1: 2016/02/15(月) 19:59:44.47 ID:bFw4B1/D.net
第1話「秘密の約束」

タタタタッ 

子供「はぁ…はぁ」

子供「あっ」コケッ ドタッ

??「グォォォ」

子供「あ…あっ」ウルウル

エイリアン「グワァァァァ!」

子供「きゃあー!!」

真姫「そこまでよ」

エイリアン「!?」

真姫「超新星!」

バチバチバチバチ バーン

マキダー「…さ、一瞬で決着をつけてあげるわ」

エイリアン「…グァァ!」

マキダー「グランアンタレス」

マキダー「ハァアア!」バキィ

エイリアン「ギャアアア」ドカーン

ギュイン

真姫「ふぅ……」

子供「……」

真姫「気を失ってる…よっぽど怖かったのね」

真姫(私は改造人間マキダー。正体を隠しながら、地球を狙うエイリアンと人知れず戦って
いる……)

ことり「すごーい!すごかったよ真姫ちゃん!」パチパチ

真姫「はずだったのに……」

2: 2016/02/15(月) 20:03:46.11 ID:bFw4B1/D.net
一週間前 

絵里「はい、今日の練習はこれでおしまい」

穂乃果「ふー、疲れたー」

希「いい感じに仕上がってきたね!」

にこ「そうね、この調子で行きましょ」

海未「ラブライブまであまり時間がありませんからね」

花陽「ついに、ついにラブライブに出れるんだね…!」

にこ「まだよ、予選を勝ち抜かないと」

凛「そう…だよね。地区予選があるんだもんね」

穂乃果「大丈夫だよ!」

穂乃果「私たちならきっと勝てる…そうだよね!」

海未「はい!」

絵里「そうね!」

ことり「」ジーッ

海未「ことり、どうかしましたか?」

ことり「あっ、なんでもないよ」

穂乃果「ことりちゃん?」

真姫「……」

3: 2016/02/15(月) 20:07:46.22 ID:bFw4B1/D.net
部室

穂乃果「あれっ、海未ちゃん私のパン知らない?」

海未「知りません」

穂乃果「練習が終わった後食べようと思ったのに…誰か食べた?」

海未「誰も食べませんよ」

穂乃果「おかしいなー」ガサガサ

花陽「穂乃果ちゃんのパン、なくなっちゃったの?」

凛「これは……パン消失事件!」

希「どうやらウチたちの出番みたいやね」

凛「この事件、凛と希ちゃんの手で解決してみせるよ」

花陽「大げさじゃないかな……?」

4: 2016/02/15(月) 20:10:54.26 ID:bFw4B1/D.net
凛「希巡査、まずは被害者に確認をお願いします」

希「うむ。高坂穂乃果さん、あなた、本当にパンを持っていたんですか?もう食べてしまったんじゃないですか?」

穂乃果「ええー、食べてないよー」

希「忘れてるだけなんじゃないですか?」

穂乃果「希ちゃんひどくない!?私はそんなにボケてないよ?」

海未「いえ、穂乃果のことですからきっと……」

穂乃果「どういうこと?」

凛「希巡査!目撃者を発見しました!」

希「よくやった凛二等兵!」

真姫「二等兵って…警察じゃなかったの?」

希「それで、目撃者はどこに?」

凛「凛です!」

希「なるほど!状況を詳しく話してくれ!」

凛「凛知ってるよ、穂乃果ちゃんは練習前にもパンを食べてたって」

穂乃果「…あっ」

希「こうしてこの凶悪事件は幕を閉じた。希巡査、凛二等兵、ありがとう!また会う日ま
で!」

凛「つづく」

穂乃果「お騒がせしてすみませんでした」

6: 2016/02/15(月) 20:14:50.60 ID:bFw4B1/D.net
にこ「なんだったのアレ?」

絵里「さあ…?」

穂乃果「はぁ、お腹空いたなぁ」

花陽「穂乃果ちゃん、私のおにぎり、少し食べる?」

穂乃果「本当!?花陽ちゃん大好き!」

花陽「えへへ……」

真姫「…呆れた。食べ物のことしか頭にないの?」

穂乃果「うん!」

真姫「…まあ、それならそれでいいけど」

ことり「……」ジーッ

真姫「……やっぱり」ボソッ

7: 2016/02/15(月) 20:17:42.27 ID:bFw4B1/D.net
真姫「ことり、何か用?」

ことり「真姫ちゃん!?」

真姫「ずっと私のこと見てたでしょ?言いたいことがあるなら言って」

ことり「あ、うん。えーっと」

真姫「なに?」

ことり「真姫ちゃん、明日何か予定ある?」

真姫「明日……」

ことり「もしよかったら一緒にお買い物に行かない?」

凛「ごめんねことりちゃん、真姫ちゃんは明日、凛たちと一緒にラーメンを食べに行くんだ」

ことり「そうなんだ……」

真姫「待ってよ凛、明日はいけないって言ったでしょ」

花陽「そうだよ凛ちゃん、昨日言ってたよ?」

凛「あれ、そうだったっけ?」

真姫「そうよ、明日は大事な用事があるの」

凛「ごめんね真姫ちゃん。凛、勘違いしてたみたいで」

真姫「別にいいわよ。悪いわねことり、そういうわけなの」

ことり「うん…しょうがないよね」

真姫「また今度誘ってね」

ことり「…うん!」

穂乃果「じゃあことりちゃん、明日は私たちと遊ぼうよ!」

海未「3人で買い物に出かけませんか?」

ことり「うん!ありがとう海未ちゃん!穂乃果ちゃん!」



8: 2016/02/15(月) 20:21:18.89 ID:bFw4B1/D.net
花陽「凛ちゃん、真姫ちゃん、一緒に帰ろう?」

真姫「あっ、二人は先に帰ってて」

凛「あれ?真姫ちゃんどこ行くの?」

真姫「ちょっとピアノが弾きたくて、音楽室によってから帰るから」

凛「じゃあ凛たちも一緒に」

真姫「ごめん、ちょっと一人になりたいの」

凛「そっか」

真姫「またね、凛、花陽」

凛「うん!じゃーねー」

花陽「また明日ー」



音楽室

真姫「ふぅ…やっぱりここは落ち着くわね。座ってるだけでもなんだか癒される」

真姫「さて、そろそろピアノを弾き……」

9: 2016/02/15(月) 20:24:54.55 ID:bFw4B1/D.net
「あのねー希ちゃんが言ってたんだけどねー、世界で初めての手術は……」

「あはは……」

真姫「この声…穂乃果とことりね。もう少し小さい声で話しなさいよ、扉越しでも丸聞こえよ?」

穂乃果「そういえばことりちゃん」

ことり「なに?」

穂乃果「ことりちゃんが真姫ちゃんを誘うのって珍しいよね。なにかあったの?」

ことり「それは…ええっと……」

穂乃果「?」

ことり「私の勘違いかもしれないんだけどね、真姫ちゃん、何か悩みがあるような気がする
の」

穂乃果「悩み?」

ことり「うん、私が留学のことを穂乃果ちゃんに言えなかったときみたいに…真姫ちゃんも誰にも言えない悩みがあるような気がして。私が聞いてあげられたらいいなって思って……」

穂乃果「へえー、どうしてそう思ったの?」

ことり「それは……」

海未「穂乃果、ことり、お待たせしました」

穂乃果「海未ちゃん!弓道部の方はもういいの?」

海未「はい、少し話があっただけですから」

穂乃果「じゃあ帰ろっか!」

スタスタ

10: 2016/02/15(月) 20:27:15.90 ID:bFw4B1/D.net
真姫「誰にも言えない悩み…ね」

ピアノ「」ジャララーーン

ジャジャジャジャーン 

真姫「言えるわけ……ないじゃない」

真姫「私が改造人間だなんて……」

真姫(2年前、アメリカで事故に巻き込まれた私は大ケガをした)

真姫(本当なら氏んでもおかしくなかったようなケガだったけど……体の大部分を機械化することで何とか一命をとりとめた)

真姫(そして私は改造人間に生まれ変わったの)

真姫(ある使命を果たすためにね……)

真姫「明日は体のメンテナンスだから……。ことりが誘ってくれたのは嬉しかったけど、メンテナンスしないわけにはいかない」

真姫「ただ、メンテナンス中に奴らが現れないことを祈らなきゃね」

ガタゴト

真姫「!?」

ニャー

真姫「うぇぇ!?凛?」

ねこ「ニャー」

真姫「…もう、びっくりさないでよ」

ねこ「ニャーニャー」

真姫「……ふふっ、勝手に入ってきちゃダメよ」ナデナデ

11: 2016/02/15(月) 20:30:19.66 ID:bFw4B1/D.net
翌日

ことり「ふぁー」

海未「……」

ことり「…まだかな」

海未「……」

穂乃果「海未ちゃーん!ことりちゃーん!」タッタッタ

海未「穂乃果、やっと来ましたか」

穂乃果「セーフだよ!?あと3分もあるよ」

ことり「穂乃果ちゃん、もう待ち合わせの時間はすぎてるよ?」

穂乃果「あれー?」

海未「いいですよ。いつものことですから」

穂乃果「いやー、ごめんごめん」

海未「行きましょうか」

12: 2016/02/15(月) 20:32:38.20 ID:bFw4B1/D.net
穂乃果「それでねーにこちゃんがねー」

ことり「……」ボーッ

穂乃果「……して、私の……を……しちゃってねー」

海未「ふふっ、にこらしいですね」

穂乃果「ホントだよ!ことりちゃんもひどいと思わない?」

ことり「……」

穂乃果「ことりちゃん?」

ことり「へっ?ご、ごめんね穂乃果ちゃん」

穂乃果「もしかして…私の話聞いてなかった?」

海未「どうしました?もし体調がよくないのでしたら……」

ことり「ちっ、ちがうの!ちょっと考えごとしてただけだから」

穂乃果「考えごと?」

ことり「うん……」

海未「もしかして真姫のことですか?」

ことり「うん、大事な用事って何だったのかなーって思って」

穂乃果「うーん、親戚の集まりとかかな?」

海未「ことり、穂乃果、これ以上はやめましょう」

海未「誰だって人に知られたくない秘密ぐらいあります。余計な詮索をするものではありま
せん」

ことり「うん、そうだね……」

13: 2016/02/15(月) 20:35:20.33 ID:bFw4B1/D.net
穂乃果「海未ちゃんにも秘密があるの?」

海未「もちろんありますよ」

穂乃果「海未ちゃんの秘密ってなに?」

海未「それはですね…って、言えるわけないじゃないですか!秘密なんですから!」

穂乃果「教えてよー」

海未「ダメです!穂乃果だって言いたくないことはあるでしょう?」

穂乃果「あるけど…ことりちゃんは?」

ことり「私はないよ?」

穂乃果「一個もないの?」

ことり「うん!前はいろいろあったけど……。今は穂乃果ちゃんと海未ちゃんに話せないことなんてないよ?」

穂乃果「本当に?」

ことり「うん!私、反省したんだ。一人で悩まないで穂乃果ちゃんと海未ちゃんに相談しようって。そしたらきっと、二人とも力になってくれるからって」

海未「ことり……」

穂乃果「ことりちゃん……」

穂乃果「ねえ海未ちゃん」

海未「なんですか?」

穂乃果「今度海未ちゃんの秘密、教えてくれる?」

海未「はい……心の準備ができたら」

穂乃果「穂乃果の秘密も二人に教えてあげるね」

ことり「うん!」

穂乃果「ことりちゃんを見習って、隠し事はなしにしよう!」

ことり「あはは…見習われちゃった」

14: 2016/02/15(月) 20:38:20.93 ID:bFw4B1/D.net
ショッピングモール

穂乃果「ここで遊ぶのも久しぶりだね」

海未「3カ月ぶりぐらいでしょうか」

ことり「もうそんなに経ったんだね」

海未「最近、練習が忙かったですからね。時間がたつのが早く感じます」

穂乃果「うん……」

ことり「毎日が充実してるってことかな……」

海未「ですね」

穂乃果「ラブライブ…今度こそ絶対出場しようね!」

海未「はい!」

ことり「あっ!」

海未「ことり?」

穂乃果「どうしたの?」

15: 2016/02/15(月) 20:41:40.68 ID:bFw4B1/D.net
ことり「穂乃果ちゃんあのお店知ってる!?」

穂乃果「あれ?なんのお店?」

ことり「アクセサリーのお店だよ!すっごくかわいいペンダントとかブレスレットがある
んだ」

海未「そういえばあの看板…どこかで見たような気がします」

穂乃果「海未ちゃんも知ってるんだ!」

ことり「最近人気だからねー、昨日もテレビでやってたよ」

穂乃果「海未ちゃんもテレビで見たの?」

海未「いえテレビではなくて、ええと…どこかで見たんですが」

穂乃果「まあいいよ、行ってみよう?」

ことり「うん!」

16: 2016/02/15(月) 20:44:22.44 ID:bFw4B1/D.net


西木野病院 地下

真姫「ここに来るのも久しぶりね」

ロボット「」

真姫「メンテナンス、よろしく頼むわよ」

ロボット「」コクリ

真姫「ふぅ……」

真姫(何もないといいんだけど……)

17: 2016/02/15(月) 20:47:39.34 ID:bFw4B1/D.net


ペンダント「」キラキラ
ネックレス「」ギラギラ
ブローチ「」キラキラ

ことり「わあぁー」

穂乃果「すっごーい!ホントにきれいだねー」

ことり「そうだねー」

穂乃果「ことりちゃん、見てよこのバッグチャーム!」

ことり「すごいかわいい!ちょっと高いけど……」

穂乃果「私たちには買えないかな……」

ことり「このぬいぐるみもかわいい!」

ぬいぐるみ「」

穂乃果「おおっ!なんだか花陽ちゃんみたいだね」

ことり「花陽ちゃん?」

穂乃果「ほら、ほっぺたがぷにぷにしてるところとか」

ことり「そうかな?」

穂乃果「やわらかそうな二の腕とか」

ことり「そう言われると……」

ぬいぐるみ「」

ことり「凛ちゃんに買ってあげようかな……」

18: 2016/02/15(月) 20:50:39.17 ID:bFw4B1/D.net
海未「……」ジーッ

穂乃果「海未ちゃん?」

ことり「さっきから何見てるの?」

海未「……」ジーッ

穂乃果「願いが叶う…ペアリング?」

ことり「海未ちゃんこれが欲しいの?」

海未「いえ、欲しいわけではないんですが、なんだか気になって……」

ことり「気になるんだったら買ってみたら?セール品みたいだよ」

海未「いえ、こういうものは怪しいので」

穂乃果「怪しい?」

海未「はい、映画などでよくありませんか?願いが叶う代わりに何か大変なことが起こるとか……」

ことり「でも、そんなことあるわけないよ。ただのおまじないだよ?」

海未「ですが……」

穂乃果「ちょっと見せて」ヒョイ

穂乃果「なになに…ペアリングをつけた二人の気持ちが通じ合えば願いが叶います。だって」

海未「やはり怪しい……」

穂乃果「試してみる?私と海未ちゃんで」

ことり「二人なら通じ合っちゃうかもね!」

穂乃果「よーし、やってみよう!これください!」

19: 2016/02/15(月) 20:53:44.35 ID:bFw4B1/D.net
ことり「二人とも似合ってるよ」

穂乃果「えへへ」キラキラ

海未「……」キラキラ

穂乃果「よし、やってみようよ!」

穂乃果「海未ちゃん、私が今何考えてるかわかる?」

海未「ええっと……お腹空いた、とかですか?」

穂乃果「…うん」

ことり「当たったね」

海未「……やめましょう、こんなもので願いは叶いませんよ」

穂乃果「やっぱりそうかな?」

海未「そうですよ」

穂乃果「じゃあ海未ちゃん、ことりちゃん」

海未、ことり「?」

穂乃果「ご飯食べに行こうよ!私お腹空いちゃった!」

――

20: 2016/02/15(月) 20:56:26.55 ID:bFw4B1/D.net
ハンバーガー屋

穂乃果「」パクパク パクパク

ことり「あはは……」

穂乃果「あっ、ことりちゃんのアップルパイもおいしそうだね」

ことり「ちょっと食べる?」

穂乃果「いいの?いただきまー」

海未「穂乃果、食べすぎですよ」

穂乃果「えー、そんなに食べてないよ?」

海未「そのポテトの山は何です!」

ポテト「」ドッサリ

穂乃果「これは…ご褒美だよ」

海未「なんのご褒美ですか!」

穂乃果「うーん、昨日のテストが平均点より良かったから」

海未「またそんなこと言って!一昨日もご褒美だと言ってクレープを食べてたじゃないで
すか」

穂乃果「そうだっけ?」

ことり「まあまあ海未ちゃん」

海未「ことりは穂乃果に甘すぎます」

ことり「穂乃果ちゃんもあんまり海未ちゃんを怒らせちゃダメだよ」

穂乃果「はーい」

海未「ん?」

21: 2016/02/15(月) 20:59:25.45 ID:bFw4B1/D.net
ウワァァアアー オギャッアアア グゥウワァァー

海未「外が騒がしくありませんか?」

ことり「何かあったのかな?」

穂乃果「ねえ!なんだか様子がおかしいよ!」



街の人1「ううううーーーー」ドシンドシン

パリーン

街の人2「ごおおおおーー」ドカッ

ガッシャーン

街の人3「るあああーーー」バンバン


ことり「ひどい……」

穂乃果「……あの人たち、どうしちゃったの?」

海未「見てください!さっきのお店から火が出てます!」

アクセサリーショップ「」ボォォォ

ことり「そんな……一体どうして」

海未「とにかくここから離れましょう!」

タッタッタ

22: 2016/02/15(月) 21:02:49.25 ID:bFw4B1/D.net
ことり「はぁ、はぁ」

穂乃果「はぁ……はぁ」

海未「ここまで来れば大丈夫でしょうか」

穂乃果「でも、なにが起こってるんだろう……」

ことり「怖いよ……」ブルブル

海未「ことり、そんな顔しないでください。私がついてますから」

穂乃果「私だっているよ」

ことり「海未ちゃん、穂乃果ちゃん……」

海未「さあ、帰りま……うっ」

ことり「海未ちゃん?」

海未「……」ピクッ

穂乃果「……う……み」

ことり「穂乃果ちゃん!?」

海未「ぐわぁああー」

穂乃果「ぎゃあぁああー」

ことり「そんな……!」

23: 2016/02/15(月) 21:05:37.64 ID:bFw4B1/D.net
――

ことり「はぁ、はぁ」タタタッ

海未、穂乃果「ぐあぁああー」ドタドタ

ことり「二人とも、やめて……」

海未「ごぉぉぉ」ドタドタ

穂乃果「ぐぅぅぅ」ドタドタ

ことり「どうして…どうしてこんなことになっちゃったの?」

ことり「海未ちゃん、穂乃果ちゃん、なにがあったの?私はどうすればいいの?」

ことり「誰か……助けて」


マキダー「ふんっ」



海未、穂乃果「」ピタッ

ことり「……」

海未、穂乃果「」バタッ

マキダー「あなた、怪我はないかしら?」

タタタッ

ことり「穂乃果ちゃん、海未ちゃん……」ナデナデ

マキダー「安心して、気絶しただけよ」

ことり「よかった……」

ことり「あの、あなたは……?」

マキダー「あなた達を救いに来た、スーパーヒーローってところかしらね」

ことり「スーパーヒーロー……?」

24: 2016/02/15(月) 21:08:33.78 ID:bFw4B1/D.net
エイリアン「グォォ……」

マキダー「あら、真打登場ってわけね。意外と早かったじゃない。私に恐れをなしたのかしら」

エイリアン「グォォォォー」

マキダー「地球の言葉は分からないの?教えてあげましょうか」

ドゴォォォ

エイリアン「ギャァァァ」

マキダー「この私のレッスンが受けられるなんて運のいいエイリアンさんね」

グキッ

エイリアン「ギャァァァ」

マキダー「やっぱりやめた。あなたなんかと話している時間が無駄だから」

マキダー「プロキオンバイト……」

マキダー「ハァァ!」バキィ

エイリアン「」ドッカーン

25: 2016/02/15(月) 21:11:57.16 ID:bFw4B1/D.net
マキダー「さてと、後はこれを壊せば……」

ペアリング「」バキィ

マキダー「こんなもので人間を操ろうとするなんてね……」

ことり「……」

マキダー「ふぅー」

ことり「あの…」

マキダー「なに?私のカッコいいところを見てファンになっちゃた?」

ことり「助けてくれて、どうもありがとうございました……」

マキダー「どういたしまして」

ことり「今度お礼を……」

マキダー「お礼なんていいわ、どうせすぐ忘れるんだから」

ことり「えっ?」

ピッカー

ことり「……」

マキダー「これであなたの記憶は書き換えられる」

ギュイン

真姫「さようならことり、また明日……」



―――

26: 2016/02/15(月) 21:14:50.92 ID:bFw4B1/D.net
数分後 ハンバーガー屋

穂乃果「あれ?ここはどこ?」

海未「やっと起きましたか」

穂乃果「海未ちゃん?私、なにしてたんだっけ?」

海未「はぁ…穂乃果」

ことり「穂乃果ちゃんはね、食べ過ぎて一時間も寝ちゃってたんだよー」

穂乃果「ええっー!?」

海未「全く…おいて帰ろうかと思いましたよ」

穂乃果「海未ちゃんひどいよー!」

海未「こんなところで寝るあなたがいけないんです!」

穂乃果「うぅ…確かに」

海未「そういえば、さっきのアクセサリーショップでボヤ騒ぎがあったみたいですね」

穂乃果「へえー」

ことり「でも、大したことなかったみたいでよかったね」

海未「そうですね」

ことり「…ねえ海未ちゃん」

海未「どうかしましたか?」

ことり「……やっぱりなんでもない」

27: 2016/02/15(月) 21:17:16.84 ID:bFw4B1/D.net
――

次の日

穂乃果「それでねー、昨日ハンバーガー屋さんで寝ちゃって……」

絵里「もう、穂乃果ったら」

にこ「あんたねぇ…もっとアイドルとしての自覚を持ったらどうなの?」

穂乃果「あはは……」

希「まあ、寝る子は育つっていうしね」

穂乃果「そうそう!よく眠った方がいいんだよ、寝耳に水だよ!」

凛「それは違うんじゃないかにゃ?」

真姫「……」

ことり「真姫ちゃん、ちょっといい?」

真姫「いいわよ」

29: 2016/02/15(月) 21:20:09.13 ID:bFw4B1/D.net
真姫「ことり、どうかしたの?」

ことり「ごめんね、真姫ちゃんに聞きたいことがあって」

真姫「なによ?」

ことり「昨日は大事な用事があるって言ってたよね」

真姫「ええ」

ことり「その用事ってなに?」

真姫「悪いけど…それは言えない」

ことり「どうして?」

真姫「言いたくないことなの、誰にもね」

ことり「どうして?」

真姫「ことり、あんまりしつこいと怒るわよ」

ことり「……」

ことり「真姫ちゃん…昨日はありがとう」

真姫「いきなり何の話よ」

ことり「私を助けてくれてありがとう」

真姫「だから、何のこと?」

ことり「わかってるよ。真姫ちゃんがエイリアンを倒したヒーローだって」

真姫「っ、どうしてそれを……」

真姫(そういえばあのとき…)

30: 2016/02/15(月) 21:24:16.52 ID:bFw4B1/D.net
~~~

メンテナンス中

真姫「ぐっ」

真姫「やっぱり…奴らが!」

真姫(まだメンテナンスは終わってない…でも!)

真姫「行かなきゃ、みんなを助けに」

~~~



真姫(まさか、途中で抜け出したせいで記憶制御装置に問題があったの?)

真姫(でも、穂乃果や海未、町の人たちは昨日の事件のことなんてすっかり忘れていたし)

真姫(それに、改造人間が私だってわかるような証拠も残してないはず…)

ことり「真姫ちゃーん」

真姫「ことり……」

ことり「なぁに?」

真姫「どうして私が改造人間だってわかったの?」

ことり「それは……」

真姫「それは?」

31: 2016/02/15(月) 21:27:46.99 ID:bFw4B1/D.net
ことり「教えてあげない!」

真姫「……は?」

ことり「だってなんかおかしいんだもん。穂乃果ちゃんも海未ちゃんもなんにも憶えてなか
ったし、事件がなかったことになってるみたいだったし」

真姫「……」

ことり「真姫ちゃんのこととか怪物のこととか、詳しく教えてくれたら考えてあげてもいい
かなー」

真姫「私のことからかってるの?」

ことり「からかってなんかないよ。本当に知りたいの、真姫ちゃんのことを」

真姫「……もういい、今ここでことりの記憶を消すから」

ことり「そんなことしてもダメだよ」

真姫「いいえ、今度こそことりの記憶は消える。昨日はシステムに異常があったみたいだけ
どね」

ことり「違うの、記憶が消えても私は絶対思い出すから」

真姫「どういうことよ」

ことり「見て、このノート」

真姫「なになに……『真姫ちゃんは私を助けてくれたヒーロー』」

ことり「それを見れば昨日のことを思い出せるから」

真姫「はい、このノートは没収。今から記憶を消すわよ」

32: 2016/02/15(月) 21:31:27.71 ID:bFw4B1/D.net
ことり「そしたら背中を見るもん!」

真姫「背中?」

ことり「うん、私の背中にマジックで書いたんだ。『真姫ちゃんはヒーロー』って」

真姫「バカじゃないの?だったら背中の文字も消すわよ」

ことり「じゃあ入れ墨するもん!『真姫ちゃんは私を助けてくれた!』って」

真姫「いい加減にあきらめなさいよ!」

ことり「ことりは諦めません、真姫ちゃんが記憶を消すのを諦めてください!」

真姫「はぁ……」

ことり「えへへ」

真姫「もう…どうしてそこまでしようとするのよ」

ことり「どうしてだと思う?」

真姫「…ことりって結構まともだと思ってたのに…そうじゃなかったみたいね」

ことり「えへへ、照れるね」

真姫「褒めてないわよ……」

ことり「真姫ちゃんお願い!昨日のことを詳しく教えて!」

真姫「…もういいわ」

ことり「真姫ちゃん……」

真姫「いい?一度しか言わないからね」

33: 2016/02/15(月) 21:34:08.61 ID:bFw4B1/D.net
……


ことり「じゃあ、真姫ちゃんは改造人間マキダーで」

真姫「ええ」

ことり「地球を侵略しようとするエイリアンと戦ってて」

真姫「そうね」

ことり「エイリアンの存在を隠すために人の記憶を消してるってことなの?」

真姫「わかってくれたかしら?」

ことり「半分くらいは……」

真姫「そう、それだけわかれば十分よ」

ことり「…ねえ真姫ちゃん」

真姫「なに?」

ことり「あのエイリアンの目的は何だったのかな?たくさんの人を暴れさせて……」

真姫「さあね、侵略者の考えることなんて一々気にしてられないから」

ことり「そうなんだ……」

34: 2016/02/15(月) 21:37:29.41 ID:bFw4B1/D.net
真姫「それと、私がエイリアンと戦ってることは他の誰にも言わないように」

ことり「どうして?」

真姫「エイリアンの存在を知れば狙われることになるのよ。奴らはこの前のみたいに頭の悪いのばかりじゃない、優れた知能を持つエイリアンだっているからね。そいつらは真っ先に私を狙ってくるかもしれない。皆を危険に巻き込みたくないのよ」

ことり「うーん……」

真姫「何か不満があるの?」

ことり「だって、みんなもう巻き込まれてるんじゃないの?改造人間だってことは知らなくたって、真姫ちゃんと一緒にいるんだし……」

真姫「まあ、それはそうかもしれないけど」

ことり「だったらやっぱりみんなにも話して……」

真姫「それだけはダメ」

ことり「どうして?!」

真姫「いつか…私から話すから。だから今は……」

ことり「わかった、真姫ちゃんがそういうなら信じるよ」

真姫「このことは私とことりだけの秘密ね」

ことり「秘密……」

35: 2016/02/15(月) 21:40:11.37 ID:bFw4B1/D.net
真姫「まあ、バレたのがことりでよかったかもしれないわ」

ことり「どういうこと?」

真姫「一番隠し事がうまそうだから」

ことり「真姫ちゃん!?」

真姫「バイトとか留学とか…穂乃果や凛じゃ絶対隠し切れないしね」

ことり「褒められてるのかバカにされてるのかわからないよぉ!」



ことり(私と真姫ちゃんだけの秘密かぁ……)

ことり(穂乃果ちゃん、海未ちゃん、ごめんね。隠し事はなしにしようって言ったのに…一
日で約束を破っちゃった……)

ことり(でもね、今は少しでも真姫ちゃんの力になりたいんだ。私を助けてくれたスーパー
ヒーローさんの力に……)



つづく

37: 2016/02/15(月) 21:46:20.78 ID:bFw4B1/D.net
第2話「守りたいもの」

穂乃果「あっ、ことりちゃん!それちょっとちょうだい!」

ことり「うん!はい、どうぞ」

穂乃果「んー、おいしい!メロンの味がする!」パクパク

真姫「メロンパンにメロンは入ってないわよ?」

穂乃果「知ってるよそれくらい!」

海未「穂乃果、食べすぎですよ」

穂乃果「少しぐらいいいじゃんよー」

海未「ダメです!あなたはいつもいつもそう言って……」

にこ「また始まった……」

花陽「海未ちゃんって穂乃果ちゃんのお姉さんみたいだよね」

凛「というよりお母さん?」

海未「どういう意味ですか?」

希「まあまあ海未ちゃん」

真姫「それもこれも、穂乃果がしっかりしてないのがいけないのよ」

絵里「穂乃果って、小さな子供みたいなところがあるからね」

にこ「そうね、こんな妹がいたらと思うと……うう」

39: 2016/02/15(月) 21:49:21.38 ID:bFw4B1/D.net
穂乃果「みんなひどいよ!私にはちゃんとした妹がいるんだよ?お姉ちゃんなんだよ!」

