1: 2016/09/23(金) 22:10:20.64 ID:Ndg4Uvxr.net

2: 2016/09/23(金) 22:11:26.77 ID:Ndg4Uvxr.net
【Side/梨子】


 
今日の私は千歌ちゃんを引き止めない


 
千歌「ごめんね…今日も用事があるから…」

そう言って千歌ちゃんはそそくさと一人で部室を出て行く
いつもなら色々と問い詰めて、結局はぐらかされて…ってなるんだけど…

4: 2016/09/23(金) 22:12:07.31 ID:Ndg4Uvxr.net
 
件名:今日の放課後

重要な話があるから部室に残っていて欲しいズラ


 
花丸ちゃんからこんなメールが届いてね…
どうやら、この二人と善子ちゃんを除く6人で話し合いたいらしい

善子ちゃんを呼ばない理由は謎だけど…

曜ちゃん?今日は水泳部の練習に行っているのでいません


 
鞠莉さんと果南さんは落ち着かない様子だ
あの二人はダイヤさんについて気にしてたんだろうな…と、何となく察する…

千歌ちゃんとダイヤさんっていう、グループのツートップが不在なんですもの…

6: 2016/09/23(金) 22:14:48.52 ID:Ndg4Uvxr.net
花丸「さぁ…もう大丈夫ズラね…」


 
花丸ちゃんは辺りを見回す


 
花丸「今日、わざわざみんなをなぜ集めたか、と言うと…」

花丸ちゃんはそう言うと1つため息をつき、ルビィちゃんのスマホを取り上げる
隣にいるルビィちゃんはずっと黙ってそれを見ている

7: 2016/09/23(金) 22:15:32.51 ID:Ndg4Uvxr.net
花丸「あぁ…みんな大体気付いているズラか…?
   今日話したい事は…そう、ダイヤさんと千歌ちゃんの事ズラ」

花丸「まず伝えたいのは、千歌ちゃんは一昨日ダイヤさんの家に泊まった
   ね?ルビィちゃん」

ルビィ「…」コクン

9: 2016/09/23(金) 22:17:14.73 ID:Ndg4Uvxr.net
へぇ、一昨日は千歌ちゃんの部屋に灯りが点いていなかったと思ったら
ダイヤさんの家にお泊りしてたんだ

一言伝えてくれれば良かったのに



 
花丸「その事を念頭に…まぁ口で説明する前に…これを聞くのが一番手っ取り早いズラ」スッスッ

そう言うとスマホを操作し、みんなの方へと向ける

すると…

11: 2016/09/23(金) 22:22:28.72 ID:Ndg4Uvxr.net
 
『やぁ…ん…♥』

『千歌さんの乳首、すごく固くなってますわよ?』

『ぁ…えOち…///♥』

『千歌さんこそ…♥』



 

12: 2016/09/23(金) 22:23:56.10 ID:Ndg4Uvxr.net
 


 
え…千歌ちゃん?と、ダイヤ…さん…だよね…?


