970: ◆zvY2y1UzWw 2015/04/03(金) 23:22:29.55 ID:c+C6lj+M0


モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」シリーズです


前回はコチラ




というわけで自分も投下です
学園祭2日目、そろそろ幕を閉じるぞー

971: 2015/04/03(金) 23:23:57.43 ID:c+C6lj+M0
教習棟の床を二つ分も貫いた衝撃が、音と振動として、加蓮たちの所にも伝わっていた。

加奈「わわっ!? すごい音…何かあったのかな…?」

加蓮「もしかしたら、誰かが戦ってるのかも…あれ、仁加ちゃん、どうかした?」

仁加「…んー、すごい力がね、どーんって。上から下にどーんって」

加蓮「確かにちょっと、そんな感じはしたかな?…でもまさか、校舎の中を落ちるってことはないと思うし…」

加奈「うーん…」

少し不安になった加奈がメモ帳を確認してみると、少なくとも近い未来に危険な目に合う事は無いようだ。

加奈(でも『盗塁、こわかったなぁ…』って…なんだろう、野球なんてする暇無いよね…?)

加奈「…多分、この辺りは大丈夫だと思うよ。でもどうしよう?その辺りを見に行く?」

仁加「でもあれくらいすごい音なら他の人も行くと思うし、やっぱり上とか下が良いと思うの、雨降ってるし、屋上よりは地下にいるかも」

加蓮「地下には…確か通路があるんだよね?」

加奈「あ、でも非常時にはシャッターが閉まるって、学校の先生に言われたよ。…だからカースは入って来ないと思うんだけど…」

「それはどうでしょう?」

加奈「えっ?」

背後から、もっと言えば下の方から会話を遮るように言葉を発した者がいた。

そちらに視線を向けると、メカっぽい花を纏った少女(?)、そしてその横にまたもやメカっぽい蠍。

ラウネ「ぐっどたいみんぐ、ちょうどいいところでかいわにらんにゅうできましたね」

ルピー「シル、シルル」

美波「その…急にごめんなさい…」

そして、その二体のエクスマキナを連れた女性が少し気まずそうにしていた。
----------------------------------------



それは、なんでもないようなとある日のこと。
その日、とある遺跡から謎の石が発掘されました。
時を同じくしてはるか昔に封印された邪悪なる意思が解放されてしまいました。

~中略~

「アイドルマスターシンデレラガールズ」を元ネタにしたシェアワールドです。
・ざっくり言えば『超能力使えたり人間じゃなかったりしたら』の参加型スレ。



972: 2015/04/03(金) 23:26:29.83 ID:c+C6lj+M0
仁加「お姉ちゃん達、誰?」

美波「あ、ごめんなさい、私は新田美波。それで、この子達は…」

ラウネ「らうねです、まきなです。こっちはるぴー」

ルピー「シルル」

加奈「い、今井加奈、高校生です!あ、この子はこずえちゃんです!」

仁加「アタシは仁加で、えっと……お姉ちゃん、交代なの」

加蓮「私は北条加蓮…えーっと…あっ、地下の事で何か?」

黒兎(小学生とカ高校生と言えないコンボ……)

流れのままに軽く自己紹介をして、取りあえずお互いに怪しい者では無いと認識し、地下の話題に移った。

美波「そのシャッターの事で…地下に行くかもしれないなら、伝えなきゃいけない事があって」

加奈「もしかして、何か知ってるんですか?」

ラウネ「それはじぶんがこたえましょう」

美波へ投げられた問いに、ラウネが手をピシッと伸ばして答える。

ラウネ「ちかのしゃったー、ちゃんとしまってないのです。なにかしらひっかかってしまってなかったかんじ。おかげでにげられましたが」

加蓮「え…?」

ラウネ「ちかでかーすにおいかけられ、ぜったいぜつめーというときにあいてたのはよかったのですが…」

加奈「そ、それってつまりそこからカースが入って来れるんじゃ…!?」

美波「そうなの、今教習棟に入ってきているカースはそこから侵入してるんじゃないかなって、ラウネちゃんから話を聞いて思って…」

ラウネ「どうしたものかとおもっていたのです」

黒兎(地下かァ、なるほどねぇ、シャッターが閉まらなかったら確かに入リ放題だ)

実際は更に数カ所の侵入経路があるのだが、取りあえず1つを見つける事が出来た。黒兎はとりあえず記憶だけはしておいた。

973: 2015/04/03(金) 23:29:20.56 ID:c+C6lj+M0
美波「私が塞ぎに行くか、誰かにこの事を伝えなきゃって思ってはいたんだけど…誰にも会えなくて…」

