1: 2016/09/12(月) 21:16:00.92 ID:suOE4Xdq0.net
──あの晩、あの後二人で練習して、そのまま一緒にお風呂に入って、曜ちゃんのベッドで一緒に寝た。
──ベッドの中でも、「ずっと不安だったんだ」って私に抱き付きながら泣き続けて、 私はそんな曜ちゃんを抱きしめ返した。それくらいしか出来ることが見当たらなかった。
──あれから……
千歌「あっ曜ちゃん!水泳終わった?」
曜「……待っててくれてたの?今日練習ないのに」
千歌「生徒会の手伝いしてたら丁度いい位になるかなって思ってたけど、早めに終わっちゃったからここで」
曜「……ありがと」
千歌「いいよいいよ!じゃ一緒に帰ろっか!」
曜「……」
曜「……千歌ちゃん……今日も家で……」
千歌「……うん、いいよ」
──ベッドの中でも、「ずっと不安だったんだ」って私に抱き付きながら泣き続けて、 私はそんな曜ちゃんを抱きしめ返した。それくらいしか出来ることが見当たらなかった。
──あれから……
千歌「あっ曜ちゃん!水泳終わった?」
曜「……待っててくれてたの?今日練習ないのに」
千歌「生徒会の手伝いしてたら丁度いい位になるかなって思ってたけど、早めに終わっちゃったからここで」
曜「……ありがと」
千歌「いいよいいよ!じゃ一緒に帰ろっか!」
曜「……」
曜「……千歌ちゃん……今日も家で……」
千歌「……うん、いいよ」
3: 2016/09/12(月) 21:18:50.44 ID:suOE4Xdq0.net
──私はまた、この前と同じ様に曜ちゃんと二人でベッドに座る。
曜「……千歌ちゃん……また……」
曜「ギュッてして……」
千歌「もう、曜ちゃんは甘えんぼさんだね」
曜「……嫌いになる……?」
千歌「ならないよ。なるわけないでしょ」
千歌「……ぎゅーっ」
──あれから、曜ちゃんは私に甘えたがるようになった。お母さんから離れられない子供のように、縋り付くように……
曜「……千歌ちゃん……また……」
曜「ギュッてして……」
千歌「もう、曜ちゃんは甘えんぼさんだね」
曜「……嫌いになる……?」
千歌「ならないよ。なるわけないでしょ」
千歌「……ぎゅーっ」
──あれから、曜ちゃんは私に甘えたがるようになった。お母さんから離れられない子供のように、縋り付くように……
4: 2016/09/12(月) 21:21:12.84 ID:suOE4Xdq0.net
曜「……頭撫でて……」
千歌「本当に甘えんぼだ。……なでなで……」
曜「……千歌ちゃん」
千歌「どうしたの、曜ちゃん?」
曜「す……き……」ボソッ
千歌「……えっ?なに?」
曜「……」ギュッ
曜「もう少しこうさせて……」
千歌「いいよ、好きなだけ」
──抱き合いながら私たちはベッドで横になり、そのまま眠りについた。
千歌「本当に甘えんぼだ。……なでなで……」
曜「……千歌ちゃん」
千歌「どうしたの、曜ちゃん?」
曜「す……き……」ボソッ
千歌「……えっ?なに?」
曜「……」ギュッ
曜「もう少しこうさせて……」
千歌「いいよ、好きなだけ」
──抱き合いながら私たちはベッドで横になり、そのまま眠りについた。
7: 2016/09/12(月) 21:27:24.40 ID:suOE4Xdq0.net
─ ─ ─ ─ ─ ─
──あの晩、あの後二人で練習して、そのまま一緒にお風呂に入って、私のベッドで一緒に寝た。
──一緒にお風呂に入った時に気付いた。千歌ちゃんは前よりもずっと成長していること。
──ベッドで抱きしめてもらった時に気付いた。千歌ちゃんは私が望む限り絶対に側から離れないでいてくれること。
──でも、それより前から気づいてた。私が千歌ちゃんを見ているのと同じ視線で、千歌ちゃんは私を見てはいないってこと。
