ｶﾞﾁｬ

にこ「ちょっと待ったー！」

花陽「わっ」

希「ありゃ、もう見つかった」

にこ「け、消しなさい！今すぐに！」

希「ほい、真姫ちゃん」ﾊﾟｽ

真姫「ヴェッ！？」ｷｬｯﾁ

にこ「真姫ちゃん、いい子だからそのスマホこっちに」

真姫「え、え、えっと……花陽ー！」ﾊﾟｽ

花陽「ぴゃあ！？わ、わ、わ」

ｶﾞﾁｬｰﾝ

希「ああー！うちのスマホー！！」

花陽「ごめんね、希ちゃん……」

希「小泉選手、痛恨のエラーやな……とほほ」

希「ひとまず逃げるで！」

花陽「うん！」

ｽﾀｺﾗﾋﾟｭｰ

真姫「ああっ、ちょっと待ちなさいよ！」

にこ「……」

真姫「あ……」

にこ「……」ｼﾞﾜｰ

にこ「よくわかったわよ……みんなにこのことが嫌いなのね」

にこ「だったら直接言えばいいじゃない……」

にこ「なにもこんな……こんなやり方……」ﾎﾞﾛﾎﾞﾛ

真姫「あ、あ……」ｵﾛｵﾛ

にこ「うわああああーん！！」




真姫（泣いてるにこちゃん可愛い）

真姫（……じゃなかった！）

真姫「ごめんなさい」

にこ「……」ｸﾞｽﾞｯ

真姫「私が希にお願いしたの、にこちゃんの健康チェックがしたいって」

真姫「ほら、私将来はお医者さんになるから」

真姫「身近なサンプルが、どうしても必要だったのよ……だから」

にこ「……わかった」ｸﾞｽｯ

にこ「もう無許可でしないでね……」ｸﾞｼｸﾞｼ

真姫「ええ、じゃあ改めて、正式に許可を」

にこ「お断りします」

その頃……

希「うっしっし……スマホはかろうじて無事やったし、うちらだけで上映会やね」

花陽「ああ、背徳感で今からゾクゾクします！」

希「真姫ちゃんは残念やったなぁ……」

花陽「このために、ご飯三合炊いちゃいました！」

希「ほな、流すよ～」

花陽「お願いします！！」

ﾅ……ﾉｿﾞﾐ!?

ｼｮﾜｧｧｧｧｧ

ｽｯｺﾞｲｺｲｲﾛﾔﾝ……ﾆｵｲﾓｺｯﾁﾏﾃﾞ……

ﾊﾞｶﾊﾞｶ!!

