。それに……」
ナルガクルガC 「やるならとことんやる! があたしたちの」
ナルガクルガ達 「「「信条なのよね!!」」」

287: 2011/11/17(木) 23:08:16.82 ID:c0ewPbEI0
ドボルベルク翁 「ええいユニゾンするな! うっとぉしい!」
ドボルベルク嫗 「お前達では心もとなし。我らは飛べぬ。ラヴィエンテ様が使いをお寄越しになると仰っておられたが……」
 >ズッ……
 >ズゥゥゥゥゥゥンッ!!!
ナルガクルガA 「な、何!?」
ナルガクルガB 「この地震……まさか……」
ナルガクルガC 「あいつよ、あいつ!!」
 >ドォォォンッ!!

288: 2011/11/17(木) 23:08:42.42 ID:c0ewPbEI0
ナルガクルガA 「そ……空から降ってきたわ……」
ナルガクルガB 「あたりの木が全部なくなってるわよ……」
ドボルベルク翁 「来てくれたか」
ドボルベルク嫗 「遅うかったのう」
ルコディオラ 「………………」
       「貴殿ら、説明は要らぬ。話は我が師より拝聴している」
       「某(それがし)は往く」
ナルガクルガA 「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」
ルコディオラ 「……某に何か用か?」

289: 2011/11/17(木) 23:09:17.94 ID:c0ewPbEI0
ナルガクルガB 「なぁんでアンタなのよ!」
ナルガクルガC 「この古龍になりたてのスットコドッコイがアタシ達と一緒に行くの?」
ナルガクルガA 「じょーうだんじゃないわよーう。こいつといるとロクなことがないのよ!」
ルコディオラ 「貴殿らも共に往くと言うか。良かろう。なれば某の後を追従せよ」
ナルガクルガA 「あぁもう、やっぱり話聞いてない!」
ナルガクルガB 「あたしこんな奴と一緒に行くの御免よ! これまで何回氏にそうになったか……」
ナルガクルガC 「いいルコディオラ!? アンタを育てたのはアタシ達なんだからね! 言うことはキッチリ聞けるの?」

290: 2011/11/17(木) 23:09:45.86 ID:c0ewPbEI0
ルコディオラ 「…………」
       「承知した」
ナルガクルガC 「何をよ!?」
ナルガクルガA 「あんたをラヴィエンテ様に預けて、久々の育ての親に対しての言葉がそれかい!」
ルコディオラ 「某は古龍としての覚醒を果たした。貴殿らには感謝しているが、昔の某ではない」
       「往くのか、往かないのか。きかり決めよ」
ナルガクルガB 「駄目だわ……全然昔と変わってない……」
ナルガクルガA 「ラヴィエンテ様に預ければ少しは性格改善されると思ったんだけどね……」
ルコディオラ 「話は以上か。それでは某は往くとする」
ドボルベルク翁 「うむ。頼んだ」
ナルガクルガA 「ちょ……待ちなさいよルコ!」
 >バサッ!!

291: 2011/11/17(木) 23:10:18.19 ID:c0ewPbEI0
ルコディオラ (バサッ! バサッ!!)
ナルガクルガA 「あぁもう! 最悪!(バサッ!)」
ナルガクルガB 「ルコ! ちょっと話を聞きなさい!!(バサッ!)」
ナルガクルガC 「……フゥ……頭が痛くなってきたわ(バサッ!)」
 >バサッ!! バサッ!!
ドボルベルク翁 「………………行ったか……騒々しいことじゃ……」
ドボルベルク嫗 「ルコディオラがおる。あ奴は能力は未熟じゃが、力がある。何とかなるじゃろう」
ドボルベルク翁 「うむ……」
        (しかしこの胸のざわめきは何じゃ……)
        (何事もなく無事に古龍を保護できれば良いが……)

292: 2011/11/17(木) 23:10:46.61 ID:c0ewPbEI0
―シュレイド地方、樹海、夜―

 >バッシャァァ!!
小鉄 「プハァ! 寒いニャ!!」
迅雷 「(モグモグ)ハチミツ美味いよ!」
小鉄 「(ガクガクブルブル)火……火を起こすニャ……(カチカチ)」
 >ボワッ
迅雷 「うわ、火がついた! 兄貴、それ何?」
小鉄 「これはオトモ必須のアイテム、火打石ニャ。前に旦那さんと拾ったニャ」
迅雷 「いいなー」

293: 2011/11/17(木) 23:11:19.61 ID:c0ewPbEI0
小鉄 「お前が持ってても使えんニャ。それより火に当たるニャ」
迅雷 「うん」
小鉄 「ふぅ。あの古龍、偉そうにしてて嫌だニャ」
迅雷 「偉そうにしてる奴は駄目なの?」
小鉄 「大概偉そうにしてる奴ってのは信用できないニャ。よく覚えておくニャ」
迅雷 「分かった。あいつは信用できないんだね」
小鉄 「あいつに限らず、世の中は厳しいニャ。これから迅雷には、それを沢山教えてやるニャ」

294: 2011/11/17(木) 23:11:53.61 ID:c0ewPbEI0
小鉄 「……その前に、これをくすねてきたニャ(バッ)」
迅雷 「それ何?」
小鉄 「あの変な鳥が持ってたツチハチノコの酒だニャ。迅雷も飲むニャ」
迅雷 「うん!」
小鉄 「(ゴクゴク)プハァ! たまらんニャ!」
迅雷 「ゲェ。何か辛いよ」
小鉄 「迅雷にはちょっと早かったかもしれんニャ」

295: 2011/11/17(木) 23:12:17.08 ID:c0ewPbEI0
迅雷 「そんなことないよ。ほら(ゴクゴク)」
小鉄 「そんなに一気に飲むもんじゃないニャ」
迅雷 「(フラフラ)……グゥ」
 >ズゥゥン
小鉄 「寝ちまったニャ」
   「光ってる蟲が集まってるニャ……」
 >ムンズ
小鉄 「何だニャこの蟲は……何かピリピリしてるニャ。食べるのは危険そうな気がするニャ」

296: 2011/11/17(木) 23:12:45.33 ID:c0ewPbEI0
―迅雷の夢の中―

迅雷 「…………」
   (兄貴……)
   (兄貴! ……あれ? 声が出ない……)
   (どこだ、ここ……)
   (樹海……?)
   (兄貴……? ン? あそこにいるのは、兄貴だ!)

迅雷 (兄貴ー!!)

小鉄 「迅雷逃げるニャ!!」
迅雷 「兄貴ー!!」

迅雷 (!?)

297: 2011/11/17(木) 23:13:33.69 ID:c0ewPbEI0
小鉄 「何してるニャ、迅雷、早く逃げるニャー!!!」
迅雷 「兄貴を置いて逃げられるわけがないよ!!」

迅雷 (あそこにいるのは……俺? ジンオウガの……)

小鉄 「こいつにはまだかなわんニャ! 助けを呼んでくるニャ!!」
××××××× 『…………』
小鉄 「逃げるニャー!!」

迅雷 (な……何だあれ……)
   (見たこともない龍だ……白くて……風をまとってる……)
   (で、でも見てると何だか嫌な気分になる……)
   (あれは……)
   (絶対にいい奴じゃない……!!)