──それでも、抱き合いながら目覚めた朝に気付いた。私はもう、千歌ちゃんを我慢できなくなってしまった。
千歌「……おーい曜ちゃーん、昼休み終わるよー」
曜「……ごめんもうちょっと」
千歌「いや昼休み終わるって!梨子ちゃんたちには保健室に連れていくって言っといたけど、流石に授業抜けられないよ!」
曜「じゃあ……千歌ちゃん、練習終わったら、今日も」
千歌「……いいけど、私汗くさいかも」
曜「それでもいいから、お願い」
──あの晩、あの後二人で練習して、そのまま一緒にお風呂に入って、私のベッドで一緒に寝た。
──一緒にお風呂に入った時に気付いた。千歌ちゃんは前よりもずっと成長していること。
──ベッドで抱きしめてもらった時に気付いた。千歌ちゃんは私が望む限り絶対に側から離れないでいてくれること。
──でも、それより前から気づいてた。私が千歌ちゃんを見ているのと同じ視線で、千歌ちゃんは私を見てはいないってこと。
──それでも、抱き合いながら目覚めた朝に気付いた。私はもう、千歌ちゃんを我慢できなくなってしまった。
千歌「……おーい曜ちゃーん、昼休み終わるよー」
曜「……ごめんもうちょっと」
千歌「いや昼休み終わるって!梨子ちゃんたちには保健室に連れていくって言っといたけど、流石に授業抜けられないよ!」
曜「じゃあ……千歌ちゃん、練習終わったら、今日も」
千歌「……いいけど、私汗くさいかも」
曜「それでもいいから、お願い」
8: 2016/09/12(月) 21:30:37.49 ID:suOE4Xdq0.net
──千歌ちゃんは優しい。こんなになってしまった私さえも笑顔で受け入れてくれる。
──でも、もうそれだけじゃ足りない。
曜「千歌……ちゃん……」
千歌「もう……くすぐったいよ」
──首筋に顔をうずめて、胸いっぱいに息を吸う。私の胸の中は千歌ちゃんでいっぱいになる。
千歌「そんなとこで深呼吸されるの……やっぱり慣れないなぁ」
曜「……ごめんね」
千歌「謝らなくていいよ。曜ちゃんがしたいこと、して欲しいこと、私なら大丈夫だから」
曜「……胸」
千歌「はいはい」
──でも、もうそれだけじゃ足りない。
曜「千歌……ちゃん……」
千歌「もう……くすぐったいよ」
──首筋に顔をうずめて、胸いっぱいに息を吸う。私の胸の中は千歌ちゃんでいっぱいになる。
千歌「そんなとこで深呼吸されるの……やっぱり慣れないなぁ」
曜「……ごめんね」
千歌「謝らなくていいよ。曜ちゃんがしたいこと、して欲しいこと、私なら大丈夫だから」
曜「……胸」
千歌「はいはい」
9: 2016/09/12(月) 21:32:40.93 ID:suOE4Xdq0.net
──して欲しいこと、したいこと、なんて山ほどある。口じゃ言うのを躊躇うようなことだって千歌ちゃんとなら……
──抱きしめて甘えさせてくれればいいってまだ踏みとどまってる。今のところは。
曜「……すぅーっ」
千歌「だからなんで深呼吸……」
曜「千歌ちゃん、いい匂いするんだよ」
千歌「練習した後だから汗くさいでしょ」
曜「いいの、千歌ちゃんの匂いいっぱいだから」
千歌「ええー……」
──抱きしめて甘えさせてくれればいいってまだ踏みとどまってる。今のところは。
曜「……すぅーっ」
千歌「だからなんで深呼吸……」
曜「千歌ちゃん、いい匂いするんだよ」
千歌「練習した後だから汗くさいでしょ」
曜「いいの、千歌ちゃんの匂いいっぱいだから」
千歌「ええー……」
11: 2016/09/12(月) 21:34:43.50 ID:suOE4Xdq0.net
曜「このまま寝る」
千歌「せめてシャワー貸してくれないかな……」
曜「……一緒にお風呂入る」
千歌「そっか……よしよし」ナデナデ
曜「……もっと」