ラウネ「ふさぎにいくにも、ひとりじゃきけんなかのうせーもありましたしね」

ルピー「シルッ、シルルル」

美波「その…聞いていいかな。貴方たちはこれから地下に行くみたいだけど、カースと戦ったりとか…出来るの…?」

加奈「私は…戦うのはできなくて…か、かわりに別の事で手助けしようって…」

加蓮「えっと…私はそれなりに…かな?」

仁加「アタシはばっちり! 無敵なの!」

少し気まずそうに答えた加奈と答え方に迷った加蓮と、ドヤ顔で自信満々に言う仁加は、客観的にみて少々アンバランスだった。

ラウネ「…ほんとーにだいじょーぶなんですかね…?」

仁加「じゃあ、美波お姉ちゃんはどうなの、戦えるの?」

美波「私は一応武器はあるけど…その、戦うのは慣れてなくて」

仁加「どんな武器?」

ルピー「シル、シルルル」

美波「ルピーが武器…って言えばいいのかな、変形して銃になってくれるの。でも一緒に戦うのは…危ない、かも…」

ラウネ「たしかに、ごしゃしかねませんね。はいごからふれんどりーふぁいあするかも、みんちですね」

美波の今の腕前では味方の動きも考えつつ確実に相手のみに弾を命中させるという事はたしかに難しいかもしれない。

加奈「じゃあカースとも戦ってたんですね、すごいなぁ…」

美波「…そうかな、あまり戦っているって実感が無くて」

ラウネ(まいかい、ひめいをあげながらぶっぱですからね)

美波「だから、私からしてみれば、小さい子…こずえちゃんの事をちゃんと守ろうとしてる加奈ちゃんも十分立派だと思うよ」

加奈「あ、ありがとうございます…」

974: 2015/04/03(金) 23:32:24.02 ID:c+C6lj+M0
仁加「で、シャッターが閉じるのを邪魔してるモノをどかせばいいんだよね?みんなで行くの?」

加奈「私は地下がカースだらけとかそういうのじゃなければついていくつもりで…美波さんはどうします?」

美波「私は…」

行く・行かないという選択肢を前に、美波は少し考えた。

自分が伝えた事だからなのか、ちゃんと閉めるところまで見届けなければいけないような…そんな責任感が少なからずあった。

それにヒーローでもない、自分より年下であろう女の子だけに任せてしまうというのは、少しズルいように思えた。

美波「…戦うのはうまくできないかもしれないけど、私も一緒に行っていいかな?」

加奈「はいっ、もちろん!」

仁加「こっちにまかせておけば大丈夫だって。安心してまかせるの」

加蓮「うん、私達もみんなが無理しないようにするから」

ラウネ「ぱーてぃめんばーいりですね、まぁしゃったーのいちはもじぶんしかはあくしてませんし」

ルピー「シルシル、シルルッ」

ラウネ「ほかのしゃったーもほんとーにしまってるかどうか?…いや、いっかしょだけのはずですが?」

ルピー「シルルルゥ?」

ラウネ「らうねのきおくをうたがうとは、いいどきょーしてますね」

ルピー「シルルシル!」

ラウネ「へんたいさそりになにをいわれよーとも、らうねはどーじませんから」

ルピー「シシル、シシルルル!」

美波「ま、まぁまぁ…落ち着いて、ね?」

ルピー「シル…」

加奈(すごいなぁ、やっぱり普通の機械とか武器とは違うんだ…)

加蓮(この二人(?)結構仲良しみたいだね)

仁加(へんたいさそり…?お姉ちゃんに手を出したらぶん殴るの)

黒兎(おちツけ)

975: 2015/04/03(金) 23:33:39.35 ID:c+C6lj+M0
一行は最寄りの階段から地下に下りていく。

先頭には加蓮が立ち、そこから仁加・加奈・美波の順だ。

地下に続く階段とは言っても電灯は十分に機能していて暗いということも無い。地下自体も、普通に明るいようだ。

ラウネ「のぼったのもここですし、ここをまっすぐにいけばありますね、でもけっこうとおい…おっと」

『ギャウギャウギャーウ!』

美波「危ないっ…!」

加蓮「っと!」

『ギャウウ!?』

ラウネに襲い掛かったカースが、加蓮の黒い槍に切り裂かれて消滅する。

加蓮「まっすぐ、だね!」

美波「何事も無かったみたいに!?」

ラウネ「うーむ、たたかいなれてますね?」

加蓮「うん、色々な事もあったし…慣れちゃったのかな?そんなに経験を積んだって訳じゃないんだけど…」

ルピー「シルルシル、シルルッ!」

ラウネ「…みなみも、けいけんをつめば、あんなふうにくーるにたたかえるかもといってます」

美波「私は…いいかな…」

ルピー「シルゥ…」

976: 2015/04/03(金) 23:36:12.36 ID:c+C6lj+M0
加奈「それにしても、ここからカースが入ってきているっていう割には数が少ないように感じるような…いっぱい居るって思っていたのに」