298: 2011/11/17(木) 23:14:04.43 ID:c0ewPbEI0
小鉄 「仕方ないニャ! 迅雷には指一本触れさせんニャ! ビッグブーメランを喰らえニャ!!」
××××××× 『…………』
 >ビュォオオオオ!!!
小鉄 「ギニャ!(ドガッ!)」
迅雷 「うわ! (ドゴッ! ゴロゴロゴロ……!!)」

迅雷 (何だ……凄い突風みたいなのが、兄貴と俺に……)

××××××× 『太古の宝玉を持っているのはどちらだ……いや、どちらでも良い……』
        『二匹とも灰にすれば済む話だからな……』

 >ズズズズズズズズ

299: 2011/11/17(木) 23:14:34.60 ID:c0ewPbEI0
迅雷 (!!!)

ティガレックス亜種 「おいおいボスゥ。そりゃちょっと話が違うんじゃねぇか?」

迅雷 (土の中から、黒い龍が出てきた……!!!)
迅雷 (あの龍は……!!)

××××××× 『…………』
ティガレックス亜種 「あのお守りは、俺のものだ。成敗したら俺に寄越すと、そういう話だったんじゃねぇのか?」
小鉄 「そ……そんな……」
   「黒い龍! そんな……! お前はあの時にジンオウガが頃したはずだニャ!!」
ティガレックス亜種 「アァン? ンだァ……この猫は……」
小鉄 「……ッ! そんな話はどうでもいいニャ! ならもう一度、ぶっ頃してやるだけニャ!!」
ティガレックス亜種 「フン……おもしれぇ」

300: 2011/11/17(木) 23:15:00.97 ID:c0ewPbEI0
迅雷 (兄貴、駄目だ!! くそ……動け、俺……!! 動け!!)

迅雷 「…………(ガクガクブルブル)」
小鉄 「うおニャアアアア!!!(ブゥン!)」
ティガレックス亜種 「(ガチィィン!)…………」
小鉄 「お……おいらのビッグブーメランが効かない……!!」
ティガレックス亜種 「(シュバッ!)氏ね!(ガチィィィン!!)」
 >ザクッ!!
小鉄 「ぐぅおおおお!!!!」

迅雷 (兄貴いいいい!!!)

301: 2011/11/17(木) 23:15:27.31 ID:c0ewPbEI0
―シュレイド地方、樹海、夜―

小鉄 「グゥ、グゥ……」
迅雷 「……ッハ!!!!」
   「ハァ……ハァ……」
   「何だ……あの夢…………」
   「妙に現実味があって……まるで本当のことみたいに……」
   (うう……あの変な飲み物を飲んだせいか、体が上手く動かないよ)

302: 2011/11/17(木) 23:15:55.13 ID:c0ewPbEI0
迅雷 (ハッ)
   (そういえば、ここはあの夢で見た景色と同じだ!!)
   (何だか……嫌な予感がする!)
   「兄貴! 兄貴起きてよ!(ユサユサ)」
小鉄 「ン……んん……何だニャ迅雷……もう少し寝かせるニャ……」
迅雷 「そんなことを言ってる場合じゃないよ! ここから早く逃げなきゃ!」
小鉄 「ンニャ? 逃げるって何からだニャ?」
   「くだらないこと言ってないで、迅雷もだいぶ遅いから、今日はここで野宿ニャ」
   「もう一回火をつけるニャ(カチカチ)」

303: 2011/11/17(木) 23:16:21.91 ID:c0ewPbEI0
小鉄 「…………(ゾクッ)」
迅雷 「…………(ゾクッ)」
小鉄 「な……何だニャ。この悪寒は……」
   「この悪寒は……確か……」
迅雷 「兄貴……!」
小鉄 「迅雷、オイラの後ろに隠れるニャ!!」
 >ヒュゥゥゥゥゥゥッ
迅雷 「か……風が集まっていく……」

304: 2011/11/17(木) 23:16:49.34 ID:c0ewPbEI0
小鉄 (クッ……暗くて良く見えんニャ)
   (迅雷の体が光ってるから、何とか見えるくらいだニャ)
   (でも、この感覚は知ってるニャ。これは……こいつは……)
   「白い龍!!」
××××××× 『クク……フハハハハ!』
        『生きていたか……小さき者よ』
小鉄 「う……うおおお!!(ダッ!)」
迅雷 「兄貴!」

305: 2011/11/17(木) 23:17:23.30 ID:c0ewPbEI0
××××××× 『…………』
 >ビュゥゥゥゥゥッ!!
小鉄 「ギニャー!!」
迅雷 (兄貴が凄い風に吹き飛ばされてきた!)
   「ふんっ!(ガシッ)」
小鉄 「す……すまんニャ迅雷……」
迅雷 「…………」
小鉄 「迅雷?」
迅雷 (あれは……夢の中に出てきた龍だ……!!)
   (どうして……俺……)

306: 2011/11/17(木) 23:21:42.26 ID:c0ewPbEI0
お疲れ様です。今回はここまでにさせていただきます。

かなり寒くなってまいりました。
皆様も、お風邪など召しませんよう(-人-)
温かくしてお休みくださいね。

書け次第投稿させていただきます。
気長にお待ちいただけますと幸いです。

また、最近ニコニコ生放送も始めました。
宜しければ、ご参加いただけたら嬉しいです。

コミュニティ:http://com.nicovideo.jp/community/co1411332

何かありましたら、BBSやツイッターなどでご接触ください。
全てお返事させていただきます。

BBS:http://www3.rocketbbs.net/601/Mikeneko.html
ツイッター:http://twitter.com/matusagasin08

それでは失礼しますm(_ _)m

313: 2011/11/20(日) 23:13:07.65 ID:OqjjcicO0
みなさん、こんばんは。ちょっとミスを見つけたので、修正させていただきます。

>>308-310
物議を醸し出して申し訳ありません。
確かにちょっと軽率だったかもしれません。
これからは控えるようにしますね。ご忠告ありがとうございます。
309さんも、ご擁護ありがとうございますm(_ _)m

>>311-312
いつも応援ありがとうございます(*´ω`*)
低速ですが続かせていただきますので、ごゆるりお待ちくださいー

訂正といいますと、>>221-222の間の投稿が少し抜けておりました。
前後が繋がらない展開になっていたことと思います。
申し訳ございませんでした。

サイトに掲載させていただいたまとめでは修正いたしましたので、お時間がございましたらそちらもご覧いただけますと幸いです。

http://plaza.rakuten.co.jp/MikenekoMilk/

また、絵も少し描き始めました。
下手で申し訳ありませんが、載せておきます(´・ω・)

http://image.space.rakuten.co.jp/lg01/19/0000910119/63/imged0b3451zik9zj.jpeg

それでは、寒さに負けずに、毎日を一生懸命過ごしていきましょうー。
私も頑張ります。皆様も適度に頑張ってくださいね。

316: 2011/11/27(日) 22:56:39.97 ID:DyIqbrAP0
みなさん、こんばんは。続きを書きましたので投稿させていただきますm(_ _)m