二人の情事らしき音声に、頭が混乱して声が出ない
ただ棒立ちして耳を傾ける事だけしかできなかった…
私も…みんなも…


しばし沈黙状態が続く

13: 2016/09/23(金) 22:25:16.07 ID:Ndg4Uvxr.net
 
果南「何これ…ダイヤ?…と千歌?」


口火を切ったのは果南さんだ、冷静な声

花丸ちゃんはその声につられるように、スマホを操作し再生を止める


花丸「そうズラ…一昨日ルビィちゃんが録音してくれたズラ」スッスッ

果南「どうして録音したの?」

花丸「そりゃあ…ルビィちゃんは二人の行いに我慢できなかったに決まってるズラ」

果南「へぇ…」


そして果南さんは渋い顔で手を鼻の下にやり、何やら思案しだした

15: 2016/09/23(金) 22:34:39.51 ID:Ndg4Uvxr.net
鞠莉「ん~~~~~~~~~~~~~…」


 
鞠莉さんはずっとこうだ…目をじっと閉じて腕を組み
そういえば、お母さんが大好きな昔のドラマのマザコン男がこんな声を発してたっけ

鞠莉「I KNEW IT!!!」

そして急に目を見開いたと思ったら満面の笑みで叫ぶ


 
鞠莉「や~~っぱりっ!あの時の感覚は正しかった!!!」キラッ


 
なぜか目がキラキラしているな…合宿の時付けていたアイマスク並に…
なんか変な事思いついたんじゃないかと、ちょっぴり不安…

17: 2016/09/23(金) 22:40:17.03 ID:Ndg4Uvxr.net
果南「あの時って?」

鞠莉「ほらぁ、昨日、ルビィちゃん達とお話した時にぃ…ルビィちゃん、なんか引っかかる所があって…BINGO…!」

鞠莉「正解は…ダイヤとちかっちのラブラブ!そんなの、言えるわけないよね~…」ウンウン

果南「そうズバズバと言うもんかい…」

花丸「そんな事を大声で再確認しないで欲しいズラ!だって…ルビィちゃん…」

花丸ちゃんは鞠莉さんへ怒りの矛先を向ける

19: 2016/09/23(金) 22:46:09.36 ID:Ndg4Uvxr.net
ルビィ「うぅ…」グスッ

ほら、ルビィちゃん泣き出しちゃったじゃない…あぁ可哀想…


ルビィ「うぅぅ…えぐっ…」


 
たまらず私は、鞠莉さんをキッと睨みつける

21: 2016/09/23(金) 22:57:49.78 ID:Ndg4Uvxr.net
鞠莉「ソーリールビィちゃん…ごめんなさい…」


 
鞠莉「………リコっちぃ…そんな人を頃しそうな目で睨まないでよぉ…」

梨子「…フンッ!」

助けを求めるような視線を送ってくる鞠莉さんを、私は軽くいなす

22: 2016/09/23(金) 23:05:30.42 ID:Ndg4Uvxr.net
花丸「別に謝る必要もないズラ…ルビィちゃんはこの事実に耐えられなくて涙腺が…」

花丸「ともかく!みんなに言いたいのはただ1つ、これを終わらせる事ズラ!」ビシッ


 
梨子「終わらせるって…何を?」

梨子(あまりいい予感はしないけど…)


 
花丸「決まってるズラ!ダイヤさんと千歌ちゃんのエOチで俗な関係をズラ!」

花丸「ルビィちゃんの報告によれば、あの二人は毎日毎日放課後、生徒会室で肌を重ねて…」

鞠莉「………」


 
鞠莉さんはその言葉に、考える仕草を取る


 
鞠莉「…うーん、さすがに校内でのそういう行為はちょっとね…理事長として」

24: 2016/09/23(金) 23:16:14.25 ID:Ndg4Uvxr.net
花丸「そう、不純で不潔な行為ズラ!
しかもそれだけじゃなく、ルビィちゃんを曇らせて…」


 

花丸「―――二人は!周囲を無視して二人だけの殻に篭った…結果!周りで悲しむ人にまるで気づいていない!」


 

花丸「とても残酷ズラ…酷く…酷い…残酷…」ポツリ


花丸ちゃんは静かに、そして怒りを込めて語る


 
花丸「この2人を何とかして終わらせる!正しい関係に戻す!それがオラ達が仲間としてすべき事…そうズラよ…ね?」ズラァ


最後、花丸ちゃんは同意を求めるかのように、全員に睨みをきかせる

25: 2016/09/23(金) 23:28:34.89 ID:Ndg4Uvxr.net
鞠莉「そうね…!その通り!マルっち全て正しい!マルっち、私にドーンと任せて♪
BIG SHIPに乗ったつもりで!」


