1: 2016/09/10(土) 14:26:01.73 ID:zQKFg9AG.net
私、松浦果南には悩みがある

そう、Aqoursに加入したのはいいものの、ほとんど初対面といってもおかしくない相手が3人・・・いや、4人ほどいる

果南「ふぅっ・・・」

練習が終わったので、私はすがすがしい汗をタオルで拭いていた

鞠莉とダイヤはふざけて遊んでいる、千歌と曜は仲良さげに話している

果南「じゃあ、またね」

今日はそそくさと帰ることを決意・・・したんだけど

果南「ん・・・?」

2: 2016/09/10(土) 14:27:31.46 ID:zQKFg9AG.net
何やら私の袖が引っ張られている、えっと・・・この子はたしか・・・

善子「・・・」

果南「善子、どうしたの?」

善子「善子じゃなくてヨハネ!」

曜曰く、これがいつものテンプレ発言らしい

果南「あぁっ、ごめんねヨハネ。それで、何か用かな?」

ヨハネはすぐさま袖から手を離す。一体何だったんだろう

私は疑問に思う。そしたらヨハネは口を開く

善子「あなたもヨハネのリトルデーモンになってみない?」

果南「あははっ、遠慮しとくね?」

善子「即答はやめてくださいって!」

拍子抜けだ、いきなり何を言うのだろう

私は即答で断った。そして背中を向けて帰路に向かう

果南「良い子だね」

私はわかっていた、さっきのはあの子の優しさなんだって

私が一人になっていたから、気を遣って話しかけてくれたんだよ、きっと

4: 2016/09/10(土) 14:29:01.77 ID:zQKFg9AG.net
~~~


私はヨハネ、堕天使ヨハネよ

今日も朝から学校に登校。眠い

善子「・・・少人数授業?」

ルビィ「うん、今日から1か月間はそうらしいよ・・・!」

ヨハネは詳細を聞いた

何でも、このクラスをさらに半分ずつに分けるらしい

花丸「もう一つの教室は三階にあるらしいずら」

ルビィ「三階って3年生の教室の隣だよね・・・緊張するから嫌だなぁ・・・」

教室が分かれる。嫌な予感がする

そう、ヨハネは不幸なの。だからきっと・・・

5: 2016/09/10(土) 14:30:32.50 ID:zQKFg9AG.net
ルビィ「名前の順で半分ずつらしいよ・・・!」

花丸「じゃあマルとルビィちゃんは一緒ずら」

善子「やっぱり!!」

そう、黒澤のく、国木田のく。二人が一緒になるのは必然!

そして私は津島のつ!無理!遠すぎる!

花丸「善子ちゃん、がんばってね。堕天使モードになってもマルは止められないよ?」

ルビィ「がんばルビィ!」

善子「う、うん・・・」


しかし、ヨハネの不幸はこんなものではない


善子「・・・」


一人になった挙句、隣が三年生の教室だなんて・・・

8: 2016/09/10(土) 14:32:18.75 ID:zQKFg9AG.net
私、松浦果南は授業が終わったあと廊下にでた

理由は鞠莉とダイヤがまた言い合っているから

でも私は止めない。どうせ勝手に仲直りするでしょ

果南「あれ?隣の教室って使われていたんだ」

ふと隣の部屋の教室を覗く。見覚えのある人影があった

善子「・・・」

果南「あれ、こんなところで何してるの?」


なるほど、少人数授業でここにきてたんだ、大変だね


善子「じゃあ・・・お弁当食べますから」

10: 2016/09/10(土) 14:33:54.75 ID:zQKFg9AG.net
果南「あっ、うん。じゃあまた練習でね」

私は自分の教室に帰った。お弁当を手に取り自席に座った。

鞠莉とダイヤはまだ言い合いをしている

私は一人でお弁当を食べ始めた


善子「あ、あの・・・」


果南「うわぁっ!?」


驚いて変な声が出た。いつの間にか私の隣には自称堕天使がいた


善子「果南先輩もこれからお弁当ですか・・・?」

果南「う、うん・・・そうだけど」

12: 2016/09/10(土) 14:35:41.96 ID:zQKFg9AG.net
その自称堕天使は左手にイスを、右手にお弁当箱を持っていた。つまり・・・


果南「一緒に食べる?」


これが最善の答えだと思った。この時はね

善子「・・・!」

善子「い、いいですよ・・・」

自称堕天使は恥ずかしそうに、されど嬉しそうな表情をしている


そして目の前に座るのかなと思ったんだけど・・・


果南「えっと・・・隣だと窮屈じゃないかな?」


何とこの子、私の隣に座ってお弁当を食べようとしてきた


普通は、一緒に食べるときは机を囲むように座ると思うんだけど・・・

13: 2016/09/10(土) 14:37:20.90 ID:zQKFg9AG.net
善子「あっ、ごめんなさい・・・」

その子は慌ててイスを私の対面に移動させてきた。たぶん、こうして誰かとお弁当を食べることがあまりなかったのかもしれない

果南「ヨハネって面白いね」


これがからかったように聞こえたらしい、少し怒られた。


善子「果南先輩、一つどうぞ・・・」

果南「もらっていいの?ありがとう」


ふいにその子は私におかずを譲ってくれた。私は遠慮なくいただくことにした