海未「ですが、雪穂の方が穂乃果よりしっかりしています」

ことり「穂乃果ちゃんの方が妹みたいかも…」

穂乃果「そうでもないよ?雪穂は意外と抜けてるところもあるんだ」

絵里「そういえば、亜里沙もそんなこと言ってたかしら…」

穂乃果「そうだよ。だって、絵里ちゃんの話を聞きながら居眠りしたり……」

絵里「そ、その話はいいじゃない?」

穂乃果「よくないよ!まったく雪穂は失礼なんだから!絵里ちゃんがせっかくためになるお話をしてくれてたっていうのに……」

絵里「それは…私の話がつまらなかったから……」

穂乃果「そんなはずないよ!だって『あの』絵里ちゃんが『わざわざ』雪穂たち新入生のために考えた『最高』のスピーチ……」

絵里「もういいでしょ!私が悪かったから!」

花陽「絵里ちゃんも、普段はしっかり者のお姉ちゃんって感じだけど……」

にこ「結構抜けてる…というかなんというか」

希「まあ、そこが絵里ちのいいところやん?」

にこ「かもね……」

海未「ところで絵里、亜里沙は最近どうですか?」

絵里「え?あっ、頑張ってると思うわよ」

海未「そうですか」

凛「絵里ちゃんもお姉ちゃんだもんねー」

40: 2016/02/15(月) 21:52:23.57 ID:bFw4B1/D.net
ことり「いいなー妹。私も妹が欲しかったなー」

真姫「花陽、ことりの妹になってあげれば?」

花陽「ええ…急に言われても心の準備が……」

真姫「本気にしないでよ……」

穂乃果「でも、ことりちゃんと花陽ちゃんも姉妹って感じがするよね」

ことり「いえーい、まいしすたー」グッ

花陽「い、いえーい」パチン

希「うん、姉妹やね」

真姫「なにそれ…意味わかんない」

絵里「真姫は一人っ子って感じよねー」

真姫「ま、その通りだしね」

希「姉妹とかほしくないの?」

真姫「別に…」

希「もうー、素直じゃないんやからー」

真姫「別に私は…!」

41: 2016/02/15(月) 21:56:01.43 ID:bFw4B1/D.net
凛「凛も妹が欲しいーー!お姉ちゃんになりたいーー!」

にこ「あんたはどっちかというと妹っぽいわよ?」

絵里「凛はどんな妹が欲しいの?」

凛「にこちゃん!凛の妹になって!」

にこ「なんでよ!私の方が年上でしょ!」

凛「だって凛よりちっちゃいし……」

にこ「身長の問題!?」

希「納得の理由やね」

にこ「バカにしないでよ!」

凛「してないよ?」

にこ「してるわよ!いい?私はれっきとしたお姉ちゃんなの」

凛「えー?」

42: 2016/02/15(月) 21:58:29.54 ID:bFw4B1/D.net
にこ「今日だってね、妹たちのためにケーキを頼んであげたんだから」

穂乃果「ケーキ?」

にこ「そ、今日はこころの誕生日パーティーなの」

穂乃果「へー」

希「誕生日……パーティー」

にこ「ケーキぐらい私が作ってあげるって言ったんだけどね。なんでもキャラクターのケーキがいいらしくて。これなんだけど」

花陽「あっ、これ今人気の……」

にこ「そうよ、先着500個限定版。一日パソコンに張り付いた甲斐があったわね」

絵里「さすがにこね」

海未「いいお姉さんじゃないですか」

にこ「ふふ、そういうわけでそろそろ帰らせてもらうわ。かわいい妹たちが待ってるからね」

凛「ばいばーい」

穂乃果「私たちもそろそろ帰ろっか」

海未「あっ、私は弓道部によって行くので」

ことり「私もちょっと用があるんだ」

穂乃果「そうなんだ…ちょうどよかった」チラッ

凛「……」ニヤッ

ことり「?」

43: 2016/02/15(月) 22:01:39.92 ID:bFw4B1/D.net
―――

帰り道

ことり「……」テクテク

真姫「……」スタスタ

ことり「……」テクテク

真姫「なんでついてくるのよ」

ことり「だって戦いに行くんだよね?エイリアンと」

真姫「わかってるんならもう帰りなさい。危ないから」

ことり「いやだもーん」

真姫「はぁ?」

ことり「私決めたんだ、真姫ちゃんをサポートするって」

真姫「ふざけないで、本当に危ないから」

ことり「真姫ちゃんだってわかってたでしょ?」

真姫「なにがよ」

ことり「私が諦めないってこと」

真姫「そうね…あなた意外と頑固だものね」

ことり「うれしいよ真姫ちゃん。私のことをそこまでわかってくれてるんだね」

真姫「だけどついてきていいって言った覚えはないわ。ここまでよ」

ことり「まーきちゃん」

真姫「なによ?」

ことり「おねがぁい♪」

44: 2016/02/15(月) 22:04:27.17 ID:bFw4B1/D.net
真姫「……」

ことり「……」

真姫「あなた、そんなものが誰にも効くと思わないことね」

ことり「うん……」

真姫「多分海未だけよ。私には効かないわ」

ことり「うん」ショボン

真姫「わかった?私には効かないのよ」

ことり「うん?」

真姫「でも、そこまで言うなら特別に…私の戦いを見学させてあげないこともない…けど」

ことり「!」

真姫「さ、さっさと行くわよ」

ことり「うん♪」

45: 2016/02/15(月) 22:05:14.95 ID:bFw4B1/D.net
――

部室

穂乃果「これで準備万端だね」

凛「楽しみだよ……」

穂乃果「ぐふふふふ」ニヤニヤ

凛「うへへへへ」ニヤニヤ

46: 2016/02/15(月) 22:08:50.14 ID:bFw4B1/D.net
―――

「グルルルル」

真姫「はっ!」

ことり「真姫ちゃん?」

真姫「ことり、下がってて!」

ことり「え?」

真姫「来るわよ!」

シュゥウゥーー

エイリアン「グアァ」

真姫「超新星!」バチバチッ

マキダー「さあ、どっからでもかかってらっしゃい」

エイリアン「ガァ」ブン

エイリアンの爪「」ギラーン

マキダー「フッ!」

エイリアンの爪「」バキィ

マキダー「そんなの効かないわ。私を誰だと思ってるのよ」

マキダー「ハァ!」ドゴッ

マキダー「セイ!」ドドドッ

マキダー「ヤァ!」バン

47: 2016/02/15(月) 22:11:18.84 ID:bFw4B1/D.net
エイリアン「ギャァァァ」

マキダー「そろそろトドメを……」

ことり「真姫ちゃんあぶない!」

エイリアンの牙「」ピュン ピュン

マキダー「うっ…」グサッ グサッ

マキダー「うぅ…グランアンタレス」

マキダー「ハァアア!!」バキィ

エイリアン「ギャヤアア」ドカーン

ギュイン

真姫「はぁはぁ」

ことり「真姫ちゃん血が!大丈夫!」

真姫「ちょっとしくじったわね……」

48: 2016/02/15(月) 22:14:30.69 ID:bFw4B1/D.net
――――

矢澤家

にこ「こころ、ここあ、準備はできたー?」

こころ「はいお姉さま」

ここあ「できたよー」

こたろう「うぅー」

にこ「こたろう?」

こたろう「すぅすぅ」

こころ「こたろうは眠ってしまったみたいですね」

にこ「まあ、寝かせといて上げましょう」

こころ、ここあ「はーい」

にこ「サラダはここあが盛り付けてくれたし」

ここあ「えっへん!」

にこ「スープとハンバーグはもうすぐ完成」

にこ「あとはご飯が炊ければ……ってええ!?」

炊飯器「」ボォォォ

こころ「炊飯器が燃えてます!」

ここあ「たいへんだー」

にこ「ああああ!」

こころ「寿命でしょうか」

にこ「そんなこと言ってる場合じゃないわ!早く火を消さなきゃ」

49: 2016/02/15(月) 22:17:49.44 ID:bFw4B1/D.net
――――――

ギュッ

ことり「よし、これで大丈夫かな」

真姫「そうね、だいぶ楽になったわ」

ことり「でも、腕に怪我が……」

真姫「私は改造人間よ?こんなのすぐに治るわ」

ことり「痛くないの?」

真姫「まあ痛いけど」

ことり「いっつも怪我するの?」

真姫「そんなことないわよ。今回は失敗したわね」

ことり「……」

真姫「……」

ことり「ねえ真姫ちゃん」

真姫「なに?」

ことり「真姫ちゃんはどうして戦ってるの?」

真姫「どうしてって?」

ことり「改造人間だから?エイリアンと戦う力を持ってるから?」

真姫「……」

50: 2016/02/15(月) 22:20:39.28 ID:bFw4B1/D.net
ことり「平和を守るため?」

真姫「そんなんじゃないわ」

ことり「人助けのため?」

真姫「…まあそうね」

ことり「誰かを守るために真姫ちゃんが戦わなきゃいけないの?」

真姫「……」

ことり「真姫ちゃんが戦わなくたって…」

真姫「エイリアンはどうするのよ」

ことり「警察に任せるとか……」

真姫「わかってるでしょ、警察じゃ相手にならない。相手は化け物なんだから」

ことり「でも、でも…真姫ちゃんが怪我するのを見てられないよ」

真姫「だから来ない方がよかったのよ。戦いなんて見るもんじゃないわ」

ことり「……」

真姫「それに、私は嫌々戦ってるわけじゃない」

ことり「……?」

真姫「誰かのためなんかじゃない、自分のために私は戦ってるの」

ことり「自分の…ため?」

51: 2016/02/15(月) 22:23:38.85 ID:bFw4B1/D.net
「うわぁぁぁ」

真姫「ちょっと待って、何か聞こえない?」

ことり「え?」

「待ちなさい!凛、穂乃果ー!」

真姫「この声……」

ことり「海未ちゃんの声だ……」

穂乃果「ひいぃーー」

凛「にゃぁああ」

ことり「穂乃果ちゃん、凛ちゃん」

穂乃果「あぅ、ことりちゃん!?」

凛「真姫ちゃんも!?」

真姫「何してるのよ、こんなところで」

穂乃果「理由はあとで説明するから!」

凛「助けてー!」

ことり、真姫「?」

52: 2016/02/15(月) 22:26:33.12 ID:bFw4B1/D.net
「うわぁぁぁ」

真姫「ちょっと待って、何か聞こえない?」

ことり「え?」

「待ちなさい!凛、穂乃果ー!」

真姫「この声……」

ことり「海未ちゃんの声だ……」

穂乃果「ひいぃーー」

凛「にゃぁああ」

ことり「穂乃果ちゃん、凛ちゃん」

穂乃果「あぅ、ことりちゃん!?」

凛「真姫ちゃんも!?」

真姫「何してるのよ、こんなところで」

穂乃果「理由はあとで説明するから!」

凛「助けてー!」

ことり、真姫「?」

53: 2016/02/15(月) 22:29:38.94 ID:bFw4B1/D.net
海未「全くあの二人は……」

ことり「海未ちゃん?」

海未「ことり!?」

ことり「どうしたの?」

海未「あっ、いや、穂乃果と凛を見ませんでしたか?」

ことり「こっちには来てないよ」

海未「そうですか…すみません、急いでいるのでこれで」

ことり「うん、ばいばい海未ちゃん」

海未「むぅ、こちらに来たと思ったのですが……」スタスタ

ことり「……」

ことり「行ったよ」

穂乃果「はぁ、危なかったね」

凛「見つかったら凛たちの命はなかったね」

真姫「あなたたち何したのよ」

穂乃果「海未ちゃんが悪いんだよ!」

凛「そうだよ!凛たちは被害者だよ!」

真姫「だから、何があったのか聞いてるの」

穂乃果「それが……」

54: 2016/02/15(月) 22:32:17.33 ID:bFw4B1/D.net
~~~

昨日の練習後

穂乃果「あー疲れたー、勉強勉強って、海未ちゃんは厳しすぎるんだよー」ゴトッ

穂乃果「あれ、なんか踏んじゃった」

凛「うぅぅ」ぐったり

穂乃果「りっ、凛ちゃん!どうしたの!?」

凛「うみちゃっ、海未ちゃんがぁ……」ゴニョゴニョ

穂乃果「ええっ!基礎体力を鍛えるために20週も走らされた!?」

凛「うん……」

穂乃果「海未ちゃん…なんてことを」

凛「穂乃果ちゃんはどうしたの?」

穂乃果「赤点を取らないためにって、問題集を一気に100ページもやらされて……」

凛「穂乃果ちゃんもだったんだね……」

穂乃果「うん……」

凛「海未ちゃん…いや、鬼教官園田、許せないよ」

穂乃果「私も同じ気持ちだよ」

凛「高坂さん高坂さん」

穂乃果「星空さん、どうされましたの?」

凛「園田さん、最近調子に乗ってるんじゃあられませんこと?」

穂乃果「そうですわ、少しお仕置きが必要ですわね」

穂乃果、凛「おほほほほ」

55: 2016/02/15(月) 22:35:39.31 ID:bFw4B1/D.net
今日の練習後 部室

海未「久しぶりの弓道……やはりいいものでした」

海未(それにしても、昨日は少し張り切り過ぎてしまいましたね)

海未(穂乃果はいつものことですが、凛には少し厳しくし過ぎたでしょうか)

海未(いえ、あれぐらいはやってもらわなければ……)

海未「穂乃果が話があるというから部室に来たのに……遅いですね」

海未「…ん?」

海未「この本…誰かの忘れ物でしょうか」ペラッ

海未「へぇ、なかなか面白…!?」

海未「な、何ですかこの本!?破廉恥すぎます!」

海未(誰もいない部室で二人きりでキ……キス…ああっ!考えたくもありません!)

穂乃果、凛「……」ジーッ

海未「穂乃果!凛!あなたたちの仕業ですね!」

穂乃果「海未ちゃん、いいんだよ」

海未「はい?」

56: 2016/02/15(月) 22:37:39.03 ID:bFw4B1/D.net
凛「したいんだよね。その本みたいなこと……」

海未「なっ」

穂乃果「海未ちゃん」

海未「あっ……」

凛「海未ちゃん」

海未「ひっ……」

穂乃果、凛「海未ちゃん……」

海未「ああああ!!!!」バタン

穂乃果「ちょ、海未ちゃん!?」

海未「」ピクピク

凛「息してないにゃぁああ!」

穂乃果「大変だ!今すぐ人工呼吸を!」

凛「え、そんな、人工呼吸なんて///」

穂乃果「なんで凛ちゃんが恥ずかしがってるの!?」

絵里、希「……」ジーッ

凛「あっ」

絵里「二人とも…何してるの?」

希(これは…ウチも混ざりたかったなぁ)

海未「うぅ……」

~~

57: 2016/02/15(月) 22:40:33.07 ID:bFw4B1/D.net
穂乃果「ってことがあって」

凛「海未ちゃんに追いかけられてるんだ」

ことり「穂乃果ちゃんが悪いね」

真姫「凛が悪いわね」

穂乃果、凛「なんで?!」

真姫「元はと言えば原因はあなた達だし」

ことり「海未ちゃーん、二人はここだよー」

穂乃果「ことりちゃんの裏切り者ー!」

凛「真姫ちゃんなんかもう知らない!」

真姫「明日の宿題、教えてあげないわよ?」

凛「えっ?」

ことり「残念だよ、穂乃果ちゃんにはもうお菓子を作ってあげられないんだね……」

穂乃果「えっ?」

穂乃果「じょ、冗談だよね…?」

ことり「……」

凛「本気なの…?」

真姫「そうね」

穂乃果、凛「……ごめんなさい」

58: 2016/02/15(月) 22:43:44.61 ID:bFw4B1/D.net
ことり「もう、あんまり海未ちゃんを困らせちゃダメだよ」

穂乃果「はーい」

真姫「あなたもね」

凛「うん」

ことり「多分、海未ちゃんだって二人のためを思ってやってくれたんだから」

凛、穂乃果「そう言われると……」