花丸「頼もしいズラ!鞠莉さん!」

花丸「ルビィちゃんももちろんそうだよね!?」

ルビィ「うぅ…えぐっ…グスッ…」

花丸「…ルビィちゃんは泣いてるから答えられないけど、賛成に決まってるズラ」

26: 2016/09/23(金) 23:32:43.37 ID:Ndg4Uvxr.net
果南「えぇ…でもそういうさ、恋人同士を引き裂…
鞠莉「果南も賛成だってさ!いや?良かったね~
   みんな賛同してくれて…」


花丸「おぉ!これは頼りがいがあるズラ!とても心強いズラ!」ガシッ ブンブン


花丸ちゃんは鞠莉さんの手を握ってブンブンと降る
というか、果南さん今絶対何か言いかけてたよね…無視?


 
花丸「さて、梨子さんは…あなたはどうなんズラ…?」ズイッ


 
あぁやっぱり私にも来るよね~…どうなんズラって言われても
イエスと答えるわけないじゃないの…

千歌ちゃんとダイヤさんと愛し合ってお互い幸せなのに、それを引き裂く権利は私達には無いし
そんな事したら、千歌ちゃんに一生恨まれちゃいそうだしね…

27: 2016/09/23(金) 23:40:12.76 ID:Ndg4Uvxr.net
梨子「えっと…私は…」

どうしよう…でも今の花丸ちゃん怖い…でも声を大にして反対したい…!
でも、ここでそんな事しようものならどんな事言われるか…理事長まで賛成派だし…


梨子「私、よく分からないから…考えて…いずれ答えるわ」ソソクサ

逃げるが勝ち、ね…引き伸ばしただけだけど…


 
花丸「そうズラか…まぁ、いい返事を期待しているズラよ」ズラァ


鞠莉「さて、私達も帰りましょう」

花丸「オラ達は残ります」

28: 2016/09/23(金) 23:48:49.49 ID:Ndg4Uvxr.net
花丸「ダイヤさんと千歌ちゃん、今日も絶対残っているズラ
   現場を押さえるには絶好のチャンス…!」


 
花丸「ね…ルビィちゃん!行くズラよ!」ガシッ

花丸ちゃんはルビィちゃんの肩を両手でガッシリ掴む

ルビィ「えっ…でも…」


花丸「こういう時は強引であるべきズラよ?感情をむき出しにするズラ!!」ユサユサ

さらにルビィちゃんを前後に揺さぶる


ルビィ「えぇ…」

29: 2016/09/23(金) 23:49:31.47 ID:Ndg4Uvxr.net
―――
   ―――
      ―――

私は一人、廊下を歩く
はぁ…どんな言い訳を考えれば…


 
鞠莉「リコ~っち!」ポンッ

梨子「鞠莉…さん…?」


後ろを振り向くと鞠莉さんがニコニコした顔で立っていた
何なんだろう、この人は…

30: 2016/09/23(金) 23:54:41.85 ID:Ndg4Uvxr.net
鞠莉「どうせ、今夜は言い訳を考えるために徹夜だ…とか考えてたんでしょ~」

梨子「う"っ…(図星)」

鞠莉「まぁまぁそう固くならないでよ!私もリコっちサイドの人間だから♪」

梨子「それって…?」


 
鞠莉「もっちろん!ダイヤとちかっちの恋路を応援する会のメンバーって事♪」

果南「私もね」

果南「正直、花丸ちゃんの言ってる事は1割ぐらい正しいかったけれど、9割は間違いも間違いだった」

鞠莉「あんな過激派、賛成する気もないし、見過ごす気も無いわ、理事長として」


 
梨子「鞠莉さん…果南さん…」

良かった…3年生はまともだった…

32: 2016/09/24(土) 00:08:41.17 ID:7V0VphvZ.net
果南「それにしてもどうする?花丸ちゃんとルビィちゃんと…このままだとまともな活動なんて無理無理…」