でも私はおかずをあげなかった。今日はちょっと空腹だから・・・ごめんね?

15: 2016/09/10(土) 14:38:35.65 ID:zQKFg9AG.net
善子「・・・美味しいですか?」

果南「うん、美味しいよ。ヨハネは料理が上手なんだね」

善子「そ、そんなことないです・・・!」


社交辞令に聞こえたかもしれないけど、じつは本当に美味しかった


果南「美味しかったし、またヨハネのおかずを奪いに行くね」

善子「また食べたいんですか?」

果南「うん、だって美味しかったからね」

その子は終始嬉しそうな表情だった。少し顔が赤くなっていたし、照れていたのかも


もう少し仲がよかったらハグしたいぐらい・・・

17: 2016/09/10(土) 14:41:53.43 ID:zQKFg9AG.net
善子「あっ、そろそろ次の授業が始まっちゃう」

果南「うん、そうだね。授業がんばってね?」

善子「ありがとう・・・ございます」

善子「・・・あの」

果南「んっ?」

善子「またヨハネのおかず、食べさせてあげますね」

果南「あははっ、期待しとこうかな」

善子「・・・失礼します」


そうしてその子は自分の教室に戻っていった


鞠莉とダイヤは・・・まだ言い合いしてる・・・お弁当食べる時間なくなっちゃうよ?

19: 2016/09/10(土) 14:43:57.57 ID:zQKFg9AG.net
善子「あっ、そろそろ次の授業が始まっちゃう」

果南「うん、そうだね。授業がんばってね?」

善子「ありがとう・・・ございます」

善子「・・・あの」

果南「んっ?」

善子「またヨハネのおかず、食べさせてあげますね」

果南「あははっ、期待しとこうかな」

善子「・・・失礼します」


そうしてその子は自分の教室に戻っていった


鞠莉とダイヤは・・・まだ言い合いしてる・・・お弁当食べる時間なくなっちゃうよ?

21: 2016/09/10(土) 14:46:01.16 ID:zQKFg9AG.net
私はヨハネ、堕天使ヨハネよ


今はちょっと嬉しい感情があるの

お弁当を一緒に食べる友達ができたんだもの。いや、友達というか先輩・・・?

だめだめ、堕天使の私が下等生物に翻弄されてはダメよ!

・・・気づいたらヨハネは食材を買いにお店に足を運んでいたわ


善子「・・・」


ヨハネは不意にずら丸に電話をかけた

23: 2016/09/10(土) 14:47:16.30 ID:zQKFg9AG.net
花丸「善子ちゃん?どうかしたずら?」


電話ごしにずら丸の声が聞こえた。ヨハネは聞いたわ


善子「果南先輩の好きな食べ物・・・知ってる?」


花丸「果南ちゃん?う~ん、マルは知らないかなぁ・・・」


善子「そう、わかったわ」

花丸「善子ちゃん、果南ちゃんと仲良くしたいずら?」

善子「そ、そうじゃないわよ!あと善子言うな!」

24: 2016/09/10(土) 14:48:33.05 ID:zQKFg9AG.net
ヨハネがずら丸に聞いた理由は一つ


ずらマルよりも果南先輩のことを知っているアピールをしたかったの


だって、優越感というか・・・そういう気持ちわかってくれるわよね?


でも一つ誤算があったわ・・・まさかずらマルが果南先輩のことをちゃん付けで呼ぶなんて・・・


ヨハネの方が負けたみたいで悔しいんだけど!

26: 2016/09/10(土) 14:50:16.13 ID:zQKFg9AG.net
私、松浦果南は戸惑っていた


翌日、また堕天使がきた、それもイスとお弁当を持って


果南「今日も来たの?」

善子「べ、別に寂しいとか・・・そういうのじゃないですから」

果南「いいよ、前座っても」


鞠莉が前の席に座っていたけど、鞠莉は違う席に移動した。ダイヤと二人で食べるつもりみたい

気を遣ってくれてるのだろうけど、正直この子と二人っきりは居心地が悪い


果南「・・・私は寂しくないよ?」


ふとそういう言葉が出てしまった。ちょっと今の言い方はまずかったかな・・・

27: 2016/09/10(土) 14:52:03.47 ID:zQKFg9AG.net
善子「・・・」


自称堕天使は無言でお弁当箱を開けた。そしておかずを一つ箸で掴むと私めがけて差し出してきた


果南「くれるの?」

善子「き、昨日・・・また食べさせてあげるって言いましたから・・・」


自称堕天使は本当に真面目な子だ

私は遠慮なく食べた。感想を聞かれた


果南「・・・普通かな」


冷たく言い放った。本当は美味しかったんだけどね


善子「・・・じゃあそろそろ、失礼します」


自称堕天使はお弁当を食べ終えると自分の教室に戻っていった

28: 2016/09/10(土) 14:53:21.00 ID:zQKFg9AG.net
私はヨハネ、堕天使ヨハネよ


今日はとっても気分が沈んでるの


善子「美味しくなかったのかな・・・」


普通って言われた。初めて食べさせたときは美味しいって言ってくれたのにね


善子「・・・料理が上手い人、誰かいたっけ」


ヨハネは気付いたら曜先輩に電話をかけていた

29: 2016/09/10(土) 14:54:25.05 ID:zQKFg9AG.net