千歌「もうちょっとだけだよ。続きはお風呂上がったらね……ふふっ」ナデナデ
曜「うん……」
──本当は、その笑顔は私だけに向いていて欲しかったな。
千歌「せめてシャワー貸してくれないかな……」
曜「……一緒にお風呂入る」
千歌「そっか……よしよし」ナデナデ
曜「……もっと」
千歌「もうちょっとだけだよ。続きはお風呂上がったらね……ふふっ」ナデナデ
曜「うん……」
──本当は、その笑顔は私だけに向いていて欲しかったな。
13: 2016/09/12(月) 21:37:17.86 ID:suOE4Xdq0.net
千歌「そろそろ寝よっか。明日も学校だし」
曜「……んん」スリスリ
千歌「本当好きだよね、胸に顔うずめるの」
千歌「それじゃ電気消すよ?」
曜「うん」スリスリ
千歌「……抱きついたままだと消しに行けないんだけど」
曜「うん」スリスリ
千歌「いやうんじゃなくて」
曜「……」パッ
千歌「……ありがと」ナデナデ
曜「……うん」
千歌「よいしょっと……」パチン
千歌「それじゃ、お休み。曜ちゃん」ギュッ
曜「お休み、千歌ちゃん」スリスリ
千歌「ふふっ、まったくもう……」
──そのまま二人で布団の中に潜って、私は千歌ちゃんの温もりを感じていた。
曜「……んん」スリスリ
千歌「本当好きだよね、胸に顔うずめるの」
千歌「それじゃ電気消すよ?」
曜「うん」スリスリ
千歌「……抱きついたままだと消しに行けないんだけど」
曜「うん」スリスリ
千歌「いやうんじゃなくて」
曜「……」パッ
千歌「……ありがと」ナデナデ
曜「……うん」
千歌「よいしょっと……」パチン
千歌「それじゃ、お休み。曜ちゃん」ギュッ
曜「お休み、千歌ちゃん」スリスリ
千歌「ふふっ、まったくもう……」
──そのまま二人で布団の中に潜って、私は千歌ちゃんの温もりを感じていた。
14: 2016/09/12(月) 21:39:30.51 ID:suOE4Xdq0.net
──本当はこんなこと言うつもりはなかったのに、千歌ちゃんの柔らかい温かさに私の気は完全に緩んでいた。
曜「千歌ちゃん……キスして欲しい、って……」
──気付いたら気持ちが口から漏れていた。何言ってるんだろう私は。
千歌「……へ……?」
曜「して欲しいこと……キス、だめ?」
──でも、欲求を漏らしながら本当は少し期待していた。千歌ちゃんなら私の気持ちに答えてくれるんじゃないかって。
千歌「それは……」
曜「……え……あ」
曜「……そ、そうだよね。ごめん、忘れて」
──うしろめたい。ただそう思った。キスをねだったことも、これまで甘え続けたことも、何年も想い続けてきたこの気持ちも。
──それなのに、私は千歌ちゃんの温もりから離れることはできなかった。すっかり離れることのできない体になっていた。
──千歌ちゃんが寝静まった後、私は千歌ちゃんの胸の中で声を頃して泣いた。
曜「千歌ちゃん……キスして欲しい、って……」
──気付いたら気持ちが口から漏れていた。何言ってるんだろう私は。
千歌「……へ……?」
曜「して欲しいこと……キス、だめ?」
──でも、欲求を漏らしながら本当は少し期待していた。千歌ちゃんなら私の気持ちに答えてくれるんじゃないかって。
千歌「それは……」
曜「……え……あ」
曜「……そ、そうだよね。ごめん、忘れて」
──うしろめたい。ただそう思った。キスをねだったことも、これまで甘え続けたことも、何年も想い続けてきたこの気持ちも。
──それなのに、私は千歌ちゃんの温もりから離れることはできなかった。すっかり離れることのできない体になっていた。
──千歌ちゃんが寝静まった後、私は千歌ちゃんの胸の中で声を頃して泣いた。
16: 2016/09/12(月) 21:42:02.43 ID:suOE4Xdq0.net