鞠莉「う~ん…それだけどぉ…果南は思い違いをしている」


梨子「思い違いって?」


鞠莉「ルビィちゃんは…明らかにマルっちに賛同していない…ていうかやらされてる」

鞠莉「大方…気の弱いルビィちゃんは…マルっちが声を荒げているのに口出しができなかったって事かしら」


 
果南「へぇ…よく見てるなぁ…」

鞠莉「理事長だから♪」


梨子「では?ルビィちゃんはこちらに引き込める、って事ですね?」

鞠莉「そ♪そして、ルビィちゃんがこっち側だと分かれば花丸ちゃんの大義名分も無くなるでしょ?これで無事解決ハッピーエンド!」

果南「そうか…さすが鞠莉」

鞠莉「でしょ?♪」

33: 2016/09/24(土) 00:15:55.67 ID:7V0VphvZ.net
本当に大義名分が無くなっただけで止まるのかしら…暴走機関車は…

そういえば曜ちゃんと善子ちゃんは…
いや、いいか…知らない方が…

こんな面倒な問題は少人数で内々にさっさと処理するに限るわね


 
鞠莉「あっ、そうそう♪さっきダイヤに『今日は生徒会室使えないから』って連絡しておいたから、念のためね」

鞠莉「マルっち、今興奮状態でしょ?
今日やろうものなら、最悪の場合…ルビィちゃん引き連れたマルっちが突撃して
大惨事になりかねないから」


 
この人は…本当、抜け目あるのか無いのやら

34: 2016/09/24(土) 00:16:19.94 ID:7V0VphvZ.net
ピロリン♪

鞠莉「あっ、ダイヤからメールが来た…」

鞠莉「『分かりましたわ』だってさ…ベリーショート♪」

ピロリン♪

梨子「あっ、私にも………千歌ちゃん?」

梨子「どれどれ…」

梨子「…『今日はダイヤさんが家に泊まるから、曲作りはできない、ゴメン!』ですって」

鞠莉「…今夜も激しそうね…二人…」

果南「梨子ちゃんはどうすんの…?」

梨子「…今日は窓を閉めて寝ます」


 
クーラー…付けて寝ようっと…

35: 2016/09/24(土) 00:20:13.52 ID:7V0VphvZ.net
―――
   ―――
      ―――

【Side/果南】


 
気づけばもう10月

あの日以来、警戒しているのか、ダイヤと千歌は生徒会室で淫行をしなくなった
だから、平和な日々が戻ってきたかのように見えるんだけどさ…

廊下からこっそり部室内を覗くと…
3年生は全員早く出ていったため、室内には1・2年だけだ


 
千歌「ごっめ~ん!今日もお先~!じゃねっ!」スタコラサッサ

善子「お疲れ様!千歌さん!」

梨子「うん、また明日!」

曜「あ…ちかちゃ…」

花丸「………」

ルビィ「ま、また明日ね!千歌ちゃん!」アセアセ

36: 2016/09/24(土) 00:24:46.11 ID:7V0VphvZ.net
あぁ…曜はまだ知らなかったんだよね 

知らせた所でいい事無しっ子だからわざわざ言わないけど
花丸ちゃんはあの日以来、千歌に極力話しかけなくなった

時々敵意の篭った視線で睨んでる事あるし…千歌は気付いてないみたいだけど


 
ガララッ


 
千歌「あっ!果南ちゃん!またね~!」

果南「うん、千歌も、また明日ね」フリフリ


 
千歌は廊下を曲がるまで手をフリフリしていた
こういう所は昔から変わらないな

37: 2016/09/24(土) 00:26:47.29 ID:7V0VphvZ.net
梨子「どうしたんですか?果南さん、とっくに帰ったんじゃ…」

果南「あぁ、私は普通に忘れ物さ、ほら、振り付けノート」パサッ


 
私は机の上に置きっぱなしだったノートを手に取る
コレが無くっちゃ考えられないもんね


 
果南「ん、じゃあ私はこれで失礼するよ、また明日」

私は踵を返してさっさとドアへと向かう


 