曜「ん?どうしたの?」


美味しい料理の作り方を聞こうとした


善子「・・・果南先輩の好きな食べ物って何ですか?」


ヨハネ、失敗!そんなこと聞くつもりじゃなかったんだって!


曜「んーなんだろ・・・海藻類?」


曜先輩もよくわかっていなさそうね・・・

32: 2016/09/10(土) 14:55:37.39 ID:zQKFg9AG.net
私、松浦果南は今日もため息をつく


今日だけではない、その次の日も、その次の次の日も・・・毎日だ


果南「・・・また来たんだね」

善子「今日は美味しいって言ってもらいます」


あの日、私が普通と言って以来、自称堕天使は毎日お昼に来るようになった


そして毎回聞いてくる



善子「・・・美味しいですか?」

34: 2016/09/10(土) 15:05:59.12 ID:BzcLSf8Y.net
果南「 ・・・」



果南「普通かな」



私は意地になっていた。あれ以来美味しいとは言わないようにしていた


本当は美味しいんだけどね?


善子「・・・それじゃあ、失礼します」


そしてその子は、自分の教室に戻っていく


私はだんだん、面倒だなって感じてきた

36: 2016/09/10(土) 15:09:31.87 ID:BzcLSf8Y.net
私はヨハネ、堕天使ヨハネよ


やっぱりお店で売っている海藻類だと先輩は納得しないんだ


ヨハネにはまったく知識がないけど、気づけば海にいた


善子「いや・・・無理無理無理!」


一人で葛藤していた


善子「・・・帰ろっ」


結局、その日は家に帰った

37: 2016/09/10(土) 15:11:32.00 ID:BzcLSf8Y.net
私、松浦果南は心を開けなかった



果南「普通だね・・・」



気づけば私は、険悪な表情を出してしまっていた


あまりに付きまとわれてるようでつい出てしまった・・・


善子「・・・失礼します」


自称堕天使は自分の教室に帰っていった

38: 2016/09/10(土) 15:14:03.80 ID:BzcLSf8Y.net
私はヨハネ、堕天使ヨハネよ


ヨハネは困っていたわ。先輩がまったく認めてくれない


それに笑ってもくれない、ヨハネは迷惑なことをしているのかもしれない


善子「明日で最後にしよう・・・」


そうよ、ヨハネには・・・ずらマルたちがいるし、果南先輩には理事長たちがいる


別に・・・ヨハネが先輩と無理して仲良くする必要なんてない


善子「・・・あれ?」


気づけばまた、海に来ていたわ。そしたらそこには果南先輩がいた


笑っている果南先輩が・・・

39: 2016/09/10(土) 15:18:37.63 ID:BzcLSf8Y.net
善子「・・・」


千歌ちゃんと曜先輩が一緒にいた。なるほど、果南先輩の笑顔ってあんな感じなのね


善子「・・・帰ろっ」


このとき、ヨハネには二つの異変が起きていたの


一つは明日こそ美味しいと言わせたいと思う気持ちが強くなったことね


もう一つは・・・わからない。けど・・・ヨハネの心臓がチクッと、まるで天使に弓で射抜かれたかのような・・・




よくわからない、異変

40: 2016/09/10(土) 15:19:36.52 ID:BzcLSf8Y.net
私、松浦果南はホッとした


簡単に説明すると、今日もいつも通り普通と言った


そしたら自称堕天使はこう言った


善子「明日からはもう来ません。美味しいって言ってもらえなくて悔しかったけど・・・」


もう来ないらしい。よかった、これでまたゆっくりとお昼休みを満喫できる


果南「そう、わかった」



私は最後まで笑わなかった

41: 2016/09/10(土) 15:21:01.44 ID:zQKFg9AG.net
私はヨハネ、堕天使ヨハネよ


今日は思い切ってある作戦を実行した

練習後、果南先輩の目の前で・・・


善子「ず、ずらマル!朝頼んだこと、早くしてって!」

花丸「本当にするの・・・?マル、ちょっと恥ずかしいずら」

善子「早く!」

花丸「もぅ、強引ずら・・・」


そう、ヨハネはずらマルに抱き着かせた


他のみんなからも視線を浴びたけど、今はそっちはどうでもいいの


ヨハネは恥ずかしがりながらも笑顔になってみせた。そして果南先輩の方を見た


果南「・・・」


表情は変わらなかった。ヨハネは確信したわ



果南先輩は、ヨハネのことはどうとも想っていないんだって・・・

42: 2016/09/10(土) 15:22:07.23 ID:zQKFg9AG.net
私、松浦果南は静かに暮らしていた


果南「・・・」



あれ以来、自称堕天使がお弁当を持ってくることもなかった

43: 2016/09/10(土) 15:23:08.48 ID:zQKFg9AG.net
私はヨハネ。堕天使のヨハネよ


そう、堕天使なの。だからありえない、人間風情に心を奪われるなんてありえないの


善子「・・・」



そう、ヨハネはいつの間にか・・・堕天使ではなくなっていたわ