ｼｮﾜｧｧｧｧｧ



希「自分の録音した声って気持ち悪いなぁ」

花陽「……」ｺﾞｸﾘ

晩飯前に何書いてんだ俺は

>>20
有能有能アンド有能

希「いやー、ええもん撮れたわ」ﾂﾔﾂﾔ

希「どや、花陽ちゃん……あれ」

花陽「……」

希「なんや、ちっともご飯進んでへんよ？」

花陽「……ねえ、希ちゃん」

希「んー？」

花陽「にこちゃんのおしOこ、匂いがきつかったんだよね？それに色も……」

希「どしたん、深刻そうな顔して」

花陽「希ちゃん、あのね」



花陽「にこちゃん……もしかしたら糖尿病になりかかってるのかも」

希「！？」

花陽「聞いたことがあるの……いくら食べても太りにくい子ほど、糖尿病になりやすいって」

希「そういや、にこっちの好きなものって……お菓子やっけ」

希「……」ｱｵｻﾞﾒ

花陽「……」ﾅﾐﾀﾞﾒ

希「こら大変や……排うかれとる場合ちゃう」

花陽「私たちが、なんとかしてあげないと！」

その晩、某ファーストフード店

花陽「糖尿病の人が控えなきゃいけない食べ物、調べておいたよ」

希「油物や肉類はもちろん、お芋さんもお米も小麦もみんなダメなんか……。小豆もフルーツも……」

花陽「あとはヨーグルトに牛乳に、ケチャップもソースもコンソメも……それにもちろんお菓子も……」

希「あかん、これもう何食べたらええかわからんやん！」

花陽「お米が食べられないなんて、にこちゃんが可哀想だよぉ……」ｸﾞｽｯ

希「泣いてる場合やないよ、花陽ちゃん！」

希「にこっちはこれからもっと辛い思いせなあかんのや！」

花陽「……うん」ｸﾞｼｸﾞｼ

希「でもええ機会やね、これをきっかけにうちらも食生活見直さないと」ﾎﾟﾃﾄﾊﾞｸﾊﾞｸ

花陽「そうだね、にこちゃんのためにも頑張ろう」ﾁｰｽﾞﾊﾞｰｶﾞｰﾓｸﾞﾓｸﾞ

希「一蓮托生や、にこっち！」ｺｰﾗｺﾞｸｺﾞｸ

花陽「にこちゃん一人に、辛い思いはさせないよ！」ﾅｹﾞｯﾄﾑｼｬﾑｼｬ

翌日、教室にて……

希「昨日はごめんなぁ、にこっち」

にこ「あ、希……」

希「動画なら消しておいたよ……だからほんま堪忍な」

にこ「うん、いいの……真姫ちゃんから事情は聞いたから」

にこ「にこの健康、気遣ってくれたのよね？だからサンプルが欲しかったんでしょ？」

希「！！」

希「そ、そうなんよ！その通りなんよ！」

希（うちら全員を庇ってくれるなんて……真姫ちゃん優しいやん）ｼﾞｰﾝ

希「それでな、にこっち」

希「今日はお詫びに、うちがお弁当作ってきたんよ」

にこ「！！」

希「よかったら食べてほしいんやけど、迷惑？」

にこ「……あんたね」

にこ「そういうことは、前日にLINEで知らせておきなさいよ」

にこ「作ってきちゃったじゃない……」

希「動画の件で、にこっち怒ってると思ったんよ」

にこ「いいわ！今日はお弁当の交換しましょ！」

にこ「……あんたのお弁当、楽しみにしてるわ//」

希「！！」ｽﾞｯｷｭｰﾝ



希（かわええ////）

にこ「♪～」

絵里「今日はご機嫌ね、にこ」

にこ「希がお弁当作ってきてくれたにこ♪」

希「今日はお弁当の交換会なんよ」

絵里「ふーん、よかったわね」ﾑｽｯ

にこ「なにむくれてんのよ」

絵里「別にぃ」

希「次はえりちも誘うから、妬かない妬かない」

にこ「さーて、中身は何かしら」ﾊﾟｶｯ



にこ「」

にこ（なにこれ……キュウリやレタスの切れ端ばっかり）

にこ（ご飯もおかずもないじゃない）

にこ（にこはウサギじゃないわよ……）

希「にこっち、どしたん？」

希「もしかして、気に入らなかった？」ｳﾙｳﾙ

にこ「……い、いやーこれはヘルシーね！実に健康的だわ！うん！」

希「そっかそっか、喜んでもらえて嬉しいなぁ、うん」ｸﾞｼｸﾞｼ

絵里「希？目薬さした直後に目をこすったらｸﾞﾍｧ」