317: 2011/11/27(日) 22:58:21.90 ID:DyIqbrAP0
小鉄 (オイラ一人で逃げることは出来るニャ……)
   (オイラは猫だから、地面に潜っちまえばいいんだニャ)
   (でも……そうしたら迅雷が……)
   「…………!!」
    >ダダダダッ

小鉄 「迅雷逃げるニャ!!」
迅雷 「!!」
小鉄 「こっちだニャ! オイラが相手してくれるニャー!!」

迅雷 (これは……!!)
   (夢の中と同じ……!)
   (ということは、この後、黒いティガレックスが出てきて、兄貴が……!!)

318: 2011/11/27(日) 22:59:03.32 ID:DyIqbrAP0
小鉄 「何してるニャ、迅雷、早く逃げるニャー!!!」
迅雷 「兄貴を置いて逃げられるわけがないよ!!」

迅雷 (夢の中と……同じことを……!!)

小鉄 「こいつにはまだかなわんニャ! 助けを呼んでくるニャ!!」
××××××× 『…………』
小鉄 「逃げるニャー!!」

迅雷 (に……逃げられるわけ……ない!)
   (だってこの後……兄貴は……!!)
小鉄 (迅雷……! 初めての戦闘で動けないんだニャ!)
   (オイラが守るしかないニャ!!)
   「仕方ないニャ! 迅雷には指一本触れさせんニャ! ビッグブーメランを喰らえニャ!!」
××××××× 『…………』
 >ビュォオオオオ!!!
小鉄 「ギニャ!(ドガッ!)」
迅雷 「うわ! (ドゴッ! ゴロゴロゴロ……!!)」

319: 2011/11/27(日) 22:59:54.43 ID:DyIqbrAP0
××××××× 『太古の宝玉を持っているのはどちらだ……いや、どちらでも良い……』
        『二匹とも灰にすれば済む話だからな……』

 >ズズズズズズズズ

小鉄 (な……何かが土の中から出てきたニャ……)
   (あれは……あいつは!!)

ティガレックス亜種 「おいおいボスゥ。そりゃちょっと話が違うんじゃねぇか?」
××××××× 『…………』
ティガレックス亜種 「あのお守りは、俺のものだ。成敗したら俺に寄越すと、そういう話だったんじゃねぇのか?」
小鉄 「そ……そんな……」
   「黒い龍! そんな……! お前はあの時にジンオウガが頃したはずだニャ!!」
ティガレックス亜種 「アァン? ンだァ……この猫は……」
小鉄 「……ッ! そんな話はどうでもいいニャ! ならもう一度、ぶっ頃してやるだけニャ!!」
ティガレックス亜種 「フン……おもしれぇ」

320: 2011/11/27(日) 23:00:31.26 ID:DyIqbrAP0
迅雷 「…………(ガクガクブルブル)」
   (あれ……? 兄貴を助けなきゃいけないのに……)
   (怖くて……足が動かない……)
   (動け! 動け!!)
   (俺の脚!!!)

321: 2011/11/27(日) 23:01:47.90 ID:DyIqbrAP0
小鉄 (猫のオイラが、逆立ちしてもティガレックス亜種になんて……かなうはずはないニャ……)
   (でもここで退くわけにははいかんニャ!!)
   (おいらは……おいらは……)
   (迅雷の兄貴だニャ!!!)
   (おいらは、うそつき猫にだけはなりたくないニャー!!!)
   「うおニャアアアア!!!(ブゥン!)」
ティガレックス亜種 「(ガチィィン!)…………」
小鉄 「お……おいらのビッグブーメランが効かない……!!」
ティガレックス亜種 「(シュバッ!)氏ね!(ガチィィィン!!)」
 >ザクッ!!
小鉄 「ぐぅおおおお!!!!」

322: 2011/11/27(日) 23:02:16.80 ID:DyIqbrAP0
ティガレックス亜種 「このまま、真っ二つに噛み千切ってやる……!!」
小鉄 (あれ……? 全然痛くないニャ……)
   (これならイケる……! やれる気がするニャ!!!)
   「舐めるなニャアアア!!!(ブンッ!)」
ティガレックス亜種 「!!!」
 >ザンッ!!!
ティガレックス亜種 「グア……!!」
小鉄 「目ン玉にビッグブーメランを刺されて、平気な奴はいないニャ!!」
ティガレックス亜種 「グ……てめぇえええ!!(ギリギリ)」
小鉄 「ぐぅおおおお!!!」

323: 2011/11/27(日) 23:02:49.49 ID:DyIqbrAP0
小鉄 (痛くはないニャ……でも体の血と力が抜けていくニャ……)
迅雷 「…………(ガクガクブルブル)」
小鉄 「じ……迅雷逃げるニャ……!!」
ティガレックス亜種 「氏ね、猫」
小鉄 「ぐああああ!!!!」
迅雷 「(ギリ……)兄貴から……」
   「兄貴から………………」
   「兄貴から離れろおおお!!!!(バリバリバリバリ)」
 >チュッドォォォンッ!!!
ティガレックス亜種 「ゴオオオアアア!!!!」

324: 2011/11/27(日) 23:03:22.38 ID:DyIqbrAP0
××××××× 『ほう……』
ティガレックス亜種 (プスプス……)
          「て……てめぇ…………」

325: 2011/11/27(日) 23:03:57.24 ID:DyIqbrAP0
 >ボ口リ
小鉄 「ギニャ!(ドサッ)」
   「じ……迅雷……」
迅雷(超帯電) 「(バリ……バリ……)お前なんて……お前なんて怖くない!」
        「怖くないぞ!!!(バリバリバリ)」
ティガレックス亜種 「……ケケ……」
          「その割には足が笑ってるぜ……」
迅雷(超帯電) 「!!」
        (まともに相手をしちゃ駄目だ……!)
        (兄貴の怪我がひどいよ……!)