美波「…確か、地下通路は結構入り組んでいて迷路みたいだって聞いたから…カースも地上じゃない方に行った可能性もあるのかな?」

仁加「迷路?」

美波「確か…学園祭の為に開放しているのは一部で、迷い込むと危険だから地下通路は規定の道以外は通ってはいけませんってパンフレットに…」

加奈「……あ、本当だ、注意事項の所に書いてある…」

加蓮「私、注意事項のページって細かい文字だらけだったから見てなかったよ…」

美波「…見てる人の方が少ないのかな…?」

ラウネ「…そういえばらうねも、けっこうみちにはまよいましたね、にげてるときとか」

加蓮「つまり、もっと奥の方にカースが行っちゃった可能性もあるって事なんだね」

加奈「それもそれで怖いような…」

仁加「じゃあ、そのカースも倒すの?」

美波「ううん、シャッターを閉めたらすぐに戻った方がいいと思うの。地図も無いし、そういうのは本業の人たちに任せた方が良い筈だし…」

仁加「わかったの、見逃してやるの」

加蓮「…シャッターまでの道のりがまっすぐでよかったかも」

加奈「出られなくなっちゃうかもしれないのは確かに怖いなぁ…」

少し話が脱線したが、地下に留まり続けているかもしれないカースの事は取りあえず放置し、自分たちの邪魔になるカースだけを倒す事は決まった。

977: 2015/04/03(金) 23:37:39.04 ID:c+C6lj+M0
こずえ「ふわぁ……?」

そうこうしているうちに十分に寝たのだろうか、加奈の背中でもぞもぞとこずえが目覚めたようだ。

加奈「あっ、こずえちゃん起きちゃったの?」

こずえ「んぅ…」

加奈に返事をした後、こずえはゆっくりキョロキョロと周りを見た。

こずえ「……かなー、このひとたち…だぁれぇ…?」

加奈「ええっと…お友達だよ!」

仁加「紹介するの、こっちが美波お姉ちゃん!そしてこっちが加蓮お姉ちゃんで、アタシは仁加、よろしくね」

こずえ「んー…よろしくー…?」

ラウネ「らうねたちもわすれちゃだめです、らうねはらうねです」

ルピー「シシル!シルシルシル!」

美波「…えっと、こずえちゃん、この子はルピーって言うの」

ルピー「シルルル!」

こずえ「ふわぁ…さそりー?いっぱい…ぺたぺたぁー…」

ルピー「シル…」

加奈「あはは、シールいっぱい貼ってあるもんね」

美波「…こずえちゃん、ボーっとしてる様に見えるけど…まだ眠かったりする?」

こずえ「んー…だいじょうぶだよぉー」

美波「そ、そうなの…?」

こずえ「だいじょうぶなのぉ…こずえは…おぼえたのぉー…」

そう言ってこずえは指で示しながら名前を呼んだ。

こずえ「かなとー、みなみー。…それとぉ…かれんとー、にかー。んーとぉ…らうねー…るぴー…ともだち、だってぇ…」

ラウネ「らうねのとき、みょうな『ま』がありませんでしたかね…」

978: 2015/04/03(金) 23:39:36.62 ID:c+C6lj+M0
こずえ「かなー…こずえ、あるくのぉー…」

加奈「そう?じゃあ降ろすね」

こずえ「ありがとぉー…」

こずえが加奈の背から降りると、仁加がスッと近づいた。

歳が近いように見えたからか、少し機嫌がよさそうだ。

仁加「こずえちゃんボーっとしてないの?」

こずえ「してないよぉー…?」

仁加「…ふわふわしてる子だな」

こずえ「こずえ、ふわふわぁー…?」

仁加「…あ、そうだ、こずえちゃんは何かできるの?」

こずえ「えっとねぇ…こずえはねぇ…ぴかぴかーって、できるよぉー…」

仁加「ぴかぴか?」

加蓮「ぴかぴかー…?」

加奈「こずえちゃん、ぴかぴかって?」

こずえ「うーん…、あとはねぇ…こずえ、びゅーんって…できるよぉー」

加奈「あっ、聞いてない」

一応危険な場所であるにも関わらず、目的を忘れたようにほんわかした空気の中戯れる少女達。

美波(…私がしっかりしなきゃいけない気がする)

美波にはそれが少々不安に思えた。危険性とかではなく、ツッコミ的な意味で。

979: 2015/04/03(金) 23:41:47.20 ID:c+C6lj+M0
加奈「えっと、こずえちゃん…シャッターを閉め終わるまでは付いてきてくれるかな?終わったらここから出て行くから」

こずえ「わかったぁー…」

加奈「ごめんね、カースとか出て来るし怖いと思うけど…」

こずえ「こずえ…いっしょでも、へーきだよー…」

美波「本当に大丈夫?カースとか、怖くないの?」

こずえ「こわくないよぉー…あれ、やーなのぉ…」

加蓮「大丈夫みたい…なのかな?」

こずえ「ほらぁ…きたよぉー…」

美波「えっ…?」

全員こずえを心配するが、こずえはそれを全く気にせずに奥の方から勢いよく駆けてくるカースを指さした。

『ガウウウウウ!ガウガウ!!』

『ウガアアアアアア!!』

加奈「わ!?本当に来てる!」

獣型のそれらは、まるで全員の気が逸れた瞬間を待っていたかのように全速力でこちらに突っ込んできていた。

数が少ないと思っていたのは、身を隠していたカースを見つけられなかったからだったようだ。

黒兎(こちらの不意を突いタ攻撃とはナ、だがしかし!)