46: 2016/09/10(土) 15:35:03.77 ID:zQKFg9AG.net
私、松浦果南は頭を悩ませた


果南「・・・なに?」


どうしてまた、その子がお弁当とイスを持ってきているのか、私にはさっぱりわからなかった


善子「先輩が美味しいって言ってくれたら・・・」


善子「悪魔はまた羽を生やし、飛び立ちますよ」


果南 「なにそれ」


私に思考の時間を与えてはくれなかった


善子は私の目の前に箸を差し出した

62: 2016/09/11(日) 21:30:23.84 ID:EryQe0UG.net
善子「ヨハネは、まだ諦めていませんので。果南先輩のこと」

果南「・・・」


今の一言でようやく察した。そういうことだったんだ・・・


でも、私の返事はこうだよ


果南「・・・普通、かな」

63: 2016/09/11(日) 21:31:48.54 ID:EryQe0UG.net
気づけば私は、自然に、無意識に笑顔をこぼしてしまっていた


善子「果南先輩、やっと笑いましたね」


あははっ、これは堕天使に一本取られたかな・・・


その子は今日も、自分の教室に帰っていく


さぁて・・・明日も堕天使をいじめてあげようかな


私は堕天使の背中を静かに見送った

64: 2016/09/11(日) 21:40:56.21 ID:EryQe0UG.net
そう、私の名はヨハネ。

ヨハネは気付いたら曜先輩の家の前にいたわ

どうして家を知っているかって?この前聞教えてくれたからよ

ヨハネは静かにチャイムのボタンを押す。静かに押したところでチャイムの音は大きいんだけどね


曜「あれ?こんな夜にどうしたの?」

善子「・・・」

曜「善子ちゃん?」

善子「さ・・・」


言いたくない、だって恥ずかしい!どうしてヨハネはここに来たのよ!

65: 2016/09/11(日) 21:46:24.35 ID:EryQe0UG.net
善子「さくせん・・・」

曜「作戦?」

ずら丸とかにしとけばよかったわ!やっぱり!

でも曜先輩のほうが果南先輩のこといろいろ知ってそうだし・・・覚悟を決めるのよ!

善子「作戦会議・・・しましょう」

曜「はい?」

善子「だ、だから!ヨハネが先輩と仲良くするための作戦会議をしようって言ってるの!」

曜「・・・えっ!?」

67: 2016/09/11(日) 21:56:34.26 ID:EryQe0UG.net
ヨーソロー!私は渡辺曜!

曜ちゃんは今、後輩からのいきなりのカミングアウトに驚いてるんだよ~!


曜「え、えっと・・・もう仲良いと思ってたんだけどなぁ・・・」

善子「ま、まだよ!笑ってはくれたけど・・・たぶんあれはたまたまなのよ!」

曜「笑ってほしいなら、私にお願いしてくれたら笑うけど」

善子「そうじゃなくて!ヨハネが笑わせないと意味がないのよ!」


な、なんですかこれは!?どういうことなのですかこれは!?

68: 2016/09/11(日) 22:02:32.80 ID:EryQe0UG.net
えっと、まずは状況を整理しよう!

今は夜の8時!突然善子ちゃんが曜ちゃんの家にやってきた

ここまでは、うん・・・問題ないよね

そしていきなり、善子ちゃんが曜ちゃんと仲良くなりたいって言いだしたんだ!

これがよくわからない!本人に相談するってどうなの!?


曜「それじゃあ、やっぱり趣味の話とかで盛り上がれば自然に笑顔になるんじゃないかな?」

善子「なるほど・・・先輩の趣味って何ですか?」


曜「そりゃあもちろん!コスプレだよ!」

69: 2016/09/11(日) 22:08:19.55 ID:EryQe0UG.net
善子「コ、コスプレ!?先輩が・・・意外な事実ね」

曜「そうかな?誰でも知ってると思うけど」

善子「そ、そうなの?」

曜「だってよくコスプレしてるし!」

善子「うぇっ・・・!?」


あれ?善子ちゃんの前でもいろいろ着てたと思うけど・・・


曜「それに善子ちゃん、堕天使のコスプレとかしてるしさ!きっと盛り上がるよ!」

善子「あれはコスプレじゃないって!」

曜「そうだ!堕天使のコスプレを一緒にやってみようよ!そしたらきっと笑顔になるよ!」

善子「ほ、本当なの?それ・・・」

71: 2016/09/11(日) 22:14:27.41 ID:EryQe0UG.net
そう、私の名はヨハネ。

今、すっごく驚いてるのよ。まさか曜先輩だけでなく、果南先輩にもコスプレの趣味があったなんてね・・・


曜「じゃあ明日は一緒に堕天使になるのであります!」

善子「わかりました、じゃあ今日はこれで・・・」

曜「あっ、善子ちゃんは堕天使のコスプレ衣装何着持ってるの?」

善子「ヨハネだって!まぁ・・・何枚かはあるけど」

曜「そっか、じゃあ問題ないね!明日楽しみにしておくね!」

善子「な、なんで曜先輩がそんなに楽しそうなのよ・・・」

曜「気を付けて帰ってね、ヨーソロー!」


曜先輩が扉の外まで見送ってくれた。ふと振り返ってみると・・・

すごく笑顔だった・・・よくわかんない先輩ね・・・

とにかく、ヨハネが明日することは決まったわ!

75: 2016/09/11(日) 22:24:10.10 ID:EryQe0UG.net