326: 2011/11/27(日) 23:04:30.65 ID:DyIqbrAP0
迅雷(超帯電) 「(シュバッ)兄貴!」
小鉄 「じ……迅雷、早く逃げるニャ……」
   「まだ一度も戦ったことがないお前じゃ……無理だニャ……」
   「誰かを呼んでくるニャ…………」
迅雷(超帯電) 「逃げる……?」
        「俺……逃げるの……?」
小鉄 「……?」
迅雷(超帯電) 「あいつ……父さんと、母さんを……」
        (殺 し た 奴 だ ろ……!!)
小鉄 「!!」

327: 2011/11/27(日) 23:05:15.36 ID:DyIqbrAP0
迅雷(超帯電) 「うわああああ!(シュッ!)」
小鉄 「迅雷! 駄目だニャー!!!」
ティガレックス亜種 「ケケッ、そう来なくちゃな。面白くねぇ」
          「だが、餓鬼は所詮餓鬼だな!(バシッ!)」
迅雷(超帯電) 「(ゴロゴロ)ギャッ!」
        「い……痛い……痛い! 血が、俺の顔から、血が……!!!」
ティガレックス亜種 「血ィくらいで何ィ言ってんだ餓鬼? てめぇはこれから(ドガッ!)」
迅雷(超帯電) 「ガッ!」
ティガレックス亜種 「氏ぬよりもつらい目に!(ゴッ)」
迅雷(超帯電) 「ウガア!」
ティガレックス亜種 「遭わせてから頃してやるんだからよ!!(ドゴォッ!)」
迅雷(超帯電) 「(ゴフッ)……うああ……あ……(ガクガクブルブル)」

328: 2011/11/27(日) 23:05:54.83 ID:DyIqbrAP0
小鉄 「う……うおニャアアア!!!(ジダダダダダ)」
迅雷(超帯電) 「!! 兄貴!? 動けるの!?」
ティガレックス亜種 「……?」
          (何だ……? あの猫。致命傷のはずだ。どうして動ける……?)
          (まさか、俺達と同じ……?)
××××××× 『…………』
小鉄 「迅雷には……もう指一本触れさせないニャー!!!」
   「痺れ貫通ブーメランを喰らえニャ!!」
 >ブンッ
ティガレックス亜種 「……!」
 >ズガガガガガガガッ!
ティガレックス亜種 「ガッ……チィ。目の傷を狙いやがったな……!!」
小鉄 「もう一発だニャー!!」
ティガレックス亜種 「そんな子供だまし通じるかよ!(ガチィ!)」
小鉄 「クッ……は、離すニャ!!(ジタバタ)」
ティガレックス亜種 「このまま噛み千切って飲み込んでやるぜ」

329: 2011/11/27(日) 23:06:42.39 ID:DyIqbrAP0
小鉄 (い……いかんニャ。痛くはないけど、本格的に意識がなくなってきたニャ……)
   (もう……ここまでかニャ……)
ティガレックス亜種 「ケッ。たかが猫が手こずらせる」
          「クソガキと猫の始末に俺が呼び出させるとはな」
          「クソの親もクソだったが、どうせお前の親もカスみてぇな猫だったんだろうな!」
小鉄 「!!」
迅雷(超帯電) 「!!」
ティガレックス亜種 「猫とクソに生まれたことを後悔して氏ぬんだなァ! ゲハハハハ!!」
迅雷(超帯電) 「父さんと……父さんと母さんを……」
        「侮辱するなあああ!!!」

330: 2011/11/27(日) 23:07:28.18 ID:DyIqbrAP0
ティガレックス亜種 「…………アァン?」
          「……いいかぁクソガキ。この世は強ェ奴が一番偉いんだよ」
          「氏ぬ前に教えてやるよ。弱い奴は生きてる価値がねぇ。存在自体が許されねぇ」
          「猫に何が出来る? 俺にかなわなかったクソの子供が何が出来る!!」
          「お前に俺が倒せるか? お前らに俺を殺せるか?」
          「ヒーギャハハハ!! いいか? お前らは カ ス だ」
          「塵にもなりゃしねぇカスの分際で、この俺に楯突くんじゃねぇええ!!!!!!」
迅雷(超帯電) 「そ……そんな……そんな……」
        「俺……俺は……」
ティガレックス亜種 「ヒャハハハハハハハハ!!!」
小鉄 「…………」
   (ググググググ)
   「ユクモ刀虎徹っちゃんを喰らうニャ!!!」
  >ザンッ!

331: 2011/11/27(日) 23:07:56.36 ID:DyIqbrAP0
ティガレックス亜種 「ガ……チィ! まだ動けたのか!」
          「てめぇ……俺の傷ついた片目を……」
          「クソッ! クソがああああ!! 真っ二つにしてやるああ!!!」
  >ググググググ
小鉄 「(ゴフッ)……!!(ギリギリ)」
ティガレックス亜種 「手を離せええええええ!!!!」

332: 2011/11/27(日) 23:08:40.81 ID:DyIqbrAP0
迅雷(超帯電) 「あ、兄貴ィィィィ!!!!」
小鉄 「絶対に…………」
   「…………絶対に…………」
   「ぜぇえええったいに、手を離さないニャアアアアア!!!(ギリギリギリ)」
ティガレックス亜種 「グアアアア!!!!」
迅雷(超帯電) (あ……兄貴の胸に下げたお守りが……薄く光ってる……!!!)
小鉄 「迅雷! よく見るニャ!!!」
   「上を見るニャ! 迅雷! 下を向くなニャ!!」
   「オイラ達はカスでもクソでもないニャ! いや、お前は誇り高きジンオウガの息子だニャ!」
   「そして!!!」
   「この小鉄の! このカッチョいい無敵の猫、こてっちゃんの、義弟(おとうと)だニャー!!!!!」
 >ブシュゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!

333: 2011/11/27(日) 23:09:26.11 ID:DyIqbrAP0
ティガレックス亜種 「な……何だ!? 血が……! 俺の目から血が出てやがる!!!」
          「畜生がああ! 早く氏ね猫おおおおお!!!!」
 >ギリギリギリギリギリ
小鉄 「オイラは……氏なん……ニャ!!!」
迅雷(超帯電) 「!!」
小鉄 「オイラも、迅雷も、お前を倒して、無事に帰るニャ!!」
   「諦めないニャ!!!」
   「オイラは猫だニャ! 誇り高い猫だニャ!! 猫で何が悪いニャアアア!!!!」
   「オイラは……オイラ達は、自分を信じるニャ!! だからお前に……貴様に何を言われようと!」
   「絶対に諦めないニャアアアアアアア!!!!!!」
 >ピカアアアアアアッ!!!
迅雷(超帯電) 「兄貴のお守りが……強く光ってる……!!」
 >ドクンッ
迅雷(超帯電) 「……!!!!(俺の胸の中でも……何かが燃えてる……!!)」
        (体が熱い……)
        (俺…………俺の体の中……心に何かが……)
××××××× 『ほう……(ニヤリ)』

334: 2011/11/27(日) 23:10:00.44 ID:DyIqbrAP0
 >ブシュゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!
ティガレックス亜種 「血がとまらねェ!! ボス! 何が起きてるゥ!!?」
××××××× 『ククク……ハァーハッハッハハハハハハハハ!!!!!』
        『貴様らか……不完全な二個の魂が合わさり、一つの強力な古龍となりえる者とは……』
        『見つけた……見つけたぞ!!!!』
ティガレックス亜種 「ボス! 畜生があああ!!!」
小鉄 「貴様の相手は……オイラだニャアアアアアア!!!!!」
 >ギリギリギリギリギリギリ
ティガレックス亜種 「ガアアアアアアア!!!」
          (か……体が……体が焼ける……!!!)
          (俺の体が……俺の無敵の……)
          (無敵の力が……!!!!!!!!)