─ ─ ─ ─ ─ ─
千歌「ただいまー」
美渡「あー千歌!あんた昨日も曜ちゃんの家に泊まったんだって?」
千歌「え、うんそうだけど……」
美渡「最近曜ちゃんとこにお泊まりしてばっかりだけどさ……」
美渡「やっぱり、あんたたち……できてんの?」
千歌「んなぁ!?」
美渡「隠さなくていいって~うちはみんなもう察してるからさ」
千歌「……付き合ってるように見えるの?」
美渡「そりゃあそうでしょ。こんなしょっちゅうお泊まりなんてしてたらねえ~」
千歌「……そっか」
千歌「ただいまー」
美渡「あー千歌!あんた昨日も曜ちゃんの家に泊まったんだって?」
千歌「え、うんそうだけど……」
美渡「最近曜ちゃんとこにお泊まりしてばっかりだけどさ……」
美渡「やっぱり、あんたたち……できてんの?」
千歌「んなぁ!?」
美渡「隠さなくていいって~うちはみんなもう察してるからさ」
千歌「……付き合ってるように見えるの?」
美渡「そりゃあそうでしょ。こんなしょっちゅうお泊まりなんてしてたらねえ~」
千歌「……そっか」
17: 2016/09/12(月) 21:44:21.07 ID:suOE4Xdq0.net
──一日ぶりの自分の部屋で一息つく。
──……本当はそんなんじゃなくて、甘えんぼの曜ちゃんのお世話をしてる、なんて言えるわけもなく、返せる言葉も思い付かず……
千歌「絶対そういう関係だと思われた……」
──でも……曜ちゃんはきっと、いや間違いなく「そういう関係」を望んでいて……
──そして、「そういう」我慢の限界が近づきつつあることは分かっている。
──……水泳部の練習の後に曜ちゃんの家に泊まった時、私の胸の中で「すき」って呟いたの、本当は聞こえていた。
千歌「……どうすればいいんだろ」
──私は、答えを決めなくちゃならない。曜ちゃんがこれ以上自分を押さえられなくなる前に。
──……本当はそんなんじゃなくて、甘えんぼの曜ちゃんのお世話をしてる、なんて言えるわけもなく、返せる言葉も思い付かず……
千歌「絶対そういう関係だと思われた……」
──でも……曜ちゃんはきっと、いや間違いなく「そういう関係」を望んでいて……
──そして、「そういう」我慢の限界が近づきつつあることは分かっている。
──……水泳部の練習の後に曜ちゃんの家に泊まった時、私の胸の中で「すき」って呟いたの、本当は聞こえていた。
千歌「……どうすればいいんだろ」
──私は、答えを決めなくちゃならない。曜ちゃんがこれ以上自分を押さえられなくなる前に。
18: 2016/09/12(月) 21:46:36.15 ID:suOE4Xdq0.net
─ ─ ─ ─ ─ ─
──うしろめたい。あれから、その気持ちばかりが胸の中でとぐろを巻いている。
千歌「よ、曜ちゃん……おはよ」
曜「お、おはよう」
──しばらく千歌ちゃんに甘えることはなくなった、というより、今更ながら甘えることに抵抗が出てきた。でも……
曜(触りたい。いろんなとこ、前みたいに、前以上に……)
──それに反して、欲求は日に日に増していく一方で。
──うしろめたい。あれから、その気持ちばかりが胸の中でとぐろを巻いている。
千歌「よ、曜ちゃん……おはよ」
曜「お、おはよう」
──しばらく千歌ちゃんに甘えることはなくなった、というより、今更ながら甘えることに抵抗が出てきた。でも……
曜(触りたい。いろんなとこ、前みたいに、前以上に……)
──それに反して、欲求は日に日に増していく一方で。
21: 2016/09/12(月) 21:48:55.56 ID:suOE4Xdq0.net
曜(胸とか、今度は抱きしめてもらうだけじゃ足りないや。もっと……色々なこと……したくなる)