私、松浦果南は不幸な目に遭った

いや、正確にはこれから不幸な目に遭うんだけど・・・


果南「・・・は?」

ヨハネ「クククッ・・・リトルデーモンの娯楽に呑まれてあげるのも上級悪魔の役目」

ヨハネ「さぁ、さっさと準備をするといいわ・・・この地上を撃ち滅ぼすための儀式のね・・・」


私の目の前には、ドス黒い衣装で身を纏った、勘違いデーモンが突っ立っていた

立っているだけならまだいい。私に話しかけてくる。それも大声で

極め付けは両手にお弁当とイス、それと黒いコスプレ衣装を持っていることだ

周囲は一瞬で判断した。この子は松浦果南の友人なんだなって

76: 2016/09/11(日) 22:25:30.76 ID:EryQe0UG.net
果南「・・・」


周囲の目線が冷たい。私まで同類に見られている目線だ。恥ずかしさと苛立ちを隠せなかった私はどうしたのかというと・・・


果南「誰ですか?」


冷たく他人のフリをした。鞠莉とダイヤは仕方ないというような表情をしていた


ヨハネ「さぁ、上級生物松浦果南!・・・先輩。ヨハネと一緒に負のエネルギー補給を・・・!」

果南「冗談もほどほどにしときなよ、私にそういう趣味ないから」

ヨハネ「・・・へっ?」


私は教室を出て行った。お弁当は一人で食べた

79: 2016/09/11(日) 22:37:06.86 ID:EryQe0UG.net
ヤッホー!私は高海千歌!

えっとね、今から曜ちゃんと一緒にお弁当を食べるところなんだ!

そしたら教室の扉が勢いよく開いて・・・猛スピードで走ってきたんだよ!善子ちゃんが!

千歌は事情を知らなかったから、とりあえず眺めていたんだ


善子「ちょっと曜先輩!」

曜「おっ、ヨーシコー!わぁっ、わざわざ持ってきてくれたんだ!」

善子「話が違うじゃない!」

80: 2016/09/11(日) 22:38:05.31 ID:EryQe0UG.net
曜「え?何が?」


曜ちゃんは善子ちゃんが持ってきた堕天使のコスプレに着替えながら話をしているけど・・・

ここ教室だよ!?上から着るだけならいいけど制服は脱いだらダメだからね!?


善子「笑うどころか立ち去られたんだけど!?」

曜「いや、立ち去ってないよ?それに曜ちゃん、すっごく嬉しいし!」

曜「やっぱりコスプレしてると、自然に笑顔になっちゃうねーうんうんっ♪」


千歌は全然二人のことがわかんなかったけど、善子ちゃんが何かを察した様子で顔をしかめたのはわかったよ!


善子「やっぱりずら丸に相談すればよかったぁ!!」


わぁっ!?善子ちゃんが涙目になりながら走ってどこかに行っちゃった・・・

82: 2016/09/12(月) 02:50:32.01 ID:E7RjrBIY.net
そう、私の名はヨハネ。

ヨハネは本当に不幸体質なのよ・・・曜先輩にだまされた・・・


善子「どうしよう、嫌われちゃったかな・・・」


いいえ、ここでくじけてはダメよ!ヨハネは頑張るんだから!

そして今日も、ヨハネは曜先輩の家にお邪魔したわ


曜「えっと・・・大丈夫?」

善子「・・・曜先輩、果南先輩と仲良くする方法を教えてください」

善子「果南先輩とだからね?」

曜「うん、わかってるよ!」

83: 2016/09/12(月) 02:57:37.83 ID:E7RjrBIY.net
善子「・・・松浦果南先輩と仲良くしたいんだからね!?」


三回念を押して言ったから今回は大丈夫よね


曜「そ、そっか・・・果南ちゃんと仲良くしたいんだ・・・」

善子「・・・」


寂しそうな表情しないでよ!上級生のくせに!


善子「だ、だって曜先輩とはもう十分仲良いと思ってるし・・・」

曜「・・・」

曜「ヨーシコー!」

善子「うげっ!?」


何だかスイッチ入ったみたいね・・・ヨハネよりやる気オーラが出ているわ

91: 2016/09/12(月) 14:57:28.49 ID:E7RjrBIY.net
曜「ここはシンプルに映画デートでいこうよ!」

善子「ヨハネはあんまり映画とか興味ないんだけど」

曜「興味なくてもいいの!とにかく行くの!」

善子「強引ね・・・」

曜「よーし!じゃあ今から買いに行くよ!」

善子「何をですか?」

曜「そりゃあもちろん!チケットだよ!」


ぜぇ・・・ぜぇ・・・どうしてヨハネは夜遅くに映画館に来てるのよ・・・それも自転車で・・・


善子「こ、これでいいのね・・・」

92: 2016/09/12(月) 14:59:05.16 ID:E7RjrBIY.net
曜「ちゃんと2枚買った?」

善子「うん・・・っていうか疲れた・・・」

曜「じゃあもう一回曜ちゃんの家に集合!」

善子「いや、ヨハネはもう帰るわよ」

曜「ダメダメ、今から明日の練習するんだから!」

善子「練習って何するのよ?」

曜「まさか善子ちゃん、ただ映画を見るだけのつもりだったの?」

善子「善子言うな!それが何か問題あるの?」

曜「問題しかないよ!映画を見ながらさりげなく手をつないだりとか、そういうのが大切なんだから!」

善子「そ、そうなの・・・?」

曜「ほらっ、善子ちゃん全然わかってないし、今から練習するしかないね!」