335: 2011/11/27(日) 23:11:20.31 ID:DyIqbrAP0
 >ピカァァァァァァァァァァ!!!!

ティガレックス亜種 「……!!!!」

迅雷(激帯電) 『…………』
 >バリッ…………バリッ…………
 
ティガテックス亜種 (ゾクッ) 

336: 2011/11/27(日) 23:11:53.66 ID:DyIqbrAP0
ティガレックス亜種 「な……!!!!!!!!!」
          (何だあれは……!!)
          (ジンオウガか……!? いや違う!!!!!)
          (雷……!? 雷の集合体か!!!!!!!!?)
          (何が起きてる!!??)

337: 2011/11/27(日) 23:12:27.40 ID:DyIqbrAP0
迅雷(激帯電) 『………… 兄 貴 ヲ、ハ ナ セ ……!』
ティガレックス亜種 「…………グ…………(ズリ……ズリ……)」
          「!!」
          (俺が……この俺様が……後ずさり!? 下がった……!!!?)
          (この俺が後ずさり!!?)
迅雷(激帯電) 『 ハ ナ セ エ ェ エ エ エ エ エ !!!!!!』
 >ブゥゥゥゥゥンッ!!!
ティガレックス亜種 (尻尾が……長く伸びて……)
 >チュッドォォォッォォォォォォォオオオオオン!!!!!
ティガレックス亜種 「ギャアアアアアアアアアア!!!!!」
 >ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
小鉄 「……(ドサッ)」
小鉄 「じ……迅雷……」
   (あれは迅雷……!?)
   (キリンみたいに真っ白くなってるニャ……!!!)
迅雷(激帯電) 『……………………(バリッ……バリッ…………)』
        『 殺 シ テ ヤ ル 』
        『 貴 様、殺 し て ヤ ル ……!!!!』
        『 塵 芥 モ 残 ラ ヌ ト 思 エ 』
        『 氏 刑 ダ 』

338: 2011/11/27(日) 23:13:09.49 ID:DyIqbrAP0
小鉄 (違う……!)
   (迅雷じゃ……ない……!!!)
迅雷 『…………(シュンッ!!!)』
 >チュッドォォォォォォォォォォォン!!!!!
 >ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
ティガレックス亜種 「がああああああああああああああ!!!!」
          「痛ェ! 痛ェエエエエエエ!!!!」
          「何でだ!? 無敵じゃなかったのか!?」
          「俺は……俺様はァ……!!! 無敵じゃなかったのかアアアアア!!!!!」

339: 2011/11/27(日) 23:13:36.83 ID:DyIqbrAP0
小鉄 「(よろ……よろ……)迅雷……」
迅雷(激帯電) 『………………殺 シ テ 殺 シ テ 殺 シ テ 殺 シ テ』
小鉄 「迅雷!!!!」
迅雷(激帯電) 『……!!(ハッ)』
小鉄 「意識を乗っ取られるなニャ! その力は、お前のものだニャ!!!」
   「諦めるなニャ! 願うニャ! 望むニャ! そしたら絶対……ぜええったい、何もかもがかなう! かなうニャ!!」
   「その力は、諦めなかったお前の力だニャ!!!」
迅雷(激帯電) 『……ア ニ キ……?』
小鉄 (キッ)
   「貴様らを……成敗するニャ――ッ!!!!」

340: 2011/11/27(日) 23:14:09.79 ID:DyIqbrAP0
××××××× 『クク……ハハハハハハハハ……ハァーハッハッハハハッハッハハ!!』
小鉄 「……(ギリギリ)」
××××××× 『カカカ……いい見世物だった』
        『笑いが止まらぬ』
        『笑いが止まらぬよ……!』
小鉄 「(バッ!)……(シュタッ)」
迅雷(激帯電) 『………………』
小鉄 (迅雷に乗っても、オイラは全然痺れないニャ。乗れるニャ!!)
ティガレックス亜種 「ガアア! どういうことだ! ボス!!! 殺させろ! あいつらを殺させろォォォォ!!!」
××××××× 『貴様はもういい……戻れ……』
ティガレックス亜種 「なっ……俺はまだやれるゥ! 俺はァアア!!!」
 >ボロボロボロボロ
小鉄 (黒いティガレックスが……土になって消えていくニャ!!!)
ティガレックス亜種 「チィィィィィ!!!!!!」
          「ケケ……ゲハハハハハ!!!!!!」
          「顔は覚えたぞ……猫……餓鬼……クソ共オオオオ!!!!」
 >サラサラサラサラサラ

341: 2011/11/27(日) 23:14:40.68 ID:DyIqbrAP0
小鉄 「迅雷、一緒にいくニャ!!」
迅雷(激帯電) 『ウ……ン!!!(ダッ!!)』
××××××× 『馬鹿め……』
 >ドヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウウウウウウウウウウッッッ!!!!
迅雷(激帯電) 『!!!』
小鉄 「グッ……」
   「すげぇ風だ……ニャ…………前に一歩も………………進めんニャ……………………」
迅雷(激帯電) 『グ……ウウウ…………!!!!!』
小鉄 「!!? これは……風じゃないニャ! 竜巻……だニャ!!!!」
   「迅雷……離れる……ニャ!!!!!」
迅雷(激帯電) 『ガ……アアア!!!!!』

342: 2011/11/27(日) 23:15:22.22 ID:DyIqbrAP0
××××××× 『我の名はアマツマガツチ』
アマツマガツチ 『冥土の土産に教えてくれよう。我は偽りの生を司る古龍なり』
        『この世の新たな力の誕生を阻止せんと動く者の一角なり』
小鉄 「何を……訳分からんことを……ごちゃごちゃと…………」
アマツマガツチ 『貴様らは危険すぎる。封印させてもらおう』
        『その力を我のものとしてな!!!』
        『我を憎め! 憎んで憎んで憎しみ尽くせ! それが我の力となり血と肉となる!!!』
迅雷(激帯電) 『ガ ア ア ア ア ア ア ア!!!!』
 >バキィッ!!!!!
小鉄 (じ……迅雷の腕が……風圧で折れた……!!!!)
迅雷(激帯電) (ガクッ……!!)