~~~

海未『凛、よく頑張りましたね』

凛『ぜぇ…ぜぇ、海未ちゃんは疲れてないの?』

海未『はい、私は毎日走っていますから。慣れればあっという間ですよ』

海未『大切なことは日々の積み重ねです。体力を鍛えれば凛のダンスももっとよくなるはずです』



穂乃果『こんなのわからないよー!』

海未『穂乃果、ここはこの公式を使って……』

穂乃果『おぉっ!さすが海未ちゃん、わかりやすい!』

海未『穂乃果はいつもテスト前に焦るからいけないんです。しっかりと計画を立てていきましょう』

~~~

59: 2016/02/15(月) 22:46:46.67 ID:bFw4B1/D.net
ことり「まあ、海未ちゃんもやりすぎちゃったみたいだし…そのことは言っておくから……」

穂乃果「うん!ありがとうことりちゃん!」

凛「ことりちゃんは神様だにゃー!」

穂乃果「じゃあことりちゃん!明日はアップルパイが食べたいなー」

ことり「うん!とびきりおいしいアップルパイをつくってあげるね」

凛「真姫ちゃん、明日の宿題って……」

真姫「大した量じゃないし、昼休みに教えてあげるわよ」

穂乃果「ことりちゃん」

凛「真姫ちゃん」

穂乃果、凛「ありがとう!」

凛「じゃあ明日!」

穂乃果「約束だからねー!」

ことり「ばいばーい」



穂乃果「よかったー、ことりちゃんに怒られなくて」

凛「ことりちゃん?怒ったらどんな感じなの?」

穂乃果「知らない……」

凛「穂乃果ちゃん?」

穂乃果「私は何も…知らない」ビクビク

凛「なんかすごそうだにゃああ!」

60: 2016/02/15(月) 22:49:35.55 ID:bFw4B1/D.net
真姫「また明日…ね」

ことり「真姫ちゃん?」

真姫「ねえことり」

真姫「明日…学校はあると思う?」

ことり「あるよ?明日は水曜日だし」

真姫「絶対に?」

ことり「え?」

真姫「もし生徒の誰かが行方不明になったら?もし校舎がエイリアンに壊されたら?」

ことり「……」

真姫「エイリアンを野放しになんてできない。奴らのせいで私の日常を壊されたくない」

ことり「真姫ちゃん……」

真姫「好きなのよ…あなた達と過ごす時間が」

ことり「うん」

真姫「この時間を大切にしたい。もっともっとみんなと過ごしたい。だから……」

ことり「私も好きだよ、みんなと過ごすこの時間」

61: 2016/02/15(月) 22:53:09.30 ID:bFw4B1/D.net
真姫「ホント言うとね、記憶を消してるのも私の勝手なの」

ことり「どういうこと?」

真姫「確かにエイリアンの存在が世間に知られたらパニックが起こる。でもね、私が人の記憶を消してる理由はそうじゃないの」

真姫「この平和な時間を壊したくないからなの」

ことり「平和な時間……」

真姫「だれもエイリアンの存在を知らなければ、エイリアンなんていないことと一緒よ」

真姫「だから私は一人も犠牲者を出すわけにはいかない。私の勝手のために、誰かを犠牲になんてできない」

ことり「優しいんだね」

真姫「優しくなんてない、自分勝手なだけよ」

ことり「ううん、真姫ちゃんは優しくて頑張り屋さんだよ」

真姫「ことり……」

ことり「なに?」

真姫「ありがとう」

ことり「うん!」

真姫「じゃあ、行きましょうか」

ことり「行くってどこに?」

真姫「まだもう一体いるわ、さっきのエイリアンの仲間がね!」

62: 2016/02/15(月) 22:57:12.43 ID:bFw4B1/D.net
―――

矢澤家

炊飯器「」ホカホカ

にこ「いや……あのね」

こころ「すごいです!こんなにおいしいご飯は食べたことがありません!」

にこ「炊飯器の調子が悪いから助けてほしいとは言ったけどね」

炊飯器「」ホカホカ

ここあ「おかわりー」

花陽「はい、どうぞ」

ここあ「ありがとー」

にこ「なにも炊飯器を家から持ってこなくてもよかったのよ?」

花陽「ごめんね…迷惑だったかな?」

にこ「すっごくありがたいけど……」

花陽「よかった……」

63: 2016/02/15(月) 22:58:33.94 ID:bFw4B1/D.net
にこ「炊飯器を持ち運ぶ人、あんた以外に見たことないわよ」

花陽「ええ?割と一般的だと思うけど」

にこ「そんなわけないでしょ!気軽に持ち運べるサイズじゃないわよ!」

花陽「ダメかな…?」

にこ「いや、いいんだけど…。それよりホントにありがとね、助かったわ」

花陽「どういたしまして!にこちゃんの役に立ててうれしいよ」

にこ「よかったら一緒にパーティーしない?」

花陽「ええっ?せっかくの誕生日パーティーなのに私なんかがいたら…」

にこ「いいのよ、人が多い方が楽しいんだから。そうよねこころ?」

こころ「はい!花陽様、ぜひおいしいご飯の炊き方を教えてください」

にこ「ね?」

花陽「じゃあ、お言葉に甘えて……」

64: 2016/02/15(月) 23:01:46.33 ID:bFw4B1/D.net
―――

路地裏

エイリアン「グギャアア」

トラック運転手「うわぁぁああ」

真姫「待ちなさい」

エイリアン「フシュゥゥ」

ことり「運転手さん、こっちに!」

トラック運転手「あ、ああ……」

真姫「超新星」バチバチ

ブォォォン

マキダー「さあ、始めましょうか」

エイリアン「グギャアア」ブン

エイリアンの爪「」ギラーン

65: 2016/02/15(月) 23:04:41.97 ID:bFw4B1/D.net
マキダー「またそれ?芸が無いのね…」

エイリアンの爪「」ボキボキ

マキダー「セイ!」ドカッ

エイリアン「グォォォ」

エイリアンの牙「」ピシュ ピシュ

マキダー「だ・か・ら、同じことしかできないの?つまらないわね」

牙「」バラバラバラ

マキダー「この私に同じ技は通用しない、覚えておくことね」

マキダー「クリムゾンピーコック」

マキダー「ハァァアア!!」バキィ

エイリアン「ギャアアァア」ドカーン

66: 2016/02/15(月) 23:08:09.30 ID:bFw4B1/D.net


ことり「やったね真姫ちゃん!」

マキダー「ま、私の実力なら当然ね」

ことり「すごくカッコよかったよ」

マキダー「でっしょー!見てた?知性溢れる戦い方!」

ことり「あっ、うん」

マキダー「私の戦いを間近で見られるなんて、贅沢すぎて糖尿病にでもなったんじゃない
の?」

マキダー「ま、ことりにはまだ私のすばらしさの3パーセントも理解できないでしょうけどね」

ことり「…前から思ってたんだけど、真姫ちゃんって変身すると性格変わるよね」

マキダー「何か言った?」

ことり「…なんでもない。それよりこの人の記憶を消した方がいいんじゃない?」

運転手「うう……」

マキダー「大丈夫、もうやったから」

運転手「あれ、なにしてたんだっけ?」

運転手「早く配達に行かなきゃ」テクテク

67: 2016/02/15(月) 23:12:09.89 ID:bFw4B1/D.net
ことり「よかったね、運転手さんが元気で」

真姫「そうね」

ことり「真姫ちゃんが…あの人を助けたんだよね」

真姫「そうね」

ことり「あの人が助かったおかげで誰かが幸せになって、その誰かのおかげでまた別の人が幸せになって。
最終的には私たちまで幸せになって」

ことり「そんな風に…なったらいいね」

真姫「そうね」

ことり「真姫ちゃん、私の話、ちゃんと聞いてる?」

真姫「聞いてるわよ」

ことり「ホントに…?」

真姫「ホントよ」

ことり「だったら、これから神社にお参りに行かない?」

真姫「どうして?」

ことり「お願いするんだよ。『明日もみんなが幸せでありますように』…って」

真姫「いいかもね…」

68: 2016/02/15(月) 23:15:22.18 ID:bFw4B1/D.net
――

ピンポーン

運転手「お届け物でーす」

「はーい」

「ケーキかな?」

「きっとそうですよ」

「わーい、ケーキだー」



―――

海未「全くあなたたちは!」

穂乃果、凛「反省してます……」

海未「大体穂乃果はいつもそうなんです!後先考えず勝手なことをして…穂乃果はいつも穂乃果で穂乃果でして……」

凛「ねえ穂乃果ちゃん、海未ちゃんのお説教は長すぎるよ。穂乃果ちゃんの話ばっかりだし」ヒソヒソ

穂乃果「しょうがないよ、いつものことだもん」

凛「凛もう帰っていいかな」

穂乃果「ダメだよ!凛ちゃんも道連れだよ!」

凛「ええーー」

69: 2016/02/15(月) 23:17:29.61 ID:bFw4B1/D.net
――――

希「…もしもし、お母さん?」

希「えっ、来月の15日?うん、うん」

希「本当に?本当に来てくれるの?」

希「お父さん、お父さんも一緒なの?」

希「うそついたら家出しちゃうからね!」

希「べ、別にさみしくなんてなかったよ!もう高校3年生なんだから」

希「うんうん、わかった。じゃーねー……待って、まだ切らないで!」



――――

絵里「亜里沙…」

亜里沙「お姉ちゃん」

絵里「亜里沙に謝らなきゃいけないことがあるんだけど」

亜里沙「私のイヤホン、壊したでしょ?」

絵里「ごめんなさい…気づかなくて……」

70: 2016/02/15(月) 23:19:50.18 ID:bFw4B1/D.net
亜里沙「もう、気を付けてよね」

絵里「本当にごめんなさい。でもね……」

ピンポーン

絵里「あっ、来たみたい」

亜里沙「なにが?」

絵里「亜里沙のイヤホンよ。同じものを注文しておいたから」

亜里沙「えっ?」

絵里「だって、亜里沙には大事なものなんだものね」

亜里沙「……お姉ちゃん」

絵里「待ってて、今取ってくるから」

亜里沙(お姉ちゃん…ちょっとドジだけど、やっぱりカッコいいなぁ)

絵里「……」

亜里沙「お姉ちゃん?」

絵里「新聞の勧誘だったわ…」

亜里沙「…ふふっ」

71: 2016/02/15(月) 23:21:32.36 ID:bFw4B1/D.net
―――

にこ「やっとケーキが届いたわよ!」

ここあ「いえーい!」

こたろう「いえー」

花陽「い、いえーい!」

こころ「すごいです……おいしそうです」

ここあ「火!ここあがつける!」

にこ「ダメよ、危ないから」

ここあ「えー」ガックシ

にこ「もう、しょうがないわね。一緒にやりましょ」

ここあ「わーい」

ろうそく「」ボォオオ

にこ「さすがここあねー。うまくつけられてるわよー」

ここあ「うん!」

72: 2016/02/15(月) 23:23:18.84 ID:bFw4B1/D.net
にこ「さあ、電気を消すわよ」

バチッ

にこ「みんな歌って!」

「「「はーい」」」

にこ「せーのっ」

にこ「ハッピーバースデートゥーユー」

ここあ「ハッピーバースデートゥーユー」

花陽「ハッピーバースデーディア」

にこ、ここあ、花陽、こたろう「こころ」

「ハッピーバースデートゥーユー」

こころ「ふぅーー」

ジュウ

パチパチパチパチ



つづく

73: 2016/02/15(月) 23:24:10.51 ID:bFw4B1/D.net
今日はここまでにします

つづきは明日

79: 2016/02/16(火) 05:37:32.78 ID:xOfZGzzI.net
第3話 「スーパー穂乃果」



海未「……」

ことり「……」

海未「……遅い」

ことり「あの…海未ちゃん」

海未「遅すぎます!一体何をやっているんですか穂乃果は!」

ことり「でも海未ちゃん、穂乃果ちゃんが遅いのはいつものことだよ?」

海未「それはそうですが、今日は大事なライブなんですよ。こんな日に遅刻するなんて気が緩んでる証拠です!」

ことり「あはは…あんまり怒っちゃダメだよ」

穂乃果「ごめんごめーん」

海未「穂乃果ぁ!」

穂乃果「うぅ、海未ちゃん」

海未「全くあなたという人はどうしていつもいつも!何度言えばわかるんです」

穂乃果「ごめんなさい……」

80: 2016/02/16(火) 05:41:11.75 ID:xOfZGzzI.net
ことり「穂乃果ちゃん、寝坊しちゃったの?」

穂乃果「…うん、昨日眠れなくて」

海未「だから言ったじゃないですか、もう」

穂乃果「はい…反省してます」

ことり「まあまあ海未ちゃん。そろそろ出発しないと私たちまで遅れちゃうよ?」

海未「そうですね、行きましょうか」

穂乃果「ごめんね海未ちゃん」

海未「これからは気を付けてくださいね」

穂乃果「ごめん……」

海未「もういいですよ。それより今日は頑張りましょう」

穂乃果「うん!」

81: 2016/02/16(火) 05:43:37.55 ID:xOfZGzzI.net


ライブ会場

にこ「遅い!」

穂乃果「…ごめんなさい」

希「また穂乃果ちゃんが寝坊したの?」

絵里「もう、穂乃果ったら」

真姫「緊張感のない人」

にこ「あんた今日が何の日かわかってんでしょうね!」

穂乃果「も、もちろんだよ」

にこ「ホントにわかってるの?今日はラブライブ地区予選の前哨戦みたいなもんなのよ」

花陽「予選自体は3日後…だけど、その前にお客さんにアピールできるのは今日が最後だから」

にこ「今日の結果!それが私たちの運命を決めるのよ!」

穂乃果「はい、わかってます…」

82: 2016/02/16(火) 05:46:41.95 ID:xOfZGzzI.net
にこ「そんな大事な日に寝坊だなんてどういう神経してんのよ」

穂乃果「うぅー、許してー」

凛「もー、今日失敗したら穂乃果ちゃんのせいだからね」

絵里「凛、そういうことを言うもんじゃないわよ」

凛「…うん、ごめんね」

絵里「はい、この話はこれで終わり」

希「そうやね、切り替えていこっ!」

絵里「さ、早く着替えて準備しましょう」

83: 2016/02/16(火) 05:49:26.41 ID:xOfZGzzI.net
ライブ開始

穂乃果「みなさんこんにちは、μ'sです!私たちの歌、聞いてください!」



♪「さあ…夢を叶えるのは みんなの勇気」

♪「負けない こころで 明日へ駆けて行こう」

穂乃果(うん、すごくいい感じ)

♪「強い強い願い事が 僕たちを導いてくれた」

穂乃果(お客さんたちもみんな楽しそう!)

♪「次は絶対ゆずれないよ 残された時間を握りしめて」

穂乃果(最初は誰も見に来てくれなかった)

♪「ただの思い出 それだけじゃいやだよ」

穂乃果(海未ちゃんとことりちゃんと3人だけだった)

♪「精一杯 力の限り 走るんだ」

穂乃果(でも、花陽ちゃんが入ってくれて、凛ちゃんと真姫ちゃんも一緒になってくれて)

♪「Chance for me! Chance for you!」

穂乃果(にこちゃん、絵里ちゃん、希ちゃん、3人が入ってくれて)

84: 2016/02/16(火) 05:52:13.59 ID:xOfZGzzI.net
♪「さあ…夢を抱きしめたら上を向いて」

穂乃果(みんなで一生懸命練習してきた……)

♪「君の世界が 大きく変わるよ」

穂乃果(予選を勝ち抜くことは簡単じゃない…けど)

♪「さあ…夢を叶えるのはみんなの勇気」

穂乃果(この9人ならきっと大丈夫だよね)

♪「負けない こころで 明日へ駆けて行こう」

穂乃果(大丈夫…)

♪~~~~~

穂乃果(私たちならきっと……)



凛「ほ、穂乃果ちゃんどいて!」

穂乃果「えっ?」

ドンッ

ドテッ



―――

85: 2016/02/16(火) 05:55:14.04 ID:xOfZGzzI.net
ライブ後

絵里「みんな、お疲れさま」

穂乃果「……」

凛「……」

絵里「ちょっとアクシデントがあっただけで、いいライブができたと思うわ」

ことり「うん、お客さんの反応もよかったし」

真姫「まあ、今日はただのエキシビジョンだしね」

希「そうやね、むしろ今日失敗できてよかったかもしれんよ」

絵里「ええ、今日の反省を活かして明日からまた頑張りましょう」

花陽「うん…頑張ろう!」

凛「みんなごめんね、凛のせいで」

にこ「あんたのせいじゃないわよ」

凛「でも……」

穂乃果「そうだよ、私が!」

にこ「あんたのせいでもないわよ」

穂乃果「……」

86: 2016/02/16(火) 05:58:28.79 ID:xOfZGzzI.net
にこ「誰にだって失敗くらいあるわ。このスーパーアイドルにこにーだって、さっきまで靴下が裏表だったのよ」

真姫「ぷっ、バカじゃないの」

にこ「何ですって!」

希「絵里ちもこの前シャツが後ろ前だったよね」

絵里「ちょっと、希ぃ!」

凛「あはは、みんなドジだね」

花陽「凛ちゃんも人のこと言えないよぉ」

海未「さ、帰りましょうか穂乃果」

ことり「お腹空いたね、なにか食べて帰ろっか」

穂乃果「……」

海未「穂乃果?」

87: 2016/02/16(火) 06:01:21.36 ID:xOfZGzzI.net
穂乃果「どうして…」

穂乃果「どうしてみんなそんなに優しいの?」

絵里「えっ?」

穂乃果「今日のライブは失敗したんだよ?にこちゃん言ってたよね。今日のライブは大事なライブだって」

にこ「うっ、確かに言ったけど……」

穂乃果「凛ちゃんだって言ってたじゃん、今日失敗したら穂乃果ちゃんのせいだって。実際その通りだよ。私がボーッっとしてたせいで凛ちゃんの場所にかぶっちゃったんだもん。凛ちゃんはなんにも間違ってない」

凛「穂乃果ちゃん…」

穂乃果「全部…私のせいなんだよ!」

海未「…そうですね」

ことり「海未ちゃん?!」

海未「だから何ですか?今日のライブはもう終わりましたよ?」

真姫「いつまでも悩んでたってしょうがないでしょ」

希「そうやね、だからみんなで焼き肉でも行かない?」

88: 2016/02/16(火) 06:04:40.18 ID:xOfZGzzI.net
にこ「焼肉?あんたが食べたいだけなんじゃないの?」

希「あれ?バレちゃった?」

花陽「…そういえばお腹空いたなぁ」

凛「凛も焼肉食べたいかも」

絵里「決まりね、焼肉に行きましょう。私がおごるわ」

花陽「え、絵里ちゃんのおごり!?」

真姫「あの絵里が自分からおごるって言い出すなんて…」

にこ「行くしかないわね!」

希「絵里ち、ホントに9人分も払えるん?」ヒソヒソ

絵里「え……5000円くらいで足りるかしら?」

希「全然足りんよ!?」

ことり「穂乃果ちゃんも行くよね?」

穂乃果「私は…一人で帰る。ごめんね」

海未「穂乃果…」

ことり「穂乃果ちゃん…」



――

89: 2016/02/16(火) 06:06:33.39 ID:xOfZGzzI.net
帰り道

穂乃果「はぁ……」

穂乃果(みんなごめんね。迷惑かけてばっかりで)

穂乃果(私だってわかってたのに…今日が本当に大事なライブだって)

??「」ズダダダダッ

穂乃果「私なんて……私なんて」

ドンッ

穂乃果(今日はよく人にぶつかるなぁ……)

バタッ



―――

90: 2016/02/16(火) 06:09:00.24 ID:xOfZGzzI.net
翌日

穂乃果「二人ともまだかなー」ワクワク

海未「穂乃果!」

穂乃果「あっ、海未ちゃんおはよー」

海未「おはようじゃありませんよ!昨日はどうしたんですか?いくらメールしても返信がないから心配したんですよ!」

穂乃果「ごめんね、昨日はずっと寝ちゃってたんだー」

ことり「穂乃果ちゃん!」

穂乃果「ことりちゃんもおはよう」

ことり「おはよう…じゃなくて、心配したんだよ?」

穂乃果「二人とも心配し過ぎだよ」

ことり「だって…」

穂乃果「それより、今日はちゃんと時間通りに来たよ」

海未「そういえばそうですね」

穂乃果「えらいでしょ?」

海未「まあ…これが毎日続けばいいのですが」

穂乃果「甘いよ海未ちゃん、私は心を入れ替えたんだ。今の私はスーパー穂乃果なんだからね」

ことり「スーパー?」

海未「穂乃果?」

91: 2016/02/16(火) 06:12:30.07 ID:xOfZGzzI.net
授業中 

穂乃果「」カキカキ

海未(穂乃果がちゃんと授業を聞いています…心を入れ替えたというのは本当みたいですね)

先生「で、AB=2であるから余弦定理を使って…」

穂乃果「先生、そこ違いますよ」

先生「え?」

穂乃果「三角形ABDは円に内接してるからsin∠ABD=2分の1になって、そこからAB=3になることがわかるから……」 

先生「…本当だ、ありがとう」

ことり(ほ、穂乃果ちゃんが…!?)

海未(これは一体……)

92: 2016/02/16(火) 06:15:12.57 ID:xOfZGzzI.net
体育 剣道

海未「めぇええん!」バシッ

剣道部員「くっ」

フミコ「やっぱり海未ちゃんはすごいね。剣道部の人と互角だよ」

穂乃果「よーしっ」スタッ

ヒデコ「穂乃果?」

穂乃果「海未ちゃん、試合やろうよ」

海未「私とですか?手加減はできませんよ」

穂乃果「いらないよ、本気で来て!」

海未「穂乃果がそう言うなら……」

ミカ「どっちが勝つと思う?」

ヒデコ「そりゃ海未ちゃんでしょ」

ミカ「だよねー」

先生「はじめ!」

海未「めぇええん!」カッ

穂乃果「めぇええええん!」バシィィン

海未「そんな…穂乃果に……」ガクッ

ことり「海未ちゃんが…負けちゃった♪」

93: 2016/02/16(火) 06:17:32.87 ID:xOfZGzzI.net
昼休み

ことり「すごかったよー穂乃果ちゃん」モグモグ

海未「まさか剣道で穂乃果に負けるなんて……」

ことり「理科の小テストも満点だったし、勉強も運動も何でもできちゃうんだね」

穂乃果「ふふふ、だから言ったでしょ?スーパー穂乃果だって」モグモグ

穂乃果「今の私にできないことなんかないよ」

ことり「あはは……」

海未「スーパー穂乃果って何ですか、もう」

穂乃果「それより海未ちゃん、喉渇いてない?」

海未「……?そうですね、今から飲み物を買いに行こうと思っていたところです」

94: 2016/02/16(火) 06:19:44.63 ID:xOfZGzzI.net
穂乃果「よかったらこのお茶飲んでよ、はい」スッ

海未「いいんですか?」

穂乃果「うん、日ごろのお礼だからね」

海未「では…いただきます」ズーッ

穂乃果「どう?」

海未「…おいしいです。こんなにおいしいお茶は飲んだことがありません」

穂乃果「よかったー!上手くできたか不安だったんだー」

海未「このお茶、穂乃果が煎れたんですか?」

穂乃果「うん!茶葉にこだわってみたんだ!京都の宇治茶!最初は渋いんだけどだんだん甘くなってきておいしいんだよねー」

海未「すごいです…」

ことり(穂乃果ちゃん…どうしちゃったんだろう?)

95: 2016/02/16(火) 06:21:56.81 ID:xOfZGzzI.net
放課後 部室

ガチャ

にこ「さーてと、ん?穂乃果?」

穂乃果「あっ、おはようにこちゃん」フキフキ

にこ「あんた何してんの?」

穂乃果「早く来たから掃除でもしようと思って」

にこ「え、えらいわね」

穂乃果「昨日はありがとね。にこちゃんのおかげで私、元気になれたんだ」

にこ「そっ、そう、それはよかったわ」

穂乃果「本当にありがとう。私、もう絶対にこちゃんに迷惑かけないから…」

にこ「別に迷惑だなんて…」

ガチャ

希「おっはよー!」

絵里「にこ、穂乃果、昨日はお疲れさま」

希「みんなすぐ来るみたいやし、先に屋上に行こっ!」

穂乃果「うん!」

96: 2016/02/16(火) 06:24:06.32 ID:xOfZGzzI.net
練習中

絵里「それじゃあ昨日の反省を踏まえて、一曲通してやってみましょうか」

海未「そうですね」

ダダッダン!

花陽「どうだった……かな」

真姫「まあ、悪くないんじゃない?」

凛「う、うん、そうだよね」

穂乃果「ごめん、ちょっといい?」

海未「穂乃果?」

穂乃果「昨日、私と凛ちゃんがぶつかったよね」

海未「…穂乃果、そのことはもう……」

穂乃果「違うよ。あれは私が悪かったんだけど、でも、原因はそれだけじゃないと思うんだ」

ことり「どういうこと?」

穂乃果「凛ちゃん、窮屈なんじゃない?動きづらいんじゃない?」

97: 2016/02/16(火) 06:26:21.81 ID:xOfZGzzI.net
凛「えっ、えっと」

花陽「凛ちゃん、そうなの?」

凛「あのー……」

穂乃果「凛ちゃんの周りのスペースを空けてあげよう?せっかく動けるんだから、その才能を活かさなきゃもったいないよね!」

絵里「凛、できる?」

凛「うん…実は凛もそう思ってたんだけど」

真姫「早く言えばよかったじゃない」

凛「でも、今から振り付けを変えるなんて難しいし…」

絵里「難しくたってやらなきゃ」

にこ「予選を突破するためには最高のライブをしないとね」

凛「…うん!」

98: 2016/02/16(火) 06:30:05.95 ID:xOfZGzzI.net
希「穂乃果ちゃん、お手柄やね」

穂乃果「実は…希ちゃんにも言いたいことがあるんだ」ヒソヒソ

希「えっ、なになに?もしかして告白とか?」

穂乃果「足首、どうしたの」

希「どうしてそれを……」

穂乃果「見ればわかるよ、無理してるんだよね」

希「ちがっ…」

穂乃果「ありがとう」

希「え?」

穂乃果「みんなのために何も言わずに頑張ってくれて」

希「あの…穂乃果ちゃん?」

穂乃果「希ちゃんの気持ちはわかるよ。私だって、自分のせいでみんなに迷惑はかけたくない」

穂乃果「だから練習しないでなんて言わないよ。だけどケアくらいは私にやらせて?希ちゃんに何かあったら困るんだから」

希「…ねえ、あなた本当に穂乃果ちゃん?」

穂乃果「ふっふっふ、私はスーパー穂乃果なのです」

ことり「また言ってる…」

にこ「スーパー穂乃果って何なのよ?」

海未「何なんでしょうね」

99: 2016/02/16(火) 06:33:02.27 ID:xOfZGzzI.net
花陽「うぅ」

凛「かよちん、どうしたの?」

穂乃果「あっ、花陽ちゃんお腹痛いんだね。はい胃薬」

花陽「ありがとう穂乃果ちゃん」

絵里「異常に準備が良いわね」

にこ「どうしたのよ?拾ったおにぎりでも食べたの?」

真姫「花陽を何だと思ってるのよ!」

凛「かよちんはそんなに意地汚くないよ!

にこ「うっ、ごめん…」

凛「ただ古くなっちゃったお米を食べただけだよ!」

花陽「捨てるのがもったいなくて…」

にこ「ライブ前に何してんのよ!」

100: 2016/02/16(火) 06:35:31.74 ID:xOfZGzzI.net
穂乃果「花陽ちゃん、気を付けてね。私、花陽ちゃんにはいつも笑顔でいてほしいんだ。だってその方がかわいいから」

花陽「穂乃果ちゃん……//」

真姫「それにしても、穂乃果は何でもわかるのね」

穂乃果「……」

ことり「穂乃果ちゃん?」

穂乃果「ああごめんごめん。ボーっとしてて聞いてなかったよ」

凛「そういうところは相変わらずなんだね」

真姫「どうせパンのことでも考えてたんでしょ?」

穂乃果「そうそう、明日の昼ご飯はたまごパンとジャムパンのどっちにしようかなーなんて」

にこ「ま、穂乃果は穂乃果ってことね」

海未「……」



――

101: 2016/02/16(火) 06:37:04.08 ID:xOfZGzzI.net
帰り道

ことり「今日の穂乃果ちゃんはホントにすごかったよー」

海未「いつもこうだったら…いいんですかね?」

穂乃果「なんで疑問形なの!?」

海未「いえ、別に…」

穂乃果「まあ、これが私の真の力だからね」

ことり「あはは…」

穂乃果「とにかく海未ちゃん、ことりちゃん!」

海未、ことり「?」

穂乃果「今までは迷惑かけてばっかりだったけど、これからは持ちつ持たれつってことで!」

ことり「うん!」

海未「…はい」

穂乃果「じゃあまた明日!」タタタッ

ことり「じゃーねー」

海未「……」

102: 2016/02/16(火) 06:48:02.05 ID:xOfZGzzI.net
高坂家

穂乃果「ただいまー」タッタッタ

穂乃果母「穂乃果、帰ってきたら靴をそろえなさいっていつも…」

キッチリ

穂乃果母「そろってる……」

穂乃果「先にお風呂入るねー」タタッ

雪穂「お姉ちゃん、その前に洗濯物片付けて…」

ピッチリ

雪穂「片付いてる……」

穂乃果「ふんふーん♪」

雪穂「お姉ちゃん、どうしちゃったんだろう……?」

ジャァーーー

穂乃果「……」

穂乃果「…はぁ…はぁ」



―――

103: 2016/02/16(火) 06:50:20.90 ID:xOfZGzzI.net
翌朝

雪穂「お姉ちゃん朝だよー」ガチャ

雪穂「……いない?」

穂乃果母「穂乃果…何してるの?」

穂乃果「ふふふ、見ての通り、朝ごはんを作っているのです!お母さんはまだ寝てていいよ」

雪穂「お姉ちゃんが……料理してる?」

穂乃果母「でも、何で急に…」

穂乃果「まあ見てて。えいっ!」

焼き魚、おひたし、味噌汁「」キラーン

穂乃果「ふぅ…どうかな」

穂乃果母「うん、よくできてるわよ」

穂乃果「えへへ、朝ごはんはやっぱり健康的なメニューが一番だよね!」

雪穂「こんなお姉ちゃんも……ちょっといいかも」

104: 2016/02/16(火) 06:52:25.60 ID:xOfZGzzI.net
―――

穂乃果「おはよー」

海未「穂乃果、今日も早いんですね…」

穂乃果「もうー、昨日も言ったじゃん」

海未「穂乃果のことですから、すぐに元に戻ってしまうのではないかと」

穂乃果「海未ちゃんは私をバカにし過ぎ!」

海未「すみません…」

穂乃果「もう、こんなに信頼されてないとは思わなかったよ。幼馴染なのにー」

ことり「おまたせー」

穂乃果「おはようことりちゃん」

海未「では、行きましょうか」

105: 2016/02/16(火) 06:54:45.55 ID:xOfZGzzI.net
授業中

穂乃果「この長さを求めるにはまず関数を微分して……」

ことり(すごい、私には何が何だかわからないよ」

海未(これ…高校生が解けるレベルの問題ではない気が…)

先生(やっぱり…今の高坂のIQは200を超えている……)



昼休み 音楽室

ジャジャジャジャーン ジャジャジャジャーン

真姫「はぁ……」

パチパチパチパチ

106: 2016/02/16(火) 06:56:31.49 ID:xOfZGzzI.net
穂乃果「すごい、すごい、すごい、感動しちゃったよ」パチパチ

真姫「穂乃果…何のつもりよ」

穂乃果「えへへ、真姫ちゃんに会いたくて」