 
曜「ねぇ」


 

38: 2016/09/24(土) 00:34:20.18 ID:7V0VphvZ.net
曜の刺すような声が背中に突き刺さる。やめてよ…


 
曜「果南ちゃんはさ…知ってる?知らないよね、
  最近ずっと、千歌ちゃんが私達を避けてるって」


 
果南(あぁ…遂にそうきたか~…
  これだから最近は放課後は、以前にも増してさっさと出てったのに…)


 
果南「私は曜達の事情はあまり知らないよ…、それに最近はさっさと帰ってたから」

果南「今、曜が言った事は初耳だね」


果南(嘘…大嘘だよ…ここで花丸ちゃんが口を開いたりしたらもう最悪…)チラッ


 
花丸「………」ウツムキー


 
果南(良かった…頼むから、そのままの君でいてくれないか)

39: 2016/09/24(土) 00:38:04.29 ID:7V0VphvZ.net
曜「そう…!なんだ…」

果南「そーそー…(早く帰らせてくれ~!)」ハハハ


曜「ならさ!」

曜は急に大声出すもんだから私の身体はビクッと反応する


 
曜「今度果南ちゃんからさ、それとなく、千歌ちゃんに
  『曜ちゃん寂しがってる、千歌ちゃんと一緒に帰りたい』って事を伝えて欲しいの!
  今まで帰れなかった理由とかは聞かなくていいからさ!」

曜「それとなく、それとな~くだよ、私が頼んだって事が知られたら恥ずいし…」モジモジ


 
曜って…けっこー…乙女だよね 肝心な時に前を踏み出せない
そんなピュアな子が本当の理由を知ったらどうなるか…考えたくもないね

千歌達のやってる事は確かに不義理そのものだ
でもね、だからと言って花丸ちゃんサイドの人間になるつもりはサラサラないよ

私は、千歌とダイヤと味方 

それは絶対に貫くんだ

40: 2016/09/24(土) 00:40:55.89 ID:7V0VphvZ.net
果南「…分かったよ」ニコッ

果南「千歌には今度しっかり伝えておくよ…もちろんリクエスト通り『それとな~く』ね♪」

曜「ほんとっ!?」パァァァァァァァ

果南(そんな満面の笑みされると罪悪感がクるからやめてくれないかな…)」

果南「あぁほんとほんと、期待していて待ってな」アセアセ

私は目を逸らさぬよう、必氏に曜の瞳に向かって答えた
気を抜いたら絶対逸らしてただろうから…

誤魔化しついでに曜の髪をクシャクシャと撫でる
これで多少不自然だったとしても大丈夫でしょ…


私は曜の満足した顔を見届けると、すぐに部室から出ていった
あぁ…やっと出られたよ…

41: 2016/09/24(土) 00:42:49.94 ID:7V0VphvZ.net
―――
   ―――
      ―――


 
【Side/曜】


 
やっぱり果南ちゃんに相談して正解だったな…
梨子ちゃん、最近すっかり千歌ちゃん引き止めなくなったし…

こーいう時頼りになるのは、やっぱり年上の幼馴染だよね!うんっ!

千歌ちゃん、最近一緒に帰れないのは何でなのかな?アイ活について?
もしかして…私を驚かせようと、手間のかかるサプライズをずっと準備してたりして…

ふふっ…でもまぁ…私と千歌ちゃんはいつも、何だかんだで最後には笑いあってたからね…
大丈夫だと思ってるよ…うん…ヨーソロー…


善子「じゃあ曜さん帰りましょ」

善子ちゃんが私に帰るよう促す

曜「あ、そうだねよーしこー…」ガタッ

私は椅子から立ち上がる

42: 2016/09/24(土) 00:44:20.20 ID:7V0VphvZ.net
曜「それじゃあまた明日ー」

善子「リトルデーモン達よ…漆黒に飲まれぬ内に現世へと帰還しなさい…(暗くならない内に帰りなさいよ)」

梨子「うん、また明日ね」

ルビィ「さようなら!善子ちゃん!曜ちゃん!」


二人のあいさつを聞き届けて私は背を向け、ドアに向かって歩き出す


 
ガタッ ダッダッダッ

ガシッ!