練習は深夜の2時まで続いたわ・・・何でこんなにやる気あるのよこの先輩は・・・

93: 2016/09/12(月) 15:16:21.09 ID:E7RjrBIY.net
私、松浦果南はいつも通りである

昨日は自称上級悪魔のせいでイライラしていたけど、今日はそんなことはない

だって、その子は反省しているみたいだからね


果南「・・・また来たの」

善子「き、昨日はごめんなさい・・・」

果南「もう怒ってないよ。前・・・座る?」


私はいつも通りの口調で、イスとお弁当箱を持っているその子を誘導した


善子「・・・」


自称上級悪魔は今回も、おかずを一つ差し出してきた


果南「普通かな」

94: 2016/09/12(月) 15:17:44.86 ID:E7RjrBIY.net
善子「・・・」


この答えは変わらない。そしてその子は自分の教室に帰っていく

・・・っと、思ったんだけど


善子「こ、これ・・・今日の練習が終わってから・・・どうですか?」

果南「・・・二人で?」

善子「う、うん」

果南「・・・」


驚いた、映画のチケットを渡された。自称堕天使は意外に大胆なんだね


果南「いいよ、じゃあまた後でね」

善子「授業が始まるので、失礼します・・・」


ふふっ、あんなに嬉しそうな表情したらバレバレだよ?

でもね、ごめん


私さ・・・この映画、観に行ったことあるんだよね・・・

101: 2016/09/12(月) 22:06:25.98 ID:E7RjrBIY.net
そう、私の名はヨハネ。

今、何をしていると思う?ふふふっ・・・

果南先輩と映画を見ている最中よ


果南「・・・」


先輩は映画を見ているわ、落ち着くのよヨハネ

ヨハネは昨日、曜先輩との練習を思い出そうと必氏だった

えっと、たしか・・・ポップコーンを取るフリをして相手の手に触れればいいのよね・・・


善子「・・・」


善子「ポップコーン買うの忘れたし!!!!」


果南「ちょっと善子、静かにしないと周りに迷惑だよ」

善子「あっ・・・ごめんなさい」


つい大声を出しちゃったじゃない!また曜先輩にだまされた・・・って、これはヨハネが悪いのか

ならば次の作戦、いくわよヨハネ!

102: 2016/09/12(月) 22:08:01.11 ID:E7RjrBIY.net
善子「んっ・・・」


そう、両手を横に広げて身体の疲れを取るフリをして先輩の身体に触れること!

まずは触れないと何も始まらない!とりあえず触れろ!って曜先輩が言っていたし!


善子「う~ん・・・」


ヨハネは両手を広げた。そしてわざと先輩の身体にタッチ!よしっ、上手くいったわね!

ムニッという感触が伝わってきたわ!先輩の皮膚ってこんなに柔らかいのね


善子「・・・ん?ムニッ?」

103: 2016/09/12(月) 22:14:47.03 ID:E7RjrBIY.net
果南「・・・何してるの//」


しまった!よりによって先輩の胸を触っちゃうなんて!

やっぱりヨハネは不運・・・いや、これは幸運?

って、そんなことどうでもいいから謝らないと!


善子「あっ、あわっ・・・すみません・・・!」

果南「・・・わざと?」

善子「ち、ちが・・・ちがうって!」

果南「ふぅん、わざとだったらもっと触らせてあげたのに」

善子「えっ?あっ、えっと・・・//」

果南「冗談だよ、映画館では静かにね」

善子「は、はい・・・//」


わざとって言えばよかった!曜先輩のバカ!ちゃんとこういうときの対応も教えといてよ!

映画を見終わったヨハネと先輩はすぐに解散した。あまり仲良くなれた気はしないわね・・・

105: 2016/09/12(月) 22:24:07.46 ID:E7RjrBIY.net
ヨーソロー!私は渡辺曜!

部屋でくつろいでいたら何と、インターホンが鳴ったんだ!

今日この家には私一人しかいないから私が玄関に出たんだけど・・・


曜「えっと・・・」

善子「・・・」

曜「現在、時刻は夜の11時だよ?」

善子「さ・・・」


善子「作戦会議しましょう」


曜「えぇ~今から!?っていうか映画はどうなったの?」


ふむふむっ、なるほど・・・事情はよ~くわかったよ

要するに、あんまり上手くいかなかったんだね。まぁそういうときもあるさ!


曜「それで、今日は荷物が多いようだけど、何を持ってきたの?」

善子「堕天使の休息に必要な悪魔の道具だけど」

曜「いや、下界の下等生物にもわかりやすく言ってほしいです」

善子「睡眠セット!」

曜「・・・はい?」

107: 2016/09/12(月) 22:31:06.19 ID:E7RjrBIY.net
善子「この前みたいに深夜に帰るのは疲れるから・・・」

曜「いや、えっと・・・もしかして泊まっていくつもり?」

善子「うん、そうだけど・・・」

曜「いやいやいや!勝手に決められても困っちゃうからね?」

善子「ダ、ダメなら帰るわ」

曜「・・・あっ」

善子「・・・?」

曜「やばい・・・私、天才曜ちゃんかも・・・」

善子「いきなり何言ってるの」


曜「果南ちゃんを今、この家に呼んで一緒にお泊まりすればいいんだよ!」