仁加「ムダなの!」

黒兎(無駄無駄ァ!!)

仁加の手から放たれた黒兎がその身を巨大化させ、突進してきた二体を壁に叩き付ける。

『ガウウウウ…!』

『ウガ、ウガ…!』

黒兎(ドヤァ…さて、持ッたいないけド、粉砕!)

仁加「玉砕!」

パキッと核が砕け、奇襲をしてきた獣型カースは消滅した。

美波「…い、今のは…」

ラウネ「にんぎょうそうさ、にしてはなんかすごかったですね」

美波「すごかったで片づけちゃダメだと思うんだけど…」

980: 2015/04/03(金) 23:44:01.42 ID:c+C6lj+M0
仁加「ちょっとびっくりしたけどちゃんと撃破できたの!こずえちゃんも教えてくれたしー…」

こずえ「…にかー?それ…へんなのぉー…」

仁加「?」

こずえ「……へんなのぉー…」

仁加「…?黒ちゃんがヘンなの?」

こずえ「…やー、なのぉ…」

仁加「こずえちゃんの言葉がわかんないの…」

美波「こずえちゃんも、いきなりぬいぐるみが大きくなったから驚いちゃったのかな?」

こずえ「…おどろいてないのぉー……おんなじなのぉー…」

仁加「あっ……」

仁加(そういうことかぁ…)

黒兎(OK、察シた)

加奈「どういうこと…?って聞いてもダメだよね…」

加蓮「なんていうか、こずえちゃんって独特の空気があるよね…」

981: 2015/04/03(金) 23:45:48.22 ID:c+C6lj+M0
仁加「と、とりあえず今はこずえちゃんの解読よりもシャッターなの。お喋りしてたらまたカースが突っ込んでくるかもしれないの」

美波「…お喋りしていて、少し気が抜けていたのを察して…?」

加蓮「確かに、こずえちゃんが言ってくれなかったら、気付くのに遅れて大変な事になってたかも」

こずえ「ふわぁ…?」

加奈「確かに……まさか隠れていたカースがあんな勢いで走ってくるなんて思いもしてなかったから…」

仁加「アタシ知ってるよ、隙を見つけて全力ダッシュ…ああいうのを『盗塁』っていうの」

美波「……間違ってないけど間違ってるね」

仁加「盗塁阻止でツーアウトなの」

ラウネ「あうとというより、でっどですね、つーでっど」

加奈(あっ、あのメモってこの事だったんだ…)

加蓮「次からはこういうのが無いように気を付けないと…」

982: 2015/04/03(金) 23:46:25.35 ID:c+C6lj+M0
今度は隙を見せないようにしっかりカースを警戒しつつ、目的のシャッターの所に近づいていく。

美波も念のためにルピーを武器にして装備しているが、驚いた時にうっかり撃ってしまわないように引き金から指は離している。

美波「こういう時、柱の陰とかにカースがいそうで…さっきみたいに走って来られたら…」

加蓮「怖い映画の…なんていうか、襲われる前の空気みたい…」

加奈「わかるかも…でも、今の所飛び出てくる感じはしないかなぁ…多分…」

加奈(今の所、新しいメモは生まれてない筈だしね…)