 
花丸「ちょっと待つズラ」


 
ゆっくり振り向くと、花丸ちゃんが私の腕を思いっきり掴んでた

43: 2016/09/24(土) 00:47:15.74 ID:7V0VphvZ.net
花丸「善子ちゃん、申し訳ないけど曜さんをお借りするズラよ」

善子「あぁ…別に構わないけど…何?」

花丸「関係ない話ズラ、善子ちゃんには…」

善子「んんっ!?」

花丸「いいから!さっさと帰った方がいいズラ!」

善子「………分かったわよぉ…変なズラ丸」


 
曜「ちょっとちょっとぉ!何なの!?理由もなしにイキナリさぁ!」

花丸「………理由はここでは言えないズラ」

曜「はぁっ!?何さそれ!」

花丸「詳しくは、オラの家で…ルビィちゃんも来るズラ」

ルビィ「………」


 
無言で俯いているルビィちゃんを見てると…
何か脅されてるんじゃないか?っていう思いが一瞬脳を横切ったけど…

まさかぁ…それは無い無い…聖人君子の花丸ちゃんに限ってそんな…

44: 2016/09/24(土) 00:54:48.69 ID:7V0VphvZ.net
曜「そういえば、梨子ちゃんは来ないの?」

せめて自分の味方になってくれそうな人に助けを求める


 
梨子「私は行かないわよ?もう少し残って居たいし…」


 
曜「(おいおいおいおいおいおいちょぉぉぉぉっと!)」


ルビィ「あっ!!!」

曜「(おっ、ルビィちゃんどうしたのかな?)」


ルビィ「私、今日返ってきた数学の小テストの点が悪くて、宿題がドッチャリ出たんだった!」

ルビィ「だからマルちゃんの家には行けない…かな…」チラッ

ルビィちゃんは許可求めるような視線を花丸ちゃんに送る 

何なんだよこの関係…本当にもう…これ…
もっとさぁ…ルビィちゃんと花丸ちゃんの関係ってもっとこうさ…

46: 2016/09/24(土) 00:56:37.25 ID:7V0VphvZ.net
 


花丸「…分かったズラ!ルビィちゃん…数学、ファイトズラ!」ファイトダヨッ


 
花丸ちゃんは両手でファイティングポーズを作る
良かった…私の知ってる"ルビまる"だったぁ…


 
花丸「それじゃあ曜さん、さっさと行くズラ」スタコラサッサ

花丸ちゃんが早歩きになるもんだから、私は慌てて後を追う


ふと、私の頭の中に一抹の不安がよぎり、胸がざわめく
気のせい…だよね…

54: 2016/09/24(土) 20:08:24.32 ID:7V0VphvZ.net
<花丸の部屋>

 
スーッ…

花丸ちゃんが襖を閉める

 
花丸「ようやく話せるズラ…」

 
曜「何なのさ一体…バスの中とかでも話せそうなものじゃない…」

花丸「さすがにバスの中は…ありえないズラ」

曜 (なんなんだろう…恥ずかしいものなのかな…)

 
花丸「曜さんはっ!!!」

 
曜「うわぁっ!何!?」

曜 (いきなり大声出さないでよ…びっくりするなぁ…)

花丸「曜さんは…オラが以前、放課後に集まって下さいってメールした時
   水泳部があるから参加できなかったズラね…?」

56: 2016/09/24(土) 20:12:17.73 ID:7V0VphvZ.net
そんなのあったっけ…?私はスマホを取り出し確認する

あぁこれだ…9月○○日…これだ、一斉送信されてるの…
思い出した…

『あれ?なんで千歌ちゃん、善子ちゃん、ダイヤさんには送信されてないんだろ』って気になったヤツだ…


 
曜「あぁうん…思い出した思い出した…まだあの頃は暑かったからさ…バリバリ水泳してたわけだし…」

花丸「そうズラか…嗚呼…曜さんにとってはかな~り重大な問題になるだろうに…」

曜(何…?私にとってって…?)