千歌「……こっちジロジロ見てるけどどうかしたの?」
曜「え、そんなに見てた?」
千歌「見てたよ。すっごく」
曜「ごめん、なんでもない」
──きっと、もう一度また甘え出したら、もう何もかも溢れだしてしまう。そんな確信がある。
千歌「……ねえ、今日学校終わったらさ」
千歌「曜ちゃんの家、行っていい?」
千歌「……こっちジロジロ見てるけどどうかしたの?」
曜「え、そんなに見てた?」
千歌「見てたよ。すっごく」
曜「ごめん、なんでもない」
──きっと、もう一度また甘え出したら、もう何もかも溢れだしてしまう。そんな確信がある。
千歌「……ねえ、今日学校終わったらさ」
千歌「曜ちゃんの家、行っていい?」
22: 2016/09/12(月) 21:51:23.64 ID:suOE4Xdq0.net
曜(結局、二つ返事でいいよと言ってしまった……)
──まだ心のどこかで期待している自分が心底嫌になる。
千歌「ほら、座ろ?ベッドの上」
曜「う、うん」
──言われるままに千歌ちゃんの隣に座る。不安の反面、心は少しだけ高鳴った。
千歌「……ぎゅーっ!」ギュッ
曜「……ちょっ!ちょっ!な、なに!」
千歌「……曜ちゃん、辛そうだったから」
千歌「わかってるよ、ずっと我慢してたってこと」
曜「そ、それは……」
千歌「いいんだよ、もう我慢しないで。私になら」
──まだ心のどこかで期待している自分が心底嫌になる。
千歌「ほら、座ろ?ベッドの上」
曜「う、うん」
──言われるままに千歌ちゃんの隣に座る。不安の反面、心は少しだけ高鳴った。
千歌「……ぎゅーっ!」ギュッ
曜「……ちょっ!ちょっ!な、なに!」
千歌「……曜ちゃん、辛そうだったから」
千歌「わかってるよ、ずっと我慢してたってこと」
曜「そ、それは……」
千歌「いいんだよ、もう我慢しないで。私になら」
24: 2016/09/12(月) 21:53:44.32 ID:suOE4Xdq0.net
千歌「……ごめんね」ナデナデ
曜「なんで千歌ちゃんが謝るのさ……」
千歌「ちょっと前まで、ずっと寂しい思いさせてたよね」
千歌「だから、今度はそんな思いさせないようにって、出来るだけ曜ちゃんの側にいるようにって、そうして来たつもりだったんだけど」
千歌「曜ちゃんの本当の気持ちに気づいても、どうしたらいいかわかんなかった」
曜「……気づいてたんだね」
曜「……気持ち悪いでしょ、こんな私」
千歌「そんなことない!」
曜「いいよもう、こんな私に優しくしないで……」
曜「もう、離して」
曜「なんで千歌ちゃんが謝るのさ……」
千歌「ちょっと前まで、ずっと寂しい思いさせてたよね」
千歌「だから、今度はそんな思いさせないようにって、出来るだけ曜ちゃんの側にいるようにって、そうして来たつもりだったんだけど」
千歌「曜ちゃんの本当の気持ちに気づいても、どうしたらいいかわかんなかった」
曜「……気づいてたんだね」
曜「……気持ち悪いでしょ、こんな私」
千歌「そんなことない!」
曜「いいよもう、こんな私に優しくしないで……」
曜「もう、離して」
25: 2016/09/12(月) 21:55:59.20 ID:suOE4Xdq0.net
千歌「……本当はね、気付いた時は戸惑ったよ。どうすれば、どうやって受け止めたら、私たちのため、私と曜ちゃんのためにいいんだろうって」
千歌「それを今日、曜ちゃん家で決めようと思ってたんだけどさ……」
曜「もういいって……離してよ」
千歌「やだよ」ナデナデ
曜「……なんで」
千歌「私だって、曜ちゃんの側にいたい」
千歌「大切な曜ちゃんを、もう二度と放っておいてなんていられない」
千歌「だから、いいの」ナデナデ
曜「……」
千歌「今決めた。私は曜ちゃんの全部を受け入れるよ」