仁加「加奈お姉ちゃんがこう言う時は信用できるの、安心なの」

加奈「そう言ってくれるのは嬉しいけど…気を付けてね?」

加蓮「うん、飛び出してきても対処できるとは思うけど…こっちを伺ってるかも、ちょっと嫌な気分…」

仁加「お姉ちゃんに嫌なことする奴はアタシが倒すから!!安心して!!」

加蓮「う、うん…?よろしく…?」

ラウネ「きあいがちがいますね…これがしすこん…」

こずえ「しすこんってなぁに?」

ラウネ「しるひつようはないです」

こずえ「ふぅん…?」

983: 2015/04/03(金) 23:47:52.29 ID:c+C6lj+M0
ラウネ「そろそろですね」

加蓮「この辺りから道の端に荷物が積んであるね…」

こずえ「はこ…いっぱいあるよぉー…」

美波「ここは確か地上が近いから…中に運ぶ荷物を一時的にここに置いておいたのかも」

加奈「その荷物の一部がシャッターの邪魔になった…って感じなのかな?」

仁加「迷惑なの…」

美波「うん、この量は流石に予想外かな…」

大小さまざまな荷物がずらっと地下通路の端に並べられている。木箱からクーラーボックスや段ボール箱まで、種類も様々だ。

多くの荷物にはどこに運ぶ物なのかを示す札までついていて、それらが中に運ばれるものだと言うのはすぐにわかった。

加奈「あっ、あれが目的のシャッターかな?」

ラウネ「…お、あれですあれ。らうねがにげるときにくぐったしゃったー」

加蓮「あー…あのクーラーボックスがシャッターのジャマをしてたんだね」

クーラーボックスがシャッターの下にあることによって、数十センチの隙間が確かに生まれていた。

美波「中身にもよるけど…持ち手もあるし木箱とかよりは楽に動かせるかな?」

仁加「じゃあ、ささっと終わらせてさっさと帰るの!」

やっと帰れるからか少々浮かれつつ仁加がトテトテと近寄りクーラーボックスの持ち手に手を伸ばした。

加蓮「もう、一人じゃ無茶だよ…」

美波「それに、それを抜いたらシャッターがいきなり閉まって危ない可能性が…」

984: 2015/04/03(金) 23:48:25.00 ID:c+C6lj+M0
何気なく、美波はクーラーボックスからシャッターに視線を移した。

素人が見てもシャッターの仕組みなどわかるわけもないのだが、ただ無意識に全体を見ようとしただけだった。

美波「!」

そして、彼女の視界に入ってきたのは、天井を這う黒い不定形の…

美波「……ふっ、伏せてぇぇ!!」

加奈「は、はいっ!?」

こずえ「ふぁ…?」

加蓮「え?」

仁加「あっ」

ダンダンダンダンダンダンダンダンダンッ!!

叫んだ瞬間、引き金から離してあった指を自らの意思で引き金にかけ、そして銃弾を放った。

『ピギャ…!?』

天井からパラパラと砕けちった核が落ち、黒い泥と共に地面に落ちる前に消えていった。

こずえ「きえたのぉー…」

加奈「えっ…カース…?」

仁加「…上にくっついてたかぁ、気付かなかったの」

美波「…………や、やった…の、かな…?」

ラウネ「みごとにあてることができましたね、せいちょうです」

美波「よ…よかったぁ…」

天井に張り付いていたカースを見つけてとっさに撃ったはいいものの、反射的に撃たないという事に緊張してしまったらしく、へたり込んでしまった。

仁加「あっ、美波お姉ちゃん大丈夫なの?」

美波「……今、怖かったのを我慢してたから…。それより、シャッターに傷とかは…?」

加蓮「ちょっと弾が当たった跡は残ってるけど…壊れてないみたい。すごく丈夫なんだねこのシャッター」

美波「よかった…穴だらけになったらどうしようかと…」

仁加「助かったけど、無茶しちゃダメなの、ぷるぷるしてるの」

こずえ「ぷるぷるぅー…」

加奈「ぷ、ぷるぷるって…もう少し別の言い方もあるんじゃ…あ、立てますかっ?手を貸しますよ」

美波「あ、ありがとう…」

985: 2015/04/03(金) 23:50:00.32 ID:c+C6lj+M0
仁加「さっきは油断したの、こんどはちゃんと引っ張るの」

全員で改めて周囲を見渡し、今度こそカースがいないと判断すると、仁加が我先にとクーラーボックスに飛びついた。

加奈「…それにしても、出入り口に近いここに一匹しかいないのはやっぱりちょっと違和感を感じるような…?」

加蓮「それは私も思ったけど…もしかしたらヒーローが、カースを発生させていた何かを止めてくれたのかも」

美波「アイドルヒーローが動いてたみたいだし、それが一番あり得るかな?」

仁加「ぬぎぎぎぎぎ…お姉ちゃん達ぃ!!早く手伝うの!一人じゃ、むーりーなーのー!!」

加蓮「ご、ごめん!」

加奈「手伝うからね!」

美波「皆で、いっしょに…」

こずえ「がんばってぇー…」

ラウネ「ふれーふれー」

黒兎(仁加、本当はでキる癖に…あざといとイうか、役者トいうカ…こういう時も頼ッていいのに)

黒兎(そういえバ、あのシャッター閉じられたら今後モ突破無理じゃネ?…まぁいいか)