善子「はぁぁっ!?」

曜「ほらっ、お泊まり会って仲を深める絶好のチャンスだし!」

善子「い、いきなりすぎるわよ!緊張するから無理!」

曜「そんなこと言ってたらいつまで経っても振り向いてもらえないよ?」

善子「そ、それは・・・」

曜「じゃあ決定だねっ♪」

109: 2016/09/12(月) 22:41:05.59 ID:E7RjrBIY.net
私、松浦果南は驚いた

こんな夜遅くに電話がかかってくるなんて・・・


果南「もしもし、曜?」

曜「あっ、果南ちゃん!遅くにごめんね?」

果南「ううん、大丈夫。それで、どうしたの?」

曜「今から私の家でお泊まり会するんだけど、果南ちゃんもよかったら来てほしいなって思って」

果南「う~ん家が遠いからなぁ・・・もう少し早く言ってくれたらよかったのに」

曜「ごめん、突然決まったことだからさっ!やっぱり厳しいかな?」

果南「・・・まぁ、せっかくの幼馴染からのお誘いだし、断るわけにはいかないよ」

曜「おぉっ!さすが果南ちゃん!ヨーソロー!」

果南「はいはい、ヨーソロー」クスッ

曜「今、笑ったよね!?」

果南「あははっ、ごめんごめん」


曜と話すと、やっぱり楽しいな


果南「ところで、他にも誰か来るの?」

曜「うんっ!善子ちゃんが来るよ!」

果南「・・・そうなんだ」


なるほど、自称上級悪魔は曜に相談してたってことか

110: 2016/09/12(月) 23:04:28.27 ID:E7RjrBIY.net
そう、私の名はヨハネ。

今の気分を一言でいうと・・・そうね、緊張が止まらないわ


果南「遅くなってごめんね?」

曜「全然ダイジョーブ!遅くに誘ったのは私の方だし」

果南「善子はさっきぶりだね」

善子「ヨハネ!」

曜「じゃあせっかくだし女子トークでもしようよ!」

果南「そうだね、この3人って珍しい集まりだと思うし」

善子「き、緊張する・・・」

曜「じゃあまず善子ちゃん!好きな人とかいるの!?」


曜先輩のこういうところ何とかしてほしいんだけど!!


善子「え、えっと・・・」

善子「こ、この悪魔界のヨハネが地上の下等生物にそのような感情抱くわけないでしょ?」

果南「ヨハネ、ぶっちゃけトークしちゃおうよ」

善子「うっ・・・」


善子「べ、別に・・・いないです・・・」


果南「・・・そっか」

112: 2016/09/12(月) 23:22:24.55 ID:E7RjrBIY.net
果南「じゃあヨハネ、聞いてもいい?」

善子「な、何ですか?」

果南「私のことは好き?」

善子「・・・!?」


ちょっ、ちょっと待って!不意打ちずるい!曜先輩助けて!


曜「どうなの!?善子ちゃん!?」


まったく頼りにならないし!


善子「いや、えっと・・・先輩として・・・」

果南「冗談だって。善子はからかわれやすいタイプでしょ?」

善子「そ、そういうわけじゃ・・・!」


落ち着くのよヨハネ、このままじゃペースが乱されてしまうわ!


曜「私は果南ちゃんのこと好きであります!」

果南「何その敬語。でも、ありがと」クスッ

善子「・・・」


結局、そのあとは特に何もないまま眠りに入った

上手くいかないものなのね・・・

115: 2016/09/12(月) 23:48:06.24 ID:E7RjrBIY.net
善子「曜先輩、いろいろとありがとうございました」

曜「どういたしましてー!」

曜「困ったときはまた曜ちゃんに相談してね!」


ヨハネは決めた。曜先輩は献身的だけど、ちょっとやり方が強引すぎるわ

だから趣向を変えて違う人に相談してみようと思ったの


善子「でも、ずら丸や黒澤姉妹に相談しても解決しそうにないし・・・」

善子「っというか、よくよく考えてみるとあんまり同級生にバレたくない・・・」

善子「千歌ちゃんは・・・真剣にはなってくれそうだけど、そういうのはあまり得意じゃなさそうね」

善子「・・・リリーしかいないか」


鞠莉「私のこと忘れてませぇんか?」


善子「うわぁっ!?びっくりした!」


いきなり背後から話しかけられて驚いたし!


鞠莉「ソーリー!何だかお困りのようね?」

善子「き、聞いていたんですか?」

鞠莉「うんっ、マリーでよければ相談相手になるわよ?」

善子「い、いや・・・えっと・・・」


無理無理無理!理事長なんてふざけるに決まってるわ!瞬く間に全校生徒で話題にされちゃう!


鞠莉「ダイジョーブ。こういうときの私は、しっかりしているから」

善子「・・・」

鞠莉「だから・・・一人で悩まないで・・・?」


あぁっ・・・ヨハネって口が軽いというか何というか・・・弱いのよね、そういう言葉に

116: 2016/09/13(火) 00:13:48.04 ID:39Eh5Lpc.net
私、松浦果南はよくわからなかった

一体何が起こったのか・・・


鞠莉「かな~ん!」

果南「もぅ、どうしたの?鞠莉ってばいきなり大声出して」

鞠莉「善子が果南とお付き合いしたいって言ってたわよ!」

果南「はぁっ!?」

鞠莉「ちゃんと返事してあげたら?」

果南「いやいやいや、意味わかんないから」