 
花丸「オラもうっかりしていたズラ、本文に『千歌ちゃんとダイヤさんについて』とでも書いておけば
   曜さんも水泳部ほっぽらかして部室にすっ飛んで来ただろうに…本当…ウッカリ八兵衛ズラ…」

 
千歌ちゃんとダイヤさん…?何それ…!気になる…!すごく気になる…!
だけど聞いちゃいけないような胸騒ぎがする…

 
花丸「曜さんにとってはいい話と悪い話…それも恐ろ~しく悪い話、2つあるズラ…」

 
花丸「いい話と悪い話は連動しているので残念ながらいい話だけ、というわけにはいかないズラ
   とても辛い思いをすると思うから…嫌ならここで帰っていいズラよ
   ルビィちゃんのような犠牲者はもう見たくないズラ…」

57: 2016/09/24(土) 20:18:46.86 ID:7V0VphvZ.net
何…それ…?ルビィちゃんが犠牲者?じゃあ何?ルビィちゃんもとても辛い想いをしたっていうのかな?

胸騒ぎがさらに大きくなってきたよ…もう帰りたい…本当に聞いたら私はどうなるのか…
でも………ここで聞かなかったら永遠に悶々としそうだし…

え~い!女渡辺曜!何をウジウジしてるんだ!どんな辛い話でも乗り越えてみせろ!
そんなんじゃ永久に一流の船乗りになんてなれないぞ!さあ行け!ヨーソロー!

58: 2016/09/24(土) 20:19:29.64 ID:7V0VphvZ.net
曜「(パーンッ)」

私は両頬を叩いて自身を鼓舞する

曜「よ~しっ!花丸ちゃん!聞く!聞くよ!ド~ンと来いって!」ヒリヒリ

ちょっと強く叩きすぎたかな…


 
花丸「………分かったズラ、じゃあ良い話から…」

59: 2016/09/24(土) 22:11:20.45 ID:7V0VphvZ.net
花丸「良い話…それは、千歌ちゃんがなぜ最近曜さんと一緒に帰れないのか、という事…その理由が今これから分かるズラ」


 
花丸「そして悪い話………」


 
曜「っ………!」

私は息を呑んで審判の時を待つ


 
花丸「(スッ…)」

花丸ちゃんは机の上にスマホを置く。何だろう一体…


 
花丸「オラが多くを語るよりも、これを聞く方が万倍理解が早いと思うズラ…」

花丸「とても辛くなるだろうけど…気分を確かに持って聞いていて欲しいズラ」タンッ


 
と、断りを入れると、花丸ちゃんはスマホを操作し、再生ボタンを押した

60: 2016/09/24(土) 22:12:14.75 ID:7V0VphvZ.net
 
ナ ニ コ レ


 
ち か ち ゃ ん …? 

ちかちゃんなの…ねぇ


なんでダイヤさんと一緒に嬌声上げてるの…


ねぇ… そんな声出さないで… そんなに嬉しそうにしないでよぉ…

アリエナイアリエナイアリエナイアリエナイアリエナイアリエナイ

そもそもなんでダイヤさんと…?


 
ナ ン デ ダ イ ヤ さ ん と ?