真姫「もう、ふざけないでよ」

穂乃果「ふざけてなんかないよ。真姫ちゃんにお願いがあるんだ」

真姫「なに…?」

穂乃果「私と一緒に曲を作ってくれない?詞を考えてみたんだけど…」スッ

真姫「……」ジーッ

真姫「へぇ…よくできてるじゃない」

穂乃果「真姫ちゃんありがとう!」ギュー

真姫「な、なんで抱き着く必要があるのよ」ドキドキ

穂乃果「…真姫ちゃんのことがちょっと気になったんだ」

穂乃果(やっぱり……)

107: 2016/02/16(火) 06:59:16.62 ID:xOfZGzzI.net
放課後 練習

ことり「じゃーん!これが明日の衣装です!」

衣装「」ギラギラキラーン

凛「おおーー!」

花陽「すごい……!」

絵里「本当にすごい、さすがことりね」

ことり「実はね、穂乃果ちゃんが手伝ってくれたんだ」

にこ「また穂乃果?」

希「穂乃果ちゃん、頑張りすぎやない?」

穂乃果「ううん!まだ足りないくらいだよ。だって、明日は絶対勝ち抜かなきゃいけないんだから」

108: 2016/02/16(火) 07:01:13.61 ID:xOfZGzzI.net
ことり「…そうだね」

真姫「勝てるわよ…きっと」

穂乃果「うん…勝とうよ、みんなの力で」

絵里「さ、衣装を合わせて最後の確認をしましょう」

穂乃果「そ、その前にちょっとトイレー!!」タタタッ

にこ「こういうところは変わらないわね」

凛「うん、いくら賢くなってもやっぱり穂乃果ちゃんだね」

絵里「穂乃果が戻ってくるまで休憩にしましょう」

「「「はーい!」」」

海未「ことり、ちょっといいですか」

ことり「海未ちゃん?」



穂乃果「……はぁ……はぁ」ズキズキ

109: 2016/02/16(火) 07:04:13.44 ID:xOfZGzzI.net
ことり「海未ちゃん、どうしたの?」

海未「穂乃果のこと…どう思いますか」

ことり「どうって?」

海未「正直に言います。私は不安です。怖いんです」

ことり「穂乃果ちゃんが変わっちゃったことが?」

海未「はい、なんだか穂乃果が穂乃果で無くなってしまったような気がして。私の知ってる穂乃果は……もういないのではないかと思ってしまって…」

ことり「私はそうは思わないよ?」

海未「……」

ことり「だって、頭がよくてもよくなくても、早起きでも寝坊しても、穂乃果ちゃんは穂乃果ちゃんなんだもん」

海未「穂乃果は穂乃果…」

ことり「私は穂乃果ちゃんが大好き。穂乃果ちゃんがどう変わっても、それだけは変わらないから…」

海未「…ことりは強いですね」

ことり「そんなことないよ。きっと、海未ちゃんは寂しいんじゃないかな?穂乃果ちゃんに頼ってもらえなくて」

海未「なっ、そういうわけでは」

ことり「でもさ、穂乃果ちゃんも言ってたよね、これからは持ちつ持たれつだって。今度は海未ちゃんが穂乃果ちゃんを頼ってみたらどうかな?」

海未「ことり……」

110: 2016/02/16(火) 07:08:52.88 ID:xOfZGzzI.net
穂乃果「お待たせー」

絵里「あ、戻って来たわね」

穂乃果「海未ちゃん、どうしたの?」

海未「穂乃果…あのですね」

穂乃果「ふふふ、みなまで言わなくていいよ。お困りのようだね」

海未「いえ…あの」

穂乃果「さあ、穂乃果の胸に飛び込んできなさい」

海未「でっ、できませんよそんなこと!」

穂乃果「海未ちゃん」

海未「穂乃果……」

穂乃果「うーみちゃん」

海未「ほ、穂乃果……//」

絵里「さ、穂乃果も戻ってきたことだし、そろそろ始めましょう」

穂乃果「……あ」

海未「……はい」

ことり「絵里ちゃんのバカっ!」

絵里「…え?」

111: 2016/02/16(火) 07:11:02.48 ID:xOfZGzzI.net
夜 西木野家

真姫「……」カタカタ

PC『エイリアンデータベース』

真姫「この症状…間違いないわね」

真姫「穂乃果、あなたやっぱり……」




南家

ことりのスマホ「」プルルルル

ことり「あっ、真姫ちゃん!」

理事長「ことりー、ご飯できたわよー」

ことり「ちょっと待ってー」

ことり「もしもし真姫ちゃん、どうしたの?」

真姫「ことり、聞いてほしいことがあるんだけど……」



―――

112: 2016/02/16(火) 07:14:08.88 ID:xOfZGzzI.net
地区予選当日 朝

穂乃果「どうしたの?こんな早くに呼び出して」

ことり「おはよう…穂乃果ちゃん」

真姫「おはよう」

穂乃果「今日は大事なライブなんだから、本番に備えなきゃダメだよ?」

ことり「うん、穂乃果ちゃんもね」

真姫「穂乃果…あなた頭大丈夫?」

穂乃果「ひどいよ真姫ちゃん!私なんか変なこと言った?」

真姫「やっぱり…痛むのね」

穂乃果「……?話が見えないよ」

真姫「時間がないから手短に言うけど、穂乃果にはエイリアンの幼虫が寄生しているの。そのおかげで脳が急速に発達した」

穂乃果「エイリアン?何のこと?」

真姫「そして、寄生された人間は早ければ72時間で氏亡する。急激な進化に脳が耐えられないのよ」

穂乃果「全然何を言ってるのかわからないよ」

ことり「穂乃果ちゃん聞いて!穂乃果ちゃんが危ないんだよ!」

穂乃果「……」

113: 2016/02/16(火) 07:17:14.67 ID:xOfZGzzI.net
真姫「穂乃果、いきなり言われても信じられないかもしれないけど……」

穂乃果「そっか……。やっぱりそうなんだね」

ことり「穂乃果ちゃん?」

穂乃果「二人とも心配してくれてありがとう。でも、私は大丈夫だから」

真姫「どういうこと?あなたもしかして、自分の命が危険だってわかってたの?」

穂乃果「うん、今の私にわからないことなんてないよ。自分の体のことも、真姫ちゃんの秘密のこともね」

真姫「っ!?」

穂乃果「おかしいと思ったんだ。真姫ちゃんの心音、変なんだもん。呼吸のリズムも人と違うし、ロボットみたいだよ」

真姫「あなた……」

穂乃果「でもエイリアンと戦う改造人間だとは思わなかったなー、びっくりしちゃったよ。エイリアンの存在が世間に知られてないのは、その記憶制御装置のおかげなのかな?」

ことり「…ほ、穂乃果ちゃん?」

穂乃果「あんまり驚かないでよ、頑張って調べたんだから。ことりちゃんも教えてくれればよかったのにー。ああそっか、このことは二人の秘密なんだね。私にバレちゃったけど」

ことり「……」

穂乃果「まあ、どうでもいいよね。どうせ私はもうすぐ氏ぬんだし」

ことり「そんなことないよ!」

真姫「安心して穂乃果、あなたを助ける方法があるの」

114: 2016/02/16(火) 07:19:09.43 ID:xOfZGzzI.net
穂乃果「ダメだよ」

ことり「ダメじゃないよ穂乃果ちゃん!」

真姫「あなたに卵を産み付けたエイリアン、アイツを倒せばその幼虫も消滅する。そうすればあなたの脳も元に戻って……」

穂乃果「それじゃダメなんだよ…元に戻っちゃ」

ことり「穂乃果ちゃん、どうして…」

穂乃果「ことりちゃん、真姫ちゃん、μ'sは好き?」

真姫「なによ急に。今はそんなこと言ってる場合じゃないでしょ!」

穂乃果「いいから答えてよ」

真姫「……言わなくてもわかってるでしょ」

穂乃果「ダメだよ。ちゃんと答えて」

真姫「…好きよ」

ことり「私も好きだよ」

穂乃果「うんうん、二人ともいい心がけだよ」

真姫「なんなのよ。それよりあなたの体は!」

穂乃果「だからさ、今日は絶対に負けられないよね」

真姫「…そうね」

115: 2016/02/16(火) 07:23:26.19 ID:xOfZGzzI.net
穂乃果「今日のライブはね、今までで一番のライブができると思うんだ」

穂乃果「衣装も曲も振り付けも、みんなの調子も全部最高!」

ことり「うん」

穂乃果「でもね、それはみんな私の、スーパー穂乃果の考えのおかげなんだ。今の私がいなきゃμ'sは勝てない」

穂乃果「私ね、みんなに迷惑かけてばっかりだったんだ。この間のイベントは私のせいで失敗したし。今までだって大事なライブの途中で倒れたり、そのせいでこの前のラブライブにだって出られなかった」

穂乃果「だから私がどうなっても今度こそ……」

真姫「穂乃果、あなた……」

「待ってください」

穂乃果「え?」

海未「本気でそう思っているんですか」

ことり「海未ちゃん!?」

116: 2016/02/16(火) 07:26:34.51 ID:xOfZGzzI.net
海未「私は仲間はずれですか?少し残念です」

ことり「そういうわけじゃないんだけど…でも」

穂乃果「どうしてここに……」

海未「わかりますよ。穂乃果とことりのことぐらい。だって私たち、幼馴染じゃないですか」

穂乃果「……」

海未「真姫、ことり、あなたたちは行くところがあるんじゃないですか?」

ことり「ねえ海未ちゃん…」

海未「私は穂乃果に話があります!」

ことり「!」

海未「二人きりで話したいんです。お願いします」

ことり「…うん」

真姫「海未」

海未「何でしょうか」

真姫「頼んだわよ」

海未「はい」

タッタッタタ

117: 2016/02/16(火) 07:30:52.86 ID:xOfZGzzI.net
海未「二人きりで話すのは久々ですね」

穂乃果「海未ちゃん、私の体のことなら…」

海未「実は私、最近少し寂しかったんです」

穂乃果「海未ちゃん?」

海未「最近穂乃果が立派になって、遅刻も居眠りもしなくなって、私が注意することもなくなって」

穂乃果「……」

海未「おかしいですよね。穂乃果にはもっとしっかりしてほしい、いつもそう言っていたのに……」

海未「いざ穂乃果がそうなると、穂乃果が穂乃果でなくなった気がしてしまって。私を頼ってくれなくなって、それで寂しかったんです」

穂乃果「海未ちゃん……」

海未「ですが、ことりから言われて気づきました。私も穂乃果が好きです」

穂乃果「えっ……」

海未「以前の穂乃果のように私を頼ってくれるからでも、今の穂乃果のようにμ's を勝たせてくれるからでもありません。穂乃果が穂乃果だから好きなんです」

穂乃果「私が…私だから?」

118: 2016/02/16(火) 07:35:46.72 ID:xOfZGzzI.net
海未「頭が良くたって悪くったって、しっかりしていたってだらしなくたって穂乃果は穂乃果なんです。どんな穂乃果だっていいんです」

海未「穂乃果が私たちに迷惑をかけた?確かにそうかもしれません。ですがそんなこと関係ありません。それ以上に、私たちは穂乃果に助けられてきたんですから」

穂乃果「でも……」

海未「勝手に氏ぬなんて許しません。私にはあなたが必要なんです」

海未「今まで、ずっと一緒だったじゃないですか……。だから、これからもずっと一緒にいてくださいよ……」ウルウル

穂乃果「海未ちゃん……」

海未「穂乃果……」

穂乃果「やっぱり私のこと、頭悪くてだらしないって思ってたんだね」

海未「ええ、まあ」

穂乃果「ひどいよ海未ちゃん!」

海未「本当のことじゃないですか」

穂乃果「もう!……へへ」

海未「ふふっ」

穂乃果「海未ちゃん、ありがとう」

海未「どういたしまして」

穂乃果「よーし、行くぞー!」

海未「はい!」

穂乃果、海未「ことり(ちゃん)のところに!」

119: 2016/02/16(火) 07:38:40.10 ID:xOfZGzzI.net
廃工場

マキダー「くっ、なんてスピードなの…この私の攻撃が当たらないなんてね」

エイリアン「グッシャアアア」ビュンビュン

マキダー「っ、追いつけないっ」

マキダー(なんとかしないと……)

ことり(このままじゃ穂乃果ちゃんが…)

ことり(私はなんでここにいるんだろう?)

ことり(海未ちゃんは穂乃果ちゃんを説得してくれてる。海未ちゃんならきっと大丈夫)

ことり(でも、私には何ができるの?ただ真姫ちゃんを見てるだけなの?嫌だよそんなの)

鉄パイプ「」カランカラン

ことり「私だって…私だって穂乃果ちゃんを助けたい!」ギュッ

エイリアン「ガァ」

ことり「おりゃぁああ」ブン

マキダー「ことり!無茶よ!」

120: 2016/02/16(火) 07:43:26.59 ID:xOfZGzzI.net
ことり「」ピタッ

穂乃果「ダメだよことりちゃん、危ないことしちゃ」ガシッ

海未「そうですよ。ことりにそんなものは似合いません」ガシッ

ことり「穂乃果ちゃん…海未ちゃん!」

穂乃果「ことりちゃん……ありがとう!」

ことり「どうして…?私、何もできなくて……」

海未「そんなことありませんよ。穂乃果も私も、ことりのおかげで助かったんです」

ことり「違うよ、私は……」

穂乃果「もうー、ことりちゃんはいっつも考え過ぎ!」

ことり「えっ?」

海未「そうですよ。ことりが一緒にいてくれる、それだけで私たちは幸せなんですから」

ことり「海未ちゃん……」

穂乃果「これからもずっと3人一緒!約束だよ!」

ことり「穂乃果ちゃん……」

121: 2016/02/16(火) 07:46:44.72 ID:xOfZGzzI.net
穂乃果「そこのエイリアン!もう許さないからね!」ビシッ

マキダー「穂乃果!どうするつもりなの?」

穂乃果(このエイリアン、動きは速いけど頭はよくないみたい。動きが単調すぎるよ)

穂乃果(見える、見えるよ次の動きが。本当に単純だなぁ)

穂乃果「真姫ちゃん、私の言う通りにして!」

マキダー「いいわよ!」

エイリアン「グオオラァ」

穂乃果「真姫ちゃんキック!11時の方向!」

マキダー「ハァ!」ドカッ

エイリアン「ギャアアア」

ことり「やった…」

穂乃果「5時にパンチ!」

マキダー「タァ!」バキッ

穂乃果「そのままトドメ!真上だよ!」

マキダー「エレクトロシリウス…」

マキダー「セイヤァア!」バチィィン

エイリアン「ギャアアア」

ドッカーーン



―――――――

122: 2016/02/16(火) 07:49:40.83 ID:xOfZGzzI.net
地区予選 ライブ直前

ワー キャー

穂乃果「はぁ……」

海未「穂乃果」

穂乃果「海未ちゃん……」

海未「不安…なんですね」

穂乃果「うん、今の私には何もわからないんだ。私が何をしようとしてたのかも、どうやったら今日勝ち抜けるのかも」

海未「そう…なんですか」

穂乃果「私、元に戻っちゃったみたい。何だったんだろうね。スーパー穂乃果って」

海未「……」

穂乃果「絶対勝つって決めたのに…なんで私は…全部忘れてっ!」

穂乃果「海未ちゃん、どうしよう…?スーパー穂乃果の力がないと、このままじゃまた私のせいで……」

123: 2016/02/16(火) 07:53:02.02 ID:xOfZGzzI.net
海未「…穂乃果、ひとこと言わせてください」

穂乃果「なに?」

海未「わからなかったら何もできないんですか?」

穂乃果「……」

海未「わからなくたってできますよ。あなたはいつだってそうでした。根拠のない自信に満ちていて、考えるよりも先に体が動いていました」

海未「スクールアイドルを始めた時だってそうでしょう?あのとき、私たちはここまでやれるなんて思っていませんでした」

海未「ですが、私たちは穂乃果について行ったんです。穂乃果ならできると思ったからです」

海未「穂乃果の力でここまで来れたんです」

穂乃果「私が……」

海未「言ってたじゃないですか、最後までやり遂げようと。こんなところで…諦めさせませんよ」

海未「私は…穂乃果を信じていますから」

穂乃果「海未ちゃん……」

124: 2016/02/16(火) 07:54:38.05 ID:xOfZGzzI.net
穂乃果「できるかな…私に」

海未「できますよ。それが穂乃果なんですから」

穂乃果「…うん、ありがとう海未ちゃん」

海未「どういたしまして」

穂乃果「よーっし、やるったらやる!絶対最高のライブにして見せるからね!」

海未「ふふ、元気が出たみたいですね」

穂乃果「海未ちゃん」

海未「はい」

穂乃果「……行こっか」

海未「…はい」



『つづいてはμ'sのみなさんです!』

パチパチパチパチ

ワー キャー ワー



つづく

125: 2016/02/16(火) 08:02:03.58 ID:xOfZGzzI.net
とりあえずここまで
第3話の元ネタはメガレンジャー17話「すごすぎ!?いけてるスーパーみく」です

こんな感じのことまき以外のメイン回がしばらく続きます
ことまき期待してくれた人にはちょっと申し訳ないです
しばらく待っててください

つづきは今夜

131: 2016/02/16(火) 19:41:05.25 ID:xOfZGzzI.net
第4話 「一人じゃない」



花陽「ねえ穂乃果ちゃん、本当にやるの?」ドキドキ

穂乃果「当たり前だよ。だって……」

希「花陽ちゃん、やらなきゃいけないんよ」

花陽「でも、絵里ちゃんを…絵里ちゃんを」

凛「怖がらせるにゃー!」

希「絵里ちは暗いところが苦手やん?」

穂乃果「もし電気を消した部室に閉じ込めたら……」

凛「泣いちゃうかもしれないね!」

花陽「うぅー、絵里ちゃんごめんね」

真姫「じゃあやめなさいよ」

花陽「でも…怖がる絵里ちゃん、ちょっと見てみたいかも」

真姫「あなた、意外といい性格してるわね」

海未「全くあなたたちはいつもいつも……」

ことり「まあまあ海未ちゃん」

にこ「あっ、絵里が来たわよ!」

穂乃果「よーし……」


――

132: 2016/02/16(火) 19:43:27.52 ID:xOfZGzzI.net
部室のドア「」ガチャ

絵里「みんな、遅れてごめんなさい…あれ、誰もいない…?」

海未「やるなら今ですね」

にこ「さっきまでと言ってることが違う!」

凛「海未ちゃん寝返るの早いよ!」

穂乃果「電気を消すよ!」

バチッ マックラ

絵里「……停電?」

穂乃果「あれっ?あんまり怖がってない?」

希「だったら…これならどうだー!」カギガチャ

絵里「みんな、どこにいるの?…開かない。閉じ込められたの?」

凛「これでパニックになるはずだね」

絵里「うーん……」

花陽「全然…怖がってないよ?」

133: 2016/02/16(火) 19:45:27.57 ID:xOfZGzzI.net
穂乃果「希ちゃん、どういうこと?」

希「あれ…なんでやろうね」

絵里「…もしかして、助けを呼んだ方がいいのかも。ドアの故障かもしれないし……」

絵里「そうだ、先生に聞いてみようかしら……」

海未「穂乃果、このままだと絵里が先生に連絡してしまいます」

ことり「お母さんに怒られちゃうよー」

穂乃果「まっ、まずいよ!」

凛「絵里ちゃんストーップ!」

絵里「凛?」

希「ごめんな絵里ち。ちょっといたずらしようと思って……」

絵里「どういうこと?」

134: 2016/02/16(火) 19:47:55.08 ID:xOfZGzzI.net
絵里「なるほどね…私を怖がらせようとしたってわけ」

穂乃果「はい…反省してます」

絵里「みんなひどいんじゃない?誰か止めてくれなかったの?」

海未「私は止めようとしましたよ?」

真姫「海未だって楽しんでたじゃない」

希「それにしても絵里ち、何で怖くなかったの?ウチの予想では泣くほど怖がるはずやったんやけど……」

絵里「私だっていつまでも子供じゃないのよ。暗いところなんて3年前に克服したわ」

にこ「うそばっかり…」

真姫「この間の合宿で怖がってたのに…」

絵里「そうだったっけ?まあ、今は怖くないから」

穂乃果「ふーん」

希「なんか、期待外れやったね」

凛「ちょっとがっかり」

絵里「そんな言い方はないでしょう、私被害者よ?」

135: 2016/02/16(火) 19:50:07.94 ID:xOfZGzzI.net
絵里「じゃあ、私は帰るからあなたたちは反省しててね」

穂乃果「あれ?絵里ちゃん今日は帰っちゃうの?」

絵里「言ってなかったかしら?今日はちょっと用があるの」

穂乃果「そっか!また明日!」

絵里「ええ、また明日」

希「絵里ち……?」

真姫「……」



絵里「また明日…か」

絵里「また、会えるのかしら……」



―――



絢瀬家

絵里「ただいまー!」

亜里沙「お帰りチカお姉ちゃん!」

絵里「お帰り、学校はどうだった?」

絵里「ええ、とっても楽しかったわ!」

絵里「そう!それはよかった!」

136: 2016/02/16(火) 19:52:14.22 ID:xOfZGzzI.net
~~

一週間前

絵里「ねえ亜里沙…」

亜里沙「なに、お姉ちゃん?」

絵里「受験勉強は順調?」

亜里沙「もちろんだよ」

絵里「そう…頑張ってね」

亜里沙「お姉ちゃんはどうなの?」

絵里「私も順調よ。模試の結果もよかったし」

亜里沙「違うよ、μ'sのこと」

絵里「亜里沙はどう思う?」

亜里沙「最高だと思う!」

絵里「そう…私もそう思うの。今の私たちなら何でもできる…そんな気がしてね」

亜里沙「そうだよ!頑張ってね!」

絵里「ええ!」

137: 2016/02/16(火) 19:54:17.79 ID:xOfZGzzI.net
バチッ

亜里沙「あれっ、停電?」

絵里「あっ、亜里沙ー!」ダキッ

亜里沙「お姉ちゃん…痛いよ」

パリーン!!

絵里「え?え?何今の音?」

亜里沙「……お姉ちゃんの部屋から聞こえたよ」

絵里「亜里沙…お願い、見てきてくれる?」

亜里沙「お姉ちゃんが離してくれたらね」

絵里「嫌よ…怖いもん」

亜里沙「じゃあ一緒に見に行こう?」

絵里「うん……」



亜里沙「ドア開けるよ」

絵里「やっぱりやめない?」

亜里沙「でもこのままじゃ…」

絵里「今日は亜里沙と一緒に寝るわ。朝になったら私の部屋に行って…」

亜里沙「開けるよ、えいっ!」バンッ

絵里「ちょっと!やめて!」

138: 2016/02/16(火) 19:56:27.87 ID:xOfZGzzI.net
絵里の部屋

発光体「……」ピッカー

亜里沙「なにあれ…何か浮いてる?」

絵里「……」ガクガク

亜里沙「どうしたらいいんだろう…」

発光体「prrrrr」ブルブル

絵里「!」ビクッ

発光体「pprprrrp」ブルブル

亜里沙「もしかして…何か言ってる?」

発光体「prprprpr」ブルブル

亜里沙「ごめんなさい…あなたの言葉は分からないよ」

発光体「……」

絵里「亜里沙…おうちに帰ろう?」

亜里沙「もうお姉ちゃん、しっかりして!」

ピッカー

絵里「わっ!」

亜里沙「まぶしい!」

139: 2016/02/16(火) 19:58:45.04 ID:xOfZGzzI.net
―――



亜里沙「……」

亜里沙「お姉ちゃん、大丈夫だった?」

絵里?「あら、初めまして」

亜里沙「……ビックリしすぎておかしくなっちゃったの?」

絵里?「ごめんなさい、私はあなたのお姉さんではないの」

亜里沙「もう、何言って…えっ?」チラッ

絵里「……」チーン

絵里?「ねっ?」

亜里沙「お、お姉ちゃんが二人いる……」

絵里「……」シロメ

亜里沙「こっちの気絶してる方が本物のお姉ちゃんだ…」

絵里?「ちょっと姿を借りるわね。こうでもしないと言葉が通じないから…」

亜里沙「あなた…誰なんですか?」

絵里?「……」シロメ

亜里沙「え、何してるんですか…」

絵里?「あなたのお姉さんの真似よ?これがこの星の挨拶なのかと思って」

亜里沙「あの…違うんです、これは……」

140: 2016/02/16(火) 20:00:53.95 ID:xOfZGzzI.net
リビング

亜里沙「へえー、ニクート星なんて星があるんですね」

絵里?「ええ、とてもいいところ…だった」

亜里沙「そうなんですか…。でも、どうして地球に来たんですか?」

絵里?「ちょっと事情があってね……詳しくは言えないの」

亜里沙「まさか地球を侵略するとか…」

絵里?「もう、そんなことするわけないでしょ?あなた達に危害を加えたりはしないわ」

亜里沙「よかった……」

絵里?「それで、お願いがあるんだけど……」

亜里沙「なんですか?」

絵里?「少しだけ…ここにいさせて欲しいの。図々しいこと言って申し訳ないんだけど…宇宙船が治るまで」

亜里沙「壊れちゃったんですか?宇宙船が」

絵里?「そうなの。これじゃあ帰りたくても帰れなくて…」

亜里沙「私は構わないですけど…お姉ちゃんがなんて言うか」

絵里?「そうね、お姉さんにも聞いてみないといけないわね」

141: 2016/02/16(火) 20:02:44.10 ID:xOfZGzzI.net
亜里沙「あの……」

絵里?「なに?」

亜里沙「あなたはお姉ちゃんの姿をコピーしたんですよね?だから言葉が通じて……」

絵里?「そうよ、私たちはその星の生物に擬態できるの。そうすれば言葉も通じるようになるから」

亜里沙「だからしゃべり方とかも……」

絵里?「しゃべり方?変だった?」

亜里沙「あっ、そうじゃなくて…言葉遣いがお姉ちゃんにそっくりなんです。そういうところまでコピーできるんですか?」

絵里?「できないわよ?」

亜里沙「じゃあなんで……」

絵里?「たまたま私と似てたのかしら」

亜里沙「そんなことあるんですか?」

絵里?「もしかしたら…あなたのお姉さんに惹かれて、私はここに来たのかもしれないわね。心が通じると思ったのかも」

142: 2016/02/16(火) 20:04:26.57 ID:xOfZGzzI.net
亜里沙「確かに…今もお姉ちゃんみたいな感じで話せました」

絵里?「お姉ちゃんって呼んでくれてもいいのよ」

亜里沙「えっ!?そんな…」

絵里?「ふふ……」

絵里「うぅ」ビクッ

亜里沙「あっ、お姉ちゃん」

絵里「亜里沙と…私?」

絵里?「おはよう、お姉さん」

絵里「わっわっわ!!私がしゃべったわ!」

亜里沙「お姉ちゃん落ち着いて!」

絵里?「私ってこんな?」

亜里沙「あの…今は違くて」

絵里「亜里沙ー!」バタバタ

絵里?「また気を失わないわよね?」

亜里沙「あーっ!お姉ちゃんちょっと聞いて!」

143: 2016/02/16(火) 20:07:12.98 ID:xOfZGzzI.net
……


絵里「じゃあ本当に…宇宙人なんですか?」

絵里?「そうよ、驚かせてごめんなさいね」

絵里「ええ…正直信じられないです。でも、悪い人ではなさそうですね」

絵里?「信じてくれるのね」

絵里「もちろんです。しばらくここにいて下さい」

絵里?「ありがとう…」

亜里沙「よかったですね」

絵里?「それとね……」

亜里沙「何ですか?」

絵里?「あなたたちの名前、教えてくれないかしら?何て呼んだらいいかわからなくて」

絵里「私は絵里です」

亜里沙「私は亜里沙です!」

絵里?「そう、絵里に亜里沙ね。それと敬語は必要ないわよ?先輩禁止!なんてね」

絵里「私の真似?」

亜里沙「違うの、元々こういう人なんだって」

絵里「ハラショー……」

144: 2016/02/16(火) 20:09:17.36 ID:xOfZGzzI.net
亜里沙「あなたのことは何て呼べばいいんですか?」

絵里?「亜里沙、先輩禁止。敬語はダメよ?」

絵里(なんか恥ずかしくなるわね……)

亜里沙「じゃあ、なんて呼べばいいの?」

絵里?「そうね、好きに呼んでくれていいわよ」

絵里「名前は教えてくれないの?」

絵里?「私たちには名前なんてないのよ。そういう星だから」

絵里「へえー……。じゃあ、私が名前を付けてもいい?」

絵里?「もちろん」

絵里「チカ…なんてどう?」

絵里?「チカ?」

絵里「そうよ、エリーチカのチカ。私、小さいころはおばあさまからエリーチカって呼ばれてたんだから」

絵里?「チカ……うん!気に入ったわ」

亜里沙「決まりだね、チカお姉ちゃん!」

絵里「これからよろしくね」

チカ「よろしく……」

145: 2016/02/16(火) 20:11:29.68 ID:xOfZGzzI.net
次の日

亜里沙「じゃあチカお姉ちゃん、ちょっと待っててね」

絵里「私たちは学校に行ってくるから」

チカ「学校って?」

絵里「あとで教えてあげるわ」

チカ「…ありがとう」

亜里沙「ゆっくりしててね!」

絵里「外に出ちゃダメよ?」

チカ「ええ、わかってるわ」

絵里「じゃあね」

スタスタ

チカ「さて、どうしましょう……」



―――

亜里沙「お姉ちゃん、チカお姉ちゃんのことどう思う?」

絵里「いい人だと思うわ。でも……」

亜里沙「でも?」

絵里「なんだか寂しそう」

亜里沙「お姉ちゃんもそう思うんだ」

絵里「ええ、同じ星の仲間と離れ離れになって心細いのかしら?私たちが助けてあげられたらいいんだけど……」

146: 2016/02/16(火) 20:14:45.53 ID:xOfZGzzI.net
夕方

絵里、亜里沙「ただいまー」ドッサリ

チカ「お帰りなさい。その袋は?」

絵里「これはね…」

亜里沙「チカお姉ちゃんへのお土産だよ!」

チカ「私に?」

亜里沙「うん!これはおにぎりで…これはハンバーガーで…これがカレー!カレーは飲み物なんだよ!」

絵里「亜里沙…変なこと教えないでよ。前にも違うって言ったでしょ?」

亜里沙「なんでもいいよ。チカお姉ちゃん!食べてみて!」

チカ「そうね…」

チカ「いただきます」

チカ「……」パクパク

チカ「おいしい…地球って食べ物に恵まれてるのね」

絵里「デザートもあるわよ、チョコレートととケーキとおまんじゅう」

チカ「おまんじゅう?」

絵里「そうよ。私と亜里沙の友達の家で作ってるの」

亜里沙「いっぱいあるからどんどん食べてね」

チカ「パクパク…パクパク…本当においしい」

チカ「絵里、亜里沙…ありがとう」

絵里、亜里沙「どういたしまして!」

147: 2016/02/16(火) 20:17:18.09 ID:xOfZGzzI.net
―――

チカ「ふぅ、ごちそうさま」

亜里沙「ねえチカお姉ちゃん、どれが一番おいしかった?」

チカ「そうね…どれもおいしかったけど、私はこれが一番だと思ったわ」

亜里沙「チョコ!」

チカ「それと、申し訳ないけどこれは苦手かも……」

絵里「海苔と梅干はダメなのね……」

亜里沙「びっくり!食べ物の好みもお姉ちゃんと同じなんだね」

絵里「ホントにね……」

亜里沙「生徒会長もやってたりして」

チカ「?」

亜里沙「あのね、生徒会長っていうのは生徒の中で一番偉い人だよ」

絵里「うーん、ちょっと違うんだけど…まあいいわ」

148: 2016/02/16(火) 20:19:23.61 ID:xOfZGzzI.net
チカ「よくわからないけど、警備隊長ならやってたわよ。ニクート星の」