仁加「じゃあ、せーの、よいしょ!で引くの。せーのっ!」

「「「よいしょっ…!!」」」

やはり多少の重量はあったが、4人は無事にクーラーボックスをシャッターの下から引き抜く事に成功した。

そして引き抜いたのを感知したのか、ゆっくりとシャッターが降りる。今度こそ完全に封じる事が出来たようだ。

美波「よかった…これで大丈夫かな?」

仁加「人知れず平和にこーけんしたの、ホントなら学校の人がこういうのをやるべきなの」

加奈「それはそうかもだけど…言わないでおこうね」

986: 2015/04/03(金) 23:51:00.66 ID:c+C6lj+M0
こずえ「…おわったのぉー…?じゃあ…こずえ、いくねぇー…」

加奈「……こずえちゃん?」

こずえの言葉を聞いて振り返ってみれば、先ほどまでそこに居たはずのこずえの姿が無い。

加蓮「えっ?」

美波「こずえちゃん!?」

加奈「ええええっ!?き、消えたっ!?」

ラウネ「しゅんかんいどう、てれぽーとってやつですかね」

仁加「あー、びゅーんってそう言う事…」

加蓮「瞬間移動って…どこに…?」

ラウネ「さぁ…」

加奈「どどどどどどどどどうしようっ!!こずえちゃんひとりでどこかに行って危ない目にあったら…!!」

仁加「おちつくの、れれれれーせーになるの!」

ラウネ「おちつくのです、ちゃんとかんがえるのです」

加奈「で、でも…」

ラウネ「どうしてこうなったとか、こころあたりないのですか?」

加奈「ふぇ?」

美波「そういえば、こずえちゃんは『終わったの?』って言ってたよね」

仁加「何が終わったんだ…って感じなの」

加奈「………あっ、私『シャッターを閉め終わるまでは付いてきてくれるかな』って…」

加蓮「…まさか、その言葉の通り『シャッター閉め終わるまで』付いてきてくれたって事?」

仁加「じゃあ案外あっさりお母さんたちの所に帰ったかも、きっとすごい天然さんなの」

加奈「それなら…いいんだけど…」

987: 2015/04/03(金) 23:51:34.25 ID:c+C6lj+M0
加蓮「こずえちゃんの事で不安になるのは分かるけど…とりあえず、校舎に戻る?」

加奈「うん…」

仁加「大丈夫、こずえちゃんもバカじゃないの、テレポートできるならカースからも逃げられるって。ネイティブは駄目なの」

加奈「だ、だからそれはネガティブだって!」

美波「でも、仁加ちゃんの言う通りなんじゃないかな?結構マイペースというか…不思議な子だったけど、カースとかはしっかり見ていたよね」

加奈「……それはそう…かも」

美波「心配する気持ちはわかるけど…そろそろ今日の学園祭も終わる時間だし、校舎内に残っていたら職員の人が何とかしてくれると思う」

加蓮「カースだけは気掛かりだけど…さっき仁加ちゃんが言った通り、逃げる事ならできると思うし…」

美波(あ、もしかしたら迷子になってたりは…だ、大丈夫だよね…)

仁加「案外またひょっこり会えるかもなの、縁って奴なの」

加奈「……うん! また会えるよね、きっと…そう考える事にする!」

988: 2015/04/03(金) 23:52:09.60 ID:c+C6lj+M0
先程の道を通り階段を上って教習棟に戻ってくると、窓の外には夕焼けが見え、殆ど人気の無かった廊下には普通に人々が歩いていた。