そんな会話をしているうちに、自称上級悪魔はやってきた

そっか、もう昼休みだったんだ。いつものようにお弁当とイスを持ってきている


善子「前、座ってもいいですか?」

果南「ねぇ、鞠莉が言っていたことは本当?」

善子「・・・?」

善子(鞠莉先輩とは今日の放課後作戦会議だから、まだ何もないはずだけど・・・)

果南「善子が私と付き合いたいって本当?」

善子「・・・!?///」

117: 2016/09/13(火) 00:19:23.45 ID:39Eh5Lpc.net
善子「な、ななっ・・・//」

善子「理事長!どういうことですか!?」

鞠莉「どういうことって・・・本当のことを言っただけよ?」


うがぁー!やっぱり理事長に話すんじゃなかったぁ!


果南「っで、どうなの?」

善子「えっ!?あ、えっと・・・」

果南「・・・」

善子「ヨ、ヨハネは悪魔だからそういう感情は持っていないわよ!」

果南「私の好み、教えてあげよっか?」

善子「先輩・・・?」


果南「素直な人・・・かな」


善子「・・・!」

118: 2016/09/13(火) 00:28:50.41 ID:39Eh5Lpc.net
善子「・・・」

果南「はい、あと10秒」

善子「えっ!?」

果南「9、8、7・・・」

善子「え、えぇっと・・・!」


善子「果南先輩のことが、好きです・・・//」


果南「うん、やっと素直になったね」


い、勢いで言っちゃったけど・・・これでよかったの!?


果南「ほら、私って素直じゃないからさ・・・私の相手は素直な人じゃないとやっていけないんだよ」

善子「せ、先輩が素直じゃないってそんなこと・・・」


少しの沈黙の後、自称素直じゃない先輩はヨハネのお弁当を勝手に開けたわ

そしておかずを一つ箸で掴んではヨハネの許可なく食べた


果南「・・・普通かな」

善子「・・・」

果南「ほら、私って素直じゃないでしょ?」

善子「えっ・・・」


あぁ、なるほど・・・そういうことだったのね・・・

ヨハネは回りくどいことをしていたけど、最初から素直にぶつかればよかったのかな

119: 2016/09/13(火) 00:35:00.41 ID:39Eh5Lpc.net
善子「か、果南先輩!」

果南「んっ?何?」

善子「その・・・堕天使ヨハネと契約して・・・」

善子「漆黒のお付き合いをはじ・・・むごっ!?」


言葉をさえぎるように先輩はヨハネの口を手で押さえた


果南「それはダーメ」


そう答えるとヨハネの口を開放してくれた。けどやっぱり、先輩はヨハネのことを・・・


善子「や、やっぱりダメ・・・ですよね」

果南「だって善子、まだ私に美味しいって言わせてないでしょ?」

善子「い、一番最初は美味しいって・・・!」

果南「あれはノーカウント」

善子「ずるい!」

果南「ズルじゃないよ、最初から拒絶されたら善子の心も傷つくでしょ?」

善子「その後もけっこう傷ついてましたよ・・・あと善子じゃなくてヨハネ!」

121: 2016/09/13(火) 01:03:42.27 ID:39Eh5Lpc.net
果南「だから、次に私が美味しいって言ったときは」

果南「そういうことだと思っていいよ」

善子「・・・!」


本当に、この先輩って素直じゃなかったんだ


善子「クククッ・・・そういうことなら堕天使ヨハネのリトルデーモンたちが・・・」

果南「あっ、手伝ってもらうのはナシだよ?」

善子「なんで!?」

果南「たまには自分の力で頑張りなよ、曜とか鞠莉に頼るんじゃなくてさ」

善子「うっ・・・バレてたのね」

果南「バレバレだって。善子の好きな人が私だってこともバレバレだったし」

善子「なっ!?//先輩、さっきからヨハネのことからかってません!?//」

果南「あははっ、気のせいだよ」クスッ

善子「あっ、今笑いましたね」

果南「・・・!」

果南「う、うるさい!//」


第一の目標、ヨハネの力で先輩を笑顔にすること。達成


果南「まぁでも、さっき付き合うのは無理って言ったけどさ」

善子「・・・?」

果南「素直になったご褒美として、堕天使ヨハネのリトルデーモンぐらいになら、なってあげてもいいよ」


第二の目標、先輩をヨハネのリトルデーモンにすること。達成


善子「じゃあリトルデーモン果南!・・・先輩」

善子「また明日、来ますね」

果南「・・・早く戻らないと授業に遅れるよ?」


第三の目標、先輩に美味しいと言わせること。未達成


善子「これが一番難しそうね・・・」

善子「でも、頑張るしかないか」

122: 2016/09/13(火) 01:08:14.16 ID:39Eh5Lpc.net
私はヨハネ、堕天使ヨハネよ


堕天使は今日も静かに去っていく。そう、自分の教室にね


私、松浦果南は笑わない


どうしてかはわからない。だって私は素直じゃないから


羽の生えた堕天使が自分の居場所に戻っていく


去りゆく堕天使の背中を、今日も私は静かに見守る


おしまい

123: 2016/09/13(火) 01:11:38.28 ID:XLVCUtIU.net

よしかな流行れ

引用: 松浦果南は笑わない