亜里沙「やっぱり!」

絵里「ここまでくると運命を感じるわね…」

亜里沙「まあ、お姉ちゃんは元生徒会長なんだけどね」

チカ「元!?まさか…部下に裏切られて解任されて……」

絵里「違う違う、私の仕事はもう終わったのよ」

チカ「ああ…使命を全うしたのね」

亜里沙「うん!お姉ちゃんたちのおかげで、音ノ木坂が廃校にならなくなったんだ!」

チカ「廃校……?」

亜里沙「お姉ちゃんたちはね!学校を救ったヒーローなんだよ!」

チカ「へえ……。すごいのね…絵里って」

絵里「……そんなことないわよ//」



―――

149: 2016/02/16(火) 20:22:04.13 ID:xOfZGzzI.net
チカ「……」ジーッ

絵里「どうしたの?」

チカ「絵里、気になってたんだけど、あの人たちは誰?絵里と一緒に写っている8人」

亜里沙「あれはμ'sのみなさんだよ」

チカ「μ's?」

絵里「そう…実は私、スクールアイドルをやっているの」

チカ「スクールアイドル?」

絵里「そうよね、そこから説明しなきゃね。アイドルっていうのは歌って踊ってみんなを笑顔にさせる人のことなの」

チカ「歌って踊る?」

絵里「よかったらDVDを見てみない?口で言うより見てもらった方が早いわ」



♪『さあー 夢をー 叶えるのは』

チカ「すごい…これがアイドル…」

亜里沙「すごいでしょ?μ'sは一番すごいアイドルなんだから!」

絵里「もう亜里沙ったら、言い過ぎよ」

亜里沙「そんなことないよ!μ'sよりすごいアイドルなんていないよ!」

150: 2016/02/16(火) 20:25:19.91 ID:xOfZGzzI.net
チカ「このオレンジの人がリーダー?」

絵里「わかるの?」

チカ「ええ、なんとなくね。絵里は紫の人と仲がいいの?」

絵里「そうね…希とは結構長い付き合いだから」

亜里沙「そんなことまでわかっちゃうんだ!」

チカ「まぁ、かしこいかわいいニクート星人だからね」

絵里「……」

チカ「よかったら、この人たちのこともっと教えてくれない?」

絵里「ええ、もちろんよ」

絵里(それから私はいろいろなことをチカに教えた。食べ物のこと、学校のこと、アイドルのこと、そしてμ'sのメンバーのこと)



チカ「ねえ絵里、亜里沙、二人は明日も学校?」

絵里「いいえ、明日は学校は休み」

亜里沙「3人で遊びに行こうよ!」

チカ「遊びに…?でも、私が宇宙人だって気づかれたら」

絵里「大丈夫よ、チカならきっと大丈夫」

亜里沙「チカお姉ちゃんにもお外の楽しさを知ってほしいの!」

チカ「うん……」

151: 2016/02/16(火) 20:27:28.43 ID:xOfZGzzI.net
次の日

絵里「髪を三つ編みにして…サングラスを掛ければ…よしっ」

チカ「……本当ね、これなら絵里と同じ顔だってわからないかも」

亜里沙「変装はばっちりだね」

チカ「二人とも…ありがとう」

絵里「お礼は後。まだ何もしてないんだから」

絵里「さ、早くいきましょ」

亜里沙「どこに行くかはもう決めたの?」

絵里「大丈夫よ、私に任せて」グッ



洋服店

絵里「これはどう?」

亜里沙「えー、こっちの方がいいよ」

絵里「そうかしら?チカはどう思う?」

チカ「私はあれがいいと思うんだけど……」

亜里沙「あれは…」

絵里「大胆ね。いいんじゃない?」

亜里沙「ちょっと派手すぎない…?」

152: 2016/02/16(火) 20:29:49.00 ID:xOfZGzzI.net
絵里「チカ、何でも一つ好きなものを買ってあげる」

チカ「本当にいいの?迷惑じゃない?」

絵里「もちろんよ、チカのために来たんだから。私に任せて」

チカ「じゃあ…あれが欲しいんだけど……」

亜里沙「ひゃ、100万円!?」

絵里「ご、ごめんなさい…あれはちょっと」

チカ「そう…じゃあこれで」ガックシ

絵里「そ、そんなに落ち込まないで…。ほら、これもすごく似合ってるわよ」

チカ「ありがとう……」

153: 2016/02/16(火) 20:32:10.33 ID:xOfZGzzI.net


絵里「次はクレープを食べに行きましょう」

亜里沙「いえーい!」

チカ「亜里沙、楽しそうね」

亜里沙「だってお姉ちゃんが二人もいるんだよ?楽しさも2倍!」

チカ「ふふっ、ありがと」

絵里「さあチカ、この中から食べたいものを選んでね。ちなみに私は……」

チカ「…決めた!」

絵里、チカ「ダブルチョコ!」

亜里沙「お姉ちゃんたち、やっぱりそっくりだね」

絵里、チカ「そう?」

亜里沙「うん、息ぴったり」

154: 2016/02/16(火) 20:35:01.21 ID:xOfZGzzI.net
絵里、チカ「いただきます」モグモグ

亜里沙「いただきまーす」パクパク

絵里、チカ、亜里沙「ハラショー!!」

チカ「とってもハラショーな味ね」

絵里「チョコがハラショーだわ!」

亜里沙「生地もハラショーだよ!」

絵里、チカ「ふふふ……」

亜里沙「あはは……」



――

155: 2016/02/16(火) 20:37:28.02 ID:xOfZGzzI.net
絵里「最後はプリクラよ!」

亜里沙「プリクラ?」

チカ「あら?亜里沙も知らないの?」

絵里「甘いわね亜里沙。女子高生と言ったらプリクラなのよ?」

亜里沙「へえーそうなんだ」

絵里「さあ、撮りましょ」

チカ「ふーん、この中に入るのね」

絵里「サングラスと帽子も外していいわよ?顔が見えなきゃね」

チカ「じゃあ外すわね」

亜里沙「あっ、撮るって!」

パシャ

チカ「よく撮れてるわね」

絵里「まだよ、ここにこうして」カキカキ

プリクラ『かしこいかわいい』

プリクラ『ハラショー』

亜里沙「写真に文字が書けるんだ!じゃあ……こんなのはどう?」カキカキ

絵里「ふふっ、いいわね」

チカ「亜里沙、ありがとう」

亜里沙「えへへ……」

156: 2016/02/16(火) 20:39:52.31 ID:xOfZGzzI.net
チカ「絵里、亜里沙、今日は本当にありがとう」

絵里「少しは楽しかった?」

チカ「少し?とっても楽しかったわ!」

亜里沙「元気になった?」

チカ「ええ、元気100倍よ」

絵里「よーし、チカも地球の文化がわかってきたみたいだし」チラッ

チカ「……」グッ

亜里沙「?」

絵里「うちまで競争よー!」タタタッ

チカ「負けた人ジュースおごりー!」タタタッ

亜里沙「お、お姉ちゃんたちずるいよ!」



―――

157: 2016/02/16(火) 20:42:25.08 ID:xOfZGzzI.net
夜 絢瀬家

チカ「二人とも、ちょっといい?」

絵里「どうしたの?」

チカ「今日のお礼、少し話がしたいの」

亜里沙「どんなお話を聞かせてくれるの?」

チカ「私の星の言葉…とか」


絵里(それからチカはニクート星の文字と言葉を教えてくれた。見たこともない、聞いたこともない言語は難しかったけど…少しは覚えられたかしら。いつかチカのお友達にごあいさつできたらいいわね……)

チカ(絵里、亜里沙、あなたたちがうらやましいわ……。私もこの星に生まれていたら……)

158: 2016/02/16(火) 20:45:24.81 ID:xOfZGzzI.net
数日後

亜里沙「学校に行きたい!?」

絵里「急にどうしたの?」

チカ「ごめんなさい…無理を言ってるのはわかってるの。ただ…」

亜里沙「ごめんねチカお姉ちゃん、いくら何でも難しいかも……」

絵里「でも、方法がないわけじゃない」

チカ「本当?」

亜里沙「お姉ちゃん?」

絵里「チカが私の代わりに学校に行けばいいのよ」

チカ「絵里の…代わりに?」

159: 2016/02/16(火) 20:47:16.96 ID:xOfZGzzI.net
亜里沙「そんなことして大丈夫なの?お姉ちゃんじゃないってバレちゃったら……」

絵里「そうね…チカは性格が私そっくりだし、見た目は私そのものだし、うまくやれば大丈夫なんじゃないかしら」

チカ「……」

絵里「チカ、できる?」

チカ「私は…やってみたい。でも、それで絵里に迷惑がかかることになるんだったら……」

絵里「そんなこと気にしなくていいのよ。あなたはあなたのやりたいことをやればいいの。そうしたら私もうれしいから」

チカ「絵里、ごめんなさい」

絵里「もう、どうして謝るのよ。違うでしょ?」

チカ「…ありがとう」

絵里「はい、どういたしまして」

亜里沙「やったね、チカお姉ちゃん!」

絵里「じゃあ、学校に行くのは明後日にしましょう。それまでに学校のことと、私の友達のことを憶えてね」

チカ「もちろんよ!」

160: 2016/02/16(火) 20:53:19.74 ID:xOfZGzzI.net
そして……

チカ「ただいまー」

亜里沙「お帰りチカお姉ちゃん!」

絵里「学校はどうだった?」

チカ「ええ、とっても楽しかったわ!」

絵里「そう!それはよかった!」



チカ「聞いてよ絵里!穂乃果と希、あとは凛もかしら。3人があなたを怖がらせようとしたのよ?私、電気を消した部室に閉じ込められちゃった」ニコニコ

絵里「いかにも希のやりそうなことね…」

チカ「もうびっくりしちゃった。でも希は不満だったみたいね。絵里が泣くと思ってたんだって」

絵里「ちょっと懲らしめなきゃいけないみたいね……」

チカ「それでね、海未は3人を止めようとしたみたいだけど結局一緒になっちゃって、ことりと花陽はそれを見て微笑んでて……」ニコニコ

チカ「にこと真姫は言葉には出さないんだけど私を心配してくれて……」ニコニコ

亜里沙「チカお姉ちゃん、とってもうれしそうだね」

絵里「ふふ、よっぽど楽しかったのね」

チカ「そうなの!人生で最高の1日だったわ!こんなに素晴らしい仲間がいるなんて、絵里は幸せね!」

161: 2016/02/16(火) 20:55:37.25 ID:xOfZGzzI.net
絵里「チカ、ありがとう…」

チカ「どうして絵里がお礼を言うのよ。私がお礼を言うべきだわ。絵里、ありがとう」

絵里「ふふっ」

チカ「ねえ絵里、明日は……」

絵里「あっ、明日はμ'sの練習もあるから私が。最終予選に向けて頑張らなきゃいけないしね」

チカ「そう…よね」

チカ「明後日は…?」

絵里「ごめんなさい、そう頻繁に入れ替わるわけにもいかないから…」

チカ「ああ、それもそうよね……」

絵里「…そろそろ寝ましょうか」

チカ「そうね、おやすみ」

絵里「おやすみ…」

162: 2016/02/16(火) 20:59:24.08 ID:xOfZGzzI.net
次の日

亜里沙「おはよーチカお姉ちゃん」

チカ「亜里沙、絵里、おはよう」グツグツ

絵里「あら?これは?」

チカ「スープ、早起きしたから作ってみたの。よかったら飲んでみて」

絵里「ありがとう」

亜里沙「いただきます」ズーッ

絵里「うん、いい香りね」

チカ「おいしくないかもしれないけど…」

亜里沙「そんなことないよ!とってもおいし……」バタッ

絵里「亜里沙?亜里……」バタッ

絵里、亜里沙「」

チカ「じゃあ、行ってくるわね」

163: 2016/02/16(火) 21:01:34.64 ID:xOfZGzzI.net
学校

希「おはよー絵里ち」

チカ「希、おはよう」

希「昨日、なんかあったん?」

チカ「別に、大したことじゃないわよ」

希「そっか……」

チカ「どうかしたの?」

希「いや、なんでもないんよ。気にしないで」

チカ「?」

164: 2016/02/16(火) 21:03:47.52 ID:xOfZGzzI.net
放課後

凛「今日も練習、いっくにゃー」

穂乃果「おおーー!」

チカ「凛も穂乃果も元気ねー」

にこ「いつものことでしょ」

花陽「凛ちゃん、ちょっと静かにしよう?今、海未ちゃんと真姫ちゃんが大事な話をしてるから…」

凛「穂乃果ちゃん!今日の練習終わったら、ラーメン食べに行こうよ!」

穂乃果「いいよ!どこのラーメン?」

花陽「凛ちゃん、穂乃果ちゃん、私の話を聞いて……」

チカ「私も行かせて!ラーメン食べたい!」

ことり「絵里ちゃんまで!?」

にこ「何やってんのよ。あんたは止める側でしょ」

チカ「そっ、そうよね。穂乃果、凛、ラーメンの話は後でにしましょう」

穂乃果、凛「はーい」

165: 2016/02/16(火) 21:06:33.54 ID:xOfZGzzI.net
海未「それで、曲のこの部分なんですが」

真姫「……」

海未「真姫、どうかしましたか?」

真姫「あっ、何の話だったかしら?」

海未「しっかりしてください真姫。ここのところ少し変ですよ?練習を抜けることも増えましたし……」

真姫「ごめんなさい」

海未「怒ってるわけじゃありませんよ。ただ、何かあったらいつでも相談してくださいね」

真姫「……」

167: 2016/02/16(火) 21:08:56.47 ID:xOfZGzzI.net
――

チカ「それじゃあ、通して踊ってみましょうか」

希「そうやね」

穂乃果「じゃあ行くよー」

ダダダダッ ダン

チカ「どうだった…?」

真姫「振り付けは完璧だったわね」

ことり「歌もよかった思うよ」

チカ「そうよね!私も最高だと…」

穂乃果「でも、何か変だったよね」

チカ「えっ?」

花陽「うん…なんかいつもと違ったような」

希「もう一回やってみよっか……」

チカ「……」

168: 2016/02/16(火) 21:11:02.64 ID:xOfZGzzI.net
ダダダダッ ダン

花陽「……」

ことり「やっぱり…」

凛「なんか違う…よね」

海未「原因はわかりませんが……」

にこ「あんたはどう思う?」

チカ「ごめんなさい、私にはわからないわ…」

にこ「そうよね…」

チカ「……」

にこ「絵里、ちょっと二人で話しましょ」

チカ「にこ…?」

真姫「……」

169: 2016/02/16(火) 21:13:09.91 ID:xOfZGzzI.net
穂乃果「二人でなんの話してるんだろうね」

凛「にこちゃんが絵里ちゃんを呼び出したってことはやっぱり…」

花陽「絵里ちゃんに何か問題があったってことかな…?」

希「でも、絵里ちがミスしたわけじゃないやん?」

ことり「絵里ちゃん……」



―――

にこ「絵里、あんたを呼んだ理由、わかってるでしょ?」

チカ「ごめんなさい、わからないわ」

にこ「本気で言ってんの?」

チカ「…もちろんよ」

にこ「呆れた。私にわからないとでも思ってるの?」

チカ「何のこと?」

にこ「あんたやる気あるの?」

チカ「当たり前でしょ。歌もダンスもバッチリできてたはずだわ」

にこ「じゃあなんで違和感があったと思う?あんたのせいよ」

チカ「私が…?」

170: 2016/02/16(火) 21:15:20.63 ID:xOfZGzzI.net
にこ「何があったのか知らないけど、今のあんたは昔のあんた……よりもっとひどいわ」

チカ「どういうことよ」

にこ「ねえ絵里、スクールアイドルが嫌になったの?無理してるみたいに見えるわよ」

チカ「無理なんてしてない……」

にこ「前に言ったでしょ?アイドルっていうのは笑顔にさせる仕事なの。でも、今のあんたにそれはできない。ただアイドルの真似をしてるだけだからね」

にこ「本当にやりたいこと、他にあるんじゃないの?」

チカ「本当に…やりたいこと」

にこ「あんたがアイドルを辞めるっていうなら止めない。でも、相談ぐらいしてくれてもいいんじゃないの?」

チカ「にこ……」

にこ「何でも言いなさいよ。私たち仲間でしょ?」

チカ「ありがとう」ダダダッ

にこ「ちょっと絵里!どこ行くのよ!」

171: 2016/02/16(火) 21:17:30.88 ID:xOfZGzzI.net
チカ(私が絵里じゃないってこと…気づかれちゃったかしら?いや、まだ大丈夫よね)

希「絵里ち」

チカ「希…」

希「にこっちと何話したん?」

チカ「……」

希「いいんよ、言いたくなかったら言わなくても。でもね、ウチの言うことは聞いてほしいんよ」

チカ「なに…?」

希「絵里ち、どうして1人で悩んでるの?どうしてウチを頼ってくれないの?ウチ、寂しいよ……」

チカ「希には…言えないことなの」

希「そっか……」

172: 2016/02/16(火) 21:19:34.49 ID:xOfZGzzI.net
真姫「私には言ってもらおうかしら」

希「真姫ちゃん?」

真姫「希、悪いけど絵里を借りるわ。話があるの」

希「だったらウチも一緒に…」

真姫「ダメよ」

希「真姫ちゃん…絵里ちに何をするつもりなん?」

真姫「何もしないわよ。素直に話してくれたらね」

希「絵里ちにだって言いたくないことが」

チカ「いいのよ希!」

希「絵里ち…」

チカ「さあ、行きましょう」

真姫「ええ」


174: 2016/02/16(火) 21:22:55.24 ID:xOfZGzzI.net
チカ「それで、何の用?」

真姫「あなた何者?」

チカ「真姫、ひどいんじゃない?私のこと忘れちゃったの?」

真姫「絵里の真似はやめてよ、いらいらするから」

チカ「…気づいてたの?」

真姫「昨日からおかしいとは思ってたけど、まさか宇宙人が絵里に成り代わってたなんてね」

真姫「絵里をどうしたの?」

チカ「どうしたと思う?」

真姫「ふざけないで。もし絵里に何かしたなら……今すぐにでも!」

チカ「…かかってきなさい。あなたなんかに負けないわ、改造人間さん」

真姫「そう、やる気みたいね……超新…」

絵里「待って!」

176: 2016/02/16(火) 21:25:22.75 ID:xOfZGzzI.net
真姫「絵里!?」

チカ「どうしてここに…?まだ眠ってるはずなのに……」

絵里「ごめんなさい。せっかく作ってくれたスープ、無駄にしちゃった」

チカ「飲まなかったの?どうして……」

絵里「わかるわよ、あなたの考えそうなことくらい。だって、あなたは…私と同じなんだから……」

チカ「違う…私は!」

真姫「ねえ宇宙人さん、どうしてこんなことしたの?」

チカ「だって、絵里がうらやましくて……」

チカ「絵里には妹がいる。仲間だっている。それに、廃校を救った生徒会長……」

チカ「私と絵里の何が違うの?性格だって好きな食べ物だって同じなのに……。絵里は全部持ってるの、私が欲しかったものを。だから絵里になろうと思った」

絵里「……」

177: 2016/02/16(火) 21:27:58.33 ID:xOfZGzzI.net
チカ「でもできなかった」

チカ「ここは絵里の居場所なの。いくら絵里の真似をしたって私のものにはならない…」

真姫「わかったでしょ。大人しく自分の星に帰りなさい」

チカ「それは無理よ。帰る星なんてないんだから…もうね」

絵里「……」

チカ「私はニクート星の警備隊長だった。侵略者から星を守るために全力で戦った。自分一人の力でね」

真姫「どうして一人で……」

チカ「仲間なんていなかったから。おかげでこのザマ。戦闘中に敵に捕まったところを辛うじて逃げてきた、情けないわね……」

真姫「ニクート星はどうなったの?」

チカ「今頃…やられてしまっているでしょうね。私みたいな無能な警備隊長のせいで……」

絵里「本当にそうかしら?」

チカ「えっ?」

178: 2016/02/16(火) 21:29:53.52 ID:xOfZGzzI.net
穂乃果?「隊長!」

チカ「あなたたち…!」

真姫「穂乃果?」

絵里「いいえ、あれは…」

ニクート星人「隊長!お願いがあります。戻ってきてください。一緒に戦ってください!」

チカ「何言ってるの……。今更戻れるわけないじゃない私なんかが!」

ニクート星人「そんなことありません!私たちには隊長が必要なんです!」

チカ「っ……」

絵里「チカ、私もあなたも一緒よ。私だってこの間まで一人で学校を救おうとしてた。一人でやるしかないって思ってた。だけど、一人じゃ何もできなかったの」

絵里「みんながいたから叶えられた。それで気づいたの」

絵里「私、本当は一人なんかじゃないんだって……」

179: 2016/02/16(火) 21:31:59.40 ID:xOfZGzzI.net
絵里「きっと…あなたも一人じゃない。できるわよ、素敵な仲間が……」

チカ「仲間……」

絵里「ねえチカ、あなたの本当にやりたいことは?」

チカ「私の…やりたいこと?」

絵里「私の真似をしてこの星で暮らすことじゃないんじゃない?」

絵里「自分の星を守ることなんじゃない?」

チカ「でも…ニクート星はもう…」

ニクート星人「隊長!私たち、戦い続けます!」

チカ「なぜ…?これ以上続けても勝ち目なんて……」

ニクート星人「やりたいからです!」

チカ「……」

180: 2016/02/16(火) 21:34:16.57 ID:xOfZGzzI.net
ニクート星人「好きなんです、ニクート星が……」

ニクート星人「今は自分の気持ちを信じたい…。このまま負けるかもしれない…でも、一生懸命頑張って、とにかく頑張って、この思いを届けたい!」

ニクート星人「私たちまだ負けてません!諦めません!いつか…いつか私たち必ず、平和なニクート星を取り戻して見せます!」

ニクート星人「一緒にやりましょうよ、隊長!」

チカ「私は……」



――――――――

181: 2016/02/16(火) 21:37:00.24 ID:xOfZGzzI.net
西木野家

ガチャガチャ

真姫「絵里、準備できたわよ」

絵里「ごめんなさいね。亜里沙まで連れて来ちゃって……」

真姫「別にいいけど、どうして急に天体望遠鏡を使わせてほしいなんて……」

絵里「それは……」

『絵里、本当にありがとう。私のこと忘れないでね』

『忘れるわけない?でもあなた、記憶を消されちゃうわよ。そこの怖い顔した改造人間さん
に』

『ふふっ、私は何でも知ってるのよ。だって、かしこいかわいいニクート星人なんだから』

『ダメよ絵里。きっと、私のことなんて忘れてしまった方があなたのためだから…』

『泣かないで、たとえあなたが忘れても、私は絶対に忘れない』

『でもね、もし、もし覚えてたら…今日の夜、空を見てほしいの。赤経7h00m、赤緯22°の空を。亜里沙も一緒に……』

『寂しくないかって?もちろん…寂しいわよ』

『でも、私はもう決めたから……やりたいことをやるってね!』

絵里「私にも……よくわからない。だけど……」

絵里「すごく大切な……約束だと思うの」

真姫「そう…」

182: 2016/02/16(火) 21:39:09.40 ID:xOfZGzzI.net
亜里沙「ああっ!」

絵里「どうしたの?」

亜里沙「お姉ちゃん!これ見て!」

絵里「亜里沙?」

真姫「これ……」

発光体「」キラキラ

絵里「オレンジ、グレー、青、赤、黄色、緑、ピンク、紫、……水色」

亜里沙「9つの光が…飛んで…踊ってるみたい」

絵里「なんだか私たちみたいね……」

亜里沙「ねえ、あの光、文字に見えない?」

絵里「あれって……」

絵里「ミョジャフィ……」

183: 2016/02/16(火) 21:41:33.45 ID:xOfZGzzI.net
~~

『ミョジャフィ、別れの言葉よ』

絵里「さよならって意味?」

『ちょっと違うわ』

亜里沙「どうして?お別れの時に言うんだよね?」

『私たちはさよなら何て言わない。ミョジャフィっていうのは再会の誓いよ』

絵里「じゃあ『』ってことかしら」

『そんなところね』



~~

184: 2016/02/16(火) 21:43:17.15 ID:xOfZGzzI.net
亜里沙「ミョジャフィ……知ってる。私その言葉知ってるよ!意味は…」

絵里「また会いましょう……」グスッ

亜里沙「お姉ちゃんどうして泣いてるの?」グスグス

絵里「亜里沙だって……」グスグス

真姫「……」

絵里「決めたわ!私、宇宙開発局を目指す!」

真姫「まさか…何か思い出したの?」

絵里「思い出した?」

真姫「あっ、何でもない……」

絵里「どうしてそう思ったのか理由はわからない。でもね、宇宙のどこかにいる気がするの。私のもう一人の家族が……」

真姫「家族……」

亜里沙「私も宇宙に行きたいよ、お姉ちゃん」

絵里「ええ、絶対に二人で行きましょ!」

185: 2016/02/16(火) 21:44:25.12 ID:xOfZGzzI.net
真姫「……」ガサゴソ

真姫「……」ジーッ

真姫「……はぁ」

真姫「まあ、これくらいならいい…のかしら」

真姫「…私も甘いわね」

絵里「……」ジーッ

空「」キラキラ

真姫「絵里、落とし物よ」スッ

絵里「真姫?…これって!」

亜里沙「ああっ!」

真姫「大切なもの…でしょ?」

186: 2016/02/16(火) 21:45:37.98 ID:xOfZGzzI.net
亜里沙「いつ撮ったのか思い出せないし…」

絵里「誰と撮ったのかも思い出せない…」

亜里沙「でも!」

絵里「ええ、きっとこれが…私たちの!」

絵里、亜里沙「……」ジーッ

絵里「ふふっ…私たち、いい顔してるわね」

亜里沙「うん!…すごっく楽しそう!」

絵里、亜里沙「すぅーっ」

絵里、亜里沙「チカ(お姉ちゃん)!絶対会いに行くからねー!」





プリクラ『エリー チカ 大好きなお姉ちゃんたち♡ アリサ』



つづく

187: 2016/02/16(火) 21:59:23.41 ID:xOfZGzzI.net
番外編

真姫「そういえばことり」

ことり「どうしたの?」

真姫「あれをまだ教えてもらってないんだけど…」

ことり「あれ?」

真姫「ほら、どうしてマキダーの正体が私なのかわかったかってことよ」

ことり「ああ……」

真姫「ねえ、どうしてなの?私だってわかるはずないのに……」

ことり「うーん……」

ことり(真姫ちゃん、気づいてないのかな?見れば誰だってわかるよ?)

ことり(だってマキダーの外見って……)

ことり(真姫ちゃんの髪形をした超人機メタルダーが音ノ木坂の制服を着てるだけだもん)

ことり(バレバレだよ、制服くらい何とかならなかったのかな……?)

真姫「ねえ、どうして?」



おわり

188: 2016/02/16(火) 22:00:03.47 ID:xOfZGzzI.net
今日はここまで
つづきは明日

196: 2016/02/17(水) 19:55:53.67 ID:NubfhFLR.net
第5話「一番大切なもの」



プルルルル

希「もしもし、まだ来れないの?」

希「えっ、あ、うん」

希「そうなの?」

希「え?大丈夫だよ。うん」

希「本当だよ。元気だから」

希「うん、それじゃあね」

希「……」

希「……はぁ」



―――

197: 2016/02/17(水) 20:00:30.23 ID:NubfhFLR.net
凛「ねえみんな、こんなうわさ知ってる…?」

希「……」

穂乃果「なになに?どんな話?」

凛「あのね、クラスの友達から聞いた話なんだけど……」

「最近、平安時代の陰陽師が使ってたっていう巻物が博物館から無くなったらしくて……」

「無くなったはずのその巻物がね、ある日突然目の前に現れることがあるんだって」

「それでね、その巻物の中に一番会いたい人に会える呪文っていうのがあってね」

「その呪文を唱えると自分が一番会いたい人が鏡の中から出てくるらしいんだけど」

「呪文を唱えた人はその代わりに……」

海未「代わりにどうなるんですか?」

凛「お惣菜になっちゃうんだって」

海未「は?」

凛「だから、お惣菜になっちゃうんだって」

海未「意味がわかりません……」

絵里「……」ブルブル

にこ「絵里、心配しなくても全然怖くないわ」

真姫「耳ふさがなくていいから」

ことり「あはは……」

凛「あれ?今の話面白くなかった?」

真姫「全然」

198: 2016/02/17(水) 20:03:42.12 ID:NubfhFLR.net
穂乃果「じゃあこんな話は?お母さんから聞いた話なんだけど、音ノ木坂には昔からある言い伝えがあるんだって」

花陽「言い伝え?」

穂乃果「うん、実はこの学校、生きてるらしいんだ」

にこ「はぁ?どういうこと?」

穂乃果「そのままの意味だよ。この音ノ木坂学院には魂が宿ってるんだ。人を食べちゃうなんてうわさもあって……」

穂乃果「昔、床の痛みを直す工事をしてた作業員たちが突然いなくなったり…夜に見回りをしてた警備員が帰ってこなかったり……」

花陽「そ、そんなことあるわけない…よね?」

希「……」

穂乃果「生徒が壁に飲み込まれたなんて話もあって……」

にこ「ばかばかしいわね」

真姫「そうね。ありえないわ」

穂乃果「あれー?」

海未「穂乃果、変な噂を広めないでください。せっかく廃校を免れたのに、噂のせいで入学者が減ったらどうするんですか」

穂乃果「ええー?」

ことり「でも、私も似たような話をお母さんから聞いたよ」

凛「ことりちゃんも?」

ことり「うん、穂乃果ちゃんが言ってたみたいに怖い話じゃないんだけど、学校は生きてるんだって。神様が憑いてるんだってね」

絵里「そういえば…おばあさまもそう言ってたような…」

にこ「絵里まで?」

真姫「もしかしてその話、本当なのかしら」

穂乃果「ひどいよみんな!私の言うことは信じないのに!絵里ちゃんとことりちゃんのことは信じるの?」

海未「まあ、穂乃果ですから」

穂乃果「……」

穂乃果「まあいいや。それでね、普段はおとなしいこの学校を目覚めさせる方法があるんだけど、その方法は……

花陽「方法は…?」

穂乃果「…忘れちゃった」

にこ「あんたね…」

穂乃果「あれー、この間ははっきり覚えてたんだけどなー」

199: 2016/02/17(水) 20:07:13.39 ID:NubfhFLR.net
希「そんなことより!もうすぐ冬やん?」

海未「そうですね」

希「冬と言ったらあれやん?」

にこ「なによ?」

希「ウチの誕生日!」

にこ「はぁ?あんたの誕生日何月よ」

希「6月やけど……」

凛「冬じゃないよ!むしろ夏だにゃ!」

希「えっ…はっ!ウチの誕生日冬じゃなかった!」

真姫「今更気づいたの?」

希「じゃあ冬には何もないやん!」

200: 2016/02/17(水) 20:10:30.08 ID:NubfhFLR.net
にこ「いや、いろいろあるでしょ…クリスマスとか」

希「そんな…私たちにはまだ早いよ//」

にこ「なに想像してんのよ!」

希「もうー、にこっちのバカー」

にこ「ふざけるのもいい加減にしなさいよ!」

花陽「あはは…楽しそうだね」

ことり「ねー」

絵里「……希?」ボソッ

真姫「絵里、どうかした?」

絵里「えっ……?」

真姫「絵里?」