千歌「それを今日、曜ちゃん家で決めようと思ってたんだけどさ……」
曜「もういいって……離してよ」
千歌「やだよ」ナデナデ
曜「……なんで」
千歌「私だって、曜ちゃんの側にいたい」
千歌「大切な曜ちゃんを、もう二度と放っておいてなんていられない」
千歌「だから、いいの」ナデナデ
曜「……」
千歌「今決めた。私は曜ちゃんの全部を受け入れるよ」
26: 2016/09/12(月) 21:58:18.66 ID:suOE4Xdq0.net
──ああ、この娘はどこまでも優しくて……
──でも、そんな千歌ちゃんだから、そんな千歌ちゃんを私は……
曜「……じゃあ言うけど」
千歌「えっ?」
曜「私は……!私が千歌ちゃんをどうしたいか分かってるの!?」
千歌「……曜ちゃん」
曜「千歌ちゃんがそんなに可愛くて!いい匂いして!ゾクゾクさせるから私はこんなに!」
──でも、そんな千歌ちゃんだから、そんな千歌ちゃんを私は……
曜「……じゃあ言うけど」
千歌「えっ?」
曜「私は……!私が千歌ちゃんをどうしたいか分かってるの!?」
千歌「……曜ちゃん」
曜「千歌ちゃんがそんなに可愛くて!いい匂いして!ゾクゾクさせるから私はこんなに!」
27: 2016/09/12(月) 21:59:46.79 ID:suOE4Xdq0.net
──気持ちが押さえられなくなって、溜め込んでた何もかもが口から溢れだす。今になって、私は泣いてることに気付いた。
曜「今日ここで決めるなんて言ったけど、襲われるかもしれないって思いもしなかったの!?」
曜「そんなに無防備で隙だらけで!もう誘ってるみたいじゃん!そしたらこうもなっちゃうよ!」
曜「受け入れるなんて言うなら全部受け入れてよ!抱きしめるだけじゃなくて!キスとか!とか!全部!」
千歌「……曜ちゃんっ」
千歌「曜ちゃんの全部受け入れるって、もう決めた。そう言ったでしょ?」
千歌「いいよ。全部」
曜「今日ここで決めるなんて言ったけど、襲われるかもしれないって思いもしなかったの!?」
曜「そんなに無防備で隙だらけで!もう誘ってるみたいじゃん!そしたらこうもなっちゃうよ!」
曜「受け入れるなんて言うなら全部受け入れてよ!抱きしめるだけじゃなくて!キスとか!とか!全部!」
千歌「……曜ちゃんっ」
千歌「曜ちゃんの全部受け入れるって、もう決めた。そう言ったでしょ?」
千歌「いいよ。全部」
28: 2016/09/12(月) 22:01:30.46 ID:suOE4Xdq0.net
曜「……」
──完全にたがが外れた。好き過ぎて気持ちはもう押さえられない。
千歌「ひゃっ!」
──意識より先に、欲求が体を動かして、千歌ちゃんをベッドの上に押し倒していた。
千歌「……来て」
──ああ、私はもう自分を押さえられない、ただの獣だ。
──完全にたがが外れた。好き過ぎて気持ちはもう押さえられない。
千歌「ひゃっ!」
──意識より先に、欲求が体を動かして、千歌ちゃんをベッドの上に押し倒していた。
千歌「……来て」
──ああ、私はもう自分を押さえられない、ただの獣だ。
29: 2016/09/12(月) 22:03:22.62 ID:suOE4Xdq0.net
~~~~~
曜「ふーっ……ふーっ……」
千歌「はぁ……はぁ……よしよし、お疲れ様だね」ナデナデ
──今になって気付いた。この人を縛ってるのは私だ。
──私の気持ちを素直に受け止めてしまうから私は、この人から離れられない。独占を望んでしまう。
──それなのに、この人はこんな私を……
曜「……ごめんね……」
曜「……ひっく……ぇぐっ……千歌ちゃん……うえぇっ……千歌ちゃああん……」
曜「ごめんね……ぐずっ……ごめん……」
千歌「だから謝らなくていいってば。よしよし」ナデナデ
千歌「これからも、絶対に側にいるからね」