にこ「……」ﾓｼｬﾓｼｬ

希「♪～」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

希「にこっちの唐揚げおいしいなぁ。それからこのリンゴのうさちゃんも」

にこ「そう、よかったわ……」

希（はっ）

希（あかん、喜んでどうすんや！一蓮托生はどこ行ったんや！）

希（……まぁ、次から頑張ろ）



絵里「」

穂乃果「今日は穂むらの新作あげまんじゅうを持ってきたのだー！」

ことり「おいしそう♪」

凛「凛はかよちんのほっぺあげまんじゅうを食べるにゃー」ｶﾞｵｰ

花陽「ぴゃー」

にこ「私も一ついただこうかしら」

希「はは、ほへんひほっひ。うひはへふふはへへほは」

※ああ、ごめんにこっち。うちが全部食べてもた

にこ「そう……」ｼｮﾎﾞﾝ

海未「おや？私の分は？」

希「海未ちゃんに折檻された……」ｼｸｼｸ

海未「まったく……まあいいです、今日は皆さんにアクエリアスを用意してきましたよ」

ことり「漏らさないでね」

絵里「ありがたいわね。この季節は水分だけでなく、糖分や塩分も必要になるものね」

にこ「あら？にこのは？」

花陽「あーっごめんにこちゃん、間違えてにこちゃんの分まで飲んじゃったー」

にこ「えー……」

花陽「お詫びにお茶あげるね！」

にこ「うん……」ｼｮﾎﾞﾝ

にこ（はぁ……お腹すいて力出ないわ）

凛「にこちゃん元気ないにゃー」

凛「凛と一緒にラーメン食べて元気出すにゃー！！」

のぞぱな「！！！！」

にこ「そうね、今日はあんたのお気に入りのお店に案内してもらおうｋ」

希「ちょっと待ったー！」

花陽「にこちゃん、ラーメンなんてアイドルの食べ物じゃないよ！」

希「あんなギトギトでドロドロなもん、にこっちには合わんて！」

花陽「ニンニク臭い女の子なんて、アイドル失格だよぉ！」

希「特に家系ラーメンなんて、まっとうな食べ物ちゃうわ！ホウレンソウで貧相さをごまかしよって！」

凛「……かよちん、怒っていい？」

海未「まったく……どうしたのですか、今日の二人は」

絵里「私の脇腹はどつくし、凛は怒らせるし、みんなの分の差し入れ取っちゃうし……」

穂乃果「なんだか、らしくないよね」

凛「返答次第じゃ、ただじゃおかんにゃ」

花陽「うう、それは……」

希「これには事情が……でもそれを話すわけには」

にこ「ねえ、二人とも」



にこ「やっぱりにこのことが、嫌いになったの？」ｼﾞﾜｰ

のぞぱな「話します！！」

花陽「かくかくしかじか」

希「……というわけなんよ」

凛「ええ……」

絵里「うわぁ……」

穂乃果「うーん……」

ことり「にこちゃんって和式派だったんだね」

希「なんなら、今から件の動画見てみる？すごい濃い色やから」

にこ「ちょ、消したって言ったじゃない！希の嘘つき！バカバカー！！」ﾎﾟｶﾎﾟｶ

海未「……希、それに花陽」




海未「感心しました！あなた達は最高です！」

にこ「はぁ！？」

海未「友を深く思う心……そして陰から支えようとする健気な態度……」

海未「嗚呼、これこそ友情です！青春です！いい詞が書けそうです！」ｼﾞｰﾝ

絵里「海未、目を覚ましなさい」

穂乃果「穂乃果はおトイレの中でまで支えられたくないなぁ……」

海未「決めました！私もにこのために一肌脱ぎます！」

にこ「ちょっと、にこは糖尿なんかじゃないわよ！」

海未「いいえ、手遅れになる前に対策を考えるべきです！」

海未「私がにこのご家族と連携をとって、食事メニューを考えます！」

希「ならうちは、にこっちの動向を見張って、間食を防ぐ！」

花陽「わ、私は定期的ににこちゃんの尿をチェックするね！」

希「あ、ずるい！それうちもやりたい！」

にこ「誰か助けてぇー！！」


「ちょっと待っててー！！」

海未「！？」

ﾊﾞﾀｰﾝ!