343: 2011/11/27(日) 23:15:54.57 ID:DyIqbrAP0
アマツマガツチ 『そうだ憎め……憎しみこそが…………』
        『…………!』
        『来たか……「もう一匹」が……』

344: 2011/11/27(日) 23:16:22.25 ID:DyIqbrAP0
―上空―

ヤマツカミ (ふわふわ)
      「風で何も見えぬ! だが、あの中に三匹の気配を感じる!!!」
少女 「………………」
ヤマツカミ 「少女よ、何が起きている? お前が起きるなり連れてきて欲しいと言うから、皆を置いて飛んできたが……」
      「これは、どうしたことだ!?」
      「邪悪な気配を感じる!! これ以上ないほどの邪悪な気配じゃ!!」
少女 『I…………c…………h、b……i……n…………l…………a…………u………………t』
ヤマツカミ 「何じゃと?」
      (この子、古龍語を……!!!)
      (それに、体が白く光り輝いておる!!!)
少女 『Vers…………ch……wi…………n…………de…………n、S………………i…………e!!!』

アマツマガツチ 『……!!!!』

 >カッ!!

345: 2011/11/27(日) 23:16:50.22 ID:DyIqbrAP0
―地上―

小鉄 「ギニャ!!!」
迅雷(激帯電) 『…………!!!!』
小鉄 (すげぇ光が降って来て…………)
   (風が……やんだ…………ニャ…………)
 >フッ
小鉄 (迅雷の体の光が消えたニャ!!)
迅雷 (ふらふら……)
   (ドサァ……ッ!!!)
   「……………………」
小鉄 「迅……雷!!!」
   (あの白い龍は……!!!!)
   (いない……!?)

346: 2011/11/27(日) 23:17:28.74 ID:DyIqbrAP0
小鉄 (く……迅雷…………)
   (もう声が……出ないニャ…………)
   (オイラは…………オイラは……氏なんニャ………………)
   (約束したニャ……迅雷を守るニャ…………)
   (氏なんニャ……氏な………………)
   (……………………)

347: 2011/11/27(日) 23:18:11.15 ID:DyIqbrAP0
―上空―

ヤマツカミ 「……あれは……猫とジンオウガというモンスターじゃな……」
少女 「ケホッ……ゲホッ! ゲホッ!!」
ヤマツカミ 「少女!」
少女 「う……うう……うああああ!!!!」
 >ズズズズズッ!
ヤマツカミ 「!!!」
少女 「はぁ……! はぁ……!!!」
ヤマツカミ (少女の額に……小さな角が…………!!!!)
 >バサッ! バサッ!!
テオ・テスカトル 「ヤマツカミ様!!!」
イャンクック 「少女ー!!!!」
イャンガルルガ 「クソジジイ! 少女をどうしやがった!!!」

348: 2011/11/27(日) 23:18:40.98 ID:DyIqbrAP0
少女 「私は大丈夫……それより、小鉄ちゃんと迅雷を……ゲホッ……」
 >バサッ! バサッ!!
ティガレックス兄 「何だァ? すっげぇ音がしたぞ」
ティガレックス弟 「雷でも落ちたかァ? すっげぇ光だったぞ?」
ナルガクルガ 「尋常な事態ではないようだな……」
紫ガミザミ 「少女ー!! 大丈夫かえ!?(バッ)」
少女 「(ガシッ)だ……大丈夫……」
イャンクック (遠くからだったからよく見えなかったが……)
       (あれは、シェンガオレンを消した時と同じ力だ……!!!)
       (それに、少女の額に……モンスターの……)
       (…………モンスターの、角が!!!!!)

364: 2011/12/25(日) 21:19:41.09 ID:kv4pFety0
―数時間後、ヤマツカミの住処、朝―

ヤマツカミ 「ふむ……困ったことになった」
イャンクック 「説明してください。少女に何が起こっているんですか?」
ヤマツカミ 「…………」
少女 「おじさん、これはね……」
イャンクック 「お前は黙っていなさい」
少女 「……おじさん……?」
イャンクック 「ガルルガ君、少女を外に出してくれないか。私はヤマツカミ様と二人で話がしたい」
イャンガルルガ 「……ああ(グイ)」
少女 「ちょ……引っ張らないで……」
イャンガルルガ 「いいから行くぞ」

365: 2011/12/25(日) 21:20:27.65 ID:kv4pFety0
イャンクック 「…………あの力は、以前何度か見たことがあります。しかし今回は別です」
       「少女の体に、劇的な見て分かる変化があったのは初めてのことです」
       「何かご存知なら、隠さず教えていただきたい」
       「私は……私は、あの子の『親』だ」
ヤマツカミ 「ふむ……」
      「見て分かる変化と、お主は申すが、そもそもからして、あの子がモンスターの言葉を介することがおかしいのだ」
      「それが既に劇的な変化なのだ」
イャンクック 「どういうことですか?」
ヤマツカミ 「あの子は、ここに来たときから既に古龍の力を得ていた。しかしそれが、時期が遅れて今発現したまでのこと」
      「もう少し遅らせることができるかと思ってはいたのだが、こんなに早く古龍化が進行するとは思わんかったのだ」
      「実は、だいぶ前から少女から、その力についての不安は聞いていた」

366: 2011/12/25(日) 21:22:18.47 ID:kv4pFety0
イャンクック 「何ですって……!? 少女は、私にはそんなことは一言も……」
ヤマツカミ 「おそらく、お主を心配させたくなかったのだろう。あの子自身にも分からぬ力なのだ」
      「だが、あの子が覚えているのは、『白い羽の生えた子猫』だそうだ。黒い猫と、赤い猫が親でいるらしい」
      「更に、灰色の猫とも対話したとも言っていた」
イャンクック 「猫……アイルーですか?」
ヤマツカミ 「いや、違う。それは仮の姿じゃ。それら全てが古龍だとすると、少女は既に、その得体の知れない古龍四体と接触していることになる」
      「わしは、昔先代から聞いたことがある」
      「古龍の力を司る、太古のモンスターが存在したことがあると」
イャンクック 「古龍の力……」

367: 2011/12/25(日) 21:23:21.94 ID:kv4pFety0
ヤマツカミ 「世の中がもっと単純で、もっと精気に満ち溢れていた時代、生きていた古龍がいた」
      「今いるわしのような古龍は、その眷属か、他のモンスターとの後輩で生まれた、いわば亜種じゃ」
      「それとは違う、もっと純粋な古龍が存在しておる」
      「わしは、会ったことはないが……」
イャンクック 「では、少女をあんな姿に変えたのは、その古龍たちの力だと、あなたはそう仰るのですか?」
ヤマツカミ 「わからん……じゃが、少女に何らかの力が働いているのは事実じゃ」
      「そして、その力を引き出す引き金をつくってしまったのは、他ならぬ我々なのだ」
      「あの子を、力を使わざるを得ない状況に置き過ぎた。それに、我らの血を与えすぎた」
イャンクック 「それが悪いことだというのですか? ならどうしろと!」
       「古龍の血を与えなければ、あの子は氏んでしまっていたのですよ。それに、体に受けた色々な傷も治癒しなかった!」
       「私は……私は、どうすればよかったのですか!」