201: 2016/02/17(水) 20:13:39.75 ID:NubfhFLR.net
次の日 朝練

希「ねえ穂乃果ちゃん、今日は何曜日やったっけ?」

穂乃果「木曜日だよ?」

希「よし、今日は焼き肉を食べに行こう!」

穂乃果「木曜日だと割引があったりするの?」

希「29日は肉の日セール」

穂乃果「曜日関係ないじゃん!」

希「まあいいやん」

穂乃果「そーだね!」

にこ「いや、よくないでしょ」

203: 2016/02/17(水) 20:16:40.25 ID:NubfhFLR.net
希「ことりちゃーん」ダキッ

ことり「希ちゃん…どうしたの?」

希「ふふふ、ことりちゃんは今日、ウチの抱き枕になるのだ!」

ことり「えへへ…そんなこと言われても困っちゃうよ」

希「ダメなの?」

ことり「えっ?」

希「そうやないとウチ氏んでしまうよ?占いでそう出たんやもん」

ことり「希ちゃん?」

希「抱き枕になってくれる?」

ことり「…うん、いいよ」

希「やったー!ありがとお母さん」

ことり「お母さん?」

204: 2016/02/17(水) 20:20:17.21 ID:NubfhFLR.net
絵里「希ー、ちょっと」

希「はーい」

絵里「ここの振り付けの確認なんだけど……」

希「うん…」

絵里「このままがいいか、新しい動きを取り入れた方がいいか、どっちがいいと思う?」

希「……」

絵里「希…聞いてる?」

希「私はハンバーグが食べたいな♪」

絵里「えっ?」

希「昨日はスパゲッティだったから、今日はハンバーグが良い!」

絵里「希?何を言って……」

希「なんてね…冗談、おもしろくなかった?」

絵里「えっ、おもしろいっていうか…」

希「あっ、花陽ちゃんがウチを呼んでいる。突撃ー!!」

花陽「ああっ!?」

希「へへへ…」

花陽「もう希ちゃん、びっくりさせないでよー」

希「ごめんごめーん」

絵里「希…やっぱり……」

真姫「……」チラッ

205: 2016/02/17(水) 20:27:36.28 ID:NubfhFLR.net
>>202
4話は前半がウルトラマンマックスの「遥かなる友人」後半がウルトラマンダイナの「少年宇宙人」をイメージしてます
全体的に色んな特撮の話を組み合わせた感じです

206: 2016/02/17(水) 20:29:47.63 ID:NubfhFLR.net
授業中

希「……」スヤスヤ

先生「東條さん!東條さん」

希「……ハッ」

先生「今の授業、ちゃんと聞いてた?」

希「2×2が4、2×3が6♪」

にこ「希!何言ってんのよ!」ヒソヒソ

先生「…保健室にでも行って来たら?」



放課後

希「じゃーねー絵里ち」

絵里「ちょっと希!」

希「ふんふーん」テクテク

凛「あれ希ちゃん、どこ行くの?」

希「うーんとね、今日はスーパーにおつかいに行くの♪」タタタタッ

凛「へえー」

凛「……え?おつかい?」

絵里「凛!希見なかった?」

凛「…もう帰っちゃったよ」

絵里(練習をサボって…希、どうしちゃったの?)

207: 2016/02/17(水) 20:33:43.52 ID:NubfhFLR.net
さらに次の日

絵里「……」

絵里(希、今日は学校にも来てない。やっぱり……)

絵里(希はあれ以来ずっとおかしかった…わかってたのに!)

絵里「わかってたのに…何もできなかった!」

絵里「私は…どうしたら……」

真姫「そういうときは友達に相談するもんよ」

絵里「!」

ことり「絵里ちゃん、お話ししよう?」

絵里「真姫…ことり!」

208: 2016/02/17(水) 20:36:42.41 ID:NubfhFLR.net


真姫「さ、希について知ってることを全部話してもらおうかしらね」

ことり「真姫ちゃん、それだと取り調べみたいだよ」

絵里「いいわよ別に。まあ、私が知ってることは一つだけなんだけどね……」

真姫「何なの……?」

絵里「希は先週、両親と会う約束をしてたの、久しぶりにね。だけど、お母様もお父様も急な仕事で帰ってこられなかった。ほら、この間工場で火事があったでしょ?あのせいで仕事が立て込んじゃったらしくてね」

真姫「……」

絵里「希はしょうがないって、気にしてないって言ってたの。ウチは強いからって…。でも…でも」

ことり「……」

絵里「寂しくないはずないのよ。だって希は本当は…一番寂しがりで」

絵里「だからきっと、ショックのせいで希はおかしくなって……」

真姫「そう…大体わかったわ。希を元に戻す方法もね」

絵里「……真姫?」

真姫「行くわよ、希の家に」

ことり「うん!」



絵里「ちょっと、まだお昼休みなのに学校を抜け出して大丈夫なの?」

209: 2016/02/17(水) 20:40:37.53 ID:NubfhFLR.net
真姫「絵里、希と授業のどっちが大切なのよ」

絵里「そんなの…希に決まってるでしょ」

真姫「ならいいじゃない」

絵里「…そうね」

ことり「真姫ちゃん、これってやっぱり…」

真姫「ええ、十中八九エイリアンの仕業よ」

絵里「え、エイリアン……?」

真姫「そ、エイリアン。それと、この際だから教えておくけど私は普通の人間じゃないの」

ことり「真姫ちゃんはね、改造人間マキダーなんだ」

絵里「……ことりと真姫までおかしくなっちゃったの?」

真姫「もう、今はとにかく私の話を信じて」

絵里「…わかった」

真姫「このことは誰にも言わないこと」

絵里「約束するわ」

真姫「じゃあ話すわよ。おそらくエイリアンの目的は希の生命エネルギー」

絵里「生命エネルギー?」

真姫「そう、人間の心に取り入って、代わりに命を吸い取るエイリアン。今度の敵はそいつよ」

真姫「だから…希の家にはきっと……」

―――

211: 2016/02/17(水) 20:42:57.94 ID:NubfhFLR.net
東條家

ピンポーン

絵里「希!いるんでしょ?」

ガチャ

希母「あらこんにちは。希ちゃんのお友達?」

絵里「あっ…はい」

『だから、希の家にはきっと…母親に化けたエイリアンがいるから……』

絵里(本当に、真姫の言ってた通りに……)

希母「せっかく来てくれたのにごめんね、希ちゃんは体調がよくないみたいで」

絵里「いえ…少しお話しできませんか…?」

希母「申し訳ないんだけど、今ちょっと…ごめんなさいね」

絵里「ちょっと待ってくだ……」

ガシッ

真姫「そういうわけにはいかないわね」

希母「あなたたち……」

ことり「初めまして♪希ちゃんのお友達の南ことりです!ちょっとお話良いですかー?」

希「あれ、誰か来たのー?あっ、みんな!」グッタリ

希母「…わかりました。中へどうぞ」

絵里「希……」

絵里(すごくやつれてる。本当に命を吸い取られて……)

212: 2016/02/17(水) 20:47:16.03 ID:NubfhFLR.net
ジョロジョロ サクサク

希母「さ、お茶とケーキをどうぞ」

ケーキ「」キラキラ

ことり「…いただきま」

ペシッ

ことり「いたっ」

真姫「ちょっと待ちなさい、何が入ってるかわからないわよ」ヒソヒソ

ことり「そ、そうだよね……」ジーッ

真姫「そんなもの欲しそうな目で見ないの!」

ことり「はい……」

絵里「真姫、どういう状況よこれ!?なんで普通にもてなされてるの?」ヒソヒソ

真姫「知らないわよ…。それより、希と話してみたら?」

絵里「それはそうだけど……」

213: 2016/02/17(水) 20:49:24.71 ID:NubfhFLR.net
希「わー、おいしそうだねー」

絵里「ねえ、希?」

希「なに?絵里ちゃん?」

絵里「今日はどうして学校に来なかったの?」

希「だって、学校なんかよりお母さんといた方が楽しいもん!」ニコニコ

希母「あらあら、希ちゃんったら」

希「えへへー」ニコニコ

絵里「希……」

希「お母さんはね、すごっくいいお母さんなんだよ。毎日朝起こしてくれて、お弁当を作っ
てくれて、ずっと一緒に遊んでくれて。あとね、晩御飯も一緒に食べてくれるし、お風呂も
一緒に入ってくれるんだ!」

希母「ふふふ、親子なんだから、そんなこと当たり前でしょ。」

希「そうだよねー!」ニコッ

希母「そうよ…ふふふ」

絵里(親子だから…当たり前)

希「あっ、そういえばお母さん覚えてる?去年の今頃はさ、一緒に温泉に行ったよね」

希母「ええ、もちろん覚えてるわよ。今年も一緒に行きましょ」

希「うん!」

214: 2016/02/17(水) 20:53:01.08 ID:NubfhFLR.net
絵里「……希」

真姫「…ふざけないで」ギチギチ

希母「あら真姫ちゃん、どうかしたの?」

真姫「何が親子よ。希の気持ちを利用しておいて」

希母「怖い怖い。人のお母さんにそんな口のきき方するなんてね」

希母「希ちゃんこんな子とお友達なの?ダメよ?お友達はよーく選ばなきゃね」

真姫「そういうところがムカつくのよ。希をこんなにしたこと、許さないから」

絵里「真姫、待って!」

真姫「超新星」バチバチ

マキダー「悪いけど絵里、私は気が短いの。力づくで希を取り戻す」

マキダー「一瞬で終わらせてあげるわ」

絵里「真姫……!」

215: 2016/02/17(水) 20:55:32.52 ID:NubfhFLR.net
マキダー「ハァァァ」

希母「……」ニヤニヤ

マキダー「グローイングアダラ…」

希「やめて!」

マキダー「」ピタッ

希「なんでお母さんにひどいことするの!?お母さんのことが嫌いなの?」シクシク

マキダー「なっ…」

絵里「希……」

希「お母さんのことをいじめる人たちなんか…」

希「出ていけぇー!!」

ビュウゥゥゥ

ことり「わっ!」

絵里「す、すごい風…」

マキダー「吹き飛ばされ…」

ことり、絵里、真姫「わぁぁぁぁ」

216: 2016/02/17(水) 20:58:24.03 ID:NubfhFLR.net
バアァン

家の前

ことり「いたた……」

絵里「追い出されちゃったわね…」

真姫「ええ、多分結界か何かね。希に認められた人しか家には入れない…そんなところかしら」

ことり「そうだね…」

真姫「問題はどうやってもう一度家に上がり込むか、ね。素直に玄関から入れるとは思えないし」

ことり「……」

絵里「真姫、ちょっといい?」

真姫「ええ、なに?」

絵里「私はこれ以上協力できない…」

ことり「絵里ちゃん!?」

217: 2016/02/17(水) 21:01:31.52 ID:NubfhFLR.net
真姫「…何言ってるの!希はどうするのよ!?」

絵里「…真姫、希の顔を見た?とっても幸せそうだったわよ」

真姫「……」

絵里「私、あんな顔の希は見たことない。確かに希は利用されてるのかもしれない。でもきっと、幸せだっていうのは本当よ。それが希の願いだったんだから」

絵里「家族と一緒に過ごすことが……」

絵里「この間まで…希はとっても辛そうだった。寂しそうだった。それはそうよね、母親に約束を破られちゃったんだもの…」

真姫「だからって…」

真姫「だからって希を放っておくっていうの!?このままじゃ希は…!」

絵里「…私には希の幸せを壊すことはできない。間違ってることはわかってるの…!それでも…!希の悲しい顔を見たくない……」

絵里「わからないのよ…どうしたらいいのか…」

絵里「少し……頭を冷やしてくるわ」スタスタ

真姫「絵里……」

218: 2016/02/17(水) 21:03:18.50 ID:NubfhFLR.net
―――

学校

穂乃果「ええっ!?真姫ちゃんも早退しちゃったの?」

凛「うん、真姫ちゃん何も言わずに帰っちゃって…。この後小テストがあるのに……」

海未「ことりもですよ。一体どうしたんでしょう…?」

にこ「希と絵里もよ」

花陽「真姫ちゃん、ことりちゃん、希ちゃんに絵里ちゃんも……?」

穂乃果「さすがにおかしいよね。みんな早退しちゃうなんて…」

にこ「…私に任せなさい」

花陽「にこちゃん……?」

219: 2016/02/17(水) 21:05:53.58 ID:NubfhFLR.net
公園

絵里「はぁ……」

プルルルル

絵里「もしもし、にこ?どうしたの」

にこ「どうしたもこうしたも、あんた今どこにいるのよ。希は無断欠席、絵里は無断早退したっていうから心配したのよ。何かあったの?」

絵里「……なんでもないわよ。心配しないで」

にこ「何かあったのね」

絵里「えっ…?」

にこ「待ってなさい、今すぐ行くから」

220: 2016/02/17(水) 21:08:35.34 ID:NubfhFLR.net
真姫「…ことり」

ことり「なに?」

真姫「私って…最低ね」

ことり「そんなことないよ」

真姫「絵里の言う通りよ。私は希の気持ちなんて考えてなかった。何があったって、記憶を消せばどうにでもなると思ってたしね」

真姫「だけど…」

真姫「そんなやり方じゃ希は……」

ことり「…うん」

真姫「本当に最低よ、私は。友達の気持ちも考えられない最低の改造人間だわ」

ことり「そんなことない、真姫ちゃんは優しいよ」

真姫「…そんなわけないでしょ」

ことり「だって、無理やりにでもエイリアンを倒そうとしたのは希ちゃんを助けたかったからじゃない?」

真姫「……」

ことり「焦っちゃったのは…それだけ希ちゃんのことが心配だったからだよ」

ことり「きっと、真姫ちゃんは希ちゃんのことをすっごく大事に思ってるんじゃないかな」

真姫「私が…希を…!」

ことり「だったら、その気持ちを希ちゃんに伝えようよ!」

真姫「……」

ことり「そうすれば希ちゃんもわかってくれるんじゃないかな」

真姫「…そうね」

221: 2016/02/17(水) 21:10:50.39 ID:NubfhFLR.net
―――

「待たせたわね」

にこ「アイドルがそんな顔してるんじゃないわよ」

絵里「にこ……」

にこ「さあ、何でも言いなさい」

絵里「えっ?」

にこ「悩んでるんでしょ。何があったのか知らないけど、そういうことならこのにこにーに任せなさい」

絵里「……」

にこ「ほら、早く!」

絵里「…そうね」

絵里「例えばの話なんだけど…」

にこ「はいはい」

絵里「大切な人がすごくいい笑顔をしてるの…私といるときには見たことのない顔。だけど、私はその笑顔を奪わなくちゃいけない。そうしないとその人は戻ってこないから」

絵里「私にはわからないの…何がその人にとって幸せなのか……」

にこ「……要するにあれ?大切な人の笑顔が見たいってわけ?」

絵里「まあ…そうね」

222: 2016/02/17(水) 21:12:59.76 ID:NubfhFLR.net
にこ「はぁ、そんなことで悩んでたなんてね」

絵里「そんなことって……」

にこ「絵里、何度言ったらわかるのよ。アイドルは人を笑顔にさせる仕事なの」

にこ「希の笑顔が見たいんだったら、あんたが希を笑顔にしなさい!」

絵里「!」

にこ「友達1人笑顔にできないで、ファンの人たちを笑顔にできるわけないでしょ」

絵里「にこ……」

にこ「わかったら早く行きなさい。希を頼んだわよ」

絵里「全部わかってたの?」

にこ「わからないわよ。ただ、絵里がそんなに悩むなんて希のことしかない。そう思っただけ」

絵里「にこ…ありがとう」

にこ「どういたしまして。お礼はセンター権でいいわよ。次の新曲のね」

絵里「言われなくても、私はにこを推薦するつもりだったわ」

にこ「なら、絵里に恩を売ったのは無駄だったかもね」

絵里「かもね……」

にこ、絵里「…ふふっ」

にこ「それと、これを持っていきなさい」スッ

絵里「これは……」

223: 2016/02/17(水) 21:14:52.44 ID:NubfhFLR.net
真姫「さ、希を助けに行きましょうか」

ことり「うん」

「待って!」

絵里「私も行っていいかしら」

真姫「絵里……」

絵里「真姫、さっきはごめんなさい。私決めたわ、希を取り戻す」

真姫「私の方こそ悪かったわ。行きましょう、一緒に」

絵里「ええ!」

―――

希の家

ピンポーン ピンポーン

真姫「……」

ことり「やっぱり…入れてくれないよね」

絵里「希ー!遊びましょ!お土産もあるわよ!!」

希「本当?なになに?」

絵里「入れてくれたらわかるわよ」

希「うーん、お母さんはダメって言ってたけど……特別に入っていいよ!」

絵里「ありがとう!」

224: 2016/02/17(水) 21:16:41.87 ID:NubfhFLR.net
希母「懲りずにまた来たのね。私を倒すつもり?うちの希ちゃんを泣かせるようなこと、してほしくないんだけどね」

真姫「あなた誰?」

希母「なっ…」

真姫「あなたのことなんかどうでもいい」

絵里「私たちは希と遊びに来た……それだけよ」

―――

ババ抜き

ことり「こっちかな~」

希「……」ドキドキ

ことり「うーん…こっち!」スッ

希「あっ!」

ことり「これであがりだね」

希「あー!負けちゃったー」

絵里「ふふ、残念でした」

希「もう一回やろうよー」

ことり「どうしようかなー」

真姫「あら、これは何?」

希「あっ!ジェンガだ!ジェンガやろうよ!」

真姫「ジェンガ?」

希「真姫ちゃん知らないの?」

真姫「知ってるわよ!」

ことり「ホントかなぁ…?」

225: 2016/02/17(水) 21:17:56.65 ID:NubfhFLR.net
ガッシャーン

真姫「くっ」

ガッシャーン

絵里「なっ!?」

ガッシャーン

真姫、絵里「あっ!」

真姫「い、今のは絵里の負けよね」

絵里「何言ってるの、私はもう置き終わったのよ?真姫が崩したんじゃない」

真姫「でも…私はまだ触ってない。崩したのは絵里よ」

絵里「真姫よ!」

真姫「絵里よ!」

ことり「あはは……」

希「あははは!二人とも意地っ張り!」

真姫、絵里「ふふふ」

希母「……」イラッ

226: 2016/02/17(水) 21:20:32.82 ID:NubfhFLR.net
絵里「さ、そろそろお土産を開けるわよ」

希「そう!それが楽しみだったの!」

ことり「なにかなー?」

真姫「希は何だと思う?」

希「うーん、お饅頭とかかな?穂乃果ちゃんのおうちの」

絵里「あー、お饅頭じゃないのよねー。正解はー……」ガサッ

絵里「お肉でしたー!!」

希「わー!おいしそうー!!」

真姫「豚肉に鶏肉、牛肉、全部そろってるわね」

ことり「鶏肉!?」

希「あれ?ことりちゃんは鶏肉苦手なんだっけ?」

ことり「そうじゃなくて……」

希「?」

絵里「ことりの鶏肉を食べちゃうぞー」

ことり「ああー、絵里ちゃんに食べられちゃうー」

希「……」

真姫「おもしろくないわよ」

絵里、ことり「……」シュン

227: 2016/02/17(水) 21:22:06.79 ID:NubfhFLR.net
真姫「さ、あの二人は放っておいて、焼肉を始めましょ」

希「いえーい!」

希母「待ってよ。よその家の子供に勝手に晩御飯を食べさせるなんてあなたたち何のつもりなの?」

真姫「何のつもり、ですって?」

ことり「最初に言いましたよね」

絵里「私たちは希と遊びに来たんです」

希母「なっ…」

ことり「これから毎日だって来ます」

希「本当に?毎日来てくれるの?」

絵里「ええ、もちろんよ」

希「やったー!」

真姫「…希、今から言うことをよく聞いて」

希「なに?」

228: 2016/02/17(水) 21:24:06.51 ID:NubfhFLR.net
真姫「これからあなたに寂しい思いなんて絶対にさせない」

希「真姫ちゃん?」

真姫「親と会えなかった?それがなによ。私たちがいるでしょ」

真姫「絵里もことりも他のみんなも…私たちはどこにもいかないから。ずっとあなたのそばにいるから…。たとえ離れても心は一緒よ」

希「……」

希母「何を言うのかと思ったら…希ちゃんに変な事吹き込まないで」

真姫「もしかしたら、あなたにとっては今の方が幸せなのかもしれない。ずっと夢に見てたのかもしれない。だけど私たちにはあなたが必要なの」

真姫「お願い希、帰ってきて…。また私たちと一緒に……」

希「真姫ちゃん…」

希母「勝手なこと言わないで。そんなのあなたのわがままじゃない。希ちゃんは私といた方が幸せなのよ?」

真姫「そう、わがままよ。でも、わがままくらい聞いてくれたっていいじゃない」

真姫「だって私たちは……」

希「……!」

229: 2016/02/17(水) 21:26:30.62 ID:NubfhFLR.net
絵里「ねえ希、あなたの一番大切なものは何?」

希「私の…一番?」

希母「決まってるでしょ?お母さんよ。ねえ希ちゃん」

絵里「私は希に聞いてるんです。あなたは黙っててください」

希母「くっ…」

希「……」

絵里「……」

希「……く」ボソッ

希母「え?」

希「……zく」ボソッ

希母「ほら、もっと大きな声で言ってみて」

真姫「……」

希「……家族」

希母「……」ニヤッ

希「ウチの一番大切なものは…家族や!」

230: 2016/02/17(水) 21:32:27.43 ID:NubfhFLR.net
希母「ほらね。あなたたちは所詮他人、私とは違うのよ。だって私と希ちゃんは親子なんですもの」

真姫「希……」

絵里「ふふふ…」

ことり「えへへ…」

希母「な、何で笑って…」

希「だって、μ'sのみんなはウチにとっての家族やからね!」

希母「!?」

希「海未ちゃんも凛ちゃんも、絵里ちもにこっちも穂乃果ちゃんも、花陽ちゃんもことりちゃんも真姫ちゃんも、ウチはみんなが家族だと思ってる!」

希「もっとみんなと一緒にいたい!辛いことも楽しいことも、もっともっとみんなで一緒に経験したいんよ!」

希「μ'sのみんな…それがウチの一番大切なもの!」

231: 2016/02/17(水) 21:36:01.80 ID:NubfhFLR.net
ことり「希ちゃん…」

絵里「……よかった」ウルウル

真姫「だそうよ、エイリアンさん」

希母「の、希ちゃん!考えなおして!私はあなたのお母さんなのよ」

希「ううん、違うよ」

希母「!?」

希「本物のお母さんは今は遠くにいるんよ。滅多に会えないし、普通のお母さんじゃないかもしれない。それでも、それがウチのお母さんなんよ。そんなお母さんがウチは大好き」

希「今までありがとうね。でもごめんな?ウチにはもう必要ないんよ、偽物のお母さんは」

希母「…ぐぁぁぁぁ」ブチブチ

希「だから……さよなら」

エイリアン「グァァァア」

ドゴォ

エイリアン「!?」

真姫「さ、希の気持ちも聞けたことだし、さっさとやっちゃいましょうか」

真姫「超新星」

バチバチバチバチ

232: 2016/02/17(水) 21:39:23.32 ID:NubfhFLR.net
マキダー「さんざんてこずらせてくれたわね」

ドン

エイリアン「グエッ!?」

マキダー「あなたみたいな人、大嫌いよ」

バキッ

マキダー「早く目の前から消し去りたい」

ドカッ

マキダー「でも、そういう相手をいたぶるのって楽しいのよね」

ガガガッ

エイリアン「ギャアッァァ!」

マキダー「苦しみなさい…グローイングアドラ」

マキダー「ハァァ!!」バチィィン

エイリアン「ギャァァァ!!」

ドカーン





――――

233: 2016/02/17(水) 21:41:10.30 ID:NubfhFLR.net
希「うぅ……」

絵里「よかった、やっと気が付いたのね」

希「絵里ち……どうして」

絵里「もう、心配したのよ?連絡もなしに学校を休んだから来てみたら、鍵は開いてるし、希はうなされてるしで」

希「うん…ごめんな」

絵里「それより体は大丈夫?熱があるのかしら」

希「うーん、大丈夫かな」

絵里「そう?」

希「ねえ……絵里ち」

絵里「なに?」

希「ウチ、夢を見てたんよ。夢の中ではお母さんがいて、ずっと一緒にいてくれて。毎日すごい幸せで」

希「でも…そこにはμ'sのみんながいないんよ」グスグス

絵里「…不思議な夢ね」

希「ウチは……」グスグス

絵里「大丈夫よ」ギュッ

234: 2016/02/17(水) 21:44:01.16 ID:NubfhFLR.net
希「絵里ち……」

絵里「私たちはいつでも一緒よ。だから大丈夫」

希「ありがとう……」ギュッ

絵里「どういたしまして」

希「もう少し…こうしてていい?」

絵里「ええ、もちろんよ」

希「……うぅ、絵里ち」グスグス

絵里「あっ、それとこれ」

希「なにこれ?」

絵里「にこからのお見舞いよ」

希「お肉…焼肉用?うれしいけど…今は食べれんよ」

絵里「病人のお見舞いに焼き肉なんて、にこは何を考えてるのかしらね」

希「しょうがないよ、にこっちやもん」

絵里「そうね」

希「そうやん」

絵里「ふふふ」

希「へへへ」

235: 2016/02/17(水) 21:47:57.22 ID:NubfhFLR.net
――



にこ「はっくしょん!」

こころ「お姉さま、風邪ですか?」

にこ「いや、多分誰かが私の噂をしてるのよ」

こころ「ファンの方でしょうね。お姉さまは宇宙一のトップアイドルなんですから」

にこ「そうよね!」



―――

ことり「希ちゃんのこと、絵里ちゃん一人に任せてよかったのかな?」

真姫「その方がいいのよ。希って面倒な人だから…」

ことり「?」

真姫(希のことだから…泣いてるところなんて見られたくないでしょうね。特に私たち年下には)

ことり「それより真姫ちゃん、絵里ちゃんも希ちゃんも記憶を消されちゃったんだよね?」

真姫「ええ、当たり前でしょ」

ことり「そっか…残念だなぁ……」

真姫「どうして?」

ことり「だって、せっかく真姫ちゃんの熱い思いが聞けたのに…」

真姫「はぁ?」

ことり「かっこよかったよー」

ことり「これからあなたに寂しい思いなんて絶対にさせない」キリッ

236: 2016/02/17(水) 21:49:51.45 ID:NubfhFLR.net
真姫「……//」

ことり「絵里もことりも他のみんなも…私たちはどこにもいかないから。ずっとあなたのそばにいるから」キリッ

真姫「……ことり、止めてよ//」

ことり「感動しちゃったよー。すごくよかった」

真姫「ことり」

ことり「でも、私以外誰も知らないんだね。真姫ちゃんのホントの気持ち」

真姫「ことり!」

ことり「今度みんなにも教えてあげようかなー」

ことり「わがままくらい聞いてくれたっていいじゃない。だって私たちは……」キリッ

真姫「ことりー!あなたの記憶も消してあげるわ!!」

ことり「ひぃー!真姫ちゃん、落ち着いて!」タタタタッ



ことり(真姫ちゃん、やっぱり気づいてないのかな?私が言わなくたって……)

237: 2016/02/17(水) 21:54:24.30 ID:NubfhFLR.net
次の日

真姫「希、調子はどう?」

希「おっ、真姫ちゃん!ウチのこと心配してくれるん?」

真姫「別に…心配なんかしてないわ」

希「そんなこと言って!ホントは心配してくれたんでしょ?」ダキッ

真姫「やめてよ気持ち悪い」

希「えっ…ごめん。ウチは気持ち悪いんやね」

真姫「あっ、別にそういうつもりで言ったわけじゃ…」

希「いいんよ、真姫ちゃんはウチのことが嫌いなんやね……」ショボーン

真姫「そんなこと言ってないでしょ」

希「じゃあ好き?真姫ちゃんウチのこと好き?」ニヤッ

真姫「なんでそうなるのよ」

希「やっぱり嫌い……?」ショボーン

真姫「だから、嫌いなんて言ってないでしょ」

希「じゃあ大好き?」ニヤッ

真姫「ああもう!めんどくさいわね!」

238: 2016/02/17(水) 21:56:11.14 ID:NubfhFLR.net
穂乃果「楽しそうだね」

海未「いつものことじゃないですか」

花陽「真姫ちゃん…希ちゃんのことが大好きだもんね」

凛「希ちゃんずるいよ!凛も真姫ちゃんと遊びたい!」

にこ「はぁ……」

絵里「にこ、どうしたの?」

にこ「いや、真姫ってわかりやすいと思ってね」

絵里「…いいことじゃない」

にこ「そうかもね……」

239: 2016/02/17(水) 21:57:38.54 ID:NubfhFLR.net
真姫「あれ…そのシュシュ」

希「あっ、わかる?新しくしたんよ。お母さんが送ってくれて…」

真姫「お母さんが?」

希「そうなんよ!この間約束破っちゃったからって何回も謝ってくれて!ウチは全然気にしてないって言ったのにー」ニコニコ

真姫「素直じゃないのね…」

希「真姫ちゃんには言われたくないなー」

真姫「…面倒な人」

希「真姫ちゃん……」

真姫「なによ?」

希「ありがとう!」ニコッ



ことり(真姫ちゃんの気持ちなんて…みんなにバレバレだよね)



つづく

240: 2016/02/17(水) 22:05:12.07 ID:NubfhFLR.net
第5話は一応仮面ライダーカブトの第4話をイメージしました
4,5話はあくまでイメージなんであんまり元ネタの要素が残ってないですね
3話のスーパー穂乃果は結構元ネタまんまです

つづきは明日

247: 2016/02/18(木) 17:20:17.69 ID:QN0Z/cf3.net
番外編2

凛「真姫ちゃん真姫ちゃん!ラーメン食べに行こうよ!」

真姫「花陽と行けばいいじゃない」

凛「かよちんは用事があるんだって」

真姫「じゃあにこちゃんと行けば?」

凛「えーやだよー」

にこ「なんでよ!」

凛「真姫ちゃんと行きたいの!すごい行列のできるお店だって評判なんだよ!」

真姫「行列?」

凛「うん!50人くらい並んでることもあるんだって。最近急においしくなったらしいんだ」

真姫「そんなに?まさか…」

ことり「ねえ真姫ちゃん、もしかして……」ヒソヒソ

真姫「そのラーメン屋…怪しいわね」ヒソヒソ

凛「真姫ちゃん?」

真姫「凛、私とことりも一緒に行くわ」

凛「ことりちゃんも?」

ことり「うん!」

にこ「ちょっと、私は?」

凛「にこちゃんも来ていいよ」

にこ「その言い方何なのよ!」

248: 2016/02/18(木) 17:21:58.85 ID:QN0Z/cf3.net
ラーメン屋前

行列「」ズラーーーッ

にこ「ホントにすごい行列ね…」

ことり「こ、こんなにすごいとは思わなかったなぁ……」

真姫「凛、どうするの?」

凛「うーん、凛は食べてみたいけど…みんなを待たせるのは悪いし……」

ことり「私は大丈夫だよ」

にこ「真姫は?」

真姫「私も平気よ、せっかくだから並んでみましょう」

にこ「そう、あんたがそう言うなら」

凛「決まりだね!」



ことり「あれっ?前の方が騒がしくない?」