真姫「誤った知識に基づいた素人療法に喝を入れる、未来のスーパードクター！」

真姫「あふれる知性、そしてこの美貌！西木野総合病院の跡取り娘・マッキー！ここに見参よ！」

ことり「ああっ！あれは下手な書き手の都合で練習を休むことを余儀なくされた真姫ちゃんだ！」

真姫「……さて、希。話は聞かせてもらったわよ。例の動画を私に見せて？」

にこ「見ないでぇー！！」

にこ「んー！んー！」←グルグル巻きで猿ぐつわをかまされたにこ

希「どうや？」

真姫「……素晴らしい動画ね。でかしたわね希……じゃなかった」

真姫「尿に泡立ちは見られない……色も正常の範囲内」


真姫「結論を言わせてもらうわ。これだけで糖尿病と診断するのは、ちょっと早計ね」

真姫「いい？尿の色が濃くなるのは、体内の水分が少ない時なのよ」

真姫「この頃暑いから、当然発汗の量も増えるでしょ？これくらい濃くなってもなんら不思議ではないわ」

花陽「じゃあ、希ちゃんが嗅いだ濃い匂いは」

真姫「水分の摂取量が少ないと、尿の匂いって濃くなるのよ」

真姫「これから夏も本番になるし、にこちゃんは水分をもっと補給しないとダメね」

海未「なるほど、ですが……」

真姫「まだ心配？それならにこちゃんにいくつか質問をしてみるわね」

にこ「……ぶはっ、ひどいじゃない、まったく！」

にこ「もう誰にも見てほしくなかったのにぃ……」ｳﾙｳﾙ

真姫「にこちゃん、この頃尿の回数は増えたかしら？」

にこ「聞かないでよ、そんなこと……」ｸﾞｽｯ

希「大事な質問なんよ、正直に答えて」

にこ「……増えてないと思うわ」

真姫「飛蚊症はある？目の周りをゴミが飛び回る症状だけど」

にこ「ないわよ」

真姫「腰痛は？手足のしびれはある？立ちくらみなんかは？」

にこ「なーい！」

真姫「よかった……実はこれ、全部糖尿病の初期症状なのよ」

真姫「この頃おしOこの回数が増えた、やたらに喉が渇く、何もしてないのに体重が落ちた……」

真姫「それは糖尿病のサインかもしれません。すぐに診断を受けましょう」

真姫「そしてエリー、にこちゃんのおしOこは水分の不足を訴えていたわ」

真姫「これからは練習の合間に、こまめに水分補給の時間を設けましょう」

絵里「気を付けるわね、ありがとう」

希「にこっち、ごめんなぁ。うちらの素人考えでつらい思いさせて」

凛「凛にも謝ってほしいんだけどにゃー」

花陽「あげまんじゅうとアクエリアス、買って返すね」

にこ「もっと大事なものを返してほしいわ……」

海未「二人ともにこのためを思ってしたのです、それはわかってくださいね」

穂乃果「よかったね、にこちゃん！」

にこ「ちっともよくないわよっ！！」

ことり「にこちゃんって全部脱がないとおしOこできない人だと思ってたのに、ちょっと残念」

にこ「うわーん！！」

にこ「ぎゃー、助けてー！！」

海未「騒々しいですね、いったい何事ですか」

希「にこっち、逃げたらあかんよ」

真姫「触診って大切なのよ。乳がんは早期発見が肝心なんだから」

花陽「しこりがないか、チェックするだけだよぉ！」

にこ「あんた達、ただワシワシしたいだけじゃないのよ！」

海未「にこ」




海未「素敵な友人を持ちましたね」ﾆｺﾘ

にこ「にこぉ～～～～～～～！！！！！！！」



おしまい

このSSのために、大急ぎで糖尿病について勉強しました。
オチの後日譚は、ちょっと不謹慎だったかな。
海老蔵さんの妻の一件もあったし。

イラスト提供してくださった方、ありがとう。
リアルタイムで絵を描いてもらうなんて初めてだから、めちゃくちゃうれしい。

面白かった
乙です