 

ピッ

花丸「もう…いいズラね…」

曜「(ハァハァハァハァ)」

花丸ちゃんの声が私を現実に引き戻す 
気づけば私は肩で息をしていた

61: 2016/09/24(土) 22:16:31.61 ID:7V0VphvZ.net
曜「なんで…」

曜「何でダイヤさんとしてるのさ!!!千歌ちゃんは!!!」

私は最大の疑問を叫ぶ


花丸「それは、分からないズラ…当人達でしか知り得ない問題で…」


 
曜「そうだ!!!」


 
花丸「(ビクッ)」

曜「そうだよ…千歌ちゃんとダイヤさんなんてそこまで親しいように見えなかったのに…
  シてる相手がもし、梨子ちゃんだったら私も納得できたけど…」ブツブツ


ダイヤさんに誑かされた…?それで千歌ちゃんはズルズルと引きずり込まれて…
だよね…進んでえOちな事なんてするはずない…

だって、千歌ちゃんとダイヤさんの絡みなんて想像すらできないもん…

62: 2016/09/24(土) 22:19:15.50 ID:7V0VphvZ.net
花丸「あの~…曜さん?」


 
花丸ちゃんが恐る恐る私に話しかけてくる
あぁ…少し頭がヒートアップしてたみたい…冷やさなきゃ…


 
曜「なぁに?花丸ちゃん」

花丸「オラ達は…ダイヤさんと千歌ちゃんの関係を引き裂こうと思っているズラ
   なぜなら、曜さんやルビィちゃんみたいに悲しむ人が出るのなら
   そんな関係はいらないズラ!」

曜「ルビィちゃん…?」


 
花丸「あぁ…ルビィちゃんは、ダイヤさんが千歌ちゃんに取られて悲しんでるズラ
   そう、曜さんの様に…」


 
へぇ…でも花丸ちゃん、それは違うかもよ
ルビィちゃんのそれは姉妹愛でしょ…私の千歌ちゃんに対する想いはそんなものじゃないもの…

63: 2016/09/24(土) 22:19:40.68 ID:7V0VphvZ.net
曜「そう言えば、オラ"達"って?」

花丸「あぁ…心強い事に鞠莉さんと果南さんもオラの意見に賛同してくれたズラ!」

花丸「もちろん、ルビィちゃんもオラの味方ズラ!」ズラァ


曜(それはそれは…ん?そういえば二人足りないような…)

曜「あのさ、梨子ちゃんと善子ちゃんはどうしたの?まさかハブ?」

花丸「あぁ…梨子さんはまだ回答保留中ズラ、善子ちゃんは…別に言う必要も無いし…」


 
梨子ちゃんは保留中…か…
でもさ、もう1ヶ月近く経ってるんだから。もはや千歌ちゃんとダイヤさんの味方だよね…


 
曜「どうしたいの?花丸ちゃん達はこれからさ…」

花丸「何とかしたいのは山々ズラが…あの2人、最近はめっきりガードが固くなって 
   全く隙を見せないズラ…隙を見せたら一気に叩く…!
   今は様子見の状態ズラね、ひたすら待つ…」ハァ


 
甘いなぁ…そんなんじゃ永久に二人の天下だよ?花丸ちゃん…
隙を見せないのなら、相手の懐に飛び込んで行けばいいだけさ…

64: 2016/09/24(土) 22:20:12.48 ID:7V0VphvZ.net
曜「分かったよ…あぁ、私ももちろんこれから協力するから…
  ありがとね今日は…教えてくれて」スクッ

私は立ち上がりながらお礼を言う

花丸「いやいや…オラも伝えるのが遅くなって悪かったズラ…」

花丸「曜さんも味方になってくれた心強いズラ…」

曜「そんなに期待しないでよ~…?それじゃ、また明日ね…」

花丸「さよならズラ~」



私はある決心をして国木田家を後にした

65: 2016/09/24(土) 22:20:41.80 ID:7V0VphvZ.net
終わり
続きはまた別スレ建ててやる

66: 2016/09/24(土) 22:25:13.11 ID:yfIbajAJ.net
やべえよ…

引用: 梨子「千歌ちゃんとダイヤさん、お泊りしてたんだ…昨日…」