368: 2011/12/25(日) 21:24:00.65 ID:kv4pFety0
ヤマツカミ 「…………」
      「もうあの子を人里に返す計画は、水泡に帰した」
      「諦めるのだ、イャンクック」
イャンクック 「だが、あの子は人間だ……」
       「私達とは違う!」
ヤマツカミ 「…………皮肉なものだ」
      「一番最初に少女を受け入れたお主が、真っ先に少女を否定するとは」
      「何故だ?」
イャンクック 「あの子が……娘だからこそです」
       「私の娘は、私が幸福にする。それは、貴方であろうと邪魔はさせない!」
       「少女は人間の里に帰します。必ず。必ずだ!」
ヤマツカミ 「…………」

369: 2011/12/25(日) 21:24:49.88 ID:kv4pFety0
イャンクック 「……?」
イャンガルルガ 「…………チッ」
少女 「…………」
イャンクック 「……! ガルルガ君、少女は外に連れて行ってくれと……」
イャンガルルガ 「フン、所詮てめぇもそこまでのモンスターだよ」
        「散々保護者面しておいて、本音はそこか!!」
イャンクック 「違う! 私は……私は!」
少女 「おじさん……」
イャンクック 「!」
少女 「私は……ここにいちゃいけないの……?」

370: 2011/12/25(日) 21:25:21.35 ID:kv4pFety0
イャンクック 「違うんだ少女、聞いてくれ。私は、お前のことを……」
イャンガルルガ 「黙れ偽善者め! 行こうぜ少女。俺は今までこいつのことを買いかぶっていたようだな」
イャンクック 「…………」
少女 「…………(スッ)」
ヤマツカミ 「どこへ行くと言うのだ、イャンガルルガよ」
イャンガルルガ 「こいつがモンスターとして暮らすしかないなら、モンスターとして生きていける場所を探すだけだぜ!」
ティガレックス兄 「(ぞろぞろ)ヘヘッ。面白そうなことになってるじゃねぇか」
ティガレックス弟 「(ぞろぞろ)少女! いいじゃねぇーかその角! 今のお前、最高にイカしてるぜ!!!」
ナルガクルガ 「待て馬鹿共! 勝手に中に入るな!!」
紫ガミザミ 「戻るのじゃ馬鹿達!!」
ティガレックス兄 「ケッケッケ、馬鹿って言った方が馬鹿なんだぜ!!!」

371: 2011/12/25(日) 21:25:51.75 ID:kv4pFety0
ティガレックス兄 「何だか良くわからねぇが、ここから逃げたいんなら、俺達が手を貸すぜ!」
ティガレックス弟 「行くぜ!!」
イャンガルルガ 「フン、お前らもノッてきたみてぇだな!!(ガシッ)」
少女 「ちょ……ちょっと……!!」
ヤマツカミ 「待て、まだ少女は……」
ティガレックス兄 「フンッ!(ドッゴォォォォ!!!!)」
ヤマツカミ 「ぐぅおおお!!」
ナルガクルガ 「ああ! ヤマツカミ様になんてことを!!!」
ティガレックス弟 「今のうちだ。俺達のスピードに追いつける奴はいねぇ」
イャンガルルガ 「ケケケケ!! やっぱ俺はこっちの方が性に合ってる!!」

372: 2011/12/25(日) 21:26:23.94 ID:kv4pFety0
ティガレックス兄 (シュバッ!!)
ティガレックス弟 (シュバッ!!)
イャンガルルガ 「じゃーなクソ野郎ども。二度とその面見せんじゃねぇ!(シュバ!!!)」
イャンクック 「少女!!!」
少女 「おじさ…………(シュン!)」
イャンクック 「く……」
 >バサッ! バサッ!!
テオ・テスカトル 「何だ!? 何が起こった!!(ドドド)」
ヤマツカミ 「………………」
紫ガミザミ 「少女ー!!!」
ナルガクルガ 「くそ、あいつら勝手なことを! すぐに追います!!」

373: 2011/12/25(日) 21:26:57.03 ID:kv4pFety0
ヤマツカミ 「…………よい。好きにさせるがよい」
ナルガクルガ 「し、しかし……!!」
テオ・テスカトル 「まさかティガレックス兄弟とイャンガルルガ君が、少女を連れて逃げるとは……」
         「何があった!?」
イャンクック 「…………私が悪いのだ」
ナルガクルガ 「何をしている、追わんか!!」
       「(ガシッ)お前は……お前はあの子の父親ではなかったのか!?」
イャンクック 「…………」
ナルガクルガ 「……くっ!! 俺はお前を過大評価していたようだ」
紫ガミザミ 「何をしている、はよう飛ばんか! 少女が連れ去られてしもうだのじゃぞ!!(ガジガジ)」
ナルガクルガ 「ええい耳を掴むな!!」

374: 2011/12/25(日) 21:27:35.13 ID:kv4pFety0
イャンクック 「………………」
       (何をしている……追え、追わんか……私は……!!)
       (何をしているんだ!!)
ヤマツカミ 「…………若い者に、託してみるのもいいかもしれぬ」
      「この先、あの子達が、あの子達自身の手で未来を切り開いていかねばならぬ」
      「わしら老いぼれが、あれやこれやと指図するのは、最初から間違っておったのやもしれぬ」
テオ・テスカトル 「しかし……」
ヤマツカミ 「この件に関しては、なかったこととする。あの子達を追うことは禁ずる」
      「じゃが、あの子達が、あの子達自身の意思でここに戻ってきた時」
      「その時は、その時でわしは受け入れようと思うのだ」
イャンクック 「………………」
       (私は……少女が幸せに……)
       (それで………………いいのか………………?)

375: 2011/12/25(日) 21:28:05.70 ID:kv4pFety0
―テオ・テスカトルの住処、朝―

>チュンチュン
小鉄 「……ハッ!!(ガバッ)」
   「かかってこいニャ!」
   「………………」
   「何だ、夢かニャ……」
ナナ・テスカトリ 「夢ではありませんよ」
小鉄 「ひぃ! お前は、でかい古龍!」
   「でもあの夢の中の古龍の方がでかかったニャ」
   「もうお前なんて怖くないニャ!!」

376: 2011/12/25(日) 21:28:34.14 ID:kv4pFety0
ナナ・テスカトリ 「ですから、夢ではありませんよ」
         「それにしても……私達の血を与えたとはいえ、驚異的な回復力ですね」
小鉄 「ニャ、アレは夢じゃなかったのかニャ……」
   「あの竜は……あいつは……」
   (ギリ……)
   「オイラ達のアイルー村を壊した奴だニャ!!」
   「仕留めそこなったニャ!!!!」
ナナ・テスカトリ 「まぁまぁ、落ち着いて。これでも飲んで」
小鉄 「うるさいニャ! く……悔しいニャ!!(グビリ)」
   「プハァ! 何だニャこれは!!」