にこ「割り込みよ、いるのよねー…常識のない人って」

凛「違うみたいだよ、向こうに行っちゃった」

にこ「紛らわしいわね、わざわざ列の間を通らなくても回り道すればいいのに」

真姫「そうもいかないわよ、こんなに列が長いんだもの」

249: 2016/02/18(木) 17:24:43.57 ID:QN0Z/cf3.net
数十分後

ことり「あっ、席が空いたよ」

にこ「やっと……待ちくたびれちゃったわね」



店員「お待たせしました、ラーメン4つですね」

真姫「へえ、おいしそうね」

にこ「早く食べましょ、お腹空いたわ」

凛、にこ、ことり、真姫「いただきます…」ツルツル

にこ、ことり、真姫「おいしぃぃぃーい」

凛「うますぎるにゃぁぁあぁあーー!!!」



ことり「おいしかったねー」

凛「凛…もういつ氏んでもいいよ……凛の人生に…悔い…なし」」

にこ「そう思えるくらいの味だったわね…」

250: 2016/02/18(木) 17:27:26.62 ID:QN0Z/cf3.net


ことり「真姫ちゃん、どうだった?エイリアンと関係ありそう?」ヒソヒソ

真姫「それが…あの近くにエイリアンがいたのは間違いなさそうなんだけど、でも…」

ことり「違ったの?」

真姫「私はてっきり、ラーメンに中毒性のある物質が含まれているのだと思っていたの。でもあれは普通のラーメンだった。ただのおいしいラーメン」

真姫「私の勘違いだったのかしら…」

凛「あんなにおいしいラーメンを食べたら…もう他のラーメンが食べられなくなっちゃうね!」

にこ「そうね」

真姫「他のラーメン……それだわ!」

ことり「何かわかったの?」

真姫「奴ら…飲食業界をつぶすつもりね」

ことり「えっ」

真姫「考えてみてよ。あれだけおいしいラーメンを食べたら他のラーメンを食べようなんて思わないでしょ?奴らがラーメンだけで満足するとは限らないわ。最初はラーメン、次はカレー……そうして手を広げていって、最終的に飲食業界全体を支配して……」

ことり「真姫ちゃん、もしかして…なんにもわかってないんじゃない?」

凛「二人とも何話してるの?」

ことり「あっ…なんでもないのよなんでも」

真姫「とにかく、もう少し調べてみる必要がありそうね」ヒソヒソ

251: 2016/02/18(木) 17:28:38.73 ID:QN0Z/cf3.net
次の日

凛「真姫ちゃーーん!ラーメン食べに行かない?」

真姫「いいわよ」

凛「えっ…ホントに?」

真姫「昨日のお店よね、また行きたいと思ってたの」

にこ「私も行くわ!」

凛「ことりちゃんは?」

ことり「私は…今日はいいかな」

凛「じゃあ3人で行こっか!」

その次の日

凛「真姫ちゃん!ラーメ…」

真姫「行くわよ!」

凛「うん!」

にこ「よく続くわね…さすがに3日連続は…」

花陽「真姫ちゃん…ラーメンにハマっちゃったの?」

252: 2016/02/18(木) 17:30:43.56 ID:QN0Z/cf3.net
また次の日

真姫「凛!ラーメン行くでしょ?」

凛「えっ、う…うん」



さらに次の日

真姫「凛、行くわよ!」

凛「ごめんね真姫ちゃん…今日はちょっと……」

真姫「何か用事があるの?」

凛「ううん…どんなにおいしいものでも、毎日食べたらさすがに飽きちゃうよ…」

真姫「それもそうね、じゃあ一人で行ってくるわ」

絵里「真姫…一人でも行くのね」

ことり「ねえ真姫ちゃん…」

真姫「大丈夫よ、もう手がかりはつかんだから」

ことり(真姫ちゃん…何かわかったのかな?)



――――

253: 2016/02/18(木) 17:32:15.48 ID:QN0Z/cf3.net
数日後

ことり「へえー、ラーメン屋さんの隣にエイリアンが住んでたんだー」

真姫「そうよ、奴らはラーメン屋を隠れ蓑にして侵略を企んでいたの。行列で自分たちの隠れ家への入り口を隠してね」

ことり「じゃあやっぱりあのラーメンは……」

真姫「それが、奴らラーメンには何もしてなかったのよ」

ことり「えっ?」

真姫「本当に…ただのおいしいラーメンだったの」

ことり「そうなんだ……」

真姫「でも、とんでもないことをしようとしていた」

ことり「とんでもないこと?」

真姫「そう、奴らは仲間を地球に呼び寄せるつもりだったみたいなんだけど……その数は少なくとも100万」

ことり「そっ、そんなに?」

真姫「その星の全てを食らい尽くす悪食、それがあのエイリアンよ」

ことり「地球が危なかったんだね……」

真姫「まあ、凛のおかげであのお店に通えて、奴らの存在に気付けたわけだし…そこは感謝してもいいかもね」

254: 2016/02/18(木) 17:34:44.99 ID:QN0Z/cf3.net
真姫「さ、そろそろ行きましょ」

ことり「あっ、待って真姫ちゃん」

真姫「どうしたの?」

ことり「その……言いにくいんだけどね」

真姫「なによ?」

ことり「最近ちょっと……太ったんじゃない?」

真姫「えっ?」

ことり「ラーメンの食べ過ぎだと思うんだけど……」

真姫「ナニイッテルノ、カイゾウニンゲンハフトラナイワヨ」

ことり「嘘はダメだよ、みんなも気づいてるから」

真姫「……ダイエットシマス」



「真姫ちゃんと行列のできるラーメン屋」 おわり

255: 2016/02/18(木) 17:45:45.75 ID:QN0Z/cf3.net
ラセスタ星人とか麻酔無しでな!とかのネタに気づいてもらえてありがたいです
オビコとかウクバールとか雪の扉とか太田愛脚本は名作だらけですよね

257: 2016/02/18(木) 20:06:47.21 ID:QN0Z/cf3.net
6話「凛じゃない!」



屋上

ダンダンダダダンッ

海未「凛!遅れてますよ」

凛「うっ!」

海未「足が上がっていません!」

凛「くっ」

海未「細かいふりをごまかさない!」

凛「うぅー」

ダンッ

海未「……」

凛「……」

海未「凛…少し気を抜き過ぎです」

凛「うん…ごめんね」

海未「調子が悪いのですか?元気がないようですが」

258: 2016/02/18(木) 20:09:17.24 ID:QN0Z/cf3.net
希「まあまあ海未ちゃん、凛ちゃんは花陽ちゃんに会えなくて寂しいんよ」

ことり「もう3日も学校休んでるんだもんね」

穂乃果「インフルエンザだっけ?大変だよね」

真姫「移ったら悪いからって、会いに行けてもないからね」

凛「うぅー、かよちんに会いたいよー」

にこ「はいはい、そんなこと言ったってしょうがないでしょ」

穂乃果「そうだよ。だから凛ちゃん、今日一緒にラーメン食べに行かない?」

凛「ラーメン食べに行くの?」

にこ「そ、私と穂乃果でおいしそうなラーメン屋を見つけたのよ」

凛「もちろん行く行く……あっ」

穂乃果「凛ちゃん?」

凛「ごめん…やっぱりいいや」

にこ「そう?…じゃあいいけど」

穂乃果「二人で行こっか」

にこ「そうね」

259: 2016/02/18(木) 20:12:14.65 ID:QN0Z/cf3.net
帰り道

凛「あー…ラーメン行きたかったなー」

凛「でもしょうがないよね。来月のラーメン展示会のためにお金を貯めなきゃ」

凛「はぁー…かよちーん」チラッ

クレーンゲーム「……」

凛「……この景品のぬいぐるみ」ジロジロ

ぬいぐるみ「」

凛「なんだかかよちんに似てるかも」

凛「かーよちん」

ぬいぐるみ「リンチャン!」

凛「!?」

凛「今…ぬいぐるみがしゃべったような……」

凛「気のせい…だよね」

ぬいぐるみ「」

凛「やっぱり気になるなぁ…」

凛「だけど無駄遣いはできないし……」

260: 2016/02/18(木) 20:15:09.11 ID:QN0Z/cf3.net
凛「あっ、でも今日はジュースを我慢したから100円節約できたし…」

凛「やっちゃえ!えい!」チャリーン

ウィーン

凛「よーし……」

ガチッ

凛「うん!いい感じ」

ウィーン

ぬいぐるみ「」ポトッ

凛「やったー!」

凛「えへへ…かよちーん」ナデナデ

ぬいぐるみ「コンニチハ」

凛「やっぱりしゃべった!?」

ぬいぐるみ「」スゥゥゥ

凛「えっ?」

スゥゥゥゥ

凛「にゃあああ」



―――

261: 2016/02/18(木) 20:18:29.94 ID:QN0Z/cf3.net
凛(うぅ……)

凛(今、何があったんだろう)

凛(なんか……体が重い)

スッ ピッピッピ

凛(あれ、体が勝手に……)

凛「もしもしにこちゃん?やっぱり一緒に行っていい?」

凛「うん!すぐ行く!早くラーメン食べたいから!」

凛(なんで……?凛はそんなこと思ってないよ?)

ピッ

凛「……」ニヤッ

凛(もしかして…凛の体が乗っ取られた?)

262: 2016/02/18(木) 20:20:55.08 ID:QN0Z/cf3.net


真姫「この感じ……」

真姫「噂とも一致するし間違いないわね」

真姫「これが……」

真姫「…やるしかないのかしら」



真姫「くっ」

真姫「どうして!」

真姫「おかしいでしょ!今のは完璧だったはずよ!!」

真姫「…ダメ」

真姫「もしもしことり?」

真姫「今大丈夫?」

真姫「そう、ちょっと来てほしいんだけど……」



―――

263: 2016/02/18(木) 20:23:54.65 ID:QN0Z/cf3.net
ラーメン屋前

凛(ぬいぐるみ)「お待たせー」

穂乃果「凛ちゃん!」

穂乃果「やっぱりラーメンが食べたかったんだね」

凛(違うよ穂乃果ちゃん、今の凛は凛じゃないんだよ…)

凛(ぬいぐるみ)「それもあるんだけど……」

にこ、穂乃果「?」

凛(ぬいぐるみ)「にこちゃんと穂乃果ちゃんと一緒にいたいなって」

にこ「なによ急に……」

穂乃果「まあいいじゃん!早く食べようよ!」

凛(ぬいぐるみ)「そうだね」

ぬいぐるみ「」スゥゥゥ

凛(あれ、この感じ……)

凛「戻った!」

穂乃果「何が戻ったの?」

凛「聞いてよ穂乃果ちゃん!今ね!凛の体がぬいぐるみに……」

ぬいぐるみ「」スゥゥゥ

穂乃果「ぬいぐるみ?そのかばんに着けてるの?それがどうかしたの?」

凛(ぬいぐるみ)「ううん、何でもないよ」

穂乃果「…?」

にこ「さ、早くいきましょ」

ぬいぐるみ「」スゥゥゥ

凛「……戻った」ボソッ

凛(やっぱり…このぬいぐるみ)

凛(凛に憑りついてるにゃあーー!)

凛(せっかく凛の体が帰ってきたのに…ぬいぐるみの悪霊の秘密を言おうとしたから口止めされたんだ……)

凛(凛は…凛はどうしたらいいの!?)

264: 2016/02/18(木) 20:27:49.86 ID:QN0Z/cf3.net
にこ「にこはチャーシューメンにしよっかなー」

穂乃果「私は味玉ラーメンかなー、凛ちゃんは何にする?」

凛「凛は普通のラーメンに……」

凛(だってお金は使いたくな…うっ)

ぬいぐるみ「」スゥゥゥ

凛(ぬいぐるみ)「やっぱりスペシャルラーメンにするよ!」

にこ「さすが凛ね」

穂乃果「ラーメン大好きだもんねー」

凛(ああっ!凛のお金がー!?)



店員「お待たせしました」

ツルツル

にこ「しかしこのラーメン、おいしいわね」

穂乃果「うん、さすがにこちゃんが見つけたお店だよー」

凛「ありがとうにこちゃん」

にこ「大げさよ、ラーメンくらいで」

凛「でもすっごくおいしいよ」

穂乃果「うんうん!」

にこ「……」

265: 2016/02/18(木) 20:31:27.58 ID:QN0Z/cf3.net
凛「にこちゃん?」

にこ「…こうしてあんたたちといると、たまに悲しくなるのよね」

穂乃果「なんでぇ!?」

凛「凛たちと遊ぶのがそんなに嫌だったの?」

にこ「あっ、そうじゃなくて……。あんたたちと一緒にいられるのもあと少ししかないんだと思うとね」

穂乃果「どういうこと?」

にこ「ほら、私って今までずっと一人でアイドル研究部をやってきたから…。もっと早くみんなと会えたてら、もっと早く一緒にアイドルやれてたら……もっと楽しかったのかなって」

穂乃果「にこちゃん、寂しいの?」

にこ「べ、別に寂しくなんか……」

凛「またまたー、強がっちゃってー」スゥゥゥ

凛(ぬいぐるみ)「凛はそうは思わないよ」

穂乃果「凛ちゃん?」

凛(ぬいぐるみ)「凛もみんなと会えてよかったと思ってるよ。でも、にこちゃんたちが卒業したって会えなくなるわけじゃないよ。凛たちはずっと一緒だよ」

にこ「凛……」

266: 2016/02/18(木) 20:33:37.62 ID:QN0Z/cf3.net
凛(ぬいぐるみ)「だから心配しないでにこちゃん。凛は、にこちゃんのことが大好きだから」

凛(な、なんか恥ずかしいこと言ってる!!?)

にこ「は、恥ずかしいこと言わないでよ……//」

穂乃果「にこちゃん照れてるー!」

にこ「…にっこにっこにー」

穂乃果「ごまかしたってダメだよ!」

凛(ぬいぐるみ)「えへへ、にこちゃーん」

スゥゥゥ

にこ「凛、ありがとう」

凛「……//」

穂乃果「おお、これが雨降って地固まるってやつだね!」

にこ「いや、前々雨降ってないし…意味わかんないし…」

穂乃果「あれー?」

267: 2016/02/18(木) 20:38:08.41 ID:QN0Z/cf3.net
凛「もうー、穂乃果ちゃんはおバカ……」スゥゥゥ

凛(ぬいぐるみ)「さすがだよ穂乃果ちゃん!」

穂乃果「ええっ?」

凛「今の言葉の本当の意味、それはこれから何があっても凛たちはずっと一緒だっていうことだよね!」

穂乃果「えっ、そう…なの?」

凛(ぬいぐるみ)「何も考えてないようで、いつもμ'sのことを一番に考えてくれてる穂乃果ちゃん!そんな穂乃果ちゃんが凛は大好き!」

穂乃果「えへへ…なんだか照れるね」

凛(ぬいぐるみ)「……」ニコニコ

穂乃果「ありがと凛ちゃん、お礼に玉子をあげるよ」

凛(ぬいぐるみ)「やったー!」

にこ「チャーシューもあげるわ」

凛(ぬいぐるみ)「やったー!二人ともありがとう!」

にこ「いいのよ。凛が喜ぶところを見たら…」

穂乃果「私たちも嬉しいから…」

スゥゥゥ

凛「……」

凛(なんか…得しちゃった?)

268: 2016/02/18(木) 20:40:08.34 ID:QN0Z/cf3.net
穂乃果「ふぅー…おいしかったねー」

にこ「そうね」

凛「……」

財布「」スカスカ

凛(……全然得してなかった。そうだよ、結局スペシャルラーメン食べちゃったんだもん)

凛(あと千円しかない…これ以上お金を使うわけには…)

スゥゥゥ

凛(ぬいぐるみ)「二人とも今日はありがとう!凛は今日のこと、絶対に忘れないよ!」

にこ「大げさね」

凛(ぬいぐるみ)「大げさなんかじゃないよ。こうして3人で遊べることが、凛にとっては一番の幸せなんだ」

にこ「凛……」

穂乃果「凛ちゃん……」

凛(ぬいぐるみ)「また一緒にラーメン食べに行こうね!」

穂乃果「うん!」

にこ「もちろんよ!他にも行きたいお店があるもの」


凛(ぬいぐるみ)「じゃあまたねー!」

穂乃果「じゃーねー」

にこ「じゃあね」

スゥゥゥ

凛「戻った……」

凛(……さっきから何回も悪霊に体を乗っ取られてる)

凛(あぁ…凛はどうなっちゃうんだろう)


―――

269: 2016/02/18(木) 20:44:33.38 ID:QN0Z/cf3.net
ことり「真姫ちゃーん」

真姫「来たわね」

ことり「がんばっているかね?」

真姫「ふざけないで」

ことり「えへへ…」

真姫「なによ……」

ことり「うれしいんだ、真姫ちゃんが私を頼ってくれて」

真姫「残念ね、別に頼ってなんかないわよ」

ことり「えー、ひどいよ真姫ちゃん」

真姫「…さ、早くいきましょ」

ことり「…うん!」

真姫「とりあえず、ことりにやって欲しいことがあるんだけど……」

ことり「?」



270: 2016/02/18(木) 20:48:14.97 ID:QN0Z/cf3.net
凛「よし、うちに帰ろう!」

凛「このままじゃ何があるかわからないし…。多分家の中にいた方が安全……」

絵里「凛?」

希「凛ちゃん、奇遇やね」

凛「あっ……」

スゥゥゥ

凛(ぬいぐるみ)「二人とも何してるの?」

絵里「何って言われても……」

希「ウチと絵里ちでハンバーガーを食べに行こうと思ってたんやけど」

凛(ぬいぐるみ)「ハンバーガー!?いいね!」

希「凛ちゃんも来る?」

凛(ぬいぐるみ)「うん!」

凛(ああ……また凛のお金が)



――

271: 2016/02/18(木) 20:50:37.75 ID:QN0Z/cf3.net
ことり「やってほしいことって…これ?」

クレーンゲーム「」

真姫「そうよ」

ことり「だってこれ、ただのクレーンゲームだよ?」

真姫「ただのクレーンゲームじゃないわ、怪しいクレーンゲームよ」

ことり「うーん…」

真姫「このゲームで遊んだ人は悪霊に体を乗っ取られる、そんな噂があるのよ。それに…この近くでエイリアンの気配も感じるから」

ことり「真姫ちゃんがそういうなら…でも」

真姫「なによ?」

ことり「わざわざ私を呼ばなくても…真姫ちゃんがやればよかったんじゃ」

真姫「……」

ことり「……」

273: 2016/02/18(木) 20:52:57.00 ID:QN0Z/cf3.net
真姫「……さ、早くそのぬいぐるみを取ってちょうだい」

ことり「……」

真姫「……」

ことり「真姫ちゃん、もしかして……」

真姫「……なによ」

ことり「クレーンゲーム…やったことないの…?」

真姫「そんなわけないでしょ?」

ことり「だったら真姫ちゃんが先にやってみてよ」

真姫「それは……」

ことり「…できないの?」

真姫「……え?」

ことり「クレーンゲーム…できないの?」

真姫「できないわけないでしょ!」


―――

274: 2016/02/18(木) 20:57:43.64 ID:QN0Z/cf3.net
ハンバーガー屋

絵里「凛、こっちよ」

凛「希ちゃんは?」

絵里「すこし時間がかかるから先に食べててだって」

凛「そっか」

凛(とにかく変なことを言わないようにしなきゃ……)

絵里「凛?なんかやけに無口ね」

凛「そ、そんなことな……」

スゥゥゥ

凛(ぬいぐるみ)「実は絵里ちゃんに相談したいことがあるんだ」

凛(またにゃああああ!)

275: 2016/02/18(木) 21:00:43.58 ID:QN0Z/cf3.net
絵里「私に相談?」

凛(ぬいぐるみ)「えっとね、凛ね…ふごぉっ」

凛(ダメ!変なことは言わせないよ!)クチトジー

絵里「凛?どうしたの?」

凛(ぬいぐるみ)「な、なぁんでもな……」

絵里「ねえ、ちょっと気になってたんだけど」ジーッ

凛(ぬいぐるみ)「な、なに……?」

絵里「今日の凛、いつもの凛と何か違うような……」

凛(絵里ちゃん……そうだよ!絵里ちゃんが凛が凛じゃないことに気づいてくれれば何とかなるかも!)

絵里「もしかして……」

ぬいぐるみ「……」アセッ

絵里「肌がきれいになったんじゃない?」

凛(えっ)

凛(ぬいぐるみ)「あっ…もしかしてわかっちゃった?実はね、最近お酢を飲んでるんだ」

絵里「へー、お酢?」

凛(にゃあああに言ってんの絵里ちゃん!そうだよ、最近お酢を飲んでるよ!気づいてくれてありがとう!そんなの今はどうでもいいよ!)

276: 2016/02/18(木) 21:03:36.00 ID:QN0Z/cf3.net
絵里「でも、どうしてお酢なんか飲んでるの?」

凛(ぬいぐるみ)「うん、そのね……かっ…」

絵里「か?」

凛(ぬいぐるみ)「かわいくなりたくて……//」

絵里「…ふふっ、もしかして相談ってそのこと?心配しなくても、凛は十分かわいいわよ」

凛(……//)

凛(ぬいぐるみ)「でも、凛は絵里ちゃんと違ってスタイルもよくないし…性格だってこんなだし」

絵里「そう?私は凛が一番乙女でかわいいと思ってるんだけどなー」

スゥゥゥ

凛「あああああ!!//」

絵里「凛!?」

凛「あっ、なんでもないよ……」

絵里「そう…?じゃあ…私にもおすすめのお酢を教えてくれる?」

凛「えっ、絵里ちゃんもかっ、かわいくなりたいの……?//」

絵里「そうね、凛に負けないくらいに私もかわいくなりたいわ」

凛「え、絵里ちゃん//」

絵里「ふふふ」

277: 2016/02/18(木) 21:07:10.95 ID:QN0Z/cf3.net
希「お待たせー」

凛「希ちゃん!」

凛(そうだ!希ちゃんなら凛がおかしいことに気づいてくれるかも!スピリチュアルパワーとかで!)

希「お二人さん、盛り上がっとるねー」

絵里「ちょっと秘密の話をしててね」

希「えー、気になるやん。何の話?」

凛「ねえ希ちゃん、凛をよく見て」

希「え?」

凛「何か気づかない?ほら……」

希「」ジッー

凛「……」

希「凛ちゃん、もしかして……」

凛「……ゴクッ」

希「最近お酢飲んでる?」

凛「えっ」

絵里「すごーい、何でわかったの?」

希「これがスピリチュアルパワーなのだ!」

凛(スピリチュアルパワーなのだ…じゃないよ!凛の体がスピリチュアルなことになってるんだよ!)

278: 2016/02/18(木) 21:10:07.36 ID:QN0Z/cf3.net
絵里「そうだ凛、かわいくなりたいっていうなら…女の子らしいことをしてみたらいいんじゃないかしら」

凛「女の子らしいこと?」

絵里「ほら、凛っていつもラーメンばっかり食べてるでしょ?」

凛「うん」

絵里「でも、ラーメンってあんまり女の子らしくないじゃない?」

凛「だから?」

絵里「ラーメンの代わりに女の子らしいものを食べに行くのよ。例えばスイーツバイキングとか」

凛「スイーツ?」

希「絵里ち…自分が行きたいだけなんやないの?」

絵里「あら、バレちゃった?」

希「まあいいけどね!凛ちゃん、今度一緒にスイーツバイキングに行こうよ!」

凛「悪いんだけどお金が……」スゥゥゥ

凛(ぬいぐるみ)「もっちろんいっくにゃー!」

凛(お金……ないのに)

279: 2016/02/18(木) 21:12:20.15 ID:QN0Z/cf3.net
希「そうだ!ついでに凛ちゃんの運勢を占ってあげよう!」

凛(ぬいぐるみ)「ははー、よろしくお願いします」

希「んーーーーー」ガラガラガラガラ

希「はあぁぁぁ!」

絵里「どうだった?」

希「最高や……」

凛(ぬいぐるみ)「え?」

希「凛ちゃん、今までにないくらいツイとるよ。明々後日辺りすごいことになるかもよ!」

絵里「すごいことってなによ……」

凛(ぬいぐるみ)「よかったー」

希「楽しみにしといてね!」

凛(どこが最高なの!?むしろ最悪だよ!?大変なことになってるよ!もう怒った!希ちゃんの占いなんて一切信じないからね!)

凛(……違うよ、希ちゃんは悪くない。八つ当たりなんてしちゃダメだよね)

絵里「じゃあ、そろそろ行きましょうか」

280: 2016/02/18(木) 21:15:13.25 ID:QN0Z/cf3.net
店の外

凛「二人ともありがとう!」

絵里「こっちこそありがとね」

希「楽しかったよ!」

絵里「そういえば、この3人で遊ぶことなんてあまりなかったもんね」

希「凛ちゃんはいつも花陽ちゃんと一緒にいるからねー」

凛「そ、そんなことな…」スゥゥゥ

凛(ぬいぐるみ)「うん!凛はかよちんが大好きだからね」

絵里「あらら、やっぱり花陽には勝てないわね」

凛(ぬいぐるみ)「でもね……希ちゃんと絵里ちゃんのことも大好きだよ!」

凛(ぬいぐるみ)「いつも凛と一緒にふざけてくれる希ちゃん、いつもみんなをまとめてくれる絵里ちゃん、そんな二人が凛は大好きなんだ!」

絵里「凛……」

希「凛ちゃん……」

絵里「絶対スイーツバイキング、行くわよ!」

凛(ぬいぐるみ)「うん!」

凛(ぬいぐるみ)「じゃーねー二人とも、また月曜日に!」

希「じゃーねー」

絵里「またね」

凛(あぁ、また凛のお金が……。もう財布が空っぽだよ)




281: 2016/02/18(木) 21:17:16.92 ID:QN0Z/cf3.net
ことり「……」

真姫「……」ガッガガガ

ことり「真姫ちゃん……」

真姫「なによ」チャリーン

ことり「もうやめにしない?」

真姫「…まだよ」ウィーン

ことり「でも…もう2000円も使ってるよ」

ぬいぐるみ「」ピクッ

真姫「……ああっ!」

真姫「見た!?今ぬいぐるみが動いて逃げたでしょ?!」

ことり「うん…そうだね」

真姫「やっぱりエイリアンよ!」

ことり「そうだね……」

真姫「こんなの捕れるわけないわ!詐欺よこれ!」

真姫「こうなったら筐体ごと買い占めて……」

ことり「真姫ちゃん!?早まらないで!私がやってみるから」

真姫「嫌よ!こんなところで諦めてられないわ」

ことり「もうー、真姫ちゃん意地っ張りなんだからー」

真姫「次よ次!」チャリーン

282: 2016/02/18(木) 21:19:19.61 ID:QN0Z/cf3.net
ことり「うぅ…こうなったら」

ウィーン

ぬいぐるみ「」ピクッ

真姫「くっ…」

ことり「真姫ちゃん!」

ことり「おねがぁい♪私にもやらせて!」

真姫「……」

ことり「……」

真姫「まぁ…ちょっとだけやらせてあげてもいいけどね」

ことり「本当?」

真姫「ことりがやりたいっていうなら…代わってあげないってこともないわ」

ことり「…うん!」

真姫「私がクレーンゲームができないわけじゃないからね?」

ことり「わかってるよ」



――

283: 2016/02/18(木) 21:21:29.99 ID:QN0Z/cf3.net
スゥゥゥ

凛「さてと」

凛(…どうしよう)

凛(いつになったら悪霊は離れてくれるんだろう……)

凛(どうやったら凛の体は元通りになるんだろう)

凛(もうお金がどうとか言ってる場合じゃないよね。もしかしたらずっとこのまま……いやだよそんなの!)

凛(多分、あのぬいぐるみが関係してるんだけど…カバンから外そうとすると体を乗っ取られるし……)

凛(自分で外せないなら…他の人に外してもらえばいいのかな?)

凛(でもぬいぐるみのことは他の人に言えないから……誰かに凛が凛じゃないってことを気づいてもらわなきゃ)

凛「うぅーかよちーん……!」

凛「そうだ!かよちんなら気づいてくれるかも!」

凛「あなたは凛ちゃんじゃありませんね!凛ちゃんを返してください!」

凛「や、やっぱりかよちんは凛の親友だね!」

284: 2016/02/18(木) 21:23:04.47 ID:QN0Z/cf3.net
凛「……」

凛「はぁ…何考えてるんだろう」

海未「凛……?」

凛「海未ちゃん!?」

海未「どうしたんですか?そんなに驚いて」

凛「あっ、別に……」スゥゥゥ

凛(ぬいぐるみ)「海未ちゃん今何してるの?」

海未「家に帰るところですが」

凛(ぬいぐるみ)「凛も一緒に行っていい?」

海未「うちにですか?」

凛(ぬいぐるみ)「うん!」

海未「そんなこと急に言われても……」

凛(ぬいぐるみ)「おねがい!」

海未「…わかりました」

凛(今度は海未ちゃん……)



285: 2016/02/18(木) 21:24:44.41 ID:QN0Z/cf3.net
ことり「じゃあいくよー」チャリーン

真姫「……」ドキドキ

ウィーン ガシャ

ぬいぐるみ「」ガシッ

ウィーン ゴトッ

ことり「普通にとれっちゃたね」

真姫「なんで……?」

ことり「見てみて!この子、花陽ちゃんみたいでかわい…」

真姫「ことり!危ない!」バシッ

ことり「きゃっ」

ぬいぐるみ「」ピッカー

ぬいぐるみ「」タタタタッ

ことり「ぬいぐるみが…走って逃げちゃった」

真姫「間違いないわね、あれがエイリアンの正体」

真姫「逃げられたらまずいわ!追うわよ!」

ことり「慌てないで真姫ちゃん」

真姫「何言ってるの、急がないと!」

ことり「ふふふ」ピーン

真姫「なによその糸」

ことり「ミシン糸だよ。こんなこともあるかと思って、あの子の頭に縫い付けてみたんだ」カラカラカラ

真姫「え?」

ことり「だから、この糸をたどって行けば……」カラカラ

真姫「なんて早業……さすがμ'sの衣装担当だけあるわね」

ことり「えへへ……」

286: 2016/02/18(木) 21:26:24.04 ID:QN0Z/cf3.net
園田家

海未「どうぞ」

凛「ありがとう」

海未「凛がうちに来るなんて珍しいですよね」

凛「うん…はじめてだよ」

海未「そうでしたか」

凛「海未ちゃん…実はね」

海未「その前に、凛に言っておかなければいけないことがあります」

凛「え?」

海未「今日は厳しくし過ぎました。すみません」

凛「なんで?凛が悪かったんだし、海未ちゃんが謝ることじゃないよ?」

海未「許してくれますか?」

凛「許すって……海未ちゃんは何も悪いことしてないよ」

海未「そうですか…よかったです」

凛「ねえ海未ちゃん、なんか変だよ?」

海未「……あの」

凛「?」

海未「それが……」

凛「なに?」

海未「私は凛に嫌われているのではないかと思いまして」

凛「えっー!?何でそんなこと思ったの!?」

海未「……笑いませんか?」

凛「当たり前だよ」

海未「実は……」


―――

287: 2016/02/18(木) 21:34:24.83 ID:QN0Z/cf3.net
人気のない路地裏

ぬいぐるみ「ハァハァ」

真姫「お疲れみたいね」

ぬいぐるみ「!?」

ことり「よかったー工業用ミシン糸が役に立って」カラカラ

ぬいぐるみ「!」

真姫「超新星」

マキダー「さ、お仕置きの時間よ」

ぬいぐるみ「ぐうぅぅ」ブゥォォォ

ぬいぐるみエイリアン「がぁ」

ことり「ぬいぐるみさんが怖くなっちゃった!」

288: 2016/02/18(木) 21:35:38.44 ID:QN0Z/cf3.net
ぬいぐるみエイリアン「がぁぁ」ブンッ

マキダー「ふん、甘いわね」

マキダー「ハッ! タァッ!」バシッ

マキダー「こんなものなの?散々手間かけさせてくれた割に大したことないのね」

ぬいぐるみエイリアン「がぉおおん」

マキダー「さよなら……ソニックベテルギウス」ドカッ

エイリアン「ありゃあぁああ」キラーン

ギュイン

真姫「ふぅ」

ことり「飛んでっちゃったね……」

真姫「宇宙の彼方までね」

ことり「あのエイリアン…何だったんだろう?」

真姫「さあね」

289: 2016/02/18(木) 21:37:45.68 ID:QN0Z/cf3.net
~~~