曜「ぐずっ……お願いします」
千歌「なんで敬語」
曜「もっと……したい、いろんなこと」ギュッ
千歌「……まったく、仕方ないなあ……」
千歌「……いいよ、今日はとことん付き合ってあげる」ナデナデ
曜「ふーっ……ふーっ……」
千歌「はぁ……はぁ……よしよし、お疲れ様だね」ナデナデ
──今になって気付いた。この人を縛ってるのは私だ。
──私の気持ちを素直に受け止めてしまうから私は、この人から離れられない。独占を望んでしまう。
──それなのに、この人はこんな私を……
曜「……ごめんね……」
曜「……ひっく……ぇぐっ……千歌ちゃん……うえぇっ……千歌ちゃああん……」
曜「ごめんね……ぐずっ……ごめん……」
千歌「だから謝らなくていいってば。よしよし」ナデナデ
千歌「これからも、絶対に側にいるからね」
曜「ぐずっ……お願いします」
千歌「なんで敬語」
曜「もっと……したい、いろんなこと」ギュッ
千歌「……まったく、仕方ないなあ……」
千歌「……いいよ、今日はとことん付き合ってあげる」ナデナデ
30: 2016/09/12(月) 22:05:25.57 ID:suOE4Xdq0.net
──それから……
千歌「あっ曜ちゃん!今日の水泳終わり?」
曜「やっぱり待っててくれるんだ……ありがと」
千歌「そんな、気にしなくていいよ、作詞してたらこんな時間になってたって位だし!……何も思い付かなかったけど」
曜「ふふっ……」
千歌「もう!笑わないでよ!大変なんだから!」
曜「……千歌ちゃん、今日も家で、いい?」
千歌「……うん、いいよ」
千歌「じゃ、帰ろっか。曜ちゃんが我慢できなくなる前に!」
曜「ちょっ、大きな声で言わないでよ……」
千歌「あっ曜ちゃん!今日の水泳終わり?」
曜「やっぱり待っててくれるんだ……ありがと」
千歌「そんな、気にしなくていいよ、作詞してたらこんな時間になってたって位だし!……何も思い付かなかったけど」
曜「ふふっ……」
千歌「もう!笑わないでよ!大変なんだから!」
曜「……千歌ちゃん、今日も家で、いい?」
千歌「……うん、いいよ」
千歌「じゃ、帰ろっか。曜ちゃんが我慢できなくなる前に!」
曜「ちょっ、大きな声で言わないでよ……」
31: 2016/09/12(月) 22:07:57.08 ID:suOE4Xdq0.net
千歌「大丈夫だよ、こんな時間に人はほとんどいないし」
千歌「……甘えんぼの曜ちゃんかわいいーっ!!」
曜「だから声大きいわ!誰かに聞かれ……」
曜「……すぅーっ……」
曜「……千歌ちゃーん!!大好きーっ!!!結婚してーっ!!!」
千歌「えOちょっ、声大きっ!」
曜「よし帰ろう!今晩も楽しみだなー!」
千歌「だから声大きいってばー!」
曜「ほら早くいこ!バス来ちゃうよ!」
千歌「足早いって!ちょっと待ってよー」
千歌「……まったくもう……かわいいんだから、私の甘えんぼ曜ちゃんは……ふふっ」
おわり
千歌「……甘えんぼの曜ちゃんかわいいーっ!!」
曜「だから声大きいわ!誰かに聞かれ……」
曜「……すぅーっ……」
曜「……千歌ちゃーん!!大好きーっ!!!結婚してーっ!!!」
千歌「えOちょっ、声大きっ!」
曜「よし帰ろう!今晩も楽しみだなー!」
千歌「だから声大きいってばー!」
曜「ほら早くいこ!バス来ちゃうよ!」
千歌「足早いって!ちょっと待ってよー」
千歌「……まったくもう……かわいいんだから、私の甘えんぼ曜ちゃんは……ふふっ」
おわり
36: 2016/09/12(月) 22:10:55.23 ID:2gz7HvbMa.net
いいね
引用: 千歌「曜ちゃんは甘えんぼ」
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