美波「…もう、大丈夫なのかな?」

加奈「本当に事態が落ち着いてきたみたい…?」

今の状況を把握しようとしていると、階段の近くでキョロキョロしているのが目についたのか廊下を歩いていた婦警がこちらへ近づいてきた。

早苗「貴女達……あら、加蓮ちゃんに美波ちゃんじゃない」

加蓮「…あ、早苗さん!」

美波「早苗さん…」

仁加「お姉ちゃん達、知り合い?」

加蓮「うん、近所の人だよ」

美波「近所の人で…」

加蓮「…あれ?」

早苗「何言ってるのよ、二人とも同じ女子寮暮らしじゃない」

加蓮「ええっ!?」

美波「……そういえば、名前に聞き覚えがあるような…」

早苗「…今まで知らないで一緒にいたの?」

加蓮「さっき偶然会って…それで…」

早苗「偶然って怖いわねぇ…」

仁加「ふぅん…」

989: 2015/04/03(金) 23:53:02.51 ID:c+C6lj+M0
早苗「まぁ、仲良くなったなら良いんじゃないかしら」

美波「ところで、警察がいるのはどうして…?」

早苗「ああ、もうカースの大量発生理由の怪人を追い払って、カースも大体片付いたみたいだから、私達が校舎内の人たちを誘導してたのよ」

加奈「やっぱり、大体終わってたんだ…」

早苗「一応放送も流れたと思うんだけど…どこにいたの?」

加蓮「地下に行ってました…ちょっとシャッターが閉まってないって聞いて…」

早苗「……閉めに行っていたの?」

加蓮「…はい」

早苗「まぁ…無事に戻って来たならいいわ。シャッターが閉まってなかったっていうのは報告しておくけど…」

早苗「とりあえず、正門まで誘導するわ。貴方たち以外にも残っている人が居るかもしれないからお喋りはそこまでね」

そのまま早苗に先導され、教習棟を出て、真っ直ぐ正門へと向かう。

加奈「やっぱり、昨日よりも大変なんですか?」

早苗「まぁ…中にカースが入ってきた分、混乱も多かったみたいで…一般の能力者のおかげか、予想よりも負傷者は少ないみたいだけどね」

美波「お疲れ様です…」

早苗「…二日連続で緊急出動なんてね……これ以降なにも起きなきゃいいんだけど。帰ったら絶対とっておきの日本酒飲むわ」

美波「ほ、本当にお疲れ様です…」

そんな風に会話しているうちにあっという間に正門に到着した。

同じように警官に誘導されてきた人たちが、端の方で携帯で連絡を取っているのだろう姿や、疲れ切って座り込んでいるのが見える。

警官「片桐先輩、お疲れ様です!」

早苗「ありがと、私は教習棟のまだ見て無い所を確認してくるわ」

警官「はいっ、わかりました!」

早苗「というわけで、私はあそこに戻るから。貴方たちは用が無いなら寄り道しないでさっさと帰っちゃいなさいよー」

加蓮「あ、はーい…」

そう言うと、早苗は教習棟の方に戻って行った。

990: 2015/04/03(金) 23:53:45.96 ID:c+C6lj+M0
仁加「…えっと、帰るの?」

加蓮「そうだね、もう終わりみたいだし…あ、私は美波さんと一緒に帰るのかな」

美波「うん、まさか同じところで暮らしてるなんて思ってなかったけど……あ、ラウネちゃんは…」

ラウネ「とりあえずついていきます」

加奈「あ、そっちの方向なら私も途中まで一緒に行けますねっ」

仁加「………」

加蓮「仁加ちゃん?」

仁加「…アタシは別の方に帰るから…ここでバイバイなの」

加奈(…あれ、一緒に住んでないんだ…?)

加蓮「あっちって…どこかな?」

仁加「クラリスお姉ちゃんの教会だよ」

美波「教会…?この近くの教会って……確かちょっと遠いよね」

加奈「ちょっと暗くなってきたし…一人じゃ危ないよ?」

仁加「心配しなくても帰れるの、お姉ちゃん達とバイバイなの」

加蓮「時間も時間だし…教会まで送るよ?…あ、ゴメンね、遠いみたいだし二人は先に帰ってていいから…」

美波「それなら、私達も一緒に…」

仁加「だ、大丈夫だから!アタシは一人で…」

加蓮「だーめ。……仁加ちゃん、ちょっと遠慮しちゃってるみたい。二人は気にしないで、私に任せて」

仁加「でも、でも……」

加奈「……そういう事なら…」

美波「…うん、仁加ちゃんのお姉ちゃんは加蓮ちゃんだもんね」

加蓮「ありがと。じゃあ二人とも、またいつか会おうね」

991: 2015/04/03(金) 23:54:32.14 ID:c+C6lj+M0
二人と正反対の方へ歩き出すと、仁加が小さな声でボソリとぼやいた。

仁加「…友達と帰ればよかったのに。一緒に帰れるところだったのに」

加蓮「一人にしないって約束したばかりでしょ、忘れちゃった?」

仁加「そうだけど……」

加蓮「私…遠慮ばかりされるの、嫌だな」

仁加「!」

加蓮「遠慮されるくらいなら…ワガママ言ってくれた方が、私は安心できるよ」

仁加「…なんで?」

加蓮「……さぁ、何でだろうね。ほら、行こう?道は仁加ちゃんが教えてね」

仁加「うん…」

加蓮は少し強引に手を繋ぐ。遠慮していた癖に、離さないようにしっかりと握り返すその手に、また愛らしさを覚えた。

992: 2015/04/03(金) 23:55:09.51 ID:c+C6lj+M0
夕暮れの道を手をつないで歩く。冷たい風が吹いて、落ち葉を舞わせる。

仁加はそんな風景に少し見とれ…はっとなって周囲に誰も居ないのを確認するように辺りを見回した後、ぽつりぽつりと言葉を漏らした。

仁加「…良い子じゃないと、嫌われると思った」

仁加「ワガママ言うと、良い子じゃないって…嫌われると思って」

仁加「……どうすればいいのか、全然わからなかった」

先程までとは全く別の雰囲気の彼女に動じずに、加蓮は真剣に答える。

加蓮「仁加ちゃん。私を大事に思ってくれるのは嬉しいけど、仁加ちゃんには自分の事も大切にしてほしいの」

仁加「…うん」

加蓮「だから、仁加ちゃんにはちょっとくらいワガママ、言ってほしいな」

仁加「…」

加蓮「私にできる事があるなら、何でもやるから…ね?」

仁加「なんでも?」

加蓮「うん」

加蓮の言葉を聞いて、少し頬を赤く染まる。

少し言葉に出すのを恥じらうようにまごまごしていたが、小さな願いが口からこぼれた。

仁加「じゃあね、あのね……ぎゅって、して…ほ、ほしい……かもしれない」

加蓮「…ふふっ、いいよ。おいで」

両腕を広げて加蓮が微笑む。

仁加「ここで!?」

加蓮「…ダメだった?」

仁加「だ、ダメじゃ、ないけど…で、でも黒ちゃんが見てるから…」

黒兎(先に帰るから好きなだけイチャコラしてなサい)

仁加(!?)