377: 2011/12/25(日) 21:29:01.29 ID:kv4pFety0
ナナ・テスカトリ 「ドキドキノコから抽出したエキスを使った気付け薬ですよ」
小鉄 「なんてモノを飲ますニャ!!」
   「でも体が熱くなってきたニャ。何かこんころもちいいニャ~」
   (ハッ)
   「迅雷はどうしたニャ!!」
ナナ・テスカトリ 「ここに運びましたよ」
迅雷 「ぐぅ、ぐぅ」
小鉄 「迅雷!!」
   (あの変な変身は解けてるニャ…………)
   (一体何が起きたニャ……)

378: 2011/12/25(日) 21:29:41.48 ID:kv4pFety0
小鉄 「ニャ、それにしても傷が全然なくなってるニャ!」
ナナ・テスカトリ 「私達の血は、大概の傷は癒してしまいますから。迅雷は、もう少しかかりますが……骨が折れていたようですしね」
小鉄 「ふむぅ、便利な奴らだニャ」
ナナ・テスカトリ 「小鉄さん、よく聞いてください」
小鉄 「何だニャ改まって」
ナナ・テスカトリ 「私達の血を、貴方達にあげるのはこれで最後です」
         「これから先、どんな怪我をしたとしても、私達は貴方達を助けません」
小鉄 「何を言うニャ! この英猫小鉄と迅雷を助けないって、どういったことだニャ!!」
ナナ・テスカトリ 「私達は、貴方達を強くします。でも、これから先、私達の血は、残念ながら貴方達を不幸にしてしまいます」
小鉄 「言ってることがよく分からんニャ」
ナナ・テスカトリ 「貴方達の味方です。信用してくれて構いません。でも、もう血はあげられません」
         「それを良く考えて、行動してください」

379: 2011/12/25(日) 21:30:21.06 ID:kv4pFety0
―樹海、昼―

小鉄 「暇だニャ……」
   (あのでかい古龍が、迅雷は寝かせとけっていうから外にでてきたけども、やることがないニャ……)
   (旦那さん……無事かニャ……)
   「?」
 >ズッバァァァアンッ!!
小鉄 「ギニャアアア!!!」
   「んな、何だニャ!!?」
   「空から隕石が降ってきたニャ!!!」
ラージャン (ゴゴゴゴゴゴゴゴ)
      「…………」
小鉄 「な……何だニャ……こいつ…………」
ラージャン 「…………」
小鉄 「や、やるのかニャ!? (ジャキィン)」
ラージャン 「何だこの猫は……」

380: 2011/12/25(日) 21:30:55.21 ID:kv4pFety0
ラージャン 「(ズン……ズン)…………」
小鉄 「………………」
   「………………さっきのでかい古龍の洞窟に入ってったニャ」
   「あれは……ちょっとヤバいニオイがしたニャ…………」
   「…………?」
 >ヒュルルルルルルルル
 >ポーン
小鉄 「!! あの打ち上げ花火は、オトモ直伝の、緊急ヘルプ玉!!!」
   「あっちの方で誰かが助けを求めてるニャ!!」
   (迅雷は……まぁあのでかい古龍がいるから大丈夫だニャ)
   (こんなところにオイラみたいなオトモが来るなんて……)

381: 2011/12/25(日) 21:31:39.69 ID:kv4pFety0
―樹海の隅、海に繋がる海岸、昼―

小鉄 「…………はぁ、はぁ」
   (さすがにちょっと体が重いニャ…………)
   「ニュ、アレは…………」
剣ニャン丸 「誰か~!! ヘルプミィ~!!」
小鉄 「剣ニャン丸!!!?」
   「(ダダダダ!!)おーい!!!」
剣ニャン丸 「!! あれは…………」
      「こてっちゃん!!?」
小鉄 「剣ニャン丸じゃないかニャ!!!」
   「こんなところで何してるニャ?」

382: 2011/12/25(日) 21:32:49.00 ID:kv4pFety0
剣ニャン丸 「昨日の夜、大シケがあって、船が難破しちまったんだニャ」
      「じゃなくて、難破しちまったんゼヨ」
      「僕……じゃなくて俺は、それに巻き込まれて、船長さんたちと離れ離れに…………」
      「気がついたら、ここに打ち上げられてたゼヨ」
小鉄 (シケ……昨日の夜って、あのアマツマガツチとかいう古龍と戦ってたときだニャ…………)
剣ニャン丸 「こてっちゃんこそ、こんなところで何を…………」
小鉄 「とりあえず、お互い生き延びててよかったニャ」
剣ニャン丸 「ゼヨ。船長さんたちは、あの生命力だから無事だと思うけど、僕……じゃなくて俺も帰らねばならんゼヨ」
      「ここで会ったが百年目ゼヨ。ユクモ村に戻る方法を教えて欲しいゼヨ」
小鉄 「オイラもそれを知りたいところだニャ」
   「色々複雑なことがあって、戻れなくなってるニャ」

383: 2011/12/25(日) 21:33:30.63 ID:kv4pFety0
剣ニャン丸 「うーん…………」
      「ニャ! あれは…………」
      「(ダダダッ!)こてっちゃん! あんなところに打ち上げられた小船があるニャ!!」
小鉄 「(ダダダッ)ホントだニャ。ほとんど傷もついてないニャ」
   (これなら迅雷を乗せて行けるニャ…………)
剣ニャン丸 「少し修理すれば航海に出れそうだニャ。やったゼヨ!!」
      「潮風は俺を見捨てなかったゼヨ!!」
小鉄 「ニャン丸。ちょっと聞いて欲しいことがあるニャ」
剣ニャン丸 「ゼヨ?」
小鉄 「オイラも、ここを脱出するニャ!!」

384: 2011/12/25(日) 21:53:36.35 ID:kv4pFety0
第6話は以上になります。少なくて申し訳ありません。

最近、皆さんはいかがでしょうか?

私は、モンハンのトライGを買って、チビチビと進めております。
HR3に上がったところです。絵も綺麗ですし、操作性も問題ないし面白いですね。
でも通信で離れた場所の人とプレイできないのが、少し痛いです。
何とか一緒にできるようにならないんでしょうか……。

12月の中旬、東京に行ってきました。
秋葉原を散策していましたので、もしかしたら、私のギルドカードをすれ違いで受け取っている方がいらっしゃるかもしれません。

日々を生きていくのは中々難しいものがあり、悩むことも沢山ありますが、何とか生きています。
何かいいことがあればいいなぁと思いながら。
皆さんにも、何かいいことが怒ればいいですね。
世界中の人が幸せになればいいのにと、思ったりもします。
他力本願ですね。
あまり難しく考えない方がいいのかもしれません。

それでは、今日は失礼します。

7話は年内にでもまた更新できればと思います。
気長にお待ちくださいー。

385: 2011/12/25(日) 21:59:40.65 ID:fmPm7kx20
めりくりです
また続きが楽しみだなぁ・・・

引用: ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」