海未「凛、遅れてますよ!」

凛「……うん」

海未「足が上がっていません!」」

凛「……っ」

海未「細かい振付をごまかさない!」

凛「……はいはい」

海未「凛、どうしました?ミスが目立ちますよ」

凛「……」

海未「気を取り直してもう一度……」

凛「……さいよ」

海未「え?」

290: 2016/02/18(木) 21:39:01.93 ID:QN0Z/cf3.net
凛「うるさいって言ってるんだよ!」

海未「り、凛?」

凛「いつもいつも凛を目の敵にして!怒ってばっかりで!」

海未「そ、そんなつもりは……」

凛「きっと、海未ちゃんは凛のことが嫌いなんだよ。だからそうやって厳しくするんだ」

海未「ち、違います……」

凛「海未ちゃんなんか、顔も見たくないよ」

タタタタッ

海未「…凛ー!」

~~~

海未「という夢を見て……」

凛「夢だったの?」

海未「夢でした」

凛「夢じゃん!」

291: 2016/02/18(木) 21:41:16.22 ID:QN0Z/cf3.net
海未「しかし、もしかしたらと思うと……」

凛「えー……」

海未「確かに、凛には厳しく指導していましたし」

凛「うん」

海未「無理やり山に登らせたり…」

凛「もう山にはいきたくないにゃー」

海未「雪の中に埋めたりしましたし…」

凛「氏ぬかと思ったよ」

海未「凛に嫌われていてもおかしくないかと……」

凛「そうだね!」

海未「うっ、やはり……」ガクッ

凛「冗談だよ。凛が海未ちゃんのこと、嫌いなわけないじゃん」

海未「本当ですか?」

凛「本当だよ、だって…あれ?」ピッカー

292: 2016/02/18(木) 21:42:26.87 ID:QN0Z/cf3.net
海未「凛…あの、変なことを聞きますが、体が光ってませんか?」

凛「な、なにこ……」

凛(ぬいぐるみ)「あーあ、お父さんやられちゃったんだー。もう終わりかー」

海未「り、凛……?」

凛(ぬいぐるみ)「ごめんね海未ちゃん!凛用事思い出したから帰るね!」

海未「え、ちょっ…」

凛(ぬいぐるみ)「じゃーねー!」タタタタッ

海未「何だったんでしょうか……」



凛(ぬいぐるみ)「この辺でいいや」スゥゥゥ

凛「わっ!」

凛「な、なにこれ……」

ぬいぐるみ「タノシカッタヨ」

凛「えっ?」

ぬいぐるみ「リンチャン、マタネー!」スゥゥゥ

凛「ぬいぐるみが消えちゃった…もしかして」

凛「元に戻ったー!!」

293: 2016/02/18(木) 21:44:17.15 ID:QN0Z/cf3.net
数日後

花陽「へ、へえー…ぬいぐるみの悪霊に憑りつかれてたんだ……」

凛「あっ、かよちん!信じてないでしょ!」

花陽「そんなことないよ?でも……」

凛「ひどいよ!どうせみんな信じてくれないと思って、かよちんにしか話してないんだよ!」

花陽「あのっ、そうじゃなくて……」

凛「なに?」

花陽「ねえ凛ちゃん、本当に凛ちゃんは凛ちゃんじゃなくなっちゃってたのかな?」

凛「え?」

花陽「だって、凛ちゃんがみんなのことを大好きだっていうのは本当のことだよね」

凛「そ、それは……」

花陽「それに、海未ちゃんと話してる時は悪霊に乗っ取られなかったんだよね?」

凛「……あっ」

花陽「ぬいぐるみが言ってたことって、本当は凛ちゃんがいつも心の中で思ってたことなんじゃないかな?恥ずかしくて今まで言いづらかったていうだけで」

花陽「きっと、凛ちゃんは自分の気持ちに素直になれたんだよ」

凛「……」

花陽「もしかしてそのぬいぐるみ、悪霊じゃなくて神様だったのかも」

凛「でも!でも!そのせいで凛のお財布は空っぽになっちゃったんだよー!!」

花陽「あはは、ごめんね、そうだったね……」

294: 2016/02/18(木) 21:46:50.90 ID:QN0Z/cf3.net
部室のドア「」ガチャ

にこ「凛っ!」

穂乃果「凛ちゃん!」

凛「どうしたの?」

花陽「おはよう、二人とも」

穂乃果「花陽ちゃん、治ったんだね!」

花陽「おかげさまで…へへへ」

にこ「まだ無理しちゃダメよ」

花陽「うん、ありがとう!」

穂乃果「そして凛ちゃん!」

凛「なに?」

穂乃果「この前言ってたラーメン屋さん…行きたくない!?」

凛「行きたい!……けど」

穂乃果「今日行こうよ!」

295: 2016/02/18(木) 21:49:08.04 ID:QN0Z/cf3.net
凛「でも…お金が」

穂乃果「ないの?」

凛「ないの」

にこ「心配しなくていいわ、私のおごりよ!」

凛「ええっ!?」

にこ「この間のお礼よ!」

穂乃果「私たちの絆…忘れてないからね」

凛「かよちんは……?」

花陽「私は病み上がりだからラーメンは……」

穂乃果「そっか、花陽ちゃん、また今度遊びに行こうね!」

花陽「うん!」

穂乃果「じゃあ凛ちゃん!あとで連絡するからーー!」

にこ「遅れるんじゃないわよ!」

296: 2016/02/18(木) 21:49:48.65 ID:QN0Z/cf3.net
絵里「待って!」

凛「絵里ちゃん!?」

希「凛ちゃんはウチ達とスイーツバイキングに行くんよ、ねー」

凛「そういえば…そんなこと言ってたような」

絵里「凛、行きましょう」

凛「でも、お金がなくて……」

絵里「気にしないで、私のおごりよ」

凛「えっ」

絵里「凛がこの間言ってくれたこと、忘れないからね……」

凛「あ、あれは凛じゃなくて……」

希「もうー、遠慮なんて凛ちゃんらしくないやん?」

凛「ええっと……」

絵里「さあ行きましょ凛!」

にこ「ちょっとー!凛は私たちとラーメンに行くのよ!」

穂乃果「そうだそうだ!」

ガヤガヤ

297: 2016/02/18(木) 21:52:45.99 ID:QN0Z/cf3.net
真姫「何なのアレ?」

ことり「なんだろうね……?」

花陽「凛ちゃん…大人気だね」

凛「うん…でも、みんなが好きな凛は今の凛じゃなくて、悪霊が憑りついてた凛なんだけど……」

『凛ちゃんはきっと、自分の気持ちに素直になれたんだよ』

凛「まあいっか!」

凛「絵里ちゃーん、にこちゃーん!凛はどっちも行くよー!」

花陽「あはは…凛ちゃん頑張ってね」

真姫「私たちだけ仲間はずれみたいね」

ことり「じゃあ、せっかくだから真姫ちゃんと花陽ちゃんに手品を見せてあげるよ」

298: 2016/02/18(木) 21:54:03.40 ID:QN0Z/cf3.net
真姫「手品?」

ことり「うん、最近練習してるんだ」

花陽「ことりちゃん手先が器用だもんね。手品も上手そう」

真姫「さすがμ'sの衣装担当ね」

ことり「真姫ちゃん、100円玉貸してくれる?」

真姫「?いいわよ」

ことり「じゃあ見ててね……」

ことり「ここに種も仕掛けもないコップがありまーす」

ことり「コップに100円玉を入れて、逆さまにしてテーブルの上に置きます」

ことり「そして、上から布をかぶせちゃいます」

花陽「……」ジーッ

ことり「コップの中に入っているものは何ですか?」

花陽「100円玉だよね?」

ことり「そうです。でも、私がパワーを送ると100円玉がかわいいものになっちゃいます」

花陽、真姫「……?」

299: 2016/02/18(木) 21:55:08.83 ID:QN0Z/cf3.net
ことり「今からコップにパワーを送ります。かわいくなあれ、かわいくなあれ」

真姫「……」

ことり「来ました!3……2……1」

花陽、真姫「……」ジーッ

ことり「0!」

バサッ

アルパカ「メェー」

花陽、真姫「!!??」

ことり「なんと!100円玉がアルパカさんになっちゃいましたー」

真姫「えっ、ちょっ!え?」

花陽「すごい……」

ことり「えへへ、どうだったかな?」

花陽「すごいよ!これならプロになれるよ!」

真姫(これホントに手品……?だってアルパカって普段はアルパカ小屋にいて…ここは部室で……)

300: 2016/02/18(木) 21:56:51.00 ID:QN0Z/cf3.net
真姫「あっ、そういえば私の100円玉は?」

ことり「うーん……真姫ちゃんが手品の種を見破れたら返してあげよっかなー」

真姫「じゃあ別にいいわよ。100円くらい」

ことり「本当にいいの?」

真姫「いいわよ別に」

ことり「もしかして……できないの?」

真姫「え?」

ことり「種を見破ること…できないの?」

真姫「…できないわけないでしょ!」

ことり「えへへ、そうこなくっちゃ」

真姫「見てなさい!こんなの簡単よ!ふぐぐ……」

アルパカ「メェッエエ!?」

ことり「えええっー!!無理だよ真姫ちゃん!どうやったってコップにアルパカさんは入らないよ!?」

真姫「そ、そんなことな……」ギチギチ

アルパカ「ギョェェエ!?」

花陽「やめてよ真姫ちゃん!アルパカさんが可哀想だよ!」

真姫「こんなの簡単よ……」ギッチギチ

ことり「真姫ちゃんおねがぁい!?ちょっと落ち着いて!」

301: 2016/02/18(木) 21:58:02.48 ID:QN0Z/cf3.net


絵里「先にスイーツよね?」グイグイ

にこ「なんでよ!普通に考えてラーメンが先でしょ!」グイグイ

凛「そ、そんなに引っ張らないでよー」

海未「……」スタスタ

凛「……あっ!」

海未「凛…?」

凛「よーし」

タタタタッ

絵里「凛!どこ行くの!」

302: 2016/02/18(木) 22:00:24.19 ID:QN0Z/cf3.net
凛「海未ちゃん!」

海未「凛、あの……」

凛「凛が海未ちゃんのこと嫌いなわけないよ」

海未「……」

凛「だって……」

凛「凛は海未ちゃんのことが大好きだからね!」

海未「…!」

凛「厳しくて、凛はいつも怒られてばっかりだけど、ホントは優しくて、誰よりも凛のことを考えてくれてて……そんな海未ちゃんが凛は大好き!//」

凛「じゃあね//」

タタタタッ

海未「……凛」



凛「さ、ラーメンとスイーツを食べに行っくにゃー!!」



つづく

303: 2016/02/18(木) 22:01:20.70 ID:QN0Z/cf3.net
今日はここまでです
つづきは明日

307: 2016/02/19(金) 20:39:48.69 ID:iEY1pYda.net
第7話「ケンカするほど」



にこ「だから、次の新曲はラブリーでぇ、キュートな曲がいいと思うんだけどぉ」

真姫「いやよ、クールな曲にしましょ」

にこ「なんでよー?にこの魅力を引き出すならかわいい曲!そう思わない?」

真姫「にこちゃんに魅力なんてないわよ」

にこ「なんですって!?」

真姫「とにかく、曲はあなた一人のために作るわけじゃないんだから」

にこ「それは…そうだけど」

希「まあまあ真姫ちゃん、センターはにこっちなんやし、少しは意見を聞いてあげてもいいんやない?」

真姫「うーん……」

にこ「そ・う・よ!私がセンターなの!」

凛「そういえば、なんでにこちゃんがセンターなの?」

にこ「それはもちろん、みんながにこにーの虜になっちゃったからー…」

308: 2016/02/19(金) 20:41:30.10 ID:iEY1pYda.net
穂乃果「絵里ちゃんのおかげだね」

にこ「にこっ!?」

ことり「絵里ちゃんすごかったね」

海未「あれほどにこを推すとは思いませんでした」

絵里「そう?別に普通よ」

希「いや、あの時の絵里ちの勢いはすごかったよ」

凛「もしかして絵里ちゃん、にこちゃんに弱みを握られて……」

花陽「そうだったの!?」

希「うん、実は絵里ちの家に爆弾が仕掛けられてて、亜里沙ちゃんが人質に取られて……」

穂乃果「えええー!」

凛「にこちゃんなんてことするにゃ!」

穂乃果「亜里沙ちゃんを開放して!」

にこ「そんなこと言っていいのかしら?今起爆スイッチを押してもいいんだけどね……」

凛「くっ、卑怯だよ……」

にこ「ふふふ……」

にこ「って、そんなわけないでしょ!」

穂乃果、凛「だよね」

希「当たり前やね」

309: 2016/02/19(金) 20:44:10.76 ID:iEY1pYda.net
絵里「もう、私はにこがセンターをやるべきだと思ったから推薦したのよ。からかわないで」

希、凛、穂乃果「はーい」

にこ「で、新曲はやっぱりキュートな曲よね」

真姫「それとこれとは話が別よ。クールな曲の方が良いわ」

にこ「もう!なんでわかんないのよ!にこのかわいさは…」

真姫「さっきからそればっかり。自分のことしか考えられないの?」

にこ「なんですって!?」

穂乃果「…まあまあ二人とも、ここは間を取ってみんなで盛り上がれる曲で…」

にこ、真姫「それはダメ!」

穂乃果「なんでぇ!?」

凛「息ぴったりだね」

希「似た者同士やからね」

310: 2016/02/19(金) 20:46:52.76 ID:iEY1pYda.net
にこ「今度の曲はね、そんなありきたりな曲じゃダメなのよ!」

真姫「にこちゃんの言う通りよ!穂乃果、そんなこともわからないの?」

穂乃果「えっ、私?」

にこ「そうよ!私が言いたいこと、わからないの?」

穂乃果「わからないよ……」

にこ「だから!次の曲はファンの心に残るようなインパクトのある曲じゃなきゃいけないの!」

真姫「そうね」

にこ「そのためには、出だしからみんなの心をつかむような…」

真姫「キャッチーなフレーズが必要ね」

にこ「そう!それよ!」

真姫「それで、Aメロでは少し切ない感じを出しながらも…」

にこ「Bメロで溜を作って…」

真姫、にこ「サビで一気に盛り上がる!」

凛「なんか、二人とも考えてることは同じじゃないかな?」

希「似た者同士やからね」

311: 2016/02/19(金) 20:49:28.39 ID:iEY1pYda.net
にこ、真姫「で、サビはやっぱり…」

にこ「キュートなメロディ…」
真姫「クールなメロディ…」

にこ、真姫「はぁ!?」

真姫「どうしてそうなるのよ。今の話聞いてなかったの?」

にこ「聞いてないわけないでしょ!」

真姫「じゃあ頭が悪いのね。可哀想に」

にこ「なんでそうなるのよ!」

真姫「だって、今の話を聞いてたらクールな曲の方がいいってわかるはずよ。ね、穂乃果」

穂乃果「えっ?」

にこ「待ちなさいよ!どう考えたってキュートな曲が良いわ。そうよね穂乃果?」

穂乃果「ええっ!?」

真姫「穂乃果!」

にこ「穂乃果!」

真姫「穂乃果!!」

にこ「穂乃果!!」

穂乃果「わ、私にはわかんないよー!」

海未「絵里、どうします?このままだといつまでたっても練習が始められません…」

絵里「そうよね……」

312: 2016/02/19(金) 20:52:08.60 ID:iEY1pYda.net
絵里「にこ、真姫、新曲の話は明日にして、早く練習を始めましょう? みんな待ってるから」チラッ

凛「かよちん、昨日の夢の話なんだけどね。海未ちゃんが電車の中で急に踊り始めて……」

花陽「あははは……」

海未「凛、怒りますよ」

凛「もう怒ってるにゃ……」

希「あれ?ことりちゃんシャンプー変えた?」

ことり「どうしてわかったの?」

希「これがウチのスピリチュアルパワーなのだ!」

ことり「すごーい!」

絵里「ね、いい?」

にこ「まあ……いいけど」

真姫「…そうね」

313: 2016/02/19(金) 20:55:23.23 ID:iEY1pYda.net
絵里「それで真姫、悪いんだけど明日みんなに新曲の案を聞かせてくれない?できたところまででいいから…イメージをつかみたいの」

真姫「……」

絵里「真姫、どうかしたの?」

真姫「……悪いけど、明日は練習に行けないかもしれないから」

絵里「そう?じゃあ明後日にでも」

にこ「…真姫、ちょっと待ちなさい」

真姫「なに?」

にこ「あんた…最近休み過ぎなんじゃない?」

真姫「……ごめんなさい」

にこ「別に怒ってるわけじゃないけど、理由は何なの?」

真姫「……」

にこ「ライブも近いし、理由もなく休むなんて考えられないんだけど…」

海未「…真姫、実は私もそう思っていたんです」

凛「凛もちょっと気になってたんだ。真姫ちゃん、どうしたの?」

真姫「……ごめんなさい」

にこ「言えないようなことなの?」

真姫「…そうね」

314: 2016/02/19(金) 20:59:03.11 ID:iEY1pYda.net
にこ「何でもいいから言ってみなさいよ」

真姫「……無理よ、言えない」

にこ「…どんな理由でも、怒ったりも笑ったりもしないから」

真姫「ダメよ…にこちゃんには絶対に言えないことなの」

にこ「私には…?」

希「まあまあにこっち。真姫ちゃんにも色々あるんよ」

ことり「そうそう、色々あるんだよ」

にこ「……」

ことり「だからね、にこちゃん」

にこ「…ことり」ボソッ

ことり「にこちゃん?」

にこ「……なんでもないわ」

ことり「?」

にこ「ねえ真姫、私って、自分で思ってたよりあんたに信用されてなかったみたいね」

真姫「……」

凛「真姫ちゃん……」

海未「真姫……」

穂乃果「にこちゃーん、真姫ちゃーん、早く始めようよー」



―――

315: 2016/02/19(金) 21:01:54.54 ID:iEY1pYda.net
練習中

海未「ではストレッチから…」

にこ「……」ギュー

真姫「……」グイグイ

にこ「次、私の番」ピリピリ

真姫「そうね……」ピリピリ

真姫「……」ギュー

にこ「……」グイグイ

凛「な、なんかにこちゃんと真姫ちゃんが怖いよ…」

花陽「うん……」

穂乃果「いつもの二人じゃないみたい……」

絵里「にこ…真姫…」

ことり「……」

凛「やっぱり…ケンカしちゃったのかな…?」

希「あの二人のことやもん。心配しなくても、きっとすぐ元通りになるよ」

凛「うん……」

316: 2016/02/19(金) 21:06:14.26 ID:iEY1pYda.net
練習後

にこ「ことり、この後時間ある?」

ことり「え?えーっと……」チラッ

真姫「……」

ことり(真姫ちゃんについて行こうと思ってたんだけど……)

真姫「ことり、にこちゃん、じゃあね」スタスタ

にこ「ねえ、どうなの?」

ことり(真姫ちゃん…一人で行っちゃった。今日は連れて行ってくれないのかな?)

にこ「ことり?」

ことり「…うん、いいよ!遊ぼう!」

にこ「よかったー、じゃあチーズケーキを食べに行きましょ」

ことり「チーズケーキを…二人で?」

にこ「そうよ、行きたかったお店があるの!チーズケーキ、ことりも好きでしょ?」

ことり「だーい好き!」

317: 2016/02/19(金) 21:15:15.54 ID:iEY1pYda.net
ケーキ屋

チーズケーキ「」キラキラ

ことり「わぁぁ……」

にこ「ふふっ」

ことり「おいしそう……」

にこ「でしょ?」

ことり「いただきます…」パクパク

にこ「おいしい?」

ことり「おいしい……」パクパク

ことり「幸せ……」

にこ「そう、よかった」

ことり「」パクパク

にこ「しっかし、よく食べるわねー」

ことり「」パクパク

にこ「……」

ことり「」パクパク

にこ「ちょ……」

ことり「」パクパク

にこ「どんだけ食べるの!?」

ことり「ダメ……?」

にこ「いや……いいわ、好きなだけ食べなさい。クーポンがあるから」

ことり「やったー!」パクパク

にこ「ふふっ」

318: 2016/02/19(金) 21:17:24.25 ID:iEY1pYda.net
―――

ことり「ふぅー、おいしかった」

にこ「よくそんなに食べられたわね」

ことり「こーんなににおいしいケーキだったら、いくらでも食べれちゃうよー」

にこ「まあ、喜んでもらえてよかったわ」

ことり「にこちゃんありがとう!」

にこ「…どういたしまして」

ことり「でも、どうして私を誘ってくれたの?」

にこ「…だって、私たちって趣味が合うと思わない?お菓子とかファッションとか、好きなものも似てるし……」

ことり「そうだね!」

にこ「前から、もっとことりと仲良くなりたいと思ってたのよ」

ことり「えへへ、そんな風に言ってもらえると嬉しいな…」

にこ「そう……?」

ことり「にこちゃん?どうかしたの?」

にこ「あっ…いや、それより次は洋服でも見に行かない?」

ことり「うん!」

319: 2016/02/19(金) 21:20:22.49 ID:iEY1pYda.net
服屋

ことり「わぁー!このお洋服かわいいー!」

にこ「いいわね」

ことり「…ねえにこちゃん」

にこ「なに?」

ことり「にこちゃんに似合いそうな服、私が選んであげてもいいかな?」

にこ「えっ?」

ことり「プレゼントしてあげるよ」

にこ「それは…ことりに悪いから…」

ことり「そんなことないよ、せっかくにこちゃんとお出かけできたんだもん!ケーキのお礼にプレゼントぐらいさせて!」

にこ「…本当にいいの?私なんかに……」

ことり「うん!」

にこ「……っ」

ことり「あっ、これはどうかな?」

にこ「これ?かわいいけど…にこには似合わないんじゃ?」

ことり「そうだね、これは真姫ちゃんって感じだね」

にこ「な、なんで真姫の名前が出てくるのよ!」

ことり「あっ!こっちは穂乃果ちゃんに似合いそう!花陽ちゃんにはこれかなー」

にこ「……」


――

320: 2016/02/19(金) 21:23:54.14 ID:iEY1pYda.net
ことり「あー、楽しかったね」

にこ「ことり…これ、ありがとう」

ピンクのパーカー「」

ことり「大事にしてね」

にこ「もちろんよ」

ことり「えへへ」

にこ「……」

ことり「にこちゃん、今どこに向かってるの?」

にこ「ああ、この辺にアクセサリーショップがあったはずなんだけど……あれ?」

ことり「道を間違えちゃった?」

にこ「…そうね、戻りましょうか」

ことり「そうだね」

にこ「ごめん……」

ことり「大丈夫だよ。でも、少しのどが渇いちゃって、飲み物を買ってもいい?」

にこ「あっ、だったら私買ってくるから!」タタタタッ

ことり「にこちゃっ……行っちゃった」

ことり「にこちゃん、私に気を使ってくれてありがとう。でもね……」

321: 2016/02/19(金) 21:25:36.36 ID:iEY1pYda.net
にこ「買ってきたわよー、レモンティーでいいかしら」

ことり「ありがとう!」

にこ「どういたしまして」

ことり「……」

にこ「さ、今度こそアクセサリーショップに行きましょ」

ことり「……」フリフリ

にこ「ことり?」

ことり「にこちゃん、もうやめよう?」

にこ「こっ、ことり?」

ことり「楽しく……ないんだよね?私と遊んでも」

にこ「そ、そんなわけないでしょ!楽しいに決まってるじゃない」

ことり「だったらそんな顔、しないでほしいかな」

にこ「えっ……」

ことり「全然楽しそうに見えないよ、悩んでるみたい」

にこ「……」

ことり「私ね…何となくわかってるんだ、にこちゃんの考えてること。真姫ちゃんのことだよね?」

にこ「なっ……」

322: 2016/02/19(金) 21:28:23.75 ID:iEY1pYda.net
ことり「真姫ちゃんが心配なんだよね。だから、真姫ちゃんが何してるのか、最近よく一緒にいる私から聞こうと思ったんだよね」

にこ「……ちがっ」

ことり「でもごめんね。私からはなんにも言えないよ」

にこ「…そう、気づいてたのね」

ことり「うん」

にこ「ことり…ごめんなさい」

ことり「どうして謝るの?」

にこ「だって私はあんたを騙して……ことりの純粋な気持ちを踏みにじって……」

ことり「そんなことないよ」

にこ「そんなことあるわよ!私は最低よ……」

ことり「…うーん、何て言えばいいのかなー?」

にこ「……?」

ことり「あのね、にこちゃんが思ってるほど私はピュアじゃないんだ」

にこ「どういうこと?」

323: 2016/02/19(金) 21:31:10.16 ID:iEY1pYda.net
ことり「初めからわかってたよ?にこちゃんは真姫ちゃんのことが気になってるんだって」

にこ「だっ、だったらどうして私に付き合って……」

ことり「チーズケーキが食べたかったから……かな?」

にこ「えっ?」

ことり「おいしかったよ、ごちそうさまでした!」

にこ「……」

ことり「あはは……」

にこ「……だめ、やっぱりあんたはわからないわ」

ことり「ええっ!?」

にこ「ことりと仲良くなりたいっていうのは嘘じゃなかったんだけど……でも」

ことり「でも?」

にこ「あんたが何考えてるのか全然わからないのよ。こんなんじゃ無理よね、仲良くなるなんて…」

ことり「どうして?私たちもう仲良しだよ?」

にこ「そうなの?」

ことり「そうだよ」

にこ「……じゃあそういうことでいいわ」

ことり「うん!」

324: 2016/02/19(金) 21:34:27.47 ID:iEY1pYda.net
にこ「はぁ……」

ことり「どうしたの?」

にこ「あんたといると疲れるわね…」

ことり「お疲れ様です」

にこ「…穂乃果も海未も、よく平気でいられるわね」

ことり「えー…にこちゃんひどいよー。そんなこと言うと、もう一緒に遊んであげないよ?」

にこ「はぁ……」

ことり「えへへ…」

にこ「ふふっ…」

ことり「ねえにこちゃん、今から行きたいところがあるんだけど……」

にこ「いいわ、どこでも連れて行ってあげる」

ことり「やったぁ!」

にこ「で、どこに行くの?カラオケ?ゲームセンター?それともアクセサリーショップ?」

ことり「ううん、もっといいところ」

にこ「どこよ?」

ことり「真姫ちゃんのところに行こっ!」

325: 2016/02/19(金) 21:37:10.44 ID:iEY1pYda.net
森の中

にこ「ちょっとことり、どこよここ。こんなとこに本当に真姫がいるの?」

ことり「うーん、多分まだいると思うんだけど……」

にこ「だってここ森の中よ?キャンプでもしてるの?」

ことり「キャンプとかじゃなくて…もっと危ないことなんだけど」

にこ「危ないこと?もしかして蜂退治とか!?」

ことり「蜂よりもっとすごいものを退治してるんだけど……」

ドゴーン

にこ「何今の音?!」

ことり「真姫ちゃんだ!」

にこ「ええ!?」

326: 2016/02/19(金) 21:40:45.36 ID:iEY1pYda.net
マキダー「さ、どこからでもかかってきなさい」

エイリアン1「グアァァ」

エイリアン2「グアァ」

マキダー「ふふっ、この私の虜にしてあげる」

マキダー「グランアンタレス」

マキダー「ハァァ!」バチン

エイリアン1「ギャァァァ」

ドカーン

マキダー「もう一発…」

エイリアン2「グァ」ピッカー

マキダー「っ!目くらまし…」

エイリアン2「」サササッ

マキダー「まずいわね、逃げられた……」

327: 2016/02/19(金) 21:42:15.43 ID:iEY1pYda.net
にこ「な、何よあれ……。まさかあれが……」

ことり「……」

にこ「真姫……なの?」

ことり「…うん」

ガサガサ

マキダー「!」

マキダー「あっ、あの二人……どうしてここに」

にこ「ちょっとあんた!」

マキダー「っ……」

にこ「真姫…なのね」

マキダー「……」

にこ「答えなさいよ!」

マキダー「……マキ?ダレノコトカシラ」

にこ「ふざけないで!見ればわかるわ!」

マキダー「……しょうがないわね」

ギュイン

真姫「ふう……」

328: 2016/02/19(金) 21:44:44.75 ID:iEY1pYda.net
真姫「なんでバレちゃったのかしら」

ことり(バレバレだと思うんだけどなぁ…)

にこ「どういうことなのか、説明してくれる?」

真姫「いやよ」

にこ「なんでよ!」

真姫「説明しても無駄だから」

にこ「はぁ?どういうこと?」

真姫「だって、あなたの記憶はここで消え……」

ことり「ダメだよ真姫ちゃん!」

真姫「ことり……」

ことり「真姫ちゃん、にこちゃんに話してあげて!」

真姫「ダメよ」

ことり「おねがぁい!」

真姫「……」

ことり「おねがい!おねがい!おねがぁい!」

にこ「真姫……お願い」

真姫「はぁ…一度しか言わないわよ……」

330: 2016/02/19(金) 21:49:27.90 ID:iEY1pYda.net
……


にこ「じゃあなに!?あんたはエイリアンと戦ってる改造人間ってことなの!?」

真姫「だからそういってるでしょ」

にこ「そんなの信じられるわけないじゃない!」

真姫「あなたもさっき見たでしょ、あれがエイリアンよ」

にこ「違うわ!」

ことり「に、にこちゃん?」

真姫「もう!信じないなら勝手にして」

ことり「にこちゃん、ちょっとは真姫ちゃんを信じてあげようよ」

にこ「いや、だって……そんなことありえないし」

ことり「うーん……」

にこ「でも、真姫の様子がおかしかったのもこれなら説明がつくし…」

ことり「そうだよ。真姫ちゃんだって好きで練習を休んでたわけじゃないんだよ?」

にこ「そりゃ何かあるとは思ってたけど。でも……」

真姫「……」

331: 2016/02/19(金) 21:51:41.49 ID:iEY1pYda.net
にこ「まあいいわ、とりあえず安心したわよ。悪いことをしてたわけじゃないみたいね」

ことり「そんなことするはずないよー」

にこ「でもね、ひとこと言わせてもらうけど…」

真姫「なによ?」

にこ「こんな大事なこと何で黙ってたの!真姫も!ことりも!」

ことり「それは……」

真姫「あなたたちを危険なことに巻き込みたくなかったからよ」

にこ「そんなの気にしないわよ!あんた一人で抱え込むなって言ってんの」

真姫「……」

ことり「それは…私もそう思うかな」

にこ「ことりはちょっと黙ってて」

ことり「え?」

332: 2016/02/19(金) 21:53:07.98 ID:iEY1pYda.net
にこ「真姫、なんでことりだけあんたの秘密を知ってたの?」

ことり「それは……私がエイリアンに襲われて、真姫ちゃんが助けてくれて……」

にこ「ことり、私は真姫に聞いてるの」

ことり「うん……」

真姫「……」

にこ「ことりには言えて、私たちには言えないってわけ?」

真姫「…そういうわけじゃないけど」

にこ「ことりと私、何が違うっていうのよ」

真姫「…何も違わないわよ。あなたもことりも私の大切な……」

にこ「だったら私たちを頼りなさいよ!」

真姫「……!」

にこ「わかった?あんた一人じゃ危なっかしいからね」

真姫「……」

にこ「さ、エイリアンを倒しに行くわよ」

ことり「……」

333: 2016/02/19(金) 21:56:20.82 ID:iEY1pYda.net
にこ「……」スタスタ

真姫「……」スタスタ

ことり「ねえ二人とも…」

にこ、真姫「なによ」

ことり「……なんでもない」

ガサッ

にこ「あっ、あれは!」

真姫「間違いないわね、下がってなさい」

真姫「超新星」バチバチ

マキダー「……」

エイリアン2「グャアア」

マキダー「ハァッ」バシッ

にこ「……」

マキダー「クッ」

エイリアン2「グワッッ」

334: 2016/02/19(金) 21:58:09.34 ID:iEY1pYda.net
にこ「本当に…戦ってるのね」

ことり「……うん」

にこ「つらかった…でしょうね…」

ことり「…そうかもね」

マキダー「これでトドメよ」

マキダー「ハァァァ…」

ガサガサ

ことり「真姫ちゃん後ろ!」

エイリアン3「グワァァ」

マキダー「なっ!?もう一体いたの!?」

エイリアン3「グォオォ」ブン

にこ「」タタタタッ

ことり「にこちゃん!?」

ドン

335: 2016/02/19(金) 21:59:37.89 ID:iEY1pYda.net
にこ「きゃあ!」

マキダー「にこちゃん…何やってるのよ!どうして私を庇って…」

にこ「言ったじゃない…はぁ…私を頼りなさいって。はぁ……あんたは安心して……前だけ見てればいいの。後ろには私がついてるから……ゲホッ」

真姫「でも……でも」

にこ「……うぅ」バタッ

ことり「にこちゃん!」

マキダー「ことり!にこちゃんをお願い!」

マキダー「早く!」

ことり「うん!」

336: 2016/02/19(金) 22:03:31.32 ID:iEY1pYda.net
マキダー「……」

エイリアン3「グワァァ」

エイリアン2「グワァァ」

マキダー「ふぅー……」バチバチ

シュンッ

エイリアン2「!」

マキダー「ハァ!」バシィィン

エイリアン2「ギャアアアァ」

ドカーン

エイリアン3「ヒッ……」

マキダー「後悔しなさい、私の友達を傷つけたことをね」

マキダー「スプラッシュサダクビア」

エイリアン3「ギャァァァ」

ドカーン



―――

337: 2016/02/19(金) 22:05:49.21 ID:iEY1pYda.net
真姫「ことり!にこちゃんは!」

ことり「大丈夫、気を失ってるだけだから」

真姫「にこちゃん、にこちゃん……」

ことり「真姫ちゃん……」



にこ「……ううっ」

真姫「にこちゃん!」

ことり「よかった……」

にこ「真姫……」

真姫「ごめんなさい…ごめんなさい」

にこ「……」

真姫「本当にごめんなさい」

にこ「……謝らないでよ。私が勝手にやったことなんだから」

真姫「うぅっ……」

338: 2016/02/19(金) 22:08:14.07 ID:iEY1pYda.net
にこ「私に言いたいことがあるんでしょ?ほら、早く言いなさいよ」

真姫「にこちゃん…ありがとう」

にこ「……どういたしまして」

真姫「大丈夫……なの?」

にこ「大したことないわよ。ちょっとあばらが痛むけどね」

ことり「良かったね二人とも!」

にこ「よーし!」タッ

にこ「これからどんどん真姫をサポートしていくわよー!」

にこ「エイリアンなんてこのにこにースマイルでいちころよ!」

ことり「あはは、にこちゃんなら本当にできちゃうかも…」

真姫「にこちゃん……」

にこ「なによ?」

真姫「ごめんなさい」

にこ「だから謝らないでって……え?」

ことり「真姫ちゃん!?」

ピッカー

339: 2016/02/19(金) 22:09:42.56 ID:iEY1pYda.net
にこ「あれ?真姫?こんなところで何してるの?」

真姫「別に、あなたこそどうしたの?」

にこ(あれ?私何して……思い出せない)

にこ「それより真姫!」

にこ(って、痛っ!あばら痛っ!なによこれ……)

真姫「なに?」

にこ「……なんでもないわ、じゃあね」

真姫「送っていきましょうか?」

にこ「別に、大丈夫よ」タタタッ

真姫「じゃあね、にこちゃん……気を付けてね」

340: 2016/02/19(金) 22:12:01.09 ID:iEY1pYda.net
ことり「……」

真姫「……さ、帰りましょうか」

ことり「待って」

真姫「……」

ことり「にこちゃんのこと、これでよかったの?」

真姫「ええ、あなたもわかってるでしょ?にこちゃんは私を庇って傷ついた」

ことり「…うん」

真姫「きっと、にこちゃんは何度でも私を助けてくれると思う。それがにこちゃんだから」

真姫「にこちゃんって…でしゃばりなのよね」

ことり「……うん」

真姫「だからこれでよかったの。これ以上にこちゃんが傷つくところなんて見たくないから」

ことり「でも…せっかく仲直りできたのに」

真姫「仲直り?」

341: 2016/02/19(金) 22:14:36.51 ID:iEY1pYda.net
ことり「真姫ちゃんとにこちゃん、あんまりうまくいってないみたいだったから……」

真姫「バカね、仲直りなんてすぐにできるわよ」

ことり「でも……」

真姫「ことりは心配しなくていいから」

ことり「真姫ちゃん、ちゃんとにこちゃんに謝る?」

真姫「謝るわよ」

ことり「本当に?」

真姫「本当よ」

ことり「うん……」



ことり(真姫ちゃんはにこちゃんの記憶を消しちゃった……。そうだよね、私もにこちゃんを危ないことに巻き込みたくないもん)

ことり(でも…にこちゃんだけじゃない。穂乃果ちゃんも海未ちゃんも、絵里ちゃんも希ちゃんもみんな記憶を消されちゃった)

ことり(消されてないのは私だけ……)

ことり「真姫ちゃんは私のこと、どう思ってるんだろう…?どうして私だけ……」



――

342: 2016/02/19(金) 22:21:48.06 ID:iEY1pYda.net
――

次の日 部室

絵里「……」ソワソワ

海未「……」ソワソワ

真姫「おはようにこちゃん……」

にこ「真姫、来たのね」

真姫「あの……」

にこ「…なによ?」

真姫「新曲、作ってみたから聞いてほしいんだけど…」

真姫「海未と一緒に、ある程度は歌詞もつけたから…」

にこ「……いいわよ」

真姫「ありがとう……」スッ

にこ「……」

♪♪♪

343: 2016/02/19(金) 22:22:46.55 ID:iEY1pYda.net
真姫「どう……かしら?」

にこ「真姫」

真姫「なに…?」

にこ「完璧よ!」

真姫「……!」

にこ「あんたすごすぎ!一日でこんな曲作ったの!?」

真姫「…まあね」

にこ「これならぁー、にこにーの魅力がぁー、120%引き出されちゃうかもー」

真姫「そうでしょ?にこちゃんにピッタリの曲だからね」

にこ「ほーんと、真姫ちゃんは私のことよくわかってるわねー」

真姫「当たり前でしょ。にこちゃんは……大切な友達なんだから」

にこ「真姫……」

真姫「練習、休んでばかりでごめんなさい。でも…今は理由は言えないの」

にこ「……」

真姫「いつか話すから……」

にこ「そう……」

真姫「ごめんなさい」

にこ「私こそ悪かったわ。あんたが言えないって言ってるのに、無理やり聞くことじゃなかったわね」

真姫「お互いさまってこと?」

にこ「そうね」

344: 2016/02/19(金) 22:24:05.25 ID:iEY1pYda.net
花陽「よかった、仲直りできたみたいだね」

凛「凛はわかってたよ、二人ともすっごく仲良しだってこと」

希「もうー、凛ちゃんが一番心配してたくせにー」

凛「そ、そんなことないよ!」

海未「とにかく一件落着ですね」

穂乃果「よかったー!」

絵里「ねえ真姫、私たちにも新曲を聞かせてくれない?」

希「にこっちがべた褒めした曲、どんな曲か気になるなー」

真姫「そうね、はい」スッ

絵里「結局、クールかキュートかどっちになったのかしら……」

345: 2016/02/19(金) 22:26:47.10 ID:iEY1pYda.net
♪デデデデ デデデデ デデデデ デデデッ
デーデッデー デーデデッデー
デーデッデー デーデデッデー

♪『フィーバー!!!』

希「うん?」

♪『おいで! おいで! 誘惑の Dance Again』

絵里「確かにいい曲だけど……」

♪『私は紅い 薔薇の姫よ』

ことり「これって……」

♪『この奇跡を 恋と呼ぶのね Hu!』

穂乃果「みんなで盛り上がれる曲じゃん!」

真姫「そうだけど?」

にこ「いやー、やっぱりにこにーの晴れ舞台には盛り上がる曲よね」

346: 2016/02/19(金) 22:29:19.38 ID:iEY1pYda.net
穂乃果「それ最初に私が言ったじゃん!あのときは二人ともダメだって言って…」

にこ「それにしてもいい曲よねー」

真姫「でっしょー!」

にこ「あれがあれであそこが……」

真姫「それがそれでその後……」

穂乃果「あれ?私無視されてる……なんで?」

海未「まあ、穂乃果ですから」

穂乃果「海未ちゃんひどくない?」

ことり「まあまあ穂乃果ちゃん、マカロンあげるから元気だして」

穂乃果「やったー!ありがとことりちゃん」

凛「た、単純すぎるにゃ」

希「そこが穂乃果ちゃんのかわいいところ」

347: 2016/02/19(金) 22:31:46.82 ID:iEY1pYda.net
にこ「特にこのー」

にこ「明日の ことは 忘れたいの にこっ!」♪

にこ「ってところがいいのよねー。この『にこっ!』が最高だと思わない?」

真姫「んー、そこもいいんだけどー」

真姫「眠らぬパッショネイト でしょ?」♪

真姫「の『でしょ?』の方がいいんじゃない?」

にこ「あー、そこもいいわねー」

真姫「そうよね」

にこ「でも一番は『にこっ!』よね」

真姫「いや、一番は『でしょ?』よ」

にこ「『にこっ!』よ」

真姫「『でしょ!』だわ」

にこ「にこっ!!」

真姫「でしょ!!」

348: 2016/02/19(金) 22:34:51.21 ID:iEY1pYda.net
海未「困りましたね……」

絵里「この流れは……」

花陽「また……?」

穂乃果「……」ソーッ

にこ、真姫「穂乃果!」

穂乃果「はいっ!?」

にこ、真姫「穂乃果はどっちだと思うの!?」

穂乃果「わ、私は『だよね!』が……」

にこ、真姫「それはない!」

穂乃果「うぅ…なんで私ばっかり」

ことり「穂乃果ちゃん……」

海未「さすがに穂乃果が可哀想になってきました」

穂乃果「海未ちゃーん!」ウルウル

海未「おまんじゅうをあげます」

穂乃果「あんこ飽きたー!」

海未「おいしいですよ?」

穂乃果「えー…まあ、海未ちゃんがそういうなら……あっ!イチゴが入ってる!海未ちゃんありがとうー!!」ニコニコ

海未「ふふっ、よかったですね」

349: 2016/02/19(金) 22:37:17.78 ID:iEY1pYda.net
にこ「もう、どうしてわからないのよー」

真姫「あなたの方こそ!」

にこ「くぅー!」

真姫「いいわ、決着をつけてあげる」

にこ「望むところよ!」

希「あー…また始まっちゃったね」

凛「え?なにが?」

希「なにってケンカが…」

凛「ちょっと寒くないかにゃ?ストーブつけようよ」

希「それは点火!」

凛「こぶしを効かせて歌おう あぁあぁ~あぁ~」

希「それは演歌!」

凛「海未ちゃん、昔警察に捕まったんだって」

希「それは前科!」

海未「捕まってません!」

凛「んんん~まろは関白でおじゃるぞ~!海未丸殿~!」

希「それは殿下!」

海未「ふざけている場合ではありませんよ!」

350: 2016/02/19(金) 22:40:47.81 ID:iEY1pYda.net
にこ「大体ねー、『でしょ』なんて3番目よ。まだ花陽の『たすけて』の方がいいわ」

真姫「そうね。『にこっ』より『たすけて』の方が何倍もいいわね」

にこ「はぁ?あんた、花陽の魅力をホントにわかってんの?」

真姫「当たり前でしょ」

にこ「いや、絶対私の方が花陽に詳しいわ」

真姫「何言ってるのよ、私の方が詳しいに決まってるでしょ?同じクラスなんだから。授業も一緒に受けてるし」

にこ「甘いわね。にこだけなのよ?花陽とアイドルを語り合えるのはね」

真姫「花陽がμ'sに入る決心をしたのは誰のおかげだと思ってるの?」

絵里「もう…何を争ってるのかわからないんだけど」

希「二人とも花陽ちゃんのことが大好きなんやね」

花陽「えへへ……うれしいな」

351: 2016/02/19(金) 22:43:08.95 ID:iEY1pYda.net
海未「しかしどうします?このままでは……」

花陽「そうだよ!真姫ちゃんとにこちゃんがまたケンカして……」

穂乃果「大丈夫だよ」

海未「穂乃果?」

ことり「うん、心配しないで」

花陽「でも……」

絵里「花陽、二人をよく見て…?」

花陽「えっ?」

花陽「……あっ!」

絵里「ね?」

352: 2016/02/19(金) 22:44:22.54 ID:iEY1pYda.net
にこ「この……釣り目で生意気なわからずや!」

真姫「バカ」

にこ「ぷぷっ、そんな小学生みたいなことしか言えないのー?」

真姫「バカ」

にこ「真姫ちゃん口げんかよっわー!」

真姫「チビ」

にこ「何ですって!?もう一回言ってみなさいよ!」

真姫「バカ」

にこ「そっちじゃなくて!ほら!」

真姫「……」

にこ「なんで急に黙ったのよ!」

真姫「チビ」

にこ「くぅー、また言ったわね!」

真姫「バーカ」ニコッ

にこ「あんたなんかに言われたくないわよこのバカ!」ニコッ

ことり「二人とも…あんなに楽しそうなんだもんね!♪」



フフッ ナニワラッテンノヨ!



つづく

353: 2016/02/19(金) 23:02:44.32 ID:iEY1pYda.net
番外編3

真姫「ねえことり、ちょっと相談があるんだけど…」

ことり「なぁに?」

真姫「この間、にこちゃんにマキダーが私だってバレちゃったじゃない?記憶を消したから問題ないけど、やっぱり正体が気づかれるのはよくないと思うのよね…」

ことり「ああ…そうだね」

真姫「どうしたらいいと思う?」

ことり「うん!そう思って作ってきたんだ!はいこれ」スッ

真姫「これは…?」

ことり「マキダーの衣装だよ!戦うとき用の!」

真姫「どうして衣装を…?」

ことり「だって、マキダーって制服を着て戦ってるんだもん!あれだと誰にでもバレちゃうよ?それに、制服が破けちゃったら真姫ちゃんも困っちゃうよね!」

真姫「ことり……」

ことり「今度からこれを着てみて!」

真姫「……」

ことり「真姫ちゃん?」

真姫「悪いんだけど…この衣装で戦うわけにはいかない」

354: 2016/02/19(金) 23:07:38.67 ID:iEY1pYda.net
ことり「えっ……ごめん、気に入らなかったかな?」

真姫「そうじゃないのよ。ただ、マキダーはあの制服じゃないと真の力を発揮できないの…あれには戦うための機能がいくつも備わっているからね」

ことり「戦うための…機能?」

真姫「そうよ、パンテオンブレザーは頑丈かつしなやかな形状によって物理攻撃を受け止めるし、ウィザードスカートは魔力によって外部からの衝撃を吸収する効果があるの。
ちなみに、ポケットはクラインの壺になっているから無尽蔵に物を入れることができるわ」

ことり「へ、へえー……。よくわからないけど、真姫ちゃんは普段からそんなにすごい制服を着てたんだね…」

真姫「普段から?もしかして気づいてないの?」

ことり「えっ?何のこと?」

真姫「しょうがないわね…よく見てなさい」

真姫「超新星!」バチバチ

マキダー「……」バーン

改造人間マキダーは1ミリ秒で超新星蒸着を完了する。では超新星のプロセスをもう一度見てみよう。

真姫「超新星!」バチバチ

西木野真姫の体に秘められた全エネルギーが感情の高まりとともに頂点に達した時、彼女は改造人間マキダーに瞬転する。
同時に、灼熱の太陽エネルギーが宇宙ステーションの増幅システムにスパークする。増幅された太陽エネルギーがソーラーメタル制服に転換され、マキダーに超新星蒸着するのだ。

マキダー「わかった?このマキダーの制服は変身した時に毎回宇宙から転送されて来てるのよ」

355: 2016/02/19(金) 23:08:52.02 ID:iEY1pYda.net
ことり「……なんで?」

ことり「なんで制服なの?わざわざ制服にしなくてよくない?」

マキダー「そういうもんなのよ」

ことり「……」

真姫「それに…」

マキダー「改造人間だからって…服を着なきゃ恥ずかしいでしょ//」

ことり「あっ、うん」

マキダー「そういうわけで、悪いんだけどこの衣装は…普段着にさせてもらうわ」

ことり「えっ、普段着?」

マキダー「だって…せっかくことりが作ってくれた服だから…」

ことり「……真姫ちゃん!」



番外編3「真姫ちゃんと変身プロセス」おわり

356: 2016/02/19(金) 23:15:32.30 ID:iEY1pYda.net
>>246
を見て番外編書いてみました
特撮ネタでもラブライブネタでも振ってもらえれば何か書くかもしれないです

つづきは明日

【ラブライブ】ことり「改造人間マキダー」【後編】

引用: ことり「改造人間マキダー」