仁加「……帰っちゃった」

加蓮「えっ?」

仁加「…なんでもないの」

993: 2015/04/03(金) 23:57:04.23 ID:c+C6lj+M0
いつの間にか黒兎は手の中から抜け出していた。本当に空気に耐えられず逃げ出したらしい。

仁加「…お…お姉ちゃん…!!」

一呼吸おいて、仁加は加蓮の胸に飛び込んで思い切り抱きしめた。

ぬくもりと、柔らかな感触…今抱きしめているのが加蓮であるという感覚が、いくつもの感覚器官を通して確かなものとして感じられる。

優しく抱き返しながら頭を撫でてくれるのが嬉しくて、まるで母親に抱きしめられた赤子のような安心感を得ていた。

仁加「離れたくない…」

加蓮「…甘えん坊さんだね」

仁加「……だって、手を繋いでる時より近いの」

加蓮「そうだねー…仁加ちゃんは温かいけど…私の体、冷たくないかな?」

仁加「ううん、だいじょぶ…だいじょーぶ…」

少しずつ加蓮を抱く腕の力が抜けていく。顔を見てみれば今までのストレスから解放されたからか、腕の中で眠たそうにしていた。

加蓮「もしかして…眠い?」

仁加「……ねるの、こわい…ねて、おきたら……ぜんぶ、なかったこと、なりそう…で…」

彼女にとって、眠ることは夢の世界に呑まれる事だ。それと同時に夢の世界から解放される事でもある。

このドキドキも、嬉しい気持ちも…また悲しい気持ちの中に堕ちる切欠になりそうで怖いのだ。

仁加「いま…ゆめじゃない?……わすれない?」

加蓮「大丈夫、夢じゃないよ…それに、私は絶対忘れないよ。…忘れても絶対にまた思い出すから。……だから安心しておやすみ」

仁加「…う…ん」

昔の記憶、微かな思い出の中の母親の真似をして背中をポンポンと優しく叩いてみる。すると本当に酷い眠気だったようであっさりと眠りについた。

994: 2015/04/03(金) 23:58:17.97 ID:c+C6lj+M0
加蓮「…さて、どうしよう…抱っこしたまま運べるかな…?」

腕の中で眠りにつかせたのは良いものの、加蓮はこの先は全く考えていなかった。

加蓮「…あれ、仁加ちゃんって思ったより軽い…?…いや…軽すぎるよね、流石に…」

驚いたことに、抱いたまま余裕で立てる。羽のように軽い。

あくまで本来の肉体を持っていない、奈緒の封じられた記憶の中の姿を真似て泥で構成した存在である以上、おかしくはない事ではある。

それにしてもあまりにも軽すぎるのは、幸せすぎて負の感情より正の感情が上回ってしまっているから。

未だに心の底に根付く負の感情がなければ、カースが聖なる力で浄化されるように消えていたかもしれない。

加蓮「何でこんなに軽いんだろ…ちゃんとご飯食べてるのかな…ってそういう事じゃないか」

加蓮「とりあえず、クラリスさん…の教会に仁加ちゃんを送らなきゃね」

幸せそうに眠る少女を抱えて、加蓮は教会に向かって歩き出した。

加蓮「……あっ!?そういえば私、教会の場所知らない…ど、どうしよう…」

…少し道に迷いながらも、であるが。

995: 2015/04/03(金) 23:59:10.43 ID:c+C6lj+M0
以上です
仁加…というか奈緒はめんどくさい子。

メンバーを合流させたらハチャメチャすぎて想定より長くなり、途中で加蓮と美波が同じ場所に住んでいるのを思い出し途中から作り直しになったり…(白目)
いや、楽しかったけどね!
とりあえず2日目終了って感じかな…?
加蓮、加奈、美波、ラウネ&ルピー、早苗さん、名前だけクラリスさんをお借りしましたー

情報
・泥以外の肉体を持たない人の心を持つカース(仁加)は、負より正の感情が上回ると非常に弱体化、下手すると消滅する模様。
※仁加は心の奥底に未だ癒えない悪夢の記憶があるため、消滅はできない。また、余程幸せじゃないと弱体化も発生しない。



【次回に続く・・・】




引用: モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part11